JP6853015B2 - 免震用積層ゴム - Google Patents

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本発明は、免震用積層ゴムに関する。
従来、ビルなどの構造物に設置して、構造物への地震力を低減する免震装置として、積層ゴムが知られている。
積層ゴムは、鉛直方向に高い(硬い)剛性と、水平方向に低い(軟らかい)剛性とを有し、構造物の基礎部分や中間階層などの免震層に配置される。
積層ゴムでは、中間硬質板(中間鋼板)とゴム層を交互に積層した積層ゴム部が連結鋼板を介して上下フランジの間に介在されている。このような構造の積層ゴムにおいて、耐候性を向上させるために、例えば、特許文献1または特許文献2に示すような積層ゴムが知られている。
特許文献1には、ゴム層と硬質板とを交互に積層してなる積層部(積層ゴム部)が上下の支持板間に介在され、これら支持板に防水カバーが着脱可能に取り付けられた免震積層ゴムが開示されている。また、特許文献2には、積層ゴム部および取付プレートをゴムにてライニングし、取付プレートの裏面にまで回り込んでライニング層を延設し、又、取付プレートの裏面のライニング層に止水突条を設けた積層ゴム体が開示されている。この積層ゴム体は、高湿度の劣悪な状況や湿地にての埋没使用あるいは海浜での港湾施設や海上の連絡橋への採用されることを想定して形成されている。
特開2009−24863号公報 特開平6−221357号公報
一般に、免震装置として積層ゴムを設置する免震ピットには排水設備が備えられ、水が入り込まないあるいは水がたまらない構造になっている。
しかしながら、近年、異常気象にともなう浸水被害や土砂災害などが後を絶たず、たとえ排水設備を備えた免震ピットでも、工事中や供用開始後に豪雨や川の氾濫による水没や、土砂災害などによる土砂の埋設などにより水や土が浸入する恐れがある。
このように、豪雨や川の氾濫による水没或いは土砂災害などによる浸水被害や土砂の埋設がある場合、特許文献1では、防水カバーは、上下両端部で支持板に接着しているため、水没時などにおいてかかる水圧や、土圧のかかる劣悪環境下において、接着部分から水が浸入する恐れがあり、信頼度の高い防水性能を備えているとは言い難い。
また、特許文献2では、積層ゴム部の外周に加えて、積層ゴム部を挟む取付プレートの裏面側まで、ゴムライニングを施しているため、ライニングされたゴムライニング層は取り外すことができない。これにより、特許文献2では、災害後の非常点検時に、積層ゴムの本体部分、つまり、ゴムライニング層の内側の積層ゴム本体を確認できないという問題がある。
このため、近年では、工事中や供用開始後での水没を含む浸水被害や土砂災害を受けることなどによる水圧、土圧がかかる劣悪環境下においても免震機能を健全に発揮するとともに、水没後の点検時に積層ゴム本体、積層ゴム部の確認を容易に行える積層ゴムが望まれている。
本発明の目的は、水圧、土圧がかかる劣悪環境下においても免震機能を健全に発揮させることができ、且つ、積層ゴム本体の確認を容易に行うことができる免震用積層ゴムを提供することである。
本発明の免震用積層ゴムの一つの態様は、
ゴム層と中間鋼板とが交互に複数積層された積層ゴム部の上下両端面に連結鋼板を備える積層ゴム本体と、
前記積層ゴム本体の上下両端面の連結鋼板に一体的に設けられる上下フランジと、
前記積層ゴム本体の外周を覆うように着脱可能に設けられる防水被覆部と、
を有し、
前記積層ゴム本体と、前記防水被覆部との間には、少なくとも前記積層ゴム本体の外周を覆うようにクッション材が設けられており、
前記防水被覆部の上下端部には、前記上下フランジのそれぞれに密着してシーリング部が設けられ、
前記シーリング部の外径は、前記防水被覆部の中央部分側の外径よりも大きく、
前記シーリング部は、前記防水被覆部の上下端部のみに設けられ、配設後硬化してゴム状となるゴム状弾性体である構成を採る。
本発明によれば、水圧、土圧がかかる劣悪環境下においても免震機能を健全に発揮させることができ、且つ、積層ゴム本体の確認を容易に行うことができる安価な免震用積層ゴムを実現できる。
