JP6859673B2 - 水栓 - Google Patents

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Description

本発明は、水栓に関し、具体的には断面長手方向及び断面短手方向を有する外観の水栓に関する。
従来、水栓としては、例えば特許文献1に記載された構造のものがある。この特許文献1に記載の水栓においては、スパウトが断面円形に形成されており、スパウトが合成樹脂製であるため、スパウトの補強のために内部に補強部材が設けられている。
特開2013−87600号公報
水栓のスパウトの形状は、水栓の外観に大きく影響しデザインの良否を左右するものであり、近年では、一般的に見られる断面円形のものの他、例えば断面矩形や断面楕円形等、断面長手方向と断面短手方向を有する扁平な形状のものが開発されている。そのような形状の水栓では、断面短手方向に力がかかると変形しやすくスパウトが損傷しやすいという、扁平な断面形状のスパウトに特有の問題がある。一方で、必要な強度を確保するためにスパウトの形状を検討すると、スパウトの形状に制約ができ、より薄型の、多様なデザインの水栓を設計することが難しくなる。
本発明は、断面長手方向及び断面短手方向を有する断面形状の外観を有する場合においても必要な強度を確保することができる水栓を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の水栓は、断面長手方向及び断面短手方向を有し水栓の外観を構成する外観部材と、水が吐出される吐水口と、吐水口と吐水口に水を供給する給水源とを連通する通水部材と、外観部材の内部に設けられ、外観部材を補強する補強部材と、を備えを備え、外観部材は、上下方向に延びる第1スパウト部と、第1スパウト部から屈曲して前後方向に延びる第2スパウト部と、を有し、補強部材は、外観部材及び通水部材とは別体として設けられるとともに、第1スパウト部及び第2スパウト部にわたって屈曲して設けられている、ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、外観部材の内部に補強部材が設けられている。ここで、外観部材は、断面長手方向と断面短手方向とを有する形状に形成されている。したがって、従来のような断面円形ではなく、断面長手方向及び断面短手方向を有する形状の外観部材を備えた場合においても、必要な強度が確保され、例えば短手方向に力がかかった場合にも変形や損傷が防止される。また、補強部材が外観部材の内部に設けられているので、補強部材によって必要な強度が確保され、外観部材の形状の設計自由度が高くなる。これにより、水栓のデザインが多様化する。
本発明において、好ましくは、補強部材は、外観部材の断面に直交する方向及び断面短手方向に延びる補強リブを有する。
このように構成された本発明においては、補強部材が補強リブを有し、この補強リブは、外観部材の断面に直交する方向に延びるとともに、断面短手方向にも延びる。断面長手方向及び断面短手方向を有する外観部材においては、断面短手方向に沿って力が加わると外観部材が変形しやすい。本発明では、補強リブが、外観部材の断面に直交する方向及び断面短手方向に延びるので、外観部材の短手方向の曲げ剛性が高まり、外観部材が効果的に補強される。
また、上記の目的を達成するために、本発明の水栓は、断面長手方向及び断面短手方向を有し水栓の外観を構成する外観部材と、水が吐出される吐水口と、吐水口と吐水口に水を供給する給水源とを連通する通水部材と、外観部材の内部に設けられ、外観部材を補強する補強部材と、を備え、補強部材は、外観部材の断面に直行する方向及び断面短手方向に延びる補強リブを有し、補強リブは、外観部材の形状に対応した所定形状に切断された板材で構成される。
このように構成された本発明においては、補強リブが切断された板材で構成されるので、入手が比較的容易な板材を所定の形状に切断することで補強リブを形成することができ、比較的安価且つ簡単に補強リブを用意することが可能になる。また、板材が外観部材の形状に対応した所定形状に切断されるので、曲げ加工等の更なる加工が不要となり、補強リブの製造が容易になる。
