JP5980956B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5980956B2
JP5980956B2 JP2014553128A JP2014553128A JP5980956B2 JP 5980956 B2 JP5980956 B2 JP 5980956B2 JP 2014553128 A JP2014553128 A JP 2014553128A JP 2014553128 A JP2014553128 A JP 2014553128A JP 5980956 B2 JP5980956 B2 JP 5980956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
partition wall
vent
chamber
overlap
occupant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014553128A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014098027A1 (ja
Inventor
優斗 小林
優斗 小林
秀穂 福田
秀穂 福田
陽介 清水
陽介 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Autoliv Development AB
Original Assignee
Autoliv Development AB
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Autoliv Development AB filed Critical Autoliv Development AB
Application granted granted Critical
Publication of JP5980956B2 publication Critical patent/JP5980956B2/ja
Publication of JPWO2014098027A1 publication Critical patent/JPWO2014098027A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/23Inflatable members
    • B60R21/239Inflatable members characterised by their venting means
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/23Inflatable members
    • B60R21/231Inflatable members characterised by their shape, construction or spatial configuration
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/23Inflatable members
    • B60R21/231Inflatable members characterised by their shape, construction or spatial configuration
    • B60R21/233Inflatable members characterised by their shape, construction or spatial configuration comprising a plurality of individual compartments; comprising two or more bag-like members, one within the other
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/23Inflatable members
    • B60R21/231Inflatable members characterised by their shape, construction or spatial configuration
    • B60R21/23138Inflatable members characterised by their shape, construction or spatial configuration specially adapted for side protection
    • B60R2021/23146Inflatable members characterised by their shape, construction or spatial configuration specially adapted for side protection seat mounted
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/23Inflatable members
    • B60R21/231Inflatable members characterised by their shape, construction or spatial configuration
    • B60R21/233Inflatable members characterised by their shape, construction or spatial configuration comprising a plurality of individual compartments; comprising two or more bag-like members, one within the other
    • B60R2021/23324Inner walls crating separate compartments, e.g. communicating with vents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/23Inflatable members
    • B60R21/231Inflatable members characterised by their shape, construction or spatial configuration
    • B60R21/2334Expansion control features
    • B60R21/2346Soft diffusers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Description

本発明は、車両に衝撃が生じた場合などに、乗員と車室内の側壁部等との間に膨張展開して乗員を拘束するエアバッグ装置に関するものである。
近年の車両にはエアバッグがほぼ標準装備されている。エアバッグは、車両衝突などの緊急時に作動する安全装置であって、ガス圧で膨張展開して乗員を受け止めて保護する。エアバッグには、設置箇所や用途に応じて様々な種類がある。例えば、前後方向からの衝突から運転者を守るために、ステアリングの中央にはフロントエアバッグが設けられている。また、側面衝突やそれに続いて起こるロールオーバ(横転)から乗員を守るために、壁部の天井付近からサイドウィンドウに沿って膨張展開するカーテンエアバッグや、座席の側部から乗員のすぐ脇へ膨張展開するサイドエアバッグなどが設けられている。
エアバッグには、ガスの供給源としてインフレータと呼ばれるガス発生装置が備えられている。インフレータにも、エアバッグの種類やその設置箇所に応じて様々な種類がある。例えば、フロントエアバッグ等にはディスク型(円板型)のインフレータが主に用いられていて、カーテンエアバッグやサイドエアバッグ等にはシリンダ型(筒型)のインフレータが主に用いられている。
インフレータは、全部またはその一部がエアバッグ(厳密にはそのうちのクッション部)の内部に挿入されている。例えば、特許文献1には、サイドエアバッグとシリンダ型のインフレータとが記載されている。このサイドエアバッグは、内部が隔壁によって上下の2部屋(エアバッグ内の部屋は「チャンバ」とも呼ぶ)に区画されている。この隔壁には、2部屋をつなぐ孔として挿通部が設けられていて、インフレータはこの挿通部に配置される構成となっている。特許文献1によると、2部屋に区画することで、乗員の各部位を適切な圧力で保護することができるとされている。
特開2007−38712号公報
現在、乗員を適切に保護するために、エアバッグの膨張展開のミリ秒単位での迅速化が推進されている。その対応としては、例えば乗員の身体のうち接触しやすい部位に合わせてエアバッグの形状をより小型化する等の案も考えられている。しかし、エアバッグの小型化は、保護領域の縮小にもつながるため、安易に行うことはできない。
本発明は、このような課題に鑑み、膨張展開を迅速化し、合わせて乗員拘束性能も向上可能なエアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるエアバッグ装置の代表的な構成は、袋状であってガスを受給して膨張展開するクッション部と、クッション部の内部を複数のチャンバに区画する区画壁と、区画壁に設けられる開閉可能なベント手段であって、乗員が少なくとも1つのチャンバに接触して区画壁がたわむことで開くベント手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成のエアバッグ装置であれば、例えば、まずは第1のチャンバに優先的にガスを供給し、この第1のチャンバで乗員を迅速に受けとめる。そして、乗員が第1のチャンバに接触すると、この第1のチャンバとともに区画壁がたわみ、ベント手段が開いて第2のチャンバを膨張展開させ、より広い保護領域をもって乗員の十全な拘束を達成する。このように、上記構成では、まずは乗員との最初の接触(ファーストインパクト)に関る部位の膨張展開を迅速化し、その後に広く膨張展開することで、乗員拘束性能を向上することが可能になっている。
上記のベント手段は、区画壁に設けられてガスが第1のチャンバから第2のチャンバへ通過可能な1つ以上のベントホールと、第1のチャンバ側にてベントホールを覆い、区画壁から少なくとも一部が離間可能な状態で接合されるパッチ部材と、パッチ部材とパッチ部材に対向する第1のチャンバ内の所定領域とを連結する連結部材と、を含み、連結部材の長さは、少なくとも、第1のチャンバが十分に膨張展開した時の形状におけるベントホールと所定領域との距離以下であってもよい。
上記構成のエアバッグ装置は、まずは第1のチャンバに優先的にガスを供給し、この第1のチャンバで乗員を迅速に受けとめる。そして、乗員が第1のチャンバに接触すると、この第1のチャンバとともに区画壁がたわみ、ベントホールから連結部材の付け根である所定領域までの距離が伸びる。すなわち、パッチ部材が連結部材に引っ張られて、パッチ部材が区画壁から離間する。これによってベントホールが開口し、ベントホールを通過するガスの、第1のチャンバから第2のチャンバへの流量が増大する。そして、第2のチャンバを膨張展開させ、より広い保護領域をもって乗員の十全な拘束を達成する。このように、上記構成においても、まずは乗員との最初の接触(ファーストインパクト)に関る部位の膨張展開を迅速化し、その後に広く膨張展開することで、乗員拘束性能を向上することが可能になっている。例えば、最初に膨張展開する第1のチャンバを車両後側のリアチャンバとして実現し、次に膨張展開する第2のチャンバを車両前側のフロントチャンバとすると、乗員のファーストインパクトをリアチャンバで受け止めた後にフロントチャンバによって乗員の前方側をさらに広く受け止めることが出来るため、好適である。
