JP5616144B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5616144B2
JP5616144B2 JP2010149444A JP2010149444A JP5616144B2 JP 5616144 B2 JP5616144 B2 JP 5616144B2 JP 2010149444 A JP2010149444 A JP 2010149444A JP 2010149444 A JP2010149444 A JP 2010149444A JP 5616144 B2 JP5616144 B2 JP 5616144B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airbag
opening
airbag body
vent hole
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010149444A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012011870A (ja
Inventor
横山 亜紀
亜紀 横山
雅人 海野
雅人 海野
広樹 深澤
広樹 深澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Plast Co Ltd
Original Assignee
Nihon Plast Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Plast Co Ltd filed Critical Nihon Plast Co Ltd
Priority to JP2010149444A priority Critical patent/JP5616144B2/ja
Publication of JP2012011870A publication Critical patent/JP2012011870A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5616144B2 publication Critical patent/JP5616144B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Description

本発明は、車両の衝突時等にインフレータ等のガス発生器から供給された膨張ガスによって、折畳み状態から膨張展開可能なエアバッグを備えたエアバッグ装置に関するものである。特に、乗員の乗車位置、姿勢、体格等の多様性に対して好適に対応可能なエアバッグ装置に関する。
従来から自動車等の車両には、車両が衝突した際の衝撃から乗員を保護するため、エアバッグ装置が設置されている。エアバッグ装置を搭載した車両が普及することによって、車両の衝突安全性が向上している。また、エアバッグ装置を搭載した車両が普及するのに伴って、エアバッグ装置が作動したときの多くの事例が集まるようになり、より高度の安全性を得るべく研究開発が進められている。
市場においても、より高度な安全性能が求められてきており、民間団体(例えば、米国の道路安全保険協会:IIHS)や公的機関(例えば、米運輸省道路交通安全局:NHTSA)の定める安全性能評価基準において、より高い評価を得ていることや安全性能評価基準の基準値に対して高い偏差を得ていることが、世間の評価にもなっている。また、世間の評価が高いと、エアバッグ装置を搭載した車両の売れ行きにも影響を与えることから、開発を行う上での誘因の一つにもなっている。
運転者や助手席等の乗員を保護するエアバッグ装置としては、車両の衝突時等に、インフレータ等のガス発生器から発生した高圧の膨張ガスによって、袋状のエアバッグを膨張展開させ、衝突等の衝撃をエアバッグによって吸収緩和する構成になっている。
そして、運転者や助手席等の乗員を保護するエアバッグ装置では、ガス発生器から噴出した高圧の膨張ガスによって、瞬時にエアバッグを膨張展開させる。その後、乗員を拘束する段階では、エアバッグ内部のガスを適当に逃がすことによって、エアバッグ内部の圧力を調整して乗員を効果的に拘束できるように構成されている。
車両の走行中などにおいて、運転者や助手席等の乗員は、常に適正な乗車位置、乗車姿勢を保っていることはなく、また、体格等も乗員によってそれぞれ異なっている。例えば、運転者が、ステアリングホイールに上体を近接させた極端な前傾姿勢をとっている状態(この状態を、Out of position といい、以下では、OOPと略記する。)で運転していることがある。
このときに、エアバッグ装置が作動した場合を想定すると、運転者とエアバッグとの距離は短い状態にあるので、エアバッグに接触したとき運転者に加わる圧力を緩和するためには、エアバッグとしては偏平状態で幅広く展開することが求められる。そして、エアバッグ内のガスを排気するベントホールにおける構成としては、エアバッグから外気に向かって排出されるガスの流れを制御する構成が求められることになる。
同じエアバッグ装置であっても、乗員がOOP状態で座っている場合だけではなく、例えば、適正な乗車位置、乗車姿勢で座っている乗員や体重のある乗員などに対して、エアバッグ装置が作動したときにも、確実に乗員を拘束しなければならない。そして衝撃を効率的に吸収するためには、エアバッグとしては袋状に大きく膨張展開することが求められることになる。
このような両方の機能を備えたエアバッグ装置としては、助手席用エアバッグ装置(特許文献1参照)やエアバッグ装置(特許文献2参照)などが提案されている。特許文献1に記載された助手席用エアバッグ装置を本願発明の従来例1として、図17を用いて説明する。
図17に示すように、エアバッグ30に形成した排気口31から吊り紐本体部32の一部を、エアバッグ30の外側に引き出して、閉塞部33を構成している。エアバッグ30が膨張展開を行う前期の段階においては、吊り紐本体部32によって排気口31の通気抵抗を増大させてガスの排出を抑制している。また、膨張展開を行った後期の段階においては、吊り紐本体部32は完全にエアバッグ30内に引き込まれて、排気口31を全開状態にすることができる。そして、エアバッグ30内に引き込まれた吊り紐34によって、膨張展開を行ったエアバッグ30の高さ寸法、即ち、乗員を受け止めるエアバッグ30の厚さを規制することができる構成となっている。
