JP7226536B2 - TiAl合金及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、TiAl合金及びその製造方法に関する。
TiAl(チタンアルミナイド)合金は、TiとAlとの金属間化合物で形成されている合金である。TiAl合金は、耐熱性に優れており、Ni基合金よりも軽量で比強度が大きいことから、タービン翼等の航空機用エンジン部品等に適用されている。このようなTiAl合金には、CrとNbとを含有するTiAl合金が用いられている(特許文献1参照)。
特開2013-209750号公報
ところで、タービン翼等のTiAl合金部品を軽量化するためには、TiAl合金をより高強度化して比強度を大きくする必要がある。しかし、従来のTiAl合金では、機械的強度と延性とをバランスよく向上させて高強度化することは難しく、延性を大きくすると機械的強度が低下する可能性がある。
そこで本開示の目的は、TiAl合金の機械的強度と延性とをバランスよく向上させることが可能なTiAl合金及びその製造方法を提供することである。
本開示に係るTiAl合金は、48原子%以上50原子%以下のAlと、3原子%以上5原子%以下のNbと、0.1原子%以上0.3原子%以下のBと、を含有し、残部がTiと不可避的不純物とからなり、室温引張破断強度が400MPa以上であり、室温引張破断歪みが1.0%以上である
本開示に係るTiAl合金において、Alの含有率は、49原子%としてもよい。
本開示に係るTiAl合金において、金属組織は、ラメラ粒とγ粒とから構成されており、Nbの偏析がないとよい。
本開示に係るTiAl合金において、前記金属組織は、ラメラ粒とγ粒との合計の体積率を100体積%としたとき、ラメラ粒の体積率が80体積%以上であってもよい。
本開示に係るTiAl合金は、室温のビッカース硬さが、200HV以上であってもよい。
本開示に係るTiAl合金において、800℃、負荷応力150MPaのとき、200時間経過後のクリープ歪みが2%以下であってもよい。
上記構成のTiAl合金及びその製造方法によれば、TiAl合金の機械的強度と延性とをバランスよく向上させることが可能となる。
本開示の実施形態において、タービン翼の構成を示す図である。 本開示の実施形態において、引張試験結果を示すグラフである。 本開示の実施形態において、参考例4から8のTiAl合金の金属組織観察結果を示す写真である。 本開示の実施形態において、実施例2から4、参考例9、10のTiAl合金の金属組織観察結果を示す写真である。 本開示の実施形態において、熱間等方加圧処理前のTiAl合金のビッカース硬さ測定結果を示すグラフである。 本開示の実施形態において、熱間等方加圧処理後のTiAl合金のビッカース硬さ測定結果を示すグラフである。 本開示の実施形態において、引張試験結果を示すグラフである。 本開示の実施形態において、クリープ試験結果を示すグラフである。 本開示の実施形態において、酸化試験後の断面観察結果を示す写真である。
以下に本開示の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。本開示の実施形態に係るTiAl(チタンアルミナイド)合金は、48原子%以上50原子%以下のAlと、3原子%以上5原子%以下のNbと、0.1原子%以上0.3原子%以下のBと、を含有し、残部が、Tiと不可避的不純物とから構成されている。次に、TiAl合金を構成する各合金成分の組成範囲を限定した理由について説明する。
Al(アルミニウム)は、機械的強度と、室温延性等の延性を向上させる機能を有している。Alの含有率は、48原子%以上50原子%以下である。Alの含有率が48原子%より小さいと、延性が低下する。Alの含有率が50原子%より大きくなると、延性が低下する。また、Alの含有率が50原子%より大きくなると、凝固過程がα単相領域(α凝固)からγ単相領域(γ凝固)に変化するので、柱状晶が形成され、異方性を生じる可能性がある。Alの含有率を48原子%以上50原子%以下とすることにより、凝固過程をα単相領域(α凝固)にすることができるので異方性が抑制される。また、Alの含有率を49原子%とすることにより、機械的強度と延性とをより向上させることができる。