本発明において、好ましくは、補強リブは、積層された複数の板材で構成される。
このように構成された本発明においては、補強リブは、複数の板材を積層して構成されるので、入手が比較的容易な板材を積層することにより、比較的安価且つ容易に補強リブを形成することが可能になる。また、板材を積層することで補強リブを形成するので、板材の積層枚数を増減したり板材の切断形状を変更したりすることにより、様々な形状の補強リブの形成が容易に可能になる。さらに、例えば複数の板材の寸法を徐々に大きくする等変化させてこれらの板材を積層すれば、全体として曲線や曲面に対応した形状も形成可能になるから、外観部材の内部形状に応じて補強リブの形状を形成することも可能となり、様々な形状に応じた補強リブの形成が容易となる。
本発明において、好ましくは、複数の板材は、同一の厚みを有する。
このように構成された本発明においては、複数の板材が同一の厚みを有しているので、同じ板材を切断することで複数の板材を製造することが可能になり、補強リブの製造が簡単になる。また、必要な板材の厚みが1種類になるので、板材の管理も簡単になる。
本発明において、好ましくは、補強リブの各板材は、断面長手方向及び断面短手方向を有し、各板材の断面長手方向は、外観部材の断面短手方向に沿い、各板材の断面短手方向は、外観部材の断面長手方向に沿うように配置され、各板材は、外観部材の断面長手方向に沿って積層される。
このように構成された本発明においては、補強リブ各板材の断面長手方向が外観部材の断面短手方向に沿って配置され、各板材の断面短手方向が外観部材の断面長手方向に沿って配置され、各板材が外観部材の断面長手方向に沿って積層されているので、外観部材の断面短手方向の曲げ剛性が高まり、外観部材が断面短手方向に撓みにくくなるから、外観部材が効果的に補強される。よって外観部材の断面短手方向に力が加わった場合でも、外観部材が変形しにくくなり、外観部材の損傷が防止される。
本発明において、好ましくは、補強部材は、外観部材の断面に直交する方向に延びるとともに、断面短手方向に延びる複数の補強リブを有し、通水部材は、複数の補強リブの間に配置される。
このように構成された本発明においては、通水部材が複数の補強リブの間に配置されるので、通水部材の周囲において外観部材が効果的に補強される。また、補強部材が複数の補強リブを有するので、各補強リブの断面短手方向の寸法を比較的短くしても全体として必要な強度を確保することが可能になる。これにより、外観部材の断面短手方向の寸法をより小さくすることが可能になり、水栓をより薄型に設計することが可能となる。
本発明において、好ましくは、通水部材は、複数の通水管で構成される。
このように構成された本発明においては、通水部材が複数の通水管で構成されているので、必要な水の流量に対して各通水管の断面積をより小さくすることが可能になる。よって、外観部材の断面短手方向の寸法をより小さくすることが可能となり、水栓をより薄型に設計することが可能になる。
本発明において、好ましくは、外観部材は、第1スパウト部において水栓が取り付けられる被取付面に接続する基端側部分と、第2スパウト部において吐水口が設けられる先端側部分と、基端側部分及び先端側部分の間に設けられた屈曲部とを有し、補強部材は、屈曲部に設けられ且つ先端側部分に設けられていない
このように構成された本発明においては、補強部材は、屈曲部に設けられ且つ先端側部分に設けられていない。ここで、外観部材には、先端側部分において断面短手方向に沿って力が加わる場合がしばしばある。このとき、外観部材には屈曲部において大きなモーメントが生じる一方で、先端側部分においては生じるモーメントが比較的小さい。そこで、本発明では、補強部材が、屈曲部に設けられ且つ先端側部分に設けられていないことにより、効率的に外観部材が補強される。また、上記のようにすることにより、先端側部分に補強部材が設けられていないから、外観部材内部の空間をより広く確保することが可能となり、水栓の様々な内部機構を設けることが可能になる。
本発明において、好ましくは、外観部材は、断面長手方向に延びる第1面を有する第1カバーと、断面長手方向に延びる第2面を有するとともに第1カバーに対向して取り付けられる第2カバーと、を有する。