この助手席用エアバッグ装置では、エアバッグ30の展開過程において排気口31から排出されるガスの排出流量を吊り紐本体部32によって抑制することができ、エアバッグ30の膨張展開に対して膨張用のガスを有効に利用することができ、好適な展開特性を得ることができる。また、複雑な制御装置を必要とせずに、排気口31から排出されるガスの圧力を調整する作用を実現することができ、製造コストを低減できるといった利点を有している。
特許文献2に記載されたエアバッグ装置を本願発明の従来例2として、図18を用いて説明する。図18に示すようにエアバッグ装置は、エアバッグの外部に設けられ、エアバッグの膨張展開時にエアバッグ内の容積を所定値以下に規制する容量規制テザー40と、容量規制テザー40の基端部側における端部を解放するテザー解放手段44と、テザー解放手段44の作動に連動して閉塞状態のベントホール42を閉塞する可変ベント手段41とを備えた構成になっている。
テザー解放手段44は、乗員の体格に関する情報等を取得する容量設定情報取得手段からの情報に応じて、容量規制テザー40の基端部側における端部を解放する構成となっている。容量規制テザー40の基端部側における端部が、テザー解放手段44によって保持されている状態では、容量規制テザー40は、可変ベント手段41におけるカバーパネル43を屈曲させた状態で、しかも、カバーパネル43に形成した開口43aをエアバッグに形成したベントホール42と連通させた位置に保持しておくことができる。
即ち、テザー解放手段44が作動する前の状態では、開口43aは、エアバッグに形成したベントホール42と連通した位置に保持されている。そしてこの状態のまま、エアバッグが膨張展開するときには、エアバッグ内における膨張ガスの一部がベントホール42から外部に排出されるのを許容しておくことができる。
即ち、容量設定情報取得手段からの情報によって、例えば、乗員の体格が小柄であるときには、カバーパネル43に形成した開口43aとベントホール42との連通状態が維持され、エアバッグを膨張展開させている膨張ガスの一部をベントホール42から外部に排出させておくことができる。これによって、例えば、体格の小柄な乗員がエアバッグに接触しても、エアバッグからの反発力を低く抑えておくことができる。
容量設定情報取得手段からの情報によって、例えば、乗員の体格が通常の体格以上の場合には、テザー解放手段44を作動させて、容量規制テザー40によるカバーパネル43の保持状態を開放する。カバーパネル43は屈曲していた状態が解除されることになり、膨張展開しているエアバッグによってカバーパネル43は、引き伸ばされた状態に変形することになる。そして、カバーパネル43が変形することによって、カバーパネ43の開口43aの位置は
、ベントホール42を開放していた位置から離れ、開口43aとベントホール42との連通状態が解除されて、ベントホール42はカバーパネル43によって閉塞状態にされる。
これによって、エアバッグにおける膨張展開量を大きくすることができ、体格の大きな乗員がエアバッグに接触した場合でも、乗員を拘束することができる。
特開2002−193058号公報 特開2009−298222号公報
特許文献1に記載された発明では、エアバッグ30の展開前期においては、排気口31からエアバッグ30の外側に引き出した吊り紐本体部32の一部によって、排気口31の通気抵抗を増大させてガスの排出を抑制しておくことができる。また、展開後期においては、吊り紐本体部32は完全にエアバッグ30内に引き込まれて、排気口31を全開にすることができる。しかも、エアバッグ30内に引き込まれた吊り紐本体部32によって、エアバッグ30の高さ寸法を規制しておくことができる。
しかし、排気口31からは常にガスが排出されることになり、ガス発生器から発生したガスを更に効率良く利用し、ガス発生器の小型化を図るには、更なる改良が必要になっている。
特許文献2に記載された発明では、アクティブ制御によって作動するテザー解放手段44に設けた火薬式のアクチュエータ45が必要となる。そして、アクチュエータ45から発生したガスによって、容量規制テザー40の基端部側の端部を支持しているフック46を開放させなければならない。このため、容量規制テザー40やテザー解放手段44の構成、更には、テザー解放手段44を制御するための容量設定情報取得手段が、エアバッグ本体における構成とは別に必要となる。
このため、エアバッグ装置としては、質量、容積の増加とコストアップとが避けられないものになってしまう。また、座席等に容量設定情報取得手段を設置するためのスペースや、容量設定情報取得手段からの情報をテザー解放手段44に伝えるための回路構成が必要になる。
本願発明では、上述した従来の問題を解決し、簡単な構成で、しかも、エアバッグ本体の膨張形状に応じてベントホールを開放状態から閉鎖状態、更には、閉鎖状態から開放状態に制御することができ、適正な乗車状態からでもOOP状態からであっても乗員を安全にしかも確実に拘束することができるエアバッグ装置の提供を目的としている。
本願発明の課題は、請求項1〜3に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明では、ガス発生器から供給された膨張ガスによって、折畳まれた収納状態から膨張展開可能なエアバッグ本体を備えたエアバッグ装置において、
エアバッグ本体の外殻に形成したガス排出用のベントホールと、
前記ベントホールの開口とは異なる第1開口を有し、前記ベントホールの開口に前記第1開口を重ね合わせた状態で、前記エアバッグ本体の内面側に縫着されたガイド基布と、
前記エアバッグ本体と前記ガイド基布との間で、前記ベントホールの前記開口から外部に対して一部部位の出没が可能に構成され、しかも、前記第1開口の開閉を行い得る横幅寸法を有する帯状の閉鎖部材と、
前記エアバッグ本体と前記ガイド基布との間において、前記閉鎖部材の長手方向への移動量を規制する規制手段と、
を備え、
前記ガイド基布の外面側と前記エアバッグ本体の内面側との間には、前記閉鎖部材の前記長手方向への移動を案内する挿通路が形成され、
前記エアバッグ本体の膨張展開時における前期段階では、前記閉鎖部材の一部部位が前記ベントホールの前記開口から前記エアバッグ本体の外部に突出しており、前記ベントホールの前記開口と前記ガイド基布の前記第1開口とが開放され、前記エアバッグ本体の外部に前記膨張ガスを排出する排気路が形成された状態にあり、
前記膨張展開時における前期段階を過ぎた段階では、前記エアバッグ本体の膨張展開により前記規制手段を緊張させることによって、前記閉鎖部材の前記一部部位が前記ベントホールの前記開口を介して前記ガイド基布側に引き込まれ、前記閉鎖部材の前記一部部位により前記ベントホールの前記開口及び前記ガイド基布の前記第1開口からの排気が抑制され、
