JP3643813B2 - プラスチック容器内面への炭素膜形成装置および内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法 - Google Patents

プラスチック容器内面への炭素膜形成装置および内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック容器内面への炭素膜形成装置および内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック容器、例えばPETボトルは、外部からの酸素の透過、内部(例えば炭酸飲料水)からの二酸化炭素の透過を防止するためにその内面にDLC(Diamond Like Carbon)のような炭素膜をコーティングすることが試みられている。
【0003】
このようなプラスチック容器内面に炭素膜をコーティングする方法としては、特開平8−53116号公報および特許第2788412号公報(特開平8−53117号公報)に高周波プラズマを用いる方法が開示されている。特開平9−272567号公報には、その応用的な方法として高周波プラズマを用いて炭素膜をフィルムにコーティングする方法が開示されている。特許第3072269(特開平10−226884号公報)には、特殊形状容器に対応する炭素膜のコーティング方法が、特許第3115252(特開平10−258825号公報)などには量産化技術として複数個の容器に同時にコーティングする方法が開示されている。また、プラスチック容器に炭素膜をコーティングする技術が開示された文献として、「K.Takemoto, et al, Proceedings of ADC/FCT '99,p285」、「E.Shimamura et al, 10th years IAPRI World Conference 1997,p251 」がある。
【0004】
高周波プラズマCVDを用いたプラスチック容器への炭素膜コーティングする基本的な発明である前記特許第2788412号公報(特開平8−53117号公報)について、図6を参照して説明する。図6はこの公報に記載されている高周波プラズマCVDを用いたプラスチック容器への炭素膜コーティング装置の断面図である。
【0005】
外部電極101は、架台102上に例えばポリテトラフルオロエチレン製のシール板103を介して設置されている。この外部電極101は、収納されるプラスチック容器、例えばボトルBの外形にほぼ沿った形の内形状を有する。この外部電極101は、口金部分もボトルキャップ用のネジ形状に沿った内形状が好ましい。前記外部電極101は、筒状の本体101aとこの本体101aの上端に取り付けられるキャップ部101bとから構成され、真空容器を兼ねている。ガス排気管104は、前記架台102およびシール板103を通して前記外部電極101下部に連通されている。
【0006】
内部電極105は、前記外部電極101内に収納されたボトルB内に挿入されている。この内部電極105は、中空構造を有し、表面には複数のガス吹き出し孔106が穿設されている。CVD用媒質ガスを供給するためのガス供給管107は、前記架台102およびシール板103を貫通して前記内部電極105の下端に連通されている。CVD用媒質ガスは、前記供給管107を通して前記内部電極105内に供給され、前記ガス吹き出し孔106からボトルB内に供給される。
【0007】
RF入力端子108は、前記架台102およびシール板103を通して前記外部電極101下部に接続されている。このRF入力端子108は、前記架台102に対して電気的に絶縁されている。また、前記RF入力端子108の下端は、整合器109を通して高周波電源110に接続されている。前記外部電極101は、高周波電源110からプラズマ生成用の高周波電力が前記整合器109およびRF入力端子108を通して印加される。
【0008】
このような構成の装置を用いてボトルへ炭素膜をコーティングする方法について説明する。
【0009】
まず、外部電極101の本体101a内にボトルBを挿入し、前記本体101aにキャップ101bを取り付けることにより前記ボトルBを前記外部電極101内に気密に収納する。外部電極101内のガスをガス排気管104を通して排気する。この時、前記外部電極101に収納したボトルB内外の空間のガスが排気される。規定の真空度(代表値:10-2〜10-5Torr)に到達した後、媒質ガスをガス供給管107を通して内部電極105に例えば10〜50mL/minの流量で供給し、さらに内部電極105のガス吹き出し孔106を通してボトルB内に吹き出す。なお、この媒質ガスとしては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、含酸素炭化水素類、含窒素炭化水素類が用いられる。前記ボトルB内の圧力は、ガス供給量と排気量のバランスによって例えば2×10-1〜1×10-2Torrに設定する。その後、高周波電源110から50〜1000Wの高周波電力を整合器109およびRF入力端子108を通して外部電極101に印加する。
【0010】
このような高周波電力の外部電極101への印加によって、前記外部電極101と内部電極105の間にプラズマが生成される。この時、ボトルBは外部電極101の内にほぼ隙間無く収納されているため、プラズマはボトルB内に発生する。前記媒質ガスは、前記プラズマによって解離、又は更にイオン化して、炭素膜を形成するための製膜種が生成され、この製膜種が前記ボトルB内面に堆積し、炭素膜を形成する。炭素膜を所定の膜厚まで形成した後、高周波電力の印加を停止し、媒質ガス供給の停止、残留ガスの排気、窒素、希ガス、又は空気等を外部電極101内に供給し、この空間内を大気圧に戻す。この後、前記ボトルBを外部電極101から取り外す。なお、この方法において炭素膜を厚さ30nm成膜するには2〜3秒間要する。
【0011】
このような高周波プラズマを用いるコーティング方法では、プラスチック容器内面の口部から肩部または肩部近傍に亘る領域の炭素膜の厚さが他の容器内面箇所に比べて厚くなって、均一なコーティングが困難になる問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、均一な膜厚を有する炭素膜をプラスチック容器内面全体にコーティングすることが可能なプラスチック容器の内面への炭素膜形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、均一な膜厚を有する炭素膜が内面にコーティングされたプラスチック容器の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、良好な膜質で、かつ均一な膜厚を有する炭素膜をプラスチック容器内面にコーティングすることが可能なプラスチック容器の内面への炭素膜形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
本発明は、良好な膜質で、かつ均一な膜厚を有する炭素膜が内面にコーティングされたプラスチック容器の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
本発明は、良好な膜質で、かつ均一な膜厚を有する炭素膜をプラスチック容器内面に高速度でコーティングすることが可能なプラスチック容器の内面への炭素膜形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
本発明は、良好な膜質で、かつ均一な膜厚を有する炭素膜が内面に高速度でコーティングされたプラスチック容器の製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプラスチック容器内面への炭素膜形成装置は、被処理物であるプラスチック容器が挿入された時にその容器の口部および肩部を除く外周を取り囲む大きさを有する有底円筒状の外部電極と、
被処理物であるプラスチック容器が挿入された時に少なくともその容器の口部および肩部と前記外部電極の間に介在された誘電体材料からなるスペーサと、
前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管と、
前記外部電極内の前記プラスチック容器内に前記排気管側から前記容器の長手のほぼ全長にわたって挿入され、接地側に接続されると共に、媒質ガスを吹き出すためのガス吹き出し孔が穿設された内部電極と、
前記排気管に取り付けられた排気手段と、
前記内部電極に媒質ガスを供給するためのガス供給手段と、
前記外部電極に接続された高周波電源と、
