JP2008223371A - 既設建築物に対する壁施工構造 - Google Patents

既設建築物に対する壁施工構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2008223371A
JP2008223371A JP2007064485A JP2007064485A JP2008223371A JP 2008223371 A JP2008223371 A JP 2008223371A JP 2007064485 A JP2007064485 A JP 2007064485A JP 2007064485 A JP2007064485 A JP 2007064485A JP 2008223371 A JP2008223371 A JP 2008223371A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
base
support member
foundation
synthetic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007064485A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Kuroishi
修 黒石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2007064485A priority Critical patent/JP2008223371A/ja
Publication of JP2008223371A publication Critical patent/JP2008223371A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

【課題】施工に要する時間を短縮して施工コストを安くでき、しかも耐震性や断熱性や遮音性を高め得る既設建築物に対する壁施工構造を提供する。
【解決手段】既設建築物の部屋の区画予定部位の上下に設けられた上部支持材32と下部支持材33間に、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体34を有する区画壁31を設け、下部支持材33の下方の地盤Gに、発泡合成樹脂成形体からなる基礎本体35を有する免震基礎36を埋設状に設け、下部支持材33を下側から支持する床束37を免震基礎36に立設した。
【選択図】図3

Description

本発明は、既設の木造建築物の大部屋を複数の小部屋に区画する区画壁を施工するのに好適な既設建築物に対する壁施工構造に関する。
田舎の古い木造建築物として、婚礼や葬式などの祭典を自宅で行えるように、襖や障子を取り外すと30畳以上の大きな間取りの部屋を有するものが数多く残っている。しかし、最近では、婚礼や葬式などの祭典は集会場や結婚式場などで行うことが多くなり、このような大部屋はほとんど使用されなくなりつつある。しかも、このような大部屋を襖や障子で仕切って小部屋にして使用する場合には、障子や襖の隙間から隙間風が入り易く、光熱費が嵩むとともに、プレイバシーを十分に守ることができず、現在の生活様式にそぐわない点でも、使い勝手の悪いものになっている。
そこで、最近では、このような木造建築物の大部屋を壁で仕切って、複数の小部屋に区画するリフォームが増えている。具体的な施工法としては、例えば、襖が設けられていた敷居と鴨居間に間柱を施工し、間柱間に小舞下地を施工した後、その上に小舞壁を施工する工法が広く実施されている。
一方、建築物の基礎構造として、発泡樹脂ブロックとコンクリート部とからなる複合体の上面に、独立フーチング部を有するコンクリート基盤を形成し、コンクリート部とコンクリート基盤とを結合させてなる独立基礎構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、道路標識や電柱などのように、下端部が地面に埋設固定される支柱を有する柱状構造物として、地中に埋設される発泡合成樹脂成形体からなる基礎と、基礎に形成した支柱挿入孔に遊嵌状態に挿入される支柱と、支柱挿入孔内面と支柱との間に形成される隙間に充填して硬化させたコンクリートからなる結合部とを備えた柱状構造物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2006−57297号公報 特開2000−282714号公報
