JP6859958B2 - 偏光板保護フィルム、その製造方法及び偏光板 - Google Patents

偏光板保護フィルム、その製造方法及び偏光板 Download PDF

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Description

本発明は、偏光板保護フィルムとその製造方法に関する。また、本発明は、偏光板保護フィルムを有する偏光板に関する。より詳しくは、本発明は、滑り性が改良された偏光板保護フィルムとその製造方法に関する。
近年、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と略記する。)表示装置、タッチパネル等の用途が拡大している。このようなデバイスでは支持体や保護フィルム等に、各種の樹脂フィルムが用いられている。中でも、水素添加(以下「水添」という。)ノルボルネン系樹脂から形成されるフィルムは、耐熱性が高く、吸水率が低い。従って水添ノルボルネン系樹脂から形成されるフィルムは、寸法安定性や湿度変動耐性に優れるため好ましく用いられている。また、水添ノルボルネン系樹脂は、光弾性係数が小さいために固有複屈折を低く抑えることができる。このため、光学的に等方性を必要とされる用途の偏光板保護フィルムとして光学特性にも優れた素材である。
一方、表示装置やタッチパネルに対する薄膜化や軽量化の要求は益々高まってきている。そのために、樹脂フィルムの薄膜化や軽量化も重要な検討課題となっている。従って前記の優れた光学特性を有する水添ノルボルネン系樹脂にも薄膜化の要望が高くなってきている。
水添ノルボルネン系樹脂は、前記のような利点を有する一方で、滑り性に劣るという問題があった。フィルム同士の滑り性が悪いことにより、フィルムの製造時において不具合が発生しやすくなる。特に、フィルムを巻き取る際に、フィルム同士の滑り性が悪いと、巻き取り時にフィルムが破断したり、傷がついたりするという問題を抱えている。
特に薄膜化した時に、上記滑り性がより劣化していた。このように、水添ノルボルネン系樹脂フィルムは、滑り性が十分ではないため取り扱いが難しく、応用が制限されていた。
水添ノルボルネン系樹脂フィルムの滑り性の改良方法としては、表面に凹凸を形成させる方法や、表面に帯電防止層等の薄膜を塗布する方法、保護フィルムを張り合わせて、該フィルムに凹凸を形成する方法等が提案されている。
例えば、特許文献1には、被覆層表面の窒素原子量が0.5〜10mol%である帯電防止剤が塗布されたフィルムが開示されている。表面の帯電性を低下させることにより、平滑性と滑り性を両立させるものである。特許文献2には、親水性を有する導電性化合物を含む帯電防止層を塗布することで、耐薬品性の効果を付与する技術が提案されている。 特許文献3では、インクジェット方式でフィルム表面に微細凸構造を形成させることにより、滑り性を向上させることが開示されている。特許文献4では表面に一定のRa(算術平均粗さ)やSm(凹凸の平均間隔)を持つ保護フィルムを張り合わせることで改良することが開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載されている帯電防止層を塗布する場合、塗布前のフィルムの滑り性が悪いため、塗布加工の収率が悪く改善を求められていた。
特許文献3に記載されているインクジェット方式でフィルム表面に凹凸を形成させる場合、微粒子分散液の液滴に生じる微妙な着地位置のズレが、汚染につながってしまい改善が必要とされた。特許文献4で提案されている、他のフィルムを保護目的で貼合わせる技術は常套手段であるが、膜厚が大きくなり、また廃棄物として剥離する保護目的のフィルムが発生して環境側面で問題となるため、改善が求められていた。
また特許文献5には、環状オレフィン系樹脂フィルムにマット剤微粒子を添加する技術が提案されている。
本発明者は、この特許文献5に提案されている方法について、検討を重ねたところ、水添ノルボルネン系樹脂にマット剤を含有させた場合には、滑り性改良の効果が不十分であった。また滑り性改良のため、マット剤を大量に添加した場合には、偏光板保護フィルムのヘイズ(濁り)が大きくなった。
したがって水添ノルボルネン系樹脂においては、ヘイズを増加させることなく滑り性を改良することが実際には困難であった。
特開2003−39619号公報 特許第5377283号公報 特許第5182092号公報 特開2012−61712号公報 特開2007−98643号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、水添ノルボルネン系樹脂を含有し、ヘイズを増加させることなく、滑り性が改良された偏光板保護フィルムを提供することである。また当該偏光板保護フィルムの製造方法及び、当該偏光板保護フィルムを備える偏光板を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有する偏光板保護フィルムであって、前記偏光板保護フィルムの表面のピーク密度が特定の範囲内であることによって、滑り性が改良されること、また水添ノルボルネン系樹脂と微粒子とを含有するフィルムと、水添ノルボルネン系樹脂とを混合することにより、ドープ中での微粒子の成長が促進され、偏光板保護フィルムの滑り性が改良されることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る前記課題は、以下の手段により解決される。
1.ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有する偏光板保護フィルムであって、前記ノルボルネン系樹脂が、水添ノルボルネン系樹脂であり、少なくとも水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有するフィルムと、水添ノルボルネン系樹脂とを混合してなり、下記式で定義される混合率が20〜80(%)の範囲内であり、前記微粒子の二次粒子の平均粒子径が0.05〜0.20μmの範囲内であり、前記二次粒子の粒子径径の相対標準偏差が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記偏光板保護フィルムの表面のピーク密度が1000〜5000(個/mm)の範囲内であることを特徴とする偏光板保護フィルム。
混合率(%)={a/(a+b)}×100
(ここで、aは、水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有するフィルムの質量(g)を表す。bは水添ノルボルネン系樹脂の質量(g)を表す。)
2.前記偏光板保護フィルムのヘイズ値が2.0%以下であることを特徴とする第1項に記載の偏光板保護フィルム。
.前記偏光板保護フィルムの透湿度が、温度40℃、相対湿度90%の環境下JIS Z 0208に準拠して測定したとき、100〜400g/m・24hの範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の偏光板保護フィルム。
.前記偏光板保護フィルムの膜厚が、5〜40μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
.前記偏光板保護フィルムの、下記式(I)で定義される面内方向の位相差値R(nm)及び下記式(II)で定義される厚さ方向の位相差値Rt(nm)が、下記式(III)及び下記式(IV)を満たすことを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
式(I) Ro=(n−n)×d
式(II) Rt={(n+n)/2−n}×d
式(III)|Ro|≦10nm
式(IV) |Rt|≦10nm
(式(I)〜(IV)中、Ro及びRtは温度23℃、相対湿度55%の環境下で波長590nmの光で測定した位相差値である。
は前記偏光板保護フィルムの、フィルム面内の遅相軸方向での屈折率である。nは、前記偏光板保護フィルムの、フィルム面内の進相軸方向での屈折率である。nは、前記偏光板保護フィルムの膜厚方向の屈折率である。dは、前記偏光板保護フィルムの膜厚(nm)である。)
.第1項から第項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルムを製造する偏光板保護フィルムの製造方法であって、前記水添ノルボルネン系樹脂及び溶媒を含む高分子溶液を支持体上に流延して製膜する工程を有することを特徴とする偏光板保護フィルムの製造方法。
.第1項から第項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルムを有することを特徴とする偏光板。
本発明の上記手段により、水添ノルボルネン系樹脂を含有し、ヘイズを増加させることなく、滑り性が改良された偏光板保護フィルムを提供することができる。本発明の偏光板保護フィルムは、上記のような特性を有するため、表示装置やタッチパネル用のフィルムとして好ましく用いることができる。
また、製造工程におけるハンドリング性が良く、生産適性が高い偏光板保護フィルムの製造方法及び偏光板を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確になっていないが、以下のように推測している。