上記の連結部材の長さは、第1チャンバが十分に膨張展開した時の形状におけるベントホールと所定領域との距離に等しくてもよい。この構成によれば、乗員が第1のチャンバに接触した際に膨張展開が開始する第2のチャンバを、好適に実現できる。
上記の区画壁は、クッション部の内部にて上下方向または車両前後方向へ延びた長尺な形状であって、パッチ部材は、その側縁が区画壁におけるベントホールの両脇に接合され、上下または車両前後の縁が区画壁から開放されていてもよい。この構成であると、例えば乗員がクッション部に対して車幅方向から接触すると、区画部は短手方向に押されるようにたわむ。このとき、パッチ部材の上下または車両前後の縁が開放されていれば、その間隙が区画壁のたわみに応じて好適に開口し、ベントホールへとガスを通すことが可能になる。なお、上下の縁等が開放されているとは、上下の縁等は区画壁に対して縫合等の接合がなされていない状態であることを意味している。
上記のベントホールは、区画壁上であってクッション部内の上部および下部の少なくとも2箇所に設けられ、区画壁の上部に設けられるベントホールは、乗員の肩部が接触する領域の近傍に設けられ、区画壁の下部に設けられるベントホールは、乗員の腰部が接触する領域の近傍に設けられてもよい。乗員の身体のうち肩部および腰部は特に荷重のかかりやすい部位であり、これら部位と接触する領域にベントホールを設けることで、区画壁のたわみに応じたベントホールの開口を効率よく生じさせることが可能になる。また、上記構成によれば、第2のチャンバに対して、上部および下部からガスを供給することで、ガスを効率よく迅速に充満させることができる。
上記のベント手段は、区画壁に直線状の切り込み線として設けられたスリットベントを含み、スリットベントは、区画壁がたわむことで開口してガスの第1のチャンバから第2のチャンバへの流量が増大してもよい。
上記構成によっても、まずは第1のチャンバに優先的にガスを供給し、この第1のチャンバで乗員を迅速に受けとめる。そして、乗員が第1のチャンバに接触すると、スリットベントが開口して第2のチャンバを膨張展開させ、より広い保護領域をもって乗員の十全な拘束を達成する。このように、上記構成においても、まずは乗員との最初の接触(ファーストインパクト)に関る部位の膨張展開を迅速化し、その後に広く膨張展開することで、乗員拘束性能を向上することが可能になっている。
上記の区画壁は、クッション部の内部にて上下方向または車両前後方向へ延びた長尺な形状であって、スリットベントは、区画壁上の少なくとも1箇所以上に区画壁の短手方向へ直線的に延びる形状に設けられてもよい。この構成であると、例えば乗員がクッション部に対して車幅方向から接触すると、区画部は短手方向に押されるようにたわむ。このとき、スリットベントが区画壁に短手方向に設けられていれば、スリットベントは区画壁のたわみに応じて好適に開口することが可能になる。
上記のスリットベントは、区画壁上であってクッション部内の上部および下部の少なくとも2箇所に設けられ、区画壁の上部に設けられるスリットベントは、乗員の肩部が接触する領域の近傍に設けられ、区画壁の下部に設けられるスリットベントは、乗員の腰部が接触する領域の近傍に設けられてもよい。乗員の身体のうち肩部および腰部は特に荷重のかかりやすい部位であり、これら部位と接触する領域にスリットベントを設けることで、区画壁のたわみに応じたスリットベントの開口を効率よく生じさせることが可能になる。また、上記構成によれば、第2のチャンバに対して、上部および下部からガスを供給することで、ガスを効率よく迅速に充満させることができる。
上記の区画壁は、互いに独立した布材である第1部材および第2部材を含み、ベント手段は、区画壁上において第1部材と第2部材の端部同士が重なり合うことで設けられ区画壁がたわむことで開口する第1のオーバラップベントを含んでもよい。
上記構成によっても、まずは第1のチャンバに優先的にガスを供給し、この第1のチャンバで乗員を迅速に受けとめる。そして、乗員が第1のチャンバに接触すると、第1のオーバラップベントが開口して第2のチャンバを膨張展開させ、より広い保護領域をもって乗員の十全な拘束を達成する。このように、上記構成においても、まずは乗員との最初の接触(ファーストインパクト)に関る部位の膨張展開を迅速化し、その後に広く膨張展開することで、乗員拘束性能を向上することが可能になっている。
上記の区画壁はクッション部の内部にて上下方向または車両前後方向へ延びた形状であって、第1部材と第2部材とは上下方向または車両前後方向に並ぶよう配置され、第1のオーバラップベントは、区画壁上に横方向へ延びるよう設けられてもよい。上記構成によれば、例えば乗員がクッション部に横方向(車幅方向)から接触すると、区画部も横方向(幅方向)にたわむ。このとき、オーバラップベントが区画壁に横方向に設けられていれば、オーバラップベントは区画壁のたわみを利用して好適に開口することが可能になる。
上記の区画壁はさらに、第1部材からは離間した布材からなる第3部材を含み、ベント手段はさらに、区画壁上において第2部材と第3部材の端部同士が重なり合うことで設けられ区画壁がたわむことで開口する第2のオーバラップベントを含んでもよい。この構成によって、2箇所のオーバラップベントから第2のチャンバへガスを供給することで、第2のチャンバにより効率よく迅速にガスを充満させることが可能になる。
上記の第1のオーバラップベントは、乗員の肩部が接触する領域の近傍に設けられ、第2のオーバラップベントは、乗員の腰部が接触する領域の近傍に設けられてもよい。乗員の身体のうち肩部および腰部は特に荷重のかかりやすい部位であり、これら部位と接触する領域にオーバラップベントを設けることで、区画壁のたわみに応じたオーバラップベントの開口を効率よく生じさせることが可能になる。また、上記構成によれば、第2のチャンバに対して、上部および下部からガスを供給することで、ガスを効率よく迅速に充満させることができる。
上記の区画壁は、互いに独立した布材である第1部材および第2部材を含み、第1部材と第2部材の端部同士が重なり合うオーバラップ部を有し、ベント手段は、第1部材と第2部材のオーバラップ部に設けられる、第1部材と第2部材とを接合する縫製ラインと、縫製ラインの途中が開放されて設けられていて、ガスが第1のチャンバから第2のチャンバへ通過可能な1つ以上のオーバラップベントと、を含んでもよい。
上記構成によっても、まずは第1のチャンバに優先的にガスを供給し、この第1のチャンバで乗員を迅速に受けとめる。そして、乗員が第1のチャンバに接触すると、オーバラップベントが開いて第2のチャンバを膨張展開させ、より広い保護領域をもって乗員の十全な拘束を達成する。このように、上記構成においても、まずは乗員との最初の接触(ファーストインパクト)に関る部位の膨張展開を迅速化し、その後に広く膨張展開することで、乗員拘束性能を向上することが可能になっている。
上記の第1部材および第2部材は長尺な形状であって、第1部材と第2部材のオーバラップ部は互いの長手の縁部近傍に設けられ、縫製ラインは、互いの長手の縁部に沿って設けられ、ガスはオーバラップベントを通る第1部材および第2部材の短手方向へ流れてもよい。この構成により、第1のチャンバの膨張展開を優先するための区画壁およびオーバラップベントが好適に実現できる。
上記の縫製ラインは、オーバラップベントにて、長手方向からガスの流れる方向に沿って屈曲または湾曲していてもよい。また、上記のオーバラップベントは、第2のチャンバ側の径よりも第1のチャンバ側の径が大きくてもよい。これらにより、第2のチャンバへ向かってガスの流れやすいオーバラップベントが実現できる。
上記のオーバラップベントは、オーバラップベントを流れるガスが車幅方向における車内側から車外側へ向かって流れるよう設けられてもよい。この構成により、ガス圧は車内側、すなわち乗員側にはかからないので、より安全に配慮したエアバッグが実現できる。
上記の第2のチャンバは、オーバラップベントから流入するガスが直接当たる領域に補強布を有してもよい。これにより、クッション部の耐久性を向上することが可能になる。
上記のオーバラップベントは、区画壁上であってクッション部内の上部および下部の少なくとも2箇所に設けられ、区画壁の上部のオーバラップベントは、乗員の肩部が接触する領域の近傍に設けられ、区画壁の下部のオーバラップベントは、乗員の腰部が接触する領域の近傍に設けられてもよい。乗員の身体のうち肩部および腰部は特に荷重のかかりやすい部位であり、これら部位と接触する領域にオーバラップベントを設けることで、区画壁のたわみに応じたオーバラップベントの開口を効率よく生じさせることが可能になる。また、上記構成によれば、第2のチャンバに対して、上部および下部からガスを供給することで、ガスを効率よく迅速に充満させることも可能になる。
上記の区画壁は、車両の緊急時にクッション部のうち乗員が接触してクッション部の表面が変形する領域に設けられていてもよい。この構成によれば、乗員の接触によってたわむ区画壁を好適に実現することができる。
当該エアバッグ装置は、座席の側方で膨張展開するサイドエアバッグであってもよい。また、上記の区画壁は、クッション部内を車両後側のリアチャンバと車両前側のフロントチャンバとに区画し、ベント手段は、リアチャンバからフロントチャンバへとガスを供給してもよい。サイドエアバッグのうち車両後側であるリアチャンバは、乗員の肩部等の荷重のかかりやすい部位と接触しやすい。そのため、上記では、まずはリアチャンバを迅速に膨張展開させ、その次に第2のチャンバがフロントチャンバとして乗員の腕部等を保護する構成としている。これにより、乗員の迅速かつ十全な拘束が達成できる。
当該エアバッグ装置はさらに、シリンダ型であって所定のチャンバ内に設置されるインフレータと、インフレータの周囲を筒状に囲うよう設置され、インフレータからのガスをチャンバ内の上下方向へ導くディフューザ部と、を備えてもよい。このディフューザ部を備えたインフレータによって、チャンバ内にガスをより迅速に充満させることが可能になる。
本発明によれば、膨張展開を迅速化し、合わせて乗員拘束性能も向上可能なエアバッグ装置を提供することができる。
本発明の実施形態にかかるエアバッグ装置を例示した図である。 図1(b)のクッション部を単独で例示した図である。 図2(a)のクッション部の内部構成を例示する図である。 図3(a)のクッション部を構成する基布の展開図である。 図4のクッション部が膨張展開する過程を例示した図である。 本発明の第2実施形態にかかるエアバッグ装置を例示した図である。 図6(a)のクッション部を構成する基布の展開図である。 図7のクッション部が膨張展開する過程を例示した図である。 本発明の第3実施形態にかかるエアバッグ装置を例示した図である。 図9(a)のクッション部を構成する基布の展開図である。 図10のクッション部が膨張展開する過程を例示した図である。 本発明の第4実施形態にかかるエアバッグ装置を例示した図である。 図12(a)のクッション部を構成する基布の展開図である。 図13のクッション部が膨張展開する過程を例示した図である。 各実施形態におけるクッション部の変形例を例示した図である。 図15(a)のインフレータの配置位置の変更例を例示した図である。 各実施形態におけるクッション部さらなる変形例を例示した図である。
