以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本発明の実施の形態にかかるリモコン装置は、例えば、トイレ室、浴室、キッチン、およびシャワーブースなどの水回り設備(機器)に使用される。以下では、トイレ装置用のリモコン装置を例に挙げ説明する。つまり、リモコン装置により操作される機器がトイレ装置である場合を例に挙げ説明する。但し、本発明の実施の形態にかかるリモコン装置は、トイレ装置用のリモコン装置には限定されない。
図1は、本発明の実施の形態に係るトイレ装置用のリモコン装置を表す模式的斜視図である。
図1に表したように、本実施形態にかかるトイレ装置用のリモコン装置(以下、単に「リモコン装置」と称する)200は、例えばトイレ室の壁面10に設置され、トイレ装置100とともに用いられる。リモコン装置200は、操作ボタン210を有する。操作ボタン210は、例えば、押し操作(押圧操作)が可能な、いわゆる押しボタンである。操作ボタン210は、定常位置と最下点位置とに移動可能であり、押し操作に応じて定常位置から最下点位置に移動する。また、操作ボタン210は、バネ336(例えば図9および図11など参照)などにより、操作されていない状態において定常位置に保持される。操作ボタン210は、押し操作によって最下点位置に移動した後、押し操作の解除によって定常位置に戻る。
リモコン装置200は、操作ボタン210の操作を検出し、操作された操作ボタン210に応じた無線信号をトイレ装置100に送信する。トイレ装置100は、リモコン装置200から送信された無線信号を受信し、その無線信号に応じた動作を実行する。このように、リモコン装置200は、使用者の操作に応じて、所定の動作の実行をトイレ装置100に指示し、トイレ装置100を遠隔操作する。
トイレ装置100は、洋式腰掛便器(以下、単に「便器」と称する)110と、便器110の上に設けられた便座ユニット120と、を備える。
便座ユニット120は、本体部122と、便座124と、便蓋126と、を有する。便座124と便蓋126とは、本体部122に対して開閉可能にそれぞれ軸支されている。図1は、便蓋126が開いた状態を表している。図1は、便座124が閉じた状態を表している。便蓋126は、閉じた状態において便座124の上方を覆う。なお、便蓋126は、必ずしも設けられていなくてもよい。
便座ユニット120は、例えば、衛生洗浄機能と、局部乾燥機能と、便座暖房機能と、を有する。衛生洗浄機能は、便座124に座った使用者の「おしり」などをノズル130により洗浄する洗浄動作を行う機能である。局部乾燥機能は、便座124に座った使用者の「おしり」などに温風を吹き付けることにより、衛生洗浄によって濡れた「おしり」などを乾燥させる乾燥動作を行う機能である。便座暖房機能は、便座124の着座面を適温に温める便座加熱動作を行う機能である。
便座ユニット120は、リモコン装置200から送信された無線信号に基づいて、例えば衛生洗浄機能の動作を実行する。あるいは、便座ユニット120は、リモコン装置200から送信された無線信号に基づいて、例えば局部乾燥機能の動作を実行する。あるいは、便座ユニット120は、リモコン装置200から送信された無線信号に基づいて、例えば便座暖房機能の動作を実行する。
図2は、本実施形態にかかるリモコン装置を表す模式的平面図である。
図3は、本実施形態にかかるリモコン装置を表す模式図である。
図3(a)は、本実施形態にかかるリモコン装置を表す模式的平面図である。図3(b)は、図3(a)に表した切断面A−Aにおける模式的断面図である。図3(c)は、本実施形態にかかるリモコン装置の変形例を表す模式的断面図であり、図3(a)に表した切断面A−Aにおける模式的断面図に相当する。
図2および図3(a)に表したように、リモコン装置200は、操作ボタン210と、操作ボタン210を支持するリモコン本体201と、リモコン本体201の内部に設けられた発電部220と、を備える。操作ボタン210は、メインボタン群210mと、サブボタン群210sと、を有する。
メインボタン群210mは、例えば、おしり洗浄ボタン211と、ビデ洗浄ボタン212と、乾燥ボタン213と、停止ボタン214と、を有する。
おしり洗浄ボタン211は、トイレ装置100におしり洗浄の開始を指示するためのボタンである。ビデ洗浄ボタン212は、トイレ装置100にビデ洗浄の開始を指示するためのボタンである。乾燥ボタン213は、トイレ装置100に局部乾燥の開始を指示するためのボタンである。停止ボタン214は、トイレ装置100に衛生洗浄機能や局部乾燥機能の停止を指示するためのボタンである。すなわち、この例においては、おしり洗浄ボタン211とビデ洗浄ボタン212とが、ノズル130からの吐水を行わせるための吐水ボタンである。停止ボタン214は、ノズル130からの吐水を停止させる。
このように、メインボタン群210mには、衛生洗浄や局部乾燥などの各種の機能の実行及び停止をトイレ装置100に指示するための操作ボタン210が設けられる。
サブボタン群210sは、例えば、吐水流量大ボタン215と、吐水流量小ボタン216と、洗浄位置前進ボタン217と、洗浄位置後退ボタン218と、を有する。
吐水流量大ボタン215は、衛生洗浄時に噴射される洗浄水の勢いを強くする指示をトイレ装置100に入力するためのボタンである。吐水流量小ボタン216は、衛生洗浄時に噴射される洗浄水の勢いを弱くする指示をトイレ装置100に入力するためのボタンである。洗浄位置前進ボタン217は、洗浄位置(ノズル130の位置)を前進させる指示をトイレ装置100に入力するためのボタンである。洗浄位置後退ボタン218は、洗浄位置を後退させる指示をトイレ装置100に入力するためのボタンである。
このように、サブボタン群210sには、各種の機能の状態の変更をトイレ装置100に指示するための操作ボタン210が設けられる。
なお、メインボタン群210m及びサブボタン群210sに含まれるボタンは、上記に限定されるものではない。例えば、サブボタン群210sには、洗浄水や乾燥風の温度の変更をトイレ装置100に指示するためのボタンなどが設けられてもよい。
