JP6853667B2 - 核酸をバーコーディングするためのシステムおよび方法 - Google Patents

核酸をバーコーディングするためのシステムおよび方法 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、米国仮出願61/982,001号(2014年4月21日出願)、米国仮出願62/065,348(2014年10月17日出願)、米国仮出願62/066,188号(2014年10月20日出願)および米国仮出願62/072,944号(2014年10月30日出願)に基づく優先権を主張する。これらの各々を引用により本明細書に包含させる。
政府資金
本発明は、国立衛生研究所に出された助成金番号R21DK098818の下の政府支援によりなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
分野
本発明は、一般に微小フルイディクスおよび標識核酸に関する。
背景
後生動物の生理の多くは、構成細胞の遺伝子発現の時間的および空間的多様性に反影される。この多様性のいくぶんかは安定であり、我々が成体細胞型ならびに多数の発達過程における中間細胞型を定義するのに役立っている。他の多様性は、細胞周期、細胞微小環境の変化、発達、加齢および感染のような動的生理学的事象に起因する。さらに他の発現変化は天然で確率論的であると考えられ、重要な結果を有し得る。発達過程における遺伝子発現および生理を理解するために、全細胞においてRNAレベルだけでなく、タンパク質レベルでも遺伝子発現をマッピングし、さらに翻訳後修飾をモニターすることが生物学者の夢である。
RNA配列分析(RNA−Seq)のために今日利用可能な方法は、卓越した感度で細胞集団のRNA分子の存在量を定量する能力を有する。ある相当な努力で、これらの方法は単一細胞における含有RNAの分析に利用されている。律速であるのは、詳細なRNA配列決定のための大量の個々の細胞を単離し、処理する効果的な方法であり、定量的にそれを行う方法である。これは、特に臨床サンプルの場合、望ましくは、最小の細胞損失で、均一条件下で細胞を単離することを必要とする。細胞数、対象領域の詳細およびRNA存在量測定精度に対する要求は、材料を得る難しさ、材料の特有性、細胞集団の複雑さおよび遺伝子発現空間において細胞が多様化している程度のような因子を含む、実験的考察による。大容量単一細胞トランスクリプトームデータが欠けている現状では、必要な対象領域の詳細だけでなく、細胞周期および確率的影響のような不均一性の他の独立したドライバーと組み合わせて、潜在腫瘍細胞または組織幹細胞亜集団のような目的の集団における稀な細胞型の存在を知ることも困難であることは、多数の細胞を分析する必要性を示唆する。
RNA−seqによるRNA存在量分析は十分確立されているが、単一細胞RNA−Seqの精度は、その酵素工程の効率に、バルクアッセイよりはるかに高感度であり、さらに単一細胞からのPCRまたは線形増幅の必要性は、相当な誤差が生じる危険がある。細胞を数千または数万でさえ並行処理することおよびほぼ全ての細胞が測定されるように効率的に細胞の小サンプルを処理することに大きな障壁がある。ここ10年で、微小フルイディクスが、これらの困難に立ち向かう可能性を有する単一細胞試験のための有望なテクノロジーとして出現している。しかし、微小流体チップで現在処理できる単一細胞の数は、一度に70〜90細胞に留まり、運転費用および細胞を分析のために生存状態に維持し得る時間的制限が、大量細胞の分析に制約を加えている。さらに、微小流体チャンバーへの細胞の捕獲効率はしばしば低く、利用可能な細胞数が限定されている稀なサンプルまたは臨床サンプルで問題となる可能性がある。
要約
本発明は、一般に微小フルイディクスおよび標識核酸に関する。本発明の主題は、ある場合、相互に関連する製品、特定の問題の代替解決案および/または1以上のシステムおよび/または物品の多数の異なる使用を含む。
ある面において、本発明は、一般に物品に関する。ある態様において、物品は、複数の少なくとも微小流体10液滴を含み、液滴の各々は核酸フラグメントを含む細胞溶解物を含む。ある場合、複数の液滴内の核酸フラグメントは各々オリゴヌクレオチドタグに結合する。ある態様において、液滴内のあるオリゴヌクレオチドタグは、複数の液滴の他の液滴内のオリゴヌクレオチドタグと区別可能である。
物品は、他の態様において、複数の少なくとも10の微小流体液滴を含み、液滴の各々は細胞溶解物を含む。ある態様において、液滴の少なくとも約90%は1粒子のみを含む。ある場合、粒子は、それに共有結合したオリゴヌクレオチドを含む。
他の態様によって、物品は複数の粒子を含み、粒子の少なくとも約90%がそれに共有結合したオリゴヌクレオチドを含み、オリゴヌクレオチドは少なくとも2プライマーサイトおよび少なくとも2バーコード領域を含む。ある態様において、粒子の少なくとも約90%は、オリゴヌクレオチドのバーコード領域に基づき、複数の粒子の他の粒子から区別可能である。
ある態様において、物品は、複数の少なくとも10,000の微小流体液滴を含む。ある態様において、細胞溶解物を含む液滴の少なくともいくつかは核酸フラグメントを含む。ある場合、液滴内の複数の核酸フラグメントはオリゴヌクレオチドタグに結合する。液滴内のオリゴヌクレオチドタグは、ある態様において、複数の10,000微小流体液滴の他の液滴内のオリゴヌクレオチドタグと区別可能である
物品は、他の態様において、複数の少なくとも10,000の微小流体液滴を含む。ある態様において、液滴の少なくともいくつかは細胞溶解物を含む。複数の10,000微小流体液滴の少なくとも約90%は、ある場合、1粒子のみを含み得る。ある態様において、粒子はそれに共有結合したオリゴヌクレオチドを含み得る。液滴内のあるオリゴヌクレオチドは、種々の例で、複数の10,000微小流体液滴の他の液滴内のオリゴヌクレオチドと区別可能である。
他の面において、本発明は、一般に方法に関する。ある態様において、方法は、微小流体液滴内に細胞および粒子を封入し、粒子はそれに共有結合したオリゴヌクレオチドタグを含み、細胞から核酸を遊離させるために液滴内で細胞を溶解し、そして遊離核酸と液滴内のオリゴヌクレオチドタグを結合させる行為を含む。
方法は、他の態様において、細胞を含む複数の微小流体液滴を提供し(液滴の少なくとも約90%は1細胞を含むかまたは細胞を含まない)、細胞から核酸を遊離させるために複数の微小流体液滴内で細胞を溶解し、そして核酸とオリゴヌクレオチドタグを結合する行為を含み、ここで、液滴の少なくとも約90%についてである。ある場合、液滴内のあるオリゴヌクレオチドタグは、複数の液滴の他の液滴内のオリゴヌクレオチドタグと区別可能であり得る。
さらに他の態様によって、方法は、複数の粒子を提供し、第一オリゴヌクレオチドを、粒子の少なくとも約90%がそれに共有結合した第一オリゴヌクレオチド1個のみを有するように複数の粒子に結合させ、ここで、第一オリゴヌクレオチドは、少なくとも10の一意的な第一オリゴヌクレオチドのプールから取られ、そして、第二オリゴヌクレオチドを、第一オリゴヌクレオチドの少なくとも約90%がそれに共有結合した第二オリゴヌクレオチド1個のみを有するように第一オリゴヌクレオチドに結合させ、ここで、第二オリゴヌクレオチドは、少なくとも10の一意的な第二オリゴヌクレオチドのプールから取られる、行為を含む。
ある態様によって、方法は、細胞およびヒドロゲル微小球体または粒子を液滴内に封入し、ここで、ヒドロゲル微小球体または粒子は、それに結合したバーコード化核酸を有し、細胞からRNAおよび/またはDNAを遊離するために液滴内で細胞を溶解し、そしてRNAおよび/またはDNAとバーコード化核酸を酵素反応させる行為を含む。
方法は、他の態様において、液滴の10%以下が2以上の細胞を含むように細胞含有液滴を提供し、細胞からRNAおよび/またはDNAを遊離するために複数の液滴内で細胞を溶解し、そして液滴特異的バーコードでRNAおよび/またはDNAを一意的に標識する行為を含む。
さらに他の態様によって、方法は、液滴の10%以下が2以上の細胞を含むように細胞含有液滴を提供し、細胞からRNAおよび/またはDNAを遊離するために複数の液滴内で細胞を溶解し、そして少なくとも10,000のバーコードのプールから選択されたバーコードでRNAおよび/またはDNAを一意的に標識する行為を含む。
さらに別の態様において、方法は、核酸を運搬する複数の微小球体または粒子を提供し、微小球体または粒子にオリゴヌクレオチドを共有結合させ、所定の第一バーコードのプールからランダムに選択された第一バーコードでオリゴヌクレオチドを酵素的に伸長させ、そして所定の第二バーコードのプールからランダムに選択された第二バーコードでオリゴヌクレオチドを酵素的に伸長させる行為を含む。
ある態様において、方法は、複数の少なくとも10,000の微小流体液滴内に複数の細胞および複数の粒子を封入し、複数の粒子の少なくとも10,000の液滴が、複数の液滴の他の液滴に含まれるオリゴヌクレオチドタグと区別可能な1以上のオリゴヌクレオチドタグを含むように、少なくともいくつかがそれに共有結合したオリゴヌクレオチドタグを含み、細胞から核酸を遊離させるために液滴内で細胞の少なくともいくつかを溶解させ、そして遊離核酸と少なくともいくつかの液滴内のオリゴヌクレオチドタグを結合させることを含む。

他の態様において、方法は、細胞を含む複数の少なくとも10,000の微小流体液滴を提供し、複数の液滴の少なくとも約90%は1細胞を含むかまたは細胞を含まず、細胞から核酸を遊離させるために複数の微小流体液滴内で細胞を溶解し、そして遊離核酸とオリゴヌクレオチドタグを結合させ、ここで、液滴の少なくとも約90%について、液滴内のオリゴヌクレオチドタグは、複数の液滴の他の液滴内のオリゴヌクレオチドタグと区別可能である。
方法は、他の態様によって、細胞およびヒドロゲル微小球体または粒子を液滴内に封入し、ここで、ヒドロゲル微小球体または粒子はそれに結合したバーコード化核酸を有してよく、細胞から核酸を遊離させるために液滴内で細胞を溶解し、そして遊離核酸とバーコード化核酸を酵素的に反応させることを含む。
方法は、さらに他の態様によって、液滴の10%以下が2以上の細胞を含むように、細胞を含む複数の少なくとも約10,000微小流体液滴を提供し、細胞から核酸を遊離させるために複数の液滴内で細胞を溶解し、そして液滴特異的バーコードで遊離核酸を一意的に標識することに関する。
さらに別の態様において、方法は、液滴の10%以下が2以上の細胞を含むように細胞含有液滴を提供し、細胞から核酸を遊離させるために複数の液滴内で細胞を溶解し、そして少なくとも10,000の区別可能なバーコードのプールから選択されたバーコードで遊離核酸を一意的に標識することを含む。
方法は、他の態様において、液滴の10%以下が2以上の細胞を含むように、細胞を含む複数の少なくとも約10,000微小流体液滴を提供し、細胞から核酸を遊離させるために複数の液滴内で細胞を溶解し、そして液滴特異的バーコードで遊離核酸を一意的に標識することを含む。
さらに別の態様において、方法は、液滴の10%以下が2以上の細胞を含むように細胞含有液滴を提供し、細胞から核酸を遊離させるために複数の液滴内で細胞を溶解し、そして少なくとも10,000の区別可能なバーコードのプールから選択されたバーコードで遊離核酸を一意的に標識することを含む。
他の面において、本発明は、ここに記載する1以上の態様を製造する方法を含む。さらに他の面において、本発明は、ここに記載する1以上の態様を使用する方法を含む。
本発明の他の利点および新規特性は、添付する図面と合わせて考慮したとき、次の本発明の種々の非限定的態様の詳細な記載から明らかとなる。本明細書および引用により本明細書に引用により包含させる文献が矛盾するおよび/または不整合な開示を含むとき、本明細書が支配する。引用により本明細書に包含させる2以上の文献が互いに矛盾するおよび/または不整合な開示を含むとき、発効日が遅い文献が支配する。
図面の簡単な記載
本発明の非限定的態様を、図式的であり、正寸であることを意図しない添付する図面を参照して、例示により説明する。図面において、記載される各々同一のまたはほぼ同一の成分は、一般に一つの数字で表す。明確さを目的として、全図において全ての成分にラベルを付さず、当業者に本発明を理解させるのに説明が必要でないとき、本発明の各態様の全成分を示していない。
図1は、本発明のある態様に従うフローチャートを記載する。 図2A〜2Bは、本発明の他の態様における微小流体デバイスを記載する。 図3は、本発明のさらに他の態様における液滴内の細胞および粒子を記載する。 図4は、本発明のさらに別の態様における液滴内に細胞および粒子を含む微小流体チャネルを記載する。 図5は、本発明のある態様における収集時間の関数としてのサンプル総計を記載する。 図6は、本発明の他の態様における読込み配列の分布を記載する。 図7は、本発明のさらに他の態様におけるオリゴヌクレオチドタグの産生を記載する。 図8は、本発明の他の態様における微小流体デバイスを記載する。 図9A〜9Bは、本発明のさらに他の態様におけるオリゴヌクレオチドタグを含む粒子を記載する。 図10A〜10Cは、本発明のさらに別の態様における液滴に含まれる伸長オリゴヌクレオチドタグを記載する。 図11は、本発明の他の態様におけるDNAフラグメントの配列決定を記載する。 図12は、本発明の他の態様による、液滴サイズの関数としての逆転写効率を記載する。 図13A〜13Hは、本発明のある態様における数千の細胞をDNAバーコーディングするための微小流体液滴を記載する。 図14A〜14Gは、本発明の他の態様による、液滴完全性およびランダムバーコーディングを記載する。 図15A〜15Gは、本発明のさらに他の態様におけるあるES細胞集団の不均一構造を記載する。 図16A〜16Cは、本発明のさらに別の態様に従い作成した遺伝子相関ネットワークを記載する。 図17A〜17Hは、本発明のさらに他の態様におけるES細胞区別における一時的不均一性および集団構造を記載する。 図18は、本発明の他の態様における微小流体デバイスを記載する。 図19A〜19Bは、本発明のさらに他の態様におけるある微小流体デバイスを記載する。 図20A〜20Cは、本発明のさらに別の態様における粒子のためのオリゴヌクレオチドタグの合成を記載する。 図21A〜21Hは、本発明のある態様におけるDNAの定量化を記載する。 図22A〜22Eは、本発明の他の態様におけるランダムバーコーディングおよび一意的な分子識別子(UMI)フィルタリングを記載する。 図23A〜23Dは、本発明のある態様におけるmES細胞の単一細胞遺伝子発現を記載する。 図24A〜24Gは、本発明の他の態様におけるmES細胞集団の構造を記載する。 図25は、本発明のさらに別の態様における、主要遺伝子のtSNE地図を記載する。 図26は、表2を示す。 図27は、本発明の他の態様における微小流体デバイスを記載する。
詳細な記載
本発明は、一般に微小フルイディクスおよび標識核酸に関する。例えば、ある面は、一般に微小流体液滴内の核酸を標識するシステムおよび方法に関する。ある態様において、核酸は、例えば、核酸が纏めてプールされた後でも、液滴内の核酸を他の液滴内のものと区別するのに使用できる“バーコード”または一意的な配列を含み得る。ある場合、一意的な配列は、粒子を使用して、個々の液滴に取り込まれ、液滴内に含まれる核酸(例えば、溶解細胞から遊離された)に結合し得る。ある場合、バーコードは、例えば、異なる細胞または他の源から生じる、数十、数百または数千もの核酸の区別に使用できる。
本発明のある面は、一般にオリゴヌクレオチドタグを有する核酸を微小流体液滴または他の適当な区画に包含または封入し、それらを互いに共有結合させるシステムおよび方法に関する。ある場合、核酸は溶解細胞または液滴内の他の物質から生じ得る。液滴内のあるオリゴヌクレオチドタグは、他の液滴、例えば、複数の液滴または液滴集団内のオリゴヌクレオチドタグから区別可能である。例えば、オリゴヌクレオチドタグは、種々の液滴間で異なる1以上の一意的な配列または“バーコード”を含んでよく、従って、各液滴内の核酸は、核酸と結合したバーコードの決定により一意的に特定され得る。例えば、配列決定または他の分析のために、例えば、液滴が“破壊”され、その後異なる液滴からの核酸が実質的に一緒に組み合わされまたは混合されるならば、これは重要であり得る。
ある態様において、オリゴヌクレオチドタグは、最初にオリゴヌクレオチドタグを粒子(例えば、ヒドロゲルまたは高分子粒子)に結合させ、次いで粒子が液滴に取り込まれた後、粒子からそれらを実質的に遊離させることにより、液滴に取り込まれる。粒子は、ある場合、他の区別可能なオリゴヌクレオチドタグを有する他の粒子に対して、粒子の大部分または全てが唯一の一意的に区別可能なオリゴヌクレオチドタグを有するように、製造され得る。粒子が液滴内に1粒子/液滴(またはそれ未満)の密度で存在するならば、オリゴヌクレオチドタグが粒子から遊離されたら、液滴の大部分または全てが一つの一意的なオリゴヌクレオチドタグを含み(または一意的なオリゴヌクレオチドを含まない)、従って、各液滴(およびその中に含まれる核酸)が一意的に特定されることを可能とする。
次に、図1に関して、本発明のある面の一例をここで提供する。しかしながら、これは単なる例示であることは理解されるべきであり、他の例および本発明の態様は、下にさらに詳細に議論される。図1の非限定的例において、細胞集団10を、例えば、そのDNAの配列決定、少なくとも細胞のいくつかに存在することが疑われ得るあるタンパク質または遺伝子の特定、そのmRNAまたはトランスクリプトームの決定などにより分析することが望まれる。細胞が本例では核酸物質の源として使用されているが、これは単なる例であり、他の態様において、核酸を、他の源からまたは他の技術を使用して液滴に導入し得る。
細胞は、まず、一連の微小流体液滴40に封入され得る。当業者は、微小流体液滴内に細胞を封入する技術を知っており、例えば、各々引用により本明細書に包含させる、米国特許7,708,949号、8,337,778号、8,765,485号または国際PCT出願公開WO2004/091763号およびWO2006/096571号を参照のこと。ある場合、細胞は、1細胞/液滴未満の(そしてある場合、1細胞/液滴よりはるかに少ない)密度で封入され、液滴の大部分または全てが、その中に細胞を含まないか1個のみを含むことを確実とする。従って、図1に示すように、液滴41、42、43...の各々は、その中に存在する細胞を有しないか、1個のみ有する。
粒子30上に存在するオリゴヌクレオチドタグ20も液滴に封入される。粒子30は、例えば、微粒子であってよく、ヒドロゲルもしくは高分子粒子またはここに記載するような他のタイプの粒子であり得る。粒子および細胞は、同時にまたは逐次的に、任意の適当な順番で液滴内に封入され得る。ある態様において、各粒子は一意的なオリゴヌクレオチドタグを含むが、粒子上に存在するタグの複数コピーが存在してよい。例えば、オリゴヌクレオチドタグの各々は、存在する1以上の一意的な配列または“バーコード”を有し得る。従って、例えば、粒子31はオリゴヌクレオチドタグ21のコピーのみを含み、粒子32はオリゴヌクレオチドタグ22のコピーのみを含み、粒子33はオリゴヌクレオチドタグ33のコピーのみを含むなどとなる。ある場合、粒子は、液滴内に1粒子/液滴未満の(そして、ある場合、1粒子/液滴よりはるかに低い)密度で存在し、液滴の大部分または全てがその中に存在する粒子を有しないかまたは1個のみの粒子を有することを確実にする。さらに、ある態様において、オリゴヌクレオチドタグは、開裂可能であるか、他の方法で粒子から遊離可能であり得る。
本発明のある態様によって、オリゴヌクレオチドタグは、図1に示すように、各液滴への一つの一意的なオリゴヌクレオチドタグのみの導入を促進するために、まず粒子に結合されることは注意すべきである。(他の態様において、しかしながら、例えば、同じ一意的なバーコードを含む複数のオリゴヌクレオチドタグが存在し得る。)例えば、粒子が液滴に1粒子/液滴未満の密度で存在するならば、液滴の大部分または全ては、各々単一粒子のみを、そして、存在する単一タイプのオリゴヌクレオチドタグのみを有する。したがって、図1に示すように、オリゴヌクレオチドタグは、例えば、各液滴41、42、43...が、他の液滴に存在し得る他のオリゴヌクレオチドタグと異なる、一意的なオリゴヌクレオチドタグ21、22、23...を含むように、粒子から開裂されるかまたは他の方法で遊離され得る。従って、液滴内に存在する各オリゴヌクレオチドタグは、他の液滴に存在するオリゴヌクレオチドタグと区別可能である。粒子からオリゴヌクレオチドを開裂させるために図1では光(hv)を使用しているが、これは単なる例示の目的であり、例えば、ここに記載する、開裂または遊離の他の方法も使用できることは理解すべきである。例えば、ある態様において、オリゴヌクレオチドを含む(例えば、物理的に)アガロース粒子を使用してよく、例えば、アガロースが少なくとも一部液化するかまたは軟化するまでアガロースを加熱することにより、オリゴヌクレオチドが遊離され得る。
ある場合、細胞を、細胞から核酸または他の物質51、52、53...を遊離するために溶解する。例えば、細胞を、化学物質または超音波を使用して溶解させ得る。細胞は、例えば、DNA、RNA、mRNA、タンパク質、酵素などを遊離し得る。ある場合、遊離された核酸は、例えば、増幅法に特異的な適当な試薬を包含させることにより、所望により増幅させてよい。当業者に知られる増幅法の例は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写酵素(RT)PCR増幅、インビトロ転写増幅(IVT)、多置換増幅(MDA)または定量的実時間PCR(qPCR)を含むが、これらに限定されない。
核酸または他の物質51、52、53...のいくつかまたは全てを、例えば、共有結合により、液滴に存在するオリゴヌクレオチドタグと結合させ得る。例えば、核酸または他の物質51、52、53を、液滴に存在するオリゴヌクレオチドタグにライゲートまたは酵素結合し得る。従って、図1に示すように、液滴41は、オリゴヌクレオチドタグ21に結合した核酸51を示し、液滴42はオリゴヌクレオチドタグ22に結合した核酸52を示し、液滴43はオリゴヌクレオチドタグ23に結合した核酸53を示すなどする。従って、各液滴内の核酸は、この例において各液滴に一意的であるオリゴヌクレオチドタグを手段として、複数の液滴50の他の液滴内の核酸と区別可能である。
図1は、細胞の溶解後の粒子からのオリゴヌクレオチドタグの開裂を記載しているが、他の態様において、これらは必ずしもこの順番で起こる必要はないことは理解すべきである。例えば、細胞溶解は開裂後に起きてよく、または両者は同時に起きてよい。
液滴41、42、43...は、その後“破裂”または“破壊”してその内容物を遊離し、ある場合、図1に示すように、各液滴に存在する核酸は、組み合わされまたは一緒にプールされ得る。しかしながら、核酸が異なるオリゴヌクレオチドタグにより標識されているため、一つの液滴からの(すなわち、一つの細胞からの)核酸は、オリゴヌクレオチドタグを使用して、なお他の液滴(または他の細胞)と区別できる。したがって、その後の核酸の組み合わせたプールの分析(例えば、配列決定)を実施でき、各核酸(例えば、個々の細胞)の源を、異なるオリゴヌクレオチドタグの決定により決定し得る。
従って、例えば、正常細胞と癌細胞の集団(例えば、組織サンプルまたは生検由来)をこのような形式で分析でき、癌細胞を、正常細胞が豊富に存在してさえ、異常DNAとして特定できる。例えば、オリゴヌクレオチドタグを使用して細胞レベルでDNAを追跡する能力により、異常DNAは、大量の正常DNAが数で勝ってさえなお特定できる。他の非限定的例として、幹細胞を正常細胞から単離できまたは目的の集団における稀な細胞型の単離を実施できる。
他の面において、本発明は、例えば、細胞集団のプロファイリングの目的でまたはここに記載するような他の目的で、多数の細胞からDNAまたはRNAの並行捕獲およびバーコーディングをするシステムおよび方法を提供する。ある態様において、これは、例えば、細胞および/またはRNAおよび/またはDNA捕獲および/または増幅に使用し得る他の試薬と共に粒子または微小球体(例えば、ヒドロゲルまたはポリマー微小球体)に結合した、バーコード化核酸または他の適当なオリゴヌクレオチドタグの封入に依存する。
ある態様において、実質的に各個々の細胞から生じる内容物を、例えば、集団の細胞間の不均一性を決定または規定するまたは細胞集団をスクリーニングするなどのために、例えば、ある場合数百、数千、数万または数十万またはそれ以上の異なる細胞を単実験においてバーコードまたは他に標識することを可能にする一意的なバーコード(これは無作為に決定してよくまたはここに記載するように決定する)で標識し得る。他の目的はここに記載されている。
ある態様において、微小流体システムを、例えば、一反応容器中、個々の液滴(例えば、50pL〜10nL体積)内に単一細胞を捕獲するために使用する。各細胞を溶解し、そのRNAおよび/またはDNAを、例えば、酵素反応を介して、ライゲーションを介してなど、液滴特異的バーコードで一意的にバーコード化または標識し得る。これら以外の寸法を有するものを含む、微小流体システムの例もここに提供する。ある態様も、例えば、最初に細胞をDNAタグ付抗体で処理することにより、RNAまたはDNAと並行して単一細胞におけるタンパク質存在量を定量するために、ある態様において使用されるはずであり、この場合、DNAタグは、液滴特異的バーコードで同様にバーコード化できる。液滴中の細胞成分がバーコード化されたら、液滴を破壊または破裂してよく、サンプルを、ハイスループット配列決定または他の適用のために、例えば、大量に、処理できる。配列決定後、DNAバーコードによってデータを分けるかまたは他に分析できる。