を具備したことを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法は、前述した本発明の炭素膜形成装置を用いて内面炭素膜被覆プラスチック容器を製造するにあたり、
(a)被処理物であるプラスチック容器を、有底円筒状外部電極内および誘電体材料からなるスペーサ内に少なくともその容器の口部および肩部の外周が前記スペーサ内に囲まれ、これ以外の前記容器部分の外周が前記外部電極内に囲まれるように挿入する工程と、
(b)底部もしくは側面領域またはその両方に媒質ガスを吹き出すための貫通孔が穿設された内部電極を、前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管から前記プラスチック容器の内部にその容器の長手のほぼ全長に亘って挿入する工程と、
(c)前記容器内のガスを排気管手段により前記排気管を通して排気すると共に、前記内部電極に媒質ガスをガス供給手段により供給し、この内部電極のガス吹き出し孔から前記プラスチック容器内に媒質ガスを吹き出して前記プラスチック容器内を含む排気管内を所定のガス圧力に設定する工程と、
(d)高周波電源から高周波電力を前記外部電極に印加し、前記プラスチック容器内に位置する内部電極の周囲にプラズマを生成させ、このプラズマにより前記媒質ガスを解離させて前記プラスチック容器内面に炭素膜をコーティングする工程と
を含むことを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係る別のプラスチック容器内面への炭素膜形成装置は、被処理物であるプラスチック容器が挿入された時にその容器の口部および肩部を除く外周を取り囲む大きさを有する有底円筒状の外部電極と、
被処理物であるプラスチック容器が挿入された時に少なくともその容器の口部および肩部と前記外部電極の間に介在された誘電体材料からなるスペーサと、
前記容器の口部が位置する側の前記スペーサの端面に前記外部電極と接続するように取り付けられた導電部材と、
前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管と、
前記外部電極内の前記プラスチック容器内に前記排気管側から前記容器の長手のほぼ全長にわたって挿入され、接地側に接続されると共に、媒質ガスを吹き出すためのガス吹き出し孔が穿設された内部電極と、
前記排気管に取り付けられた排気手段と、
前記内部電極に媒質ガスを供給するためのガス供給手段と、
前記外部電極に接続されたバイアスを兼ねる高周波電源と、
を具備したことを特徴とするものである。
【0021】
本発明に係る別の内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法は、前述した本発明の別の炭素膜形成装置を用いて内面炭素膜被覆プラスチック容器を製造するにあたり、
(a)被処理物であるプラスチック容器を、有底円筒状外部電極内および導電部材がこの外部電極と接続するように取り付けられた誘電体材料からなるスペーサ内に少なくともその容器の口部および肩部の外周が前記スペーサ内に囲まれ、これ以外の前記容器部分の外周が前記外部電極内に囲まれるように挿入する工程と、
(b)底部もしくは側面領域またはその両方に媒質ガスを吹き出すための貫通孔が穿設された内部電極を、前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管から前記プラスチック容器の内部にその容器の長手のほぼ全長に亘って挿入する工程と、
(c)前記容器内のガスを排気管手段により前記排気管を通して排気すると共に、前記内部電極に媒質ガスをガス供給手段により供給し、この内部電極のガス吹き出し孔から前記プラスチック容器内に媒質ガスを吹き出して前記プラスチック容器内を含む排気管内を所定のガス圧力に設定する工程と、
(d)バイアスを兼ねる高周波電源から高周波電力を前記外部電極に供給し、前記プラスチック容器内に位置する内部電極の周囲にプラズマを生成させ、このプラズマにより前記媒質ガスを解離させて前記プラスチック容器内面に炭素膜をコーティングする工程と
を含むことを特徴とするものである。
【0022】
本発明に係るさらに別のプラスチック容器内面への炭素膜形成装置は、被処理物であるプラスチック容器が挿入された時にその容器の口部および肩部を除く外周を取り囲む大きさを有する有底円筒状の外部電極と、
被処理物であるプラスチック容器が挿入された時に少なくともその容器の口部および肩部と前記外部電極の間に介在された誘電体材料からなるスペーサと、
前記容器の口部が位置する側の前記スペーサの端面に前記外部電極と接続するように取り付けられた導電部材と、
前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管と、
前記外部電極内の前記プラスチック容器内に前記排気管側から前記容器の長手のほぼ全長にわたって挿入され、媒質ガスを吹き出すためのガス吹き出し孔が穿設された内部電極と、
前記排気管に取り付けられた排気手段と、
前記内部電極に媒質ガスを供給するためのガス供給手段と、
前記内部電極に接続された高高周波電源と、
前記外部電極に接続されたバイアス用電源と、
を具備したことを特徴とするものである。
【0023】
本発明に係るさらに別の内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法は、前述した本発明の別の炭素膜形成装置を用いて内面炭素膜被覆プラスチック容器を製造するにあたり、
(a)被処理物であるプラスチック容器を、有底円筒状外部電極内および導電部材がこの外部電極と接続するように取り付けられた誘電体材料からなるスペーサ内に少なくともその容器の口部および肩部の外周が前記スペーサ内に囲まれ、これ以外の前記容器部分の外周が前記外部電極内に囲まれるように挿入する工程と、
(b)底部もしくは側面領域またはその両方に媒質ガスを吹き出すための吹き出し孔が穿設された内部電極を、前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管から前記プラスチック容器の内部にその容器の長手のほぼ全長に亘って挿入する工程と、
(c)前記容器内のガスを排気管手段により前記排気管を通して排気すると共に、前記内部電極に媒質ガスをガス供給手段により供給し、この内部電極のガス吹き出し孔から前記プラスチック容器内に媒質ガスを吹き出して前記プラスチック容器内を含む排気管内を所定のガス圧力に設定する工程と、
(d)バイアス用電源から高周波電力を整合器を通して前記外部電極に印加すると共に、高高周波電源から高高周波電力を整合器を通して前記内部電極に供給し、前記プラスチック容器内に位置する内部電極の周囲にプラズマを生成させ、このプラズマにより前記媒質ガスを解離させて前記プラスチック容器内面に炭素膜をコーティングする工程と
を含むことを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るプラスチック容器内面への炭素膜形成装置を示す断面図である。
【0026】
上下端にフランジ1a,1bを有する円筒状支持部材2は、円環状基台3上に載置されている。筒状の金属製の外部電極本体4は、前記支持部材2内に配置されている。円板状をなす金属製の外部電極底部材5は、前記外部電極4の底部に着脱可能に取り付けられている。前記外部電極本体4および前記外部電極底部材5により炭素被膜を形成するプラスチック容器(例えばペットボトル)Bを設置可能な大きさの空間をもつ有底円筒状の外部電極6が構成されている。円板状絶縁体7は、前記基台3と前記外部電極底部材5の間に配置されている。
【0027】
なお、前記外部電極底部材5、前記円板状絶縁体7および前記基台3は図示しないプッシャーにより前記外部電極本体4に対して一体的に上下動し、前記外部電極本体4の底部を開閉する。
【0028】
内部に挿入されるペットボトルBの口部および肩部に対応する円柱および円錐台を組み合わせた形状をなす空洞部8を有する誘電体材料からなる円柱状スペーサ9は、前記外部電極6における前記本体4の上部にそのスペーサ9の上端が前記本体4の上端と面一になるように挿入されている。このスペーサ9は、この上に載置される後述する環状絶縁部材から螺着されたねじ(図示せず)により固定されている。このように円柱状スペーサ9を前記外部電極6における前記本体4の上部に挿入固定することにより、前記外部電極6の底部側からペットボトルBを挿入すると、そのペットボトルB外周の口部および肩部が前記スペーサ9の空洞部8内に位置し、かつこれ以外のペットボトルB外周が前記外部電極14内面に位置する。
【0029】