Nb(ニオブ)は、耐酸化性と機械的強度とを向上させる機能を有している。Nbの含有率は、3原子%以上5原子%以下である。Nbの含有率が、3原子%より小さい場合には、耐酸化性と高温強度とが低下する。Nbの含有率が5原子%より大きい場合には、室温延性等の延性が低下する。また、Nbの含有率が5原子%以下の場合には、Nbの偏析を抑制することができる。Nbの偏析が生じると、機械的強度や延性が低下する可能性がある。
B(ホウ素)は、結晶粒を微細化することにより、室温延性等の延性を高める機能を有している。Bの含有率は、0.1原子%以上0.3原子%以下である。Bの含有率が0.1原子%より小さくなると、結晶粒が粗大化して延性が低下する。Bの含有率が0.3原子%より大きくなると、衝撃特性が低下する場合がある。Bの含有率を0.1原子%以上0.3原子%以下とすることにより、結晶粒径が200μm以下の微細な結晶粒で構成されているので、延性を向上させることができる。
Bは、後述する熱間等方加圧処理により、結晶粒内に微細な硼化物を析出させて、機械的強度を向上させる機能を有している。微細な硼化物は、粒径が0.1μm以下のものを含んで形成されている。微細な硼化物は、TiB、TiB等で構成されている。結晶粒内に微細な硼化物が析出することにより、引張強度、疲労強度、クリープ強度等の機械的強度を向上させることができる。
TiAl合金の残部は、Tiと不可避的不純物とから構成されている。不可避的不純物とは、意図的に添加しなくても混入する可能性がある不純物である。TiAl合金は、Cr(クロム)を含有していないので、機械的強度の低下を抑制できる。TiAl合金は、V(バナジウム)を含有していないので、機械的強度の低下や耐酸化性の低下を抑制できる。TiAl合金は、Mo(モリブデン)を含有していないので比強度の低下を抑制できる。
次に、本開示の実施形態に係るTiAl合金の製造方法について説明する。
TiAl合金の製造方法は、48原子%以上50原子%以下のAlと、3原子%以上5原子%以下のNbと、0.1原子%以上0.3原子%以下のBと、を含有し、残部が、Tiと不可避的不純物とからなるTiAl合金原料を溶解して鋳造する鋳造工程を備えている。このTiAl合金原料を、真空誘導炉等で溶解して鋳造し、インゴット(鋳塊)等を形成する。TiAl合金原料の鋳造には、一般的な金属材料の鋳造で用いられている鋳造装置を使用することができる。
このTiAl合金は、従来のTiAl合金よりも凝固温度が低いので、鋳造時に湯廻り性を向上させることができる。これにより、タービン翼等のTiAl合金部品を、ネットシェイプやニアネットシェイプで形成することができるので、製造コストを低減することが可能である。また、このTiAl合金によれば、スーパーヒートを取る必要がないので、鋳造性が向上する。このTiAl合金は、凝固過程が、α単相領域を通過する(α凝固)。これによりTiAl合金の柱状晶の発生を防止して、異方性を抑制することができる。
TiAl合金の製造方法は、鋳造したTiAl合金を、1250℃以上1350℃以下、1時間以上5時間以下、158MPa以上186MPa以下で熱間等方加圧(HIP)し、熱間等方加圧後に900℃まで炉冷し、900℃以下で急冷して熱間等方加圧処理する熱間等方加圧処理工程を備えていてもよい。熱間等方加圧処理により、ボイド等の鋳造欠陥の抑制と、金属組織の制御とを行うことができる。
より詳細には、鋳造したTiAl合金を、1250℃以上1350℃以下、1時間以上5時間以下、158MPa以上186MPa以下で熱間等方加圧することにより、主に、鋳造したTiAl合金に含まれるボイド等の内部欠陥などの鋳造欠陥を抑制できる。また、熱間等方加圧後に圧力を開放して900℃まで炉冷し、900℃以下で急冷することにより、主に、金属組織を制御することができる。なお、900℃からの急冷は、空冷以上の冷却速度とするとよく、ガスファン冷却等で行うことが可能である。
TiAl合金の製造方法は、熱間等方加圧処理したTiAl合金を、800℃以上950℃以下で1時間以上5時間以下保持して応力除去する応力除去工程を備えていてもよい。熱間等方加圧処理したTiAl合金を熱処理して応力除去することにより、残留応力等を除去することができる。これによりTiAl合金の延性を、更に向上させることができる。
熱間等方加圧処理や応力除去は、酸化防止のために、真空雰囲気中や、アルゴンガス等による不活性ガス雰囲気中で行われるとよい。熱間等方加圧には、一般的な金属材料の熱間等方加圧に用いられるHIP装置等を使用可能である。応力除去には、一般的な金属材料の応力除去焼きなましに用いられる雰囲気炉等を使用可能である。
