JP2002167670A - スパッタリング方法及び装置 - Google Patents

スパッタリング方法及び装置

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JP2002167670A
JP2002167670A JP2000362957A JP2000362957A JP2002167670A JP 2002167670 A JP2002167670 A JP 2002167670A JP 2000362957 A JP2000362957 A JP 2000362957A JP 2000362957 A JP2000362957 A JP 2000362957A JP 2002167670 A JP2002167670 A JP 2002167670A
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power
frequency
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plasma
sputtering
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JP2000362957A
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Isamu Aokura
勇 青倉
Tatsuyuki Mori
達之 森
Ryoichi Konishi
良一 小西
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス圧力の変化によって膜質を変化させるこ
となく、安定的に放電を開始し、高品質な膜を形成する
ことができるスパッタリング方法及び装置を提供する。 【解決手段】 基板の薄膜形成初期の供給電力が、基板
の薄膜形成に必要な供給電力の10%以下とすることに
より、薄膜形成用の電力を供給する際、圧力を高めるこ
とがなく、高品質かつ安定に薄膜を形成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜形成方法の一
つであるスパッタリング方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】スパッタリング法とは、一般に低真空雰
囲気で気体放電を起こすことによりプラズマを発生さ
せ、プラズマの陽イオンをスパッタリング電極と呼ばれ
る負極に設置されたターゲットに衝突させ、衝突により
スパッタされた粒子が基板に付着して薄膜を生成する方
法である。このスパッタリング法は組成の制御や装置の
操作が比較的簡単であることから、広く成膜過程に使用
されている。
【0003】図5は従来のマグネトロンスパッタリング
装置の装置構成を示すものである。図5において101
は真空室、102は真空ポンプ(図示せず)によって排
気される真空室101の真空排気口、103は真空排気
口102の近傍に配置された可動バルブで、排気コンダ
クタンスを調節することができる。104は真空排気口
102を開閉するメインバルブである。
【0004】105は真空室101へ導入されるガスの
ガス導入管、106はガス導入管105に取り付けられ
たガス流量制御器である。107はガス導入管103か
ら真空室101内に導入される放電ガスで、通常アルゴ
ンガスが用いられる。109はトリガガス導入管、11
0はトリガガスで、通常アルゴンガスが用いられる。1
11はトリガガス導入バルブである。
【0005】112は真空室101内の上部に配置され
たターゲット、113はスパッタリング電極、114は
放電用電源、115はターゲット112の裏面に配置さ
れている磁石である。116は真空室101内にターゲ
ット112の表面に対向して配設された基板ホルダで、
その上に薄膜を生成する基板117が配置される。11
8は絶縁体で真空室101とスパッタリング電極113
を電気的に絶縁する。
【0006】以上のように構成されたスパッタリング装
置について、以下その動作について説明する。まず、真
空室101内を真空排気口102から真空ポンプで10
−5Pa程度にまで排気する。次に、真空室101の一
端に接続されたガス導入管105を介して真空室101
内に放電ガス107を導入し、真空室101内の圧力を
0.2〜数Pa程度に保つ。その状態でターゲット11
2を取り付けたスパッタリング電極113に直流あるい
は高周波の放電用電源114から電力を供給して電場を
形成することで、ターゲット112の裏面に配置された
