JP6854450B2 - スパッタ装置およびスパッタ方法 - Google Patents
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Description
そこで、図6を主として参照しながら、従来のパルススパッタ法について説明する。ここに、図6は、従来のパルススパッタ装置の概略断面図である。真空チャンバー1は、バルブ3を介して接続された真空ポンプ2で排気することによって減圧を行って、真空状態にすることができる。ガス供給源4は、スパッタに必要なガスを真空チャンバー1へ一定速度で供給することができる。バルブ3は、その開閉率を変化させることで、真空チャンバー1内の真空度を所望のガス圧力に制御することができる。真空チャンバー1内には、ターゲット材7が配置されている。バッキングプレート8は、ターゲット材7を支持している。電源制御器40は、直流電源30に接続され、電源出力のオン、オフを一定のタイミングに制御することができる。直流電源30の出力はバッキングプレート8に電気的に接続され、バッキングプレート8を介してターゲット材7に電圧を印加することにより、真空チャンバー1内の一部のガスが解離し、プラズマを発生させることができる。真空チャンバー1内には、ターゲット材7に対向して、基板6が配置されている。基板ホルダー5は、基板6の下部に配置され、基板6を支持する。
前記ターゲット材と電気的に接続可能な直流電源と、
前記直流電源から前記ターゲット材に流れる電流をパルス化するパルス化ユニットと、を備え、
前記真空チャンバー内でプラズマを生成して前記基板上に薄膜を形成するスパッタ装置であって、
前記直流電源から前記パルス化ユニットに流れる電流を計測する電流計と、
前記電流計で計測した電流値が所定の値となるように前記直流電源をフィードバック制御する電源制御器と、
前記電源制御器による前記直流電源のフィードバック制御の周期とずらしたパルス周期を前記パルス化ユニットに指示するパルス制御器と、
を備える。
前記ターゲット材と直流電源とを電気的に接続するステップと、
前記直流電源から前記ターゲット材に流れる電流をパルス化ユニットを介してパルス化するステップと、
前記直流電源から前記パルス化ユニットに流れる電流を計測するステップと、
計測した電流値が所定の値となるように前記直流電源をフィードバック制御するステップと、
前記直流電源のフィードバック制御の周期とずらしたパルス周期を前記パルス化ユニットに指示するステップと、
を含む。
前記ターゲット材と電気的に接続可能な直流電源と、
前記直流電源から前記ターゲット材に流れる電流をパルス化するパルス化ユニットと、を備え、
前記真空チャンバー内でプラズマを生成して前記基板上に薄膜を形成するスパッタ装置であって、
前記直流電源から前記パルス化ユニットに流れる電流を計測する電流計と、
前記電流計で計測した電流値が所定の値となるように前記直流電源をフィードバック制御する電源制御器と、
前記電源制御器による前記直流電源のフィードバック制御の周期とずらしたパルス周期を前記パルス化ユニットに指示するパルス制御器と、
を備える。
前記ターゲット材の前記裏面と交差する回転軸について、前記マグネットを回転させる回転機構と、
前記回転機構を制御する回転制御器と、
前記基板と前記ターゲット材との間隔を変化させるように前記基板の位置を前記ターゲット材に対して昇降移動させる昇降機構と、
前記昇降機構を制御する昇降制御器と、
を備えてもよい。
前記パルス制御器は、事前に得られたパルス数に対する前記ターゲット材の消耗量の情報を基に、前記基板の位置を前記ターゲット材に近づける移動量を前記昇降制御器に指示してもよい。
前記ターゲット材と直流電源とを電気的に接続するステップと、
前記直流電源から前記ターゲット材に流れる電流をパルス化ユニットを介してパルス化するステップと、
前記直流電源から前記パルス化ユニットに流れる電流を計測するステップと、
計測した電流値が所定の値となるように前記直流電源をフィードバック制御するステップと、
前記直流電源のフィードバック制御の周期とずらしたパルス周期を前記パルス化ユニットに指示するステップと、
を含む。
まず、図1を主として参照しながら、実施の形態1のスパッタ装置10の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係るスパッタ装置10の概略断面図である。
このスパッタ装置10は、真空チャンバー1と、直流電源30と、パルス化ユニット32と、電流計31と、電源制御器40と、パルス制御器41と、を備える。真空チャンバー1には、内部にターゲット材7と基板6とを互いに対向して配置可能である。直流電源30は、ターゲット材7と電気的に接続可能である。パルス化ユニット32によって、直流電源30からターゲット材7に流れる電流をパルス化する。電流計31によって直流電源30からパルス化ユニット32に流れる電流を計測する。電源制御器40によって電流計31で計測した電流値が所定の値となるように直流電源30をフィードバック制御する。パルス制御器41によって、電源制御器40による直流電源30の制御周期とずらしたパルス周期をパルス化ユニット32に指示する。
