JP6858985B2 - 金属化合物膜の成膜方法及び反応性スパッタ装置 - Google Patents

金属化合物膜の成膜方法及び反応性スパッタ装置 Download PDF

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Description

本発明は、金属化合物膜の成膜方法及び反応性スパッタ装置に関するものである。
金属酸化物の薄膜を反応性スパッタ法により成膜する場合、スパッタ雰囲気に導入する酸素分子の流量が多くなると、金属薄膜を成膜する場合に比べて成膜速度が著しく低下する。このため、成膜室に、ターゲットが装着されたスパッタ電極とは別に、ラジカル電極を設け、基板の表面と、ターゲットの表面との間隙に対し酸素ラジカル、すなわち酸素原子を供給するように構成した金属酸化物成膜装置が知られている(特許文献1)。
特開2007−204819号公報
しかしながら、上記従来技術では、スパッタ電極とは別にラジカル電極が必要となるため、高周波電源その他の装置費用が増加するとともに、成膜室におけるラジカル電極の専有容積およびラジカル源に使用する高周波電源とそれに付随するマッチングボックスだけ成膜装置が大型化するという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、簡単な構造で金属化合物膜を成膜することができる金属化合物膜の成膜方法及び反応性スパッタ装置を提供することである。
本発明は、直流電源とスパッタ電極との間に、直流電圧をパルス波電圧に変換するパルス波変換スイッチを設け、パルス波変換スイッチと、反応ガス導入制御器と、反応に要する時間とを、プログラムされたパルス制御信号パターンを発生するプログラマブル発信器により制御することにより、スパッタ電極に供給する目標電力と目標反応ガス導入タイミングとを適宜に設定することによって、上記課題を解決する。
特に、成膜室に放電ガスを導入した状態で、ターゲットが装着されたスパッタ電極に、前記パルス制御信号パターンにより設定されたスパッタ目標電力を供給するとともに、前記パルス制御信号パターンにより設定された目標導入タイミングだけ前記反応ガス導入機から前記成膜室へ反応ガスを導入しないで、前記基板に前記ターゲットの金属超薄膜を形成する第1の工程と、
前記成膜室に放電ガスを導入した状態で、前記ターゲットが装着されたスパッタ電極に、前記パルス制御信号パターンにより設定されたスパッタ目標電力を供給するとともに、前記パルス制御信号パターンにより設定された目標導入タイミングだけ前記反応ガス導入機から前記成膜室へ反応ガスを導入し、前記基板に前記ターゲットの金属超薄膜を形成する第2の工程と、を少なくとも備える金属化合物膜の成膜方法により、上記課題を解決する。
また、成膜される基板が投入される成膜室と、
前記成膜室を所定圧力に減圧する減圧機と、
前記成膜室に放電ガスを導入する放電ガス導入機と、
成膜材料となるターゲットが装着され、前記基板に対して対向するように設けられたスパッタ電極と、
前記成膜室に反応ガスを導入する反応ガス導入機と、
前記スパッタ電極に電力を供給する直流電源と、
前記直流電源と前記スパッタ電極との間に接続され、前記スパッタ電極に印加する直流電圧をパルス波電圧に変換する複数のパルス波変換スイッチと、
前記反応ガス導入機から前記成膜室への反応ガスの導入を制御する反応ガス導入制御器と、
前記スパッタ電極に供給するスパッタ目標電力と、前記反応ガスの目標導入タイミングとに応じたパルス制御信号パターンがプログラム可能とされ、プログラムされたパルス制御信号パターンにしたがって、前記パルス波変換スイッチと前記反応ガス導入制御器とを制御するプログラマブル発信器と、を備え、
前記反応ガス導入機は、
反応ガス供給源と、
前記反応ガス供給源から供給する反応ガス流量を調節する流量調節器と、
前記流量調節器から分岐して前記成膜室へ反応ガスを導く第1ガス流路と、
前記流量調節器から分岐して前記減圧機の排気系へ反応ガスを導く第2ガス流路と、
前記第1ガス流路を開閉する第1開閉弁と、
前記第2ガス流路を開閉する第2開閉弁と、を備え、
前記反応ガス導入制御器は、前記プログラマブル発信器からのパルス制御信号パターンに基づいて、前記第1開閉弁と前記第2開閉弁を排他的に開閉制御する反応性スパッタ装置によっても、上記課題を解決する。
本発明によれば、簡単な構造で金属化合物膜を成膜することができる成膜方法及び反応性スパッタ装置を提供することができる。
