JP6850727B2 - ボトル、コーティング膜、および製造方法 - Google Patents

ボトル、コーティング膜、および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ボトル、コーティング膜、およびボトルとコーティング膜の製造方法に関するものである。
一般に、プラスチックは、酸素や二酸化炭素のような低分子ガスを透過する性質を有し、また、低分子の有機化合物がプラスチックの表面に吸着してしまうという性質を有している。このため、プラスチックで構成されるボトル(容器)は、ガラス等の他の容器と比較して、使用対象(内容物)、使用形態に様々な制約がある。
この問題を解決するため、従来、ボトルの内表面や外表面にDLC(Diamond-like Carbon)膜や酸化ケイ素の膜をコーティングする手法が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
日本国特開2003−328131号公報 日本国特許第3545305号
しかしながら、DLC膜は主として炭素で構成されるため、ガスバリア性能を発現させるだけの膜厚を有するように成膜すると、その膜が褐色に着色してしまい、ボトルの外観のイメージが低下してしまう場合があった。一方、酸化ケイ素の膜は、主にケイ素、酸素で構成されるため、透明性が高い。このため、外観のイメージに色の影響はないものであるが、透明であるがためにコーティング膜の性能を評価することが難しかった。そこで、例えば、成膜時の条件(ガス圧や電圧等)を監視することで間接的にコーティング膜の性能の良否を判定しなければならなかった。
そこで、本発明は、ボトルの外観のイメージの低下を抑制しつつ、コーティング膜の性能の良否を直接的に判定することが可能な、ボトル、コーティング膜、および製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のボトルは、
内表面にコーティング膜が形成されたプラスチック製のボトルであって、
前記コーティング膜は、有機ケイ素化合物で構成され、
溶剤を使用して前記内表面から剥離した前記コーティング膜に対して赤外分光法による測定を行ったとき、
前記有機ケイ素化合物の主骨格に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第一ピークとし、
前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素とメチル基の結合(Si−CH)に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第二ピークとし、
剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックのうち炭素と酸素の二重結合(C=O)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第三ピークとし、
前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素と水素の結合(Si−H)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第四ピークとしたとき、
前記第四ピークの高さと前記第一ピークの高さとの比(第四ピーク/第一ピーク)が0より大きく0.2以下であり、
前記第二ピークの高さと前記第三ピークの高さとの比(第二ピーク/第三ピーク)が0.75以上1.4以下である。
上記構成によれば、コーティング膜が有機ケイ素化合物で構成されている。本発明者は、このコーティング膜については、ボトルの外観のイメージを低下させない程度の若干の着色の状態で、ガスバリア性能を発現させることができることを確認した。また、本発明者は、このコーティング膜に対する赤外分光法の測定結果とガスバリア性能との関係を確認した。このため、赤外分光法により、コーティング膜がガスバリア性能を発現する品質を有しているか否かを定量的に判定することができる。
このように、上記構成によれば、ボトルの外観のイメージの低下を抑制しつつ、コーティング膜の性能の良否を直接的に判定することが可能なボトルを提供することができる。
また、本発明のボトルにおいて、
前記第四ピークの高さと前記第一ピークの高さとの比(第四ピーク/第一ピーク)が0.03以上0.18以下であり、
前記第二ピークの高さと前記第三ピークの高さとの比(第二ピーク/第三ピーク)が0.76以上1.32以下であっても良い。
上記構成によれば、赤外分光法により、コーティング膜がガスバリア性能を発現する品質を有しているか否かを更に精度良く判定することができる。
また、本発明のボトルにおいて、
前記第一ピークは、1020cm−1付近の赤外吸収スペクトルのピークであり、
前記第二ピークは、1260cm−1付近の赤外吸収スペクトルのピークであり、
前記第三ピークは、1720cm−1付近の赤外吸収スペクトルのピークであり、
前記第四ピークは、2150cm−1付近の赤外吸収スペクトルのピークであっても良い。
上記構成によれば、赤外分光法により、コーティング膜がガスバリア性能を発現する品質を有しているか否かを更に精度良く判定することができる。
また、本発明のボトルにおいて、
