JP6639479B2 - 干渉補償型の2電極テストストリップ - Google Patents

干渉補償型の2電極テストストリップ Download PDF

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Description

本発明は、被験試料中の少なくとも1種類の分析物を検出する方法であって、下記の工程を含む方法に関する:a)被験試料を、(i)その分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させる活性化学マトリックスに接触させ、活性化学マトリックスは第1電極に接触している;かつ(ii)不活性化学マトリックスに接触させ、不活性化学マトリックスは第2電極に接触している;b)第1電極、第2電極、ならびに活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを含む電気回路を閉じ、続いてその少なくとも1つの電気化学的特性の第1値を決定する;c)b)の電気回路の電気極性を逆転させ、続いてその少なくとも1つの電気化学的特性の第2値を決定する;そしてd)第1値および第2値に基づいてその少なくとも1種類の分析物を検出する。さらに、本発明は、本発明の方法を利用するために適合させた検査デバイスおよび検査システムに関する。本発明はさらに、少なくとも1種類の分析物を決定するためのセンサー素子であって、一対の電極ならびに少なくとも活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを含み、活性化学マトリックスはその分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させ、(i)電極対は他の電極から電気絶縁された2つの電極からなり、(ii)活性化学マトリックスはその酵素活性を含み、不活性化学マトリックスはその酵素活性を含まず、かつ(iii)電極対の第1電極は活性化学マトリックスに接触しており、電極対の第2電極は不活性化学マトリックスに接触している、センサー素子に関する。
医療診断の分野においては、多くの場合、体液、たとえば血液、間質液、尿、唾液または他のタイプの体液の被験試料中の1種類以上の分析物を検出しなければならない。検出すべき分析物の例は、これらの体液中に一般的に存在するグルコース、トリグリセリド、ラクテート、コレステロールまたは他のタイプの分析物である。分析物の濃度および/または存在に従って、必要であれば適宜な処理を選択できる。
一般に、当業者に知られているデバイスおよび方法は、検出すべき分析物の存在下で1以上の検出可能な検出反応、たとえば光学的または電気化学的に検出可能な検出反応を行なうことができる1種類以上の検査化学物質を含むセンサー素子(たとえば、テストストリップ)を利用する。これらの検査化学物質およびそれらに関連する方法に関して、たとえばJ. Hoenes et al. (The Technology Behind Glucose Meters: Test Strips, Diabetes Technology & Therapeutics, Volume 10, Supplement 1, 2008, S-10 to S-26)、US 2009/0246808 Al、およびHabermueller et al. ((2000), Fresenius J Anal Chem 366 :560)を参照できる。グルコースの電気化学的検出については、たとえばHeller & Feldman (2008), Chem. Rev. 108: 2482に総説が示されている。作用電極およびカウンター電極(counter electrode)、ならびに場合により基準電極を利用する測定セットアップは、たとえば文書WO 2007/071562 A1に開示された。
電流測定型グルコースバイオセンサーの一般例は、グルコースデヒドロゲナーゼ酵素を、結合した補因子PQQまたはFAD、ならびに電子受容体および電子シャトルとしてのメディエーターと共に、貴金属または黒鉛電極との組合わせで含む。生じる電極分極が血液被験試料中に存在する他の酸化還元活性成分、たとえばアスコルビン酸または尿酸を酸化しないほど十分に低くなるように、メディエーターはしばしば低い酸化電位をもつように選択される。それらのメディエーターの欠点は、上記の特性のため、血液被験試料中に含有されるアスコルビン酸のような還元剤によって容易に還元される可能性があることである。一般にディスポーザブルテストストリップをベースとする専門的血糖測定システムが採用される入院患者からの血液被験試料においては、アスコルビン酸濃度が比較的高く、通常の血糖濃度に匹敵するレベルに達する可能性がある。その結果、高い陽性に偏向した読みが生じる。
一時的にのみ結合する補因子を含む酵素システムの場合、補因子自体が電子シャトルとして作動することができ、原則として余分な酸化還元メディエーターは必要ない。その例は、NADを補因子として含むグルコースデヒドロゲナーゼ酵素である。その酵素反応によりNADは還元されてNADHになる。次いで、NADHは拡散して電極へ達し、酸化されてラジカルカチオンになる。この場合も、生じる電流をグルコース濃度の尺度として測定することができる。欠点は、NADH電極反応が高い酸化電位を必要とすることであり、これは血液被験試料中の干渉物質、たとえばアスコルビン酸または尿酸の酸化をも生じる。これも高い陽性に偏向した読みの原因となる。
前記の問題を克服するために、2つの作用電極および1つの基準電極を備えたシステムがWO2005/045416から知られている。第1作用電極は、酵素系およびメディエーターを活性成分として含有する試薬で覆われている。第2作用電極は、酵素系以外を除く同じ試薬で覆われている。両電極の試薬層は、電極上方のキュピラリー測定チャンバーを満たす同じ血液被験試料で湿潤する。第1相で、カウンター電極としての基準電極と、酵素を含まない試薬で覆われた第2作用電極との間に、電圧を印加する。次いで、応答電流を測定する。その後、カウンター電極としての基準電極と、酵素系を含む試薬を備えた第1作用電極との間に、電圧を印加する。次いで、同様に電流を測定する。血液被験試料中に還元剤または電気活性成分が存在すれば、それはメディエーターを還元するか、あるいは作用電極において直接酸化されるであろう。両方の場合とも、干渉バックグラウンド電流が両方の作用電極に生じる。他方で、グルコースとの反応は酵素を含有する試薬で覆われた電極において起きるにすぎない。最終結果を得るために、次いで両方の作用電極で測定された電流の差を計算する。その計算により、電極からの干渉作用が互いに消去され、したがってグルコース反応からの応答のみが残る。この方法の限界は、両方の作用電極が個々のノイズを計算結果に加えることである。通常は、生じる誤差は個々の誤差の幾何学的な和である。したがって、達成できる検査精度が制限される。この解決法の他の欠点は、2より多い電極を備えたテストストリップが製造法の複雑さおよびコストを増大させることである。類似の方法で、EP 2 767 826 A1は、2つの作用電極および基準電極を含む連続グルコースセンサーを提唱した;その場合、第1作用電極はセンサー膜の活性酵素部分で覆われ、これに対し第2作用電極はセンサー膜の不活性酵素部分または非酵素部分で覆われている。
US 2009/0246808 Al WO 2007/071562 A1 WO2005/045416 EP 2 767 826 A1
Hoenes et al. (The Technology Behind Glucose Meters: Test Strips, Diabetes Technology & Therapeutics, Volume 10, Supplement 1, 2008, S-10 to S-26) Habermueller et al. ((2000), Fresenius J Anal Chem 366 :560) Heller & Feldman (2008), Chem. Rev. 108: 2482
したがって本発明の目的は、前記のニーズに応じて先行技術の欠点を少なくとも一部は避ける手段および方法を提供することである。
この課題は、本発明のセンサー素子により、また本発明の方法ならびに検査デバイスおよび検査システムにより解決される。個別の様式またはいずれか任意の組合わせで実現できる態様を従属請求項に挙げる。
したがって、本発明は、少なくとも1種類の分析物を決定するためのセンサー素子であって、一対の電極ならびに少なくとも活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを含み、活性化学マトリックスはその分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させ、
(i)電極対は他の電極から電気絶縁された2つの電極からなり、
(ii)活性化学マトリックスはその酵素活性を含み、不活性化学マトリックスはその酵素活性を含まず、かつ
(iii)電極対の第1電極は活性化学マトリックスに接触しており、電極対の第2電極は不活性化学マトリックスに接触している、
センサー素子に関する。
本明細書中で用いる用語“have(有する)”、“comprise(含む)”もしくは“include(含有する)”、またはそのいずれか任意の文法的変形は、非排他的に用いられる。よって、これらの用語は、これに関して記載される実体にこれらの用語により導入される特徴のほかにさらなる特徴が存在しない状況、および1以上のさらなる特徴が存在する状況の両方を表わすことができる。一例として、“AはBを有する”、“AはBを含む”および“AはBを含有する”という表現は、A中にBのほかに他の要素が存在しない状況(すなわち、唯一かつ排他的にBからなる状況)、および実体A中にBのほかに1以上のさらなる要素、たとえば要素C、要素CおよびD、またはさらなる要素すら存在する状況の両方を表わすことができる。
さらに、本明細書中で用いる用語“好ましくは”、“より好ましくは”、“最も好ましくは”、“特に”、“より特別には”、“具体的には”、“より具体的には”、または類似の用語は、任意選択的特徴との組合わせで、別の可能性を制限することなく用いられる。よって、これらの用語により導入される特徴は任意選択的特徴であり、特許請求の範囲を多少とも限定するためのものではない。当業者が認識するように、本発明は別の特徴にを用いて実施できる。同様に、“本発明のある態様において”または類似の表現により導入される特徴は任意選択的特徴であって、本発明の別態様に関して何ら限定せず、そのようにして導入された特徴と本発明の他の任意選択的または非任意選択的特徴との組合わせの可能性に関して何ら限定しないものとする。