前記ベントホールの前記開口及び前記ガイド基布の前記第1開口の排気抑制状態にて、膨張展開した前記エアバッグ本体が外圧を受けて凹むことにより当該エアバッグ本体内の内圧が所定の内圧以上に上昇した段階で、前記規制手段が緊張状態を解かれ、前記閉鎖部材の前記一部部位が前記エアバッグ本体内の内圧により前記ベントホールの開口から前記エアバッグ本体の外部に突出し、前記ベントホールの前記開口と前記ガイド基布の前記第1開口とが開放されて前記膨張ガスの排気路が形成されてなる、
ことを最も主要な特徴としている。
また、本願発明では、前記閉鎖部材の長手方向における両端部は、前記両端部間の長さ方向における変形に対してゆとりを持たせた状態で前記エアバッグ本体の内面側に縫着されてなり、前記規制手段は、前記閉鎖部材の長手方向における中間部と前記エアバッグ本体の内面との間を、前記第1開口を通って連結する規制部材により形成されてなることを主要な特徴としている。
更に、本願発明では、前記閉鎖部材の長手方向における両端部は、前記両端部間の長さ方向における変形に対してゆとりを持たせた状態で前記エアバッグ本体の乗員拘束面側における前記エアバッグ本体の乗員拘束面側に取付けられてなり、前記規制手段は、前記両端部間の長さ寸法が前記膨張展開における前期段階を過ぎた段階において緊張状態となる長さ寸法に設定された前記閉鎖部材により形成されてなることを主要な特徴としている。
本願発明に係わるエアバッグ装置では、ガイド基布とエアバッグ本体との間に配した閉鎖部材によって、エアバッグ本体のベントホールを開放状態から閉鎖状態、更には、閉鎖状態から開放状態に制御することができる。即ち、エアバッグ本体が折畳み状態から膨張展開を開始してから前期段階までの間では、閉鎖部材の一部部位はベントホールの開口から外部に突出した状態にあり、エアバッグ本体を膨張展開させているガスの一部は、ガイド基布に形成した第1開口からベントホールを通り、外部に突出した閉鎖部材によって外部に排出される。
外部に排出されるガスは、ガイド基布に形成した第1開口からベントホールを通り、外部に突出した閉鎖部材を通って外部に排出されるので、ガスが外部に排出されるまでの通気抵抗を増大させることができ、ガスの排出流量を抑制しておくことができる。
しかも、閉鎖部材の一部がベントホールから外部に突出している状態は、閉鎖部材の裏面側に配したガイド基布によって支持しておくことができる。そして、閉鎖部材の一部がベントホールから外部に突出している状態のときに、OOP状態にいた乗員がエアバッグ本体に接触すれば、エアバッグ本体の内圧上昇によって、外部に突出している閉鎖部材の突出量を大きくすることができる。これによって、外部に突出している閉鎖部材を通って排出されるガスの排出流量を増大させることができ、乗員に対する反発力を小さくした状態で乗員を確保することができる。
即ち、OOP状態に対応できる状態において、乗員がエアバッグに接触したときには、エアバッグ本体の内圧上昇を抑えることができる。そして、エアバッグ本体に接触する乗員に対する負荷が少ない状態で、エアバッグ本体の膨張展開が進むことになる。しかも、OOP状態にいた乗員がエアバッグ本体に接触する可能性の高い期間、即ち、エアバッグ本体
が膨張展開を開始してからの前期段階が終わるまでは、突出した閉鎖部材を通る排気通路は、閉じられることがない。このため、エアバッグ本体からガスが排出される状態が保たれることになり、エアバッグ本体に接触する乗員に対する負荷が少ない状態に維持しておくことができる。
OOP状態にいた乗員がエアバッグ本体に接触する可能性の高い期間を過ぎると、即ち、エアバッグ本体が膨張展開を開始してからの前期段階を過ぎると、閉鎖部材は規制部材によってガイド基布に形成した第1開口を閉鎖する状態に移る。即ち、乗員の状態が適正な状態であることを想定したノーマルモードに、OOP状態に対応するモードから切換ることができる。
ノーマルモードでは、エアバッグ本体を膨張展開させているガスを外部に排出することを防止することができ、エアバッグ本体の膨張展開を迅速に行わせることができる。即ち、膨張ガスを有効に利用して、エアバッグ本体の膨張展開を行わせることができる。また、ノーマルモードでは、エアバッグ本体の膨張展開における最終段階になっても、エアバッグ本体の内圧が所定の内圧以上に上昇しなければ、閉鎖部材によるガイド基布に形成した第1開口を閉鎖している状態は維持される。
ノーマルモードにおいて、エアバッグ本体に乗員が接触すると、エアバッグ本体内の内圧が所定圧以上に上昇し、エアバッグ本体における乗員の当接面が窪むことになる。このとき、規制部材による維持状態が緩和され、ガイド基布に形成した第1開口を閉鎖していた状態を開放して、閉鎖部材の一部はベントホールからエアバッグ本体の外部に突出する。そして、第1開口からエアバッグ本体の外部に連通した排気路が再度形成されることになる。
また、このときには、所定の圧力状態になったガスによって、閉鎖部材の一部はベントホールからエアバッグ本体の外部に大きく押し出されることになる。そして、エアバッグ本体の外部に連通した排気路の流路を大きく構成しておくことができ、所望の状態で膨張状態にあるエアバッグ本体を縮小させることができる。
これによって、エアバッグ本体内における内圧の低下を迅速に低下させることができ、エアバッグ本体に接触した乗員を確実に拘束することができる。このように、本願発明では、ガイド基布とエアバッグ本体との間に配した閉鎖部材によって、エアバッグ本体のベントホールを開放状態から閉鎖状態、更には、閉鎖状態から開放状態に制御することができる。しかも、OOP状態に対応するモードとノーマルモードとの切換が、特許文献2のようなテザー解放手段44を用いなくても、簡単な構成で行うことができる。
上述したように、ガス発生器で発生した膨張ガスを有効に利用することができ、OOP状態に対応するモードとノーマルモードとに応じて、エアバッグ本体からの排出されるガスの排出流量を調整することができる。しかも、ガス発生器としては小型のガス発生器を採用することができる。そして、小型のガス発生器を用いることにより、エアバッグ装置の形状も小型化させることが可能となる。
本願発明では、規制部材の構成として、閉鎖部材の長手方向における中間部とエアバッグ本体の乗員拘束面との間を、ガイド基布に形成した第1開口を介して紐部材で連結した構成や、の両端部間の長さ寸法を膨張展開における前期段階を過ぎた段階において緊張状態となることができる長さ寸法に形成した構成を採用することができる。