水添ノルボルネン系樹脂は極性の低い樹脂であるため、極性の高い樹脂、たとえばセルロースエステル樹脂と比較して、微粒子との相互作用が弱い。このため微粒子を凝集させて二次粒子(凝集体)として成長させることが困難であった。したがって微粒子を有効な径に成長させるためには微粒子の添加量を増加させる必要があった。このため、滑り性を確保するために微粒子を大量に添加すると、ヘイズが劣化するという問題が発生した。
本発明者は上記の問題を解決するために鋭意検討を行った結果、一度製膜したフィルム(水添ノルボルネン系樹脂と微粒子とを含有する偏光板保護フィルム)を有機溶剤に再溶解してドープを調製することで、微粒子の凝集体がドープの中に投入され、微粒子を成長させることができる。さらに一次粒子径の大きさや、酸化ケイ素微粒子表面のヒドロキシ基被覆率の選択と組み合わせることで、所望の大きさの二次粒子(凝集体)を調製でき、これにより水添ノルボルネン系樹脂であってもフィルム表面のピーク密度を1000〜5000(個/mm)の範囲内にすることが、初めてできたと推測している。
本発明の構成をとることにより、微粒子添加量を増量することなく前記ヘイズの劣化の課題を解決することができた。
偏光板の概略断面図 偏光板保護フィルム番号110の電子顕微鏡写真 偏光板保護フィルム番号101の電子顕微鏡写真
本発明の偏光板保護フィルムは、ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有する偏光板保護フ
ィルムであって、前記ノルボルネン系樹脂が、水添ノルボルネン系樹脂であり、少なくとも水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有するフィルムと、水添ノルボルネン系樹脂とを混合してなり、前記式で定義される混合率が20〜80(%)の範囲内であり、前記微粒子の二次粒子の平均粒子径が0.05〜0.20μmの範囲内であり、前記二次粒子の粒子径の相対標準偏差が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記偏光板保護フィルムの表面のピーク密度が1000〜5000(個/mm)の範囲内であることを特徴とする。
この特徴は下記各実施態様に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記偏光板保護フィルムのヘイズ値が2.0%以下であることが好ましい。これによりヘイズの劣化なく透明性を維持した偏光板保護フィルムを得られる。
さらに、本発明においては、偏光板保護フィルムの前記透湿度が、100〜400g/m・24hの範囲内であることが、好ましい。これにより、偏光板保護フィルムの湿度変動耐性が小さいという効果が得られる。
本発明においては、偏光板保護フィルムの膜厚が、5〜40μmの範囲内であることが好ましい。これにより偏光板や、表示装置の薄型化ができる。
本発明においては、偏光板保護フィルムの、前記式(I)で定義される面内方向の位相差値R(nm)及び前記式(II)で定義される厚さ方向の位相差値Rt(nm)が、前記式(III)及び前記式(IV)を満たすことが好ましい。これにより、また等方性を必要とする液晶表示装置で視野角を拡大することができる。また厚さ方向の位相差値Rtを小さくすることで、偏光板保護フィルムを表示装置に用いた場合に虹ムラが発生することを抑制することもできる。
本発明の偏光板保護フィルムを製造する偏光板保護フィルムの製造方法としては、前記水添ノルボルネン系樹脂及び溶媒を含む高分子溶液を支持体上に流延して製膜する工程を有することが、薄膜の偏光板保護フィルムを製造しやすく、また面品質が良い観点から好ましい。
本発明の偏光板保護フィルムを有することが、薄膜の偏光板を製造しやすい観点から好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本発明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
(偏光板保護フィルムの概要)
本発明の偏光板保護フィルムは、ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有する偏光板保護フィルムであって、前記ノルボルネン系樹脂が、水添ノルボルネン系樹脂であり、少なくとも水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有するフィルムと、水添ノルボルネン系樹脂とを混合してなり、下記式で定義される混合率が20〜80(%)の範囲内であり、前記微粒子の二次粒子の平均粒子径が0.05〜0.20μmの範囲内であり、前記二次粒子の粒子径の相対標準偏差が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記偏光板保護フィルムの表面のピーク密度が1000〜5000(個/mm)の範囲内であることを特徴とする。
混合率(%)={a/(a+b)}×100
(ここで、aは、水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有するフィルムの質量(g)を表す。bは水添ノルボルネン系樹脂の質量(g)を表す。)
以下、構成要素について詳細な説明をする。
<水添ノルボルネン系樹脂>
本発明の偏光板保護フィルムは、水添ノルボルネン系樹脂を含有することを特徴とする。本発明において用いる「水添ノルボルネン系樹脂」とは、ノルボルネン誘導体(単量体)を単独で、又は当該ノルボルネン誘導体及びこれと共重合可能な不飽和環状化合物とを、メタセシス重合触媒を用いて開環重合させること等によって得られる重合体をさらに水素添加して得られる水添ノルボルネン系樹脂をいう。
水添ノルボルネン系樹脂は、下記一般式(I)で表される化学構造を有する単量体由来の樹脂であることが好ましい。なお、本発明において、一般式(I)で表される化学構造を有するノルボルネン単量体由来の樹脂とは、一般式(I)で表される化学構造を有するノルボルネン単量体を成分とし重合して誘導される樹脂であることを表す。
Figure 0006859958
(式中、A、B、X及びYは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基及び、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基及びシリル基から選ばれる原子又は基を表す。mは、0又は1を表す。)
上記一般式(I)で表されるノルボルネン系単量体と共重合可能な共重合性単量体としては特に限定されず、例えば、ノルボルネン骨格を有しない環状オレフィン系単量体が挙げられる。
前記ノルボルネン骨格を有しない環状オレフィン系単量体としては、例えば、シクロオクタジエン、シクロオクテン、シクロヘキセン、シクロドデセン、シクロドデカトリエン等が挙げられる。
前記ノルボルネン系単量体又は共重合性単量体において、単量体構造中にハロゲン原子以外の極性基を有することが、偏光板保護フィルムに一定の透湿度を与えるために好ましい。
前記一般式(I)で表されるノルボルネン系単量体を重合する方法又は上記一般式(I)で表されるノルボルネン系単量体とこれと共重合可能な共重合性単量体とを共重合する方法としては、例えば、開環メタセシス重合、付加重合等の従来公知の方法を採用することができる。
前記水添ノルボルネン系樹脂が分子内に不飽和結合を有する場合は、水素添加により飽和されていることが好ましく、水素添加率は95%以上であることが好ましく、より好ましくは99%以上である。水素添加率が95%未満であると、得られる偏光板保護フィルムの耐光性、耐熱劣化性が劣る。
前記水添ノルボルネン系樹脂のポリスチレン換算による数平均分子量は、1万〜100万であることが好ましい。1万未満であると、得られる偏光板保護フィルムの力学強度が不足することがあり、逆に100万を超えると、溶融押出成形性が著しく低下することがある。より好ましくは1.5万〜70万である。
前記水添ノルボルネン系樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、日本ゼオン社製「ゼオノア」シリーズ、「ゼオネックス」シリーズ、日立化成社製「オプトレッツ」シリーズ、JSR社製「アートン」シリーズなどが挙げられる。この中でも特に極性基を分子骨格中に有するために、水糊を用いて偏光板を作製する際に必要な、適度な透湿性を有する「アートン」シリーズが好ましい。
<微粒子>
本発明の偏光板保護フィルムは微粒子を含有することを特徴とする、前記微粒子の二次粒子の平均粒子径が、0.05〜0.20μmの範囲内であり、前記二次粒子の粒子径の相対標準偏差が、5〜20%の範囲内である。
二次粒子の粒子径の大きさは、円相当径として0.10〜0.15μmの範囲内であることが好ましい。ここでいう「円相当径」とは、粒子の面積と等しい面積を有する円の直径を指す。
該微粒子の二次粒子(凝集体)の平均粒子径が、大きい方が分散性に優れ、小さい方が透明性に優れるためこの範囲が好ましい。
一次粒子の粒子径の相対標準偏差は、5〜20%であって、5〜10%であることが好ましい。
本発明における「二次粒子の平均粒子径」とは、偏光板保護フィルム中の微粒子の平均粒子径を下記の方法で測定した値である。