本明細書中で用いる用語“センサー素子”は、少なくとも本明細書に記載する構成要素を含む素子に関する。センサー素子がさらなる構成要素、たとえば限定ではなく、センサー素子の他の構成要素を相互に保持するキャリア素子(または“基材”);センサー素子を測定デバイスに接続する電極接点;対象の身体に切開部を作成するための1以上のランセット;流体被験試料を電極へガイドするための1以上のキャピラリー素子を含むことができるのは当業者により理解される。
本発明のセンサー素子は、本明細書中で後記に述べる少なくとも2種類の化学マトリックスを含む:後記に詳述するように、分析物の存在下で活性である酵素活性を含む活性化学マトリックス、およびその酵素活性を含まない不活性化学マトリックス。
ある態様において、センサー素子はさらに基材を含む。本明細書中で用いる用語“基材(substrate)”はキャリア素子を表わし、それは基本的に任意の形状、たとえばストリップ形状をもつことができる。ある態様において、基材はフレキシブル基材である。ある態様において、基材は1、2またはそれ以上の層をもつ層セットアップ、ある態様においてはフレキシブル層セットアップを含む。基材は一般に、いずれか任意の基材材料、たとえばプラスチック材料および/または積層材料および/または紙材料および/またはセラミック材料で作製できる。代わりに、またはさらに、他の材料、たとえば金属または薄膜セットアップを使用できる。
本明細書中で用いる用語“決定する”は、被験試料中の分析物の量を、ある態様においては半定量的に、またはさらなる態様においては定量的に測定することに関する。ある態様において、決定することは、被験試料を化学マトリックスと接触させた際にその化学マトリックスにおいて放出または消費された電子の量を推定することを含む。化学マトリックスにおいて放出または消費された電子の量を推定する方法は先行技術から既知である。ある態様において、放出または消費された電子の量は電気化学センサーにより推定される。
本明細書中で用いる用語“分析物(analyte)”は、液体中に存在する化合物に関する。ある態様において、その液体は本明細書のいずれかの箇所で詳述する被験試料である。ある態様において、分析物は有機分子、さらなる態様においては本発明に従って検査化学物質の存在下で酸化還元反応を受けることができる有機分子である。ある態様において、分析物は対象の代謝の分子、すなわち対象の少なくとも1つの組織において行なわれる少なくとも1つの化学反応において産生および/または消費される分子である。また、ある態様において、分析物は低分子量化合物、さらなる態様においては5000u(1000Da;1.66×10−24kg)未満、さらなる態様においては1000u未満、さらなる態様においては500uの分子質量をもつ化合物である。すなわち、ある態様において、分析物は生体高分子ではない。さらなる態様において、分析物はマレート、エタノール、アスコルビン酸、コレステロール、グリセロール、尿素、3−ヒドロキシブチレート、ラクテート、ピルベート、ケトン類、クレアチニンなどからなるリストから選択される;さらに、さらなる態様において、分析物はグルコースである。さらなる態様において、分析物は血糖(血中グルコース)である。ある態様において、分析物は血糖であり、決定すべき実際の濃度は少なくとも10mg/dL、少なくとも50mg/dL、少なくとも60mg/dL、少なくとも70mg/dL、少なくとも80mg/dL、少なくとも90mg/dL、または少なくとも100mg/dLである。ある態様において、分析物はグルコースであり、決定すべき実際の濃度は0mg/dL〜800mg/dL、またはさらなる態様においては10mg/dL〜600mg/dL、またはさらなる態様においては50mg/dL〜300mg/dLの範囲である。
用語“電極”は、当業者により理解されており、センサー素子の導電体を表わし、それは本発明の化学マトリックスと接触するように適合される。ある態様において、電極はその電極が少なくとも1つの化学マトリックスと接触するように配置される;さらなる態様において、電極は厳密に1つの化学マトリックスと接触している。ある態様において、電極は分析物と、ある態様においては本明細書のいずれかの箇所に記載する体液被験試料と接触するように適合される。電極は、化学マトリックスおよび/または分析物を含む液体と完全に接触しているかあるいは接触する1以上の電極場(electrode field)であってもよく、あるいはそれを含むことができる。電極場のうち1以上が1以上の適宜な接点リード線(contact lead)(導電路とも呼ばれる)を介して接触していてもよい。ある態様において、電極は厳密に1つの連続した表面領域をもち、それを化学マトリックスおよび/または体液と接触するように適合させることができる。それぞれの電極を少なくとも1つの接点リード線により電気的に接続することができる。同じタイプの電極が1以上備えられている場合、それらの電極を1以上の接点リード線により接続することができる。よって、同じタイプの2以上の電極を1つの同じ接点リード線により電気的に接続することができる。あるいは、電極を接続するために別個の接点リード線、たとえば、電極当たり少なくとも1つの別個の接点リード線を備えることができる。ある態様において、電極はその電極において電気化学反応が起きる形態である。さらなる態様において、電極はその電極において酸化反応および/または還元反応が起きる形態である。
ある態様において、本発明による一対の電極のうち少なくとも1つ、さらなる態様においては両方の電極が多層セットアップを含み、それは少なくとも1つの導電パッド、および場合により、部分的またはある態様においては完全に導電パッドを覆う少なくとも1つの追加層をもつ。この少なくとも1つの任意選択的追加層は、後記にさらに詳細に概説する少なくとも1つの電極材料を含むことができる。少なくとも1つの導電パッドは、ある態様において、下記の金属:金、ニッケル、銅もしくは白金、または導電性カーボン同素体、たとえば黒鉛もしくはガラス状カーボンのうち1以上を含む。ただし、さらに、または代わりに、他のタイプの金属または導電性材料を使用できる。さらに、多層セットアップは基材への導電パッドの接着を改善するために使用できる。
それぞれの電極の導電パッドを、1以上の電線および/または電気路(electrical via)に、および/または1以上の給電線もしくは導電線に接続することができる。それにより、少なくとも1つの測定デバイス(たとえば、センサー素子とインタラクトする携帯用測定デバイス)にセンサー素子を接続するように適合させたセンサー素子の少なくとも1つの接点パッドに、導電パッドを接続することができる。
本明細書中で用いる用語“電極対”は、被験試料をセンサー素子に適用した後に電気回路の一部になるように適合させた2つの電極に関するものであり、それら2つの電極は本発明のセンサー素子中に存在する可能性のあるいずれの追加電極からも電気絶縁されている。本明細書中で用いる用語“電気絶縁されている”は、センサー素子中に存在する可能性のあるいずれかの追加電極からのその電極対の分離に関するものであり、それにより(i)電極対の第1電極といずれかの追加電極との間の抵抗、および(ii)電極対の第2電極といずれかの追加電極との間の抵抗は両方とも、被験試料をセンサー素子に適用した後に少なくとも25kΩ、ある態様においては少なくとも50kΩ、さらなる態様においては少なくとも100kΩ、またはさらなる態様においては少なくとも1MΩである。ある態様において、被験試料は人血である。ある態様において、本明細書に詳述するようにセンサー素子は厳密に一対の電極を含む。本明細書のいずれかの箇所に詳述するように、電極対の第1電極(本明細書中で“分析電極”と呼ぶ)は活性化学マトリックスに接触し、電極対の第2電極(本明細書中で“制御電極”と呼ぶ)は不活性化学マトリックスに接触している。
ある態様において、本発明の一対の電極の電極は同じ材料(単数または複数)からなる。同様に、ある態様において、一対の電極の電極は同じ有効表面積をもつ。さらなる態様において、一対の電極の電極は本質的に同じ層厚の化学マトリックスで覆われており、“本質的に同じ層厚”は、活性マトリックスと不活性化学マトリックスの間で最大でも20%、さらなる態様においては最大でも10%の差を意味する。さらなる態様において、一対の電極の電極は同じ層厚の化学マトリックスで覆われている。
ある態様において、本発明のセンサー素子中の少なくとも一対の電極は、対面(face-to-face)構造に配置される。したがって、第1電極と第2電極は、ある態様において、体液の試料を受容するようにおよび/または体液の試料を毛管力により輸送するように適合させたキャピラリー素子の反対側に配置される。第1電極と第2電極は、ある態様において、第1電極の表面が第2電極の表面に面するように向き合った電極(opposing electrode)として配置される。さらなる態様において、第1電極と第2電極は並行して配列される。さらに、第1電極と第2電極は同じ寸法をもつことができ、かつ非構造化(non-structured)形状をもつことができる。第1電極がキャピラリーの長さ全体にわたって広がっていてもよい。第2電極がキャピラリーの長さ全体にわたって広がっていてもよい。本明細書中で用いる用語“キャピラリーの長さ”は、センサー素子内の1寸法におけるキャピラリーの最大伸長を表わす。ある態様において、キャピラリーはセンサー素子の長手方向に対して直角に伸びており、したがってこの場合はキャピラリーの長さはセンサー素子の長手方向に対して直角なキャピラリーの最大伸長を表わす。別態様において、キャピラリーは検査素子の長手方向に沿って伸びていてもよく、したがってこの場合はキャピラリーの長さはセンサー素子の長手方向に沿ったキャピラリーの最大伸長を表わす。対面センサー素子の第1電極および第2電極は、キャピラリー充填中に第1電極と第2電極が同時に湿潤するように配置される。キャピラリーの充填体積の増分dV当たりの第1電極の湿潤表面積の増分dA1は、すべての時点で第2電極の湿潤表面積の増分dA2と等しいであろう。本明細書中で用いる用語“キャピラリー充填”は、体液の試料を受容するプロセスを表わす。ある態様において、対面センサー素子の第1電極および第2電極ならびに第1電極と第2電極の間のキャピラリーは、電気化学セルを形成する。電気化学セルはキャピラリーの長さ全体にわたって広がっていてもよい。
