JP6847541B2 - 建築構造物の積算システム及び積算方法 - Google Patents
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一方、ラスタ形式のデータから文字の記載されている位置を特定して文字を文字データ化する技術として、光学文字認識(以下、単にOCR(Optical Character Recognition)ということあり)が知られている。このOCRを用いることでラスタ形式のデータから文字を文字データ化できるため、特許文献1のようにベクトル化して文字領域を分離して文字データ化する手間を省略して、文字データを得ることができる。
前記画像データから抽出した文字を除いた線分を抽出して、前記線分から前記建築構造物の壁と柱を抽出して、前記英数字から前記建築構造物の基礎と鉄骨を抽出する構成物抽出部と、
前記基礎と鉄骨に対応する単位重量をあらかじめ登録したデータベースから呼び出し、前記基礎と鉄骨の寸法及び数量と前記単位重量を乗算して、前記壁の面の面積と高さを乗算し、前記柱の断面積と高さを乗算し、鉄骨量とコンクリート量の総量を算出する積算部と、
を備えたことを特徴とする建築構造物の積算システム
を提供することにある。
上記第1の手段によれば、建築構造物の紙図面を用いた当該建築構造物の積算業務を簡易化することができる。
上記第2の手段によれば、建築構造物の壁及び柱の抽出作業を容易に行える。
前記線分から前記建築構造物の柱を抽出して、前記柱の断面積を算出する柱抽出部と、
前記建築構造物の平面図を高さ方向に押し出して前記建築構造物の斜視図を生成する3D変換部を備えたことを特徴とする建築構造物の積算システムを提供することにある。
上記第3の手段によれば、積算対象となる建築構造物を立体的に視認できる。また立体図中の壁及び柱の照合がし易くなり、積算した壁及び柱のコンクリート量の確認作業を容易に行える。
上記第4の手段によれば、紙図面の鮮明度、スキャンの精度などの要因によって線分同士が接続しないで切れている場合であっても、図面中の構成物を抽出することができる。
前記英数字に対応する前記基礎と鉄骨を検索して集計する文字列カウント部を備えたことを特徴とする建築構造物の積算システムを提供することにある。
上記第5の手段によれば、図面中の構成物毎に自動で加算でき、積算業務の効率化が図れる。
前記建築構造物の積算システムの構成物抽出部が前記画像データから抽出した文字を除いた線分を抽出して、前記線分から前記建築構造物の壁と柱を抽出して、前記英数字から前記建築構造物の基礎と鉄骨を抽出する工程と、
前記建築構造物の積算システムの積算部が前記基礎と鉄骨に対応する単位重量をあらかじめ登録したデータベースから呼び出し、前記基礎と鉄骨の寸法及び数量と前記単位重量を乗算して、前記壁の面の面積と高さを乗算し、前記柱の断面積と高さを乗算し、鉄骨量とコンクリート量の総量を算出する工程と、
を有することを特徴とする建築構造物の積算方法を提供することにある。
上記第6の手段によれば、建築構造物の紙図面を用いた当該建築構造物の積算業務を簡易化することができる。
図1は本発明の建築構造物の積算システムのブロック図である。図2は本発明の建築構造物の積算方法のフローである。図3は建築構造物の平面図及び側面図の紙図面を画像データ化した説明図である。図4はOCRにより画像データ中の文字(英数字)を抽出した説明図である。図5は画像データ中の文字を分離して線分を抽出した説明図である。図6はノイズ除去した後の線分の説明図である。図7は押し出し・3D化の説明図である。図8は鉄骨及び基礎の紙図面の説明図である。図9は鉄骨DBの説明図である。図10は標準部材DBの説明図である。図11は鉄骨DBの作成フローである。
図1に示すように建築構造物の積算システム10は、各種データを入力する入力部20と、建築構造物のデータベース(以下、単にDBということ有り)管理部30と、各種DBを作成するDB作成部35と、PCのモニタ画面などの表示部40と、画像データの英数字を抽出する文字抽出部60と、英数字から前記建築構造物の構成物を抽出する構成物抽出部(前記文字抽出部60を含む)となる線分抽出部61と、壁変換部62と、柱抽出部63と、英数字の内で同じ構成物を示す英数字を構成物毎にカウントする文字列カウント部64と、3D変換部70と、積算部80と、各部と接続して積算業務を行う制御部50と、を備えている。
基礎DB31は、建築構造物の基礎情報(基礎の記号、基礎の体積(コンクリート量)のDBである。
鉄骨DB32は、建築構造物の鉄骨情報(鉄骨名を表す記号、鉄骨の単位重量など)を記憶するDBある(図9参照)。
