JP6850195B2 - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、原燃料を改質した改質燃料ガス及び酸化材ガスの酸化及び還元によって発電を行うセルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池システムに関する。
従来より、酸化物イオンを伝導する膜として固体電解質を用いた固体酸化物形燃料電池セルを収納容器内に収納してなる固体酸化物形燃料電池システムが知られている。この固体酸化物形燃料電池セルでは、一般的に、固体電解質としてイットリアをドープしたジルコニアが用いられており、この固体電解質の片面側には燃料ガスを酸化するための燃料極が設けられ、その他面側には空気(酸化材)中の酸素を還元するための酸素極が設けられている。固体酸化物形燃料電池セルの作動温度は約700〜1000℃と比較的高く、このような高温下において、燃料ガス中の水素や一酸化炭素、炭化水素と空気中の酸素とが電気化学反応を起こすことによって発電が行われる。
このような固体酸化物形燃料電池システムは、セルスタックによる発電及びこの発電時に発生する熱を利用した熱電併給システムとして提供される。家庭用の小型燃料電池システムとしては、代表的なものとして固体酸化物形燃料電池システム(所謂、SOFC型)、固体高分子形燃料電池システム(所謂、PEFC型)などがある。
この固体高分子形燃料電池システム(PEFC型)では、家庭の温水需要に対して、燃料電池システムからの回収熱(換言すると、貯湯タンクに蓄えられる温水)のバランスを監視して、燃料電池システムの運転を停止させたり、その発電出力を絞ったりする運転制御が行われる。
また、固体酸化物形燃料電池システム(SOFC型)では、システムの発電効率が高く、熱と発電出力との比が小さいことから、熱需要の多寡にかかわらず電気需要に追従するように運転制御が行われる。そして、このような運転制御は、セルスタックの発電温度(所謂、作動温度)が高いために、頻繁な起動停止に向いていないことにも起因している。従って、この固体酸化物形燃料電池システムでは、基本的に昼夜連続運転が行われ、熱利用に関しては、貯湯タンクが活用され、貯湯タンクに貯湯された温水を熱需要に対応させることにより、高い運転効率を保っている。
この家庭用の小型燃料電池システムの普及を促進するためには、機器コストの低減、設置性の向上、機器性能の向上、システムの利用・運用方法の改良によるユーザメリットの向上などが必要とされている。現状の固体酸化物形燃料電池システムにおいては、700W程度の発電出力規模でも高い発電効率を得ることができ、現在(2016年)市販されている家庭用の固体酸化物形燃料電池システムでは、定格発電効率が52%程度となっている。発電効率が高いと、熱需要の少ない住宅に設置しても経済的メリットが得られるので、設置可能な住宅の割合が増え、このような観点からも貯湯タンクの小型化などによるシステム全体の小型化と設置性向上が望まれている。
このような固体酸化物形燃料電池システムとして、原燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材ガスの酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、前記セルスタックに酸化材ガス(例えば、空気)を送給する酸化材ガス供給手段と、前記改質器に原燃料ガスを供給するための燃料ガスポンプとを備え、セルスタック及び改質器が高温状態に保たれる高温空間に収容されているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタックの上側に燃焼域が設けられ、この燃焼域の上方に改質器が配設されている。そして、改質器からの改質燃料ガスがセルスタックの燃料極側に送給され、酸化材ガス供給手段からの酸化材ガスがセルスタックの酸素極側に送給され、このセルスタックにおける電気化学反応により発電が行われる。セルスタックの燃料極側からのアノードオフガス(所謂、反応燃料ガス)及び酸素極側からのカソードオフガス(所謂、反応酸化材ガス)は燃焼域に送給されて燃焼され、この燃焼熱を利用して高温空間が高温状態に保たれるとともに、改質器などが加熱される。
固体酸化物形燃料電池システムとして、セルスタックの上側に燃焼域を設けることに代えて、専用の燃焼器を備えたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタックの燃料極側からのアノードオフガス(所謂、反応燃料ガス)がアノードオフガス送給流路を通して燃焼器に送給され、またセルスタックの酸素極側からのカソードオフガス(所謂、反応酸化材ガス)がカソードオフガス送給流路を通して燃焼器に送給され、この燃焼器においてアノードオフガスがカソードオフガスにより燃焼され、この燃焼熱を利用して高温空間が高温状態に保たれるとともに、改質器などが加熱される。