単一細胞におけるDNA、RNAおよび/またはDNA抗体タグの並行バーコーディングを実施するために、単一ヒドロゲルまたはポリマー粒子または微小球体を、ある態様によって、生物学的または化学的試薬および細胞と共に各液滴に封入し得る。高濃度(例えば1〜100μM)のDNAフラグメント(以後“プライマー”)を運搬する粒子または微小球体は、(a)同じバーコードが粒子または微小球体上の全核酸フラグメントに見られるとの条件付で、例えば、少なくとも10,000のバーコード(または少なくとも30,000バーコード、少なくとも100,000バーコード、少なくとも300,000バーコードまたは少なくとも1,000,000バーコードなど)のプールからランダムに選択されたバーコード配列をコードする;および/または(b)DNAまたはRNAのハイブリダイゼーションおよび捕獲に使用される1以上のプライマー配列をコードする。異なるバーコーの数は、2以上の細胞が、同じバーコードを運搬する粒子または微小球体を有する異なる液滴で占拠される可能性を減らすために、捕獲する細胞の数より、少なくとも10倍、ある場合少なくとも100倍多くてよい。例えば、150,000バーコードおよび1,000細胞で、平均3細胞のみが重複するバーコードを獲得する(997の検出バーコードをもたらす)。
ある態様において、液滴が1粒子(または微小球体)および1細胞を含むような封入条件を存在する。空液滴および/または単一粒子を有するが細胞がない液滴および/または細胞を有するが粒子がない液滴の存在は、実質的に性能に影響し得ない。しかしながら、一液滴中の2以上の粒子または2以上の細胞存在は、制御が困難な誤差をもたらし得て、したがって、このような事象の発生率は、ある場合において最小に、例えば、約10%未満または約5%未満に維持する。細胞および粒子を除いて、他の生物学的および化学的試薬は、液滴に等しく分布され得る。共封入された細胞および粒子を、特定の適用の目的により、収集し、処理し得る。例えば、ある特定の態様において、単一細胞のDNAまたはRNAを、粒子と共に導入したプライマーにより捕獲し、次いで、逆転写または他のDNA重合反応によりバーコード化相補的DNAに変換し得る。
精製および任意のDNA増幅後、細胞核酸の塩基組成およびバーコード同一性を、例えば、配列決定または他の技術により決定し得る。あるいは、ある態様において、粒子または微小球体と共に導入したプライマーを、ゲノムからの特異的核酸配列の増幅に使用できる。
ある態様において、例えば、液滴中の酵素反応の開始の効率を改善するために、粒子または微小球体を使用して導入したバーコード化プライマーを、例えば、光、化学物質、酵素または他の技術によりそこから開裂し得る。しかしながら、プライマーの開裂は任意の工程または時点で実施してよく、ある場合使用者により決定され得る。このような開裂は、ある状況および/または条件において特に重要であり得て、例えば、単一細胞におけるRNAおよびDNA分子のあるフラクションは、極めて大きく、または複雑に結合しており、それゆえに、粒子または微小球体の表面または内部に効率的に拡散しない。しかしながら、他の態様において、開裂は必須ではない。
これらのような技術を使用して、例えば、ゲノム、一塩基多型、特異的遺伝子発現レベル、非コードRNA、全トランスクリプトーム(またはその一部)、遺伝子全体またはそれらのセクションなどを分析できる。しかしながら、本発明は、これらの適用にのみ限定されない。
ある非限定的態様において、バーコード化プライマーの3’末端を、全トランスクリプトームプロファイリングのために細胞mRNAを捕獲するのに使用し得るポリT配列で終了させる。全ての細胞を合わせた得られたライブラリーを、所望によりPCRベースの方法を使用してまたはハイブリダイゼーション捕獲ベースの方法(例えばAgilent SureSelect)を使用して富化し、例えば、目的の遺伝子のサブセットのみの配列決定を可能とし得る。他の態様において、バーコード化プライマーの3’末端を、細胞内のRNAの捕獲に使用できるランダムDNA配列で終了させ得る。他の態様において、バーコード化プライマーの3’末端を、例えば、目的のDNAまたはRNA種(“遺伝子”)の捕獲または例えば、酵素試薬と共に、粒子または微小球体に加えて液滴に送達されたDNAプローブとハイブリダイズするために、特異的DNA配列で終了させ得る。他の態様において、粒子または微小球体は、目的の数遺伝子を標的とするために、多数の異なるプライマーを運搬し得る。さらに別の態様は、液滴サイズおよび液滴バーコーディングに必要な反応成分の濃度の最適化に関する。
本発明のさらに別の面は、一般に粒子または微小球体に結合したバーコード化核酸の製造に関する。核酸を粒子または微小球体の表面に結合してよく、またはある場合、粒子内に結合させてまたは取り込ませてよい。例えば、核酸を、例えば、物理的および/または化学的に、粒子の形成中に粒子内に取り込ませ得る。
例えば、ある態様は、一般に核酸フラグメント(各々バーコード、プライマーおよび/または核酸の捕獲、増幅および/または配列決定に恐らく使用される他の核酸をコードする)を運搬する粒子または微小球体の製造に関する。微小球体は、1〜500μmサイズまたはここに記載するような他の寸法のヒドロゲル粒子(ポリアクリルアミド、アガロースなど)またはコロイド粒子(ポリスチレン、磁性またはポリマー粒子など)と称し得る。微小球体は、ある態様において多孔性であり得る。使用できる他の適当な粒子または微小球体は、ここにさらに詳細に記載する。
DNA運搬粒子または微小球体の製造は、ある場合、最初のDNAオリゴヌクレオチドの粒子または微小球体への共有結合または取り込みの他の技術と、続く所定のプールから、例えば、無作為に、選択された1以上のバーコードによる各オリゴヌクレオチドの酵素伸長に依存し得る。可能な一意的なバーコードの最終的な数は、ある場合所定のバーコードプールのサイズおよび/または伸長工程の数に依存し得る。例えば、384の所定のバーコードのプールおよび2伸長工程を使用して、各粒子または微小球体は、384=147,456の可能なバーコードの一つを運搬し、3伸長工程を使用して、各粒子または微小球体は384=56,623,104の可能なバーコードの一つを運搬する他の。他の多数の工程もある場合使用でき、さらに、各プールは、多様な数の所定のバーコード(384のみではない)を有し得て、これらプールは、同一または異なる数の所定のバーコードを有し得る。プールは同一および/または異なる配列を含み得る。
したがって、ある態様において、使用する可能なバーコードは、バーコード要素の1以上の別々の“プール”から形成され、これを、その後、例えば、スプリット・アンド・プール法を使用して結合して最終バーコードを産生する。プールは、例えば、少なくとも約300、少なくとも約500、少なくとも約1,000、少なくとも約3,000、少なくとも約5,000または少なくとも約10,000の区別可能なバーコードを含み得る。例えば、第一プールはx要素を含んでよく、第二プールはx要素を含んでよく、第一プールからの要素および第二プールからの要素を含むバーコードを形成し、使用できる、例えば、xの可能なバーコードを産生し得る。xおよびxは等しくても等しくなくてもよいことは注意すべきである。この工程を任意の数繰り返してよく、例えば、バーコードは、第一プール、第二プールおよび第三プールからの要素(例えば、xの可能なバーコードを産生)または第一プール、第二プール、第三プールおよび第四プールからの要素(例えば、xの可能なバーコードを産生)を含んでよいなどである。5、6、7、8または任意の他の適当な数のプールが存在し得る。したがって、組み合わせの可能な数により、はるかに多い数の区別可能なバーコードを産生するために、比較的小数のバーコード要素を使用し得る。
ある場合、複数のプールのこのような使用は、組み合わせて、多数のバーコードを個々に製造および合成することなく、実質的に多数の使用可能なバーコードの製造に使用し得る。例えば、多くの先行技術システムにおいて、100または1,000バーコードに対する要求は、100または1,000バーコードの個々の合成を必要とする。しかしながら、多数のバーコードが、例えば、試験する多数の細胞の試験に必要であるならば、対応して多数のバーコードを合成する必要性がある。このようなシステムは、10,000、100,000または1,000,000のバーコードのような多数では非実用的および実行不可能となる。しかしながら、バーコードの別々の“プール”の使用により、多数のバーコードが、各バーコードの個々の合成を必ずしも必要とせずに達成できる。非限定的例として、1,000の区別可能なバーコード(または任意の他の適当な数)の第一プールおよび1,000の区別可能なバーコードの第二プールを、2,000バーコード(またはバーコードを各プールで再使用するならば1,000のみ)の合成を必要とし、さらにそれらを組み合わせて1,000×1,000=1,000,000の区別可能なバーコードを産生でき、例えば、ここで、各区別可能なバーコードは、第一プールから取った第一バーコードおよび第二プールから取った第二バーコードを含む。バーコードを構築するために3、4またはそれ以上のプールを使用して、合成が必要である区別可能なバーコードの総数を実質的に増加させることなく、製造し得るさらに多数のバーコードをもたらし得る。
ある面において、DNAフラグメントまたはオリゴヌクレオチドを、光、温度、化学物質および/または酵素処理を含む多様な技術を使用して、粒子または微小球体から遊離できる。例えば、光を用いて、核酸フラグメントを、選択した時点でおよび/または望ましい条件下に遊離でき、従ってその使用に柔軟性を提供する。
ある態様において、粒子または微小球体を長期間保存でき、その後の適用のための試薬として使用できる。
さらに他の面において、本発明は、例えば、細胞集団のプロファイリングの目的または他の目的のための、多数の単一細胞からの一団の数十〜数百またはそれ以上の特異的DNAおよび/またはRNA配列の並行捕獲、バーコーディングおよび定量化のためのシステムおよび方法を提供する。ある態様は、細胞および/または例えば、RNAおよび/またはDNA捕獲および増幅のための、他の試薬と共に、例えば、ヒドロゲルまたはポリマー微小球体のような粒子に結合したバーコード化核酸の封入に依存し得る。
ある場合、一意的な、ランダムバーコードを有する個々の細胞に起因する特異的遺伝子セット(例えば、数十または数百の遺伝子またはある場合それ以上)の標識のためのシステムおよび方法は、数百、数千または数十万またはそれ以上の異なる細胞を、集団の細胞間の不均一性を決定するもしくは細胞集団をスクリーニングする目的でまたは他の目的で、例えば、一実験において、標識またはバーコード化することを可能とする。
例えば、多重化ハイスループット配列決定により多数の細胞を分析する状況において、ある態様において、全トランスクリプトームまたは全ゲノム捕獲および配列決定よりも、目的の遺伝子のサブセット、例えば数十〜数百の遺伝子に焦点を絞ることが望ましい可能性がある。
ある態様は、細胞DNAまたはRNAの特異的配列に焦点を絞った細胞の内容物の並行バーコーディングに関する。これらは、例えば、DNAバーコード化微小球体(または他の粒子)の合成および/または例えば、一反応容器中、個々の液滴(例えば、50pL〜10nL体積またはここに記載する他の体積)中の単一細胞の捕獲およびバーコーディングのためのこのような微小球体の使用に関する。ある場合、実質的に各細胞を溶解し、そのRNAおよび/またはDNAを、例えば、酵素反応により、液滴特異的核酸バーコードで一意的にバーコード化(タグ付)する。ある態様において、DNAバーコード化微小球体の修飾を、目的の1配列の使用またはランダム配列の使用よりむしろ、それらが特定の一団のDNA配列のみを標的とするような方法で実施し得る。これは、高濃度の配列特異的バーコード化プライマーが各液滴に送達させることを可能とし、これは、ある場合、酵素バーコーディングを可能とし、相補的DNAの合成が、主に目的の配列に対して起こる。これは、例えば、一団の配列特異的プライマーを目的の遺伝子の捕獲に使用できるあらゆる酵素法と共に使用し得る。
本発明のある態様を、例えば、最初に細胞をDNAタグ付抗体で処理することにより、RNAまたはDNAと並行して単一細胞におけるタンパク質存在量を定量するのに使用でき、この場合、粒子または微小球体上の配列またはオリゴヌクレオチドの1以上を、抗体により送達されたDNAタグに相補的とし得る。ある場合、液滴中の細胞成分がバーコード化されたら、液滴を破壊または破裂でき、サンプルを、例えば、大量に、ハイスループット配列決定のような適用のために処理できる。配列決定後、データを、ある態様において、DNAバーコードに従い分割して、従ってタイプ、配列、分子数、核酸起源および/または目的のタンパク質などに関する情報を提供する。
さらに別の面によって、本発明は、例えば、複数の微小流体デバイスの製造または微小流体デバイスに多数の試験サンプルを流すことが必要であるために、反応を直接試験することが極度に遅い場合、小体積内の細胞の酵素処理のための反応条件の最適化のために提供される。ある場合、これはまた小体積で溶解した単一細胞からの相補的DNAへのmRNAの酵素逆転写に必要な理想の体積も特異的に記載し得る。
本発明のある態様は、例えば、微小流体装置なしで、通常の分子生物学試薬を使用して実施できる5μlより大きな体積で反応物を使用する、単一細胞上の微小流体反応物を提供する。これは、ある適用、例えば、本発明以外では複数の試験微小流体デバイスの設計および合成ならびにこのようなデバイスの性能の対照比較を必要とするであろう、数桁を超える反応体積のようなパラメータの試験のために、有用であり得る。異なる反応成分の最適濃度のような、微小流体反応の条件の迅速な最適化のためにも有用であり得る。
ある態様において、微小流体体積に存在する正確な条件を模倣するために、バルク反応を使用する。これは一般的であり、微小流体反応または他の反応の他の面の最適化に適用できる。例えば、これは、逆転写(RT)反応の阻害を軽減する種々の添加剤の能力の試験に使用でき、ある態様において、小体積で溶解した単一細胞からRT反応を実施するために必要なDNAプライマー濃度を定義し得る。
上記は本発明の種々の態様の非限定的例である。しかしながら、他の態様も可能である。したがって、より一般的には、本発明の種々の面は、下記のとおり、微小流体液滴内の核酸を標識するシステムおよび方法の種々のシステムおよび方法に関する。
ある面において、本発明は、一般に液滴、例えば、微小流体液滴の集団内の核酸を標識するシステムおよび方法に関する。ある場合、微小流体液滴は、例えば、ここに記載するように、約1mm未満の液滴平均直径を有してよくおよび/または微小流体液滴は実質的に単分散であってよい。
ある場合、DNAおよび/または他の核酸を含むオリゴヌクレオチドタグを粒子に結合し、液滴に送達し得る。ある場合、オリゴヌクレオチドタグを、例えば、液滴が一般に最大でその中に1粒子を有するように、液滴への送達を制御するために粒子に結合する。ある場合、液滴内への送達により、オリゴヌクレオチドタグは、例えば、開裂、粒子分解などにより、粒子から除去され得る。しかしながら、他の態様において、液滴は、同一または異なるオリゴヌクレオチドタグを有し得る2、3または任意の他の数の粒子を含んでよいことは理解されるべきである。
オリゴヌクレオチドタグは任意の適当な長さであってよくまたは任意の適当な数のヌクレオチドを含んでよい。オリゴヌクレオチドタグは、DNA、RNAおよび/またはPNAのような他の核酸および/またはこれらの組み合わせおよび/または他の核酸を含み得る。ある場合、オリゴヌクレオチドタグは一本鎖であるが、他の場合二本鎖であり得る。例えば、オリゴヌクレオチドタグは、少なくとも約10nt、少なくとも約30nt、少なくとも約50nt、少なくとも約100nt、少なくとも約300nt、少なくとも約500nt、少なくとも約1000nt、少なくとも約3000nt、少なくとも約5000nt、少なくとも約10,000ntなどの長さを有し得る。ある場合、オリゴヌクレオチドタグは、約10,000nt以下、約5000nt以下、約3000nt以下、約1000nt以下、約500nt以下、約300nt以下、約100nt以下、約50nt以下などの長さを有し得る。これらの任意の組み合わせも可能であり、例えば、オリゴヌクレオチドタグは約10nt〜約100ntであり得る。オリゴヌクレオチドタグの長さは重大ではなく、種々の長さを種々の態様において使用し得る。
オリゴヌクレオチドタグは、多様な配列を含み得る。例えば、オリゴヌクレオチドタグは、1以上のプライマー配列、1以上の一意的なまたは“バーコード”配列、1以上のプロモーター配列、1以上のスペーサー配列などを含み得る。オリゴヌクレオチドタグはまた、ある態様において1以上の開裂可能スペーサー、例えば、光開裂可能リンカーを含み得る。オリゴヌクレオチドタグは、例えば、オリゴヌクレオチドタグが開裂により粒子から除去されるように、化学的に(例えば、リンカー)または物理的に(例えば、リンカーを必ずしも必要としない)粒子に結合し得る。他の例は、オリゴヌクレオチドタグの大部分を増加させる(例えば、特異的配列またはナンセンス配列を使用)、取り扱いを容易にする(例えば、タグはポリAテイルを含み得る)、結合選択性を高める(例えば、下記のとおり)、酵素による認識を促進する(例えば、適当なリガーゼ)、特定を容易にするなどのために使用し得る部分である。これらのおよび/または他の配列の例は、ここにさらに詳細に記載する。
一例として、ある態様において、オリゴヌクレオチドタグは“バーコード”または一意的な配列を含み得る。配列は、オリゴヌクレオチドタグ(例えば、粒子上および/または液滴内に存在)のいくぶんかまたは大部分が一意的な配列(または一意的である配列の組み合わせ)を有するが、他のオリゴヌクレオチドタグ(例えば、他の粒子または液滴上)は一意的な配列または配列の組み合わせを含まないように選択し得る。従って、例えば、配列を、液滴または液滴(例えば、溶解細胞)に起因する含まれる核酸を一意的に特定するかまたは他の液滴もしくは他の液滴に起因する他の核酸(例えば、他の細胞から遊離)と区別するために使用する。
配列は任意の適当な長さであり得る。バーコード配列の長さは重大ではなく、バーコード配列を他のバーコード配列と区別するのに十分な任意の長さであり得る。1、2またはそれ以上の“バーコード”配列がオリゴヌクレオチドタグに存在し得る。バーコード配列は5nt、6nt、7nt、8nt、9nt、10nt、11nt、12nt、13nt、14nt、15nt、16nt、17nt、18nt、19nt、20nt、21nt、22nt、23nt、24ntまたは25ntの長さを有し得る。25を超えるヌクレオチドもある場合存在し得る。
ある場合、一意的なまたはバーコード配列は、可能なバーコード配列の“プール”からとり得る。1を超えるバーコード配列がオリゴヌクレオチドタグに存在するならば、バーコード配列を、可能なバーコード配列の同一または異なるプールからとり得る。配列のプールは、適当な技術を使用して、例えば、無作為にまたは、例えば、バーコード配列の読取におけるエラーが検出でき、ある場合、補正できるように、一定距離(例えば、ハミング距離)離すことにより、配列がエラー検出および/または補正を可能とするように選択し得る。プールは、任意の数の可能なバーコード配列、例えば、少なくとも100、少なくとも300、少なくとも500、少なくとも1,000、少なくとも3,000、少なくとも5,000、少なくとも10,000、少なくとも30,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも300,000、少なくとも500,000または少なくとも1,000,000バーコード配列を含み得る。
ある場合、オリゴヌクレオチドタグは、例えば、タグの産生を可能にする、酵素増幅を可能にするなどのために、1以上のプロモーター配列を含み得る。当業者は、プライマー配列、例えば、P5またはP7を知っている。多くのこのようなプライマー配列が市販されている。プロモーターの例は、T7プロモーター、T3プロモーターまたはSP6プロモーターを含むが、これらに限定されない。
ある場合、オリゴヌクレオチドタグは1以上のプライマー配列を含み得る。一般に、プライマーは、一本鎖または部分的に二本鎖核酸(例えば、DNA)であり、これは核酸合成の出発点として働き、核酸ポリメラーゼのようなポリメラーゼ酵素がプライマーを伸長させ、相補鎖を複製することを可能とする。プライマーは、標的核酸に相補的であり、かつハイブリダイズする。ある態様において、プライマーは合成プライマーである。ある態様において、プライマーは天然に存在しないプライマーである。プライマーは、一般に10〜50ヌクレオチドの長さを有する。例えば、プライマーは、10〜40、10〜30、10〜20、25〜50、15〜40、15〜30、20〜50、20〜40または20〜30ヌクレオチドの長さを有し得る。ある態様において、プライマーは18〜24ヌクレオチドの長さを有する。プライマーの例は、P5プライマー、P7プライマー、PE1プライマー、PE2プライマー、A19プライマーまたはここに記載する他のプライマーを含むが、これらに限定されない。
ある場合、オリゴヌクレオチドタグは、例えば、オリゴヌクレオチドタグの質量またはサイズを増加させるためのナンセンスまたはランダム配列を含み得る。ランダム配列は、任意の適当な長さであってよく、1以上が存在し得る。非限定的例として、ランダム配列は、10〜40、10〜30、10〜20、25〜50、15〜40、15〜30、20〜50、20〜40または20〜30ヌクレオチドの長さを有し得る。
ある場合、オリゴヌクレオチドタグは、遺伝子または他のエンティティに特異的に結合できる1以上の配列を含み得る。例えば、ある態様において、オリゴヌクレオチドタグはmRNAを認識できる配列、例えば、ポリT配列(例えば、一列で数T、例えば、4、5、6、7、8またはそれ以上のT)を含むものを含み得る。
ある態様において、オリゴヌクレオチドタグは、例えば、適当な刺激の適用により開裂可能な、1以上の開裂可能リンカーを含み得る。例えば、開裂可能配列は、光または適当な化学物質または酵素の適用により開裂され得る、光開裂可能リンカーであり得る。光開裂可能リンカーの非限定的例は、図20Aに見ることができる。ある場合、例えば、複数の粒子(例えば、表面上にオリゴヌクレオチドタグを含む)を製造し、例えば、ある場合、平均、各液滴が1粒子またはそれ未満(またはそれ以上)を含むように、液滴に添加し得る。液滴に添加された後、オリゴヌクレオチドタグは、オリゴヌクレオチドタグを溶液中に、すなわち、液滴内部に存在させるために、例えば、光または他の適当な開裂技術を使用して、粒子から開裂させ得る。このような方法で、オリゴヌクレオチドタグは、ある態様において、粒子の液滴への充填により液滴に容易に充填され、次いで開裂されて、例えば、ヌクレオチドまたはここに記載するような他の種と相互作用するように、オリゴヌクレオチドタグを溶液に存在させることができる。
さらに、ある態様において、オリゴヌクレオチドタグは、例えば、細胞(または液滴)に存在することが疑われるタンパク質と特異的に結合できる、抗体を含み得る。例えば、液滴は、1以上のここに記載のようなオリゴヌクレオチドタグでタグ付された抗体を含み得る。
オリゴヌクレオチドタグは、例えば、ここに記載するように、粒子に結合し得る。ある態様において、粒子はオリゴヌクレオチドタグを1個だけ含み得るが、オリゴヌクレオチドタグの複数コピーが粒子上に存在してよく、他の粒子は例えば、ここに記載するバーコード配列を使用して、区別可能である異なるオリゴヌクレオチドタグを含み得る。
適当な方法のいずれかを使用して、オリゴヌクレオチドタグを粒子に結合してよい。正確な結合法は重大ではなく、例えば、化学的でも物理的でもよい。例えば、オリゴヌクレオチドタグは、ビオチン−ストレプトアビジン結合、アミノ結合またはアクリル系ホスホラミダイト結合により粒子に共有結合し得る。例えば、アクリル系ホスホラミダイト結合の例として図20Aを参照のこと。他の態様において、オリゴヌクレオチドは、例えば、物理的に、粒子に取り込まれ得て、そこで、オリゴヌクレオチドは、粒子を改変することにより遊離され得る。従って、ある場合、オリゴヌクレオチドは開裂可能結合を有する必要はない。例えば、ある態様において、オリゴヌクレオチドは、粒子の形成により、アガロース粒子のような粒子に取り込まれ得る。粒子の分解により(例えば、粒子を軟化、分解または液化するまで加熱することにより)、オリゴヌクレオチドは粒子から遊離され得る。
粒子は、本発明のある面において微小粒子である。粒子は、多種多様なタイプのいずれであってもよく、記載のように、粒子を、液滴に特定のオリゴヌクレオチドタグに導入するのに使用でき、オリゴヌクレオチドタグが(例えば、物理的または化学的に)結合できるあらゆる適当な粒子を使用し得る。粒子の正確な形は重大ではない。粒子は、球形でも非球形でもよく、任意の適当な材料製であり得る。ある場合、実質的に同じ組成および/または実質的に同じ平均直径を有する複数の粒子を使用する。複数のまたは一連の粒子の“平均直径”は、粒子の各々の平均直径の算術平均である。当業者は、例えば、レーザー光散乱、顕微鏡検査または他の既知技術を使用して、複数のまたは一連の粒子の平均直径(または他の特徴的寸法)を決定できる。非球形粒子の、単一粒子の平均直径は、非球形粒子と同じ体積を有する完全な球形の直径である。粒子(および/または複数のまたは一連の粒子)の平均直径は、ある場合、例えば、約1mm未満、約500μm未満、約200μm未満、約100μm未満、約75μm未満、約50μm未満、約25μm未満、約10μm未満または約5μm未満であり得る。平均直径はまた、ある場合、少なくとも約1μm、少なくとも約2μm、少なくとも約3μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μmまたは少なくとも約20μmであり得る。