発電部220は、操作ボタン210の押し操作に応じて発電を行う。図2および図3(a)に表したように、操作ボタン210が複数のボタンを有する場合には、発電部220は、操作ボタン210のうちのいずれかのボタンの押し操作に応じて発電を行う。発電部220には、例えば、モータが設けられている。発電部220は、操作ボタン210の押し操作にともなう操作力をモータの回転軸に伝達し、回転軸を回転させる。これにより、発電部220は、モータから交流の電力を発生させる。発電部220の発電方式は、モータに限ることなく、必要な電力を供給できる任意の方式でよい。また、発電部220から出力される電力は、直流でもよいし、脈流でもよい。
このように、本願明細書において「発電部」とは、運動エネルギーを受けて発電する部分、あるいは運動エネルギーを電気エネルギーに変換する部分をいう。発電部220の発電方式としては、例えば電磁誘導方式や圧電方式などが挙げられる。
発電部220は、本体モジュール221と、可動部222と、を有する。可動部222は、本体モジュール221から突出した突出位置と、本体モジュール221内に押し込まれた押し込み位置と、の間を移動する。可動部222は、図示を省略したバネなどにより、操作されていない状態において突出位置に保持される。可動部222が突出位置から押し込み位置に移動すると、発電部220は、可動部222の移動にともなう操作力により発電を行う。
図3(a)に表したように、操作ボタン210と発電部220との間には、伝達機構230が設けられている。伝達機構230は、操作ボタン210の押し操作にともなう操作力を発電部220に伝達する。これにより、操作ボタン210のうちのいずれのボタンを押し操作しても、押し操作に伴う操作力が発電部220に伝達される。これにより、発電部220が発電を行う。従って、リモコン装置200では、操作ボタン210が複数のボタンを有する場合であっても、1つの発電部220で発電を行うことができる。
伝達機構230は、例えば、第1伝達部231と、第2伝達部232と、連結部材233と、を有する。第1伝達部231は、メインボタン群210mの各ボタン(図2および図3(a)に表した例では、おしり洗浄ボタン211、ビデ洗浄ボタン212、乾燥ボタン213、および停止ボタン214のそれぞれ)の操作力を受ける。連結部材233は、第1伝達部231と第2伝達部232とに接続され、第1伝達部231と第2伝達部232とを連結する。第2伝達部232は、第1伝達部231からの操作力を受ける。
第1伝達部231は、メインボタン群210mの各ボタンの操作力を連結部材233を介して第2伝達部232に伝達する。第2伝達部232は、連結部材233を介して第1伝達部231から受けた操作力を発電部220に伝達する。あるいは、第2伝達部232は、サブボタン群210sの各ボタン(図2および図3(a)に表した例では、吐水流量大ボタン215、吐水流量小ボタン216、洗浄位置前進ボタン217、および洗浄位置後退ボタン218のそれぞれ)の操作力を受け、その操作力を発電部220に伝達する。
第1伝達部231は、メインボタン群210mの各ボタンのそれぞれと対向する。第2伝達部232は、サブボタン群210sの各操作ボタン210のそれぞれと対向する。また、第2伝達部232は、長手方向において発電部220の可動部222と対向する位置に配置されている。
第1伝達部231は、図3(a)に表した矢印AW1ならび図3(a)および図3(b)に表した矢印AW2のように、壁面10と略平行な方向にスライド可能に取り付けられている。第2伝達部232は、図3(a)および図3(b)に表した矢印AW3ならびに図3(a)に表した矢印AW4のように、壁面10と略平行な方向にスライド可能に取り付けられている。すなわち、第1伝達部231及び第2伝達部232は、いわゆるスライドバーである。また、第1伝達部231及び第2伝達部232は、連結部材233によって互いに接続されている。これにより、第1伝達部231及び第2伝達部232は、互いに連動してスライド移動する。
メインボタン群210mの各ボタンのいずれかを押し操作すると、その操作力が第1伝達部231に伝わる。すると、第1伝達部231が図3(a)および図3(b)に表した矢印AW2の方向(壁面10と略平行な方向)にスライド移動する。第1伝達部231が図3(a)および図3(b)に表した矢印AW2の方向にスライド移動すると、連結部材233は、軸233aを中心として図3(a)に表した矢印AW5の方向に回転する。すると、第2伝達部232は、図3(a)および図3(b)に表した矢印AW3の方向(壁面10と略平行な方向)にスライド移動し、発電部220の可動部222に当接して可動部222を突出位置から押し込み位置に移動させる。これにより、メインボタン群210mの各ボタンの押し操作によって、発電部220が発電を行う。
サブボタン群210sの各ボタンのいずれかを押し操作すると、その操作力が第2伝達部232に伝わる。すると、第2伝達部232が図3(a)および図3(b)に表した矢印AW3の方向にスライド移動する。第2伝達部232は、図3(a)および図3(b)に表した矢印AW3の方向にスライド移動すると、発電部220の可動部222に当接し、可動部222を突出位置から押し込み位置に移動させる。これにより、サブボタン群210sの各ボタンの押し操作によって、発電部220が発電を行う。
リモコン装置200は、クリック機構228をさらに備える。クリック機構228は、押し操作された操作ボタン210にクリック感を付与する。
図2および図3(a)に表したリモコン装置200において、クリック機構228は、発電部220に設けられている。発電部220では、例えば、バネなどの弾性力に対抗して可動部222を押し込むと、可動部222に係合した連動部材が移動する。そして、可動部222が押し込み位置まで移動すると、クリック機構228により、連動部材と可動部222との係合状態が一時的に解除され、連動部材が弾性力によって初期位置に戻る。この時に、操作ボタン210の操作力が弱まり、使用者にクリック感として伝わる。