このような固体酸化物形燃料電池システムでは、改質器にて用いる水蒸気改質触媒の劣化、またセルスタック自体の劣化などを防ぐために、原燃料ガス中に含まれる腐臭剤(硫黄成分を含んでいる)や不純物として含まれる硫黄化合物を低濃度まで低減する技術が採用されている。この技術の代表的なものとして、Ni−Mo系又はCo−Mo系の触媒の存在下にておいて350〜400℃にて原燃料ガスの有機硫黄を水素を添加して分解(水添分解)し、生成されるHSを350〜400℃にしてZnOに吸着させて除去することが知られている。
また、原燃料ガス中の硫黄濃度をppbレベル以下に低減するために、Cu、Znを含む吸着剤を用いることが知られており(例えば、特許文献3参照)、更にこのような吸着剤は、水素を加えることにより大幅に長寿命化することが知られている(例えば、特許文献4参照)。
このように脱硫器に流れる原燃料ガスに0.5%以上の水素を加えることが有効であると考えられており、水素を加える技術として、次のものが知られている。固体酸化物燃料電池システムの燃料ガス供給系は、原燃料ガスを供給する燃料ガスポンプと、原燃料ガス中の硫黄成分を除去するための脱硫器と、改質用水を気化するための気化器と、原燃料ガスを水蒸気を用いて水蒸気改質する改質器とを備え、水蒸気改質された改質燃料ガスがセルスタックの燃料極側に送給されるように構成されており、このような燃料ガス供給系において、例えば、次のように構成されている。即ち、改質器からセルスタックに送給される改質燃料ガスの一部を抜き出し、この抜き出した改質燃料ガスを燃料ガスポンプの上流側(燃料ガスポンプのポンプ動作でもって減圧状態となる部位)に戻し、この戻した改質燃料ガスを燃料ガスポンプにより供給される原燃料ガスに混合させている。この水素の添加方法では、セルスタックの発電に必要な原燃料ガスの供給流量に改質燃料ガスの一部を戻して混合し、かく混合した状態でもって脱硫器に送給している。
特開2005−285340号公報 特開2008−21596号公報 特開平1−123420号公報 特開2003−17109号公報
この固体酸化物形燃料電池システムは、発電効率の高さにおいて他の種類の燃料電池システムよりも優れており、このようなことから継続的に発電効率を向上させることが求められており、この発電効率を高めるためには、発電電圧と燃料利用率との積を高る必要がある。
ところが、燃料利用率を高め過ぎた場合、セルスタックを構成する複数の燃料電池セルの一部に燃料不足が生じやすくなり、複数の燃料電池セルのうちの一つでも燃料不足が発生すると、セルスタックの一部が大きく劣化するおそれがある。このような燃料不足は、燃料ガスの供給流量の制御誤差によっても生じるおそれがある。このような状況においてセルスタックの発電効率を向上させるためには、燃料利用率面で従来よりも有利となる改良を積み重ねていくことが強く望まれている。
本発明の目的は、燃料利用率の向上(換言すると、発電効率の向上)に有利となるように、脱硫器に送給される原燃料ガスに水素を添加することができる固体酸化物形燃料電池システムを提供することである。
本発明の固体酸化物形燃料電池システムは、原燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、水蒸気改質に用いる水蒸気を発生させるための気化器と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材ガスの酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、前記酸化材ガスを前記セルスタックに供給するための酸化材ガス供給手段と、前記原燃料ガスを前記改質器に供給するための燃料ガスポンプと、前記改質器に供給される前記原燃料ガスに含まれる硫黄成分を除去するための脱硫器と、前記改質器に関連して設けられた燃焼器とを備え、前記改質器からの前記改質燃料ガスが前記セルスタックの燃料極側に送給され、前記酸化材ガス供給手段からの前記酸化材ガスが前記セルスタックの酸素極側に送給され、前記セルスタックの前記燃料極側からのアノードオフガス及び前記酸素極側からのカソードオフガスが前記燃焼器に送給されて燃焼される固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記セルスタックからの前記アノードオフガスを前記燃焼器に送給するためのアノードオフガス送給流路には、前記アノードオフガスを冷却するための排熱用熱交換器、凝縮水を分離するための気液分離器及び前記アノードオフガスを熱交換するためのアノードオフガス用熱交換器が設けられ、また前記アノードオフガスの一部を戻すためのアノードオフガス戻し流路が設けられており、前記セルスタックからの前記アノードオフガスは、前記アノードオフガス送給流路を通して前記排熱用熱交換器に送給されて冷却され、この冷却により凝縮した凝縮水が前記気液分離器により取り除かれた後に、アノードオフガス供給流路を通して前記燃焼器に供給され、また前記燃焼器に流れる前記アノードオフガスは、前記アノードオフガス用熱交換器にて前記セルスタックの前記燃料極側から流れる前記アノードオフガスとの間で熱交換されて加熱され、更に前記凝縮水が除去された後の前記アノードオフガスの一部が前記アノードオフガス戻し流路を通して前記原燃料ガスの流れ方向に見て前記燃料ガスポンプの配設部位の上流側近傍に戻されることを特徴とする。
