JP6856029B2 - 曲面スクリーン印刷装置 - Google Patents

Description

本発明は、曲面スクリーン印刷装置に関し、より詳細には、曲面を有する基材の被印刷面にパターンを印刷可能な曲面スクリーン印刷装置に関する。

従来、曲面形状を有する屈曲基材に対してスクリーン印刷する技術が知られている（例えば、特許文献１及び２参照）。特許文献１には、曲面形状の被印刷面に対して、該被印刷面の形状に合せたスクリーン版を使用し、スキージでスクリーン版を押圧して印刷する方法が記載されている。また、特許文献２には、被印刷面に対して、スクリーン版が常に接線方向を向くように、スクリーン版を被印刷面の曲率に対応して回転駆動するようにした曲面スクリーン印刷装置が開示されている。

さらに、特許文献３では、平面ガラス基板を湾曲させ、スクリーン版の裏面に略接触させるように、ステージを回転運動させ、さらに、所定の距離を持ってスキージをスクリーン版上で移動することにより印刷を行うことが記載されている。

米国特許第８５６１５３５号明細書 日本国特許第３６７７１５０号公報 日本国特開２００５−８８５７７号公報

ところで、近年、単曲凸面形状以外の曲面を持った基材に対してスクリーン印刷を施すことが望まれている。
特許文献１に記載の印刷方法では、基材を固定した状態でスクリーン印刷を行っており、また、湾曲したスクリーン版を使用した場合の基材の駆動について記載されておらず、印刷可能な被印刷面の曲率が制限されるという課題がある。
また、特許文献２に記載の曲面スクリーン印刷装置では、被印刷面とスクリーン版との距離を一定に維持できるものの、スクリーン版が取り付けられるスクリーン版取付枠の駆動機構がスクリーン版の上方に位置するため、スクリーン枠駆動時に発生する駆動部の摩耗粉などの粉塵がスクリーン版上に落下してピンホールなどの印刷不良となる虞があり、改善の余地があった。
また、特許文献３に記載のスクリーン印刷装置では、曲面を有する複雑な被印刷面を持った基板を印刷することについては記載されていない。

本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、曲面形状を有する基材の表面にパターンを精度よく印刷可能な曲面スクリーン印刷装置を提供することにある。

