JP5140072B2 - エアバッグ及びエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に搭載されるエアバッグ及びエアバッグ装置に関し、特に、エアバッグのベントホールの開閉手段に特徴を有するエアバッグ及びエアバッグ装置に関する。
自動車等の車両には、衝突時や急減速時等にエアバッグを車内で膨張展開させて乗員に生ずる衝撃を吸収するためのエアバッグ装置が搭載されているのが一般的になってきている。かかるエアバッグ装置には、ステアリングに内装された運転席用エアバッグ装置、インストルメントパネルに内装された助手席用エアバッグ装置、車両側面部又はシートに内装されたサイドエアバッグ装置、ドア上部に内装されたカーテンエアバッグ装置、乗員の膝部に対応したニーエアバッグ装置、フード下に内装された歩行者用エアバッグ装置等、種々のタイプが開発・採用されている。これらのエアバッグ装置は、一般に、所定の条件でガスを発生させるガス発生器と、ガス発生器に接続されて膨張展開するエアバッグと、エアバッグを収容するリテーナと、を備えている。また、エアバッグを形成する外殻には、ベントホールと呼ばれる排気口が形成されている場合もある。このベントホールは、エアバッグの内圧が高くなり過ぎないようにしたり、乗員がエアバッグに接触した際にエアバッグ内のガスを排気して衝撃を緩和したりする機能を有する。
ここで、図15は、従来のエアバッグ装置のベントホールの作用を説明する図であり、(A)はエアバッグの膨張展開時間とベントホール開度との関係を示し、(B)はエアバッグのストロークと衝撃吸収力との関係を示している。図15(A)の横軸は時間を示し、Teはエアバッグの膨張展開完了時間を示し、Tfはベントホールの全開完了時間を示している。図15(A)の縦軸はベントホールの開度を示し、100%はベントホールが全開状態であることを示している。また、図15(B)の横軸はエアバッグのストローク(厚み方向の長さ)を示し、Seはエアバッグの膨張展開完了状態を示している。図15(B)の縦軸はエアバッグの衝撃吸収力を示している。なお、この衝撃吸収力は、乗員がエアバッグに接触した際に乗員に負荷される力と言い換えることもできる。
図15(A)に示すように、従来のエアバッグ装置はベントホールの全開状態(ベントホール開度100%)の仕方により、タイプI、タイプII、タイプIIIの3種類に識別することができる。タイプIのエアバッグ装置は、エアバッグの膨張展開が始まると同時にベントホールが開き始め、エアバッグの膨張展開完了時間Te前にベントホールが全開状態となるように構成されている。タイプIIのエアバッグ装置は、エアバッグの膨張展開が始まってしばらくしてからベントホールが開き始め、エアバッグの膨張展開完了時間Teにベントホールが全開状態となるように構成されている。このタイプIIのエアバッグ装置は、エアバッグの膨張展開中にベントホールからガスが排気されてしまうため圧力損失が大きいというタイプIのエアバッグ装置の問題点を解決したものである。タイプIIIのエアバッグ装置は、エアバッグの膨張展開完了時間Teまでベントホールを略閉状態(ベントホール開度約0%)に維持し、乗員がエアバッグに接触すると略同時にベントホールを速やかに全開状態にするように構成されている。このタイプIIIのエアバッグ装置は、タイプIIのエアバッグ装置よりも更に圧力損失を低減したものである。かかるタイプIIIのエアバッグ装置としては、種々の構造のものが存在しており、例えば、特許文献1〜3に記載されたエアバッグ装置が既に提案されている。また、タイプIIIのエアバッグ装置では、ベントホールを全開状態にするまでに要する時間Δtは限りなく小さくすることが好ましいと考えられており、実際、そのように設計されていた。
図15(B)は、タイプIIIのエアバッグ装置におけるエアバッグのストロークと衝撃吸収力との関係を示した図である。図15(B)に示すように、タイプIIIのエアバッグ装置では、乗員がエアバッグに接触すると速やかにベントホールを全開状態にするため、その衝撃吸収力は、エアバッグの膨張展開完了状態Seの近傍で最大値Fmaxを示し、その後、急激に低下する。すなわち、タイプIIIのエアバッグ装置の衝撃吸収力は、略直角三角形の形状をなしている。
US2006/0151979A1号公報 US2005/0248137A1号公報 特開平6−127330号公報
ところで、エアバッグ装置の小型化・低コスト化・軽量化等の要求は強く、これらの要求に応えるためにはガス発生器の小型化が必須であった。しかしながら、ガス発生器を小型化すると出力も低下してしまい、乗員の衝撃を十分に吸収することができなくなってしまうという問題があった。また、図15(B)に示したように、従来のエアバッグ装置では、エアバッグのストロークが小さい位置でも乗員の衝撃を効果的に吸収させようとすれば、必然的に衝撃吸収力の最大値Fmaxも高くなってしまい、ガス発生器を小型化するのが困難であった。
本発明は、上述の課題に鑑み創案された発明であり、ガス発生器を小型化しても乗員の衝撃を吸収することができ、エアバッグ装置の小型化・低コスト化・軽量化等の要求に応えることができるエアバッグ及びエアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、内部にガスが供給されて車内で膨張展開するエアバッグにおいて、前記エアバッグの外殻に形成されたベントホールと、該ベントホールの開閉を行う開閉手段と、を備え、前記開閉手段は、前記エアバッグの膨張展開が完了するまでは前記ベントホールを略閉状態とし、前記エアバッグの潰れ量が所定の基準値に達したときに前記ベントホールを全開状態とするように構成されているとともに、前記エアバッグの潰れ量が前記基準値よりも小さい値の閾値に達するまでは前記ベントホールを略閉状態とするように構成されており、前記基準値は、前記エアバッグの厚さ方向の潰れ量が、前記エアバッグの膨張展開完了状態から10%〜50%の範囲又は前記エアバッグの膨張展開完了状態から50mm〜150mmの範囲の値に設定され、前記閾値は、前記エアバッグの厚さ方向の潰れ量が前記エアバッグの膨張展開完了状態から5%〜25%の範囲、前記エアバッグの厚さ方向の潰れ量が前記エアバッグの膨張展開完了状態から25mm〜75mmの範囲、又は前記基準値の半分、のいずれかの値に設定されている、ことを特徴とするエアバッグが提供される。
前記開閉手段は、前記ベントホールを被覆可能なベントカバーと、該ベントカバーと前記エアバッグの内部に接続されたテザーと、前記エアバッグに形成された該テザーの挿通路と、から構成されており、前記テザーは、前記エアバッグの潰れ量が前記基準値に達するまでに前記ベントホールが全開状態となる位置に接続されていてもよい。ここで、前記テザーは、前記エアバッグの膨張展開完了状態において前記エアバッグの外殻を所定長さ内側に引き込んだ状態となる位置に接続されていることが好ましい。前記所定長さは、例えば、20mm以上又は10mm以上に設定される。また、前記開閉手段は、前記ベントカバーが前記ベントホールの内側に配置され、前記挿通路が前記エアバッグの内側に両端部及びその間の一部が縫合されたガイド部材により形成され、前記テザーが該ガイド部材の縫合部を避けて前記挿通路に通されているように構成してもよい。
前記開閉手段は、前記ベントホールを被覆可能なベントカバーと、該ベントカバーと前記エアバッグの内部に接続されたテザーと、前記エアバッグに形成された該テザーの挿通路と、から構成されており、前記ベントカバーは、前記エアバッグの潰れ量が前記基準値に達するまでに前記ベントホールが全開状態となる大きさに形成されていてもよい。また、前記ベントホールと前記ベントカバーの間に、前記エアバッグの外殻に接続された補助ベントカバーを設けるようにしてもよい。また、前記ベントカバーは、前記ベントホールよりも所定幅大きい形状であることが好ましく、前記所定幅は、例えば、10mm以上に設定される。また、前記ベントカバーは、前記ベントホールの全開状態における面積よりも約2.5倍以上の面積を有するように形成してもよい。
前記開閉手段は、前記ベントホールを外側から被覆可能なベントカバーと、該ベントカバーと前記エアバッグの内部に接続されたテザーと、前記エアバッグに形成された該テザーの挿通路と、前記ベントホールの縁部に縫合されたフラップ状又は筒状の弁と、から構成されており、前記弁は、前記エアバッグの潰れ量が前記基準値に達するまでに前記ベントホールが全開状態となる高さに形成されていてもよい。前記弁の高さは、例えば、20mm以上に設定される。
前記開閉手段は、前記ベントホールを被覆可能なベントカバーと、該ベントカバーと前記エアバッグの内部に接続されたテザーと、前記ベントホールの外側に形成されるとともに第二ベントホールを備えた第二室と、から構成されていてもよい。また、前記第二室を形成する外殻を前記ベントカバーとして利用するようにしてもよい。
また、本発明によれば、所定の条件でガスを発生させるガス発生器と、該ガス発生器に接続されて膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグを収容するリテーナと、を備えたエアバッグ装置において、前記エアバッグは、段落0008〜段落0014に記載されたエアバッグである、ことを特徴とするエアバッグ装置が提供される。また、前記ベントホールを前記エアバッグの外殻に替えて前記リテーナに形成するようにしてもよい。
更に、本発明のエアバッグ装置に使用されるガス発生器は、前記エアバッグが運転席用エアバッグである場合には、前記ガス発生器のガス発生量が1モル未満又は前記ガス発生器の出力が200kPa未満であることが好ましい。また、前記エアバッグが助手席用エアバッグである場合には、前記ガス発生器のガス発生量が3モル未満又は前記ガス発生器の出力が400kPa未満であることが好ましい。