このように構成された本発明においては、外観部材が第1カバー及び第2カバーを有するので、第1カバーと第2カバーとを取り付けることにより、外観部材が形成される。よって、外観部材の組立製造が容易となる。また、外観部材が第1カバー及び第2カバーを有するので、例えば第1カバーと第2カバーとの間に補強部材を配置してから両者を互いに取り付けることによって外観部材の内部に補強部材を配置するのが容易になる。
本発明の一実施形態にかかる水栓の分解斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる水栓の第2カバーを外した状態の斜視図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 本発明の変形例に係る水栓の側面図である。 図4のV−V線に沿った断面図である。 図4のVI−VI線に沿った断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる水栓の分解斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態にかかる水栓の第2カバーを外した状態の斜視図である。これらの図1及び図2に示すように本実施形態の水栓1は、水栓1の被取付面(図示せず)に取り付けられる取付部2と、取付部2に固定され水栓1の外観を構成する外観部材4と、水が吐出される吐水部6と、水栓1に水を供給する給水源(図示せず)と吐水部6とを連通する通水部材8と、外観部材4の内部に配置され外観部材4を補強する補強部材10と、を備える。本実施形態では、被取付面を水平面として説明し、したがって図1及び図2において上側を水栓1の上側、下側を水栓1の下側として説明する。また、図1及び図2において外観部材4の先端側が突出する方向(図1及び図2において左手前方向)を水栓1の前側、その反対側(図1及び図2において右奥方向)を水栓1の後側として説明する。しかしながら、被取付面は水平面である場合に限らず、垂直の壁面等任意の向きに設定可能である。
取付部2は、給水源に接続される給水管12と、給水管12の端部に固定されたベースプレート14と、を有する。ベースプレート14は、略矩形状の板状部材で形成され、ベースプレート14の面は、給水管12の軸線方向に略直交する方向に延びるように配置されている。
外観部材4は、取付部2に取り付けられ取付部2の給水管12の軸線方向に平行な方向、つまり上下方向に延びる第1スパウト部16と、第1スパウト部16に対して略直角に屈曲して前後方向に延びる第2スパウト部18とを備えた、全体として略L字形に形成された部材である。外観部材4は、第1スパウト部16において取付部2側に位置する基端側部分20と、第1スパウト部16と第2スパウト部18との間の屈曲部22と、第2スパウト部18において屈曲部22から遠い側に位置する先端側部分24とを有する。
外観部材4は、第1カバー26と、第1カバー26に対向して取り付けられる第2カバー28と、で形成されている。第1カバー26は、第1スパウト部16の前面を形成する前面部26A、と第2スパウト部18の下面を形成する下面部26Bとを有する。第2カバー28は、第1スパウト部16の後面を形成する後面部28Aと、第2スパウト部18の上面を形成する上面部28Bとを有する。
第1カバー26は、基端(下端)において、取付部2のベースプレート14の上面を覆う略矩形状のカバー部30を有し、このカバー部30の外縁の3辺は、ベースプレート14の外縁に溶接等で固定されている。カバー部30においてベースプレート14に固定されない後側の外縁には、前面部26Aが一体的に形成されている。前面部26Aの上端には、下面部26Bが一体的に形成されている。下面部26Bは、水平方向前方に延びている。第1カバー26の先端側部分には、吐水部6から吐出される水を通すための開口部32が形成されている。
第2カバー28は、基端(下端)において、取付部2のベースプレート14の後側の外縁に溶接等で固定されている。また、第2カバー28において後面部28Aは、上下方向に延び、後面部28Aの上端には、上面部28Bが一体的に形成されている。上面部28Bは、水平方向前方に延びている。
