JP6853995B2 - Mg2Si(1−x)Snx系焼結体およびその製造方法 - Google Patents

Mg2Si(1−x)Snx系焼結体およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、例えば環境低負荷物質であるMgSi(1−x)Sn(xは0〜1)系焼結体およびその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、空気中における耐酸化性能が向上し、かつ熱処理後の強度も高い、例えば、更にドーパントや遷移金属および亜鉛を含むMgSi(1−x)Sn(xは0〜1)系焼結体およびその製造方法に関するものである。
近年、省エネルギー社会に向けて、工場設備や発電設備などから生じる廃熱を利用した発電システムの開発が活発化している。特に、産業廃棄物の増加などに伴って、これらを焼却する際に生じる廃熱の有効利用が課題となっている。例えば、大型廃棄物焼却設備では、廃熱でボイラーを焚き、蒸気タービンにより発電するなどの廃熱回収が行われているが、大多数を占める中・小型廃棄物焼却設備では、スケールメリット依存性が高いためにタービンにより発電する方法が採れない。
このような中型・小型の廃棄物焼却施設において採用することが可能な廃熱を利用した発電方法としては、例えば、ゼーベック効果あるいはペルチェ効果を利用して可逆的に熱電変換を行う熱電変換材料・熱電変換素子・熱電変換モジュールを用いた方法が提案されている。
本発明者らは、先にMg Si(1−x)Sn系多結晶体であって、約200℃から600℃において熱電性能指数が高く、優れた耐酸化性能を有するので長寿命が期待できる上、反応容器との離型性に優れるので反応容器から生成物を取り出すために反応容器を壊さなくてすむので、反応容器を繰り返し使用でき、熱電変換材料などとして有効利用できるMg Si(1−x)Sn系多結晶体(xは0〜1)を提案した(特許文献1)。
特開2013−8747号公報
Mg Si(1−x)Sn系多結晶体などの金属間化合物の多結晶体は、これを焼結成形し、熱電変換素子、それを用いる熱電変換モジュールなどの用途に使用される。
ここで、得られる焼結体は金属パッケージなどの適宜の媒体に封止すれば外部雰囲気、例えば大気中の酸素の影響を抑制可能ではあるが、コスト等を考慮すれば、封止をすることなく、あるいは一定レベル以下の封止で大気下に酸化安定性を発揮することが望まれる。
さらに、熱電変換素子として使用するには電極形成させる必要が有るが、該電極形成時の熱履歴により素子の機械的強度が低下する現象が前記焼結成形品にみられる。
焼結製品の大気中使用での酸化安定性や、その熱履歴を受けたことによる強度変化等は、その粒界を含めた内部構造等に関連し、例えばこれら物性向上の課題要求は大であるものの、例えば熱電変換性能の維持向上とも関連し達成が難しいのが現状である。
そこで、本発明の第1の目的は、環境低負荷物質であるMg Si(1−x)Sn系多結晶体であって、約200℃から600℃の使用時において熱電性能が高く、大気中での耐酸化性能が格段に向上するので長寿命が期待できるところの、例えばMg Si(1−x)Sn(xは0〜1)系多結晶体及びその焼結体を提供することである。
すなわち、多結晶体の焼結体からなり、大気雰囲気下での酸化安定性のある焼結体が提供される。
また、本発明の第2の目的は、例えば従来では電極形成のための熱処理時に機械的強度低下がみられる素子の強度改良、向上を図ることである。
本発明の第1は、Sb、P、Bi、Alから選択される少なくとも1種のドーパントAでドーピングされた低環境負荷物質であるMgSi(1−x)Sn中に、Sc、Ti、V、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される少なくとも1種の遷移金属Bの元素および/または遷移金属Bのシリサイドが分散し、更にZnを含有し、理論密度の90%以上の焼結密度を有することを特徴とする下記式(1)で表される耐久性を有するMgSi(1−x)Sn・A・B・Zn c 結体である発明に関する。
MgSi1−xSn・A・B・Znc 式(1)
[ただし、式(1)中のxは0〜1、aはMgSi(1−x)Snに対するドーパントAの含有量であって0.01〜5.0at%であり、bはMgSi(1−x)Snに対する遷移金属Bの含有量であって0.01〜5.0at%であり、cはMgSi(1−x)Snに対するZnの含有量であって0.01〜5.0at%である。]
また、本発明において、遷移金属Bは、Sc、Ti、V、Y、Zr、Mo、Hf、Wから選択される少なくとも1種であることがより好ましく、Mo及びWから選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
本発明の第2は、本発明の第1の耐久性を有したMgSi(1−x)Sn・A・B・Zn 焼結体の製造方法であって、原料調製工程および/または合成工程および/または焼成工程において主ドーパントAおよび遷移金属Bを添加し、酸化防止としてZnを添加し、真空又は減圧雰囲気下で焼結圧力30〜100Mpa、焼結温度600〜1000℃で20〜60分間焼結することを特徴とするMgSi(1−x)Sn・A・B・Zn 焼結体の製造方法に関する。
本発明の第3は、原料調製工程で得られた原料を反応容器に充填し、常圧下あるいは減圧下で生成物の融点以上に加熱して合成し、合成後冷却して生成物を得る直接溶融法、前記原料を充填した不活性ガス雰囲気の加圧反応容器中で高周波加熱・溶融して合成し、合成後冷却して生成物を得る不活性ガス雰囲気加圧溶融法、および前記原料を反応容器に充填し、ボールミルで粉砕することにより合成を行ない、合成後冷却して生成物を得るメカニカルアロイング法のいずれかで行ない、その後、必要に応じて焼結を行なうことを特徴とする本発明の第1の焼結体の製造方法に関する。
本発明の第4は、原料調製工程で得られた原料を反応容器に充填し、常圧下あるいは減圧下でMgSiの融点以下で加熱して固液合成し、合成後冷却して生成物を得る固液溶融法で行ない、その後、真空又は減圧雰囲気下で焼結圧力30〜100Mpa、焼結温度600〜1000℃で20〜60分間焼結を行なうことを特徴とする本発明の第の焼結体の製造方法に関する。