また、前記ガス発生器のガス発生量が0.45〜0.55モルの場合に前記エアバッグの外周径が580〜607mm又は590〜603mmとなるようにしてもよいし、前記ガス発生器のガス発生量が0.6〜0.7モルの場合に前記エアバッグの外周径が590〜660mm又は600〜625mmとなるようにしてもよいし、前記ガス発生器のガス発生量が0.75〜0.85モルの場合に前記エアバッグの外周径が610〜675mm又は630〜655mmとなるようにしてもよいし、前記ガス発生器のガス発生量が0.85〜0.95モルの場合に前記エアバッグの外周径が650〜700mm又は660〜682mmとなるようにしてもよい。更に、前記エアバッグの外周径が600mm以下の場合に前記ガス発生器のガス発生量を0.45〜0.55モルとし、前記エアバッグの外周径が600〜615mmの場合に前記ガス発生器のガス発生量を0.6〜0.7モルとし、前記エアバッグの外周径が615〜655mmの場合に前記ガス発生器のガス発生量を0.75〜0.85モルとし、前記エアバッグの外周径が655mm以上の場合に前記ガス発生器のガス発生量を0.85〜0.95モルとしてもよい。また、(前記エアバッグの外周径)/(前記ガス発生器のガス発生量)により表現される係数αが、722より大きく1214以下又は733以上1206以下となるようにしてもよい。
上述した本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置は、エアバッグの衝撃吸収力がエアバッグの膨張展開完了後に乗員が接触しても急激に低下しないようにすることにより、衝撃吸収力の最大値Fmaxの値を低く設定しても乗員の衝撃を吸収できるようにしたものである。すなわち、エアバッグの潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホールを全開状態とするように構成したことにより、エアバッグの衝撃吸収力の低下を抑制することができ、衝撃吸収力の最大値Fmaxの値を低く設定することができる。したがって、本発明のエアバッグを採用すれば、エアバッグ装置に出力の小さいガス発生器を使用することができ、エアバッグ装置の小型化・低コスト化・軽量化等の要求に応えることができる。また、本発明は、従来のタイプIIIのエアバッグ装置と比較すれば、ベントホールを全開状態にするまでに要する時間Δtは限りなく小さくしなければならないという固定観念を打ち破り、Δtの時間を意図的に長くした発明と言うこともできる。
また、本発明の基準値をエアバッグの膨張展開完了状態から10%〜50%の範囲又は50mm〜150mmの範囲の値に設定することにより、初期の衝撃吸収力の低下を抑制しつつ、エアバッグのストロークが小さい部分においても衝撃吸収力を発揮させることができる。
また、ベントホールの略閉状態を解除する閾値を設けることにより、エアバッグに乗員が接触した初期段階の衝撃吸収力の低下を効果的に抑制することができる。この閾値を設けた発明は、ベントホールを略閉状態から全開状態にするまでに要する時間ではなく、膨張展開完了からベントホールを全開状態にするまでに要する時間Δtに着目したものである。また、閾値を基準値の半分の値、エアバッグの厚さ方向の潰れ量がエアバッグの膨張展開完了状態から5%〜25%の範囲又は25mm〜75mmの範囲の値に設定することにより、閾値を設けた効果を効果的に発揮させることができる。
また、開閉手段のテザーをエアバッグの潰れ量が基準値に達するまでにベントホールが全開状態となる位置に接続することにより、テザーの張力を利用してベントホールの開放を遅らせることができ、本発明のエアバッグの効果を容易に発揮させることができる。例えば、テザーをエアバッグの膨張展開完了状態においてエアバッグの外殻を所定長さ内側に引き込んだ状態とすることにより、本発明のエアバッグの効果を容易に発揮させることができる。また、所定長さを20mm以上に設定することにより、本発明のエアバッグの効果を効果的に発揮させることができる。更に、ベントカバーをベントホールの内側に配置し、挿通路をエアバッグの内側に両端部及び略中央部が縫合されたガイド部材により形成し、テザーをガイド部材の略中央部の縫合部を避けて挿通路に通すように構成することにより、ベントホールの内側にベントカバーが配置されたインナーカバータイプのエアバッグに対しても、本発明の効果を発揮するエアバッグを提供することができる。
また、開閉手段のベントカバーをエアバッグの潰れ量が基準値に達するまでにベントホールが全開状態となる大きさに形成することにより、ベントホールの開放を遅らせることができ、本発明のエアバッグの効果を容易に発揮させることができる。例えば、ベントカバーをベントホールよりも所定幅大きい形状とすることにより、本発明のエアバッグの効果を容易に発揮させることができる。また、所定幅を10mm以上に設定することにより、本発明のエアバッグの効果を効果的に発揮させることができる。また、ベントカバーの面積をベントホールの全開状態における面積よりも約2.5倍以上とすることによっても、ベントホールの開放を遅らせることができ、本発明のエアバッグの効果を容易に発揮させることができる。
また、ベントホールの外側にベントカバーが配置されたアウターカバータイプのエアバッグであって、ベントホールの内側に弁を有するエアバッグの場合には、弁の高さをエアバッグの潰れ量が基準値に達するまでにベントホールが全開状態となるように形成することにより、弁がベントホールの外側に排出されるまでの時間を遅らせることができ、ベントホールの開放を遅らせることができ、本発明のエアバッグの効果を容易に発揮させることができる。例えば、弁の高さを20mm以上に設定することにより、本発明のエアバッグの効果を効果的に発揮させることができる。
また、ベントホールの外側に第二室を形成することにより、第二室を含むエアバッグ全体からガスを外部に排気するタイミングを遅らせることができ、本発明のエアバッグの効果を容易に発揮させることができる。更に、第二室を形成する外殻をベントカバーとして代用することにより部品点数を少なくして軽量化を図ることができる。
上述した本発明のエアバッグ装置によれば、本発明のエアバッグを採用することにより、エアバッグ装置に出力の小さい又はガス発生量の少ないガス発生器を使用することができ、エアバッグ装置の小型化・低コスト化・軽量化等の要求に応えることができる。また、リテーナにベントホールと開閉手段を配置したエアバッグ装置の場合においても、同様に、エアバッグ装置に出力の小さい又はガス発生量の少ないガス発生器を使用することができ、エアバッグ装置の小型化・低コスト化・軽量化等の要求に応えることができる。特に、運転席用エアバッグの場合には、ガス発生量が1モル未満又は出力が200kPa未満のガス発生器を使用することが可能となり、助手席用エアバッグの場合には、ガス発生量が3モル未満又は出力が400kPa未満のガス発生器を使用することが可能となり、エアバッグ装置の小型化・低コスト化・軽量化等に効果的である。
また、ガス発生器のガス発生量に対してエアバッグの外周径を所定の範囲内に設定することにより、効果的にガス発生器及びエアバッグを小型化・低コスト化・軽量化することができる。また、エアバッグの外周径に合わせて頭部加速度が低くなるようにガス発生器のガス発生量を選択することにより、エアバッグの衝撃吸収力を向上させつつ効果的にガス発生器及びエアバッグを小型化・低コスト化・軽量化することができる。更に、エアバッグの外周径とガス発生器のガス発生量の組み合わせを設定する一指標として係数αを導入し、係数αが所定の範囲内となるように設定することにより、効果的にガス発生器及びエアバッグを小型化・低コスト化・軽量化することができる。
以下、本発明の実施形態について図1〜図14を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態におけるエアバッグ装置のベントホールの作用を説明する図であり、(A)はエアバッグの膨張展開時間とベントホール開度との関係を示し、(B)はエアバッグのストロークと衝撃吸収力との関係を示している。
図1(A)において、横軸は時間を示し、Teはエアバッグの膨張展開完了時間を示し、Tfはベントホールの全開完了時間を示している。また、縦軸はベントホールの開度を示し、100%はベントホールが全開状態であることを示している。図1(A)に示すように、本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置は、エアバッグの膨張展開完了時間Teからベントホールの全開完了時間Tfまでに要する時間Δtは、従来の時間よりも長くなるように設定されている。この時間Δtは、エアバッグの潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホールを全開状態とするように設定されている。なお、エアバッグの構造については、後述するが、本発明のエアバッグは、内部にガスが供給されて膨張展開するエアバッグであって、エアバッグの外殻に形成されたベントホールと、ベントホールの開閉を行う開閉手段と、を備えており、この開閉手段により時間Δtを調整するようにしている。従来のエアバッグ装置では、この時間Δtは限りなく小さくしなければならないという固定観念があったが、本発明ではこの時間Δtを意図的に長く設定している。
図1(B)において、横軸はエアバッグのストローク(厚み方向の長さ)を示し、Seはエアバッグの膨張展開完了状態を示し、Smはエアバッグの50%厚みの状態を示している。また、縦軸はエアバッグの衝撃吸収力を示している。ここで、本発明のエアバッグ装置のグラフを実線で示し、従来のエアバッグ装置のグラフを比較のために破線で示してある。本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置では、ベントホールをエアバッグの潰れ量が所定の基準値に達するまでに全開状態とするように設定し、時間Δtを従来よりも長く設定したことにより、図1(B)に示したように、エアバッグの衝撃吸収力の低下を緩やかにすることができる。したがって、エアバッグの50%厚みのストロークSm近傍及びそれ以降の衝撃吸収力を従来よりも向上させることできる。その結果、エアバッグの膨張展開完了状態のストロークSe近傍における衝撃吸収力を低減することができ、最大値Fmaxも従来よりも低い値に設定することができる。すなわち、エアバッグに供給されるガスの圧力損失を効率よく低減することができ、エアバッグ装置のガス発生器の出力を従来よりも小さくすることができ、エアバッグ装置の小型化・低コスト化・軽量化等を実現することができる。