粒子は、ある態様において、ヒドロゲル粒子であり得る。例えば、DNA含有ヒドロゲル粒子を含む、ヒドロゲル粒子の例について、“液滴を含むアッセイおよび他の反応”なる名称の国際特許出願公開WO2008/109176号(引用により本明細書に包含させる)参照。ヒドロゲルの例は、ポリアクリルアミド、ポリN−イソプロピルアクリルアミドまたはポリN−イソプロピルポリアクリルアミドのようなアガロースまたはアクリルアミドベースのゲルを含むが、これらに限定されない。例えば、単量体水溶液を液滴に分散させ、次いで、例えば、ゲルを形成するために、重合化し得る。他の例は、カルシウムイオンの添加によりゲル化できる、アルギン酸のようなヒドロゲルである。ある場合、例えば、各々、その全体を引用により本明細書に包含させる、米国特許公開2007/000342号として2007年1月4日公開の、Link, et al.の“流体種の電子制御”なる名称の米国特許出願11/360,845号(2006年2月23日出願)またはAhn, et al.の“流動性液滴合体”なる名称の米国特許出願11/698,298号(2007年1月24日出願)に記載のように、ゲル化イニシエーター(アクリルアミドについて過硫酸アンモニウムおよびTEMEDまたはアルギン酸についてCa2+)を、例えば、水相との共流動により、油相を通す共流動によりまたは2個の異なる液滴の合体により、液滴に添加できる。
他の態様において、粒子は1以上のポリマーを含み得る。ポリマーの例は、ポリスチレン(PS)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリイソプレン(PIP)、ポリ(乳酸)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミドおよび/またはこれらの混合物および/またはコポリマーおよび/または他のポリマーを含むが、これらに限定されない。さらに、ある場合、粒子は、粒子の磁性操作を可能にする、磁性であり得る。例えば、粒子は、鉄または他の磁性物質を含み得る。粒子はまた、タンパク質、核酸または小分子のような他の分子が結合されるように、官能化もできる。従って、本発明のある態様は、例えば、核酸、タンパク質、小分子またはここに記載するもののような他の種の、ライブラリーを規定する、一連の粒子に関する。ある態様において、粒子は蛍光であり得る。
ある態様において、細胞または他の核酸源および、例えば、上記のようなオリゴヌクレオチドタグを含む粒子を含む液滴が形成される。あらゆる適当な方法を液滴の製造に選択でき、液滴の形成のための多種多様な異なる技術が当業者には知られる。例えば、チャネル接合部を液滴の製造に使用できる。接合部は、例えば、T字接合部、Y字接合部、チャネル内チャネル接合部(例えば、同軸性配置または内部チャネルと、内部チャネルの少なくとも一部を囲む外部チャネルを含む)、十字(または“X”)接合部、流れ集約接合部または液滴の製造のための任意の他の適当な接合部であり得る。例えば、各々を、その全体を引用により本明細書に包含させる、2004年10月28日にWO2004/091763号として公開されたLink, et al.の、“流体種の形成および制御”なる名称の国際特許出願PCT/US2004/010903号(2004年4月9日出願)または2004年1月8日にWO2004/002627号として公開された、Stone, et al.による、“流体分散のための方法および装置”なる名称の国際特許出願PCT/US2003/020542号(2003年6月30日出願)参照。ある態様において、接合部を、実質的に単分散液滴を製造するために設計および配置し得る。液滴はまた流動性デバイス上でも製造できおよび/または液滴は別に製造され、その後デバイスに運ばれ得る。
細胞を使用するならば、細胞は、あらゆる適当な源から生じ得る。例えば、細胞は、細胞からの核酸が試験または配列決定などがされることが望まれるあらゆる細胞であってよく、1以上の細胞型を含んでよい。細胞は、例えば、ある臓器または組織(例えば、心臓細胞、免疫細胞、筋肉細胞、癌細胞など)由来のような細胞の特異的集団、特異的個体または種由来の細胞(例えば、ヒト細胞、マウス細胞、細菌など)、異なる生物由来の細胞、天然に存在するサンプル(例えば、池水、土壌など)からの細胞などであり得る。ある場合、細胞は、組織から解離され得る。
さらに、本発明のある態様は、他の分離した区画、例えば、マイクロウェルプレートのマイクロウェル、スライドまたは他の表面上の個々のスポットなどの使用を含む。ある場合、区画の各々は、他の区画と偶発的に混ざらない特異的位置にあり得る。区画は、ある場合相対的に小さく、例えば、各区画は、約1ml未満、約300μl未満、約100μl未満、約30μl未満、約10μl未満、約3μl未満、約1μl未満、約500nl未満、約300nl未満、約100nl未満、約50nl未満、約30nl未満または約10nl未満の体積を有し得る。
ある態様において、液滴(または他の区画)は、平均、各液滴が、その中に1粒子有するように充填される。例えば、平均充填率は、約1粒子/液滴未満、約0.9粒子/液滴未満、約0.8粒子/液滴未満、約0.7粒子/液滴未満、約0.6粒子/液滴未満、約0.5粒子/液滴未満、約0.4粒子/液滴未満、約0.3粒子/液滴未満、約0.2粒子/液滴未満、約0.1粒子/液滴未満、約0.05粒子/液滴未満、約0.03粒子/液滴未満、約0.02粒子/液滴未満または約0.01粒子/液滴未満であり得る。ある場合、2以上の粒子をその中に有する液滴が産生される確立を最小化するために、低い粒子充填率が選択され得る。従って、液滴の、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%が粒子を含まないかまたは粒子を1個しか含まないようにし得る。
同様に、ある態様において、液滴(または他の区画)は、平均、各液滴が、その中に1細胞未満を有するように充填する。例えば、平均充填率は、約1細胞/液滴未満、約0.9細胞/液滴未満、約0.8細胞/液滴未満、約0.7細胞/液滴未満、約0.6細胞/液滴未満、約0.5細胞/液滴未満、約0.4細胞/液滴未満、約0.3細胞/液滴未満、約0.2細胞/液滴未満、約0.1細胞/液滴未満、約0.05細胞/液滴未満、約0.03細胞/液滴未満、約0.02細胞/液滴未満または約0.01細胞/液滴未満であり得る。ある場合、その中に2以上の細胞を有する液滴が産生される可能性を最小化するために、低い細胞充填率を選択し得る。従って、例えば、液滴の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%が粒子を含まないかまたは粒子を1個しか含まないようにし得る。さらに、液滴内の平均粒子充填率および平均細胞充填率は同一でも異なってもよいことは理解すべきである。
ある場合、比較的多数の液滴、例えば、少なくとも約10、少なくとも約30、少なくとも約50、少なくとも約100、少なくとも約300、少なくとも約500、少なくとも約1,000、少なくとも約3,000、少なくとも約5,000、少なくとも約10,000、少なくとも約30,000、少なくとも約50,000、少なくとも約100,000液滴などを製造し得る。ある場合、前記のとおり、液滴のいくぶんかまたは全ては、例えば、液滴に存在する少なくともいくつかのオリゴヌクレオチドタグ(例えば、これは1以上の一意的な配列またはバーコードを含み得る)に基づき、区別可能である。ある場合、液滴の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%は区別可能であり得る。
液滴への粒子および細胞充填後、オリゴヌクレオチドタグは、本発明のある面によって、粒子から遊離または開裂され得る。上記のとおり、光(例えば、オリゴヌクレオチドタグが光開裂可能リンカーを含むならば)、化学物質または酵素などのような、任意の適当な技術を使用して、液滴からオリゴヌクレオチドタグを遊離し得る。化学物質または酵素を使用するならば、化学物質または酵素を、液滴形成後、例えば、ピコインジェクションまたは“流体注入”なる名称の国際特許出願公開WO2010/151776号(引用により本明細書に包含させる)に記載のもののような他の方法、液滴と化学物質もしくは酵素を含む液滴の融合または当業者に知られる他の技術により、液滴に導入し得る。
記載のように、ある面において、液滴は核酸を含み得る。核酸は細胞または他の適当な源により生じ得る。ある態様において、細胞が存在するならば、細胞は、例えば、細胞からDNAおよび/またはRNAを遊離させるためおよび/または液滴内に細胞溶解物を産生するため、液滴内で溶解され得る。例えば、細胞は、溶解性化学物質または細胞溶解剤(例えば、Triton-XまたはSDSのような界面活性剤、リゾチーム、リゾスタフィン、ザイモラーゼ、セルラーゼ、ムタノリシン、グリカナーゼ、プロテアーゼ、マンナーゼ、プロテイナーゼKのような酵素など)または物理的条件(例えば、超音波、紫外線、機械的撹拌など)への暴露により、溶解させ得る。溶解性化学物質を使用するとき、溶解性化学物質を、液滴形成後、例えば、ピコインジェクションまたは、引用によりその全体を本明細書に包含させる、2012年5月31日に米国特許出願公開2012/0132288号として公開された、“流体注入”なる名称の米国特許出願13/379,782号(2011年12月21日出願)に記載のもののような他の方法、液滴と化学物質もしくは酵素を含む液滴の融合または当業者に知られる他の技術により、液滴に導入し得る。細胞の溶解は、粒子からのオリゴヌクレオチドタグの遊離前、遊離中または遊離後のいずれでもよい。ある場合、細胞溶解は、細胞がその内容物、例えば、細胞核酸、タンパク質、酵素、糖などを遊離させる原因となる。ある態様において、細胞核酸のいくぶんかはまた、例えば、ここに記載するような、1以上の液滴内に含まれるオリゴヌクレオチドタグと連結もし得る。例えば、ある態様において、一般に細胞内で産生されるRNA転写物は遊離され、その後核酸タグに連結し得る。
ある態様において、遊離したら、細胞から遊離した核酸(例えば、DNAおよび/またはRNA)を、オリゴヌクレオチドタグに、例えば、プライマー伸長、ライゲーションなどにより、共有結合し得る。多種多様な異なる技術のいずれを使用してもよく、当業者は多くのこのような技術を知っている。使用する正確な連結技術は必ずしも重大ではなく、態様毎に変わり得る。
例えば、ある態様において、核酸を、リガーゼを使用してオリゴヌクレオチドタグと連結し得る。リガーゼの非限定的例は、DNAリガーゼI、DNAリガーゼII、DNAリガーゼIII、DNAリガーゼIV、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、大腸菌DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼなどのようなDNAリガーゼを含む。多くのこのようなリガーゼは、商業的に購入できる。さらなる例として、ある態様において、2以上の核酸を、アニーリングまたはプライマー伸長法を使用して、共にライゲートし得る。
さらに別の態様において、核酸を、PCR(ポリメラーゼ鎖反応)またはここに引用するあらゆるものを含む他の適当な増幅技術を使用して、オリゴヌクレオチドタグと連結および/または増幅し得る。一般に、PCR反応において、核酸を加熱して、核酸を単鎖に解離させ、熱安定DNAポリメラーゼ(例えばTaq ポリメラーゼ)を使用して、核酸を増幅する。この工程をしばしば複数回繰り返して、核酸を増幅する。
ある態様において、PCRまたは核酸増幅を液滴内で実施し得る。例えば、液滴はポリメラーゼ(例えばTaq ポリメラーゼ)およびDNAヌクレオチドを含んでよく、液滴を、液滴内の核酸を増幅するために処理し得る(例えば、加熱および冷却の反復により)。ポリメラーゼおよびヌクレオチドを任意の適当な時点で、例えば、種々の条件をコードする種々の核酸の液滴への添加前、添加中または添加後添加してよい。例えば、液滴はポリメラーゼおよびDNAヌクレオチドを含み得て、これを液滴に融合して、増幅を生じさせる。当業者は、ある態様において、増幅核酸の産生に使用し得る、アセンブリーPCRまたはポリメラーゼサイクリングアセンブリーのような適当なPCR技術およびバリエーションを知っている。このような方法の非限定的例を下にも記載する。さらに、ある場合、適当なプライマー、例えば、P5およびP7または当業者に知られる他のプライマーを使用して、重合化を開始し得る。ある態様において、プライマーを液滴に添加してよく、またはプライマーは、液滴内の核酸の1以上に存在し得る。当業者は適当なプライマーを知っており、その多くは、商業的に容易に入手できる。
ある場合、液滴を破裂、破壊または他の方法で崩壊させ得る。液滴を“破壊”または“破裂”させる多種多様な方法が当業者には利用可能であり、選択された正確な方法は重大ではない。例えば、運搬流体に含まれる液滴を、機械的破砕または超音波のような技術を使用して崩壊させ得る。液滴はまた、化学薬剤または界面活性剤、例えば、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクタノールを使用して崩壊させ得る。
異なる液滴からの核酸(オリゴヌクレオチドタグで標識)を次いで、一緒にプールされまたは合わせられまたは分析、例えば、配列決定、増幅などされる。異なる液滴からの核酸は、しかしながら、崩壊前に各液滴に存在していた異なるオリゴヌクレオチドタグ(例えば、異なるバーコードを含む)により、区別可能なままである。
例えば、核酸を、PCR(ポリメラーゼ鎖反応)または他の増幅技術を使用して増幅し得る。一般に、PCR反応において、核酸を加熱して核酸を単鎖に解離させ、熱安定DNAポリメラーゼ(例えばTaq ポリメラーゼ)を使用して、核酸を増幅する。この工程をしばしば複数回繰り返して、核酸を増幅する。
ある態様において、PCRを核酸の増幅に使用し得る。当業者は、ある態様において、増幅核酸を製造するのに使用し得る、アセンブリーPCRまたはポリメラーゼサイクリングアセンブリーのような適当なPCR技術およびバリエーションを知っている。このような方法の非限定的例を下にも記載する。さらに、ある場合、適当なプライマー、例えば、P5およびP7または当業者に知られる他のプライマーを使用して、重合化を開始し得る。当業者は適当なプライマーを知っており、その多くは、容易に購入できる。
使用し得る当業者に知られる増幅法の他の非限定的例は、逆転写酵素(RT)PCR増幅、インビトロ転写増幅(IVT)、多置換増幅(MDA)または定量的実時間PCR(qPCR)を含むが、これらに限定されない。
ある態様において、核酸を、多様な技術および装置を使用して配列決定でき、その多くは、商業的に容易に入手可能である。このような技術の例は、連鎖停止配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定、マクサム・ギルバート配列決定、ダイターミネーター配列決定、連鎖停止方法、大規模並列処理特徴配列決定(Lynx Therapeutics)、ポロニー配列決定、パイロシーケンシング、ライゲーションによる配列決定、イオン半導体配列決定、DNAナノボール配列決定、単分子実時間配列決定、ナノポア配列決定、微小流体サンガー配列決定、デジタルRNA配列決定(“デジタルRNA−seq”)などを含むが、これらに限定されない。選択した正確な配列決定法は重大ではない。
さらに、ある場合、液滴は、例えば、DNAでの適当なタグ付けにより、例えば、細胞内のタンパク質を決定するために1以上のDNAタグ付抗体も含み得る。従って、例えば、タンパク質を、タンパク質に特異的なDNAタグ付抗体を使用して、ここに記載するような複数の細胞において検出し得る。
例えば、液滴(または液滴内の種)の決定、液滴の選別などのための、微小流体システムにおける液滴を操作するためのシステムおよび方法に関するさらなる詳細を次に示す。例えば、液滴のスクリーニングおよび/または選別のための種々のシステムおよび方法は、引用により本明細書に包含させる、2007年1月4日に米国特許公開2007/000342号として公開された、Link, et al.の“流体種の電子制御”なる名称の米国特許出願11/360,845号(2006年2月23日出願)に記載される。非限定的例として、第一電場(またはその一部)の適用(または除去)により、液滴を第一領域またはチャネルに指向させることができ、デバイス(またはその一部)への第二電場の適用(または除去)により、液滴を第二領域またはチャネルに指向させることができ、第三電場をデバイス(またはその一部)に適用することにより、液滴を第三領域またはチャネルに指向させることができるなどであり、ここで、電場はある程度、例えば、強度、方向、周波数、時間などが異なり得る。
本発明のある態様において、流動性液滴の1以上の特徴を決定することを可能とするような方法で、流動性液滴の1以上の特徴および/または流動性液滴を含む流動性システムの部分の特徴(例えば、流動性液滴を囲む液体)を感知および/または検出できるセンサーが提供される。液滴に関して決定可能なおよび本発明において使用可能な特徴は、当業者により特定され得る。このような特徴の非限定的例は、生物学的物質(例えば、タンパク質、核酸など)のような物質の蛍光、スペクトロスコピー(例えば、光学、赤外、紫外など)、放射活性、質量、体積、密度、温度、粘性、pH、濃度などを含む。
ある場合、センサーをプロセッサーに連結してよく、これは、次に、例えば、先に記載のように、例えば、液滴の選別、液滴の電荷の付加または除去、液滴と他の液滴の融合、液滴分割、液滴内での混合誘発などにより、流動性液滴上で実施すべき操作を起こし得る。例えば、流動性液滴のセンサー測定に応答して、プロセッサーは流動性液滴を分裂させ、第二流動性液滴と融合させるなどする。
1以上のセンサーおよび/またはプロセッサーは、流動性液滴とセンシング・コミュニケーションであるように配置し得る。ここで使用する“センシング・コミュニケーション”は、センサーが、流動性システム内(例えば、チャネル内)の流動性液滴および/または流動性液滴を含む流動性システムの部分が何らかの方法で感知および/または決定され得るようにどこかに位置し得ることを意味する。例えば、センサーは、流動性液滴および/または流動性液滴を含む流動性システムの部分と、流動的に、光学的にまたは視覚的に、熱的に、空気圧に、電子工学的になどでセンシング・コミュニケーションであり得る。センサーは、流動性システムと近接して位置する、例えば、チャネルの壁内に包埋されるかまたは完全に連結して位置するかまたは、流動性液滴および/または流動性液滴を含む流動性システムの部分(例えば、チャネルまたは微小チャネル、流動性液滴含有液体など)の感知および/または決定が可能であるように、流動性システムと物理的、電気的および/または光学的に通信するならば、流動性システムと離れて位置し得る。例えば、センサーは、液滴を含むチャネルと何らかの物理的結合はしていないが、赤外、紫外または可視光のような、液滴または流動性システムに起因する電磁放射が検出可能であるように位置し得る。電磁放射は液滴により産生されてよくおよび/または流動性システムの他の位置(または流動性システムの外部)に起因してよく、流動性液滴および/または流動性液滴を含む流動性システムの部分と、例えば、吸収、反射、回折、屈折、蛍光、リン光、極性変化、相変化、時間に関する変化などにより、流動性液滴の1以上の特徴を示すような方法で相互作用する。一例として、レーザーを流動性液滴および/または流動性液滴を囲む液体に向け、流動性液滴および/または周囲液体の蛍光を決定し得る。ここで使用する“センシング・コミュニケーション”はまた直接的でも間接的でもよい。一例として、流動性液滴からの光をセンサーに向けまたはセンサーに向ける前にまず光ファイバーシステム、導波管などに向けてよい。
本発明において有用なセンサーの非限定的例は、光学または電磁ベースのシステムを含む。例えば、センサーは、蛍光センサー(例えば、レーザーにより刺激)、顕微鏡システム(これはカメラまたは他の記録デバイスを含み得る)などであり得る。他の例として、センサーは、電子工学的センサー、例えば、電場または他の電気的特徴を決定できるセンサーであり得る。例えば、センサーは、流動性液滴および/または流動性液滴を含む流動性システムの部分のキャパシタンス、インダクタンスなどを検出し得る。
ここで使用する“プロセッサー”または“マイクロプロセッサー”は、例えば、数式または電子回路もしくは計算回路の使用により、1以上のセンサーからシグナルを受け、シグナルを貯めおよび/または1以上の応答を指示する(例えば、上記のような)ことができる、あらゆる成分またはデバイスである。シグナルは、センサーにより決定される環境因子の指標であるあらゆる適当なシグナル、例えば空気圧シグナル、電子工学的シグナル、光学シグナル、機械的シグナルなどであり得る。
ある態様において、流動性液滴は、液滴上に電荷および/または電気双極子を作り、AC場、DC場などであり得る適用した電場を使用して液滴を操縦することにより指向させ得る。一例として、流動性液滴を特定の領域に指向させる必要性に応じて、電場を選択的に適用および除去し得る(または異なる電場、例えば、逆電場を適用し得る)。電場は、ある態様において、流動性液滴を含む液体の流れを実質的に変えることなく、必要に応じて選択的に適用および除去できる。例えば、液体は、実質的に定常状態原則(すなわち、流動性液滴を含む液体の平均流速は定常流もしくは時間に対する液体の流れの期待値の20%未満または15%未満の逸脱であり、ある場合、平均流速は10%未満または5%未満逸脱し得る)または本発明の流動性システムを介する(例えば、チャネルまたはマイクロチャネルを介する)所定の原則であり、液体内に含まれる流動性液滴は、流動性システムを通る液体の流れを実質的に変えることなく、例えば、電場を使用して、種々の領域に指向させ得る。
ある態様において、流動性液滴を、液滴を含む液体の流れを変えることにより、本発明の流動性システムでスクリーニングまたは選別し得る。例えば、ある態様において、流動性液滴を、流動性液滴を囲む液体を第一チャネル、第二チャネルなどに向けることにより、操縦または選別し得る。
他の態様において、流動性システム内、例えば、異なるチャネル内またはチャネルの異なる部分内の圧力を、流動性液滴の流れを指向させるために制御できる。例えば、液滴を、流れのさらなる方向のための複数の選択肢を含む、チャネル接合部に指向させることができる(例えば、任意の下流流路を規定するチャネルにおける、分枝または分岐に向ける)。1以上の任意の下流流路内の圧力を制御して、液滴を、選択的にチャネルの一つに向け、圧力の変化を、各連続的液滴の下流流路が独立して制御され得るように、連続的液滴が接合部に到達するのに必要な時間順に適用できる。一つの配置において、液体リザーバーの拡大および/または収縮を使用して、例えば、流動性液滴を含む液体の直接移動を起こすことにより、流動性液滴をチャネルに操作または選別できる。液体リザーバーは、活性化されたとき、活性化リザーバーによりもたらされる液体の移動が、液体を好ましい方向に流し、その中の流動性液滴を好ましい方向に運搬するように配置し得る。例えば、液体リザーバーの拡大は、液体のリザーバー方向への流れを起こし、液体リザーバーの収縮は、液体のリザーバーから離れる流れを起こし得る。ある場合、液体リザーバーの拡大および/または収縮を、例えば、ここに記載するような、他の流動制御デバイスおよび方法と組み合わせ得る。液体リザーバーの拡大および/または収縮を起こすことができるデバイスの非限定的例は、ピストンおよび圧電性成分を含む。ある場合、圧電性成分が、例えば、電気的シグナルに応答した比較的速い応答時間のために、特に有用であり得る。ある態様において、流動性液滴を、2を超えるチャネルに選別し得る。
記載のように、ある態様は、一般に液体中の流動性液滴を選別するシステムおよび方法に関し、ある場合、比較的高速である。例えば、液滴の特性を何らかの方法で感知および/または決定でき(例えば、ここにさらに記載するように)、次いで液滴を、例えば、選別目的で、微小流体チャネルのようなデバイスの特定の領域に向け得る。ある場合、高選別速度が、本発明のあるシステムおよび方法を使用して達成可能であり得る。例えば、ある場合少なくとも約10液滴/秒が決定および/または選別され得て、他の場合において、少なくとも約20液滴/秒、少なくとも約30液滴/秒、少なくとも約100液滴/秒、少なくとも約200液滴/秒、少なくとも約300液滴/秒、少なくとも約500液滴/秒、少なくとも約750液滴/秒、少なくとも約1,000液滴/秒、少なくとも約1,500液滴/秒、少なくとも約2,000液滴/秒、少なくとも約3,000液滴/秒、少なくとも約5,000液滴/秒、少なくとも約7,500液滴/秒、少なくとも約10,000液滴/秒、少なくとも約15,000液滴/秒、少なくとも約20,000液滴/秒、少なくとも約30,000液滴/秒、少なくとも約50,000液滴/秒、少なくとも約75,000液滴/秒、少なくとも約100,000液滴/秒、少なくとも約150,000液滴/秒、少なくとも約200,000液滴/秒、少なくとも約300,000液滴/秒、少なくとも約500,000液滴/秒、少なくとも約750,000液滴/秒、少なくとも約1,000,000液滴/秒、少なくとも約1,500,000液滴/秒、少なくとも約2,000,000以上の液滴/秒または少なくとも約3,000,000以上の液滴/秒が決定および/または選別され得る。
