JP6861363B2 - Ni基金属間化合物合金及びその製造方法 - Google Patents

Ni基金属間化合物合金及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6861363B2
JP6861363B2 JP2017034735A JP2017034735A JP6861363B2 JP 6861363 B2 JP6861363 B2 JP 6861363B2 JP 2017034735 A JP2017034735 A JP 2017034735A JP 2017034735 A JP2017034735 A JP 2017034735A JP 6861363 B2 JP6861363 B2 JP 6861363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
intermetallic compound
alloy
based intermetallic
compound alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017034735A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018141187A (ja
Inventor
憲樹 長尾
憲樹 長尾
雄介 菊池
雄介 菊池
祐宏 林
祐宏 林
隆幸 高杉
隆幸 高杉
泰幸 金野
泰幸 金野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
University Public Corporation Osaka
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
University Public Corporation Osaka
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd, University Public Corporation Osaka filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2017034735A priority Critical patent/JP6861363B2/ja
Priority to US15/901,941 priority patent/US10526688B2/en
Publication of JP2018141187A publication Critical patent/JP2018141187A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6861363B2 publication Critical patent/JP6861363B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/10Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of nickel or cobalt or alloys based thereon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C1/00Making non-ferrous alloys
    • C22C1/02Making non-ferrous alloys by melting
    • C22C1/023Alloys based on nickel
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C19/00Alloys based on nickel or cobalt
    • C22C19/03Alloys based on nickel or cobalt based on nickel

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Description

本発明は、初析Ni3Al相(以下、「L12相」ともいう)と(Ni3Al+Ni3V)共析組織(以下、「(L12+D022)共析組織」ともいう)とからなる2重複相組織を形成する組成域にあるNi、Al、Vを基本構成元素として含有するNi基金属間化合物合金及びその製造方法に関する。
例えば、航空機の動力源に用いられるタービン等は、800℃を超える高温環境でも十分な強度や硬さ(耐摩耗性)を有し、且つ軽量で耐酸化性に優れた高温構造材料から形成される必要がある。特許文献1には、このような要望に応え得る高温構造材料として、初析L12相と(L12+D022)共析組織とを有する2重複相組織からなるNi基金属間化合物合金が提案されている。
また、特許文献2、3には、それぞれ、Nb、Moを構成元素として含むNi基金属間化合物合金が記載されている。該特許文献2、3に報告されているように、Nbを添加したときには高温環境下での強度が向上し、Moを添加したときには硬さや引張強度が向上する。
特開2006−299403号公報 再公表WO2007/086185号 特開2016−160495号公報