磁石115による磁場との作用でターゲット112の表
面近傍に放電によるリング状プラズマが発生し、スパッ
タリング現象が起こり、ターゲット112から放出され
たスパッタ粒子により基板ホルダ116上に配置された
基板117に薄膜を形成される。また、放電用電源11
4から電力を供給した際、プラズマが発生しない場合
は、図6のタイミングチャートに示すように、電力を供
給するとほぼ同時にトリガガス導入管109を介して真
空室101内にトリガガス110を導入し、真空室10
1内の圧力を一時的に数十Pa程度に高めることによ
り、放電を開始させる。なお、図6の一点鎖線は、放電
開始に必要な圧力を示す。
【0007】ところで、近年は薄膜材料の高機能化が進
むにしたがって、低ガス圧下での成膜の必要性が増して
きている。0.1〜1Pa程度の圧力下で成膜を行う場
合、マグネトロンスパッタリング装置では、放電開始が
困難なため、一般に放電開始時に圧力を一時的に高める
等のことが行われている。
【0008】一方、近年の薄膜材料は極薄膜化が進むと
ともに、スパッタリング装置には処理時間の短縮が求め
られている。したがって、近年では、数秒間で所定の薄
膜形成を終了する工程も目立つようになってきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示すような構成では、図6に示すように放電開始時に放
電開始のため一時的に真空室101内の圧力を高くする
必要があるため、薄膜形成初期では、本来設定した圧力
条件での薄膜形成ができなくなる。特に、低ガス圧下で
の膜形成を必要とする場合、あるいは短時間成膜を必要
とする場合にその影響は大きくなり、本来得られるべき
膜の機能が得られなくなる。
【0010】従って、本発明は、上記従来の問題点に鑑
み、ガス圧力の変化によって膜質を変化させることな
く、安定的に放電を開始し、高品質な膜を形成すること
ができるスパッタリング方法及び装置を提供することを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下のように構成する。
【0012】本発明の第1態様によれば、真空室内に、
スパッタリング電極に支持したターゲットに対して基板
を対向させて配設した状態で、上記スパッタリング電極
に高周波又は直流電力を供給して上記ターゲット上にプ
ラズマを形成し、プラズマ中のイオンによって上記ター
ゲットをスパッタリングし、上記基板上に薄膜を形成す
るスパッタリング方法において、上記基板の薄膜形成初
期の供給電力が、上記基板の薄膜形成に必要な供給電力
の10%以下であることを特徴とするスパッタリング方
法を提供する。
【0013】本発明の第2態様によれば、上記膜形成初
期の供給電力を供給する時間が、上記基板の薄膜形成に
必要な膜形成時間の50%以下である第1の態様に記載
のスパッタリング方法を提供する。
【0014】本発明の第3態様によれば、上記基板の薄
膜形成初期の供給電力を供給するとともに、トリガガス
を上記真空室内に導入することにより、上記真空室内の
圧力を一時的に高めてプラズマを発生させるようにした
第1又は2の態様に記載のスパッタリング方法を提供す
る。
【0015】本発明の第4態様によれば、真空室内に、
スパッタリング電極に支持したターゲットに対して基板
を対向させて配設した状態で、上記スパッタリング電極
に高周波又は直流電力を供給して上記ターゲット上にプ
ラズマを形成し、プラズマ中のイオンによって上記ター
ゲットをスパッタリングし、上記基板上に薄膜を形成す
るスパッタリング方法において、上記プラズマ形成用の
上記高周波又は直流電力を供給する前に、上記スパッタ
リング電極での陰極降下電圧が50V以下になるような
周波数を持つ高周波電力を一種類以上供給したのち、上
記一種類以上供給された高周波電力に重畳して、上記プ
ラズマ形成用の上記高周波又は直流電力を供給すること
を特徴とするスパッタリング方法を提供する。
【0016】本発明の第5態様によれば、上記プラズマ
形成用の上記高周波又は直流電力に重畳する上記高周波
電力の周波数が20MHz〜3GHzである第4の態様
に記載のスパッタリング方法を提供する。
【0017】本発明の第6態様によれば、上記プラズマ
形成用の上記高周波又は直流電力に重畳する上記高周波
電力を供給するとともに、トリガガスを上記真空室内に
導入することにより、上記真空室内の圧力を一時的に高
めてプラズマを発生させるようにした第4又は5の態様
に記載のスパッタリング方法を提供する。
【0018】本発明の第7態様によれば、真空室と、上
記真空室内に配置されてターゲットを支持するスパッタ