ある面において、比較的小さい液滴の集団を使用し得る。ある態様において、非限定的例として、液滴の平均直径は、約1mm未満、約500μm未満、約300μm未満、約200μm未満、約100μm未満、約75μm未満、約50μm未満、約30μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約15μm未満、約10μm未満、約5μm未満、約3μm未満、約2μm未満、約1μm未満、約500nm未満、約300nm未満、約100nm未満または約50nm未満であり得る。液滴の平均直径はまた少なくとも約30nm、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm、少なくとも約300nm、少なくとも約500nm、少なくとも約1μm、少なくとも約2μm、少なくとも約3μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μmまたはある場合少なくとも約20μmであり得る。液滴の集団の“平均直径”は、液滴の直径の算術平均である。
ある態様において、液滴は、特定の適用によって、実質的に同じ形および/またはサイズ(すなわち、“単分散”)でも、異なる形および/またはサイズでもよい。ある場合、液滴は、断面直径の均質分布を有し得て、すなわち、液滴は、液滴の最大約5%、最大約2%または最大約1%が、複数の液滴の全体的平均直径の約90%未満(または約95%未満または約99%未満)および/または約110%超(または約105%超または約101%超)の直径を有するような、直径の分布を有し得る。断面液滴の直径の均質分布を産生するいくつかの技術は、引用により本明細書に包含させる、2004年10月28日にWO2004/091763号として公開された、Link et al.の“流体種の形成および制御”なる表題の国際特許出願PCT/US2004/010903号(2004年4月9日出願)に記載されている。
当業者は、例えば、レーザー光散乱または他の既知技術を使用して、液滴の集団の平均直径を決定できる。このように形成された液滴は、ある場合球形でも非球形でもよい。非球形液滴の、液滴の直径は、非球形液滴と同じ体積を有する完全な数学的球形の直径としてとり得る。
ある態様において、1以上の液滴を、流体を別々に液体内の個々の液滴に入らせ得る液体により囲まれる流体上に電荷を作ることにより、チャネル内に作り得る。ある態様において、電場を、液滴形成を起こすように、流体に適用し得る。流体は、液体内の一連の個々の帯電および/または電気的誘導性液滴として存在し得る。任意の適当な技術を使用して、例えば、流体を電場(これはAC、DCなどであり得る)内に置くおよび/または流体が電荷を有するようにさせる反応を起こすことにより、電荷を、液体内の流体に作り得る。
電場は、ある態様において、電場発生装置、すなわち、流体に適用できる電場を作ることができるデバイスまたはシステムから産生される。電場発生装置は、AC場(すなわち、時間に関して周期的に変わる、例えば、正弦波、鋸歯状波、矩形波などのようなもの)、DC場(すなわち、時間に関して一定であるもの)、パルス場などを発生させ得る。適当な電場を産生する技術(これはAC、DCなどであり得る)は、当業者に知られる。例えば、ある態様において、電場は、少なくとも電場の一部がチャネルと相互作用するように、チャネルの近接に配置され得る、電極対を横切る電位の適用により産生される。電極は、銀、金、銅、炭素、白金、銅、タングステン、錫、カドミウム、ニッケル、酸化インジウム錫(“ITO”)などならびにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、あらゆる適当な電極物質または当業者に知られる物質から形成できる。
他の態様において、流体の液滴は、流体が個々の液滴を形成することを誘発できる方法で、チャネル寸法を帰ることにより、チャネル内の液体により囲まれる流体から作ることができる。例えば、チャネルは、例えば、流体がチャネル壁に接着せず、その替わり個々の液滴を形成するように、流れの方向に対して拡張するチャネルであるかまたは、例えば、流体が個々の液滴に合体するように流れの方向に対して狭まるチャネルであり得る。ある場合、チャネルの大きさを、個々の液滴の形成を生じるような方法で、時間に関して変え得る(例えば、機械的または電気機械的、空気圧など)。例えば、チャネルを、機械的に収縮(“圧搾”)して液滴形成させるかまたは、例えば、移動調節板、回転ブレードなどの使用により、流体流を機械的に崩壊させて、液滴形成させ得る。液滴を作る他の技術は、例えば流体の混合またはボルテックス処理を含む。
ある態様は、一般に液滴を2以上の液滴に分割するシステムおよび方法に関する。例えば、液滴を、適用電場を使用して分割できる。液滴は周囲液体より高い導電率を有する可能性があり、ある場合、液滴は、中性に荷電していてよい。ある態様において、適用電場において、電荷は、液滴の内部から分散すべき表面への移動を強いられて、それにより、液滴の内部で生じている電場を打ち消し得る。ある態様において、液滴表面の電荷はまた適用電場により力を受け得て、これは、逆極性を有する電荷を逆方向に移動させる。電荷移動は、ある場合、液滴を2個の別々の液滴に引き裂き得る。
本発明のある態様は、一般に2以上の液滴を1液滴に融合または凝集するためのシステムおよび方法に関し、例えば、ここで、2以上の液滴は、例えば、組成物、表面張力、液滴サイズ、界面活性剤の存在または不在などにより、通常融合または凝集不可能である。ある場合、液滴サイズに対する液滴の表面張力も、液滴の融合または合体が起こるのを阻止し得る。
非限定的例として、2液滴は、液滴の融合または合体が逆電荷により生じるように、2液滴の電気的相互作用を増強できる、逆電荷(すなわち、必ずしも同じ強度ではない、正電荷と負電荷)を与えられ得る。例えば、電場を液滴に適用し得る、液滴をコンデンサーに通過させ得る、化学反応が液滴を帯電させ得るなど。液滴、ある場合、界面活性剤を液滴の表面張力を低下させるために適用しても、融合不可能であり得る。しかしながら、液滴が逆電荷で電気的に帯電させたら(これは、同じ強度であってもよいが、必ずしもではない)、液滴は融合または合体可能となり得る。他の例として、液滴は必ずしも逆電荷を与えられず(そして、ある場合、電荷を与えられ得ない)、液滴の凝集を起こす液滴に誘発された双極子の使用により融合させる。また、凝集できる2以上の液滴は、必ずしも“面と向かう”必要はない。少なくとも液滴のいくぶんかの融合が最初に起こるかぎり、あらゆる接触角が十分である。また、例えば、引用によりその全体を本明細書に包含させる、2007年8月23日に米国特許公開2007/0195127号として公開された、Ahn, et al.の“流動性液滴合体”なる名称の米国特許出願11/698,298号(2007年1月24日出願)参照。
ある態様において、流体を液滴に注入し得る。流体を、ある場合、例えば、マイクロニードルまたは他のそのようなデバイスを使用して、液滴にマイクロインジェクションし得る。他の場合において、流体を、液滴が流動性チャネルと接触するようになる流動性チャネルを使用して、液滴に直接注入し得る。流体注入の他の技術は、例えば、各々引用によりその全体を本明細書に包含させる、2010年12月29日にWO2010/151776号として公開されたWeitz, et al.の“流体注入”なる名称の国際特許出願PCT/US2010/040006号(2010年6月25日出願);または2010年7月15日にWO2010/080134号として公開された、Weitz, et al.の“粒子支援核酸配列決定”なる名称の国際特許出願PCT/US2009/006649号(2009年12月18日出願)に記載されている。
本発明のある面によって、多様な物質および方法を使用して、ここに記載のような物品または成分、例えば微小流体チャネルのようなチャネル、チャンバーなどを形成できる。例えば、種々の物品または成分は、チャネルが微細加工、スピンコーティングおよび化学蒸着のようなフィルム沈着、レーザー製作、フォトリソグラフィ技術、湿式化学またはプラズマプロセスを含むエッチング法などにより形成できる、固形物であり得る。例えば、Scientific American, 248:44-55, 1983 (Angell, et al)参照。
ある態様において、ここに記載する物品の種々の構造または成分は、ポリマー、例えば、ポリジメチルシロキサン(“PDMS”)、ポリテトラフルオロエチレン(“PTFE”またはテフロン(登録商標))などのようなエラストマーポリマー製であり得る。例えば、ある態様によって、微小流体チャネルを、PDMSまたは他のソフトリソグラフィー技術(この態様に適するソフトリソグラフィー技術の詳細は、Annual Review of 物質 Science, 1998, Vol. 28, pages 153-184に発表されたYounan Xia and George M. Whitesidesの“ソフトリソグラフィー”およびAnnual Review of Biomedical Engineering, 2001, Vol. 3, pages 335-373に発表されたGeorge M. Whitesides, Emanuele Ostuni, Shuichi Takayama, Xingyu Jiang and Donald E. Ingberの“生物学および生化学におけるソフトリソグラフィー”なる表題の文献に記載されている;これらの引用文献の各々を引用により本明細書に包含させる)を使用して別々んい流動性システムを製作することにより実行し得る。
適する可能性のあるポリマーの他の例は、ポリエチレンテレブタレート(PET)、ポリアクリル酸、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリマー、ポリジメチルシロキサンのようなシリコーン、ポリ塩化ビニリデン、ビス−ベンゾシクロブテン(“BCB”)、ポリイミド、ポリイミドのフッ化誘導体などを含むが、これらに限定されない。上記のものを含むポリマーが関与する組み合わせ、コポリマーまたはブレンドも考慮される。デバイスはまた複合体物質、例えば、ポリマーと半導体物質の複合体も形成され得る。
ある態様において、物品の種々の構造または成分は、高分子および/または可撓性および/またはエラストマー物質から製作され、好都合には硬化可能流体の形であってよく、成型(例えばレプリカ成型、射出成型、注加成型など)による製作を容易にする。硬化可能流体は、本質的に固化を誘導または自発的に固化して、流動性ネットワーク内でのまたは該ネットワークと共に使用が意図される流体と接触および/または輸送ができる固体となり得るあらゆる流体であり得る。ある態様において、硬化可能流体は、高分子液体または液体高分子前駆体(すなわち“プレポリマー”)を含む。適当な高分子液体は、例えば、融点より高く加熱された、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、蝋、金属またはこれらの混合物または複合体を含み得る。他の例として、適当な高分子液体は、適当な溶媒中の1以上のポリマーの溶液を含んでよく、この溶液は、例えば、蒸発による溶媒除去により固体高分子物質を形成する。例えば、融解状態からまたは溶媒蒸発により固化できる、このような高分子物質は当業者に周知である。大部分がエラストマーである多様な高分子物質が適当であり、また型マスターの一方または両方がエラストマー物質からなる態様において、型または型マスターの形成に適する。このようなポリマーの例の非限定的一覧は、一般的クラスのシリコーンポリマー、エポキシポリマーおよびアクリル酸ポリマーのポリマーを含む。エポキシポリマーは、エポキシ基、1,2−エポキシドまたはオキシランと一般に呼ばれる3員環エーテル基の存在により特徴付けられる。例えば、芳香族アミン、トリアジンおよびシクロ脂肪族骨格に基づく化合物に加えて、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルを使用できる。他の例は、周知のNovolacポリマーを含む。本発明により適するシリコーンエラストマーの非限定的例は、メチルクロロシラン、エチルクロロシラン、フェニルクロロシラン、ドデシルトリクロロシランなどのようなクロロシランを含む前駆体から形成されたものを含む。
シリコーンポリマー、ある態様において、例えば、シリコーンエラストマーポリジメチルシロキサンを使用する。PDMSポリマーの非限定的例は、Dow Chemical Co., Midland, MIから商品名Sylgardで販売されているもの、特にSylgard 182、Sylgard 184およびSylgard 186を含む。PDMSを含むシリコーンポリマーは、本発明の種々の構造の製作を単純化するいくつかの有益な特性を有する。例えば、このような物質は安価であり、容易に入手可能であり、加熱による硬化によりプレポリマー液体から固化できる。例えば、PDMSは、一般に例えば、約65℃〜約75℃の温度に、例えば、約1時間の暴露時間、プレポリマー液体を曝すことにより硬化可能である。また、PDMSのようなシリコーンポリマーはエラストマーであり得て、それゆえに、本発明のある態様において必要な比較的高い縦横比を有する極めて小さい形の形成に有用であり得る。可撓性(例えば、エラストマー)型またはマスターは、この点で有益であり得る。
PDMSのようなシリコーンポリマーから微小流体構造またはチャネルのような構造を形成する一つの利点は、このようなポリマーが、例えば空気プラズマのような酸素含有プラズマへの暴露により、酸化される能力であり、したがって、酸化構造は、その表面に、他の酸化シリコーンポリマー表面または多様な他の高分子および非高分子物質の酸化表面と架橋できる化学基を含むことである。従って、構造が製作でき、その後酸化され、別の接着剤または他の密封手段を必要とすることなく、他のシリコーンポリマー表面または酸化シリコーンポリマー表面と反応性の他の基質の表面に、本質的に不可逆的に密封される。ほとんどの場合、密封は、単に酸化シリコーン表面を他の表面に接触させることにより、シールを形成するのに補助圧を適用する必要なく、完了できる。すなわち、前以て酸化されたシリコーン表面は、適当な接合表面に対してコンタクト接着剤として作用する。具体的に、それ自体に不可逆的に密閉されるだけでなく、酸化PDMSのような酸化シリコーンはまたPDMS表面と同様の方法で酸化されている(例えば、酸素含有プラズマへの暴露により)、例えば、ガラス、シリコン、酸化シリコン、石英、窒化シリコン、ポリエチレン、ポリスチレン、ガラス状炭素およびエポキシポリマーを含む、一定範囲の他の酸化物質にも不可逆的に密閉され得る。本発明において有用な酸化および密封方法ならびに成型技術全体は、文献、例えば、引用により本明細書に包含させる、表題“Rapid Prototyping of Microfluidic Systems and Polydimethylsiloxane,” Anal. Chem., 70:474-480, 1998 (Duffy et al.)に記載されている。
従って、ある態様において、物品の設計および/または製作は、例えば、比較的よく知られたソフトリソグラフィーおよびここに記載のような他の技術の使用により比較的単純であり得る。さらに、ある態様において、物品の迅速および/またはカスタマイズ設計が、例えば、幾何学的条件によっては可能である。ある態様において、物品は、例えば、物品を放射性、毒性、有毒、反応性、バイオハザード等の物質と使用するおよび/または物質のプロファイル(例えば、毒性プロファイル、放射性プロファイルなど)が未知である態様では、使い捨て可能に製造できる。酸化シリコーンポリマーからチャネルまたは他の構造(または内部、流体接触表面)を形成する他の利点は、これらの表面が、典型的エラストマーポリマーの表面よりはるかに親水性となり得ることである(親水性内部表面が望まれるならば)。このような親水性チャネル表面は、一般に、非酸化エラストマーポリマーまたは他の疎水性物質を含む構造で可能であるよりも、はるかに容易に水溶液で充填および湿潤され得る。
次の文献は、その全体を、全ての目的のために引用により本明細書に包含させる:Weitz, et al.の“液滴タグ付けおよび増幅のための方法およびシステム”なる表題の米国特許出願61/980,541号;Bernstein, et al.の“液滴タグ付けのためのシステムおよび方法”なる表題の米国特許出願61/981,123号;Link et al.の“流体種の形成および制御”なる表題の国際特許出願公開WO2004/091763号;Stone et al.の“流体分散のための方法および装置”なる表題の国際特許出願公開WO2004/002627号;Weitz et al.の“複数のエマルジョン形成のための方法および装置”なる表題の国際特許出願公開WO2006/096571号;Link et al.の“流体種の電子制御”なる表題の国際特許出願公開WO2005/021151号;Weitz, et al.の“液滴製造技術”なる表題の国際特許出願公開WO2011/056546号;Weitz, et al.の“液滴および関連種のライブラリー製造”なる表題の国際特許出願公開WO2010/033200号;Weitz, et al.の“流体注入”なる表題の米国特許出願公開2012−0132288号;Agresti, et al.の“液滴を含むアッセイおよび他の反応”なる表題の国際特許出願公開WO2008/109176号;およびWeitz, et al.の“流体注入”なる表題の国際特許出願公開WO2010/151776号。
また、引用により本明細書に包含させるのは、2014年4月21日出願の米国仮出願61/982,001号;2014年10月17日出願の米国仮出願62/065,348号;2014年10月20日出願の米国仮出願62/066,188;および2014年10月30日出願の米国仮出願62/072,944号である。
さらに、次のものを引用によりその全体を本明細書に包含させる:2014年4月17日出願の米国特許出願61/981,123号;“液滴タグ付けのためのシステムおよび方法”なる表題の2015年4月17日出願のPCT出願;2014年4月17日出願の米国特許出願61/981,108号;“液滴タグ付けおよび増幅のための方法およびシステム”なる表題の2015年4月17日出願のPCT出願;“遺伝子解析および他の適用のための固定化ベースのシステムおよび方法”なる表題の2015年4月17日出願の米国特許出願;“遺伝子配列決定および他の適用のためのバーコーディングシステムおよび方法”なる表題の2015年4月17日出願の米国特許出願;および2014年10月30日出願の米国特許出願62/072,944号。
次の実施例は本発明のある態様を説明することを意図するが、本発明の完全な範囲を例示していない。
実施例1
この実施例は、各々1〜100μM濃度でDNAフラグメント(プライマー)を運搬するヒドロゲルまたはポリマー微小球体を使用する。これらのプライマーは、化学物質または光により微小球体から開裂でき、各DNAフラグメントは、(a)同じバーコードが各微小球体上の全核酸フラグメントに付されており、少なくとも10,000のバーコード(一般に100,000を超えるバーコード)のプールから無作為に選択されたバーコード配列;および(b)DNAまたはRNAのハイブリダイゼーションおよび捕獲に使用する1以上のプライマー配列;(c)所望により、さらなるDNA配列、例えば各分子をバーコーディングするランダムヌクレオチド配列またはバーコード化産物の増幅もしくは捕獲に使用する配列をコードする。これらの微小球体の合成を、下にさらに詳述する。
液滴製造のこの実施例において、ソフトリソグラフィーにより製造された微小流体デバイスを使用する。その概略図を図2に示すが、乳化は、例えば、キャピラリーまたは管のような他のツールを使用しても実施できる。他の微小流体配置も使用できる。この微小流体デバイスを使用して、約4nL体積の液滴を製造したが(図3および4)、液滴サイズは、酵素的バーコーディング反応の条件に基づき容易に調節できた。
この実施例で使用した微小流体デバイスは、液滴担体油用の一つの入口および液滴水相の成分用のさらなる入口を有する(図14)。担体油について、約0.75%(v/v)界面活性剤(2ペルフルオロポリエーテルブロック(PFPE)および1ポリ(エチレン)グリコール(PEG)ブロック含有PFPE−PEG−PFPEトリブロックコポリマー)を含むフッ化油(例えばHFE−7500)を使用した。界面活性剤を使用して液滴の合体を阻止し、量を、例えば、その物理化学的特性により調節し得る。乳化に使用する担体油は、フッ素化液状物に限定されず、炭化水素(例えば鉱油、ヘキサンなど)、シリコーンオイルおよび他のタイプの油状物に基づく流体の流体も首尾よく用いることができた。この実施例で使用した3つの導入口は、次の成分を送達した:(1)解離細胞の懸濁液;(2)細胞溶解剤;(3)バーコード化プライマー運搬ヒドロゲルまたはポリマー微小球体の懸濁液;および(4)捕獲DNAまたはRNAに相補的なバーコード化DNAを酵素的に産生するために使用する反応混合物。これらの成分のいくつか、ある場合、例えば(2)および(4)を予め組み合わせることが可能である。
この実施例において、細胞懸濁液を次の考察に基づき製造した。細胞が粘着性であるかまたは組織由来であるならば、細胞をまず解離し、所望により濾過または遠心分離して、2以上の細胞からなる細胞塊を除去する。細胞懸濁緩衝液(一般にPBS)の質量密度を注入中の細胞沈殿を最小化するように、例えば約16%(v/v)でOptiprepの添加により、調節した。細胞数密度(細胞/単位体積)を、2以上の細胞が同じ液滴に捕獲されるようになる事象を最小化するように調節し得る。正確な数密度の精密計算は、例えば、耐容可能な多細胞事象頻度のような因子、液滴体積および細胞懸濁液による相対的液滴体積に依存する。例えば、4nL液滴で50%が細胞懸濁液による液滴体積であるならば、50細胞/μlの数密度を使用して、0.1細胞/液滴の平均占有率をもたらすことができ、細胞含有液滴約の5%が1個を超える細胞を有するようになる。必要であれば、小型磁気撹拌子を細胞シリンジに入れて、細胞懸濁液の連続的または間欠的混合を可能にする。微小流体デバイスへの注入中、細胞を、氷嚢または他の適当な冷却技術を使用して、冷却状態に維持し得る。
酵素反応混合物および/または溶解剤を、この実施例で、細胞懸濁液および微小球体と混合後のそれらの最終濃度が、細胞溶解および酵素反応(例えば逆転写反応)の実施に適するように調製した。
ヒドロゲル微小球体を使用するなら、その球体が、その液滴への送達が秩序立てられ(ordered)、同期化されるように詰め込まれ(濃縮され)、液滴の大部分が正確に1微小球体を取り込むことを確実にする。硬性ポリマー微小球体を使用するなら、これらは、例えば、流れを使用して秩序立てることができる。ある場合には、目的は、単一微小球体を有する液滴の数が、比較的高く、0または2微小球体を有する液滴の数が稀であるかまたは無視できることを確実にすることである。
細胞および微小球体、例えば、液滴あたり1細胞および1DNAバーコード化微小球体の共封入事象をさらに高めるために、細胞を、封入前に秩序立て得る。
一つの非限定的例として、細胞懸濁液、溶解/反応混合物および濃縮ヒドロゲル微小球体懸濁液についてそれぞれ100μl/時間、100μl/時間および10〜15μl/時間の流速で水相をデバイスに送達する。例えば、細胞懸濁液の数密度を、5,000細胞が乳化1時間以内にバーコーディングのために捕獲されるように、50,000/mLに調製し得る。しかしながら、全ての相の流速を、特定の適用によって、独立して1〜10,000μl/時間に調節できる。
封入工程後(または中)、細胞を溶解してよく、微小球体表面に結合したDNAフラグメントを、例えば、光、化学物質、酵素または他の技術を使用して、液滴内部に遊離させ得る。
遊離DNAフラグメントを、細胞コード化核酸増幅のプライマーとして使用し得る。例えば、細胞からのmRNAを、逆転写を使用してcDNAに変換でき、または他の例においては、細胞タンパク質をコードする遺伝子をDNAポリメラーゼを使用して合成できる。
合成核酸(DNAまたはRNA)を混合物内に遊離させるために、液滴を、ある場合、例えば、化学的または物理的技術により破壊し得る。遊離DNAを収集でき、必要であれば、増幅するかまたはさらに処理し得る。分析すべき細胞の数を、例えば、液滴破壊前にまず液滴エマルジョンのフラクションを新規反応管に移すことにより調節できる(図5)。例えば、5,000細胞を含む200μlの液滴エマルジョンを収集後、エマルジョンを、各々約1,000細胞を含む、まず40μlの5試験管に分けることができる。望ましいならばこれらのサンプルを別々に処理できる。さらに、他の態様において、他の調節を実施してよい。
バーコードおよび捕獲核酸を含む核酸の塩基組成を、DNA配列決定または他の技術により決定できる(図6)。
診断テストを、例えば、定量的実時間PCR(qPCR)を使用して実施し、液滴中の捕獲DNAまたはRNAバーコード化の存在量と、酵素反応をプールされたバルク反応における液滴の外のような制御条件下で実施したときまたは等しい細胞数からの精製DNAまたはRNAを使用したときに達成される存在量と比較できる。qPCRは、2プライマーを利用し、一方は微小球体により送達されるバーコード化DNAフラグメントの末端とハイブリダイズし、他方は、捕獲する標的DNAまたはRNA配列にハイブリダイズする。
上記を、非限定的例として、ゲノム、一塩基多型、特異的遺伝子発現レベル、非コードRNA、全トランスクリプトーム、遺伝子全体またはそれらのセクションなどの分析に使用できる。