本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
（１） 曲面を持った基材の被印刷面を印刷する曲面スクリーン印刷装置であって、
パターンが形成され、前記基材の上方に配置されるスクリーン版と、
前記スクリーン版の上方に配設されて前記スクリーン版を介して前記基材の被印刷面にインクを塗布するスキージと、
前記基材を鉛直平面に沿って移動させると共に、前記鉛直平面に直交する軸に対して揺動可能な基材移動機構と、を備える、曲面スクリーン印刷装置。
（２） 前記基材の移動と同期して、前記スクリーン版を水平移動するスクリーン版移動機構をさらに備え、
前記スキージは、所定の位置に固定されている、（１）に記載の曲面スクリーン印刷装置。（３） 前記基材の移動に同期して、前記スキージを水平移動するスキージ移動機構をさらに備え、
前記スクリーン版は、所定の位置に固定されている、（１）に記載の曲面スクリーン印刷装置。
（４） 前記基材移動機構は、前記スクリーン版の下方又は側方に配置される、（１）〜（３）のいずれかに記載の曲面スクリーン印刷装置。
（５） 前記基材移動機構は、前記被印刷面と略同じ表面形状を有し、上に凸となるように前記基材を載置可能な台座を有する、（１）〜（４）のいずれかに記載の曲面スクリーン印刷装置。
（６） 前記台座の少なくとも表面は、樹脂である、（５）に記載の曲面スクリーン印刷装置。
（７） 前記台座の体積抵抗率は、１０^９Ωｍ以下である、（５）又は（６）に記載の曲面スクリーン印刷装置。
（８） 前記台座は、前記基材を真空吸着して保持する吸着機構を備える、（５）〜（７）のいずれかに記載の曲面スクリーン印刷装置。
（９） 前記基材移動機構は、
水平駆動機構により水平方向に移動可能な水平移動台と、前記水平移動台上に配設され垂直駆動機構により前記水平方向と直交する垂直方向に移動可能な垂直移動台と、前記垂直移動台上に配設され揺動駆動機構により前記水平方向及び前記垂直方向と直交する軸を中心として回動可能な揺動台と、を備え、
前記水平駆動機構、前記垂直駆動機構、及び前記揺動駆動機構は、前記スクリーン版移動機構又は前記スキージ移動機構と電気的に同期して前記基材を駆動する、（２）又は（３）に記載の曲面スクリーン印刷装置。
（１０） 前記基材移動機構は、基台に固定されたカムフォロアと嵌合し、前記基材の被印刷面と略同じ形状を有するカム溝が形成され、前記基材を載置可能な台座を取り付け可能な台座ホルダを、備え、
前記基材移動機構は、前記スクリーン版移動機構に同期させて前記台座ホルダを前記カム溝に沿って駆動する、（２）に記載の曲面スクリーン印刷装置。
（１１） 前記基材移動機構は、
前記スクリーン版移動機構のアクチュエータの駆動力によって水平移動可能な駆動部材と、
前記駆動部材と前記台座ホルダとの間を連結し、前記駆動部材の移動によって前記台座ホルダを可動する動力伝達部材と、を備え、
前記スクリーン版移動機構の前記アクチュエータによって、前記駆動部材が、前記スクリーン版と同期して水平移動することで、前記スクリーン版移動機構と機械的に同期させて前記台座ホルダを前記カム溝に沿って駆動する、（１０）に記載の曲面スクリーン印刷装置。
（１２） 前記動力伝達部材は、一方の端部が前記駆動部材の一方の移動方向端部に固定されると共に他方の端部が前記台座ホルダの他方の移動方向端部に固定される第１のチェーンと、他方の端部が前記駆動部材の他方の移動方向端部に固定されると共に一方の端部が前記台座ホルダの一方の移動方向端部に固定される第２のチェーンと、を備え、
前記駆動部材と前記台座ホルダとは、前記第１のチェーンと前記第２のチェーンとを介して連結される、（１１）に記載の曲面スクリーン印刷装置。
（１３） 前記基材移動機構は、
前記台座ホルダの下面に設けられたラックと、該ラックと噛合するピニオンと、該ピニオンを回転駆動するモータと、を備え、
前記モータは、前記スクリーン版移動機構と電気的に同期して回転することで、前記台座ホルダを前記カム溝に沿って駆動する、（１０）に記載の曲面スクリーン印刷装置。
（１４） 曲面及び平面を持った基材の被印刷面を印刷する曲面スクリーン印刷方法であって、
パターンが形成され、前記基材の上方に配置されるスクリーン版と、前記スクリーン版の上方に配設されて前記スクリーン版を介して前記基材の被印刷面にインクを塗布するスキージとのいずれか一方が所定の位置に固定されており、
前記基材を鉛直平面に沿って移動させると共に、前記鉛直平面に直交する軸に対して揺動させながら、前記スクリーン版と前記スキージとのいずれか他方を、前記基材の移動と同期して水平移動することで、前記基材の被印刷面に、前記スクリーン版のパターンを印刷する、曲面スクリーン印刷方法。
（１５） 曲面を有する被印刷面を有する基材と、前記被印刷面に形成された印刷層と、を備える印刷層を有する基材の製造方法であって、
パターンが形成されたスクリーン版と、前記スクリーン版の上方に配設されるスキージと、を備え、
前記基材を、鉛直平面に沿って移動させると共に、前記鉛直平面に直交する軸に対して揺動させ、
前記スキージにより、前記スクリーン版を介して前記基材の被印刷面にインクを塗布する、ことを特徴とする印刷層を有する基材の製造方法。
（１６） 前記基材の移動と同期して、前記スクリーン版を水平移動させ、前記スキージは所定の位置に固定されている、（１５）に記載の印刷層を有する基材の製造方法。
（１７） 前記基材の移動と同期して、前記スキージを水平移動させ、前記スクリーン版は所定の位置に固定されている、（１５）に記載の印刷層を有する基材の製造方法。
（１８） 前記基材の移動は、前記スクリーン版の下方又は側方に配置された基材移動機構によりなされる、（１５）〜（１７）のいずれかに記載の印刷層を有する基材の製造方法。
（１９） 前記基材移動機構は、前記被印刷面と略同じ表面形状を有し、上に凸となるように前記基材を載置可能な台座を有する、（１８）に記載の印刷層を有する基材の製造方法。
（２０） 前記台座の体積抵抗率は、１０^９Ωｍ以下である、（１９）に記載の印刷層を有する基材の製造方法。

本発明の曲面スクリーン印刷装置によれば、基材の上方に配置されるスクリーン版と、スクリーン版を介して基材の被印刷面にインクを塗布するスキージと、基材を鉛直平面に沿って移動させると共に、鉛直平面に直交する軸に対して揺動可能な基材移動機構と、を備えるので、曲面形状を有する基材の表面に、スクリーン版のパターンを精度よく印刷できる。

また、本発明によれば、スクリーン版とスキージとのいずれか一方が所定の位置に固定されており、基材を鉛直平面に沿って移動させると共に、鉛直平面に直交する軸に対して揺動させながら、スクリーン版とスキージとのいずれか他方を、基材の移動と同期して水平移動することで、基材の被印刷面に、スクリーン版のパターンを印刷する。これにより、曲面形状を有する基材の表面に、スクリーン版のパターンを精度よく印刷できる。

さらに、本発明によれば、パターンが形成されたスクリーン版と、スクリーン版の上方に配設されるスキージと、を備え、基材は、鉛直平面に沿って移動させると共に、前記鉛直平面に直交する軸に対して揺動させ、スキージにより、スクリーン版を介して基材の被印刷面にインクを塗布する。これにより、曲面形状を有する基材の表面に、スクリーン版のパターンを精度よく印刷できる。

（ａ）、（ｂ）および（ｃ）は、本発明の第１実施形態に係る曲面スクリーン印刷装置の作動状態を示す模式図である。 スクリーン版の設置方法の変形例を示す模式図である。 基材移動機構の要部斜視図である。 （ａ）は、基材を載置可能な台座の断面図であり、（ｂ）は、（ａ）の台座の上面図である。 （ａ）は、基材を載置可能な台座の変形例を示す断面図であり、（ｂ）は、（ａ）の台座の上面図である。 台座の移動軌跡を示す正面である。 第２実施形態の基材移動機構の正面図である。 駆動部材と第１及び第２のチェーンの取付けを説明するための要部拡大図である。 図７に示す基材移動機構の側面図である。 図９に示す台座ホルダと台座の取付け状態を示す要部平面図である。 基材を載置可能な台座の断面図である。 （ａ）は、変形例の台座の要部拡大図であり、（ｂ）は、他の変形例の台座の要部拡大図である。 （ａ）、（ｂ）および（ｃ）は、図７に示す基材移動機構の作動状態を示す要部正面図である。 第２実施形態の変形例の基材移動機構の側面図である。 （ａ）、（ｂ）および（ｃ）は、本発明の第３実施形態に係る曲面スクリーン印刷装置の作動状態を示す模式図である。 （ａ）は、第２実施形態において、基材移動機構の変形例に係る要部拡大図であり、（ｂ）は、第２実施形態において、基材移動機構がスクリーン版移動機構と電気的に同期される変形例に係る要部拡大図である。