このような第1カバー26及び第2カバー28の形状により、第1スパウト部16は、取付部2の給水管12の軸線に対して後方にオフセットされた位置で、給水管12の軸線方向に平行に垂直方向に延びる。また、第2スパウト部18は、第1スパウト部16の上端から、水平方向前方に延びる。そして、第1カバー26及び第2カバー28は、互いの外縁が溶接等で固定されることによって、中空状の外観部材を構成している。
図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。この図3に示すように、外観部材2は、第1カバー26及び第2カバー28によって、断面長手方向L1と断面短手方向W1とを有する、扁平な断面形状を有する。
より具体的には、第1カバー26は、図3に示すように、断面長手方向L1の中央部分において第2カバー28の面から遠ざかる方向に湾曲する湾曲面27Aと、湾曲面27Aの両側に第2カバー28側に突出する立上部27Bとを有する。湾曲面27Aは、湾曲しているものの、全体として断面長手方向L1に沿って延びている。
第2カバー28は、図3に示すように、断面長手方向L1に沿って直線状に延びる平面29Aと、平面29Aの両側に第1カバー26側に突出する立上部29Bとを有する。
第1カバー26及び第2カバー28は、立上部27B、29Bを重ね合わせた状態で溶接等することにより、互いに対向して取り付けられている。
吐水部6は、外観部材4の内部に設けられ、外観部材4の断面形状に応じた断面形状を有する。つまり、吐水部6の上面は第2カバー28の平面29Aに対応した、略矩形状の平面であり、吐水部6の下面は、第1カバー26の湾曲面27Aに対応した、断面長手方向L1の中央部分が下方に円弧状に湾曲した湾曲面となっている。吐水部6の下面には、第1カバー26の開口部32を通して水を外部に吐出するための吐出口34が形成されている。
通水部材8は、複数(本実施形態では2本)の通水管36で構成され、これら通水管36は、互いに所定間隔を隔てて平行に配置され、外観部材4の形状に沿って延びている。つまり、通水管36は、基端側において取付部2の給水管12に接続・連通し、第1スパウト部16の内部を屈曲部22まで上下方向に延び、屈曲部22において屈曲部22の形状に応じて略直角に屈曲し、屈曲部22から第2スパウト部18の先端側部分24まで第2スパウト部18の内部を水平方向前方に延びる。通水管36は、先端側において吐水部6に接続・連通している。
なお、図示はしないが、吐水部6の近傍には使用者の手を感知するセンサが設けられており、センサの信号を給水管12の供給弁に伝達するための信号線が、通水管36に沿って配置されている。
補強部材10は、第1スパウト部16の基端側部分20に設けられた第1の補強部材38と、屈曲部22に設けられた第2の補強部材40とを有する。第1及び第2の補強部材38,40の各々は、外観部材4を補強する補強リブ42,44と、補強リブ42,44を所定位置で保持する保持部材46,48と、を有する。
補強リブ42,44は、同一の厚みの板材を所定形状に切断し、複数枚(本実施形態では3枚)の板材を積層することで形成されている。
第1の補強部材38の補強リブ42の各板材は、図1及び図3に示されるように、所定の厚みTを有する板材を、同一の所定幅Dの棒状に切断することで形成されている。このとき、板材は、保持部材46の長手方向の寸法、つまり上下方向の寸法に等しい長さに切断される。このように、板材の切断形状は、補強リブ42の各板材の厚み寸法以外の形状寸法が、が外観部材4内に組み込まれたときの最終形状と同一になるため、板材に更なる曲げ加工等は行わない。
ここで、本実施形態では、所定幅Dは厚みTよりも大きく設定されており、したがって、補強リブ42の各板材は、断面長手方向L2(所定幅Dの方向)と断面短手方向W2(厚みTの方向)とを有する略矩形状の断面形状に形成される。
補強リブ42は、板材の厚みTの方向が外観部材4の断面長手方向L1に沿うように配置され、板材の所定幅Dの方向が外観部材4の断面短手方向W1に沿うように配置されている。つまり、補強リブ42の各板材の断面長手方向L2は、外観部材4の断面短手方向W1に沿って配置され、補強リブ42の断面短手方向W2は、外観部材4の断面長手方向L1に沿って配置される。また、複数の補強リブ42の各板材は、外観部材4の断面長手方向L1に沿って積層されている。
