JP6853194B2 - 体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための方法および試験要素 - Google Patents

体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための方法および試験要素 Download PDF

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Description

本発明は、体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための方法および試験要素を開示する。さらに、本発明は、試験要素を産生するための方法、試験要素の電極表面に塩化銀層を生成するための方法、および体液試料の少なくとも1つの特性を決定するためのシステムであって、試験要素を含む前記システムを開示する。
関連技術
医学技術および診断の分野において、体液中の少なくとも1つの分析物を検出するための多数のデバイスおよび方法が知られる。該方法およびデバイスは、体組織または体液中に存在する少なくとも1つの分析物、特にグルコース、乳酸塩、トリグリセリド、コレステロールまたは他の分析物などの1またはそれより多い分析物、好ましくは血液、好ましくは全血、血漿、血清、尿、唾液、間質液または他の体液などの体液中の代謝産物を検出するために使用されうる。活性化時間を測定するための、例えば凝血監視のためのトロンビン活性化時間測定のためのさらなるデバイスが知られる。本発明の範囲を制限することなく、以下において、例示的でそして好ましい分析物として、グルコースの検出に言及する。
血中グルコース濃度の決定ならびに対応する薬物療法は、多くの糖尿病の毎日のルーチンの本質的な部分である。利便性を増加させるため、そして許容できる度合いを超える、毎日のルーチンの制限を回避するため、仕事、レジャー、または家から離れた他の活動中の血中グルコース濃度測定のためなどで、ポータブルデバイスおよび試験要素が、当該技術分野に知られる。試験ストリップの形の試験要素の使用に基づく、多数の試験デバイスおよび試験システムが知られる。多数の試験ストリップがカートリッジによって提供され、カートリッジから試験ストリップが試験デバイスに自動的に提供可能である適用が知られる。しかし、単一の試験ストリップを用い、これを使用者が手動で試験デバイスに挿入する、他の適用が知られる。試料を試験要素に適用するため、典型的な試験要素は、少なくとも1つの試料適用部位、例えばキャピラリー試験要素におけるキャピラリー開口を提供する。ホームケア適用の代わりに、こうした試験要素は、職業的診断、例えば病院適用において使用可能である。
多くの場合、分析物を検出するため、1またはそれより多い試験化学を有する1またはそれより多い試験野を含む、試験要素、例えば試験ストリップが用いられる。試験化学は、検出しようとする分析物の存在下で、1またはそれより多い検出可能特性が変化するよう適応されている。したがって、試験化学の電気化学的検出可能特性および/または試験化学の光学的検出可能特性は、分析物存在の影響によって変化可能である。本発明において適用可能な試験化学に関しては、J. Hoenesら:Diabetes Technology and Therapeutics, Vol. 10, Supplement 1, 2008, S−10〜S−26を参照することも可能である。
一般的に、電気化学的試験要素を用いることによって、少なくとも1つの分析物の検出を実行可能である。本明細書において、試験要素は、典型的には、適切な電気回路に連結された、少なくとも2つの別個の電極を含む。通常、しばしば作用電極と称される、少なくとも1つの電極が、分析物を検出するために使用される。この目的のため、作用電極は、分析物に関するパラメータを、電極の測定可能な特性に、特に電流または電位に変換するように設定された電気化学的トランスデューサで、通常、覆われている。典型的には、作用電極は、少なくとも1つの検出因子試薬、特に、分析物との酸化反応および/または還元反応を実行するように適応された、少なくとも1つの酵素、例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)を含む。検出反応が、作用電極での酸化反応を含む場合、対電極は、典型的には、試験要素の測定セルを通じて、電気回路を閉じるために、還元反応を提供する。この目的のため、第二の電極は、作用電極で検出可能な最大電流が、第二の電極を通過し、それによって十分な電極反応を支持するような方式で設計される。体液試料中の分析物濃度または生理学的活性化時間を検出するための使い捨て試験要素の適用から、2つの別個の試験ストリップ配置が知られる。
第一の既知の配置において、試験要素中の少なくとも2つの電極を覆うため、試験化学を用いる。この中で、2つの電極は、貴金属、好ましくは銀、または炭素材料より選択される、同じ材料を含む。この配置において、試験化学は、作用電極での分析検出反応、および同時に対電極での電極反応を支持するよう適応される。その結果、電流は、電気化学的試験要素を通過可能になる。試験要素を産生する目的のため、試験化学は、一般的に、同一平面上に配置された、電極に適用され、そして続いて乾燥される。試験要素の適用中、試験化学は、次いで、体液を含む液体試料に溶解され、このプロセスによって、2つの電極は電気的に連結される。上述のように、電気化学トランスデューサは、検出反応を支持するよう適応される。しかし、すべてのありうる電気化学的トランスデューサが対電極での反応を同時に支持可能なわけではない。さらに、特に、干渉反応または不十分な試薬安定性のため、いくつかの試験化学は、そうでなければ対電極反応を支持するように設定されるであろう化合物と組み合わせることが不可能である。
したがって、一般的に、使い捨て試験ストリップバイオセンサーでは、対電極として、別個のAg/AgCl電極を含む第二の既知の配置が使用される。この中で、少なくとも2つの電極は、別個の方式で配置され、異なる種類の試薬で覆われ、そして液体電解質として働く、体液を含む試料によってのみ連結される。この配置では、銀−塩化銀電極(Ag/AgCl電極)がしばしば用いられる。Ag/AgCl電極は、アノード反応
Figure 0006853194
を支持し、ここで、銀イオンAgと塩化物イオンClの析出の結果、塩化銀AgClを含む被覆が得られるか、またはカソード反応
Figure 0006853194
を支持し、ここで、塩化銀AgClを溶解することによって、銀イオンAgが産生され、この銀イオンが続いて、対電極の負に荷電された銀層上で銀原子に戻る。したがって、この電極反応の電位は、電解質の塩化物濃度にのみ依存し、これは血液試料に関しては、非常に一定である。析出および再溶解工程を含む、このタイプの電極反応は、かなり一定の電極電位を提供し、これはさらに、電極を脱分極させる潜在的可能性を有しうる電極電流からも大部分、独立である。
本明細書において、作用電極上の試薬層は、体液中の分析物の特異的酸化を支持する、レドックス活性酵素補因子を伴う酵素を含んでもよい。試薬層は、さらに、電子受容体として作用しうる、レドックスサイクル提供物質を含んでもよい。レドックスサイクル提供物質またはレドックス仲介因子は、酵素補因子と反応可能であり、そして酵素補因子から得た電子を、拡散によって電極表面に輸送可能である。電極表面で、レドックス仲介因子は酸化されることが可能であり、そして輸送された電子は電流として検出可能であり、ここで電流は、体液中の分析物濃度に比例しうる。この態様に関する例は、US 2003/0146113 A1またはUS 2005/0123441 A1に見出されうる。さらなる例として、プロトロンビン活性化時間を測定するため、商品名Roche CoaguChek(登録商標)XS試験の下に商業的に入手可能である検出試薬試験ストリップは、人工的なペプチド基質を含み、プロテアーゼ、トロンビンは、連結されたレドックスタグを特異的に切り落とすことが可能である。適切な電圧を適用することによって、次いで、レドックスタグの切断を、生じる電流によって検出可能である。この中で、Ag/AgCl電極は、対電極として用いられる。
しかし、Ag/AgCl電極の既知の製造プロセスは、多くの不都合な点と関連する。通常、例えばインクまたはペーストの形の塩化銀材料は、例えば腐食によるなどで、特に銀を含む貴金属または炭素が用いられる導電性トレースの材料と反応不能な方式で、導電性トレース上にコーティングされるかまたはプリントされる。好ましくないことに、塩化銀インクまたはペーストは、かなり高価であり、そしてAg/AgCl電極を産生するための対応する製造プロセスは、特にコーティングおよび乾燥を伴う工程のため、複雑である。さらに、塩化銀コーティングはラフ表面を提示し、したがってラミネート加工試験ストリップが十分な安定性を示すように、試験ストリップ層をともにラミネート加工することが困難になっている。
