JP6849439B2 - 分級機及び竪型粉砕機 - Google Patents
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ただし、下降流生成部材とハウジングの側壁との間にて循環渦が発達すると、循環渦によって、下降流形成部材に衝突する固気二相流の流れが押し下げられる。このため、下降流形成部材によって生成される下降流が弱くなり、下降流形成部材による粗粒の分離効果が弱くなる。そこで、特許文献2が開示する分級機は、ハウジングの側壁上部から上面板の外周部にかけて傾斜部材が設けられ、傾斜部材によって循環渦の発達が抑制されている。
そこで、特許文献3が開示する分級機では、固定フィンとして、環状の固定フィン(ルーバ)が用いられている。ルーバは、分級機の中心軸に向けて下向きに傾斜している。固気二相流の流動方向は、ルーバによって下向きに変更され、その後、回転フィンに向かって変化する。このようにルーバを用いた場合、固気二相流の流動方向が下向きに変更され、下降流が強められることで、粗粒が下降流によって搬送されて分離される。また、ルーバを用いた場合、回転フィンへの流入流速のピークは殆どなく、回転フィンに到達する粗粒が減少させられる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、固気二相流の下降流を強めることが可能であり、粗粒を確実に分離可能である新規な分級機、該分級機を備える竪型粉砕機、及び石炭焚ボイラを提供することを目的とする。
天井壁及び周壁を有するとともに、ガス流入口及び前記ガス流入口よりも上方にガス流出口を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置された回転分級部であって、鉛直軸に沿う回転軸を中心として回転可能であり、前記回転軸の周方向に配列された複数の回転ベーンを有する回転分級部と、
前記回転軸の径方向にて前記周壁と前記回転ベーンとの間に配置されるとともに前記回転軸の周方向に配列された複数の非回転ベーン を有する、固定分級部と、
前記回転ベーンと前記非回転ベーンとの間に位置して前記天井壁に取り付けられ、上方から下方に近付くにつれて外径が徐々に小さくなる円錐台形状の外周面を有する下降流形成部と
を備える。
鉛直軸に対する前記下降流形成部の外周面の傾斜角は20°以上45°以下である。
一方、上記構成(2)によれば、下降流形成部の外周面と鉛直軸とがなす傾斜角が45°以下であり、下降流形成部によって、天井壁に沿って流れてきた固気二相流に含まれる粗粒を下方に向けてはじくことができる。この結果として、天井壁に沿って流れてきた固気二相流に含まれる粗粒が回転ベーンに到達することを防止することができる。
前記回転軸の径方向にて、前記下降流形成部の外周面の上縁は、前記回転ベーンと前記非回転ベーンとの中間よりも前記非回転ベーン側に位置している。
前記回転分級部を囲むように前記複数の非回転ベーンに取り付けられた少なくとも1つの環状整流部を更に備え、
前記少なくとも1つの環状整流部は、上方から下方に近付くにつれて外径が徐々に小さくなる円錐台形状の外周面を有する。
前記少なくとも1つの環状整流部は、上下方向に配列された複数の環状整流部を含む。
前記複数の非回転ベーンは、
ベーン本体と、
前記ベーン本体の表面上に配置された複数のガイド板であって、前記ベーン本体の表面に沿ってそれぞれ延び且つ上下方向に間隔をあけて配置された複数のガイド板と
を含み、
前記複数のガイド板の各々は、前記回転軸の径方向にて外側に位置する外端と、前記回転軸の径方向にて内側に位置する内端とを有し、前記ガイド板の内端が前記ガイド板の外端よりも下方に位置するように湾曲又は傾斜している。
上記構成(1)乃至(6)の何れか1つに記載の分級機と、
前記ハウジング内に配置されるとともに前記回転分級部の下方に位置するターンテーブルと、
前記ターンテーブルの上方に配置され、前記ターンテーブル上の粉砕対象物を粉砕可能な粉砕ローラと、