本発明に係る実施の形態1の免震用積層ゴムの縦断面図である。 同免震用積層ゴムの側面図である。 同免震用積層ゴムにおける防水シートの斜視図である。 同防水シートの平面図である。 実施の形態1の免震用積層ゴムの変形を示す縦断面図である。 本発明に係る実施の形態2の免震用積層ゴムの縦断面図である。 本発明に係る実施の形態3の免震用積層ゴムの縦断面図である。 シーリング部の下フランジに接着する領域を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る1実施の形態の免震用積層ゴムの縦断面図であり、図2は、同免震用積層ゴムの側面図である。
図1、2に示すように、免震用積層ゴム10は、建物基礎などの下部構造体と上部構造体との間に介設される。免震用積層ゴム10は、積層ゴム本体11、上フランジ12、下フランジ13、クッション材14、防水被覆部15、シーリング部152、153を備える。
積層ゴム本体11は、ゴム層と中間鋼板とが交互に複数積層された積層ゴム部110と、積層ゴム部110の上下両端面に一体的に固定された連結鋼板113、114とを備える。積層ゴム部110の外径よりも連結鋼板113、114の外径が大きく、積層ゴム部110と連結鋼板113、114との間には段差が形成されている。
本実施の形態では、積層ゴム部110は、天然ゴムを主成分とするゴム状弾性板111と中間鋼板112が交互に積層され、積層ゴム部110の上下端部に連結鋼板113、114が加硫接着された構造を有する。なお、積層ゴム本体11の中央部には円筒状の中空部が形成されてもよい。中空部に金属プラグが圧入されてもよい。本実施の形態では、ゴム状弾性板111と中間鋼板112はそれぞれ円盤状に形成される。これにより、積層ゴム部110は円柱状をなしている。
ここでは、積層ゴム本体11として、面圧依存性などに優れる鋼板露出型構造を採用している。
積層ゴム本体11の上下端面(連結鋼板113、114)には上フランジ12、下フランジ13がボルト16締めにより締結され一体的に接合される。
上下フランジ12、13は、板状の鋼板であり、本実施の形態では円板状に形成されている。上下フランジ12、13の周縁部には、上下フランジ12,13を、上部構造体及び下部構造体のそれぞれに止着して固定するためのフランジ固定用のボルト孔40が複数形成されている。ボルト孔40は、各フランジ12、13において、積層ゴム本体11を囲むように、免震用積層ゴム10の軸を中心とした同一円周上で、且つ、上下方向に貫通して形成されている。なお、ボルト孔40には、上部構造体及び下部構造体間に配置した免震用積層ゴム10において、連結鋼板締結側の面(「フランジ面」ともいう)から、ボルト30(図8参照)が挿入される。なお、本実施の形態における「フランジ面」とは、上下フランジ12、13のそれぞれにおいて、連結鋼板締結側の面であり、積層ゴム本体11の上下端面にそれぞれ密着して接合される面である。つまり、フランジ面は、積層ゴム本体11を挟み上下フランジ12、13で互いが対向する側の面である。
ボルト孔40とボルト孔40に挿入されるボルト30とにより、上下フランジ12、13は、上部構造体及び下部構造体にそれぞれ止着される。
上下フランジ12、13は、ボルト16が挿入される連結鋼板用ボルト穴19が形成され、連結鋼板用ボルト穴19にはシーリング処理155が施され、防水性が確保されている。なお、シーリング処理に用いられるシーリング材は、防水性を有するものであれば、どのようなものでもよく、ここでは、シーリング部152、153で用いられるシーリング材と同様のもので防水性を確保している。シーリング部152、153についての詳細は後述する。
クッション材14は、積層ゴム部110の外周を囲むように設けられている。クッション材14は、弾性変形して積層ゴム部110への衝撃を吸収する。クッション材14には、例えば、独立発泡のポリウレタンフォーム、ポリエーテルフォーム、ポリエチレンフォーム、やゴム系(エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、CHC、エラストマーなど)の材料により形成される。クッション材14は、積層ゴム部110において、中間鋼板112の外周縁がゴム状弾性板111の外周縁よりも外方に突出している凹凸状の外周面に密着して、且つ、当該外周面を覆うように設けられている。