さらに、塩化銀インクまたはペーストは、電気的に伝導性である。したがって、生じる電極構造は、構築された同一平面電極を覆うストライプとして、コーティング後にショートカットされうる。この不都合な点を回避するため、ストライプを、例えばリールツーリールプロセスによって、1つの伝導性経路のみが塩化銀ペーストまたはインクと接触したままである位置で、コーティングすることも可能である。しかし、これは、試験ストリップの投薬側でのみ実行可能である。例えば、試料を、メーター内に位置するヒーター部位に移動可能であるようにするため、長い試料キャピラリーを用いる、上述のRoche CoaguChek(登録商標)XS試験ストリップの場合、したがって、Ag/AgCl対電極は作用電極から遠く離れたままであり、そして特に、サーモスタット制御された試験ゾーンの外側である。Ag/AgCl電極を異なる位置に配置するため、ペーストまたはインクは、電極表面に限定されなければならず、したがって純粋なリールツーリールプロセスは適用不能であろう。
あるいは、Ag/AgCl電極の少なくとも1つの表面、伝導性経路、および接触パッドを形成するための塩化銀材料層の直接構造化もまた実現可能である。選択した構造化プロセスの性質に応じて、局所プリンティングプロセスを伴うこの種の手順は、生産コストを有意に増加させ、そして同時に、生産率および製品ロバストネスを減少させる可能性もある。
銀表面上に塩化銀層を産生するためのさらなる既知のプロセスは、塩化物イオンを含む電解質中での銀でコーティングされたポリマーホイルのアノード分極を含む。しかし、このプロセスは、生産プロセス中、電解質バスおよび対応する電気的接触を必要とする。その結果、500mを超える長さに渡る試験ストライプ産生を可能にする、好ましいリールツーリールプロセスは、やはり、ここでも適用不能である。
WO 2003/0766448 A1は、Ag/AgCl電極のこうした製造プロセスを開示し、ここでは、レドックス仲介因子および酵素を固定するため、ポリマーフィルムで銀電極をコーティングする前に、塩化物イオンを含む溶液中においた銀電極を通じて、アノード電流を伝導し、この工程によって、Ag電極表面上で、薄い塩化銀層が得られる。
US 2009/0294306 A1およびUS 2009/298104 A1は、各々、Ag/AgCl参照電極のAgCl層のin situリニューアルのための方法を開示し、ここで、Ag/AgCl参照電極は、US 2006/0016700 A1に記載される方法など、現状技術の方法によって、以前産生されてきている。ここで、患者に皮下移植されている、電気化学的センサーのAg/AgCl参照電極上の塩化銀レベルは、移植された電気化学センサーの寿命に渡って、安定な電位を維持するために、参照電極上に存在する塩化銀レベルを補充するために、銀を塩化銀に変換するために十分な期間、参照電極および別の電極に渡って、短時間の電位を適用することによって、補充される。したがって、AgCl層の天然発生溶解によって、少量、最初に生成されたAgイオンのみが、さらなる塩化銀に変換され、これが続いて、参照電極のなお存在するAgCl層上に沈着する。
US 2002/112969 A1およびEP 1 343 007 A1は、各々、AgCl層の生成法を開示し、ここで、Agイオンは、電位を適用することなしに、Ag層の天然発生溶解によって、少量で生成される。したがって、体液中に存在する負に荷電したClイオンを用いることによって、生成される正荷電Agイオンは、AgCl析出を形成可能であるが、少量の度合いまでである。
US 6 153 069 Aは、銀電極上のAgCl層のin situ生成法を開示し、ここで、特定の態様において、適切な反応物、例えばフェリシアン化物が最初にAgイオンを生成するために用いられ、これは電位の適用なしに、続いて、試料液体中に存在するClイオンと反応して、塩化銀(AgCl)析出を形成可能である。さらなる態様において、Ag/AgCl電極は、まず、Agフィルム上の反応性スパッタリングを通じて、酸化銀層を沈着させることによって生成される。続く試験中、酸化銀層は、電位の適用なしに、試験要素が、塩化物イオンを含む体液と接触した際に、in situで塩化銀に変換される。
解決すべき課題
したがって、本発明の目的は、体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための方法および試験要素であって、容易でそして費用効率が高いプロセスで製造可能であり、それによって、現状技術にしたがった生産プロセスに関連する不都合な点の少なくともいくつかを回避する前記方法および試験要素を提供することである。
発明のサマリー
この問題は、独立請求項の特徴を持つ、体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための方法および試験要素、試験要素を産生するための方法、試験要素の電極表面で塩化銀層を生成するための方法、および体液試料の少なくとも1つの特性を決定するためのシステムであって、試験要素を含む前記システムによって解決される。分離された方式で、または任意の恣意的な組み合わせで実現可能である好ましい態様を、従属請求項に列挙する。
本明細書の以下において、用語「有する(have)」、「含む(comprise)」または「含まれる(include)」あるいは任意のその恣意的な文法的変形は、非排他的な方式で用いられる。したがって、これらの用語は、この背景で記載される実体において、これらの用語によって導入される特徴に加えてさらなる特徴が存在しない状況、そして1またはそれより多いさらなる特徴が存在する状況のどちらも指すことが可能である。例えば、表現「AはBを有する」、「AはBを含む」、および「AにはBが含まれる」は、Aには、Bに加えて他の要素がまったく存在しない状況(すなわち、Aは、単独で、そして排他的にBからなる状況)、そして実体Aには、Bに加えて、1またはそれより多いさらなる要素、例えば要素C、要素CおよびD、またはさらなる要素さえ存在する状況のどちらも指すことが可能である。
さらに、本明細書の以下において、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「具体的に」、「より具体的に」、「特に」、「より特に」または類似の用語は、別の可能性を制限することなしに、場合による特徴と組み合わせて用いられる。したがって、これらの用語によって導入される特徴は、場合による特徴であり、そして請求項の範囲をいかなる意味でも制限するよう意図されない。本発明は、当業者が認識するであろうように、別の特徴を用いることによって実行可能である。同様に、「本発明の1つの態様において」または類似の表現によって導入される特徴は、本発明の別の態様に関するいかなる制限も伴わずに、本発明の範囲に関するいかなる制限も伴わずに、そして本発明の他の特徴でのように導入される特徴と組み合わせる可能性に関していかなる制限も伴わずに、場合による特徴であることが意図される。
本発明の第一の側面において、試験要素の電極表面に塩化銀層を生成するための方法であって、以下の工程:
a’)少なくとも1つの試験要素を提供し、ここで試験要素は、少なくとも1つの第一の電極および少なくとも1つの第二の電極を含み、第一の電極は試験化学に接触し、試験化学は酸化型のレドックス仲介因子であるかまたは該仲介因子を含み、第二の電極の表面は銀金属からなる;
b’)塩化物イオンを含む体液試料と、少なくとも第二の電極の表面を接触させ;そして
c)カソードとしての第一の電極およびアノードとしての第二の電極の間に、第二の電極の表面に塩化銀層が形成されるために十分な時間および電圧で、第一の電圧を適用する、ここでレドックス仲介因子の酸化型は、還元型に変換される
工程を含む、前記方法を開示する。
ここで、示す工程は、好ましくは、工程a’)から始まって、所与の順序で実行可能である。しかし、示す工程のいずれかまたはすべて、特に工程b’)およびc)はまた、少なくとも部分的に同時に、例えば限定的な期間に渡って実行され、そして/または反復して数回実行されることも可能である。工程a’)およびb’)は、以下に記載するように、体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための方法において工程a)およびb)に比較して、類似の特徴を示すため、示す方式で称する一方、工程c)の名称は、本明細書で扱う両方の方法に関して、同一の特徴を示すことを示す。