前記有機ケイ素化合物は、ヘキサメチルジシロキサンであっても良い。
上記構成によれば、ヘキサメチルジシロキサンを用いることにより十分なガスバリア性能を有するコーティング膜を形成することができる。
また、本発明のボトルにおいて、
前記プラスチックは、ポリエチレンテレフタラートで構成されていてもよい。
上記構成によれば、概観を大きく損なわない程度に透明性を有したボトルを形成することができるとともに、その内表面にコーティング膜を形成しやすい。
また、本発明のボトルにおいて、
前記コーティング膜は、前記有機ケイ素化合物で構成される原料ガスをプラズマ化学蒸着(プラズマCVD)することにより、前記内表面上に形成されていても良い。
上記構成によれば、プラズマCVDにより、ボトルの内表面に略均一なコーティング膜を形成することができる。
また、本発明のコーティング膜は、
プラスチック製のボトル内表面に形成されたコーティング膜であって、
前記コーティング膜は、有機ケイ素化合物で構成され、
溶剤を使用して前記内表面から剥離した前記コーティング膜に対して赤外分光法による測定を行ったとき、
前記有機ケイ素化合物の主骨格に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第一ピークとし、
前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素とメチル基の結合(Si−CH)に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第二ピークとし、
剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックのうち炭素と酸素の二重結合(C=O)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第三ピークとし、
前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素と水素の結合(Si−H)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第四ピークとしたとき、
前記第四ピークの高さと前記第一ピークの高さとの比(第四ピーク/第一ピーク)が0より大きく0.2以下であり、
前記第二ピークの高さと前記第三ピークの高さとの比(第二ピーク/第三ピーク)が0.75以上1.4以下である。
上記構成によれば、コーティング膜が有機ケイ素化合物で構成されている。本発明者は、このコーティング膜については、ボトルの外観のイメージを低下させない程度の若干の着色の状態で、ガスバリア性能を発現させることができることを確認した。また、本発明者は、このコーティング膜に対する赤外分光法の測定結果とガスバリア性能との関係を確認した。このため、赤外分光法により、コーティング膜がガスバリア性能を発現する品質を有しているか否かを定量的に判定することができる。
このように、上記構成によれば、ボトルの外観のイメージの低下を抑制しつつ、コーティング膜の性能の良否を直接的に判定することが可能なコーティング膜を提供することができる。
また、本発明のボトルの製造方法は、
内表面にコーティング膜が形成されたプラスチック製のボトルを製造する方法であって、
前記ボトルの中に有機ケイ素化合物で構成される原料ガスを供給する工程と、
前記原料ガスが供給されたボトルに対して高電圧を供給して、プラズマCVDにより、前記内表面に前記コーティング膜を形成する工程と、
を含み、
溶剤を使用して前記内表面から剥離した前記コーティング膜に対して赤外分光法による測定を行ったとき、
前記有機ケイ素化合物の主骨格に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第一ピークとし、
前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素とメチル基の結合(Si−CH)に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第二ピークとし、
剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックのうち炭素と酸素の二重結合(C=O)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第三ピークとし、
前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素と水素の結合(Si−H)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第四ピークとしたとき、
前記第四ピークの高さと前記第一ピークの高さとの比(第四ピーク/第一ピーク)が0より大きく0.2以下であり、
前記第二ピークの高さと前記第三ピークの高さとの比(第二ピーク/第三ピーク)が0.75以上1.4以下である。
上記製造方法によれば、コーティング膜が有機ケイ素化合物で構成されている。本発明者は、このコーティング膜については、ボトルの外観のイメージを低下させない程度の若干の着色の状態で、ガスバリア性能を発現させることができることを確認した。また、本発明者は、このコーティング膜に対する赤外分光法の測定結果とガスバリア性能との関係を確認した。このため、赤外分光法により、コーティング膜がガスバリア性能を発現する品質を有しているか否かを定量的に判定することができる。