図2は、本発明の態様の一例による、微小流体デバイスの概略図および操作を示す。他の微小流体デバイス設計も、例えば、ここに記載するように、可能である。図2Aは、システムの操作を示す概略図を示す。細胞、バーコード化微小球体(バーコード化ビーズ)および試薬を、微小流体デバイスを使用して液滴に封入する。図2Bは、3つの導入口と一つの排出口を有するデバイスを示す。入口は、i)細胞、ii)DNAバーコード化微小球体、iii)生物学的および/または化学的試薬およびiv)担体油の導入に使用する。ゲル、細胞および試薬を、導入口I、II、IIIのいずれかからデバイスに導入できる。封入が流れ集約接合部で起こり、封入されたサンプルがその後排出口で収集される。各導入口の流速を、細胞およびDNAバーコード化微小球体共封入の最適条件のために調節できる。図3は、共封入された細胞およびDNAバーコード化微小球体のデジタル画像を示す。上矢印は細胞を示し、下矢印は微小球体を示す。第一フレームからの時間を示す。図4は、微小球体および細胞共封入を示すデバイス排出口の例を示す。図5は、本発明の態様により産生した、バーコード化サンプルの数対エマルジョン体積および封入(収集)時間を示す。図6は、本発明のある態様における、大部分は均一なバーコーディングを示す、豊富なバーコードあたりの配列読取データの分布を示す。
実施例2
この実施例は、微小球体に結合したバーコード化核酸を製造する、ある技術を記載する。まず、DNAプライマー(P1)をヒドロゲルに取り込み、微小球体を合成する(図7)。微小球体または種々のタイプのヒドロゲル粒子を製造する、いくつかの技術を使用し得る。この実施例に記載する微小球体はポリアクリルアミド(pAc)ヒドロゲルを利用するが、別のヒドロゲル物質(例えばアガロース、ポリN−イソプロピルアクリルアミド(pNIPAM)およびその他)も使用できる。
ある態様において、アクリルアミド(Ac)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(ビス−Ac)およびアクリル系ホスホラミダイト修飾DNA(Ac−DNA)および/または過硫酸アンモニウム(APS)を含む水溶液を、個々の成分を混合することにより製造する。
ヒドロゲルメッシュの孔経およびその後の適用に必要なプライマーの濃度に基づき、Acおよびビス−Ac成分の量ならびにAc−DNA濃度を、適宜調節できる。例えば、一例において、ヒドロゲル微小球体製造のために、約0.0258%アクリルアミド、約0.036%(v/v)N,N’−メチレンビスアクリルアミド、1〜50μM Ac−DNAおよび約0.2%APSの混合物を、0.1〜0.6%(v/v)重合誘発剤(TEMEDと呼ばれるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)含有担体油により乳化する。担体油として、約1.5%(v/v)界面活性剤(2ペルフルオロポリエーテルブロック(PFPE)および1ポリ(エチレン)グリコール(PEG)ブロックを含むPFPE−PEG−PFPEトリブロックコポリマー)を含むフッ化油(例えばHFE−7500)を使用できる。例えば、液滴の合体を阻止するために、界面活性剤を使用し得る。ある態様において、その量をその物理化学的特性により調節しなければならない。乳化に使用する担体油はフッ化液体に限定されず、炭化水素に基づく別の流体(例えば鉱油、シリコーン油、ヘキサンなど)を、他の態様において使用できる。
液滴製造のこの実施例において、ソフトリソグラフィーにより製造した微小流体デバイスを使用した。その概略図を図8に示すが、乳化は、例えば、キャピラリーまたは管のような他のツールを使用しても実施できる。さらに、異なる概略図を有する微小流体デバイスも使用できる。
この微小流体デバイスを使用して、直径約62μmの液滴を製造したが(図9)、液滴サイズは、他の適用における要求に基づき調節できる。
この実施例において、液滴をチューブに収集し、次いで約65℃で>2時間インキュベートして、ポリアクリルアミドの重合を誘発した。重合に必要なインキュベージョン時間および温度は、適宜変わり得る。液滴の重合はまた光または種々の化学的手段によっても誘導できる。
重合化後、エマルジョンを、化学物質(例えばペルフルオロオクタノール)または物理的技術(例えば電場)のような技術により破壊でき、これは、エマルジョン(例えば、微小球体)の内容物のバルク溶液への遊離を引き起こし得る。遊離した微小球体を、次いでヘキサンおよび水性緩衝液に洗い入れた。典型的な例示法において、微小球体を、1%(v/v)Span 80含有ヘキサン、次いで水性緩衝液(例えば10mM Tris−HCl(pH7.0)、10mM EDTAおよび0.1%(v/v)Tween−20)で3回処理し、次いで望ましい組成の緩衝液(例えば10mM Tris−HCl(pH7.0)、0.1mM EDTAおよび0.1%(v/v)Tween−20)に懸濁した。微小球体の最終体積は合成中に見られたのと異なるかもしれず、ヒドロゲル懸濁緩衝液の条件により変わる。
微小球体を、長期間、例えば、4℃で、10mM EDTA含有溶液または−20℃で5mM EDTAおよび50%グリセロール含有溶液で保存できた。
微小球体内またはその表面上への核酸またはプライマーの取り込みは、例えば、プライマーに存在する官能基および/または微小球体が形成された物質による。非限定的例として、5’末端にアクリル系ホスホラミダイトを含む核酸は、重合工程中、ある微小球体のポリアクリルアミドメッシュに取り込まれ得る。他の例として、acrydite修飾オリゴヌクレオチドはチオール基と共有結合的に反応でき、そうして、チオール基を有する微小球体はacrydite修飾オリゴヌクレオチドに結合できる。他の例においては、アミノ基を有するオリゴヌクレオチドは、ある微小球体のカルボキシ基と共有結合的に反応できる。さらに他の例において、ビオチン基を有するオリゴヌクレオチドは、ストレプトアビジン被覆微小球体に結合できる。さらに他の例において、粒子は、タグに存在するあるオリゴヌクレオチド配列を認識できる抗体または抗体フラグメントを含み得る。[主文に移動]それゆえ、微小球体内/上への核酸の異なるタイプの取り込みが可能である。
ある態様において、標的核酸(例えばRNAまたはDNA)の捕獲、増幅(例えばT7プロモーター配列またはPCRプライマーのハイブリダイゼーション部位運搬)および/または配列決定のための配列を含むプライマーP1を使用し得る。他の態様において、P1プライマーは光開裂可能部位を有する。
ある態様において、P1プライマーの構造(5’から3’方向)は、次のものである。アクリル系ホスホラミダイト−光開裂可能スペーサー−T7プロモーターのヌクレオチド配列−配列決定用ヌクレオチド配列(PE1)。
他の態様において、DNAプライマーの第一プールからのDNAプライマーNの構造(5’から3’方向)は、次のものである。アダプター配列(P2)−バーコード配列−PE1に相補的なヌクレオチド配列。
他の態様において、DNAプライマーの第二プールからのDNAプライマーNの構造(5’から3’方向)は、次のものである。目的の配列(P3)−バーコード配列−P2に相補的なヌクレオチド配列。
ある場合、P1プライマーを運搬する微小球体を、Nプールに等しく分けてよく、各プールを、Nの異なるDNA鋳型の一つとハイブリダイズでき、これは(3’末端から5’末端で連続的に):DNAP1プライマーとの二本鎖形成を可能とするP1プライマーの一部または全てに相補的なDNA配列;同じプールの全分子について同一である6超の規定したヌクレオチドからなるNの一意的な核酸バーコードの一つ;所望により、同じプールの分子間で異なる5超のランダムヌクレオチドからなるランダム核酸配列;およびその後のバーコーディングのためのハイブリダイゼーション部位として使用できるDNA配列(P2)を有する。P2配列は、後の工程における配列決定反応をプライミングするために使用する配列を含み得る。
プールの各々で、各プールにおける鋳型DNAフラグメントのコピーによりP1核酸フラグメントの伸長に至る酵素反応を行ってよい。ある場合、例えば、重合反応の代わりに、ライゲーション反応を使用できる。
酵素反応を、EDTA、バナジウムのような阻害剤の添加または他の手段により停止させ得る。
微小球体を、一緒にプールしてよく、所望により酵素もしくは何らかの過剰な鋳型分子を除去するために洗浄してよい。
微小球体上のDNAフラグメントを、例えば、変性による鋳型分子の除去により、例えば0.1M 水酸化ナトリウムで微小球体を反復洗浄することによりまたは他の技術により、一本鎖DNAに変換し得る。
今はP2配列で終了する微小球体を、Nプール(一般にN=Nであるが、これは必須ではない)に等しく分けてよく、各プールを、Nの異なるDNA鋳型の一つとハイブリダイズでき(工程(2)のように)、これは(3’末端から5’末端で連続的に):DNAP2プライマーとの二本鎖形成を可能とするP2プライマーの一部または全てに相補的なDNA配列;同じプールの全分子について同一である6超の規定したヌクレオチドからなるNの一意的な核酸バーコードの一つ;同じプールの分子間で異なる5超のランダムヌクレオチドからなるランダム核酸配列;および、例えば、その後の伸長のためのハイブリダイゼーション部位としてまたは単一細胞分析操作(例えばDNAまたはRNA分子の捕獲)に使用するプライマー配列として使用し得るDNA配列部位(P3)。
ある態様において、これらの工程のいくつかを繰り返してよい。
ある場合、プライマーP1、続く第一バーコード、続く配列P2、続く第二バーコード、続く配列P3をコードする一本鎖DNAフラグメントを運搬する微小球体を製造し得る。一意的な微小球体プールの数はN≠Nである(図10および11も参照)。
ある場合、製造した微小球体を長期間貯蔵し、その後の適用における試薬として使用できる。
必要であれば、N3,4...バーコード鋳型の付加的プールを用いてさらに繰り返し、各々バーコードおよび配列P4、P5などを添加する。一意的な微小球体プールの数は、各工程でN≠N≠N≠...に増加し得る。
所望により、微小球体の全てを、(3’末端から5’末端で連続的に):DNAP3(またはP4、P5など)プライマーと二本鎖の形成を可能にする最終P3(またはP4、P5など)プライマーの一部または全てに相補的なDNA配列および単一細胞分析操作(例えば特異的DNAまたはRNA分子の捕獲)のための特異的プライマー配列として使用し得るM配列S...Sの一つを有するM DNA鋳型の混合物と一緒にハイブリダイズできる。これらの工程を繰り返してよい。これは、各々、上記配列であるが、現在、最終のMの可能な配列S...S以外同一であるM種の分子に属するDNAフラグメントを運搬する、同じ数のN≠N≠N≠...プールの微小球体を産生し得る。
ある場合、これは、ssDNAフラグメントで被覆された微小球体の産生に至り、この各々は、次の順番でコードする(5’から3’で):例えば、核酸増幅および配列決定のために、しかし、これに限定されない用途の部位として使用できるT7プロモーター部位およびプライマー部位PE1を含む、P1プライマー;単一ビーズをコートする全プライマーについて同一であるが、ビーズ間で異なる2以上のDNAバーコード(各6以上のヌクレオチドからなる);所望により、分子特異的DNAバーコード(5以上のランダムヌクレオチドからなる);逆転写またはPCR増幅のために単一細胞におけるDNAまたはRNAの配列決定または/およびハイブリダイゼーションのためのプライマーとして使用できるP2“プライマー部位2”;逆転写またはPCR増幅のために単一細胞におけるDNAまたはRNAの配列決定または/およびハイブリダイゼーションに使用できるP3“プライマー部位3”。一つのP3フラグメントはまた複数の遺伝子特異的プライマー(GSP)の一つをコードでき、そうして複数のssDNAフラグメントで被覆された各ビーズはGSPの全てを含む。
バーコード化DNAプライマーを運搬する微小球体を、例えば、単一細胞におけるDNAまたはRNAの配列決定または/およびハイブリダイゼーション、逆転写またはPCR増幅およびDNA捕獲、増幅および配列決定を含む他の適用のための試薬として使用できる。
図7は、バーコード配列およびプライマー部位PE1およびP2を運搬する一本鎖DNA(ssDNA)プライマーのプールとハイブリダイズするPE1プライマーを運搬する微小球体を記載する。この実施例において、プライマーを、次にDNAポリメラーゼを使用して伸長する。次いで、伸長プライマーをssDNAに変換する(例えば温度上昇またはアルカリ溶液を使用)。得られたssDNAプライマーを、次いで、第二バーコード配列およびプライマー部位P2およびP3を運搬するプライマーの第二プールとハイブリダイズさせる。プライマー伸長およびssDNAへの変換後、微小球体を、異なる適用、例えば、サンプル中の核酸捕獲および配列決定を目的とした適用に使用できる。
図8は、本発明のある態様による、DNA運搬微小球体の製造に使用する微小流体デバイスの概略図および設計を記載する。この実施例におけるデバイスは、担体油用の一つの入口および試薬用の一つの入口を含む。液滴を、2相が合う流れ集約接合部で産生する。液滴を収集物出口で収集する。
図9Aおよび9Bは、本発明のある態様により製造した、DNA運搬微小球体の明視野画像である。この実施例において、微小球体は、ポリアクリルアミドヒドロゲルおよびポリマーメッシュに結合したDNAプライマーからなる。スケールバーは50μmである。
図10は、他の態様における、バーコード化DNAプライマーを運搬する微小球体のDNA伸長効率を記載する。図10Aは、FAM蛍光プローブを有するPE1部位とハイブリダイズしたDNAを有する微小球体を示し、図10Bは、FAM蛍光プローブを有するP2部位とハイブリダイズしたDNAを有する微小球体を示す。図10Cは、蛍光プローブを有するP3部位とハイブリダイズしたDNAを有する微小球体を示す。これらの結果は、DNA伸長がヒドロゲル微小球体内で起こり得ることを示す。
図11は、さらに別の態様における、11の個々の微小球体からのDNAフラグメントのハイスループット配列決定を記載する。平均140,000分子を、各微小球体から配列決定した。プロットは、これらの(“プライマー”)フラクションが、384の可能なバーコードから、各微小球体上に同じバーコードを運搬することを示す。バーコードの同一性は、微小球体の各々で異なる。各千は1微小球体に対応する。理想的な条件下、各微小球体上の100%のDNAフラグメントが同じバーコードを運搬し、0%が第二、第三または他のバーコードを運搬する。このサンプルで達成された平均は、92%のDNAフラグメントが同じバーコードを運搬する。
実施例3
この実施例は上記のように合成したDNAバーコード化微小球体を使用し、次の配列要素(5’から3’)を有する次の一本鎖DNAフラグメントを運搬する微小球体を得た。例えば、核酸増幅および配列決定のために、しかし、これに限定されない用途の部位として使用できるT7プロモーター部位およびプライマー部位PE1を含む、P1プライマー;単一ビーズをコートする全プライマーについて同一であるが、ビーズ間で異なる2以上のDNAバーコード(各6以上のヌクレオチドからなる);所望により、分子特異的DNAバーコード(5以上のランダムヌクレオチドからなる);逆転写またはPCR増幅のために単一細胞におけるDNAまたはRNAの配列決定または/およびハイブリダイゼーションのためのプライマーとして使用できるP2“プライマー部位2”;逆転写またはPCR増幅のための単一細胞におけるDNAまたはRNAの配列決定または/およびハイブリダイゼーションのためのプライマーとして使用するP3“プライマー部位3”。
この実施例において、DNAバーコード化微小球体合成後、微小球体をプールし、次いで(3’末端から5’末端で連続的に):DNAP3プライマーと二本鎖の形成を可能にする最終P3プライマーの一部または全てに相補的なDNA配列および特異的DNAまたはRNA分子の捕獲のような単一細胞分析操作のための特異的プライマー配列として使用するS...Sの一つを有するM DNA鋳型の単一混合物とハイブリダイズする。これらの工程を繰り返し、各々、1に特定した配列を運搬するが、現在、最終のMの可能な配列S...S以外同一であるM種の分子に属するDNAフラグメントを運搬する、同じ数の微小球体のN×Nプールを生じ得る。
ある場合、DNA微小球体を、他の方法に従って合成してよく、上記と同じ配列を有する微小球体を得る。
実施例4
この実施例は、溶解細胞からのmRNAの相補的DNAへの逆転写(RT)が、3nL/細胞より少ない反応体積で強く阻害されるようになることを示し、具体的に反応収率Yは、液滴体積Vの一次阻害に従い、すなわちY=1/(1+K50/V)であり、ここで、K50=1〜3.3nLが、試験した少なくとも3つの異なる培養株(MCF7、K562およびTHP−1細胞)で50%阻害が生じる体積である。比較として、液滴微小フルイディクスでの現在の研究のほとんどが、10〜100pL体積の体積で液滴に細胞を封入することに焦点を絞っている。そのような体積で、逆転写反応はひどく阻害される。
図6は、本発明のある態様による、最適液滴体積のバルク試験を記載する。
この実施例において、微小流体体積における単一細胞上の反応有効性の試験を、単一液滴内の条件を模倣するように調節し得る5μl以上の反応混合物を含む反応ウェルにおいて液滴条件を模倣することにより、実施できる。
サイズVの微小流体体積を模倣するために、インタクトな細胞を、バルク反応に1細胞/体積Vの最終濃度で添加する。従って、4nL液滴内の単一細胞は、250細胞/μlの濃度の細胞溶解物を用いる反応の実施に対応する。
さらに、サイズVの微小流体体積を模倣するために、各々μMの試薬を運搬する微小球体の使用によるような、液滴に直接投与されるあらゆる試薬について、試薬を、バルク反応に体積VあたりμMの最終濃度で添加する。例えば、1fMのDNAフラグメントを、4nL液滴内に微小球体に送達するならば、同じDNAフラグメントを、0.42μM濃度でバルク反応に添加する。
バルク反応は、最適反応条件を特定するために、12ウェル、96ウェルまたは384ウェル形式で並行して実施できる。
このような診断テストは、バーコーディングのための液滴サイズおよび組成の最適化のための迅速方法を提供し得る。例えば、試験した3細胞株で、液滴が3nL体積より少ないとき、バーコーディング反応の強い阻害が観察された。図12参照。
実施例5
健常および疾患組織の遺伝子発現を解釈するために、全細胞で遺伝子発現変化をマップすることが生物学者の夢である。このようなデータで、不均一細胞亜集団を特定および追跡し、遺伝子と経路の制御的相関を推測したいと願う。RNA配列決定のような“オーミクス”法が、単一細胞の分析に利用されているが、律速的であるのは、徹底的RNA配列決定のための多数の個々の細胞を日常的に単離および処理する有効な方法および定量的にそれを行う方法である。この実施例は、その後の次世代配列決定によるプロファイリングのための数千の個々の細胞の並行バーコーディングのための液滴−微小流体法である。これは、低ノイズプロファイルを示し、他の配列決定ベースのアッセイに用意に応用できる。これらの例は、ES細胞集団構造およびLIF中止によるES細胞分化の不均一発生を規定するためのマウス胚性幹(ES)細胞にこの技術を適用する。これらの結果は、ハイスループット単一細胞データで細胞集団分解および遺伝子発現相関推測するための液滴バーコーディングの適用を示す。
これらの実施例は、その後の次世代配列決定によるプロファイリングのための数千の個々の細胞の並行バーコーディングの新規技術を開発するために液滴微小フルイディクスを利用する(液滴−Seq)。これらの実施例で使用される実装は、数万の細胞を一ランでバーコードする理論容量を有するが、実際問題としていくつかの実験では、配列決定深さが極めて高細胞数で限定的となるため、ランあたり数百〜数千の細胞のランに焦点を絞っている。これらの実施例は、LIF中止前後のマウス胚性幹(ES)細胞のプロファイリングによる液滴−SEQを評価する。合計10,000を超えるバーコード化細胞および対照液滴をプロファイルし、その後の分析のために大きな深さで配列決定された、約3,000ESおよび分化細胞を用いる。次の分析は、数百細胞のプロファイリングから分類が困難であろう異なる分化系列のマーカーを発現する稀な亜集団の存在を特定する。重要な多能性因子はES細胞集団全体で相関的方法で上下することが判明し、このような上下を新規因子と多能性状態の相関させるために使用できるはずである可能性を探索した。分化により、多能性因子の活性化の非同調性に起因する、劇的変化が、遺伝子発現揺らぎの相関構造および新規細胞状態の出現で観察された。合わせて、これらの結果は、細胞集団を分解し、一実験で遺伝子発現相関を推測するための液滴−SEQの可能性を示す。
液滴バーコーディングおよび単一細胞の分析のための微小流体プラットフォームの設計および実装。mRNAが逆転写反応中にバーコード化され、細胞は、配列決定のために実質的にプールされ、処理されるRNA配列決定(RNA−Seq)のためのプロトコールを使用した(図13A)。このために、液滴−SEQプラットフォーム(図13A〜13Eおよび図18)は、溶解緩衝液、逆転写(RT)試薬およびバーコード化オリゴヌクレオチドプライマーと共に細胞を液滴に封入した。各溶解細胞から遊離したmRNAdは同じ液滴に捕捉されたままであり、相補的DNA(cDNA)合成中にバーコード化された。バーコーディング後、全細胞からの物質を液滴破壊により混合し、cDNAライブラリーを配列決定のために処理した(図13A)。
この戦略を実行する一つの障壁は、各液滴が、他の液滴におけるバーコードと異ならなければならない、同じ一意的なバーコードをコードするプライマーを運搬することを確実にすることであった。この障壁は、細胞と共封入されたバーコード化ヒドロゲル微小球体(BHM)のライブラリーの合成により克服した(図13B)。各ヒドロゲルは、384(すなわち147,456)の所定のバーコードの一つをコードする共有結合した、光遊離可能プライマーを運搬した。このプールサイズは、無作為に3,000細胞を99%一意的なに標識し、10,000細胞を97%一意的に標識することを可能とした(下記参照)。図19〜21は、スプリット−プール法を使用してBHMを合成するために使用した方法を記載する;下記参照。これは、大規模細胞捕獲、例えば標的配列決定適用のために多数のバーコードを製造するために直接的な方法で拡大できる。
BHMと細胞を共封入するために、i)BHM、ii)細胞、iii)RT/溶解剤およびiv)担体油のための4入口および液滴収集物のための1出口を備えた微小流体デバイスを使用した(図13C〜13D)。デバイスは、入口からのアリコートを同時に混合しながら、秒あたり約10〜50液滴の速度で1〜5nLの範囲で変わる単分散液滴を産生した(図13E)。最密充填変形可能ヒドロゲル内部チップは効率的に合成され、約100%ヒドロゲル液滴占有率を可能とした。この特性は、液滴内に到達した無作為に分散した細胞がほぼ常にBHMに暴露されることを確実とした。典型的条件において、細胞濃度を10%の液滴しか占拠しないように設定し、2細胞事象の低可能性を確実とした(図13E)。これらの実験において、液滴は、少なくとも1細胞および1ゲルを含み配列決定のための、バーコード化ライブラリーを製造した。一般に、90%を超える生産的液滴は、正確に1細胞および1ゲルを含む(図13F)。RT反応の効率も、溶液またはBHMに結合したままのプライマーで試験し、プライマー遊離が液滴中の溶解細胞からの効率的RT反応に重要であることが判明した(図13G)。それゆえ、RT反応前に、BHM結合プライマーを、UV光に曝すことにより液滴から光遊離させた(図13A)。
これらの実施例において、極めて浅い配列決定深さを避けるために数百〜数千細胞のサンプルを配列決定したが、これをまた、例えば、4,000〜6,000細胞/時間のスループットで、高細胞数を容易に捕獲およびバーコードためにも使用できた。実際、配列決定後、バーコード化サンプルの数は、一般に収集したエマルジョン体積と直線的に縮尺し(図13H)、約2,000〜3,000細胞または対照液滴が、エマルジョン100μl毎にバーコード化された(約30分収集時間)。
図13は、数千の細胞のDNAバーコーディングのための液滴微小流体プラットフォームの実施例を示す。図13Aは、液滴−SEQワークフローの概要を示す;オンチップ操作が第一の3ボックスで起こり、オフチップ操作が次の3ボックスで起こり、配列決定/データ分析が最後の2ボックスで起こる。図13Bは、DNAバーコード化ヒドロゲル微小球体(BHM)(大きな丸)と細胞(小さな丸)およびRT/溶解混合物を合わせる微小流体デバイスの概略図である。BHMプライマーレジェンド:PC=光開裂可能リンカー;T7=T7 RNAポリメラーゼプロモーター;PE1=配列決定プライマー;BC=BHM特異的バーコード;UMI=一意的な分子識別子。図13Cは、微小流体デバイス設計を示す。図13Dは、封入(右)および収集物(左)のための微小流体モジュールのスナップショットを示す。細胞およびBHMは下矢印および上矢印でそれぞれ注釈を付ける。他の矢印は流れの方向を示す。スケールバー、100μm。図13Eは、経時的液滴占有率の統計を示す。図13Fは、細胞およびDNAバーコーディングビーズ共封入事象の統計を示す。90%超の細胞が、単一DNAバーコーディングビーズと封入される。図13Gは、逆転写前(上部曲線)または後(下部曲線)にビーズから光遊離されたプライマーで製造したライブラリーのBioAnalyzerトレースを示す。図13Hは、純粋RNAおよびmES細胞で検出されたバーコードの数を示し、2,159細胞が100μlエマルジョンあたり収集された(30分収集時間)。
図18は、この実施例において使用した液滴微小フルイディクスデバイスの設計を示す。デバイスは、RTおよび溶解剤混合物(1)、細胞懸濁液(2)、DNAバーコーディングビーズ(3)のための3入り口および連続相のための1入口(4)を含む。デバイスに統合された流体レジスターは、シリンジポンプの機械的不安定性に起因する揺らぎを弱める。アリコートサンプルを、60μm幅広チャネルを経て、主70μm幅広チャネルに合わせ、そこで、それらは層流状に流れて、その後流れ集約接合部で液滴に封入される(点線四角)。液滴は、出口(5)でエマルジョンの形で収集される。