前述のように既存の木造建築物に対して在来工法により壁を施工することが一般的に行われているが、通常、壁の施工作業は大工による手作業なので、施工に要する時間を短縮することが困難で、施工コストを現状よりも安くすることは至難であった。また、既存の木造建築物に、襖や障子に代えて壁を新設することから、建築物の耐震性や断熱性も多少高くなるものの、現在の建築設計に基づいて施工した建築物と比較すると、まだまだ満足し得るものではなかった。
本発明の目的は、施工に要する時間を短縮して施工コストを安くでき、しかも耐震性や断熱性や遮音性を高め得る既設建築物に対する壁施工構造を提供することである。
本発明に係る既設建築物に対する壁施工構造は、既設建築物の部屋の区画予定部位の上下に配置される上部支持材と下部支持材間に、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体を有する区画壁を設け、前記下部支持材の下方の地盤に、発泡合成樹脂成形体からなる基礎本体を有する免震基礎を埋設状に設け、前記下部支持材を下側から支持する床束を前記免震基礎に立設したものである。
この壁施工構造では、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体を有する区画壁で部屋を区画するので、区画壁を工場等で予め製作して、これを現場へ輸送し、木造建築物における部屋の区画予定部位に、区画壁を固定設置するだけで容易に施工することが可能となり、現場における作業を極力少なくして、区画壁の施工に要する時間を短縮し、区画壁の施工コストを大幅に安くできる。しかも、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体は、加工が容易なので、建付けの悪い建築物であっても、現場合わせで区画壁の寸法を調整して、区画予定部位に対して区画壁を隙間なく施工することが可能となる。また、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体は、断熱性及び遮音性に優れているので、区画した小部屋の断熱性及び遮音性を高めて、光熱費を節減できるとともに、小部屋使用者のプライバシーを保護できる。更に、下部支持材の下方の地盤に、発泡合成樹脂成形体からなる基礎本体を有する免震基礎を埋設状に設け、この免震基礎に下部支持材を下側から支持する床束を立設しているので、免震基礎により、新設した区画壁及びその周辺における免震性能を高めて、建築物の耐震性能を全体として向上できる。
ここで、前記区画壁を左右に隣接する複数の単位区画壁に分割構成し、隣接する単位区画壁間に、上下両端部を上部支持材と下部支持材とに固定した支柱を設け、この支柱の下方位置に前記免震基礎と床束を設けることが好ましい実施の形態である。このように構成すると、上部支持材と下部支持材とが支柱により連結されるとともに、この支柱が下部支持材及び床束を介して免震基礎に支持されることになるので、新設した区画壁及びその周辺における耐震性能を一層向上できる。
前記区画壁として、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体と、壁本体の外面に積層状に設けた壁下地材とを有するものを用いことも好ましい実施の形態である。この場合には、壁下地材が壁本体のカバー部材として機能するので、輸送時等における壁本体の破損を効果的に防止することができる。また、壁下地材に直接的に壁紙や塗り壁等を施工することができるので、区画壁の仕上げ作業の効率化を図ることができる。
前記免震基礎の基礎本体に床束の下部を埋設固定することも好ましい実施の形態である。この場合には、免震基礎に対する床束の組み付け強度を容易に向上できる。また、免震基礎に床束が一体的に設けられているので、現場における施工作業を軽減できる。
前記免震基礎として、発泡合成樹脂成形体からなる基礎本体にアンカー材を埋設固定したものを用い、このアンカー材に対して床束を立設固定することも好ましい実施の形態である。この場合には、床束として安価な汎用品を採用することが可能となる。また、免震基礎を現場へ輸送するときに、アンカー材から床束を切り離すことで、基礎本体から床束が出っ張ることを防止して、免震基礎の輸送効率を高めることができる。
前記床束の下部と基礎本体間又はアンカー材と基礎本体間に隙間を形成し、該隙間に基礎本体を構成する発泡合成樹脂体よりも硬質な硬化性充填材を充填して、床束又はアンカー材を基礎本体に固定することもできる。このように構成すると、床束の下部又はアンカー材を容易に且つ安価に基礎本体に固定することができる。また、硬化性充填材の硬化後は、床束と硬化性充填材又はアンカー材と硬化性充填材とが一体化するので、床束又はアンカー材を基礎本体に直接的に埋設する場合と比較して、基礎本体と床束又は基礎本体とアンカー材の接触面積を実質的に増大でき、地震などの外力が作用したときに、合成樹脂発泡体からなる基礎本体に局部的に大きな荷重が作用することを防止して、基礎本体の破損を防止できる。
