JP4722667B2 - 反応室外でのプラズマ発生の抑制方法並びにガスバリア性プラスチック容器の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

反応室外でのプラズマ発生の抑制方法並びにガスバリア性プラスチック容器の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマCVD(chemical vapor deposition)法によってガスバリア膜をプラスチック容器の内壁面に成膜する際に反応室外でのプラズマ発生を抑制する技術に関する。
プラスチック容器は、臭いが収着しやすく、またガスバリア性が壜や缶と比較して劣るため、ビールや発泡酒等の炭酸飲料には用いることが難しかった。そこで、プラスチック容器における収着性やガスバリア性の問題点を解決すべく、硬質炭素膜(ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等)をコーティングする方法、装置が開示されている。そのうち、例えば対象とする容器の外形とほぼ相似形の内部空間を有する外部電極と、容器の内側に容器の口部から挿入され、原料ガス導入管を兼ねた内部電極を用いて、容器の内壁面に硬質炭素膜をコーティングする装置が開示されている(例えば特許文献1又は2を参照。)。このような装置では、容器内に原料ガスとしてアセチレンガスを供給した状態で、外部電極に高周波電圧を印加する。このとき、原料ガスが両電極間に発生する高周波由来の電力によりプラズマ化し、発生したプラズマ中のイオンは外部電極の高周波由来の電位差(自己バイアス)に誘引され容器内壁に衝突し、膜が形成される。
特許第2788412号公報 特許第3072269号公報
しかし、本発明者らは、このような成膜装置において、プラズマの発生は、プラスチック容器が収容されている反応室のみならず、それと連通する排気室まで生じ、さらに場合によっては、排気室から真空ポンプに至るまでの排気経路まで発生することをつきとめた。このようなプラズマの発生は、排気室の金属部品、排気経路の配管等の金属部品及び配管継ぎ手等で使用される非金属部品を劣化させる原因となり、また、排気室及び排気経路の壁面に原料ガス由来の炭素系異物を付着させる原因となる。さらに、反応室で発生するプラズマの中心部分を排気室側にシフトさせてしまうので、プラスチック容器の肩部及び口部に厚い薄膜が成膜され、容器主軸方向に対して膜厚の不均一の原因となっていた。
そこで、本発明の目的は、排気室でのプラズマの発生を抑制する方法を提供することである。また、このプラズマ発生抑制方法を利用して、容器主軸方向に対してガスバリア薄膜の膜厚の均一化を図った容器の製造方法を提供することを目的とする。さらに、このプラズマ発生抑制方法を利用して、排気室及び排気経路での各部品の劣化が生じにくく、長期安定稼動をすることができるガスバリア性プラスチック容器の製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、特許文献1又は2に記載された製造装置が通常運転をしている状態と比較して、絶縁体スペーサーと排気室の内部空間との合成静電容量のインピーダンスを意図的に高めた状態にて成膜を行なうと、排気室内でのプラズマ発生を抑制した状態で、ガスバリア薄膜を成膜することができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る反応室外でのプラズマ発生の抑制方法は、反応室にプラスチック容器を収容した後、真空ポンプを作動させて前記反応室の内部ガスを、絶縁体スペーサーによって前記反応室と電気的に絶縁されている排気室を経由して排気し、続いて前記プラスチック容器の内部に原料ガスを減圧された所定圧力下で吹き出させているときに前記反応室に高周波電力を供給して前記原料ガスをプラズマ化させ、前記プラスチック容器の内壁面にガスバリア薄膜を成膜するときに、前記プラスチック容器と前記反応室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスAと前記絶縁体スペーサーと前記排気室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスBのうち、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めて、前記排気室におけるプラズマの発生を抑制することを特徴とする。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造方法は、反応室にプラスチック容器を収容した後、真空ポンプを作動させて前記反応室の内部ガスを、絶縁体スペーサーによって前記反応室と電気的に絶縁されている排気室を経由して排気し、続いて前記プラスチック容器の内部に原料ガスを減圧された所定圧力下で吹き出させているときに前記反応室に高周波電力を供給して前記原料ガスをプラズマ化させ、前記プラスチック容器の内壁面にガスバリア薄膜を成膜させてガスバリア性プラスチック容器を製造する方法において、前記プラスチック容器と前記反応室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスAと前記絶縁体スペーサーと前記排気室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスBのうち、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めた状態として前記ガスバリア薄膜を成膜することを特徴とする。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造方法では、C>Cとし、且つ、前記高周波電力に低周波電力を重畳させて供給することにより、インピーダンスBを高めることが好ましい。これにより、成膜時において装置の部材の物理的な操作を加えることなく、電気的な作用によって、インピーダンスBを高めた状態でガスバリア薄膜を成膜することができる。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造方法では、前記排気室の容積を増加させることにより、インピーダンスBを高めることが好ましい。成膜する際に排気室の容積を増加させておくことにより、インピーダンスBを高めることができる。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造方法では、前記絶縁体スペーサーの厚さをより厚いものへ変更することにより、インピーダンスBを高めることが好ましい。成膜する際に絶縁体スペーサーの厚さが大きなものを使用することにより、インピーダンスBを高めることができる。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造方法では、前記排気室と接地との接続の間に直列で静電容量Cの可変コンデンサを接続し、前記合成静電容量Cは前記可変コンデンサの静電容量Cを加えたものとするとき、前記可変コンデンサの静電容量Cを小さくすることにより、インピーダンスBを高めることが好ましい。成膜する際に可変コンデンサの容量を調整することにより、インピーダンスBを高めることができる。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造方法では、前記高周波電力の周波数が13.56MHzであることが好ましい。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造方法では、前記低周波電力の周波数が100kHz〜3MHzであることが好ましい。インピーダンスBを十分に高めることができ、排気室でのプラズマ発生をより抑制することができる。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造方法では、前記低周波電力の出力を、前記高周波電力と前記低周波電力の合計出力の20〜80%とすることが好ましい。排気室でのプラズマ発生を抑制しつつ、反応室でのプラズマ発生を生じさせ、ガスバリア性の良好なプラスチック容器を製造することができる。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造方法では、前記ガスバリア薄膜として、炭素膜、珪素含有炭素膜又はSiO膜を成膜する場合が含まれる。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置は、プラスチック容器を収容する反応室と、排気室と、前記反応室と前記排気室に挟まれて各々を電気的に絶縁させるとともに前記反応室と前記排気室とを連通させる開口部を設けた絶縁体スペーサーと、前記排気室に接続され、前記開口部と前記排気室を経由して前記反応室の内部ガスを排気する真空ポンプと、前記プラスチック容器の内部に配置された原料ガス供給管と、該原料ガス供給管に原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、前記反応室に高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、を備えたガスバリア性プラスチック容器の製造装置において、前記プラスチック容器と前記反応室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスAと前記絶縁体スペーサーと前記排気室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスBのうち、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めるインピーダンス増加手段を設けたことを特徴とする。