工程a’)にしたがって、試験要素は、少なくとも1つの第一の電極および少なくとも1つの第二の電極を含む。本明細書において、用語「試験要素」は、好ましくは分析物が体液中に存在する際に少なくとも1つの検出可能な特性を改変可能である少なくとも1つの構成要素、例えば試験化学、例えば上述のような先行技術に記載されるような試験化学の1またはそれより多くを含むことによって、体液中の分析物を検出可能である任意のデバイスを指す。試験要素はさらに、少なくとも1つの参照電極、例えば、組み合わせた対電極/参照電極システムを含んでもよい。特に、本発明で用いる試験要素は、好ましくは、使い捨て単回使用試験要素であり、好ましくは、以下により詳細に記載するような試験ストリップの形であってもよい。
さらに、用語「電極」は、体液に、直接あるいは少なくとも1つの半透性膜または層を通じて接触するように適応される試験要素実体を指す。各電極は、電気化学反応が、電極の少なくとも1つの表面で行われうる方式で具現化可能である。したがって、電極は、電極で酸化反応および/または還元反応が起こる方式で具現化可能である。第一および第二の電極は、同じ寸法を有してもよく、ここで、用語「寸法」は、第一の電極および第二の電極の幅、長さ、表面積、形状の1またはそれより多くを指す。特に、第一および第二の電極は、非構造化電極形状、例えばインレット、ノッチなどの構造を持たない形状で設計されてもよい。電極の形状は、製造プロセス、例えばカッティングプロセスによって決定可能である。したがって、形状は、本質的に長方形であってもよく、用語「本質的に長方形」は、製造の許容範囲内で、長方形形状からの逸脱が可能であることを示す。本明細書において、用語、電極の「表面」は、1またはそれより多い試料に、好ましくは直接接触するように適応された、好ましくは本質的に長方形形状を示す、電極上の領域を指す。
本発明にしたがって、第二の電極は、金属性銀表面を示し、該銀表面は、少なくとも1つの体液を含む、少なくとも1つの試料に接触するよう適応されている。その結果、第二の電極の表面は、銀金属からなり、該表面はしたがって、少なくとも1つの体液と直接接触するように配置されている。本明細書において、用語「銀金属」は、元素の形で存在する化学元素、銀を指す。これは、別の化学元素とともに、化合物、例えば塩の一部に容易になりうる銀イオンとは対照的である。したがって、第二の電極は、塊状銀電極であってもよく、または、特に材料費用がかなり減少するため、好ましくは第二の電極のキャリア層、好ましくは第二の電極のキャリアホイル上に沈着可能な金属性銀層を含んでもよい。好ましい態様において、銀層は、第二の電極のキャリア層を完全に覆ってもよい。この態様において、銀層の幅は、第二の電極のキャリア層の幅に対応し、用語、銀層および第二の電極のキャリア層の「幅」は、細長い試験要素方向に対して垂直である最大延長を指す。第二の電極に関するさらなる詳細を以下に記載する。
工程b’)にしたがって、少なくとも第二の電極の表面を、体液試料と接触させる。本明細書において、用語「体液」は、患者の体組織、例えば間質組織中に存在する液体成分を指す。したがって、体液試料は、好ましくは、血液、特に全血;血漿;血清、尿;唾液;または間質液からなる群より選択可能である。しかし、さらにまたはあるいは、1またはそれより多い他のタイプの他の体液またはこれらの体液の派生物を使用してもよい。
本発明にしたがって、第二の電極と接触させるために用いられる体液は、塩化物イオンを含む。塩化物は、代謝および体の酸−塩基平衡の維持の両方に必要であることから、塩化物はヒト体内に存在するため、これは、言及する好ましい体液すべてに当てはまる。例えば、健康な成人の血漿は、95mmol/L〜110mmol/Lの範囲内の非常に一定の濃度の形で、塩化物量を含む。
工程b’)の結果、体液試料によって提供される少なくとも少量の塩化物イオンは、第二の電極表面に近づく可能性が高い。しかし、試験要素内に含まれる2つの電極に渡って、適切な電位が適用されない限り、結果は無視できるであろう。したがって、本発明の工程c)にしたがって、第一の電圧が、カソードとしての第一の電極およびアノードとしての第二の電極の間に、第二の電極の表面に塩化銀層が形成されるために十分であることが当業者に知られる電圧で、適用される。特に好ましい態様において、任意の電圧、特に限定されるわけではないが第一の電圧を、第一の電極および第二の電極の間に適用するため、試験要素と相互作用するよう適応されうる測定デバイスもまた使用可能である。この目的のため、試験要素は、特に、測定デバイス内に挿入されることも可能であり、これは以下により詳細に記載される。
したがって、適切な電位は、まず、銀イオンの産生を引き起こすことが可能であり、銀イオンは、特に反対の電荷により、体液試料内で利用可能な塩化物イオンと集合して塩化銀を形成し、これが続いて、第二の電極表面で、塩化銀層として析出することが可能である。当業者に知られるように、塩化銀層の厚さの増加は、それぞれの電極を通じた電流の減少を生じうる。その結果、塩化銀層の析出は減少し、そして最終的に、特定の時間の後に終結する可能性があり、これは、一般的に、適切な電位の適用開始後から、0.2s〜10s、好ましくは0.5s〜5s、例えば1s〜1.5s続きうる。
その結果、第一の電極および第二の電極の間に第一の電圧が適用される時間が、下限および上限を有する時間間隔より選択可能であることが特に好適でありうる。ここで、この方式で第一の電圧を適用する下限は、少なくとも0.2s、好ましくは少なくとも0.5s、より好ましくは少なくとも1sの時間より選択されうる。さらに、上限は、好ましくは、第一の電極および第二の電極の間の第一の電圧の適用が、好ましくは、測定される電流が減少してしまった後、または安定な電流レベル、特に安定な低電流レベルに近づきつつある際に、終結可能である方式で、定義されうる。本明細書において、用語「安定な電流レベル」は、選択した閾値より低い、特に安定な電流レベルの外である、続いて測定される電流値の間の相違より低い、これらの間の相対的相違を示す、続いて測定される電流値のセットを指すことも可能である。実験的研究によって見出されているように、この方式で第一の電圧を適用する上限は、したがって、好ましくは、少なくとも1.5s、2s、3s、5s、または10sの時間より選択されうる。したがって、現状技術にしたがって、産生プロセス中にすでにAg/AgCl電極を生成する代わりに、塩化物イオンを含む液体試料で湿っているときに、少なくとも1つの選択した時間間隔の間、少なくとも1つの適切な電圧を適用することによって、試験要素内で、塩化銀層を産生する。
記載する方式での第一の電圧の適用の結果、試験要素で、第一の電極および第二の電極の両方を通じた電流の流れが生成される。それによって、少なくとも第二の電極の表面に含まれるような、銀層のアノード分極、すなわち銀酸化
Figure 0006853194
が起こる。体液の液体試料、特に血液試料によって、等式
Figure 0006853194
にしたがって、望ましい塩化銀層に析出する塩化物イオンが提供される。試験要素の第一および第二の電極両方を通じた電流を維持するため、第一の電極は、好ましくは、相補的電気化学還元プロセス
Figure 0006853194
を提供し、式中、Sは、それぞれ、酸化型Soxおよび還元型Sredの還元可能物質を示す。したがって、第一の電極は、適切な還元性物質を含む試薬層でコーティングされていてもよい。
特に好ましい態様において、第一の電極は試験化学と接触し、試験化学は、酸化型のレドックス仲介因子であるか、または該仲介因子を含んでもよい。本明細書において、用語「レドックス仲介因子」は、1またはそれより多い分子または複合化合物を指し、該仲介因子は、電子が産生される第一の位置では電子受容体であり、そして第一の位置から第二の位置への電子移動では電子シャトルであることによって、電荷移動を補助するよう設定されており、第二の位置で、電極は、さらなる反応を達成するために用いられる。この移動中、レドックス仲介因子は、1またはそれより多い電子を受け取り、そして放出することによって、特に、例えば電位によって、レドックス仲介因子に対して電気力が発揮されることによって、改変されうる。本発明において、レドックス仲介因子の酸化型は、したがって、カソードとしての第一の電極およびアノードとしての第二の電極の間で、上に示すような時間および電圧で第一の電圧を適用することによって、工程c)中に、レドックス仲介因子の還元型に変換されうる。その結果、レドックス仲介因子は、ここで、2つの異なる役割、すなわち塩化銀層生成のための方法においては、還元性物質として、そして同時に、以下に記載するように、分析物を検出するための方法においては、検出工程に関与する物質として、使用可能である。
本発明のさらなる側面において、塩化物イオンを含む体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための生成法であって、以下の工程:
a)少なくとも1つの試験要素を提供し、ここで試験要素は、試験化学と接触する少なくとも1つの第一の電極、および少なくとも1つの第二の電極を含み、試験化学は酸化型のレドックス仲介因子であるかまたは該仲介因子を含み、試料の非存在下で、体液試料と接触するよう適応された第二の電極の表面は、銀金属からなる;
b)塩化物イオンを含む体液試料と、第一の電極および第二の電極の両方を接触させ; c)カソードとしての第一の電極およびアノードとしての第二の電極の間に、第二の電極の表面に塩化銀層が形成されるために十分な時間および電圧で、第一の電圧を適用する、ここでレドックス仲介因子の酸化型は、還元型に変換される
d)アノードとしての第一の電極およびカソードとしての第二の電極の間に、第二の電圧を適用し;そして
e)第一の電極および第二の電極の間の電気シグナルを決定し、これによって、塩化物イオンを含む体液試料中の分析物を検出する、ここで、分析物検出は、レドックス仲介因子の再酸化を含む
工程を含む、前記方法を開示する。
本明細書において、示す工程は、好ましくは、工程a)から始まって、所与の順序で実行される。しかし、示す工程のいずれか、特に、一方で、工程b)およびc)、そして他方で工程d)およびe)はまた、少なくとも部分的に同時に、例えば限定的な期間に渡って実行され、そして/または反復して数回実行されることも可能である。すでに上述したように、工程a)およびb)は、塩化銀層を生成するための方法において、上述したような工程a’)およびb’)に比較して、類似の特性を示し、工程c)は、本明細書で扱う両方の方法に関して、同一の特徴を示す。工程a)〜c)は、上述のような塩化銀層を生成するために用いられ、そしてしたがって、「調製期」と称されうる一方、本方法のさらなる工程d)およびe)は、工程a)〜c)によって提供されるような塩化銀層を用いることによって、体液試料中の分析物を検出するために適用されており、そしてしたがって、「検出期」と称されうる。したがって、調製期に関して、上記説明もまた参照可能である。
本明細書において、用語「分析物」は、使用者または患者の関心対象でありうる、体液中に存在する任意の要素、構成要素または化合物およびその濃度を指すことも可能である。好ましくは、分析物は、患者の代謝に役割を果たしうる任意の化学物質または化学的化合物、例えば少なくとも1つの代謝産物であるか、またはこうした物質を含むことも可能である。例えば、少なくとも1つの分析物を、グルコース、コレステロール、トリグリセリド、乳酸塩からなる群より選択することも可能である。しかし、さらにまたはあるいは、他のタイプの分析物を用いることも可能であり、そして/または分析物の任意の組み合わせを決定することも可能である。本明細書において、一般的に用いるように、用語「患者」は、ヒトまたは動物が、それぞれ健康な状態にあってもよいし、あるいは1またはそれより多い疾患に罹患していてもよい事実とは独立して、ヒトまたは動物を指すことも可能である。例えば、患者は、糖尿病に罹患したヒトまたは動物であることも可能である。しかし、さらにまたはあるいは、本発明は他のタイプの使用者または患者に適用可能である。
一方で、工程a’)およびb’)、そして他方で工程a)およびb)の間の相違は、体液試料中の分析物を検出するため、第一の電極が体液と接触するように適応され、そしてこの目的のため、試験化学と接触することを示す。本明細書において、用語「試験化学」は、少なくとも1つの分析物の存在下で、少なくとも1つの検出可能な特性を変化させるように適応された任意の物質または物質の組成を指す。一般的に、この特性は、光学的に検出可能な特性、例えば色変化および/または減少(remissive)特性の変化、および/または電気化学的に検出可能な特性より選択可能である。本明細書において、用語「電気化学的検出」は、分析物の電気化学的に検出可能な特性の検出、例えば電気化学的検出反応を指す。したがって、電気化学的検出反応は、好ましくは、1またはそれより多い電極電位、特に第一の電極の静電電位と、1またはそれより多いさらなる電極、例えば第二の電極または参照電極の静電電位を比較することによって、検出可能である。
試験化学に関しては、上述の先行技術を参照することも可能である。特に、少なくとも1つの試験化学は、試験要素に適用された体液試料中に分析物が存在する場合のみ、特性が変化する一方、分析物が存在しない可能性がある場合、変化がまったく起こらない、非常に選択的な試験化学であってもよい。より好ましくは、分析物の定量的な検出を可能にするため、少なくとも1つの特性の度合いまたは変化は、体液中の分析物濃度に依存することも可能である。本明細書において、試験化学は、1またはそれより多い酵素、例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)および/またはグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、好ましくはそれのみで、そして/または検出因子物質の他の構成要素と組み合わせて、検出しようとする少なくとも1つの分析物との酸化および/または還元反応を実行するように適応されている酵素を含むことも可能である。さらにまたはあるいは、試験化学は、1またはそれより多い補助的構成要素、例えば1またはそれより多い補酵素を含むことも可能であり、そして/または上述のような1またはそれより多いレドックス仲介因子を含むことも可能である。さらに、試験化学は、好ましくは1またはそれより多い酵素と相互作用して、検出しようとする少なくとも1つの分析物の存在下で色を変化させうる、1またはそれより多い色素を含むことも可能である。
好ましくは、第一の電極は、少なくとも1つの電極の伝導性層および第一の電極の伝導性層と接触する少なくとも1つの試験化学を含んでもよい。本明細書において、用語「電極の伝導性層」は、電気的に伝導性の特性を有する層を指し、用語「電気的に伝導性である」は、典型的にはS/mまたは1/Ωmで示される、少なくとも10S/mの、好ましくは少なくとも10S/mの、そしてより好ましくは少なくとも10S/mの電気伝導度を記載する。第一の電極の伝導性層は:金属層、特にパラジウム、銀または金からなる群より選択される貴金属層;伝導性炭素層、特に炭素ペースト層の少なくとも1つを含んでもよい。本明細書において、さらに、用語「ペースト」は、1またはそれより多い粒子状構成要素、例えば1またはそれより多い伝導性構成要素および/または粉末、ならびに1またはそれより多い結合剤物質、例えば1またはそれより多い有機結合剤物質を含有する、無定形物質を指す。さらにまたはあるいは、第一の電極の伝導性層は、伝導性炭素ペーストと組み合わされた、アルミニウム層、例えばスパッタされたアルミニウム層を含んでもよい。
本発明にしたがって、工程d)およびe)にしたがった検出期中、アノードとしての第一の電極およびカソードとしての第二の電極の間に、第二の電圧を適用し、そして第一の電極および第二の電極の間の電気シグナルを決定する。工程c)中に適用される第一の電圧、および工程d)中に適用される第二の電圧の間の相違に関して、各工程によって、2つの電極を渡る、適切な電位が提供されるが、それぞれ、2つの反対の方向であることが強調される。したがって、工程c)の後であるが工程d)の前には、適用される電圧の極性が、反対方向にスイッチングされうる。この目的のため、第一の電極および第二の電極の両方を、ある期間に渡って、好ましくは0.5〜30秒間、より好ましくは3〜10秒間続く期間に渡って、分極から切断することが好適である可能性があり、第二の電圧を適用するために再び連結する前のこの期間を、場合による「定常期」と命名してもよい。定常期中、工程c)の後、還元型で存在しうるレドックス仲介因子は、したがって、第一の電極の表面から、拡散することが可能でありうる。
工程c)から工程d)への遷移中に、適用される電圧の極性をスイッチングした後、還元型のレドックス仲介因子は、好ましくは、第一の電極で、再酸化され、それによって、工程e)にしたがって、分析物を検出する際に用いられることも可能である。この目的のため、レドックス仲介因子を、検出試薬とともに、還元型で提供してもよく、その結果、該仲介因子は、分析物との酵素反応から電子を受け取り、そして電子を第一の電極に、例えば拡散プロセスによって輸送することが可能である。第一の電極で、還元されたレドックス仲介因子は、十分な電圧が電極間で適用された際に、再酸化されうる。工程e)の間、2つの電極間に電流の流れを提供するため、第一の電極の塩化銀層中の銀イオンは、銀原子に還元され、それによって、銀イオンが塩化銀の解離によって置換可能であり、この層は、調製期中に産生された層である。