特許文献2、3に記載されるように、2重複相組織からなるNi基金属間化合物合金の強度を向上することは可能である。しかしながら、その他の諸特性についてさらなる向上が要請されている。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、延性が特に優れるNi基金属間化合物合金及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、初析L12相と(L12+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有し、且つ前記2重複相組織を形成する組成域のNi、Al、Vを基本構成元素として含有し、
さらに、Zr又はHfの少なくともいずれか一方を含有し、
前記基本構成元素と、Zr又はHfの少なくともいずれか一方とを少なくとも含む組成の合計が100at%であるNi基金属間化合物合金が提供される。
また、本発明の別の一実施形態によれば、初析L12相と(L12+D022)共析組織とからなる2重複相組織を形成する組成域にあるNi、Al、Vからなる基本構成元素に対してZr又はHfの少なくともいずれか一方が添加され、前記基本構成元素と、Zr又はHfの少なくともいずれか一方とを少なくとも含む組成の合計が100at%である合金に対して第1熱処理を行ってA1相(面心立方構造のNi固溶体相)の単相を得る工程と、
前記単相とした前記合金に初析L12相を析出させることで、初析L12相とA1相との共存組織とした後、A1相を(L12+D022)共析組織に変化させる第2熱処理を行うことで、前記2重複相組織を有するNi基金属間化合物合金を得る工程と、
を有するNi基金属間化合物合金の製造方法が提供される。なお、「at%」は原子パーセントを意味する。
このNi基金属間化合物合金では、初析L12相と(L12+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有する。換言すれば、Ni基金属間化合物合金は、基本構成元素であるNi、Al、Vを、上記の2重複相組織を形成することが可能な組成域で含有する。このような組成域は、例えば、Al:5.0〜13.0at%、V:10.0〜18.0at%、Ni:60.0at%以上(残部)である。
そして、本発明においては、Zr又はHfの少なくともいずれか一方が添加されている。Zr、Hfは、特にNiとともに化合物を形成する。この化合物は、粒界に晶出する粒界晶出物である。この粒界晶出物によって、前記2重複相組織からなる結晶粒界の一部又は全部が、化合物と前記2重複相組織からなる界面に置き換わることにより、粒界割れが起こることが抑制される。従って、Ni基金属間化合物合金が延性に優れたものとなる。
しかも、Zr、Hfは、前記2重複相組織中に一定量固溶する。このため、Ni基金属間化合物合金は、強度も優れたものとなる。
Zr又はHfの添加量は、合計で1.5at%以下であることが好ましい。すなわち、Zr又はHfを単独で用いる場合、Zr及びHfの双方を用いる場合のいずれにおいても、好適な最大組成は1.5at%である。合計で1.5at%を超えるZr又はHfを添加すると、化合物が粗大となり、粒界割れを抑制することが容易でなくなることがある。
Ni基金属間化合物合金は、さらに、Nb又はMoの少なくともいずれか一方を含有するものであることが好ましい。この場合、強度が一層優れたものとなるからである。
Nb又はMoを添加する場合、その添加量は2.5at%以下とすることが好ましい。
Ni基金属間化合物合金は、さらに、1.5at%以下のCを含有することが好ましい。Cは、Zr又はHfとともに炭化ジルコニウム、炭化ハフニウムを生成する。これらの炭化物も、粒界晶出物として粒界に晶出する。この炭化物も、粒界割れの抑制に寄与する。すなわち、靭性が一層向上する。なお、Cが1.5at%を超えると、炭化物が粗大となり粒界割れを抑制することが容易でなくなることがある。
Ni基金属間化合物合金は、さらに、Bを含有することが好ましい。Bは、特に室温付近で粒界割れが起こることを抑制することにより、延性を向上させる。なお、Bの添加量は0.02〜0.1at%とするとよい。0.1at%を超えると、低融点相が生成するために高温での強度等が小さくなることがある。
また、第2熱処理は、例えば、第1熱処理の後に自然冷却を行うか、又は、所定の冷却速度で連続的に冷却することで行うことが可能である。第1熱処理も同様に、自然冷却を行うか、又は、所定の冷却速度で連続的に冷却することで行うことができる。
本発明によれば、基本構成元素であるNi、Al、Vによって形成される、初析L12相と(L12+D022)共析組織とからなる2重複相組織に、Zr又はHfの少なくともいずれか一方を含有するようにしている。Zr、Hfが主にNiと化合物を形成するとともに、該化合物が粒界に存在することにより、粒界割れが起こることが抑制される。このため、延性に優れたNi基金属間化合物合金が得られる。しかも、前記の固溶によって強度も向上する。
本発明の実施の形態に係るNi基金属間化合物合金の2重複相組織を模式的に示した組織図である。 Zrを添加したNi基金属間化合物合金の、低角度側のX線回折プロファイルである。 Ni3V−Ni3Al疑二元系状態図である。 実施例1〜20及び比較例の合金(試験片)の割れ発生歪み及び強度を示す図表である。 図5A及び図5Bは、実施例3の金属組織の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図6A及び図6Bは、実施例4の金属組織のSEM写真である。 引張試験によって求められた実施例5、6及び比較例の試験片の伸びを示すグラフである。 図8A及び図8Bは、実施例5の試験片の引張試験後の破断面のSEM写真である。 図9A及び図9Bは、実施例6の試験片の引張試験後の破断面のSEM写真である。
