JP6847655B2 - アンカー施設及びアンカー施設の形成方法 - Google Patents

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本発明は、傾斜地等において用いられるアンカー施設及びこれの形成方法に関する。
傾斜地等において何らかの施設を設置する際には、当該施設を固定もしくは支持するための耐力を得るために、各種のアンカーが使用されている。
一般的なアンカーは、打ち込んだアンカーの地表に出ている頭部に対して、支持すべき施設等に直接若しくはワイヤーロープ等を介して締結することにより、当該施設を固定もしくは支持するための耐力を得るものである。
これに対し、特許文献1には、打ち込んだアンカーの中央部または中央部から先端部の間において、ロープを締結し、当該ロープを水平方向(アンカー頭部に対して斜面下方)に引き出すようにした技術が開示されている。
特開2009−102982
特許文献1によって開示される技術によれば、ロープが、打ち込んだアンカーの中央部または中央部から先端部の間に締結されるため、地表に出ているアンカーの頭部に対して締結する場合に比べて、高い耐力を得ることができる。図11(a)に示したように、地表の頭部にロープを締結する場合、地表付近の土壌に対してアンカーを支えるための力が大きくかかり、地表付近の土壌がゆるいと大きな耐力を得ることができない。これに対し、図11(b)に示したように、打ち込んだアンカーの中央部から先端部の間にロープを締結することで、より多くの土量により且つ地中の締まった土壌によりアンカーを支えることができるため、高い耐力を得ることができるものである。
本発明は、地中に打ち込んだアンカーに締結した索体を、アンカーを設置するための設置孔より斜面下方において引き出したアンカー施設であって、より低コストで必要な耐力を得ることができるアンカー施設を提供することを目的とする。
(構成1)
地中に埋設されるアンカーと、前記アンカー上端部から地表に至る設置孔と、前記アンカー側面から、前記設置孔より斜面下方の地表に至る引出孔と、一端が前記アンカーに接続され、他端は前記引出孔を通って地表に引き出される連結部材と、を備えることを特徴とするアンカー施設。
(構成2)
前記連結部材が、前記アンカーの長手方向の中央部に、または中央部から上端部までの間に接続されていることを特徴とする構成1に記載のアンカー施設。
(構成3)
前記設置孔に充填物が充填されていることを特徴とする構成1または構成2に記載のアンカー施設。
(構成4)
前記連結部材が、索体又は棒状部材であることを特徴とする構成1から構成3の何れかに記載のアンカー施設。
(構成5)
前記引出孔が、地表から前記アンカーへ向かって下り傾斜で形成され、前記引出孔に充填物が充填されていることを特徴とする構成4に記載のアンカー施設。
(構成6)
構成1から構成5の何れかに記載のアンカー施設の形成方法であって、前記アンカーがパイプアンカーであり、ボーリングマシンのドリルビットに前記パイプアンカーを取り付けた状態で、前記ドリルビットによる掘削に伴い、前記パイプアンカーを地中に埋めるステップと、前記パイプアンカーの上部に、ガイドパイプを配し、当該ガイドパイプと前記パイプアンカーの掘削方向の相対位置のずれを規制するステップと、前記ドリルビットによるさらなる掘削に伴い、前記パイプアンカーと前記ガイドパイプを埋め込むことにより、所定の深さまで前記パイプアンカーを埋め込むステップと、前記ガイドパイプを抜き去ることで前記設置孔を形成するステップと、を備えることを特徴とするアンカー施設の形成方法。
本発明のアンカー施設によれば、地中に埋設されるアンカーと、当該アンカーから地表に至る設置孔が形成される(即ち、アンカーから地表までにはアンカーが無い)ため、必要な耐力を有するアンカー施設を適切なコストにて形成することができる。
本発明に係る実施形態のアンカー施設の設置状態を示す概略図 本発明に係る実施形態のアンカー施設の施工を説明するための説明図 アンカーの打ち込みに使用するボーリングマシンを示す図 アンカーの打ち込みに使用するボーリングマシンのドリルビット部分を示す図 ガイドパイプ浮上防止金具を示す図 アンカー打ち込みの概略説明図 ボーリングロッドに設けられる芯出し材を示す図 アンカーに対するワイヤーロープの接続を説明するための説明図 本発明に係るアンカー施設の他の例を示す概略図 アンカーに対するワイヤーロープの接続の別の例を説明するための説明図 従来技術を説明するための概略図