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置では、C>Cであり、且つ、前記インピーダンス増加手段は、前記反応室に供給される高周波電力に、低周波電力を重畳させて供給する低周波電力供給手段であることが好ましい。これにより、成膜時において装置の部材の物理的な操作を加えることなく、電気的な作用によって、インピーダンスBを高めた状態でガスバリア薄膜を成膜することが可能である。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置では、前記インピーダンス増加手段は、前記排気室の容積を増加させる手段であることが好ましい。成膜する際に排気室の容積を増加させておくことにより、インピーダンスBを高めた状態でガスバリア薄膜を成膜することが可能である。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置では、前記インピーダンス増加手段は、前記絶縁体スペーサーを、より厚い絶縁体スペーサーに変更する手段であることが好ましい。成膜する際に絶縁体スペーサーの厚さが大きなものを使用できるようにすることにより、インピーダンスBを高めた状態でガスバリア薄膜を成膜することが可能である。
本発明に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置では、前記インピーダンス増加手段は、前記排気室と接地との接続の間に直列で接続された可変コンデンサであることが好ましい。成膜する際に可変コンデンサの容量を調整することにより、インピーダンスBを高めた状態でガスバリア薄膜を成膜することが可能である。
本発明により、排気室でのプラズマの発生を抑制した状態でガスバリア薄膜を成膜することができる。これによって、ガスバリア性プラスチック容器の製造装置において、排気室及び排気経路での各部品の劣化を生じにくくし、長期安定稼動をすることができる。さらに排気室でのプラズマの発生を抑制することによって、容器主軸方向に対してガスバリア薄膜の膜厚が均一なガスバリア性プラスチック容器を製造することができる。
以下本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。図1〜図6を参照しながら本実施形態を説明する。なお、共通の部位・部品には同一符号を付した。まず、本実施形態に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置について説明する。
図1は本実施形態に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置の第1形態を示す概略構成図である。第1形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置100に示すごとく、本実施形態に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置は、プラスチック容器8を収容する反応室3と、排気室5と、反応室3と排気室5に挟まれて各々を電気的に絶縁させるとともに反応室3と排気室5とを連通させる開口部32を設けた絶縁体スペーサー4と、排気室5に接続され、開口部32と排気室5を経由して反応室3の内部ガスを排気する真空ポンプ23と、プラスチック容器8の内部に配置された原料ガス供給管9と、原料ガス供給管9に原料ガスを供給する原料ガス供給手段16と、反応室3に高周波電力を供給する高周波電力供給手段36と、を備えたガスバリア性プラスチック容器の製造装置において、プラスチック容器8と反応室3の内部空間30との合成静電容量CのインピーダンスAと絶縁体スペーサー4と排気室5の内部空間31との合成静電容量CのインピーダンスBのうち、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めるインピーダンス増加手段を設けたものである。
(第1形態の製造装置)
本実施形態では、インピーダンス増加手段として、いくつかの形態が示される。第1形態であるガスバリア性プラスチック容器の製造装置100では、インピーダンス増加手段は、反応室3に供給される高周波電力に、低周波電力を重畳させて供給する低周波電力供給手段35である。
本発明では、インピーダンス増加手段の構成の違いによって、ガスバリア性プラスチック容器の製造装置として複数の形態が存在するが、インピーダンス増加手段以外は共通の構成を有するため、まず共通の構成を説明した後、第1形態におけるインピーダンス増加手段を説明することとする。
反応室3は、金属等の導電材で中空に形成されており、コーティング対象のプラスチック容器8、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂製の容器であるPETボトルを収容する内部空間30を有する。内部空間30の内壁は、プラスチック容器8の外形にほぼ接する形状に形成されている。反応室3は、プラスチック容器8を取り囲むこととなるため、外部電極の役割を為す。また、反応室3は、上部外部電極2と下部外部電極1からなり、上部外部電極2の下部に下部外部電極1の上部がO−リング10を介して着脱自在に取り付けられるよう構成されている。上部外部電極2から下部外部電極1を脱着することでプラスチック容器8を装着することができる。反応室3は、絶縁体スペーサー4と反応室3との間に配置されたO−リング37並びに上部外部電極2と下部外部電極1の間に配置されたO−リング10によって外部から密閉されている。
絶縁体スペーサー4は、反応室3と排気室5との間に配置され、プラスチック容器8の口部の上方の位置に相当する箇所に開口部32aが形成されている。開口部32aは、反応室3と排気室5とを空気的に連通する。絶縁体スペーサー4は、ガラスやセラミックス等の無機材料、或いは耐熱性樹脂で形成されることが好ましい。好ましくは、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン・バーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド又はポリエーテルエーテルケトンである。
排気室5は、金属等の導電材で中空に形成されており、内部空間31を有する。排気室5は、絶縁体スペーサー4の上に配置されている。このとき、排気室5と絶縁体スペーサー4との間はO−リング38によってシールされている。そして、内部空間31と内部空間30とを空気的に連通させるために、開口部32aに対応してほぼ同形状の開口部32bが排気室5の下方に設けられている。排気室5は、配管21、圧力ゲージ20、真空バルブ22等からなる排気経路を介して真空ポンプ23に接続されており、その内部空間31が排気される。
絶縁体スペーサー4の上に排気室5が配置されることによって蓋6を形成して、反応室3を密封し、密閉可能な真空チャンバ7が組み上がることとなる。このとき、真空チャンバ7には、反応室3の内部空間30と排気室5の内部空間31の2つの部屋があり、それらは開口部32a,32bを通してつながっている。
原料ガス供給管9は、導電材料によって形成されており、内部電極を兼ねている。原料ガス供給管9は、その内部が中空からなる管形状を有している。また、その先端にはガス吹き出し口9aが設けられている。なお、原料ガス供給管9の側胴にガス吹き出し口を設けても良い。さらに原料ガス供給管9(内部電極)は接地されている。原料ガス供給管9の一端は、排気室5の内部空間の壁で固定され、真空チャンバ7内に配置されている。反応室3内にプラスチック容器8がセットされたとき、原料ガス供給管9は、反応室3内に配置され且つプラスチック容器8の口部からその内部に配置される。すなわち、排気室5の内壁上部を基端として、内部空間31、開口部32a,32bを通して、反応室3の内部空間30まで原料ガス供給管9が差し込まれる。原料ガス供給管9の先端はプラスチック容器8の内部に配置される。なお、原料ガス供給管9と内部電極を兼用させずに、別個に内部電極を配置しても良い。このとき、内部電極は接地し、原料ガス供給管9と同様にプラスチック容器8の内部に挿入される。
本発明に係る容器とは、蓋若しくは栓若しくはシールして使用する容器、またはそれらを使用せず開口状態で使用する容器を含む。開口部の大きさは内容物に応じて決める。プラスチック容器8は、剛性を適度に有する所定の肉厚を有するプラスチック容器と剛性を有さないシート材により形成されたプラスチック容器を含む。本発明に係るプラスチック容器の充填物は、例えば、炭酸飲料若しくは果汁飲料若しくは清涼飲料等の飲料、並びに医薬品、農薬品、又は吸湿を嫌う乾燥食品である。