以下、本発明に係る曲面スクリーン印刷装置、曲面スクリーン印刷方法、及び印刷層を有する基材の製造方法の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。

（第１実施形態）
図１に示すように、曲面スクリーン印刷装置１０は、上に凸となる曲面を持った被印刷面２１を有する基材２０を保持する台座７０と、該台座７０と共に基材２０を駆動する基材移動機構５０と、版枠３１に一定のテンションで張られ、基材２０の上方に適度な隙間Ｃを介して設置されたスクリーン版３０と、スクリーン版３０の上方に配設されて基材２０の被印刷面２１にインクを塗布するスキージ４０と、を備える。

なお、基材２０としては、ガラスや、セラミクス、樹脂、木材、金属等の板が挙げられ、特に、ガラスとしては、無色透明の非晶質ガラスの他、結晶化ガラスや色ガラス等が挙げられる。
また、スクリーン版３０は、金属材料が使用されてもよいし、樹脂材料が使用されてもよい。金属材料としては、ステンレス等が挙げられる。さらに、スクリーン版３０は、被膜が形成された金属材料からなることが好ましい。被膜としては、ニッケルなどの耐腐食性・撥液性金属皮膜が好ましい。一方、樹脂材料としては、テトロン（登録商標）、ナイロン、ポリエステル等が挙げられる。

なお、スクリーン版３０は版枠３１に一定のテンションで張られたものに限らず、図２に示すように、一端は版枠３１などに固定され他端はおもりなどの荷重がかけられたスクリーン版３０を使用してよい。これにより自由におもりを選択でき、スクリーン版３０のテンションを調整できる。この際に、スキージ４０の押し込み荷重を変化させてよい。

スクリーン版３０は、不図示のスクリーン版移動機構により水平移動する。また、台座７０は、後述するが、基材２０の被印刷面２１と略同じ表面形状を有し、基材移動機構５０によりスクリーン版３０と同期して駆動される。一方、スキージ４０は、所定の位置に固定されている。

ここで、スクリーン版３０と基材２０との同期移動とは、具体的に、スキージ４０による印圧がかかる前のスクリーン版３０（図１に破線で示す）と、被印刷面２１の印刷位置Ｐ（スキージ４０に印圧されてスクリーン版３０の下面が略接触する被印刷面２１上の位置）との隙間Ｃが常に一定に維持され、且つ、スキージ４０のアタック角度が変わらない、即ち、被印刷面２１の印刷位置Ｐでの接線とスキージ４０の角度が一定となるように、スクリーン版３０の水平移動に対して、基材２０を駆動させることを意味する。また、スクリーン版３０は、基材２０が移動する際の被印刷面２１に沿う沿面長さＬとほぼ同じ距離だけ、基材２０の移動と同期して水平移動する。これにより、印刷の全工程において、スクリーン版３０の下面と、被印刷面２１とは、印刷位置Ｐで同期移動しながら接触する。

そして、スキージ４０に印圧をかけてスクリーン版３０の裏面を基材２０の被印刷面（表面）２１に押し当て、スキージ４０を固定した状態のまま、スクリーン版３０と基材２０とを同期させて図１中、左方向へ移動させることにより、インクを押し出して被印刷面２１上にスクリーン版３０が有するパターンを印刷する。

図３に示すように、基材移動機構５０は、鉛直平面を規定する基台５１上に水平方向に固定された一対のリニアガイドレール５２を備える。リニアガイドレール５２には、水平移動台５３が水平方向に移動可能に配設されている。水平移動台５３は、基台５１に固定された水平駆動モータ５４で駆動されるボールネジ機構５５などにより水平方向に移動可能である。

水平移動台５３上には、垂直駆動モータ５６で駆動され、一対のリニアガイドレール５７で案内されて垂直方向に移動可能な垂直移動台５８が配設されている。垂直移動台５８には、揺動駆動モータ５９で駆動されて水平方向及び垂直方向と直交する軸を中心として回動可能な揺動台６０が配設されている。揺動台６０は、略Ｌ字形に形成されており、揺動台６０の上部から紙面手前側に突出する突出部６１には、基材２０を載置可能な台座７０（図４、図６参照）が固定される。
なお、水平移動台５３、垂直移動台５８、揺動台６０は、水平方向に移動、垂直方向に移動、回動する機構であれば、モータとボールねじ機構の組合せによる移動や回動に限定されず、他の水平移動機構、他の垂直移動機構、他の揺動駆動機構によって構成されてもよい。