このように、上記製造方法によれば、ボトルの外観のイメージの低下を抑制しつつ、コーティング膜の性能の良否を直接的に判定することが可能なボトルを製造することができる。
また、本発明のコーティング膜の製造方法は、
プラスチック製のボトルの内表面にコーティング膜を形成する方法であって、
前記ボトルの中に有機ケイ素化合物で構成される原料ガスを供給する工程と、
前記原料ガスが供給されたボトルに対して高電圧を供給して、プラズマCVDにより、前記内表面に前記コーティング膜を形成する工程と、
を含み、
溶剤を使用して前記内表面から剥離した前記コーティング膜に対して赤外分光法による測定を行ったとき、
前記有機ケイ素化合物の主骨格に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第一ピークとし、
前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素とメチル基の結合(Si−CH)に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第二ピークとし、
剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックのうち炭素と酸素の二重結合(C=O)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第三ピークとし、
前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素と水素の結合(Si−H)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第四ピークとしたとき、
前記第四ピークの高さと前記第一ピークの高さとの比(第四ピーク/第一ピーク)が0より大きく0.2以下であり、
前記第二ピークの高さと前記第三ピークの高さとの比(第二ピーク/第三ピーク)が0.75以上1.4以下である。
上記製造方法によれば、コーティング膜が有機ケイ素化合物で構成されている。本発明者は、このコーティング膜については、ボトルの外観のイメージを低下させない程度の若干の着色の状態で、ガスバリア性能を発現させることができることを確認した。また、本発明者は、このコーティング膜に対する赤外分光法の測定結果とガスバリア性能との関係を確認した。このため、赤外分光法により、コーティング膜がガスバリア性能を発現する品質を有しているか否かを定量的に判定することができる。
このように、上記製造方法によれば、ボトルの外観のイメージの低下を抑制しつつ、コーティング膜の性能の良否を直接的に判定することが可能なコーティング膜を製造することができる。
本発明によれば、ボトルの外観のイメージの低下を抑制しつつ、コーティング膜の性能の良否を直接的に判定することが可能なボトル、コーティング膜、および製造方法を提供することができる。
本発明に係るボトルの部分断面図である。 ボトルおよびコーティング膜の製造装置の概要図である。 (a)〜(d)は、ボトルおよびコーティング膜の製造方法を説明する図である。 (a)〜(c)は、プラズマ化された原料ガスがボトルの内表面に堆積する様子を示したイメージ図である。 (a)は従来の多層構造のコーティング膜を示す図であり、(b)は本発明のコーティング膜を示す図である。 コーティング膜のガスバリア性能を確認するために行った試験の結果を示す表である。 (a)は原料ガスの分子構造を示す図であり、(b)はコーティング膜の推定される分子構造を示す図である。 (a),(b)は、溶剤で剥離したコーティング膜のスペクトルに現れるピークを説明する図である。 一定のガスバリア性能が発現する範囲を表した図である。
以下、本実施形態の一例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、ボトル(容器)1は、例えば、キャップを装着するためのネジを有するネック部2と、内容物を収容する円筒状の胴部3と、胴部3の下端を閉塞するとともにボトル1を自立させるための接地部を有する底部4とを備えている。ボトル1は、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET:Polyethyleneterephthalate)製のいわゆるPETボトルで構成されている。ボトル1を構成する合成樹脂としては、ボトル1内の光を透過する程度に透明性を有する材料であれば良く、例えばポリエチレンナフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタラート樹脂、アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂などを用いることもできる。
ボトル1の少なくとも胴部3と底部4の内表面には、例えばヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、ヘキサメチルジシラザン(HMDSN)等の有機ケイ素化合物で構成されるコーティング膜5が形成されている。コーティング膜5は、有機ケイ素化合物で構成される原料ガスをプラズマ化学蒸着(プラズマCVD:Chemical Vapor Deposition)することにより、ボトル1の内表面上に形成される。ネック部2は、胴部3に比べて厚肉であり、キャップも装着されるため、内表面にコーティング膜5を形成しなくてもよいが、本例ではネック部2の内表面にもコーティング膜5が形成されている。本例のコーティング膜5は、薄茶色を有している。
ボトル1は、コーティングされていない通常の容器(通常容器)1aに対して、図2に示す成膜装置10を用いて通常容器1aの内表面にコーティング膜5を形成することにより製造される。ボトル1の成形方法は、射出成形した試験管状のプリフォームを二軸延伸ブロー成形する方法が最も好ましいが、押出ブロー成形やインジェクションブロー成形によって成形してもよい。
図2に示すように、成膜装置10は、通常容器1aを収容する中空状の外部電極(チャンバー)11と、外部電極11の上部に配置された絶縁部材12と、通常容器1aの内部において通常容器1aの縦軸方向に延在する内部電極13とを備える。外部電極11には、マッチングボックス(MB:Matching Box)14及び高周波電源(RF-Generator)15が接続されている。内部電極13は、管状に形成されており原料ガスを導入するためのガス導入管としても用いられる。内部電極13は接地されている。また、成膜装置10は、外部電極11によって形成される中空内と通常容器1a内とのガスを排気する排気手段16と、通常容器1aの内部に原料ガスを供給する供給手段17と、コーティング膜5を評価(予備判定)するための発光手段18A及び受光手段18Bとを備える。
次に、図2〜図4を参照しつつ、ボトル1及びコーティング膜5の製造方法について説明する。なお、図3では、成膜装置10内に収容されるボトル1(通常容器1a)のみを表示し、外部電極11、内部電極13等の部材は省略している。
先ず、予め成形されている通常容器1aを外部電極11の中空内に収容し、排気手段16により外部電極11の中空内部及び通常容器1aの内部の空気を排気させて真空状態にする(図3(a)参照)。
続いて、真空状態にされた通常容器1aの内部へ、供給手段17から内部電極13の導入管を介して原料ガス(例えばヘキサメチルジシロキサン)を導入する(図3(b)参照)。このとき、本例では、供給手段17からは原料ガスのみが導入され、酸素は導入されない。
続いて、原料ガスが供給された通常容器1aに対して、高周波電源15からの高周波電力をマッチングボックス14でインピーダンス整合させて外部電極11に供給する。この電力供給によって、外部電極11と内部電極13との間における電界エネルギーにより放電させ、通常容器1aの内部にプラズマを発生させる(図3(c)参照)。
プラズマが発生すると、内部電極13がアースに接地されているので、外部電極11は負の電位に自己バイアスされる。一方、プラズマにより原料ガスの分子が分解されて、正の電荷を持つイオンが生成され、負の電位の外部電極11に向かって飛び、通常容器1aの内表面に衝突する(図4(a)〜(c)参照)。この衝突の繰返しにより分解されたガス分子が再度結合して、原料分子がネットワーク構造を形成し通常容器1aの内表面に蒸着(プラズマCVD)される(図4(c)参照)。
このようにして、内表面上に有機ケイ素化合物で構成されるコーティング膜5が形成され、ボトル1の製造が完了する(図3(d)参照)。
続いて、形成されたコーティング膜5に対して可視光を用いた予備判定を行う。予備判定は、成膜装置10に設けられた発光手段18Aと受光手段18Bとによりボトル1の胴部3の光学特性を検出することで判定される。コーティング膜5は薄茶色(肉眼では目立たない程度の色)を有しているため、発光手段18Aから出射された光を受光手段18Bで受光して、その透過光量を検出することにより胴部3の透明度、すなわち胴部3にコーティング膜5が形成されているか否かを判定することができる。
ところで、蒸着には、大まかに、物理的反応を利用した物理蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)と、化学的反応を利用した化学蒸着(CVD)の二種類がある。そして、化学蒸着には、上記したように電圧をかけることで原料ガスをプラズマ化して蒸着を行うプラズマCVDと呼ばれる手法がある。
従来においても、PETボトルの内表面にコーティング膜を形成する際に、プラズマCVDを利用することがあった。その例としては、図5(a)に示すように、PET層の上に、ヘキサメチルジシロキサン等の有機ケイ素化合物を結合層として形成し、その結合層の上に、ガスバリア性能を有する二酸化ケイ素(シリカ)の膜を形成し、このシリカの上に、再び、ヘキサメチルジシロキサン等の有機ケイ素化合物を保護層として形成する多層構造のものがあった。この場合、結合層はPET層に接着するための接着層として形成されていた。また、シリカ膜の層は、有機ケイ素化合物に酸素を混合させたものをプラズマCVDして形成されていた。また、結合層と保護層の厚さは、バリア膜層であるシリカの膜の厚さと比べて薄く形成されていた。