本発明に係る反応性スパッタ装置の一実施の形態を示すブロック図である。 図1のプログラマブル発信器に設定されるベースパルス及びマスクパルス並びにこれらにより生成されるアウトプットパルスを示す図である。 図1のプログラマブル発信器により生成される電圧パルス波(マスクパルス)の一例を示す図である。 図1のバイアス直流電源を設けた場合における、図1のプログラマブル発信器により生成される電圧パルス波(マスクパルス)の他例を示す図である。 所定の反応性スパッタ条件において、ターゲットの反応ガス流量に対する成膜速度の特性プロファイルを示すグラフである。 本発明に係る反応性スパッタ装置を用いた成膜方法の一実施の形態を示すタイムチャートである。 スパッタリング中に酸素ラジカルのプラズマ発光(波長777.4nm)の有無を観察したグラフである。 本発明に係る反応性スパッタ装置の他の実施の形態を示すブロック図である。 本発明に係る反応性スパッタ装置を用いた成膜方法の他の実施の形態を示すタイムチャートである。
《反応性スパッタ装置》
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の反応性スパッタ装置の一実施の形態を示すブロック図である。本実施形態の反応性スパッタ装置1は、実質的に密閉空間を形成する成膜室11を備え、当該成膜室11に、成膜される基板Sを保持する基板ホルダ12と、基板Sに対して対向するスパッタ電極18とが設けられている。スパッタ電極18の先端には、成膜材料となるターゲットTが装着される。また、反応性スパッタ装置1は、成膜室11を所定圧力に減圧する減圧機13と、減圧機13により減圧される成膜室11の圧力を制御する、仕切バルブ(メインバルブ)を兼ねたコンダクタンスバルブ14と、成膜室11に放電ガスを導入する放電ガス導入機15と、成膜室11に反応ガスを導入する反応ガス導入機16と、反応ガス導入機16による反応ガス量を制御する反応ガス導入制御器17とを備える。なお、成膜室11と減圧機13との間の配管に、成膜室11側から順にコンダクタンスバルブと、これとは別の仕切バルブ(メインバルブ)を設けてもよい。
本実施形態の反応性スパッタ装置1は、スパッタ電極18に電力を供給する直流電源20を備える。また、本実施形態の反応性スパッタ装置1は、直流電源20とスパッタ電極18との間に接続され、スパッタ電極18に印加する直流電圧をパルス波電圧に変換するパルス波変換スイッチ22を備える。さらに、本実施形態の反応性スパッタ装置1は、スパッタ電極18に供給するスパッタ目標電力と、反応ガスの目標導入タイミングとに応じたパルス制御信号パターンがプログラム可能とされ、当該パルス制御信号パターンにしたがって、パルス波変換スイッチ22を制御するとともに、反応ガス導入制御器17を制御するプログラマブル発信器24と、減圧機13,コンダクタンスバルブ14,放電ガス導入機15及び反応ガス導入機16を制御する装置制御器25と、反応性スパッタ装置1の全体の制御を統括する成膜制御器26と、を備える。以下、各構成部材を説明する。
基板ホルダ12は、たとえば平板状に形成され、成膜室11に設けられ、その上面には、成膜対象とされる基板Sが載置される。また成膜時に基板Sを加熱する必要がある場合に対応して、基板ホルダ12に基板Sを加熱する加熱器を設けてもよい。図1においては図示を省略するが、成膜室11の一側壁には、ロードロック室がゲートバルブを介して連設され、基板Sは当該ロードロック室からゲートバルブを開いてロード機構などにより投入され、基板ホルダ12の上面に載置される。また、成膜を終了した基板Sは、ロード機構を用いて基板ホルダ12からロードロック室に搬出される。本実施形態の反応性スパッタ装置1は、1枚の基板Sに対してスパッタ成膜を行う、いわゆる枚葉式反応性スパッタ装置である。ただし、本発明の反応性スパッタ装置1は、枚葉式に限定されず、成膜室11に複数の基板Sを投入して処理するものであってもよい。また、本例の基板ホルダ12は、基板Sに対する成膜品質(膜厚や組成比)の均一性を高めるための回転機構や上下機構、ロードロック室との間で基板Sを出し入れする際の作業性を高めるための昇降機構を備えてもよい。
スパッタ電極18は、先端面に成膜材料となるターゲットTが保持され、ターゲットTの表面が、基板ホルダ12に載置された基板Sに対面するように設けられている。本実施形態の反応性スパッタ装置1では、基板Sの一つの面に対して1つのスパッタ電極18を設けているが、本発明の反応性スパッタ装置は、1つのスパッタ電極18にのみ限定されず、基板Sの一つの面に対して2つ以上のスパッタ電極を設けてもよい。2つ以上のスパッタ電極を設けた反応性スパッタ装置の実施形態については、後述する。