リング電極と、上記ターゲットに対して基板を対向させ
て配置する基板ホルダと、上記基板の薄膜形成に必要な
高周波又は直流電力を上記スパッタリング電極に供給す
る放電用電源と、上記基板の薄膜形成に必要な供給電力
の10%以下の基板薄膜形成初期用の高周波又は直流電
力を上記スパッタリング電極に供給するとともに、トリ
ガガスを上記真空室内に導入することにより上記真空室
内の圧力を一時的に高めてプラズマを発生させるととも
に、上記基板の薄膜形成に必要な高周波又は直流電力を
上記スパッタリング電極に供給して上記ターゲット上に
プラズマを形成するように上記放電用電源を制御する制
御装置とを備えて、上記ターゲット上にプラズマを形成
し、プラズマ中のイオンによって上記ターゲットをスパ
ッタリングして、上記基板上に薄膜を形成することを特
徴とするスパッタリング装置を提供する。
【0019】本発明の第8態様によれば、上記制御装置
は、上記膜形成初期の供給電力を供給する時間が、上記
基板の薄膜形成に必要な膜形成時間の50%以下となる
ように上記放電用電源を制御する第7の態様に記載のス
パッタリング装置を提供する。
【0020】本発明の第9態様によれば、真空室と、上
記真空室内に配置されてターゲットを支持するスパッタ
リング電極と、上記ターゲットに対して基板を対向させ
て配置する基板ホルダと、上記基板の薄膜形成に必要な
高周波又は直流電力を上記スパッタリング電極に供給し
て上記ターゲット上にプラズマを形成する第1放電用電
源と、上記スパッタリング電極での陰極降下電圧が50
V以下になるような周波数を持つ高周波電力を一種類以
上供給する第2放電用電源と、トリガガスを上記真空室
内に導入することにより上記真空室内の圧力を一時的に
高めてプラズマを発生させたのち、上記基板の薄膜形成
に必要な高周波又は直流電力を上記スパッタリング電極
に供給して上記ターゲット上にプラズマを形成するよう
に第1放電用電源を制御するとともに、上記プラズマ形
成用の上記高周波又は直流電力を供給する前に、上記ス
パッタリング電極での陰極降下電圧が50V以下になる
ような周波数を持つ高周波電力を一種類以上、上記スパ
ッタリング電極に供給するように上記第2放電用電源を
制御する制御装置とを備えて、上記ターゲット上にプラ
ズマを形成し、プラズマ中のイオンによって上記ターゲ
ットをスパッタリングして、上記基板上に薄膜を形成す
ることを特徴とするスパッタリング装置を提供する。
【0021】本発明の第10態様によれば、上記第2放
電用電源の上記プラズマ形成用の上記高周波又は直流電
力に重畳する上記高周波電力の周波数が20MHz〜3
GHzである第9の態様に記載のスパッタリング装置を
提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて、図1から図4を用いて説明する。
【0023】(第1実施形態)本発明の第1実施形態の
スパッタリング方法及び装置について、図1、図2を参
照して説明する。図1において、1は真空室例えば真空
容器、2は真空ポンプ(図示せず)によって真空室1か
ら排気される排気ガスのための真空室1の真空排気口、
3は真空排気口2を形成する排気管1aに配置された可
動バルブで、排気コンダクタンスを調節することができ
る。4は排気管1aに配置されて真空室1の真空排気口
2を開閉するメインバルブである。
【0024】5は真空室1へ導入されるガスのガス導入
管、6はガス導入管5に取り付けられたガス流量制御器
である。7はガス導入管3から真空室1内に導入される
放電ガスで、通常アルゴンガスが用いられる。9は真空
室1のトリガガス導入管、10はトリガガスで、通常ア
ルゴンガスが用いられる。11はトリガガス導入管9に
設けられたトリガガス導入バルブである。
【0025】12は真空室1内の上部に配置されたター
ゲット、13は真空室1内の上部でかつターゲット12
の上面側に配置されかつ真空室1の上壁とは絶縁体18
を介して支持されたスパッタリング電極、14はスパッ
タリング電極13に高周波電力を供給する放電用電源、
15は磁石でターゲット12の裏面(すなわち上方)に
配置されている。16は真空室1内の下部に配置されか
つ上記ターゲット12の表面に対向して配置れた基板ホ
ルダで、基板ホルダ16の上に、薄膜を生成すべき基板
17が配置される。18は絶縁体で真空室1とスパッタ
リング電極13を電気的に絶縁する。
【0026】上記可動バルブ3、メインバルブ4、ガス
流量制御器6、トリガガス導入バルブ11、放電用電源
14の各動作は、制御装置100によりそれぞれ動作制
御される。
【0027】以上のように構成されたスパッタリング装