蒸着において、物理蒸着であれば、おもに金属が対象であり、形成される膜もその金属の特性が保持されることが期待できる。一方、プラズマCVDを含む化学蒸着では、原料ガスが一旦、プラズマ化することにより分子が分解され化学的に活性化された状態を経て、コーティング膜として再結合される。このため、プラズマCVDで形成されたコーティング膜の性能(品質)は、原料ガスの分子の構造や特性をそのまま保持しているとは限らない。そこで、形成されたコーティング膜の性能について評価することが重要となる。
しかし、図5(a)に示す従来のコーティング層では、二酸化ケイ素の膜については、主にケイ素、酸素で構成されるため、透明性が高く見た目のイメージは良いものの、生産段階(インライン)においては、透明であるがために膜が形成されているか否かの判断が困難で、成膜時の条件(ガス圧や電圧等)を監視することで間接的にガスバリア性能を評価することしかできなかった。そこで、生産段階の後(アウトライン)に、ピックアップされた一部のボトルについて、酸素透過度等を測定することで評価を行っていたが、一週間以上の時間がかかるものであり、改善の余地があった。
また、従来、コーティング膜としてDLC膜を形成するものもあったが、DLC膜は主として炭素で構成されるため、ガスバリア性能を発現させるだけの膜厚で成膜すると、その膜が褐色に着色してしまい、ボトルの外観のイメージが低下してしまう場合があった。
そこで、本発明者は、従来の多層構造のコーティング膜を見直し、二酸化ケイ素の膜を形成せずに十分なガスバリア性能を得ることができないか検討した。本発明者は、原料ガスであるヘキサメチルジシロキサン等の有機ケイ素化合物に酸素を混合させずに、プラズマCVDを行って、HMDSO層を形成し、図5(b)に示すように、PET層の上に、HMDSO層のみを配置した。そして、このHMDSO層をコーティング膜5として用い、HMDSO層によって十分なガスバリア性能が得られるか否かを試験により確認した。なお、このHMDSO層の厚さは、従来の多層構造における結合層や保護層(図5(a)参照)の厚さと比べて十分に厚く形成された層である。
図6は、ガスバリア性能の試験結果を示す。
先ず、欄21に示すように、500mlの容器を用いてガスバリア性能の試験を行った。導入する原料ガスとしてHMDSOを使用し、500Wの高周波電力を供給して4secの成膜を行った。
欄22に示すように、導入する原料ガスのガス圧を8.5Pa〜9.8Paの範囲で変化させて成膜したとき、欄23に示すような測定結果が得られた。例えば、欄23aに示す酸素BIFは、通常容器のガスバリア性能(1.00)に対してどの程度のガスバリア性能を有しているかを示す値であり、酸素透過率(欄23b)に基づいて算出された値である。酸素透過率は、生産段階の後に、ピックアップされた一部のボトル1について従来と同様の方法により測定された値である。コーティング単体の酸素透過係数(欄23c)は、酸素透過率に基づいて算出された値である。
この測定結果から、ヘキサメチルジシロキサン等の有機ケイ素化合物をプラズマCVDにより蒸着させてコーティング膜5を形成した場合、原料ガスのガス圧が8.5Pa〜9.6Paの範囲において、十分なガスバリア性能を発現させることができることを確認できた(図6の欄23gを参照)。なお、ガス導入時の最適な圧力はボトルの形状や大きさにより変化する。
また、図6の欄23fに示す膜厚の範囲(13.2〜67.0nm)において、コーティング膜5は、ボトル1の外観のイメージを低下させない程度の若干の着色(薄茶色)の状態であることが確認できた。そして、このボトル1に対して可視光を用いた予備判定を行うことにより、コーティング膜5が形成されているか否かが判定できることも確認できた。
次に、本発明者は、原料ガス(HMDSO)をプラズマ化したときの分子構造の変化に着目し、形成されたコーティング膜5の構造からガスバリア性能との関連性が確認できるのではないか検討した。
HMDSOの原料ガスにプラズマCVDを行ってボトル1の内表面にコーティング膜5を形成した場合(図4参照)、HMDSOの分子構造は、図7(a)に示す分子構造から、例えば図7(b)に示す分子構造に変化すると推定される。このように推定される分子構造において、主骨格31から枝分かれしている側鎖32,33の部分に着目し、側鎖部分の数量によりガスバリア性能の良し悪しに影響が出るのではないかと考えた。すなわち、側鎖部分は、分子の網目構造における末端部分を構成するため、側鎖部分が多いと網目構造の広がりを途絶えさせてしまい、網目構造を構成しないバラバラな状態の分子が増えて隙間が多くなり、ガスバリア性能を低下させてしまうと考えた。
そこで、コーティング膜(HMDSO層)5の分子結合を赤外分光法で測定し、そのスペクトルからガスバリア性能が良いときの膜組成を確認した。赤外分光法による測定は、ボトル1の切片の内表面から剥離して採取したコーティング膜5に対して行った。ボトル1の切片からコーティング膜5を採取するための処理としては、まず、ボトル1の切片をHFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)に24時間浸してPET層を溶解させた。次に、切片を再度HFIPで洗浄してから乾燥させた。このようにして、ボトル1の切片から試験対象のコーティング膜を採取した。
本発明者は、下記の条件で試験を行った。
<FT-IR測定条件>
測定器:フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)