水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有する偏光板保護フィルムのサンプルを、エポキシ樹脂で包埋後、ウルトラミクロトームにより約100nm厚の超薄切片を作製し、日本電子製透過型電子顕微鏡2000FX(加速電圧:200kV)により2500〜10000倍のTEM画像を撮影した。得られた画像をコニカミノルタ製フラットヘッドスキャナーSitios9231にて電子データ化し、画像解析ソフトImagePro Plusを使用して、フィルム中の平均粒子径の測定を行った。フィルム中の平均粒子径は、粒子投影面積と等しい面積をもつ円の直径で表される円相当径を計算した。この値を「二次粒子の平均粒子径」とする。
なお、スキャナーで読み取った画像から解析を行うために、微粒子の画像のコントラストを強調することで画像解析ソフトが微粒子を認識できるようにするフィルター処理を行う。さらに、このフィルター条件を変更することでコントラストの最適化を行う。
ここで、フィルター処理はメディアン3×3、次に平坦化20ピクセル、次にハイパス3×3、次にメディアン3×3を使用する。
次に、上記コントラストを最適化した画像から粒子を抽出し、個々の粒子の形状を画像解析ソフトで測定して、平均粒子径を測定する。
微粒子としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等を挙げることができる。これらのマット剤微粒子の中では、ケイ素を含むものが、濁度(ヘイズ)が低くなる点で好ましく、特に、二酸化ケイ素が好ましい。
見かけ比重は、90〜200g/リットルの範囲内であることが好ましく、100〜200g/リットルの範囲内であることが特に好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
二酸化ケイ素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル(株)製、商品名(アエロジルは登録商標))等の市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上、日本アエロジル(株)製、商品名)で市販されており、使用することができる。
これらの中でも、アエロジル200V及びアエロジルR812Vが、一次平均粒子サイズが20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化ケイ素の微粒子であり、偏光板保護フィルムのヘイズを低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましい。
少なくとも水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有するフィルムは一度製造されたものであり、その一部を、新たな水添ノルボルネン系樹脂とともにドープ調製中に添加することにより混合される。少なくとも水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有するフィルムの混合は、ドープ調製前にあらかじめ添加してもよく、ドープの調製途中で添加しても良い。
また前記微粒子の一部は、以下の方法により調製して、保護フィルムに適用することもできる。すなわち、溶媒とマット剤微粒子を撹拌混合したマット剤微粒子分散液をあらかじめ調製し、このマット剤微粒子分散液を、別途用意した水添ノルボルネン系樹脂濃度が5質量%未満である各種添加剤溶液に添加して撹拌溶解した後、更にメインの水添ノルボルネン系樹脂ドープと混合する方法が好ましい。
微粒子の表面は疎水化処理が施されているため、疎水性を有する添加剤が添加されると、マット剤微粒子表面に添加剤が吸着され、これを核として、添加剤の凝集物が発生しやすくなることもある。したがって、相対的に親水的な添加剤をあらかじめ微粒子分散液と混合した後、疎水的な添加剤を混合することにより、微粒子表面での添加剤の凝集を抑制することができ、ヘイズが低く、液晶表示装置に組み込んだ際の黒表示における光漏れが少ない保護フィルムを作製でき好ましい。
マット剤微粒子分散剤と添加剤溶液の混合、及び水添ノルボルネン系樹脂ドープとの混合にはインラインミキサーを使用することが好ましい。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化ケイ素微粒子を溶媒等と混合して分散するときの二酸化ケイ素の濃度は5〜30質量%の範囲内であることが好ましく、10〜25質量%の範囲内であることが更に好ましく、15〜20質量%の範囲内であることが特に好ましい。分散濃度が高い方が同量の添加量に対する濁度が低くなり、ヘイズや凝集物の発生を抑制することができるため好ましい。最終的な水添ノルボルネン系樹脂のドープ中での微粒子の添加量は0.01〜1.0質量%の範囲内であることが好ましく、0.05〜0.5質量%の範囲内であることが更に好ましく、0.05〜0.3質量%の範囲内であることが特に好ましい。
<ピーク密度>
本発明の偏光板保護フィルムは、偏光板保護フィルムの表面のピーク密度が1000〜5000(個/mm)の範囲であることを特徴とする。ピーク密度は、2000〜4000(個/mm)であることが更に好ましい。ピーク密度の大きい方が滑り性に優れ、小さい方が透明性に優れるためこの範囲が好ましい。なおピーク密度の単位の(個/mm)は、1mm当たりのピークの個数を表す。
前記表面ピーク密度は、温度23℃、湿度50%±5%において、三次元表面構造解析顕微鏡zygo New View 5000 キヤノン販売(株)製を用い、対物レンズ50倍、イメージズーム1.0倍で、3nm以上のピークの数を測定し、測定面積で割って、単位面積あたりのピークの数を算出することによって求めることが出来る。
ここで、ピーク高さの基準となる平均線は、JIS B0601(1994)に基づいて、粗さ曲線に平均線を引いた時、測定長さ内で線の上下にできる山の面積の合計が等しくなるように引いた。粗さ曲線を前記平均線によって切断したときの、隣り合う二つの交点に挟まれた曲線部分のうち、前記平均線より上側(偏光板保護フィルムから空間側への方向)の部分を「profile peak」とする。「profile peak」のうち、前記平均線に対し、3nm以上高い部分を、本発明におけるピークとした。
水添ノルボルネン系樹脂に、単に微粒子を添加した場合には、微粒子が凝集しにくく二次粒子が形成されにくい。このため、ピーク密度は大きくなりにくく、滑り性が不十分であるという問題がある。
本発明では、水添ノルボルネン系樹脂においても、二次粒子を十分に発生させ、偏光板保護フィルムの表面のピーク密度を1000〜5000(個/mm)の範囲内にすることができる。
偏光板保護フィルムの表面のピーク密度を1000〜5000(個/mm)の範囲内にするための達成手段としては下記の手段を挙げることができ、これらを組み合わせて初めて達成できるものである。
[1]水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有するフィルムと、水添ノルボルネン系樹脂とを、20〜80質量%で混合する。
ドープ中での、前記フィルムの混合量を増やすことで、偏光板保護フィルムのピーク密度を大きくしやすくなる。
[2]微粒子の一次粒子平均粒子径又は相対標準偏差を大きくする。
一次粒子平均粒子径を大きくすると、偏光板保護フィルムのピーク密度を大きくしやすくなる。
[3]微粒子の粒子表面のヒドロキシ基被覆率を増加させると、偏光板保護フィルムのピーク密度を大きくしやすくなる。
前記[1]〜[3]の項目を組み合わせることで偏光板保護フィルムの表面のピーク密度を1000〜5000(個/mm)の範囲内にすることができる。
微粒子の添加量は1mあたり0.02〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.2gが最も好ましい。
前記[1]における混合は、該フィルムと、水添ノルボルネン系樹脂との含有比率が、20〜80質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。
<ヘイズ>
本発明の偏光板保護フィルムは、ヘイズ値が1.0%以下であることが好ましく、0.30以下であることがより好ましく、0.20以下であることがさらに好ましい。ヘイズ値はより小さいほうが透明性が良いので好ましい。ヘイズ値は、前記、微粒子の二次粒子及び一次粒子の平均粒子径、微粒子の添加量などにより調整される。
ヘイズ値は偏光板保護フィルム3枚を重ね合わせ、ASTM−D1003−52(ASTM規格)に従って、東京電色工業(株)製T−260DAを使用して測定した。
<透湿度>
本発明の偏光板保護フィルムは、透湿度が、100〜400g/m・24hの範囲内であることが好ましい。
透湿度が前記の範囲内であると安定して偏光板の製造を行いやすくなる。
透湿度は、温度40℃、相対湿度90%の環境下、JIS Z 0208に準拠して測定した時の値である。
<光学特性>
<位相差値>
本発明の偏光板保護フィルムは、前記偏光板保護フィルムの、下記式(I)で定義される面内方向の位相差値R(nm)及び下記式(II)で定義される厚さ方向の位相差値Rt(nm)が、下記式(III)及び下記式(IV)を満たすことが好ましい。
式(I) R=(n−n)×d
式(II) Rt={(n+n)/2−n}×d
式(III)|R|≦10nm
式(IV) |Rt|≦10nm