図2は、基準値の設定範囲の説明図であり、(A)は運転席用エアバッグ、(B)助手席用エアバッグの場合を示している。なお、図2(A)及び(B)において、行はエアバッグの厚さ(mm)を示し、列はエアバッグの潰れ量(mm)を示し、各セルはエアバッグの厚さに対するエアバッグの潰れ量の割合(%)を示している。
運転席用エアバッグの厚さは、200mm〜350mmの範囲に設計されることが多いため、図2(A)では、一例として、200mm、250mm、300mm、350mmの場合を図示している。また、エアバッグの潰れ量は、25mm間隔で25mm〜175mmの範囲で図示した。図2(A)に示すように、各エアバッグの厚さに対する各エアバッグの潰れ量の割合(%)は、7%〜88%の範囲で表示される。ここで、本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置では、基準値が10%〜50%の範囲となるように設定される。基準値が10%よりも小さい場合には、圧力損失の低減効果が少ないため、十分なガス発生器の小型化を期待できない。ただし、本発明は、基準値が10%未満のものを排除するものではなく、少なからずガス発生器の小型化を達成することができる点で従来のエアバッグ及びエアバッグ装置よりも優れている。また、基準値が50%を超えると、乗員が接触することによりエアバッグの内圧が高くなり、乗員にかかる負荷が高くなってしまい、衝撃吸収力を効果的に発揮できないことが想定される。ただし、本発明は、基準値が50%を超えるものを排除するものではなく、エアバッグの形状や材質等の他の条件により衝撃吸収力を十分に担保できる場合には、基準値を50%よりも大きい値に設定してもよいことは勿論である。
また、前記基準値は、エアバッグの厚さに対するエアバッグの潰れ量の割合(%)だけでなく、エアバッグの潰れ量(mm)だけで設定することもできる。この場合、エアバッグのサイズに関係なく基準値を設定することができ、設計を簡略化することができる。この場合、前述したエアバッグの厚さに対するエアバッグの潰れ量の割合(%)のうち、200mm〜350mmの全てのエアバッグに共通するエアバッグの潰れ量(mm)を選択することが好ましく、ここでは50mm〜100mmの範囲内で設定される。
また、助手席用エアバッグの厚さは、300mm〜600mmの範囲に設計されることが多いため、図2(B)では、一例として、300mm、350mm、400mm、450mm、500mm、550mm、600mmの場合を図示している。また、エアバッグの潰れ量は、25mm間隔で25mm〜300mmの範囲で図示した。図2(B)に示すように、各エアバッグの厚さに対する各エアバッグの潰れ量の割合(%)は、4%〜100%の範囲で表示される。ここで、本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置では、運転席用エアバッグの場合と同様に、基準値が10%〜50%の範囲となるように設定される。また、前記基準値をエアバッグの潰れ量(mm)で設定した場合には、運転席用エアバッグの場合と同様にして、75mm〜150mmの範囲内で設定される。
次に、本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置の第二実施形態について説明する。ここで、図3は、本発明の第二実施形態におけるエアバッグ装置のベントホールの作用を説明する図であり、(A)はエアバッグの膨張展開時間とベントホール開度との関係を示し、(B)はエアバッグのストロークと衝撃吸収力との関係を示している。
図3(A)において、横軸は時間を示し、Teはエアバッグの膨張展開完了時間を示し、Tfはベントホールの全開完了時間を示し、Tsはベントホールの開放開始時間を示している。また、縦軸はベントホールの開度を示し、100%はベントホールが全開状態であることを示している。図3(A)に示すように、本発明の第二実施形態におけるエアバッグ及びエアバッグ装置は、エアバッグの膨張展開完了時間Teからベントホールの全開完了時間Tfまでに要する時間Δtは、従来の時間よりも長くなるように設定されており、更に、ベントホールの開放開始時間Tsをエアバッグの膨張展開完了時間Teよりも遅らせている。上述した第一実施形態では、ベントホールの開放開始時間Ts=エアバッグの膨張展開完了時間Teであったが、この第二実施形態では意図的にベントホールの開放開始時間Tsを遅らせている。したがって、ベントホールの開放開始時間Tsからベントホールの全開完了時間Tfまでに要する時間は従来のベントホールの開閉手段と同じであっても、エアバッグの膨張展開完了時間Teからベントホールの全開完了時間Tfまでに要する時間Δtを長く設定することができ、エアバッグの潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホールを全開状態とするように容易に設定することができる。すなわち、本発明の第二実施形態では、従来のベントホールの開閉手段の始動を遅らせるだけで本発明の効果を得ることができるため、種々の開閉手段に容易に対応することができる。なお、第二実施形態における開閉手段は、エアバッグの潰れ量が基準値よりも小さい値の閾値に達するまではベントホールを略閉状態とするように構成されている。
図3(B)において、横軸はエアバッグのストローク(厚み方向の長さ)を示し、Seはエアバッグの膨張展開完了状態を示し、Smはエアバッグの50%厚みの状態を示している。また、縦軸はエアバッグの衝撃吸収力を示している。ここで、本発明の第二実施形態におけるエアバッグ装置のグラフを実線で示し、従来のエアバッグ装置のグラフを比較のために破線で示してある。本発明の第二実施形態におけるエアバッグ及びエアバッグ装置では、ベントホールをエアバッグの潰れ量が所定の基準値に達するまでに全開状態とするように設定し、時間Δtを従来よりも長く設定したことにより、図3(B)に示したように、エアバッグの衝撃吸収力の低下を緩やかにすることができる。したがって、エアバッグの50%厚みのストロークSm近傍及びそれ以降の衝撃吸収力を従来よりも向上させることできる。その結果、エアバッグの膨張展開完了状態のストロークSe近傍における衝撃吸収力を低減することができ、最大値Fmaxも従来よりも低い値に設定することができる。更に、本発明の第二実施形態では、ベントホールの開放開始時間Tsをエアバッグの膨張展開完了時間Teよりも遅らせたことにより、衝撃吸収力の最大値Fmaxに近い値を長く維持することができ、上述した第一実施形態の場合よりも衝撃吸収力の最大値Fmaxをより低く設定することができる。すなわち、エアバッグに供給されるガスの圧力損失を効率よく低減することができ、エアバッグ装置のガス発生器の出力を更に小さいものに変更することができ、エアバッグ装置の小型化・低コスト化・軽量化等を実現することができる。
図4は、閾値の設定範囲の説明図であり、(A)は運転席用エアバッグ、(B)助手席用エアバッグの場合を示している。なお、図4(A)及び(B)において、行はエアバッグの厚さ(mm)を示し、列はエアバッグの潰れ量(mm)を示し、各セルはエアバッグの厚さに対するエアバッグの潰れ量の割合(%)を示している。なお、基準値の設定範囲は、図2に示した第一実施形態の場合と同じであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図4(A)において、運転席用エアバッグの厚さは、図2(A)と同様に、50mm間隔で200mm〜350mmの範囲で図示した。一方、エアバッグの潰れ量は、12.5mm間隔で12.5mm〜87.5mmの範囲で図示した。図4(A)に示すように、各エアバッグの厚さに対する各エアバッグの潰れ量の割合(%)は、4%〜44%の範囲で表示される。ここで、本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置では、閾値が5%〜25%の範囲となるように設定される。閾値が5%よりも小さい場合には、衝撃吸収力の最大値Fmaxに近い値を維持できる時間が短くなってしまうため、従来のベントホールの開閉手段のように直ちに全開状態になってしまう開閉手段を使用したエアバッグ装置の場合には本発明の効果が薄くなってしまう。なお、本発明の第一実施形態のエアバッグ及びエアバッグ装置で使用するベントホールの開閉手段の場合には、閾値が5%であっても十分な時間Δtを担保できるため、閾値を5%未満に設定してもよいことは勿論である。また、閾値が25%を超えると、乗員が接触することによりエアバッグの内圧が高くなり、乗員にかかる負荷が高くなってしまい、衝撃吸収力を効果的に発揮できないことが想定される。ただし、本発明は、閾値が25%を超えるものを排除するものではなく、エアバッグの形状や材質等の他の条件により衝撃吸収力を十分に担保できる場合には、閾値を25%よりも大きい値に設定してもよいことは勿論である。なお、閾値は、基準値よりも小さい値にしなければならない。
また、前記閾値は、エアバッグの厚さに対するエアバッグの潰れ量の割合(%)だけでなく、エアバッグの潰れ量(mm)だけで設定することもできる。この場合、エアバッグのサイズに関係なく基準値を設定することができ、設計を簡略化することができる。この場合、前述したエアバッグの厚さに対するエアバッグの潰れ量の割合(%)のうち、200mm〜350mmの全てのエアバッグに共通するエアバッグの潰れ量(mm)を選択することが好ましく、ここでは25mm〜50mmの範囲内で設定される。また、閾値の設定に際し、基準値を超えない範囲で任意に設定することができるが、基準値の半分に設定するようにしてもよい。この場合、基準値を設定するだけで容易に閾値を設定することができ、設計を簡略化することができる。