本発明のさらなる側面において、塩化物イオンを含む体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための試験要素を開示する。すでに上述したように、試験要素は、酸化型のレドックス仲介因子であるかまたは該仲介因子を含む試験化学と接触する、少なくとも1つの第一の電極、および試料の非存在下で、体液試料と接触するよう適応された第二の電極の表面が、銀を含む、少なくとも1つの第二の電極を含む。上述のように、第二の電極は、塊状銀電極であってもよく、または、好ましくは第二の電極のキャリア層、好ましくは第二の電極のキャリアホイル上に沈着される銀層を含んでもよい。この目的のため、第二の電極のキャリアホイルは、ポリマーホイル、特に銀でスパッタされたポリエステルホイルを含んでもよく、その上に、銀層は、10nm〜1000nm、好ましくは50nm〜250nmの範囲の厚さを含む。
試験要素は、試料を受け取るよう適応されうる少なくとも1つのキャピラリーをさらに含んでもよい。本明細書において、用語「キャピラリー」は、毛細管力によって体液試料を受け取り、そして/または体液試料を輸送するよう適応された要素を指す。キャピラリー要素は、体液試料を受け取るように設定された少なくとも1つの体積、例えば1またはそれより多いキャピラリーキャップおよび/または1またはそれより多いキャピラリースロット、ならびに/あるいは任意の横断面、例えば長方形の横断面および/または丸い横断面および/または多角形横断面を有する1またはそれより多いキャピラリーチューブを含んでもよい。
特に好ましい態様において、第一の電極および第二の電極を、第一の電極の表面が第二の電極の表面と向かい合うように、キャピラリーの反対側に配置してもよい。第一の電極および第二の電極は、平行に配置されてもよく、特に、キャピラリーの長さによって定義される少なくとも1つの方向で、互いに平行である表面として、平行に配置されてもよい。さらに、上に概略するように、第一および第二の電極は同じ寸法を有してもよく、そして構造化されない形状を有してもよい。さらに、第一の電極および第二の電極はどちらも、キャピラリー全長まで延長可能である。本明細書において、用語「キャピラリーの長さ」は、試験要素内の一次元でのキャピラリーの最大延長を指す。さらに、試験要素は、第一の電極および第二の電極を、さらなるデバイス、特に以下に記載するような測定デバイスと接触させるように適応された、第一の電極の接触ゾーンおよび第二の電極の接触ゾーンを含んでもよい。
本発明のさらなる側面において、上記にまたは以下に記載するような、試験要素を産生するための方法を開示する。したがって、方法は、酸化型のレドックス仲介因子であるかまたは該仲介因子を含む試験化学に接触する、少なくとも1つの第一の電極、および体液と接触するよう適応された第二の電極の表面が、銀を含む、少なくとも1つの第二の電極を提供する工程を含む。第一の電極、第二の電極およびキャピラリーは、好ましくは、第一の電極および第二の電極が、キャピラリーの反対側に配置されるように形成可能である。本明細書において、銀を基板上の薄フィルムまたは層として、好ましくはポリマー基板上、特にポリエステルホイル上に、銀層が10nm〜1000nmの範囲、好ましくは50nm〜250nmの範囲の厚さを得る方式で、銀をスパッタさせることによって、銀を沈着させる(depose)ことが、特に好ましい可能性がある。
好適な方式で、試験要素は、連続プロセスで産生されることも可能である。本明細書において、用語「連続プロセス」は、バッチツーバッチプロセスとは対照的に、産生が連続して進行し、そして支持テープ、例えばキャリアテープの中断がない、任意のプロセスを指す。連続プロセスは、リールツーリールプロセスであってもよい。例えば、支持テープは、出発ローラーから提供されることが可能であり、そしてさらなるテープをその上にラミネート処理した後、さらなるローラー上に巻き取られることも可能である。
さらに、方法は、試験要素を切断して試験ストリップにする工程を含んでもよい。本明細書において、用語「ストリップ」は、細長い形状および厚さを有する要素を指し、ここで、側方方向への要素の伸長は、要素の厚さを、例えば少なくとも2の係数で、好ましくは少なくとも5の係数で、より好ましくは少なくとも10の係数で、そして最も好ましくは20またはそれより大きい係数で、上回る。したがって、試験要素は試験ストリップであってもよい。用語「切断する」は、別個の試験ストリップを個々に使用可能であるように、ラミネート加工されたテープを、別個の試験ストリップに分割する工程を含むことも可能である。
さらなる側面において、塩化物イオンを含む体液試料の少なくとも1つの特性を決定するためのシステムを開示する。該システムは、上記にまたは以下にさらに詳細に開示するような、少なくとも1つの試験要素を含む。システムはさらに、試験要素を使用することによって、少なくとも1つの電気的測定を実行するために適応された、少なくとも1つの測定デバイスを含む。本明細書において、用語「少なくとも1つの特性を決定する」は、体液中の少なくとも1つの分析物を検出することを指す。本明細書において、用語「測定デバイス」は、試験要素とは独立に取り扱い可能な任意のデバイス、好ましくは電子デバイスを指す。測定デバイスは、第一および第二の電極の一方によって産生される少なくとも1つのシグナルを検出し、そして第一および第二の電極の他方に電圧を適用するために、試験要素と相互作用するよう適応されうる。測定デバイスは、さらに、この検出から体液試料中の分析物の存在および/または濃度に関する情報の少なくとも1つの項目を得るように適応されうる。この目的のため、測定デバイスは、少なくとも1つのシグナルから少なくとも1つの分析物の少なくとも1つの情報および/または濃度を得るため、第一および第二の電極と相互作用する少なくとも1つの電子評価デバイスを含んでもよい。したがって、測定デバイスは、少なくとも1つのデータプロセシングデバイス、例えばマイクロコントローラーを含む少なくとも1つの評価装置を含んでもよい。
測定デバイスは、第一の電極および第二の電極を用いた少なくとも1つのインピーダンス測定を実行するよう設定可能である。測定デバイスは、さらに、特にACシグナルおよび/またはDCシグナルを検出するため、第一の電極および第二の電極を用いて、少なくとも1つの電流測定を実行するよう設定可能である。この目的のため、測定デバイスは、第一の電極および第二の電極にACシグナルを適用して、そして特に連続して、反応を検出するよう設定可能である。
測定デバイスは、体液試料を適用する前に、少なくとも1つの最初のフェールセーフ測定を実行するよう設定可能である。このフェールセーフ測定は、第一の電極および第二の電極を用いた少なくとも1つの電気測定を含んでもよい。電気測定は、少なくとも1つの電気測定値を得るために使用可能であり、ここでフェールセーフ測定は、少なくとも1つの閾値と、電気測定値を比較する工程をさらに含んでもよい。フェールセーフ測定は、第一の電極および/または第二の電極の伝導性層の少なくとも1つの、少なくとも1つの損傷および/または劣化を検出する工程を含んでもよい。
現状技術に比較して、本発明の明白な利点は、試験要素の第二の電極の表面に塩化銀層を生成することを指す。通常、特にインクまたはペーストの形の、塩化銀材料は、試験要素の産生部位で、製造工程として、第二の電極の伝導性層上にコーティングされるかまたはプリントされるが、本発明は、塩化銀層を提供するための異なる方法を提供する。その結果、塩化銀を含むインクまたはペーストが、第二の電極の伝導性層上に沈着される必要はなく、したがって、より容易でそしてより費用効率的なプロセスで、試験要素を製造することが可能になる。
さらに、本発明にしたがって、試験要素の電極表面で塩化銀層を生成するための方法はまた、塩化銀層が使用可能である他の種類の試験要素にも適用可能である。特に好ましい例は、塩化銀層でコーティングされた参照/対電極を使用する、Roche CoaguChek(登録商標)XS試験を指すことも可能である。
本発明の知見を要約して、以下の態様が好ましい:
態様1:試験要素の電極表面に塩化銀層を生成するための方法であって、以下の工程:
a’)少なくとも1つの試験要素を提供し、ここで試験要素は、少なくとも1つの第一の電極および少なくとも1つの第二の電極を含み、第一の電極は試験化学に接触し、試験化学は酸化型のレドックス仲介因子であるかまたは該仲介因子を含み、第二の電極の表面は銀金属からなる;
b’)塩化物イオンを含む体液試料と、少なくとも第二の電極の表面を接触させ;そして
c)カソードとしての第一の電極およびアノードとしての第二の電極の間に、第二の電極の表面に塩化銀層が形成されるために十分な時間および電圧で、第一の電圧を適用する、ここでレドックス仲介因子の酸化型は、還元型に変換される
工程を含む、前記方法。
態様2:試験要素と相互作用するよう適応された測定デバイスを用いて、第一の電極および第二の電極の間に、第一の電圧を適用する、先行する態様記載の方法。