置での制御装置100による制御の基に行われる動作に
ついて、図2に示すタイミングチャートを参照しながら
以下に説明する。
【0028】まず、真空室1内に放電ガス7としてアル
ゴンガスを導入し、真空室1内の圧力を可動バルブ3及
びガス流量制御器6によって例えば0.2Paに調圧し
た状態で、ターゲット12を取り付けたスパッタリング
電極13に放電用電源14から一例として13.56M
Hzの高周波の電力を供給する。このときの投入電力
は、本来、成膜に必要な一例としての電力5kWに対し
て、一例として5kWの1%である50Wとし、この5
0Wの高周波電力の供給とともにトリガガス導入バルブ
11を例えば約0.2秒間開くことにより、真空室1内
の圧力を一時的に高め、プラズマを発生させる。図2の
一点鎖線は、放電開始に必要な圧力を示す。
【0029】次に、真空室1内の圧力がほぼ所定圧力
(例えば、0.2Pa)に安定したところで、電力を5
kWに上昇し所定の成膜時間後、すなわち、成膜完了
後、高周波の電力供給を停止する。ここで、所定の成膜
時間は成膜材料により異なり、例えば、光ディスクのア
ルミニウム膜の場合には2〜5秒となる。
【0030】以上の構成により、基板17に薄膜を形成
するときの膜形成初期の供給電力を薄膜形成に必要な供
給電力よりも大幅に小さくするとともに、トリガガスを
導入することにより、真空室1内の圧力を一時的に高
め、プラズマを発生させることができる。この結果、薄
膜形成に主として寄与する、薄膜形成に必要な高周波又
は直流電力を供給する際、真空室1内の圧力を高めるこ
となく、すなわち、成膜時における圧力変動を無くし
て、放電を開始することができるため、膜質を劣化させ
ることなく安定的に放電を開始し、高品質な膜を安定し
て形成することができる。
【0031】なお、初期の投入電力は、成膜に必要な電
力の1%としたが、そのとき、基板17に付着する膜
が、基板17に生成すべき薄膜の膜質に大略影響しない
程度、すなわち、10%程度でも構わない。よって、初
期の投入電力は、成膜に必要な電力の1〜10%とする
のが好ましい。その理由は、1%未満ではプラズマを発
生させることができず、10%を越えると、基板17に
生成すべき薄膜の膜質に影響がでることがあるため、一
般には好ましくないからである。
【0032】また、好適には、上記初期の電力を供給す
る時間を、基板17での薄膜形成すなわち成膜に必要な
成膜時間の50%以下であるようにすれば、成膜に必要
な電力以下で形成される膜を大略無くすことができるた
め、膜質を劣化させることなく、さらに高品質な膜を形
成することができる。
【0033】(第2実施形態)本発明の第2実施形態の
スパッタリング方法及び装置について、図3、図4を参
照して説明する。なお、上記第1実施形態で説明したも
のと同一の構成要素については同一参照番号を付して説
明を省略し、相違点のみを説明する。
【0034】図3において、19は第2番目の放電用電
源すなわち第2放電用電源であり、スパッタリング電極
13での陰極降下電圧が50V以下になるような周波数
を持った、すなわち20MHz以上の周波数の高周波電
源である。陰極降下電圧が50V以下になるようにする
理由は、プラズマ中のイオンが、この陰極降下電圧によ
り加速され、ターゲットに衝突することにより、スパッ
タ成膜が起こるが、概ね50V以下であれば、ほとんど
スパッタ成膜は起こらないと考えられるからである。一
方、20MHz以上の周波数ならば、陰極降下電圧が5
0V以下になる理由は、27.12MHzの周波数なら
ば陰極降下電圧が10V以下であることを実験的に本発
明者が確認しており、それ以上の周波数ならば、10V
を超えないことが予想できるからである。20は真空室
1に隣接する真空予備室である。21は真空予備室20
との出入口である真空室1のゲートバルブで、ゲートバ
ルブ21の開閉により真空室1と真空予備室20間を解
放、遮断する。22は搬送アームで基板17を真空予備
室20から真空室1内の基板ホルダ16へ、また、逆
に、真空室1内の基板ホルダ16を真空予備室20に搬
送する。
【0035】上記可動バルブ3、メインバルブ4、ガス
流量制御器6、トリガガス導入バルブ11、ゲートバル
ブ21、搬送アーム22、第1放電用電源14、第2放
電用電源19の各動作は、制御装置100によりそれぞ
れ動作制御される。
【0036】以上のように構成されたスパッタリング装
置での制御装置100による制御の基に行われる動作に
ついて、図4に示すタイミングチャートを参照しながら
以下に説明する。
【0037】まず、真空室1内に放電ガス7の一例とし