図4(B)において、助手席用エアバッグの厚さは、図2(B)と同様に、50mm間隔で300mm〜600mmの範囲で図示した。一方、エアバッグの潰れ量は、12.5mm間隔で12.5mm〜150mmの範囲で図示した。図4(B)に示すように、各エアバッグの厚さに対する各エアバッグの潰れ量の割合(%)は、2%〜50%の範囲で表示される。ここで、本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置では、運転席用エアバッグの場合と同様に、閾値が5%〜25%の範囲となるように設定される。また、前記閾値をエアバッグの潰れ量(mm)で設定した場合には、運転席用エアバッグの場合と同様にして、37.5mm〜75mmの範囲内で設定される。更に、閾値は、基準値の半分となるように設定してもよい。
続いて、本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置の構造について説明する。ここで、図5は、アウターカバータイプのエアバッグ及びエアバッグ装置の構造を示す図であり、(A)は全体概略図、(B)はベントカバーの拡大図、(C)は弁を備えた開閉手段の拡大図である。
図5(A)に示すように、本発明のエアバッグ装置は、所定の条件でガスを発生させるインフレータ(ガス発生器)1と、インフレータ1に接続されて膨張展開されるエアバッグ2と、エアバッグ2を収容するリテーナ(図示せず)と、を有し、前記エアバッグ2は、エアバッグ2の外殻に形成されたベントホール3と、ベントホール3の開閉を行う開閉手段4と、を備え、前記開閉手段4は、エアバッグ2の膨張展開が完了するまではベントホール3を略閉状態とし、エアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール3を全開状態とするように構成されている。
前記インフレータ1は、略円柱形状をなし、エアバッグ2に内包された先端部の側周面にガス噴出口が形成されているとともに、図示しないリテーナに収容・固定されている。また、インフレータ1は、図示しないECU(電子制御ユニット)に接続されており、加速度センサ等の計測値に基づいて制御されている。ECUが車両の衝突や急減速を感知又は予測すると、インフレータ1はECUからの点火電流により点火され、インフレータ1内部に格納された薬剤を燃焼させてガスを発生させ、エアバッグ2にガスを供給する。本発明のエアバッグ装置に使用されるインフレータ1は従来のエアバッグ装置に使用されるものと同じものを使用することもできるが、エアバッグ2の開閉手段4を改良したことにより、従来よりも出力の小さい又はガス発生量の少ないインフレータ1を採用することができる。例えば、従来の主な運転席用エアバッグのインフレータは、出力:200kPa、ガス発生量:1.0モル、重量:390gの仕様であったが、本発明では、出力:190kPa、ガス発生量:0.8モル、重量:310gの仕様のインフレータ1を採用することができる。また、従来の主な助手席用エアバッグのインフレータは、出力:480kPa、ガス発生量:3.2モル、重量:850gの仕様であったが、本発明では、出力:380kPa、ガス発生量:2.8モル、重量:615gの仕様のインフレータ1を採用することができる。なお、かかる仕様は単なる例示であり、本発明のインフレータ1は前記仕様に限定されるものではない。例えば、助手席用エアバッグのインフレータ1のガス発生量を2.3〜2.8モルの範囲で調整するようにしてもよい。
前記エアバッグ2は、インフレータ1に接続されるリアパネル2aと、乗員側に配置されるフロントパネル2bと、から構成されている。リアパネル2a及びフロントパネル2bは、それぞれ略円板形状をなしており、これらの周縁部が内側から縫合されている。したがって、リアパネル2a及びフロントパネル2bが、エアバッグ2の内圧保持要素である外殻を形成している。前記ベントホール3は、リアパネル2aに形成されているのが一般的である。また、エアバッグ2の内部には、エアバッグ2の形状を整形するテザー2cが設けられていることが多い。なお、テザー2cに替えて、エアバッグ2内を複数の連通した部屋に区切るインナーパネルを配設するようにしてもよい。
前記開閉手段4は、ベントホール3を外側から被覆可能なベントカバー4aと、ベントカバー4aとエアバッグ2の内部に接続されたテザー4bと、エアバッグ2に形成されたテザー4bの挿通路4cと、から構成されており、テザー4bは、エアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール3が全開状態となる位置に接続されている。なお、図5(A)では、テザー4bは、テザー2c(又はインナーパネル)に接続されている場合について図示したが、図7(A)に示すように、エアバッグ2の内面(例えば、フロントパネル2bの内側)に接続されていてもよい。
前記テザー4bは、図5(A)に示すように、エアバッグ2の膨張展開完了状態においてエアバッグ2の外殻を所定長さΔLだけ内側に引き込んだ状態となる位置に接続されている。所定長さΔLは、例えば、10mm以上又は20mm以上に設定され、好ましくは30mm前後に設定される。このように、テザー4bを接続することによって、テザー4bの張力によりベントカバー4aをベントホール3に押し付けることができ、エアバッグ2の膨張展開完了時間Te又はベントホールの開放開始時間Tsまでベントホール3を略閉状態に維持することができる。なお、本発明において「略閉状態」とは、ベントホール3を完全に密封した状態のみを意味するものではなく、多少のガス漏れが生じ得ることを前提としつつ、ベントホール3を閉じようとしている状態及びベントホール開度を意図的に数%程度に抑えた小開度状態をも含む意味である。また、テザー4bの長さ、接続位置、所定長さΔL等の条件は、エアバッグ2の厚さや基準値・閾値の大きさによって種々変更されるものであり、コンピュータを用いて分析的・解析的に求めるようにしてもよいし、経験的又は実験的に求めるようにしてもよい。
前記ベントカバー4aは、図5(B)に示すように、ベントホール3よりも大きな形状に形成されたカバー部41と、カバー部41とテザー4bとを接続する連結部42とから構成されている。カバー部41の連結部42と反対側の端部は、エアバッグ2の外殻(ここでは、リアパネル2aの表面)に縫合されて固定されている。また、カバー部41は、ここでは略三角形状のものを図示したが、これに限定されるものではなく、長方形、正方形、円形等の任意の形状を選択することができる。連結部42は、ベントカバー4aをエアバッグ2内に引き込み過ぎないようにするストッパーとしての機能を果たしている。したがって、挿通路4cの径よりも大きな幅を有していることが好ましい。この連結部42にテザー4bの端部が縫合されている。
上述したテザー4bの設計だけでエアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール3を全開状態にできる場合には、ベントカバー4aの構造は従来のものと同様に設計するようにしてもよいが、テザー4bの設計に替えて又は加えて、ベントカバー4aのカバー部41を、エアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール3が全開状態となる大きさに形成するようにしてもよい。具体的には、ベントカバー4aのカバー部41は、ベントホール3よりも所定幅Δrだけ大きい形状に設計される。所定幅Δrは、例えば、10mm以上に設定され、好ましくは20mm前後に設定される。また、ベントカバー4aのカバー部41の大きさは、面積比によっても特定することができる。例えば、カバー部41の面積は、ベントホール3の全開状態における面積よりも約2.5倍以上の大きさとなるように設計される。このようにベントカバー4aのカバー部41を所定の大きさ以上の形状とすることにより、カバー部41とエアバッグ2の表面との間に生じる負圧を利用してベントホール3を全開状態にする時間を遅らせることができる。また、所定幅Δrや面積比の値は、ベントホール3の大きさや基準値・閾値の大きさによって種々変更されるものであり、コンピュータを用いて分析的・解析的に求めるようにしてもよいし、経験的又は実験的に求めるようにしてもよい。
また、開閉手段4は、図5(C)に示すように、ベントホール3の縁部に縫合された筒状の弁(ノズル4d)を備えていてもよい。上述したように、エアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール3が全開状態とするには、テザー4bの接続位置やベントカバー4aの形状により調整することができるが、ノズル4dを有する開閉手段4の場合には、ノズル4dの高さDを調整することによっても、エアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール3を全開状態にすることができる。すなわち、ノズル4dの高さDが十分にある場合には、ノズル4dがエアバッグ2の圧力によりベントホール3から外部に放出されるまでの時間を遅らせることができる。高さDは、例えば、20mm以上に設定され、好ましくは30mm前後に設定される。また、高さDの値は、ベントホール3の大きさや基準値・閾値の大きさによって種々変更されるものであり、コンピュータを用いて分析的・解析的に求めるようにしてもよいし、経験的又は実験的に求めるようにしてもよい。更に、ノズル4dを折り畳んだ状態で縫合したり、ノズル4dの折り畳み方を工夫したりすることによって、ノズル4dの展開の始動を遅らせることもできる。なお、ノズル4dに替えて、フラップ状(例えば、ノズル4dを周方向に複数に分割したような形状)に形成された弁を採用してもよい。
図6は、インナーカバータイプのエアバッグ及びエアバッグ装置の構造を示す図であり、(A)は全体概略図、(B)はベントカバーの拡大図である。