(式(I)〜(IV)中、Ro及びRtは温度23℃、相対湿度55%の環境下で波長590nmの光で測定した位相差値である。
は前記偏光板保護フィルムの、フィルム面内の遅相軸方向での屈折率である。nは、前記偏光板保護フィルムの、フィルム面内の進相軸方向での屈折率である。nは、前記偏光板保護フィルムの膜厚方向の屈折率である。dは、前記偏光板保護フィルムの膜厚(nm)である。)
フィルムの面内方向の位相差値(R)と厚さ方向の位相差値(Rt)は、自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃・55%RHの環境下、590nmの波長において、三次元屈折率測定を行い、得られた屈折率nx、ny、nzから算出することができる。
本発明の偏光板保護フィルムの膜厚は、5〜40μmであることが好ましい。5〜30μm以下であることがより好ましく、5〜20μm以下であることがさらに好ましい。このように、本発明の偏光板保護フィルムは、薄膜化することが可能である。ここで、偏光板保護フィルムの膜厚とは、フィルムの平均膜厚を意味している。
<偏光板保護フィルムの各種添加剤>
本発明の偏光板保護フィルムには、様々な機能を付与する目的で、各種添加剤を含有させることができる。
本発明に適用可能な添加剤は、特に制限はなく、本発明の目的効果を損なわない範囲で、例えば、紫外線吸収剤、可塑剤、劣化抑制剤、マット剤、位相差上昇剤、波長分散改良剤等が用いることができる。
以下に、本発明の保護フィルムに適用可能な代表的添加剤について示す。
<紫外線吸収剤>
本発明の偏光板保護フィルムには、紫外線吸収剤を含有させることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報に記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報に記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、偏光子や有機EL素子の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ有機EL素子の表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ない特性を備えていることが好ましい。
本発明に有用なベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されない。
また、市販品として、「チヌビン(TINUVIN)109」、「チヌビン(TINUVIN)171」、「チヌビン(TINUVIN)326」、「チヌビン(TINUVIN)328」(以上、BASFジャパン社製)を好ましく使用できる。
紫外線吸収剤の添加量は、水添ノルボルネン系樹脂に対して0.1〜5.0質量%の範囲内であることが好ましく、0.5〜5.0質量%の範囲内であることが更に好ましい。
<可塑剤>
一般的に、偏光板保護フィルムは、柔軟性に乏しく、フィルムに曲げ応力やせん断応力がかかると、フィルムに割れ等が生じ易い。また、偏光板保護フィルムとして加工する際に、切断部にひびが入りやすく、切り屑が発生しやすい。発生した切り屑は、偏光板保護フィルムを汚染し、光学的欠陥の原因となっていた。これらの問題点を改良すべく、偏光板保護フィルムに可塑剤を含有させることができる。
可塑剤として、具体的には、例えば、フタル酸エステル系化合物、トリメリット酸エステル系化合物、脂肪族二塩基酸エステル系化合物、糖エステル系化合物、正リン酸エステル系化合物、酢酸エステル系化合物、ポリエステル・エポキシ化エステル系化合物、リシノール酸エステル系化合物、ポリオレフィン系化合物、ポリエチレングリコール系化合物等を挙げることができる。
また常温、常圧、液状で、かつ沸点が200℃以上の化合物から選択することが好ましい。具体的な化合物名としては、例えば、脂肪族二塩基酸エステル系、フタル酸エステル系、ポリオレフィン系化合物を挙げることができる。
脂肪族二塩基酸エステル系化合物、糖エステル系化合物を偏光板保護フィルムに含有させることが、水添ノルボルネン系樹脂の配向を緩和させ、位相差値を低下させることができる観点からより好ましい。可塑剤の添加量としては、水添ノルボルネン系樹脂に対して、0.5〜40.0質量%の範囲内であることが好ましく、1.0〜30.0質量%の範囲内であることがより好ましく、3.0〜20.0質量%の範囲内であることが特に好ましい。可塑剤の添加量が0.5質量%以上であると、可塑効果が十分で、加工適性が向上する。また、40質量%以下であると、長時間経時した場合における可塑剤の分離溶出を抑制でき、光学的ムラ、他部品への汚染等をより確実に抑制することができる。
<劣化防止剤>
本発明の保護フィルムには、劣化防止剤、例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル重合禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン類等を含有させることができる。
劣化防止剤については、例えば、特開平3−199201号公報、同5−197073号公報、同5−194789号公報、同5−271471号公報、同6−107854号公報等に記載がある。
劣化防止剤の添加量は、劣化防止剤の添加による効果が発現し、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)を抑制する観点から、偏光板保護フィルムの作製に用いるドープ(水添ノルボルネン系樹脂溶液)の0.01〜1質量%の範囲内であることが好ましく、0.01〜0.2質量%の範囲内であることが更に好ましい。
特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(略称:BHT)、トリベンジルアミン(略称:TBA)を挙げることができる。
次に、本発明の偏光板保護フィルムの製造方法について説明する。
本発明の偏光板保護フィルムは、溶液流延法若しくは溶融流延で製造されるが、溶液流編法で製造することが、薄膜の偏光板保護フィルムを製造しやすく、また面品質が良い観点から好ましい。
以下、溶液流延法での製造方法について述べる。
本発明の偏光板保護フィルムの製造は、水添ノルボルネン系樹脂、前記重合性化合物を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープを無限に移行する無端の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸又は幅保持する工程、更に乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻き取る工程により行われる。
ドープを調製する工程について述べる。ドープ中の水添ノルボルネン系樹脂、前記重合性化合物の溶解濃度は、濃い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、濃度が濃過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。
これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、更に好ましくは、15〜25質量%である。
ドープで用いられる溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよいが、セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤が多い方が水添ノルボルネン系樹脂の溶解性の点で好ましい。
良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が2〜30質量%である。良溶剤、貧溶剤とは、使用する水添ノルボルネン系樹脂を単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するか又は溶解しないものを貧溶剤と定義している。
本発明に用いられる良溶剤は特に限定されないが、ジクロロメタン等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類、アセトン、酢酸メチル、アセト酢酸メチル等が挙げられる。特に好ましくはジクロロメタン又は酢酸メチルが挙げられる。
また、本発明に用いられる貧溶剤は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。また、ドープ中には水が0.01〜2質量%含有していることが好ましい。
また、水添ノルボルネン系樹脂、前記重合性化合物並びに添加剤の溶解に用いられる溶媒は、フィルム製膜工程で乾燥によりフィルムから除去された溶媒を回収し、これを再利用して用いられる。
上記記載のドープを調製する時の、水添ノルボルネン系樹脂の溶解方法としては、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせると常圧における沸点以上に加熱できる。
溶剤の常圧での沸点以上でかつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら撹拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため好ましい。また、セルロースエステルを貧溶剤と混合して湿潤あるいは膨潤させた後、更に良溶剤を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