本発明のプラスチック容器8を成形する際に使用する樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンテレフタレート系コポリエステル樹脂(ポリエステルのアルコール成分にエチレングリコールの代わりに、シクロヘキサンディメタノールを使用したコポリマーをPETGと呼んでいる、イーストマンケミカル製)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、シクロオレフィンコポリマー樹脂(COC、環状オレフィン共重合)、アイオノマ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、又は、4弗化エチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、を例示することができる。この中で、PETが特に好ましい。
原料ガス供給手段16は、プラスチック容器8の内部に原料ガス発生源15から供給される原料ガスを導入する。すなわち、原料ガス供給管9の基端には、配管11の一方側が接続されており、この配管11の他方側は真空バルブ12を介してマスフローコントローラー13の一方側に接続されている。マスフローコントローラー13の他方側は配管14を介して原料ガス発生源15に接続されている。この原料ガス発生源15はアセチレンなどの炭化水素ガス等を発生させるものである。
本発明におけるガスバリア膜とは、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜、Si含有DLC膜、SiO膜、アルミナ膜、AlN膜等の酸素透過性を抑制する薄膜をいう。原料ガス発生源15から発生させる原料ガスは、上記薄膜の構成元素を含む揮発性ガスが選択される。ガスバリア薄膜を形成する際の原料ガスは公知公用の揮発性原料ガスが使用できる。
原料ガスとしては、例えば、DLC膜を成膜する場合、常温で気体又は液体の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、含酸素炭化水素類、含窒素炭化水素類などが使用される。特に炭素数が6以上のベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、シクロヘキサン等が望ましい。食品等の容器に使用する場合には、衛生上の観点から脂肪族炭化水素類、特にエチレン、プロピレン又はブチレン等のエチレン系炭化水素、又は、アセチレン、アリレン又は1−ブチン等のアセチレン系炭化水素が好ましい。これらの原料は、単独で用いても良いが、2種以上の混合ガスとして使用するようにしても良い。さらにこれらのガスをアルゴンやヘリウムの様な希ガスで希釈して用いる様にしても良い。また、ケイ素含有DLC膜を成膜する場合には、Si含有炭化水素系ガスを使用する。
本発明でいうDLC膜とは、iカーボン膜又は水素化アモルファスカーボン膜(a−C:H) と呼ばれる膜のことであり、硬質炭素膜も含まれる。またDLC膜はアモルファス状の炭素膜であり、SP結合も有する。このDLC膜を成膜する原料ガスとしては炭化水素系ガス、例えばアセチレンガスを用い、Si含有DLC膜を成膜する原料ガスとしてはSi含有炭化水素系ガスを用いる。このようなDLC膜をプラスチック容器の内表面に形成することにより、炭酸飲料や発泡飲料等の容器としてワンウェイ、リターナブルに使用可能な容器を得る。
また、ケイ素含有DLC膜を成膜する場合には、Si含有炭化水素系ガスを使用する。珪化炭化水素ガス又は珪化水素ガスとしては、四塩化ケイ素、シラン(SiH)、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメチルシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等の有機シラン化合物、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)等の有機シロキサン化合物等が使用される。また、これらの材料以外にも、アミノシラン、シラザンなども用いられる。
SiO膜(珪素酸化物膜)を成膜する場合には、例えば、シランと酸素の混合ガス、又は、HMDSOと酸素の混合ガスを原料ガスとする。
真空ポンプ23は、真空チャンバ7の内部ガスを排気する。すなわち、排気室5に配管21の一端が接続され、配管21の他端は真空バルブ22に接続され、真空バルブ22は配管を介して真空ポンプ23に接続されている。この真空ポンプ23はさらに排気ダクト24に接続されている。なお、配管21には圧力ゲージ20が接続され、排気経路での圧力を検出する。真空ポンプ23を作動させることによって、プラスチック容器8の内部ガス並びに反応室3の内部空間30の内部ガスが開口部32a,32bを介して排気室5の内部空間31に移動し、内部空間31の内部ガスは配管21を含む排気経路を通して真空ポンプ23に送られる。
高周波電力供給手段36は、高周波を反応室3に供給してプラスチック容器8の内部の原料ガスをプラズマ化させるものである。高周波電力供給手段36は、高周波電源29と、高周波電源29に接続された自動整合器28とを備え、高周波電源29は自動整合器28を介して反応室3に接続される。高周波電源29は、グランド電位との間に高周波電力を発生させ、これにより原料ガス供給管9(内部電極)と反応室3(外部電極)との間に高周波電力が印加される。この結果、プラスチック容器8の内部に供給された原料ガスがプラズマ化する。高周波電源の周波数は、3MHz超1000MHz以下であるが、高周波電源29は、例えば、工業用周波数である13.56MHzのものを使用することが好ましい。
真空チャンバ7は、リーク用の配管17が接続されていて、配管17は真空バルブ18を介して、リーク源19(大気開放)と連通されている。
本実施形態に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置は、以上説明した構成を基本として、インピーダンス増加手段を有する。インピーダンス増加手段は、複数の形態があり、第1形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置100では、反応室3に供給される高周波電力に、低周波電力を重畳させて供給する低周波電力供給手段35である。
低周波電力供給手段35は、低周波電力を高周波電力に重畳させて反応室3に供給することで、プラスチック容器8の内部の原料ガスをプラズマ化させるものである。低周波電力供給手段35は、低周波電源27と、低周波電源27に接続された自動整合器26とを備え、低周波電源27は自動整合器26を介して反応室3に接続される。低周波電源27は、グランド電位との間に低周波電力を発生させ、これにより原料ガス供給管9(内部電極)と反応室3(外部電極)との間に低周波電力が、高周波電力(高周波電源29による)に重畳されて印加される。低周波電源27の周波数は、高周波電源29の周波数と比較して相対的に低い周波数を指すが、高周波電源29の周波数を13.56MHzとすれば、低周波電源27の周波数は、100kHz〜3MHzとすることが好ましい。低周波電源27の周波数が3MHzを超えると、高周波電源29の周波数(13.56MHz)との周波数差が小さくなり、インピーダンスBを増大させる効果が薄れる。一方、低周波電源27の周波数が100kHz未満であると、放電困難となる場合がある。
図1の製造装置100では、高周波電源29に低周波電力が混入することを防止し、また、低周波電源27に高周波電力が混入することを防止するため、自動整合器26,28と反応室3との間にフィルタユニット25を接続する。フィルタユニット25は、HPF(ハイパスフィルタ)とLPF(ローパスフィルタ)を含む。
次に、高周波電力に低周波電力を重畳させた際に、排気室5の内部空間31におけるプラズマの発生が抑制される原理について説明する。図2に、第1形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置に対応する2極放電型の回路を示す。図2で示した回路の交流電源は、高周波電源29又は低周波電源27に対応する。Cは、プラスチック容器8と反応室3の内部空間30との合成静電容量を表している。Cは、プラスチック容器8と反応室3とにLCRメーターを接続して測定することができる。なお、LCRメーターとは、インダクタンス(L)、キャパシタンス(C)及びレジスタンス(R)などを測定できる器械である。Cは、絶縁体スペーサー4と排気室5の内部空間31との合成静電容量を表している。Cは、絶縁体スペーサー4と排気室5とにLCRメーターを接続して測定することができる。Zp1は、反応室3内で発生するプラズマのインピーダンスを表し、Zp2は、反応室3内で発生するプラズマのインピーダンスを表している。図2の回路において、Zp1とZp2のそれぞれの両側は、シースを表している。回路全体に流れる電流をI、C側に流れる電流をI、C側に流れる電流をIとすれば、I=I+Iの関係が成立している。ここで、CのインピーダンスAは、数1によって示される。CのインピーダンスBは、数2によって示される。ここで、fは高周波又は低周波の周波数である。
(数1)インピーダンスA=1/(2πfC
(数2)インピーダンスB=1/(2πfC
図1の製造装置100では、C>Cの関係が成り立つように、設計されていることが好ましい。反応室3の内部空間30は、プラスチック容器8の外表面にほぼ接する形状とすれば、その大きさはプラスチック容器8の形状に制限を受けるが、排気室5の内部空間31又は絶縁体スペーサー4の材質や厚さは自由に変更することができる。そこで、あらかじめC>Cの関係が成り立つように、例えば、絶縁体スペーサー4の厚さを大きくする、或いは、絶縁体スペーサー4の材質を比誘電率が小さいもので作製する、或いは、排気室5の内部空間31の容量を大きくとるように装置を製作しておく。そして、高周波電源29から13.56MHzの高周波電力を出力し、低周波電源27から400kHzの低周波電力を出力した場合を考える。数2から数3の結果が得られる。