クッション材14は弾性変形するので、積層ゴム部110の外周面の凹凸に対応して篏合し、クッション材14の外周面は、連結鋼板113、114の外周面と面一あるいはほぼ面一である。クッション材14は、積層ゴム部110と連結鋼板113、114との段差を埋めるように設けられている。連結鋼板113、114の外周面には、絶縁テープ21が貼着されている。本実施の形態では、絶縁テープ21は、便宜上クッション材14の外周も覆うように巻き付けて貼着されているが、連結鋼板113、114の外周面のみでよい。これにより、防水シート151を積層ゴム本体11から取り外す際に、積層ゴム本体11に損傷を与えること無く、取り外し可能となっている。なお、このクッション材14は積層ゴム本体11に取り付けた後で取り外し可能に設けられている。
クッション材14の外周面を覆うように、防水被覆部15が設けられている。本実施の形態では、防水被覆部15は、絶縁テープ21が貼着されたクッション材14の外周面に密着して設けられている。
防水被覆部15は、筒状であり、積層ゴム本体11を被覆して防水する。防水被覆部15は、防水シート151を有する。
防水シート151は、積層ゴム本体11の外周を覆うように円周状に設けられる。防水シート151は、積層ゴム部110の変形に追従して変形する伸縮性を備える。防水シート151は、例えば、加硫ゴムシートであり、弾性変形による伸縮性および水密性を有する。防水シート151は、積層ゴム本体11の外周を囲むように円周状に配置されていれば、クッション材14との間に隙間が形成されていてもよい。
本実施の形態では、防水シート151は、クッション材14の外周面に密着して円周状に配置されている。
防水シート151は、図3および図4に示すように、積層ゴム本体11の高さと同じ幅の長尺材を、クッション材14の外周に巻きつけることで、円周状に配置して、重なり部156をジョイント材157で接着することで円筒状をなしている。なお、重なり部156にシーリング処理により形成されるシーリング部159を設けてもよい。防水シート151は、その内周側に位置する部材、ここでは、絶縁テープ21に、ブチルゴム製のジョイント材158などで接着される。
防水シート151は着脱自在であり、積層ゴム本体11の外周を覆うクッション材14の外周面から取り外す場合は、防水シート151を、例えば、積層ゴム本体11の高さ方向で切断する。これにより、防水シート151は、クッション材14の外周に設けられた後でも、災害後の非常点検時などのメンテナンス時において容易に取り外して、クッション材14を有する積層ゴム本体11の点検を容易に行うことができる。また、続けて、クッション材14を外すことにより、積層ゴム本体11を露出させて点検することができる。
シーリング部152、153は、防水被覆部15としての防水シート151の上下端部に、上下フランジ12、13のそれぞれに密着して水密的に設けられる。本実施の形態1のシーリング部152、153は、硬化型のゴム状弾性体(ゴム弾性体も含む)であり、伸縮性と、接着後でもせん断力を有するせん断接着力とを有し、積層ゴム本体11の変形に追従する。シーリング部152、153は、押出成形などで予め成形された定形シーリング材ではなく、ペースト状の材料で配設箇所に配設後硬化してゴム状となる不定形シーリング材であることが好ましい。シーリング部152、153として用いられる不定形シーリング材としては、湿気硬化、酸素硬化、或いは乾燥硬化する1成分形と、反応硬化する2成分形のものが適用される。これらのうちいずれかのシーリング材によりシーリング部152、153としてのゴム状弾性体が形成される。なお、シーリング部152、153は、シーリング材として、例えば、ウレタン系、シリコーン系、変成シリコ−ン系、エポキシ系、アクリル系、ブチルゴム系、チオコール系、SBR(Styrene-Butadiene Rubber)系などのものを用いて形成される。
シーリング部152、153は、防水被覆部15の上下端部であり、防水シート151の上下両端部の外周面と前記上下フランジのそれぞれのフランジ面とに渡って取り外し可能に設けられる。シーリング部152、153は、上下フランジ12、13のフランジ面にそれぞれ密着し、それぞれのフランジ面に密着する部位の外径が、防水被覆部15の中央部分、ここでは、防水シート151の外径よりも大きくなるように設けられ、防水シート151と前記上下フランジ12、13との当接部部分を閉塞している。