前記硬化性充填材としては、モルタル又はコンクリートを用いることが、安価に入手できるので好ましいが、気泡や発泡合成樹脂粒子などを混合した軽量化モルタル又は軽量化コンクリートを用いることもできる。
区画壁の施工予定部位の上下に配置される上部支持材及び下部支持材は、既設建築物に対して新たに施工することも可能であるが、施工作業を軽減するため、既設建築物に備えられたものを活用することが好ましい。具体的には、前記上部支持材が梁と鴨居のいずれかであり、下部支持材が根太と大引きと足固めと敷居のいずれかであることが好ましい実施の形態である。
本発明に係る既設建築物に対する壁施工構造によれば、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体を有する区画壁で部屋を区画するので、区画壁を工場等で予め製作して、これを現場へ輸送し、木造建築物における部屋の区画予定部位に、区画壁を固定設置するだけで容易に施工することが可能となり、現場における作業を極力少なくして、区画壁の施工に要する時間を短縮し、区画壁の施工コストを大幅に安くできる。しかも、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体は、加工が容易なので、建付けの悪い建築物であっても、現場合わせで区画壁の寸法を調整して、区画予定部位に対して区画壁を隙間なく施工することが可能となる。また、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体は、断熱性及び遮音性に優れているので、区画した小部屋の断熱性及び遮音性を高めて、光熱費を節減できるとともに、小部屋使用者のプライバシーを保護できる。更に、下部支持材の下方の地盤に、発泡合成樹脂成形体からなる基礎本体を有する免震基礎を埋設状に設け、この免震基礎に下部支持材を下側から支持する床束を立設しているので、免震基礎により、新設した区画壁及びその周辺における免震性能を高めて、建築物の耐震性能を全体として向上できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
先ず、既存建築物の構成について簡単に説明すると、図1、図2に示すように、この建築物10は在来軸組工法により施工された木造建築物で、この木造建築物10には、例えば襖11で仕切られた8畳の4つの小部屋12が前後左右に隣接して設けられ、本発明に係る壁施工構造30を施工するリフォーム前においては、襖11を取り除くことで32畳の大部屋が形成されるように施工されている。
建築物10の基礎13上には土台14が略水平に設置され、土台14には各小部屋12の4隅に対応させて柱15が立設固定されている。隣接する前後左右の柱15の上部間には梁16が架設状に支持され、下部間には足固め17が架設状に支持され、梁16と足固め17とは略平行に設けられている。隣接する小部屋12の境界に配置される梁16の下方には一定間隔をあけて鴨居18が支持され、隣接する小部屋12の境界に配置される足固め17上には敷居19が設けられ、襖11は鴨居18と敷居19とにスライド自在保持されている。
左右の土台14には床束が前後に一定間隔おきに立設され、左右の土台14の床束上には大引き21が架設状に支持されている。大引き21上には前後方向に延びる根太22が左右に間隔をあけて嵌合固定され、根太22の端部は足固め17に嵌合固定されている。根太22上には粗床板23が敷設固定され、粗床板23上には畳24や木質系フローリング材が敷設されている。
次に、前記木造建築物10の左側2つの小部屋12の境界の区画予定部位に、襖11に代えて区画壁31を施工してなる壁施工構造30について説明する。尚、本発明は、大部屋を有する既設木造建築物であれば、任意の間取りの既設木造建築物に対しても適用することができる。
壁施工構造30は、図1〜図5に示すように、既設建築物10の大部屋の区画予定部位の上下に配置される上部支持材32と下部支持材33間に、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体34を有する区画壁31を設け、下部支持材33の下方の地盤Gに、発泡合成樹脂成形体からなる基礎本体35を有する免震基礎36を埋設状に設け、下部支持材33を下側から支持する床束37を免震基礎36に立設したものである。