E1 …乗員の肩部、E2 …乗員の腰部、E3 …乗員の腕部、E4 …乗員の腹部、L1 …第1実施形態における縫製ライン、P1 …上部のパッチ部材と対向する領域、P2 …下部のパッチ部材と対向する領域、100 …エアバッグ、102 …シート、104 …クッション部、106 …シートバック、108 …リアチャンバ、110 …フロントチャンバ、112 …乗員、114 …インフレータ、116 …スタッドボルト、118 …ベントホール、120 …区画壁、122 …ベントホール、122a …上部のベントホール、122b …下部のベントホール、124 …インパクタ、126 …ディフューザ部、128 …パッチ部材、128a …上部のパッチ部材、128b …下部のパッチ部材、130 …上部のパッチ部材の側縁、132 …上部のパッチ部材の上縁、134 …上部のパッチ部材の下縁、136 …連結部材、136a …上部の連結部材、136b …下部の連結部材、200…エアバッグ、204…クッション部、220…区画壁、222…スリットベント、222a…上部のスリットベント、222b…下部のスリットベント、300…エアバッグ、304…クッション部、320…区画壁、320a…第1部材、320b…第2部材、320c…第3部材、321 …第2部材の上端部、322…オーバラップベント、322a…上部のオーバラップベント、322b…下部のオーバラップベント、323 …第2部材の下端部、325 …第1部材の下端部、326 …第3部材の上端部、L2 …第4実施形態における縫製ライン、400…エアバッグ、404…クッション部、420…区画壁、420a…第1部材、420b…第2部材、422…オーバラップベント、422a…上側のオーバラップベント、422b…下側のオーバラップベント、423…第2部材の縁、432…オーバラップ部、428、430…補強布、500…クッション部、502…区画壁、504…上部チャンバ、506…下部チャンバ、508…ディフレクタ、510…ディフューザ、512…下部の逆止弁、514…ベント手段、516…上部の逆止弁、600…クッション部、602…車両前後に延びる区画壁、604…車両上下に延びる区画壁、606…下部チャンバ、608…上部後方チャンバ、610…上部前方チャンバ、612、614…ベント手段
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかるエアバッグ装置(以下、エアバッグ100)を例示した図である。図1(a)に例示するように、本実施形態では、本発明にかかるエアバッグ100を、車両右側座席(以下、シート102)の側方で膨張展開するいわゆるサイドエアバッグとして実現している。なお、サイドエアバッグであるエアバッグ100の設置箇所は、シート102に限らず、例えばサイドドアトリムなど、乗員の脇へ膨張展開することが可能であるなら他の場所であってもよい。
クッション部104は、車両に衝撃が発生した場合などの緊急時に乗員を受け止める袋状の部位であって、乗員とサイドドアとの間に扁平な形状に膨張展開する。クッション部104は、表面を構成する複数の基布を重ねて縫製したり接着したりすることで形成される。クッション部104は、シートバック106の側部に備えられたハウジング(図示省略)に、巻回または折り畳まれて収納されている。収納状態のクッション部104は、その上をシートカバー等が覆っているため、外部からは視認不能である。そして稼動時には、シートカバー等を開裂させて、乗員の側方へ膨張展開する。
本実施形態では、クッション部104は、その内部が2つのチャンバに区画されている。図1(a)からも分かるように、クッション部104には、第1のチャンバとして車両後側にリアチャンバ108が設けられ、第2のチャンバとして車両前側にフロントチャンバ110が設けられている。
図1(b)は、図1(a)のクッション部104を車幅方向の車外側から見た図である。図1(b)には、クッション部104と乗員との位置関係を表わすために、乗員112として、成人男性の50%に適合する体格を模したダミー人形AM50を例示している。図1(b)に例示するように、クッション部104のうち、特にリアチャンバ108は、乗員112の肩部E1や腰部E2などの荷重をより受けやすい部位を保護する。そしてフロントチャンバ110は、腕部E3や腹部E4等を保護する構成となっている。
図2は、図1(b)のクッション部104を単独で例示した図である。図2では、図1(b)のクッション部104を車幅方向の車内側(乗員112側)から見て例示している。リアチャンバ108の内部には、ガス発生装置であるインフレータ114が備えられている。クッション部104は、インフレータ114から供給されるガスの圧力により膨張して乗員を拘束する。本実施形態で採用しているインフレータ114は、シリンダ型(筒型)のものである。インフレータ114は、スタッドボルト116を備えている。スタッドボルト116はリアチャンバ108内から露出し、シート102(図1(a)参照)の側部のハウジング等に締結される。
現在普及しているインフレータ114には、ガス発生剤が充填されていてこれを燃焼させてガスを発生させるタイプや、圧縮ガスが充填されていて熱を発生させることなくガスを供給するタイプ、または燃焼ガスと圧縮ガスとを両方利用するハイブリッドタイプのものなどがある。インフレータ114としては、いずれのタイプのものも利用可能である。なお、インフレータ114から供給されたガスは、クッション部104が膨張展開した後は、クッション部104の車両前側(図中左側)に設けられた排気孔118から排気される。
図2(b)は、図2(a)のクッション部104の膨張展開の過程を例示した図である。図2(b)の左図に例示しているように、当該エアバッグ100のクッション部104は、まず、リアチャンバ108が優先的に膨張展開する構成となっている。そして、詳細は後述するが、膨張展開したリアチャンバ108への乗員112(図1(b)参照)の接触をきっかけにして、図2(b)の右図のように、フロントチャンバ110が膨張展開する。以下では、このような膨張展開の動作を実現している部位についてさらに説明する。
図3は、図2(a)のクッション部104の内部構成を例示する図である。図3(a)は、図2(a)のクッション部104の外側の基布を透過して、その内部構成を例示している。図3(a)に例示するように、リアチャンバ108とフロントチャンバ110は、区画壁120によって区画されている。区画壁120は、クッション部104の内部にて上下方向へ延びた長尺な形状であっても、布材から構成されている。この区画壁120は、リアチャンバ108を優先的に膨張展開させる役目も担っている。
区画壁120には開閉可能なベント手段が設けられている。ベント手段の具体的な構成として、まず、区画壁120にはベントホール122が設けられていて、ガスはこのベントホール122を通ってリアチャンバ108側からフロントチャンバ110側に供給される。ベントホール122は、区画壁120の上部のベントホール122aと下部のベントホール122bの計2箇所に設けられているため、フロントチャンバ110に効率よくガスを供給して迅速に充満させることが可能になっている。しかしこのベントホール122は、リアチャンバ108の膨張展開時にはまだ閉じている。ベントホール122は、乗員がリアチャンバ108に接触したときの外力によって区画壁120がたわむことで、開口する。このように、クッション部104は、リアチャンバ108の膨張展開が優先される仕組みとなっている。
図3(b)は、図3(a)の区画壁120のフロントチャンバ110の膨張展開前の状態を、図3(a)の矢視A方向から見た模式図である。ベントホール122は、区画壁120の幅方向の中央付近に設けられた、円形の孔である。図3(c)は、図3(a)の区画壁120の裏側であるリアチャンバ108側を例示した図である。図3(c)に例示するように、ベントホール122(図3(b))は、リアチャンバ108側にてパッチ部材128によって覆われている。このパッチ部材128は、例えばパッチ部材128aに例示しているように、その側縁130が区画壁120におけるベントホール122aの両脇に縫製ラインL1によって接合され、上縁132および下縁134は区画壁120に接合されることなく開放された状態となっている。
再び図3(a)を参照する。図3(a)に例示するように、リアチャンバ108内において、パッチ部材128には、帯状の連結部材136が連結している。この連結部材136のそれぞれは、パッチ部材128と、リアチャンバ108の周囲部分におけるパッチ部材と対向する車両後側の所定の領域P1、P2とを連結している。連結部材136は、クッション部104の膨張展開時において、乗員がクッション部104に接触してこのクッション部104と共に区画壁120がたわんだ際に、パッチ部材128を引っ張ってベントホール122を開口させる働きを有している。したがって、乗員が接触する前の区画壁120がたわんでいない状態ではベントホール122はパッチ部材128によって閉じられていて、単にリアチャンバ108側からガス圧がかかっただけの時点ではガスの流量は、インフレータ114から供給されるガスの総量に比べればわずかである。
図4は、3(a)のクッション部104を構成する基布の展開図である。区画壁120は、その中央部から下部はクッション部104の内部をほぼ上下方向に沿って延びているものの、上部はフロントチャンバ110側に傾いて設けられている。図4(b)は、図4(a)のB−B断面図である。図4(b)に例示するように、区画壁120は、フロントチャンバ110を構成する基布のフロントチャンバ110側の領域に、さらに2枚の基布を縫製することで構成されている。そして、図4(c)(図4(a)のC−C断面図)に例示するように、区画壁120にはベントホール122aが設けられ、このベントホール120aのリアチャンバ108側にはパッチ部材128aが設けられている。パッチ部材128aは、連結部材136aと一体の2枚の基布によって構成されている。そして、連結部材136aは、その車両後側がリアチャンバ108の車両後側の後端である領域P1に縫い付けられている。
図5は、図4(c)のクッション部104が膨張展開する過程を例示した模式図である。図5(a)は、図4(b)に対応して例示した、膨張展開当初のクッション部104を例示している。なお、図5(a)に例示するインパクタ124は、カーテンエアバッグに対する車外放出防止性能評価試験などで使用される試験装置である。以下の説明では、インパクタ124を、乗員を模したものとして扱う。
図5(a)に例示するように、クッション部104は、まずリアチャンバ108が先に膨張展開する。このとき、区画壁120には単にガス圧がかかっているのみであって、図5(b)に例示するようにベントホール(代表して、ベントホール122a)を覆うパッチ部材128aは開いていない。なお、実際には、この状態においてもガスはベントホール122aとパッチ部材128aとの間を通って漏出している。ただし、インフレータ114から供給されるガスの全体量に比べればこの漏出している量はわずかであるため、事実上はベントホール122aは閉じているとみなせる状態である。