当業者に知られているように、作用電極という用語は、体液中の少なくとも1種類の分析物を検出するための少なくとも1つの電気化学検出反応を行なうために適合させた電極を表わす。当業者にさらに知られているように、カウンター電極という用語は、作用電極における検出反応に必要な電流のバランスをとるために適合させた少なくとも1つの電気化学的な対向反応(counter reaction)を行なうために適合させた電極を表わす。基準電極という用語は、たとえば一定の電極電位をもつ酸化還元系を供給することによって広範に一定の電極電位を基準電位として供給するために適合させた電極を表わす。本発明によれば、分析物およびバックグラウンド反応により発生する信号の測定に際して、分析電極は作用電極であり、制御電極はカウンター電極である。したがって、バックグラウンド反応のみにより発生する信号の測定に際して、制御電極は作用電極であり、分析電極はカウンター電極である。よって、ある態様において、センサー素子は基準電極を含まない。
本明細書中で用いる用語“対象(subject)”は、脊椎動物に関する。ある態様において対象は哺乳動物であり、さらなる態様においてはマウス、ラット、ネコ、イヌ、ハムスター、モルモット、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシまたはウマである。さらに、さらなる態様において、対象は霊長類である。さらなる態様において、対象はヒトである。ある態様において、対象は少なくとも1種類の分析物の、正常からの測定可能な偏差に関連する疾患または状態に罹患しているか、あるいは罹患している疑いがある。
用語“被験試料”は、当業者に理解されており、対象の組織ホモジェネート、組織液(間質液)または体液のいずれかの適切なサイズの一部分に関する。本明細書中で用いる用語“体液”は、本発明の分析物を含むかあるいは含む疑いのあることが知られている対象のすべての体液に関するものであり、血液、血漿、血清、涙液、尿、リンパ液、脳脊髄液、胆汁、便、汗、間質液および唾液を含む。ある態様において、体液は血液、血漿または血清である。体液被験試料は周知の手法で得ることができ、それにはたとえば静脈または動脈の穿刺、上皮穿刺などが含まれる。
本明細書中で用いる用語“化学マトリックス(chemistry matrix)”は、分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させる少なくとも1種類の成分を含む、化合物のマトリックスを表わす。化学マトリックスをデザインする種々の可能性が当技術分野で知られている。これに関して、前記の先行技術文献を参照できる。具体的には、J. Hoenes et al.: The Technology Behind Glucose Meters: Test Strips, Diabetes Technology & Therapeutics, Volume 10, Supplement 1, 2008, S-10 to S-26を参照できる。ただし、他のタイプの化学マトリックスも可能である。
ある態様において、本発明の化学マトリックスは、分析物の存在下で少なくとも1つの電気化学的特性を変化させるように適合している。本明細書中で用いる用語“電気化学的特性”は、分析物の存在下で変化し、それをいずれかの種類の電気信号に変換できる、被験化学物質のいずれかの特性に関する。ある態様において、電気化学的特性および/またはそれから発生できる信号の変化は、被験試料中の分析物の濃度に比例する。ある態様において、電気化学的特性は、本明細書に記載する化学マトリックスの少なくとも1種類の成分、ある態様においては指示試薬(indicator reagent)の酸化還元状態である。したがって、ある態様において、検出反応は酸化還元反応である。さらなる態様において、検出反応は、酸化還元等価物および/または電子を、中間体および/または生成物として生成する。さらなる態様において、電気化学的特性は還元または酸化された本明細書に記載する指示試薬の濃度であり、すなわち、ある態様においては測定可能な特性は検査化学物質中に含まれる指示試薬の酸化還元状態である。前記に定める電気化学的特性を測定値として読み取ることができる物理信号に変換する方法は当技術分野で周知であり、たとえばEP 0 821 234、EP 0 974 303およびUS 2005/0023152に記載されている。ある態様において、電気化学的特性には分析物の濃度の指標となる電流測定応答または電量測定応答が含まれる。たとえば、U.S. Pat. No. 5,108,564、4,919,770および6,054,039を参照。
本明細書中で用いる用語“酸化還元等価物(redox equivalent)”は、当業者に周知の酸化還元化学において慣用される概念に関する。ある態様において、この用語は、オキシドレダクターゼの基質から酸化還元補因子へ、および/またはその酸化還元補因子から酸化還元メディエーターへ、および/またはその酸化還元メディエーターから指示化合物および/または電極へ伝達される、電子に関する。
ある態様において、化学マトリックスは少なくとも1つの電極と接触する電気化学的な化学マトリックスである。適切な電極、電極セットアップ、電気化学検査用の化学マトリックスの適切なさらなる化合物、およびそれの操作モードは当業者に周知であり、たとえば、WO 2007/071562 A1、US 2009/0198117 A1、WO 2007/071562 A1、WO 2014/001382 A1、およびそれらに引用された参考文献に記載されている。本発明によれば、電気化学検査用の化学マトリックスは、分析物と反応して被験試料流体中に分析物が存在することを表わす電気化学信号を発生するための1種類以上の作用剤を含むものとする。本発明による化学マトリックスが1より多い層、またはある態様においては1つの層を保有できることは当業者により理解される。適切な層セットアップは当技術分野で周知である。
ある態様において、化学マトリックスはさらに、酸化還元等価物の存在下で少なくとも1つの電気化学的特性の変化を誘発できる酸化還元補因子および/または指示試薬を含む。
本明細書中で用いる用語“酸化還元補因子(redox cofactor)”は、酵素により伝達された酸化還元等価物、特にハイドライド(H)に対する受容体として作用できる分子を表わす。ある態様において、酸化還元補因子はピロロキノリンキノン(pyrrolo quinoline quinone)(PQQ,CAS NO:72909−34−3)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD,CAS NO:53−84−9)、またはフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD,CAS NO:146−14−5)である。本発明の検査化学マトリックス中に含有させる酸化還元補因子は意図するデヒドロゲナーゼの特性に依存することは理解されるであろう。たとえば、PQQを本発明の組成物中においてPQQ依存性デヒドロゲナーゼと組み合わせ、NADを本発明の組成物中においてNAD依存性デヒドロゲナーゼと組み合わせ、FADを本発明の組成物中においてFAD依存性デヒドロゲナーゼと組み合わせる。本発明による酸化還元補因子は、ある態様において、PQQ、NADまたはFADの誘導体であってもよい。NADの代表的誘導体はWO 2007/012494に開示されたものであり、それを開示されたNAD/NADHおよび/またはNADP/NADPH誘導体に関して本明細書に援用する。さらなる態様において、本発明による酸化還元補因子はWO 2007/012494に開示されたcarbaNADである。
本明細書中で用いる用語“酸化還元等価物の存在下で少なくとも1つの電気化学的特性の変化を誘発できる指示試薬”は、酸化還元等価物の存在下で少なくとも1つの測定可能な特性の変化、ある態様においては化学マトリックスの電気化学的特性として測定できる変化を生じることができる分子を表わす。
前記に述べた指示試薬は、ある態様において、直接的に、または間接的に、すなわちさらなるメディエーターを介して、酸化還元等価物を酸化還元補因子から電極へ伝達できる。後者の場合、酸化還元等価物は指示試薬から中間メディエーターへ伝達され、これはその後これらの酸化還元等価物を電極へ伝達する。1種類より多いメディエーターを使用できることは理解されるであろう。たとえば、試薬は酸化還元等価物を第1メディエーターへ伝達することができ、これがその後これらの酸化還元等価物を第2メディエーターへ伝達し、第2メディエーターが次いで酸化還元等価物を電極へ伝達する。そのようなメディエーターカスケードに2種類より多いメディエーターを使用できることは理解されるであろう。さらなる態様において、指示試薬は酸化還元等価物を酸化還元補因子から電極へ直接伝達できる。本発明に関して適用できるメディエーターは当技術分野で周知であり、たとえばフェリシアン化カリウム、キノン誘導体、ナイルブルー(Nile blue)(CAS NO:3625−57−8)、メルドラブルー(Meldola’s blue)(CAS NO:7057−57−0)、EP 1 457 572 B1に開示されたオスミウム錯体、遷移金属錯体、たとえばルテニウムヘキサミンクロリド、またはニトロソ−アニリン−誘導体を含む。