てアルゴンガスを導入し、真空室1内の圧力を可動バル
ブ3及びガス流量制御器6によって例えば0.2Paに
調圧した状態で、ターゲット12を取り付けられたスパ
ッタリング電極13に第2放電用電源19から例えば2
7.12MHzの電力を供給する。このとき、電力供給
とともにトリガガス導入バルブ11を例えば約0.2秒
間開くことにより、真空室1内の圧力を一時的に高め、
プラズマを発生させる。
【0038】次に、真空室1内の圧力がほぼ安定したと
ころで、高周波の第1放電用電源14から13.56M
Hzの電力を成膜に必要な時間だけ供給して基板17に
成膜を行う。成膜完了後、第1放電用電源14からの高
周波の電力供給を停止する。
【0039】その後、ゲートバルブ21を開けて、搬送
アーム22により基板ホルダ16上の成膜された基板1
7を真空室1内から取り出して、真空予備室20内に移
動させる。一方、成膜すべき新たな基板17を、搬送ア
ーム22により、真空予備室20から真空室1内の基板
ホルダ16上に載置するとともに、ゲートバルブ21を
閉じる。
【0040】次いで、再び、アルゴンガスを導入して例
えば0.2Paに調圧した状態で、ターゲット12を取
り付けられたスパッタリング電極13に第2放電用電源
19から例えば27.12MHzの電力を供給する。以
下、先に述べたのと同様な方法で薄膜形成作業を行う。
【0041】このように、基板17の搬送に合わせて、
第1放電用電源14からの電力供給を間欠的に行う。一
方、第2放電用電源19からの電力供給は連続的に行
う。このため、第2放電用電源19からの電力供給は、
基板搬送中も行われる。ここで、電力供給を連続的に行
うとは、基板を投入し続けている間のすべての時間にお
いて、電力供給を行うことを意味する。これは、第2の
放電も放電開始のためにはトリガガス導入等を必要とす
る場合があり、したがって、電力供給を連続的に行うこ
とにより、トリガガス導入等を一切行わなくてよいこと
になる。
【0042】以上の構成により、上記第1実施形態と同
様の効果を奏することができる上に、上記プラズマ形成
用の上記高周波又は直流電力を供給する前に、上記スパ
ッタリング電極13での陰極降下電圧が50V以下にな
るような周波数を持つ高周波電力を一種類以上、第2放
電用電源19から上記スパッタリング電極13に供給す
るようにするので、第1放電用電源14から上記スパッ
タリング電極13に薄膜形成用の高周波又は直流電力を
供給する際、圧力を高めることなく放電を開始すること
ができる。陰極降下電圧が50V以下になるような周波
数を持つ高周波電力を一種類以上供給すれば、プラズマ
が既に発生しているため、プラズマ中の電子が、第1放
電開始の初期状態のとき、ガスの乖離を促進するから、
圧力を高めることなく放電を開始することができる。こ
の結果、成膜時における圧力変動を無くすことができ
て、膜質を劣化させることなく、安定的に放電を開始
し、高品質な膜を安定して形成することができる。
【0043】また、上記重畳する高周波電力の周波数を
20MHz〜3GHzにすることにより、簡便な装置構
成を実現することができる。
【0044】また、第2放電用電源19による電力供給
時、スパッタリング電極13での陰極降下電圧が50V
以下となるので、第2放電用電源19による電力供給に
よっても、薄膜形成初期に基板17に付着する膜を大略
無くすことができる。
【0045】なお、第2放電用電源19の周波数は、2
7.12MHzとしたが、スパッタリング電極13での
陰極降下電圧が50V以下であれば、第2放電用電源1
9による電力供給によっても基板17上に薄膜はほとん
ど形成されないので、他の周波数であっても構わない。
【0046】また、第2実施形態では、基板17を間欠
的に搬送し、第2番目の電力は連続して供給する例を示
したが、必ずしも第2番目の電力を連続して供給する必
要はなく、第1番目の電力供給の前に第2番目の電力供
給をすることによって、プラズマを形成していればいい
ということは言うまでもない。
【0047】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その他種々の態様で実施できる。例え
ば、各実施形態において、上記ターゲット上にプラズマ
を形成するため上記スパッタリング電極13に供給する
電力は、高周波電力に限られるものではなく、直流電力
を供給するようにしてもよい。
【0048】なお、上記様々な実施形態のうちの任意の
実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有
する効果を奏するようにすることができる。