前記スペーサ9を構成する誘電体材料としては、例えばプラスチックまたはセラミックを挙げることができる。プラスチックとしては、種々のものを用いることができるが、特に高周波損失が低く、耐熱性の優れたポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂が好ましい。セラミックとしては、高周波損失が低いアルミナ、ステアタイトまたは機械加工性が高いマコールが好ましい。
【0030】
環状絶縁部材10は、前記外部電極6およびスペーサ9の上面にその環状絶縁部材10上面が前記筒状支持部材2の上部フランジ1aと面一になるように載置されて、図示しないねじがその絶縁部材10から前記スペーサ9に螺着されて前記スペーサ9を前記外部電極6内に挿入、固定している。
【0031】
上下にフランジ11a,11bを有するガス排気管12は、前記支持部材2の上部フランジ1aおよび前記環状絶縁部材10の上面に載置されている。図示しないねじを前記排気管12の下部フランジ11bから前記支持部材2の上部フランジ1aに螺着することにより前記ガス排気管12が前記支持部材2に固定されている。また、図示しないねじを前記排気管12の下部フランジ11bから前記環状絶縁部10を貫通して前記外部電極6の本体4に螺着することにより前記外部電極6の本体4が前記排気管12に前記環状絶縁部材10を介して吊下される。なお、前記排気管12と前記環状絶縁部材10および前記外部電極6の本体4との固定は、前記排気管12と前記外部電極6の本体4とがねじにより電気的に導通しない取り付け構造になっている。分岐ガス排気管13は、前記ガス排気管12の側壁に連結され、その他端に図示しない真空ポンプのような排気設備が取り付けられている。蓋体14は、前記排気管12の上部フランジ11aに取り付けられている。
【0032】
例えば周波数13.56MHzの高周波電力を出力する高周波電源15は、ケーブル16および給電端子17を通して前記外部電極6の本体4に接続されている。整合器18は、前記高周波電源15と前記給電端子17の間の前記ケーブル16に介装されている。
【0033】
接地端子を兼ねるガス供給管19は、前記蓋体14を貫通し、前記ガス排気管12を通して前記スペーサ9内に挿入されている。
【0034】
内部電極20は、前記外部電極6およびスペーサ9内に挿入されたペットボトルB内にこのペットボトルBの長手方向のほぼ全長に渡って配置され、その上端が前記ペットボトルBの口部側に位置する前記ガス供給管19の下端に着脱自在に取り付けられている。前記内部電極20は、中心軸にガス流路21がくり抜かれていると共に、底部に媒質ガスを吹き出すためのガス吹き出し孔22を穿設したキャップ23が着脱自在に取り付けられている。
【0035】
なお、ガス吹き出し孔は前記内部電極20の下部側壁に前記ガス流路21と連通するように開口してもよい。この場合、ガス吹き出し孔は前記内部電極20の底部から前記ペットボトルB内に挿入された長さの25%までの範囲内の側面領域に開口することが好ましい。
【0036】
前記内部電極20の径は、ボトルBの口金径以下とし、長さはペットボトルBの長手方向のほぼ全長にわたって挿入可能な長さとする。長さの目安としては、ペットボトルBの全長に対する割合が{1−D/(2L)}程度となるようにする。ここでDはペットボトルの内径、Lはペットボトルの全長を表し、L>(D/2)である。
【0037】
前記内部電極20は、例えばタングステンやステンレス鋼のような耐熱性を有する金属材料により作られるが、アルミニウムで作ってもよい。また、内部電極20表面が平滑であると、その内部電極20の表面に堆積する炭素膜を剥離し易くなる虞がある。このため、内部電極20の表面を予めサンドブラスト処理し、表面粗さを大きくして表面に堆積する炭素膜を剥離し難くすることが好ましい。
【0038】
次に、図1に示す装置を用いて内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法を説明する。
【0039】
図示しないプッシャーにより外部電極底部材5、円板状絶縁体7および基台3を取り外して外部電極本体4の底部を開放する。つづいて、プラスチック容器、例えばペットボトルBを開放した外部電極本体4の底部側からそのボトルBの口部側から挿入した後、図示しないプッシャーにより外部電極本体4の底部側に外部電極底部材5、円板状絶縁体7および基台3をこの順序で取り付けることによって、図1に示すようにペットボトルBの口部から肩部を誘電体材料からなる円柱状スペーサ9の空洞部8内に収納し、かつ前記ボトルBの肩部から底部側を前記外部電極6の内に収納する。このとき、前記ペットボトルBは排気管12にその口部を通して連通する。
【0040】
次いで、図示しない排気手段により分岐排気管13および排気管12を通して前記排気管12および前記ペットボトルB内外のガスを排気する。媒質ガスをガス供給管19を通して内部電極20のガス流路21に供給し、この内部電極20の底部に取り付けたキャップ23のガス吹き出し孔22からペットボトルB内に吹き出させる。この媒質ガスは、さらにペットボトルBの口部に向かって流れていく。つづいて、ガス供給量とガス排気量のバランスをとり、前記ペットボトルB内を所定のガス圧力に設定する。
【0041】
次いで、高周波電源15から高周波電力をケーブル16、整合器18および給電端子17を通して前記外部電極6に供給する。このとき、前記外部電極6(実質的に前記ペットボトルB内面)と接地された前記内部電極20との間にプラズマが生成される。このプラズマによって媒質ガスが解離し、生成した製膜種が前記ペットボトルB内面に堆積、コーティング膜(炭素膜)が形成される。
【0042】
前記炭素膜の膜厚が所定の厚さに達した後、前記高周波電源15からの高周波電力の供給を停止し、媒質ガスの供給の停止、残留ガスの排気を行い、ガスの排気を停止した後、窒素、希ガス、又は空気等を前記ガス供給管19を通して内部電極20のガス流路21およびキャップ23のガス吹き出し孔22を通してペットボトルB内に供給し、このペットボトルB内外を大気圧に戻し、内面炭素膜被覆ペットボトルを取り出す。その後、前述した順序に従ってペットボトルを交換し、次のペットボトルのコーティング作業へ移る。
【0043】
前記媒質ガスとしては炭化水素を基本とし、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等のアルカン類;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ブタジエン等のアルケン類;アセチレン等のアルキン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、インデン、ナフタリン、フェナントレン等の芳香族炭化水素類;シクロプロパン、シクロヘキサン等のシクロパラフィン類;シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロオレフィン類;メチルアルコール、エチルアルコール等の含酸素炭化水素類;メチルアミン、エチルアミン、アニリン等の含窒素炭化水素類などが使用でき、その他一酸化炭素、二酸化炭素なども使用できる。
【0044】
前記高周波電力は、一般的に13.56MHz、100〜1000Wのものが用いられるが、これに限るものではない。また、この高周波電力の印加は連続的でも間欠的(パルス的)でもよい。
【0045】
以上、第1実施形態によれば空洞部8を有する誘電体材料からなる円柱状スペーサ9は、外部電極6の上部に挿入、固定し、ペットボトルBの少なくとも口部から肩部を前記スペーサ9の空洞部8内に収納させ、かつ前記ペットボトルBの肩部から底部側を前記外部電極6の本体4内に収納し、媒質ガスの前記ペットボトルB内への供給、高周波電力の外部電極6への供給により前記外部電極6(実質的に前記ペットボトルB内面)と接地された前記内部電極20との間にプラズマを生成することによって、前記ペットボトルBの肩部から底部側の内面のみならず、前記誘電体材料からなるスペーサ9と対向するペットボトルBの口部から肩部の内面に均一な厚さの炭素膜をコーティングすることができる。その結果、外部からの酸素の透過、内部(例えば炭酸飲料水)からの二酸化炭素の透過を防止したバリア性の優れた内面炭素膜被覆ペットボトルを製造することができる。
【0046】
また、ペットボトルBの口部および肩部周囲を覆う部材の形状は複雑であるが、これら部材に対応するスペーサ9を例えば射出成形が可能なプラスチックのような誘電体材料により形成することによって、従来のようにこれら部材を含む全てを外部電極で構成する場合に比べて簡単に製造することができる。さらに、従来のようにこれら部材を含む全てを金属のような導電材料により外部電極で構成する場合に比べて装置全体を軽量化することができる。