台座７０は、図４に示すように、基材２０より柔らかい材料、例えば、カーボンや樹脂を使用できる。樹脂としては例えば、ベークライト（登録商標）、ピーク（登録商標）、塩化ビニル、ジュラコン（登録商標）などを使用できる。これらの樹脂は導電性を付与するための導電膜などによる表面処理やカーボンなどの混合などが施されていてもよい。また、台座７０は、基材２０の被印刷面２１と略同じ形状の、上に凸となる形状の表面７１を有し、揺動台６０の突出部６１に載置して固定される。台座７０（少なくとも台座７０の表面７１）の体積抵抗率は、１０^９Ωｍ以下であることが望ましく、１０^７Ωｍ〜１０^８Ωｍであることがより望ましい。これにより、印刷時に発生する静電気を抑制し、被印刷面２１からのスクリーン版３０の版離れがよくなり、さらにインクの切れがよくなり、版を汚染することなく印刷精度を向上できる。また、静電気を低減できるため、埃などの異物を引き寄せず、良好な印刷層を形成できる。

台座７０の裏面には、プレート７６がねじ７２で固定されており、台座７０とプレート７６との間に設けられた凹部空間７３には、台座７０の表面７１に開口する複数の孔７４が連通する。凹部空間７３は、不図示の真空装置に接続されており、孔７４から外部空気を吸引して台座７０の表面７１に基材２０を真空吸着する吸着機構７５を構成する。
また、台座７０の表面７１には、基材２０の縁部（本実施形態では、基材２０の一辺）が通過する位置に、窪み７８が形成されている。窪み７８の開口側には、基材２０の裏面が臨んでいる。窪み７８は、印刷後に、手やへらなどを入れて基材２０を浮かせ、印刷面に触れずに基材２０を台座７０から取り外すために設けられている。このため、窪み７８は、手やへらなどを挿入可能な大きさを有し、本実施形態では、基材２０の一辺に沿って形成されている。
なお、基材２０の台座７０への固定方法は、上記した真空吸着に限らず、基材２０と同一形状の溝を設けて該溝に嵌め込むようにしてもよく、両者を併用してもよい。即ち、両者を併用した変形例として、図５に示すように、台座７０の表面７１には、基材２０と同一形状の溝７７が形成されている。なお、この場合、溝７７は、上面視で、窪み７８上を通過している。

そして、基材移動機構５０の水平駆動モータ５４、垂直駆動モータ５６、及び揺動駆動モータ５９は、スクリーン版３０を水平移動させるスクリーン版移動機構と電気的に同期駆動されて、台座７０を揺動台６０と共に水平、垂直方向と直交する軸回りに揺動させると共に、揺動台６０の軸６０ａを水平、垂直方向に移動させる。これにより、基材２０は、スキージ４０による印圧がかかる前のスクリーン版３０と、被印刷面２１の印刷位置Ｐ（スキージ４０に印圧されてスクリーン版３０の下面が略接触する被印刷面２１上の位置）との隙間Ｃが常に一定となるように、同期して駆動される。

被印刷面２１が単曲凸面である場合には、図６に示すように、基材２０は、被印刷面２１の曲率中心を中心として回転するように駆動され、基材２０の被印刷面２１は、被印刷面２１の曲面の延長線（円弧）上を矢印で示す方向に移動する。その際、揺動台６０の軸６０ａの中心は、実線で示す印刷開始直後の座標（ｘ_１、ｚ_１、θ_１）から、一点鎖線で示す座標（ｘ_２、ｚ_２、θ_２）、そして、二点鎖線で示す座標（ｘ_３、ｚ_３、θ_３）へと移動する。

これにより、図１に示すように、スキージ４０が固定された状態で、基材２０とスクリーン版３０とが同期して移動して、被印刷面２１に精度よく印刷できる。

以上説明したように、本実施形態の曲面スクリーン印刷装置１０によれば、パターンが形成され、基材２０の上方に配置されるスクリーン版３０と、スクリーン版３０の上方に配設されてスクリーン版３０を介して基材２０の被印刷面２１にインクを塗布するスキージ４０と、基材２０を鉛直平面に沿って移動させると共に、鉛直平面に直交する軸に対して揺動可能な基材移動機構５０と、を備えるので、曲面形状を有する基材２０の被印刷面２１に、スクリーン版３０のパターンを精度よく印刷できる。

また、基材２０の移動と同期して、スクリーン版３０を水平移動するスクリーン版移動機構をさらに備え、スキージ４０は、所定の位置に固定されているので、基材２０とスクリーン版３０と容易に同期させることができ、高い精度で印刷できる。

また、基材移動機構５０は、スクリーン版３０の下方且つ側方に配置されるので、基材移動機構５０の作動に伴って発生した摩耗粉などの粉塵が、スクリーン版３０上に落下することがなく、ピンホールなどの印刷不良が防止される。

また、基材移動機構５０は、被印刷面２１と略同じ表面形状を有し、上に凸となるように基材２０を載置可能な台座７０を有するので、基材２０を確実に位置決めして保持できる。

また、台座７０の少なくとも表面は、カーボンまたは樹脂であるので、台座７０の表面７１は基材２０より柔らかく、台座７０によって基材２０を傷つける虞がない。

また、台座７０の体積抵抗率は、１０^９Ωｍ以下であるので、静電気が発生し難く、被印刷面２１からのスクリーン版３０の版離れがよく、さらにインクの切れがよくなり、版を汚染することなく印刷精度が向上する。また、静電気を低減できるため、埃などの異物を引き寄せず、良好な印刷層を形成できる。