標準部材DB33は、鉄骨の仕様(A寸法、B寸法、t1寸法、t2寸法、断面積、単位重量など)となる標準部材表、建築構造物の壁の厚みなどを記憶するDBである(図10参照)。
DB作成部35は、各種DBを作成する。
線分抽出部61は、画像データから文字データを分離して線分を抽出するものである。画像データ中の線分は、建築構造物の平面図、側面図等、通り芯、引き出し線、寸法線、補助線等である。
これにより、建築構造物の壁及び柱の抽出作業を容易に行える。
柱抽出部63は建築構造物の平面図の図面中の柱を示す四角マークを抽出している。またこの四角マークの面積(柱の断面積)を算出している。
文字列カウント部64は、図面中の柱、基礎、鉄骨など構成物を示す英数字を構成物(同じ英数字)毎に検索してカウントしている。
これにより、図面中の構成物毎に自動で加算(集計)でき、積算業務の効率化が図れる。
3D変換部70は、建築構造物の平面図を高さ方向(柱の長手方向)に押し出して3D変換(立体化)している。
これにより、積算対象となる建築構造物を立体的に視認できる。また立体図中の壁及び柱の照合がし易くなり、積算した壁及び柱のコンクリート量の確認作業を容易に行える。
制御部50は各部と接続し、建築構造物の基礎、鉄骨、壁、柱などの構成物に要する鉄骨量、コンクリート量を積算する制御を行う。
上記構成による本発明の建築構造物の積算システムを用いた積算方法について以下説明する(図2参照)。
あらかじめ鉄骨DBを作成する(図11参照)。
建築構造物の紙図面をスキャナ23でスキャン(走査)して画像データ化する(S100)。ここで本実施形態の紙図面は、建築構造物の平面図及び側面図と(図3参照)、鉄骨及び基礎の平面図及び側面図(図8参照)の2種類がある。なお基礎は建築構造物の図面中に示されることもある。図8に示すように鉄骨の図面中には鉄骨素材表が含まれている。鉄骨素材表とは、鉄骨の図面中に記載されている建築構造物を構成する各鉄骨の鉄骨名を表す記号(NAME)、仕様(SPEC)、備考(REMARKS)の一覧表である。なお紙図面の画像データがある場合にはこの工程は省略できる。
鉄骨素材表をOCRで文字認識を行い(ステップ102)、文字抽出部60により文字を抽出する。
鉄骨素材表中の鉄骨の仕様を解釈する(ステップ103)。例えば、同図中の鉄骨名を表す記号SG1の仕様は、高寸法精度のH形鋼、A寸法1000mm、B寸法300mm、t1寸法12mm、t2寸法28mmを示している。
標準部材DBから鉄骨名を表す記号のスペックに対応する単位重量を引用する(ステップ104)。この他、断面積を引用することもある。
鉄骨名を表す記号と単位重量を鉄骨DBに保存する(ステップ105)。
この鉄骨名と単位重量の対応付けによって積算処理を自動化することができる。
建築構造物の紙図面をスキャナ23でスキャン(走査)して画像データ化する。ステップ20では建築構造物の平面図及び側面図の紙図面をスキャニングする。なお紙図面の画像データがある場合にはこの工程は省略できる。
以下、文字認識から構成物を抽出する基礎/鉄骨と、文字及び線分認識から構成物を抽出する壁/柱に分けて積算処理を行う。
[OCRを用いて文字抽出]ステップ30
図8に示す鉄骨及び基礎の平面図、側面図の画像データを文字抽出部60で光学文字認識(OCR)処理を行いテキストデータ化して鉄骨及び基礎を示す記号又は寸法などの文字(英数字)を抽出する。
鉄骨及び基礎を示す各記号に対応付けする単位重量を標準部材DBから呼び出す。
文字列カウント部64により、鉄骨及び基礎を表す各記号を検索し、記号毎に数量をカウントし、単位重量を乗算(各記号の総数×単位重量)する。
鉄骨は各記号の総数に寸法を乗算することで各記号の総延長を算出し、各記号の総延長に単位重量を乗算する。
[基礎/鉄骨量算出]ステップ33
積算部80により、鉄骨の総量及び基礎の総量(コンクリート量)を算出する。
[OCRを用いて文字抽出]ステップ40
図3に示す建築構造物の平面図、側面図の画像データを文字抽出部60で光学文字認識(OCR)処理を行いテキストデータ化する。ついで文字抽出部60により壁及び柱の記号又は寸法を示す文字(英数字)を抽出する(図4参照)。なお図3,4に示す壁及び柱の記号は、壁の端部(aD、aA、a1、a5など)、柱の中心(aC、aB、a2、a3、a4など)を表している。
図5に示すように線分抽出部61により、画像データから抽出した文字データを削除して線分を抽出する。
建築構造物の平面図及び側面図の画像データ中で、任意の線分と、この線分の長さを示す寸法を選択し、これを基準として画像データ中の建築構造物の各構成物の尺度を算出する。