(数3)インピーダンスB(f=400kHz)/インピーダンスB(f=13.56MHz)=33.9
数3の結果は、低周波電力(400kHz)を供給すれば、高周波電力(13.56MHz)を供給したときと比較して、インピーダンスBが相対的に33.9倍大きくなるため、排気室5における大きな電圧降下が生じ、排気室5の内部空間31におけるプラズマの発生が起こりにくくなる又は持続し難いことを示している。
また、数1から数4の結果が得られる。
(数4)インピーダンスA(f=400kHz)/インピーダンスA(f=13.56MHz)=33.9
数4の結果は、低周波電力(400kHz)を供給すれば、高周波電力(13.56MHz)を供給したときと比較して、インピーダンスAが相対的に大きくなるため、反応室3において電圧降下が生じることを示している。しかし、図1の製造装置100において、C>Cの関係、好ましくはC>>Cの関係が成り立つように設計することで、数5で示すようにインピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めることが可能となり、反応室3の内部空間30でのプラズマの発生はそのままとして、排気室5の内部空間31でのプラズマの発生のみを抑制することができる。そして図2で示すIを大きくすることができる。
(数5)インピーダンスB(f=400kHz)/インピーダンスA(f=400kHz)=C/C
なお、C>Cの関係、好ましくはC>>Cの関係が成り立つように設計することで、数6で示すように高周波電力をエネルギー源とするプラズマ発生についても、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めることが可能となり、反応室3の内部空間30でのプラズマの発生はそのままとしてガスバリア薄膜を成膜することができ、且つ、排気室5の内部空間31でのプラズマの発生のみを抑制する傾向とすることができる。
(数6)インピーダンスB(f=13.56MHz)/インピーダンスA(f=13.56MHz)=C/C
一方、高周波電力に低周波電力を重畳させることによりインピーダンスBがインピーダンスAに対して相対的に高まることは、インピーダンスBからインピーダンスAを差し引いた差分を求めることによっても示される。数1と数2より、数7の結果を得る。数7によれば、差分(インピーダンスB−インピーダンスA)は、fが小さくなると、C−Cが正の場合、すなわちC>Cの関係が成り立つときのみ大きくなることがわかる。C>>Cの関係が成り立てば、前記差分がより大きくなる。
(数7)インピーダンスB−インピーダンスA=1/2πf・{(C−C)/C
図1の製造装置100を、C>Cの関係、好ましくはC>>Cの関係が成り立つように設計し、且つ、高周波電力に低周波電力を重畳させることで、排気室5、さらにはその後の真空ポンプ23に至る排気経路でのプラズマの発生を抑制することができる。これにより、排気室5や排気経路のプラズマのアタックによる損傷を少なくし、また、原料ガス系のダストの発生量を低減することができる。このとき、成膜時において装置の部材の物理的な操作を加えることなく、電気的な作用によって、インピーダンスBを高めた状態でガスバリア薄膜を成膜することができる。ここで、高周波と低周波の周波数差が大きくなるような電源の組み合わせを選択することが好ましい。
(第2形態の製造装置)
図3は本実施形態に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置の第2形態を示す概略構成図である。第1形態の製造装置100との差異を説明する。第2形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置200は、反応室3(外部電極)に自動整合器50を介して高周波電源51が接続される。ただし、第1形態の製造装置100のように低周波電源を接続し、高周波電力に低周波電力を重畳させる仕組みを組み合わせても良い。
第2形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置200では、インピーダンス増加手段として、排気室5に副室52が開口部54を介して連通されている。副室52には、可動式仕切り53が設けられている。可動式仕切り53を開口部54に近づけるか遠ざけるかで副室52の体積Vを調整することができる。第2形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置200では、インピーダンス増加手段は、排気室5の容積を増加させる手段55であり、副室52及び可動式仕切り53からなる。なお、本発明は副室52と可動式仕切り53を設けた形態に限定されず、排気室5の容積を可変とすることができればいかなる構造をとってもよい。反応室3の内部空間30の容積に対して、排気室5の内部空間31の容積(ここでVを含む)が、2.5〜10倍となるように副室52の容積を設計することが好ましい。排気室5の容積が2.5倍未満とすると効果が小さい場合があり、10倍を超えるときには副室52が大型化しすぎる。
次に、副室52によって排気室5の容積を増加させた際に、排気室5の内部空間31におけるプラズマの発生が抑制される原理について説明する。図3の製造装置200に対応する2極放電型の回路は、図2で示した回路と同じである。この場合、図2で示した回路の交流電源は、高周波電源51に対応する。Cは、プラスチック容器8と反応室3の内部空間30との合成静電容量を表している。Cは、絶縁体スペーサー4と排気室5の内部空間31との合成静電容量を表している。ここで排気室5の内部空間31は、副室52の内部空間(V相当の空間)を含むものとする。すなわちVを増加させることで内部空間31の容積を増加させることができる。また、Zp1、Zp2、各シース及びI=I+Iの関係については、図1の製造装置100の場合と同じである。ここで、CのインピーダンスAは、数1によって示される。CのインピーダンスBは、数2によって示される。また、fは高周波の周波数であり、一定である。したがって、インピーダンスAは一定である。
一般にコンデンサの静電容量Cは数8で示される。εは誘電率、Sは電極面積、dは電極間の距離である。
(数8)C=ε・S/d
可動式仕切り53を動かしてVを増加させると、近似的な考えではあるが、数8においてdが大きくなることにつながり、Cが小さくなる。したがって、数2において、インピーダンスBが増大する。ここで、インピーダンスAは一定であるから、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めることが可能となり、反応室3の内部空間30でのプラズマの発生はそのままとして、ガスバリア薄膜を成膜することが可能であり、且つ、排気室5の内部空間31でのプラズマの発生のみを抑制することができる。これにより、排気室5や排気経路のプラズマのアタックによる損傷を少なくし、また、原料ガス系のダストの発生量を低減することができる。
(第3形態の製造装置)
図4は本実施形態に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置の第3形態を示す概略構成図である。第1形態の製造装置100との差異を説明する。第3形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置300は、反応室3(外部電極)に自動整合器50を介して高周波電源51が接続される。ただし、第1形態の製造装置100のように低周波電源を接続し、高周波電力に低周波電力を重畳させる仕組みを組み合わせても良い。
第3形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置300では、インピーダンス増加手段として、絶縁体スペーサー4(厚さt)を、より厚い絶縁体スペーサー4a(厚さt)に変更する絶縁体スペーサー変更手段60が設けられている。ここで絶縁体スペーサー4の厚さは、反応室3と排気室5との平均距離に相当する。絶縁体スペーサー4の厚さは、容器の容量や印加する高周波電力及び低周波電力等の条件によって最適な値は異なるが、例えば5〜80mmである。なお、第3形態では、絶縁体スペーサー4を、より厚い絶縁体スペーサー4aにそっくり取り替える場合にのみならず、絶縁体スペーサー4に別体の絶縁体スペーサーを重ねることによって、より厚い絶縁体スペーサー4a相当にすることを含む。絶縁体スペーサー4の厚さを変更する際には、適宜、反応室3と排気室5との平均距離もそれに対応させて変更する。
次に、絶縁体スペーサー4を、より厚い絶縁体スペーサー4aに変更した際に、排気室5の内部空間31におけるプラズマの発生が抑制される原理について説明する。図4の製造装置300に対応する2極放電型の回路は、図2で示した回路と同じである。この場合、図2で示した回路の交流電源は、高周波電源51に対応する。Cは、プラスチック容器8と反応室3の内部空間30との合成静電容量を表している。Cは、絶縁体スペーサー4と排気室5の内部空間31との合成静電容量を表している。また、Zp1、Zp2、各シース及びI=I+Iの関係については、図1の製造装置100の場合と同じである。ここで、CのインピーダンスAは、数1によって示される。CのインピーダンスBは、数2によって示される。また、fは高周波の周波数であり、一定である。したがって、インピーダンスAは一定である。