減圧機13は、スパッタ処理時には、成膜室11をスパッタが可能な圧力にするための排気口、排気管及び排気ポンプ(真空ポンプ)を含む。成膜室11の残留ガスを除去するため、成膜室11を所定の高真空圧力まで排気した後、スパッタ処理に移行する。スパッタ処理は、放電ガス導入機15から放電ガスを成膜室11に導入し、たとえば数Pa〜数10Paの減圧(真空)雰囲気になるように、仕切バルブを兼ねたコンダクタンスバルブ14を操作し、成膜室11を所定の圧力に設定する。なお、仕切バルブ(メインバルブ)は、開又は閉の動作を行うバルブであり、コンダクタンスバルブは、排気速度を調節するために開度が可変とされているバルブである。また、成膜を終了したら、バルブバルブを兼ねたコンダクタンスバルブ14を閉め、当該成膜室11に設けられたリークバルブ(不図示)を開くことで成膜室11を常圧に戻すことができる。なお、成膜室11の大気開放は、成膜室11に設けたリークバルブにて行い、減圧機13は、成膜装置1全体を停止するとき以外は、作動し続けることが望ましい。減圧機13を停止して大気開放すると、大気に含まれる水や塵埃により減圧機13が汚染されるおそれがあり、また減圧機13を停止した後に減圧機13を再起動するのに長時間かかるからである。
放電ガス導入機15は、放電ガス(スパッタ処理においてプラズマ状態を形成し、ターゲットに衝突するイオンを発生させるガス)を成膜室11に供給するための、ガスボンベ、レギュレータ、仕切バルブ、導入管、流量調節バルブ及び必要に応じてポンプを含む。放電ガスとしては特に限定されないが、たとえばアルゴンガスなどの不活性ガスが用いられる。
反応ガス導入機16は、反応性スパッタ処理を行う場合に用いられ、図1に示すように、圧縮された反応ガスを貯留した反応ガスボンベ161と、反応ガスボンベ161からガス流路165を介して供給されるガス流量を設定するための流量調節器162と、流量調節器162から分岐して成膜室11へ反応ガスを導く第1ガス流路166a,166bと、流量調節器162から分岐して減圧機13の排気系へ反応ガスを導く第2ガス流路167a,167bと、第1ガス流路166a,166bを開閉する第1開閉弁163と、第2ガス流路167a,167bを開閉する第2開閉弁164と、を含む。なお、反応ガスボンベ161の圧力は、ボンベが満タン時には、一次圧(たとえば30MPa)に圧縮されていることから、反応ガスボンベ161にレギュレータを設け、二次圧(たとえば2〜5KPa)とし、流量調節器162の動作圧力に減圧してガス流路165へ導く。また、第2ガス流路167bにニードルバルブを設け、減圧機13へ排気する反応ガス流量を調節してもよい。
そして、反応ガス導入制御器17は、後述するプログラマブル発信器24にて生成されたパルス制御信号パターンを入力し、これを反応ガス導入機16にて制御可能な所定電圧に昇圧した後、当該反応ガス導入機16に出力することで、反応ガス導入機16の第1開閉弁163と第2開閉弁164とを排他的に開閉制御する。これにより、成膜室11へ導入される反応ガスの導入タイミングと導入量を高精度で制御する。なお、厳密にいえば、成膜室11への反応ガスの導入量を反応ガス流量×導入時間とすると、反応ガスの流量制御は流量調節器162により制御され、導入時間は、プログラマブル発信器24により制御される。
ここで、「排他的に開閉制御する」とは、第1開閉弁163と第2開閉弁164の一方を開放する場合は他方を閉塞し、逆に一方を閉塞する場合は他方を開放する制御をいう。本例のように、反応ガスボンベ161から流量調節器162により一定量の反応ガスを供給した状態で、成膜室11へ反応ガスを導入するタイミングでは、第1開閉弁163を開くとともに第2開閉弁164を閉じる一方、成膜室11への反応ガスの供給を停止するタイミングでは、第1開閉弁163を閉じるとともに第2開閉弁164を開いて反応ガスを減圧機13の排気系へ導く。ガス導入配管内を減圧に維持することで、成膜室11への反応ガスのパルス的な導入/非導入を100msec以下の高精度のタイミングで安定して制御することができる。
特に、第1開閉弁163と成膜室11間の配管166bは、成膜時において常に減圧雰囲気となっている。これに対し、仮に第2開閉弁164を設けない構成とした場合、流量調節器162と第1開閉弁163との間の配管166aは、第1開閉弁163が「閉」のときに反応ガスボンベ161の二次圧に戻ってしまい、反応ガス導入時において、当該配管166aと成膜室11との圧力差のため、成膜室11に反応ガスが突入するという問題が生じる。このため、本例のように第2開閉弁164を設けることにより、第1開閉弁163が「閉」の場合でも、第2開閉弁164が「開」となることから、流量調節器162と第1開閉弁163との間の配管166aの減圧状態が維持され、その結果、成膜室11への突入ガスの発生を抑制することができる。