本発明の第5は、下記工程(1)〜(7)を有する直接溶融法により製造することを特徴とする本発明の第4の焼結体の製造方法に関する。
(1)Mg、Si、Sn、ドーパントA、遷移金属B及びZnを含む粉粒体原料を調製する原料調製工程、
(2)工程(1)で調製した原料を、反応容器中に充填する原料充填工程
(3)前記反応容器全体を加熱して、溶融化学反応させる合成工程
(4)工程(3)で生成した融液を冷却してMgSi(1−x)Sn・A・B・Znc多結晶体を析出せしめる工程
(5)工程(4)で析出したMgSi(1−x)Sn・A・B・Znc多結晶体を前記反応容器から取り出す工程
(6)取り出した多結晶体を粉砕する粉砕工程
(7)粉砕した多結晶体を、真空又は減圧雰囲気下で焼結圧力30〜100Mpa、焼結温度600〜1000℃で20〜60分間加圧圧縮焼結する焼成工程。
本発明の第6は、本発明の第1のMg Si(1−x)Sn・Aa・Bb・Znc多結晶体を主成分とする焼結体から構成されることを特徴とする熱電変換材料に関する。
本発明の第7は、本発明の第1の焼結体から構成される熱電変換材料の大気暴露使用に関する。
本発明によれば、Mg Si(1−x)Sn系多結晶体からなる焼結体であって、約200℃から600℃において熱電性能が高く、大気下における高い耐酸化性能を有するので長寿命が期待できる上、酸化防止能が格段に向上するところの、例えばMg Si(1−x)Sn系多結晶体(xは0〜1)が提供される。
すなわち、多結晶体の焼結体であって、大気雰囲気下でも酸化安定性の優れた、実質的に封止操作などが不要な熱電変換素子が提供される。
さらに、例えば熱変換素子としての実用の際に電極形成のための熱処理時の際、機械的強度低下がみられる素子の強度改良が図られ、結果として電極形成が可能となるので、実用性のある電極付の熱変換素子のモジュールが製造される。
次に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の焼結体の製造方法は、特に限定されないが、下記の方法は好ましく使用できる。
すなわち、原料調製工程で得られた原料を反応容器に充填し、常圧下あるいは減圧下で生成物の融点以上に加熱して合成し、合成後冷却して生成物を得る直接溶融法、前記原料を充填した不活性ガス雰囲気の加圧反応容器中で高周波加熱・溶融して合成し、合成後冷却して生成物を得る不活性ガス雰囲気加圧溶融法、および前記原料を反応容器に充填し、ボールミルで粉砕することにより合成を行ない、合成後冷却して生成物を得るメカニカルアロイング法のいずれかで行ない、その後、必要に応じて焼結を行なう方法である。
これらいずれの方法も公知の製造方法を用いて本発明の多結晶体を容易に製造できる。
好ましくは、例えば、下記工程(1)〜(5)を有する直接溶融法により本発明の多結晶体を製造することができる。
(1)Mg粒子とSi粒子あるいはMg粒子とSn粒子の混合物、またはMg・Si合金粒子あるいはMg・Sn合金粒子を含む原料を調製する原料調製工程、
(2)工程(1)で調製した原料にドーパントA、遷移金属BおよびZnを、反応容器中に充填する原料充填工程。
(3)前記反応容器全体を加熱して、化学反応させる合成工程。
(4)工程(3)で生成した融液を冷却して多結晶体を析出せしめる工程。
(5)工程(4)で析出した多結晶体を前記反応容器から取り出す工程。
反応器に、Mg粒子とSi粒子あるいはMg粒子とSn粒子の混合物、またはMg・Si合金粒子あるいはMg・Sn合金粒子の主たる原料2をMg:SiあるいはSnの元素比が(2+α):1となるように調製して所定量充填する。
前記式(1)で表される多結晶体を製造する場合は、Mg粒子とSi粒子の外にSn粒子をx=0〜1の範囲で配合して原料とすることができる。なお、Snが1のときは、MgSnの金属間化合物となる。さらに加えて、ドーパントA、遷移金属B並びに亜鉛の粉粒体を加える。
これらの元素は、単一金属の粉粒体で供給するほか、適宜の組み合わせの合金状態の粉粒体で供給することができる。
通常、合成ルツボや試料量にもよるが、大気中の水分を除去する為、あらかじめ100〜200℃で1時間程度乾燥した後、Mgの融点650℃近傍まで上昇させる。その時間は、15分以上が好ましく、30分以上がより好ましい。15分未満では前記空気の大部分を素早く系外に排出できない恐れがある。
加熱して大部分の前記空気を系外に排出することにより、原料のMg粒子などの微粉同士が衝突するなどして静電気を帯び爆発する危険性を無くすことができる上、前記空気を系外に排出することにより、後述するようにさらなる加熱によって気化したMgが発生しても爆発の危険性をなくしたり、あるいは爆発の危険性を減少したりできる。
反応容器によっても異なるが、通常、Mgの沸点1090℃以下まで加熱する時間は、5分以上が好ましく、10分以上がより好ましい。5分未満では無機繊維層6の通気性を失わせしめることができない恐れがある。
反応器加熱を続行して反応容器全体をMgの沸点1090℃以下に維持して、短時間でMgとSiあるいはSnを化学反応させて、多結晶体融液を生成せしめる。
反応容器の大きさ、反応温度などによっても異なるが、通常、化学反応させる際の時間は、5分以上が好ましく、15分以上がより好ましい。5分未満ではMSiあるいはSnとの化学反応が終了しない恐れがある。
反応容器の大きさ、冷却速度などによっても異なるが、通常、前記冷却における時間とは、10〜300分が好ましく、15〜30分がより好ましい。10分未満では冷却速度が大きく、反応器としてのるつぼが割れる恐れがある。
本発明で使用する原料のSiは、半導体用高純度シリコン原料、LSI用高純度シリコン、太陽電池高純度シリコン原料、高純度金属シリコン、廃シリコンなどを粉砕加工した平均粒径が約2〜3mmのチャンク状の粒子や平均粒径が約10μm程度の粉末を挙げることができる。
本発明で使用する原料のMgとしては、高純度に精製した純度99.9%以上の平均粒径が約2〜3mmのチャンク状の粒子を好ましく使用できる。これらは爆発性を有しない。
通常は原料のMg粒子と、Si粒子とSn粒子の合計は元素比が2:1となるように混合する。
本発明において用いるMg・Si合金粒子あるいはMg・Sn合金粒子とは、Mg・Si合金あるいはMg・Sn合金などの粒子、あるいはMg・Si焼結体あるいはMg・Sn焼結体などの粒子である。これらを原料とする場合も、通常は原料のMgとSiあるいはSnは元素比が2:1となるように混合する。