以下、本発明に係るNi基金属間化合物合金につき、その製造方法との関係で好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
先ず、Ni基金属間化合物合金の2重複相組織につき、図1を参照して説明する。なお、図1においては、2重複相組織16の一部を拡大して模式的に示している。
Ni基金属間化合物合金10は、初析L12相12と、(L12+D022)共析組織14とからなる2重複相組織16を有する。L12相はNi3Alであり、D022相はNi3Vである。このように、Ni基金属間化合物合金10は、2重複相組織16として、最密充填構造からなる2種の金属間化合物を複相とすることで、単相の金属間化合物に比して優れた延性や靱性を備え、且つ高温環境下でも良好な強度や硬さを示す。
初析L12相12は略立方体形状であり、一方、(L12+D022)共析組織14は、初析L12相12同士の間隙であるチャンネル部に形成される。すなわち、2重複相組織16は、初析L12相12とチャンネル部とからなる上部複相組織と、(L12+D022)共析組織14からなる下部複相組織とを備えて構成されているともいえる。
このNi基金属間化合物合金10は、2重複相組織16を出現させることが可能な組成域のNi、Al、Vを基本構成元素として含有する。ここで、2重複相組織16を出現させることが可能な組成域は、例えば、Al:5.0〜13.0at%、V:10.0〜18.0at%、Ni:60.0at%以上である。なお、各添加量は、全元素の組成の合計を100at%としたときの割合である。
Ni基金属間化合物合金10は、さらに、Zr又はHfの少なくともいずれか一方を含有する。すなわち、Ni基金属間化合物合金10は、少なくとも4元系合金である。
Ni基金属間化合物合金10は、Cを含有することが好ましく、Nb又はMoの少なくともいずれか一方を構成元素として含有することが一層好ましい。さらに、Co等のその他の金属元素やBを含有していてもよい。
図2は、Zrを添加したNi基金属間化合物合金10のX線回折プロファイルである。回折角度(2θ)が37°〜47°の間に出現するピーク中、「×」で示したピークのプロファイルは、Ni7Zr2のプロファイルに略合致する。また、SEM−EPMAによる定量分析を行った結果、粒界に第2相の粒子が存在するとともに、その組成がNi7Zr2であることが認められる。
すなわち、上記したような組成において、Zr又はHfは、主にはNiとともに化合物を形成すると認められる。また、Cが存在するときには、それぞれ、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウムとなる。場合によっては、Zr、Hf及びCで複合炭化物を形成することもある。これら化合物ないし炭化物は、粒界に存在する粒界第2相粒子であり、その粒径は概ね1〜100μmの範囲内、典型的には10〜50μmの範囲内である。
このような粒界第2相粒子が存在することから、いわゆる粒界割れが起こることが抑制される。従って、Ni基金属間化合物合金10は、延性に優れたものとなる。しかも、炭化物又は粒界第2相粒子の形成に関与しないZr、Hfは、2重複相組織16中に固溶する。このため、Ni基金属間化合物合金10は、固溶強化によって強度にも優れる。
Zr又はHfの添加量は、合計で1.5at%以下であることが好ましい。
Cは、上記したようにZr又はHfとともに粒界晶出物を形成して粒界割れを抑制する。また、2重複相組織16中に固溶する。すなわち、Cは、Zr又はHfと同様に、Ni基金属間化合物合金10の靭性及び強度を向上させる。
Ni基金属間化合物合金10がNbを構成元素として含有する場合、室温から高温に至る全温度領域での強度が向上する。また、Moを構成元素として含有する場合、硬さや引張強度が向上する。なお、Nb又はMoの添加量は、合計で2.5at%以下とすることが好ましい。さらに、Cが共存する場合、これらは炭化物を生成する。
Bは、特に室温付近で粒界割れが起こることを抑制する。これにより、延性を向上させる。Bの割合は、0.02〜0.1at%の範囲内であることが好ましい。
上記のように構成されるNi基金属間化合物合金10の製造方法としては、例えば、溶解鋳造法や粉末冶金法等を採用することができる。以下、Ni基金属間化合物合金10の基本構成元素であるNi3V−Ni3Al擬二元系状態図である図3を参照し、Ni基金属間化合物合金10の製造方法について説明する。なお、図3中の横軸はAl量(at%)、縦軸は温度(℃)を表す。
はじめに、例えば、基本構成元素(Ni、Al、V)と、Zr又はHfの少なくともいずれか一方の各金属の地金を、添加量を上記の数値範囲内として混合し、さらに溶解して溶湯とする。勿論、NbやMo、C、B等を添加するようにしてもよい。この溶湯を冷却して凝固させれば、合金からなる鋳塊が得られる。
小型アーク炉を用いて溶解を行った場合等は、溶湯が鋳塊となるまでの冷却速度(凝固速度)が比較的大きく、組織と成分元素の分布が不均質であることがある。そこで、次に、鋳塊に対して第1熱処理を施す。この第1熱処理により溶体化及び均質化が進行し、その結果、合金の組織が、面心立方構造(fcc)であるA1相からなる単相組織となる。換言すれば、第1熱処理における加熱温度や保持時間等は、溶体化及び均質化が進行してA1相の単相組織が得られる条件に設定すればよい。なお、A1相は、規則的な構造ではない、換言すれば、不規則構造のNi固溶体相である。