製造者:日本分光株式会社
型番:FT/IR-6300 マルチチャンネル赤外顕微鏡
製造者:日本分光株式会社
型番:IR T -7000
<測定条件 分析法 顕微赤外分析(透過法)>
分析条件 分解能:4 cm-1
積算回数:1024回
窓板: KBr
後処理:吸光度変換、ベースライン補正
図8(a)に示す赤外吸収スペクトルは、溶剤を使用して剥離したコーティング膜5の赤外吸収スペクトルであって、そのスペクトルに現れる4つのピーク(Peak1〜Peak4)位置が示されている。
図8(b)の表で説明するように、Peak1(第一ピークの一例)は、HMDSOの主骨格(図7(b)参照)に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離されたコーティング膜5に残存したポリエチレンテレフタラートに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークである。Peak1は、コーティング膜5の吸光度に加えて、HFIPに溶解せず残存した基材由来の結合による吸収が現れていると考えられ、HMDSO層と基材(ポリエチレンテレフタラート)とが化学結合で結びついていることを反映した値となっていると考えられる。Peak1は、例えば波長1020±20cm-1の位置に出現する。
Peak2(第二ピークの一例)は、HMDSOのうち側鎖33を構成するケイ素とメチル基の結合(Si−CH)に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離されたコーティング膜5に残存したポリエチレンテレフタラートに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークである。Peak2は、例えば波長1260±20cm-1の位置に出現する。
Peak3(第三ピークの一例)は、剥離されたコーティング膜5に残存したポリエチレンテレフタラートのうち炭素と酸素の二重結合(C=O)に由来する赤外吸収スペクトルのピークである。Peak3は、例えば波長1720±20cm-1の位置に出現する。
Peak4(第四ピークの一例)は、HMDSOのうち側鎖32を構成するケイ素と水素の結合(Si−H)に由来する赤外吸収スペクトルのピークである。Peak4は、例えば波長2150±20cm-1の位置に出現する。
プラスチック溶剤を使用して剥離したコーティング膜5の赤外吸収スペクトルにおいて、Peak1の高さに対するPeak4の高さの比(Peak4/Peak1)と、Peak3の高さに対するPeak2の高さの比(Peak2/Peak3)とを測定する。図6の欄23dに(Peak4/Peak1)の測定値を示し、欄23eに(Peak2/Peak3)の測定値を示す。(Peak4/Peak1)は、主骨格31に対して側鎖32(Si−H)がどれだけ存在するかを表している。(Peak2/Peak3)は、基材由来結合に対して側鎖33(Si−CH)がどれだけ存在するかを表している。
図6に示すように、上記した十分なガスバリア性能を発現させることができる原料ガスのガス圧の範囲(8.5Pa〜9.6Pa)において、(Peak4/Peak1)の値は、0.03以上0.18以下の値を示している。ただし、(Peak4/Peak1)の値は、原料ガスのガス圧が9.6Pa以上になると減少している。この減少は、原料ガスのガス圧が大きい領域では、分子構造において側鎖32(Si−H)が減少していることを意味している。しかし、十分なガスバリア性能を発現できる原料ガスのガス圧の範囲(8.5Pa〜9.6Pa)よりもガス圧が多い9.8Paのときにも(Peak4/Peak1)の値は、0.03以上0.18以下の範囲に含まれている。
また、上記した十分なガスバリア性能を発現させることができる原料ガスのガス圧の範囲(8.5Pa〜9.6Pa)において、(Peak2/Peak3)の値は、0.76以上1.32以下の値を示している。この範囲において、原料ガスのガス圧の増加に伴って(Peak2/Peak3)の値が増加している。さらにこの範囲を超えて、ガス圧が9.8Paのときには、(Peak2/Peak3)の値は1.64まで増加している。
以上のように、コーティング膜(HMDSO層)5に対して赤外分光法による測定を行った結果を踏まえ、本発明者は図9に示す判定基準を考案した。図9に示すように、この判定基準によれば、(Peak4/Peak1)値と(Peak2/Peak3)値との両方を利用することで、コーティング膜5がガスバリア性能を発現する品質を有しているか否かを定量的に判定できる。すなわち、本発明者は、図9に示す領域41である、(Peak4/Peak1)の値が0より大きく0.2以下、(Peak2/Peak3)の値が0.75以上1.4以下のとき、十分なガスバリア性能を有するコーティング膜が得られることを確認した。
なお、原料ガスとしてHMDSNを導入した場合(図6の欄24参照)にも、酸素透過度等に基づいた評価により、コーティング膜5としてのHMDSN層が十分なガスバリア性能を発現できることが確認できた。そして、HMDSN層における(Peak4/Peak1)値と(Peak2/Peak3)とが図9に示す領域41内に含まれることを確認できた。