紐部材の端部を取り付けるエアバッグ本体の部位、及び規制部材としての構成を備えさせた閉鎖部材を取り付けるエアバッグ本体の部位としては、エアバッグ本体の乗員拘束面
に取り付けておくことが望ましい構成であるが、必ずしも乗員拘束面に取り付けておく必要はない。乗員拘束面に取り付けておくことによって、乗員が乗員拘束面に接触したとき、乗員拘束面が大きく窪むように変形するので、規制部材の緊張状態を開放させ易くなる。
本願発明では、規制部材を取り付けておくエアバッグ本体の部位としては、乗員が乗員拘束面に接触したとき、窪んで変形することのできるエアバッグ本体の乗員拘束面側の部位であれば、規制部材を取り付けておく部位として用いることができる。
規制部材をこのように構成しておくことによって、上述したOOP状態に対応するモードとノーマルモードとの切換を簡単に行うことができる。また、緊張状態となった紐部材又は規制部材の機能を有する閉鎖部材によって、エアバッグにおける乗員拘束面までの高さ寸法を規制しておくことができる。
エアバッグ本体の内部からベントホールを見た斜視図及びベントホール部の底面図である。(実施例1) 膨張前期段階におけるベントホール周辺の斜視図及び要部断面図である。(実施例1) 膨張前期段階で乗員を拘束した状態を示す側面図及び要部断面図である。(実施例1) 膨張前期段階を過ぎた段階を示す斜視図及び要部断面図である。(実施例1) 膨張前期段階を過ぎた段階を示す断面図である。(実施例1) 膨張前期段階を過ぎた段階で乗員の拘束を開始する直前の状態を示す側面図及び要部断面図である。(実施例1) 膨張前期段階を過ぎた段階で乗員を拘束した状態を示す斜視図及び要部断面図である。(実施例1) 膨張前期段階を過ぎた段階で乗員を拘束した状態を示す側面図及び要部断面図である。(実施例1) エアバッグ本体の内部からベントホールを見た斜視図及びベントホール部の底面図である。(実施例2) 膨張前期段階におけるベントホール周辺の斜視図及び要部断面図である。(実施例2) 膨張前期段階で乗員を拘束した状態を示す側面図及び要部断面図である。(実施例2) 膨張前期段階を過ぎた段階を示す斜視図及び要部断面図である。(実施例2) 膨張前期段階を過ぎた段階を示す断面図である。(実施例2) 膨張前期段階を過ぎた段階で乗員の拘束を開始する直前の状態を示す側面図及び要部断面図である。(実施例2) 膨張前期段階を過ぎた段階で乗員を拘束した状態を示す斜視図及び要部断面図である。(実施例2) 膨張前期段階を過ぎた段階で乗員を拘束した状態を示す側面図及び要部断面図である。(実施例2) ベントホール周辺の要部斜視図である。(従来例1) テザー開放手段周辺の要部断面図である。(従来例2)
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明に係わるエアバッグ装置としては、以下においては運転席用のエアバッグ装
置を例に挙げて説明を行う。本願発明に係わるエアバッグ装置としては、運転席用のエアバッグ装置に限定されるものではなく、助手席用エアバッグ等の乗員を保護するエアバッグ装置として好適に適用することができる。このため、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
図1〜図8を用いて、本願発明に係わるエアバッグ装置1のベントホール3における構成について説明する。図1(b)に示すように、エアバッグ本体2は、非通気性の可撓性材料から構成されており、例えば、内側がゴムコーティングされたナイロン製の基布パネルを袋状に縫合した構成となっている。エアバッグ本体2の構成として、円盤状の構成を示しているが、この構成は例示であってエアバッグとして必要な構成であれば、他の構成を採用することができる。
図1(a)には、ベントホール3における構成として、エアバッグ本体2内のガスがベントホール3から外部に排出される状態と排出が規制される状態とに切換る制御機構を示している。この制御機構は、ベントホール3の開口とは異なる第1開口4aを形成したガイド基布4と、閉鎖部材5と、規制部材6とから構成されている。第1開口の大きさとしては、ベントホール3の開口と略同じ大きさかそれよりも小さな開口として形成しておくことができる。
ガイド基布4の両端縁は、縫着部4bを介してエアバッグ本体2に縫着されている。そして、ガイド基布4とエアバッグ本体2との間には、閉鎖部材5をその長手方向に案内する挿通路12が構成されている。閉鎖部材5は、その長手方向にゆとりを持たせた状態で、縫着部5aを介して両端部がエアバッグ本体2の内面側に縫着されている。
規制部材6は、エアバッグ本体2とガイド基布4との間に配されている閉鎖部材5の部位が、閉鎖部材5の長手方向に移動するときの移動量を規制するものとして構成されている。実施例1における構成では、規制部材6の構成として、閉鎖部材5とエアバッグ本体2との間を連結する紐部材6aによって構成されている。紐部材6aの一端部は、エアバッグ本体2に取り付けられており、他端部は、ガイド基布4に形成した第1開口4aを通って、閉鎖部材5の中央部近傍に固定されている。
ガイド基布4及び閉鎖部材5は、エアバッグ本体2と同様の材質から成る帯状のテザーによって構成しておくことができる。また、紐部材6aもエアバッグ本体2と同様の材質から成る紐状のテザーによって構成しておくことができる。必要に応じて、他の材質を用いて、ガイド基布4及び閉鎖部材5及び紐部材6aを構成しておくこともできる。
尚、ガイド基布4及び閉鎖部材5及び紐部材6aをエアバッグ本体2に取り付ける構成として、縫着による取付構成を用いて説明を行うが、他の公知の取付方法を用いてガイド基布4及び閉鎖部材5及び紐部材6aをエアバッグ本体2に取り付けることができる。
閉鎖部材5は、OOP状態にいた乗員がエアバッグ本体2に接触する可能性の高い期間、即ち、エアバッグ本体2が膨張展開を開始してからの前期段階が終わるまでは、ベントホール3から外部に突出した状態になっている。エアバッグ本体2の膨張展開における前期段階が終わるまで、乗員がエアバッグ本体2に接触しなかったときには、紐部材6aによって、ベントホール3から外部に突出していた閉鎖部材5は、ベントホール3内に引き込まれることになる。
ベントホール3内に引き込まれた閉鎖部材5は、ベントホール3に対峙して第1開口4aを配したガイド基布4によって移動が規制され、ガイド基布4の第1開口4aを閉鎖することに
なる。そして、ガイド基布4の第1開口4aを閉鎖した状態は、エアバッグ本体2内の内圧が所定の内圧にまで上昇するまでの間、紐部材6aによって維持されることになる。