以下、各ドーパントは予めMg粒子とSiあるいはSn粒子に各ドーパントを混合し用いた 場合について説明する。
本発明において、Mg粒子を化学量値2:1よりαの割合だけ多くすることができる。
割合αの値は温度や時間などの反応条件などによって異なるが、通常、αは0.1〜1.0at%、好ましくは0.2〜0.5at%である。0.1at%未満ではMg不足となり多結晶体が得られない恐れがあり、逆に1.0at%を超えるとMgが残留して高純度多結晶体が得られない恐れがある。
反応器にはカバーを使用できる。カバーは耐熱性で、反応容器中に充填した原料の上面を覆って配設され、原料が溶融し原料の体積が減少した際にも追随して、生成した融液の上面を覆い、そして前記化学反応の反応条件に耐える耐熱性、機械特性を有し、蒸発したMg不透過性を有する物であればよく、特に限定されないが、具体的には、例えば、グラファイトプレート、グラファイトシート、アルミナプレート、アルミナシート、BNプレート、BNシート、SiCプレート、SiCシートなどを挙げることができる。
反応器には、上記カバーとともにまたは別個単独で、反応中通気性を有する無機繊維層を設けることができる。層を構成する無機繊維は、1500℃耐熱のシリカ系無機繊維が例示される。なおこのような反応器上部に設けた無機繊維層では、多結晶体を合成する間に気化したMgは当該繊維層内に捕捉されて繊維層の通気性は失われる。
本発明で使用する反応容器は、前記化学反応の反応条件に耐える耐熱性、機械特性を有する物であればよく、特に限定されないが、酸素不透過性を有し、大気中でのMgとSiあるいはSnとの化学反応温度に耐える耐熱性を有するとともに、製品である多結晶体に不純物を供給しない特性を有する例えば、アルミナ、BN、緻密処理したグラファイト、SiCなどの材料で作成された内面を有する反応容器が好ましく使用できる。BNで作成された内面を有する反応容器は製品の離型性に優れるので好ましい。
本発明で使用する反応容器加熱手段は、特に限定されるものではなく、公知の電気炉やガス燃焼炉などの加熱手段を使用し、公知の加熱方法を用いることができる。反応容器の加熱パターンも特に限定されるものではない。
しかし、適切な加熱パターン(加熱時間および加熱温度など)が実験や経験などにより決まった場合は、それを適宜の制御手段に入力して記憶させて、制御手段からの信号により作動された加熱手段により加熱することが好ましい。
加熱時の圧力は大気圧でよく、加熱温度は合成物によって異なるが、650℃(Mgの融点)までにドーパントAは溶融し一部MgやSiと置換するが、Znは溶融後殆どMgと置換せずMgSi1−xSnの粒界に存在する。
MgSnの場合には770.5℃(MgSnの融点)〜850℃、MgSiの場合には1085℃(MgSiの融点)〜1090℃(Mgの沸点)であり、例えば前記のように合計で約15分〜4時間程度熱処理することで合金化できる。
Mgの融点(650℃)以上に加熱してMgを溶融するとSiあるいはSnがその中に溶け込み反応が開始する。
しかし1090℃(Mgの沸点)を超えると急激にMgが蒸気になり飛散する恐れがあるので注意して合成する必要がある。
一方ドーパントBはMg Si(1−x)Snには全く固溶せず、Siと反応しシリサイド化し、MgSi(1−x)Sn粒界に析出する。
得られた融液の冷却は、特に限定されるものではなく、公知の冷却装置を使用し、公知の冷却方法を用いることができる。
あまり急激な冷却を行うと、反応容器が割れることがあるので注意を要する。
合成後、冷却して多結晶体を得る。冷却は自然冷却でも強制冷却でもこれらの組み合わせでもよい。
撹拌しつつMgとSiあるいはSnを化学反応させると、多結晶体を、より均一に短時間で製造できるので、好ましい。撹拌は、特に限定されるものではなく、公知の撹拌装置を使用し、公知の撹拌方法を用いることができる。
反応容器全体を加熱して、化学反応させる合成工程(加熱溶融工程)においては、混合工程にて得た組成原料を還元雰囲気下且つ好ましくは減圧下において、Mgの融点を超えSiの融点を下回る温度条件下で熱処理して溶融合成することが好ましい。ここで、「還元雰囲気下」とは、特に水素ガスを5体積%以上含み、必要に応じてその他の成分として、不活性化ガスを含む雰囲気を指す。斯かる還元雰囲気下で加熱溶融工程を行うことにより、確実に反応させることでき、多結晶体を合成することができる。
加熱溶融工程における圧力条件としては、大気圧でもよいが、1.33×10−3Pa〜大気圧が好ましく、安全性を考慮すれば、例えば0.08MPa程度の減圧条件或いは真空条件で行うことが好ましい。また、加熱溶融工程における加熱条件としては、700℃以上1410℃未満、好ましくは1085℃以上1410℃未満で、例えば3時間程度熱処理することができる。ここで、熱溶融処理の時間は、例えば2〜10時間である。熱処理を長時間のものとすることにより、得られる多結晶体をより均一化することができる。なお、MgSiの融点は1085℃であり、ケイ素の融点は1410℃である。
ここで、Mgの融点である650℃以上に加熱することによりMgが溶融した場合、Siがその中に溶け込んで反応を開始するが、融点付近ではSi粒径が粗いと未反応Siが残存する可能性がある。一方、Mgの沸点である1090℃以上に加熱した場合、反応速度は速いものとなるが、無機繊維のシールが甘いとMgが急激に昇華して飛散するおそれがあるので注意して合成する必要がある。
また、組成原料を熱溶融処理する際の昇温条件としては、例えば、150℃に達するまでは150〜250℃/hの昇温条件、1100℃に達するまでは350〜450℃/hの昇温条件を挙げることができ、熱処理後の降温条件としては、900〜1000℃/hの降温条件を挙げることができる。
多結晶体の焼結体を熱電変換材料として利用するには、下記工程(1)〜(7)を有する製造方法であって、各成分を溶融合成して多結晶体を経て、これを粉砕し、焼結成形して、適宜の素子形状とする方法が例示される。
すなわち、
(1)Mg粒子とSi粒子あるいはMg粒子とSn粒子の混合物、またはMg・Si合金粒子あるいはMg・Sn合金粒子を含む原料を調製する原料調製工程。