上部支持材32及び下部支持材33としては、既設建築物10において上下に間隔をあけて配置される任意の構造材を利用することができる。具体的には、上部支持材32としては、既設の梁16と鴨居18のいずれかを利用でき、下部支持材33としては、既設の根太22と大引き21と足固め17と敷居19のいずれかを利用できる。また、上部支持材32及び下部支持材33を既設建築物10に対して新設することもできる。上部支持材32は下部支持材33の直上位置に配置されている。通常は、平行配置された略水平な上部支持材32と下部支持材33間に区画壁31を施工することになるが、上部支持材32が例えば屋根の傾斜方向に傾斜している場合にも本発明を適用することができる。この場合には、区画壁31の上端部を上部支持材32の傾斜方向に沿って切断することで、上下の支持材32、33間に組み付けることになる。本実施の形態では、既設の鴨居18及びその上側の壁25を除去して、鴨居18の上方に配置される梁16を上部支持材32として利用し、既設の敷居19を除去してその下側に配置される足固め17を下部支持材33として利用した場合のものである。但し、上下の支持材32、33として鴨居18と敷居19を利用すると、区画壁31の施工性を向上できるので好ましい。
区画壁31は、図4、図5に示すように、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体34と、壁本体34の前後両面に網状部材とモルタルとを積層状に設けてなる壁下地材38とを備え、区画壁31の施工後に壁下地材38に内装仕上げ材としての例えば塗り壁を施工できるように構成されている。但し、壁下地材38に代えて、壁本体34の前後両面に無機系接着剤でベニア板などの壁下地材を積層状に接着固定したものを採用し、該壁下地材に対して壁紙等を直接的に貼着できるように構成することも可能である。
区画壁31の高さは、下部支持材33に対する上部支持材32の高さと同じに設定され、厚さは敷居19の略幅と略同じに設定されている。また、区画予定部位の全幅を1枚ものの区画壁31で閉塞することもできるが、区画壁31の輸送性や組付性を考慮して、区画壁31を複数の単位区画壁39に分割構成し、複数の単位区画壁39を左右に併設させて、区画予定部位を閉塞することが好ましい。本実施の形態では、4枚の単位区画壁39を用いて隣接する左右の柱15と上下の支持材32、33とで形成される区画予定部位全体を閉塞することになるが、区画壁31と柱15の間に通路を形成したり、区画壁31に隣室への扉を形成したりすることもできる。
また、隣接する単位区画壁39の突合せ面の厚さ向の略中央部には上下方向に延びる半円状の溝部34aが形成され、隣接する単位区画壁39を突き合わせることによって溝部34aにより形成される上下方向の装着穴には、金属製又は合成樹脂製の丸パイプからなる支柱47が嵌合固定されている。支柱47の上端部は上部支持材32に固定され、下端部は下部支持材33に固定されており、この支柱47により、区画壁31の組付強度が高められるとともに、建築物10の耐震性能が高められるように構成されている。尚、支柱47としては、角パイプや角材、帯板などを採用することもできる。また、支柱47を省略して、隣接する単位区画壁39の側部同士を凹凸嵌合部により結合してもよい。更に、支柱47に対する単位区画壁39と同様に、区画壁31の両側に配置される単位区画壁39は区画予定部位の両側に配置される柱15に、また単位区画壁39の上下両端部は上下の支持材32、33に、それぞれ凹凸嵌合などにより固定することができる。
壁本体34を構成する発泡合成樹脂成形体の素材としては、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、又はポリウレタン等のポリウレタン系樹脂を採用できる。特に、コストパフォーマンス及び成形性などの観点から、発泡ポリスチレン系成形体を使用することが好ましい。発泡ポリスチレン系成形体を使用する場合、そのポリスチレン系樹脂は、通常のポリスチレン、すなわちスチレンモノマーのみを重合させたホモポリマーでもよく、又、スチレンモノマーに他のモノマーを共重合したコポリマーでもよく、更には一部合成ゴム又はゴムラテックス等を混合、又はグラフト重合もしくは共重合したハイ・インパクト・ポリスチレン等、各種スチレン系ポリマーを使用することができる。また、発泡ポリスチレンの場合は、発泡倍率を高めた成形体とした場合であっても、その気泡は独立気泡であるので、断熱性を向上する上で好ましい。壁本体34の製法としては、通常のビーズ発泡成形法でも、又は押出成形法でもよい。また、発泡倍率は、断熱性を高めるため、例えば40倍以上に設定することが好ましい。