以下、本発明の実施態様について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施態様は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
図1は、本発明に係るアンカー施設100を説明するための概略図である。
図に示されるように、アンカー施設100は、地中に埋設されるアンカー2と、当該アンカー2の上端部から地表に至る設置孔Hvと、アンカー2側面から設置孔Hvより斜面下方の地表に至る引出孔Hhと、一端がアンカー2に接続され、引出孔Hhを通って地表に引き出されるワイヤーロープ(連結部材である索体)5と、を備える。即ち、アンカー2は、地中に完全に埋設されるものであり、従って、地中のより締まった土壌部(上部の土壌の重さにより圧密された土壌等)にアンカー2が配置される。
アンカー施設100は、地表に引き出されたワイヤーロープ(連結部材である索体)5によって、他の施設(例えば雪崩防止柵等)を固定若しくは支持するものである。
アンカー施設100の施工は、先ず図2に示されるように、設置箇所における測量等により、設置孔Hv及び引出孔Hhの穿設位置・方向を決め、以下で説明するボーリングマシンを使用して設置孔Hv及び引出孔Hhを形成する。そして、アンカー2の設置孔Hvへの埋設と、ワイヤーロープ5の引出孔Hhへの挿通とアンカー2への締結を行い、設置孔Hvに充填物(グラウト材や砂等)を充填することによって行う。
なお、最終的に図1に示されるようなアンカー施設100の施工ができればよく、各工程の前後や同時処理等があっても構わない。例えば、以下で説明するボーリングマシンによれば、設置孔Hvの形成と同時にアンカー2の埋設が行われるものであるため、先に引出孔Hhを形成しておき、次に設置孔Hvの形成(同時にアンカー2の埋設)を行うものであるが、本発明をこれに限るものではない。
図3は、アンカー2として、パイプアンカーを用いる場合に好適な、パイプアンカー打ち込み用のボーリングマシンを示す図である。なお、ここでは、主に設置孔Hvの形成と同時にパイプアンカー2の埋設を行う点について説明するが、前述のごとく、設置孔Hvの形成(同時にアンカー2の埋設)の前に、引出孔Hhを形成するものである。引出孔Hhの形成については、以下で説明するボーリングマシンを使用して形成するものであってもよいし、パンチャーや専用工具を用いて形成するものであってもよい。
図3に示されるように、ボーリングマシン1は、架台11と、ドリルビット駆動部(モータ)12と、ウインチ17と、駆動部用ウインチ18と等を備える。なお、ボーリングマシン1自体は、従来から使用されているものと同様のものであり、例えば特開2007−32251等において開示されているものと基本的に同じものである。
ドリルビット駆動部12は架台11上を摺動(図では上下方向)するように構成され、駆動部用ウインチ18によって、吊り上げ・下げをすることができる。このドリルビット駆動部12に、ボーリングロッドを介してエアハンマ(ハンマ部)とドリルビットが取り付けられることにより、ドリルビットが回転するとともに打撃による衝撃が付与され、掘削力を得るものである。
ここでは鉛直方向にパイプアンカーを打ち込むもの(傾斜Sに対して垂直方向ではなく、鉛直方向)を例として説明しているが、水平方向(引出孔Hhの形成)や、傾斜面に対して垂直方向等、任意の方向に掘削できることは勿論である。
ボーリングマシン1の設置においては、控えロープ(図示せず)を用いてボーリングマシン1の姿勢を安定させる。
また、図示を省略しているが、油圧モータであるドリルビット駆動部12へ圧油を供給する油圧ユニットや、エアハンマにエアを供給するコンプレッサ等の機器も使用される。
後により詳細に説明するが、ボーリングマシン1のドリルビットにパイプアンカー2を取り付けた状態で、ドリルビットによる掘削に伴いパイプアンカー2を地中に埋め、さらに、パイプアンカー2の上部にガイドパイプ3を配すると共にボーリングロッドを追加しつつ、ガイドパイプ3とパイプアンカー2の掘削方向の相対位置のずれを規制しながらドリルビットによるさらなる掘削行うことを繰り返すことにより、パイプアンカー2とガイドパイプ3を埋め込む(図3(a))。