以下では、連結部材136(図5中では、代表して連結部材136a)の長さを、長さYとする。また、ほぼ十分に膨張展開した時のリアチャンバ108の、乗員が接触する前の形状においての、ベントホール122(図5中では、代表してベントホール122a)と連結部材136の付け根である所定領域(図5中では、領域P1)とを結ぶ直線距離を、距離Xとする。連結部材136aがたるみなく緊張していた場合、これら連結部材136aの長手方向と距離Xの直線方向は、重なる。
本実施形態では、連結部材136aの長さYを、少なくとも、クッション部104の膨張展開時における乗員が接触する前の形状でのベントホール122aと領域P1との距離X以下に設定している。特に本実施形態では、連結部材136aの長さYは、距離Xとほぼ等しいものに設定している。この設定によって、後述する、パッチ部材128aを引っ張る動作が発生する。
図5(c)に例示するように、インパクタ124がリアチャンバ108に接触すると、リアチャンバ108は車幅方向には薄くなり、車両前後方向には伸びるように変形する。そして、これにともなって区画壁120も車幅方向に押されるようにしてたわみ、ベントホール122aは車両前側に移動して、距離Xが伸びる。このとき、連結部材136aが上記説明した長さY(距離Xとほぼ等しい長さ)に設定されているため、パッチ部材128aはベントホール122aから見て、相対的に、連結部材136aによって引っ張られることになる。これらの動作によって、図5(d)に例示するように、パッチ部材128aの上縁132および下縁134が区画壁120から離間して間隙が拡大し、ベントホール122aにガスが流れる。
上記のように、本実施形態では、連結部材136の長さYを距離Xとほぼ等しいものに設定している(長さYが距離Xよりも若干長くなる場合もあり得る)。例えば、連結部材136の長さYが距離X以下であった場合、連結部材136には、パッチ部材128を引っ張る力が、リアチャンバ108の膨張展開の完了と同時またはその直前に生じることになる。これによると、乗員が接触した直後におけるフロントチャンバ110へのガスの供給が、よりスムーズに行われることになる。一方、本実施形態のように、連結部材136の長さYが距離Xとほぼ等しいか、もしくは若干長い場合には、フロントチャンバ110へのガスの供給が、乗員のリアチャンバ108への接触が確実に生じた後に行われることになる。この構成であると、衝撃の大きなファーストインパクト(乗員のリアチャンバ108への最初の接触)の際に、乗員の確実な保護を行いつつも適切なタイミングでリアチャンバ108の内圧を逃がすことができるため、より好ましいエアバッグ特性を得ることも可能になる。
上記のように、パッチ部材128aは、区画壁120が乗員の接触によって車幅方向に押された際にベントホール122aとの間に間隙が生じるよう、側縁130にて区画壁120に接合され、上縁132および下縁134が区画壁120とは接合されず開放されている。なお、上縁132および下縁134を開放するとしているが、これらは本実施形態では区画壁120が車両上下方向に延びているためであって、例えば区画壁120が車両前後方向に延びている場合はパッチ部材の前縁および後縁を開放する構成としてもよい。
上記のような過程でベントホール122は開くため、区画壁120はよりたわみやすい位置として、クッション部104のうち乗員が接触しやすい領域、詳しくは乗員が接触するとクッション部104の表面が変形する領域の内部に設けると好適である。また、本実施形態では、ベントホール122を開口させやすくするために、ベントホール122を乗員112の身体のうち荷重を受けやすい部位に接触する領域の近傍に設けている。例えば、上側のベントホール122aは乗員112の肩部E1(図1(b))が接触する領域の近傍に設け、下側のベントホール122bは乗員112の腰部E2が接触する領域の近傍に設けている。
ベントホール122aが開くと、リアチャンバ108からフロントチャンバ110へのガスの流量が増大し、図5(e)に例示するように、フロントチャンバ110が膨張展開する。インパクタ124の車外側への移動量が最大になったときには、図5(f)に例示するようにパッチ部材128aによるベントホール122aの開口の程度も最大になる。
このように、当該エアバッグ100のクッション部104では、まずはリアチャンバ108に優先的にガスを供給する。そしてリアチャンバ108は、図1(b)を参照して説明した乗員112の肩部E1や腰部E2などの荷重のかかりやすい部位と、迅速に接触してこれを受けとめる。次に、乗員112がリアチャンバ108に接触することで、フロントチャンバ110が膨張展開して乗員112の腕部E3や腹部E4などを広く受け止める。このように、当該エアバッグ100では、まずは乗員との最初の接触(ファーストインパクト)に関る部位が迅速に膨張展開し、その後にさらに広く膨張展開することで、乗員拘束性能を向上することが可能になっている。
また、図示はしていないが、仮に乗員が正規ではない状態(アウトオブポジション(OOP: Out Of Position ))で座席に着座していた場合であっても、当該エアバッグ100であれば、リアチャンバ108のみを展開させてフロントチャンバ110を未展開にして、乗員との過剰な接触を避けることが期待できる。したがって、当該エアバッグ100の備えるベントホール122およびパッチ部材128は、このOOP対策としても有効である。
本実施形態では、図3(a)に例示するよう、リアチャンバ108およびフロントチャンバ110にガスが効率よく充満するよう、インフレータ114の周囲に整流部材としてディフューザ部126を設置している。ディフューザ部126は、リアチャンバ108の内部にてインフレータ114の周囲を筒状に囲うよう設置され、インフレータ114からのガスをリアチャンバ内にて上下方向へ導く。これによって、リアチャンバ108にガスが効率よく充満し、上下のベントホール122からもフロントチャンバ110へ向かってガスを流しやすくなる。
なお、上記では2つのベントホール122a、122bを備えた構成としているが、必要な性能を満たすことが可能であれば、1つのみ設ける構成としてもよく、さらには3つ以上設ける構成としてもよい。またパッチ部材128および連結部材136は、2枚の布材を縫い合わせることで一体に作製されているが、1枚の布材で構成してもよく、互いに独立して設けた後に接続する構成としてもよいことがいうまでもない。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態にかかるエアバッグ装置(以下、エアバッグ200)を例示した図である。この図6は、上述した図3のクッション部104に対応して、エアバッグ200のクッション部204の例示を行っている。なお、以下では、上記第1実施形態の項目において既に説明した構成要素については、各図中に同じ符号を付することでその説明を省略する。
図6(a)に例示するように、リアチャンバ108とフロントチャンバ110は、区画壁220によって区画されている。区画壁220は、クッション部204の内部にて上下方向へ延びた長尺な形状であっても、布材から構成されている。この区画壁220は、リアチャンバ108を優先的に膨張展開させる役目も担っている。
区画壁220にもベント手段が設けられている。ベント手段の具体的構成としてはスリットベント222が設けられていて、ガスはこのスリットベント222を通ってリアチャンバ108側からフロントチャンバ110側に供給される。スリットベント222は、区画壁220の上部のスリットベント222aと下部のスリットベント222bの計2箇所に設けられているため、フロントチャンバ110に効率よくガスを供給して迅速に充満させることが可能になっている。しかしこのスリットベント222は、リアチャンバ108の膨張展開時にはまだ閉じている。スリットベント222は、乗員がリアチャンバ108に接触したときの外力によって区画壁220がたわむことで、開口する。このように、クッション部204は、リアチャンバ108の膨張展開が優先される仕組みとなっている。
図6(b)は、図6(a)の区画壁220のフロントチャンバ110の膨張展開前の状態を、図6(a)の矢視H方向から見た模式図である。スリットベント222は、区画壁220の短手方向に延びる直線的な形状の切り込み線として設けられている。スリットベント222は、乗員が接触する前の区画壁220がたわんでいない状態では閉じていて、単にリアチャンバ108側からガス圧がかかっただけの時点ではガスの流量は少ない。
図7は、図6(a)のクッション部204を構成する基布の展開図である。区画壁220は、その中央部から下部はクッション部204の内部をほぼ上下方向に沿って延びているものの、上部はフロントチャンバ110側に傾いて設けられている。図7(b)は、図7(a)のI−I断面図である。図7(b)に例示するように、区画壁220は、リアチャンバ108を構成する基布のフロントチャンバ110側の領域に、さらに2枚の基布を縫製することで構成されている。そして、図7(c)(図7(a)のJ−J断面図)に例示するように、スリットベント222では、基布に切り込みが設けられていて、リアチャンバ108とフロントチャンバ110とが通じている。
図8は、図7のクッション部204が膨張展開する過程を例示した図である。図8(a)は、図7(b)に対応して例示した、膨張展開当初のクッション部204を例示している。図8(a)に例示するように、クッション部204は、まずリアチャンバ108が先に膨張展開する。このとき、区画壁220には単にガス圧がかかっているのみであって、図8(b)に例示するようにスリットベント(代表して、スリットベント222a)は開いていない。なお、実際には、この状態においてもガスはスリットベント222aを通って漏出している。ただし、インフレータ114から供給されるガスの全体量に比べればこの漏出している量はわずかであるため、事実上はスリットベント222aは閉じているとみなせる状態である。
図8(c)に例示するように、インパクタ124がリアチャンバ108に接触すると、リアチャンバ108は車幅方向には薄くなり、車両前後方向には伸びるように変形する。そして、これにともなって区画壁120も車幅方向に押されるようにして、たわむ。このたわみによって、図8(d)に例示するようにスリットベント222aが開く。このように、スリットベント222aは、区画壁220が乗員の接触によって車幅方向に押された際に開くよう、車両上下方向に延びる区画壁220に対して車幅方向(区画壁220の短手方向)の切込線として設けられている。
上記のような流れでスリットベント222は開口するため、区画壁220はよりたわみやすい位置として、クッション部204のうち乗員が接触しやすい領域、詳しくは乗員が接触するとクッション部204の表面が変形する領域の内部に設けると好適である。また、本実施形態では、スリットベント222を開口させやすくするために、スリットベント222を乗員の身体のうち荷重を受けやすい部位に接触する領域の近傍に設けている。例えば、上側のスリットベント222aは乗員の肩部E1(図1(b))が接触する領域の近傍に設け、下側のスリットベント222bは乗員の腰部E2が接触する領域の近傍に設けている。
スリットベント222aが開口すると、リアチャンバ108からフロントチャンバ110へのガスの流量が増大し、図8(e)に例示するように、フロントチャンバ110が膨張展開する。インパクタ124の車外側への移動量が最大になったときには、図8(f)に例示するようにスリットベント222aの開口の程度も最大になる。