壁本体34は、発泡合成樹脂成形体単独ではなく、その表面に補強部材を貼り付けたり、内部に補強部材を埋設状に設けたりして、発泡合成樹脂成形体と補強部材との複合体とすることができる。補強部材としては、金属メッシュ、金属板、金属筋、合成樹脂成形体、繊維強化合成樹脂成形体、ゴム又は木材等を採用できる。このような複合体は、発泡合成樹脂成形体に対して後付けすることもできるし、発泡合成樹脂成形体の成形時に同時成形によって一体的に設けることもできる。また、壁本体34として、発泡合成樹脂成形体に、合成繊維、炭素繊維、無機繊維、金属繊維又は木材チップ等の補強材を略均一に分散配置させたものを採用することもできる。
免震基礎36は、図1、図3、図5に示すように、支柱47の直下の地盤Gに埋設施工した発泡合成樹脂成形体からなる基礎本体35と、基礎本体35に埋設状に設けたアンカー材40とを備え、アンカー材40に立設固定した床束37を介して下部支持材33を支持するもので、基礎本体35を構成する発泡合成樹脂成形体の素材の免震作用により、地震による地盤Gと建築物10間の変位を吸収して、床束37や区画壁31の破損を防止し、建築物10全体の耐震性能を向上するものである。
基礎本体35は、直方体状の発泡合成樹脂成形体で構成され、基礎本体35の中央部には上下方向に延びる貫通穴41が形成され、貫通穴41には内側へ突出する4つの保持爪42が上下方向に連続して一体的に形成されている。但し、基礎本体35の外観形状は任意に設定可能で、例えば円柱状に形成することもできる。また、保持爪42の個数は、任意の個数に設定できるし、成形性を考慮すると、保持爪42は上下方向に連続的に形成することが好ましいが、上下に間隔をあけて形成することも可能であるし、省略することもできる。更に、図4に仮想線で示す位置で基礎本体35を分割構成して、図示外のベルトなどからなる締結具で一体化して使用することもできる。
アンカー材40は、基礎本体35の貫通穴41に装着した略円筒状の本体部43と、本体部43の上端部に固定した平板状の取付板44とを備え、金属材料や合成樹脂材料で構成されている。アンカー材40の本体部43と基礎本体35間には隙間45が形成され、この隙間45にはモルタル又はコンクリートなどからなる硬化性充填材46が充填されている。但し、本体部43の外観形状は任意に設定可能で、例えば角筒状に形成することもできる。また、本体部43として、上端部に鍔部を一体的に形成したものを用い、鍔部を取付板44の代わりに利用することもできる。更に、基礎本体35の保持爪42を省略して、アンカー材40に保持爪を形成し、この保持爪により、アンカー材40を貫通穴41に対して位置決めすることもできる。
この免震基礎36を組み立てる際には、アンカー材40の本体部43を基礎本体35の4つの保持爪42により、基礎本体35の貫通穴41の略中央部に位置決めした状態で、基礎本体35とアンカー材40間の隙間45に硬化性充填材46を充填し、硬化性充填材46を養生硬化させて組み立てることになる。この免震基礎36の組立作業は、現場における施工日数を短縮するため、工場等において予め行うことが好ましい。
基礎本体35を構成する発泡合成樹脂成形体の素材としては、壁本体34と同様に、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、又はポリウレタン等のポリウレタン系樹脂を採用できる。特に、コストパフォーマンスや成形性などの観点から、発泡ポリスチレン系成形体を使用することが特に好ましい。発泡ポリスチレンの場合は、発泡倍率を高めた成形体とした場合であっても、その気泡は独立気泡であるので、圧縮強度が高く力学的性質が優れているので好ましい。基礎本体35の製法としては、通常のビーズ発泡成形法でも、押出成形法でもよいが、高い圧縮強度が要求されるため、発泡倍率は、例えば通常10〜60倍程度の低発泡倍率の成形体が好ましい。
基礎本体35は、壁本体34と同様に、発泡合成樹脂成形体単独ではなく、前述した補強部材を表面に貼り付けたり、内部に埋設状に設けたりして、発泡合成樹脂成形体と補強部材との複合体とすることができる。また、基礎本体35として、発泡合成樹脂成形体に、合成繊維、炭素繊維、無機繊維、金属繊維又は木材チップ等の補強材を略均一に分散配置させたものを採用することもできる。
発泡ポリスチレン成形体等、一般に発泡合成樹脂成形体の表面は柔らかく、石その他の鋭角な物体と接触した場合は変形や損傷を起こし易いので、基礎本体35の外面を鉄板等の補強部材で被覆した複合体構造は、基礎本体35の損傷を防止するために好ましい。また、免震基礎36全体の比重が低いため、洪水等で水に浸かった場合、浮上して床束37を押し上げるおそれがあるが、比重を高め浮上を防止するために、比重の大きな補強部材、例えばコンクリートブロック又は比較的大きな鉄材等を入れた複合体とすることもできる。