【0049】
【発明の効果】本発明にスパッタリング方法及び装置に
よれば、以上のように、膜形成初期に圧力を高めること
なく安定的に放電を開始し、膜質を劣化させることなく
高品質な膜を形成することができるという効果を得られ
る。
【0050】すなわち、基板に薄膜を形成するときの膜
形成初期の供給電力を薄膜形成に必要な供給電力よりも
大幅に小さくするとともに、トリガガスを導入する場合
には、真空室内の圧力を一時的に高め、プラズマを発生
させることができる。この結果、薄膜形成に主として寄
与する、薄膜形成に必要な高周波又は直流電力を供給す
る際、真空室内の圧力を高めることなく、すなわち、成
膜時における圧力変動を無くして、放電を開始すること
ができるため、膜質を劣化させることなく安定的に放電
を開始し、高品質な膜を安定して形成することができ
る。
【0051】また、上記プラズマ形成用の上記高周波又
は直流電力を供給する前に、上記スパッタリング電極で
の陰極降下電圧が50V以下になるような周波数を持つ
高周波電力を一種類以上、第2放電用電源から上記スパ
ッタリング電極に供給するようにする場合には、第1放
電用電源から上記スパッタリング電極に薄膜形成用の高
周波又は直流電力を供給する際、圧力を高めることなく
放電を開始することができる。この結果、成膜時におけ
る圧力変動を無くすことができて、膜質を劣化させるこ
となく、安定的に放電を開始し、高品質な膜を安定して
形成することができる。また、第2放電用電源による電
力供給時、スパッタリング電極での陰極降下電圧が50
V以下とすれば、第2放電用電源による電力供給によっ
ても、薄膜形成初期に基板に付着する膜を大略無くすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のスパッタリング方法
を実施するためのスパッタリング装置の概略構成を示す
縦断面図である。
【図2】 第1実施形態における膜形成時のスパッタリ
ング装置のタイミングチャートを示す図である。
【図3】 本発明の第2実施形態のスパッタリング方法
を実施するためのスパッタリング装置の概略構成を示す
縦断面図である。
【図4】 第2実施形態における膜形成時のスパッタリ
ング装置のタイミングチャートを示す図である。
【図5】 従来例のスパッタリング装置の概略構成を示
す縦断面図である。
【図6】 従来例の膜形成時のスパッタリング装置のタ
イミングチャートを示す図である。
【符号の説明】
1…真空室、1a…排気管、2…真空排気口、3…可動
バルブ、4…メインバルブ、5…ガス導入管、6…ガス
流量制御器、7…放電ガス、9…トリガガス導入管、1
0…トリガガス、11…トリガガス導入バルブ、12…
ターゲット、13…スパッタリング電極、14…放電用
電源(第1放電用電源)、15…磁石、16…基板ホル
ダ、17…基板、18…絶縁体、19…第2放電用電
源、20…真空予備室、21…ゲートバルブ、22…搬
送アーム、100…制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 良一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4G075 AA24 AA61 BC02 CA13 CA15 CA47 CA65 DA01 DA18 EB01 EB42 4K029 BA03 BD12 CA05 DC34 DC35 EA03 EA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空室内に、スパッタリング電極に支持
    したターゲットに対して基板を対向させて配設した状態
    で、上記スパッタリング電極に高周波又は直流電力を供
    給して上記ターゲット上にプラズマを形成し、プラズマ
    中のイオンによって上記ターゲットをスパッタリング
    し、上記基板上に薄膜を形成するスパッタリング方法に
    おいて、 上記基板の薄膜形成初期の供給電力が、上記基板の薄膜
    形成に必要な供給電力の10%以下であることを特徴と
    するスパッタリング方法。
  2. 【請求項2】 上記膜形成初期の供給電力を供給する時
    間が、上記基板の薄膜形成に必要な膜形成時間の50%
    以下である請求項1に記載のスパッタリング方法。
  3. 【請求項3】 上記基板の薄膜形成初期の供給電力を供
    給するとともに、トリガガスを上記真空室内に導入する
    ことにより、上記真空室内の圧力を一時的に高めてプラ
    ズマを発生させるようにした請求項1又は2に記載のス