絶縁体スペーサー4を、より厚い絶縁体スペーサー4aに変更すると、数8においてdが大きくなることにつながり、Cが小さくなる。したがって、数2において、インピーダンスBが増大する。ここで、インピーダンスAは一定であるから、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めることが可能となり、反応室3の内部空間30でのプラズマの発生はそのままとして、ガスバリア薄膜を成膜することが可能であり、且つ、排気室5の内部空間31でのプラズマの発生のみを抑制することができる。これにより、排気室や排気経路のプラズマのアタックによる損傷を少なくし、また、原料ガス系のダストの発生量を低減することができる。
(第4形態の製造装置)
図5は本実施形態に係るガスバリア性プラスチック容器の製造装置の第4形態を示す概略構成図である。第1形態の製造装置100との差異を説明する。第4形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置400は、反応室3(外部電極)に自動整合器50を介して高周波電源51が接続される。ただし、第1形態の製造装置100のように低周波電源を接続し、高周波電力に低周波電力を重畳させる仕組みを組み合わせても良い。
第4形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置400では、インピーダンス増加手段として、排気室5と接地との接続の間に直列で接続された可変コンデンサ70が設けられている。
次に、可変コンデンサ70によってその静電容量を変化させた際に、排気室5の内部空間31におけるプラズマの発生が抑制される原理について説明する。図5の製造装置400に対応する2極放電型の回路は、図6で示される。図6は、第4形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置に対応する2極放電型の回路を示す。図6で示した回路の交流電源は、高周波電源51に対応する。Cは、プラスチック容器8と反応室3の内部空間30との合成静電容量を表している。Cは、可変コンデンサ70の静電容量を示している。C2−1は、絶縁体スペーサー4の静電容量であり、C2−2は、排気室5の静電容量を示している。Cは、C2−1とC2−2とCの合成静電容量を示している。Zp1とZp2は、図2と同じく、各プラズマのインピーダンスを表していている。図6の回路において、Zp1とZp2のそれぞれの両側は、シースを表している。回路全体に流れる電流をI、C側に流れる電流をI、C側に流れる電流をIとすれば、I=I+Iの関係が成立している。ここで、CのインピーダンスAは、数1によって示される。ここで、fは高周波の周波数であり、一定である。したがって、インピーダンスAは一定である。
可変コンデンサ70の静電容量Cを小さくすることで、インピーダンスBが増大する。ここで、インピーダンスAは一定であるから、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めることが可能となる。これにより、反応室3の内部空間30でのプラズマの発生はそのままとして、ガスバリア薄膜を成膜することが可能であり、且つ、排気室5の内部空間31でのプラズマの発生のみを抑制することができる。これにより、排気室5や排気経路のプラズマのアタックによる損傷を少なくし、また、原料ガス系のダストの発生量を低減することができる。
次に、本実施形態に係るガスバリア性プラスチック容器の製造方法を説明する。まず、図1を参照して、第1形態に係る製造方法について説明する。第1形態に係る製造方法は、インピーダンスBを高めるために、C>Cとした上で、高周波電力に低周波電力を重畳させる。通常、あらかじめC>Cの関係が成り立つ装置を製作しておく。以下、DLC膜をガスバリア薄膜として成膜する場合を例に説明する。
(第1形態の製造方法)
真空チャンバ7内は、真空バルブ18を開いて大気開放されており、反応室3の下部外部電極1が上部外部電極2から取り外された状態となっている。上部外部電極2の下側から上部外部電極2内の空間にプラスチック容器8を差し込み、反応室3の内部空間30内に設置する。この際、原料ガス供給管9はプラスチック容器8内に挿入された状態になる。次に、下部外部電極1を上部外部電極2の下部に装着し、反応室3はO−リング10によって密閉される。
次に、プラスチック容器8の内部を原料ガスに置換するとともに所定の成膜圧力に調整する。すなわち、図1に示すように、真空バルブ18を閉じた後、真空バルブ22を開き、真空ポンプ23を作動させ、反応室3の内部ガスを、絶縁体スペーサー4によって反応室3と電気的に絶縁されている排気室5を経由して排気する。これにより、プラスチック容器8内を含む真空チャンバ7内が配管21を通して排気され、真空チャンバ7内が真空となる。このときの真空チャンバ7内の圧力は、例えば2.6〜66Paである。次に、真空バルブ12を開き、原料ガス発生源15においてアセチレンガス等の炭化水素ガスを発生させ、この炭化水素ガスを配管14内に導入し、マスフローコントローラー13によって流量制御された炭化水素ガスを配管11及びアース電位の原料ガス供給管(内部電極)9を通してガス吹き出し口9aから吹き出させる。これにより、炭化水素ガスがプラスチック容器8内に導入される。そして、真空チャンバ7内とプラスチック容器8内は、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって、DLC膜の成膜に適した圧力(例えば6.6〜665Pa程度)に保たれ、安定化させる。
次に、プラスチック容器8の内部に原料ガスを減圧された所定圧力下で吹き出させているときに、反応室3に高周波電力(例えば、13.56MHz)を供給すると同時又はほぼ同時に、低周波電力(例えば、400kHz)を高周波電力に重畳させて供給する。このとき低周波電力の出力を、高周波電力と低周波電力の合計出力の20〜80%とすることが好ましい。低周波電力の出力が20%未満であると排気室5でのプラズマ発生を抑制する効果が少なくなり、一方80%を超えると、成膜レートが遅くなる場合がある。成膜時間内の範囲で、高周波電力と低周波電力の供給タイミングをずらしても良い。このとき、フィルタユニット25を接続しているため、高周波電源29は低周波の影響を受けず、また、低周波電源27は高周波の影響を受けない。そして、高周波電力及び低周波電力をエネルギー源として、プラスチック容器8内の原料ガスがプラズマ化される。これによって、プラスチック容器8の内表面にDLC膜が成膜される。すなわち反応室3に高周波電力及び低周波電力が供給されることによって、反応室3と原料ガス供給管9(内部電極)9と間でバイアス電圧が生ずると共にプラスチック容器8内の原料ガスがプラズマ化されて炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜がプラスチック容器8の内表面に成膜される。このとき、自動整合器26,28は、出力供給している電極全体からの反射波が最小になるように、インダクタンスL、キャパシタンスCによってインピーダンスを合わせている。
図1の製造装置100において、C>Cの関係、好ましくはC>>Cの関係が成立させた状態で、高周波電力に低周波電力を重畳させることで、図2及び数1〜数6で説明したように、プラスチック容器8と反応室3の内部空間30との合成静電容量CのインピーダンスAと絶縁体スペーサー4と排気室5の内部空間31との合成静電容量CのインピーダンスBのうち、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めた状態でガスバリア薄膜の成膜がなされる。その結果、排気室5、さらにはその後の真空ポンプ23に至る排気経路でのプラズマの発生を抑制される。これにより、排気室5や排気経路のプラズマのアタックによる損傷が少なく、また、原料ガス系のダストの発生量が低減することができる。
また、高周波電力に低周波電力を重畳させることで、次のような副次的効果が得られる。低周波電力のみを供給すると、高周波電力のみを供給した場合と比較して、成膜速度が低下する。しかし、第1形態の製造方法では、従来の13.56MHz単独での放電と比較して400kHzの低周波を重畳し、且つ、トータルでの電力が等しい場合、成膜速度が同等であるか若しくは上昇する。また、容器の主軸方向に沿った膜厚分布が均一化される。
プラズマ中のイオンがその高周波電界に追従できる境界はイオンプラズマ周波数によって評価できる。イオンプラズマ周波数は、プラズマ密度によって決まり、図1に示す場合のように、2極放電の容量結合プラズマの場合、その周波数はおよそ1〜3MHzと計算される。したがって13.56MHzの高周波放電では、イオンは高周波電界には追従できない。一方、400kHzの低周波放電には追従できる。特許文献1で示された装置のように13.56MHz単独放電では、イオンはボトル表面にセルフバイアスによって加速され入射する。しかし、第1形態の製造方法では、400kHzの重畳に伴い、イオンはその高周波電界(Vpp)によっても加速され得るようになる。その結果、プラスチック容器8の内表面へ従来よりも高エネルギーを持ったイオンが入射すると考えられる。また、排気室5の内部空間31でのプラズマの発生が抑制されるに伴って、その分、反応室3の内部空間30でのプラズマの発生にエネルギーの消費がまわされるとともに、プラズマの発生する中心箇所がプラスチック容器8の肩部から口部に至る部分であったところ、プラスチック容器8の中心である胴部に移る。したがって、容器の主軸方向に沿った膜厚分布が均一化され、また、成膜速度が向上若しくは同等となる。