図6(A)に示すように、本発明のエアバッグ装置は、所定の条件でガスを発生させるインフレータ(ガス発生器)1と、インフレータ1に接続されて膨張展開されるエアバッグ2と、エアバッグ2を収容するリテーナ(図示せず)と、を有し、前記エアバッグ2は、エアバッグ2の外殻に形成されたベントホール3と、ベントホール3の開閉を行う開閉手段5と、を備え、前記開閉手段5は、エアバッグ2の膨張展開が完了するまではベントホール3を略閉状態とし、エアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール3を全開状態とするように構成されている。なお、インフレータ1、エアバッグ2、ベントホール3については、図5に示したアウターカバータイプのものと同じであるため、ここでは重複した説明を省略する。
前記開閉手段5は、ベントホール3を内側から被覆可能なベントカバー5aと、ベントカバー5aとエアバッグ2の内部に接続されたテザー5bと、エアバッグ2内に形成されたテザー5bの挿通路5cと、から構成されており、テザー5bは、エアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール3が全開状態となる位置に接続されている。なお、図6(A)では、テザー5bは、テザー2c(又はインナーパネル)に接続されている場合について図示したが、図7(B)に示すように、エアバッグ2の内面(例えば、フロントパネル2bの内側)に接続されていてもよい。
前記挿通路5cは、図6(B)に示すように、板状のガイド部材51の両端部51a,51aをエアバッグ2の内側から縫合することによって形成された空間である。また、本発明では、更に、ガイド部材51の略中央部51bもエアバッグ2の内側から縫合されている。一方、テザー5bには切欠部52が形成されており、この切欠部52にガイド部材51の略中央部51bの縫合部が配置されるようになっている。したがって、テザー5bはガイド部材51の略中央部51bの縫合部を避けて挿通路5cに通されていることとなる。かかる構造によれば、テザー5bがエアバッグ2の内側方向に引っ張られたとしても、切欠部52がガイド部材51の略中央部51bの縫合部に係止することによってテザー5bの移動を停止させることができる。よって、アウターカバータイプの場合と同様に、テザー5bをエアバッグ2の膨張展開完了状態においてエアバッグ2の外殻を所定長さΔLだけ内側に引き込んだ状態となる位置に接続することができる。なお、切欠部52は、図示したように、テザー5bに部分的に形成されていてもよいし、エアバッグ2側に接続される端部まで切り欠かれていてもよい。また、アウターカバータイプの場合と同様に、ベントカバー5aの大きさ(所定幅Δr又は面積比)を調整することによっても、エアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール3を全開状態にすることができる。
次に、図5及び図6に示した実施形態の変形例について説明する。ここで、図7は、図5及び図6に示した実施形態の第一変形例であり、(A)はアウターカバータイプ、(B)はインナーカバータイプを示している。また、図8は、図5に示した実施形態の第二変形例であり、(A)は構成図、(B)〜(D)は作用図である。なお、各図において、上述した実施形態と同じ構成部品には同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図7(A)に示した第一変形例は、図5(A)に示したアウターカバータイプのエアバッグ及びエアバッグ装置において、テザー4bをエアバッグ2の内面(例えば、フロントパネル2bの内側)に接続したものである。また、図7(B)に示した第一変形例は、図6(A)に示したインナーカバータイプのエアバッグ及びエアバッグ装置において、テザー5bをエアバッグ2の内面(例えば、フロントパネル2bの内側)に接続したものである。ここでは、テザー4b,5bは、フロントパネル2bの内面において乗員保護面と対向する位置に接続されているが、エアバッグ2の内面であればどの箇所に接続してもよい。例えば、テザー4b,5bは、リアパネル2aの内面に接続してもよいし、リアパネル2aとフロントパネル2bの縫合部に接続してもよい。このように、テザー4b,5bをエアバッグ2の内面に接続することによって、テザー4b,5bの張力によりベントカバー4a,5aをベントホール3に押し付けることができ、エアバッグ2の膨張展開完了時間Te又はベントホールの開放開始時間Tsまでベントホール3を略閉状態に維持することができる。また、図7(A)及び(B)に示す第一変形例では、テザー4b,5bがエアバッグ2を内部に引き込む部分が乗員保護面側となるように図示しているが、これはテザー4b,5bの接続位置やエアバッグ2内の圧力等の条件により変化するものである。したがって、テザー4b,5bがエアバッグ2を内部に引き込む部分は、図5(A)及び図6(A)に示したようにベントホール3側であってもよいし、テザー4b,5bの両側であってもよい。
図8(A)に示した第二変形例は、ベントホール3とベントカバー4aの間に、エアバッグ2の外殻に接続された補助ベントカバー43を配置したものである。具体的には、補助ベントカバー43は、ベントホール3を被覆可能なカバー部43aと、ベントカバー4aのカバー部41により被覆されたリアパネル2aの表面に縫合された固定端部43bと、固定されていない自由端部43cと、を有する。カバー部43aは、例えば、図示したような略扇形に形成されるが、かかる形状に限定されるものではなく、ベントホール3を被覆可能な大きさを有していればよい。また、固定端部43bは、ベントカバー4aの接合部41aとは反対側(すなわち、連結部42側)に配置される。したがって、ベントホール3は、図示したように、ベントカバー4a及び補助ベントカバーのカバー部41,43aにより、両側から折り重ねられるようにして二重に被覆される。
次に、上述した第二変形例の作用について説明する。図8(B)は、ベントホール3がベントカバー4a及び補助ベントカバー43により被覆された通常状態を示している。そして、図8(C)に示すように、エアバッグ2の膨張展開が完了してテザー4bが緩み始めた場合、ベントカバー4aはベントホール3から徐々に離れることになるが、補助ベントカバー43のカバー部43aの自由端部43cは、ベントカバー4aにより押さえられているため、ベントホール3は全開状態にはならず略閉状態を維持することができる。更に、図8(D)に示すように、テザー4bが緩んで補助ベントカバー43のカバー部43aの自由端部43cがベントカバー4aから解放されるとベントホール3は全開状態となる。したがって、補助ベントカバー43を配置することにより、ベントホール3を全開状態にするまでの時間を遅らせることができる。なお、ここではアウターカバータイプの場合を例に説明したが、図6(A)に示したインナーカバータイプのエアバッグ及びエアバッグ装置に上述した第二変形例を適用してもよい。
図9は、エアバッグ2の外側に第二室を形成したエアバッグ及びエアバッグ装置の全体概略図であり、(A)はリアパネル2aの全面に第二室を形成した場合、(B)はリアパネル2aの一部に第二室を形成した場合を示している。
図9(A)に示すエアバッグ装置は、所定の条件でガスを発生させるインフレータ(ガス発生器)1と、インフレータ1に接続されて膨張展開されるエアバッグ2と、エアバッグ2を収容するリテーナ(図示せず)と、を有し、前記エアバッグ2は、エアバッグ2の外殻に形成されたベントホール3と、ベントホール3の開閉を行う開閉手段6と、を備え、前記開閉手段6は、ベントホール3を被覆可能なベントカバー6aと、ベントカバー6aとエアバッグ2の内部に接続されたテザー6bと、ベントホール3の外側に形成されるとともに第二ベントホール61を備えた第二室6cと、から構成されている。このように、第二室6cを形成することによって、ベントホール3から排気されたガスは一旦第二室6c内に滞留し、一時的にエアバッグ2の内圧を維持することができ、第二室6cを含むエアバッグ2全体からガスが排気されるタイミングを遅らせることができる。したがって、この開閉手段6によっても、エアバッグ2の膨張展開が完了するまではベントホール3を略閉状態とし、エアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール3を全開状態とした場合と同等の効果を発揮させることができる。また、第二室6cの容量や折り畳み方や縫合部の増加等によって閾値の設定にも容易に対応することができる。なお、インフレータ1、エアバッグ2、ベントホール3については、図5に示したアウターカバータイプのものと同じであるため、ここでは重複した説明を省略する。
図9(A)に示すエアバッグ装置では、リアパネル2aの外側に略円板形状のアウターパネル62が配設されており、リアパネル2a及びフロントパネル2bの縫合部に挟まれるようにして縫合され固定されている。したがって、リアパネル2aとアウターパネル62との間に第二室6cが形成されることとなる。また、アウターパネル62には、第二室6cに流入したガスを排気するための第二ベントホール61が形成されている。アウターパネル62の大きさ(第二室6cの容量)や第二ベントホール61の大きさ・個数・位置等の条件は、エアバッグ2の大きさ、ベントホール3の大きさ、基準値・閾値の大きさ等によって種々変更されるものであり、コンピュータを用いて分析的・解析的に求めるようにしてもよいし、経験的又は実験的に求めるようにしてもよい。
また、図9(A)に示したように、ベントカバー6aは、ベントホール3の外側に排気流路を形成するように縫合されており、ベントカバー6aにベントホール3を通過させてテザー6bが接続されている。ここでは、ベントカバー6aやテザー6bについて、エアバッグ2の膨張展開が完了するまではベントホール3を略閉状態とし、エアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール3を全開状態とするように設計する必要がないため、図示したような簡素な構造のものを採用することができる。勿論、図9(A)のベントカバー6aやテザー6bに替えて、図5〜図8に示した構造のものを採用するようにしてもよい。また、ベントカバー6aに替えて、アウターパネル62にテザー6bを直接接合するようにして、アウターパネル62にベントカバー6aの機能を持たせてもよい。この場合には、エアバッグ2の部品点数を少なくすることができ、エアバッグ2の軽量化を図ることができる。
