JP6850781B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載するサイドエアバッグ装置に関するものである。
近年の車両にはエアバッグ装置がほぼ標準装備されている。エアバッグ装置は、車両衝突などの緊急時に作動する安全装置であって、袋状のエアバッグクッションをガス圧で膨張展開させて乗員を受け止めて保護する。
エアバッグ装置には、設置箇所や用途に応じて様々な種類がある。例えば、前後方向からの衝突から運転者を守るために、ステアリングの中央にはフロントエアバッグ装置が設けられている。その他にも、側面衝突等による車幅方向からの衝撃から乗員を守るために、サイドウィンドウの上方の天井付近にはカーテンエアバッグ装置が設けられ、座席の側部にはサイドエアバッグ装置が設けられている。
一般的なエアバッグ装置のエアバッグクッションには、ガスを供給するインフレータが併設されている他、ガスを外部に排出するベントホールが設けられている。現在では、ベントホールからのガスの排出量を調節する機構なども開発されていて、エアバッグクッションの内圧は様々な要因に合わせて設定されている。
例えば特許文献1のエアバッグ装置では、エアバッグ2の内部が、インフレータ3を有する第一チャンバ21と、ベントホール221dを有する第二チャンバ22とに分かれている。そして、インフレータ3が作動するとまず第一チャンバ21が膨張し、外からの力が加わることでノズル23が開いて第二チャンバ22にガスが流れる仕組みとなっている。特許文献1の構成によると、膨張展開の初期には第一チャンバ21の高い内圧で座席の表皮を開裂し、乗員が接触してきたときには第二チャンバ22も膨張させてより広い範囲で拘束することができるとされている。
特開2015−214252号公報
上述した特許文献1のエアバッグ装置は、乗員が接触したとき等の外力に起因してエアバッグクッションの内圧が調節される構成となっている。その一方で、現在では、時間の経過を要因としてエアバッグクッション(以下、エアバッグクッションの主要な部位を「メインバッグ」と称する)の内圧を調節したいとの要望もある。特に、インフレータからのガスの供給は瞬間的に行われる。そのため、ガスをそのままベントホールから外部に排出する構成とした場合、メインバッグの内圧はインフレータの作動に合わせて急激に上昇した後、瞬時に下降してしまいかねない。
本発明は、このような課題に鑑み、時間の経過に合わせてメインバッグの内圧を調節可能なサイドエアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるサイドエアバッグ装置の代表的な構成は、車両の座席に着座する乗員を側方から拘束する袋状のメインバッグと、メインバッグの内部の後方側に設けられてガスを供給するインフレータと、メインバッグの前方側に設けられてガスを排出するベントホールと、メインバッグの内部にてインフレータの周囲を取り囲んでいる内部バッグと、メインバッグの内部にてベントホールを塞ぐよう設けられているパッチと、パッチに設けられている開口と、パッチと内部バッグとにかけ渡されているテザーと、を備え、テザーは、インフレータの作動開始に伴って内部バッグが膨張するとパッチを内部バッグ側に引っ張り、インフレータの作動完了に伴って内部バッグが弛緩するとベントホールに向かうガスの圧力を受けたパッチによってベントホール側に引っ張られる長さに設定されていて、開口は、内部バッグが膨張してパッチがテザーによって内部バッグ側に引っ張られている状態のときに開き、内部バッグが弛緩してテザーが緩みパッチがガスの圧力でメインバッグのベントホール側の内面に押しつけられた状態のときに閉じるように構成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、内部バッグの内圧が高いとき、すなわちインフレータの作動直後は開口が開くため、膨張展開の初期にはガスの外部への排出量を多くしてメインバッグの内圧の過度の上昇を抑えることができる。そして、内部バッグの内圧が下がると、すなわちインフレータの作動から時間が進むと、開口にはガスが流れ込み難くなり、ガスの外部への排出量を少なくしてメインバッグの内圧の維持を図ることができる。したがって、上記構成によれば、膨張展開の初期にはメインバッグの内圧の過度の上昇を防いで乗員に与え得る負荷を抑えつつ、膨張展開の後期にわたるまでメインバッグの内圧をより長く維持して乗員の適切な拘束を達成することができる。
上記の開口は、パッチのうちメインバッグの内面に押しつけられる範囲を貫通して形成されていてもよい。このような貫通孔として形成された開口によっても、パッチがテザーに引っ張られてときにガスを効率よく排出することが可能になる。
当該サイドエアバッグ装置はさらに、パッチをメインバッグのうちベントホールの左右両脇に接合する一対の接合部を備え、開口は、パッチのうち一対の接合部の間の範囲に形成されていてもよい。この構成によって、パッチが引っ張られたときに大きく開く開口を、好適に実現することができる。