また、台座７０は、基材２０を真空吸着して保持する吸着機構７５を備えるので、台座７０で基材２０を確実に保持できる。

また、基材移動機構５０は、水平駆動モータ５４で駆動されて水平方向に移動可能な水平移動台５３と、水平移動台５３上に配設され垂直駆動モータ５６で駆動されて垂直方向に移動可能な垂直移動台５８と、垂直移動台５８上に配設され揺動駆動モータ５９で駆動されて水平方向及び垂直方向と直交する軸を中心として回動可能な揺動台６０と、を備え、水平駆動モータ５４、垂直駆動モータ５６、及び揺動駆動モータ５９は、スクリーン版移動機構と電気的に同期して基材２０を駆動するので、基材２０の被印刷面２１の曲面形状に合わせた任意の移動軌跡で基材２０を駆動できる。

また、本実施形態の曲面スクリーン印刷方法によれば、スキージ４０が所定の位置に固定されており、基材２０を鉛直平面に沿って移動させると共に、鉛直平面に直交する軸に対して揺動させながら、スクリーン版３０を、基材２０の移動と同期して水平移動することで、基材２０の被印刷面２１に、スクリーン版３０のパターンを印刷するので、曲面形状を有する基材２０の被印刷面２１に、スクリーン版３０のパターンを精度よく印刷できる。

（第２実施形態）
次に、本発明の第２実施形態に係る曲面スクリーン印刷装置１０について説明する。なお、本実施形態では、スクリーン版移動機構１００と機械的に同期する基材移動機構５０Ａを有する点において、第１実施形態のものと異なる。このため、第１実施形態と同一または同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。

この第２実施形態では、基材移動機構５０Ａは、図７〜図９に示すように、スクリーン版移動機構１００のアクチュエータ１０１によって駆動され、スクリーン版移動機構１００と機械的に同期するように構成されている。

スクリーン版移動機構１００は、スクリーン版３０の版枠３１が取り付けられるスクリーン版取付部１０４と、アクチュエータ１０１によって回転駆動されるボールねじ１０２と、スクリーン版取付部１０４に固定され、ボールねじ１０２の回転に伴って水平移動するナット１０３と、スクリーン版取付部１０４を案内する一対のガイドロッド１０５と、を有する。

スクリーン版取付部１０４は、一対のガイドロッド１０５が挿通されるガイド部材１０６と、ガイド部材１０６及びナット１０３が固定される基板１０７と、によって構成される。これにより、スクリーン版３０は、スクリーン版取付部１０４とともに、アクチュエータ１０１の駆動によって水平移動する。
なお、本実施形態では、ナット１０３とガイド部材１０６とが一体化されているが、別体として基板１０７にそれぞれ固定されてもよい。
また、本実施形態では、スクリーン版３０を保持する版枠３１は、版取付治具１２５を介して、スクリーン版取付部１０４に固定されているが、スクリーン版取付部１０４に直接固定されてもよい。

基板１０７には、一対のリニアガイド１１０が垂直方向に向けて固定されている。一対のリニアガイド１１０に嵌合する一対の軸１１１の下端は、駆動部材１１２に固定されている。駆動部材１１２の下部には、前後面に同一形状の一対のカム溝１１４が形成された台座ホルダ１１３が配置されている。

カム溝１１４のカム形状は、基材２０の被印刷面２１と略同じ形状となっている。各カム溝１１４には、上下駆動機構１１５で案内されて上下移動する可動基台１１６に固定され、左右に水平配置された一対のカムフォロア１１７からなるカムフォロア部１１８が、前後面から嵌合する。これにより、台座ホルダ１１３は、前後一対のカムフォロア部１１８を介して可動基台１１６に支持され、可動基台１１６と共に上下移動可能である。

駆動部材１１２と台座ホルダ１１３とは、図８に示すように、これらの間に交差して架け渡された２本のチェーン１２０、１２１を介して、互いに連結されている。即ち、第１のチェーン１２０では、一方の端部１２０ａが駆動部材１１２の一方の移動方向端部１１２ａに固定され、他方の端部（図示せず）が台座ホルダ１１３の他方の移動方向端部１１３ｂに固定される。第２のチェーン１２１では、他方の端部１２１ａが駆動部材１１２の他方の移動方向端部１１２ｂに固定され、一方の端部（図示せず）が台座ホルダ１１３の一方の移動方向端部１１３ａに固定される。
なお、駆動部材１１２と台座ホルダ１１３との間の動力伝達は、上述した２本のチェーン１２０，１２１の動力伝達部材に限定されず、ベルトやワイヤ等の他の動力伝達部材によって構成されてもよい。即ち、動力伝達部材は、駆動部材１１２と台座ホルダ１１３との間を連結し、駆動部材１１２の移動によって台座ホルダ１１３を可動するものであればよい。

図１０も参照して、台座ホルダ１１３の左右両端から前方に延びる一対の支持アーム１２２には、それぞれ内側に向かって延びる一対の台座取付アーム１２３が設けられている。一対の台座取付アーム１２３には、上述した台座７０と同様に、カーボンや樹脂で製作された台座７０Ａがプレート７６を介して取り付けられている。

図１１に示すように、台座７０Ａの表面７１の形状は、基材２０の被印刷面２１と略同じ形状となっている。即ち、本実施形態の台座７０Ａの表面７１の形状は、両端部に形成された曲面７１ａ，７１ｃと、その中間部に形成された平面７１ｂと、を有する複合曲面となっている。また、台座ホルダ１１３のカム溝１１４のカム形状も、被印刷面２１（台座７０Ａ）の形状に合わせて、両端が曲線部１１４ａ，１１４ｃであり、その中間が直線部１１４ｂである複合曲線となっている。