次に、この水添ノルボルネン系樹脂、前記重合性化合物並びに添加剤溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。
濾過材としては、不溶物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さ過ぎると濾過材の目詰まりが発生し易いという問題がある。
このため絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材が更に好ましい。
濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレススティール等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
濾過により、原料の水添ノルボルネン系樹脂に含まれていた不純物、特に輝点異物を除去、低減することが好ましい。
輝点異物とは、2枚の偏光板をクロスニコル状態にして配置し、その間にロール状セルロースエステルを置き、一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察した時に反対側からの光が漏れて見える点(異物)のことであり、径が0.01mm以上である輝点数が200個/cm以下であることが好ましい。
より好ましくは100個/cm以下であり、更に好ましくは50個/m以下であり、更に好ましくは0〜10個/cm以下である。また、0.01mm以下の輝点も少ない方が好ましい。
ドープの濾過は通常の方法で行うことができるが、溶剤の常圧での沸点以上で、かつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい。
好ましい温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃であることが更に好ましい。
濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることが更に好ましい。
次いで、ドープの流延について説明する。
流延(キャスト)工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルト若しくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。キャストの幅は1〜4mとすることができる。
流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤の沸点未満の温度で、温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高過ぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化する場合がある。好ましい支持体温度は0〜40℃→0〜50℃であり、5〜30℃が更に好ましい。
あるいは、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶媒を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。
金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風又は冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。
温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。温風を用いる場合は目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
ロール状の偏光板保護フィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10〜150質量%が好ましい。
本発明においては、残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
なお、Mはウェブ又はフィルムを製造中又は製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
また、ロール状の偏光板保護フィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、更に乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、更に好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム乾燥工程では、一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールをウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
本発明の偏光板保護フィルムを作製するためには、金属支持体より剥離した直後のウェブの残留溶剤量の多いところで搬送方向(=長尺方向)に延伸し、更にウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で幅方向に延伸を行うことが特に好ましい。
<表面処理>
上記保護フィルムのうち外側に配置される保護フィルム(外側保護フィルム)は、その表面に任意の適切な表面処理が施されてもよい。例えば、上記保護フィルムとして、表面処理が施された市販の高分子フィルムをそのまま用いることができる。あるいは、市販の高分子フィルムに任意の表面処理を施して用いることもできる。表面処理としては、防眩処理、拡散処理(アンチグレア処理)、反射防止処理(アンチリフレクション処理)、ハードコート処理、帯電防止処理等が挙げられる。防眩処理方法としては任意の適切な方法を用いることができる。例えばエンボス加工、サンドブラスト加工やエッチング加工等の適宜な方式で表面に微細凹凸構造を付与することなどにより、表面反射光が拡散する適宜な方式で形成することができる。
<偏光板保護フィルムの特性>
本発明の偏光板保護フィルムとしては、水添ノルボルネン系樹脂を含有するフィルムを用いることを特徴とするが、未延伸のフィルムであってもよく、一軸延伸したフィルムであってもよい。
<偏光子>
本発明に用いられる偏光子としては、任意の適切な偏光子を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限はなく、一般的に、1〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいし、ヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行ってもよいし、染色しながら延伸してもよい。また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
本発明で用いる偏光子は、好ましくは、0.030≦Rpva≦0.040を満足する。ここで、Rpvaは、波長1000nmにおいて、偏光子の面内で屈折率が最大になる方向の屈折率をnx、当該屈折率が最大になる方向に直交する方向の屈折率をnyとしたとき、Rpva=nx−nyで表される。Rpvaは、さらに好ましくは0.030≦Rpva≦0.039であり、特に好ましくは0.030≦Rpva≦0.035である。偏光子中の配向に寄与しない(代表的には、配向性の低い)結晶量が増大することにより、このような特性が満足されると推定される。Rpvaがこのような範囲の偏光子であれば、高温高湿環境下において優れた寸法安定性及び光学的耐久性を有し得る。その結果、当該偏光子は、偏光子の片側のみに偏光板保護フィルムを設けた偏光板に用いられる場合でも、寸法変化及び光学特性の劣化が起こりにくく、実用上許容可能な寸法安定性及び光学的耐久性を実現することができる。
本発明で用いる偏光子は、二色比DRが好ましくは160以上であり、さらに好ましくは160〜220であり、特に好ましくは170〜210であり、最も好ましくは175〜185である。二色比DRがこのような範囲であれば、本発明の偏光板を用いることにより、正面コントラストの高い液晶パネル及び液晶表示装置を得ることができる。このような液晶パネル及び液晶表示装置は、例えば、テレビ用途に適する。なお、二色比DRは下記の式から求めることができる。
二色比DR=log(0.919/k)/log(0.919/k
ここで、kは偏光子の透過軸方向の透過率であり、kは偏光子の吸収軸方向の透過率であり、定数0.919は界面反射率である。
本発明で用いる偏光子は、透過率(単体透過率)Tsが好ましくは42%以上であり、さらに好ましくは42.〜44.0%の範囲であり、特に好ましくは42.5〜43.0%の範囲である。透過率Tsがこのような範囲であれば、本発明の偏光板を用いることにより、輝度の高い液晶パネル又は液晶表示装置を得ることができる。このような液晶パネル及び液晶表示装置は、例えば、テレビ用途に適する。なお、偏光板の透過率は、以下の式から求めることができる。