【0047】
さらに、スペーサ9をプラスチックまたは軟質のセラミックのような誘電体材料により形成することによって、ペットボトルBの複雑な口部および肩部が接触した時にその箇所に傷が発生するのを防止することができる。
【0048】
なお、前述した第1実施形態では空洞部8を有する誘電体材料からなる円柱状スペーサ9を外部電極6の本体4上部にペットボトルBの口部から肩部に対応するように挿入、固定したが、ペットボトルBの肩部からさらに底部に亘って誘電体材料からなる薄膜を延出するようにしてもよい。
【0049】
(実施例1)
前述した図1に示す炭素膜形成装置を用い、ペットボトルBの口部から肩部を誘電体材料からなるスペーサ9の空洞部8内に収納させ、かつ前記ボトルBの肩部から底部側を前記外部電極6内に収納し、下記条件で前記ペットボトルB内面に炭素膜をコーティングした。なお、円柱状スペーサ9は外部電極6の本体4内にその外部電極本体4に収納される高さ約22cmのペットボトルBの口部および肩部に対応する部分(上部から11cmの位置)に挿入した。
【0050】
<コーティング条件>
・円柱状スペーサ9:ホトベール(商品名、住金セラミックス製)から作った、
・キャップ23のガス吹き出し孔22:孔径1mm、1個、
・媒質:C22ガス、
・媒質のガス流量:124sccm、
・ペットボトルBおよび排気管12内のガス圧力:0.3Torr、
・外部電極6に供給する高周波電力:13MHz、1600W。
【0051】
(比較例1)
図6に示す従来の炭素膜形成装置を用い、高さ約22cmのペットボトルBの口部から底部側を外部電極101の内面に接触させて収納し、下記条件で前記ペットボトルB内面に炭素膜をコーティングした。
【0052】
<コーティング条件>
・内部電極105のガス吹き出し孔106:孔径1mm、1個、
・媒質:C22ガス、
・媒質のガス流量:58sccm、
・ペットボトルB内のガス圧力:0.16Torr、
・外部電極101に供給する高周波電力:13MHz、700W。
【0053】
実施例1および比較例1により炭素膜をコーティングしたペットボトルの口部から底部までの厚さを測定した。その結果を図2に示す。なお、図2において実施例1を膜厚の平均値で規格化して膜厚分布を示すとともに、この規格化した実施例1を膜厚の平均値を基準にした相対値として比較例1の膜厚分布を示す。
【0054】
図2から明らかなようペットボトルBの口部および肩部に対応する外部電極6内にホトベールから作られた円柱状スペーサ9を挿入した実施例1では、ペットボトルB内面の全体に均一な炭素膜をコーティングでいることがわかる。
【0055】
これに対し、ペットボトルBの口部から底部側を外部電極101の内面に接触させて収納した比較例1では、ペットボトルBの内面のうち、口部から肩部付近の内面に厚い炭素膜がコーティングされ、炭素膜の厚さが不均一になることがわかる。なお、比較例1において高さ5cmの箇所の厚さを記入しなかったのはその箇所での炭素膜の厚さが厚く剥離したためである。
【0056】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係るプラスチック容器内面への炭素膜形成装置を示す断面図である。なお、図3において前述した図1と同様の部材は同符号付して説明を省略する。
【0057】
図3の炭素膜形成装置は、前記スペーサ9の上端面にリング状でその周縁から下方に向って筒体を延出した形状の導電部材24をその筒体が前記外部電極6の本体4内面に接続するように外部電極6上端と面一に設けた構造を有する。また、高周波電源15はバイアス電源を兼ねている。
【0058】
次に、図3に示す炭素膜形成装置を用いて内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法を説明する。
【0059】
図示しないプッシャーにより外部電極底部材5、円板状絶縁体7および基台3を取り外して外部電極本体4の底部を開放する。つづいて、プラスチック容器、例えばペットボトルBを開放した外部電極本体4の底部側からそのボトルBの口部側から挿入した後、図示しないプッシャーにより外部電極本体4の底部側に外部電極底部材5、円板状絶縁体7および基台3をこの順序で取り付けることによって、図1に示すようにペットボトルBの口部から肩部を誘電体材料からなる円柱状スペーサ9の空洞部8内に収納し、かつ前記ボトルBの肩部から底部側を前記外部電極6の内に収納する。このとき、前記ペットボトルBは排気管12にその口部を通して連通する。
【0060】
次いで、図示しない排気手段により分岐排気管13および排気管12を通して前記排気管12および前記ペットボトルB内外のガスを排気する。媒質ガスをガス供給管19を通して内部電極20のガス流路21に供給し、この内部電極20の底部に取り付けたキャップ23のガス吹き出し孔22からペットボトルB内に吹き出させる。この媒質ガスは、さらにペットボトルBの口部に向かって流れていく。つづいて、ガス供給量とガス排気量のバランスをとり、前記ペットボトルB内を所定のガス圧力に設定する。
【0061】
次いで、バイアスを兼ねる高周波電源15から高周波電力をケーブル16、整合器18および給電端子17を通して前記外部電極6に供給する。このとき、前記内部電極20の周囲にプラズマが生成される。また、前記外部電極6は誘電体材料から作られたスペーサ9上に配置された導電部材24に電気的に接続されているため、この近傍の接地された排気管12を基準電位としてその外部電極6からバイアス電圧を内部電極20に向けて、つまり生成されたプラズマに向けて印加することができる。このようなプラズマの生成およびプラズマの前記外部電極6への引き込みによって、媒質ガスを前記プラズマで解離することにより得られた製膜種をバイアス電力が印加された前記有底円筒状の外部電極6内のペットボトルB内面に均一厚さで均質な炭素膜をコーティングすることができる。
【0062】
前記炭素膜の膜厚が所定の厚さに達した後、前記高周波電源15からの高周波電力の供給を停止し、媒質ガスの供給の停止、残留ガスの排気を行い、ガスの排気を停止した後、窒素、希ガス、又は空気等を前記ガス供給管12を通して内部電極20のガス流路21およびキャップ23のガス吹き出し孔22を通してペットボトルB内に供給し、このペットボトルB内外を大気圧に戻し、内面炭素膜被覆ペットボトルを取り出す。その後、前述した順序に従ってペットボトルを交換し、次のペットボトルのコーティング作業へ移る。
【0063】
前記媒質ガスとしては、前記第1実施形態で説明したものと同様なものを使用することができる。
【0064】
前記高周波電力は、一般的に13.56MHz、100〜1000Wのものが用いられるが、これに限るものではない。また、この高周波電力の印加は連続的でも間欠的(パルス的)でもよい。
【0065】
以上、第2実施形態によれば空洞部8を有する誘電体材料からなる円柱状スペーサ9を外部電極6の上部に挿入、固定すると共に、導電部材24を前記スペーサ9上に前記外部電極6と接続して配置し、ペットボトルBの少なくとも口部から肩部を前記スペーサ9の空洞部8内に収納させ、かつ前記ペットボトルBの肩部から底部側を前記外部電極6内に収納し、媒質ガスの前記ペットボトルB内への供給、高周波電力の外部電極6への供給により前記外部電極6(実質的に前記ペットボトルB内面)と接地された前記内部電極20との間にプラズマを生成することによって、前記ペットボトルBの肩部から底部側の内面のみならず、前記誘電体材料からなるスペーサ9と対向するペットボトルBの口部から肩部の内面に均一な厚さの炭素膜をコーティングすることができ、さらに前記ペットボトルBの口部から肩部を含む内面全体に均一厚さで均質な炭素膜をコーティングすることができる。その結果、外部からの酸素の透過、内部(例えば炭酸飲料水)からの二酸化炭素の透過を防止したバリア性の優れた内面炭素膜被覆ペットボトルを製造することができる。
【0066】
また、ペットボトルBの口部および肩部周囲を覆う部材の形状は複雑であるが、これら部材に対応するスペーサ9を例えば射出成形が可能なプラスチックのような誘電体材料により形成することによって、従来のようにこれら部材を含む全てを外部電極で構成する場合に比べて簡単に製造することができる。さらに、従来のようにこれら部材を含む全てを金属のような導電材料により外部電極で構成する場合に比べて装置全体を軽量化することができる。
【0067】