シーリング部152、153は、上下フランジ12、13のフランジ面上において、防水シート151の上下端の外面から所定位置を通る外周までの面積を有する端面の領域Eで接着されていることが望ましい。この所定位置とは、上下フランジ12、13におけるフランジ面上で露出し、且つ、上下フランジ12、13を上下部構造体にそれぞれ止着する止着部材(止着領域)の外縁に隣接或いは近接する位置である。具体的には、所定位置は、上下フランジ12、13のボルト孔40の近傍の位置であり、ボルト孔40に挿通されるボルトにおいて、フランジ面に係止するボルトの頭部に隣接或いは近接する位置である。図8は、シーリング部153の下フランジ13に接着する領域を示す拡大断面図である。図8に示すように、シーリング部153は、下フランジ13のボルト孔40に挿通されるボルト30の頭部32の外径に隣接或いは近接する位置(所定位置)に接する円周(積層ゴム本体11の軸を中心とした円)と、防水シート151の下端の外面とで囲まれる領域Eで、下フランジ13のフランジ面に密着して設けられる。なお、図8では、シーリング部153の下フランジ13に接着する状態を示すが、シーリング部152の上フランジ12への接着する領域Eも同様に規定される。領域Eとなる防水シート151の上下端の外面から所定位置までの長さは、例えば、22mm以上であることが好ましい。
これにより、防水シート151の上下端部の水密性が向上し、免震用積層ゴム10の防水性の向上を図ることができる。
このように、本実施の形態では、積層ゴム本体11の上下両端面の連結鋼板113、114に一体的に設けられる上下フランジ12、13と、積層ゴム本体11の外周を覆うように設けられる防水シート151を含む防水被覆部15とを有する。防水被覆部15としての防水シート151の上下端部15a、15bに設けられるシーリング部152、153では、その外径が、それぞれのフランジ面に密着する防水被覆部15(防水シート151)の積層ゴム部110を覆う部分(中央部分)の外径よりも大きい(図1に示す領域E)ものとなっている。シーリング部152、153は、防水シート151の上下方向の中央部分から上下フランジ12、13に向かって外縁が拡がり、その外面が傾斜面或いは、上方に開口する凹状の湾曲面となる形状を有する。
このように、防水被覆部15(具体的には、防水シート151)の上下端部15a、15bは、シーリング部152、153によって、上下フランジ12、13のフランジ面にそれぞれ気密的に密着し、防水被覆部15の上下端部15a、15bと上下フランジ12、13間の隙間を完全に閉塞する。これにより、防水性を高め、耐候性も高めることができるとともに、免震用積層ゴム10に外部からの負荷に対する耐久性の向上を図ることができる。
さらに、積層ゴム本体11は、クッション材14により覆われており、免震用積層ゴム10の外部から受ける衝撃を緩和する。
これにより、上下フランジ12、13の外縁部の全面に防水処理を施すことなく、外部から積層ゴム部110への浸水を防ぎ、水没してしまった場合においても水圧に耐えられる十分な耐久性を有し、高い防水性能を維持することができる。また、土砂災害などで万一、土に埋もれてしまう状況でも、土圧に耐えうる十分な耐久性を有する。
よって、工事中や供用開始後での水没を含む浸水被害や土砂災害を受けることなどによる水圧、土圧がかかる劣悪環境下においても、免震機能を健全に発揮させることができるとともに、クッション材14を備える積層ゴム本体11及び積層ゴム部110の確認を容易に行うことができる。
また、上下フランジ12、13の外縁部の全面に防水処理を施すことがないので、安価に製造できる。
なお、免震用積層ゴム10の防水被覆部15である防水シート151と、シーリング部152、153は、防水シート151及びシーリング部152、153により覆われた部分の防水性の向上を図るものであれば、どのようなもので構成してもよい。例えば、図5に示す免震用積層ゴム10Aは、免震用積層ゴム10の構成において、防水被覆部15である防水シート151及びシーリング部152、153を、耐候性を有する塗布材により構成された防水被覆部15Aとしてもよい。