本発明の固体酸化物形燃料電池システムによれば、改質器からの改質燃料ガスがセルスタックの燃料極側に送給され、酸化材ガス供給手段からの酸化材ガスがセルスタックの酸素極側に送給され、セルスタックの燃料極側からのアノードオフガス及び酸素極側からのカソードオフガスが燃焼器に送給されて燃焼される。そして、セルスタックの燃料極側からのアノードオフガスの一部がアノードオフガス戻し流路を通して燃料ガスポンプの上流側に戻されるので、このアノードオフガスの一部が原燃料ガスに混合されて脱硫器に送給され、アノードオフガスに含まれる水素を脱硫器に加えることができる。アノードオフガスはセルスタックを通過した反応燃料ガスであり、このアノードオフガスを脱硫器に戻すということは、この脱硫器に戻る水素の寄与によって、スタックの実質の燃料利用率が、制御している値よりも少し下がることになる。従って、燃料利用率を高めるように運転制御をした場合、セルスタックの一部の燃料電池セルにおいて燃料不足のリスクが高まるが、アノードオフガスをこのように戻すことにより、実質の燃料利用率が少し下がり、これにより、一部の燃料電池セルにおける燃料不足の発生が抑えられ、セルスタックの発電動作の信頼性の向上を図ることができる。 また、セルスタックの燃料極側からアノードオフガス送給流路を流れるアノードオフガスを排熱用熱交換器にて熱交換を行って排熱回収しているので、燃焼器にて燃焼した後の燃焼排気ガスを熱交換して排熱回収する場合に比して、次の通りの効果が生じる。即ち、アノードオフガスの組成には窒素が含まれておらず、燃料ガスの水蒸気改質の際に加えた水蒸気及びセルスタックでの燃料電池反応により生じた水蒸気でもって、このアノードオフガスの水蒸気分圧が高くなり、その結果、アノードオフガスを冷却して排熱回収する際に、このアノードオフガスの持つ潜熱を高い温度でもって回収することができる。
この種の固体酸化物形燃料電池システムでは、排熱用熱交換器での排熱回収時に得られる凝縮水を改質用水として利用しており、このような場合、排熱用熱交換器での熱交換により生じた凝縮水でもって改質用水をまかなう必要があるが、燃焼器での燃焼後の燃焼排気ガスを利用して熱交換したときには約44℃程度まで冷却する必要があるが、燃焼器での燃焼前のアノードオフガスを利用して熱交換したときには約75℃程度と約30℃前後高い温度でもって同量程度の凝縮水を得ることができる。
このことは、システムの実際の稼働運転において、次のことを意味する。燃焼器での燃焼後の燃焼排気ガスを利用して熱交換を行うときには、約44℃程度まで燃焼排気ガスを冷却する必要があるが、酷暑期の日中では外気温が高く、また日射の影響もありラジエタでもって冷却水(排熱用熱交換器にて燃焼排気ガスとの間で熱交換される水)の温度を充分に下げることが難しくなる。このような問題を解決しようとすると、ラジエタを大型化し、その冷却能力のアップを図る必要があるが、このようにした場合にシステム自体が大型化するとともに、その設置面積も大きくなり、充分に対応することが難しくなる。
これに対して、セルスタックからのアノードオフガス(即ち、燃焼器での燃焼前のアノードオフガス)を利用して熱交換を行うときには、約75℃程度と約30℃前後高い温度でもって同量程度の凝縮水を得ることができ、このような高い温度では、酷暑期の日中の外気温の影響をほとんど受けることがなく、冷却水を冷却するにしても小型のラジエタでもって対応することができ、上述した問題を解消することができる。
また、この固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタックからアノードオフガス送給流路を流れるアノードオフガスは、排熱用熱交換器に送給されて冷却され、この冷却により凝縮した凝縮水が気液分離器により取り除かれた後に、アノードオフガス供給流路を通して燃焼器に供給されるとともに、このアノードオフガス供給流路を流れるアノードオフガスの一部がアノードオフガス戻し流路を通して燃料ガスポンプの上流側に戻されるので、上流側に戻されるアノードオフガスを冷却するための専用構造、また冷却により生じる凝縮水を分離するための専用の気液分離器を省略することができ、これにより、アノードオフガス戻し流路に関連する構成の簡素化、製作コストの低減を図ることができる。