透過率={(k+k)/2}×100 [%]
ここで、kは偏光子の透過軸方向の透過率であり、kは偏光子の吸収軸方向の透過率である。
本発明で用いる偏光子は、上記のとおり、ヨウ素又は二色性染料等の二色性物質を含有するポリビニルアルコール(PVA)系樹脂を主成分とする偏光子が用いられ得る。
本発明で用いる偏光子のヨウ素含有量は、好ましくは1.8〜5.0質量%であり、さらに好ましくは2.0〜4.0質量%である。ヨウ素含有量を上記の範囲とすることによって、好ましい範囲の透過率の偏光板が得られ、正面方向のコントラスト比が高い液晶表示装置を得ることができる。
本発明で用いる偏光子のホウ酸含有量は、ホウ素換算で、好ましくは0.5〜3.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜2.8質量%であり、特に好ましくは1.5〜2.6質量%である。上記のように、本発明によれば、ホウ酸量を増量することなく、加湿環境下において優れた寸法安定性及び光学的耐久性を有する偏光子を得ることができる。
本発明で用いる偏光子は、好ましくは、カリウムをさらに含有し得る。上記カリウム含有量は、好ましくは0.2〜1.0質量%であり、さらに好ましくは0.3〜0.9質量%であり、特に好ましくは0.4〜0.8質量%である。カリウム含有量を上記範囲とすることによって、好ましい範囲の透過率を有し、かつ、偏光度が高い偏光板を得ることができる。
上記偏光子の透過軸方向の線膨張係数は、特に制限はなく、任意の適切な値をとり得る。例えば、二色性物質を含有するポリビニルアルコール(PVA)系樹脂を主成分とする偏光子を用いる場合、偏光子の透過軸方向の線膨張係数は、4.0×10−5〜5.0×10−5/℃となり得る。
<偏光板>
本発明の偏光板保護フィルムは、偏光子と組み合わせて偏光板としてもよい。偏光板は、偏光子と、該偏光子の両側に設けられた偏光板保護フィルムとを有するものであって、該偏光板保護フィルムの少なくとも一方が本発明の偏光板保護フィルムである。偏光板保護フィルムは、光散乱層や反射防止層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光子と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が10〜50度の範囲にあることが好ましい。例えば、本発明の偏光板保護フィルムの片面に粘着層を設けてディスプレイの最表面に配置することができる。
図1は、本発明の好ましい実施形態による偏光板の概略断面図である。図1の実施形態においては、偏光板101は、偏光子10と該偏光子10の両方の面に配置された偏光板保護フィルム20,30とを備える。該偏光子10と該偏光板保護フィルム20,30は、任意の接着層(図示せず)を介して、貼り合わせられている。
<その他の層>
本発明の偏光板は、その他の層をさらに有してもよい。その他の層としては、例えば、反射防止層、帯電防止層、位相差層、輝度向上フィルム層、粘着剤層等が挙げられる。一つの実施形態においては、本発明の偏光板は、該粘着剤層を介して液晶セルと貼り合わせられる。該粘着剤層は、23℃における貯蔵弾性率が8.0×10以上1.0×10未満であることが好ましく、1.0×10〜8.0×10であることがより好ましい。その他の層は、目的や用途、本発明の偏光板が用いられる液晶表示装置の構成等に応じて、任意の適切な層を選択すればよく、数、種類、位置、配置等は適宜設定され得る。
<表示装置>
本発明の偏光板保護フィルムや、上述した本発明の偏光板保護フィルムを有する偏光板は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)等の各種表示装置に用いることができる。本発明の偏光板保護フィルム又は偏光板は、画像表示装置の表示画面の視認側に配置されることが好ましい。
<液晶表示装置>
本発明の偏光板保護フィルム又は偏光板は、特に液晶表示装置等のディスプレイの最表層に用いることが好ましい。液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を有し、液晶セルは、2枚の電極基板の間に液晶を担持している。さらに、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に1枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に2枚配置されることもある。
液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモード又はECBモードであることが好ましい。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of Tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルであり、米国特許第4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
IPSモードの液晶セルは、ネマチック液晶に横電界をかけてスイッチングする方式であり、詳しくはProc.IDRC(Asia Display 1995),p.577−580及び同p.707−710に記載されている。
ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向している。ECBモードは、最も単純な構造を有する液晶表示モードの一つであって、例えば特開平5−203946号公報に詳細が記載されている。
<プラズマディスプレイパネル(PDP)>
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、一般に、ガス、ガラス基板、電極、電極リード材料、厚膜印刷材料、蛍光体により構成される。ガラス基板は、前面ガラス基板と後面ガラス基板の2枚である。2枚のガラス基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガラス基板には、さらに蛍光体層を形成する。2枚のガラス基板を組み立てて、その間にガスを封入する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、既に市販されているものを用いることできる。プラズマディスプレイパネルについては、特開平5−205643号、同9−306366号の各公報に記載がある。
前面板をプラズマディスプレイパネルの前面に配置することがある。前面板はプラズマディスプレイパネルを保護するために充分な強度を備えていることが好ましい。前面板は、プラズマディスプレイパネルと隙間を置いて使用することもできるし、プラズマディスプレイ本体に直貼りして使用することもできる。
プラズマディスプレイパネルのような画像表示装置では、光学フィルターをディスプレイ表面に直接貼り付けることができる。また、ディスプレイの前に前面板が設けられている場合は、前面板の表側(外側)又は裏側(ディスプレイ側)に光学フィルターを貼り付けることもできる。
<有機EL素子>
本発明の偏光板保護フィルムは、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。本発明の偏光板保護フィルムを有機EL素子等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容を応用することができる。また、特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号の各公報記載の内容と併せて用いることが好ましい。
(タッチパネル)
上述した透明導電性フィルムは、タッチパネル用途に好適であり、例えば、特開2009−176608号公報の段落[0073]〜[0075]の記載に従い、タッチパネルを作製することができる。
本発明に係るタッチパネルは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ、電子ペーパー等の表示装置等に組み込むことで、入力デバイスとして利用することができる。本発明に係るタッチパネルを利用することで、干渉ムラの発生が抑制され、かつ、良好な色味のタッチパネルとすることができる。
タッチパネルの構成については、抵抗膜型、静電容量型などがあり、静電容量型の入力装置は、単に1枚の基板に透光性導電膜を形成すればよいという利点があるため、静電容量型であることが好ましい。かかる静電容量型の入力装置では、例えば、前記透明電極層として互いに交差する方向に電極パターンを延在させて、指などが接触した際、電極間の静電容量が変化することを検知して入力位置を検出するタイプのものを好ましく用いることができる。このようなタッチパネルの構成については、例えば、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報、特開2010−257492号公報等の記載を参酌できる。
タッチパネルを構成要素として備えた画像表示装置の構成については、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
また、タッチパネルを組み込むことができる液晶ディスプレイの構成については、特開2002−48913号公報等の記載も参酌できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