防水被覆部15Aは、溶液状のシリコーンゴムなどの塗布材を積層ゴム本体11の外周面に塗布することでライニングして形成される。このライニングに際し、シーリング部として、防水被覆部15Aの上下端部152A、153Aにおいて上下フランジ12,13のフランジ面に接着する部位の外径が、積層ゴム本体11の中央部分、具体的には、積層ゴム部110の外周を覆う部位151Aの外径よりも大きくなるように厚く塗布して形成される。このように、防水シート151に相当する積層ゴム部110の外周を覆う部位151Aが塗布材で形成され、この部位151Aの上下端部には、上下端部に連続して、前記上下フランジ12、13のそれぞれに密着するように、塗布材で形成されたシーリング部が設けられている。加えて、シーリング部の外径は、防水被覆部15Aの中央部分側の外径(防水シート151に相当する積層ゴム部110の外周を覆う部位の外径)よりも大きい。よって、防水被覆部15Aの上下端部の水密性が向上し、免震用積層ゴム10Aの防水性の向上を図ることができる。
(実施の形態2)
図6は、本発明に係る実施の形態2の免震用積層ゴム10Bの縦断面図である。なお、この免震用積層ゴム10Bは、図1に示す実施の形態1に対応する免震用積層ゴム10と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、実施の形態1における構成要素と同名称の構成要素による作用効果は同様のものである。
図6に示すように、免震用積層ゴム10Bは、積層ゴム本体11B、上フランジ12、下フランジ13、防水被覆部15およびシーリング部152、153を備える。
積層ゴム本体11Bは、ゴム層と中間鋼板とが交互に複数積層された積層ゴム部110Bと、積層ゴム部110Bの上下両端面に一体的に固定された連結鋼板113、114とを備える。
本実施の形態では、積層ゴム部110Bは、天然ゴムを主成分とするゴム状弾性板111Bと中間鋼板112Bが交互に積層し、積層した部分の外周面を被覆ゴムで被覆した所謂、被覆型構造を採用した構造を有する。積層ゴム本体11Bは、積層ゴム本体11と同様に、積層ゴム部110Bの上下端部に連結鋼板113、114が加硫接着された構造を有する。なお、積層ゴム本体11Bも積層ゴム本体11と同様に、中央部に円筒状の中空部が形成されてもよい。中空部に金属プラグが圧入されてもよい。本実施の形態では、ゴム状弾性板111Bと中間鋼板112Bはそれぞれ円盤状に形成される。これにより積層ゴム部110Bは円柱状をなしている。
積層ゴム本体11Bの上下端面(連結鋼板113、114)には上フランジ12、下フランジ13がボルト締め(図1のボルト16締めと同様の構造)により一体的に接合される。
また、積層ゴム本体11Bでは、積層ゴム部110Bと連結鋼板113、114とに段差が形成されていない。
この積層ゴム本体11Bの外周面に、当該外周面を覆うように、実施の形態1と同様の防水被覆部15としての防水シート151が円周状に着脱可能に設けられている。本実施の形態では、防水被覆部15の防水シート151は、ブチルなどによるジョイント材158(図3参照)により、積層ゴム本体11Bの外周面に接着されている。積層ゴム本体11Bの外周面で露出する連結鋼板113、114の外周面には、絶縁テープ21Aが貼着されており、防水シート151を積層ゴム本体11Bから取り外す際に、積層ゴム本体11Bに損傷を与えること無く、取り外し可能となっている。なお、実施の形態1のように、連結鋼板113、114の外周面を含む積層ゴム本体11Bの外周面全面に絶縁テープ21Aを貼着してもよい。
免震用積層ゴム10Bの構成において防水シート151を着脱可能に取り付ける取付方法は、取付対象が異なるのみで、実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