更に、アノードオフガス用熱交換器において、セルスタックの燃料極側からアノードオフガス送給流路を流れるアノードオフガス(排熱用熱交換器を流れる前のアノードオフガス)とアノードオフガス供給流路を流れるアノードオフガス(排熱用熱交換器にて熱交換された後のアノードオフガス)との間で熱交換が行われるので、この熱交換によりアノードオフガスを昇温させて燃焼器に送給することができ、また排熱用熱交換器と気液分離器において水分が除去されているので、このアノードオフガス用熱交換器における温度上昇が容易となる。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、燃料ガスポンプの上流側(具体的には、アノードオフガス戻し流路の流出部位より上流側)に圧力調整器を設けるのが好ましく、このように圧力調整器を設けることにより、アノードオフガスの戻し動作を安定させることができる。また、アノードオフガス戻し流路の圧力損失を調整することにより、アノードオフガスの戻し流量を設計、調整することができる。
本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第1の実施形態を簡略的に示す全体図。 本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第2の実施形態を簡略的に示す全体図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの各種実施形態について説明する。
〈第1の実施形態〉
まず、図1を参照して、第1の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムについて説明する。図1において、図示の固体酸化物形燃料電池システムは、原燃料ガス(例えば、天然ガスベースの都市ガスなど)を改質するための改質器2と、改質器2にて改質された改質燃料ガス及び酸化材ガスとしての空気の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形のセルスタック4と、空気をセルスタック4に送給するための酸化材ガス供給手段6と、原燃料ガスを改質器2に向けて供給する燃料ガス供給手段8とを備えている。
セルスタック4は、電気化学反応によって発電を行うための複数の固体酸化物形の燃料電池セル(図示せず)を配列して構成されている。燃料電池セルは、酸素イオンを伝導する固体電解質(図示せず)と、固体電解質の片面側に配設された燃料極(図示せず)と、この固体電解質の他面側に設けられた酸素極(図示せず)と、を備えており、固体電解質として例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。
セルスタック4の燃料極の導入側10は、改質燃料ガス送給流路12を介して改質器2に接続され、この改質器2は、燃料ガス・水蒸気送給流路14を介して気化器16に接続され、この気化器16は、燃料ガス供給流路18を介して原燃料ガス供給源(例えば、埋設管、燃料ガスタンクなど)(図示せず)に接続されている。この燃料ガス供給流路18には、原燃料ガスを供給するための燃料ガスポンプ20及び原燃料ガス中の硫黄成分を除去するための脱硫器22が配設され、この脱硫器22は、原燃料ガスの流れ方向に見て燃料ガスポンプ20の下流側に配設されている。この燃料ガスポンプ20は、原燃料ガス供給源(図示せず)からの原燃料ガスを改質器2に供給するための燃料ガス供給手段10を構成する。尚、この燃料ガス供給流路18(具体的には、燃料ガスポンプ20の配設部位よりも上流側)には、燃料ガス流量センサ24が配設され、この燃料ガス流量センサ24は、燃料ガス供給流路18を通して供給される原燃料ガスの流量を計測する。
また、セルスタック4の酸素極の導入側26は、空気送給流路28(酸化材ガス送給流路)を介して酸化材ガスとしての空気を予熱するための空気予熱器30(酸化材ガス予熱器)に接続され、この空気予熱器30は、空気供給流路32(酸化材ガス供給流路)を介して送風ブロア34に接続されている。送風ブロア34は、酸化材ガスとしての空気をセルスタック4の酸素極側に供給するための酸化材ガス供給手段6を構成する。
セルスタック4の燃料極の導出側36にはアノードオフガス送給流路38が接続され、このアノードオフガス送給流路38が燃焼器40に接続され、この燃焼器40が燃焼ガス送給流路42を介して加熱器44に接続されている。また、セルスタック4の酸素極の導出側46にはカソードオフガス送給流路48が接続され、このカソードオフガス送給流路48が燃焼器40に接続されている。この燃焼器40には、セルスタック4からのアノードオフガス(反応燃料ガス)及びカソードオフガス(反応酸化材ガス)が送給されて燃焼される。燃焼器40は、改質器2に隣接乃至接触して設けられ、また加熱器44は、気化器16に隣接乃至接触して設けられている。