このように複数の板材を積層することで構成された補強リブ42は、外観部材4の断面長手方向L1に関して通水管36の両側に一対配置されている。つまり、図3に示すような水栓1の断面において、一対の補強リブ42の間に2つの通水管36が配置される。また、補強リブ42は、外観部材4の長手方向に沿って、つまり外観部材4の断面に直交する方向に沿って延びており、通水管36の長手方向に平行に配置される。
第2の補強部材40の複数の補強リブ44の各々は、図示はしないが、第1の補強部材38の補強リブ42と同様に、補強リブ42と同じ厚みを有する板材を複数枚(本実施形態では3枚)積層することで形成されている。より具体的には、補強リブ44の各板材は、厚みTの板材を所定幅Dで略L字形に切断することで形成されている。このとき、板材は、保持部材48の面の長手方向に沿った寸法、つまり保持部材48の上下方向に延びる部分の上下方向の寸法、屈曲部22に対応する部分の円弧状の長さ、及び水平方向に延びる部分の前後方向の寸法の和に等しい長さに切断される。このように切断した板材の形状は、補強リブ44の各板材の厚み寸法以外の寸法形状が外観部材4内に組み込まれたときの最終形状と同一の略L字形であるため、板材に更なる曲げ加工等は行わない。
ここで、所定幅Dは、厚みTよりも大きく設定されており、これにより、補強リブ44の各板材は、断面長手方向(所定幅Dの方向)と断面短手方向(厚みTの方向)とを有する略矩形状の断面形状に形成される。つまり、各板材の断面長手方向は、外観部材4の断面短手方向W1に沿って配置され、各板材の断面短手方向は、外観部材4の断面長手方向L1に沿って配置される。また、各板材は、外観部材4の断面長手方向L1に沿って積層されている。
補強リブ44は、補強リブ42と同様に、外観部材4の断面長手方向L1に関して通水管36の両側に一対配置されている。つまり、水栓1の断面において、一対の補強リブ44の間に2つの通水管36が配置される。また、補強リブ44は、外観部材4の長手方向に沿って、つまり外観部材4の断面に直交する方向に沿って延びており、通水管36の長手方向に平行に配置される。
保持部材46,48は、外観部材4の内部空間の断面長手方向L1の寸法に対応した幅を有する板状部材で形成されている。第1の補強部材38の保持部材46は、略矩形の板状に形成されており、長手方向が上下方向に沿うように配置されている。保持部材46は、第1カバー26及び第2カバー28のうちの第2カバー28側に配置されている。つまり、保持部材46は、第1カバー26及び通水管36よりも後方で且つ第2カバー28よりも前方に配置されている。言い換えると、保持部材46は、通水管36と第2カバー28との間に配置されている。保持部材46の前方側の面には、補強リブ42が、積層された状態で溶接等によって固定されている。これにより、補強リブ42は、保持部材46の前方側の面から前方側に突出するように延びる。
第2の補強部材40の保持部材48は、略L字形に曲げ加工された板状に形成されており、曲げ加工された部分が外観部材4の屈曲部22に対応するように配置されている。保持部材48も、保持部材46と同様に、第1カバー26及び第2カバー28のうちの第2カバー28側に配置されている。より具体的には、第1スパウト部16に配置された保持部材48は、第1カバー26及び通水管36よりも後方に配置され、また第2スパウト部18に配置された保持部材48は、第1カバー26及び通水管36よりも上方に配置されている。つまり、保持部材48は、通水管36と第2カバー28との間に配置されている。
第1スパウト部16に配置された保持部材48の前方側の面には、補強リブ44が、積層された状態で溶接等によって固定されている。これにより、補強リブ44は、保持部材48の前方側の面から前方側に突出するように延びる。また、第2スパウト部18に配置された保持部材48の下方側の面には、補強リブ44が、積層された状態で溶接等によって固定されている。これにより、補強リブ44は、保持部材48の下方側の面から下方側に突出するように延びる。