本発明の化学マトリックスのある態様において、化学マトリックスはさらに少なくとも1種類の安定剤、界面活性剤、膨潤剤、フィルム形成剤、酸化剤および/または固体粒子を含む。本発明の組成物中に用いるのに適した安定剤、界面活性剤、膨潤剤、フィルム形成剤、酸化剤,および/または固体粒子は当業者に知られている。ある態様において、少なくとも1種類の界面活性剤は下記のものからなる群から選択される:ナトリウム−N−メチル−N−オレオイルタウレート、N−オクタノイル−N−メチル−グルカミド、Mega 8(N−メチル−N−オクタノイルグルカミド)、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム(DONS)、Rhodapex(登録商標)(ある態様において、CO−433またはCO−436)。ある態様において、少なくとも1種類の膨潤剤は下記のものからなる群から選択される:メチルビニルエーテル 無水マレイン酸 コポリマー、キサンタンガム、およびメチルビニルエーテル マレイン酸 コポリマー。ある態様において、少なくとも1種類のフィルム形成剤は下記のものからなる群から選択される:ポリプロピオン酸ビニル分散液、ポリビニルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリビニルアミド、ポリアミド、ポリスチレン;たとえばブタジエン、スチレンまたはマレイン酸エステルの混合重合体も適している。ある態様において、少なくとも1種類の固体粒子は下記のものからなる群から選択される:シリカ粒子、特に二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウムまたはケイ酸アルミニウム、けいそう土、金属酸化物、特に酸化チタンおよび/または酸化アルミニウム、合成酸化物材料、特に酸化物材料のナノ粒子、たとえば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、または酸化チタン、カオリン、粉末ガラス、非晶質シリカ、硫酸カルシウム、および硫酸バリウム。
本発明による化学マトリックスは、ある態様において、化学マトリックスの成分をまず溶媒または溶媒混合物に溶解することにより得ることができる。さらなる態様において、その溶媒または溶媒混合物を、その後、残りの組成物が本質的にその溶媒または溶媒混合物を含まないように適切な処理により除去する。ある態様において本発明により考慮される適切な処理には、熱処理、蒸発法、凍結乾燥などが含まれる。ある態様において、考慮される処理は熱処理、特に下記の条件下での熱処理である:約60℃以上で約20〜45分間、または約95℃で約1〜2分間、熱循環下での熱処理;化学マトリックスの厚さ20〜200マイクロメーター以下;1バールまたは0.1バールの圧力。さらに、化学マトリックスを乾燥条件下に維持するために、ある態様において、貯蔵を乾燥剤(drying agent、すなわちdesiccant)の存在下で実施することは理解されるであろう。適切な乾燥剤には、ある態様において、シリカゲル、ゼオライト、炭酸カルシウムまたは硫酸マグネシウムが含まれる。
本明細書中で用いる用語“活性化学マトリックス”は、分析物の存在下で酵素活性を含む、本明細書中で特定する本発明の化学マトリックスに関する。したがって、用語“不活性化学マトリックス”は、その分析物の存在下でその酵素活性を含まない、本発明の化学マトリックスに関する。本発明の不活性化学マトリックスは、少なくとも本明細書中で述べる指示試薬を、ある態様においてはそれが活性化学マトリックス中に存在するものと同じ濃度で含み、かつ活性化学マトリックスと類似する粘度、ある態様においては同じ粘度をもつ。さらなる態様において、不活性化学マトリックスは、活性化学マトリックスと同じ酸化還元補因子を、ある態様においてはそれが活性化学マトリックス中に存在するものと同じ濃度で含む。さらに、さらなる態様において、不活性化学マトリックスは、活性化学マトリックスと同じフィルム形成剤を、ある態様においてはそれが活性化学マトリックス中に存在するものと同じ濃度で含む。干渉補償(interferece compensation)が可能な限り完全であるためには、本発明の酵素活性の存在または非存在を別として、活性化学マトリックスと不活性化学マトリックスが一般に可能な限り類似していることは当業者に理解される。本発明の不活性化学マトリックスは活性化学マトリックスと類似の拡散特性、または同じ拡散特性すらもつことができる。したがって、ある態様において、活性化学マトリックスの組成は、活性化学マトリックスにおけるその酵素活性の存在のみによって不活性化学マトリックスの組成と異なる。同様に、ある態様において、活性化学マトリックスはその酵素活性を保有するポリペプチドを含み、不活性化学マトリックスはその酵素活性を保有しないポリペプチドを含む。さらなる態様において、その酵素活性を保有しないポリペプチドはその酵素活性を保有するポリペプチドの不活性形態である。さらなる態様において、その酵素活性を保有しないポリペプチドは、触媒として不活性なポリペプチド、たとえばウシ血清アルブミンである。
ある態様において、活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスは、被験試料を適用した後に第1電極および第2電極ならびに活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを包含する電気回路を閉じることができるように、センサー素子中に配置される。ある態様において、活性化学マトリックスと不活性化学マトリックスは互いに隣接して配置される。さらなる態様において、活性化学マトリックスと不活性化学マトリックスは、両方の化学マトリックスが被験試料により同時に湿潤するように互いに隣接して配置される。さらなる態様において、活性化学マトリックスと不活性化学マトリックスは、本明細書のいずれかの箇所に記載するように対面配置で配置される。
本明細書中で用いる用語“酵素活性”は、生体分子、ある態様においては生体高分子、さらなる態様においてはポリペプチドが、化学反応を触媒する活性に関する。ある態様において、酵素活性はオキシドレダクターゼ活性、さらなる態様においてはデヒドロゲナーゼ活性である。本明細書中で用いる用語“デヒドロゲナーゼ活性”は、本明細書中でいずれかの箇所に述べるように、1工程機序でハイドライド(H)を、または2工程機序でH/eを、酸化還元等価物として酸化還元補因子へ、またはそれから伝達することにより、基質の酸化または還元を触媒する酵素活性を表わす。ある態様において、デヒドロゲナーゼ活性は、本明細書中でいずれかの箇所に述べるように、ハイドライド(H)を酸化還元等価物としてアクセプター分子へ、ある態様においては酸化還元補因子へ伝達することにより、基質の酸化を触媒する。代表的なデヒドロゲナーゼ活性は、酸化還元補因子(または時には補酵素と呼ぶ)、たとえばピロロキノリンキノン(PQQ)、ニコチンアミド−アデニン−ジヌクレオチド(NAD)もしくはその誘導体、またはフラビン補因子、たとえばフラビン−アデニン−ジヌクレオチド(FAD)もしくはフラビン モノヌクレオチド(FMN)に依存するものである。代表的なデヒドロゲナーゼ活性は、特に酵素である乳酸デヒドロゲナーゼ(EC番号1.1.1.27または1.1.1.28)、グルコースデヒドロゲナーゼ(後記を参照)、アルコールデヒドロゲナーゼ(EC番号 EC番号1.1.1.1または1.1.1.2)、L−アミノ酸デヒドロゲナーゼ(EC番号1.4.1.5)、グリセリンデヒドロゲナーゼ(EC番号1.1.1.6)、マレイン酸デヒドロゲナーゼ(EC番号1.1.1.37)、3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(EC番号1.1.1.30)、ソルビトールデヒドロゲナーゼ(EC番号1.1.1.14)、またはコレステロールデヒドロゲナーゼのものである。
さらなる態様において、デヒドロゲナーゼ活性はグルコースデヒドロゲナーゼの活性である。さらなる態様において、グルコースデヒドロゲナーゼは下記のものからなる群から選択される:グルコースデヒドロゲナーゼ(EC番号1.1.1.47)、キノプロテイングルコースデヒドロゲナーゼ(quinoprotein glucose dehydrogenase)(EC番号1.1.5.2)、特にピロロキノリンキノン(PQQ)−依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(EC番号1.1.5.2)、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(EC番号1.1.1.49)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)−依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(EC番号1.1.1.119)およびフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)−依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(EC番号1.1.99.10)、またはその酵素活性変異体。
有利なことに、本発明の基礎となる研究において、2電極構造をもち、それらのうち一方は分析物の存在下で酵素活性を含む化学マトリックスに接触しており、それらのうち第2のものはその酵素活性を含まない化学マトリックスに接触しているセンサー素子を使用し、そしてある極性で電気パラメーターを一度測定し、続いて逆の極性で測定することにより、干渉、すなわちその分析物に対する酵素活性から生じるものではない信号を容易に補償できることが見出された。電極数の低減によって全体的な測定誤差が低減し、かつ製造の複雑さ、したがって製造コストも低減する。
前記で行なった定義は必要な変更を加えて下記にも適用できる。さらに以下において行なう追加の定義および説明も、必要な変更を加えて本明細書中に記載するすべての態様に適用される。
本発明はまた、被験試料中の少なくとも1種類の分析物を検出する方法であって、下記の工程を含む方法に関する:
a)被験試料を、(i)その分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させる活性化学マトリックスに接触させ、活性化学マトリックスは第1電極に接触している;かつ(ii)不活性化学マトリックスに接触させ、不活性化学マトリックスは第2電極に接触している;
b)第1電極および第2電極ならびに活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを含む電気回路を閉じ、続いてその少なくとも1つの電気化学的特性の第1値を決定する;
c)b)の電気回路の電気極性を逆転させ、続いてその少なくとも1つの電気化学的特性の第2値を決定する;そして
d)第1値および第2値に基づいてその少なくとも1種類の分析物を検出する。
本発明の方法は、ある態様においてインビトロ法である。さらに、それは明白に前記に述べた工程に追加した工程を含むことができる。たとえば、さらなる工程はたとえば工程a)のための被験試料を得ること、あるいは工程b)および/または工程c)を反復することに関するものであってもよい。さらに、それらの工程のうち1以上を自動装置により実施することもできる。