を備える。
上記構成(7)に記載の竪型粉砕機と、
前記竪型粉砕機によって粉砕された石炭の粉末を燃焼させるように構成された火炉と、を備える。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、以下の説明では、特に区別する必要がない場合、分級機1a〜1dを一括して分級機1とも称し、竪型粉砕機3a,3bを一括して竪型粉砕機3とも称し、下降流形成部16a,16bを一括して下降流形成部16とも称する。
ハウジング10は、天井壁18及び周壁20を有するとともに、ガス入口22及びガス入口22よりも上方に位置するガス出口24を有している。ガス入口22を通じてハウジング10内に流入したガスは、固定分級部14及び回転分級部12を通過して、ガス出口24を通じてハウジング10から流出可能である。
例えば、ハウジング10は円筒形状を有し、ガス入口22は周壁20の下部に形成され、ガス出口24は天井壁18に形成されている。
なお、図2、図3、図5及び図10に示す非回転ベーン32は、ベーン本体34のみによって構成されている。また、非回転ベーン32は、回転軸Oを中心として回転はしないが、回転軸Oを囲む仮想円の接線方向に対する傾斜角が変化するように揺動可能に配置されていてもよい。
一方、分級対象の粉末のうち相対的に粒径が大きい粒子は、固定分級部14又は回転分級部12によってガスの流れから分離され、ガス出口24を通じて流出することはできない。すなわち、相対的に粒径が大きい粒子は、固定分級部14によって旋回させられるとともに重力により下降し、回転分級部12に到達することができない。また、相対的に粒径が大きい粒子は、回転分級部12に到達したとしても、回転している回転ベーン26によって弾かれ、回転ベーン26の隙間を通過することができない。
更に、上述した分級機1によれば、下降流形成部16が、鉛直軸に対し傾斜した円錐台形状の外周面36を有しているので、下降流形成部が円筒形状の外周面を有している場合に比べ、下降流形成部16の強度を高くすることができる。
一方、上記構成によれば、下降流形成部16の外周面36と鉛直軸とがなす角度(傾斜角θ)が45°以下であり、下降流形成部16によって、天井壁18に沿って流れてきた固気二相流に含まれる粗粒を下方に向けてはじくことができる。この結果として、天井壁18に沿って流れてきた固気二相流に含まれる粗粒が回転ベーン26に到達することを防止することができる。
上記構成によれば、環状整流部46によって、固気二相流の下降流を生成することができ、より確実に粗粒を分離可能である。
上記構成によれば、複数の環状整流部46によって、固気二相流の下降流を生成することができ、より確実に粗粒を分離可能である。
ベーン本体34は、前述したように、例えば上下方向に長い四角形の板形状を有している。
複数のガイド板50は、ベーン本体34の表面上に配置されている。具体的には、回転軸Oの径方向にて外側を向いているベーン本体34の外面上に配置されている。各ガイド板50は、ベーン本体34の表面に沿ってそれぞれ延び、且つ、上下方向に間隔をあけて配置されている。
そして、複数のガイド板50の各々は、回転軸Oの径方向にて外側に位置する外端52と、回転軸Oの径方向にて内側に位置する内端54とを有し、ガイド板50の内端54がガイド板50の外端52よりも下方に位置するように湾曲又は傾斜している。
非回転ベーン32は、ガスの流路を残しながら窓58を覆うように配置され、回転軸Oの径方向にて外側に位置するベーン本体34の長辺は、回転軸Oの径方向にて内側に位置するベーン本体34の長辺よりも、環状壁56の近くに位置している。
特に、図12及び図15に示すように、複数の窓58を有する環状壁56と、ガイド板50を有する非回転ベーン32とを組み合わせれば、窓58を通過する固気二相流の下降流をより強くすることができる。この結果として、上記構成によれば、より確実に粗粒を分離可能である。