次に、第2熱処理を行う。すなわち、溶体化及び均質化が終了した鋳塊を、初析L12相12とA1相とが共存する領域、及び初析L12相12とA1相とD022相とが共存する領域の両方又はいずれか一方を経てから、共析温度以下に達するように冷却する。これにより、A1相から初析L12相12が析出するとともに、初析L12相12の間隙(チャンネル部)に残留したA1相がD022相とL12相に共析変態する。
その結果、図1に示すように、初析L12相12及びチャンネル部からなる上部複相組織と、(L12+D022)共析組織14からなる下部複相組織とが形成される。すなわち、第2熱処理により、上部複相組織と下部複相組織とからなる2重複相組織16を有するNi基金属間化合物合金10を得ることができる。
なお、図3からも、例えば、Al量が5.0at%〜13.0at%の範囲内(V:10.0〜18.0at%、残部のNi:60.0at%以上)であれば、上記の第1熱処理及び第2熱処理を行うことで、比較的容易に2重複相組織16を形成できることが分かる。
第1熱処理と第2熱処理は、連続的に行うことも可能である。この場合、加熱炉内で第1熱処理を施した後の合金を、該加熱炉内で、所定の速度で共析温度まで冷却すればよい。
Ni基金属間化合物合金10を得る別の手法としては、真空誘導溶解等の鋳造法が挙げられる。
このように、合金をさらに冷却して共析温度以下とする過程を第2熱処理として、上部複相組織及び下部複相組織のそれぞれを形成することができる。その結果、2重複相組織16を有するNi基金属間化合物合金10が得られるに至る。
以上の製造方法のいずれにおいても、第2熱処理の際、所定の温度を2段階保持するようにしてもよい。この場合、1段階目の保持温度は共析温度よりも高温とし、2段階目の保持温度は共析温度よりも低温とする。1段階目の温度保持によって上部複相組織が形成され、2段階目の温度保持によって下部複相組織が形成される。
第1熱処理及び第2熱処理はともに、凝固後の放冷(自然冷却)、又は任意の冷却速度による連続冷却とすることも可能である。
図4に示す添加量となるように、Ni、Al、V、Zr、Hf、Nb、Mo、C、Ti、Co、Cr、Bの各地金を、合計が100at%となるように混合した。その後、小型アーク炉を用いて各地金を溶解し、さらに第1熱処理と第2熱処理を施して、ゲージ部が直径8mm×長さ12mmである所定の形状の試験片を得た。各々を実施例1〜20とする。
また、Zr及びHfを双方とも含有せず、且つNbを3at%含む合金を同一形状の試験片として得た。これを比較例とする。
なお、第1熱処理は、加熱炉内を真空として合金を1280℃の加熱温度で5時間保持することで行った。また、第2熱処理は、第1熱処理の後、冷却速度を10℃/分とする連続的な冷却によって行った。
以上の試験片につきSEM観察を行った。実施例3の金属組織のSEM写真を図5A及び図5Bに示すとともに、実施例4の金属組織のSEM写真を図6A及び図6Bに示す。なお、図5B及び図6Bは、反射電子像である。
図5A及び図6Aを参照すると、立方体状の初析Ni3Alとチャンネルからなる2重複相組織が観察される。すなわち、これらのSEM写真から、初析L12相12と(L12+D022)共析組織14とからなる2重複相組織16を有していることが確認される。なお、残余の実施例1、2、5〜20についても同様であった。
また、図5B及び図6Bにおいて、参照符号aで示す若干粗大な黒色粒子、及び参照符号bで示す若干微細な白色粒子を同定すると、いずれも炭化物であることが認められた。さらに、図5B中の参照符号cで示す粗大な粒子を同定すると、金属化合物であった。すなわち、参照符号cで示した粒子は、第2相化合物粒子であると判断される。
次に、実施例1〜20及び比較例の各試験片を用い、各々の延性を評価した。具体的には、上記の試験片に対し、800℃、歪み速度8.3×10-5-1の条件下で圧縮試験を行い、割れが発生したときの歪み量と0.2%耐力を求めた。歪み量の値が大きい程、延性に優れて破壊が生じ難いこと、換言すれば、靭性が良好であることを意味する。
結果を、図4に併せて示す。Zr及びHfを含有していない比較例と、Zr又はHfの少なくともいずれか一方を含有する実施例1〜20とを対比し、実施例1〜20の延性が大きいことが明らかである。すなわち、基本構成元素に対してZr又はHfの少なくともいずれか一方を添加することにより、延性を向上させることが可能となる。
図4からは、Nb又はMoとCが共存することにより、0.2%耐力が大きくなることも分かる。換言すれば、基本構成元素と、Zr又はHfに加え、Nb又はMoとCをさらに添加することにより、延性(靭性)及び強度が優れたNi基金属間化合物合金を得ることができる。
以上とは別に、実施例5、6の各試験片を用い、800℃で真空中にて歪み速度を1.66×10-4-1として引張試験を行った。また、実施例5、6及び比較例の各試験片につき、800℃で大気中にて歪み速度を8.3×10-5-1として引張試験を行った。伸びをグラフとして図7に示す。
図7から、実施例5、6では比較例に比べて伸びが大きいこと、また、雰囲気に関わらず高温で優れた伸びを示すことが分かる。このことから、Zr又はHfの少なくともいずれか一方を添加することにより、延性を向上させることが可能となることが明らかである。
図8A及び図8B、図9A及び図9Bは、それぞれ、実施例5、6の試験片の引張試験後の破断面のSEM写真である。破断面がディンプル状となっていることが観察されることから,延性的な破壊が生じていることが確認される。
本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10…Ni基金属間化合物合金 12…初析L12