膜厚分布が均一化されることによって、プラスチック容器8の口部の内壁面でのDLC膜の膜厚が従来と比較して薄くなるため、口部の内壁面にDLC膜に由来する着色が低減され、意匠性の向上がもたらされる。
次に、高周波電源29の高周波電力の出力及び低周波電源27の低周波電力の出力を共に停止し、プラズマを消滅させてDLC膜の成膜を終了させる。ほぼ同時に真空バルブ12を閉じて原料ガスの供給を停止する。
次に、真空チャンバ7内及びプラスチック容器8内に残存した炭化水素ガスを除くために真空ポンプ23によって排気する。その後、真空バルブ22を閉じ、排気を終了させる。このときの真空チャンバ7内の圧力は6.6〜665Paである。この後、真空バルブ18を開く。これにより、真空チャンバ7が大気開放される。
(第2形態の製造方法)
図3を参照して、第2形態に係る製造方法について説明する。第2形態に係る製造方法は、インピーダンスBを高めるために、排気室5の容積を増加させる。以下、第1形態に係る製造方法との差異点を中心に説明する。
プラスチック容器8を反応室3内に収容して、DLC膜の成膜に適した圧力に調整するまでの工程は、第1形態に係る製造方法の場合と同じである。
次に、プラスチック容器8の内部に原料ガスを減圧された所定圧力下で吹き出させているときに、副室52の可動式仕切り53を動かして、Vの体積を増加させることで、排気室5の容積を増加させる。好ましくは排気室5の容積が2.5〜10倍の容積となるように可動式仕切り53の位置を変更する。排気室5の容積が2.5倍未満とすると効果が小さい場合があり、10倍を超えるときには副室52が大型化しすぎる。また、反応室3の内部空間30の容積に対して、排気室5の内部空間31のVを含む容積が、5倍以上となるように排気室5の容積を増加させることが好ましい。その後、反応室3に高周波電力(例えば、13.56MHz)を供給する。可動式仕切り53を動かすタイミングは、高周波電力の供給前であればいつでも良い。排気室5の容積を増大させる指針としては、次の通りである。プラスチック容器8として例えば容量の小さな0.3リットル容量の容器に成膜を行なう場合には、反応室3の内部空間30が小さく、反応室3は小さな金属部材で形成することが可能となる。その結果、Cが小さくなる。すなわち、インピーダンスAが大きくなる。そこで、Vを大きくして排気室5の容積を増加させることでCを小さくして、インピーダンスBを増大させる。これにより、排気室5でのプラズマの発生を抑制することができる。第2形態に係る製造方法においては、高周波電力をエネルギー源として、プラスチック容器8内の原料ガスがプラズマ化される。これによって、反応室3と原料ガス供給管9(内部電極)との間でバイアス電圧が生ずると共にプラスチック容器8内の原料ガスがプラズマ化されて炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜がプラスチック容器8の内表面に成膜される。このとき、自動整合器50は、出力供給している電極全体からの反射波が最小になるように、インダクタンスL、キャパシタンスCによってインピーダンスを合わせている。このときの成膜時間は数秒程度と短いものとなる。
図3の製造装置200において、排気室5の容積を増大させることで、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めた状態でガスバリア薄膜の成膜がなされる。その結果、排気室5、さらにはその後の真空ポンプ23に至る排気経路でのプラズマの発生を抑制される。これにより、排気室5や排気経路のプラズマのアタックによる損傷が少なく、また、原料ガス系のダストの発生量が低減することができる。また、排気室5の内部空間31でのプラズマの発生が抑制されるに伴って、その分、反応室3の内部空間30でのプラズマの発生にエネルギーの消費がまわされるとともに、プラズマの発生する中心箇所がプラスチック容器8の肩部から口部に至る部分であったところ、プラスチック容器8の中心である胴部に移る。したがって、容器の主軸方向に沿った膜厚分布が均一化される。膜厚分布が均一化されることによって、口部の内壁面にDLC膜に由来する着色が低減され、意匠性の向上がもたらされる。
次に、高周波電源51の高周波電力の出力を停止する。その後の容器取出しまでの工程は第1形態の製造方法の場合と同じである。
(第3形態の製造方法)
図4を参照して、第3形態に係る製造方法について説明する。第3形態に係る製造方法は、インピーダンスBを高めるために、絶縁体スペーサー4をより厚い絶縁体スペーサー4aへ変更する。以下、第1形態に係る製造方法との差異点を中心に説明する。
プラスチック容器8の反応室3内への収容し、DLC膜の成膜に適した圧力に調整するまでの工程は、第1形態に係る製造方法の場合と同じである。
次に、プラスチック容器8の内部に原料ガスを減圧された所定圧力下で吹き出させているときに、絶縁体スペーサー4をより厚い絶縁体スペーサー4aへ変更する。好ましくは3〜6倍の厚みを持った絶縁体スペーサー4aへ変更する。厚さが3倍未満のものに変更すると効果が小さい場合があり、厚さが6倍を超えるものに変更すると、装置が長手方向に拡大し大型化する。その後、反応室3に高周波電力(例えば、13.56MHz)を供給する。絶縁体スペーサー4aに変更するタイミングは、高周波電力の供給前であればいつでも良い。ここで、絶縁体スペーサー4を厚くする指針としては、次の通りである。プラスチック容器8として例えば容量の小さな0.3リットル容量の容器に成膜を行なう場合には、反応室3の内部空間30が小さく、反応室3は小さな金属部材で形成することが可能となる。その結果、Cが小さくなる。すなわち、インピーダンスAが大きくなる。そこで、絶縁体スペーサー4を厚くすることでCを小さくして、インピーダンスBを増大させる。これにより、排気室5でのプラズマの発生を抑制することができる。第3形態に係る製造方法においても、第2形態に係る製造方法と同様に、高周波電力をエネルギー源として、DLC膜がプラスチック容器8の内表面に成膜される。
図4の製造装置300において、より厚い絶縁体スペーサー4aに変更することで、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めた状態でガスバリア薄膜の成膜がなされる。その結果、第2形態に係る製造方法と同様に、排気室5及び排気経路のプラズマのアタックによる損傷の抑制、原料ガス系のダストの発生量の低減、容器の主軸方向に沿った膜厚分布の均一化、及び口部の内壁面のDLC膜に由来する着色の低減が実現できる。
次に、高周波電源51の高周波電力の出力を停止する。その後の容器取出しまでの工程は第1形態の製造方法の場合と同じである。
(第4形態の製造方法)
図5を参照して、第4形態に係る製造方法について説明する。第4形態に係る製造方法は、インピーダンスBを高めるために、排気室5と接地との接続の間に直列で静電容量Cの可変コンデンサ70を接続し、合成静電容量C(ただし、可変コンデンサの静電容量Cを加えたもの)を小さくすることにより、インピーダンスBを高める。以下、第1形態に係る製造方法との差異点を中心に説明する。
プラスチック容器8の反応室3内への収容し、DLC膜の成膜に適した圧力に調整するまでの工程は、第1形態に係る製造方法の場合と同じである。
次に、プラスチック容器8の内部に原料ガスを減圧された所定圧力下で吹き出させ、その後、反応室3に高周波電力(例えば、13.56MHz)を供給する。このとき、可変コンデンサ70の静電容量Cを小さくするように調整する。可変コンデンサ70の容量の調整の指針は次の通りである。プラスチック容器8として例えば容量の小さな0.3リットル容量の容器に成膜を行なう場合には、反応室3の内部空間30が小さく、反応室3は小さな金属部材で形成することが可能となる。その結果、Cが小さくなる。すなわち、インピーダンスAが大きくなる。そこで、可変コンデンサ70の静電容量Cを小さくするように調整することでCを小さくして、インピーダンスBを増大させる。これにより、排気室5でのプラズマの発生を抑制することができる。可変コンデンサ70の最適容量は、対象とするプラスチック容器8の容量によっても変わるが、例えば5〜100pF、好ましくは、10〜80pFである。可変コンデンサ70の容量の調整のタイミングは、高周波電力の供給前、供給途中のいつでも良い。第4形態に係る製造方法においては、第2形態に係る製造方法と同様に、高周波電力をエネルギー源として、DLC膜がプラスチック容器8の内表面に成膜される。
図5の製造装置400において、インピーダンスBを高めるために、可変コンデンサ70の静電容量Cを小さくするように調整することで、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めた状態でガスバリア薄膜の成膜がなされる。その結果、第2形態に係る製造方法と同様に、排気室5及び排気経路のプラズマのアタックによる損傷の抑制、原料ガス系のダストの発生量の低減、容器の主軸方向に沿った膜厚分布の均一化、及び口部の内壁面のDLC膜に由来する着色の低減が実現できる。