防水シート151の上下端部に設けられるシーリング部152、153は、上下フランジ12、13のフランジ面に領域Eでそれぞれ密着して接着する。シーリング部152、153の外径が、防水シート151の外径よりも大きくなっている。具体的には、シーリング部152、153においてフランジ面に密着する部位の外径が、防水被覆部15としての円筒状の防水シート151の中央部分側の外径よりも大きいものとなっている。なお、本実施の形態では、領域Eは、上述したように、防水シート151の上下端部の外面位置から、ボルト孔40の近傍の位置、より具体的には、ボルト孔40に挿通されるボルト30(図8参照)の頭部の外径に接する位置、を通る円周までの間の面積を有する領域である。
このように、免震用積層ゴム10Bによれば、積層ゴム本体11Bの周囲の防水シート151の上下両端部の外面と、上下フランジ12、13のフランジ面とに跨がって設けられるシーリング部152、153により、防水シート151の上下端部と、上下フランジ12,13との間を気密的に閉塞している。よって、免震用積層ゴム10Bは、上下フランジ12、13の外縁部の全面に防水処理を施すことなく、外部から積層ゴム部110Bへの浸水を防ぎ、水没してしまった場合においても水が積層ゴム本体11Bに浸入することがない。
よって、工事中や供用開始後での水没を含む浸水被害や土砂災害を受けることなどによる水圧、土圧がかかる劣悪環境下においても、免震機能を健全に発揮させることができるとともに、積層ゴム部110Bの確認を容易に行うことができる。また、上下フランジ12、13の外縁部の全面に防水処理を施すことなく、安価に製造できる。
なお、本実施の形態の免震用積層ゴム10Bにおいて、防水被覆部15として、実施の形態1の変形例である免震用積層ゴム10Aの防水被覆部15Aを用いることができる。免震用積層ゴム10Aにおける防水被覆部15Aによる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明に係る実施の形態3の免震用積層ゴム10Cの縦断面図である。なお、この免震用積層ゴム10Cは、図6に示す実施の形態2に対応する免震用積層ゴム10Bと同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、実施の形態2における構成要素と同名称の構成要素による作用効果は同様のものである。
図7に示す免震用積層ゴム10Cは、免震用積層ゴム10Bの構成において、積層ゴム本体11Bと防水シート151との間に、積層ゴム本体11Bの外周を覆うクッション材14Cを設けたものである。なお、防水シート151およびクッション材14Cは、取付対象から取り外し可能である。
これにより、実施の形態2と同様の効果を有するとともに、積層ゴム本体11Bは、クッション材14Cにより覆われているため、免震用積層ゴム10Cは、水圧、土圧にも耐えることができる。
すなわち、免震用積層ゴム10Cは、上下フランジ12、13の外縁部の全面に防水処理を施すことなく、外部から積層ゴム部110Bへの浸水を防ぎ、水没してしまった場合においても水圧に耐えられる十分な耐久性を有し、高い防水性能を維持することができる。また、土砂災害などで万一、土に埋もれてしまう状況でも、土圧に耐えうる十分な耐久性を有する。
よって、工事中や供用開始後での水没を含む浸水被害や土砂災害を受けることなどによる水圧、土圧がかかる劣悪環境下においても、免震機能を健全に発揮させることができるとともに、防水シート151とシーリング部152、153とが着脱可能であるため、災害後でも、これらを取り外すことでクッション材14Cを備える積層ゴム本体11Bを確認できる。また、クッション材14Cも取り外して、防水シート151の内側部分、つまり、積層ゴム本体11Bを確認できる。また、上下フランジ12、13の外縁部の全面に防水処理を施すことがないので、上下フランジへの防水処理費用の低減化を図ることができる。