図9(B)に示すエアバッグ装置は、所定の条件でガスを発生させるインフレータ(ガス発生器)1と、インフレータ1に接続されて膨張展開されるエアバッグ2と、エアバッグ2を収容するリテーナ(図示せず)と、を有し、前記エアバッグ2は、エアバッグ2の外殻に形成されたベントホール3と、ベントホール3の開閉を行う開閉手段7と、を備え、前記開閉手段7は、ベントホール3の外側に形成されるとともに第二ベントホール71を備えた第二室7aと、第二室7aを形成するアウターパネル72とエアバッグ2の内部に接続されたテザー7bと、から構成されている。かかる構成によっても、図9(A)のエアバッグ装置と同様の効果を発揮させることができる。なお、インフレータ1、エアバッグ2、ベントホール3については、図5に示したアウターカバータイプのものと同じであるため、ここでは重複した説明を省略する。
図9(B)に示すエアバッグ装置では、リアパネル2aの外側に部分的にアウターパネル72が配設されており、アウターパネル72の外周がリアパネル2aに縫合され固定されている。したがって、リアパネル2aとアウターパネル72との間に第二室7aが形成されることとなる。また、アウターパネル72には、第二室7aに流入したガスを排気するための第二ベントホール71が形成されている。アウターパネル72の大きさ(第二室7aの容量)や第二ベントホール71の大きさ・個数・位置等の条件は、エアバッグ2の大きさ、ベントホール3の大きさ、基準値・閾値の大きさ等によって種々変更されるものであり、コンピュータを用いて分析的・解析的に求めるようにしてもよいし、経験的又は実験的に求めるようにしてもよい。
また、図9(B)に示したように、テザー7bは、ベントホール3を通過してアウターパネル72に直接接合されており、アウターパネル72でベントカバーを代用している。したがって、エアバッグ2の部品点数を少なくすることができ、エアバッグ2の軽量化を図ることができる。勿論、必要に応じて、図9(A)及び図5〜図8に示したようなベントカバーを配置するようにしてもよい。
以上、エアバッグ2にベントホール3を形成した場合について説明したが、本発明はリテーナにベントホールを形成した場合にも適用することができる。ここで、図10は、リテーナにベントホールを形成した実施形態を示し、(A)は略閉状態、(B)は全開状態である。なお、各図において、上述した実施形態と同じ構成部品には同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図10(A)及び(B)に示したエアバッグ装置は、所定の条件でガスを発生させるインフレータ1と、インフレータ1に接続されて膨張展開されるエアバッグ2と、エアバッグ2を収容するリテーナ8と、を備えたエアバッグ装置であって、リテーナ8に形成されたベントホール81と、ベントホール81の開閉を行う開閉手段9と、を備え、開閉手段9は、エアバッグ2の膨張展開が完了するまではベントホール81を略閉状態とし、エアバッグ2の潰れ量が所定の基準値に達するまでにベントホール81を全開状態とするように構成されている。
前記リテーナ8は、エアバッグ2を収容かつ膨張展開可能なカバー部材10にフック82により係止されている。また、リテーナ8は、インフレータ1のフランジ部1aをボルト・ナット等の固定部材11により把持して固定している。更に、リテーナ8は、外側に向かって延設された筒状部を有する。この筒状部は、エアバッグ2に形成された開口部2dによりエアバッグ2の内部と連通するように構成されている。また、前記開閉手段9は、筒状部内に摺動可能に配置された蓋部材9a、蓋部材9aとエアバッグ2の内面とを連結するテザー9bと、を有する。図10(A)に示すように、筒状部内に配置された蓋部材9aは、固定部材11によりリテーナ8の内側に固定される留め板部材12により、エアバッグ2内に引き込まれないように構成されている。すなわち、留め板部材12は、蓋部材9aよりも小さい径を有する開口部を有し、この開口部と筒状部及びエアバッグ2の開口部とを略一致させた状態で固定部材11によりリテーナ8に固定されており、蓋部材9aのストッパーとして機能する。テザー9bは、図5(A)や図6(A)に示したテザー4b,5bと同様の条件により設定される。そして、例えば、図10(B)に示すように、乗員Dがエアバッグ2に衝突するとテザー9bが緩み、蓋部材9aはエアバッグ2の内圧により筒状部内を外側に向かって摺動する。更にテザー9bが緩み、テザー9bが筒状部の長さHよりも大きく緩むと蓋部材9aは筒状部から外側に排出され、ベントホール81が全開状態となる。したがって、筒状部の長さHを調整することにより、ベントホール81を全開状態にするタイミングをエアバッグの種類や大きさ等に合わせて調整することができる。
最後に、インフレータ1のガス発生量(モル)とエアバッグ2の外周径(mm)との関係について説明する。ここで、図11は、頭部加速度(m/s)とエアバッグの外周径(mm)との関係を示す図であり、(A)はガス発生量が0.5モルの場合、(B)はガス発生量が0.65モルの場合を示している。また、図12は、頭部加速度(m/s)とエアバッグの外周径(mm)との関係を示す図であり、(A)はガス発生量が0.8モルの場合、(B)はガス発生量が0.9モルの場合を示している。各図において、エアバッグ2の外周径とは、リアパネル2aとフロントパネル2bとを縫合した状態で平面上に展開したときのエアバッグ2の中心から外縁までの距離(円形状の場合であれば半径に相当する)を意味する。また、縦軸は頭部加速度(m/s)、横軸はエアバッグ2の外周径(mm)を示している。なお、頭部加速度とは、エアバッグ2に乗員が衝突した際に生じる頭部の加速度を意味する。
インフレータ1のガス発生量が一定の場合に、エアバッグ2の外周径を大きくすると、それにしたがってエアバッグ2の容量が大きくなるため、エアバッグ2の内圧が低下することとなる。したがって、従来のエアバッグにおいては、インフレータのガス発生量が一定の場合、外周径が大きくなるにつれて頭部加速度も大きくなる傾向にある。一方、上述した本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置によれば、エアバッグ2の衝撃吸収力がエアバッグ2の膨張展開完了後に乗員が接触しても急激に低下しないようにしたことにより、衝撃吸収力の最大値Fmaxの値を低く設定しても乗員の衝撃を吸収することができ、その結果、エアバッグ装置に出力の小さい又はガス発生量の少ないインフレータを使用することができる。更に、エアバッグ2の外周径も小さくすることができれば、エアバッグ装置をより小型化・低コスト化・軽量化することができる。そこで、従来のインフレータのガス発生量が0.9〜1.0モル程度であることに鑑み、図5(A)に示した本発明のエアバッグ2を使用したエアバッグ装置を用いて、インフレータ1のガス発生量が0.5モル、0.65モル、0.8モル、0.9モルの場合のシミュレーションを行い、頭部加速度と外周径の関係について考察した。
図11(A)に示すように、インフレータ1のガス発生量が0.5モルの場合、エアバッグ2の外周径が590〜603mmの範囲(図の一点鎖線で挟まれた範囲)で頭部加速度の落ち込みが見られた。また、603mm以上の外周径では610mmまでの間に急激に頭部加速度が上昇し、その後は略一定の状態となった。一般に、頭部加速度は低い数値であればあるほど好ましいが、従来のエアバッグでは、例えば、600m/s以下であることが一つの基準とされることがある。この観点からすれば、本発明のエアバッグ装置は、エアバッグ2の外周径が580〜650mmの範囲において従来の基準を満たしている。しかしながら、頭部加速度は低い数値であればあるほど好ましいため、本発明においては従来よりも厳しい条件である「頭部加速度が560m/s以下であること」を一つの基準として考えることとする。したがって、図11(A)に示したインフレータ1のガス発生量が0.5モルの場合には、エアバッグ2の外周径は約607mm以下(図の網掛けした範囲)に設定することが好ましい。更に好ましくは、エアバッグ2の外周径は、頭部加速度の効果的な落ち込みが見られる範囲、すなわち、590〜603mmの範囲に設定するとよい。なお、上述した本発明の基準(頭部加速度:560m/s)は単なる一例であり、600m/sよりも小さい数値であればよい。
図11(B)に示すように、インフレータ1のガス発生量が0.65モルの場合、エアバッグ2の外周径が600〜625mmの範囲(図の一点鎖線で挟まれた範囲)で頭部加速度の落ち込みが見られた。また、625mm以上の外周径では頭部加速度が上昇する結果となった。また、エアバッグ2の外周径が590〜660mmの範囲で頭部加速度は600m/s以下であった。ここで、「頭部加速度が560m/s以下であること」を一つの指標として考慮すれば、インフレータ1のガス発生量が0.65モルの場合には、エアバッグ2の外周径は約660mm以下(図の網掛けした範囲)に設定することが好ましい。更に好ましくは、エアバッグ2の外周径は、頭部加速度の効果的な落ち込みが見られる範囲、すなわち、600〜625mmの範囲に設定するとよい。
図12(A)に示すように、インフレータ1のガス発生量が0.8モルの場合、エアバッグ2の外周径が630〜655mmの範囲(図の一点鎖線で挟まれた範囲)で頭部加速度の落ち込みが見られた。また、655mm以上の外周径では頭部加速度が上昇する結果となった。また、エアバッグ2の外周径が610〜680mmの範囲で頭部加速度は600m/s以下であった。ここで、「頭部加速度が560m/s以下であること」を一つの指標として考慮すれば、インフレータ1のガス発生量が0.8モルの場合には、エアバッグ2の外周径は約675mm以下(図の網掛けした範囲)に設定することが好ましい。更に好ましくは、エアバッグ2の外周径は、頭部加速度の効果的な落ち込みが見られる範囲、すなわち、630〜655mmの範囲に設定するとよい。