なお、積層された補強リブ42,44の板材は互いに固定されておらず、互いに隣接する板材と接する状態で保持部材46,48に溶接で固定されているが、補強リブ42,44をそれぞれ構成する複数の板材は、接着や溶接等によって互いに固定されていてもよい。
このような補強部材38、40では、屈曲部22には補強リブ44が設けられているが、先端側部分24には補強リブが設けられていない。したがって、外観部材4の断面において、外観部材4の断面積に対して補強リブの断面積が占める割合は、屈曲部22における割合よりも、先端側部分24における割合の方が小さくなっている。
このように構成された本実施形態では、吐水部6に設けられたセンサが、吐水部6の下方に手が挿入されたことを感知すると、センサからの感知信号が信号線を通して供給弁に送信され、これにより供給弁が開く。供給源からの水は、2つの流れに分割されて2つの通水管36を通り、吐水部6で合流して吐水口34から吐出される。
このように構成された本実施形態によれば、次のような優れた効果を得ることができる。
外観部材4が断面長手方向L1及び断面短手方向W1を有する扁平な断面形状を有し、外観部材4の内部に補強部材10を設けたので、従来のような断面円形ではなく、断面長手方向及び断面短手方向を有する扁平な、薄型の形状の外観部材を備えた場合においても、必要な強度を確保することができ、例えば使用者が水栓1の第2スパウト部18を上から下方に押した場合でも、屈曲部22や基端側部分20の変形や損傷を防止することができる。
外観部材4の内部に補強部材10を設けたので、外観部材4の外観に影響を及ぼすことなく外観部材4の強度を確保することができる。よって外観部材4を設計する際には外観部材4のデザイン性を優先することができるから、様々なデザインの水栓1を設計することができる。
補強部材10が補強リブ42、44が、外観部材4の断面に直交する方向に延びるとともに、断面短手方向W1に延びるので、外観部材4の断面短手方向W1の曲げ剛性を高めることができ、外観部材4を効果的に補強することができる。
板材を所定形状に切断することで補強リブ42,44を形成するので、入手が比較的容易な板材で補強リブ42、44を形成することができ、補強リブ42、44を比較的安価且つ簡単に用意することができる。また、板材を切断するだけで補強リブ42,44の最終形状に対応した形状を形成するので、板材に曲げ加工等の更なる加工が不要となり、補強リブ42,44を容易に製造することができる。
補強リブ42、44を、複数の板材を積層して形成するので、入手が比較的容易な板材を積層して所望の厚みの補強リブ42,44を形成することができるから、比較的安価且つ容易に多様な形状の補強リブを形成することができる。また、板材を複数積層することで補強リブ42,44を形成するので、板材の積層枚数を増減したり板材の切断形状を棒状や略L字形というように変更したりすることにより、様々な形状の補強リブ42,44を形成することができる。
補強リブ42,44を形成する板材が同一の厚みTを有しているので、補強リブ42,44を製造する際には、同じ板材を所定形状に切断すればよい。よって補強リブ42,44の製造工程を簡単にすることができる。また、必要な板材の種類が1種類になるので、板材の管理も簡単に行うことができる。
補強リブ42,44の各板材の断面長手方向L2が、外観部材4の断面短手方向W1に沿い、各板材の断面短手方向W2は、外観部材4の断面長手方向L1に沿うように配置されるので、外観部材4の断面短手方向W1の曲げ剛性が高まり、外観部材4が断面短手方向W1に撓みにくくなるから、外観部材4を効果的に補強することができる。よって外観部材4の断面短手方向W1に力が加わった場合でも、外観部材4の変形や損傷を防止することができる。
通水管36が、複数(2つ)の補強リブ42,44の間に配置されるので、通水管36の周囲において外観部材4を効果的に補強することができる。また、補強リブ42,44がそれぞれ複数設けられているので、各補強リブ42,44を1本ずつ設けた場合に比べて、断面短手方向W2の寸法を短くしても全体として必要な強度を確保することができる。これにより、外観部材4の断面短手方向W1の寸法をより小さくすることができるから、水栓1の薄型化を促進することができる。