態様3:塩化物イオンを含む体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための方法であって、以下の工程:
a)少なくとも1つの試験要素を提供し、ここで試験要素は、試験化学と接触する少なくとも1つの第一の電極、および少なくとも1つの第二の電極を含み、試験化学は酸化型のレドックス仲介因子であるかまたは該仲介因子を含み、試料の非存在下で、体液試料と接触するよう適応された第二の電極の表面は、銀金属からなる;
b)塩化物イオンを含む体液試料と、第一の電極および第二の電極の両方を接触させ;
c)カソードとしての第一の電極およびアノードとしての第二の電極の間に、第二の電極の表面に塩化銀層が形成されるために十分な時間および電圧で、第一の電圧を適用する、ここでレドックス仲介因子の酸化型は、還元型に変換される;
d)アノードとしての第一の電極およびカソードとしての第二の電極の間に、第二の電圧を適用し;そして
e)第一の電極および第二の電極の間の電気シグナルを決定し、これによって、塩化物イオンを含む体液試料中の分析物を検出する、ここで、分析物検出は、レドックス仲介因子の再酸化を含む
工程を含む、前記方法。
態様4:試験要素と相互作用するよう適応された測定デバイスを用いて、第一の電極および第二の電極の間に、第一の電圧および/または第二の電圧を適用する、先行する態様記載の方法。
態様5:工程c)中、カソードとしての第一の電極およびアノードとしての第二の電極の間に、第一の電圧を適用する時間が、少なくとも0.2sである、先行する2つの態様のいずれか一項記載の方法。
態様6:工程c)の後、第一の電圧の適用を終結させ、そして工程d)にしたがって第二の電圧を適用する前に時間が経過する、先行する3つの態様のいずれか一項記載の方法。
態様7:期間が0.5〜30秒の範囲の値を含む、先行する態様記載の方法。
態様8:期間が3〜10秒の範囲の値を含む、先行する態様記載の方法。
態様9:第二の電極が、第二の電極のキャリア層上に沈着された銀層を含み、第二の電極のキャリア層が第二の電極のキャリアホイルを含む、先行する態様のいずれか一項記載の方法。
態様10:銀層が、10nm〜1000nmの範囲の厚さを含む、先行する態様記載の方法。
態様11:銀層が、50nm〜250nmの範囲の厚さを含む、先行する態様記載の方法。
態様12:体液試料が、血液、好ましくは全血、血漿、血清、尿、唾液、または間質液を含む、先行する態様のいずれか一項記載の方法。
態様13:塩化物イオンを含む体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための試験要素であって、酸化型のレドックス仲介因子であるかまたは該仲介因子を含む試験化学と接触する、少なくとも1つの第一の電極、および試料の非存在下で、試料と接触するよう適応された第二の電極の表面が、銀金属からなる、少なくとも1つの第二の電極を含む、前記試験要素。
態様14:第一の電極が少なくとも1つの第一の電極の伝導性層を含み、試験化学が第一の電極の伝導性層と接触する、先行する態様記載の試験要素。
態様15:第一の電極の伝導性層が:金属層、好ましくはパラジウム、白金、または金からなる群より選択される貴金属層;伝導性炭素層、特に炭素ペースト層の少なくとも1つを含む、先行する態様記載の試験要素。
態様16:第一の電極の伝導性層が、第一の電極のキャリア層、好ましくは第一の電極のキャリアホイル上に沈着されている、先行する2つの態様のいずれか一項記載の試験要素。
態様17:第一の電極の伝導性層が、第一の電極のキャリア層を完全に覆う、先行する態様記載の試験要素。
態様18:第二の電極が、第二の電極のキャリア層上に沈着された銀層を含み、第二の電極のキャリア層が第二の電極のキャリアホイルを含み、銀層が10nm〜1000nmの範囲の厚さを含む、先行する5つの態様のいずれか一項記載の試験要素。
態様19:銀層が、10nm〜1000nmの範囲の厚さを含む、先行する態様記載の試験要素。
態様20:銀層が、50nm〜250nmの範囲の厚さを含む、先行する態様記載の試験要素。
態様21:第二の電極のキャリア層が第二の電極のキャリアホイルを含む、先行する態様記載の試験要素。
態様22:第二の電極のキャリアホイルが、ポリマーホイル、特に銀でスパッタされたポリエステルホイルを含む、先行する態様記載の試験要素。
態様23:銀層が、第二の電極のキャリア層を完全に覆う、先行する5つの態様のいずれか一項記載の試験要素。
態様24:試料を受け取るように適応された少なくとも1つのキャピラリーをさらに含み、第一の電極および第二の電極がキャピラリーの反対側に配置されている、試験要素に言及する先行する態様のいずれか一項記載の試験要素。
態様25:第一の電極が、キャピラリー全長に渡って伸長する、先行する態様記載の試験要素。
態様26:第二の電極が、キャピラリー全長に渡って伸長する、先行する2つの態様のいずれか一項記載の試験要素。
態様27:試験要素が試験ストリップである、試験要素に言及する先行する態様のいずれか一項記載の試験要素。
態様28:試験要素が、さらなるデバイス、特に測定デバイスと、第一の電極および第二の電極が接触するように設定された、第一の電極の接触ゾーンおよび第二の電極の接触ゾーンを含む、試験要素に言及する先行する態様のいずれか一項記載の試験要素。
態様29:試験要素に言及する先行する態様のいずれか一項にしたがった試験要素を産生するための方法であって、酸化型のレドックス仲介因子であるかまたは該仲介因子を含む試験化学と接触する、少なくとも1つの第一の電極、および試料と接触するよう適応された第二の電極の表面が、銀金属からなる、少なくとも1つの第二の電極を提供する工程を含む、前記方法。
態様30:銀が第二の電極のキャリア層上に銀層として沈着され、第二の電極のキャリア層が第二の電極のキャリアホイルを含む、先行する態様記載の方法。
態様31:銀が、ポリマーホイル上の銀層として、特にポリエステルホイル上にスパッタされて、沈着される、先行する態様記載の方法。
態様32:試験要素が連続プロセスで、好ましくはリールツーリールプロセスで産生される、先行する3つの態様のいずれか一項記載の方法。
態様33:試験要素を切断して試験ストリップにする工程をさらに含む、先行する4つの態様のいずれか一項記載の方法。
態様34:第一の電極および第二の電極がキャピラリーの反対側に配置されるように、第一の電極、第二の電極およびキャピラリーが形成される、先行する5つの態様のいずれか一項記載の方法。
態様35:塩化物イオンを含む体液試料の少なくとも1つの特性を決定するためのシステムであって、試験要素に言及する先行する態様のいずれか一項記載の少なくとも1つの試験要素を含み、試験要素を用いることによって、少なくとも1つの電気測定を実行するために設定された少なくとも1つの測定デバイスをさらに含む、ここで測定デバイスは、第一の電極および第二の電極の間に電圧を適用するための手段をさらに含む、前記システム。
本発明のさらに場合による特徴および態様は、好ましい態様の続く説明において、好ましくは従属請求項と組み合わせて、より詳細に開示されるであろう。ここで、それぞれの場合による特徴は、当業者が理解するであろうように、単独の方式で、ならびにいずれの任意の実現可能な組み合わせで、達成可能である。本発明の範囲は、好ましい態様に制限されない。態様を模式的に図に示す。ここで、これらの図中の参照番号は、同一のまたは機能的に匹敵する要素を指す。
図1Aおよび1Bは、調製期(図1A)および検出期(図1B)中、試験要素の好ましい態様を用いて、本発明記載の体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための方法の模式的提示を示す。 図2は、調製期、場合による定常期および検出期中の電流反応の実験結果を示す。 図3Aおよび3Bは、先行する調製期の後(図3A)および比較目的のための先行する調製期の意図的な省略の後(図3B)の検出期中の電流反応に関する実験結果を示す。 図3Aおよび3Bは、先行する調製期の後(図3A)および比較目的のための先行する調製期の意図的な省略の後(図3B)の検出期中の電流反応に関する実験結果を示す。 図4Aおよび4Bは、試料中のグルコース濃度に対する、明記する時間(図4Aでは8sおよび図4Bでは10s)での電流反応値の提示を示す。 図4Aおよび4Bは、試料中のグルコース濃度に対する、明記する時間(図4Aでは8sおよび図4Bでは10s)での電流反応値の提示を示す。