これにより、所定の深さまでパイプアンカー2が埋め込まれる(本実施形態では安定層Bに届いて埋設される)。
この状態(図3(a))から、ドリルビット頭部を縮径してパイプアンカー2及びガイドパイプ3から抜き、ワイヤーロープ5の引出孔Hhへの挿通とアンカー2への締結を行った後に、パイプアンカー2とガイドパイプ3の内部へグラウト材(充填物)を充填し、グラウト材が固化する前にガイドパイプ3を抜くことで(図3(b))、アンカー施設100の設置が終了するものである。
図4は、ボーリングマシン1の、パイプアンカー2を打ち込む状態における、ドリルビット付近を示した図である。
同図に示されるように、パイプアンカー2を打ち込む状態では、埋め込む対象であるパイプアンカー2の内部に、ドリルビット13とエアハンマ14(及びボーリングロッド)が挿通され、パイプアンカー2の下端部からビット頭部131が突出する。この状態におけるビット頭部131の回転、及び、エアハンマ14によって付与される衝撃によって図面の下方へと掘削をし、これによってパイプアンカー2を埋設するものである。
ビット頭部131は、縮径/拡径をすることが可能な構成とされており、パイプアンカー2の内部を挿通する際には、縮径することで、外形寸法がパイプアンカー2の内径より小さくなり、パイプアンカー2の下端部から突出した位置にて拡径することで、図3に示される状態となる。
パイプアンカー2の下端の内側には、リング状の部材であるシュー29が溶接によって取り付けられており(パイプアンカーの先端部の内側に縮径部が設けられている)、シュー29の上端部によって、ドリルビット13の鍔部132と突き当たる段差部が形成される。当該構成により、回転・衝撃を与えつつ図面下方へと掘削するドリルビット13と共に、先端部の内側に縮径部が設けられているパイプアンカー2も地中へと打ち込まれていくものである。
図5は、ガイドパイプ浮上防止金具を示す図である。
本実施形態では、パイプアンカー2とガイドパイプ3が連結されていない。上述のごとくパイプアンカー2は、ドリルビット13と共に地中へと打ち込まれていくが、ガイドパイプ3は、これらのパイプアンカー2やドリルビット13と連結されていないため、そのままでは地中への打ち込みが進まない。
ガイドパイプ浮上防止金具27(及び係止部151)は、ガイドパイプ3を地中へ打ち込むための構成であり、ガイドパイプとパイプアンカーの掘削方向の相対位置のずれを規制するものである。
ガイドパイプ浮上防止金具27は、ガイドパイプ3やパイプアンカー2の内部に挿通されるボーリングロッド15(or15´)が、ガイドパイプ3やパイプアンカー2の中心部に位置するように遊びを持って(回動可能、且つ、摺動可能に)保持する部材であり、ガイドパイプ3の後端部に取り付けられる。
ボーリングロッド15´には、当該ガイドパイプ浮上防止金具27に対して、突き当たる部材となる係止部151が形成される。これにより、ボーリングロッドに対する相対位置が固定される。なお、係止部151が形成されたロッドがボーリングロッド15´であり、係止部151が無い通常のロッドをボーリングロッド15とする。
パイプアンカー2では、ドリルビット13、エアハンマ14及びボーリングロッド15(これら3つの構成を以下「掘削アッセンブリ」という。)の掘削が進むに伴いシュー29によって先端(下端)側で引っ張られ埋設されていくものが、ガイドパイプ3では、掘削アッセンブリの掘削が進むに伴い後端(上端)側で、押込まれる形となる。
図6は、パイプアンカー2の打ち込み工程の概略を示す説明図である。
図6に示されるように、パイプアンカー2の打ち込み工程は、大まかに手順01〜06を有している。ここの例では、ボーリングマシン1の架台11の長さより深い位置にパイプアンカー2を打ち込むために、ガイドパイプ3が相互に結合される分割されたガイドパイプ(31〜33)によって形成されるものを使用している。分割されたガイドパイプ(31〜33)は、基本的には単なる鋼管であるが、相互に接続できるようにネジが切ってある。即ち、各分割されたガイドパイプの上端側(若しくは下端側)において内周に雌ネジが形成されており、下端側(若しくは上端側)の外周に雄ネジが形成され、両者をねじ接合することでガイドパイプ3が形成されるものである。