ドーパントAや遷移金属B、並びに亜鉛Znなども、この工程で添加するのが原則である。これらは配合量が少ないので、適宜の合金とするか、あるいはこれらを一旦まとめて混合してから配合するなどの適宜の工夫をするのが良い。
(2)工程(1)で調製した原料を、反応容器中に充填する充填工程。
(3)前記反応容器全体を加熱して、化学反応させる合成工程。
(4)工程(3)で生成した融液を冷却して多結晶体を析出せしめる工程。
(5)工程(4)で析出した多結晶体を前記反応容器から取り出す工程。
(6)取り出した多結晶体を粉砕する粉砕工程。
(7)粉砕した多結晶体を加圧圧縮焼結する焼成工程。
(1)から(5)までは多結晶体の製法である。
本発明の下式(1)で表されるMg Si(1−x)Sn・Aa・Bb・Znc 多結晶体(以下、総称して多結晶体と称する場合がある)は、Sb、P、Bi、Alから選択される少なくとも1種のドーパントAでドーピングされたMg Si(1−x)Sn中に、Sc、Ti、V、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される少なくとも1種の遷移金属Bの元素および/または遷移金属Bのシリサイドが分散していることを特徴とするものである。そして、さらにZnが配合されているのが必須である。
MgSi1−xSn・Aa・Bb・Znc 式(1)
[ただし、式(1)中のxは0〜1、aはMg Si(1−x)Snに対するドーパントAの含有量であって0.01〜5.0at%であり、bはMg Si(1−x)Snに対する遷移金属Bの含有量であって0.01〜5.0at%である。cはZnの含有量でMg Si(1−x)Snに対して0.01〜5.0at%である。]
Sb、P、Bi、Alから選択される少なくとも1種のドーパントAはMg Si(1−x)Snのドーパントとして適していることが知られているものであり、ドーパントAの含有量が0.01〜5.0at%、好ましくは0.02〜4.0at%、より好ましくは0.02〜3.5at%であると熱電特性を示す無次元数であるZTが改善される。
ドーパントAの含有量が0.01at%未満ではZTが改善されない恐れがあり、5.0at%を超えるとZTが劣化する恐れがある。
Alの3価のドーパントは、2価のMgサイトにドープしてn型熱電変換材料として用いられる多結晶体を製造できるほか、4価のSiサイトにドープすることでp型熱電変換材料として用いられる多結晶体を製造できる。しかし、これら3価のドーパントが2価のMgサイトと置換するか、4価のSiあるいはSnサイトに置換するかは、合成プロセスや得られる試料の結晶性に依存している。
Sb、P、Biから選択される少なくとも1種のドーパントを使用してドープしてn型熱電変換材料として用いられる多結晶体を製造できる。
本発明で用いるSc、Ti、V、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される少なくとも1種の遷移金属Bの元素は、酸化物の標準生成エンタルピーが低く、MgOよりも安定な酸化物を作るため離型性や安定性を付与できるとともに、シリサイドを作るため、若干の過剰添加となってもシリサイドとして分散するので、インクルージョンなどの大きな固まりとして母材結晶内に残留しない。そのためMgSiの電気的特性や結晶のもろさなどの特性に悪影響を及ぼさず、粒界に存在するため、酸素の拡散を防止しつつ、粒界を補強するという特徴がある。
すなわち、本発明で用いるSc、Ti、V、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される少なくとも1種の遷移金属Bの元素は、母材のMgSi1−xSn中に固溶しないが、粒界中に不純物として均質に分散する特徴を持つとともに、これら遷移金属Bの元素はシリサイド化合物を作り易い特性を有する。そのため、添加量が少ない場合は勿論のこと、添加量が多くなって固溶限界以上になった場合でもシリサイド微粒子として母材のMg Si(1−x)Sn中に均質に分散する特徴を備えている。
遷移金属Bの元素やそのシリサイドはおおよそ10μm程度のサイズで母材のMg Si(1−x)Sn粒界中に分散していると判断できる。
前記(1)式におけるBbのbは、遷移金属Bの元素の含有量であって0.01〜5.0at%であり、好ましくは0.02〜4.0at%、より好ましくは0.02〜3.5at%である。遷移金属Bの元素の含有量が0.01at%未満では離形性や粒界の安定性が改善されない恐れがあり、5.0at%を超えると熱電性能であるZTを著しく低下させる恐れがある。
これら遷移金属Bの元素はシリサイド化合物を作った場合でも、その多くは金属シリサイドであるため電気伝導率が高く、本発明の多結晶体を熱電変換材料に使用した場合にも、熱電変換特性の著しい劣化を生じない。
また遷移金属Bの元素がMo、Wの場合は、半導体シリサイドを作り、MoSi、WSiとなるが、MoSi、WSiについても禁制帯幅が非常に小さいため(いずれも0.07eV)金属シリサイドと同様に電気伝導率が高く、本発明の多結晶体を熱電変換材料に使用した場合にも、熱電変換特性を著しく劣化させることはない。
これら遷移金属Bの元素は酸化物標準生成エンタルピーがMgOと比べて低いため、Mgよりも先に安定な酸化物を作ることが期待できる。
このため、本発明の多結晶体あるいはその焼結体から構成される熱電変換材料を酸化雰囲気においても、母材のMgSi1−xSn表面付近に分散した遷移金属Bの元素が先に安定な酸化物を生成することでMgOの生成を妨げる効果がある。
これら遷移金属Bの元素および/または遷移金属Bのシリサイドを母材のMgSi1−xSn中に分散させ分散相を形成させることで熱伝導率が低減されるため、本発明の多結晶体あるいはその焼結体から構成される熱電変換材料は、熱電変換性能を著しく改善することができる。
例えば、遷移金属Bを添加していない多結晶体(MgSi・Sba)の熱伝導率は高いが、遷移金属Bを添加している多結晶体(MgSi・Sba・Moa)の場合は熱伝導率が低減される。
亜鉛は、Mg Si(1−x)Snに対して、cとして0.01〜5.0at%を含有させることが肝要であり、好ましくは0.02〜4.0at%、より好ましくは0.02〜3.5at%である。亜鉛の含有量が0.01at%未満では経時的な母材の酸化劣化を防止する効果が不十分である一方、5.0at%を超える量の添加では高温時の耐熱性やZTが悪化する恐れがあるとともに焼結体に加工した場合にもろくなる恐れがある。亜鉛はむしろ少量でこそ、その効果が期待される。