尚、図6に示す免震基礎36Aのように、貫通穴41に代えて有底穴41Aを有する基礎本体35Aに形成し、この有底穴41Aにアンカー材40を装着することも可能である。また、硬化性充填材46に代えて、接着剤により、アンカー材40を基礎本体35に固着することもできる。更に、硬化性充填材46を省略して、アンカー材40をインサート成形などにより直接的に基礎本体35に埋設することもできる。また、更に、図7に示す免震基礎36Bのように、鉄筋を溶接接合してなるアンカー材40Bを用い、これを基礎本体35Bにインサート成形することも可能である。
床束37は、相互に逆方向の螺子溝を形成した螺子孔を両端部に有するパイプ部材50と、パイプ部材50の螺子孔にそれぞれ螺合する螺子棒51と、上下の螺子棒51の端部にそれぞれ固定した上部固定部材52と下部固定部材53とを備えた周知の構成の鋼製束で構成され、下部固定部材53を免震基礎36の取付板44にボルト等で固定して、免震基礎36に立設固定され、パイプ部材50を回転操作することで、上下の螺子棒51を伸長又は収縮させて、上部固定部材52で上部支持材32を支持するものである。但し、床束37としては、周知の構成の鋼製束を採用することができるし、木製の床束を採用することも可能である。
尚、本実施の形態では、床束37を免震基礎36の取付板44にボルト等により固定したが、床束37の下部固定部材53を免震基礎36に埋設させて一体的に組み付けることもできる。具体的には、図9、図10に示す免震基礎36Cのように、発泡合成樹脂成形体からなる直方体状に基礎本体35Cを設け、この基礎本体35Cの中央部に貫通穴41Cを形成するとともに、貫通穴41Cの中央部側に突出する4つの保持爪42Cを形成し、基礎本体35Cの貫通穴41Cに発泡合成樹脂成形体からなる嵩上げ部材55を嵌合させ、その上に床束37の下部固定部材53を保持爪42Cで位置決めしながら設置し、この状態でコンクリートやモルタルなどからなる硬化性充填材56を貫通穴41Cの上部に充填して、床束37の下部を免震基礎36Cに一体的に固定することもできる。また、嵩上げ部材55に代えて、コンクリートやモルタルなどからなる硬化性充填材を基礎本体35Cの上端部付近まで充填し、その上側に床束37を立設してから、硬化性充填材56を充填することもできるし、基礎本体35Cと嵩上げ材55とを一体成形品で構成することもできる。また、図8に示すように、嵩上げ部材55又は嵩上げ部材に代えて充填される硬化性充填材に、螺子棒からなるアンカー57を埋設状に設け、このアンカー57に床束37の下部固定部材53を固定することも好ましい実施の形態である。
次に、この壁施工構造30の施工方法について説明する。
先ず、区画予定部位を挟んでその両側に配置される2つの小部屋12の畳24を上げるとともに粗床板23を取り外し、区画予定部位の敷居19を除去するとともに、鴨居18及びその上側の壁25を除去する。次に、単位区画壁39と支柱47とを区画予定位置に対してその一側から交互に組み付けて、支柱47の上下両端部を上部支持材32と下部支持材33とに順次固定して、区画予定部位に対して区画壁31を施工することになる。
一方、各支柱47の直下の地盤Gに穴を掘り、この穴に免震基礎36を施工する。そして、免震基礎36の取付板44に床束37を立設固定して、床束37のパイプ部材50を回転操作し、上部固定部材52を下部支持材33に圧接させてから、上部固定部材52を下部支持材33に釘やボルトなどで固定し、区画壁31と免震基礎36と床束37とを施工した後、粗床板23を組み付け直すとともに畳24を敷き直し、区画壁31の施工を完了することになる。但し、免震基礎36及び床束37を施工してから、区画壁31を施工することも可能である。
このように施工してなる壁施工構造30では、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体34を有する区画壁31で小部屋12を区画するので、区画壁31を工場等で予め製作して、これを現場へ輸送し、木造建築物10における部屋の区画予定部位に、区画壁31を設置して固定するだけで容易に施工することが可能となり、現場における作業を極力少なくして、区画壁31の施工に要する時間を短縮し、区画壁31の施工コストを大幅に安くできる。しかも、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体34は、加工が容易なので、建付けの悪い建築物であっても、現場合わせで区画壁31の寸法を調整して、区画予定部位に対して区画壁31を隙間なく施工することが可能となる。また、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体34は、断熱性に優れているので、区画した小部屋12の断熱性を高めて、光熱費を節減できる。更に、下部支持材33の下方の地盤Gに、発泡合成樹脂成形体からなる基礎本体35を有する免震基礎36を埋設状に設け、この免震基礎36に下部支持材33を下側から支持する床束37を立設しているので、免震基礎36により、新設した区画壁31及びその周辺における免震性を高めて、建築物10の耐震性能を全体的に向上できる。