用語“接触させる”は当業者に理解されており、2つの素子を物理的に接触させて、それらの素子またはその構成要素を相互作用させることに関する。
本発明の方法は、ある極性における少なくとも1つの電気化学的特性の数値の少なくとも1回の測定、および逆の極性におけるその少なくとも1つの電気化学的特性の数値の少なくとも1回の測定を必要とする。結果の精度を高めるためにその測定を反復できることは、当業者に理解される。さらに、追加工程、たとえばある態様においては1回以上の測定、および/または第1極性と第2極性での測定間における電圧フリー休止(voltage free break)を含むことができる。ある態様において、その休止は少なくとも0.5秒、さらなる態様においては少なくとも1秒、さらに、さらなる態様においては少なくとも2秒、またはさらなる態様においては少なくとも3秒、持続するように設定される。ある態様において、その測定および/または電圧フリー休止の時間範囲は0.1秒〜10秒、さらなる態様においては1秒〜8秒、さらなる態様においては2〜5秒である。1回より多い測定サイクルを適用する場合、測定および/または電圧フリー休止もその測定サイクルに含めることができるのは当業者に理解される。
有利なことに、本発明の基礎となる研究において、第1極性と第2極性での測定間に電圧フリー休止を設ける工程を含む態様は、反応生成物、特に酸化還元生成物、ある態様においては酸化還元指示薬(単数または複数)を電極から拡散させることが見出された。よって、そのような休止を含めると、電極で形成された酸化還元生成物の逆反応により生じる電流が低減する;さもなければ、この電流は存在する可能性のある干渉化合物により誘導される電流に重なる可能性がある。
本発明によれば、目的とする分析物を検出するために、そのような第1値および第2値を用いて干渉を補償するのに適したいずれかの数学的および/または計測学的方法を使用できる;たとえば、特定対の第1値および第2値のための検量曲線のセットを樹立することができる;あるいは、バックグラウンド化学反応により発生した信号が測定デバイスにより補償されるように検出回路をセットアップすることができる。したがって、バックグラウンド化学反応から検出された値を必ずしも実際にユーザーまたは評価ユニットへ出力する必要はないであろう。ある態様において、分析物の検出は本発明方法に従って決定した第1値と第2値の差を計算することを含む。同様に、ある態様において、分析物の検出は測定値を検量データと比較することを含み、その検量データは、ある態様において、撹乱条件下で、すなわちある態様においては干渉化合物の存在下でトレーニングデータを決定することにより得られたものである。さらなる態様において、 分析物の検出は、第1極性および第2極性を適用して測定した値の重み付き差(weighted difference)を計算することを含み、その際、加重係数(weighting factor)は撹乱条件下で、すなわちある態様においては干渉化合物の存在下で検量データを決定することにより得られる。
ある態様において、本発明方法による分析物の検出は、電圧、さらなる態様においてはDC電圧を印加することを含む。さらなる態様において、本発明方法による分析物の検出は、電圧の印加から生じる電流の測定を含む。第2極性で印加する電圧は、ある態様において、第1極性で印加した電圧±40%、さらなる態様においては±20%、またはさらに、さらなる態様においては±10%に相当する。さらなる態様において、印加する電圧は両極性において同じ数値をもつ。
本発明の方法は特定した特徴を含むいずれかのデバイスを用いて実施できることは当業者に理解される。したがって、本発明の方法は、たとえばある態様において、2より多い電極をもつ一般的なテストストリップを用いて実施することもでき、それらのうち少なくとも1つは分析物の存在下で活性である酵素活性を含む化学マトリックスに接触しており、それらのうち少なくとも1つはその分析物の存在下で活性である酵素活性を含まない化学マトリックスに接触している。さらなる態様において、本発明の方法は本発明のセンサー素子を用いて実施される。
さらに、本発明は、被験試料中の少なくとも1種類の分析物を検出するための、下記のものを含む検査デバイスに関する:
i)センサー素子のための容器:センサー素子は少なくとも2つの電極ならびに活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを含み、活性化学マトリックスはその分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させ、第1電極は活性化学マトリックスに接触しており;第2電極は不活性化学マトリックスに接触している;ならびに
ii)本発明の方法に従ってセンサー素子に含まれる少なくとも1種類の指示試薬の電気化学的特性を決定するための手段。
本明細書中で用いる用語“検査デバイス”は、原則として当技術分野で既知であるけれども分析物誘発による本明細書中で前記に特定した電気化学的特性の変化を本発明の方法に従って測定するように適合させた検査デバイスに関する。したがって、本発明の検査デバイスは、センサー素子のための少なくとも1つの容器、および分析物の存在下で変化する化学マトリックスの電気化学的特性を決定するための少なくとも1つの手段を含む;センサー素子は(i)少なくとも2つの電極、ならびに(ii)活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを含み、活性化学マトリックスはその分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させ;そのセンサー素子において、第1電極は活性化学マトリックスに接触しており;第2電極は不活性化学マトリックスに接触している。ある態様において、本発明の検査デバイスは本発明のセンサー素子のための少なくとも1つの容器を含む。ある態様において、検査デバイスはさらに電源ユニット、ある態様においては電圧源、たとえばある態様においては電池および/または蓄電池、および/または電流計を含む。ある態様において、検査デバイスは診断検査デバイスである。ある態様において、検査デバイスはさらに、周囲パラメーターを決定するための少なくとも1つのセンサーを含む。さらなる態様において、検査デバイスはさらに、周囲温度を決定するための少なくとも1つの温度センサーを含む。同様に、ある態様において、検査デバイスは携帯用検査デバイスである。
用語“容器”は当業者に既知であり、検査デバイスの素子に関するものであって、少なくとも1つのセンサー素子を、ある態様においては本発明によるセンサー素子を受容する形状をもち、体液中の分析物を検出するのに適した1以上のコネクターおよび/または接点を備えており、ある態様においては体液の被験試料を検査素子に適用できる少なくとも1つの適用位置に検査素子を配置するように適合させたものである。検査素子容器の具体的態様は、検査素子の種類およびそれに用いる検査化学の種類に依存するであろう。よって、一例として、検査素子容器は下記のうち1以上であってもよく、あるいはそれを含むこともできる:少なくとも1つの検査素子を、ある態様においてはストリップ状検査素子を完全または部分的に挿入するためのスロット;少なくとも1つの検査素子を完全または部分的に受容するための、ハウジング内の開放空間;1以上の検査素子を受容するためのマガジン(収納庫)(magazine);1以上の検査素子を保持および/または移動させるためのガイド(guiding)。
特定した特徴を含むいずれかのセンサー素子との組合わせで用いるように本発明の検査デバイスを適合できることは当業者に理解される。したがって、本発明の検査デバイスは、たとえば2より多い電極をもち、それらのうち少なくとも第1電極は活性化学マトリックスと接触しており、それらのうち少なくとも第2電極は不活性化学マトリックスと接触している一般的なテストストリップとの組合わせで用いるように適合させることもできる。さらなる態様において、本発明の検査デバイスは本発明のセンサー素子との組合わせで用いるように適合している。
さらに、本発明は下記のものを含む検査システムに関する:
i)少なくとも2つの電極ならびに活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを含むセンサー素子:活性化学マトリックスはその分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させ、第1電極は活性化学マトリックスに接触しており;第2電極は不活性化学マトリックスに接触している;ならびに
ii)a)のセンサー素子のための容器、および本発明の方法に従ってセンサー素子に含まれる少なくとも1種類の指示試薬の電気化学的特性を決定するための手段を含む、検査デバイス。
また、本発明は、少なくとも1種類の分析物を検出するための、本発明によるセンサー素子、本発明によるデバイス、および/または本発明によるシステムの使用に関する。
本発明はさらに、そのプログラムをコンピューターまたはコンピューターネットワークで実行した際に本発明による方法を本明細書に含まれる態様のうち1以上で実施するためのコンピューター実行可能な指示を含む、コンピュータープログラムを開示および提唱する。具体的には、コンピュータープログラムをコンピューター可読データキャリアに記憶させることができる。よって、具体的には、前記で指示した方法の工程a)〜d)のうち1つ、1より多数、または全部ですら、コンピューターまたはコンピューターネットワークを用いて、ある態様においてはコンピュータープログラムを用いて実施できる。
本発明はさらに、そのプログラムをコンピューターまたはコンピューターネットワークで実行した際に本発明による方法を本明細書に含まれる態様のうち1以上で実施するための、プログラムコード手段を備えたコンピュータープログラムプロダクトを開示および提唱する。具体的には、プログラムコード手段をコンピューター可読データキャリアに記憶させることができる。
さらに、本発明はデータ構造がそれに記憶されたデータキャリアを開示および提唱し、それはコンピューターまたはコンピューターネットワークに、たとえばコンピューターまたはコンピューターネットワークのワーキングメモリーまたはメインメモリーにローディングした後、本明細書に開示する態様のうち1以上による方法を実行できる。