上記のテザーの一端はパッチのうち一対の接合部の間の範囲に接合され、他端は内部バッグのうちパッチ側の頂部に接合されていてもよい。この構成によって、テザーを介してパッチを効率よく引っ張ることができる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるサイドエアバッグ装置の他の代表的な構成は、車両の座席に着座する乗員を側方から拘束する袋状のメインバッグと、メインバッグの内部の後方側に設けられてガスを供給するインフレータと、メインバッグの前方側に設けられてガスを排出するベントホールと、メインバッグの内部にてインフレータの周囲を取り囲んでいる内部バッグと、メインバッグの内部にてベントホールを塞ぐよう設けられているパッチと、パッチと内部バッグとにかけ渡されているテザーと、を備え、パッチは、縁の一部にメインバッグから離間した切欠部を有し、テザーは、インフレータの作動開始に伴って内部バッグが膨張するとパッチを内部バッグ側に引っ張り、インフレータの作動完了に伴って内部バッグが弛緩するとベントホールに向かうガスの圧力を受けたパッチによってベントホール側に引っ張られる長さに設定されていて、切欠部は、内部バッグが膨張してパッチがテザーによって内部バッグ側に引っ張られている状態のときに開き、内部バッグが弛緩してテザーが緩みパッチがガスの圧力でメインバッグのベントホール側の内面に押しつけられた状態のときに閉じるよう構成されていることを特徴とする。
上記構成によっても、膨張展開の初期にはメインバッグの内圧の過度の上昇を防いで乗員に与え得る負荷を抑えつつ、膨張展開の後期にわたるまでメインバッグの内圧をより長く維持して乗員の適切な拘束を達成することができる。
上記の内部バッグは布材から形成され、インフレータを筒状に覆う状態または袋状に包んだ状態に構成されていてもよい。この構成によって、内部バッグはインフレータのガスを受けて効率よく膨張し、テザーを介してパッチを引っ張ることが可能になる。
本発明によれば、時間の経過に合わせてメインバッグの内圧を調節可能なサイドエアバッグ装置を提供することが可能になる。
本発明の実施形態にかかるサイドエアバッグ装置を例示した図である。 図1のエアバッグクッションの各状態を例示した図である。 図2(b)のエアバッグクッションが膨張展開する過程を例示した図である。 図2(b)のエアバッグクッションが膨張展開する過程を例示した図である。 図2(a)に例示したパッチの変形例を例示する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態にかかるサイドエアバッグ装置100を例示した図である。図1では、膨張展開時のサイドエアバッグ装置100、およびこのサイドエアバッグ装置100が適用されている座席102を、前方左側から例示している。図1以降の各図では、座席102に対する前後方向をそれぞれ矢印F(Forward)、B(Back)、左右方向をそれぞれ矢印L(Left)、R(Right)、上下方向をそれぞれ矢印U(up)、D(down)でおおまかに例示している。
なお、座席102は、車両の前列、後列、さらには左右いずれか側の位置にも設置され得ることを想定している。また、座席102は、通常は車両の前方を向いているが、回転して後方を向くことも想定している。そのため、各図に矢印で例示する方向は、座席102に対する前後左右の方向を例示するものであって、車両に対する前後左右の方向に限定する意図ではない。
エアバッグクッション(クッション104)は、サイドエアバッグ装置100のうち乗員を拘束する部位である。膨張展開前のクッション104は、座席102のシートバック106の表皮の内側に、巻回または折り畳まれた収納形態となって搭載されている。本実施形態では、クッション104はシートバック106の左側に設けているが、クッション104はシートバック106の右側に設けることも可能である。すなわち、クッション104は、シートバック106のうち衝突箇所に近いドア側の側部(ニアサイド)にも、衝突箇所から遠い車内側の側部(ファーサイド)にも、どちらにも設置可能である。
メインバッグ108は、クッション104の外表面を構成している袋状の部位である。メインバッグ108は、インフレータ110からのガスを利用して全体的に扁平な形状に膨張し、座席に着座する乗員を側方から拘束する。メインバッグ108を含め、クッション104は、基布に縫製や接着などを加えて形成されるほか、OPW(One-Piece Woven)を用いての紡織などによっても形成可能である。