反応ガス導入機16により成膜室11に導入される反応ガス種は特に限定されず、成膜物質として金属酸化膜や金属窒化膜をスパッタする場合には、酸素ガスや窒素ガスが反応ガス導入機16から成膜室11へ導入される。なお、必要に応じ、酸素ガス用と窒素ガス用に反応ガス導入を複数系統設置してもよく、反応性スパッタを行わない場合には、反応ガス導入制御器17を制御して、反応ガス導入機16による反応ガスの成膜室11への導入を停止すればよい。
直流電源20は、ターゲットに1kV以下の直流電圧を印加して放電させるものであり、これにより電子を放出して陽イオン化したアルゴンガス(放電ガス)の一部が、ターゲットに衝突して当該ターゲット原子を叩き出し、これがターゲットの延伸方向にある基板Sに堆積する。なお、直流電源20は、本実施形態の反応性スパッタ装置1では一つだけ設けられている。また、本実施形態の直流電源20として、電力制御(CP)、電圧制御(CV)、電流(CC)がそれぞれ自動で切り替え制御できる電源であることが望ましい。
本実施形態の直流電源20とスパッタ電極18との間の電力供給線には、パルス波変換スイッチ22が設けられている。パルス波変換スイッチ22は、直流電源20からの直流電圧をパルス波電圧に変換するスイッチング素子などからなり、数kVの高電圧に耐え得るスイッチング素子、たとえばMOSFET,IGBT,SiCなどのパワートランジスタなどを用いることができる。
パルス波変換スイッチ22は、プログラマブル発信器24により制御される。すなわち、プログラマブル発信器24は、スパッタ電極18に供給するスパッタ目標電力値に応じたパルス制御信号のパターンを、当該パルス波変換スイッチ22に出力し、ON/OFF制御する。
図2は、プログラマブル発信器24におけるアウトプットパルス(スパッタマスクパルス又はガス導入マスクパルス)の生成方法を示す図である。同図に示すように、パルス波変換スイッチ22及び反応ガス導入制御器17に出力されるアウトプットパルス(パルス制御信号のパターン)は、パルススパッタ周波数を表すベースパルスと、スパッタ時間周波数を表すマスクパルスとのAND条件にて定義されるように設定される。このとき、ベースパルス及びマスクパルスのそれぞれは、周波数、デューティ比及び位相角を個々に設定可能とされ、同一のベースクロックを用いることでベースパルスとマスクパルスとの同期が図られている。また、1サイクル中のスパッタ時期又はガス導入時期は、マスクパルスの位相角を変更したり、開始時期を設定したりすることで行う。同図に示すベースパルスは、たとえば周波数1kHz〜500kHz、デューティ比50%、位相角0°に設定され、マスクパルスは、周波数0.5Hz〜1.0Hz、デューティ比50%、位相角0°に設定された例を示す。なお、プログラマブル発信器24のチャネル数は、出力先であるパルス波変換スイッチの数と、反応ガス導入制御器17に含まれる出力先の機器の数との合計数以上の数だけ備えられている。また、プログマブル発信器24は、1サイクル回数の繰り返し回数や、開始から終了までの1サイクル時間も設定可能とされている。
図3は、図1のプログラマブル発信器24とパルス波変換スイッチ22により生成される電圧パルス波(マスクパルス)の一例を示す図である。たとえば、図3に示すように、プログラマブル発信器24は、パルス波変換スイッチ22をON/OFFする周波数1/T及びデューティ比τ/Tを含む制御信号のパターンが任意にプログラム可能とされている。また、繰り返し波形によらずに時間軸上での波形作成ができることから、単発現象でのプログラムが可能とされる。また、プログラマブル発信器24は、ユニットの内部周期の開始タイミングを調整する機能を備え、パルス波変換スイッチ22へ出力する制御信号パターンと、反応ガス導入制御器17へ出力する制御信号パターンとは、単一のクロックから生成されるため、高精度な同期性が保たれている。
また、図1に示すように、パルス波変換スイッチ22のスパッタ電極18側の回路に、+50V程度(+100V以下であることが好ましい)のバイアス直流電源21を接続してもよい。バイアス直流電源21を接続した場合、スパッタ電圧を出力していないときは、バイアス電圧がターゲットに印可されることになる。図4は、バイアス直流電源21を設けた場合における、図1のプログラマブル発信器24及びパルス波変換スイッチ22により生成される電圧パルス波(マスクパルス)の他例を示す図である。正のバイアス直流電源21を設けることで、図4に示すように、パルス波変換スイッチ22がOFF時には、スパッタ電極18に反転電圧(+の直流電圧)が印加されることになる。スパッタ処理においては、ターゲット内部の含有物又は表面に付着する不純物に局所的に+電位が帯電し、−電位に印加されたターゲット又はスパッタ電極との間にアークが発生することがある。したがって、図4に示すように、パルス波変換スイッチ22のOFF時に、反転電圧パルス波を発生させることで、こうした+電位の帯電を能動的に除去(中和)することができ、アークの発生を抑制することができる。