さらに、スペーサ9をプラスチックまたは軟質のセラミックのような誘電体材料により形成することによって、ペットボトルBの複雑な口部および肩部が接触した時にその箇所に傷が発生するのを防止することができる。
【0068】
さらに、前記外部電極6に接続された前記導電部材24をこの導電部材24近傍の接地された排気管12を基準電位として利用してバイアス電力を印加すると、それら導電部材24と排気管12の間、つまり排気管12内で不要なプラズマを生成し、炭素膜のコーティング効率が低下する。前記導電部材24近傍の前記排気管12内面部分を露出させ、それより上方の排気管12部分を絶縁膜(図示せず)で覆うことによって、前記不要なプラズマの生成を防止することが可能になる。
【0069】
なお、前述した第2実施形態では空洞部8を有する誘電体材料からなる円柱状スペーサ9を外部電極6の上部にペットボトルBの口部から肩部に対応するように挿入、固定したが、ペットボトルBの肩部からさらに底部に亘って誘電体材料からなる薄膜を延出するようにしてもよい。
【0070】
(実施例2)
前述した図3に示す炭素膜形成装置を用い、ペットボトルBの口部から肩部を上端に環状の導電部材24が取り付けられた誘電体材料からなるスペーサ16の空洞部15内に収納させ、かつ前記ボトルBの肩部から底部側を前記外部電極14の内に収納し、下記条件で前記ペットボトルB内面に炭素膜をコーティングした。なお、円柱状スペーサ9は外部電極6内にその外部電極6に収納される高さ約22cmのペットボトルBの口部および肩部に対応する部分(上部から11cmの位置)に挿入した。
【0071】
<コーティング条件>
・円柱状スペーサ9:ホトベール(住金セラミックス製)、
・環状の導電部材24:ステンレス製、
・キャップ23のガス吹き出し孔22:孔径1mm、1個、
・媒質:C22ガス、
・媒質のガス流量:26〜394sccm、
・ペットボトルBおよび排気管19内のガス圧力:0.08Torr、0.2Torr、0.5Torr、0.7Torr、1.0Torr、
・外部電極6に印加する高周波電力:13.56MHz、出力100W(一定)。
【0072】
(参照例1)
前述した図3に示す炭素膜形成装置において、ペットボトルBの口部から肩部を上端に環状の導電部材が取り付けられていない誘電体材料からなるスペーサ9の空洞部8内にその内面に接触させて収納させ、かつ前記ボトルBの肩部から底部側を前記外部電極6の内面に接触させて収納し、実施例2と同様な条件で前記ペットボトルB内面に炭素膜をコーティングした。
【0073】
実施例2および参照例1において、外部電極6に13.56MHz、出力100Wの高周波電力を印加し、ペットボトルBおよび排気管12内のガス圧力を0.08〜1Torrに変化させたときの内部電極20に対するバイアス電圧を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0074】
【表1】
Figure 0003643813
【0075】
前記表1から明らかなように実施例2では、外部電極6に13.56MHz、出力100Wの高周波電力を印加すると、圧力の変化により−87Vから−292Vのバイアス電圧を内部電極20に印加できるのに対し、参照例1では同じ高周波電力を印加して圧力を変化させても内部電極20に向けてバイアス電圧を殆ど印加できないことがわかる。これは、実施例2では誘電体材料からなるスペーサ9の上端に外部電極6から延出された導電部材24を取り付けることによって、この導電部材24と対向され、接地された排気管12を基準電位として利用できるためである。
【0076】
(実施例3)
前述した図3に示す炭素膜形成装置を用い、ペットボトルBの口部から肩部を上端に環状の導電部材24が取り付けられた誘電体材料からなるスペーサ9の空洞部8内に収納させ、かつ前記ボトルBの肩部から底部側を前記外部電極6の内に収納し、下記条件で前記ペットボトルB内面に炭素膜をコーティングした。なお、円柱状スペーサ9は外部電極6内にその外部電極6に収納される高さ約22cmのペットボトルBの口部および肩部に対応する部分(上部から11cmの位置)に挿入した。
【0077】
<コーティング条件>
・円柱状スペーサ9:ホトベール(住金セラミックス製)、
・環状の導電部材24:ステンレス製、
・キャップ23のガス吹き出し孔22:孔径1mm、1個、
・媒質:C22ガス、
・媒質のガス流量:80sccm、
・ペットボトルBおよび排気管12内のガス圧力:0.2Torr(一定)、・外部電極6に印加する高周波電力:13.56MHz、出力100W、200W、300W。
【0078】
(参照例2)
前述した図3に示す炭素膜形成装置において、ペットボトルBの口部から肩部を上端に環状の導電部材が取り付けられていない誘電体材料からなるスペーサ9の空洞部8内にその内面に接触させて収納させ、かつ前記ボトルBの肩部から底部側を前記外部電極6の内面に接触させて収納し、実施例3と同様な条件で前記ペットボトルB内面に炭素膜をコーティングした。
【0079】
実施例3および参照例2において、外部電極6に13.56MHz、出力を100〜300Wの高周波電力を印加し、ペットボトルBおよび排気管12内のガス圧力を0.2Torrと一定にしたときの内部電極20に対するバイアス電圧を測定した。その結果を下記表2に示す。
【0080】
【表2】
Figure 0003643813
【0081】
前記表2から明らかなように実施例3では、ガス圧力が一定で、外部電極6に13.56MHzの高周波電力をその出力を変化させて印加することにより−100Vから−600Vのバイアス電圧を内部電極20に印加できるのに対し、参照例2ではガス圧力が一定で出力の異なる高周波電力を印加しても内部電極20に向けてバイアス電圧を殆ど印加できないことがわかる。これは、実施例3では誘電体材料からなるスペーサ9の上端に外部電極6から延出された導電部材24を取り付けることによって、この導電部材24と対向され、接地された排気管12を基準電位として利用できるためである。
【0082】
このような実施例2,3によれば、前述したバイアス電圧によりペットボトルB内に生成されたプラズマを外部電極6に引き込むことができ、ペットボトルB内面に均一な厚さの炭素膜をコーティングすることができる。
【0083】
(第3実施形態)
図4は、第3実施形態に係るプラスチック容器内面への炭素膜形成装置を示す断面図、図5は図4の要部拡大断面図である。
【0084】
上下端にフランジ41a,41bを有する円筒状支持部材42は、円環状基台43上に載置されている。筒状の金属製の外部電極本体44は、前記支持部材42内に配置されている。円板状をなす金属製の外部電極底部材45は、前記外部電極44の底部に着脱可能に取り付けられている。前記外部電極本体44および前記外部電極底部材45により炭素被膜を形成するプラスチック容器(例えばペットボトル)Bを設置可能な大きさの空間をもつ有底円筒状の外部電極46が構成されている。なお、前記基台43と前記外部電極底部材45の間には円板状絶縁体47が配置されている。
【0085】
なお、前記外部電極底部材45、前記円板状絶縁体47および前記基台43は図示しないプッシャーにより前記外部電極本体44に対して一体的に上下動し、前記外部電極本体44の底部を開閉する。
【0086】
内部に挿入されるペットボトルBの口部および肩部に対応する円柱および円錐台を組み合わせた形状をなす空洞部48を有する誘電体材料からなる円柱状スペーサ49は、前記外部電極46における前記本体44の上部に挿入されている。このスペーサ49は、この上に載置される後述する環状絶縁部材から螺着されたねじ(図示せず)により固定されている。リング状でその周縁から下方に向って筒体を延出した形状の導電部材50は、前記スペーサ49の上端面にその筒体が前記外部電極46内に外部電極46上端と面一に設けられている。このように円柱状スペーサ49および導電部材50を前記外部電極46における前記本体44の上部に挿入固定することにより、前記外部電極46の底部側からペットボトルBを挿入すると、そのペットボトルB外周の口部および肩部が前記スペーサ56の空洞部55内に収納され、かつこれ以外のペットボトルB外周が前記外部電極46内に収納される。
【0087】
前記スペーサ49を構成する誘電体材料としては、第1実施形態で説明したのと同様なものを用いることができるができる。
【0088】