次に、高周波電源51の高周波電力の出力を停止する。その後の容器取出しまでの工程は第1形態の製造方法の場合と同じである。
第1〜第4形態に係る製造方法においては、いずれも成膜時間は数秒程度と短いものとなる。DLC膜の膜厚は0.003〜5μmとなるように形成する。
以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。実施例で使用したプラスチック容器は、容量500ml、容器の高さ207mm、容器胴部径68mm、口部開口部内径21.74mm、口部開口部外径24.94mm、口部の高さ21.0mm、容器胴部肉厚0.3mm、樹脂量30g/本のPET(ポリエチレンテレフタレート)容器である。
評価は次の通りで行なった。
(成膜均一性)
成膜均一性は次のように求めた。容器底面から2cm上(底部)、同8cm上(胴部)、同16cm上(肩部)について、それぞれ周方向に3箇所を選んで膜厚を測定する。膜厚は、Tenchol社alpha−step500の触針式段差計で測定した。それらを平均して、底部、胴部及び肩部の各平均膜厚を求める。底部、胴部及び肩部の各平均膜厚の中から平均膜厚が厚い結果(平均膜厚A)と、最も平均膜厚が薄い結果(平均膜厚B)を選びだし。数9により成膜均一性(%)を求める。成膜均一性(%)が低いほど、均一性が高い。
(数9)成膜均一性(%)=(平均膜厚A−平均膜厚B)/(平均膜厚A+平均膜厚B)×100
(成膜速度)
容器の平均膜厚Aを成膜時間で割ることで、単位時間(秒)当たりの成膜厚さを求めた。
(排気室の発光量)
排気室の内部空間におけるプラズマ発生の有無及びその程度を調べるため、当該内部空間に光ファイバーの一端(入光部)を設置し、その光ファイバーの他端を放電センサー(フォトーダイオード、株式会社山武製光電センサー、HPX−MA−063)に接続し、光ファイバーに入射する光をモニタリングした。光ファイバーの入光部の位置は、例えば図1の製造装置において、「D」で示す箇所とした。放電センサーの出力値(V)の大小で、排気室内でのプラズマの発生の有無及びその程度を評価した。出力値が大きいほど排気室内でのプラズマの発生量が多いことを示している。
(排気室内でのダストの発生量)
開口部32bの壁面(例えば図1ではEと表記した箇所)にシリコンチップAを取り付け、排気室5の排気口付近(例えば図1ではFと表記した箇所)の壁面にシリコンチップBを取り付け、同一条件で20回、容器に成膜した後、取り出して電子天秤(新光電子製、高精度電子天秤AF-R220)で重量を測定した。成膜前後の重量差から付着ダスト量とした。
(試験1)
図1に示したガスバリア性プラスチック容器の製造装置100を用いて、PETボトルの内壁面にDLC膜を成膜した。成膜条件は、原料ガスはアセチレンを使用し、原料ガス流量を120sccm、排気室5の内部空間31の容積を1.2リットル、絶縁体スペーサー4(ポリエーテルエーテルケトン製)の厚さを10mm、高周波電源29(13.56MHz)の出力を600W、低周波電源27(0.4MHz)の出力を0W、成膜時間を2秒間とした。なお、ダストの発生量の評価は、この条件で20回成膜後に行なった。評価結果を表1に示した。

(試験2)
高周波電源の出力を500W、低周波電源の出力を100Wとした以外は試験1と同条件で、成膜を行なった。なお、高周波電源と低周波電源の出力の合計は、600Wと共通とした(以下の試験でも同じ)。結果を表1に示す。
(試験3)
高周波電源の出力を400W、低周波電源の出力を200Wとした以外は試験1と同条件で、成膜を行なった。結果を表1に示す。
(試験4)
高周波電源の出力を200W、低周波電源の出力を400Wとした以外は試験1と同条件で、成膜を行なった。結果を表1に示す。
(試験5)
高周波電源の出力を100W、低周波電源の出力を500Wとした以外は試験1と同条件で、成膜を行なった。結果を表1に示す。
(試験6)
高周波電源の出力を400W、低周波電源の出力を200Wとし、低周波電源の周波数を0.1MHzとした以外は試験1と同条件で、成膜を行なった。結果を表1に示す。
(試験7)
高周波電源の出力を200W、低周波電源の出力を400Wとした以外は試験6と同条件で、成膜を行なった。結果を表1に示す。
(試験8)
高周波電源の出力を400W、低周波電源の出力を200Wとし、低周波電源の周波数を1MHzとした以外は試験1と同条件で、成膜を行なった。結果を表1に示す。
(試験9)
高周波電源の出力を200W、低周波電源の出力を400Wとした以外は試験8と同条件で、成膜を行なった。結果を表1に示す。
(試験10)
高周波電源の出力を400W、低周波電源の出力を200Wとし、低周波電源の周波数を3MHzとした以外は試験1と同条件で、成膜を行なった。結果を表1に示す。
(試験11)
高周波電源の出力を200W、低周波電源の出力を400Wとした以外は試験10と同条件で、成膜を行なった。結果を表1に示す。
(試験12)
図3に示したガスバリア性プラスチック容器の製造装置200を用いて、PETボトルの内壁面にDLC膜を成膜した。成膜条件は、原料ガスはアセチレンを使用し、原料ガス流量を120sccm、排気室5の内部空間31の容積を3.6リットル、絶縁体スペーサー4の厚さを10mm、高周波電源(13.56MHz)の出力を600W、成膜時間を2秒間とした。なお、ダストの発生量の評価は、この条件で20回成膜後に行なった。評価結果を表1に示した。
(試験13)
排気室5の内部空間31の容積を4.8リットルとした以外は試験12と同条件で成膜を行なった。評価結果を表1に示した。
(試験14)
図4に示したガスバリア性プラスチック容器の製造装置300を用いて、PETボトルの内壁面にDLC膜を成膜した。成膜条件は、原料ガスはアセチレンを使用し、原料ガス流量を120sccm、排気室5の内部空間31の容積を1.2リットル、絶縁体スペーサー4の厚みを40mmとし、高周波電源(13.56MHz)の出力を600W、成膜時間を2秒間とした。なお、ダストの発生量の評価は、この条件で20回成膜後に行なった。評価結果を表1に示した。
(試験15)
図5に示したガスバリア性プラスチック容器の製造装置400を用いて、PETボトルの内壁面にDLC膜を成膜した。可変コンデンサ70を接続している。成膜条件は、原料ガスはアセチレンを使用し、原料ガス流量を120sccm、排気室5の内部空間31の容積を1.2リットル、絶縁体スペーサー4の厚さを10mm、高周波電源29(13.56MHz)の出力を600W、成膜時間を2秒間、可変コンデンサ70の容量を50pFとした。なお、ダストの発生量の評価は、この条件で20回成膜後に行なった。評価結果を表1に示した。
(試験16)
可変コンデンサ70の容量を105pFとした以外は試験15と同条件で成膜を行なった。評価結果を表1に示した。
高周波電力のみを供給した試験1(比較例)と高周波電力に低周波電力を重畳させた試験2〜試験11とを比較すると、低周波電力を重畳させることで、排気室の発光量が低下し、排気室内でのプラズマ発生が抑制されたことがわかった。これに伴い、排気室でのダスト付着量も低減した。一方、成膜速度を試験1と試験2〜試験4について比較すると、試験2〜試験4では成膜速度が大きくなった。また、成膜均一性も向上したことがわかる。低周波電力を重畳させることで、反応室内でのプラズマ発生は同等以上に起こっており、プラズマ発生の中心部が容器の中心部に近づいたために成膜均一性が向上したと考えられる。
図7に試験1の条件で100回成膜したボトル(図7(b))と試験4で100回成膜したボトル(図7(a))の外観画像の比較を示した。試験4では容器口部の成膜が抑制されたことがわかる。プラズマ発生の中心部分が下方にずれたためと考えられる。
排気室5の容積を大きくした試験12及び試験13は、試験1と比較すると、排気室の発光量が低下し、排気室内でのプラズマ発生が抑制されたことがわかった。これに伴い、排気室でのダスト付着量も低減した。
絶縁体スペーサー4の厚さを大きくした試験14は、試験1と比較すると、排気室の発光量が低下し、排気室内でのプラズマ発生が抑制されたことがわかった。これに伴い、排気室でのダスト付着量も低減した。
図5に示すように可変コンデンサ70を排気室5と接地との間に直列となるように接続した場合、反応室3から絶縁体スペーサー4、排気室5及び可変コンデンサ70を介してアースとなる電流経路のインピーダンスをGと定義すれば、当該電流経路中での合成静電容量CによるインピーダンスがBであり、可変コンデンサ70の容量を小さくすれば、インピーダンスG中に含まれる合成静電容量Cに起因するインピーダンスBは増加することとなる。可変コンデンサ70を接続した試験15及び試験16では、プラスチック容器8と反応室3の内部空間30との合成静電容量CのインピーダンスAとの比較において可変コンデンサ70の容量を調整することにより、インピーダンスBを高めたため、試験1と比較すると、排気室の発光量が低下し、排気室内でのプラズマ発生が抑制されたことがわかった。これに伴い、排気室でのダスト付着量も低減した。試験15と試験16においては、可変コンデンサ70の容量を小さくした試験15が排気室でのプラズマ発生がより抑制されていた。