紐部材6aの長さ寸法としては、閉鎖部材5がベントホール3から外部に突出した状態と、エアバッグ本体2内の内圧が所定の内圧にまで上昇するまでの間、閉鎖部材5でガイド基布4の第1開口4aを閉鎖した状態と、を維持できる長さ寸法に形成されている。
次に、図2から図8を用いて、閉鎖部材5によって制御するベントホール3の開放状態から閉鎖状態への切換え、更には、閉鎖状態から開放状態への切換について説明する。尚、これらの図において、ベントホール3の周辺を拡大した断面図では、構成を分かり易くする記載するため、模式的に拡大した図を用いている。
図2は、OOP状態にいた乗員がエアバッグ本体2に接触する可能性の高い期間、即ち、エアバッグ本体2が膨張展開を開始してからの前期段階が終わるまでにおけるベントホール3の開放状態について示している。即ち、図2(a)は、エアバッグ本体2の裏面側、即ち、ステアリングに取り付けられる側からの斜視図を示しており、図2(b)は、ベントホール3周辺における要部断面図である。
図2に示すように、このときガイド基布4とエアバッグ本体2との間に挟まれている閉鎖部材5は、一部をベントホール3から外部に突出した状態になっている。そして、閉鎖部材5の裏面側には、紐部材6aが取り付けられている。閉鎖部材5の幅寸法としては、閉鎖部材5がベントホール3から外部に突出するのを妨げない寸法に形成されているとともに、閉鎖部材5でガイド基布4の第1開口4aを閉鎖するときに、第1開口4aを全て覆うことができる幅寸法に形成されている。
そして、矢印で示すように、エアバッグ本体2内のガスの一部を、第1開口4aからベントホール3を通り、エアバッグ本体2の外部に排出する排気路が構成されている。この排気路としては、二つに折曲げられた閉鎖部材5内を通る構成となるので、排気路における通気抵抗を増大させてガスの排出流量を抑制しておくことができる。これによって、排気路から排出されるガスの排出流量を抑制しておくことができる。従って、ガス発生器から発生したガスを更に効率良く利用することができる。
図3を用いて、エアバッグ本体2が膨張展開を開始してからの前期段階が終わるまでの間に、OOP状態にいた乗員がエアバッグ本体2に接触したときの状態を説明する。ステアリングホイール16内にはエアバッグ装置1が配設されており、車両の衝突等が発生すると、エアバッグ装置1のカバーが破断して、カバー内に配設されていたエアバッグ本体2は、インフレータ等のガス発生器からの膨張ガスによって膨張展開する。
このとき、OOP状態にいた乗員(ダミー人形15で示している。)が、エアバッグ本体2に接触すると、エアバッグ本体2内の内圧が上昇する。そして、図3(b)に示すように、ベントホール3から外部に突出している閉鎖部材5の突出量を増大させ、ガスを外部に排出する排気路を広げることになる。
これによって、エアバッグ本体2に接触した乗員を受け止めて拘束するため、エアバッグ本体2内の内圧を所望の減圧状態で低下させていくことができる。このように、エアバッグ本体2内の内圧を所望の減圧状態で低下させていくことができるので、乗員を確実に確保して拘束することができる。
図4から図6に示す状態は、エアバッグ本体2が膨張展開を開始してから前期段階が終わった状態を示している。この状態から先の膨張展開では、エアバッグ本体2の膨張展開
を迅速に行わせるため、ベントホール3からの排気が行われるのを防ぐことになる。即ち、図4(b)に示すように、膨張展開の前期段階が終わったのちに、紐部材6aが緊張状態になると、ベントホール3から外部に突出していた閉鎖部材5を、二点鎖線で示していた状態から実線で示した位置に移動させ、閉鎖部材5をベントホール3内に引っ張り込む。そして、ガイド基布4の第1開口4aを閉鎖部材5で閉鎖させることになる。
図5に示すように、紐部材6aの一端側は、第1開口4aを通って閉鎖部材5の中央部近傍に固定されており、他端側は、乗員拘束面10の裏面側に取り付けられている。ガス発生器として用いられているインフレータ7は、インフレータ取付部8に取り付けられている。そして、ベントホール3は、エアバッグ本体2におけるインフレータ取付部8側に形成されている。
即ち、エアバッグ本体2における乗員拘束面10とは反対側の面にベントホール3を構成しておくことができる。エアバッグ本体2が膨張展開して、紐部材6aが緊張状態になることによって、閉鎖部材5は第1開口4aに圧着されることになる。そして、ベントホール3から外部へのガスの排出を規制しておくことができる。
紐部材6aが緊張状態になったとき、ガイド基布4も閉鎖部材5を介して紐部材6aによって引張られることになる。しかし、膨張展開しているエアバッグ本体2からは、紐部材6aによる引張力をキャンセルして、ガイド基布4をエアバッグ本体2に圧着させる力が作用することにもなる。これによって、ガイド基布4とエアバッグ本体2との隙間を通って、ベントホール3から外部に排出されるガスを抑えておくことができる。即ち、ベントホール3を閉鎖状態にすることができる。
また、紐部材6aの他端側は、乗員拘束面10の裏面側に取り付けられているので、乗員拘束面10に乗員が接触したときには、乗員拘束面10がエアバッグ本体2の内側に窪むのを効率的に連動させて、紐部材6aの緊張状態を開放させることができる。しかも、緊張状態となった紐部材6aによって、エアバッグ本体2における乗員拘束面10までの高さ寸法を規制しておくことができる。
図6(a)には、エアバッグ本体2が膨張展開を開始してから前期段階が終わった状態について、エアバッグ本体2とダミー人形15との間での関係を示している。図6(b)は、このときのベントホール3周辺の要部断面図を示している。ガイド基布4の第1開口4aを通る排気通路は、閉鎖部材5によって閉じられているので、エアバッグ本体2からガスが排出されてしまうのを防止しておくことができる。そして、エアバッグ本体に乗員が接触すれば、乗員を拘束できる状態になる。
図7、図8は、エアバッグ本体2が膨張展開して図4から図6に示した状態になっているときに、エアバッグ本体2に乗員(ダミー人形15)が接触した状態を示している。エアバッグ本体2における膨張展開の前期段階を過ぎ、ベントホール3が閉鎖された状態でエアバッグ本体2が膨張展開しているときに、乗員(ダミー人形15)がエアバッグ本体2に接触すると、エアバッグ本体2の乗員拘束面10が凹むとともに、エアバッグ本体2内の内部圧力は、所定の内部圧力以上に昇圧することになる。
そして、乗員拘束面10が凹むことによって生じた紐部材6aの緊張状態からの開放と、エアバッグ本体2内における内部圧力の上昇によって、ガイド基布4の第1開口4aを塞いでいた閉鎖部材5は、ベントホール3から外部に突出することになる。しかも、閉鎖部材5におけるベントホール3から外部への突出量は、エアバッグ本体2内の内部圧力によって制御されることになる。これによって、乗員をエアバッグ本体2によって確実に拘束することができる。