また、連動部材は、ギヤなどを介してモータの回転軸に連結されており、連動部材が初期位置に戻る際の勢いで回転軸が回転し、発電が行われる。発電部220では、操作ボタン210を押し操作し、可動部222を押し込み位置に移動させることによって発電が行われる。そして、発電部220が発電する時に、押し操作された操作ボタン210にクリック感が付与される。この構成では、例えば、使用者の押し操作の速度などに依存せず、連動部材に加える弾性力によって発電量を制御することができる。これにより、例えば、操作毎の発電量のバラツキを抑制することができる。発電部220において、安定した発電量を得ることができる。発電機構の具体的構成については、後に詳述する。
この例において、クリック機構228は、発電部220の発電機構の一部を兼ねている。クリック機構228は、必ずしも発電部220に設ける必要はなく、発電部220と別に設けてもよい。
ここで、発電部220の可動部222が押し込み位置に移動すると、比較的大きい音が発生することがある。例えば、クリック機構228により、連動部材と可動部222との係合状態が一時的に解除され、連動部材が弾性力によって初期位置に戻ると、比較的大きい音が発生することある。
一般的に、リモコン装置200は、使用者が便座124に着座した状態で操作ボタン210を操作しやすいように、トイレ室の壁面10に設置される。そのため、図3(b)に表した矢印AW6のように、操作ボタン210の押し操作の方向(押圧方向)は、壁面10に対して略垂直である。言い換えれば、操作ボタン210は、押し操作の方向が壁面10に対して略垂直となるボタンを有する。あるいは、図3(c)に表した矢印AW7および矢印AW7hのように、操作ボタン210の押し操作の方向は、壁面10に対して略垂直な成分を有する。言い換えれば、操作ボタン210は、押し操作の方向が壁面10に対して略垂直な成分を有するようなボタンを有する。
このように、操作ボタンの押し操作の方向が壁面に対して略垂直な成分を有すると、発電部の可動部が押し込み位置に移動したときに生ずる音が、例えば連続して設置された複数のトイレ室のうちの隣のトイレ室に壁面を介して伝わることがある。すると、隣のトイレ室の使用者は、リモコン装置を操作していないにもかかわらずリモコン装置が勝手に操作されたと勘違いをするおそれがある。あるいは、隣のトイレ室の使用者は、トイレ室の壁面を介して伝わった発電部の音を不快に感ずるおそれがある。あるいは、隣のトイレ室の使用者は、リモコン装置が故障したと勘違いをするおそれがある。
これに対して、図3(b)および図3(c)に表した矢印AW3のように、本実施形態にかかるリモコン装置200では、リモコン装置200がトイレ室の壁面10に設置された状態において発電部220の可動部222が押し込まれる方向は、壁面10と略平行である。言い換えれば、リモコン装置200がトイレ室の壁面10に設置された状態において発電部220の可動部222の押圧方向は、壁面10と略平行である。
本実施形態によれば、発電部220の可動部222が壁面10と略平行な方向に押し込まれるため、発電部220の可動部222が押し込み位置に移動したときに生ずる音は、壁面10と略平行に伝わりやすい。そのため、発電部220の可動部222が押し込まれるエネルギーは、壁面10には伝わりにくい。これにより、リモコン装置200から壁面10へ伝わる振動を抑制することができる。また、リモコン装置200から壁面10へ伝わる音を抑制することができる。
本実施形態では、第1伝達部231および第2伝達部232は、操作ボタン210の押し操作に応じて壁面10と略平行な方向に移動する。第2伝達部232は、発電部220の可動部222を押し込む。これにより、比較的簡単な構成で発電部220の可動部222を押し込むことができる。
本実施形態では、操作ボタン210の押し操作の方向は、壁面10に対して略垂直な成分を有する。そのため、一般的なリモコン装置の操作方法と変わらない方法で、発電部220の可動部222を押し込むことができる。
本実施形態の連結部材233は、操作ボタン210の押し操作に応じて回転動作を行い、第1伝達部231および第2伝達部232をスライド移動させる。これにより、連結部材233は、比較的狭い範囲であっても、第1伝達部231および第2伝達部232を移動させることができる。これにより、リモコン装置200の小型化を図ることができる。
本実施形態のリモコン装置200について、図面を参照しつつさらに説明する。
図4は、本実施形態に係るリモコン装置を表すブロック図である。
図4に表したように、リモコン装置200は、操作ボタン210と、複数の検出部241と、伝達機構230と、発電部220と、電源部243と、制御部250と、を備える。操作ボタン210と、伝達機構230と、発電部220と、については、図2〜図3(c)に関して前述した通りである。
複数の検出部241は、操作ボタン210が有する複数のボタンのそれぞれに対応して設けられる。複数の検出部241のそれぞれは、複数のボタンのそれぞれの押し操作を検出する。各検出部241には、例えば、ホール素子が用いられる。各検出部241は、例えば、機械式のスイッチなどでもよい。検出部241の具体例については、後述する。
制御部250は、複数の検出部241のそれぞれと電気的に接続されている。制御部250は、複数の検出部241のそれぞれの検出結果に基づいて、押し操作された操作ボタン210を判別する。そして、制御部250は、判別した操作ボタン210に対応した無線信号をトイレ装置100に送信することにより、トイレ装置100を遠隔操作する。
制御部250は、例えば、おしり洗浄ボタン211の押し操作を判別した場合、おしり洗浄の開始を指示する無線信号をトイレ装置100に送信する。トイレ装置100は、リモコン装置200からの無線信号を受信し、その無線信号に対応した処理を実行する。トイレ装置100は、例えば、おしり洗浄の開始を指示する無線信号の受信に応じて、ノズル130をボウル部内に進出させ、ノズル130からの吐水を開始する。
制御部250は、例えば、同じ無線信号をトイレ装置100に複数回送信する。制御部250は、例えば、同じ無線信号をトイレ装置100に3回送信する。これにより、例えば、リモコン装置200とトイレ装置100との間の通信ミスを抑制することができる。