このように、当該エアバッグ200のクッション部204では、まずはリアチャンバ108に優先的にガスを供給する。そしてリアチャンバ108は、図1(b)を参照して説明した乗員112の肩部E1や腰部E2などの荷重のかかりやすい部位と、迅速に接触してこれを受けとめる。次に、乗員112がリアチャンバ108に接触することで、フロントチャンバ110が膨張展開して乗員112の腕部E3や腹部E4などを広く受け止める。このように、当該エアバッグ200では、まずは乗員との最初の接触(ファーストインパクト)に関る部位が迅速に膨張展開し、その後にさらに広く膨張展開することで、乗員拘束性能を向上することが可能になっている。
また、図示はしていないが、仮に乗員が正規ではない状態(アウトオブポジション(OOP: Out Of Position ))で座席に着座していた場合であっても、当該エアバッグ200であれば、リアチャンバ108のみを展開させてフロントチャンバ110を未展開にして、乗員との過剰な接触を避けることが期待できる。したがって、当該エアバッグ200の備えるスリットベント222は、このOOP対策としても有効である。
なお、本実施形態においても、図6(a)に例示するように、リアチャンバ108およびフロントチャンバ110にガスが効率よく充満するよう、インフレータ114の周囲に整流部材としてディフューザ部126を設置している。ディフューザ部126は、リアチャンバ108の内部にてインフレータ114の周囲を筒状に囲うよう設置され、インフレータ114からのガスをリアチャンバ内にて上下方向へ導く。これによって、リアチャンバ108にガスが効率よく充満し、上下のスリットベント222からもフロントチャンバ110へ向かってガスを流しやすくなる。
なお、上記構成では2つのスリットベント222a、222bを備えた構成としているが、必要な性能を満たすことが可能であれば、1つのみ設ける構成としてもよく、さらには3つ以上設ける構成としてもよい。また、区画壁220は例えば車両前後方向に延びるよう設置してもよく、その場合には区画壁の車両前方および車両後方にスリットベントを設ける構成としてもよい。さらには、区画壁220は、布材を縫い合わせることで作製されているが、1枚の布材で構成しても良いことがいうまでもない。
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態にかかるエアバッグ装置(以下、エアバッグ300)を例示した図である。この図9は、上述した図3のクッション部104に対応して、エアバッグ300のクッション部304の例示を行っている。なお、上記各実施形態の項目において既に説明した構成要素については、各図中に同じ符号を付することでその説明を省略する。
図9(a)に例示するように、リアチャンバ108とフロントチャンバ110は、区画壁320によって区画されている。この区画壁320は、クッション部304の内部にて上下方向へ延びた長尺な形状であって、布材から構成されている。この区画壁320は、リアチャンバ108を優先的に膨張展開させる役目も担っている。
区画壁320は、布材であってそれぞれ独立した第1部材320a、第2部材320b、および第3部材320cを含んで構成されている。詳細には、第1部材320aが区画壁320のうち上部を構成し、第3部材320cが区画壁320の下部を構成している。第1部材320aと第3部材320cは互いに離間していて、フロントチャンバ110側にてこれら第1部材320aと第3部材320cとにわたるよう第2部材320bが設けられている。このように、第1部材320a〜第3部材320cは上下方向に並ぶよう配置され、それぞれ幅方向の縁に沿って縫製されて接合している。
第2部材320bの上端部321および下端部323付近は、第1部材320aおよび第3部材320cと縫製されることなく重なり合っている。これら第2部材320bと第1部材320aおよび第3部材320cとの重なり合っている部分は、接続されることなく開放されて、ベント手段としてオーバラップベント322が形成されている。オーバラップベント322はガスの通過口であって、このオーバラップベント322を介してリアチャンバ108側からフロントチャンバ110側へガスが供給される。
オーバラップベント322は、区画壁320の上部の第1のオーバラップベント322aと下部の第2のオーバラップベント322bの計2箇所に設けられているため、フロントチャンバ110に効率よくガスを供給して迅速に充満させることが可能になっている。しかしこのオーバラップベント322は、リアチャンバ108の膨張展開時にはまだ閉じている。オーバラップベント322は、乗員がリアチャンバ108に接触したときの外力によって区画壁320がたわむことで、これと共にたわんで開口する。このように、クッション部104は、リアチャンバ108の膨張展開が優先される仕組みとなっている。
図9(b)は、図9(a)の区画壁320のフロントチャンバ110の膨張展開前の状態を、図9(a)の矢視K方向から見た模式図である。オーバラップベント322を形成している第2部材320bの上端部321および下端部323は、クッション部304の縦方向(上下方向)に延びる区画壁320に対して、横方向(車幅方向)に延びる形状に設けられている。オーバラップベント322は、乗員が接触する前の区画壁320がたわんでいない状態では閉じていて、単にリアチャンバ108側からガス圧がかかっただけの時点ではガスの流量は、インフレータ114から供給されるガスの総量に比べればわずかである。
図10は、図9(a)のクッション部304を構成する基布の展開図である。区画壁320は、その中央部から下部はクッション部304の内部をほぼ上下方向に沿って延びているものの、上部はフロントチャンバ110側に傾いて設けられている。図10(b)は、図10(a)のM−M断面図である。図10(b)に例示するように、区画壁320は、リアチャンバを構成する基布のフロントチャンバ110側の領域に、第2部材320b等を縫製することで構成されている。そして、図10(c)(図10(a)のN−N断面図)に例示するように、オーバラップベント322では、例えば第1部材320aと第2部材320bとが接続することなく重なり合っている。
図11は、図10のクッション部304が膨張展開する過程を例示した図である。図11(a)は、図10(b)に対応して例示した、膨張展開当初のクッション部304を例示している。図11(a)に例示するように、クッション部304は、まずリアチャンバ108が先に膨張展開する。このとき、区画壁320には単にガス圧がかかっているのみであって、図11(b)に例示するようにオーバラップベント(代表して、オーバラップベント322a)は開いていない。なお、実際には、この状態においてもガスはオーバラップベント322aを通って漏出している。ただし、インフレータ114から供給されるガスの全体量に比べればこの漏出している量はわずかであるため、事実上はオーバラップベント322aは閉じているとみなせる状態である。
図11(c)に例示するように、インパクタ124がリアチャンバ108に接触すると、リアチャンバ108は車幅方向には薄くなり、車両前後方向には伸びるように変形する。そして、これにともなって区画壁320も車幅方向に押されるようにして、たわむ。このたわみによって、図11(d)に例示するように第1部材320aと第2部材320bとの位置が移動し、オーバラップベント322aが開く。そのために、オーバラップベント322aを形成している第2部材320bの上端部321および第1部材320aの下端部325は、区画壁320が乗員の接触によって車幅方向に押された際に開くよう、車両上下方向(縦方向)に延びる区画壁320に対して車幅方向(横方向)に設けられている。これは、図9(a)のオーバラップベント322bを形成している第2部材320bの下端部323および第3部材320cの上端部326も同様である。
上記のような流れでオーバラップベント322は開口するため、区画壁320はよりたわみやすい位置として、クッション部304のうち乗員が接触しやすい領域、詳しくは乗員が接触するとクッション部304の表面が変形する領域の内部に設けると好適である。また、本実施形態では、オーバラップベント322を開口させやすくするために、オーバラップベント322を乗員の身体のうち荷重を受けやすい部位に接触する領域の近傍に設けている。例えば、上側のオーバラップベント322aは乗員の肩部E1(図1(b))が接触する領域の近傍に設け、下側のオーバラップベント322bは乗員の腰部E2が接触する領域の近傍に設けている。
オーバラップベント322aが開口すると、リアチャンバ108からフロントチャンバ110へのガスの流量が増大し、図11(e)に例示するように、フロントチャンバ110が膨張展開する。インパクタ124の車外側への移動量が最大になったときには、図11(f)に例示するようにオーバラップベント322aの開口の程度も最大になる。
このように、当該エアバッグ300のクッション部304では、まずはリアチャンバ108に優先的にガスを供給する。そしてリアチャンバ308は、図1(b)を参照して説明した乗員112の肩部E1や腰部E2などの荷重のかかりやすい部位と、迅速に接触してこれを受けとめる。次に、乗員112がリアチャンバ108に接触することで、フロントチャンバ110が膨張展開して乗員112の腕部E3や腹部E4などを広く受け止める。このように、当該エアバッグ300では、まずは乗員との最初の接触(ファーストインパクト)に関る部位が迅速に膨張展開し、その後にさらに広く膨張展開することで、乗員拘束性能を向上することが可能になっている。
また、図示はしていないが、仮に乗員が正規ではない状態(アウトオブポジション(OOP: Out Of Position ))で座席に着座していた場合であっても、当該エアバッグ300であれば、リアチャンバ108のみを展開させてフロントチャンバ110を未展開にして、乗員との過剰な接触を避けることが期待できる。したがって、当該エアバッグ300の備えるオーバラップベント322は、このOOP対策としても有効である。
なお、本実施形態においても、図9(a)に例示するように、リアチャンバ108およびフロントチャンバ110にガスが効率よく充満するよう、インフレータ114の周囲に整流部材としてディフューザ部126を設置している。ディフューザ部126は、リアチャンバ108の内部にてインフレータ114の周囲を筒状に囲うよう設置され、インフレータ114からのガスをリアチャンバ内にて上下方向へ導く。これによって、リアチャンバ108にガスが効率よく充満し、上下のオーバラップベント322からもフロントチャンバ110へ向かってガスを流しやすくなる。
なお、上記構成では、区画壁320を第1部材320aと第2部材320bおよび第3部材320cの計3つの部材で構成しているが、例えば第1部材320aと第2部材320bの2つの部材のみで構成して1つのオーバラップベント322aだけを設ける構成とすることも可能である。また、上記実施形態では、本発明にかかる技術的思想をサイドエアバッグとして具現化している。しかし、これに限らず、例えばカーテンエアバッグやフロントエアバッグなどの2つ以上のチャンバを備えるエアバッグにおいても、第1のチャンバへの乗員の接触後に第2のチャンバが膨張展開する構成として、具現化可能である。