また、ボトル1として300mlの容器を用いた場合(図6の欄25参照)にも、同様に図9に示す領域41内に含まれることを確認できた。ただし、300ml容器の場合、成膜条件が高周波電力2000W、成膜時間0.9sec、原料ガスのガス圧10.0Paとされている。
このような本実施形態のボトル、コーティング膜、およびボトルとコーティング膜の製造方法によれば、ボトル1のコーティング膜5に対する赤外分光法の測定により、コーティング膜5の性能の良否を直接的に判定することができる。
また、赤外分光法に基づく判定は、従来の抜き取り検査で酸素透過度を測定することにより行っていた判定と比較して、コーティング膜5の性能の良否を短時間で評価できる。
また、有機ケイ素化合物をプラズマCVDで蒸着させて形成したコーティング膜5は、若干の着色状態ではあるが透明度は維持されているため、ボトル1の外観のイメージも低下しにくい。
また、コーティング膜5は、HMDSO層あるいはHMDSN層の単層で形成されるため、従来のように多層構造にする必要がなく、生産効率が向上する。
さらに、コーティング膜5は若干の着色状態であるため、生産段階において、可視光での予備判定を行うこともできる。この予備判定については、全数検査を行うこともできる。
なお、上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2015年9月29日出願の日本特許出願・出願番号2015-191083に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1:ボトル(容器)、1a:通常容器、2:ネック部、3:胴部、4:底部、5:コーティング膜、10:成膜装置、11:外部電極(チャンバー)、12:絶縁部材、13:内部電極、14:マッチングボックス、15:高周波電源、16:排気手段、17:供給手段、18A:発光手段、18B:受光手段、31:主骨格、32,33:側鎖

Claims (9)

  1. 内表面にコーティング膜が形成されたプラスチック製のボトルであって、
    前記コーティング膜は、有機ケイ素化合物で構成され、
    溶剤を使用して前記内表面から剥離した前記コーティング膜に対して赤外分光法による測定を行ったとき、
    前記有機ケイ素化合物の主骨格に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第一ピークとし、
    前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素とメチル基の結合(Si−CH)に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第二ピークとし、
    剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックのうち炭素と酸素の二重結合(C=O)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第三ピークとし、
    前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素と水素の結合(Si−H)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第四ピークとしたとき、
    前記第四ピークの高さと前記第一ピークの高さとの比(第四ピーク/第一ピーク)が0より大きく0.2以下であり、
    前記第二ピークの高さと前記第三ピークの高さとの比(第二ピーク/第三ピーク)が0.75以上1.4以下である、
    ボトル。
  2. 前記第四ピークの高さと前記第一ピークの高さとの比(第四ピーク/第一ピーク)が0.03以上0.18以下であり、
    前記第二ピークの高さと前記第三ピークの高さとの比(第二ピーク/第三ピーク)が0.76以上1.32以下である、
    請求項1に記載のボトル。
  3. 前記第一ピークは、1020cm−1付近の赤外吸収スペクトルのピークであり、
    前記第二ピークは、1260cm−1付近の赤外吸収スペクトルのピークであり、
    前記第三ピークは、1720cm−1付近の赤外吸収スペクトルのピークであり、
    前記第四ピークは、2150cm−1付近の赤外吸収スペクトルのピークである、
    請求項1または請求項2に記載のボトル。
  4. 前記有機ケイ素化合物は、ヘキサメチルジシロキサンである、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボトル。
  5. 前記プラスチックは、ポリエチレンテレフタラートで構成されている、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のボトル。
  6. 前記コーティング膜は、前記有機ケイ素化合物で構成される原料ガスをプラズマ化学蒸着(プラズマCVD)することにより、前記内表面上に形成されている、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のボトル。
  7. プラスチック製のボトル内表面に形成されたコーティング膜であって、
    前記コーティング膜は、有機ケイ素化合物で構成され、