このように、本願発明では、閉鎖部材5と閉鎖部材5の移動量を規制する規制部材6としての紐部材6aと第1開口4aを形成したガイド基布4とを用いた構成によって、ベントホール3を開口状態から閉鎖状態、更には、閉鎖状態から再度の開口状態に切換ることができる。しかも、閉鎖状態にしているときには、ガス発生器であるインフレータ7から発生するガスを効率的にエアバッグ本体2の膨張展開に利用することができるので、インフレータ7としては、小型のインフレータ7を用いることができる。
図9〜図16を用いて、本願発明に係わるエアバッグ装置1について、ベントホール3における他の構成について説明する。実施例2では、図9(a)、(b)に示しているように、環状に形成した閉鎖部材5の取付部5bをエアバッグ本体2の乗員拘束面10(図13参照)に取り付けた構成と成っている。即ち、規制部材6の構成として、実施例1で用いた紐部材6aを用いる代わりに、閉鎖部材5の長さ寸法を長く構成して、閉鎖部材5に規制部材6としての機能を持たせた構成となっている。
他の構成は、実施例1と同様の構成となっている。そのため、実施例1における構成と同様の構成については、実施例1で用いた部材符号を用いることで、その部材についての説明を省略する。
図13に示すように図示例では、閉鎖部材5を環状に形成し、エアバッグ本体2の乗員拘束面10の裏面側に縫着した構成を示しているが、閉鎖部材5を環状に形成せずに閉鎖部材5の両端部を乗員拘束面10の裏面側に縫着した構成としておくこともできる。
尚、閉鎖部材5をエアバッグ本体2に取り付ける構成として、縫着による取付構成を用いて説明を行うが、他の公知の取付方法を用いて閉鎖部材5をエアバッグ本体2に取り付けることができる。
閉鎖部材5の長さ寸法としては、閉鎖部材5がベントホール3から外部に突出した状態と、エアバッグ本体2内の内圧が所定の内圧にまで上昇するまで、閉鎖部材5でガイド基布4の第1開口4aを閉鎖した状態と、を維持できる長さ寸法に形成されている。
閉鎖部材5は、OOP状態にいた乗員がエアバッグ本体2に接触する可能性の高い期間、即ち、エアバッグ本体2が膨張展開を開始してからの前期段階が終わるまでは、ベントホール3から外部に突出した状態となっている。エアバッグ本体2の膨張展開における前期段階が終わるまで、乗員がエアバッグ本体2に接触しなかったときには、ベントホール3から外部に突出していた閉鎖部材5は、エアバッグ本体2の膨張展開によって緊張状態になっていき、ベントホール3内に引き込まれることになる。
ベントホール3内に引き込まれた閉鎖部材5は、ベントホール3に対峙して第1開口4aを配したガイド基布4によって移動が規制され、ガイド基布4の第1開口4aを閉鎖することになる。そして、ガイド基布4の第1開口4aを閉鎖した状態は、エアバッグ本体2内の内圧が所定の内圧にまで上昇するまでの間、閉鎖部材5によって維持されることになる。
ベントホール3内に引き込まれた閉鎖部材5は、ベントホール3に対峙して第1開口4aを配したガイド基布4によって移動が規制され、ガイド基布4の第1開口4aを閉鎖することになる。そして、ガイド基布4の第1開口4aを閉鎖した状態は、エアバッグ本体2内の内圧が所定の内圧にまで上昇するまでの間、緊張状態になった閉鎖部材5によって維持されることになる。
次に、図10から図16を用いて、閉鎖部材5によって制御するベントホール3の開放状態から閉鎖状態への切換、更には、閉鎖状態から開放状態への切換について説明する。尚、これらの図において、ベントホール3の周辺を拡大して断面図では、構成を分かり易くする記載するため、模式的に拡大した図を用いている。
図10は、OOP状態にいた乗員がエアバッグ本体2に接触する可能性の高い期間、即ち、エアバッグ本体2が膨張展開を開始してからの前期段階が終わるまでにおけるベントホール3の開放状態について示している。即ち、図10(a)は、エアバッグ本体2の裏面側、即ち、ステアリングに取り付けられる側からの斜視図を示しており、図10(b)は、ベントホール3周辺における要部断面図である。
図10に示すように、このときガイド基布4とエアバッグ本体2との間に挟まれている閉鎖部材5は、一部をベントホール3から外部に突出した状態になっている。そして、突出した状態になっている閉鎖部材5における反対側の部位は、乗員拘束面10の裏面側に取り付けられている。
そして、矢印で示すように、エアバッグ本体2内のガスの一部を、第1開口4aからベントホール3を通り、エアバッグ本体2の外部に排出する排気路が構成されている。この排気路としては、二つに折曲げられた閉鎖部材5内を通る構成となるので、排気路における通気抵抗を増大させてガスの排出流量を抑制しておくことができる。これによって、排気路から排出されるガスの排出流量を抑制しておくことができる。従って、ガス発生器から発生したガスを更に効率良く利用することができる。
図11を用いて、エアバッグ本体2が膨張展開を開始してからの前期段階が終わるまでの間に、OOP状態にいた乗員がエアバッグ本体2に接触したときの状態を説明する。ステアリングホイール16内にはエアバッグ装置1が配設されており、車両の衝突等が発生すると、エアバッグ装置1のカバーが破断して、カバー内に配設されていたエアバッグ本体2は、インフレータ等のガス発生器からの膨張ガスによって膨張展開する。
このとき、OOP状態にいた乗員(ダミー人形15で示している。)が、エアバッグ本体2に接触すると、エアバッグ本体2内の内圧が上昇する。そして、図11(b)に示すように、ベントホール3から外部に突出している閉鎖部材5の突出量を増大させ、ガスを外部に排出する排気路を広げることになる。
これによって、エアバッグ本体2に接触した乗員を受け止めて拘束するため、エアバッグ本体2内の内圧を所望の減圧状態で低下させていくことができる。このように、エアバッグ本体2内の内圧を所望の減圧状態で低下させていくことができるので、乗員を確実に確保して拘束することができる。
図12から図14に示す状態は、エアバッグ本体2が膨張展開を開始してから前期段階が終わった状態を示している。この状態から先の膨張展開では、エアバッグ本体2の膨張展開を迅速に行わせるため、ベントホール3からの排気が行われるのを防ぐことになる。即ち、図12(b)に示すように、膨張展開の前期段階が終わったのちに、閉鎖部材5が緊張状態になると、ベントホール3から外部に突出していた閉鎖部材5は、図4(b)を用いて説明したと同様に、外部に突出していた状態からベントホール3内に引っ込む。そして、ガイド基布4の第1開口4aを閉鎖部材5で閉鎖させることになる。