図19は、DNAバーコーディングヒドロゲルビーズの製造のための液滴微小フルイディクスデバイスの設計を示す。図19Aは、デバイスの設計例を示す。デバイスは、水相(試薬)用1入口および連続相(担体油)用1入口を含む。単分散ヒドロゲル液滴は、流れ集約ノズルで製造され、それらの寸法は右の点線四角に示す。液滴を、2000μm長チャネルで界面活性剤により安定化させ、エマルジョンの形で出口で収集する。図19Bは、ヒドロゲル液滴製造、安定化および収集物のデジタル画像を示す。微小流体チャネルは50μm深さである。スケールバーは100μmを意味する。
図20は、DNAバーコーディングビーズの合成を示す。図20Aは、T7 RNAポリメラーゼプロモーター(配列の左)およびPE1プライマー部位(配列の右)を運搬するDNAプライマーの5’末端に結合した、アクリル系ホスホラミダイト部分(左)および光開裂可能スペーサー(右)を含むDNAオリゴヌクレオチドの構造を示す。図20Bは、バーコード化ヒドロゲル微小球体合成の概略図を示す。第一工程において、ポリアクリルアミドヒドロゲルに結合したssDNAプライマーは、PE1およびW1プライマー位置およびDNAバーコードの最初の半分を運搬する相補的DNAオリゴヌクレオチドとハイブリダイズした。得られたDNAヘテロ二本鎖を、Bst 2.0 DNAポリメラーゼによりdsDNAに変換し(点線が新たに合成されたDNA鎖を示す)、アルカリ処理により変性させてssDNAに戻した。第二工程において、工程を、W1配列、DNAバーコードの残り半分、一意的な分子識別子(UMI)およびポリA配列を運搬する第二DNAオリゴヌクレオチドで繰り返した。プライマー伸長および変性後、DNAバーコーディングビーズはT7プロモーター、PE1プライマー部位、DNAバーコード、W1部位、UMIおよびポリT配列を含んだ。図20Cは、完全に構築されたプライマーのDNA配列を示す。強調した文字は、T7プロモーター
Figure 0006853667
PE1プライマー部位
Figure 0006853667
2DNAバーコード([バーコード1]および[バーコード2])、W1アダプター部位
Figure 0006853667
UMI
Figure 0006853667
およびポリTテイル
Figure 0006853667
を有するオリゴヌクレオチドの異なるパーツを示す。アクリル系ホスホラミダイトおよび光開裂可能スペーサーの化学部分はそれぞれ/5Acryd/および/iSpPC/で示す。[バーコード1]および[バーコード2]のDNA配列は各8ヌクレオチド長である。
図21は、バーコード化ヒドロゲル微小球体(BHM)に取り込まれたDNAプライマーの定量化を示す。図21A〜21Dは、BHM後合成のiImagingを示し、BHM 63μmサイズの明視野像(図21A)およびPE1配列を標的とする相補的DNAプローブでのハイブリダイゼーション後の蛍光共焦点イメージング(図21B)、W1配列(図21C)およびポリT配列(図21D)を示す。スケールバー、100μm。図21Eは、BHMから光開裂後のDNAプライマーのBioAnalyzer電気泳動図を示し、完全長バーコード(大ピーク)ならびに合成中間体(2小ピーク)の存在を示す。35および10380塩基対のピークは、ゲル移動マーカーである。ピーク上の数値は、塩基対の理論的フラグメントサイズを示すが、これらは一本鎖DNA産物で正確ではない。図21F〜21Hは、11の個々のBHMのバーコード化産物の深配列決定の結果を示す。図21Fは、各ゲル上のバーコード存在量のランクプロットを示す;図21Gおよび21Hは、図21Gおよび図21Hに詳述する最も豊富なおよび二番目に豊富なバーコードによる各BHM上に占拠されたフラクションのヒストグラムを示す。完全合成は、トップバーコードによる100%占拠および他の全てのバーコードによる0%占拠となる。平均約92%の各BHMに結合した全プライマーが同じドミナントバーコードを運搬することが観察された。
実施例6
ランダムバーコーディングおよび液滴完全性の確認。この実施例において、マウスおよびヒト起源(マウスES細胞およびK562赤白血病細胞)由来の細胞の混合物をほぼ等比で適用することにより、液滴−Seqプラットフォームが、効率的に細胞を区画化し、バーコードする能力を試験した(図14A)。この試験において、各バーコードは、マウスまたはヒトマッピング転写物と完全に関連していなければならず、わずかに小フラクションの2細胞事象が、マウスおよびヒト両者と関連するバーコードの見かけに到った。配列決定後、図14Aは、液滴−SEQが複合体細胞混合物中の細胞の明白な特定を提供することを示す:96%のバーコードタグ付読取データは、マウスまたはヒトトランスクリプトームのいずれかにマッピングされ、99%を超える純度であり、4%のバーコードしか両成分の混合を示さなかった。この既に低い誤り率は、共封入事象を低下させるために細胞懸濁液を希釈することによりまたは多細胞事象を除去するために収集前の液滴のオンチップ選別によりさらに低減できた。
また明白に試験されたのは、細胞バーコードが、反復バーコードの極めて低い確率を確実にするための384の可能なバーコードの意図したプールから無作為にサンプルされたことであった。計11,085対照液滴および細胞をカバーする8の独立したランでのバーコードアイデンティティの比較は、384バーコードのプールからのランダムサンプリングとの優れた一致を一貫して示した(図22A)。
図14は、液滴完全性およびランダムバーコーディングの試験を示す。図14Aは、液滴完全性対照実験の概略図および結果を示す:マウスおよびヒト細胞を共封入して、複数細胞にわたり共有されるバーコードの明白な特定を可能とした;4%のバーコードが、マウス/ヒト読取データで混合されて共有された。
図22は、ランダムバーコーディングおよび一意的な分子識別子(UMI)フィルタリングを示す。図21Aは、140〜2,930細胞または純粋RNA対照液滴をカバーする8液滴−Seqランのランダムバーコーディングの対での試験を示す。上部三角は、384ランダムバーコーディングの各対のランについての共有バーコードの観察(左)および予測(右)数を示す。下部三角は、384バーコードのプールからの均一ランダムバーコーディングを仮定するp値を示し、これは観察された数の共有バーコードが期待値について超幾何学的分散すべきであることを予測する。p値は、試験した複数の仮説に対して補正していない。図22B〜22DはUMIフィルタリングを示す。図21Bは、検出mRNA分子数の関数としての観察UMIの期待値(黒曲線)が
Figure 0006853667
を有することを示し得ることを示し、ここで、mは検出mRNA分子数であり、NUMI=4,096は利用可能なUMIプールの総サイズである。この関数は理想の直線相関(ほぼ直線)と対照をなし、飽和点を示す。図22Cは、単一mES細胞からのデータのマッピング読取データ数対異なるUMI数/遺伝子を示し;データ点は一意的な遺伝子記号に対応する。曲線は増幅バイアスがないことを示し、すなわち各マッピング読取データが異なるUMIに対応するところを示す。大部分の遺伝子はいくぶん増幅バイアスを示す。図22Dおよび22Eは、UMIフィルタリングなし(図22D)およびUMIフィルタリング後(図22E)の、mES細胞集団において検出された遺伝子の平均転写物存在量の関数としての細胞間CV(標準偏差/平均)のlog−logプロットを示す。各データ点は単一遺伝子記号に対応する。
実施例7
液滴−SEQプラットフォームのベースライン技術的ノイズ。単一細胞RNA−Seqにおける技術的ノイズの2つの源は、(a)mRNA捕獲効率の細胞間の可変性、(b)各細胞における有限数のmRNA転写物の捕捉に起因する内因性サンプリングノイズである。CEL−Seqプロトコールは、マイクロタイタープレートで実施するとき、約4%以下の低捕獲効率および純粋RNA対照で約25%および細胞で約50%の捕獲効率の可変性(サンプル間の変動係数)に悩まされると報告されている。単一細胞配列決定データに対する生物情報学分析の影響についてはほとんど知られていないが、偽遺伝子対相関に至る複数の遺伝子に対する不明瞭な読取に起因する問題が生じ得る可能性がある。技術的ノイズはまたライブラリー増幅中にも生じ得るが、このノイズ源は、重複読取データの生物情報学的除去を可能にするランダムな一意的な分子識別子(UMI)配列の使用により大部分排除される。この実施例は、全実験でランダムヘキサマーを使用するUMIベースのフィルタリングの実装が、方法ノイズの有意な減少をもたらすことを説明する(図22)。
このシステムにおける技術的ノイズがどのように先のCEL−Seqの適用と匹敵するかを試験するために、既知濃度のERCC RNA添加対照と混合した、単一細胞濃度(10pg/液滴)に希釈した総RNAを含む、技術対照サンプルを分析した(図14B)。953バーコード化対照液滴が、一ランで配列決定され、液滴あたり平均30×10(±21%)UMIフィルターマッピング(UMIFM)読取データであった(図14B)。5000〜15,000の一意的な遺伝子記号が各液滴で検出され(計25,209検出)、数はUMIFM数と強く相関した(図14C)。これは、平均0.5分子/液滴の濃度まで低下したERCC添加投入濃度(図14D)と比較して、UMIFM数の優れた線形読取情報を示し;この限界以下で、観察転写物が多めに計数される傾向がわずかにあった。
方法性能の他の重要な指標は感受性、すなわち発現遺伝子を検出する可能性である。感受性は、ほとんど完全に転写物存在量の関数であり(図14E)、mRNA分子の全般的捕獲効率に基づき、全遺伝子について果然に良好に予測され(下記参照)、ERCC添加から7.1%であると測定された(図14D)。この捕獲効率で、遺伝子を、10転写物が存在するとき50%の液滴および>45転写物が存在するとき>95%の液滴で検出した(図14E)。この感受性および捕獲効率は、CEL−Seqで先に測定されたものより高かった(3.4%)。
正確には、細胞集団をその平均発現レベルにわたり各遺伝子の変動係数(CV=標準偏差/平均)を比較することにより評価できる、極めて低レベルの技術的ノイズを示した(図14F)。サンプリングノイズによってのみ制限されるシステムにおいて、全遺伝子は、べき法則曲線CV=(平均)−1/2について狭く分散しているべきである(図14F)。これは、実際観察された。より公式には、正規化後、99.5%の検出遺伝子(N=25,209)が、ベースライン技術的ノイズ5〜10%でポアソン分布に一致して分布した(図14F、点線の曲線)。
図14Bは、RNA−Seq技術的対照実験のための実験的概略図およびUMIフィルターマッピング(UMIFM)読取データのヒストグラムを示す。図14Cは、液滴あたりUMIFM読取データの関数として検出された一意的な遺伝子記号数を示す。図14Dは、添加分子の平均UMIFM読取データは、その投入濃度と直線的に相関し、捕獲効率β(ベータ)=7.1%であることを示す。図14Eは、投入RNA存在量の関数としての方法感受性を示し;曲線は、内因性サンプリングノイズのみの仮定から導かれる理論予測を示す。図14Fは、正規化後平均UMIFM数に対してプロットした添加および純粋RNA転写物の変動係数(CV)を示す。曲線はサンプリングノイズ限界を示す;点線の曲線は、捕獲効率5%で残留液滴対液滴可変性を有するサンプリングノイズ限界を示す。
実施例8
単一細胞データのノイズモデリング。単一ES細胞データの予測において、この実施例は、バルク測定と比較して、細胞あたりベースで測定したときの、転写物の低サンプリング効率の影響をよりよく理解するための技術的ノイズモデルを示す。低効率は、細胞間の遺伝子発現の観察された可変性および細胞間の遺伝子発現の共変動の両者に影響を有する。3つの特徴が影響に起因する:全細胞で平均化した転写物の捕獲効率;捕獲効率における細胞対細胞変動;および正規化スキームの選択。先のノイズモデルを精密化することにより、生物学的量および観察された量の間の相関が、細胞にわたる遺伝子存在量のCV、遺伝子ファノ因子(分散/平均)および遺伝子間の対相関について導かれた(図14G;下記参照)。ファノ因子は、ノイズの多い遺伝子発現の測定に一般に使用される計量であり、なお、捕獲効率に極めて感受性である。この分析は、技術的ノイズが広く認められるように単にベースラインノイズを明らかにするだけでなく、既存の生物学的変動を擬似的に増幅させることを確認する(図14G、式1)。図14Gは、CV、ファノ因子および遺伝子対相関について観察されたおよび根底の生物学的量の相関の要約を示す。
低サンプリング効率が、予測可能な方法で遺伝子対間の相関を顕著に弱め、発見の予測を相対的に弱く、しかし、データにおける顕著な相関を設定する(図14G、式2〜3)。相対的に弱い相関が実際であり、単一細胞測定の予測される結果であることを知ることは、非常に価値のある遺伝子の試験を含むデータからの有用な情報の導きを助ける(下記参照)。これらの結果はまた基礎的計数統計に基づく生物学的測定からのノイズの公式デコンヴォルーションのための方法を開発する基礎も提供する。
さらに、予想外に遭遇および除去は、2以上の遺伝子転写物にマッピングされた読取データに由来する異常遺伝子発現相関の重要な源であった。バルク(非単一細胞)適用を意図された配列分析パイプラインは、不明瞭な読取データを、確率的にそうでなければ独立して発現される遺伝子と擬似的に結合するような方法でマッピングする。この問題は、UTR領域が複数の遺伝子で同一であり得るため、単一細胞の3’−配列決定に特に急性であり;および擬似的に作成されたものと同等となる弱い遺伝子発現カップリングの広いネットワークにより特徴付けられるES細胞のような比較的均一な細胞集団に特に急性である。しかしながら、この問題は、強い生物学的相関があってさえ、弱化に働くため、サンプリング効率が低いときより一般的となる(図14G、式3)。これらの実施例は、リード−マッピング問題が、マッピングにおけるあいまいさを最小化するために異なる読取データを通して反復UMIタグを利用する新規生物情報学パイプライン(下記参照)を使用して、克服された。
実施例9
マウスES細胞の単一細胞プロファイリング。単一細胞プロファイリングは、極めて低い配列決定深さでさえ、異なる分化系列からの分化細胞型の特定ができる。あいまいであるのは、確率的揺らぎまたは動的環境に付されている比較的均一な集団の試験から獲得できる情報のタイプである。我々の新規方法で入手可能な情報の種類を探索するために、この実施例は、血清に維持したマウスES細胞を、これらの細胞が広く試験され、広く特徴付けられた揺らぎを示すが、分化細胞型と比較してなお均一であり、ハイスループット単一細胞配列決定についての障害を提起できたために、選択した。
液滴−SEQの行動を探索するために、異なるエマルジョン体積を回収することにより、ES細胞ランの各々で、異なる数の細胞を異なる配列決定深さで回収した。935ES細胞;LIF中止2日後に145、302および2,160細胞;4日後に683細胞;および7日後に169および799細胞を深配列決定のために回収した。これらのランにおける細胞あたりに得られた読取データの平均数を208×10に拡大し、平均UMIFM数を29×10に拡大した。ラン統計学は表1に詳述する。
ES細胞集団の構造。935ES細胞について、1,507遺伝子が特定され、これは、ポアソン統計学(10%FDR、下記参照および表2)から予想されるより有意に可変性であり、また少なくとも1細胞における少なくとも10UMIFM数のレベルでも表した(図15A、15B)。1,507の豊富なおよび可変性の遺伝子のうち、ES細胞において先に上下することが報告されていた多能性因子が見られた(Nanog、Rex1/Zfp42、Dppa5a、Sox2、Esrrb)。顕著なことに、最も非常に価値のある遺伝子は、Primitive Endoderm fate(Col4a1、Col4a2、Lamb1、Lama1、Sox17、Sparc)、Epiblast fateのマーカー(Krt8、Krt18、S100a6)およびES細胞状態の後成的制御因子(Dnmt3b)の既知マーカーだけでなく、成人幹細胞運命の制御に役割を有し得る幹細胞抗原Sca−1/Ly6aのようなES細胞制御との関係が未知の遺伝子も含まれた。他の遺伝子は、ポアソン統計学と一致して、極めて低いノイズプロファイルを示した(例えばTtn、図15B)。η(イータ)=CV−1/μ(μまたはミューは、平均UMIFM数の平均である)として定義されるポワソン超ノイズを、選択した一団の遺伝子で評価し(図15C)、先の報告と品質的に一致することが判明した。CVまたはファノ因子と異なり、η(イータ)は、サンプリング効率が低くても、その真の生物学的値と直線的に縮尺した(図14G、式(1))。
図15は、液滴−SEQプロファイリングが、ES細胞集団の不均一構造を確認することを示す。図15Aは、mES細胞トランスクリプトーム(真ん中および上部の点)および純粋RNA技術的対照(下の点)についての平均UMIFM数に対してプロットしたCVを示す。黒で印をつけた遺伝子は、技術的対照より有意に可変性であるとして特定された。黒および点線の曲線は、図14Fのとおりであるが、細胞実験における20%の残留方法ノイズを伴う。可変性遺伝子のサブセットをアノテートする。図15Bは、低(Ttn)、中(Trim28、Ly6a、Dppa5a)および高(Sparc、S100a6)発現可変性を示す説明的遺伝子発現分布を示し、ポワソンおよび負の二項分布に適合させる。図15Cは、多能性因子についてプロットし、他の因子と比較した、ポアソン超(a.p.)ノイズ、CV−1/平均を示す。
実施例10
ES細胞が多能性ICM様状態とより分化したエピブラスト様状態の不均一性を示すとの考えを試験するために、この実施例は、単一ES細胞における候補多能性および分化マーカーの対照的発現を試験した。遺伝子対相関(図15D)は、エピブラストマーカーKrt8および原始的内胚葉マーカーCol4a1の両者が、Pou5f1(示す)および他の多能性マーカー(示していない)について低い細胞においてのみ発現されたため、最初は別の2状態印象と一致するように見えた。分化傾向状態は、多能性状態と比較して稀であった。相関はまた、ES細胞における他の既知制御性相互作用も示し、例えば、BMPシグナル伝達の既知陰性標的であるSox2は、BMP標的Id1と反相関した。さらに驚いたことは、しかしながら、複数の多能性因子(Nanog、Trim28、Esrrb、Sox2、Klf4、Zfp42)が細胞集団のバルクを超えてタンデムで上下するとの発見であった(図15D、23、24)。これらの観察は、合わせて、多能性因子がエピブラスト遺伝子発現と無関係に相関したままであることを示すため、単純2状態モデルで説明できなかった;むしろ、種々の多能性により特徴付けられる状態の連続体であることが示唆された。全ての多能性因が有意な相関を示したわけではないが、しかしながら:Oct4/Pou5f1は、他のコア多能性因子および他の因子よりはるかに弱く相関し、むしろサイクリンD3(図15Dおよび24)と強く相関したが、他のサイクリンとは相関せず、特異的制御性起源と矛盾する揺らぎを示唆する。
次にデータから推測されるES細胞集団の構造とは?主成分分析(PCA)を、非常に価値のある遺伝子についてES細胞集団で行い、発現における内因性ノイズによって説明できない、データ内の主成分(PC)の数に対応する、不均一性の複数の非自明な次元が判明した(95%信頼を有する12次元)(図15E参照)。この観察は、ICM−エピブラスト軸を超える不均一性のさらなる源の存在を確認した。最初の4つの主成分およびそれらの充填の検査(図15F)は、少なくとも3つの小さいが、異なる細胞亜集団を確認した:明白に原始的内胚葉(PrEn)様細胞を特定する、極めて低レベルの多能性マーカーおよび高レベルのCol4a1/2、Lama1/b1/c1、SparcおよびCd63を発現する一つの稀な集団(6/935細胞);高レベルのKrt8、Krt18、S100a6、Sfnおよびエピブラスト細胞系譜の他のマーカーを発現する第二の細胞集団(15/935細胞)。第三集団は、表面上性質不明状態を呈し、ヒートショックタンパク質Hsp90、Hspa5およびジスルフィドイソメラーゼPdia6のような他のER成分の発現によりマークされた。この集団は、ストレス下の解離したES細胞を表し得る。
PCA分析は、遺伝子発現のわずか2または3の主要な軸により分画され得る細胞集団の可視化の強力なツールである。しかしながら、3以上の非自明な主成分が存在するならば、高次元データの局所構造を表す次元縮退のための適切な技術がある。この実施例は、t-distributed Stochastic Neighbor Embedding(t−SNE)として知られる次元縮退の方法を適用した(図15G)。地図は、予想どおりES細胞の大亜集団を示さなかったが、高多能性から低多能性への連続体を示し、異常値集団が集団周辺部に横たわるPCAにより特定された。地図はまた、Prdm1/Blimp1、Lin41/Trim71およびSSEA−1/Fut4の高発現によりそれぞれ特徴付けられるさらなる周辺部亜集団も特定した。Hsp90−hi集団と同様、これらの集団が、異なる機能的行動が付与された異なる細胞状態であるのかまたはこれらが単に細胞アクセス異常値であり、ES細胞遺伝子発現の正常な状態であるのか、確認が必要なままである。従って、ES細胞集団における十分に試験されたエピブラスト様状態が特定され、ICMとエピブラスト様状態間の集団的揺らぎの証拠が見られているが、これらの揺らぎは、単なるES細胞集団における転写不均一性の軸ではない。
図15Dは、対遺伝子相関を説明するヒートマップを示す。図15Eは、mES細胞集団の主成分分析から得られた固有値分布を示し、データにおいて検出可能な非自明なモードの細胞不均一性を示す(矢印)。平滑曲線は、遺伝子発現プロファイルのランダム並べ替えの典型的固有値分布を示す;ぎざぎざの曲線は、ランダムマトリクスの予測マルチェンコ・パスツール固有値分布を示す。曲線を超えて横たわる固有値のみが有意であった。図15Fは、mES細胞主要成分およびその充填を示し、ドミナント無相関モードの不均一性を示し、3つの稀なES細胞亜集団を明らかにする。図15Gは、さらなる周辺部亜集団および多能性対エピブラスト軸を明らかにするmES細胞集団のtSNE地図である。
図23は、mES細胞の単一細胞遺伝子発現を示す。0日、2日、4日および7日の主要に可変性の遺伝子の遺伝子発現(それぞれ図23A〜23D)。各遺伝子の発現はzスコア標準化した。
図24は、mES細胞集団の構造を示す。図24Aは、935mES細胞の選択した遺伝子の対相関を示す。ここに記載するように、Oct4/Pou5f1はサイクリンD3とより強く、そしてSox2、Klf4および他の多能性因子と弱く相関した。ここに報告する相関は、サブサンプリングで補正しておらず、観察されたとおりである(図14G、式(3)参照)。図24B〜24Gは、異なる細胞亜集団を明らかにするmES細胞集団の3次元tSNE地図異なる図法を示す;各パネルの細胞は、特定のマーカーの凝集発現に従い着色した。
実施例11
遺伝子発現共変動からの推定多能性因子。集団中の遺伝子が共変動するとの観察により、相関が遺伝子制御または機能における共通性を明らかにするはずであるか否かの疑問が生じる。細胞の複雑な混合物において、このような推論の試みは、特定の制御性プログラムよりむしろ大規模エピジェネティック変化を反映する、遺伝子−遺伝子相関が主に細胞型間のささいな差異によるため、混乱させるものであり得る。単一細胞型のみからなる集団で状況は異なり、ここで、細胞状態における揺らぎは、機能的依存性を明らかにするはずであることにより楽観的である。mES細胞集団は、上記小亜集団の存在以外に、相対的にわずかな分離した構造しか示さないため、この要求を満たす。
遺伝子発現共変動が制御性情報を含むはずであるか否か試験するために、この実施例は、カスタムネットワーク近隣分析(NNA)スキームを使用して、既知多能性因子の共変動パートナーを探索する(図16、下記参照)。このスキームは、ある目的の遺伝子(または遺伝子群)と最も密接に相関し、また互いに最も密接に相関する一連の遺伝子を定義する。サンプリング効率に対する相関の感受性を考慮して(図14G、式(3))、NNA分析−これは、相関ネットワークトポロジーにのみ感受性である−が、単に高度に相関する遺伝子を関連付けるよりも、より頑強である。注目すべきことに、多能性因子NanogおよびSox2への適応で、NNAスキームは、Nanogの20近傍の他の多能性因子について強力に富化され、その11は多能性因子として報告されており、さらに3つが多能性と相関し、一つ(Slc2a3)がNanogとシンテニーである。一つの遺伝子(Rbpj)のみが多能性に不必要であることが示され、4つの遺伝子が、先に報告されたES細胞への結合がないままである。これらの遺伝子が多能性状態の維持に機能的役割を有すると予測することは魅惑的である。同様に、Sox2の近隣全体は、多能性と直接的または間接的に関係する因子を含み−コア多能性因子(6/9遺伝子);ICMにおいて高レベルで発現されることが最近示され、多能性状態の維持に必要であるスレオニン異化酵素Tdhを含み;Pcbp1は、多能性因子Ronin/Thap11の結合パートナーであることが示され、翻訳開始因子サブユニットEif2s2は、Stat3過発現に応答して上方制御されることが示されている。興味深いことに同じ分析が、他の生物学的経路における洞察を提供し得る。サイクリンB(Ccnb1)の近隣は、例えば、小さいが、他のコア細胞周期遺伝子Cdk1、Ube2cおよびPlk1を含んだ。
しかしながら、スキームは一般に全制御性機能に適応可能ではなく、mES細胞生物学と表面上無関係な多くの他の経路が、意味あるNNA連関を有しないように見える。これは、単一細胞共変動が、試験している細胞の生物学に最も特異的な揺らぎを捕獲し得て、弱い経路特異的摂動により揺らぎを人工的に作製することにより、他の生物学的経路成分の特定により一般に利用できることを示唆する。
実施例12