制御部250は、例えば、マイコン251と、高周波発生回路253と、送信部255と、を有する。マイコン251は、例えば、押し操作された操作ボタン210の判別、及び、判別した操作ボタン210に対応する信号の生成を行う。高周波発生回路253は、例えば、マイコン251の生成した信号を高周波信号に変換する。高周波発生回路253は、例えば、2.4GHzの高周波信号を生成する。送信部255は、例えば、アンテナを含み、高周波発生回路253の生成した高周波信号を無線信号に変換してトイレ装置100に送信する。
制御部250は、2.4GHzの無線信号をトイレ装置100に送信する。2.4GHz帯を用いた無線通信では、例えば、赤外線通信の場合のように、電波の透過窓(いわゆる黒窓)をリモコン本体201に設ける必要がない。これにより、例えば、リモコン装置200の意匠性を高めることができる。また、2.4GHz帯を用いた無線通信では、赤外線通信に比べて障害物の影響が小さい。これにより、トイレ装置100との間の通信品質を高めることもできる。
なお、マイコン251、高周波発生回路253及び送信部255は、1つのチップ内に納めてもよいし、異なる素子として分けてもよい。リモコン装置200とトイレ装置100との間の通信は、上記に限ることなく、任意でよい。制御部250の構成は、上記に限ることなく、操作ボタン210の判別やトイレ装置100との無線通信などが可能な任意の構成でよい。
電源部243は、発電部220によって発電された電力を蓄積する蓄電素子245を有する。電源部243は、蓄電素子245の電圧が所定値以上になった際に、蓄電素子245に蓄積された電力を制御部250に供給して制御部250を起動させる。蓄電素子245には、例えば、コンデンサや蓄電池などが用いられる。
ここで、「蓄電素子245の電圧が所定値以上になった際」とは、例えば、制御部250の起動及び無線信号の送信に必要な電力が蓄電素子245に蓄積された際である。制御部250が無線信号を複数回送信する場合には、制御部250の起動及び無線信号の複数回の送信に必要な電力が蓄電素子245に蓄積された際である。このように、蓄電素子245の電圧の前記所定値は、制御部250での消費電力に応じて設定される。所定値は、例えば、3.5Vである。「蓄電素子245の電圧が所定値以上になった際」とは、換言すれば、発電部220の発電の積算量が所定値以上になった際である。
また、蓄電素子245の容量は、例えば、制御部250の起動及び無線信号の送信に必要な電力を蓄積できる最低限の容量に設定される。これにより、例えば、蓄電素子245の大型化を抑制できる。また、蓄電素子245に残った余剰の電力によって、制御部250が誤動作を起こすことなどを抑制できる。
次に、本実施形態にかかるリモコン装置の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図5は、本実施形態にかかるリモコン装置の具体例を表す模式的斜視図である。
図6は、本具体例のリモコン装置を表す模式的分解図である。
図7は、本具体例のリモコン装置を表す他の模式的分解図である。
本具体例のリモコン装置300は、第1のケース(リモコン本体)301と、第2のケース(リモコン本体)302と、ベース304と、基板306と、操作ボタン310と、発電部320と、伝達機構(リンク機構)330と、を備える。
操作ボタン310は、複数のボタンを有する。図5に表したように、本具体例の操作ボタン310は、第1のボタン311と、第2のボタン312と、第3のボタン313と、第4のボタン314と、第5のボタン315と、第6のボタン316と、第7のボタン317と、第8のボタン318と、第9のボタン319と、を有する。操作ボタン310が有するボタンの数は、これだけには限定されない。例えば、第1のボタン311は、図2〜図3(c)に関して前述したおしり洗浄ボタン211に相当する。例えば、第2のボタン312は、図2〜図3(c)に関して前述したビデ洗浄ボタン212に相当する。
操作ボタン210は、第1のケース301に設けられ、押動部310aを有する。図7に表したように、第4のボタン314は、押動部314aを有する。第9のボタン319は、押動部319aを有する。
発電部320は、ベース304に設けられ、本体モジュール321と、可動部322と、を有する。本具体例の発電部320は、図2〜図3(c)に関して前述した発電部220と同様である。
伝達機構330は、ベース304において、操作ボタン310と発電部320との間に設けられている。伝達機構330は、メインリンク331と、サブリンク332と、連結アーム333と、メイン回転カム(受け部)334と、サブ回転カム(受け部)335と、を有する。伝達機構330は、操作ボタン310の押し操作にともなう操作力を発電部320に伝達する。メインリンク331は、図2〜図3(c)に関して前述した第1伝達部231に相当する。サブリンク332は、図2〜図3(c)に関して前述した第2伝達部232に相当する。連結アーム333は、図2〜図3(c)に関して前述した連結部材233に相当する。
基板306は、ベース304に固定されている。図4に関して前述した電源部243および制御部250は、基板306に設けられている。ベース304は、発電部320と、伝達機構330と、基板306と、を保持した状態で第2のケース302に固定されている。つまり、発電部320、伝達機構330、および基板306は、ベース304を介して第2のケース302に固定されている。発電部320、伝達機構330、および基板306は、第2のケース302に直接的には固定されていない。ベース304は、第1のケース301と第2のケース302との間に設けられている。言い換えれば、ベース304は、リモコン本体201の内部に設けられている。第1のケース301および第2のケース302は、図2〜図3(c)に関して前述したリモコン本体201に相当する。
本具体例のリモコン装置300は、ハンガ309によりトイレ室の壁面10(例えば図1参照)に設置されている。ハンガ309は、例えば金属により形成されている。なお、本具体例のリモコン装置300は、ハンガ309を介さずに直接的にトイレ室の壁面10に設置されていてもよい。本具体例によれば、発電部320が第2のケース302には固定されずベース304に固定されているため、リモコン装置200から壁面10へ伝わる振動や音をより抑制することができる。
図8は、本具体例の伝達機構の動作を説明する模式的平面図である。