環状絶縁部材51は、前記外部電極46上面にその環状絶縁部材51上面が前記筒状支持部材42の上部フランジ41aと面一になるように載置されている。上下にフランジ52a,52bを有するガス排気管53は、前記支持部材42の上部フランジ41aおよび前記環状絶縁部材51の上面に載置されている。この排気管53は、接地されている。図示しないねじを前記排気管53の下部フランジ52bから前記支持部材42の上部フランジ41aに螺着することにより前記ガス排気管53が前記支持部材42に固定されている。また、図示しないねじを前記排気管53の下部フランジ53bから前記環状絶縁部51を貫通して外部電極46の本体44に螺着することにより前記排気管53が前記環状絶縁部材51および前記外部電極46に固定されると共に、前記環状絶縁部材51が前記外部電極46に対しても固定される。なお、前記排気管523前記環状絶縁部材51および前記外部電極46との固定は、前記排気管53と前記外部電極46とがねじにより電気的に導通しない取り付け構造になっている。分岐ガス排気管54は、前記ガス排気管53の側壁に連結され、その他端に図示しない真空ポンプのような排気設備が取り付けられている。
【0089】
例えば周波数13.56MHzの高周波電力を出力する高周波電源55は、ケーブル56および給電端子57を通して前記外部電極46の本体44に接続されている。整合器58は、前記高周波電源55と前記給電端子57の間の前記ケーブル56に介装されている。
【0090】
中心部に絶縁リング59を有し、接地された蓋体60は、前記排気管53の上部フランジ52aに取り付けられている。筐体61は、前記蓋体60上に取り付けられている。
【0091】
高高周波電力の端子を兼ねるガス供給管62は、前記筐体61内から前記蓋体60の絶縁リング59を貫通し、前記ガス排気管53を通して前記スペーサ49内に挿入されている。このガス供給管62の上端は、外部から前記筐体61を貫通して挿入されたガス導入管63の下端に絶縁継手64を通して連結されている。
【0092】
フランジ管65およびこのフランジ管65下端に連結されたアースシールド管66は、前記ガス排気管53および前記スペーサ49内に位置する前記ガス供給管62部分を覆うように配置されている。なお、前記アースシールド管65は前記スペーサ49内およびこのスペーサ49近傍の前記ガス排気管53内に位置されている。前記フランジ管65の上端は、前記蓋体60の裏面に連結されている。つまり、前記アースシールド管66は前記フランジ管65を通して接地された前記蓋体60に接続されている。
【0093】
内部電極67は、前記外部電極46およびスペーサ49内に挿入されたペットボトルB内にこのペットボトルBの長手方向のほぼ全長に渡って配置され、その上端が前記ペットボトルBの口部側に位置する前記ガス供給管62の下端に着脱自在に取り付けられている。前記内部電極67は、中心軸にガス流路68がくり抜かれていると共に、底部に媒質ガスを吹き出すためのガス吹き出し孔69を穿設したキャップ70が着脱自在に取り付けられている。
【0094】
なお、ガス吹き出し孔は前記内部電極67の下部側壁に前記ガス流路68と連通するように開口してもよい。この場合、ガス吹き出し孔は前記内部電極67の底部から前記ペットボトルB内に挿入された長さの25%までの範囲内の側面領域に開口することが好ましい。
【0095】
前記内部電極67の径は、ボトルBの口金径以下とし、長さはペットボトルBの長手方向のほぼ全長にわたって挿入可能な長さとする。長さの目安としては、ペットボトルBの全長に対する割合が{1−D/(2L)}程度となるようにする。ここでDはペットボトルの内径、Lはペットボトルの全長を表し、L>(D/2)である。
【0096】
前記内部電極67は、例えばタングステンやステンレス鋼のような耐熱性を有する金属材料により作られるが、アルミニウムで作ってもよい。また、内部電極67表面が平滑であると、その内部電極67の表面に堆積する炭素膜を剥離し易くなる虞がある。このため、内部電極67の表面を予めサンドブラスト処理し、表面粗さを大きくして表面に堆積する炭素膜を剥離し難くすることが好ましい。
【0097】
高高周波電源71は、ケーブル72および給電端子73を通して高高周波電力の端子を兼ねる前記ガス供給管62の側面に接続されている。整合器74は、前記高高周波電源71と前記給電端子73の間の前記ケーブル72に介装されている。
【0098】
絶縁膜75は、前記アースシールド管66に対向する前記排気管53の内面に形成されている。この絶縁膜75は、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂から作られている。
【0099】
次に、図4および図5に示す装置を用いて内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法を説明する。
【0100】
図示しないプッシャーにより外部電極底部材45、円板状絶縁体47および基台43を取り外して外部電極本体44の底部を開放する。つづいて、プラスチック容器、例えばペットボトルBを開放した外部電極本体44の底部側からそのボトルBの口部側から挿入した後、図示しないプッシャーにより外部電極本体44の底部側に外部電極底部材5、円板状絶縁体7および基台3をこの順序で取り付けることによって、図6に示すようにペットボトルBの口部から肩部が誘電体材料からなる円柱状スペーサ49の空洞部48内に、前記ボトルBの肩部から底部側が前記外部電極46内に収納される。このとき、前記ペットボトルBは排気管53にその口部を通して連通される。
【0101】
次いで、図示しない排気手段により分岐排気管54および排気管53を通して前記排気管53内および前記ペットボトルB内外のガスを排気する。つづいて、次いで、媒質ガスをガス導入管63およびガス供給管62を通して内部電極67のガス流路68に供給し、この内部電極67の底部に取り付けたキャップ70のガス吹き出し孔69からペットボトルB内に吹き出させる。この媒質ガスは、さらにペットボトルBの口部に向かって流れていく。つづいて、ガス供給量とガス排気量のバランスをとり、前記ペットボトルB内を所定のガス圧力に設定する。
【0102】
次いで、バイアス用電源55からバイアス電力をケーブル56、整合器59および給電端子57を通して前記外部電極46に供給する。その後、またはそれと同時に、高高周波電源71から高高周波電力をケーブル72、整合器74および給電端子73を通してガス供給管62に供給し、このガス供給管62を通して内部電極67に高高周波電力を供給する。このとき、前記内部電極67の周囲にプラズマが生成される。また、前記外部電極46は誘電体材料から作られたスペーサ49上に配置された導電部材50に電気的に接続されているため、この近傍の接地された排気管63を基準電位としてその外部電極46からバイアス電圧を内部電極87に向けて、つまり生成されたプラズマに向けて印加することができる。
【0103】
その結果、a)高高周波電力を用いると、特に低ガス圧力条件にて高周波電力に比べて高い電子密度が得られるため、媒質ガスとの衝突頻度が上がり製膜種密度を高くできる、b)バイアス電力を調整するとプラズマ電位との電位差を可変にできるので、ペットボトルB内面へ入射するイオンエネルギーを調整できる、c)イオン密度は電子密度に比例するので、前記の電位差の調整と併用することでペットボトルB内面に入射するイオンフラックスを制御できる。このようなプラズマの生成およびバイアス電圧の内部電極67への印加による前記外部電極46へのプラズマの引き込みによって、媒質ガスを前記プラズマで解離させた時に得られる製膜種をバイアス電力が印加された前記外部電極46内のペットボトルB内面に均一厚さで均質な炭素膜を高速度でコーティングすることができる。
【0104】
前記炭素膜の厚さが所定の膜厚に達した後、前記バイアス用電源55および高高周波電源71からのバイアス電力、高高周波電力の供給を停止し、媒質ガスの供給の停止、残留ガスの排気を行い、ガスの排気を停止した後、窒素、希ガス、又は空気等を前記ガス導入管63からガス供給管62を通して内部電極67のガス流路68およびキャップ70のガス吹き出し孔69を通してペットボトルB内に供給し、このペットボトルB内外を大気圧に戻し、内面炭素膜被覆ペットボトルを取り出す。その後、前述した順序に従ってペットボトルBを交換し、次のペットボトルのコーティング作業へ移る。
【0105】
前記媒質ガスとしては、第1実施形態で述べたのと同様なものを用いることができる。
【0106】
前記高高周波電力は、一般的に30〜300MHzと定義されているが、これに限るものではない。また、これら電力の印加は連続的でも間欠的(パルス的)でもよい。
【0107】
前記バイアス電力は、一般的に13.56MHz、100〜1000Wのものが用いられるが、これに限るものではない。また、このバイアス電力の印加は連続的でも間欠的(パルス的)でもよい。