抽出した線分は、紙図面の鮮明度、スキャンの精度(解像度)などの要因によって線分同士が接続しないで切れている場合がある。このような場合、線分抽出部61は、画像データ中で端部が切れている線分を延長して他の線分と交差する場合に構成物の線分と認識し、この端部を延長する補正を行っている。
これにより紙図面の鮮明度、スキャンの精度などの要因によって線分同士が接続しないで切れている場合であっても、図面中の構成物を抽出することができる。
また、線分抽出部61は、図5に示す建築構造物以外の線分(寸法線、補助線、通り芯、引き出し線など)を消去して、図6に示す建築構造物のみの平面図及び側面図を抽出する。
抽出した線分データから、建築構造物の柱、壁など構成物を抽出する。
壁変換部62により寸法と対応する線分と、対応付けする標準部材DBの壁の厚みを読みだし該線分に垂直方向に該厚みを与えて面を形成することで壁に変換し、側面図を算出する。
柱抽出部63により平面図中の柱(四角印)を抽出し、柱図形として登録する。
3D変換部70により3D化する対象である図形(壁図形及び柱図形)を選択して、押し出す高さ、換言すると壁及び柱の高さを寸法(側面図の高さ寸法)から指定する。そして平面図中の柱及び壁を高さ方向に押し出した3D図(斜視図)を作図する(図7参照)。
次に、窓やドアといった開口部は、3D図から壁を選択して対応する立面図を選択し、立面図に記載されている窓やドアの位置を引用し、当該位置を3D図からくり抜くことで除外する。
壁のコンクリート量は、壁毎に前記面の面積を算出し、前記高さを乗算することで体積を算出し、全壁の体積を合計することで積算する。
柱のコンクリート量は、柱毎に各柱の前記断面積に前記高さを乗算することで体積を算出し、全柱の体積を合計することで積算する。
上記壁及び柱の各コンクリート量を合算して建築構造物の総コンクリート量を算出できる。
このような本発明の建築構造物の積算方法によれば、紙図面から建築構造物を積算する作業を効率良く自動化できる。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
20 入力部、
21 キーボード、
22 マウス、
23 スキャナ、
30 データベース管理部、
31 基礎DB、
32 鉄骨DB、
33 標準部材DB、
35 DB作成部
40 表示部、
50 制御部、
60 文字抽出部、
61 線分抽出部、
62 壁抽出部、
63 柱抽出部、
64 文字列カウント部、
70 3D変換部、
80 積算部。
Claims (4)
- 建築構造物の平面図及び側面図の紙図面をスキャナで読み取ってラスタ形式の画像データから文字の記載されている位置を特定して文字を文字データ化する光学文字認識により前記建築構造物の構成物及び寸法を示す英数字を抽出する文字抽出部と、
前記画像データから抽出した文字を除いた線分を抽出して、前記線分から前記建築構造物の壁と柱を抽出して、前記英数字から前記建築構造物の基礎と鉄骨を抽出する構成物抽出部と、
前記基礎と鉄骨に対応する単位重量をあらかじめ登録したデータベースから呼び出し、前記基礎と鉄骨の寸法及び数量と前記単位重量を乗算して、前記壁の面の面積と高さを乗算し、前記柱の断面積と高さを乗算し、鉄骨量とコンクリート量の総量を算出する積算部と、
を備えたことを特徴とする建築構造物の積算システム。 - 請求項1の建築構造物の積算システムにおいて、前記構成物抽出部は、前記画像データ中で端部が切れている前記線分を延長して他の前記線分と交差する場合に前記構成物の前記線分と認識し、前記端部を延長する補正を行うことを特徴とする建築構造物の積算システム。
- 請求項1又は2に記載の建築構造物の積算システムにおいて、
前記英数字に対応する前記基礎と鉄骨を検索して集計する文字列カウント部を備えたことを特徴とする建築構造物の積算システム。 - 建築構造物の積算システムの文字抽出部が建築構造物の平面図及び側面図の紙図面をスキャナで読み取ってラスタ形式の画像データから文字の記載されている位置を特定して文字を文字データ化する光学文字認識により前記建築構造物の構成物及び寸法を示す英数字を抽出する工程と、
前記建築構造物の積算システムの構成物抽出部が前記画像データから抽出した文字を除いた線分を抽出して、前記線分から前記建築構造物の壁と柱を抽出して、前記英数字から前記建築構造物の基礎と鉄骨を抽出する工程と、
前記建築構造物の積算システムの積算部が前記基礎と鉄骨に対応する単位重量をあらかじめ登録したデータベースから呼び出し、前記基礎と鉄骨の寸法及び数量と前記単位重量を乗算して、前記壁の面の面積と高さを乗算し、前記柱の断面積と高さを乗算し、鉄骨量とコンクリート量の総量を算出する工程と、
を有することを特徴とする建築構造物の積算方法。
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