図9は、図8(a)に表した領域AR1を拡大した模式的拡大図である。
図8(a)は、操作ボタンの押し操作が行われる前の伝達機構の状態を表す模式的平面図である。図8(b)は、操作ボタンの押し操作が行われた後の伝達機構の状態を表す模式的平面図である。なお、図8(a)および図8(b)では、説明の便宜上、第1のケース301および操作ボタン310を省略している。
図8(a)に表したように、操作ボタン310の押し操作が行われる前では、可動部322は、本体モジュール321から突出した突出位置にある。このとき、操作ボタン310の各ボタンは、オフ状態である。また、発電部320は、発電を行わない。
図9に表したように、軸334aの周囲には、バネ336が設けられている。例えば、バネ336としては、ねじりコイルばねなどが挙げられる。メイン回転カム334は、バネ336の弾性力を受けつつ、軸334aを中心として回転することができる。メイン回転カム334は、操作ボタン310の押し操作が行われる前では、バネ336により図9に表した定常位置に保持される。サブ回転カム335の構造は、メイン回転カム334の構造と同様である。
続いて、例えば使用者などが操作ボタン310の第1のボタン311を押し操作する場合を例に挙げ説明する。例えば使用者などが第1のボタン311を押し操作すると、その操作力が操作ボタン310の押動部310a(図7参照)からメイン回転カム334に伝わる。すると、メイン回転カム334は、操作力を受け、バネ336の弾性力に対抗しつつ軸334aを中心として図9に表した矢印AW11の方向に回転する。メイン回転カム334は、図9に表した矢印AW11の方向に回転すると、メインリンク331を図9および図8(b)に表した矢印AW12の方向へ押す。これにより、メインリンク331は、図9および図8(b)に表した矢印AW12の方向(壁面10と略平行な方向)に移動する。
メインリンク331およびサブリンク332は、連結アーム333によって互いに接続されている。これにより、メインリンク331およびサブリンク332は、互いに連動して移動する。そのため、メインリンク331が図9および図8(b)に表した矢印AW12の方向に移動すると、連結アーム333は、軸333dを中心として図8(b)に表した矢印AW13の方向に回転する。すると、サブリンク332は、図8(b)に表した矢印AW14の方向(壁面10と略平行な方向)に移動する。
サブリンク332は、図8(b)に表した矢印AW14の方向に移動し、発電部320の可動部322を突出位置から押し込み位置に移動させる。このとき、発電部320の可動部322が押し込まれる方向は、壁面10と略平行である。言い換えれば、リモコン装置300がトイレ室の壁面10に設置された状態において発電部320の可動部322の押圧方向は、壁面10と略平行である。これにより、第1のボタン311の押し操作によって、発電部320が発電を行う。なお、第2のボタン312、第3のボタン313、および第4のボタン314の押し操作によっても、伝達機構330の同様の動作に基づいて、発電部320が発電を行う。
次に、例えば使用者などが操作ボタン310の第5のボタン315を押し操作する場合を例に挙げ説明する。
操作ボタン310の押し操作が行われる前の状態は、図8(a)に関して前述した通りである。
例えば使用者などが第5のボタン315を押し操作すると、その操作力が操作ボタン310の押動部310aからサブ回転カム335に伝わる。すると、サブ回転カム335は、操作力を受け、バネ336の弾性力に対抗しつつ軸335aを中心として図8(b)に表した矢印AW15の方向に回転する。サブ回転カム335は、図8(b)に表した矢印AW15の方向に回転すると、サブリンク332を図8(b)に表した矢印AW14の方向へ押す。これにより、サブリンク332は、図8(b)に表した矢印AW14の方向に移動する。
サブリンク332は、図8(b)に表した矢印AW14の方向に移動し、発電部320の可動部322を突出位置から押し込み位置に移動させる。これにより、第5のボタン315の押し操作によって、発電部320が発電を行う。なお、第6のボタン316、第7のボタン317、第8のボタン318、および第9のボタン319の押し操作によっても、伝達機構330の同様の動作に基づいて、発電部320が発電を行う。
本具体例の伝達機構330について、図面を参照しつつさらに説明する。
図10は、本具体例の伝達機構を保持したベースを表す模式的斜視図である。
図11は、本具体例の伝達機構を分解して表した模式的分解図である。
図12は、操作ボタンおよびメイン回転カムの動作を説明する模式的斜視図である。
図13は、メイン回転カムおよびメインリンクの動作を説明する模式的斜視図である。
図14は、本具体例のメイン回転カムを表す模式的分解図である。
図12(a)は、操作ボタンの押し操作が行われる前の状態を表す模式的斜視図である。図12(b)は、操作ボタンの押し操作が行われた後の状態を表す模式的斜視図である。
図13(a)および図13(b)は、操作ボタンの押し操作が行われた後の状態を表す模式的斜視図である。図13(b)では、説明の便宜上、メインリンク331を省略している。
図10および図11に表したように、本具体例の伝達機構330は、メインリンク331と、サブリンク332と、連結アーム333と、メイン回転カム334と、サブ回転カム335と、を有する。図11に表したように、メイン回転カム334には、ベース304に設けられた軸334aが挿入されている。これにより、メイン回転カム334は、軸334aを中心として回転することができる。サブ回転カム335には、ベース304に設けられた軸335aが挿入されている。これにより、サブ回転カム335は、軸335aを中心として回転することができる。
軸334aの周囲には、バネ336が設けられている。メイン回転カム334は、操作ボタン310の押し操作が行われる前では、バネ336により図10に表した定常位置に保持される。軸335aの周囲には、バネ336が設けられている。サブ回転カム335は、操作ボタン310の押し操作が行われる前では、バネ336により図10に表した定常位置に保持される。