台座７０Ａは、図４に示す第１実施形態の台座７０と同様に、台座７０Ａとプレート７６との間に凹部空間７３を備え、台座７０Ａの表面７１に開口する複数の孔７４が連通する。凹部空間７３は、不図示の真空装置に接続され、孔７４から外部空気を吸引して台座７０Ａの表面７１に基材２０を真空吸着する吸着機構７５を構成する。また、台座７０Ａの体積抵抗率は、１０^９Ωｍ以下であることが望ましい。
なお、台座７０Ａの表面７１の形状は、図１１に示すような曲面７１ａ，７１ｃと平面７１ｂを持った複合曲面に限定されるものでない。例えば、図１２（ａ）に示すように、単一の曲率半径Ｒ_１の曲線からなる曲面７１ａ１と平面７１ｂとを持った複合曲面であってもよく、或いは、図１２（ｂ）に示すような互いに異なる曲率半径Ｒ_１，Ｒ_２の曲線からなる複数の曲面７１ａ２，７１ａ３と、平面７１ｂを持った複合曲面であってもよい。なお、台座７０Ａの複合曲面は、平面を有せず、それぞれ異なる曲率半径の曲線からなる複数の曲面によって形成されてもよい。

次に、図１３を参照して基材移動機構５０Ａの作用を説明する。
先ず、台座７０Ａの表面７１に基材２０を真空吸着して保持する。そして、上下駆動機構１１５によって可動基台１１６を上昇させる。即ち、前後一対のカムフォロア部１１８を介して可動基台１１６で支持されている台座ホルダ１１３を、台座７０Ａ上に保持された基材２０と共にスクリーン版３０と基材２０との隙間が所定の隙間Ｃ（図１参照）となる位置まで上昇させる。このとき、第１のチェーン１２０と第２のチェーン１２１とで連結されている駆動部材１１２は、台座ホルダ１１３と共に上昇する。

そして、スクリーン版移動機構１００のアクチュエータ１０１によりボールねじ１０２を回転させると、ボールねじ１０２に螺合するナット１０３に固定された基板１０７、即ち、スクリーン版取付部１０４がスクリーン版３０と共に水平移動する。

また同時に、基板１０７に固定されたリニアガイド１１０が水平方向に移動するので、リニアガイド１１０に嵌合する一対の軸１１１に固定された駆動部材１１２も水平移動し、更に、一対のチェーン１２０，１２１で駆動部材１１２に連結されている台座ホルダ１１３が水平方向に移動する。従って、台座ホルダ１１３は、上昇位置で停止している可動基台１１６のカムフォロア部１１８に案内されて、カム溝１１４のカム形状に従って駆動される。

即ち、カムフォロア１１７がカム溝１１４に嵌合した状態で、駆動部材１１２（スクリーン版取付部１０４）を、例えば、右方向に水平移動させると、台座ホルダ１１３は、第２のチェーン１２１に引っ張られて右方向に移動する。このとき、カム溝１１４に嵌合しているカムフォロア１１７は固定位置にあるので、台座ホルダ１１３は、カム溝１１４のカム形状に倣って揺動、及び直線移動する。

具体的には、カムフォロア１１７がカム溝１１４の右端の曲線部１１４ａに嵌合する位置では、台座ホルダ１１３が右方向へ移動すると、曲線部１１４ａに倣って揺動しながら移動し（図１３（ａ）参照）、中間の直線部１１４ｂに嵌合する位置では、直線部１１４ｂに倣って直線移動（図１３（ｂ）参照）し、左端の曲線部１１４ｃに嵌合する位置では、曲線部１１４ｃに倣って揺動しながら移動する（図１３（ｃ）参照）。これにより、台座ホルダ１１３は、カム溝１１４、即ち基材２０の被印刷面２１の形状に倣って駆動される。

また、駆動部材１１２（スクリーン版取付部１０４）が左方向に水平移動する場合も同様に、台座ホルダ１１３は、第１のチェーン１２０に引っ張られて左方向に移動し、カムフォロア１１７がカム溝１１４の左端及び右端の曲線部１１４ａ，１１４ｃと嵌合する位置にあるときは、台座ホルダ１１３が揺動しながら移動し、中間の直線部１１４ｂと嵌合する位置にあるときは直線運動して、被印刷面２１の形状に倣って駆動される。

これにより、基材２０は、スクリーン版３０と共にスクリーン版移動機構１００のアクチュエータ１０１によって駆動され、スキージ４０による印圧がかかる前のスクリーン版３０と、被印刷面２１の印刷位置Ｐ（スキージ４０に印圧されてスクリーン版３０の下面が略接触する被印刷面２１上の位置）との隙間Ｃが常に一定となるように制御されて、スクリーン版３０と機械的に同期して水平及び揺動駆動される。

図１４は、第２実施形態の変形例の曲面スクリーン印刷装置の側面図である。本変形例の曲面スクリーン印刷装置１０は、スクリーン版移動機構１００の駆動源を、ボールねじ機構の代わりに、モータ１３３によって駆動されるピニオン１３１と、基板１０７の下面に固定されてピニオン１３１と噛合するラック１３２とからなるラックアンドピニオン機構で構成としている。その他の構成は、第２実施形態の曲面スクリーン印刷装置１０と同様であるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