インフレータ110は、メインバッグ108の内部の後方側に設けられている。インフレータ110はガス発生装置であって、本実施形態ではシリンダ型(円筒型)のものを採用している。インフレータ110は車両側と電気的に接続し、車両側から衝撃の検知に起因する信号を受けて作動してクッション104にガスを供給する。インフレータ110には、シートバック106のフレームに締結する複数のスタッドボルト112が備えられている。スタッドボルト112がクッション104を貫通してシートバック108に締結されることで、クッション104もシートバック108に取り付けられる。
現在普及しているインフレータには、ガス発生剤が充填されていてこれを燃焼させてガスを発生させるタイプや、圧縮ガスが充填されていて熱を発生させることなくガスを供給するタイプ、または燃焼ガスと圧縮ガスとを両方利用するハイブリッドタイプのものなどがある。インフレータ110としては、いずれのタイプのものも利用可能である。
クッション104の前方側のやや下部には、ベントホール114が設けられている。インフレータ110から供給されるガスは、メインバッグ108を膨張展開させた後、ベントホール114から外部へと排出される。
図2は、図1のエアバッグクッション(クッション104)の各状態を例示した図である。図2(a)は、クッション104を左側から内部を透過した状態で例示している。図2(b)は、図2(a)のテザー120の付近のA−A断面図である。図2(b)は、クッション104を膨張した状態で例示している。
図2(a)に例示するように、メインバッグ104の内部には、当該サイドエアバッグ装置100の独自の構成要素として、内部バッグ116、パッチ118およびテザー120が設けられている。これら構成要素は、ベントホール114からのガスの排出量を調節する機構を具現化したものである。
内部バッグ116は、メインバッグ108の内部にてインフレータ110の周囲を取り囲んでいる部位である。図2(b)に例示するように、内部バッグ116は筒状になっていて、クッション104のなかでもインフレータ110からのガスを最初に受ける部位となっている。内部バッグ116は、ガスを受けると円筒状に膨張する(後述する図3(a)参照)。内部バッグ116の上下は開口していて、インフレータ110から供給されるガスは内部バッグ116に沿って上下に整流される。
図2(a)のパッチ118は、メインバッグ108の内部にて、ベントホール114を塞ぐように設けられた布製の部材である。図2(b)に例示するように、パッチ118は、メインバッグ108のうちベントホール114の左右両脇の部位に一対の接合部122a、122bによって接合されている。接合部122a、122bは、本実施形態では縫製によって実現しているが、縫製以外にも熱溶着や接着など、パッチ118をメインバッグ108に接合する他の手段によっても実現することができる。パッチ118は、接合部122a、122bによってメインバッグ108に接合されることで、ベントホール114の内側に他の領域から仕切られた空間を形成している。
パッチ118の所定箇所には、ベントホール114に通じるガスの流路となる開口124a、124bが貫通して形成されている。開口124a、124bは、パッチ118のうち、一対の接合部122a、122bの間のある程度自由に動く範囲に形成されている。
図2(a)のテザー120は、パッチ118と内部バッグ116とにかけ渡されている帯状の部材である。図2(b)に例示するように、テザー120の一端120aは、パッチ118のうち一対の接合部122a、122bの間の範囲に接合されている。また、テザー120の他端120bは、内部バッグ116のうちパッチ118側の頂部、すなわち前端となる位置につながれている。テザー120は、インフレータ110の作動時に、内部バッグ116の膨らむ力を利用してパッチ118を引っ張り、開口124a、124bを大きく開かせる。
図3および図4は、図2(b)のエアバッグクッション(クッション104)が膨張展開する過程を例示した図である。図3(a)は、図2(b)のクッション104が膨張展開する前、すなわちインフレータ110の作動前の時点におけるクッション104の様子を例示している。この時点において、パッチ118は、メインバッグ108のベントホール114の内側付近に折り畳まれている。
本実施形態では、上記のパッチ118等によって、時間の経過に合わせてベントホール114からのガスの排出量を調節することが可能になっている。上述したように、インフレータ110の作動前は、パッチ118がベントホール114の内側付近に折り畳まれている。この状態から、衝撃の検知に伴ってインフレータ110が作動すると、内部バッグ116は、インフレータ110からのガスを受けて、円筒状に膨張する。
図3(b)は、図3(a)のクッション104の膨張展開が完了したときの様子を例示している。内部バッグ116の膨張によって、テザー120を介してパッチ118も内部バッグ116側へ引っ張られる。これによって、インフレータ110の作動前にはベントホール114の付近で折り畳まれていたパッチ118が張られ、開口124a、124bも大きく開いてベントホール114へ通じるガスの流路が確保される。したがって、矢印で例示するベントホール114からのガスの排出量は多くなり、メインバッグ108の内圧の過度の上昇が抑えられる。