また、上記構成では、2つのオーバラップベント322a、322bを備える構成としているが、必要な性能を満たすことが可能であれば、1つのみ設ける構成としてもよく、さらには3つ以上設ける構成としてもよい。また、区画壁320は例えば車両前後方向に延びるよう設置してもよく、その場合には区画壁の車両前方および車両後方にオーバラップベントを設ける構成としてもよい。さらには、区画壁320の第1材320a〜第2部材320cは、上記ではそれぞれ独立した布材で構成されているが、他にも、例えばリアチャンバ108等の基布における車幅方向の車外側および車内側の一部分を、互いに車幅方向の中央で縫い合わせることで各部材を構成してもよい。
(第4実施形態)
図12は、本発明の第4実施形態にかかるエアバッグ装置(以下、エアバッグ400)を例示した図である。この図12は、上述した図3のクッション部104に対応して、エアバッグ400のクッション部404の例示を行っている。なお、上記各実施形態の項目において既に説明した構成要素については、各図中に同じ符号を付することでその説明を省略する。
図12(a)に例示するように、リアチャンバ108とフロントチャンバ110は、区画壁420によって区画されている。この区画壁420は、クッション部404の内部にて上下方向へ延びた長尺な形状であって、布材から構成されている。この区画壁420は、リアチャンバ108を優先的に膨張展開させる役目も担っている。
区画壁420は、布材であって互いに独立した第1部材420a、第2部材420bを含んで構成されている。詳細には、第1部材420aおよび第2部材420bは区画壁420の全体に沿った上下方向に長尺な形状であって、第1部材420aが区画壁420のうち車幅方向の車外側を構成し、第2部材420bが区画壁420の車幅方向の車内側を構成している。第1部材420aと第2部材420bは、互いの長手の縁(図12(b)に例示する第1部材420aの縁421、および第2部材420bの縁423)が重なり合ってベント手段としてオーバラップ部432が形成され、このオーバラップ部432が縁421等に沿って縫製ラインL2によって接合されている。
縫製ラインL2には、区画壁420の上部および下部においてその途中が開放されている。この、第1部材420aと第2部材420bとが開放されている部分は、オーバラップベント422となっている。オーバラップベント422はガスの通過口であって、このオーバラップベント422を介してリアチャンバ108側からフロントチャンバ110側へガスが供給される。本実施形態では、オーバラップベント422は、区画壁420の短手方向であって、車幅方向の車外側へ向かってガスを流す構成となっている。
オーバラップベント422は、区画壁420の上部の第1のオーバラップベント422aと下部の第2のオーバラップベント422bの計2箇所に設けられているため、フロントチャンバ110に効率よくガスを供給して迅速に充満させることが可能になっている。しかしこのオーバラップベント422は、乗員が接触する前の区画壁420がたわんでいない状態ではまだ閉じていて、単にリアチャンバ108側からガス圧がかかっただけの時点ではガスの流量は少ない。オーバラップベント422は、乗員がリアチャンバ108に接触したときの外力によって区画壁420がたわむことで、開口する。すなわち、クッション部404は、リアチャンバ108の膨張展開が優先される仕組みとなっている。
図12(b)は、図12(a)の区画壁420のフロントチャンバ110の膨張展開前の状態を、図12(a)の矢視O方向から見た模式図である。オーバラップベント422は、区画壁420の長手方向に延びた縫製ラインL2が車幅方向の車外側へ沿って湾曲することで形成されている。したがって、オーバラップベント422には、ガスが車内側から車外側へ向かって流れる。ガスを車外側へ向かって流しているのは、安全性への配慮でもあって、これによってガス圧が車内側の乗員に当たらないようにすることができる。
また、オーバラップベント422は、縫製ラインが湾曲していることで、例えば422aではフロントチャンバ110側である出口D1の径よりもリアチャンバ108側である入口D2の径が大きくなっている。この構成によっても、ガスがフロントチャンバ110へ向かってより流れやすくなっている。
図13は、図12(a)のクッション部404を構成する基布の展開図である。区画壁420は、その中央部から下部はクッション部404の内部をほぼ上下方向に沿って延びているものの、上部はフロントチャンバ110側に傾いて設けられている。図13(b)は、図13(a)のQ−Q断面図である。図13(b)に例示するように、区画壁420は、リアチャンバを構成する基布のフロントチャンバ110側の領域に、第1部材420aおよび第2部材420b等を縫製することで構成されている。これら第1部材420aおよび第2部材420bは縫製ラインL2によって接合しているが、図13(c)(図13(a)のR−R断面図)に例示するように、オーバラップベント422の位置では縫製ラインが無く、第1部材420aと第2部材420bとが接合することなく開放されている。
図14は、図13のクッション部404が膨張展開する過程を例示した図である。図14(a)は、図13(b)に対応して例示した、膨張展開当初のクッション部404を例示している。図14(a)に例示するように、クッション部404は、まずリアチャンバ108が先に膨張展開する。このとき、区画壁420には単にガス圧がかかっているのみであって、図14(b)に例示するようにオーバラップベント(代表して、オーバラップベント422a)は開いていない。なお、実際には、この状態においてもガスはオーバラップベント422aを通って漏出している。ただしインフレータ114から供給されるガスの全体量に比べればこの漏出している量はわずかであるため、事実上、このときのオーバラップベント422aは閉じているとみなせる状態である。
図14(c)に例示するように、インパクタ124がリアチャンバ108に接触すると、リアチャンバ108は車幅方向には薄くなり、車両前後方向には伸びるように変形する。そして、これにともなって区画壁420も車幅方向に押されるようにして、たわむ。このたわみによって、図14(d)に例示するように第1部材420aと第2部材420bとの位置が移動してその重なり具合が変化し、オーバラップベント422aが開く。
上記のような流れでオーバラップベント422は開口するため、区画壁420はよりたわみやすい位置として、クッション部404のうち乗員が接触しやすい領域、詳しくは乗員が接触するとクッション部404の表面が変形する領域の内部に設けると好適である。また、本実施形態では、オーバラップベント422をさらに開口させやすくするために、オーバラップベント422を乗員の身体のうち荷重を受けやすい部位に接触する領域の近傍に設けている。例えば、上側のオーバラップベント422aは乗員の肩部E1(図1(b))が接触する領域の近傍に設け、下側のオーバラップベント422bは乗員の腰部E2が接触する領域の近傍に設けている。
オーバラップベント422aが開口すると、リアチャンバ108からフロントチャンバ110へのガスの流量が増大し、図14(e)に例示するように、フロントチャンバ110が膨張展開する。インパクタ124の車外側への移動量が最大になったときには、図14(f)に例示するようにオーバラップベント422aの開口の程度も最大になる。
このように、当該エアバッグ400のクッション部404では、まずはリアチャンバ108に優先的にガスを供給する。そしてリアチャンバ108は、図1(b)を参照して説明した乗員112の肩部E1や腰部E2などの荷重のかかりやすい部位と、迅速に接触してこれを受けとめる。次に、乗員112がリアチャンバ108に接触することで、フロントチャンバ110が膨張展開して乗員112の腕部E3や腹部E4などを広く受け止める。このように、当該エアバッグ400では、まずは乗員との最初の接触(ファーストインパクト)に関る部位が迅速に膨張展開し、その後にさらに広く膨張展開することで、乗員拘束性能を向上することが可能になっている。
また、図示はしていないが、仮に乗員が正規ではない状態(アウトオブポジション(OOP: Out Of Position ))で座席に着座していた場合であっても、当該エアバッグ400であれば、リアチャンバ108のみを展開させてフロントチャンバ110を未展開にして、乗員との過剰な接触を避けることが期待できる。したがって、当該エアバッグ400の備えるオーバラップベント422は、このOOP対策としても有効である。
なお、本実施形態においても、図12(a)に例示するように、リアチャンバ108およびフロントチャンバ110にガスが効率よく充満するよう、インフレータ114の周囲に整流部材としてディフューザ部126を設置している。ディフューザ部126は、リアチャンバ108の内部にてインフレータ114の周囲を筒状に囲うよう設置され、インフレータ114からのガスをリアチャンバ内にて上下方向へ導く。これによって、リアチャンバ108にガスが効率よく充満し、上下のオーバラップベント422からもフロントチャンバ110へ向かってガスを流しやすくなる。
また、図13(a)や図14(c)等に例示するように、フロントチャンバ110内には、オーバラップベント420から流入するガスが直接当たる領域に補強布428、430を設けてもよい。これにより、クッション部404の耐久性を向上することが可能になる。
なお、上記構成では、区画壁420を第1部材420aと第2部材420bの計2つの部材で構成しているが、例えばさらに第3の部材を備えさせてさらなるオーバラップベントを追加する構成とすることも可能である。さらには、区画壁420は例えば車両前後方向に延びるよう設置してもよく、その場合には区画壁の車両前方および車両後方にオーバラップベントを設ける構成としてもよい。また、上記実施形態では、本発明にかかる技術的思想をサイドエアバッグとして具現化している。しかし、これに限らず、例えばカーテンエアバッグやフロントエアバッグなどの2つ以上のチャンバを備えるエアバッグにおいても、第1のチャンバへの乗員の接触後に第2のチャンバが膨張展開する構成として、具現化可能である。
さらに、上記実施形態では、2つのオーバラップベント422a、422bを備える構成としているが、必要な性能を満たすことが可能であれば、1つのみ設ける構成としてもよく、さらには3つ以上設ける構成としてもよい。また、縫製ラインはオーバラップベントの上下の両脇で湾曲する形状としているが、直線的に屈曲する形状とすることも可能である。
(変形例)
以下では、上記各実施形態に共通する、クッション部の変形例について説明する。図15は、各実施形態におけるクッション部の変形例を例示した図である。図15(a)に例示するクッション部500では、主に区画壁502の設置箇所の点において、上記各実施形態と異なっている。
区画壁502はクッション部500内にて車両前後方向に延びていて、クッション部500内を上部チャンバ504と下部チャンバ506とに区画している。このクッション部500では、上部チャンバ504内にインフレータ114が設けられている。インフレータ114の周囲には、筒状のディフレクタ508が取り付けられている。ディフレクタ508は、主に金属で構成されたガスの整流部材であって、インフレータ114からのガスをその長手方向である上下方向に案内する。
さらに本変形例では、ディフレクタ508のさらに外側に、布材を筒状に形成することで設けられたディフューザ510が備えられている。このディフューザ510は、ガスを整流して上下方向へ案内する作用を持った部材であるが、本変形例ではさらに逆止弁512の機能も有している。