上記構成によれば、水平部60に沿って流れてきた固気二相流の流動方向が湾曲部64によって徐々に曲げられ、傾斜部62に沿わされる。この結果として、低圧力損失にて固気二相流の下降流を生成可能である。
幾つかの実施形態では、複数のガイド板50が上下方向に相互に離間して平行に配置されている。
幾つかの実施形態では、図11に示したように、環状壁56は、仕切壁65の上縁に一体に連なっている。
幾つかの実施形態では、図4、図5、図10及び図11に示したように、回転ベーン26は、回転軸Oに対し傾斜して延びている。
また、幾つかの実施形態では、回転ベーン26の下端は、回転ベーン26の上端よりも、回転軸Oの回転方向にて後方に位置している。この構成によれば、回転する回転ベーン26によって粗粒を下方に向けてはじくことができ、より確実に粗粒を分離可能である。
竪型粉砕機3は、図1及び図4に示したように、上述した分級機1の何れか1つと、ターンテーブル66と、少なくとも1つの粉砕ローラ68とを有している。
ターンテーブル66は、ハウジング10内に配置され、回転分級部12の下方に位置している。ターンテーブル66は回転軸Oを中心として回転可能であり、例えば、ハウジング10の外部に配置された駆動機構(ターンテーブル駆動機構)70によって回転させられる。
上記した竪型粉砕機3によれば、ターンテーブル66上の粉砕対象物は、ターンテーブル66の回転に伴い、遠心力により回転軸Oの径方向にて外側に移動し、粉砕ローラ68とターンテーブル66との間に挟まれて粉砕される。粉砕により得られた粉末(粉砕物)はガスの流れにのって上方に運ばれ、この間、質量の大きい粗粒が分離される。そして、ガスによって上方に搬送された粉末は、分級機1によって分級される。分離された粗粒は、ターンテーブル66上に戻り、再度粉砕される。
そして上記した竪型粉砕機3によれば、分級機1によって粗粒が分離されるので、粗粒の混入が抑制された粉末を得ることができる。
幾つかの実施形態では、竪型粉砕機3は、天井壁18を回転軸Oに沿って貫通する粉砕対象物を供給するための供給管74を有する。供給管74の下端開口は、ターンテーブル66の中心上に位置し、供給管74を通じてターンテーブル66の中央に粉砕対象物を供給可能である。なお、この場合、駆動シャフト28は、供給管74の外側に相対回転可能に嵌合される。
図16に示したように、石炭焚ボイラ5は、上述した竪型粉砕機3と、竪型粉砕機3によって粉砕された石炭の粉末(微粉炭)を燃焼させるように構成された火炉80と、を有している。
竪型粉砕機3には、送風機82から空気Aが送り込まれるとともに、石炭バンカ84及び給炭機86から原料としての石炭が供給されるようになっている。
送風機82から送り込まれた燃焼用空気Aは空気A1と空気A2に分岐される。このうち、空気A1は、送風機88によって竪型粉砕機3に送られる。空気A1の一部は、予熱器90によって加熱されて温空気として竪型粉砕機3に送られる。ここで、予熱器90によって加熱された温空気と、送風機88から予熱器90を経由せずに直接送られる冷空気とは、混合空気が適温となるように混合調整されてから竪型粉砕機3に供給されるようになっていてもよい。このようにして竪型粉砕機3に供給された空気A1は、竪型粉砕機3の内部においてガス吹出し口72(図1及び図4参照)から吹き出すようになっている。
火炉80において微粉炭の燃焼で生成した燃焼ガス(排ガス)は、集塵機94で塵埃が除去された後、脱硝装置96に送られて、排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)が還元される。そして、該排ガスは、予熱器90を経て送風機98で吸引され、脱硫装置100で硫黄分が除去されて、煙突102から大気中に放出されるようになっている。
3,3a,3b 粉砕装置
5 石炭焚ボイラ
10 ハウジング
12 回転分級部
14 固定分級部
16 下降流形成部
18 天井壁
20 周壁
22 ガス入口
24 ガス出口
26 回転ベーン
28 駆動シャフト
30 駆動機構
32 非回転ベーン