手順01において、先ずパイプアンカー2を埋設する。
図3、4で説明したように、パイプアンカー2の下端にシュー29が取り付けられており、パイプアンカー2の内部を挿通されたドリルビット13とエアハンマ14によって斜面を鉛直方向に掘削し、この掘削に伴ってパイプアンカー2が埋設されるものである。
パイプアンカー2が埋設されたら、一旦掘削を停止して、上部のボーリングロッド15をいくつか取り外してパイプアンカー2の上にガイドパイプ31を配置ためのスペースを形成する。なお、ボーリングロッド15は、複数の分割されたボーリングロッドをつなぐことによって、掘削の深さに応じて長さを調節することができるものである。
パイプアンカー2の上にガイドパイプ31を配置したら、ガイドパイプ浮上防止金具27を取り付け(予めガイドパイプ31に取り付けておくものであって良い)、ボーリングロッド15及びボーリングロッド15´の取り付けを行う。ボーリングロッド15´は図4で示したように、ガイドパイプ浮上防止金具27に対応する位置となるように取り付ける。
続いて手順02として、ガイドパイプ31の埋設を行う。
前述したごとく、掘削アッセンブリの掘削が進むに伴って、パイプアンカー2は先端(下端)側で引っ張られ埋設され、ガイドパイプ31は後端(上端)側で押込まれて埋設されるものである。
図6の手順02に示されるように、ガイドパイプ31も埋設されたら、掘削を停止して、ガイドパイプ32を配置する。ガイドパイプ32の配置作業は、ガイドパイプ31の配置作業と同様であるが、ガイドパイプ31と32は前述のごとくネジによって螺合され、ガイドパイプ浮上防止金具27を、ガイドパイプ31の上端からガイドパイプ32の上端に付け替える作業が行われる。
続いて手順03として、ガイドパイプ32の埋設を行う。
ガイドパイプ32も埋設されたら、さらに同様の作業を繰り返すことにより、ガイドパイプ33の埋設も行う(手順04)。
ガイドパイプ33の埋設が終わったら(即ち、パイプアンカー2が所定の深さに埋設されたら)、ビット頭部131を縮径し、掘削アッセンブリを、パイプアンカー2及びガイドパイプ3からから抜く(手順05)。
この状態で、ワイヤーロープ5の引出孔Hhへの挿通とパイプアンカー2への締結を行った後に、パイプアンカー2とガイドパイプ3の内部へグラウト材(充填物)を充填し、グラウト材が固化する前にガイドパイプ3を抜くことにより、設置孔Hvとパイプアンカー2の内部にグラウト材が充てんされた状態となり、これが固化することでアンカー施設100の設置が終了する。なお、ガイドパイプ3の抜管は、ボーリングマシン1のウインチ17を利用するなどして行う。
上述の工程における、ワイヤーロープ5のパイプアンカー2への締結は、種々の方法によるものであってよいが、その一例を図8に示した。
パイプアンカー2の側面に予めアイボルト挿通用の孔2hを形成しておき、前述のパイプアンカー2の打設において、孔2hが引出孔Hhに対向するようにする。そして、図8に示されるように、プッシュロックナット42aが先端に溶接されたPLナット挿入部材42を、設置孔Hvからおろし(ガイドパイプ3及びパイプアンカー2の中を通し)つつ、ワイヤーロープ5を締結したアイボルト41を引出孔Hhから挿入し、プッシュロックナット42aにアイボルト41を押し込んでロックする。なお、ワイヤーロープ5を締結したアイボルト41を引出孔Hhから挿入する作業は適当なジグ(棒状の部材など)を用いて行うとよい。
ワイヤーロープ5とパイプアンカー2の締結方法の別の一例を図10に示した。
この例では、ワイヤーロープ5の先端をアイ加工してアイ51を形成し、パイプアンカー2の側面には予めアイ51挿通用の孔を形成しておく。