既存建築物における要部の縦断正面図 既存建築物における要部の横断平面図 図1のIII−III線断面図 図3のIV−IV線断面図 図1のV−V線断面図 他の構成の免震基礎の縦断面図 他の構成の免震基礎の縦断面図 他の構成の免震基礎の縦断面図 図8のIX−IX線断面図
符号の説明
10 既設建築物 11 襖
12 小部屋 13 基礎
14 土台 15 柱
16 梁 17 足固め
18 鴨居 19 敷居
21 大引き 22 根太
23 粗床板 24 畳
25 壁
30 壁施工構造 31 区画壁
32 上部支持材 33 下部支持材
34 壁本体 34a 溝部
35 基礎本体 36 免震基礎
37 床束 38 壁下地材
39 単位区画壁 40 アンカー材
41 貫通穴 42 保持爪
43 本体部 44 取付板
45 隙間 46 硬化性充填材
47 支柱
50 パイプ部材 51 螺子棒
52 上部固定部材 53 下部固定部材
35A 基礎本体 36A 免震基礎
41A 有底穴
35B 基礎本体 36B 免震基礎
40B アンカー材
35C 基礎本体 36C 免震基礎
41C 貫通穴 42C 保持爪
55 嵩上げ部材 56 硬化性充填材
57 アンカー

Claims (8)

  1. 既設建築物の部屋の区画予定部位の上下に配置される上部支持材と下部支持材間に、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体を有する区画壁を設け、
    前記下部支持材の下方の地盤に、発泡合成樹脂成形体からなる基礎本体を有する免震基礎を埋設状に設け、
    前記下部支持材を下側から支持する床束を前記免震基礎に立設した、
    ことを特徴とする既設建築物に対する壁施工構造。
  2. 前記区画壁を左右に隣接する複数の単位区画壁に分割構成し、隣接する単位区画壁間に、上下両端部を上部支持材と下部支持材とに固定した支柱を設け、この支柱の下方位置に前記免震基礎と床束を設けた請求項1記載の既設建築物に対する壁施工構造。
  3. 前記区画壁として、発泡合成樹脂成形体からなる壁本体と、壁本体の外面に積層状に設けた壁下地材とを有するものを用いた請求項1又は2記載の既設建築物に対する壁施工構造。
  4. 前記免震基礎の基礎本体に床束の下部を埋設固定した請求項1〜3のいずれか1項記載の既設建築物に対する壁施工構造。
  5. 前記免震基礎として、発泡合成樹脂成形体からなる基礎本体にアンカー材を埋設固定したものを用い、アンカー材に対して床束を立設固定した請求項1〜3のいずれか1項記載の既設建築物に対する壁施工構造。
  6. 前記床束の下部と基礎本体間又はアンカー材と基礎本体間に隙間を形成し、該隙間に基礎本体を構成する発泡合成樹脂体よりも硬質な硬化性充填材を充填して、床束又はアンカー材を基礎本体に固定した請求項1〜5のいずれか1項記載の既設建築物に対する壁施工構造。
  7. 前記硬化性充填材がモルタル又はコンクリートである請求項6記載の既設建築物に対する壁施工構造。
  8. 前記上部支持材が梁と鴨居のいずれかであり、下部支持材が根太と大引きと足固めと敷居のいずれかである請求項1〜7のいずれか1項記載の既設建築物に対する壁施工構造。
JP2007064485A 2007-03-14 2007-03-14 既設建築物に対する壁施工構造 Pending JP2008223371A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007064485A JP2008223371A (ja) 2007-03-14 2007-03-14 既設建築物に対する壁施工構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007064485A JP2008223371A (ja) 2007-03-14 2007-03-14 既設建築物に対する壁施工構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008223371A true JP2008223371A (ja) 2008-09-25

Family