なお、本実施の形態の免震用積層ゴム10Cにおいて、防水被覆部15の防水シート151とシーリング部152、153として、実施の形態1の変形例である免震用積層ゴム10Aの防水被覆部15Aを用いることができる。免震用積層ゴム10Aにおける防水被覆部15Aによる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、積層ゴム本体11、11Bは、積層ゴム部110、110Bの外周に、保護ゴムを有しても良い。保護ゴムは、積層ゴム本体11、11Bのそれぞれにおいて、積層ゴム部110、110Bの外周に、加硫したテープ状の保護ゴムを所定の厚み(例えば5mm厚)程度になるように巻き付けることで形成される。この構成の積層ゴム本体11、11Bを用いた場合、各実施の形態の構成において、積層ゴム部110、110Bの外周に絶縁テープ21、21Aが貼着される場合は、保護ゴムの外周に貼着される。なお、保護ゴムの外形寸法は、連結鋼板113、114の外形よりも小さい。
また、各実施の形態および変形例の免震用積層ゴム10、10A、10B、10Cにおいて、防水被覆部15としての防水シート151とシーリング部152、152A、153、153A或いは、防水被覆部15、15Aの外周に更に、耐候性を有する材料により形成されるトップコート部を、防水被覆部15、15Aを覆うように取り付けても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
本発明に係る免震用積層ゴムは、工事中や供用開始後に水圧、土圧がかかる劣悪環境下においても免震機能を健全に発揮させることができ、且つ、積層ゴムの確認を容易に行うことができる免震用積層ゴムを提供する効果を有し、免震装置として有用である。
10、10A、10B、10C 免震用積層ゴム
11、11B 積層ゴム本体
12 上フランジ
13 下フランジ
14、14C クッション材
15、15A 防水被覆部
16 ボルト
19 ボルト穴
21、21A 絶縁テープ
30 ボルト
40 ボルト孔
110、110B 積層ゴム部
111、111B ゴム状弾性板
112、112B 中間鋼板
113、114 連結鋼板
151 防水シート
151A 部位
156 重なり部
157、158 ジョイント材

Claims (7)

  1. ゴム層と中間鋼板とが交互に複数積層された積層ゴム部の上下両端面に連結鋼板を備える積層ゴム本体と、
    前記積層ゴム本体の上下両端面の連結鋼板に一体的に設けられる上下フランジと、
    前記積層ゴム本体の外周を覆うように着脱可能に設けられる防水被覆部と、
    を有し、
    前記積層ゴム本体と、前記防水被覆部との間には、少なくとも前記積層ゴム本体の外周を覆うようにクッション材が設けられており、
    前記防水被覆部の上下端部には、前記上下フランジのそれぞれに密着してシーリング部が設けられ、
    前記シーリング部の外径は、前記防水被覆部の中央部分側の外径よりも大きく、
    前記シーリング部は、前記防水被覆部の上下端部のみに設けられ、配設後硬化してゴム状となるゴム状弾性体である、
    免震用積層ゴム。
  2. 前記連結鋼板のそれぞれの外周面には、絶縁テープが貼着されている、
    請求項1記載の免震用積層ゴム。
  3. 前記防水被覆部は、前記積層ゴム本体の外周に円周状に配置した円筒状の防水シートにより形成され、
    前記シーリング部は、前記防水シートの上下端部と前記上下フランジとの当接部分を閉塞する、
    請求項1または2記載の免震用積層ゴム。
  4. 前記防水シートは、円周状に配置した重なり部をジョイント材で接着させてなる、
    請求項3記載の免震用積層ゴム。
  5. 前記積層ゴム本体は、前記積層ゴム部の外径よりも前記連結鋼板の外径の方が大きく、前記積層ゴム部と前記連結鋼板との間に形成された段差を有する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の免震用積層ゴム。
  6. 前記積層ゴム本体は、被覆ゴムで前記積層ゴム部の外周を被覆し、前記連結鋼板の外径と外径がほぼ等しい被覆型構造を有する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の免震用積層ゴム。
  7. 前記上下フランジはそれぞれ前記積層ゴム本体の上下端面をそれぞれ構成する連結鋼板にボルトを介して固定され、
    前記上下フランジの前記ボルト締結部は、シーリング処理されている、
    請求項1からのいずれか一項に記載の免震用積層ゴム。
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