本発明はさらに、そのプログラムをコンピューターまたはコンピューターネットワークで実行した際に本明細書に開示する態様のうち1以上による方法を実施するための、プログラムコード手段が機械可読キャリアに記憶されたコンピュータープログラムプロダクトを開示および提唱する。本明細書中で用いるコンピュータープログラムプロダクトは、販売製品としてのプログラムを表わす。その製品は一般に任意のフォーマットで、たとえばペーパーフォーマットで、またはコンピューター可読データキャリアに存在することができる。具体的には、コンピュータープログラムプロダクトをデータネットワーク上に配布することができる。
最後に、本発明は、コンピューターシステムまたはコンピューターネットワークで読み取ることができる本明細書に開示する態様のうち1以上による方法を実施するための指示を含む、変調データ信号を提唱および開示する。
ある態様において、本発明のコンピューター実装観点に関して、本明細書に開示する態様のうち1以上による方法の工程のうち1以上または全部ですら、コンピューターまたはコンピューターネットワークを用いて実施できる。よって一般に、データのプロビジョンおよび/または操作を含むいずれの工程も、コンピューターまたはコンピューターネットワークを用いて実施できる。一般に、これらの工程は、一般にマニュアル作業を必要とする工程、たとえば被験試料の供給および/または実際の測定を実施する特定の観点を除いて、いずれの工程も含むことができる。
具体的には、本発明はさらに下記のものを開示する:
− 少なくとも1つのプロセッサーを含むコンピューターまたはコンピューターネットワークであって、そのプロセッサーが本明細書に開示する態様の1つによる方法を実施するように適合されたもの;
− コンピューターローディング可能なデータ構造であって、そのデータ構造をコンピューターで実行した際に本明細書に記載する態様の1つによる方法を実施するように適合させたもの;
− コンピュータープログラムであって、そのプログラムをコンピューターで実行した際に本明細書に記載する態様の1つによる方法を実施するように適合されたコンピュータープログラム;
− プログラム手段を含むコンピュータープログラムであって、そのコンピュータープログラムをコンピューターまたはコンピューターネットワークで実行した際に本明細書に記載する態様の1つによる方法を実施するためのもの;
− 上記の態様によるプログラム手段を含むコンピュータープログラムであって、そのプログラム手段がコンピューター可読記憶媒体に記憶されたもの;
− 記憶媒体であって、データ構造がその記憶媒体に記憶され、そのデータ構造がコンピューターまたはコンピューターネットワークのメイン記憶および/またはワーキング記憶にローディングされた後、本明細書に記載する態様の1つによる方法を実施するように適合されたもの;ならびに
− プログラムコード手段を備えたコンピュータープログラムプロダクトであって、そのプログラムコード手段は記憶媒体に記憶でき、または記憶されており、そのプログラムコード手段をコンピューターまたはコンピューターネットワークで実行した場合に本明細書に記載する態様の1つによる方法を実施するためのもの。
本明細書に引用するすべての参考文献を、それらの開示内容全体および本明細書に具体的に述べた開示内容に関して本明細書に援用する。
本発明の知見をまとめると、下記の態様が考慮される:
態様1: 少なくとも1種類の分析物を決定するためのセンサー素子であって、一対の電極ならびに少なくとも活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを含み、活性化学マトリックスはその分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させ、
(i)電極対は他の電極から電気絶縁された2つの電極からなり、
(ii)活性化学マトリックスはその酵素活性を含み、不活性化学マトリックスはその酵素活性を含まず、かつ
(iii)電極対の第1電極は活性化学マトリックスに接触しており、電極対の第2電極は不活性化学マトリックスに接触している。
態様2: 活性化学マトリックスの組成がその酵素活性の存在によってのみ不活性化学マトリックスの組成と異なる、態様1のセンサー素子。
態様3: 活性化学マトリックスはその酵素活性を保有するポリペプチドを含み、不活性化学マトリックスはその酵素活性を保有しないポリペプチドを含む、態様1または2のセンサー素子。
態様4: その酵素活性を保有しないポリペプチドはその酵素活性を保有するポリペプチドの不活性形態である、態様3のセンサー素子。
態様5: 厳密に一対の電極を含む、態様1〜4のいずれか1つのセンサー素子。
態様6: 少なくとも1種類の分析物がグルコースである、態様1〜5のいずれか1つのセンサー素子。
態様7: その酵素活性を保有するポリペプチドがグルコースデヒドロゲナーゼである、態様1〜6のいずれか1つのセンサー素子。
態様8: 化学マトリックスがさらに少なくとも1種類の酸化還元補因子を含む、態様1〜7のいずれか1つのセンサー素子。
態様9: センサー素子が対面センサー素子である、態様1〜8のいずれか1つのセンサー素子。
態様10: 被験試料中の少なくとも1種類の分析物を検出する方法であって、下記の工程を含む方法:
a)被験試料を、(i)その分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させる活性化学マトリックスに接触させ、活性化学マトリックスは第1電極に接触している;かつ(ii)不活性化学マトリックスに接触させ、不活性化学マトリックスは第2電極に接触している;
b)第1電極および第2電極ならびに活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを含む電気回路を閉じ、続いてその少なくとも1つの電気化学的特性の第1値を決定する;
c)b)の電気回路の電気極性を逆転させ、続いてその少なくとも1つの電気化学的特性の第2値を決定する;そして
d)第1値および第2値に基づいてその少なくとも1種類の分析物を検出する。
態様11: 少なくとも1種類の分析物の検出が、工程b)で決定した第1値と工程c)で決定した第2値の差を計算することを含む、態様10の方法。
態様12: 工程b)が、電気回路に電圧を印加することを含む、態様10または11の方法。
態様13: 工程c)が、工程b)の電圧に対して逆の電圧を電気回路に印加することを含む、態様12の方法。
態様14: 工程b)で印加した電圧が工程c)で印加した電圧レベルと本質的に同じである、態様10〜13のいずれか1つの方法。
態様15: 被験試料中の少なくとも1種類の分析物を検出するための、下記のものを含む検査デバイス:
i)センサー素子のための容器:センサー素子は少なくとも2つの電極ならびに活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを含み、活性化学マトリックスはその分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させ、第1電極は活性化学マトリックスに接触しており;第2電極は不活性化学マトリックスに接触している;ならびに
ii)態様10〜14のいずれか1つによる方法に従ってセンサー素子に含まれる少なくとも1種類の指示試薬の電気化学的特性を決定するための手段。
態様16: 下記のものを含む検査システム:
(i)少なくとも2つの電極ならびに活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックスを含むセンサー素子:活性化学マトリックスはその分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させ、第1電極は活性化学マトリックスに接触しており;第2電極は不活性化学マトリックスに接触している;ならびに
(ii)a)のセンサー素子のための容器、および態様10〜14のいずれか1つの方法に従ってセンサー素子に含まれる化学マトリックスの電気化学的特性を決定するための手段を含む、検査デバイス。
態様17: センサー素子が態様1〜9のいずれか1つのセンサー素子である、態様16のシステム。
態様18: 少なくとも1種類の分析物を検出するための、態様1〜9のいずれか1つによるセンサー素子、態様15による検査デバイス、または態様16もしくは17による検査システムの使用。
態様19: センサー素子が基準電極を含まない、態様1〜9のいずれか1つのセンサー素子。
態様20: (i)電極対の第1電極といずれかの追加電極との間の抵抗、および(ii)電極対の第2電極といずれかの追加電極との間の抵抗が、両方とも、被験試料をセンサー素子に適用した後に少なくとも25kΩになるように、電極対はセンサー素子に存在する可能性のあるいずれの追加電極からも電気絶縁されている、態様1〜9および19のいずれか1つのセンサー素子。
態様21: 態様1〜9および19〜20のいずれか1つによるセンサー素子を用いて実施される、態様10〜14のいずれか1つの方法。
本発明のさらなる任意選択的な特徴および態様をより詳細に以下の態様の記載に開示する。当業者に認識されるように、それらにおいてそれぞれの任意選択的な特徴、たとえば従属請求項に記載したものを、単独様式で、およびいずれか任意の実施可能な組合わせで実現できる。本発明の範囲はそれらの例に記載した態様によって限定されない。それらの態様を図面に模式的に示す。それらにおいて同一の参照番号は同一または機能的に同等の素子を表わす。