図11に表したように、連結アーム333は、第1の突起部333aと、第2の突起部333bと、を有する。第1の突起部333aは、メインリンク331と係合している。第2の突起部333bは、サブリンク332と係合している。これにより、メインリンク331およびサブリンク332は、連結アーム333によって互いに接続されている。
ここでは、例えば使用者などが操作ボタン310の第1のボタン311を押し操作する場合を例に挙げ説明する。図12(a)に表したように、第1のボタン311の押し操作が行われる前では、第1のボタン311の押動部311aは、メイン回転カム334の受け面334bの上に存在する。
続いて、図12(b)に表した矢印AW21のように、例えば使用者などが第1のボタン311を押し操作すると、第1のボタン311の押動部311aは、メイン回転カム334の受け面334bを図12(b)に表した矢印AW21の方向へ押す。図12(b)および図13(a)に表したように、メイン回転カム334の受け面334bは、操作ボタン310の押し操作の方向(矢印AW21の方向)に対して傾斜している。そのため、メイン回転カム334は、図12(b)に表した矢印AW22の方向および図13(a)に表した矢印AW23の方向に軸334aを中心として回転する。
すると、図13(a)に表したように、メイン回転カム334は、メインリンク331の内面331aを図13(a)に表した矢印AW24の方向へ押す。これにより、メインリンク331は、図13(a)に表した矢印AW24の方向(壁面10と略平行な方向)に移動する。このように、第1のボタン311の押動部311aは、メイン回転カム334の受け面334bを押すことでメインリンク331をスムーズに移動させることができる。
図13(b)および図14に表したように、磁石341がメイン回転カム334に保持されている。より具体的には、図14に表したように、メイン回転カム334は、凹部334cを有する。磁石341は、メイン回転カム334の凹部334cに保持されている。磁石341は、本具体例の検出部340が有する部材のひとつである。本具体例の検出部340の詳細については、後述する。
図15は、サブ回転カムおよびサブリンクの動作を説明する模式的斜視図である。
ここでは、例えば使用者などが操作ボタン310の第5のボタン315を押し操作する場合を例に挙げ説明する。第5のボタン315の押し操作が行われる前では、第5のボタン315の押動部315aは、サブ回転カム335の受け面335bの上に存在する。
続いて、図15に表した矢印AW25のように、例えば使用者などが第5のボタン315を押し操作すると、第5のボタン315の押動部315aは、サブ回転カム335の受け面335bを押す。図15に表したように、サブ回転カム335の受け面335bは、操作ボタン310の押し操作の方向(矢印AW25の方向)に対して傾斜している。そのため、サブ回転カム335は、図15に表した矢印AW26の方向に軸335aを中心として回転する。
すると、サブ回転カム335は、サブリンク332の内面332aを図15に表した矢印AW27の方向へ押す。これにより、サブリンク332は、図15に表した矢印AW27の方向(壁面10と略平行な方向)に移動する。このように、第5のボタン315の押動部315aは、サブ回転カム335の受け面335bを押すことでサブリンク332をスムーズに移動させることができる。
図15に表した矢印AW28のように、サブリンク332は、図15に表した矢印AW27の方向に移動すると、発電部320の可動部322を突出位置から押し込み位置に移動させる。
次に、本具体例の伝達機構330が有する部材の詳細について、図面を参照しつつ説明する。
図16は、本具体例のメイン回転カムを表す模式図である。
図16(a)は、本具体例のメイン回転カムを表す模式的斜視図である。図16(b)は、図16(a)に表した矢印AW31の方向にみたときのメイン回転カムを表す模式的平面図である。
本具体例のメイン回転カム334は、受け面334bと、ラウンド部334eと、凸部334fと、を有する。受け面334bは、操作ボタン310の押し操作の方向(図12(b)および図16(b)に表した矢印AW21参照)に対して傾斜している。これにより、操作ボタン210の押し操作にともなう操作力を、壁面10に対して略垂直な方向から壁面10と略平行な方向に変換することができる。ラウンド部334eは、メインリンク331の内面331aを押す。ラウンド部334eは、湾曲形状を有するため、メイン回転カム334の回転角度によらず安定的にメインリンク331の内面331aを押すことができる。凸部334fには、バネ336が引っ掛けられる。
本具体例のメイン回転カム334は、凹部334cと、穴334dと、を有する。凹部334cには、磁石341が保持される。穴334dには、ベース304に設けられた軸334aが挿入される。
なお、サブ回転カム335の構造は、メイン回転カム334の構造と同様である。
図17は、本具体例のサブリンクを表す模式的斜視図である。
図17(a)は、サブリンクがベースに取り付けられた状態においてベースの側から眺めた模式的斜視図である。図17(b)は、サブリンクがベースに取り付けられた状態においてベースとは反対の側(第1のケース301の側)から眺めた模式的斜視図である。
本具体例のサブリンク332は、内面332aを有する。サブ回転カム335が回転しサブリンク332の内面332aを押すことで、サブリンク332は、壁面10と略平行な方向に移動する。
本具体例のサブリンク332は、溝部332bを有する。溝部332bには、連結アーム333の第2の突起部333b(図11参照)が挿入される。つまり、連結アーム333の第2の突起部333bは、溝部332bに挿入され、サブリンク332と係合する。なお、メインリンク331の構造は、サブリンク332の構造と同様である。
図18は、本具体例の連結アームを表す模式的斜視図である。
図18(a)は、連結アームがベースに取り付けられた状態においてベースとは反対の側(第1のケース301の側)から眺めた模式的斜視図である。図18(b)は、連結アームがベースに取り付けられた状態においてベースの側から眺めた模式的斜視図である。