次に、TiAl合金の金属組織について説明する。TiAl合金の金属組織は、結晶粒径が200μm以下の微細な結晶粒で構成されている。これにより、TiAl合金の延性を向上させることができる。また、TiAl合金の金属組織は、ラメラ粒と、γ粒とから構成されており、Nbの偏析がない。ラメラ粒は、TiAlからなるα相と、TiAlからなるγ相とが層状に規則的に配列して形成されている。γ粒は、TiAlで形成されている。γ粒の粒内には、粒径が0.1μm以下の硼化物を含んでいる。硼化物は、TiB、TiB等で針状等に構成されている。
ラメラ粒は、引張強度、疲労強度、クリープ強度等の機械的強度を向上させることができる。γ粒は、延性と高温強度とを向上させることができる。粒径が0.1μm以下の微細な硼化物は、機械的強度を向上させることができる。TiAl合金の金属組織は、ラメラ粒とγ粒との合計の体積率を100体積%としたとき、ラメラ粒の体積率が80体積%以上であり、残部がγ粒であるとよい。TiAl合金の金属組織がラメラ粒を主体として構成されるので、機械的強度を向上させることができる。また、TiAl合金の金属組織は、Nbの偏析がないので、機械的強度や延性の低下を抑制することができる。
次に、本開示の実施形態に係るTiAl合金の機械的特性について説明する。TiAl合金の室温における機械的特性は、JIS、ASTM等に準拠してビッカース硬さを測定したとき、室温のビッカース硬さが200HV以上とすることができる。また、TiAl合金の室温における機械的特性は、JIS、ASTM等に準拠して引張試験を行ったとき、室温引張破断強度が400MPa以上であり、室温引張破断歪みが1.0%以上とすることができる。TiAl合金の高温クリープ特性は、JIS、ASTM等に準拠してクリープ試験を行ったとき、800℃、負荷応力150MPaにおいて、200時間経過後のクリープ歪みを2%以下にすることができる。また、TiAl合金の高温クリープ特性は、800℃、負荷応力150MPaにおいて、400時間経過後のクリープ歪みを7%以下にすることができる。
本開示の実施形態に係るTiAl合金は、航空機エンジン部品のタービン翼等への適用が可能である。図1は、タービン翼10の構成を示す図である。このTiAl合金は高温強度等の機械的強度が大きいので、タービン翼10の耐熱性を向上させることができる。また、このTiAl合金は室温延性に優れているので、タービン翼10の組立てや組付けをする場合でも、タービン翼10の破損を抑制できる。
以上、上記構成のTiAl合金は、48原子%以上50原子%以下のAlと、3原子%以上5原子%以下のNbと、0.1原子%以上0.3原子%以下のBと、を含有し、残部がTiと不可避的不純物とからなる。これによりTiAl合金の機械的強度と延性とをバランスよく向上させることができる。
上記構成のTiAl合金の製造方法は、48原子%以上50原子%以下のAlと、1原子%以上3原子%以下のNbと、0.1原子%以上0.3原子%以下のBと、を含有し、残部がTiと不可避的不純物とからなるTiAl合金原料を鋳造する鋳造工程を備えている。これにより、機械的強度と延性とをバランスよく向上させたTiAl合金を製造できると共に、湯廻り性が良好なので、鋳造性を向上させることが可能となる。
まず、実施例1から4、参考例1から10、比較例1のTiAl合金について説明する。各TiAl合金の合金組成を表1に示す。
Figure 0007226536000001
実施例1のTiAl合金は、49.5原子%のAlと、4原子%のNbと、0.2原子%のBとを含み、残部がTiと不可避的不純物とした。実施例2のTiAl合金は、48原子%のAlと、4原子%のNbと、0.1原子%のBとを含み、残部がTiと不可避的不純物とした。実施例3のTiAl合金は、49原子%のAlと、4原子%のNbと、0.1原子%のBとを含み、残部がTiと不可避的不純物とした。実施例4のTiAl合金は、50原子%のAlと、4原子%のNbと、0.1原子%のBとを含み、残部がTiと不可避的不純物とした。
参考例1から3のTiAl合金は、Nbを含む3元系TiAl合金とし、Nbの含有率を4原子%とし、Alの含有率を48原子%から50原子%と変化させた。参考例4から8のTiAl合金は、Bを含む3元系TiAl合金とし、Bの含有率を0.1原子%とし、Alの含有率を48原子%から52原子%と変化させた。参考例9から10のTiAl合金は、NbとBとを含む4元系TiAl合金とし、Nbの含有率を4原子%とし、Bの含有率を0.1原子%とし、Alの含有率を51原子%から52原子%と変化させた。比較例1のTiAl合金は、48原子%のAlと、2原子%のNbと、2原子%のCrとを含有し、残部がTiと不可避的不純物とした。