実施例1
偏光板保護フィルム(以下、単に「保護フィルム」という。)]
<保護フィルム101の作製>
(微粒子分散液aの調製)
エタノール90質量部を密閉容器に投入し、撹拌しながら表1に記載の酸化ケイ素微粒子a(日本アエロジル(株)製)を10質量部加えた。その後ディゾルバーで50分間撹拌混合した後、前記2000gの混合液を高圧分散装置(商品名:超高圧ホモジナイザーM110−E/H、Microfluidics Corporation 製)に通し、175MPaで1回処理することで、微粒子分散液aを調製した。
(微粒子添加液Aの調製)
得られた微粒子分散液aを、ジクロロメタンを入れた密閉容器に、十分撹拌しながらゆっくりと添加した。更に、アトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液Aを調製した。
ジクロロメタン 95質量部
微粒子分散液a 5質量部
下記組成の主ドープを調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクに水添ノルボルネン系樹脂を撹拌しながら投入した。これを加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープを調製した(一度目の主ドープ調製)。
(主ドープの組成)
ジクロロメタン 300質量部
エタノール 19質量部
水添ノルボルネン系樹脂I 100質量部
微粒子添加液A 1質量部
以上を密閉容器に投入し、撹拌しながら溶解してドープを調製した。次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度33℃、1500mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は30℃に制御した。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が100%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力130N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
剥離した保護フィルムを、160℃の熱をかけながらテンターを用いて幅方向に5%延伸した。延伸開始時の残留溶媒は30%であった。
次いで、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥温度は130℃で、搬送張力は90N/mとした。
以上のようにして、乾燥膜厚20μmの混合用の保護フィルム101Aを得た。
次に、前記、混合用の保護フィルム101A及び新たな水添ノルボルネン系樹脂Iを用いて、二度目の主ドープ調製を下記のように行った。
(主ドープの組成)
ジクロロメタン 300質量部
エタノール 19質量部
混合用の保護フィルム101A 80質量部
水添ノルボルネン系樹脂(下記樹脂I) 20質量部
微粒子添加液A 0.2質量部
以上を密閉容器に投入し、撹拌しながら溶解してドープを調製した。次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度33℃、1500mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は30℃に制御した。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が100%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力130N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
剥離した保護フィルムを、160℃の熱をかけながらテンターを用いて幅方向に5%延伸した。延伸開始時の残留溶媒は30%であった。
次いで、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥温度は130℃で、搬送張力は90N/mとした。
以上のようにして、乾燥膜厚20μmの混合用の保護フィルム101を得た。
以下、混合用の保護フィルムの添加率、水添ノルボルネン系樹脂の種類、一度目のドープ調製における、微粒子添加液の水添ノルボルネン系樹脂に対する添加比率(質量%)、可塑剤の種類を、表1及び表2に示すように変更した以外は保護フィルム101と同様にして保護フィルム102〜123を作製した。ただし二度目の主ドープの調整における微粒子添加液の添加量(質量部)は、水添ノルボルネン系樹脂の総質量(混合用の保護フィルム中の水添ノルボルネン系樹脂の質量と、新たに添加した水添ノルボルネン系樹脂の質量の合計)に対する微粒子の総質量(混合用の保護フィルム中の微粒子の質量と、新たに添加した微粒子添加液中の微粒子の質量の合計)の比率(質量%)が、一度目の主ドープ調製における水添ノルボルネン系樹脂の質量に対する添加液中の微粒子の質量の比率(質量%)と同一となるように調整した。
なお可塑剤A,B,Cは、水添ノルボルネン系樹脂100質量部に対し、可塑剤10質量部の割合で添加した。
(樹脂)
I:水添ノルボルネン系樹脂JSR(株)製 アートン(登録商標)(G7810)
II:水添ノルボルネン系樹脂JSR(株)製 アートン(登録商標)(RX4500) III:トリアセチルセルロース イーストマンケミカル(株)製 CTA
(可塑剤Aの調製)
エチレングリコール62g、アジピン酸144g、安息香酸30g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.181gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四ツ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温した。15時間脱水縮合反応させ、反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、可塑剤Aとしてのポリエステルを得た。酸価0.10mgKOH/g、数平均分子量1900であった。
(可塑剤Bの調製)
1,6−ヘキサンジオール60g、セバシン酸101g、安息香酸122g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四ツ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温した。15時間脱水縮合反応させ、反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、可塑剤Bとしてのポリエステルを得た。酸価0.10mgKOH/g、数平均分子量600であった。
Figure 0006859958
[評価]
微粒子の一次粒子と二次粒子の平均粒子径は、下記のようにして測定した。
<添加液中の微粒子(一次粒子)の平均粒子径と相対標準偏差>
調製した酸化ケイ素微粒子添加液を、ガラス板に塗布、乾燥させ、透過型電子顕微鏡(倍率1万〜10万倍)で微粒子を撮影した。
得られた画像をコニカミノルタ社製フラットヘッドスキャナーシティオス(Sitios)9231にて電子データ化し、画像解析ソフトイメージプロプラス(ImagePro Plus)を使用して、平均一次粒子径の測定を行った。平均一次粒子径は、粒子投影面積と等しい面積をもつ円の直径で表される円相当径を使用した。また、このデータから相対標準偏差を算出した。
なお、スキャナーで読み取った画像から解析を行うために、微粒子の画像のコントラストを強調することで画像解析ソフトが微粒子を認識できるようにするフィルター処理を行った。さらに、このフィルター条件を変更することでコントラストの最適化を行った。
ここで、フィルター処理はメディアン3×3、次に平坦化20ピクセル、次にハイパス3×3、次にメディアン3×3を使用した。
次に、上記コントラストを最適化した画像から粒子を抽出し、個々の一次粒子の形状を画像解析ソフトで測定して、一次粒子の平均粒子径を測定した。
<フィルム中の微粒子(二次粒子)の平均粒子径と標準偏差>
水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有する偏光板保護フィルムのサンプルを、エポキシ樹脂で包埋後、ウルトラミクロトームにより約100nm厚の超薄切片を作製し、日本電子製透過型電子顕微鏡2000FX(加速電圧:200kV)により2500〜10000倍のTEM画像を撮影した。
得られた画像をコニカミノルタ製フラットヘッドスキャナーシティオス(Sitios9231)にて電子データ化し、画像解析ソフトImagePro Plusを使用して、フィルム中の平均粒子径の測定を行った。
フィルム中の平均粒子径は、粒子投影面積と等しい面積をもつ円の直径で表される円相当径を計算した。
なお、スキャナーで読み取った画像から解析を行うために、微粒子の画像のコントラストを強調することで画像解析ソフトが微粒子を認識できるようにするフィルター処理を行った。さらに、このフィルター条件を変更することでコントラストの最適化を行った。
ここで、フィルター処理はメディアン3×3、次に平坦化20ピクセル、次にハイパス3×3、次にメディアン3×3を使用した。