原料調整のためには、たとえば金属間化合物としてのMg Si(1−x)Snの調整のためには、Mg粒子、Si粒子またはSn粒子を適宜混合するほか、これら単独金属粒子の使用に加えて、Mg・Si合金粒子、Mg・Sn合金粒子あるいはSi・Sn合金粒子を混合配合して調整することができる。
ドーパントA、遷移金属B、亜鉛なども、得られる多結晶体の組成比が正確に調整できる限りは適宜の合金態様を使用することもできる。
なお、各成分の混合量、含有率等は正確には合金の物理的、化学的分析で確認するところ、簡便には原料粉末の組成で代用できることが多い。
多結晶体の製造方法は、既に述べた方法により製造するころができるので、次に焼結工程について説明する。
多結晶体を熱電変換材料として利用する場合、各成分からなる溶融合成工程で得られた多結晶体を粉砕し、これを加圧圧縮焼結法により減圧雰囲気で焼結圧力30〜100MPa、焼結温度600〜1000℃で20~60分間焼結する。かくすることにより粉砕された粒子同士がその表面の少なくとも一部において融着し、粒界が存在するが、空隙(ボイド)のない焼結体に焼結できるので、高い物理的強度を有し、かつ安定して高い熱電変換性能を発揮でき、風化せず耐久性に優れ安定性および信頼性が高い焼結体からなる熱電変換材料を得ることができる。
多結晶体の粉砕は、細かくて、よく揃った粒度を有し、狭い粒度分布を有する粒子とすることが好ましい。細かくて、よく揃った粒度を有し、狭い粒度分布を有する粒子を次の加圧圧縮焼結法により焼結すると、粒子同士がその表面の少なくとも1部が融着してよく焼結できるので、良好に焼結でき、理論密度の約90%からほぼ理論密度の焼結体を得ることができる。
粉砕した多結晶体の粒度は、具体的には、例えば、篩75μmパスで65μmオンとか、篩30μmパスで20μmオンとか、あるいは平均粒径0.1〜0.2μmなどの例を挙げることができ、使用目的などに合わせて適宜選定することが好ましい。
ほぼ理論密度の90%以上の焼結体を得ることができ、熱電変換材料を製造できるので好ましい。
焼結工程は、粉砕した上記粉砕物を焼結する工程である。焼結工程における焼結の条件としては、粉砕した上記粉砕物を例えばグラファイト製の焼結用冶具内で、加圧圧縮焼結法により真空又は減圧雰囲気下で焼結圧力30〜100MPa、焼結温度600〜1000℃で20から60分間焼結する方法を挙げることができる。
焼結圧力が30MPa未満である場合、理論密度の約90%以上の十分な密度を有する焼結体を得ることが難しくなり、得られた焼結体が強度的に実用に供することができないばかりか大気中で使用した場合に素子中に酸素が拡散しMg2 Si(1−x)Snxの酸化劣化を防止できないものとなるおそれがある。一方、焼結圧力が100MPaを超える場合、焼結装置が高圧仕様となりコストの面で好ましくなく、実用的でない。また、焼結温度が600℃未満では、粒子同士が接触する面の少なくとも一部が融着して焼成された理論密度の90%から理論密度に近い密度を有する焼結体を得ることが難しくなり、得られた試料が強度的に実用に供することができないものとなるおそれがある。また、焼結温度が1000℃を超える場合には、Mg2Siの粒界が無くなり、熱伝導を抑えることが出来ない為ZTが低下するばかりでなく、グラファイト製の焼結用冶具の隙間からMgが昇華し、焼結チャンバー内に飛散し、焼結体の組成が変化するおそれがある。焼結時間も20分以下では焼結体中の温度が急速上昇し、温度制御が効かなくなる状態となり危険であり、焼結サイズによっては60分以上の低速昇温時間では焼結体内部への焼結が進まず、焼結材料の中心が焼結されない包晶現象を引き起こす可能性が有る。
具体的な焼結条件としては、例えば、焼結温度を800〜900℃の範囲内のものとし、焼結温度が800℃に近い温度にあるときには、焼結圧力を60MPaに近い圧力とし、焼結温度が900℃に近い温度であるときには、焼結圧力を50MPaに近い圧力として、10〜60分間程度、好ましくは20分間程度焼結する焼結条件を挙げることができる。斯かる焼結条件の下で焼結を行うことで、高い物理的強度と、理論密度とほぼ同等の密度とを有し、安定して高い熱電変換性能を発揮できる焼結体を得ることができる。
また、焼結工程において、Mg Si(1−x)Snが分解しない様出来るだけ低真空とし、窒素やアルゴン等の不活性ガスを使用した雰囲気下で焼結することが好ましい。
なお、焼結工程ではミクロ的には必ずしも各成分は溶融混合するものではなく、それ故各成分の偏析も起こり得るところ、含有する亜鉛は、それがたとえ酸化物形態であっても偏在する粒界中に広く、均一に拡散、浸透し特異な構造を形成すると推測される。
焼結工程において、加圧圧縮焼結法を採用する場合、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方圧焼結法(HIP)、及び放電プラズマ焼結法を採用することができる。これらの中でも、放電プラズマ焼結法が好ましい。
放電プラズマ焼結法は、直流パルス通電法を用いた加圧圧縮焼結法の一種で、パルス大電流を種々の材料に通電することによって加熱・焼結する方法であり、原理的には金属・グラファイト等の導電性材料に電流を流し、ジュール加熱により材料を加工・処理する方法である。
このようにして得られた焼結体は、高い物理的強度を有し、且つ安定して高い熱電変換性能を発揮できる焼結体となり、風化せず、耐久性に優れて、安定性及び信頼性に優れた熱電変換材料として使用できる。
本願発明では、ドーパントA、遷移金属BのほかZnを少量配合し、溶融合成した後、多結晶体を得て、これを粉砕し、焼結により焼結体とすることを特徴とする。
ここで、原料粉末を混合し、溶融合成するに際しては、雰囲気を減圧としても、また不活性ガス雰囲気下としても粉末中に大気、例えば混入や吸蔵酸素があり、これが成分元素を酸化する。しかしながら、低融点があるが故に、Mgなどよりも、より酸化されやすい亜鉛を少量配合することにより、原料粉末に混入する酸素の影響を可能な限り抑制できる。さらに、このことは、多結晶体を粉砕し、これを焼結する際も、同様である。すなわち、雰囲気を減圧としても、また不活性ガス雰囲気下としても粉末に混入酸素が存在し、原料の成分元素を酸化する。しかしながら、低融点であるが故に酸化されやすい亜鉛を少量配合することにより、焼結時粉末に混入する酸素の影響を抑制できる。