34 ベーン本体
36 外周面
38 環状部
40 鍔部
42 ボルト孔
44 ボルト
46 環状整流部
50 ガイド板
52 外端
54 内端
56 環状壁
58 窓
60 水平部
62 傾斜部
64 湾曲部
65 仕切壁
66 ターンテーブル
68 粉砕ローラ
70 駆動機構
72 ガス吹出し口
74 供給管
80 火炉
82,88,98 送風機
84 石炭バンカ
86 給炭機
89,90 予熱器
92 ウィンドボックス
94 集塵機
96 脱硝装置
100 脱硫装置
102 煙突
O 回転軸
Claims (6)
- 天井壁及び周壁を有するとともに、ガス流入口及び前記ガス流入口よりも上方にガス流出口を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置された回転分級部であって、鉛直軸に沿う回転軸を中心として回転可能であり、前記回転軸の周方向に配列された複数の回転ベーンを有する回転分級部と、
前記回転軸の径方向にて前記周壁と前記回転ベーンとの間に配置されるとともに前記回転軸の周方向に配列された複数の非回転ベーンを有する、固定分級部と、
前記回転ベーンと前記非回転ベーンとの間に位置して前記天井壁に取り付けられ、上方から下方に近付くにつれて外径が徐々に小さくなる円錐台形状の外周面を有する下降流形成部と
を備え、
鉛直軸に対する前記下降流形成部の外周面の傾斜角は20°以上45°以下である
ことを特徴とする分級機。 - 前記回転軸の径方向にて、前記下降流形成部の外周面の上縁は、前記回転ベーンと前記非回転ベーンとの中間よりも前記非回転ベーン側に位置している
ことを特徴とする請求項1に記載の分級機。 - 天井壁及び周壁を有するとともに、ガス流入口及び前記ガス流入口よりも上方にガス流出口を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置された回転分級部であって、鉛直軸に沿う回転軸を中心として回転可能であり、前記回転軸の周方向に配列された複数の回転ベーンを有する回転分級部と、
前記回転軸の径方向にて前記周壁と前記回転ベーンとの間に配置されるとともに前記回転軸の周方向に配列された複数の非回転ベーンを有する、固定分級部と、
前記回転ベーンと前記非回転ベーンとの間に位置して前記天井壁に取り付けられ、上方から下方に近付くにつれて外径が徐々に小さくなる円錐台形状の外周面を有する下降流形成部と、
前記回転分級部を囲むように前記複数の非回転ベーンに取り付けられた少なくとも1つの環状整流部と、
を備え、
前記少なくとも1つの環状整流部は、上方から下方に近付くにつれて外径が徐々に小さくなる円錐台形状の外周面を有する
ことを特徴とする分級機。 - 前記少なくとも1つの環状整流部は、上下方向に配列された複数の環状整流部を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の分級機。 - 前記複数の非回転ベーンは、
ベーン本体と、
前記ベーン本体の表面上に配置された複数のガイド板であって、前記ベーン本体の表面に沿ってそれぞれ延び且つ上下方向に間隔をあけて配置された複数のガイド板と
を含み、
前記複数のガイド板の各々は、前記回転軸の径方向にて外側に位置する外端と、前記回転軸の径方向にて内側に位置する内端とを有し、前記ガイド板の内端が前記ガイド板の外端よりも下方に位置するように湾曲又は傾斜している
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の分級機。 - 請求項1乃至5の何れか1項に記載の分級機と、
前記ハウジング内に配置されるとともに前記回転分級部の下方に位置するターンテーブルと、
前記ターンテーブルの上方に配置され、前記ターンテーブル上の粉砕対象物を粉砕可能な粉砕ローラと、
を備えることを特徴とする竪型粉砕機。
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