図1に戻り、装置制御器25は、成膜制御器26からの制御信号に基づいて、減圧機13と、コンダクタンスバルブ14と、放電ガス導入機15と、反応ガス導入機16とを制御し、プログラマブル発信器24による反応ガス導入制御器17の制御と相俟って、成膜室11の排気、成膜室11への放電ガス及び反応ガスの導入タイミングを制御する。具体的な使用例は後述するが、一例として、スパッタ電極18に電力を供給している間は、放電ガス導入機15から成膜室11へアルゴンガスなどの不活性ガスが連続して導入されるように放電ガス導入機15を制御する一方、1サイクルにおいて反応ガス導入制御器17から成膜室11への反応ガスの導入がON/OFFするように反応ガス導入機16を制御する。
《反応性スパッタ装置を用いた成膜方法》
このような本実施形態の反応性スパッタ装置1を用いると、種々の成膜形態でのスパッタ処理が可能となる。特に複数の異種金属をターゲットとして金属酸化膜や金属窒化膜などの複合金属化合物膜、混合膜又は多層膜を形成する場合に、成膜速度の低下を可能な限り抑制しつつ成膜できる方法が可能となる。複合金属化合物膜及び混合膜を含めて金属化合物膜という。
図5は、所定の反応性スパッタ条件において、酸素ガスや窒素ガスその他の所定種の反応ガスの流量に対する成膜速度(単位時間当たりの堆積量)の特性プロファイルを示すグラフである。反応ガス流量が相対的に少量である範囲は金属モードと称され、反応ガス流量が相対的に多量である範囲は反応モード(反応ガスとして酸素を用いた場合は酸化モードともいう。)と称され、これらの間は遷移モードと称される領域がある。反応ガス流量に対する成膜速度は、反応ガス流量が0から遷移モードに達するまで高い成膜速度を有し、遷移モードの範囲近傍において急激に減少変化し、その後は低い成膜速度となる。ターゲットの金属種によってプロファイルの傾きに多少の相違はあるが、概略の傾向は金属スパッタに共通する。すなわち、反応モードでは成膜速度が遅く、金属モードでは成膜速度が速い。
そこで本発明者らは、一つのターゲットTについて、スパッタ電極18に電圧を連続的に印加してスパッタ処理を実施する1サイクルの工程を、反応ガスを成膜室11に導入せずに金属モードで成膜する工程と、反応ガスを成膜室11に導入して反応モードで成膜する工程との2つの工程に設定することで、成膜速度の減少を最小限に抑制できると同時に、成膜室11に導入された反応ガスをスパッタ電極18によりラジカルの発生ができることを見出した。すなわち、反応ガスのラジカル電極を別途設けなくても、スパッタ電極18自体をラジカル電極として共用することで反応ガスを反応性の高いラジカル発生源とし、短時間で金属超薄膜の反応処理を行うことができる。そして、成膜速度(薄膜の堆積量)は、反応ガスを成膜室11に導入せずに金属モードで成膜する工程で確保することとする一方、反応ガスを成膜室11に導入して反応モードで成膜する工程で反応膜を生成する。なお、本実施形態のターゲットTは特に限定されず、シリコンSi,ジルコニウムZr,チタンTi,アルミニウムAl、ニオブNb、タンタルTa、イットリウムY、エルビウムErなどの金属が例示できる。
図6は、本発明に係る反応性スパッタ装置1を用いた成膜方法の例を示すタイムチャートであり、成膜工程の単位となる1周期(1サイクル)を示す。同図は、プログラマブル発信器24にプログラムされたパルス制御信号パターン(図の縦軸はON/OFFを示し、横軸は時間を示す)であり、上図から順に、スパッタ電極18に対する印加パルス(ON/OFF)、反応ガス導入制御器17への印加パルス(ON/OFF)、放電ガス導入機15への印加パルス(ON/OFF)をそれぞれ示す。所望の反応ガスを反応ガス導入機16から成膜室11に導入することで、金属酸化膜や金属窒化膜などの金属化合物膜を形成する例である。図6に示す成膜方法は、たとえばターゲットTとしてシリコンSi、反応ガスとして酸素を選択し、酸化シリコンSiOの金属化合物膜を形成する場合に適用することができる。