ID=39842298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007064485A Pending JP2008223371A (ja) 2007-03-14 2007-03-14 既設建築物に対する壁施工構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008223371A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111441400A (zh) * 2020-04-08 2020-07-24 四川省建筑科学研究院有限公司 一种既有建筑基础隔震加固方法
CN114934689A (zh) * 2022-05-24 2022-08-23 江苏鸿基节能新技术股份有限公司 一种建筑隔震加固装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111441400A (zh) * 2020-04-08 2020-07-24 四川省建筑科学研究院有限公司 一种既有建筑基础隔震加固方法
CN114934689A (zh) * 2022-05-24 2022-08-23 江苏鸿基节能新技术股份有限公司 一种建筑隔震加固装置
CN114934689B (zh) * 2022-05-24 2024-01-30 江苏鸿基节能新技术股份有限公司 一种建筑隔震加固装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6178714B1 (en) Modular temporary building
CN102449246B (zh) 建筑物及建造建筑物的方法
US9399867B2 (en) Concrete panel corner connection
US20080115455A1 (en) Foam core panel for prefabricated buildings
US8769900B2 (en) Building construction system
US20160053486A1 (en) Panel for a building structure, a building system and a building structure having the building panel
US20050262786A1 (en) Concrete foundation wall with a low density core and carbon fiber and steel reinforcement
KR101277751B1 (ko) 프리캐스트 블록과 그 블록을 이용한 중저층 보-기둥 건물의 리모델링 보강공법
KR101178168B1 (ko) 건축물의 장스팬 고하중용 아이엠티 슬래브
KR101850948B1 (ko) 친환경 거푸집 모듈 및 이를 이용한 목조 건축물의 시공 방법
CN116547432A (zh) 建筑组件、由其形成的建筑物结构及其构造方法
KR101407502B1 (ko) 모듈러 건축물의 접합구조 및 그 접합시공방법
JP2011132765A (ja) 床の補強方法および補強構造
JP2008223371A (ja) 既設建築物に対する壁施工構造
KR101677467B1 (ko) 건축골격용 프레임 및 이를 이용한 건축물의 시공방법
JP2019214882A (ja) 建物の玄関構造
RO122681B1 (ro) Set de panouri structurale pentru realizarea unei construcţii civile şi procedeu de realizare a construcţiei
KR20070053375A (ko) 프리캐스트 콘크리트 조립식박스를 이용한 건축물 제조 및시공방법
JP7216369B2 (ja) 木造耐震シェルター及び耐震補強構造
WO2012060863A2 (en) Wall panel construction and method for in situ assembly
JP2011032862A (ja) 水平スリット材を用いた外壁の施工方法および外壁構造
KR101925956B1 (ko) 벽체 시공용 블록 및 중공형 판재 기둥을 이용한 코너 연결구조
US8341907B1 (en) Structurally reinforced modular buildings
KR102109900B1 (ko) 형틀 없는 콘크리트공법 및 철근 콘크리트 구조체
JP6944818B2 (ja) コンクリート体の構築方法