    パッタリング方法。
  4. 【請求項4】 真空室内に、スパッタリング電極に支持
    したターゲットに対して基板を対向させて配設した状態
    で、上記スパッタリング電極に高周波又は直流電力を供
    給して上記ターゲット上にプラズマを形成し、プラズマ
    中のイオンによって上記ターゲットをスパッタリング
    し、上記基板上に薄膜を形成するスパッタリング方法に
    おいて、 上記プラズマ形成用の上記高周波又は直流電力を供給す
    る前に、上記スパッタリング電極での陰極降下電圧が5
    0V以下になるような周波数を持つ高周波電力を一種類
    以上供給したのち、 上記一種類以上供給された高周波電力に重畳して、上記
    プラズマ形成用の上記高周波又は直流電力を供給するこ
    とを特徴とするスパッタリング方法。
  5. 【請求項5】 上記プラズマ形成用の上記高周波又は直
    流電力に重畳する上記高周波電力の周波数が20MHz
    〜3GHzである請求項4に記載のスパッタリング方
    法。
  6. 【請求項6】 上記プラズマ形成用の上記高周波又は直
    流電力に重畳する上記高周波電力を供給するとともに、
    トリガガスを上記真空室内に導入することにより、上記
    真空室内の圧力を一時的に高めてプラズマを発生させる
    ようにした請求項4又は5に記載のスパッタリング方
    法。
  7. 【請求項7】 真空室と、 上記真空室内に配置されてターゲットを支持するスパッ
    タリング電極と、 上記ターゲットに対して基板を対向させて配置する基板
    ホルダと、 上記基板の薄膜形成に必要な高周波又は直流電力を上記
    スパッタリング電極に供給する放電用電源と、 上記基板の薄膜形成に必要な供給電力の10%以下の基
    板薄膜形成初期用の高周波又は直流電力を上記スパッタ
    リング電極に供給するとともに、トリガガスを上記真空
    室内に導入することにより上記真空室内の圧力を一時的
    に高めてプラズマを発生させるとともに、上記基板の薄
    膜形成に必要な高周波又は直流電力を上記スパッタリン
    グ電極に供給して上記ターゲット上にプラズマを形成す
    るように上記放電用電源を制御する制御装置とを備え
    て、 上記ターゲット上にプラズマを形成し、プラズマ中のイ
    オンによって上記ターゲットをスパッタリングして、上
    記基板上に薄膜を形成することを特徴とするスパッタリ
    ング装置。
  8. 【請求項8】 上記制御装置は、上記膜形成初期の供給
    電力を供給する時間が、上記基板の薄膜形成に必要な膜
    形成時間の50%以下となるように上記放電用電源を制
    御する請求項7に記載のスパッタリング装置。
  9. 【請求項9】 真空室と、 上記真空室内に配置されてターゲットを支持するスパッ
    タリング電極と、 上記ターゲットに対して基板を対向させて配置する基板
    ホルダと、 上記基板の薄膜形成に必要な高周波又は直流電力を上記
    スパッタリング電極に供給して上記ターゲット上にプラ
    ズマを形成する第1放電用電源と、 上記スパッタリング電極での陰極降下電圧が50V以下
    になるような周波数を持つ高周波電力を一種類以上供給
    する第2放電用電源と、 トリガガスを上記真空室内に導入することにより上記真
    空室内の圧力を一時的に高めてプラズマを発生させたの
    ち、上記基板の薄膜形成に必要な高周波又は直流電力を
    上記スパッタリング電極に供給して上記ターゲット上に
    プラズマを形成するように第1放電用電源を制御すると
    ともに、上記プラズマ形成用の上記高周波又は直流電力
    を供給する前に、上記スパッタリング電極での陰極降下
    電圧が50V以下になるような周波数を持つ高周波電力
    を一種類以上、上記スパッタリング電極に供給するよう
    に上記第2放電用電源を制御する制御装置とを備えて、 上記ターゲット上にプラズマを形成し、プラズマ中のイ
    オンによって上記ターゲットをスパッタリングして、上
    記基板上に薄膜を形成することを特徴とするスパッタリ
    ング装置。
  10. 【請求項10】 上記第2放電用電源の上記プラズマ形
    成用の上記高周波又は直流電力に重畳する上記高周波電
    力の周波数が20MHz〜3GHzである請求項9に記
    載のスパッタリング装置。
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