本具体例の連結アーム333は、第1の突起部333aと、第2の突起部333bと、を有する。第1の突起部333aは、連結アーム333がベース304に取り付けられた状態において、メインリンク331へ向かって突出している。第1の突起部333aは、メインリンク331の溝部(図示せず)に挿入される。第2の突起部333bは、連結アーム333がベース304に取り付けられた状態において、サブリンク332へ向かって突出している。第2の突起部333bは、サブリンク332の溝部332bに挿入される。
本具体例の連結アーム333は、穴333cを有する。穴333cは、第1の突起部333aと第2の突起部333bとの間に設けられている。穴333cには、ベース304に設けられた軸333d(図11参照)が挿入される。これにより、連結アーム333は、軸333dを中心として回転することができる。
次に、本具体例の検出部について、図面を参照しつつ説明する。
図19は、本具体例の検出部を説明する模式図である。
図20は、図19(a)に表した矢印AW41の方向に眺めた模式的平面図である。
図21は、本具体例の検出部を説明する模式的分解図である。
図19(a)は、本具体例の検出部を説明する模式的斜視図である。図19(b)は、図19(a)に表した領域AR2を拡大した模式的拡大図である。
図20および図21に表したように、本具体例の検出部340は、磁石341と、ホール素子343と、を有する。本具体例の検出部340は、図4に関して前述した検出部241に相当する。図14に関して前述したように、磁石341は、メイン回転カム334の凹部334cに保持されている。図20および図21に表したように、ホール素子343は、基板306に設けられている。
図12(a)および図12(b)に関して前述したように、例えば使用者などが操作ボタン310を押し操作すると、操作ボタン310の押動部310aは、メイン回転カム334の受け面334bを押す。これにより、メイン回転カム334は、軸334aを中心として回転する。
磁石341は、メイン回転カム334に保持されているため、メイン回転カム334が回転するとメイン回転カム334とともに移動する。すると、磁石341とホール素子343との間の距離が変化する。これにより、操作ボタン310の押し操作が検出される。なお、磁石341およびホール素子343の設置位置は、本具体例には限定されない。例えば、ホール素子343がメイン回転カム334に設けられ、磁石341が基板306に設けられていてもよい。また、操作ボタン310の押し操作の検出方法は、本具体例には限定されない。
図19(a)〜図21では、メイン回転カム334に設けられた磁石341を有する検出部340について説明した。磁石341は、サブ回転カム335の凹部(図示せず)にも保持されている。これにより、サブ回転カム335の回転とともに移動する磁石341と、ホール素子343と、の間の距離が変化することによっても、操作ボタン310の押し操作が検出される。
次に、図22及び図23を参照して、発電ユニットGUにおける電力の発生について説明する。図22は、本発明の実施形態に係るリモコン装置のバネ機構を示す正面視における模式図であり、図23は、本発明の実施形態に係るリモコン装置の発電機構を示す側面視における模式図である。
図22(A)は、メインボタン群MBとサブボタン群SBのいずれのボタンも押されていない状態を示し、図22(B)は、いずれかのボタンが押し込んでいる状態を示し、図22(C)は、使用者がボタンを最も押し込んだ状態を示す図である。発電ユニットGUに内蔵されるバネ機構GSは、キーG2と、第1バネG4と、第2バネG7を備える。
キーG2は、リモコン装置RCの幅方向に延びる棒状の部材であり、その下部には突起G2bを有している。また、キーG2の上面の一部にはラックG2cが形成されている。発電ユニットGUの内部に設けられる台座G6には、第2バネG7の一端が固定されている。
図22(A)に示す状態では、この第2バネG7は、その他端によってキーG2の端面G2aを力F7で付勢し、突起G2bを発電ユニットGUの内部に設けられるストッパG3に当接させてキーG2を静止させている。また、ストッパG3には第1バネG4の一端が固定されており、他端がキーG2の凹部G2dに固定されている。図22(A)に示す状態では、第1バネG4の長さはほぼ自然長であり、キーG2にほとんど力を及ぼしていない。
図23に示すように、発電機構GGは、歯車G9と、回転軸G10と、永久磁石G11と、コイルG13と、出力端子G15を備えている。
歯車G9はキーG2の上方に配置され(図22参照)、その外周に設けられた複数の歯G9aが、キーG2のラックG2cの一部と噛み合っている。回転軸G10は、歯車G9の回転中心になるとともに、歯車G9とともに回転するよう設けられる。また、回転軸G10には永久磁石G11が固定されている。永久磁石G11の周囲には、円筒形状のコイルG13が回転軸G10とほぼ同軸となるよう設けられている。
以上のように構成された発電ユニットGUにおいて、メインボタン群MBとサブボタン群SBのいずれかのボタンが押し込まれた場合を考える。このボタンの押し込みによって第2スライド部材20がスライドを開始すると、上記のように発電ユニットGUの入力部GU2が押し込まれる(図2参照)。この際、図22(B)に示すように、キーG2はその端部G2dにおいて力F9を受ける。入力部GU2が受けた力は、図示しないラッチ機構を介してキーG2の端部G2dに伝達される。これにより、キーG2は矢印A10の方向に移動し、力F11を受けながら第2バネG7を圧縮させるとともに、力F10を受けながら第1バネG4を伸張させる。これにより、第2スライド部材20から入力された機械的エネルギーが、第1バネG4と第2バネG7の変形による弾性エネルギーとして蓄積されていく。
また、キーG2が矢印A10の方向に移動することで、歯G9aがラックG2cと噛み合っている歯車G9も、矢印R1の方向に回転する。これにより、回転軸G10に固定されている永久磁石G11がコイルG13内で矢印R1の方向に回転し、電磁誘導によって電力が発生する。発生した電力は、コイルG13の出力端子より取り出され、コンデンサ30に充電される。