真空チャンバー1は、バルブ3を介して接続された真空ポンプ2で排気することによって、真空状態への減圧を行うことができる。
ガス供給源4は、スパッタに必要なガスを真空チャンバー1へ一定速度で供給することができる。ガス供給源4で供給するガスは、例えば窒素や酸素など目的の材料と反応性を持ったガスや、反応性を持ったガスとアルゴンなどの希ガスとの混合ガスなどが選択できる。
バルブ3は、その開閉率を変化させることで、真空チャンバー1内の真空度を所望のガス圧力に制御することができる。
図1において、真空チャンバー1内の上部には、ターゲット材7が配置されている。ターゲット材7は、任意のスパッタ材料であるが、例えば金属材料や半導体材料などの無機材料である。
バッキングプレート8は、ターゲット材7を支持している。
直流電源30は、電流計31と、パルス化ユニット32と、バッキングプレート8を介して、ターゲット材7に電気的に接続され、ターゲット材7に電圧を印加することができる。
パルス化ユニット32は、直流電源30によって発生した直流電流を、内蔵するコンデンサ等に蓄積し、内蔵する半導体スイッチング素子等によりオン、オフして、パルス化することができる。
電流計31は、直流電源30から、パルス化ユニット32へ流れる電流を検出することができる。
電源制御器40は、電流計31と直流電源30とに接続され、電流計31が検出した電流値が所定の値で安定するように、直流電源の電圧設定値をフィードバック制御することができる。
パルス制御器41は、電源制御器40とパルス化ユニット32とに接続され、電源制御器40から得た直流電源30の状態に基づいて、パルス化ユニットへ指示するパルスのオン時間、オフ時間を制御する。
マグネット11およびヨーク12は、バッキングプレート8の裏面に配置され、ターゲット材7の表面に磁場13を発生させることができる。マグネット11は1つ以上であればよい。なお、マグネット11は、永久磁石、電磁石のいずれであってもよい。ヨーク12は、マグネット11の一端と接続されており、磁気回路を構成し、ターゲット材7と反対側への不要な磁場の漏洩を抑制できる。
図1において真空チャンバー1内の下部には、ターゲット材7と対向として基板6が配置されている。基板ホルダー5は、基板6の下部に配置され、基板6を支持する。
次に、本実施の形態1に係るスパッタ装置10の動作について説明するとともに、本実施の形態1に係るスパッタ方法についても説明する(他の実施の形態2についても同様である)。
(2)次に、真空ポンプ2を作動させて真空チャンバー1内が真空状態になるように減圧を行い、所定の真空度に到達した後、ガス供給源4からガスを導入し、所定のガス圧力となるようにゲートバルブ3の開度を調整する。
(3)次いで、直流電源30により電圧を発生させ、パルス化ユニット32により所定のオン時間、オフ時間でスイッチングすることでパルス化させて、ターゲット材7に印加し、真空チャンバー1内にプラズマを発生させる。
パルスの発生状態について、図2のタイミング図を用いて説明する。図2の(a)から(d)は、実施の形態1のスパッタ装置の、直流電源の電圧(図2(a))および電流値(図2(b))とパルス電圧(図2(c))および電流(図2(d))との関係を示すタイミング図である。直流電源30から、パルス化ユニット32に供給されるのは負の直流電圧、直流電流である(図2(c)、(d))。パルス化ユニットが生成するパルス電圧は、所定のオン時間、オフ時間を繰り返す矩形に近いパルス形状をしている(図2(a))。パルス電圧の印加により、パルスオンの時間の間、プラズマが発生しパルス電流は徐々に増大し、パルスオフの時間の間、プラズマが消失する過程でパルス電流は徐々に減少しゼロとなる(図2(b))。その際、直流電源30は、パルス化ユニット32が消費する電流を供給するために、直流電源30の電圧値は正方向に電圧降下して脈動する(図2(c))。一方、直流電源30の電流値は負方向に増加する方向に脈動する(図2(d))すなわち、直流電源30の直流電圧及び直流電流には、パルスの周期と一致した脈動が発生している。電流計31は、脈動する電流値を一定の周期で検出し、電源制御器40は検出した電流値を所定の回数平均し、平均電流値が所定の値となるように直流電源30をフィードバック制御する。
パルスの周波数をずらした、直流電源30のフィードバック制御について図3A及び図3Bを用いて説明する。