以上説明したように、本実施形態の曲面スクリーン印刷装置１０によれば、基材移動機構５０Ａは、可動基台１１６に固定されたカムフォロア１１７と嵌合し、基材２０の被印刷面２１と略同じ形状を有するカム溝１１４が形成され、基材２０を載置可能な台座７０Ａが取り付け可能な台座ホルダ１１３を、備え、基材移動機構５０Ａは、スクリーン版移動機構１００に同期させて台座ホルダ１１３をカム溝１１４に沿って駆動する。これにより、台座７０Ａ、及び台座ホルダ１１３を交換することで、任意の２次元曲線の被印刷面２１を持った基材２０をスクリーン印刷できる。

また、基材移動機構５０Ａは、水平移動可能な駆動部材１１２と、一方の端部１２０ａが駆動部材１１２の一方の移動方向端部１１２ａに固定されると共に他方の端部が台座ホルダ１１３の他方の移動方向端部１１３ｂに固定される第１のチェーン１２０と、他方の端部１２１ａが駆動部材１１２の他方の移動方向端部１１２ｂに固定されると共に一方の端部が台座ホルダ１１３の一方の移動方向端部１１３ａに固定される第２のチェーン１２１とをさらに備え、駆動部材１１２と台座ホルダ１１３とは、第１のチェーン１２０と第２のチェーン１２１を介して互いに連結され、スクリーン版移動機構１００のアクチュエータ１０１によって、駆動部材１１２が、スクリーン版３０と同期して水平移動することで、基材移動機構５０Ａをスクリーン版移動機構１００と機械的に同期させて駆動するので、基材２０を被印刷面２１の曲面形状と同じ移動軌跡で、スクリーン版３０と同期させて駆動できる。

（第３実施形態）
第３実施形態の曲面スクリーン印刷装置１０は、図１５に示すように、上に凸となる曲面を持った被印刷面２１を有する基材２０を保持する台座７０と、該台座７０と共に基材２０を駆動する基材移動機構５０と、版枠３１に一定のテンションで張られ、基材２０の上方に適度な隙間Ｃを介して設置されたスクリーン版３０と、スクリーン版３０の上方に配設されて基材２０の被印刷面２１にインクを塗布するスキージ４０と、を備える。

スキージ４０は、不図示のスキージ移動機構により水平移動する。また、台座７０は、前述したように、基材２０の被印刷面２１と略同じ表面形状を有し、基材移動機構５０によりスキージ４０と同期して駆動される。一方、スクリーン版３０は、所定の位置に固定されている。

本実施形態の曲面スクリーン印刷装置１０は、スクリーン版３０が固定されており、基材移動機構５０により駆動される基材２０と同期して、スキージ４０が不図示のスキージ移動機構に駆動されて水平移動する点が第１、及び第２実施形態の曲面スクリーン印刷装置１０と異なる。

具体的には、基材２０は、スキージ４０による印圧がかかる前のスクリーン版３０と、被印刷面２１の印刷位置Ｐとの隙間Ｃが常に一定に維持され、且つ、スキージ４０のアタック角度が変わらない、即ち、印刷位置Ｐでの接線とスキージ４０の角度が一定となるように、図１５の紙面と平行な平面（鉛直平面）に沿って水平方向及び垂直方向に移動すると共に、該鉛直平面に直交（図１５の紙面に直交方向）する軸に対して揺動して駆動される。また、スキージ４０は、スキージ移動機構によって駆動されて、基材２０が移動する際の被印刷面２１に沿う沿面長さＬとほぼ同じ距離だけ、基材２０の移動と同期して水平移動する。スキージ４０と基材２０とを同期させて移動させることにより、インクを押し出して被印刷面２１上にスクリーン版３０が有するパターンを印刷する。

以上説明したように、第３実施形態の曲面スクリーン印刷装置１０によれば、基材２０が移動する際の基材２０の被印刷面２１に沿う沿面長さＬとほぼ同じ距離だけ、基材２０の移動に同期して、スキージ４０を水平移動するスキージ移動機構をさらに備え、スクリーン版３０は、所定の位置に固定されているので、曲面形状を有する基材２０の表面に、スクリーン版３０のパターンを精度よく印刷できる。

また、本実施形態の曲面スクリーン印刷方法によれば、スクリーン版３０が所定の位置に固定されており、基材２０を鉛直平面に沿って移動させると共に、鉛直平面に直交する軸に対して揺動させながら、スキージ４０を、基材２０の移動と同期して水平移動することで、基材２０の被印刷面２１に、スクリーン版３０のパターンを印刷するので、曲面形状を有する基材２０の被印刷面２１に、スクリーン版３０のパターンを精度よく印刷できる。

尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、第１実施形態では、被印刷面２１が一様な円弧形状からなる単曲凸面を印刷する場合について説明したが、第１実施形態においても、例えば、図１１に示すような台座を用いて、曲面と平面とを有する被印刷面２１を印刷することも可能である。

また、第２実施形態では、図１６（ａ）に示す基材移動機構の変形例として、台座ホルダ１１３の移動方向中間位置（本実施形態では、可動基台１１６に回転自在に支持される）で、且つ、台座ホルダ１１３の下方に、回転支持体１２６が配置されてもよい。これにより、回転支持体１２６は、台座ホルダ１１３が受ける荷重を部分的に支持できる。