図6に示す成膜方法は、成膜室11に不活性ガスなどの放電ガスを導入するとともに、ターゲットT(たとえばシリコンSi)が装着されたスパッタ電極18に対して1サイクル連続するスパッタマスクパルスを印加した状態で、1サイクルのうち所定時間幅t1だけ反応ガスを成膜室11に導入せずに金属モードでスパッタ処理し、これに続いて所定時間幅t2だけ反応ガス(たとえば酸素O)を成膜室11に導入して反応モードでスパッタ処理する。なお、図6において、所定時間幅t1にて反応ガスを導入し、所定時間幅t2にて反応ガスを導入しないようにしてもよい。
これにより、1サイクルの前半の所定時間幅t1においては、金属モードによるスパッタ処理が行われるので、成膜速度が高く生産性の良い処理となる。一方において、1サイクルの後半の所定時間幅t2においては、反応モード(たとえば酸化モード)によるスパッタ処理が行われる。これと同時に、成膜室11に導入された反応ガスは、スパッタ電極18の電界によりラジカル化し、基板Sに形成されたターゲットTの超薄膜が当該ラジカル化した反応ガスと反応することになる。たとえば、シリコンをターゲットとし、反応ガスを酸素ガスとした場合でいえば、所定時間幅t1の金属モードにおいて基板Sに堆積したシリコンSiの超薄膜を、所定時間幅t2の反応モードにおいて導入した酸素ガスOにより酸化して酸化シリコンSiOの薄膜とすると同時に、この所定時間幅t2の反応モードにおいて基板Sに酸化シリコンの超薄膜を堆積させる。そして、目標とする膜厚になるまで、このサイクルを繰り返す。
図7は、酸素ラジカルのプラズマ発光(波長777.4nm)の有無(縦軸は光の強度を示す)を観察した実験例であり、実施例1は、シリコンのターゲットに所定電力を連続して供給した状態で、所定時間幅t1では成膜室11に酸素ガスを導入せず、続く所定時間幅t2では成膜室11に酸素ガスを導入し、このサイクルを繰り返して反応性スパッタリング処理を行ったものである。これに対して、比較例1は、実施例1は、シリコンのターゲットに所定電力を連続して供給し、且つ成膜室11に酸素ガスを導入せずにスパッタリング処理を行った者である。実施例1の所定時間幅t2において、酸素ラジカルのプラズマ発光を特定する波長777.4の光の強度がピークを示すことが確認された。比較例1においては、酸素ラジカルのプラズマ発光を特定する波長777.4の光は観察されなかった。
このように、本実施形態の成膜方法によれば、1サイクルのうちの所定時間幅t1においては、金属モードによるスパッタ処理が行われるので、成膜速度が高く生産性の良い処理となる。一方において、1サイクルのうちの所定時間幅t2においては、反応モードによるスパッタ処理が行われるところ、図5に示すように反応モードによる金属化合物の成膜速度は相対的に低下するものの、これと同時に、先の金属モードにより堆積した金属薄膜を、ラジカル化した反応ガスによって反応させるので、これによっても金属化合物が生成することになる。その結果、スパッタ電極とは別のラジカル電極を設けることなく、簡単な構造で金属化合物膜を成膜することができる金属化合物膜の成膜方法及び反応性スパッタ装置を提供することができる。
次に、成膜室11に2つのスパッタ電極18,19を設けた反応性スパッタ装置1の実施形態について説明する。2つ以上のスパッタ電極を設けることで、複数の金属化合物膜/金属膜の積層膜を成膜することができる。
図8は、本発明に係る反応性スパッタ装置1の他の実施の形態を示すブロック図である。なお、図1に示す反応性スパッタ装置1と共通する構成については一部の説明を省略する。本実施形態の反応性スパッタ装置1は、実質的に密閉空間を形成する成膜室11を備え、当該成膜室11に、成膜される基板Sを保持する基板ホルダ12と、成膜材料となるターゲット(本例では第1ターゲットT1と第2ターゲットT2)をそれぞれ備え、一つの基板Sに対して対向する複数のスパッタ電極(本例では第1スパッタ電極18と,第2スパッタ電極19)とが設けられている。
本実施形態の反応性スパッタ装置1は、第1スパッタ電極18と第2スパッタ電極19とに電力を供給する一つの直流電源20を備える。また、本実施形態の反応性スパッタ装置1は、直流電源20と、第1スパッタ電極18及び第2スパッタ電極19と、の間に並列に接続され、第1スパッタ電極18及び第2スパッタ電極19に印加する直流電圧をパルス波電圧に変換する複数のパルス波変換スイッチ(本例では第1パルス波変換スイッチ22及び第2パルス波変換スイッチ23)とを備える。