図1Aおよび1Bは、体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための試験要素110の好ましい態様の模式的提示を示す。図1Aにおいて、本発明にしたがって、体液試料中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための方法の調製期中の試験要素110を示す一方、図1Bは、示す方法の続く検出期中の試験要素110を模式的に示す。
図1Aおよび1Bに示すような例示的態様において、試験要素110は、電気化学的測定セルとして、試験ストリップの形で設定され、そしてしたがって、第一の電極112および第二の電極114を含み、これらの電極は、試験チャンバー116の反対側に向かい合う方式で配置され、該チャンバーは好ましくは、第一の電極112の表面118が第二の電極114の表面120と向かい合う方式で、第一の電極112および第二の電極114の間に位置する、キャピラリーの形で配置される。本明細書に示すように、第一の電極112および第二の電極114は、好ましくは、特に表面118、120として、平行に整列され、該表面はこれ自体、少なくとも試験チャンバー116の長さによって定義される方向で、互いに関して平行である。
図1Aに示すように、工程a)にしたがって提供されるような試験要素において、第一の電極112の表面118は、試験化学122と接触し、ここで試験化学は、調製期の最初には、酸化型Moxのレドックス仲介因子Mであるかまたは該仲介因子を含む試薬である。同時に、測定チャンバー116のもう一方の側に位置する第二の電極114の表面120は、銀原子Agを示す。この目的のため、第二の電極114は、好ましくは、純粋な銀がコーティングされたポリマーホイル124の形で提供され、ここで銀層は、この特定の例において、100nmの厚さを含む。測定チャンバー116には、試料126が、第二の電極114の表面120に位置する銀原子Agと接触することが可能であるように、体液試料126として血液が少なくとも部分的に充填されている。本明細書において、体液は、塩化物イオンClを含み、そしてしたがって、電気化学的測定セルとして設定されている試験要素110中の電解質として作用する。第一の電極112および第二の電極114の間に電圧を適用可能であるために、試験要素110は、別個の測定デバイスにおいて、電気回路に連結される(ここには示されていない)。
図1Aにさらに示すように、塩化銀AgClの層は、調製期中に、第二の電極112の銀表面120で産生される。この目的のため、体液試料126が、工程b)中に試験チャンバー116に充填され、この中で、2つの向かい合って配置された電極112、114の第二の電極114は銀電極であり、一方、第一の電極112は、酸化型Moxのレドックス仲介因子であるかまたは該仲介因子を含む試薬で少なくとも部分的に覆われている。工程b)中に、試験チャンバー116を体液試料126で充填した後、2つの電極112、114は、工程c)にしたがった方式で分極される。塩化銀の望ましい層を生成するために十分であることが当業者に知られる時間に渡って、そして十分であることが知られる値で、第一の電圧Vを第一の電極112および第二の電極114の間に適用し、それによって、第二の電極114はアノードとして作用する一方、第一の電極112はカソードとして働く。その結果、第二の電極114の表面120に位置する銀原子Agから銀イオンAgが生成され、一方、酸化型Moxで第一の電極112の表面118上に位置するレドックス仲介因子は、還元型Mredに還元される。同時に、第二の電極114のこうした表面120上で生成される銀イオンAgは、体液試料126によって提供される塩化物イオンClとともに化合物、塩化銀AgClを形成する。この方式で形成されるような塩化銀AgClは、したがって、第二の電極114の銀表面120上で、望ましい塩化銀AgCl層の形で析出する。したがって、当該技術分野にしたがって、産生プロセス中にAg/AgCl電極を生成する代わりに、試験要素110に体液試料126を適用した後、試験要素の定期的な使用中に、塩化銀AgCl層が生成される。塩化銀AgCl層が望ましい寸法で達成された後、調製期を終結させてもよい。その後、第一の電極112および第二の電極114は、好適に、好ましくは定常期中に、分極から切断され、定常期は、この特定の例において、3秒間続くことも可能である。この期間は、工程c)の後、還元型Mredで存在するレドックス仲介因子が、定常期中に第一の電極120の表面118から拡散することを可能にしうる。
図1Bに示すように、続く検出期は、適用される電圧の極性をスイッチングすることによって始まる。本明細書において、第二の電圧Vが、第一の電極112および第二の電極114の間に適用され、それによって、第一の電極112はここでアノードとして作用する一方、第二の電極114はここでカソードとして働く。その結果、分析検出反応によって生成される、還元型Mredで第一の電極112の表面118に位置するレドックス仲介因子は、ここでは作用電極として機能する第一の電極112で再酸化される。したがって、体液試料126中の分析物、例えば血中グルコースGluc濃度を決定することが可能になりうる。本明細書において、通常、分析物を特異的に酸化するよう適応された酵素Enzを含む試験化学、および電子受容体および電子シャトルとしてのレドックス仲介因子を用いて、第一の電極112を覆う。電流を提供するため、銀イオンAgは、ここでは対電極として作用する向かい合う第二の電極114で銀原子Agに還元される。さらに、この目的のために使用可能である銀イオンAgは、先行する調製期中に産生された層から、塩化銀Agの解離によって提供される。
以下において、図2〜4は、向かい合う配置で、本発明にしたがって、試験要素110としてグルコースセンサー試験ストリップを使用することによって達成された実験結果を示す。この特定の態様において、第一の電極112は、金でスパッタされたプラスチックホイルを含む一方、第二の電極114は、銀でスパッタされたポリエステルホイルを含む。本明細書において、第一の電極112は、試験化学として、乾燥試薬で覆われており、試験化学は、FADグルコースデヒドロゲナーゼ酵素系およびレドックス仲介因子としてのニトロソアニリン−フェニレンジアミンを含む。
図2は、試験要素110として使用されている、上述のようなグルコースセンサー試験ストリップに連結された測定デバイスによって測定されるような、時間に対する電流反応の実験的結果を示す。本明細書において、第一の工程128は、調製期に帰属することが可能であり、この中で、−800mVの値で、2つの電極112、114間に第一の電圧Vを適用し、それによって第二の電極114がアノードとして作用する一方、第一の電極112がカソードとして働くことによって、塩化銀AgCl層が、第二の電極114の銀表面120で生成される。その後、第二の工程130を行い、この間、第一の電極112および第二の電極114が電気分極から切断され、したがって、ゼロ電圧電極放電が観察されうる。この観察は、還元型Mredで存在するレドックス仲介因子が、定常期中に第一の電極120の表面118から拡散することを証明する。その後、第三の工程132は、検出期に帰属することが可能であり、この中で、2つの電極112、114に渡って適用される+200mVの第二の電圧Vで、レドックス仲介因子としてニトロソアニリン−フェニレンジアミンを用い、それによって、第二の電極114がカソードとして作用する一方、第一の電極112がアノードとして働くことによって、血液試料中のグルコース濃度が決定されている。
図3Aにおいて、検出期に帰属される第三の工程132中の反応電流を、30mg/dl〜1000mg/dlの異なるグルコース濃度を含む、いくつかの試料に関して示す。30mg/dl〜600mg/dlの範囲のグルコース濃度に関して見られうるように、電流測定電流は、対電極として作用する第二の電極114によっては制限されない。1000mg/dlの非常に高濃度でのみ、電流測定電流は崩壊を示し、したがって、先行する調製期で生成されるようなAgCl層の消耗が明らかになる。
図3Bは、比較例を示し、この中で、調製期は、開回路期によって置換される。したがって、AgCl層は、この期中には生成不能であった。この過程は、図3Aに比較して約50倍低い、非常に低い電流しか生じない図3Bにおける観察によって立証される。これらの非常に低い電流は、第一の電極112から向かい合う第二の電極114に反応産物が拡散することによって生成されると仮定される。
図4Aおよび4Bは、定義する時間、図4Aにおいては8sそして図4Bにおいては10sでの反応値を、血液試料のグルコース濃度に対してプロットする、2つのダイアグラムを示す。本明細書において、限定的な時間は、用量の検出から経過した時間を指す。どちらの図からも、調製期(「工程1を含む」)が本発明にしたがって行われている、第一の場合においては、線形反応134が得られうる。比較のため、本発明にしたがった調製期を省略した第二の場合には、フラットな反応136が観察されうる(「工程1を含まない」)。