使用者がさらにボタンを押し込み、ボタンがストッパに当接するまで押し込まれると(図4下段参照)、入力部GU2とキーG2の端部G2dとの間に介在するラッチ機構(図示せず)の解除が行われる。これにより、ボタンがストッパに当接したままの状態であっても、図22(C)に示すように、キーG2は復元しようとする第1バネG4と第2バネG7から、それぞれ力F13、力F14を受け、矢印A12の方向へと移動する。これにより、第1バネG4と第2バネG7の変形による弾性エネルギーとして蓄積されていた機械的エネルギーが放出される。
この際、キーG2が矢印A12の方向に移動することで、歯車G9は矢印R2の方向に回転する。これにより、永久磁石G11がコイルG13内で矢印R2の方向に回転して電力が発生し、その電力がコンデンサ30に充電される。第1バネG4と第2バネG7は急速に復元するため、永久磁石G11矢印R2の方向への回転速度は、上記の矢印R1の方向への回転速度よりも大きなものとなる。
図25は、本具体例の変形例2のメイン回転カムを表す模式図である。変形例2の具体的な構成は上述したリモコン装置200とほぼ同じ構成であり、上述したメイン回転カム334が、図25のメイン回転カム3342に置き換わったものである。
メイン回転カム334と、変形例2のメイン回転カム3342との違いは、受け面334bの形状が違うことである。具体的には、メイン回転カム3342は、操作ボタン210の押動部311aから押される受け面3342bを有する。
受け面3342bは、操作ボタン310の押し操作の方向に対して一定の角度で傾斜しており、受け面の途中から角度が変化する第一変化点3342gを備える。受け面3342bは、押動部311aから押される初期は、受け面334bより緩やかな第一傾斜部3342hであり、第一変化点3342g以降は、第一傾斜部3342hに比べて急な第二傾斜部3342iを有する形状となっている。また、第二傾斜部3342iは、受け面334bより急な角度の傾斜である。
図26は、本具体例の変形例2の操作ボタンの押し込み量と操作力との関係を表したグラフと図24との比較グラフである。破線は、角度が変化する変化点を表している。
図26から、第一傾斜部3342hを押すための操作力は、比較グラフの操作力より大きい操作力が必要である。これは、第一傾斜部3342hの方が、傾斜が緩やかな分、力の伝達効率が悪くなるため大きな力でメイン回転カム3342を押す必要があるためである。第一傾斜部3342hは、比較グラフの傾斜と比べて、傾斜が緩やかであるため、押し込み量に対して、メイン回転カム3342の回転量(移動量)が多い。例えば、同じ押し込み量1mmでも、緩やかな傾斜の場合は、回転量が3mm、比較グラフの傾斜の場合は、回転量が2mmになる。
一方、第一傾斜部3342hを押すための操作力である前半部分は、比較グラフの操作力より大きいが、第二傾斜部3342iを押すための操作力である後半部分は、小さくなる。
図26から、操作力の最大値が、比較グラフの最大値P1より変形例2のグラフの最大値P2のほうが小さい。これは、操作力が最大となる付近の傾斜を急な傾斜とすることで、操作力の最大値を小さくしたからである。発電をするための仕事量は同じでも、操作力の最大値が下がることで、使用者にとって使い勝手が良いリモコンとなる。つまり、変形例2における発電を行うための操作ボタン310の押し操作の操作力の最大値を下げる操作力調整手段は、受け面の傾斜角度を途中から変更することで達成されるものである。
図27は、本具体例の変形例3のメイン回転カムを表す模式図である。変形例3の具体的な構成は上述したリモコン装置200とほぼ同じ構成であり、上述したメイン回転カム334が、図27のメイン回転カム3343に置き換わったものである。
変形例3の構成は、変形例2の受け面の構成が違うだけで他は同じである。
受け面3343bは、操作ボタン310の押し操作の方向に対して一定の角度で傾斜しており、受け面の途中から角度が変化する第二変化点3343gを2箇所備える。受け面3343bは、押動部311aから押される初期は、受け面334bより緩やかな第三傾斜部3343hであり、初めの第二変化点3343g以降は、第三傾斜部3343hに比べて急な第四傾斜部3343iを有する形状となっている。更に、後の第三変化点3343j以降は、第四傾斜部3343iより更に急な第五傾斜部3343kとなっている。また、第二傾斜部3342iは、受け面334bより急な角度の傾斜である。
変形例3は、緩やかな傾斜を変形例2の傾斜より長くすることで、押し込み量を比較グラフより短くできる。
図28は、本具体例の変形例3の操作ボタンの押し込み量と操作力との関係を表したグラフと図24との比較グラフである。破線は、角度が変化する変化点を表している。
図28からも分かるように、変形例3も変形例2と同様に、操作力の最大値が、比較グラフの最大値P1より変形例3のグラフの最大値P3のほうが小さい。つまり、変形例3における発電を行うための操作ボタン310の押し操作の操作力の最大値を下げる操作力調整手段は、受け面の傾斜角度を途中から変更することで達成されるものである。
つまり、変形例2及び変形例3は、操作力が大きくなる位置に、操作する力が小さい急な傾斜面を位置させることで、操作力の最大値を下げつつ、操作力の波形を調整することできるため、使用者の操作性を上げ、使用者の使い勝手を良くするだけでなく、使用者の操作感も良いリモコンとしている。また、何度も保持と保持状態の破壊を繰り返すため、操作力は一定ではなく山が複数存在する形となる。そのため、大きい操作力が何度も必要となり使用者にとって使い勝手が悪かったが、前半の操作力が軽い部分を上げ、後半の操作力が重い部分を下げることで、リモコンの操作ストローク内の操作力の差の軽減を実現させ、使用者にとって操作感のよいリモコンとなった。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、リモコン装置200、300および伝達機構230、330などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや操作ボタン210、310および検出部340の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
特に、受け面の角度や角度の変化点の位置については、様々な種類の発電部によって変更可能である。