このことは金属間化合物を構成するMgなどの酸化が少ないことを意味し、それだけ熱変換素子機能が向上することが期待できる。
さらに、亜鉛元素あるいは酸化亜鉛等は、多結晶体焼結時に、微細結晶の粒界に均一に分散、拡散し、その結果予想されないことに、得られる焼結体の金属組織、特に表面を局所的に緊密化するためか、その理由は明らかでないが、焼結体の酸化安定性が格段に向上するのである。
具体的には、焼結体を大気雰囲気下に加熱すると酸素あるいは水の吸収が起きて焼結体重量が増加するところ、亜鉛添加の焼結体の場合は、その重量増加が極端に少なくなるのである。
ここで、酸化安定性の測定は、例えば、市販のTG(熱重量分析)装置で、大気フロー300ml/min、室温から昇温速度10℃/minの条件で加熱して、700℃到達時の重量増加(質量%)を求める。
本願のZnを含む多結晶体からの焼結体は、高くとも15質量%の重量増であるのできわめて大気暴露下での耐酸化性が高い。
一方亜鉛未添加の焼結体では、通常、同温度で40質量%を超えるのであるから、亜鉛添加の効果は顕著である。
測定の700℃という温度は、600℃までの使用時温度を考えた場合熱電変換素子としての電極形成温度に相当したり、また、熱酸化測定の促進温度であったりする。そして、焼結体が大気下に酸素吸収の増加が少ないのという現象は、亜鉛が酸化することにより母材中への酸化防止作用が働き、最終的にはMgSi素子の酸化分解による組織の膨張、崩壊を予防できることであり、熱変換素子の封止などすることなく長寿命の素子モジュールを実用化することができる可能性があり、本願の焼結体をきわめて工業的価値の高いものとする。
ここで、さらに前記した遷移金属Bを添加する焼結体は、当該遷移金属のMgSi粒界にシリサイドとして析出することにより、母材中への酸素拡散を防ぐこと作用があることから、前記酸素による重量増加が亜鉛単独配合の場合よりもさらに抑制されるという、前記遷移金属BとZnとの併用の相乗効果がみられる。
このようなZnとの相乗効果がみられる遷移金属Bとしては、先に例示したもののうち、特にMo、Wが好適である。
したがって、本発明の多結晶体の焼結体から構成される熱電変換材料は、約200〜600℃において性能指数が高く、かつ優れた耐酸化性能を有するので長寿命が期待できる。
本発明に係る熱電変換素子は、熱電変換部と、熱電変換部に設けられた第1電極および第2電極とを備え、この熱電変換部が本発明の多結晶体の焼結体を用いて製造されるものである。
熱電変換部としては、上記の焼結時に適宜の型内で成型した焼結体それ自身を使用するかあるいは、上記の焼結工程にて得られた焼結体を、ワイヤーソーなどを用いて所望の大きさに切り出したものを用いることができる。
この熱電変換部は、通常、1種類の熱電変換材料を用いて製造されるが、複数種類の熱電変換材料を用いて複層構造を有する熱電変換部としてもよい。複数種類の熱電変換材料としては、ドーパントが異なる本発明の多結晶体の組み合わせであってもよく、本発明の多結晶体と従来公知の他の熱電変換材料との組み合わせであってもよい。
また、第1電極および第2電極の形成方法として、焼結体に熱履歴がかかることとなる形成装着方法がある。つまり熱電変換モジュール成型時に熱処理されることがある。
焼結体に熱処理がかかると、多くの焼結体はその機械的強度が低下することがある。当然、熱変換素子の実用性に影響を及ぼし、その改良が望まれるところ、前記遷移金属Bの添加により、熱処理後による機械強度低下が少なくなるという効果が得られる。
電極形成等としてのモジュール成型時の熱処理は、不活性ガス下、700℃で15分の加熱として代表できる。この熱処理で焼結体の機械的強度が低下する理由は不明ではあるが、低下する機械的強度は、前記遷移金属Bのなかでも、特にMoやWの添加により熱処理後の焼結体の機械的強度低下が抑制できる。選択によっては向上すらあり得る。
機械的強度の低下が抑制できるという具体的な内容は、不活性ガス、例えばアルゴン雰囲気下、700℃で15分間経過後の機械的強度として、元の強度(加熱前)の70%以上を保持できるというものである。
機械的強度は、焼結体試料の3点曲げ応力法により試料破断時の荷重として求めることができる。
本発明の熱電変換モジュールは、上記のような本発明の熱電変換素子を備えるものである。熱電変換モジュールの一例としては、特に限定されず、従来公知のものが使用できる。
本発明の熱電変換モジュールは、高い熱電変換性能を得ることができる。
熱変換モジュールは、従来は耐酸化安定性に懸念があったので、適宜の酸素侵入防止のための封止処理を施されて使用されるのが常であった。熱変換モジュールはその機能上所定の加熱下に使用されるところ、封止処理を厳重にする必要があるが、本願の熱変換モジュールは、常温暴露使用が可能であり、常温から排熱利用に可能な700℃という比較的高温までの温度において実際上使用可能という工業的な価値は大きい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(Mg2 Si・Sba・Mob・Znc(a=0.5at%、b=1.00at%、c=1.0at%)多結晶体の製造)
内径12mmφ長さ11cmのアルミナ製るつぼ(アルミナタンマン管)に、純度4NのMg粒子[大阪アサヒメタル、チャンク材(平均粒径2〜3mm)]、純度5NのSi粒子[高純度化学、チャンク材(平均粒径2〜3mm)、純度5NのドーパントSb[大阪アサヒメタル、チャンク材(平均粒径0.5〜1mm)]、遷移金属Mo[ニコラ、純度99.9%、粒径100μm以下]および亜鉛[(株)高純度科学研究所、純度99.9%、粒度150μm以下]の原料混合物をるつぼ内に仕込んだ。
このるつぼを、1100℃(表示温度)に加熱しておいた電気炉(シリコニット炉)に入れて15分加熱して、融解した後、電気炉からるつぼを取り出し、大気中で自然急冷(約30分)して、成長結晶を取り出した。
成長に要した時間は、るつぼの準備に約5分、加熱に15分、冷却に約30分の合計約50分であった。