分化ES細胞の集団動力学。LIF中止により、mES細胞は、不均一に、しかし、ほとんど特徴づけされていない工程で分化し、最終的に優位に体性(エピブラスト)分化系列の形成に至る。既存のPrEn細胞の運命は、他の細胞系譜が一過性に発現し、その後消滅するか否か疑問であるため、不明である。単一細胞分析において、LIF中止後、分化ES細胞集団は、集団構造の顕著な変化を受け、これは、非常に価値のある遺伝子の発現に従い細胞を階層的にクラスタリングすることにより、定性的に認識できた(図17A)。これらの変化および次の分析は、無誘導分化プロトコールを反映し、中間細胞型の固有の不均一性および多様性がどのようにシグナル伝達に依存するかを特定するために、将来的に同じ方法を誘導分化プロトコールに適用することは有益であろう。
細胞集団で生じている変化を精査し、データの質を確認するために、この実施例は、まず、多能性因子および分化マーカーの遺伝子発現動力学を検査した(図17B、17C)。多能性因子Rex1/Zfp42の平均発現およびEsrrbレベルは、迅速に低下した;Pou5f1およびSox2は、より徐々に低下した;エピブラストマーカーKrt8は一定して増加した;そしてICMからエピブラスト状態への遷移に必要な転写因子であるOtx2は、2日目まで一過性に増加し、その後減少した。しかしながら、平均発現が各細胞の動力学をあらわさないことが証明された。いくつかの細胞は、エピブラストマーカーの発現ができず、細胞のフラクションは、LIF中止7日後でさえ多能性因子を発現し続け(図17C)、ES細胞分化のタイミングがそれ自体不均一であることを示す。
PCA分析を、この不均一性が全般的傾向を反映するか否かを特定するために全時点から凝集させた細胞で行い(図17D)、LIF中止7日後でさえ、細胞のフラクション(5%、N=799)がmES細胞集団と重複することが判明した。最高の一時的不均一はLIF後4日で明らかであり、細胞は、mES細胞と分化状態の間の第一の主成分に沿って広範に分布した。PCA分析はまた、2日目および4日目の、多能性状態からの覚醒により生じる代謝変化と一致する強い代謝符号(トップGOアノテーション:細胞代謝工程、p=1.4×10−8)の富化も確認した。
分化における非同調性に起因する不均一性に加えて、4日および7日後、遺伝子発現の異なるパターンを有する亜集団出現の証拠があり、その全てが必ずしも直ぐに既知細胞型に割り当てられるわけではない。集団構造をこれらの時点でt−SNEにより可視化しており(図17Gおよび図25)、異なる亜集団マーカーを表3に記載する。LIF中止2日および4日後、先に稀な栄養外胚葉形成細胞(REF)として特定されたZscan4+細胞の稀な集団が特定され、この集団は、7日目までにもはや検出されなくなった。4日目および7日目に、通常母系性にインプリントされた遺伝子H19、Rhox6/9、Peg10、Cdkn1およびその他を発現する他の、さらに稀な集団が発現し、広範な脱メチル化が、恐らく、早期始原生殖細胞分化と関係することを示唆する。
これらの集団に加えて、常在性PrEn細胞が全時点で検出でき(図17F、17G)、PrEn集団が、LIF中止2日および4日後に拡張し、その後LIF後7日まで停滞するように見える。全体として、分析は、異なるおよび新規ES細胞亜集団のES細胞分化および動力学の時間的不均一性を曝露する。
図17は、分化ES細胞における一時的不均一性および集団構造を示す。図17Aは、LIF中止後の全般的集団構造における変化が、各時点での非常に価値のある遺伝子の細胞−細胞相関のヒートマップの階層的クラスタリングにより定性的に見られることを示す。図17Bは、LIF中止後の遺伝子発現の平均動力学が分化の既知パターンと一致することを示す。図17Cは、ある数のカウントを発現する細胞のフラクションに対する確率密度(violin)プロットにより示される、図17Bにおける遺伝子の動力学を示す。データ点は、トップ5%の細胞を示す。図17Dおよび17Eは、迅速一過性変化(PC2)および分化における非同調性(PC1)を示す複数の時点からの3,034細胞の最初の二つの主成分(PC)(図17D)およびPC充填(図17E)を示す。図17Fは、LIF後の時間の関数としてのエピブラストおよびPrEn細胞のフラクションの動力学を示す。図17Gは、LIF後4日および7日の分化ES細胞のtSNE地図が一過性および出現している集団部分構造を明らかにし、LIF4日後の遺伝子のtSNE地図(右パネル)が推定集団マーカーを明らかにすることを示す。
図25は、LIF中止4日後の主要遺伝子のtSNE地図を示す。この図は、完全遺伝子アノテーションを伴い図17Gに再現する。
実施例13
mES細胞分化中の乱雑な遺伝子発現揺らぎの減少。この実施例は、mES細胞が、分化の過程中に精密にされる多数の遺伝子の弱く結合した発現を含む、乱雑な遺伝子発現により特徴付けられるとの仮説に取り組む。遺伝子発現がより乱雑であるとき、細胞が分散した独立した寸法の数により測定して、細胞が、遺伝子発現のために大きな部分空間を占拠することを予測する。比較として、より制御されたパターン遺伝子発現−複数細胞型の混合物でも−は、細胞を、遺伝子発現の1以上のコヒーレント状態を反映する低次元マニフォールドに制限する。この実施例は、ES細胞および分化細胞の本質的次元性を評価した。遺伝子発現の本質的次元性は分化後に低下し(図17H)、一方純粋RNAおよび無作為化データの次元性は、ES細胞のものより有意に高かった。この分析は、ES細胞不均一性が、分化の非同調性および細胞型の相違に起因するLif中止後の不均一性と一致する、乱雑な弱く結合した遺伝子発現と関係するとの仮説を支持する。
図17Hは、mES細胞およびLIF後7日の遺伝子発現可変性の本質的次元性の概算を示し、分化中の揺らぎの収縮している部分空間を示す。結果は、相関を欠き、ゆえに最大揺らぎ部分空間を示す純粋RNAと対照的である。
実施例14
これらの実施例は、処理できる細胞数に物理的な制限なしの、単一細胞捕獲、バーコーディングおよびトランスクリプトームプロファイリングのためのプラットフォームの確立を示す。これらの実施例は、サンプリング統計学により科される限界に近づく、高捕獲効率、迅速収集時間、極めて低い液滴間CVおよび技術的ノイズを示した。これらは異なる実験、デバイス、BHMバッチおよびエマルジョン体積を超えて再現性があった(表1)。これらは、腫瘍サンプルおよび組織マイクロバオプシーを含む小臨床サンプルの単一細胞トランスクリプトミクスに容易に適用でき、組織不均一性の定量的図をもたらす。所望の適用によって、これは、異なるエマルジョン体積を回収することにより、配列決定深さと細胞集団のサイズの交換を可能とする。これらの実施例は、遺伝子発現に基づき、稀な亜集団でさえも、日常的に細胞型を特定することを可能にする。低測定ノイズにより、これらは、ES細胞における場合のように、遺伝子発現における連続的揺らぎから分離した細胞型を区別することを可能とする。細胞の分類に加えて、このタイプのデータは、例えば、集団における個々の細胞間の自然かつ恐らく微妙な多様性の利用により、共分散に基づき遺伝子間の推定制御性結合を特定するために価値がある。これらの実施例は、この推論の数個の単純な例しか強調していないが(図16)、このタイプの単一細胞データは、それ自体、リバースエンジニアリングのより公式なアプローチとなる。
これらの実施例は、多くの生物学的問題についての正確な情報を提供できる。これは、初期分化中のES細胞不均一性およびその動力学の複雑かつ難解な問題により説明される。ES細胞は、異なる細胞型の大亜集団の集団を組まず、それゆえ、その不均一性の分析は感受性の方法を必要とする。これらの細胞からのデータを解釈するために、生物学的遺伝子−遺伝子相関がどのように低捕獲効率および液滴間の技術的可変性に影響されるかにの疑問に取り組む単一細胞ノイズの統計学的モデルの開発であり、我々は、遺伝子発現‘空間’における細胞の高次元組織およびこの組織の動力学を可視化するための機械学習ツールを利用した。この分析は、血清およびLIFに維持されたとき、ES細胞がより多能性の状態およびより分化した状態の間で揺らぐとの仮説の支持を提供する。しかしながら、Krt8/18、S100a6およびFgf5のような分化マーカーを発現するICM様集団に加えて、他のES細胞亜集団もまた、始原生殖細胞マーカーBlimp1/Prdm1を発現する他の亜集団である原始的内胚葉運命および高レベルのER関連タンパク質またはE3リガーゼLin−41/Trim71により示されるあまり明白でない運命連関を有する亜集団と関係することが特定された。これらの小細胞亜集団の不偏特定は、液滴−Seqにより可能な規模を必要とする。これは、全時点で細胞集団の約1%未満を占め、わずか100〜200細胞の小さなサンプルでは自信を持って検出するには少なすぎる、原始的内胚葉様細胞により説明される。
最前線技術で、液滴−SEQプラットフォームは、全トランスクリプトームRNA配列決定のために開発されたが、テクノロジーは高度に可撓性であり、他のRNA−Seqプロトコール、小パネルの遺伝子に焦点を絞った標的配列決定法、チップ−Seq、ゲノム配列決定またはクロマチン近接分析(Hi−C)のような、RNA/DNA分子のバーコーディングを必要とする他の適用に容易に適用可能である。ある実行は、細胞、バーコードおよびRT試薬を合わせるために流れ集約接合部を一つのみ有する(図13C)極めて単純な液滴微小流体チップを利用した。他のバージョンのプラットフォームは、既存の液滴への試薬ピコインジェクションによる多工程酵素反応を可能にするまたは液滴のオンチップ選別による配列決定前の標的細胞富化を実行するための、液滴微小流体機能をさらに利用する。さらに、液滴−SEQは、相対的に低い捕獲効率を標的とする生化学物質革新に結いに組み込まれることができる。
図16は、遺伝子相関ネットワーク近隣が多能性関連因子を明らかにすることを示す。少なくとも3つの相互近隣者を有するネットワーク近隣者を選択することにより作製したNanog(図16A)、Sox2(図16B)およびサイクリンB(図16C)の接続させた相関ネットワーク近隣(下記参照)。図16Aおよび16Bにおいて、灰色四角は、先に確認された多能性因子を示す;四角Calcoco2、Eif2s2およびIgfbp2は、先に多能性状態と関係すると報告された因子を示す。
実施例15
この実施例は、上記実施例で使用した種々の方法およびシステムを説明する。
微小流体デバイス設計および操作。これらの実施例のいくつかで使用した微小フルイディクスデバイスの設計を図18に示し、いくつかの特性を統合する。上記のとおり、i)バーコード化ヒドロゲル微小球体(BHM)、ii)細胞懸濁液、iii)逆転写(RT)および溶解剤混合物およびiv)担体油用の4入口および液滴収集物用の1出口を含む。潜在的にシリンジポンプの機構が原因である流動の揺らぎを低下させるために、流体レジスターを蛇行チャネルの形で取り込み、一方各入口の受動フィルターは、チャネルの目詰まりを阻止した。デバイスは、一つは3つの水性投入を合わせるものおよびサンプル封入用の第二接合部である2接合部を含み、そこで、水相と油相が合い、液滴産生が起こる。合体に対して液滴を安定化するために、HFE−7500(3M)フッ化流体に溶解した0.75%(w/w)EA−界面活性剤(RAN Biotechnologies Inc.)を使用した。微小流体チャネルの寸法を、BHMおよび細胞共封入事象の数が最大となるように注意深く選択した。BHM再注入チャネルの幅(60μm)は、このチャネルを通るBHM(63μm直径)がわずかに圧搾され、そうして、その最密充填および縦一列への配置が促進されるように設計した。主チャネル(70μm幅)に入ったBHMは、次に流れの下流に自由に動き、その後個々の液滴に封入された。その最密充填にために、BHMの到着は高度に一定となり、100%近い液滴あたり単一ビーズの充填を可能とする。これは、i)液滴に封入されたほぼ各々の細胞が一つのバーコード化プライマーに曝されるおよびii)非バーコード化細胞の最小限の喪失があったことを確実にした。
ソフトリソグラフィー。80μm深さの長方形微小流体チャネルを有する微小流体デバイスを、確立されたプロトコールに従い製造した。簡潔にいうと、3インチサイズシリコンウェーハをSU−8 3050フォトレジスト(MicroChem)で、均一80μmフィルム厚で被覆し、65℃で20分焼き、図18に示す対応する設計を有するマスクを介して365nm UV光に40秒(約8mW cm)曝し、5分、95℃で焼いた。非重合化フォトレジストをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解し、シリコンウェーハをイソプロパノールで濯ぎ、95℃ホットプレートで1分乾燥させた。PDMSベースおよび架橋剤(Dow Corning)を10:1比で混合し、約30mLを展開させたシリコンウェーハを含むペトリ皿に注ぎ、脱気し、一夜、65℃でインキュベートした。PDMS層を次いで剥ぎ取り、入口−出口孔を1.2mm生検パンチ(Harris Uni Core)でパンチした。次いで、PDMSのパターン化側を酸素プラズマで処理し、清潔なガラススライドに結合させた。微小チャネルを撥水Aquapel(PPG Industries)で処理し、その後デバイスを上記実験に使用した。
微小流体デバイス操作。デバイス操作中、細胞懸濁液およびRT/溶解混合物を氷冷ジャケットで冷却し、液滴を氷冷ラック(IsoTherm System, Eppendorf)に置いた単一1.5mLチューブ(DNALoBind, Eppendorf)に回収した。RTインキュベーション中の蒸発による液滴からの水喪失を避けるために、200μlの鉱油層(Sigma)をエマルジョンの上部に置いた。実験を通して、細胞懸濁液について100μl/時間、RT/溶解混合物について100μl/時間、BHMについて10〜20μl/時間および担体油について80μl/時間の流速を使用して、15液滴/秒の頻度で4nL液滴を形成させた。各水相を、シリンジポンプ(Harvard Apparatus, PC2 70-2226)に置いた無菌1mLシリンジ(Braun)の針に悦族したポリエチレン管(ID 0.38×OD 1.09mm, BB31695-PE/2)を経て微小流体デバイスに注入した。
バーコード化ヒドロゲル微小球体(BHM)の微小流体デバイスへの充填。合成後、BHMを、10mM Tris−HCl(pH8.0)、10mM EDTA、0.1%(v/v)Tween−20を含むT10100.1緩衝液に保存した。微小流体チップへの充填前、BHMを、10mM Tris−HCl(pH8.0)、0.1mM EDTAおよび0.1%(v/v)Tween−20を含むT100.10.1緩衝液で洗浄し、次いで、0.5%(v/v)IGEPAL CA-630添加1×RT緩衝液(Invitrogen Superscript III緩衝液)に再懸濁し、5000rpmで2分の遠心により濃縮した。上清除去後、BHMを、2回目の濃縮に付して最密充填を達成し、最終的に微小流体デバイスに注入するための油充填シリンジに接続した管に直接充填した。BHMサンプルの組成は100μl濃縮BHM、20μl 10%(v/v)IGEPAL CA-630、40μl5×First-Strand緩衝液および40μl無ヌクレアーゼ水(総アリコート体積200μl)であった。
細胞調製および注入。細胞封入工程は、デバイスへの細胞のランダムな到着に依拠する。2以上の細胞が同じ液滴に入ることを最小化するために、希釈した細胞懸濁液(約50〜100,000細胞/mL)を使用して、5〜10液滴あたり1細胞の平均占有率を得た。シリンジまたはシステムの他のパーツにおける細胞沈降を阻止するために、細胞を、1×PBS緩衝液に16%(v/v)密度勾配溶液Optiprep(Sigma)と共に懸濁した。20,000細胞を一般に使用し、総体積200μl中、160μl 5×PBS(Lonza 17-516F)、32μl Optiprep(Axis-Shield 1114542)および8μl 1%(v/v)BSA(Thermo Scientific B14)に懸濁した。
逆転写/溶解混合物。RT/溶解混合物は、総体積150μlを有する、25μl 5×First-Strand緩衝液(18080-044 Life Technologies)、9μl 10%(v/v) IGEPAL CA-630(#18896 Sigma)、6μl25mM dNTP(Enzymatics N2050L)、10μl 0.1M DTT(#18080-044, Life Technologies)、15μl 1M Tris−HCl(pH8.0)(51238 Lonza)、10μl Murine RNase阻害剤(M0314, NEB)、15μl SuperScript III RT酵素(200U/μl、#18080-044, Life Technologies)および60μl無ヌクレアーゼ水(AM9937 Ambion)を含んだ。
液滴製造に髭右した界面活性剤および担体油。担体油は、1%(w/w) EA界面活性剤(RAN Biotechnologies)を伴うHFE−7500フッ化流体(3M)であった。EA−界面活性剤は、平均分子量約13.000g mol−1を有するトリブロックコポリマーである。これは、ポリ(エチレン)グリコール(M 約600g mol−1)頭基により連結された2つのペルフルオロポリエーテルテイル(M 約6.000g mol−1)を有する。界面活性剤は、フッ化流体に高度に可溶性であり、水相にほぼ不溶性であり、約2mN/mの平衡界面張力を提供した。
内部液滴バーコーディング。細胞封入後、プライマーを、氷上に維持しながらエマルジョン液滴を含むチューブをUV光(約10mW/cmで365nm、BlackRay Xenon Lamp)に曝すことによりBHMから遊離させた。次に、チューブを50℃に加熱し、2時間インキュベートして、cDNA合成を生じさせ、ついで15分、70℃で加熱することにより停止させた。次いでエマルジョンを氷で1分冷却し、1体積のPFO溶液(20%(v/v)ペルフルオロオクタノールおよび80%(v/v)HFE−7500)添加により解乳化させた。破壊液滴からの水相を、別々のDNALo−Bindチューブ(Eppendorf)に移し、ライブラリー調製物選択に記載した変更を伴うCEL−SEQプロトコールに従い処理した。
バーコード化ヒドロゲル微小球体の合成および品質管理。BHM合成は、アクリルアミド重合化によりヒドロゲルメッシュに取り込まれるアクリレート修飾DNAプライマーを添加したアクリルアミド:ビス−アクリルアミド溶液の微小流体乳化に依拠する。重合化後、BHMを液滴から遊離させ、数回洗浄し、コンビナトリアルバーコーディングのためのスプリットプール合成により処理する。下記は、このようなヒドロゲルビーズ合成と続くコンビナトリアルバーコーディングを実施する詳細なプロトコールの概略である。
BHM合成は、ゲル前駆体溶液を図19に示す微小流体チップを使用して62μmサイズ液滴に乳化させることにより開始する。分散相の組成は、6.2%(v/v)アクリルアミド、0.18%(v/v)ビス−アクリルアミド、0.3%(w/v)過硫酸アンモニウムおよび50μMアクリレート修飾DNAプライマー(IDT、配列に関して図20A参照)を含む10mM Tris−HCl(pH7.6)、1mM EDTA、15mM NaClであった。連続相として、0.4%(v/v)TEMEDおよび1.5%(w/w)EA−界面活性剤を運搬する、フッ化流体HFE−7500を使用した。流速は、水相について400μl/時間および油相について900μl/時間であった。液滴を、200μl鉱油下に1.5mLチューブに回収し、65℃で12時間インキュベートして、ビーズの重合を生じさせた。得られた固化ビーズを、HFE−7500油中1mLの20%(v/v)1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクタノール(B20156, Alfa Aesar)で2回およびヘキサン(BDH1129-4LP, VWR)中1mLの1%(v/v)Span 80(S6760, Sigma)で2回洗浄し、各工程間、0.5〜1分のインキュベーションを行い、最終的に5000rcfで30秒遠心分離した。最終遠心分離後、ヘキサン相を吸引し、得られたBHMペレットを1mLのTEBST緩衝液(10mM Tris−HCl(pH8.0)、137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM EDTAおよび0.1%(v/v)Triton X−100)に溶解した。痕跡量のヘキサンを除去するために、ビーズを1mL TEBST緩衝液で、5000rcfで30秒、3回洗浄し、最終的に1mL TEBST緩衝液に再溶解し、4℃で保存した。これらのBHMは、約100nmサイズの孔を含んだ。さらに、約1kPaの弾性係数を有するビーズは、その完全性を失うことなく濃縮ゲル塊に充填されることが可能となる“グニャグニャ”であった。
BHMスプリットプールコンビナトリアルバーコーディング。ヒドロゲル微小球体上にバーコード化プライマーを製造するために、図20Bに要約する2工程酵素伸長反応を使用した。始めに、予充填した384ウェルプレートを、バーコードの最初の半分をコードする9μlの15μMプライマー5’−W1−bc1−PE1(ここで、‘bc1’は、各ウェルの一意的な配列を意味し、またヌクレオチド配列情報については表1も参照のこと)と共に使用した。約40,000ヒドロゲルビーズ(5’−Ac−PC−T7p−PE1プライマー運搬)、2.5×等温増幅緩衝液(NEB)および0.85mM dNTP(Enzymatics)を含む6μlの反応混合物を各ウェルに添加した(計約10ビーズとなる)。85℃で2分の変性および60℃で20分のハイブリダイゼーション後、5μlのBst酵素混合物(1×等温増幅緩衝液中1.8UのBst 2.0および0.3mM dNTP)を添加し、各ウェルの最終体積20μlとした。60℃で60分インキュベーション後、反応を、20μlの停止緩衝液(100mM KCl、10mM Tris−HCl(pH8.0)、50mM EDTA、0.1%(v/v)Tween−20)を各ウェルに添加することにより停止させ、30分、氷上でインキュベートして、EDTAがマグネシウムイオンとキレート化し、Bst酵素を不活化することを確実とした。次に、ビーズを50mLファルコンチューブに回収し、1000rcfで2分遠心分離し、10mM EDTAを含む50mLの停止緩衝液で3回洗浄した。第二鎖を除去するために、ゲルを20mLの150mM NaOH、0.5%(v/v)Brij 35Pに懸濁し、10mLの100mM NaOH、0.5%(v/v)Brij 35Pで2回洗浄した。次いでアルカリ溶液を緩衝液100mM NaCl、100mM Tris−HCl(pH8.0)、10mM EDTA、0.1%(v/v)Tween−20で中和し、10mL T10100.1緩衝液(10mM Tris−HCl(pH8.0)、10mM EDTA、0.1%(v/v)Tween−20)で1回および10mL T100.10.1緩衝液(10mM Tris−HCl(pH8.0)、0.1mM EDTA、0.1%(v/v)Tween−20)で2回洗浄し、最後にビーズを1.3mLのDST緩衝液に懸濁した。
第二バーコーディング工程のために、第二の384−マイクロタイタープレートを調製し、9μlの15μMプライマー5’−T19V−UMI−bc2−W1(ここで、‘bc2’は、各ウェルの一意的な配列を意味し、UMIはランダムヘキサヌクレオチドであり、配列情報についてまた表1も参照のこと)を予充填し、第一の384ウェルプレートの工程を繰り返した。
ビーズ上のssDNAプライマーの定量化。BHMあたりのssDNAプライマーの量を定量するために、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を、非伸長DNA“stub”(PE1)、1伸長工程後のバーコード化プライマー(W1)および2伸長工程後のバーコード化プライマー(T19V)を標的とする相補的DNAプローブで実施した(配列情報について表1参照)。ハイブリダイゼーションを、40μl体積で室温で20分、約4000 DNAバーコーディングビーズをハイブリダイゼーション緩衝液(1M KCl、5mM Tris−HCl(pH8.0)、5mM EDTA、0.05%(v/v)Tween−20)に10μM FAM標識プローブと共に懸濁することにより実施した。高塩濃度を使用して、室温でも弱い結合を有するT19V(dA20−FAM)を標的とするプローブの融解を避けた。バックグラウンド蛍光の不在を、DNAプライマーを欠く微小球体で確認した。インキュベーション後、ビーズを1.4mL ハイブリダイゼーション緩衝液で3回洗浄し、40μlに再懸濁し、蛍光強度を共焦点顕微鏡(Leica)下に記録した。PE1−FAM、W1−FAMおよびdA20−FAMを有するビーズの平均蛍光強度はそれぞれ2286±271、1165±160および718±145であった(図21A〜21D)。これは、W1/PE1について約50%およびポリT/W1について60%の取り込み効率に対応し、ビーズあたり31%または約15μMの完全バーコード化ssDNAプライマーの最終効率をもたらす。BHM体積の説明として、これは、単一ビーズあたり約10コピーの完全伸長ssDNAプライマーに等しい。
ヒドロゲルメッシュからのプライマーの遊離を確認するために、約4000ビーズを20μlDST緩衝液に懸濁し、UV光(約10mW/cmで365nm)に8分曝した。BioAnalyzer High Sensitivity DNA Analysis Kit(Agilent Technologies)を使用した1μlの上清のゲル電気泳動図は、3DNAバンドを確認し(図21E)、これは、上記からのFISH結果と一致する。