図13に示すように、ベントホール3から外部に突出可能な閉鎖部材5の部位とは反対側の部位は、乗員拘束面10の裏面側に取り付けられている。ガス発生器として用いられているインフレータ7は、インフレータ取付部8に取り付けられている。そして、ベントホール
3は、エアバッグ本体2におけるインフレータ取付部8側に形成されている。
即ち、エアバッグ本体2における乗員拘束面10とは反対側の面にベントホール3を構成しておくことができる。エアバッグ本体2が膨張展開して、閉鎖部材5が緊張状態になることによって、閉鎖部材5は第1開口4aに圧着されることになる。そして、ベントホール3から外部へのガスの排出を規制しておくことができる。
閉鎖部材5は、乗員拘束面10の裏面側に取り付けられているので、乗員拘束面10に乗員が接触したときには、乗員拘束面10がエアバッグ本体2の内側に窪むのを効率的に連動させて、閉鎖部材5aの緊張状態を開放させることができる。
図14(a)には、エアバッグ本体2が膨張展開を開始してから前期段階が終わった状態について、エアバッグ本体2とダミー人形15との間での関係を示している。図14(b)は、このときのベントホール3周辺の要部断面図を示している。ガイド基布4の第1開口4aを通る排気通路は、閉鎖部材5によって閉じられているので、エアバッグ本体2からガスが排出されてしまうのを防止しておくことができる。そして、エアバッグ本体に乗員が接触すれば、乗員を拘束できる状態になる。
図15、図16は、エアバッグ本体2が膨張展開して図12から図14に示した状態になっているときに、エアバッグ本体2に乗員(ダミー人形15)が接触した状態を示している。エアバッグ本体2における膨張展開の前期段階を過ぎ、ベントホール3が閉鎖された状態でエアバッグ本体2が膨張展開しているときに、乗員(ダミー人形15)がエアバッグ本体2に接触すると、エアバッグ本体2の乗員拘束面10が凹むとともに、エアバッグ本体2内の内部圧力は、所定の内部圧力以上に昇圧することになる。
そして、乗員拘束面10が凹むことによって閉鎖部材5は緊張状態から開放される。そして、エアバッグ本体2内における内部圧力の上昇によって、ガイド基布4の第1開口4aを塞いでいた閉鎖部材5は、ベントホール3から外部に突出することになる。しかも、閉鎖部材5におけるベントホール3から外部への突出量は、エアバッグ本体2内の内部圧力によって制御されることになる。これによって、乗員をエアバッグ本体2によって確実に拘束することができる。
このように、第2実施例では、規制部材6としての機能を備えた閉鎖部材5と第1開口4aを形成したガイド基布4とを用いた構成によって、ベントホール3を開口状態から閉鎖状態、更には、閉鎖状態から再度の開口状態に切換ることができる。しかも、閉鎖状態にしているときには、ガス発生器であるインフレータ7から発生するガスを効率的にエアバッグ本体2の膨張展開に利用することができるので、インフレータ7としては、小型のインフレータ7を用いることができる。
本願発明の技術思想を他のエアバッグの構成においても適用することができる。
1・・・エアバッグ装置、
2・・・エアバッグ本体、
3・・・ベントホール、
4・・・ガイド基布、
5・・・閉鎖部材(テザー)、
6・・・規制部材、
6a・・・紐部材、
8・・・インフレータ取付部、
12・・・挿通路、
30・・・エアバッグ、
31・・・排気口、
32・・・吊り紐本体部、
33・・・閉塞部、
34・・・吊り紐、
40・・・容量規制テザー、
41・・・可変ベント手段、
42・・・ベントホール、
43・・・カバーパネル、
43a・・・開口、
44・・・テザー開放手段、
45・・・アクチュエータ、
46・・・フック。

Claims (3)

  1. ガス発生器から供給された膨張ガスによって、折畳まれた収納状態から膨張展開可能なエアバッグ本体を備えたエアバッグ装置において、
    エアバッグ本体の外殻に形成したガス排出用のベントホールと、
    前記ベントホールの開口とは異なる第1開口を有し、前記ベントホールの開口に前記第1開口を重ね合わせた状態で、前記エアバッグ本体の内面側に縫着されたガイド基布と、
    前記エアバッグ本体と前記ガイド基布との間で、前記ベントホールの前記開口から外部に対して一部部位の出没が可能に構成され、しかも、前記第1開口の開閉を行い得る横幅寸法を有する帯状の閉鎖部材と、
    前記エアバッグ本体と前記ガイド基布との間において、前記閉鎖部材の長手方向への移動量を規制する規制手段と、
    を備え、
    前記ガイド基布の外面側と前記エアバッグ本体の内面側との間には、前記閉鎖部材の前記長手方向への移動を案内する挿通路が形成され、
    前記エアバッグ本体の膨張展開時における前期段階では、前記閉鎖部材の一部部位が前記ベントホールの前記開口から前記エアバッグ本体の外部に突出しており、前記ベントホールの前記開口と前記ガイド基布の前記第1開口とが開放され、前記エアバッグ本体の外部に前記膨張ガスを排出する排気路が形成された状態にあり、
    前記膨張展開時における前期段階を過ぎた段階では、前記エアバッグ本体の膨張展開により前記規制手段を緊張させることによって、前記閉鎖部材の前記一部部位が前記ベントホールの前記開口を介して前記ガイド基布側に引き込まれ、前記閉鎖部材の前記一部部位により前記ベントホールの前記開口及び前記ガイド基布の前記第1開口からの排気が抑制され、
    前記ベントホールの前記開口及び前記ガイド基布の前記第1開口の排気抑制状態にて、膨張展開した前記エアバッグ本体が外圧を受けて凹むことにより当該エアバッグ本体内の内圧が所定の内圧以上に上昇した段階で、前記規制手段が緊張状態を解かれ、前記閉鎖部材の前記一部部位が前記エアバッグ本体内の内圧により前記ベントホールの開口から前記エアバッグ本体の外部に突出し、前記ベントホールの前記開口と前記ガイド基布の前記第1開口とが開放されて前記膨張ガスの排気路が形成されてなる、
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記閉鎖部材の長手方向における両端部は、前記両端部間の長さ方向における変形に対してゆとりを持たせた状態で前記エアバッグ本体の内面側に縫着されてなり、
    前記規制手段は、前記閉鎖部材の長手方向における中間部と前記エアバッグ本体の内面との間を、前記第1開口を通って連結する規制部材により形成されてなる、
    ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
  3. 前記閉鎖部材の長手方向における両端部は、前記両端部間の長さ方向における変形に対してゆとりを持たせた状態で前記エアバッグ本体の乗員拘束面側における前記エアバッグ本体の乗員拘束面側に取付けられてなり
    前記規制手段は、前記両端部間の長さ寸法が前記膨張展開における前期段階を過ぎた段階において緊張状態となる長さ寸法に設定された前記閉鎖部材により形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
JP2010149444A 2010-06-30 2010-06-30 エアバッグ装置 Active JP5616144B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010149444A JP5616144B2 (ja) 2010-06-30 2010-06-30 エアバッグ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010149444A JP5616144B2 (ja) 2010-06-30 2010-06-30 エアバッグ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012011870A JP2012011870A (ja) 2012-01-19
JP5616144B2 true JP5616144B2 (ja) 2014-10-29

Family

ID=45598823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010149444A Active JP5616144B2 (ja) 2010-06-30 2010-06-30 エアバッグ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5616144B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5883325B2 (ja) 2012-03-28 2016-03-15 タカタ株式会社 エアバッグ、エアバッグ装置及びベントホール開閉制御方法
JP5817684B2 (ja) * 2012-08-29 2015-11-18 豊田合成株式会社 エアバッグ装置
JP6102797B2 (ja) 2014-02-27 2017-03-29 豊田合成株式会社 運転席用エアバッグ装置
KR102192259B1 (ko) * 2014-10-29 2020-12-17 현대모비스 주식회사 에어백 장치
JP6319156B2 (ja) * 2015-03-31 2018-05-09 豊田合成株式会社 運転席用エアバッグ装置
JP6413893B2 (ja) * 2015-03-31 2018-10-31 豊田合成株式会社 運転席用エアバッグ装置
JP6798954B2 (ja) * 2017-09-14 2020-12-09 本田技研工業株式会社 エアバッグ装置
JP7099217B2 (ja) * 2018-09-18 2022-07-12 Joyson Safety Systems Japan株式会社 エアバッグ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4781077B2 (ja) * 2005-10-05 2011-09-28 芦森工業株式会社 エアバッグ装置
JP5286789B2 (ja) * 2006-02-03 2013-09-11 タカタ株式会社 エアバッグ及びエアバッグ装置
JP5135938B2 (ja) * 2007-07-31 2013-02-06 タカタ株式会社 エアバッグ及びエアバッグ装置
JP5216496B2 (ja) * 2008-09-17 2013-06-19 本田技研工業株式会社 エアバッグ袋体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012011870A (ja) 2012-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5616144B2 (ja) エアバッグ装置
JP7014877B2 (ja) エアバッグ装置およびエアバッグ装置の製造方法
KR100967685B1 (ko) 에어백 장치
JP4760533B2 (ja) エアバッグ装置
JP4539771B2 (ja) 助手席用エアバッグ装置
JP5140072B2 (ja) エアバッグ及びエアバッグ装置
US20100102542A1 (en) Airbag device
JP5883613B2 (ja) エアバッグ装置
JP2007216954A (ja) エアバッグ用クッション形状づけスリーブおよびテザー
JP5271916B2 (ja) 助手席用エアバッグ装置
JP6726057B2 (ja) エアバッグ装置
JP6845922B2 (ja) エアバッグ装置
JP2012066746A (ja) エアバッグ、エアバッグ装置及びエアバッグの蓋部材の縫合方法
JP7100163B2 (ja) サイドエアバッグ装置
KR20200003413A (ko) 사이드 에어백 장치
JP5668675B2 (ja) 車両用乗員拘束装置
JP2007030786A (ja) ロールオーバ保護装置
JP5886667B2 (ja) エアバッグ及びエアバッグ装置
KR20090120026A (ko) 차량의 에어백
JP4993452B2 (ja) エアバッグ装置
JP5483586B2 (ja) エアバッグ装置
JP2009255827A (ja) サイドエアバッグ装置
JP2008143255A (ja) 車両用シートクッションエアバッグ装置
JP2020199912A (ja) サイドエアバッグ装置
JP5716659B2 (ja) 車両用シート及び自動車

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20121228

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140909

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5616144

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250