加熱器44は、燃焼排気ガス送給流路50を介して空気予熱器30に接続され、この空気予熱器30は、燃焼排気ガス送出流路52を介して後述する排熱用熱交換器54に接続され、この排熱用熱交換器54は、燃焼排気ガス排出流路56を通して大気に開放され、燃焼排気ガスは燃焼排気ガス排出流路56を通して大気に排出される。空気予熱器30では、セルスタック4の酸素極側に送給される空気(酸化材ガス)と排熱用熱交換器54に送給される燃焼排気ガスとの間で熱交換が行われる。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、図1に一点鎖線で示すように、セルスタック4、改質器2、気化器16、燃焼器40、加熱器44及び空気予熱器30の大部分が、高温ハウジング60内に収容され、この高温ハウジング60は、断熱材により断熱されて高温状態を保持する高温空間を規定する。尚、脱硫器22には、例えばCu−Znを含む脱硫剤が用いられており、このような脱硫器22は、高温ハウジング60の高温空間に隣接いて設置され、その脱硫剤は、例えば200〜300℃の温度範囲に維持される。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタック4の排熱を温水として回収するための排熱回収装置62が設けられている。図示の排熱回収装置62は、上述の排熱用熱交換器54に加えて、排熱を温水として貯湯するための貯湯タンク64と、貯湯タンク64を通して冷媒としての水を循環させる循環流路66とを含み、この循環流路66に循環ポンプ68及びラジエタ70が配設されている。循環ポンプ68は、貯湯タンク64内の水を循環流路66及び排熱用熱交換器54を通して循環し、ラジエタ70は、循環流路66を流れる水(温水)の温度が高いときに作動して冷却する。排熱用熱交換器54では、空気予熱器30からの燃焼排気ガスと循環流路66を流れる水との間で熱交換が行われる。
この貯湯タンク64の底部には、水補給流路72が接続され、この水補給流路72を通して貯湯タンク64内への水の補給が行われる。また、貯湯タンク64の上部には、温水流出流路74が接続され、貯湯タンク64内の温水は、この温水流出流路74と通して出湯される。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、燃焼排気ガスに含まれる水蒸気を凝縮回収して改質用水に利用するように構成されている。更に説明すると、排熱用熱交換器54に関連して、気液分離器76、不純物除去手段78及び凝縮水回収タンク80が設けられている。気液分離器76は、排熱用熱交換器54から流れる燃焼排気ガスと熱交換により発生した凝縮水とを分離し、分離された燃焼排気ガスが大気に排出され、分離された凝縮水は、凝縮水回収流路82を通して不純物除去手段78に送給される。不純物除去手段78は、イオン交換により不純物を除去するイオン交換樹脂を備え、このイオン交換樹脂により凝縮水中の不純物が除去される。不純物が除去された凝縮水は、凝縮水送給流路84を通して凝縮水回収タンク80に回収される。
この凝縮水回収タンク80に回収された凝縮水は、気化器16に送給されるように構成されている。この凝縮水回収タンク80は、凝縮水送給流路86を介して気化器6に接続され、この凝縮水送給流路86に水ポンプ88が配設されている。
この固体酸化物形燃料電池システムの稼動運転は、次のようにして行われる。原燃料ガス供給源(図示せず)からの原燃料ガスは、脱硫器22に送給され、この脱硫器22にて硫黄成分が除去された後に気化器16に送給される。また、凝縮水回収タンク80からの凝縮水が改質用水として気化器16に送給される。
気化器14では、改質用水(凝縮水)が気化して水蒸気となるとともに、原燃料ガスが加熱され、加熱された原燃料ガス及び水蒸気が改質器2に送給される。尚、この気化器24は、加熱器44を流れる燃焼排気ガスによって加熱され、この熱を利用して改質用水の気化などが行われる。
改質器2では、水蒸気を用いて原燃料ガスの水蒸気改質が行われ、水蒸気改質された後の改質燃料ガスがセルスタック4の燃料極側に送給される。尚、この改質器2は、燃焼器40にて燃焼される燃焼ガスによって加熱され、この熱を利用して水蒸気改質などが行われる。尚、この形態では、気化器16と改質器2とを別個に構成しているが、これらを一体的に構成し、燃焼器40の燃焼ガスにより改質器2及び気化器16を加熱するようにしてもよい。
セルスタック4の燃料極側には改質燃料ガスが送給され、またその酸素極側には酸化材ガスとしての空気が送給される。セルスタック4に送給される空気は、空気予熱器30にて燃焼排気ガスとの間で熱交換されて昇温された後に送給される。
セルスタック4においては、燃料極側の酸化及び酸素極側の還元による電気化学反応により発電が行われる。そして、セルスタック4からのアノードオフガス(反応燃料ガス)及びカソードオフガス(反応酸化材ガス)は燃焼器40に送給され、この燃焼器40にてアノードオフガスがカソードオフガスにより燃焼され、この燃焼排気ガスが加熱器44、空気予熱器30を通って排熱用熱交換器54に流れる。