図3Aは、仮に、パルス周期10kHzと直流電源のフィードバック制御の周期10kHzとが同期している場合の、プラズマ発光強度の変動を示す図である。図3Aにおいて、プラズマ発光強度の観測間隔は、パルス周期に比べ100倍以上長いため、100以上のパルスの平均強度の変動を観測していることになる。また、吹き出しA、B、Cの中は、図2(d)における直流電流値の変動を示す図である。吹き出しA,B、Cは、それぞれ同じ検出周期であるが、検出のタイミングがそれぞれずれている。このため、同じ電流波形であっても、吹き出しA、B、Cのそれぞれで検出される電流値は異なる。この場合、電流計31での検出周期は、パルスの周期と同一ではないがほぼ同期しているので、吹き出しA、B、Cの図に示す通り、電流値の脈動のそれぞれ異なる特定の位置を検出することとなる。これを元に電流値をフィードバック制御すると、検出している電流値の平均値と、実際の電流値の平均値とでずれが生じる。また、このずれはパルス周期とフィードバック制御の周期との差分周期で、別の吹き出し図に示すように、徐々に時間変化することとなる。したがって、フィードバック制御で脈動が増長されてプラズマを安定させることができず、プラズマ発光強度は図の通り、大きく変動してしまう。
次に、図4を主として参照しながら、実施の形態2のスパッタ装置10aの構成について説明する。
ここに、図4は、実施の形態2に係るスパッタ装置10aの構成を示す概略断面図である。図4に関しては、図1に示されている部分と同じまたは相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図4においては、バッキングプレート8の裏面側にマグネット11およびヨーク12が配置されている。このスパッタ装置10aでは、実施の形態1に係るスパッタ装置と対比すると、ヨーク12には、偏心位置に回転機構20が接続され、マグネット11およびヨーク12を偏心回転させることができる点で相違する。また、回転機構20には、回転制御器42が接続され、回転機構20の回転を設定に基づいて制御することができる。また、回転制御器42にはパルス制御器41が接続され、回転の指示値を受けて所定の回転速度に設定することができる。
2 ポンプ
3 ゲートバルブ
4 ガス供給源
5 基板ホルダー
6 基板
7 ターゲット材
8 バッキングプレート
10、10a スパッタ装置
11 マグネット
12 ヨーク
13 磁場(磁力線)
14 スパッタ粒子
20 回転機構
21 昇降機構
30 直流電源
31 電流計
32 パルス化ユニット
40 電源制御器
41 パルス制御器
42 回転制御器
43 昇降制御器
PP パルス周期
Claims (6)
- 内部にターゲット材と基板とを互いに対向して配置可能な真空チャンバーと、
前記ターゲット材と電気的に接続可能な直流電源と、
前記直流電源から前記ターゲット材に流れる電流をパルス化するパルス化ユニットと、
を備え、
前記真空チャンバー内でプラズマを生成して前記基板上に薄膜を形成するスパッタ装置であって、
前記直流電源から前記パルス化ユニットに流れる電流を計測する電流計と、
前記電流計で計測した電流値が所定の値となるように前記直流電源をフィードバック制御する電源制御器と、
前記電源制御器による前記直流電源の制御周期とずらしたパルス周期を前記パルス化ユニットに指示するパルス制御器と、
を備える、スパッタ装置。 - 前記ターゲット材の前記基板と対向する面と反対側である裏面に配置されたマグネットと、
前記ターゲット材の前記裏面と交差する回転軸について、前記マグネットを回転させる回転機構と、
前記回転機構を制御する回転制御器と、
前記基板と前記ターゲット材との間隔を変化させるように前記基板の位置を前記ターゲット材に対して昇降移動させる昇降機構と、
前記昇降機構を制御する昇降制御器と、
を備える、請求項1に記載のスパッタ装置。 - 前記パルス制御器は、前記電源制御器のフィードバック制御の周期をF1、前記パルス周期をF2とし、F1とF2の最小公倍数をF3とした場合、F3÷F1=Nで得られる整数Nが10以上となるように、オン時間とオフ時間とを算出し、前記パルス化ユニットに指示する、請求項1又は2に記載のスパッタ装置。
- 前記パルス制御器は、前記電源制御器のフィードバック制御の整数倍周期に対して、パルス周期が1%以上ずれるように、オン時間とオフ時間とを算出し、前記パルス化ユニットに指示する、請求項1又は2に記載のスパッタ装置。
- 前記パルス制御器は、設定されたパルスのオン時間及びオフ時間を基に、前記マグネットの回転の1周期が1000パルス以上となるように回転速度を演算して前記回転制御器に指示し、
前記パルス制御器は、事前に得られたパルス数に対する前記ターゲット材の消耗量の情報を基に、前記基板の位置を前記ターゲット材に近づける移動量を前記昇降制御器に指示する、
請求項2に記載のスパッタ装置。 - 真空チャンバー内にターゲット材と基板とを互いに対向して配置するステップと、
前記ターゲット材と直流電源とを電気的に接続するステップと、
前記直流電源から前記ターゲット材に流れる電流をパルス化ユニットを介してパルス化するステップと、
前記直流電源から前記パルス化ユニットに流れる電流を計測するステップと、
計測した電流値が所定の値となるように前記直流電源をフィードバック制御するステップと、
前記直流電源の制御周期とずらしたパルス周期を前記パルス化ユニットに指示するステップと、
を含む、前記真空チャンバー内でプラズマを生成して前記基板上に薄膜を形成するスパッタ方法。
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