冷却後取り出した結晶は多結晶体をなし、Mg2 Si・Sba・Mob・Znc(a=0.5at%、b=1.0at%、c=1.0at%の多結晶体が合成されていた。
粉末X線回折測定を行なった結果、微量のMoSi2のピークが確認されたが、未反応のSiやMg、およびMgOを含まない良好な多結晶体が合成されていることが判った。
(焼結工程)
次に、こうして得られた多結晶体を粉砕し、30μメッシュを通して、平均粒径0.1μmの細かくかつ狭い粒度分布を有する粉末が得られた。
粉砕して得られた多結晶マグネシウムシリサイドの前記粉末1.400gを、放電プラズマ焼結装置(エレニクス社製のED−PASIIIs)を用い、10Paの Arガス置換雰囲気下で焼結圧力50MPaおよび17MPa、焼結温度840℃、保持時間10分間かけて放電プラズマ焼結して、直径15mm、高さ10mmの焼結体を得た。
得られた焼結体の密度は、焼結圧力50MPaの場合は理論密度の99%、焼結圧力17MPaの場合は理論密度の88%であった。
(熱電変換素子)
得られた焼結体を用い、熱起電力・電気伝導率測定装置(アルバック理工社ZEM2)およびレーザフラッシュ法熱伝導率測定装置(アルバック理工社TC・7000H)を用いて、動作温度50〜600℃の範囲で、α, κ,ρ(それぞれゼーベック係数(熱起電力)、熱伝導率、比抵抗)を測定した。 測定して得られたα、κ、ρを用いて、常法により性能指数Zを計算し、得られたZに温度Tを乗じて無次元性能指数 ZTを算出し、このZTの値から得られた焼結体は作動温度が300〜600℃において、実用的な熱電変換材料であることを確認した。
(酸化安定性の試験法)
焼結体の酸化安定性の測定は、市販のTG装置で、大気フロー300ml/min、室温から昇温速度10℃/minの条件で試料を加熱して、700℃到達時の重量増加(質量%)を求める。
試料サイズは、焼結体の一部として約200mg。
データは、加熱前の重量に対する増加の割合(質量%)で示す。
増加の質量%=(700℃到達時重量/開始時重量−1)x100
(熱処理後の機械的強度の維持)
アルゴン雰囲気下に700℃で15分間加熱後放冷した焼結体試料により、3点曲げ応力法により破断時応力として求める。試料寸法は、焼結体から切り出した3x3x25mm体とする。
加熱処理前の値と比較する。
保持率%=処理後/処理前x100
(実施例2―4、参考例1−2)
組成割合を変更して、上記の例に倣い焼結体を製造し、その酸化安定性と熱処理後の機械的強度の維持の試験をした。
結果は、実施例1も含めて、以下の表1に示す。
Figure 0006853995
注1:いずれもMgSiに対しての含有量を示す(単位at%)。
注2:例えば、実施例1でSb0.5+Zn1.0+Mo1.0は、Sb、ZnおよびMoを、それぞれ0.5at%、1.0at%および1.0at%同時に含有することを意味する。他の例で同じ。
注3:上記例は、いずれもMgSiに対してドーパントAとしてSbを配合した例であり、
参考例1は、MgSiに対してドーパントAのみを配合し、
参考例2は、MgSiに対してドーパントAと亜鉛のみを配合している。
(まとめ)
1)Znについて
金属間化合物、たとえば、Mg Si(1−x)Sn(x=0〜1)などは、溶融合成時に冷却されて多結晶体を生成するが、多結晶の結晶間は粒界が構成される。そして、該粒界には、該金属間化合物および/またはシリサイド化した該金属間化合物の各元素等のほか、ドーパント等が介在、拡散する。さらに、多結晶体を一旦粉砕した後焼結させることで、この粒界は消滅はしないものの焼結変性して焼結体へ移行する。
含有されるZnは、前記したように粉末の溶融合成時、あるいは粉砕品の焼結時に粉末中の酸素と優先的に反応し、酸化亜鉛となっているものもあり、多結晶体の前記粒界にその多くが存在し、更には焼結後にも継続して存在する。
ここで、低融点であるが故に基本的には配合する他の元素等よりも酸化されやすい亜鉛が共存すると、高温下での酸素との反応が顕著に抑制されることが判明した。大気下の反応であるから直接、酸素分子が関与するほか水蒸気中の水との反応が関与する。
低融点であるが故に他の元素よりも酸化されやすいうえに、もともとわずかな量しか共存しないZnであるが、上記表1のデータが示すように、顕著に大気下の反応、例えば酸化を抑制する効果を奏する。現在の表面分析技術では詳細を明にできないが、単にZnを共存させたことのみではなく、酸化物としての亜鉛や、ドーパントAやマグネシウムシリサイドに固溶せず粒界に析出する遷移金属Bおよび/またはシリサイド化した遷移金属Bの酸化拡散防止効果、あるいはこれらが混合しての共存効果や、添加後の多結晶体化と焼結操作等の複雑な複合作用により、多結晶体の焼結体表面が特異な表面構造となっていることを強く示唆するものである。
マグネシウムシリサイドに、亜鉛を配合する従来例は非常に少ないし、たとえかかる従来例が存在しているとしても、大気下での酸化抑制機能の存在は全く認識していない。むしろ、上記表1の亜鉛無添加例が示すように従来は明らかに大気下での耐酸化性能は劣るのであるから、亜鉛配合の素子が従来例として存在するとしても、それによっては大気暴露の使用に想到しえない。
しかしながら、亜鉛の添加により、大気に暴露しながら使用することの可能性が出てきたことを表1のデータは、これを示すものである。
2)熱処理後の強度低下の改良
モジュール加工時の加熱処理(不活性雰囲気下)により、素子機械強度が低下するのは素子の実用性に影響を与える。
しかるに、上記表1の結果から、加熱処理後でも格段に強度低下が少ないことが確認され、実用性が向上している。
3)なお、上記表の各例では、実施例1と同様にして、常法により性能指数Zを計算し、得られたZに温度Tを乗じて無次元性能指数 ZTを算出し、このZTの値から得られた焼結体は作動温度が300〜600℃において、実用的な熱電変換材料であることを確認した。
本発明の環境低負荷物質であるMg Si(1−x)Sn・Aa・Bb・Znc(x=0〜1)多結晶体は、Sb、P、Bi、Alから選択される少なくとも1種のドーパントAでドーピングされたMg Si(1−x)Sn中に、Sc、Ti、V、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される少なくとも1種の遷移金属Bの元素および/または遷移金属Bのシリサイドが分散し、さらにZnを分散させていることを特徴とする前記式(1)で表されるMgSi1−xSn・Aa・Bb・Znc多結晶体であり、