14…(L12+D022)共析組織 16…2重複相組織

Claims (11)

  1. 初析L12相と(L12+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有し、且つ前記2重複相組織を形成する組成域のNi、Al、Vを基本構成元素として含有し、
    さらに、Zr又はHfの少なくともいずれか一方を0.25〜1.5at%含有し、
    前記基本構成元素と、Zr又はHfの少なくともいずれか一方とを少なくとも含む組成の合計が100at%であり、
    Zr又はHfが、化合物の形態で粒界に存在する粒界晶出物であることを特徴とするNi基金属間化合物合金。
  2. 請求項1記載の金属間化合物合金において、さらに、Nb又はMoの少なくともいずれか一方を含有することを特徴とするNi基金属間化合物合金。
  3. 請求項記載の金属間化合物合金において、Nb又はMoの少なくともいずれか一方の添加量が2.5at%以下であることを特徴とするNi基金属間化合物合金。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属間化合物合金において、さらに、1.5at%以下のCを含有することを特徴とするNi基金属間化合物合金。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属間化合物合金において、0.02〜0.1at%のBをさらに含むことを特徴とするNi基金属間化合物合金。
  6. 初析L12相と(L12+D022)共析組織とからなる2重複相組織を形成する組成域にあるNi、Al、Vからなる基本構成元素に対してZr又はHfの少なくともいずれか一方が0.25〜1.5at%添加され、前記基本構成元素と、Zr又はHfの少なくともいずれか一方とを少なくとも含む組成の合計が100at%である合金に対して第1熱処理を行ってA1相の単相を得る工程と、
    前記単相とした前記合金に初析L12相を析出させることで、初析L12相とA1相との共存組織とした後、A1相を(L12+D022)共析組織に変化させる第2熱処理を行うことで、前記2重複相組織を有するとともに、Zr又はHfが、化合物の形態で粒界晶出物として粒界に存在するNi基金属間化合物合金を得る工程と、
    を有することを特徴とするNi基金属間化合物合金の製造方法。
  7. 請求項記載の製造方法において、前記第2熱処理は、前記第1熱処理の後に自然冷却を行うか、又は所定の冷却速度で連続的に冷却する工程であることを特徴とするNi基金属間化合物合金の製造方法。
  8. 請求項6又は7記載の製造方法において、前記合金として、Nb又はMoの少なくともいずれか一方がさらに添加されたものを得ることを特徴とするNi基金属間化合物合金の製造方法。
  9. 請求項記載の製造方法において、Nb又はMoの少なくともいずれか一方を、添加量が2.5at%以下となるように添加することを特徴とするNi基金属間化合物合金の製造方法。
  10. 請求項のいずれか1項に記載の製造方法において、前記合金として、1.5at%以下のCがさらに添加されたものを得ることを特徴とするNi基金属間化合物合金の製造方法。
  11. 請求項10のいずれか1項に記載の製造方法において、前記合金として、0.02〜0.1at%のBがさらに添加されたものを得ることを特徴とするNi基金属間化合物合金の製造方法。
JP2017034735A 2017-02-27 2017-02-27 Ni基金属間化合物合金及びその製造方法 Active JP6861363B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017034735A JP6861363B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 Ni基金属間化合物合金及びその製造方法
US15/901,941 US10526688B2 (en) 2017-02-27 2018-02-22 Nickel-based intermetallic alloy and method for producing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017034735A JP6861363B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 Ni基金属間化合物合金及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018141187A JP2018141187A (ja) 2018-09-13
JP6861363B2 true JP6861363B2 (ja) 2021-04-21

Family

ID=63245662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017034735A Active JP6861363B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 Ni基金属間化合物合金及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10526688B2 (ja)