第1形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置を示す概略構成図である。 第1形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置に対応する2極放電型の回路図を示す。 第2形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置を示す概略構成図である。 第3形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置を示す概略構成図である。 第4形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置を示す概略構成図である。 第4形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置に対応する2極放電型の回路図を示す。 試験1の条件で100回成膜したボトルと試験4で100回成膜したボトルの外観画像の比較を示す図であり、(a)が試験4(実施例)、(b)が試験1(比較例)である。
符号の説明
1 下部外部電極
2 上部外部電極
3 反応室
4,4a 絶縁体スペーサー
5 排気室
6 蓋
7 真空チャンバ
8 プラスチック容器
9 原料ガス供給管
9a ガス吹き出し口
10,37,38 O−リング
11,14,17,21 配管
12,18,22,23 真空バルブ
13 マスフローコントローラー
15 原料ガス発生源
16 原料ガス供給手段
19 リーク源
20 圧力ゲージ
23 真空ポンプ
24 排気ダクト
25 フィルタユニット
26 自動整合器
27 低周波電源
28 自動整合器
29 高周波電源
30 反応室の内部空間
31 排気室の内部空間
32,32a,32b 開口部
35 低周波電力供給手段
36 高周波電力供給手段
50 自動整合器
51 高周波電源
52 副室
53 可動式仕切り
54 開口部
55 排気室の容積を増加させる手段
60 絶縁体スペーサー変更手段
70 可変コンデンサ
100 第1形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置
200 第2形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置
300 第3形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置
400 第4形態のガスバリア性プラスチック容器の製造装置


Claims (15)

  1. 反応室にプラスチック容器を収容した後、真空ポンプを作動させて前記反応室の内部ガスを、絶縁体スペーサーによって前記反応室と電気的に絶縁されている排気室を経由して排気し、続いて前記プラスチック容器の内部に原料ガスを減圧された所定圧力下で吹き出させているときに前記反応室に高周波電力を供給して前記原料ガスをプラズマ化させ、前記プラスチック容器の内壁面にガスバリア薄膜を成膜するときに、前記プラスチック容器と前記反応室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスAと前記絶縁体スペーサーと前記排気室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスBのうち、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めて、前記排気室におけるプラズマの発生を抑制することを特徴とする反応室外でのプラズマ発生の抑制方法。
  2. 反応室にプラスチック容器を収容した後、真空ポンプを作動させて前記反応室の内部ガスを、絶縁体スペーサーによって前記反応室と電気的に絶縁されている排気室を経由して排気し、続いて前記プラスチック容器の内部に原料ガスを減圧された所定圧力下で吹き出させているときに前記反応室に高周波電力を供給して前記原料ガスをプラズマ化させ、前記プラスチック容器の内壁面にガスバリア薄膜を成膜させてガスバリア性プラスチック容器を製造する方法において、
    前記プラスチック容器と前記反応室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスAと前記絶縁体スペーサーと前記排気室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスBのうち、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めた状態として前記ガスバリア薄膜を成膜することを特徴とするガスバリア性プラスチック容器の製造方法。
  3. >Cとし、且つ、前記高周波電力に低周波電力を重畳させて供給することにより、インピーダンスBを高めることを特徴とする請求項2に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造方法。
  4. 前記排気室の容積を増加させることにより、インピーダンスBを高めることを特徴とする請求項2に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造方法。
  5. 前記絶縁体スペーサーの厚さをより厚いものへ変更することにより、インピーダンスBを高めることを特徴とする請求項2に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造方法。
  6. 前記排気室と接地との接続の間に直列で静電容量Cの可変コンデンサを接続し、前記合成静電容量Cは前記可変コンデンサの静電容量Cを加えたものとするとき、前記可変コンデンサの静電容量Cを小さくすることにより、インピーダンスBを高めることを特徴とする請求項2に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造方法。
  7. 前記高周波電力の周波数が13.56MHzであることを特徴とする請求項2、3、4、5又は6に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造方法。
  8. 前記低周波電力の周波数が100kHz〜3MHzであることを特徴とする請求項3又は7に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造方法。
  9. 前記低周波電力の出力を、前記高周波電力と前記低周波電力の合計出力の20〜80%とすることを特徴とする請求項3、7又は8に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造方法。
  10. 前記ガスバリア薄膜として、炭素膜、珪素含有炭素膜又はSiO膜を成膜することを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8又は9に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造方法。
  11. プラスチック容器を収容する反応室と、排気室と、前記反応室と前記排気室に挟まれて各々を電気的に絶縁させるとともに前記反応室と前記排気室とを連通させる開口部を設けた絶縁体スペーサーと、前記排気室に接続され、前記開口部と前記排気室を経由して前記反応室の内部ガスを排気する真空ポンプと、前記プラスチック容器の内部に配置された原料ガス供給管と、該原料ガス供給管に原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、前記反応室に高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、を備えたガスバリア性プラスチック容器の製造装置において、
    前記プラスチック容器と前記反応室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスAと前記絶縁体スペーサーと前記排気室の内部空間との合成静電容量CのインピーダンスBのうち、インピーダンスBを、インピーダンスAを基準として相対的に高めるインピーダンス増加手段を設けたことを特徴とするガスバリア性プラスチック容器の製造装置。
  12. >Cであり、且つ、前記インピーダンス増加手段は、前記反応室に供給される高周波電力に、低周波電力を重畳させて供給する低周波電力供給手段であることを特徴とする請求項11に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造装置。
  13. 前記インピーダンス増加手段は、前記排気室の容積を増加させる手段であることを特徴とする請求項11に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造装置。
  14. 前記インピーダンス増加手段は、前記絶縁体スペーサーを、より厚い絶縁体スペーサーに変更する手段であることを特徴とする請求項11に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造装置。
  15. 前記インピーダンス増加手段は、前記排気室と接地との接続の間に直列で接続された可変コンデンサであることを特徴とする請求項11に記載のガスバリア性プラスチック容器の製造装置。
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