JP6861409B2 - 加熱された飲料又は食品を収容する容器の断熱層の形成に用いる断熱層形成用組成物及び加熱された飲料又は食品を収容する容器の断熱層の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、断熱性を有する化粧シート等の形成に用いられる組成物であって、バインダー樹脂100質量部に対して、中空粒子10〜120質量部、および溶剤もしくは分散剤50〜5000質量部が配合されている断熱性層形成用塗料組成物が開示されている。
また、特許文献2には、断熱性紙容器等の形成に用いられる断熱紙が開示されており、この断熱紙は、パルプを主原料とする紙基材の少なくとも片面に、アクリル樹脂を含む水溶液に空洞を有する中空粒子が分散している塗工組成物を用いて得られたことが記載されている。
1.皮膜形成用樹脂、膨張開始温度が80℃〜150℃である熱膨張性マイクロカプセル、アルコール及び水を、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、18〜40質量%、5〜22質量%、7〜20質量%及び30〜56質量%含有することを特徴とする断熱層形成用組成物。
2.上記皮膜形成用樹脂は、ガラス転移温度が−70℃〜−50℃のポリウレタン樹脂を含む上記項1に記載の断熱層形成用組成物。
3.上記熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性の樹脂材料からなる外殻の内部に、液体化合物が内包されたものである上記項1又は2に記載の断熱層形成用組成物。
4.上記アルコールがイソプロピルアルコールを含む上記項1乃至3のいずれか一項に記載の断熱層形成用組成物。
5.断熱材の製造方法であって、
上記項1乃至4のいずれか一項に記載の断熱層形成用組成物を、基材の表面に塗布する工程と、得られた塗膜を加熱して、アルコール及び水を蒸発させるとともに、該塗膜に含まれる熱膨張性マイクロカプセルを膨張させつつ皮膜化する工程とを、順次、備えることを特徴とする断熱材の製造方法。
本発明の断熱層形成用組成物は、保管中又は使用中に、特定の成分、例えば、熱膨張性マイクロカプセルが沈降して均一性が低下することを抑制することができ、保存安定性に優れる。従って、皮膜形成用樹脂及び熱膨張性マイクロカプセルの分散性が良好であるため、断熱材の製造時において、基材に塗布した場合には、皮膜形成用樹脂及び熱膨張性マイクロカプセルが均一に分布した塗膜が得られ、膨張カプセルのサイズのばらつきの小さい断熱層を備える断熱材を効率よく製造することができる。このような断熱材は、建築材料、電気製品、食品、衣料、自動車等の分野で広く利用することができる。
本発明の断熱層形成用組成物は、接着性改良剤、充填剤、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、難燃剤、帯電防止剤、防カビ剤、着色剤等の他の成分を含有することができる。
カルボキシル基を有するジオールとしては、α,α’−ジメチロールアルカン酸(グリセリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールペンタン酸等)、ジオキシマレイン酸、ジオキシフマル酸、酒石酸、2,6−ジオキシ安息香酸、4,4−ビス(ヒドロキシフェニル)吉草酸、4,4−ビス(ヒドロキシフェニル)酪酸等が挙げられる。
ポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合したポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA等の飽和又は不飽和の低分子量グリコールと、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸又はこれらに対応する酸無水物とを脱水縮合反応させて得られたポリエステルポリオール;ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、リシントリイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水添化XDI、水添化MDI等の脂環式イソシアネート;上記イソシアネート化合物のウレタン変性体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビューレット変性体、ウレア変性体、イソシアヌレート変性体、オキサゾリドン変性体、イソシアネート基末端プレポリマー等の変性イソシアネート等が挙げられる。
他の使用方法としては、剥離可能なシート等の表面に塗膜を形成した後、得られた塗膜を加熱することにより、熱膨張性マイクロカプセルを体積膨張させ、皮膜形成用樹脂からなる母相の中に膨張カプセルからなる分散相を含む膨張カプセル含有樹脂皮膜の単体を製造することができる。
上記基材は、有機材料及び無機材料のいずれを含むものでもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。本発明においては、紙、樹脂フィルム、樹脂成形体、無機材料成形体等が好ましく用いられる。
表面外観性に優れ、断熱性に優れた皮膜の形成に好適な塗膜の厚さは、通常、20μm以上、好ましくは30〜100μm、より好ましくは40〜80μmである。上記のように、本発明の断熱層形成用組成物は、保存安定性に優れ、熱膨張性マイクロカプセル等の特定の成分が沈降する等の不具合が抑制されるため、得られる塗膜に含まれる熱膨張性マイクロカプセルは、全体に渡って均一に分布している。