JP (1) JP6861363B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6033498A (en) * 1997-08-29 2000-03-07 United Defense, L.P. Thermal processing of nickel aluminide alloys to improve mechanical properties
JP5127144B2 (ja) 2005-03-25 2013-01-23 公立大学法人大阪府立大学 2重複相組織からなるVおよびTiを含有するNi3Al基金属間化合物及びその製造方法,耐熱構造材
EP1976440A4 (en) * 2006-01-12 2012-09-19 Vascuring Ab APPARATUS AND METHOD OF ANASTOMOSIS
US7615156B2 (en) * 2006-01-20 2009-11-10 Markus Johannes Lenger Device for in situ bioremediation of liquid waste
WO2007086185A1 (ja) 2006-01-30 2007-08-02 Osaka Prefecture University Public Corporation 2重複相組織を有するNi3Al基金属間化合物及びその製造方法,耐熱構造材
US20090308507A1 (en) * 2006-09-26 2009-12-17 Kazuyoshi Chikugo Ni-BASED COMPOUND SUPERALLOY HAVING EXCELLENT OXIDATION RESISTANCE, METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME, AND HEAT-RESISTANT STRUCTURAL MATERIAL
JP2014169474A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 F Tech Inc 高温耐摩耗性部材
JP6607680B2 (ja) * 2015-03-03 2019-11-20 本田技研工業株式会社 Mo添加Ni基金属間化合物合金及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US10526688B2 (en) 2020-01-07
US20180245191A1 (en) 2018-08-30
JP2018141187A (ja) 2018-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6499546B2 (ja) 積層造形用Ni基超合金粉末
JP5652730B1 (ja) Ni基超耐熱合金及びその製造方法
JP2018168400A (ja) Ni基合金積層造形体の熱処理方法、Ni基合金積層造形体の製造方法、積層造形体用Ni基合金粉末、およびNi基合金積層造形体
WO2014142089A1 (ja) 耐熱性Ni基合金及びその製造方法
JP6687118B2 (ja) TiAl合金及びその製造方法
KR102443966B1 (ko) Ni기 합금 연화 분말 및 해당 연화 분말의 제조 방법
TWI557233B (zh) NiIr基底之耐熱合金及其製造方法
KR20200002965A (ko) 석출 경화성의 코발트-니켈 베이스 초합금 및 이로부터 제조된 물품
JP2017179592A (ja) Ni基超耐熱合金の製造方法
WO2020195049A1 (ja) Ni基超耐熱合金の製造方法およびNi基超耐熱合金
JP6358503B2 (ja) 消耗電極の製造方法
JP2018087362A (ja) Ni基超合金素材の製造方法
JP2019537665A (ja) チタンを含まない超合金、粉末、方法および部品
JP2017514998A (ja) 析出硬化ニッケル合金、前記合金でできた部品、及びその製造方法
JP2011052239A (ja) O相基耐熱チタン合金およびその製造方法
WO2015079558A1 (ja) ケイ化ニオブ基複合材並びにこれを用いた高温部品及び高温熱機関
JP5733729B2 (ja) Nb及びCを含むNi基2重複相金属間化合物合金及びその製造方法
JP6861363B2 (ja) Ni基金属間化合物合金及びその製造方法
WO2015182454A1 (ja) TiAl基鋳造合金及びその製造方法
JP7226536B2 (ja) TiAl合金及びその製造方法
JP7188577B2 (ja) TiAl合金の製造方法及びTiAl合金
JP5733728B2 (ja) Ti及びCを含むNi基2重複相金属間化合物合金及びその製造方法
JP5757507B2 (ja) Reが添加されたNi基2重複相金属間化合物合金及びその製造方法
JP6189855B2 (ja) ケイ化ニオブ基複合材並びにこれを用いたガスタービン用タービン動翼、ガスタービン用タービン静翼及び高温部品並びに当該高温部品を用いたガスタービン、ジェットエンジン及び高温熱機関
JP6607680B2 (ja) Mo添加Ni基金属間化合物合金及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20190920

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6861363

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250