図12(B)に示すように、インフレータ1のガス発生量が0.9モルの場合、エアバッグ2の外周径が660〜682mmの範囲(図の一点鎖線で挟まれた範囲)で頭部加速度の落ち込みが見られた。また、682mm以上の外周径では頭部加速度が一時的に上昇する結果となった。また、エアバッグ2の外周径が650〜700mmの範囲で頭部加速度は600m/s以下かつ560m/s以下であった。図12(B)の結果から、インフレータ1のガス発生量が0.9モルの場合には、エアバッグ2の外周径が650mm〜700mmの範囲内で頭部加速度が500m/s以下になるという優れた結果を示した。また、頭部加速度の効果的な落ち込みが見られる範囲、すなわち、660〜682mmの範囲にエアバッグ2の外周径を設定すると更によいことは勿論である。
図11及び図12の説明では、「インフレータ1のガス発生量に対してエアバッグ2の外周径をどのように設定するか」という観点で説明したが、同じ結果を用いて、「エアバッグ2の外周径に対してインフレータ1のガス発生量をどのように選択するか」という観点で説明することもできる。ここで、図13は、インフレータのガス発生量が0.5モル、0.65モル、0.8モル、0.9モルの場合における頭部加速度(m/s)とエアバッグの外周径(mm)との関係を示す図である。なお、図13に示したグラフは、図11及び図12の各図に示したグラフを一つに纏めて表示したものである。
図13に示したように、インフレータ1のガス発生量が0.5モルのグラフとインフレータ1のガス発生量が0.65モルのグラフは、エアバッグ2の外周径が600mm前後で重なり合っている。また、インフレータ1のガス発生量が0.65モルのグラフとインフレータ1のガス発生量が0.8モルのグラフは、エアバッグ2の外周径が615mm前後で近接している。また、インフレータ1のガス発生量が0.8モルのグラフとインフレータ1のガス発生量が0.9モルのグラフは、エアバッグ2の外周径が655mm前後で重なり合っている。したがって、各グラフが重なり合う又は近接するエアバッグ2の外周径において、インフレータ1のガス発生量を大きく設定することにより、頭部加速度を低く維持することができる。すなわち、エアバッグ2の外周径が600mm以下の場合にインフレータ1のモル数を0.5モルとし、エアバッグ2の外周径が600〜615mmの場合にインフレータ1のモル数を0.65モルとし、エアバッグ2の外周径が615〜655mmの場合にインフレータ1のモル数を0.8モルとし、エアバッグ2の外周径が655mm以上の場合にインフレータ1のモル数を0.9モルとすることにより、エアバッグの衝撃吸収力を向上させつつ効果的にガス発生器及びエアバッグを小型化・低コスト化・軽量化することができる。
図11〜図13の説明で使用したインフレータ1のガス発生量の数値(0.5モル、0.65モル、0.8モル、0.9モル)は代表的な数値を例示的に示したものであり、0.5〜0.9モルの範囲内において同様のシミュレーションを行うことにより、インフレータ1のガス発生量に適したエアバッグ2の外周径を設定することができ、エアバッグ2の外周径に適したインフレータ1のガス発生量を設定することができる。例えば、0.5モルは0.45〜0.55モルの代表値、0.65モルは0.6〜0.7モルの代表値、0.8モルは0.75〜0.85モルの代表値、0.9モルは0.85〜0.95モルの代表値と定義することもできる。したがって、図11(A)において、インフレータ1のガス発生量が0.45〜0.55モルの場合にエアバッグ2の外周径が580〜607mm又は590〜603mmとなるようにしてもよい。また、図11(B)において、インフレータ1のガス発生量が0.6〜0.7モルの場合にエアバッグ2の外周径が590〜660mm又は600〜625mmとなるようにしてもよい。また、図12(A)において、インフレータ1のガス発生量が0.75〜0.85モルの場合にエアバッグ2の外周径が610〜675mm又は630〜655mmとなるようにしてもよい。また、図12(B)において、インフレータ1のガス発生量が0.85〜0.95モルの場合にエアバッグ2の外周径が650〜700mm又は660〜682mmとなるようにしてもよい。さらに、図13において、エアバッグ2の外周径が600mm以下の場合にインフレータ1のガス発生量を0.45〜0.55モルとし、エアバッグ2の外周径が600〜615mmの場合にインフレータ1のガス発生量を0.6〜0.7モルとし、エアバッグ2の外周径が615〜655mmの場合にインフレータ1のガス発生量を0.75〜0.85モルとし、エアバッグ2の外周径が655mm以上の場合にインフレータ1のガス発生量を0.85〜0.95モルとなるようにしてもよい。
次に、上述したインフレータ1のガス発生量(モル)とエアバッグ2の外周径(mm)との関係を、(エアバッグの外周径)/(インフレータのガス発生量)により表現される係数αに置き換えて検討する。ここで、図14は、係数αの比較図であり、(A)は従来のエアバッグ装置の場合、(B)は本発明のエアバッグ装置(頭部加速度560m/s以下)の場合、(C)は本発明のエアバッグ装置(ベストモード)の場合、を示している。
図14(A)に示したように、従来のエアバッグ装置においては、インフレータのガス発生量が0.9モルの場合には、エアバッグの外周径は590〜650mmに設定されるのが一般的である。また、インフレータのガス発生量が1モルの場合には、エアバッグの外周径は590〜710mmに設定されるのが一般的である。これらの数値から係数αを求めると、インフレータのガス発生量が0.9モルの場合には係数αは656〜722となり、インフレータのガス発生量が1モルの場合には係数αは590〜710となる。したがって、従来のエアバッグ装置において一般的に用いられているガス発生量が0.9〜1モルであるインフレータでは、係数αが590〜722となる。
一方、本発明のエアバッグ装置において、頭部加速度が560m/s以下となる場合のインフレータ1のガス発生量とエアバッグ2の外周径を図11及び図12を参酌すれば図14(B)のように表示される。すなわち、インフレータ1のガス発生量が0.5モルの場合にはエアバッグ2の外周径は580〜607mmであり、インフレータ1のガス発生量が0.65モルの場合にはエアバッグ2の外周径は590〜660mmであり、インフレータ1のガス発生量が0.8モルの場合にはエアバッグ2の外周径は610〜675mmであり、インフレータ1のガス発生量が0.9モルの場合にはエアバッグ2の外周径は650〜700mmである。これらの結果から係数αを求めると、インフレータ1のガス発生量が0.5モルの場合には係数αは1160〜1214であり、インフレータ1のガス発生量が0.65モルの場合には係数αは908〜1015であり、インフレータ1のガス発生量が0.8モルの場合には係数αは763〜844であり、インフレータ1のガス発生量が0.9モルの場合には係数αは722〜778である。したがって、本発明のエアバッグ装置においてガス発生量が0.5〜0.9モルであるインフレータ1では、係数αが722〜1214となる。この結果から、本発明のエアバッグ装置では、係数αを従来のエアバッグ装置よりも大きな値に設定することができ、エアバッグ2の衝撃吸収力を維持しつつ効果的にガス発生器及びエアバッグを小型化・低コスト化・軽量化することができる。
また、図11及び図12の各図において、頭部加速度を効果的に低く設定することができる範囲(一点鎖線で挟まれた範囲)を各ガス発生量に対するエアバッグ2の外周径のベストモードであるとする。かかるベストモードのインフレータ1のガス発生量とエアバッグ2の外周径は図14(C)のように表示される。すなわち、インフレータ1のガス発生量が0.5モルの場合にはエアバッグ2の外周径は590〜603mmであり、インフレータ1のガス発生量が0.65モルの場合にはエアバッグ2の外周径は600〜625mmであり、インフレータ1のガス発生量が0.8モルの場合にはエアバッグ2の外周径は630〜655mmであり、インフレータ1のガス発生量が0.9モルの場合にはエアバッグ2の外周径は660〜682mmである。これらの結果から係数αを求めると、インフレータ1のガス発生量が0.5モルの場合には係数αは1180〜1206であり、インフレータ1のガス発生量が0.65モルの場合には係数αは923〜962であり、インフレータ1のガス発生量が0.8モルの場合には係数αは788〜819であり、インフレータ1のガス発生量が0.9モルの場合には係数αは733〜758である。したがって、本発明のエアバッグ装置(ベストモード)においてガス発生量が0.5〜0.9モルであるインフレータ1では、係数αが733〜1206となる。この結果から、本発明のエアバッグ装置では、係数αを733〜1206の範囲内で設定することが好ましいことがわかる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、ベントホールを有する全てのエアバッグに適用することができ、例えば、カーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置等にも適用することができる等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