図1は、本発明によるセンサー素子の代表的態様の模式図を示す;A:上面図、B:軸A−A’に沿った断面図。 図2は、本発明によるセンサー素子の他の代表的態様の上面模式図を示す。 図3は、ポテンショスタット(potentiostat)に接続した対面電極セットアップの断面模式図を示す。 図4は、本発明の検査システムおよび検査デバイスの代表的態様の断面模式図を示す。 図5は、本発明の干渉補償型測定の基礎となる原理の模式図を示す;EM:指示試薬(電子メディエーター(electro-mediator))、IF:干渉化合物(interfering compound)(酸化還元活性);干渉化合物の関与は両極性において同じであり、これに対しグルコースのみが正電圧を印加した場合に測定される電流に関与する。 図6は、本発明による検査素子上の2電極間に指示した電圧を印加した後に測定された電流を表わすグラフを示す。x軸:時間(t)秒,y軸:測定した電流(A)μAまたは印加した電圧(U)mV。点線:印加した電圧;実線:120mg/dLのグルコースを試料として用いて測定した電流;破線:30mg/dLのグルコース+30mg/dLのアスコルビン酸を含む溶液を試料として用いて測定した電流。 図7は、本発明による検査素子上の2電極間に指示した電圧を印加した後に測定された電流を表わすグラフを示す。x軸:印加した電圧(U)mV,y軸:測定した電流(I)μA。サンプリング時間t=5秒;試料:三角:グルコース(600mg/dL);菱形:アスコルビン酸(100mg/dL)。それぞれの試料について2つのテストストリップを測定した。 図8は、本発明による検査素子上の2電極間に指示した電圧を印加して維持した後に測定された電流を表わすグラフを示す。x軸:印加した時間(t)ミリ秒,y軸:測定した電流(I)μA;菱形:120mg/dLのグルコースを試料として用いて測定した電流;三角:30mg/dLのグルコース+30mg/dLのアスコルビン酸を含む溶液を試料として用いて測定した電流。
図1に、センサー素子110の代表的態様の模式図を描く。この代表的態様において、センサー素子110はテストストリップとしてデザインされている。しかし、さらに、または代わりに、他のタイプのセンサー素子110、たとえばテストテープおよび/またはテストディスクを用いてもよい。
上記に概説したセンサー素子110は、活性化学マトリックス116に接触した少なくとも1つの第1電極112;および不活性化学マトリックス118に接触した少なくとも1つの第2電極114を含む。第1電極112および第2電極114は両方とも、支持層としての基材124上にある。センサー素子110が閉鎖形態の態様であってもよいことは当業者に理解される;その場合、センサー素子は被験試料126を活性化学マトリックス116および不活性化学マトリックス118へガイドするキャピラリー素子を含む。活性化学マトリックス116と不活性化学マトリックス118は互いに直接接触していてもよく(図1および2に示すように)、あるいは本発明の別態様においては互いに離れていてもよい。第1電極112は、第1電極の活性化学マトリックス116により覆われていない末端に接点素子120を含む。第2電極114は、第2電極の不活性化学マトリックス118により覆われていない末端に接点素子122を含む。これらの接点素子120、122は、センサー素子110を分析物測定のための測定ユニットへ導電接続するために使用できる。
図2に描く代表的センサー素子110は、図1に示した代表的センサー素子と同じ素子を含む。しかし、それらの素子の空間配置が異なる。
図3に、センサー素子110の他の代表的態様の断面模式図を描く。この代表的態様において、センサー素子110は対面構造でデザインされている。対面センサー素子110は、図1または2のセンサー素子と同じ素子を含むが、活性化学マトリックス116に接触した第1電極112と不活性化学マトリックス118に接触した第2電極114は、向き合った方向に配置されている。第1電極112および第2電極114は両方とも、それらの各支持層としての基材124上にある。試料は第1電極112と第2電極114の間の試料チャンバー154内に置くことができ、電極112、114の両方と接触する。試料チャンバーは、試料が毛管作用により試料チャンバーに流入してそれを満たすことができるキャピラリー寸法をもつことができる。ポテンショスタット152を用いて、規定した極性および大きさの電圧を第1電極112および第2電極114に印加する。
図4に、本発明による検査デバイス132および検査システム130の態様の断面図を描く。検査デバイス132は、ある態様において、携帯用デバイスとしての形態をもつ。検査デバイス132は、ある態様においてはケーシング150を含み、それは人が持ち運ぶために1000cm未満、ある態様においては500cm未満の容積をもつことができる。検査デバイス132は、検査デバイス132のほかに検査システム130の構成要素を形成するセンサー素子110を受容するための容器146を含む。容器146は、体液の被験試料126をセンサー素子110に適用できる少なくとも1つの適用位置にセンサー素子110を置くように適合されている。
検査デバイス132は、さらに、センサー素子110に含まれる活性化学マトリックス116および不活性化学マトリックス118の電気化学的特性における変化を測定する測定ユニット148を含む。この目的のために、測定ユニットは、第1電極の接点素子120および第1電極の接点素子を接続する接点素子138を介して第1電極112に導電接続し、第2電極の接点素子122および第2電極の接点素子を接続する接点素子140を介して第2電極114に導電接続している。
検査デバイス132はさらに、測定ユニット148により測定した数値を用いて分析物の濃度を決定するように適合させた少なくとも1つの評価ユニット144を含む。評価ユニット144は、ある態様において、少なくとも1つのデータプロセシングデバイス、たとえば少なくとも1つのコンピューターおよび/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路であってもよく、あるいはそれを含むこともできる。一例として、評価ユニット144はマイクロコンピューターを含むことができる。さらに、評価ユニット144は1以上のさらなる素子、たとえば少なくとも1つのデータ記憶デバイスおよび/または他の素子を含むことができる。
評価ユニット144は、たとえば測定ユニット148からの測定値を受信するために、測定ユニット148に一方向または2方向接続している。さらに、評価ユニット144は、たとえば測定ユニット148により行なわれる測定プロセスを制御するために、検査デバイス132の全般的機能性を制御するように適合させることができる。
検査デバイス132はさらに、1以上の人間−機械−インターフェイス、たとえば少なくとも1つのディスプレイ136、および/または少なくとも1つの制御素子134、たとえば少なくとも1つのプッシュボタンを含むことができる。素子134、136も評価ユニット144に接続させることができる。
検査デバイス132はさらに、データおよび/またはコマンドを1以上の外付けデバイスと一方向および/または2方向交換するための少なくとも1つのエレクトロニックインターフェイス142、たとえば無線および/または有線インターフェイスを含むことができる。
図5は、本発明の干渉補償型測定の基礎となる原理の模式図を示す。第1電極112は活性化学マトリックス116と接触しており、第2電極114は不活性化学マトリックス118と接触している。活性化学マトリックス116中で、グルコースが酵素グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)により酸化されて還元型フラビン−アデニン−ジヌクレオチド(FAD)を生成する;GDHが存在しない不活性化学マトリックス118中ではグルコースは酸化されず、還元型FADは生成しない。よって、図5a)の極性ではグルコースおよび干渉化合物(IF)が指示試薬(電子メディエーター,EM)の還元、よって測定電流に関与する。これと対照的に、図5b)の極性ではIFのみが電流に関与することができる。よって、干渉化合物の関与は両方の極性(+500mVおよび−500mV))において同じであるのに対し、グルコースは正電圧を印加した場合にのみ測定電流に関与する。
図6〜8のグラフは、本発明の干渉補償を実施する対面テストストリップの動的測定の結果を示す。このセットアップには、原則として、図3に模式的に描かれたセットアップに対応するディスポーザブル対面電極テストストリップを用いた:ポリエステルホイルを基材(支持体)124として用い、50nmのスパッターした金を第1および第2電極112、114として沈着させ、約5μmの化学マトリックス116、118を適用した(乾燥後に測定した厚さ)。化学マトリックスは、当技術分野で既知の一般的な増粘剤、フィルム形成剤、緩衝化合物、界面活性剤および安定剤などを含有していた;用いた酸化還元メディエーターはニトロソアニリンであった。活性化学マトリックス116中に用いた酵素はグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)であり、FADを補因子として用いた;不活性化学マトリックス118においては、GDHをアルブミンに置き換えた。試料チャンバーの寸法は0.2mm×2mm×10mmであった;したがって、第1電極112と第2電極114の間の距離は0.2mmであった。
実施例1
図6の例において、三角波電圧信号(triangular voltage signal)を電極に印加する。グルコース溶液とグルコースおよび干渉化合物アスコルビン酸を含有する溶液を用いた結果を比較する。酵素電極、すなわち活性化学マトリックスに接触している電極を正に分極させた場合、グルコースと干渉物質からの応答を識別できない。これに対し、逆の極性では、それを明瞭に分離できる。両方の極性からの電流応答を、被験物質(たとえば、グルコース)および干渉物質(たとえば、アスコルビン酸)を含有する適切な検量と組み合わせて分析することにより、干渉物質から大幅に独立した信号を計算することができる。
実施例2
図7は、干渉補償型の対面電極における統計学的電流−電圧実験の結果を示す。この場合、−600から+600mVまでの範囲で50mV毎の異なる電圧について、その都度新たなディスポーザブルテストストリップで電流測定を実施した。用いた指示試薬はニトロソアニリン酸化還元指示薬であり、酵素はグルコースデヒドロゲナーゼであった。グルコース含有試料が酵素含有試薬と接触すると、ニトロソアニリンは還元されてフェニレンジアミンになり、それは正に分極した電極上で酸化可能である。酵素を含有しない第2電極では、ニトロソアニリンは負に分極した電極上で直接還元される。よって、この方向の電極分極については両方の電極が電子伝達を支持し、生じる電流を測定することができる。分極を逆転させると、負に帯電した電子のみがニトロソアニリンを還元することにより電子伝達を支持することができる。その時点で正に分極した無酵素電極にはフェニレンジアミンが存在せず、したがって電子伝達は支持されない。結果的に電流を測定できない。