排熱用熱交換器54においては、排熱回収装置62の循環流路66を流れる冷媒としての水と排出される燃焼排気ガスとの間で熱交換が行われ、熱交換により昇温された水(温水)が貯湯タンク64に貯えられる。また、熱交換により温度が低下した燃焼排気ガスは、気液分離器76に流れ、この気液分離器76にて分離された燃焼排気ガスが大気に排出される。また、気液分離器76にて分離された凝縮水は、不純物除去手段78に流れ、この不純物除去手段78にて不純物が除去された後に凝縮水回収タンク80に回収され、このように回収された凝縮水が改質用水として利用される。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、脱硫器22に水素を添加するために、アノードオフガス(反応燃料ガス)の一部を脱硫器22の上流側に戻すように構成されている。即ち、アノードオフガスの一部を戻すためのアノードオフガス戻し流路92が設けられ、その一端側(上流端側)がアノードオフガス送給流路38に接続され、その他端側(下流端側)が燃料ガス供給流路18に接続されている。尚、このアノードオフガス戻し流路92をセルスタック4の燃料極の導出側36に接続し、この燃料極の導出側36から導出されるアノードオフガスの一部を戻すようにしてもよい。
この形態では、アノードオフガス戻し流路92に気液分離器94が配設されている。この気液分離器94は、高温ハウジング60により規定される高温空間の外側に配設され、アノードオフガス戻し流路92を流れる間に外気により冷却されて凝縮した凝縮水とアノードオフガスとを分離し、分離された凝縮水は外部に排出され、水分が除去されたアノードオフガスは燃料ガス供給流路18に戻される。
この固体酸化物形燃料電池システムにおいては、セルスタック4の燃料極の導出側36から導出されたアノードオフガス(反応燃料ガス)は、アノードオフガス送給流路38を通して燃焼器40に送給されるが、かく送給されるアノードオフガスの一部はアノードオフガス戻し流路92を通して燃料ガス供給流路18に戻される。従って、このように戻されたアノードオフガスは、燃料ガスポンプ20の作用によって燃料ガス供給流路18を流れる原燃料ガスに混合され、混合された状態でもって脱硫器22に送給され、この脱硫器22にアノードオフガスに含まれた水素を送給し、脱硫器22における脱硫剤の長寿命化などを図ることができる。
このアノードオフガスは、図1に示すように、燃料ガスポンプ20の配設部位よりも上流側に、具体的には燃料ガスポンプ20の上流側近傍に戻すようにし、このようにすることにより、アノードオフガス戻し流路92の流出側(即ち、その流出口付近)に燃料ポンプ20のポンプ動作による減圧が作用し、これにより、アノードオフガス戻し流路92からのアノードオフガスが燃料ガス供給流路18に吸い出されるようになる。
尚、燃料ガスポンプ20の上流側(具体的には、アノードオフガス戻し流路92との接続部よりも上流側)に圧力調整器(例えば、ゼロガバナなど)を設けるのが好ましく、このように圧力調整器を設けることにより、アノードオフガスの戻し動作の安定を図ることができるとともに、その戻し量の調整を容易に行うことができる。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタック4からのアノードオフガスを燃料ガスポンプ20の上流側に戻しているので、次の特徴を有している。即ち、脱硫器22に送給されるアノードオフガスはセルスタック4を通過した反応燃料ガスであり、このアノードオフガスを脱硫器22に戻すということは、この脱硫器22に戻る水素の寄与によって、セルスタック4の実質の燃料利用率が、燃料ガス流量センサ24の計測値に基づいて制御している値よりも少し下がることになる。燃料利用率を高めるように運転制御をした場合などにおいて、セルスタック4の一部の燃料電池セルにおいて燃料不足のリスクが高まることになるが、アノードオフガスをこのように戻すことにより、実質の燃料利用率が少し下がり、これにより、一部の燃料電池セルにおける燃焼不足の発生が抑えられ、セルスタック4の発電動作の信頼性の向上が図られる。
尚、この実施形態においては、貯湯タンク64を含む排熱回収装置62を設け、その排熱用熱交換器54においてセルスタック4からのアノードオフガスと貯湯タンク64からの水との間で熱交換を行って排熱を温水として貯湯しているが、このような排熱回収装置62を省略し、セルスタック4からのアノードオフガスを排熱用熱交換器54にて熱交換を行って改質用水のための凝縮水を単に回収するようにしてもよい。
〈第2の実施形態〉
次に、図2を参照して、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態においては、セルスタックからのアノードオフガス(反応燃料ガス)を排熱用熱交換器に導いて冷却して排熱回収するとともに、冷却により生じた凝縮水を分離して取り除き、凝縮水除去後のアノードオフガスを燃焼器に供給するとともに、この燃焼器に供給するアノードオフガスの一部を燃料ガス供給流路に戻している。尚、この第2の実施形態において、上述の第1の実施形態と実質上同一のものには同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図2において、この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタック4の燃料極の導出側36からのアノードオフガスは、アノードオフガス送給流路38Aを通して排熱回収装置62の排熱用熱交換器54に導かれる。排熱回収装置62は、第1の実施形態の物と同様の構成を備え、排熱を温水として貯湯するための貯湯タンク64と、貯湯タンク64を通して冷媒としての水を循環させる循環流路66とを含み、この循環流路66に循環ポンプ68及びラジエタ70が配設されている。この排熱用熱交換器54においては、セルスタック4からアノードオフガス送給流路38Aを流れるアノードオフガスと排熱回収装置62の循環流路66を流れる冷媒としての水との間で熱交換が行われる。