図15(b)は、図15(a)のディフューザ510を単独で例示した図である。図15(b)に例示するように、ディフューザ510の下部チャンバ506側の部分である逆止弁512は、ディフレクタ508よりもさらに長く延びていて、布材に余裕がもたされている。この逆止弁512には、インフレータ114から下部チャンバ506へ向かうガスが問題なく流れる。図15(c)は下部チャンバ506側からディフューザ510へガスが逆流しようとした状態を例示した図である。図15(c)に例示するように、下部チャンバ506側からディフューザ510内へガスが逆流しようとすると、逆止弁512を形成している布材がディフューザ510内に詰まる。これにより、ガスの逆流は防がれ、下部チャンバ506の内圧は高い状態に保たれる。
再び図15(a)を参照する。クッション部500では、区画壁502の車両前側にベント手段514が設けられている。ベント手段514としては、上記第1〜第4実施形態で説明した各ベント手段の具体的構成を適宜採用してよい。このベント手段514は、例えば乗員112(図1(b)参照)が下部チャンバ506に接触した際に開くよう構成することができる。これら一連の構成を備えたクッション部500では、まず、逆止弁512で逆流が防がれた下部チャンバ506が迅速に膨張展開する。そして、その下部チャンバ506に乗員が接触した際、乗員に与える負担が適度に軽減できるよう、ベント手段514が開いて上部チャンバ504へガスが流出する。このように、クッション部500では、ディフューザ510やベント手段514を用いることで、下部チャンバ506の膨張速度やその内圧等を調整して乗員拘束性能を向上させることが可能になっている。
なお、図16は図15(a)のインフレータ114の配置位置の変更例を例示した図である。図16に例示するように、インフレータ114の配置位置は適宜変更可能である。例えば、図16(a)では、下部チャンバ506内にインフレータ114を配置し、上部チャンバ側に逆止弁516を通じてガスを供給する構成としている。この構成によれば、上部チャンバ504から下部チャンバ506へのガスの逆流を防ぎ、上部チャンバ504の内圧を高く維持することができる。また、図16(b)のように、区画壁502を貫いた位置にインフレータ114を設置して上部チャンバ504および下部チャンバ506の両方に逆止弁514、516を設け、両方のチャンバにおいてガスの逆流を防いでそれぞれの内圧を高くすることも可能である。
図17は、各実施形態におけるクッション部のさらなる変形例を例示した図である。図17に例示する各変形例のクッション部600では、2つの方向に延びる区画壁602、604を備え、3つのチャンバが区画されている。例えば、図17(a)では、1つの下部チャンバ606と、2つの上部チャンバ(上部後方チャンバ608、上部前方チャンバ610)が設けられている。そして、下部チャンバ606と上部前方チャンバ610の間にて車両前後に延びる区画壁602と、上部後方チャンバ608と上部前方チャンバ610の間にて車両上下に延びる区画壁604に、それぞれベント手段612、614を設けている。なお、ベント手段612、614は、図15(a)のベント手段514と同様に、上記第1〜第4実施形態で説明したベント手段の具体的構成を適宜採用してよい。
クッション部600では、まず、乗員112(図1(b)参照)の肩部E1や腰部E2を保護するために、インフレータ114が設けられた上部後方チャンバ608と、逆止弁512で逆流が防がれた下部チャンバ606とが共に迅速に膨張展開する。そして、これら各チャンバに乗員が接触すると、ベント手段612、614が開き、上部前方チャンバ610が膨張展開して乗員112をさらに広く受け止めることが可能になる。
なお、クッション部600においても、インフレータ114の設置位置は適宜変更することができる。例えば、図17(b)では下部チャンバ606内にインフレータ114を設置し、上部後方チャンバ608には逆止弁516を通じてガスを供給する構成となっている。また、図17(c)では、インフレータ114は区画壁604を貫くように設置され、下部チャンバ606と上部後方チャンバ608のそれぞれに逆止弁512、516を通じてガスを供給する構成となっている。このように、3つのチャンバを有するクッション部600においても、ディフューザ510やベント手段612、614を用いて、各チャンバの膨張速度やその内圧等を調整することができ、乗員拘束性能を向上させることが可能となっている。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、上記各実施形態では、本発明にかかる技術的思想をサイドエアバッグとして具現化している。しかし、これに限らず、例えばカーテンエアバッグやフロントエアバッグなどの2つ以上のチャンバを備えるエアバッグにおいても、第1のチャンバへの乗員の接触後に第2のチャンバが膨張展開する構成として、具現化可能である。
また、上記実施形態においては本発明にかかるエアバッグ装置を自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、車両に衝撃が生じた場合などに、乗員と車室内の側壁部等との間に膨張展開して乗員を拘束するエアバッグ装置に利用することができる。

Claims (16)

  1. 袋状であってガスを受給して膨張展開するクッション部と、
    前記クッション部の内部を複数のチャンバに区画する上下方向へ延びた長尺な形状の区画壁と、
    前記区画壁に設けられる開閉可能なベント手段であって、乗員が少なくとも1つのチャンバに接触して前記区画壁がたわむことで開くベント手段と、
    を備え、
    前記ベント手段は、
    前記区画壁に設けられて前記ガスが第1のチャンバから第2のチャンバへ通過可能な1つ以上のベントホールと、
    前記第1のチャンバ側にて前記ベントホールを覆い、前記区画壁から少なくとも一部が離間可能な状態で接合されるパッチ部材と、
    前記パッチ部材と該パッチ部材に対向する前記第1のチャンバの後端とに連結する連結部材と、
    を含み、
    前記連結部材の長さは、前記第1のチャンバが十分に膨張展開した時の形状における前記ベントホールと前記後端との距離に等しいことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記パッチ部材は、その側縁が前記区画壁における前記ベントホールの両脇に接合され、上下の縁が該区画壁から開放されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記ベントホールは、前記区画壁上であって前記クッション部内の上部および下部の少なくとも2箇所に設けられ、
    前記区画壁の上部に設けられるベントホールは、前記乗員の肩部が接触する領域の近傍に設けられ、
    前記区画壁の下部に設けられるベントホールは、前記乗員の腰部が接触する領域の近傍に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のエアバッグ装置。
  4. 袋状であってガスを受給して膨張展開するクッション部と、
    前記クッション部の内部を複数のチャンバに区画する上下方向へ延びた長尺な形状の区画壁と、
    前記区画壁に設けられる開閉可能なベント手段であって、乗員が少なくとも1つのチャンバに接触して前記区画壁がたわむことで開くベント手段と、
    を備え、
    前記ベント手段は、
    前記区画壁に車幅方向の直線状の切り込み線として設けられたスリットベントを含み、
    前記スリットベントは、前記乗員の接触によって車幅方向に押されて前記区画壁がたわむことで上下方向に開口して前記ガスの第1のチャンバから第2のチャンバへの流量を増大させることを特徴とするエアバッグ装置。
  5. 前記スリットベントは、前記区画壁上であって前記クッション部内の上部および下部の少なくとも2箇所に設けられ、
    前記区画壁の上部に設けられるスリットベントは、前記乗員の肩部が接触する領域の近傍に設けられ、
    前記区画壁の下部に設けられるスリットベントは、前記乗員の腰部が接触する領域の近傍に設けられることを特徴とする請求項4に記載のエアバッグ装置。
  6. 袋状であってガスを受給して膨張展開するクッション部と、
    前記クッション部の内部を複数のチャンバに区画する上下方向へ延びた長尺な形状の区画壁と、
    前記区画壁に設けられる開閉可能なベント手段であって、乗員が少なくとも1つのチャンバに接触して前記区画壁がたわむことで開くベント手段と、
    を備え、
    前記区画壁は、互いに独立した布材であって上下方向に並ぶよう配置された第1部材および第2部材を含み、
    前記ベント手段は、前記区画壁上において前記第1部材と前記第2部材の端部同士が接続することなく重なり合うことで設けられ該区画壁がたわむことで上下方向に開口する第1のオーバラップベントを含むことを特徴とするエアバッグ装置。
  7. 前記区画壁は前記クッション部の内部にて上下方向へ延びた形状であって、前記第1部材と第2部材とは上下方向に並ぶよう配置され、
    前記第1のオーバラップベントは、前記区画壁上に横方向へ延びるよう設けられることを特徴とする請求項6に記載のエアバッグ装置。
  8. 前記区画壁はさらに、前記第1部材からは離間した布材からなる第3部材を含み、
    前記ベント手段はさらに、前記区画壁上において前記第2部材と前記第3部材の端部同士が重なり合うことで設けられ該区画壁がたわむことで開口する第2のオーバラップベントを含むことを特徴とする請求項6または7に記載のエアバッグ装置。
  9. 前記第1のオーバラップベントは、前記乗員の肩部が接触する領域の近傍に設けられ、
    前記第2のオーバラップベントは、前記乗員の腰部が接触する領域の近傍に設けられることを特徴とする請求項8に記載のエアバッグ装置。
  10. 袋状であってガスを受給して膨張展開するクッション部と、
    前記クッション部の内部を複数のチャンバに区画する区画壁と、
    前記区画壁に設けられる開閉可能なベント手段であって、乗員が少なくとも1つのチャンバに接触して前記区画壁がたわむことで開くベント手段と、
    を備え、
    前記区画壁は、互いに独立していて上下方向へ延びた長尺な形状の布材であり車幅方向の車外側に配置される第1部材および車幅方向の車内側に配置される第2部材を含み、該第1部材と該第2部材の長手の端部同士が重なり合うオーバラップ部を有し、
    前記ベント手段は、
    前記第1部材と前記第2部材の前記オーバラップ部に互いの長手の縁部に沿って設けられる、該第1部材と該第2部材とを接合する縫製ラインと、
    前記縫製ラインの途中が開放されて設けられていて、前記ガスが第1のチャンバから第2のチャンバへ通過可能な1つ以上のオーバラップベントと、
    を含み、
    前記第2部材は前記第1部材に前記第2のチャンバ側から重なっていて、
    前記縫製ラインは、前記オーバラップベントの上下両側で、前記長手の方向から前記第1部材および第2部材の短手方向である車幅方向の車外側に湾曲していて、
    前記オーバラップベントは、前記第2のチャンバ側の径よりも前記第1のチャンバ側の径が大きく、前記ガスが車幅方向における車内側から車外側へ向かって流れることを特徴とするエアバッグ装置。