前述のパイプアンカー2の打設において、孔2hが引出孔Hhに対向するようにする。そして、図10に示されるように、ワイヤーロープ5のアイ51をパイプアンカー2の孔2hに通し、係止部材(フック431が形成された棒部材)43を、設置孔Hvからおろし(ガイドパイプ3及びパイプアンカー2の中を通し)て、これをアイ51に通す。これによって、ワイヤーロープ5がパイプアンカー2に連結される。なお、棒部材43の長さを、設置孔Hvを通しておろせる長さとすると作業としては簡便である。ただし、設置孔Hvの深さは一定ではなく(現場に応じて変化する)、従って、均一な長さの棒部材43を準備しておくことが難しい場合もある。そのような場合には棒部材43の長さを短く形成しておき(例えば、パイプアンカー2と同等の長さ)、これを設置孔Hvから下ろす際に適当なジグ(索体や棒状の部材など)を用いるようにしてもよい。
以上のごとく、本実施形態のアンカー施設100によれば、必要な箇所にのみアンカー(パイプアンカー)が設置されるものであり、適切なコストにて必要な耐力を有するアンカー施設を形成することができる。即ち、図1に示されるように、パイプアンカー2が地中深く埋設され(本実施形態では安定層に到達)、当該地中の締まった土壌や安定層にパイプアンカー2を設置することで強力な耐力を得ることができ、表層付近の不安定層や比較的ゆるい土壌等、耐力への寄与が比較的小さくなる部分におけるアンカーを不要としているため、適切なコストにてアンカー施設を形成することができるものである。換言すれば、所定長のアンカーを用意し、当該所定長のアンカーによって必要な耐力が得られる深さまでアンカーを打ち込んで埋設し、これによってアンカー上端部から地表に至る設置孔が形成されているものであり、多種多様な条件に対しても、共通のアンカーで対応することが可能となるものである。(従来工法では、例えば表層付近が軟弱な地盤である場合には、アンカー自体のサイズを変える等の必要があり、各アンカーの製造・保管コストや、その搬入・設置コスト等がかかるものであった)
また、従来の杭工法のような地表面に杭頭が突出した状態にはならないため、景観を損なわず、美観に優れている。従来の杭工としての固定観念(地表から打ち込み、地表に頭が出ている)を打破した画期的なアンカー施設である。
また、本実施形態のアンカー施設の形成方法によれば、ボーリングマシンの架台の長さよりも深い位置へのパイプアンカー2の打ち込みを、最小限の機材・資材で簡便に行うことができ、人力によって機材・資材を搬入する必要がある傾斜地等において、非常に有用な工法となる。
なお、前述のごとく、本実施形態ではパイプアンカー2とガイドパイプ3が連結されないため、パイプアンカー2とガイドパイプ3の相対位置がずれるおそれがある。掘削方向(上下方向)については、前述のごとくボーリングロッド15´とガイドパイプ浮上防止金具27によって規制される。また、水平方向のずれについては、基本的に掘削によって形成された孔によって規制されるものではあるが、パイプアンカー2とガイドパイプ3の中心がずれてしまうおそれもある。そこで、図7に一例として示したように、ボーリングロッド15に、ガイドパイプ3内においてボーリングロッドが略中心位置となるようにするための芯出し材152を設けるようにしてもよい。芯出し材152は、ガイドパイプ3の内径よりも僅かに小さい直径をもってボーリングロッド15に固定されるものである。芯出し材152は、ガイドパイプ3の先端側(即ちガイドパイプ31の先端側)に配されるようにすると効果的である。
本実施形態においては、図1に示されるように、ワイヤーロープ(索体)5がアンカー2の上端部に接続されるものを例としている。これにより、アンカー2がより深い地中に埋設されることとなるため、大きな耐力を有するアンカー施設を簡易に設置することができるものであるが、必要な耐力が得られるのであれば(若しくは引出孔Hhの形成位置をより下げることで引出孔Hhが長くなっても構わないのであれば)、例えば、ワイヤーロープ(索体)5をアンカー2の下端部に接続するものであっても構わないし、アンカー2の中央部に接続するもの等であっても構わない。中央部付近に接続した場合には、アンカー2がほぼ水平方向に引っ張られる構成となって抵抗面積が最大化されるという効果を得ることができる(上端部や下端部の場合にはアンカー2を回転させるような力が働き、アンカー2が傾くと、抵抗面積が減少する)。
本実施形態においては、アンカーがパイプアンカーによって形成されるものを例としたが、本発明をこれに限るものではなく、種々のアンカー(断面多角形であるものや、中空、中実であるもの等)を用いることもできる。