単一BHMからのプライマーの単分子配列決定。合成後のBHMの組成を試験するために、10のBHMを無作為に選択し、Illumina MiSeq配列決定プラットフォームを使用して配列決定した。この目的のために、BHMを、最初に上記のとおり蛍光FISHプローブ(PE1−FAM)にハイブリダイズし、蛍光照明下に解剖顕微鏡(Nikon)を使用して手動で選択し、5μlDNA懸濁液(DS)緩衝液(10mM Tris−HCl pH8.0、0.1mM EDTA)を予め充填した0.2mL PCRチューブに移した。次いでチューブを、氷上に維持しながらUV光(約10mW/cm)に15分曝した。UV暴露後、0.5μlの5μM PE2−(バーコード)−A19プライマー(ここで、nは、10種の異なるバーコードである)をチューブに添加し、4.5μlのBst 2.0使用準備済反応溶液と混合した。次いで、10μl最終体積を有するサンプルを室温で10分インキュベートし、3分、95℃で不活化し、氷で冷却した。次に、50%(v/v)Kapa HiFi HotStartレディミックス(2×、KK2601)、15%(v/v)PE1/PE2プライマーおよび35%(v/v)無ヌクレアーゼ水を含む20μlのマスター混合物を各チューブに添加し、DNAをPCR(95℃で5分、次いで98℃で20秒、60℃で15秒、72℃で30秒30サイクルおよび最終工程72℃で5分)で増幅させた。PCR産物のサイズをゲル電気泳動で評価し、GenElute PCR CleanUp Kit(Na1020-1KT, Sigma)で精製し、全サンプルを10ng/μlまで希釈した。最終工程で、全サンプルを一緒にプールし、製造者の推奨に従いMiSeq Illuminaプラットフォームを使用して配列決定した。10個の個々のビーズからのプライマーの配列決定結果を図21F〜21Hに示す。
一配列決定ランあたりの細胞数の限界。各々Nバーコードの一つを運搬するバーコード化ヒドロゲル微小球体(BHM)の大プールについて、2以上の細胞が同じバーコードを運搬する前に捕獲できる細胞の最大数はいくらであるか?この疑問は、年内の日に類似するバーコードおよび室内の人に類似するBHMで、いわゆる誕生日問題と同種である。n BHMのサンプリングから予測される観察されるバーコード数は
Figure 0006853667
である。従って、同じバーコードを運搬する細胞のフラクションとして規定される予測される複数バーコーディングエラーは、約
Figure 0006853667
である。エラーは、n≒Nのとき大きくなり、したがって実際問題としてサンプリングされた細胞数はバーコード数よりはるかに小さくなければならず、すなわちn<<Nでなければならず、それゆえ得られるバーコード化単一細胞の限度は
Figure 0006853667
である。バーコード化単一細胞nの数は許容されるエラーにより、例えば、ferr=1%未満のエラーの許容は、n=N/50の上限を必要とする。従って、我々の実験での2個の384ウェルプレートに対応するN=384の値について、1%複数バーコーディングエラーは限度n=2,949細胞で生じる。実際問題として、使用する細胞を少なくして、無視してよい複数バーコーディングエラーを生じ得る。
細胞培養調製物。マウス胚性幹(mES)細胞を、ゼラチンで被覆したESCベース媒体内部培養フラスコ中、37℃で5%COおよび60〜80%湿度で密度約3×10細胞ml−1で維持した。ESC培地は、15%(v/v)胎児ウシ血清(Gibco)、2mM L−グルタミン、1×MEM非必須アミノ酸(Gibco)、1%(v/v)ペニシリン−ストレプトマイシン抗生物質、110μM ベータ−メルカプトエタノール、100μM ピルビン酸ナトリウム添加フェノールレッド無DMEM(Gibco)を含んだ。誘導分化のために、ESCベース媒体に白血病阻害性因子(LIF)を、最終濃度1000U/mLで添加し、無誘導mES分化のために、培地はLIFを含まなかった。LIF中止2日以内に、培養物は、mES細胞の分化を示す、顕著な形態学的変化を経験した。
封入前に、フラスコを1×PBS(Mg2+イオンおよびCa2+イオン不含)で洗浄し、1×トリプシン/EDTA溶液で3分、37℃で処理した。トリプシンを等体積のESCベース培地で消費させた。分離した細胞を、260gで3分遠心分離し、約3mL新鮮ESCベース培地に再懸濁した。40μmサイズストレーナーを通した後、細胞を血球計算器で計数し、0.04%(v/v)BSAおよび16%(v/v)OptiPrep溶液添加0.5×PBSで希釈して、所望の量の細胞(一般に200μl中20,000細胞)を得た。懸濁液を、微小フルイディクスデバイスに接続した1mLシリンジに移し、100μl/時間の流速で注入した。この方法に従い、mES細胞を、LIFを用いて1日目およびLIFを用いずに早期2日目、後期2日目、4日目および7日目に調製した。
K−562細胞株(ATCC, CCL-243)を、10%(v/v)胎児ウシ血清および1%(v/v)ペニシリン−ストレプトマイシン添加DMEMに、37℃で5%COおよび60〜80%湿度雰囲気で、密度約3×10細胞ml−1で維持した。封入実験のために、K−562細胞を、DMEM培地を使用し、mES細胞と1:1比で混合する以外、上に概説したように製造した。
DNAライブラリー調製。ライブラリー調製は、修飾CEL−Seqプロトコールに基づいた。DNAライブラリー調製のワークフローは次のとおり要約できる:RT→ExoI→SPRI精製(SPRIP)→SSS→SPRIP→T7インビトロ転写線形増幅→SPRIP→RNAフラグメンテーション→SPRIP→プライマーライゲーション→RT→ライブラリー富化PCR。
Jaitin DA, et al. (2014) Massively parallel single-cell RNA-seq for marker-free decomposition of tissues into cell types. Science 343(6172):776-779における詳細なプロトコールを参照して、次の修飾をプロトコールに行った:RTプライマーはP5/PE1アダプターを含み、一方ライゲーションプライマーはP7/PE2アダプターを含み、反転した配向はプロトコールにおけるものである;ExoI処理前に、破壊液滴からの水相を、4℃で15分、14krcfで遠心分離し、細胞残骸およびゲルをペレット化した;ExoI処理中、10U HinFIを、RT反応中に形成され得る消化プライマー二量体に添加した;元のDNAse消化工程を、線形増幅後省略した;線形増幅後、得られた増幅RNAライブラリーを、先に進む前にAgilent BioAnalyzerで分析した;プライマーライゲーション前、サンプルをエビアルカリホスファターゼで30分処理した。最終ライブラリー富化PCRのために必要な最終PCRサイクル数は、10〜13サイクルの範囲であった。残りの工程その他の点では代えていない。
生物情報学分析。表1に詳述するように、ペアード・エンド配列決定をIllumina MiSeq、HiSeq 2500およびNextSeq機械で実施した。リード1をサンプルバーコードおよびUMI配列を得るために使用した;次いで、リード2を欠きのような対照トランスクリプトームに対してマッピングした。読取データを、まず、W1アダプター配列により分けられる2個のサンプルバーコード成分のリード1の存在に基づき、選別した(図20および表4参照)。次いで、リード2をTrimomatic (5)(version 0.30; パラメータ: LEADING: 28 SLIDINGWINDOW: 4:20 MINLEN: 19)を使用して調整した。各読取データのバーコードを、384の所定のバーコードの一覧に対してマッチさせ、最大2ヌクレオチドミスマッチまでのエラーを補正した。対照一覧から2ヌクレオチドを超えて分離されるバーコードを有する読取データは切り捨てた。次いで、読取データを、マッピングおよびUMIフィルタリングのためにバーコード特異的ファイルに分けた。
調整した読取データを、マウストランスクリプトームに対してBowtie(version 0.12.0、パラメータ:-n 1 -l 15 -e 300 -m 200 -best -strata -a)を使用してアラインした。データセットをまた、分析の質的結果を代えることなく、異なるbowtieパラメータセットでも評価した。対照トランスクリプトームを、UCSCmm10ゲノム集合体からの全アノテート転写物(125bpポリAテイルで伸長)を使用して構築した。カスタムPythonおよびPySAMスクリプトを使用して、マッピング読取データを、遺伝子あたりのUMI選別転写物の数に処理した。bowtieからのアライメントを次の方法で選別した:(1)各読取データについて、我々は、転写物の末端に最も近いアライメントの選択により、全アイソフォームを通して、最大で遺伝子あたり1アライメントを保持した。(2)読取データが複数の遺伝子についてアラインされたら、我々は、転写物の末端から400bpを超えて離れたあらゆるアライメントを除外した;これはCEL−SEQ方法の強い3’バイアスにより動機付けられる。(3)10を超える遺伝子にマッピングされた読取データを除外し、(4)次の段落に記載するUMIフィルタリング工程を実施した。最後に、(5)読取データが、UMIフィルタリング後まだ2を超える遺伝子にアラインされるならば、読取データを全体で除外した。数の報告に際し、各遺伝子について、少なくともの一つの読取データに識別されなかったあらゆる他の遺伝子も報告した;これは、マッピング多義性に起因する我々の下流分析における偽相関の除外を可能にした。この最終工程へのパイプラインの頑強性を、読取データあたり最大1〜4アライメントを用いるデータの再処理により確認した。工程(1〜5)を各サンプルで別々に実施した後、得られた遺伝子発現表を連結し、分析のためにMATLABに載せた。
UMIフィルタリング(上記工程4)を次のとおり行った。各異なるUMIを、UMIを運搬する一連の読取データを通して、一連の遺伝子と関連付けた。各UMIについて、このUMIで完全な一連の読取データを構成できる最小の一連の遺伝子を特定した。この問題は、‘Hitting Set Problem’(または‘Set Cover Problem’)として知られる。貪欲法を適用して、各UMIについて最も貧弱な遺伝子セットを得た。1読取データ/遺伝子/UMIのみ維持した。この方法で、遺伝子のあるサブセットは、同じ一連の多義にアラインされた読取データにより支持されるため、互いになお区別不可能であり得る。前段落の工程(5)を、ゆえに、使用して、所定の閾値を越える不明瞭な読取データを除いた。UMIフィルタリング工程を説明するために、UMIを、一つ目は遺伝子AおよびBにアラインし、二つ目は遺伝子BおよびCにアラインする二つの読取データで考慮する。いずれの読取データも明白にアラインしないが、遺伝子Bは、両読取データの存在により説明され、ゆえに、遺伝子AおよびCへのアライメントは無視され、2個の読取データのうち1個のみが遺伝子Bについて維持される。
UMI選別カウント正規化。正規化前に、サンプルバーコードあたりの総UMIフィルターマッピング(UMIFM)数における多様性は、21%〜55%(変動係数)であった、表1参照。CVは分化中に増殖するように見え、総UMIFM数における多様性のいくつかの差異が、RT効率における多様性ではなく、細胞サイズの再に起因することを示唆する。全数を、総数正規化により正規化し、すなわち細胞iにおける遺伝子jの正規化した数は、非正規化数、mi,jの点で、
Figure 0006853667
として与えられ、ここで、
Figure 0006853667
は、全細胞にわたるMの平均である。類似する結果が、サブサンプル正規化を使用しても得られる。
方法感受性予測。このセクションは、検出限界が、全遺伝子転写物にわたり不偏および均一と仮定される、捕獲効率、βまたはベータのみである場合の予測である図14Eにおける感受性曲線(黒曲線)に由来する。配列特異的または長さ特異的バイアスのような全ての他のバイアスは無視可能と仮定される。優れた適合は、これらの仮定を強化する。nを、ある液滴におけるある遺伝子に対する転写物数とする。この液滴における遺伝子の転写物ゼロを検出する確率は
Figure 0006853667
である。次いで、感受性Sが、純粋RNAサンプルである場合、平均値
Figure 0006853667
に関してポワソン−分散する、nの分布にわたりp(n)を疎外化することにより得られる。
Figure 0006853667
を得て、
Figure 0006853667
を導き、これが、図14Dから測定されたβ(ベータ)の値と共に図14Eにプロットされた曲線である。この曲線は、β(ベータ)で評価したポアソン分布の積率母関数(MGF)としても特定できる。適合の品質は、液滴間のβ(ベータ)の多様性が小さいことを要求し、これは、対照液滴間の総数における低CVと一致する。非対照サンプルについて、各遺伝子の投入分布はもはやポアソン分布ではなく、検出頻度
Figure 0006853667
は、むしろ各遺伝子で異なり、ここに示した仮定下、β(ベータ)で評価した根底の遺伝子発現分布のMGFに等しい。
PCAおよびtSNE分析のための主要な遺伝子セットの選択およびフィルタリング。各遺伝子が、他の遺伝子と無相関である内因性サンプリングノイズを運搬するため、全トランスクリプトームデータについて、全遺伝子にわたり観察された可変性の大フラクションは、最主要成分により説明されないと予測される。同じ理由で、細胞亜集団間の差異は、多数の“傍観者”遺伝子(これは、集団間でほぼ変わらない)が評価する細胞−細胞相関に含まれるならば、弱く見え得る。これらのサンプリング限界に打ち勝つために、ES細胞集団構造を、既知ES細胞生物学を反映することが知られ、同時にまた各時点で最も可変性遺伝子であると報告される遺伝子のサブセットのみを使用して分析した。適切な遺伝子セットを選択する一般的戦略は次のとおりであった:(1)各時点で、遺伝子ファノ因子と密接に相関する、νスコア(表2)により決定して、トップ200の最も可変性遺伝子を包含した;これらの遺伝子を、ES細胞生物学に包含される遺伝子の精選リストで補完した。(2)遺伝子セットを減らすために、予備的主成分分析(PCA)を、最初の遺伝子セットを使用して細胞集団で行い、結果を“主要遺伝子”、すなわち図150Eにおけるマトリクス無作為化により決定して非ランダム主成分(PC)に寄与する遺伝子の選択のみに使用した。主要遺伝子は、各非ランダムPCについての最高充填係数を有するものであり、選択閾値は、充填係数分布の構造を反映するために各PCで動的に設定する。(3)セットにおける各遺伝子gについて、次いで、セットをgと最も強く相関する最大2個のさらなる遺伝子を含むように再拡張した。この最終工程は、最初のセットには存在しないが、非常に価値のある遺伝子セットと存在する遺伝子の包含を可能とする。工程(3)の終了時に導かれた最終遺伝子セットを、その後の各時点でのPCAおよびtSNE分析に使用した。
ネットワーク近隣分析。距離メトリックd=(1−(ピアソン相関))を、2遺伝子間の距離の定義に使用し、ここで、相関を全細胞にわたり取る。非加重、有向ネットワークを次のとおり構築した:ある目的の遺伝子Gについて、そのN近傍遺伝子G(すなわちGと最高相関を有する遺伝子)に対する有向辺を定義した。Nのさらなる有向辺を、セットGの各メンバーからそのN近傍に添加し、合わせてGのセットを形成した。得られた予備的ネットワークは計(N+1)N有向辺およびG、GおよびGを表す最大1+(N+1)N頂点を有する。次いで、ネットワークを、Xより少ない投入エッジを有するあらゆる頂点を除去することにより反復的に調整した。最終ネットワークは、“遺伝子GのXの接続した近隣”である。空セットでなければ、遺伝子G;Gの少なくともX−1の他のメンバーも近傍であるGのあるメンバー;およびGの少なくともXメンバーの近傍であるGのあるメンバーを有する。図16にプロットしたネットワークについて、パラメータN=50、X=3を使用した。
Figure 0006853667
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実施例16
この実施例は、細胞を液滴に封入する方法を説明する。この実施例において、液滴バーコーディング−配列決定プラットフォームを使用して、細胞を、溶解緩衝液、逆転写(RT)試薬およびバーコード化オリゴヌクレオチドプライマーと共に液滴に封入した。各溶解細胞から遊離したmRNAは、同じ液滴に捕捉されたままであり、相補的DNA(cDNA)の合成中にバーコード化された。バーコーディング後、全細胞からの物質を破壊液滴により合わせ、cDNAライブラリーを配列決定のために処理した(図27)。
この実施例において、細胞と共封入されたバーコード化ヒドロゲル微小球体(BHM)のライブラリーを合成した(図27)。BHMは、共有結合した、384(すなわち147,456)の所定のバーコードの一つをコードする光遊離可能プライマーを運搬した。このプールサイズは、99%一意的な標識で3,000細胞を無作為に標識し、バーコード化され得る細胞数は、各約3k細胞の収集物チューブに印をするライブラリーバーコードの使用よりはるかに多い。本方法は、単一ライブラリーにおける大規模細胞捕獲が望まれるならば、直接的な方法で拡張可能である。
図27は、数千の細胞のDNAバーコーディングのための液滴微小流体プラットフォームを記載する。単一細胞液滴バーコーディングの概略図。細胞を、溶解緩衝液、逆転写(RT)混合物およびバーコード化RTプライマー運搬ヒドロゲル微小球体と共封入し、封入プライマーがヒドロゲルから遊離された後、液滴内のcDNA産物が、逆転写中にDNAバーコードでタグ付される。その後液滴は、破壊され、全細胞からの物質を直線的に増幅させて、その後配列決定する。UMI=ランダムヘキサマーの一意的な分子識別子。
ここでいくつかの本発明の態様が記載され、説明されているが、当業者は、ここに記載する結果および/または利点の1以上の機能を実施するおよび/または獲得するための、多様な他の手段および/または構造を容易に想起し、このようなバリエーションおよび/または修飾の各々は、本発明の範囲内であると考える。より一般的には、当業者は、ここに記載する全てのパラメータ、寸法、物質および配置が例示を意味するものであり、実際のパラメータ、寸法、物質および/または配置は、本発明の教示が使用される、特定の1以上の適用によることを容易に認識する。当業者は、日常的なものを超えない実験で、ここに記載する具体的な本発明の態様の多くの均等物を認識または確認できる。それゆえ、前記態様は、単なる例示であり、添付する特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、本発明は、具体的に記載し、かつ請求する以外に実施し得ると解釈すべきである。本発明は、ここに記載する各個々の特性、システム、物品、物質、キットおよび/または方法に関する。さらに、2以上のこのような特性、システム、物品、物質、キットおよび/または方法のあらゆる組み合わせは、このような特性、システム、物品、物質、キットおよび/または方法が互いに矛盾しない限り、本発明の範囲内に包含される。
ここに定義し、使用する全ての定義は、辞書の定義、引用により包含する論文における定義および/または定義された用語の通常の意味を超えて支配的であると解釈すべきである。
本明細書および特許請求の範囲で使用する単数表現は、明らかに矛盾しない限り、“少なくとも1”を意味すると解釈すべきである。
本明細書および特許請求の範囲で使用する用語“および/または”は、結合された要素の“いずれかまたは両者”、すなわち、ある場合、結合して存在するおよび他の場合において分離して存在する要素を意味すると解釈すべきである。“および/または”を用いて列記された複数要素は同じ方法で解釈すべきであり、すなわち、要素の“1以上”が結合される。他の要素は、具体的に特定した要素と関連していても、関連していなくても、“および/または”節により具体的に特定された以外の要素は所望により存在してよい。従って、非限定的例として、“Aおよび/またはB”なる記載は、“含む”のようなオープンエンドの用語と連結して使用するとき、ある態様において、Aのみ(所望によりB以外の要素を含み得る);他の態様において、Bのみ(所望によりA以外の要素を含み得る);さらに別の態様において、AおよびB両者(所望により他の要素を含み得る)などを意味し得る。
本明細書および特許請求の範囲で使用する“または”は、上記の“および/または”と同じ意味を有すると解釈すべきである。例えば、一覧の中の項目を分けるとき、“または”または“および/または”は包括的であると解釈すべきであり、すなわち、数または要素の一覧の少なくとも一つを包含するが、1超も含み、所望により、さらなる非列記項目も含む。“唯一つの”または“正確に一つの”、または、特許請求の範囲で使用するとき、“からなる”のような、これに明らかに反する用語のみが、数または要素の一覧の正確に1個の要素の包含を意味する。一般に、ここで使用する用語“または”は、“いずれか”、“一方”、“一方のみ”または“正確に一つの”のような排他性の用語を伴うときのみ、排他的代替(すなわち“一方または他方であるが、両者ではない”)を示すとして解釈すべきである。“から本質的になる”は、特許請求の範囲で使用するとき、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有する。
本明細書および特許請求の範囲で使用する用語“少なくとも一つ”は、1以上の要素の一覧を参照して、要素の一覧における要素の任意の1以上から選択される少なくとも1要素を意味するが、要素の一覧内に具体的に列記された各および全ての要素の少なくとも一つを必ずしも含まず、要素の一覧における要素のあらゆる組み合わせを除外しない。この定義はまた、要素が、所望により具体的に特定した要素と関係していても、していなくても、“少なくとも一つ”と言及した要素の一覧内に具体的に特定された以外の要素が所望により存在し得ることも可能とする。従って、非限定的例として、“AおよびBの少なくとも一つ”(または、同等に、“AまたはBの少なくとも一つ”、または、同等に“Aおよび/またはBの少なくとも一つ”)は、ある態様において、少なくとも一つ、所望により1超のAを含み、Bが存在しない(そして、所望によりB以外の要素を含んでよい);他の態様において、少なくとも一つ、所望により1超のBを含み、Aが存在しない(そして、所望によりA以外の要素を含んでよい);さらに別の態様において、少なくとも一つ、所望により1超のAおよび少なくとも一つ、所望により1超のBを含む(および所望により他の要素を含んでよい)などを意味する。
用語“約”を、数字を参照するときに使用するとき、本発明のさらに別の態様は、用語“約”の存在により修飾されないその数字を含むと解釈すべきである。
明らかに矛盾する記載がない限り、1を超える工程または行為を含むあらゆる方法において、方法の該工程または行為の順番は、方法の工程または行為が言及されているその順番に必ずしも限定されない。
特許請求の範囲ならびに上記明細書において、“含む”、“包含する”、“運搬する”、“有する”、“含有する”、“関与する”、“保持する”、“構成される”などのような全ての移行句はオープンエンドである、すなわち、含むが、限定されないと理解すべきである。“からなる”および“から本質的になる”の移行句のみが、それぞれ、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03に示されるように、クローズまたはセミクローズの移行句である。

Claims (4)

  1. 微小流体液滴に包含された細胞集団内の核酸を標識する方法であって、
    複数の粒子を提供すること;
    第一オリゴヌクレオチドタグを、粒子の少なくとも約90%がそれに共有結合した第一オリゴヌクレオチド1個のみを有するように複数の粒子に結合すること、ここで、第一オリゴヌクレオチドタグは、少なくとも10の一意的な第一オリゴヌクレオチドタグのプールから取られるものであり;
    第二オリゴヌクレオチドタグを、第一オリゴヌクレオチドタグの少なくとも約90%がそれに共有結合した第二オリゴヌクレオチドタグ1個のみを有するように第一オリゴヌクレオチドタグに結合すること、ここで、第二オリゴヌクレオチドタグは、少なくとも10の一意的な第二オリゴヌクレオチドタグのプールから取られるものであり、
    複数の細胞および複数の粒子を、微小流体液滴の少なくとも約90%が1細胞を含むかまたは細胞を含まないように複数の微小流体液滴に封入すること、
    細胞から核酸を遊離させるために液滴内で細胞の少なくともいくつかを溶解させること、および
    遊離核酸と少なくともいくつかの液滴内のオリゴヌクレオチドタグを結合させること
    の工程を含む、方法。
  2. 第一オリゴヌクレオチドタグおよび/または第二オリゴヌクレオチドタグの少なくともいくつかが少なくとも2バーコード配列を含み、少なくとも2バーコード配列が異なるバーコード配列のプールから選択される、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、複数の粒子が複数の微小流体液滴に封入された後、第一オリゴヌクレオチドタグおよび/または第二オリゴヌクレオチドタグの少なくともいくつかを粒子から遊離することを含む、請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
  4. 複数の粒子が複数の微小流体液滴に封入された後、第一オリゴヌクレオチドタグおよび/または第二オリゴヌクレオチドタグの少なくともいくつかを粒子から光の適用により遊離することを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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