また、この排熱用熱交換器54に関連して、第1の実施形態と同様に、気液分離器76、不純物除去手段78及び凝縮水回収タンク80が設けられ、気液分離器76は、排熱用熱交換器54から流れる燃焼排気ガスと熱交換により発生した凝縮水とを分離し、分離された凝縮水は、凝縮水回収流路82を通して不純物除去手段78に送給され、この不純物除去手段78にて不純物が除去された後に凝縮水送給流路84を通して凝縮水回収タンク80に回収される。従って、この排熱用熱交換器54にて冷却されたアノードオフガスは、気液分離器76に流れ、この気液分離器76にて上述したようにして凝縮水が分離された後にアノードオフガス供給流路38Bを通して燃焼器40に送給される。
また、アノードオフガス送給流路38Aとアノードオフガス供給流路38Bとの間にアノードオフガス用熱交換器102が配設されている。アノードオフガス用熱交換器102では、アノードオフガス送給流路38Aを流れるアノードオフガスとアノードオフガス供給流路38Bを流れるアノードオフガスとの間で熱交換が行われる。このアノードオフガス用熱交換器102は、省略するようにしてもよい。
また、上述した構成に関連して、燃焼器40からの燃焼排気ガスは、燃焼排気ガス送給流路50を介して空気予熱器30Aに送給されるが、この空気予熱器30Aにて送風ブロア34からの空気と熱交換された後に大気に排出される。
更に、アノードオフガス戻り流路92Aは、一端側(上流端側)がアノードオフガス供給流路38B(アノードオフガス用熱交換器102より上流側の部位)に接続され、他端側(下流端側)が燃料ガス供給流路18(具体的には、燃料ガスポンプ20の配設部位の上流側近傍)に接続され、排熱用熱交換器54にて熱交換されたアノードオフガス(凝縮水が取り除かれたアノードオフガス)の一部が燃料ガス供給流路18に戻されるように構成されている。この第2の実施形態におけるその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタック4の燃料極の導出側36からのアノードオフガスは、アノードオフガス送給流路38A及びアノードオフガス用熱交換器102を通して排熱用熱交換器54に導かれ、この排熱用熱交換器54において、排熱回収装置62の循環流路66を流れる水(冷媒)との間で熱交換が行われる。
そして、この熱交換により昇温した水は、循環流路66を通して貯湯タンク64に貯えられる。また、この熱交換により冷却されたアノードオフガスは、アノードオフガス供給流路38B及びアノードオフガス用熱交換器102を通して燃焼器40に供給される。この燃焼器40には、セルスタック4の酸素極側の導出部46からのカソードオフガスも送給され、燃焼器40にてアノードオフガスが燃焼された後に加熱器44及び空気予熱器30Aを通して大気に排出される。
この排熱用熱交換器54では、水との間の熱交換によりアノードオフガスが冷却されるので、アノードオフガスに含まれる水分が凝縮し、凝縮水を含むアノードオフガスは気液分離器76に流れる。そして、気液分離器54にて分離された凝縮水は、イオン交換樹脂を含む不純物除去手段78に流れ、この不純物除去手段78にて不純物が除去された後に凝縮水回収タンク80に回収される。また、気液分離器78にて分離されたアノードオフガス(冷却され水分が少なくなった後のアノードオフガス)は、上述したようにアノードオフガス送給流路38Bを通して燃焼器40に送給されるとともに、このアノードオフガス供給流路38Bを流れるアノードオフガスの一部がアノードオフガス戻し流路92Aを通して燃料ガス供給流路18に戻され、この戻されたアノードオフガスは、原燃料ガスと混合された後に脱硫器22に送給される。
尚、凝縮水送給流路86を流れる凝縮水(改質用水)とアノードオフガス戻し流路92Aを流れるアノードオフガスとの間で熱交換をし、アノードオフガスを更に冷却した後に戻すようにしてもよい。この場合、気液分離器76を利用し、熱交換により冷却してアノードオフガスを気液分離器76に導き、この気液分離器76にて凝縮水を分離することができ、このように凝縮水を取り除くことにより、戻された後のアノードオフガスと原燃料ガスとの混合ガスが燃料ガスポンプ20を流れる際の結露発生を確実に防止することができる。