上述したように、テザー120の一端120aは、パッチ118のうち、接合部122a、122bの間の自由に動くことができる範囲の中央に接合されている。そして、開口124a、124bは、パッチ118のうち接合部122a、122bの間の範囲であって、テザー120の両脇に位置するよう設けられている。テザー120の他端120bは、内部バッグ116のパッチ118側の頂部に接合されている。加えて、図2(a)に例示するように、テザー120は、張力が発生したときに自身の経路上に開口124a(開口124bも同様)が位置するよう設けられている。これら構成によって、パッチ118の中央がテザー120によって内部バッグ116側に引っ張られたとき、開口124a、124bは大きく開いてガスをベントホール114へと好適に通過させることが可能になっている。
図4(a)は、図3(b)に続くクッション104の膨張展開の後期の様子を例示している。インフレータ110からのガスの供給が終了すると、内部バッグ116の内圧は低下し、内部バッグ116は弛緩する。これに伴って、内部バッグ116の膨張に起因するテザー120の内部バッグ116側に向かう張力も低下し、テザー120は緩んだ状態となる。
上述したように、開口124a、124bは、パッチ118のうち、接合部122a、122bの間の範囲の自由に動くことができる範囲に設けられている。この範囲は、テザー120によって内部バッグ116側に引っ張られているとき(図3(b)参照)は、後方へ突出するように張られる。しかし、図4(a)に例示するように、パッチ118は、内部バッグ116に起因するテザー120の張力が低下すると、矢印で例示するベントホール114に向かおうとするガスの圧力によって、ベントホール114に吸い込まれるようにしてテザー120をベントホール114側に引っ張りながら移動する。
図4(b)は、図4(a)のパッチ118がさらにベントホール114側に移動した状態の拡大図である。図4(b)に例示するように、パッチ118は、テザー120に引っ張られていないとき、ガスの圧力によって、メインバッグ108のベントホール114側の内面に押しつけられた状態となる。この状態では、開口124a、124bは、メインバッグ108の内面に張り付くようにして、閉じた状態となる。このとき、開口124a、124bはメインバッグ108の内面に密着するのではないため、ガスは開口124a、124bからある程度は排出されるが、それでもガスの開口124a、124bからの排出量は図3(b)の開いた状態に比べて大幅に減少する。これによって、メインバッグ108の内圧の低下はゆるやかになり、膨張展開の後期においてもメインバッグ108の内圧が長く保たれる。
これらのように、本実施形態では、開口124a、124bは、パッチ118がテザー120によって内部バッグ116側に引っ張られている状態(図3(b)参照)のとき、パッチ118がテザー120によっては内部バッグ116側に引っ張られていずベントホール114側に押しつけられている状態(図4)のときに比べて大きく開き、ガスの流量が増える構成となっている。言い換えると、開口124a、124bは、パッチ118がベントホール114側に押しつけられている状態(図4)のとき閉じ、パッチ118がテザー120によって内部バッグ116側に引っ張られている状態(図3(b)参照)のときよりもガスの流量が大幅に減る。
上記機構を実現するために、テザー120の一端120aから他端120bまでの長さは、内部バッグ116の膨張に伴って緊張できる長さ、すなわちパッチ118を内部バッグ116側に引っ張ることのできる長さに設定されている。より具体的には、テザー120の長さは、インフレータ110の作動開始に伴って内部バッグ116が膨張したとき(図3(b)参照)、パッチ118を内部バッグ116側に引っ張り、インフレータ110の作動完了に伴って内部バッグ116が弛緩すると、ベントホール114に向かうガスの圧力を受けたパッチ118によってベントホール114側に引っ張られる長さに設定されている。
上記構成によって、当該サイドエアバッグ装置100では、内部バッグ116の内圧が高いほど、すなわちインフレータ110の作動直後であるほど開口124a、124bが大きく開くため、膨張展開の初期にはガスの外部への排出量を多くしてメインバッグ108の内圧の過度の上昇を抑えることができる。そして、内部バッグ116の内圧が下がるにつれて、すなわちインフレータ110が作動した時点から時間が進むにつれて、開口124a、124bにはガスが流れ込み難くなり、ガスの外部への排出量を少なくしてメインバッグ108の内圧の維持を図ることができる。