これを焼結してなる焼結体の熱電変換材料を構成成分とする熱電変換素子および本発明の熱電変換素子を備えた熱電変換モジュールは、約200〜600℃において性能指数が高く、優れた耐酸化性能を有するので長寿命が期待でき、しかも機械的強度が高く信頼性が高い、という顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。

Claims (8)

  1. Sb、P、Bi、Alから選択される少なくとも1種のドーパントAでドーピングされたMgSi(1−x)Sn中に、Sc、Ti、V、Y、Zr、Mo、Hf、Wから選択される少なくとも1種の遷移金属Bの元素および/または遷移金属Bのシリサイドが分散し、更にZnを含有し、理論密度の90%以上の焼結密度を有することを特徴とする下記式で表されるMgSi(1−x)Sn・A・B・Znc焼結体。
    MgSi(1−x)Sn・A・B・Znc
    [ただし、式中のxは0〜1、aはMgSi(1−x)Snに対するドーパントAの含有量であって0.01〜5.0at%であり、bはMgSi(1−x)Snに対する遷移金属Bの含有量であって0.01〜5.0at%であり、cはMgSi(1−x)Snに対するZnの含有量であって0.01〜5.0at%である。
  2. 遷移金属Bは、Mo及びWから選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1記載のMgSi(1−x)Sn・A・B・Znc焼結体。
  3. 請求項1又は2記載のMgSi(1−x)Sn・A・B・Zn焼結体の製造方法であって、原料調製工程および/または合成工程および/または焼成工程においてドーパントAおよび遷移金属Bを添加し、さらにZnを添加し、
    真空又は減圧雰囲気下で焼結圧力30〜100Mpa、焼結温度600〜1000℃で20〜60分間焼結することを特徴とするMgSi(1−x)Sn・A・B・Zn焼結体の製造方法。
  4. 原料調製工程で得られた原料を反応容器に充填し、常圧下あるいは減圧下で生成物の融点以上に加熱して合成し、合成後冷却して生成物を得る直接溶融法、前記原料を充填した不活性ガス雰囲気の加圧反応容器中で高周波加熱・溶融して合成し、合成後冷却して生成物を得る不活性ガス雰囲気加圧溶融法、および前記原料を反応容器に充填し、ボールミルで粉砕することにより合成を行ない、合成後冷却して生成物を得るメカニカルアロイング法のいずれかで行ない、その後、焼結を行なうことを特徴とする請求項3記載の焼結体の製造方法。
  5. Sb、P、Bi、Alから選択される少なくとも1種のドーパントAでドーピングされたMgSi(1−x)Sn中に、Sc、Ti、V、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される少なくとも1種の遷移金属Bの元素および/または遷移金属Bのシリサイドが分散し、更にZnを含有する下記式で表されるMgSi(1−x)Sn・A・B・Znc焼結体の製造方法であって、
    原料調製工程および/または合成工程および/または焼成工程においてドーパントAおよび遷移金属Bを添加し、さらにZnを添加し、
    原料調製工程で得られた原料を反応容器に充填し、常圧下あるいは減圧下でMgSiの融点以下で加熱して固液合成し、合成後冷却して生成物を得る固液溶融法で行ない、その後、真空又は減圧雰囲気下で焼結圧力30〜100Mpa、焼結温度600〜1000℃で20〜60分間焼結を行なうことを特徴とする焼結体の製造方法。
    MgSi(1−x)Sn・A・B・Znc
    [ただし、式中のxは0〜1、aはMgSi(1−x)Snに対するドーパントAの含有量であって0.01〜5.0at%であり、bはMgSi(1−x)Snに対する遷移金属Bの含有量であって0.01〜5.0at%であり、cはMgSi(1−x)Snに対するZnの含有量であって0.01〜5.0at%である。
  6. 下記工程(1)〜(7)を有する直接溶融法により製造することを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結体の製造方法。
    (1)Mg、Si、Sn、ドーパントA、遷移金属B及びZnを含む粉粒体原料を調製する原料調製工程、
    (2)工程(1)で調製した原料を、反応容器中に充填する原料充填工程、
    (3)前記反応容器全体を加熱して、溶融化学反応させる合成工程、
    (4)工程(3)で生成した融液を冷却してMgSi(1−x)Sn・A・B・Znc多結晶体を析出せしめる工程、
    (5)工程(4)で析出したMgSi(1−x)Sn・A・B・Znc多結晶体を前記反応容器から取り出す工程、
    (6)取り出した多結晶体を粉砕する粉砕工程、
    (7)粉砕した多結晶体を、真空又は減圧雰囲気下で焼結圧力30〜100Mpa、焼結温度600〜1000℃で20〜60分間加圧圧縮焼結する焼成工程。
  7. 請求項1又は2記載の焼結体から構成されることを特徴とする熱電変換材料。
  8. Sb、P、Bi、Alから選択される少なくとも1種のドーパントAでドーピングされたMgSi(1−x)Sn中に、Sc、Ti、V、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される少なくとも1種の遷移金属Bの元素および/または遷移金属Bのシリサイドが分散し、更にZnを含有し、理論密度の90%以上の焼結密度を有することを特徴とする下記式で表されるMgSi(1−x)Sn・A・B・Znc焼結体から構成される熱電変換材料の大気暴露使用。
    MgSi(1−x)Sn・A・B・Znc
    [ただし、式中のxは0〜1、aはMgSi(1−x)Snに対するドーパントAの含有量であって0.01〜5.0at%であり、bはMgSi(1−x)Snに対する遷移金属Bの含有量であって0.01〜5.0at%であり、cはMgSi(1−x)Snに対するZnの含有量であって0.01〜5.0at%である。
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