表1に示す合金組成の各TiAl合金原料を高周波真空溶解炉にて溶解して鋳造し、各合金組成からなるTiAl合金のインゴットを形成した。各TiAl合金について、鋳造後に熱間等方加圧処理を行った。熱間等方加圧処理は、鋳造したTiAl合金を、1300±14℃、3±0.1時間、172±14MPaで熱間等方加圧し、熱間等方加圧後に900℃まで炉冷し、900℃以下でガスファン冷却により急冷して処理した。
TiAl合金におけるAlの影響について評価した。参考例1から3のTiAl合金について、室温で引張試験を行った。引張試験は、ASTM E8に準拠して行った。図2は、引張試験結果を示すグラフである。図2のグラフでは、横軸にAlの含有率を取り、縦軸に歪みを取り、参考例1から3を白菱形で表している。歪みは、破断歪みを示している。図2のグラフから、Alの含有率が48原子%より小さい場合や、Alの含有率が50原子%より大きい場合には、室温延性が低下することがわかった。また、参考例2は、参考例1,3より歪みが大きくなった。このことからAlの含有率が49原子%の場合には、室温延性がより高くなることがわかった。
TiAl合金の金属組織について評価した。実施例2から4、参考例4から10のTiAl合金について、金属組織観察を行った。金属組織観察は、光学顕微鏡で行った。図3は、参考例4から8のTiAl合金の金属組織観察結果を示す写真であり、図3(a)は、参考例4の写真であり、図3(b)は、参考例5の写真であり、図3(c)は、参考例6の写真であり、図3(d)は、参考例7の写真であり、図3(e)は、参考例8の写真である。図4は、実施例2から4、参考例9、10のTiAl合金の金属組織観察結果を示す写真であり、図4(a)は、実施例2の写真であり、図4(b)は、実施例3の写真であり、図4(c)は、実施例4の写真であり、図4(d)は、参考例9の写真であり、図4(e)は、参考例10の写真である。
図3(a)から図3(c)に示すように、参考例4から6では、凝固過程がα単相領域(α凝固)の金属組織が認められた。一方、図3(d)から図3(e)に示すように、参考例7から8では、凝固過程がγ単相領域(γ凝固)した金属組織が認められた。凝固過程がγ単相領域(γ凝固)の金属組織は、柱状晶が形成されており、異方性が認められた。図4(a)から図4(c)に示すように、実施例2から4では、凝固過程がα単相領域(α凝固)の金属組織が認められた。一方、図4(d)から図4(e)に示すように、参考例9から10では、凝固過程がγ単相領域(γ凝固)の金属組織が認められた。凝固過程がγ単相領域(γ凝固)の金属組織は、柱状晶が形成されており、異方性が認められた。この結果からAlの含有率が50原子%より大きくなると、凝固過程がγ単相領域(γ凝固)になり、異方性が生じることがわかった。
図4(a)から図4(c)に示すように、実施例2から4の金属組織は、結晶粒径が200μm以下の微細な結晶粒で構成されていた。実施例2から4の金属組織は、ラメラ粒と、γ粒とから構成されており、γ粒の粒内に粒径が0.1μm以下の硼化物を含んでいた。実施例2から4の金属組織は、ラメラ粒とγ粒との合計の体積率を100体積%としたとき、ラメラ粒の体積率が80体積%以上であり、残部がγ粒から構成されていた。なお、各粒の体積率については、金属組織写真における各粒のコントラストの情報から画像処理により各粒の面積率を算出し、これを各粒の体積率とした。また、実施例2から4の金属組織は、Nbの偏析が認められなかった。
熱間等方加圧処理前後のTiAl合金の硬さについて評価した。実施例2から4、参考例4から10のTiAl合金について、室温でビッカース硬さを測定した。ビッカース硬さ測定は、ASTM E92に準拠して行った。図5は、熱間等方加圧処理前のTiAl合金のビッカース硬さ測定結果を示すグラフである。図6は、熱間等方加圧処理後のTiAl合金のビッカース硬さ測定結果を示すグラフである。図5及び図6では、横軸に各TiAl合金のAlの含有率を取り、縦軸にビッカース硬さを取り、実施例2から4のビッカース硬さを白丸、参考例4から10のビッカース硬さを黒丸で示している。