なお、引出孔Hhに対しても充填物(砂やグラウト材等)を充填するようにしてもよい。この場合、引出孔Hhに対する充填物の充填作業を良好なものとするために、引出孔Hhを地表からアンカーへ向かって下り傾斜で形成してもよい。図9にはこのようなものの一例を示した。引出孔Hhの形成においても上記で説明した設置孔Hvの形成と同様に、ボーリングマシン1を用いてガイドパイプ3を使用することにより、引出孔Hhにガイドパイプ3が設置される状態にて、前述のワイヤーロープ5のパイプアンカー2への締結作業(図8)や、充填物の充填作業を行うことで、効率よく作業できる。なお、引出孔Hhの形成においては、パイプアンカーの設置は不要であるため、ガイドパイプ3のみを用いる(最先端のガイドパイプについて、パイプアンカーと同様にシュー29を設ける構成としてもよい)。また、引出孔Hhの傾斜角度θは、充填物の種類等に応じて、充填作業が良好となる角度に設定すればよい。
引出孔Hhに充填物を充填しない場合には、引出孔Hhは、実施形態(図1)のごとく略水平であってもよいし、地表からアンカーへ向かって上り傾斜で形成するようなものであってもよい。
本実施形態では、パイプアンカー2に一端が接続され、引出孔Hh内を通って、地表に引き出される連結部材として、索体であるワイヤーロープ5を例としているが、本発明をこれに限るものではない。連結部材として、例えば棒状の部材(棒鋼等)を用いてもよい。即ち、連結部材として、一端がパイプアンカー2に接続され、引出孔Hh内を通って他端が地表付近に引き出される棒鋼を用いてもよい。連結部材を棒状の部材とした場合の、パイプアンカーとの締結方法は、図8や図10で説明したものと同様のものとすることができる。
地表に引き出された棒鋼等の他端側によって、直接他の施設(例えば雪崩防止柵等)を固定若しくは支持するものであってよいし、棒鋼等の他端側に索体等の連結材を締結して、当該連結材を介して他の施設を固定若しくは支持するもの等であってよい。
100...アンカー施設
1...ボーリングマシン
2...パイプアンカー(アンカー)
3...ガイドパイプ
5...ワイヤーロープ(索体)
Hv...設置孔
Hh...引出孔

Claims (5)

  1. 地中に埋設されるアンカーと、
    前記アンカー上端部から地表に至る設置孔と、
    前記アンカー側面から、前記設置孔より斜面下方の地表に至る引出孔と、
    一端が前記アンカーに接続され、他端は前記引出孔を通って地表に引き出される連結部材と、を備え
    前記連結部材が、前記アンカーの長手方向の中央部に、または中央部から上端部までの間に接続されていることを特徴とするアンカー施設。
  2. 前記設置孔に充填物が充填されていることを特徴とする請求項1に記載のアンカー施設。
  3. 前記連結部材が、索体又は棒状部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンカー施設。
  4. 前記引出孔が、地表から前記アンカーへ向かって下り傾斜で形成され、前記引出孔に充填物が充填されていることを特徴とする請求項に記載のアンカー施設。
  5. 地中に埋設されるアンカーと、前記アンカー上端部から地表に至る設置孔と、前記アンカー側面から、前記設置孔より斜面下方の地表に至る引出孔と、一端が前記アンカーに接続され、他端は前記引出孔を通って地表に引き出される連結部材と、を備えるアンカー施設の形成方法であって、
    前記アンカーがパイプアンカーであり、
    ボーリングマシンのドリルビットに前記パイプアンカーを取り付けた状態で、前記ドリルビットによる掘削に伴い、前記パイプアンカーを地中に埋めるステップと、
    前記パイプアンカーの上部に、ガイドパイプを配し、当該ガイドパイプと前記パイプアンカーの掘削方向の相対位置のずれを規制するステップと、
    前記ドリルビットによるさらなる掘削に伴い、前記パイプアンカーと前記ガイドパイプを埋め込むことにより、所定の深さまで前記パイプアンカーを埋め込むステップと、
    前記ガイドパイプを抜き去ることで前記設置孔を形成するステップと、
    を備えることを特徴とするアンカー施設の形成方法。
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