当該サイドエアバッグ装置100によれば、膨張展開の初期にはメインバッグ108の内圧の過度の上昇を防いで乗員に与え得る負荷を抑えつつ、膨張展開の後期にわたるまでメインバッグ108の内圧を長く維持して乗員の適切な拘束を達成することが可能になっている。特に、パッチ118やテザー120等のクッション104の内部構成のみによってガスの排出量の調節が可能になっているため、電子部品や他の構造物などに頼らず、簡潔でコストを抑えた構成となっている。
なお、内部バッグ116やパッチ118などの具体的な構成は、上述したものに限られない。図2(a)に例示した内部バッグ116は、筒状でガスの流れを上下に整流する、いわゆるディフューザやディフレクタと呼ばれる整流用の部材としての機能を有している。内部バッグ116は、他の例として、インフレータ110を袋状に包んだインナチャンバやインナチューブと呼ばれる部材として具現化することもできる。インナチャンバやインナチューブは、メインバッグ108の内部に設けられたいわば内袋で、メインバッグ108の全体よりも先に膨張圧を発揮することで、座席102(図1参照)の表皮を迅速に開裂させる役割などを担っている。これらインナチャンバやインナチューブとして具現化された内部バッグでも、インフレータ110の作動直後において、その内圧でテザー120を引っ張ってパッチ118の開口124a、124bを開放することが可能である。
(変形例)
図5は、図2(a)に例示したパッチ118の変形例(パッチ202)を例示する図である。図5(a)は、図2(a)に対応して、クッション200を左側から内部を透過した状態で例示している。以下、既に説明した構成要素と同様の構成要素については、同じ符号を付することでその説明を省略する。また、既に説明した構成要素と同様の名称の構成要素については、異なる符号が伏してあっても、特に説明が無い限りは同じ構成および機能を有するものとする。
図2(a)に例示したパッチ118では、開口124a、124bは貫通孔として具現化されていた。図5(a)のパッチ202では、開口は、パッチ118の上下の縁に形成された切欠部202a、202bとして具現化されている。切欠部202a、202bは、パッチ118の上縁と下縁それぞれの一部がメインバッグ108の内面から離間した状態になっていて、メインバッグ108との間に開口を形成することが可能になっている。
図5(b)は、図5(a)のクッション200の膨張展開が完了したときのパッチ202の様子を例示した斜視図である。パッチ202は、一対の接合部122a、122bによってメインバッグ108に接合されつつ、切欠部202aおよび切欠部202bがメインバッグ108から離間している。このパッチ202は、テザー120によって内部バッグ116側に引っ張られたとき(図3(b)参照)、切欠部202aおよび切欠部202bが大きく開き、これら切欠部202aおよび切欠部202bとメインバッグ108の内面との間に開口が形成される。したがって、開口を通じて、ベントホール114からのガスの排出量が大きくなる。
図5(c)は、図5(b)に続くクッション200の膨張展開の後期におけるパッチ202の様子を例示した斜視図である。インフレータ110(図5(a)参照)からのガスの供給が終了して内部バッグ116が弛緩したとき(図4参照)、パッチ202はベントホール114に向かおうとするガスの圧力(矢印)によって、ベントホール114に吸い込まれるようにして、テザー120を引っ張りながらベントホール114側のメインバッグ108の内面に押し付けられる。このとき、切欠部202aおよび切欠部202bは、開口をすぼめるようにして閉じるか、またはメインバッグ108の内面に押しつけられるようにして閉じる。このとき、切欠部202a、202bは、完全に密閉されるのではないが、図5(a)の大きく開いた状態に比べるとガスの排出量が大幅に減少する。これによって、メインバッグ108の内圧の低下はゆるやかになり、膨張展開の後期においてもメインバッグ108の内圧が長く保たれる。
以上のように、パッチ202の切欠部202aおよび切欠部202bは、パッチ202がテザー120によって内部バッグ116側に引っ張られている状態(図5(b)参照)のとき、パッチ202がテザー120によっては内部バッグ116側に引っ張られていずベントホール114側に押しつけられている状態(図5(c)参照)のときに比べて、大きく開く構成となっている。言い換えると、パッチ202の切欠部202aおよび切欠部202bは、パッチ202がベントホール114側に押しつけられている状態(図5(c)参照)のとき閉じ、パッチ202がテザー120によって内部バッグ116側に引っ張られている状態(図5(b)参照)のときよりもガスの流量が大幅に減少する構成となっている。