本発明の第一実施形態におけるエアバッグ装置のベントホールの作用を説明する図であり、(A)はエアバッグの膨張展開時間とベントホール開度との関係を示し、(B)はエアバッグのストロークと衝撃吸収力との関係を示している。 基準値の設定範囲の説明図であり、(A)は運転席用エアバッグ、(B)助手席用エアバッグの場合を示している。 本発明の第二実施形態におけるエアバッグ装置のベントホールの作用を説明する図であり、(A)はエアバッグの膨張展開時間とベントホール開度との関係を示し、(B)はエアバッグのストロークと衝撃吸収力との関係を示している。 閾値の設定範囲の説明図であり、(A)は運転席用エアバッグ、(B)助手席用エアバッグの場合を示している。 アウターカバータイプのエアバッグ及びエアバッグ装置の構造を示す図であり、(A)は全体概略図、(B)はベントカバーの拡大図、(C)は弁を備えた開閉手段の拡大図である。 インナーカバータイプのエアバッグ及びエアバッグ装置の構造を示す図であり、(A)は全体概略図、(B)はベントカバーの拡大図である。 図5及び図6に示した実施形態の第一変形例であり、(A)はアウターカバータイプ、(B)はインナーカバータイプを示している。 図5に示した実施形態の第二変形例であり、(A)は構成図、(B)〜(D)は作用図である。 エアバッグの外側に第二室を形成したエアバッグ及びエアバッグ装置の全体概略図であり、(A)はリアパネルの全面に第二室を形成した場合、(B)はリアパネルの一部に第二室を形成した場合を示している。 リテーナにベントホールを形成した実施形態を示し、(A)は略閉状態、(B)は全開状態である。 インフレータのガス発生量(モル)とエアバッグの外周径(mm)との関係を示す図であり、(A)はガス発生量が0.5モルの場合、(B)はガス発生量が0.65モルの場合を示している。 インフレータのガス発生量(モル)とエアバッグの外周径(mm)との関係を示す図であり、(A)はガス発生量が0.8モルの場合、(B)はガス発生量が0.9モルの場合を示している。 インフレータのガス発生量が0.5モル、0.65モル、0.8モル、0.9モルの場合における頭部加速度(m/s)とエアバッグの外周径(mm)との関係を示す図である。 係数αの比較図であり、(A)は従来のエアバッグ装置、(B)は本発明のエアバッグ装置を示している。 従来のエアバッグ装置のベントホールの作用を説明する図であり、(A)はエアバッグの膨張展開時間とベントホール開度との関係を示し、(B)はエアバッグのストロークと衝撃吸収力との関係を示している。

Claims (24)

  1. 内部にガスが供給されて車内で膨張展開するエアバッグにおいて、
    前記エアバッグの外殻に形成されたベントホールと、該ベントホールの開閉を行う開閉手段と、を備え、
    前記開閉手段は、前記エアバッグの膨張展開が完了するまでは前記ベントホールを略閉状態とし、前記エアバッグの潰れ量が所定の基準値に達したときに前記ベントホールを全開状態とするように構成されているとともに、前記エアバッグの潰れ量が前記基準値よりも小さい値の閾値に達するまでは前記ベントホールを略閉状態とするように構成されており、
    前記基準値は、前記エアバッグの厚さ方向の潰れ量が、前記エアバッグの膨張展開完了状態から10%〜50%の範囲又は前記エアバッグの膨張展開完了状態から50mm〜150mmの範囲の値に設定され、
    前記閾値は、前記エアバッグの厚さ方向の潰れ量が前記エアバッグの膨張展開完了状態から5%〜25%の範囲、前記エアバッグの厚さ方向の潰れ量が前記エアバッグの膨張展開完了状態から25mm〜75mmの範囲、又は前記基準値の半分、のいずれかの値に設定されている、
    ことを特徴とするエアバッグ。
  2. 前記開閉手段は、前記ベントホールを被覆可能なベントカバーと、該ベントカバーと前記エアバッグの内部に接続されたテザーと、前記エアバッグに形成された該テザーの挿通路と、から構成されており、前記テザーは、前記エアバッグの潰れ量が前記基準値に達するまでに前記ベントホールが全開状態となる位置に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  3. 前記テザーは、前記エアバッグの膨張展開完了状態において前記エアバッグの外殻を所定長さ内側に引き込んだ状態となる位置に接続されている、ことを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ。
  4. 前記所定長さは20mm以上又は10mm以上である、ことを特徴とする請求項3に記載のエアバッグ。
  5. 前記開閉手段は、前記ベントホールを被覆可能なベントカバーと、該ベントカバーと前記エアバッグの内部に接続されたテザーと、前記エアバッグに形成された該テザーの挿通路と、から構成されており、前記ベントカバーは、前記エアバッグの潰れ量が前記基準値に達するまでに前記ベントホールが全開状態となる大きさに形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  6. 前記ベントホールと前記ベントカバーの間に、前記エアバッグの外殻に接続された補助ベントカバーを有する、ことを特徴とする請求項5に記載のエアバッグ。
  7. 前記ベントカバーは、前記ベントホールよりも所定幅大きい形状である、ことを特徴とする請求項5に記載のエアバッグ。
  8. 前記所定幅は10mm以上である、ことを特徴とする請求項7に記載のエアバッグ。
  9. 前記ベントカバーは、前記ベントホールの全開状態における面積よりも約2.5倍以上の面積を有する、ことを特徴とする請求項5に記載のエアバッグ。
  10. 前記開閉手段は、前記ベントホールを外側から被覆可能なベントカバーと、該ベントカバーと前記エアバッグの内部に接続されたテザーと、前記エアバッグに形成された該テザーの挿通路と、前記ベントホールの縁部に縫合されたフラップ状又は筒状の弁と、から構成されており、前記弁は、前記エアバッグの潰れ量が前記基準値に達するまでに前記ベントホールが全開状態となる高さに形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  11. 前記弁の高さは20mm以上である、ことを特徴とする請求項10に記載のエアバッグ。
  12. 前記開閉手段は、前記ベントホールを被覆可能なベントカバーと、該ベントカバーと前記エアバッグの内部に接続されたテザーと、前記ベントホールの外側に形成されるとともに第二ベントホールを備えた第二室と、から構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  13. 前記第二室を形成する外殻を前記ベントカバーとして代用した、ことを特徴とする請求項12に記載のエアバッグ。
  14. 内部にガスが供給されて車内で膨張展開するエアバッグにおいて、前記エアバッグの外殻に形成されたベントホールと、該ベントホールの開閉を行う開閉手段と、を備え、前記開閉手段は、前記エアバッグの膨張展開が完了するまでは前記ベントホールを略閉状態とし、前記エアバッグの潰れ量が所定の基準値に達したときに前記ベントホールを全開状態とするように構成されており、
    前記開閉手段は、前記ベントホールを被覆可能なベントカバーと、該ベントカバーと前記エアバッグの内部に接続されたテザーと、前記エアバッグに形成された該テザーの挿通路と、から構成されており、前記テザーは、前記エアバッグの潰れ量が前記基準値に達するまでに前記ベントホールが全開状態となる位置に接続されるとともに、
    前記ベントカバーは前記ベントホールの内側に配置され、前記挿通路は前記エアバッグの内側に両端部及びその間の一部が縫合されたガイド部材により形成され、前記テザーは該ガイド部材の縫合部を避けて前記挿通路に通されている、ことを特徴とするエアバッグ。
  15. 所定の条件でガスを発生させるガス発生器と、該ガス発生器に接続されて膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグを収容するリテーナと、を備えたエアバッグ装置において、前記エアバッグは、請求項1〜請求項14のいずれかに記載されたエアバッグである、ことを特徴とするエアバッグ装置。
  16. 前記ベントホールを前記エアバッグの外殻に替えて前記リテーナに形成した、ことを特徴とする請求項15に記載のエアバッグ装置。
  17. 前記エアバッグが運転席用エアバッグであり、前記ガス発生器のガス発生量が1モル未満又は前記ガス発生器の出力が200kPa未満である、ことを特徴とする請求項15に記載のエアバッグ装置。
  18. 前記ガス発生器のガス発生量が0.45〜0.55モルの場合に、前記エアバッグの外周径が580〜607mm又は590〜603mmである、ことを特徴とする請求項15に記載のエアバッグ装置。
  19. 前記ガス発生器のガス発生量が0.6〜0.7モルの場合に、前記エアバッグの外周径が590〜660mm又は600〜625mmである、ことを特徴とする請求項15に記載のエアバッグ装置。
  20. 前記ガス発生器のガス発生量が0.75〜0.85モルの場合に、前記エアバッグの外周径が610〜675mm又は630〜655mmである、ことを特徴とする請求項15に記載のエアバッグ装置。
  21. 前記ガス発生器のガス発生量が0.85〜0.95モルの場合に、前記エアバッグの外周径が650〜700mm又は660〜682mmである、ことを特徴とする請求項15に記載のエアバッグ装置。
  22. 前記エアバッグの外周径が600mm以下の場合に前記ガス発生器のガス発生量を0.45〜0.55モルとし、前記エアバッグの外周径が600〜615mmの場合に前記ガス発生器のガス発生量を0.6〜0.7モルとし、前記エアバッグの外周径が615〜655mmの場合に前記ガス発生器のガス発生量を0.75〜0.85モルとし、前記エアバッグの外周径が655mm以上の場合に前記ガス発生器のガス発生量を0.85〜0.95モルとした、ことを特徴とする請求項15に記載のエアバッグ装置。
  23. (前記エアバッグの外周径)/(前記ガス発生器のガス発生量)により表現される係数αが、722より大きく1214以下又は733以上1206以下である、ことを特徴とする請求項15に記載のエアバッグ装置。
  24. 前記エアバッグが助手席用エアバッグであり、前記ガス発生器のガス発生量が3モル未満又は前記ガス発生器の出力が400kPa未満である、ことを特徴とする請求項15に記載のエアバッグ装置。
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