また、通水管36が複数設けられているので、所定の水の流量を確保するための各通水管36の直径を小さくすることができる。これにより、外観部材4の断面短手方向W1の寸法をより小さくすることができ、必要な水量を確保しながら水栓1をより薄型に設計することができる。
外観部材4の断面において外観部材の断面積に対する補強リブ44の断面積が占める割合が、屈曲部22におけるよりも先端側部分24において、小さくなるように設定されている。ここで、例えば外観部材4の第2スパウト部18に断面短手方向W1に沿って力が加わる場合、外観部材4には屈曲部22において比較的大きなモーメントが生じる一方で、先端側部分20において生じるモーメントは比較的小さい。そこで、本実施形態では、屈曲部22に補強リブ44を設け、先端側部分24には補強リブを設けないことにより、効率的に外観部材4を補強することができる。また、先端側部分24に補強リブ44を設けないことにより、外観部材4に必要な強度を確保しながら、先端側部分24における外観部材4内部の空間をより広く確保することができ、例えば水の整流装置や使用者の手を感知するセンサ等の様々な内部機構を設けることができる。
外観部材4を第1カバー26及び第2カバー28で構成したので、外観部材4を簡単に組立製造することができる。また、外観部材2が第1カバー26及び第2カバー28を有することにより、例えば第1カバー26の上で補強部材10や通水部材8を配置し、その上から第1カバー26を第2カバー28で覆い、第1カバー26と第2カバー28との間を溶接等で互いに固定すれば、外観部材4の内部に補強部材10を容易に配置することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、以下のような態様であってもよい。
前述の実施形態では、屈曲部22に第2の補強部材40を設け、先端側部分24には補強部材を設けないことにより、外観部材4の断面において外観部材の断面積に対して補強部材の断面積が占める割合を、屈曲部22におけるよりも、先端側部分24における方が小さくなるように設定したが、これに限らず、例えば補強部材を屈曲部22及び先端側部分24の両方に設け、その場合に外観部材4の断面において外観部材の断面積に対して補強部材の断面積が占める割合を、屈曲部22におけるよりも、先端側部分24における方が小さくなるように設定してもよい。
図4は、本発明の変形例に係る水栓50の側面図であり、図5は、図4のV−V線に沿った断面図であり、図6は、図4のVI−VI線に沿った断面図である。これらの図5及び図6に示すように水栓50は、先端側部分24において通水管36の両側に2つの補強リブ52を有するが、屈曲部22においては、通水管36の両側及び通水管36の間に3つの補強リブ54を有する。
このように補強リブ52,54の数を、屈曲部22よりも先端側部分24において減らすことにより、外観部材4の断面において外観部材の断面積に対して補強部材の断面積が占める割合を、屈曲部22におけるよりも、先端側部分24における方が小さくなるように設定してもよい。あるいは、屈曲部22よりも先端側部分24において、補強リブの積層枚数を減らしたり、補強リブの厚みを小さくしたり、補強リブの断面長手方向の寸法や断面短手方向の寸法を小さくすることによって、外観部材4の断面において外観部材4の断面積に対して補強部材の断面積が占める割合を、屈曲部22におけるよりも、先端側部分24における方が小さくなるように設定してもよい。
前述の実施形態では、補強リブ42,44は、全て同じ形状に切断された板状で形成されていたが、これに限らず、例えば図5及び図6に示すように、補強リブ52,54の各板材の断面長手方向L2の寸法を互いに異なるように形成してもよい。この場合には、図5に示すように、外観部材4の内部空間の形状に応じて、補強リブ52の各板材の断面長手方向L2の寸法を設定してもよい。また、図6に示すように、通水管36の両側の補強リブ54の各板材は互いに異なる寸法で形成され、通水管36の間の補強リブ54の各板材は全て同じ寸法で形成されていてもよい。このような補強リブによれば、外観部材の内部形状に応じて補強リブの形状を形成することができるから、様々な形状の外観部材においても容易且つ確実に補強することができる。