本明細書において、フラットな反応136は、上述のように、各々、塩化銀(AgCl)層の生成のための方法を開示する、US 2002/112969 A1、EP 1 343 007 A1、またはUS 6 153 069 Aに記載されるものと類似の状況を指す。カソードとしての第一の電極112およびアノードとしての第二の電極114の間で、第一の電圧Vは適用されず、そしてしたがって本発明とは対照的に,少量の銀イオンAgしか生成できない。図4Aにおける線形反応134およびフラット反応136の間の比較からわかるように、本発明にしたがった、調製期中の電位の適用は、かなり増加した量の銀イオンAgの提供を可能にし、これは、電流反応の有意な増加を生じる。したがって、図4Aに例示するような、線形反応134およびフラット反応136の経過の間の見かけの相違は、本発明のみが、電極112、114間で電位を適用することによる、Agイオンの電気化学的生成の可能性を開示することを明らかに示す。
さらなる態様において、本発明にしたがった方法およびデバイスは、Roche CoaguChek(登録商標)XS試験に基づく修飾凝血試験ストリップで、適用可能である。本明細書において、作用電極としての第一の電極112上の試験化学の一部を形成する特殊なレドックス仲介因子は還元され、そして生じる電流を測定する。このレドックス仲介因子は、本明細書において、試験要素110がなお適用可能であるかどうか、特に許容されうる期間に渡ってのみ、温かくそして湿った条件下に曝露されていたかどうかを決定するための、いわゆる「OCBプレ工程」において、すでに用いられている。検出電流を維持するため、そしてCoaguChek(登録商標)XS試験とは対照的に、対電極として作用する第二の電極114は、ここで、本発明にしたがった第一の電極112と向かい合う配置で、薄銀層でスパッタされたポリマーホイルを含む。したがって、第一の電極112上のレドックス仲介因子は、還元されることが可能であり、そして同時に、第二の電極114上の銀を酸化することによって、塩化銀AgClの層が生成されることが可能である。続いて、凝血時間、すなわちプロトロンビン活性化時間を測定するため、活性化されたトロンビンによって、レドックスタグがペプチド基質から切り落とされることも可能である。次いで、2つの電極112、114の間に適切な第二の電圧Vを適用して、それによってレドックスタグを酸化させることによって、第一の電極112のアノード分極によって、レドックスタグを検出してもよい。第一の電極112でのレドックスタグの酸化プロセスを支持するため、第二の電極114は、還元プロセスを提供可能であり、それによって、銀イオンAgは、銀原子Agに還元され、そして以前産生された塩化銀AgCl層は、銀イオンAgおよび塩化物イオンClに解離されうる。
110 試験要素
112 第一の電極
114 第二の電極
116 試験チャンバー
118 第一の電極の表面
120 第二の電極の表面
122 試験化学
124 銀でコーティングされたポリマーホイル
126 体液試料
128 第一の工程(調製期)
130 第二の工程(定常期)
132 第三の工程(検出期)
134 線形反応
136 フラット反応

Claims (13)

  1. 塩化物イオンを含む体液試料(126)中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための方法であって、以下の工程:
    a)少なくとも1つの試験要素(110)を提供し、ここで該試験要素(110)は、試験化学(122)と接触する少なくとも1つの第一の電極(112)、および少なくとも1つの第二の電極(114)を含み、該試験化学(122)は酸化型のレドックス仲介因子であるかまたは該仲介因子を含み、該試料(126)の非存在下で、該体液試料(126)と接触するよう適応された該第二の電極(114)の表面(120)は、銀金属からなる;
    b)該塩化物イオンを含む体液試料(126)と、該第一の電極(112)および該第二の電極(114)の両方を接触させ;
    c)カソードとしての該第一の電極(112)およびアノードとしての該第二の電極(114)の間に、該第二の電極(114)の表面(120)に塩化銀層が形成されるために十分な時間および電圧で、第一の電圧(V1)を適用する、ここで該レドックス仲介因子の酸化型は、還元型に変換される;
    d)アノードとしての該第一の電極(112)およびカソードとしての該第二の電極(114)の間に、第二の電圧(V2)を適用する、ここで工程c)の後、該第一の電圧(V1)の適用を終結させ、そして工程d)にしたがって該第二の電圧(V2)を適用する前に時間が経過する;そして
    e)該第一の電極(112)および該第二の電極(114)の間の電気シグナルを決定し、これによって、塩化物イオンを含む該体液試料(126)中の該分析物を検出する、ここで、該分析物検出は、該レドックス仲介因子の再酸化を含む
    工程を含む、前記方法。
  2. 該試験要素(110)と相互作用するよう適応された測定デバイスを用いて、該第一の電極(112)および該第二の電極(114)の間に、該第一の電圧(V1)および/または該第二の電圧(V2)を適用する、請求項1記載の方法。
  3. 工程c)中、カソードとしての該第一の電極(112)およびアノードとしての該第二の電極(114)の間に、該第一の電圧(V1)を適用する時間が、少なくとも0.2sである、請求項1または2記載の方法。
  4. 該第二の電極(114)が、第二の電極のキャリア層上に沈着された銀層を含み、該第二の電極のキャリア層が第二の電極のキャリアホイルを含み、該銀層が10nm〜1000nmの範囲の厚さを含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 該体液試料(126)が、血液、血漿、血清、尿、唾液、または間質液を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 該体液試料(126)が全血を含む、請求項5記載の方法。
  7. 塩化物イオンを含む体液試料(126)の少なくとも1つの特性を決定するためのシステムであって、
    塩化物イオンを含む体液試料(126)中の少なくとも1つの分析物を電気化学的に検出するための試験要素(110)、ここで、該試験要素(110)は試験化学(122)と接触する少なくとも1つの第一の電極(112)を含み、該試験化学(122)は酸化型のレドックス仲介因子であるかまたは該仲介因子を含む、
    少なくとも1つの第二の電極(114)、ここで、該試料(126)の非存在下で、該試料(126)と接触するよう適応された該第二の電極(114)の表面(120)が、銀金属からなる、ならびに
    該試験要素(110)を用いることによって、少なくとも1つの電気測定を実行するために設定された少なくとも1つの測定デバイス、ここで、該測定デバイスは、カソードとしての該第一の電極(112)およびアノードとしての該第二の電極(114)の間に、該第二の電極(114)の表面(120)に塩化銀層が形成されるために十分な時間および電圧で、第一の電圧(V1)を適用するために用いられる、
    ここで、該酸化型のレドックス仲介因子は、還元型に変換され、該測定デバイスは、アノードとしての該第一の電極(112)およびカソードとしての該第二の電極(114)の間に、第二の電圧(V2)を適用し、該第一の電圧(V1)の適用を終結させ、そして該第二の電圧(V2)を適用する前に時間が経過する
    を含む、前記システム。
  8. 該第二の電極(114)が、第二の電極のキャリア層上に沈着された銀層を含み、該第二の電極のキャリア層が第二の電極のキャリアホイルを含み、該銀層が10nm〜1000nmの範囲の厚さを含む、請求項7記載のシステム。
  9. 該試料(126)を受け取るように適応された少なくとも1つのキャピラリーをさらに含み、該第一の電極(112)および該第二の電極(114)が該キャピラリーの反対側に配置される、請求項7または8記載のシステム。
  10. 工程d)にしたがって該第二の電圧(V2)を適用する前に経過する時間は0.5秒から30秒の間である、請求項1に記載の方法。
  11. 工程d)にしたがって該第二の電圧(V2)を適用する前に経過する時間は3秒から10秒の間である、請求項1に記載の方法。
  12. 該第二の電圧(V2)を適用する前に経過する時間は0.5秒から30秒の間である、請求項7に記載のシステム。
  13. 該第二の電圧(V2)を適用する前に経過する時間は3秒から10秒の間である、請求項7に記載のシステム。
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