【0108】
以上、第3実施形態によれば空洞部48を有する誘電体材料からなる円柱状スペーサ49を外部電極46の上部に挿入、固定すると共に、導電部材50を前記スペーサ49上に前記外部電極46と接続して配置し、ペットボトルBの少なくとも口部から肩部を前記スペーサ49の空洞部48内に収納させ、かつ前記ペットボトルBの肩部から底部側を前記外部電極46内に収納し、媒質ガスの前記ペットボトルB内への供給、バイアス電力の外部電極46への印加、高高周波電力の内部電極87への供給により前記内部電極87と前記外部電極46(実質的に前記ペットボトルB内面)との間にプラズマを生成することによって、前記ペットボトルBの肩部から底部側の内面のみならず、前記誘電体材料からなるスペーサ49と対向するペットボトルBの口部から肩部の内面に均一な厚さの炭素膜をコーティングすることができ、さらに前記ペットボトルBの口部から肩部を含む内面全体に均一厚さで均質な炭素膜をコーティングすることができる。特に、高高周波電力を内部電極87に供給することによって、前述した第2実施形態に比べて前記ペットボトルBの内面全体に前記炭素膜を高速度でコーティングすることができる。その結果、外部からの酸素の透過、内部(例えば炭酸飲料水)からの二酸化炭素の透過を防止したバリア性の優れた内面炭素膜被覆ペットボトルを量産的に製造することができる。
【0109】
また、ペットボトルBの口部および肩部周囲を覆う部材の形状は複雑であるが、これら部材に対応するスペーサ49を例えば射出成形が可能なプラスチックのような誘電体材料により形成することによって、従来のようにこれら部材を含む全てを外部電極で構成する場合に比べて簡単に製造することができる。さらに、従来のようにこれら部材を含む全てを金属のような導電材料により外部電極で構成する場合に比べて装置全体を軽量化することができる。
【0110】
さらに、スペーサ49をプラスチックまたは軟質のセラミックのような誘電体材料により形成することによって、ペットボトルBの複雑な口部および肩部が接触した時にその箇所に傷が発生するのを防止することができる。
【0111】
さらに、前記外部電極46に接続された前記導電部材50をこの導電部材50近傍の接地された排気管53を基準電位として利用してバイアス電力を印加すると、それら導電部材50と排気管53と間、つまり排気管53内で不要なプラズマを生成し、炭素膜のコーティング効率が低下する。前記導電部材50近傍の前記排気管60内面部分を露出させ、それより上方の排気管63部分を絶縁膜73で覆うことによって、前記不要なプラズマの生成を防止することが可能になる。
【0112】
さらに、高高周波電力が印加されるガス供給管62と接地された排気管53との間、つまり排気管60内でも同様に不要なプラズマを生成し、炭素膜のコーティング効率が低下する。前記ガス供給管62周囲に接地されたアースシールド管66を配置することによって、前記不要なプラズマの生成を防止することができる。
【0113】
なお、前述した第3実施形態では空洞部48を有する誘電体材料からなる円柱状スペーサ49を外部電極46の上部にペットボトルBの口部から肩部に対応するように挿入、固定したが、ペットボトルBの肩部からさらに底部に亘って誘電体材料からなる薄膜を延出するようにしてもよい。
【0114】
(実施例4)
前述した図4および図5に示す炭素膜形成装置を用い、ペットボトルBの口部から肩部を上端に環状の導電部材50が取り付けられた誘電体材料からなるスペーサ49の空洞部48内に収納し、かつ前記ボトルBの肩部から底部側を前記外部電極46の内に収納し、下記条件で前記ペットボトルB内面に炭素膜をコーティングした。なお、円柱状スペーサ49は外部電極46内にその外部電極46に収納される高さ約22cmのペットボトルBの口部および肩部に対応する部分(上部から11cmの位置)に挿入した。
【0115】
<コーティング条件>
・円柱状スペーサ49:ホトベール(住金セラミックス製)、
・環状の導電部材50:ステンレス製、
・キャップ70のガス吹き出し孔69:孔径1mm、1個、
・媒質:C22ガス、
・媒質のガス流量:40〜80sccm、
・ペットボトルBおよび排気管53内のガス圧力:0.08Torr、0.2Torr、
・内部電極67に供給する高高周波電力:100MHz、250W、
・外部電極46に印加する高周波電力:13.56MHz、出力250W。
【0116】
実施例4において、外部電極46に13.56MHz、出力250Wの高周波電力を印加し、ペットボトルBおよび排気管53内のガス圧力を0.2Torrとしたときの内部電極67に対するバイアス電圧を測定した。その結果を下記表3に示す。
【0117】
【表3】
Figure 0003643813
【0118】
前記表3から明らかなように、実施例4では圧力0.2Torrで、約−450Vのバイアス電圧を印加でき、前述した実施例3(前記表2)のように250Wの高周波電力を供給した時のほぼ同じバイアス電圧を印加できることがわかる。
【0119】
このような実施例4によれば、内部電極67に高高周波電力を供給して高密度のプラズマを前記ペットボトルB内に生成できると共に、前述したバイアス電圧により前記プラズマを外部電極46に引き込むことができ、ペットボトルB内面に均一な厚さの炭素膜を高速度でコーティングすることができる。
【0120】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、均一な膜厚を有する炭素膜をプラスチック容器内面全体にコーティングすることが可能なプラスチック容器の内面への炭素膜形成装置を提供することができる。
【0121】
本発明によれば、均一な膜厚を有する炭素膜が内面にコーティングされ、酸素および二酸化炭素に対するバリア性が優れたプラスチック容器の製造方法を提供することができる。
【0122】
本発明によれば、バイアス電圧によりプラスチック容器内に生成されたプラズマをその容器内面に向けて引き込むことができ、良好な膜質で、かつ均一な膜厚を有する炭素膜をプラスチック容器内面全体にコーティングすることが可能なプラスチック容器の内面への炭素膜形成装置を提供することができる。
【0123】
本発明によれば、良好な膜質で、かつ均一な膜厚を有する炭素膜が内面にコーティングされ、酸素および二酸化炭素に対するバリア性が一層より優れたプラスチック容器の製造方法を提供することができる。
【0124】
本発明によれば、内部電極に高高周波電力を供給して高密度のプラズマをプラスチック容器内に生成できると共に、バイアス電圧により前記プラズマを前記容器内面に向けて引き込むことができ、良好な膜質で、かつ均一な膜厚を有する炭素膜をプラスチック容器内面全体に高速度でコーティングすることが可能なプラスチック容器の内面への炭素膜形成装置を提供することができる。
【0125】
本発明によれば、良好な膜質で、かつ均一な膜厚を有する炭素膜が内面に高速度でコーティングされ、酸素および二酸化炭素に対するバリア性がより一層優れたプラスチック容器を量産的に製造し得る方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプラスチック容器の内面への炭素膜形成装置を示す概略斜視図。
【図2】本発明の実施例1および比較例1におけるペットボトルの口部から底部までの炭素膜の厚さを示す特性図。
【図3】本発明の第2実施形態に係るプラスチック容器の内面への炭素膜形成装置を示す概略斜視図。
【図4】本発明の第3実施形態に係るプラスチック容器の内面への炭素膜形成装置を示す概略斜視図。
【図5】図4の炭素膜形成装置の要部拡大断面図。
【図6】従来のプラスチック容器の内面への炭素膜形成装置を示す断面図。
【符号の説明】
2、42…支持部材、
4、44…外部電極本体、
5、45…外部電極底部材、
6、46…外部電極、
8,49…円柱状スペーサ、
12、53…排気管、
15…高周波電源、
19、62…ガス供給管、
20、67…内部電極、
22、69…ガス吹き出し孔、
24,50…導電部材、
55…バイアス用電源、
66…アースシールド管、
71…高高周波電源、
B…ペットボトル。

Claims (10)

  1. 被処理物であるプラスチック容器が挿入された時にその容器の口部および肩部を除く外周を取り囲む大きさを有する有底円筒状の外部電極と、
    被処理物であるプラスチック容器が挿入された時に少なくともその容器の口部および肩部と前記外部電極の間に介在された誘電体材料からなるスペーサと、
    前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管と、