さらに、第２実施形態においても、台座ホルダ１１３の駆動は、スクリーン版移動機構と電気的に同期させてもよい。その場合、例えば、図１６（ｂ）に示すように、台座ホルダ１１３の下面にギア加工を施すことでラック１２７が形成され、モータ１２８によって駆動されるピニオンギア１２９がラック１２７と噛合する。そして、例えば、スクリーン版移動機構１００のアクチュエータの回転や他の構成部品の移動をエンコーダ（図示せず）で読み取り、台座ホルダ１１３がスクリーン版移動機構１００と電気的に同期して移動するように、モータ１２８を回転することで、台座ホルダ１１３を直接駆動してもよい。

また、基材の被印刷面に設けられる曲面は、単一の円弧や複数の円弧からなる複合曲面だけでなく、楕円など、円弧以外の任意の曲面であってもよい。即ち、基材が揺動する鉛直平面に直交する軸とは、曲面を印刷する過程で移動してもよい。
したがって、スクリーン印刷において、第１実施形態の基材移動機構は、水平駆動モータや垂直駆動モータによって鉛直平面に沿って基材を移動させつつ、揺動駆動モータによって基材を揺動させることで、基材が鉛直平面に直交する軸に対して揺動することになる。また、第２実施形態の基材移動機構は、台座ホルダのカム溝のカム形状を任意の曲面に応じて形成することで、基材が鉛直平面に直交する軸に対して揺動する。

本出願は、２０１５年１１月１８日出願の日本特許出願２０１５−２２６１１９に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

１０ 曲面スクリーン印刷装置
２０ 基材
２１ 被印刷面（曲面）
３０ スクリーン版
４０ スキージ
５０，５０Ａ 基材移動機構
５３ 水平移動台
５４ 水平駆動モータ
５６ 垂直駆動モータ
５８ 垂直移動台
５９ 揺動駆動モータ
６０ 揺動台
７０，７０Ａ 台座
７５ 吸着機構
１００ スクリーン版移動機構
１０１ アクチュエータ
１１２ 駆動部材
１１２ａ 一方の移動方向端部
１１２ｂ 他方の移動方向端部
１１３ 台座ホルダ
１１３ａ 一方の移動方向端部
１１３ｂ 他方の移動方向端部
１１４ カム溝
１１６ 可動基台（基台）
１１７ カムフォロア
１２０ 第１のチェーン
１２０ａ 一方の端部
１２１ 第２のチェーン
１２１ａ 一方の端部
Ｃ 隙間
Ｌ 被印刷面に沿う沿面長さ

Claims (4)

1. 曲面と平面とを含む複合曲面を持った基材の被印刷面を印刷する曲面スクリーン印刷装置であって、
   パターンが形成され、前記基材の上方に配置されるスクリーン版と、
   前記スクリーン版の上方に配設されて前記スクリーン版を介して前記基材の被印刷面にインクを塗布するスキージと、
   前記基材を鉛直平面に沿って移動させると共に、前記鉛直平面に直交する軸に対して揺動させる基材移動機構と、
   前記基材の移動と同期して、前記スクリーン版を水平移動するスクリーン版移動機構と、
   を備え、
   前記基材は、前記被印刷面と略同じ表面形状を有する台座に載置されて保持され、
   前記基材移動機構は、前記複合曲面に対応する曲線部及び直線部を備えるカム溝を有し、前記台座を保持する台座ホルダを備え、
   前記台座ホルダは、前記カム溝に嵌合するカムフォロアを備える可動基台が駆動されると、鉛直平面に沿って上下方向に移動し、前記スクリーン版を水平移動するために前記スクリーン版移動機構が駆動されると、前記カムフォロアに規制されて前記カム溝のカム形状に従って移動し、
   前記スキージが所定位置に固定されて、前記スクリーン版と前記基材とが同期して移動する、曲面スクリーン印刷装置。
2. 前記基材移動機構は、
   前記スクリーン版移動機構のアクチュエータの駆動力によって水平移動可能な駆動部材 と 、
   前記駆動部材と前記台座ホルダとの間を連結し、前記駆動部材の移動によって前記台座ホルダを可動する動力伝達部材と、を備え、
   前記スクリーン版移動機構の前記アクチュエータによって、前記駆動部材が、前記スクリーン版と同期して水平移動することで、前記スクリーン版移動機構と機械的に同期させて前記台座ホルダを前記カム溝に沿って駆動する、請求項１に記載の曲面スクリーン印刷装置。
3. 前記動力伝達部材は、一方の端部が前記駆動部材の一方の移動方向端部に固定されると共に他方の端部が前記台座ホルダの他方の移動方向端部に固定される第１のチェーンと、 他方の端部が前記駆動部材の他方の移動方向端部に固定されると共に一方の端部が前記台座ホルダの一方の移動方向端部に固定される第２のチェーンと、を備え、
   前記駆動部材と前記台座ホルダとは、前記第１のチェーンと前記第２のチェーンとを介して連結される、請求項２に記載の曲面スクリーン印刷装置。
4. 前記基材移動機構は、 前記台座ホルダの下面に設けられたラックと、該ラックと噛合するピニオンと、該ピニオンを回転駆動するモータと、を備え、
   前記モータは、前記スクリーン版移動機構と電気的に同期して回転することで、前記台座ホルダを前記カム溝に沿って駆動する、請求項１に記載の曲面スクリーン印刷装置。

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