第1スパッタ電極18は、先端面に成膜材料となる第1ターゲットT1が保持され、第1ターゲットT1の表面が、基板ホルダ12に載置された基板Sに対面するように設けられている。同様に、第2スパッタ電極19は、先端面に成膜材料となる第2ターゲットT2が保持され、第2ターゲットT2の表面が、基板ホルダ12に載置された基板Sに対面するように設けられている。本実施形態の反応性スパッタ装置1では、基板Sの一つの面に対して2つのスパッタ電極18,19を設けているが、本発明の反応性スパッタ装置は、2つのスパッタ電極18,19にのみ限定されず、基板Sの一つの面に対して3つ以上のスパッタ電極を設けてもよい。
また、複数のスパッタ電極を基板Sに対面して設ける場合、全てのターゲットの表面と基板Sの表面とは平行にならないが、成膜制御の容易性を考慮して、各スパッタ電極が、基板Sの表面に対して等配又は対称の配置になるように設けることが好ましい。図8に示す2つの第1スパッタ電極18と第2スパッタ電極19では、第1スパッタ電極18の中心軸C1と、第2スパッタ電極19の中心軸C2が、基板Sの中心Oに向かい、それぞれのなす角度θ1,θ2が等しくなるように設けられている。
本実施形態の直流電源20と第1スパッタ電極18との間の電力供給線には、第1パルス波変換スイッチ22が設けられ、直流電源20と第2スパッタ電極19との間の電力供給線には、第2パルス波変換スイッチ23が設けられている。これら第1パルス波変換スイッチ22と第2パルス波変換スイッチ23は、直流電源20に対して並列に接続されているので、それぞれ直流電源20と同じ電圧が印加される。ただし、直流電源20を電力制御する場合、ターゲットの種類によっては印加電圧が相違することもある。
第1パルス波変換スイッチ22及び第2パルス波変換スイッチ23は、プログラマブル発信器24により、同期を保ちながらそれぞれ独立して制御される。すなわち、プログラマブル発信器24は、第1スパッタ電極18及び第2スパッタ電極19に供給するそれぞれのスパッタ目標電力値に応じたパルス制御信号のパターンを、第1パルス波変換スイッチ22及び第2パルス波変換スイッチ23のそれぞれに出力し、ON/OFF制御する。
なお、上述した各実施形態において、それぞれのスパッタ電極に設けられる各ターゲット(第1ターゲットT1,第2ターゲットT2)は、それぞれ異なる成膜用材料であってもよいし、一部が異なる成膜材料であってもよいし、全てが同じ成膜材料であってもよい。また、本発明に係る反応性スパッタ装置1は、図1及び図8に示す一つの直流電源20に限定されず、複数の直流電源20を設けてもよい。
図9は、本発明に係る反応性スパッタ装置1を用いた成膜方法の他の実施の形態を示すタイムチャートであり、成膜工程の単位となる1周期(1サイクル)を示す。同図は、プログラマブル発信器24にプログラムされたパルス制御信号パターン(図の縦軸はON/OFFを示し、横軸は時間を示す)であり、上図から順に、第1スパッタ電極18に対する印加パルス(ON/OFF)、第2スパッタ電極19に対する印加パルス(ON/OFF)、反応ガス導入制御器17への印加パルス(ON/OFF)、放電ガス導入機15への印加パルス(ON/OFF)をそれぞれ示す。2つのターゲットT1,T2を用いるとともに、所望の反応ガスを反応ガス導入機16から成膜室11に導入することで、金属酸化膜や金属窒化膜などの金属化合物膜を形成する例である。図9に示す成膜方法は、たとえば第1ターゲットT1としてシリコンSi、第2ターゲットT2としてジルコニウムZr、反応ガスとして酸素を選択し、酸化シリコンSiO及び酸化ジルコニウムZrOの複合金属化合物膜を形成する場合に適用することができる。
図9に示す成膜方法は、成膜室11に不活性ガスなどの放電ガスを導入するとともに、ターゲットT1(たとえばシリコンSi)が装着された第1スパッタ電極18に対して1サイクルのうち所定時間幅t1だけ連続するスパッタマスクパルスを印加した状態で、反応ガスを成膜室11に導入せずに金属モードでスパッタ処理し、これに続いて所定時間幅t2だけ、ターゲットT2(たとえばジルコニウムZr)が装着された第2スパッタ電極19に対してスパッタマスクパルスを印加した状態で、反応ガス(たとえば酸素O)を成膜室11に導入して反応モードでスパッタ処理する。なお、図9において、所定時間幅t1にて反応ガスを導入し、所定時間幅t2にて反応ガスを導入しないようにしてもよい。