上記構成のパッチ202によっても、内部バッグ116の内圧が高いほど、すなわちインフレータ110の作動直後であるほど開口が大きく開くため、膨張展開の初期にはガスの外部への排出量を多くしてメインバッグ108の内圧の過度の上昇を抑えることが可能である。そして、内部バッグ116の内圧が下がるにつれて、すなわちインフレータ110が作動した時点から時間が進むにつれて、開口にはガスが流れ込み難くなり、ガスの外部への排出量を少なくしてメインバッグ108の内圧の維持を図ることが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、車両に搭載するエアバッグ装置に利用することができる。
100…サイドエアバッグ装置、102…座席、104…クッション、106…シートバック、108…メインバッグ、110…インフレータ、112…スタッドボルト、114…ベントホール、116…内部バッグ、118…パッチ、120…テザー、120a…テザーの一端、120b…テザーの他端、122a、122b…接合部、124a、124b…開口、200…クッション、202…変形例のパッチ、202a…上側の切欠部、202b…下側の切欠部

Claims (6)

  1. 車両の座席に着座する乗員を側方から拘束する袋状のメインバッグと、
    前記メインバッグの内部の後方側に設けられてガスを供給するインフレータと、
    前記メインバッグの前方側に設けられてガスを排出するベントホールと、
    前記メインバッグの内部にて前記インフレータの周囲を取り囲んでいる内部バッグと、
    前記メインバッグの内部にて前記ベントホールを塞ぐよう設けられているパッチと、
    前記パッチに設けられている開口と、
    前記パッチと前記内部バッグとにかけ渡されているテザーと、
    を備え、
    前記テザーは、前記インフレータの作動開始に伴って前記内部バッグが膨張すると前記パッチを該内部バッグ側に引っ張り、該インフレータの作動完了に伴って該内部バッグが弛緩すると前記ベントホールに向かうガスの圧力を受けた該パッチによって該ベントホール側に引っ張られる長さに設定されていて、
    前記開口は、前記内部バッグが膨張して前記パッチが前記テザーによって該内部バッグ側に引っ張られている状態のときに開き、該内部バッグが弛緩して該テザーが緩み該パッチがガスの圧力で前記メインバッグの前記ベントホール側の内面に押しつけられた状態のときに閉じるように構成されていることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  2. 前記開口は、前記パッチのうち前記メインバッグの内面に押しつけられる範囲を貫通して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 当該サイドエアバッグ装置はさらに、前記パッチを前記メインバッグのうち前記ベントホールの左右両脇に接合する一対の接合部を備え、
    前記開口は、前記パッチのうち前記一対の接合部の間の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記テザーの一端は前記パッチのうち前記一対の接合部の間の範囲に接合され、他端は前記内部バッグのうち該パッチ側の頂部に接合されていることを特徴とする請求項3に記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 車両の座席に着座する乗員を側方から拘束する袋状のメインバッグと、
    前記メインバッグの内部の後方側に設けられてガスを供給するインフレータと、
    前記メインバッグの前方側に設けられてガスを排出するベントホールと、
    前記メインバッグの内部にて前記インフレータの周囲を取り囲んでいる内部バッグと、
    前記メインバッグの内部にて前記ベントホールを塞ぐよう設けられているパッチと、
    前記パッチと前記内部バッグとにかけ渡されているテザーと、
    を備え、
    前記パッチは、縁の一部に前記メインバッグから離間した切欠部を有し、
    前記テザーは、前記インフレータの作動開始に伴って前記内部バッグが膨張すると前記パッチを該内部バッグ側に引っ張り、該インフレータの作動完了に伴って該内部バッグが弛緩すると前記ベントホールに向かうガスの圧力を受けた該パッチによって該ベントホール側に引っ張られる長さに設定されていて、
    前記切欠部は、前記内部バッグが膨張して前記パッチが前記テザーによって該内部バッグ側に引っ張られている状態のときに開き、該内部バッグが弛緩して該テザーが緩み該パッチがガスの圧力で前記メインバッグの前記ベントホール側の内面に押しつけられた状態のときに閉じるよう構成されていることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  6. 前記内部バッグは布材から形成され、前記インフレータを筒状に覆う状態または袋状に包んだ状態に構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
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