前述の実施形態では、補強部材は、外観部材の長手方向の一部に設けられていたが、これに限らず、例えば補強部材を外観部材の長手方向の全長にわたって設けてもよい。
前述の実施形態では、外観部材4の断面形状は、一方の面が平面で他方の面が一方面から遠ざかる方向に湾曲した湾曲面となっていたが、これに限らず、断面長手方向及び断面短手方向を有する形状であれば、所望のデザインに応じて任意の断面形状を採用してよい。
また、外観部材4は、第1カバー26及び第2カバー28によって形成されていたが、これに限らず、外観部材の組立構造は、形状等に応じて任意に設定してよい。
1 水栓
4 外観部材
6 吐水部
8 通水部材
26 第1カバー
27A 湾曲面(第1面)
28 第1カバー
29A 平面(第2面)
10,38,40 補強部材
34 吐水口
36 通水管
42,44,52,54 補強リブ
46,48 保持部材

Claims (10)

  1. 断面長手方向及び断面短手方向を有し水栓の外観を構成する外観部材と、
    水が吐出される吐水口と、
    前記吐水口と前記吐水口に水を供給する給水源とを連通する通水部材と、
    前記外観部材の内部に設けられ、前記外観部材を補強する補強部材と、を備え、
    前記外観部材は、上下方向に延びる第1スパウト部と、前記第1スパウト部から屈曲して前後方向に延びる第2スパウト部と、を有し、
    前記補強部材は、前記外観部材及び前記通水部材とは別体として設けられるとともに、前記第1スパウト部及び前記第2スパウト部にわたって屈曲して設けられている、
    ことを特徴とする水栓。
  2. 前記補強部材は、前記外観部材の断面に直交する方向及び前記断面短手方向に延びる補強リブを有する、
    請求項1に記載の水栓。
  3. 断面長手方向及び断面短手方向を有し水栓の外観を構成する外観部材と、
    水が吐出される吐水口と、
    前記吐水口と前記吐水口に水を供給する給水源とを連通する通水部材と、
    前記外観部材の内部に設けられ、前記外観部材を補強する補強部材と、を備え、
    前記補強部材は、前記外観部材の断面に直行する方向及び前記断面短手方向に延びる補強リブを有し、
    前記補強リブは、前記外観部材の形状に対応した所定形状に切断された板材で構成される、
    ことを特徴とする水栓。
  4. 前記補強リブは、積層された複数の前記板材で構成される、
    請求項3に記載の水栓。
  5. 前記複数の板材は、同一の厚みを有する、
    請求項4に記載の水栓。
  6. 前記補強リブの各板材は、断面長手方向及び断面短手方向を有し、前記各板材の前記断面長手方向は、前記外観部材の前記断面短手方向に沿い、前記各板材の前記断面短手方向は、前記外観部材の前記断面長手方向に沿うように配置され、前記各板材は、前記外観部材の前記断面長手方向に沿って積層される、
    請求項4または請求項5に記載の水栓。
  7. 前記補強部材は、前記外観部材の断面に直交する方向に延びるとともに、前記断面短手方向に延びる複数の補強リブを有し、
    前記通水部材は、前記複数の前記補強リブの間に配置される、
    請求項1に記載の水栓。
  8. 前記通水部材は、複数の通水管で構成される、
    請求項7に記載の水栓。
  9. 前記外観部材は、前記第1スパウト部において前記水栓が取り付けられる被取付面に接続する基端側部分と、前記第2スパウト部において前記吐水口が設けられる先端側部分と、前記基端側部分及び前記先端側部分の間に設けられた屈曲部とを有し、
    前記補強部材は、前記屈曲部に設けられ且つ前記先端側部分に設けられていない、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の水栓。
  10. 前記外観部材は、断面長手方向に延びる第1面を形成する第1カバーと、前記断面長手方向に延びる第2面を有するとともに前記第1カバーに対向して取り付けられる第2カバーと、を有する、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の水栓。
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