塗膜の加熱方法は、特に限定されず、塗膜を所定の加熱温度条件下に曝す方法、塗膜を常温から所定の加熱温度まで昇温する方法等とすることができる。尚、上記の所定の加熱温度及びその加熱時間は、皮膜形成用樹脂の種類、熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度等により、適宜、選択される。塗膜の加熱温度は、通常、100℃以上、好ましくは120℃〜150℃である。また、塗膜の加熱時間は、通常、30〜180秒間、好ましくは45〜120秒間である。このような加熱処理により、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させ、塗膜の厚さに対して、好ましくは4〜16倍、より好ましくは7〜14倍の厚さの膨張カプセル含有樹脂皮膜を得ることができる。この膨張カプセル含有樹脂皮膜の厚さは、好ましくは200〜1000μm、より好ましくは300〜800μmである。また、この膨張カプセル含有樹脂皮膜に含まれる膨張カプセルのサイズ(平均径)は、好ましくは30〜100μm、より好ましくは50〜80μmである。
実施例及び比較例で用いた原料は、以下の通りである。
下記樹脂成分を含むアルコール水溶液、水分散液又は水溶液を用いた。
(1)ポリウレタン樹脂のアルコール水溶液(A1)
ガラス転移温度が−60℃であるポリウレタン樹脂35質量%、イソプロピルアルコール9質量%及び水56質量%を含む荒川化学社製ポリウレタン樹脂「ユリアーノ W321」(商品名)を用いた。
(2)ポリウレタン樹脂の水分散液(A2)
ガラス転移温度が−38℃であるポリウレタン樹脂50質量%及び水50質量%を含む第一工業製薬社製非反応型ポリウレタン樹脂「スーパーフレックス E2000」(商品名)を用いた。
(3)アクリル樹脂の水溶液(A3)
ガラス転移温度が21℃であるアクリル樹脂40質量%を含む水溶液を用いた。
アクリロニトリル・メタクリレート共重合体からなる外殻の内部にイソブタンを含む、膨張開始温度が90℃であり、粒子径が3〜30μm(平均径10μm)である熱膨張性マイクロカプセルを用いた。
1−3.消泡剤
シリコーン化合物を用いた。
表1に従って、断熱層形成用組成物を製造した。そして、断熱層形成用組成物及び基紙を用いて、断熱紙を製造した。
78質量部のポリウレタン樹脂のアルコール水溶液(A1)と、12質量部の熱膨張性マイクロカプセルと、0.05質量部の消泡剤と、10質量部の20%イソプロピルアルコール水溶液とを混合して、断熱層形成用組成物(S1)を得た。この組成物を25℃で24時間静置し、保存安定性を評価した。分離、沈降若しくは増粘のないもの、あるいは、分離又は沈降があるが、攪拌すれば良好な分散状態となるものを「○」、分離若しくは沈降があり、撹拌しても元に戻らないもの、又は、増粘若しくはゲル化するものを「×」とした。
次に、厚さ275μmの基紙に、バーコート法により、組成物を塗布(塗膜の厚さ:50μm)し、大気中140℃で60〜90秒間加熱し、塗膜を乾燥させるとともに、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させ、厚さ445〜505μmの皮膜(断熱層)を有する断熱紙を得た(図2参照)。得られた皮膜は、基紙に対して、密着性に優れていた。
その後、電子顕微鏡により、この断熱紙の表面観察を行い、皮膜が、n=10として算出された平均径が65μmである膨張カプセルを含むこと、及び、良好な発泡状態を有することを確認した(図3参照)。そして、断熱性を評価するため、図4に示す内容積200mLのポリプロピレン樹脂製カップ(市販品)30の側面全体に、上記断熱紙20の断熱層23側の面を貼り合わせて加熱飲料用の保温カップ50を作製した(図5参照)。次いで、この保温カップ50に熱湯(93℃)を注ぎ、上記内容積の約90%に相当する量(約180mL)となった瞬間の基紙21側の面の温度を、放射温度計により測定したところ、71.7℃であった。尚、断熱紙20を貼り合わせずにポリプロピレン樹脂製カップ30に熱湯(93℃)を注ぎ、側面の温度を測定した場合、89.7℃であった。
表1に記載の原料を混合して、断熱層形成用組成物(S2)〜(S7)を製造し、その後、実施例1と同様にして、断熱紙及び保温カップを得た。そして、各種評価を行った。その結果を表1に示す。
Claims (4)
- 皮膜形成用樹脂、膨張開始温度が80℃〜150℃である熱膨張性マイクロカプセル、アルコール及び水を、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、18〜40質量%、5〜22質量%、7〜20質量%及び30〜56質量%含有し、上記皮膜形成用樹脂は、ガラス転移温度が−70℃〜−50℃のポリウレタン樹脂であり、上記アルコールは、イソプロピルアルコールであることを特徴とする、加熱された飲料又は食品を収容する容器の断熱層の形成に用いる断熱層形成用組成物。
- 上記成分の合計を100質量%とした場合に、上記皮膜形成用樹脂、上記熱膨張性マイクロカプセル、上記アルコール及び上記水の含有量が、それぞれ、25〜30質量%、9.5〜16質量%、8.5〜13.5質量%及び42〜53質量%である請求項1に記載の断熱層形成用組成物。
- 上記熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性の樹脂材料からなる外殻の内部に、液体化合物が内包されたものである請求項1又は2に記載の断熱層形成用組成物。
- 加熱された飲料又は食品を収容する容器の断熱層の製造方法であって、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の、加熱された飲料又は食品を収容する容器の断熱層の形成に用いる断熱層形成用組成物を、基材の表面に塗布する工程と、得られた塗膜を加熱して、アルコール及び水を蒸発させるとともに、該塗膜に含まれる熱膨張性マイクロカプセルを膨張させつつ皮膜化する工程とを、順次、備えることを特徴とする加熱された飲料又は食品を収容する容器の断熱層の製造方法。
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