これにより、1サイクルの前半の所定時間幅t1においては、金属モードによる第1ターゲットT1スパッタ処理が行われるので、成膜速度が高く生産性の良い第1ターゲットT1の金属膜が成膜される。一方において、1サイクルの後半の所定時間幅t2においては、反応モード(たとえば酸化モード)による第2ターゲットT2のスパッタ処理が行われる。これと同時に、成膜室11に導入された反応ガスは、第2スパッタ電極19の電界によりラジカル化し、基板Sに形成された第1ターゲットT1の超薄膜が当該ラジカル化した反応ガスと反応することになる。たとえば、シリコンを第1ターゲットT1とし、反応ガスを酸素ガスとした場合でいえば、所定時間幅t1の金属モードにおいて基板Sに堆積したシリコンSiの超薄膜を、所定時間幅t2の反応モードにおいて導入した酸素ガスOにより酸化して酸化シリコンSiOの薄膜とすると同時に、この所定時間幅t2の反応モードにおいて基板Sに酸化ジルコニウムZrOの超薄膜を堆積させる。そして、目標とする膜厚になるまで、このサイクルを繰り返す。その結果、スパッタ電極とは別のラジカル電極を設けることなく、簡単な構造で金属化合物膜を成膜することができる金属化合物膜の成膜方法及び反応性スパッタ装置を提供することができる。
1…反応性スパッタ装置
11…成膜室
12…基板ホルダ
13…減圧機
14…コンダクタンスバルブ
15…放電ガス導入機
16…反応ガス導入機
161…反応ガスボンベ
162…流量調節器
163…第1開閉弁
164…第2開閉弁
165…ガス流路
166…第1ガス流路
167…第2ガス流路
17…反応ガス導入制御器
18…第1スパッタ電極
19…第2スパッタ電極
20…直流電源
201…第1直流電源
202…第2直流電源
21…バイアス直流電源
211…第1バイアス直流電源
212…第2バイアス直流電源
22…第1パルス波変換スイッチ
23…第2パルス波変換スイッチ
24…プログラマブル発信器
25…装置制御器
26…成膜制御器
27…第3スパッタ電極
28…第4スパッタ電極
T1…第1ターゲット
T2…第2ターゲット
T3…第3ターゲット
T4…第4ターゲット
S…基板

Claims (3)

  1. 成膜される基板が投入される成膜室と、
    前記成膜室を所定圧力に減圧する減圧機と、
    前記成膜室に放電ガスを導入する放電ガス導入機と、
    成膜材料となるターゲットが装着され、前記基板に対して対向するように設けられたスパッタ電極と、
    前記成膜室に反応ガスを導入する反応ガス導入機と、
    前記スパッタ電極に電力を供給する直流電源と、
    前記直流電源と前記スパッタ電極との間に接続され、前記スパッタ電極に印加する直流電圧をパルス波電圧に変換するパルス波変換スイッチと、
    前記反応ガス導入機から前記成膜室への反応ガスの導入を制御する反応ガス導入制御器と、
    前記スパッタ電極に供給するスパッタ目標電力と、前記反応ガスの目標導入タイミングとに応じたパルス制御信号パターンがプログラム可能とされ、プログラムされたパルス制御信号パターンにしたがって、前記パルス波変換スイッチと、前記反応ガス導入制御器とを制御するプログラマブル発信器と、を備える反応性スパッタ装置を用い、前記基板に成膜処理を施す金属化合物膜の成膜方法であって、
    前記成膜室に放電ガスを導入した状態で、前記ターゲットが装着されたスパッタ電極に、前記パルス制御信号パターンにより設定されたスパッタ目標電力を供給する1サイクルの間に、
    前記パルス制御信号パターンにより設定された目標導入タイミングだけ前記反応ガス導入機から前記成膜室へ反応ガスを導入しない金属モードで、前記基板に前記ターゲットの金属超薄膜を形成する第1の工程と、
    前記パルス制御信号パターンにより設定された目標導入タイミングだけ前記反応ガス導入機から前記成膜室へ反応ガスを導入する反応モードで、前記基板に前記ターゲットの金属化合物超薄膜を形成する第2の工程と、を実施する金属化合物膜の成膜方法。
  2. 前記第1の工程を実施した後に前記第2の工程を実施するか、又は、
    前記第2の工程を実施した後に前記第1の工程を実施する請求項1に記載の金属化合物膜の成膜方法。
  3. 前記スパッタ電極は、第1ターゲットが装着される第1スパッタ電極と、第2ターゲットが装着される第2スパッタ電極とを含み、
    前記パルス変換スイッチは、前記第1スパッタ電極に印加する直流電圧をパルス波電圧に変換する第1パルス波変換スイッチと、前記第2スパッタ電極に印加する直流電圧をパルス波電圧に変換する第2パルス波変換スイッチとを含み、
    前記プログラマブル発信器は、前記第1スパッタ電極及び前記第2スパッタ電極に供給するそれぞれのスパッタ目標電力と、前記反応ガスの目標導入タイミングとに応じたパルス制御信号パターンがプログラム可能とされ、プログラムされたパルス制御信号パターンにしたがって、前記第1パルス波変換スイッチ及び前記第2パルス波変換スイッチのそれぞれと、前記反応ガス導入制御器とを制御する請求項1又は2に記載の金属化合物膜の成膜方法。
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