  11. 前記第2のチャンバは、前記オーバラップベントから流入するガスが直接当たる領域に補強布を有することを特徴とする請求項10に記載のエアバッグ装置。
  12. 前記オーバラップベントは、前記区画壁上であって前記クッション部内の上部および下部の少なくとも2箇所に設けられ、
    前記区画壁の上部のオーバラップベントは、前記乗員の肩部が接触する領域の近傍に設けられ、
    前記区画壁の下部のオーバラップベントは、該乗員の腰部が接触する領域の近傍に設けられることを特徴とする請求項10から11のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  13. 前記区画壁は、車両の緊急時に前記クッション部のうち前記乗員が接触して該クッション部の表面が変形する領域に設けられていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  14. 当該エアバッグ装置は、座席の側方で膨張展開するサイドエアバッグであることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  15. 前記区画壁は、前記クッション部内を車両後側のリアチャンバと車両前側のフロントチャンバとに区画し、
    前記ベント手段は、前記リアチャンバから前記フロントチャンバへとガスを供給することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  16. 当該エアバッグ装置はさらに、
    シリンダ型であって所定のチャンバ内に設置されるインフレータと、
    前記インフレータの周囲を筒状に囲うよう設置され、該インフレータからのガスをチャンバ内の上下方向へ導くディフューザ部と、
    を備えることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
JP2014553128A 2012-12-20 2013-12-16 エアバッグ装置 Active JP5980956B2 (ja)

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012278752 2012-12-20
JP2012278752 2012-12-20
JP2012280318 2012-12-21
JP2012280318 2012-12-21
JP2012280319 2012-12-21
JP2012280319 2012-12-21
JP2012281118 2012-12-25
JP2012281118 2012-12-25
PCT/JP2013/083606 WO2014098027A1 (ja) 2012-12-20 2013-12-16 エアバッグ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5980956B2 true JP5980956B2 (ja) 2016-08-31
JPWO2014098027A1 JPWO2014098027A1 (ja) 2017-01-12

Family

ID=50978357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014553128A Active JP5980956B2 (ja) 2012-12-20 2013-12-16 エアバッグ装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5980956B2 (ja)
WO (1) WO2014098027A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6217350B2 (ja) 2013-11-29 2017-10-25 三菱自動車工業株式会社 サイドエアバッグ装置
JP6302768B2 (ja) * 2014-06-27 2018-03-28 豊田合成株式会社 サイドエアバッグ装置
JP6149840B2 (ja) 2014-10-21 2017-06-21 トヨタ自動車株式会社 車両用ファーサイドエアバッグ装置
EP3127758B1 (en) * 2015-08-07 2019-05-15 Toyoda Gosei Co., Ltd. Far-side airbag apparatus for deployment between adjacent vehicle seats
JP2017036038A (ja) 2015-08-07 2017-02-16 豊田合成株式会社 ファーサイドエアバッグ装置
JP2017100600A (ja) * 2015-12-03 2017-06-08 三菱自動車工業株式会社 サイドエアバッグ装置
JP6634036B2 (ja) * 2017-01-11 2020-01-22 オートリブ ディベロップメント エービー サイドエアバッグ装置
CN110546043A (zh) * 2017-05-19 2019-12-06 奥托立夫开发公司 侧面安全气囊装置
CN110869249B (zh) 2017-08-02 2022-02-22 奥托立夫开发公司 车辆用侧面安全气囊装置
JP6850781B2 (ja) * 2018-10-17 2021-03-31 オートリブ ディベロップメント エービー サイドエアバッグ装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009023640A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Tk Holdings Inc マルチチャンバ式サイドエアバッグ
JP2009113757A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Takata Corp エアバッグ及びエアバッグ装置
JP2011031719A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Toyoda Gosei Co Ltd エアバッグ装置
WO2011077510A1 (ja) * 2009-12-21 2011-06-30 トヨタ自動車株式会社 サイドエアバッグ装置及びサイドエアバッグの縫製方法
JP2012030614A (ja) * 2010-07-28 2012-02-16 Toyoda Gosei Co Ltd エアバッグ装置
JP2012046050A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Nippon Plast Co Ltd 自動車用エアバッグ装置
JP2012046167A (ja) * 2010-07-28 2012-03-08 Toyoda Gosei Co Ltd エアバッグ装置
JP2012228986A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Toyoda Gosei Co Ltd サイドエアバッグ装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009023640A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Tk Holdings Inc マルチチャンバ式サイドエアバッグ
JP2009113757A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Takata Corp エアバッグ及びエアバッグ装置
JP2011031719A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Toyoda Gosei Co Ltd エアバッグ装置
WO2011077510A1 (ja) * 2009-12-21 2011-06-30 トヨタ自動車株式会社 サイドエアバッグ装置及びサイドエアバッグの縫製方法
JP2012030614A (ja) * 2010-07-28 2012-02-16 Toyoda Gosei Co Ltd エアバッグ装置
JP2012046167A (ja) * 2010-07-28 2012-03-08 Toyoda Gosei Co Ltd エアバッグ装置
JP2012046050A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Nippon Plast Co Ltd 自動車用エアバッグ装置
JP2012228986A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Toyoda Gosei Co Ltd サイドエアバッグ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2014098027A1 (ja) 2017-01-12
WO2014098027A1 (ja) 2014-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5980956B2 (ja) エアバッグ装置
JP6504296B2 (ja) 乗員保護装置
EP2412585B1 (en) Airbag apparatus
JP4758455B2 (ja) 乗員保護装置
EP1344694B1 (en) Side airbag apparatus
JP5123941B2 (ja) 延長肩部分を持つサイドカーテンエアバッグ
EP1679235B1 (en) Side curtain air bag
JP6080344B2 (ja) エアバッグ装置
US20100102542A1 (en) Airbag device
EP2263921A1 (en) Airbag device
JP4827046B2 (ja) エアバッグ装置
JP6426553B2 (ja) 乗員保護装置
WO2016149022A1 (en) Low-volume seat-mounted airbag assemblies with knee restraint
US10532716B2 (en) Vehicle curtain airbag device
JP2007331402A (ja) 側突用エアバッグ、側突用エアバッグ装置、車両用シート
JP2008037281A (ja) シート取付乗員拘束装置
WO2018123427A1 (ja) サイドエアバッグ装置
JP5366774B2 (ja) エアバッグ及びエアバッグの折畳方法
JP2009101757A (ja) 膝保護用エアバッグ装置
JP6517662B2 (ja) 乗員保護装置
JP6380064B2 (ja) 車両用サイドエアバッグ装置
JP5766577B2 (ja) エアバッグ装置
JP2022145179A (ja) 車両用エアバッグ装置
US20240092303A1 (en) Airbag device
KR102352151B1 (ko) 자동차의 운전석 에어백 장치

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5980956

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250