    溶剤を使用して前記内表面から剥離した前記コーティング膜に対して赤外分光法による測定を行ったとき、
    前記有機ケイ素化合物の主骨格に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第一ピークとし、
    前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素とメチル基の結合(Si−CH)に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第二ピークとし、
    剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックのうち炭素と酸素の二重結合(C=O)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第三ピークとし、
    前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素と水素の結合(Si−H)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第四ピークとしたとき、
    前記第四ピークの高さと前記第一ピークの高さとの比(第四ピーク/第一ピーク)が0より大きく0.2以下であり、
    前記第二ピークの高さと前記第三ピークの高さとの比(第二ピーク/第三ピーク)が0.75以上1.4以下である、
    コーティング膜。
  8. 内表面にコーティング膜が形成されたプラスチック製のボトルを製造する方法であって、
    前記ボトルの中に有機ケイ素化合物で構成される原料ガスを供給する工程と、
    前記原料ガスが供給されたボトルに対して高電圧を供給して、プラズマCVDにより、前記内表面に前記コーティング膜を形成する工程と、を含み、
    溶剤を使用して前記内表面から剥離した前記コーティング膜に対して赤外分光法による測定を行ったとき、
    前記有機ケイ素化合物の主骨格に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第一ピークとし、
    前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素とメチル基の結合(Si−CH)に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第二ピークとし、
    剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックのうち炭素と酸素の二重結合(C=O)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第三ピークとし、
    前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素と水素の結合(Si−H)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第四ピークとしたとき、
    前記第四ピークの高さと前記第一ピークの高さとの比(第四ピーク/第一ピーク)が0より大きく0.2以下であり、
    前記第二ピークの高さと前記第三ピークの高さとの比(第二ピーク/第三ピーク)が0.75以上1.4以下である、
    製造方法。
  9. プラスチック製のボトルの内表面にコーティング膜を形成する方法であって、
    前記ボトルの中に有機ケイ素化合物で構成される原料ガスを供給する工程と、
    前記原料ガスが供給されたボトルに対して高電圧を供給して、プラズマCVDにより、前記内表面に前記コーティング膜を形成する工程と、を含み、
    溶剤を使用して前記内表面から剥離した前記コーティング膜に対して赤外分光法による測定を行ったとき、
    前記有機ケイ素化合物の主骨格に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第一ピークとし、
    前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素とメチル基の結合(Si−CH)に由来する赤外吸収スペクトルと、剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックに由来する赤外吸収スペクトルとが複合したピークを第二ピークとし、
    剥離された前記コーティング膜に残存したプラスチックのうち炭素と酸素の二重結合(C=O)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第三ピークとし、
    前記有機ケイ素化合物のうち側鎖を構成するケイ素と水素の結合(Si−H)に由来する赤外吸収スペクトルのピークを第四ピークとしたとき、
    前記第四ピークの高さと前記第一ピークの高さとの比(第四ピーク/第一ピーク)が0より大きく0.2以下であり、
    前記第二ピークの高さと前記第三ピークの高さとの比(第二ピーク/第三ピーク)が0.75以上1.4以下である、
    形成方法。
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