    前記外部電極内の前記プラスチック容器内に前記排気管側から前記容器の長手のほぼ全長にわたって挿入され、接地側に接続されると共に、媒質ガスを吹き出すためのガス吹き出し孔が穿設された内部電極と、
    前記排気管に取り付けられた排気手段と、
    前記内部電極に媒質ガスを供給するためのガス供給手段と、
    前記外部電極に接続された高周波電源と、
    を具備したことを特徴とするプラスチック容器内面への炭素膜形成装置。
  2. 請求項1記載の炭素膜形成装置を用いて内面炭素膜被覆プラスチック容器を製造するにあたり、
    (a)被処理物であるプラスチック容器を、有底円筒状外部電極内および誘電体材料からなるスペーサ内に少なくともその容器の口部および肩部の外周が前記スペーサ内に囲まれ、これ以外の前記容器部分の外周が前記外部電極内に囲まれるように挿入する工程と、
    (b)底部もしくは側面領域またはその両方に媒質ガスを吹き出すための貫通孔が穿設された内部電極を、前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管から前記プラスチック容器の内部にその容器の長手のほぼ全長に亘って挿入する工程と、
    (c)前記容器内のガスを排気管手段により前記排気管を通して排気すると共に、前記内部電極に媒質ガスをガス供給手段により供給し、この内部電極のガス吹き出し孔から前記プラスチック容器内に媒質ガスを吹き出して前記プラスチック容器内を含む排気管内を所定のガス圧力に設定する工程と、
    (d)高周波電源から高周波電力を前記外部電極に供給し、前記プラスチック容器内に位置する内部電極の周囲にプラズマを生成させ、このプラズマにより前記媒質ガスを解離させて前記プラスチック容器内面に炭素膜をコーティングする工程と
    を含むことを特徴とする内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法。
  3. 被処理物であるプラスチック容器が挿入された時にその容器の口部および肩部を除く外周を取り囲む大きさを有する有底円筒状の外部電極と、
    被処理物であるプラスチック容器が挿入された時に少なくともその容器の口部および肩部と前記外部電極の間に介在された誘電体材料からなるスペーサと、
    前記容器の口部が位置する側の前記スペーサの端面に前記外部電極と接続するように取り付けられた導電部材と、
    前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管と、
    前記外部電極内の前記プラスチック容器内に前記排気管側から前記容器の長手のほぼ全長にわたって挿入され、接地側に接続されると共に、媒質ガスを吹き出すためのガス吹き出し孔が穿設された内部電極と、
    前記排気管に取り付けられた排気手段と、
    前記内部電極に媒質ガスを供給するためのガス供給手段と、
    前記外部電極に接続されたバイアスを兼ねる高周波電源と、
    を具備したことを特徴とするプラスチック容器内面への炭素膜形成装置。
  4. 請求項3記載の炭素膜形成装置を用いて内面炭素膜被覆プラスチック容器を製造するにあたり、
    (a)被処理物であるプラスチック容器を、有底円筒状外部電極内および導電部材がこの外部電極と接続するように取り付けられた誘電体材料からなるスペーサ内に少なくともその容器の口部および肩部の外周が前記スペーサ内に囲まれ、これ以外の前記容器部分の外周が前記外部電極内に囲まれるように挿入する工程と、
    (b)底部もしくは側面領域またはその両方に媒質ガスを吹き出すための貫通孔が穿設された内部電極を、前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管から前記プラスチック容器の内部にその容器の長手のほぼ全長に亘って挿入する工程と、
    (c)前記容器内のガスを排気管手段により前記排気管を通して排気すると共に、前記内部電極に媒質ガスをガス供給手段により供給し、この内部電極のガス吹き出し孔から前記プラスチック容器内に媒質ガスを吹き出して前記プラスチック容器内を含む排気管内を所定のガス圧力に設定する工程と、
    (d)バイアスを兼ねる高周波電源から高周波電力を前記外部電極に供給し、前記プラスチック容器内に位置する内部電極の周囲にプラズマを生成させ、このプラズマにより前記媒質ガスを解離させて前記プラスチック容器内面に炭素膜をコーティングする工程と
    を含むことを特徴とする内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法。
  5. 被処理物であるプラスチック容器が挿入された時にその容器の口部および肩部を除く外周を取り囲む大きさを有する有底円筒状の外部電極と、
    被処理物であるプラスチック容器が挿入された時に少なくともその容器の口部および肩部と前記外部電極の間に介在された誘電体材料からなるスペーサと、
    前記容器の口部が位置する側の前記スペーサの端面に前記外部電極と接続するように取り付けられた導電部材と、
    前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管と、
    前記外部電極内の前記プラスチック容器内に前記排気管側から前記容器の長手のほぼ全長にわたって挿入され、媒質ガスを吹き出すためのガス吹き出し孔が穿設された内部電極と、
    前記排気管に取り付けられた排気手段と、
    前記内部電極に媒質ガスを供給するためのガス供給手段と、
    前記内部電極に接続された高高周波電源と、
    前記外部電極に接続されたバイアス用電源と、
    を具備したことを特徴とするプラスチック容器内面への炭素膜形成装置。
  6. 前記外部電極と所望の距離隔てた前記排気管内面は、絶縁膜が被覆されていることを特徴とする請求項5記載のプラスチック容器内面への炭素膜形成装置。
  7. 前記内部電極は、中心軸にガス流路がくり抜かれると共に底部もしくは側面領域またはその両方に媒質ガスを吹き出すためのガス吹き出し孔が穿設された棒状形状をなし、前記ガス供給手段は前記排気管側から前記容器の口部付近まで延出したガス供給管を有し、前記内部電極は前記容器の口部側に位置する前記ガス供給管の端部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項5または6記載のプラスチック容器内面への炭素膜形成装置。
  8. さらに、アースシールドは前記容器の口部から前記排気管の一部に亘る前記ガス供給管の外周に配置されていることを特徴とする請求項5記載のプラスチック容器内面への炭素膜形成装置。
  9. 前記外部電極は、挿入される前記容器の底部側でその軸方向に分割可能であることを特徴とする請求項5ないし8いずれか記載のプラスチック容器内面への炭素膜形成装置。
  10. 請求項5記載の炭素膜形成装置を用いて内面炭素膜被覆プラスチック容器を製造するにあたり、
    (a)被処理物であるプラスチック容器を、有底円筒状外部電極内および導電部材がこの外部電極と接続するように取り付けられた誘電体材料からなるスペーサ内に少なくともその容器の口部および肩部の外周が前記スペーサ内に囲まれ、これ以外の前記容器部分の外周が前記外部電極内に囲まれるように挿入する工程と、
    (b)底部もしくは側面領域またはその両方に媒質ガスを吹き出すための吹き出し孔が穿設された内部電極を、前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管から前記プラスチック容器の内部にその容器の長手のほぼ全長に亘って挿入する工程と、
    (c)前記容器内のガスを排気管手段により前記排気管を通して排気すると共に、前記内部電極に媒質ガスをガス供給手段により供給し、この内部電極のガス吹き出し孔から前記プラスチック容器内に媒質ガスを吹き出して前記プラスチック容器内を含む排気管内を所定のガス圧力に設定する工程と、
    (d)バイアス用電源から高周波電力を前記外部電極に印加すると共に、高高周波電源から高高周波電力を前記内部電極に供給し、前記プラスチック容器内に位置する内部電極の周囲にプラズマを生成させ、このプラズマにより前記媒質ガスを解離させて前記プラスチック容器内面に炭素膜をコーティングする工程と
    を含むことを特徴とする内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法。
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