実施例2から4のビッカース硬さは、熱間等方加圧処理前後において、200HV以上であった。また、TiAl合金のAlの含有率が48原子%以上50原子%以下の場合には、実施例2から4のビッカース硬さは、参考例4から6のビッカース硬さよりも大きくなった。これに対してTiAl合金のAlの含有率が50原子%より大きい場合には、参考例7から8のビッカース硬さと、参考例9から10のビッカース硬さとは略同じであった。この結果から、TiAl合金のAlの含有率が48原子%以上50原子%以下の場合には、Nbは機械的強度の向上に寄与していると考えられる。
TiAl合金の室温機械特性について評価した。実施例1、比較例1のTiAl合金について、室温で引張試験を行った。引張試験は、ASTM E8に準拠して行った。図7は、引張試験結果を示すグラフである。図7では、横軸に歪みを取り、縦軸に応力を取り、各TiAl合金の応力―歪み曲線を示している。実施例1は、比較例1よりも室温強度が大きくなった。また、実施例1は、比較例1と室温延性が略同じであった。より詳細には、実施例1の室温引張破断強度は、400MPa以上であり、室温引張破断歪みは、1.0%以上であった。
TiAl合金の高温機械特性について評価した。実施例1、比較例1のTiAl合金について、高温でクリープ試験を行った。クリープ試験は、ASTM E139に準拠して行った。クリープ試験条件は、試験温度800℃、負荷応力150MPaとした。図8は、クリープ試験結果を示すグラフである。図8では、横軸にクリープ時間を取り、縦軸にクリープ歪みを取り、各TiAl合金のクリープ曲線を示している。実施例1は、比較例1よりも4倍以上の高温クリープ特性が得られた。このように実施例1は、比較例1よりも高温クリープ特性が向上した。より詳細には、実施例1の高温クリープ特性は、試験温度800℃、負荷応力150MPaのとき200時間経過後のクリープ歪みが2%以下であった。また、実施例1の高温クリープ特性は、試験温度800℃、負荷応力150MPaのとき400時間経過後のクリープ歪みが7%以下であった。
図7及び図8に示すように、実施例1のTiAl合金は、機械的強度と延性とが優れており、機械的強度と延性とがバランスよく向上していることが明らかとなった。これに対して比較例1のTiAl合金は、実施例1のTiAl合金より、室温強度、高温機械特性が低下した。この理由は、比較例1のTiAl合金に含まれるCrの影響等によると考えられる。
TiAl合金の耐酸化性について評価した。実施例1、比較例1のTiAl合金について、酸化試験を行った。酸化試験は、大気雰囲気中で750℃、200時間の連続酸化により行った。酸化試験後に断面観察を行って、酸化皮膜の厚みを評価した。図9は、酸化試験後の断面観察結果を示す写真であり、図9(a)は、実施例1の写真であり、図9(b)は、比較例1の写真である。実施例1の酸化皮膜の厚みは、2.8μmであった。比較例1の酸化皮膜の厚みは、4.3μmであった。この結果から、実施例1は、比較例1よりも耐酸化性に優れていることがわかった。
本開示は、TiAl合金の機械的強度と延性とをバランスよく向上させることが可能となることから、航空機エンジン部品のタービン翼等に有用なものである。

Claims (6)

  1. TiAl合金であって、
    48原子%以上50原子%以下のAlと、
    3原子%以上5原子%以下のNbと、
    0.1原子%以上0.3原子%以下のBと、を含有し、残部がTiと不可避的不純物とからな室温引張破断強度が400MPa以上であり、室温引張破断歪みが1.0%以上である、TiAl合金。
  2. 請求項1に記載のTiAl合金であって、
    Alの含有率は、49原子%である、TiAl合金。
  3. 請求項1または2に記載のTiAl合金であって、
    金属組織は、ラメラ粒とγ粒とから構成されており、Nbの偏析がない、TiAl合金。
  4. 請求項3に記載のTiAl合金であって、
    前記金属組織は、ラメラ粒とγ粒との合計の体積率を100体積%としたとき、ラメラ粒の体積率が80体積%以上である、TiAl合金。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載のTiAl合金であって、
    室温のビッカース硬さが、200HV以上である、TiAl合金。
  6. 請求項1からのいずれか1つに記載のTiAl合金であって、
    800℃、負荷応力150MPaのとき、200時間経過後のクリープ歪みが2%以下である、TiAl合金。
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