グルコース含有試料の代わりにアスコルビン酸を用いて実験を繰り返した場合、両方向の分極について電流応答が受信される。ニトロソアニリンは、グルコース−デヒドロゲナーゼ酵素が存在するかどうかに関係なくアスコルビン酸により還元される。干渉物質が電極と直接相互作用し、酸化還元メディエーターと間接的に相互作用するのではない場合には、同じ干渉補償法を使用できる。両方の分極方向について干渉物質電極反応からの電流応答が測定されれば、それを適切なアルゴリズムおよび検量と組み合わせて用いて実際の分析試験(たとえば、グルコース濃度測定)を補正することができる。
実施例3
図8は、逆極性試験相を実施する検査シーケンスの例を示す。
検査シーケンスの最初の部分(図8の1000ミリ秒〜4000ミリ秒)では、極性は酵素含有電極を正に分極させる。印加電圧は+500mVである。グルコース含有試料をテストストリップに添加すると、電流計電流応答を測定することができる。正電極上では、酵素反応により生成したフェニレンジアミンが電子を電極へ伝達する。負に分極した電極上では、ニトロソアニリンが還元されて電極から電子を受け取る。第2測定相(図8の4000ミリ秒〜7000ミリ秒)では、ゼロ電圧を電極に印加する。分極しなければ、用いた電極システムについて電極反応は起きない。したがって、酸化還元反応生成物が電極反応帯域から再拡散する時間があり、よって電極が逆の極性に分極した際に、第1工程で生成した反応生成物から生じる電流応答が最小限に抑えられる。第3電流測定工程(図8の7000ミリ秒〜10000ミリ秒)として、逆の極性を印加する(ここでは酵素含有電極により規定される作用電極に関して−500mV)。この例では、グルコース含有試料溶液(120mg/dL)を、グルコースおよびアスコルビン酸含有試料(30mg/dLおよび30mg/dL)について得られた結果と比較している。正分極(図8の1000ミリ秒〜4000ミリ秒)ではこれら2種類の試料を明瞭に識別できず、これに対し逆の極性(図8の7000ミリ秒〜10000ミリ秒)を用いると明瞭な差が見られることが分かる。
参照番号のリスト
110 センサー素子
112 第1電極
114 第2電極
116 活性化学マトリックス
118 不活性化学マトリックス
120 第1電極の接点素子
122 第2電極の接点素子
124 基材(支持体)
126 被験試料
130 検査システム
132 検査デバイス
134 制御素子
136 ディスプレイ
138 第1電極の接点素子を接続する接点素子
140 第2電極の接点素子を接続する接点素子
142 インターフェイス
144 評価ユニット
146 容器
148 測定ユニット
150 ケーシング
152 ポテンショスタット
154 試料チャンバー

Claims (15)

  1. 被験試料(126)中の少なくとも1種類の分析物を検出する方法であって、下記の工程を含む方法:
    a)被験試料(126)を、(i)前記分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させる活性化学マトリックス(116)に接触させ、前記活性化学マトリックス(116)は前記酵素活性を含み、前記活性化学マトリックス(116)は第1電極(112)に接触している;かつ(ii)不活性化学マトリックス(118)に接触させ、前記不活性化学マトリックス(118)は前記酵素活性を含まず、前記不活性化学マトリックスは第2電極(114)に接触している;
    b)前記第1電極(112)、前記第2電極(114)、前記活性化学マトリックス(116)および前記不活性化学マトリックス(118)を含む電気回路を閉じ、続いて前記少なくとも1つの電気化学的特性の第1値を決定する;
    c)b)の電気回路の電気極性を逆転させ、続いて前記少なくとも1つの電気化学的特性の第2値を決定する;ならびに、
    d)前記第1値および前記第2値に基づいて前記少なくとも1種類の分析物を検出する、
    ここで、前記b)および/またはc)において、三角波電圧信号が印加される
  2. 少なくとも1種類の分析物の検出が、工程b)で決定した第1値と工程c)で決定した第2値の差を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程b)が、電気回路に電圧を印加することを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程c)が、工程b)の電圧に対して逆の電圧を電気回路に印加することを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 工程c)で印加した電圧が、b)で印加した電圧±40%に相当する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 少なくとも1種類の分析物を決定するためのセンサー素子(110)であって、電極対(112,114)、ならびに少なくとも活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックス(116,118)を含み、
    前記電極対(112,114)は他の電極から電気絶縁された2つの電極からなり、(i)電極対の第1電極(112)といずれかの追加電極との間の抵抗、および(ii)電極対の第2電極(114)といずれかの追加電極との間の抵抗が、両方とも、被験試料をセンサー素子(110)に適用した後に少なくとも25kΩになるように、前記電極対(112,114)はセンサー素子(110)に存在する可能性のあるいずれの追加電極からも電気絶縁される、前記センサー素子を用いて実施される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 活性化学マトリックス(116)が酵素活性を有するポリペプチドを含み、不活性化学マトリックス(118)が酵素活性を有しないポリペプチドを含む態様において、活性化学マトリックス(116)の組成が前記酵素活性の存在によってのみ不活性化学マトリックス(118)の組成と異なる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記センサー素子(110)が基準電極を含まない、請求項6または7に記載の方法。
  9. 分析物がグルコースである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法
  10. 分析物が、被験試料(126)中に、ある態様においては血液被験試料中にある、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法
  11. 流体被験試料を電極へガイドするための1以上のキャピラリー素子さらに含み、好ましくは第1電極および第2電極が前記キャピラリー素子の反対側に配置される、請求項6〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記センサー素子(110)がストリップ形状のキャリア素子を含む、請求項6〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 被験試料(126)中の少なくとも1種類の分析物を検出するための、下記のものを含む検査デバイス(132):
    i)センサー素子(110)のための容器(146):センサー素子は少なくとも2つの電極(112,114)、少なくとも活性化学マトリックス(116)および不活性化学マトリックス(118)を含み、前記活性化学マトリックス(116)は前記分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させ、第1電極(112)は前記酵素活性を含む活性化学マトリックス(116)に接触しており;第2電極(114)は前記酵素活性を含まない不活性化学マトリックス(118)に接触している;ならびに、
    ii)請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法に従ってセンサー素子(110)に含まれる少なくとも1種類の指示試薬の電気化学的特性を決定するための手段。
  14. 下記のものを含む検査システム(130):
    i)少なくとも2つの電極(112,114)、少なくとも活性化学マトリックス(116)および不活性化学マトリックス(118)を含むセンサー素子(110):活性化学マトリックス(116)は前記分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させ、第1電極(112)は前記酵素活性を含む活性化学マトリックス(116)に接触しており;第2電極(114)は前記酵素活性を含まない不活性化学マトリックス(118)に接触している;ならびに、
    ii)i)のセンサー素子(110)のための容器(146)、および請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法に従ってセンサー素子(110)に含まれる化学マトリックス(116,118)の電気化学的特性を決定するための手段を含む、検査デバイス(132)。
  15. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法により、少なくとも1種類の分析物を検出するためのセンサー素子(110)の使用であって、
    前記センサー素子が、
    一対の電極(112,114)、ならびに少なくとも活性化学マトリックスおよび不活性化学マトリックス(116,118)を含み、ここで前記活性化学マトリックス(116)は前記分析物の存在下で活性である酵素活性に依存して少なくとも1つの電気化学的特性を変化させ、
    (i)前記電極対(112,114)は他の電極から電気絶縁された2つの電極からなり、(a)電極対の第1電極(112)といずれかの追加電極との間の抵抗、および(b)電極対の第2電極(114)といずれかの追加電極との間の抵抗が、両方とも、被験試料をセンサー素子(110)に適用した後に少なくとも25kΩになるように、前記電極対(112,114)はセンサー素子(110)に存在する可能性のあるいずれの追加電極からも電気絶縁され、
    (ii)前記活性化学マトリックス(116)は前記酵素活性を含み、前記不活性化学マトリックス(118)は前記酵素活性を含まず、
    (iii)前記電極対(112,114)の第1電極は前記活性化学マトリックス(116)に接触しており、前記電極対の第2電極は前記不活性化学マトリックス(118)に接触している、
    前記使用。
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