次に、上記コントラストを最適化した画像から二次粒子を抽出し、個々の二次粒子の形状を画像解析ソフトで測定して、平均粒子径を測定した。
保護フィルムの各特性である、<ピーク密度>、<透湿度>、<面内方向の位相差値R(nm)>、<厚さ方向の位相差値Rt(nm)>及び<ヘイズ>については前記記載の方法で測定した。
<動摩擦係数>
保護フィルム表面と裏面間の動摩擦係数は、JIS K 7125(ISO8295)に準じ、フィルムの表裏面が接触するように切り出し、200gの重りを載せ、サンプル移動速度100mm/分、接触面積80mm×200mmの条件で重りを水平に引っ張り、重りが移動中の平均荷重(F)を測定し、下記式より動摩擦係数(μ)を求めた。これを滑り性の尺度とした。
動摩擦係数=F(gf)/重りの重さ(gf)
<平面性>
巻き取った保護フィルム原反試料を35℃、80%RHの条件下で10日間保存した。フィルム原反試料を500m巻き出して、1mの長さでサンプングし、フィルム試料表面に点灯している蛍光灯の管を反射させて映し、その歪み又は細かい乱れを観察し、平面性を下記レベルにランク分けした。
○:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が歪み無くきれいに見える。
△:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が少し歪んで見える。使用上問題ないレベル。
×:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が激しく歪んで見える。使用上問題となるレベル。
保護フィルム101〜123について、これらの項目を評価した。
保護フィルムの構成と上記評価結果を合わせ表1及び表2に示した。
Figure 0006859958
Figure 0006859958
表2の結果から示されるように、本発明の保護フィルムは、ヘイズの劣化なく動摩擦係数が小さい(滑り性が良い)ことがわかる。
図2に、偏光板保護フィルム番号110(比較例)の電子顕微鏡写真を示す。図3に保護フィルム番号101(本発明)の電子顕微鏡写真を示す。
実施例2
<偏光板301〜326の作製>
偏光子1の一方の面(A面)に、PVA系接着剤を介して、偏光子1の透過軸と平行な方向となるよう保護フィルム101を貼り合わせ、偏光子1の他方の面(B面)に下記保護フィルム203を貼り合わせて偏光板301を得た。表3に記載のように、保護フィルム及び偏光子を組み合わせた以外は偏光板301と同様にして、偏光板302〜偏光板326を作製した。
保護フィルム201
(ポリエチレンナフタレートフィルム、テオネックスQ83(商品名)(帝人デュポン社製)、厚さ:40μm)
保護フィルム202
(ポリエチレンテレフタレートフィルム、MRF40(商品名)(三菱樹脂社製)厚さ:25μm)
保護フィルム203
(トリアセチルセルロースフィルム、KC4UAW(商品名)コニカミノルタ社製、厚さ:40μm)
保護フィルム204
(トリアセチルセルロースフィルム、KC2UAW(商品名)コニカミノルタ社製、厚さ:25μm)
[偏光子1]
重合度2400、ケン化度99.7モル%、厚さ75μmのPVA系樹脂フィルムを用意した。当該フィルムを、30℃のヨウ素水溶液中で染色しながらフィルム搬送方向に3倍に延伸し、次いで、60℃の4質量%ホウ酸、5質量%のヨウ化カリウム水溶液中で、総延伸倍率が元長の6倍となるように延伸した。さらに、延伸したフィルムを30℃の2質量%のヨウ化カリウム水溶液中に数秒浸漬することで洗浄した。得られた延伸フィルムを90℃で乾燥し偏光子を得た。
偏光板301〜324について、下記の評価を行った。
[評価]
<平面性>
各偏光板を蛍光灯の下に配置し、表面に点灯している蛍光灯の管を反射させて映し、その歪み又は細かい乱れを観察し、平面性を下記レベルにランク分けした。
○:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が歪み無くきれいに見える。
△:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が少し歪んで見える。使用上問題ないレベル。
×:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が激しく歪んで見える。使用上問題となるレベル。
<偏光度湿熱耐久性>
各偏光板について、60℃90%RHでの500時間放置した後の偏光度を測定した。評価基準は下記のとおりである。
○:偏光度が99.7%以上
△:偏光度が99.2%以上99.7%未満
×:偏光度が99.2%未満
上記の偏光度は、下記の方法で算出した。
分光光度計(村上色彩技術研究所製 DOT−3)を用いて、1枚の偏光板の透過率(単体透過率)を測定した。また、同様の分光光度計を用いて、2枚の同じ偏光板を両者の透過軸が平行となるように重ね合わせた場合の透過率(平行透過率:H0)及び、両者の透過軸が直交するように重ね合わせた場合の透過率(直交透過率:H90)を測定した。そして、平行透過率(H)及び、直交透過率(H90)を、以下の式に適用することで偏光度を算出した。
(式) 偏光度(%)={(H−H90)/(H+H90)}1/2×100
なお、単体透過率、平行透過率(H)、直交透過率(H90)は、JIS Z8701の2度視野(C光源)により視感度補整したY値である。
偏光板301〜326について、これらの項目を評価した。
偏光板の構成と上記評価結果を合わせ表3に示した。
Figure 0006859958
表3の結果から示されるように、本発明の偏光板は、平面性が良く、偏光度の湿熱耐久性も良いことがわかる。
本発明は、ヘイズを増加させることなく、滑り性が改良された偏光板保護フィルム、当該偏光板保護フィルムの製造及び当該偏光板保護フィルムを備える偏光板に利用することができる。
10 偏光子
20,30 偏光板保護フィルム
101 偏光板

Claims (7)

  1. ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有する偏光板保護フィルムであって、
    前記ノルボルネン系樹脂が、水添ノルボルネン系樹脂であり、
    少なくとも水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有するフィルムと、水添ノルボルネン系樹脂とを混合してなり、
    下記式で定義される混合率が20〜80(%)の範囲内であり、
    前記微粒子の二次粒子の平均粒子径が0.05〜0.20μmの範囲内であり、前記二次粒子の粒子径の相対標準偏差が5〜20%の範囲内であり、かつ、
    前記偏光板保護フィルムの表面のピーク密度が1000〜5000(個/mm)の範囲内であることを特徴とする偏光板保護フィルム。
    混合率(%)={a/(a+b)}×100
    (ここで、aは、水添ノルボルネン系樹脂と微粒子を含有するフィルムの質量(g)を表す。bは水添ノルボルネン系樹脂の質量(g)を表す。)
  2. 前記偏光板保護フィルムのヘイズ値が2.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板保護フィルム。
  3. 前記偏光板保護フィルムの透湿度が、温度40℃、相対湿度90%の環境下、JIS Z 0208に準拠して測定したとき、100〜400g/m・24hの範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の偏光板保護フィルム。
  4. 前記偏光板保護フィルムの膜厚が、5〜40μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
  5. 前記偏光板保護フィルムの、下記式(I)で定義される面内方向の位相差値R(nm)及び下記式(II)で定義される厚さ方向の位相差値Rt(nm)が、下記式(III)及び下記式(IV)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
    式(I) Ro=(n−n)×d
    式(II) Rt={(n+n)/2−n}×d
    式(III)|Ro|≦10nm
    式(IV) |Rt|≦10nm
    (式(I)〜(IV)中、Ro及びRtは温度23℃、相対湿度55%の環境下で波長590nmの光で測定した位相差値である。
    は前記偏光板保護フィルムの、フィルム面内の遅相軸方向での屈折率である。nは、前記偏光板保護フィルムの、フィルム面内の進相軸方向での屈折率である。nは、前記偏光板保護フィルムの膜厚方向の屈折率である。dは、前記偏光板保護フィルムの膜厚(nm)である。)
  6. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルムを製造する偏光板保護フィルムの製造方法であって、前記水添ノルボルネン系樹脂及び溶媒を含む高分子溶液を支持体上に流延して製膜する工程を有することを特徴とする偏光板保護フィルムの製造方法。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルムを有することを特徴とする偏光板。
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