この第2の実施形態では、アノードオフガス用熱交換器102において、アノードオフガス送給流路38Aを流れるアノードオフガス(排熱回収前のアノードオフガス)とアノードオフガス供給流路38Bを流れるアノードオフガス(排熱回収により冷却して凝縮水を取り除いた後のアノードオフガス)との間で熱交換が行われるので、排熱回収前のアノードオフガスを利用して、燃焼器40に供給されるアノードオフガスを昇温させて送ることができ、これにより、燃焼器40でのアノードオフガスの燃焼を安定させることができる。
第1及び第2実施形態の固体酸化物形燃料電池システムの効果を確認するために、表1で示す動作条件を用いて実証検討した。
Figure 0006850195
凝縮水を取り除いた後のアノードオフガスの一部を燃料ガスポンプの上流側近傍に戻して原燃料ガス(天然ガスベースの都市ガス)に混合することで、この原燃料ガスに10.2%の水素が入り込んだとする。これを原燃料ガスの流量(燃料ガス流量センサによる計測流量)に基づくに燃料利用率79%で発電すると、アノードオフガスには4.76mole/hrの水素ガスが含まれることになり、このことは、アノードオフガスを燃料ガスポンプの上流側に戻さない(換言すると、改質燃料ガスを燃料ガスポンプの上流側に戻す)場合よりも水素ガスの量が増えている。アノードオフガスを上流に戻さない場合に同等の水素モル流量になるのは、燃料利用率としては76.6%に相当する。このときのアノードオフガスは、セルスタックの燃料極側の最も出口のガス組成状態を示している。このように第1及び第2の実施形態のシステムにおいて上述の動作条件でもって検討すると、セルスタックの燃料利用率において約2.4ポイント分の余裕が持てたことになる。
以上のように、脱硫剤の寿命性能を発揮するために改質燃料ガスを戻す場合とアノードオフガスを戻す場合とを比較すると、アノードオフガスを戻す場合の方が改質燃料ガスを戻す場合よりも燃料利用率で2.4ポイントの余裕を持たせることができ、燃料利用率の点で有利となり、セルスタックの発電効率向上に効果的であることが判る。
以上、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
2 改質器
4 セルスタック
6 酸化材ガス供給手段
8 燃料ガス供給手段
20 燃料ガスポンプ
22 脱硫器
30,30A 空気予熱器
38,38A アノードオフガス送給流路
38B アノードオフガス供給流路
40 燃焼器
54 排熱用熱交換器
62 排熱回収装置
64 貯湯タンク
92,92A アノードオフガス戻し流路
94 気液分離器
102 アノードオフガス用熱交換器






Claims (1)

  1. 原燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、水蒸気改質に用いる水蒸気を発生させるための気化器と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材ガスの酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、前記酸化材ガスを前記セルスタックに供給するための酸化材ガス供給手段と、前記原燃料ガスを前記改質器に供給するための燃料ガスポンプと、前記改質器に供給される前記原燃料ガスに含まれる硫黄成分を除去するための脱硫器と、前記改質器に関連して設けられた燃焼器とを備え、前記改質器からの前記改質燃料ガスが前記セルスタックの燃料極側に送給され、前記酸化材ガス供給手段からの前記酸化材ガスが前記セルスタックの酸素極側に送給され、前記セルスタックの前記燃料極側からのアノードオフガス及び前記酸素極側からのカソードオフガスが前記燃焼器に送給されて燃焼される固体酸化物形燃料電池システムであって、
    前記セルスタックからの前記アノードオフガスを前記燃焼器に送給するためのアノードオフガス送給流路には、前記アノードオフガスを冷却するための排熱用熱交換器、凝縮水を分離するための気液分離器及び前記アノードオフガスを熱交換するためのアノードオフガス用熱交換器が設けられ、また前記アノードオフガスの一部を戻すためのアノードオフガス戻し流路が設けられており、前記セルスタックからの前記アノードオフガスは、前記アノードオフガス送給流路を通して前記排熱用熱交換器に送給されて冷却され、この冷却により凝縮した凝縮水が前記気液分離器により取り除かれた後に、アノードオフガス供給流路を通して前記燃焼器に供給され、また前記燃焼器に流れる前記アノードオフガスは、前記アノードオフガス用熱交換器にて前記セルスタックの前記燃料極側から流れる前記アノードオフガスとの間で熱交換されて加熱され、更に前記凝縮水が除去された後の前記アノードオフガスの一部が前記アノードオフガス戻し流路を通して前記原燃料ガスの流れ方向に見て前記燃料ガスポンプの配設部位の上流側近傍に戻されることを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
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