JP6846936B2 - プラスチックキャップ - Google Patents
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Description
一般にスパウトは、袋状容器に溶着固定される注出口を有する本体と、この注出口と螺子係合するキャップとから成っているが、このような内容物を収納するパウチに取り付けられたスパウトは、比較的口径が小さい場合が多く、キャップも小径となるため、キャップを指先で把持して開封しなければならず、開封しにくいという問題がある。
本発明によればまた、頂板部、及び該頂板部の周縁から垂下するスカート部から成り、該スカート部内面には容器口部外面に形成された螺子条と螺子係合する螺子条が形成されたキャップ本体と、該キャップ本体のスカート部外面から延びる複数の連結部を介して前記キャップ本体と一体に成形された把持リングとから成るプラスチックキャップであって、前記連結部のキャップ中心側に延びる延長線が、前記キャップ本体の中心を通らず、前記キャップ本体のスカート部下端に、弱化部を介してタンパーエビデントバンドが形成されていることを特徴とするプラスチックキャップが提供される。
1.前記連結部が、前記スカート部外周を等間隔に分割した各位置から外方に延び、且つ該位置における接線に対して同一角度をなす複数のリブから成ること、
2.前記リブがキャップの開栓方向に傾斜していること、
3.前記複数の隣接するリブの間に、前記把持リング内側又は前記スカート部外面から延びる複数のフラップ片が形成されていること、
4.前記連結部が、前記キャップ本体の中心又は直径に対して対称に形成されている複数のリブから成ること、
5.前記把持リングの上端が前記キャップ本体の頂板部よりも低い位置にあり、前記連結部を構成するリブの上端が、前記キャップ本体の頂板部から把持リングの上端に向かう曲線を構成すること、
6.前記把持リングの下端の位置が、前記キャップ本体のスカート部下端の位置とほぼ一致し、且つ前記連結部が前記把持リングの下端を含む位置から前記スカート部外面に延びるリブとして形成されていること、
が好適である。
しかも連結部のキャップ本体側の延長線がキャップ本体中心を通らず、成形時の型抜きの妨げにならないことから、連結部をキャップ本体とほぼ同程度の高さに形成することができ、その結果、把持リングをキャップ本体とほぼ同じ高さにしても、把持リングを把持した際に上方が撓んでしまうようなこともなく、把持性に優れている。
更に、連結部がキャップ本体スカート部外周を等間隔に分割した各位置から外方に延び、且つキャップの中心に対して点対称、或いはキャップの直径に対して線対称に形成されていることにより、開閉操作の際に、把持リングのどの部分を把持してもキャップ本体に対して同じように力を伝達することが可能であり、特に連結部がキャップの開栓方向に傾斜することにより、開栓し始めの力をキャップ本体に効率よく伝達することができ、開栓性に優れている。
図1〜3は、本発明のプラスチックキャップの一例を示す図であり、本発明のプラスチックキャップは、概略的に言って、キャップ本体1とこのキャップ本体1のスカート部12を外側から覆う把持リング2が連結部3によって一体的に成形されて成るものである。
キャップ本体1は、頂板部11、この頂板部11の周縁から垂下するスカート部12から成り、頂板部11の内面にはインナーリング13が形成されており、スカート部12の内面には容器口部(図示せず)の外面に形成された螺子条と螺子係合する螺子条14が形成されている。またスカート部12の下端には、弱化部15を介してタンパーエビデントバンド(以下、「TEバンド」ということがある)16が形成されている。TEバンド16には、開封時にこのTEバンド16を破断するための縦方向破断部17が形成されている。このTEバンド16の構成は周知であり、詳細は特開2015―217966を参照されたい。
図1〜3に示すプラスチックキャップにおいては、スカート部12と把持リング2を連結する連結部3,3・・・はすべて、キャップ本体1のスカート部12の外周面を均等に6分割した位置からキャップの開栓方向に向いて傾斜しており、連結部3,3・・・のキャップ中心側に延びる延長線が、キャップ本体1の中心Oを通らないことが重要な特徴である。
すなわち、複数個の連結部3,3・・・のキャップ中心側に延びる延長線がキャップ本体1の中心Oを通り、キャップ本体1及び把持リング2を最短長さで連結してしまう場合には、キャップ本体1は把持リング2によって半径方向に外側から拘束されてしまうため、キャップ本体1のスカート部12が半径方向外方に容易に広がることができず、キャップ成形の際に金型から容易に取り出すことができない。これに対して、複数の連結部3,3・・・のキャップ中心側に延びる延長線がキャップ本体1の中心Oを通らない、すなわち連結部3,3・・・はキャップの半径方向放射状に延びていないので、スカート部12は半径方向外方に容易に広がることができ、螺子条14がまくれることなく、金型から容易に取り外すことが可能になる(図1(A)参照)。
また、図2に示すように、連結部3,3・・・を構成するリブのすべてが、キャップ本体1のスカート部12の外周を等間隔に分割した位置から外方に延び、且つこの位置における接線Lに対して同一角度θ(図2においては約60度)に傾斜し、把持リング2の下端から上端の高さで板状に連結されている。また、この傾斜方向がプラスチックキャップの開栓方向であることにより、プラスチックキャップを開封する際に連結部3,3・・・が開栓方向と同一方向に撓むことから、キャップの開栓を妨げになることがなく、開栓トルクが急激に上昇する虞がない。尚、図2における傾斜角度θは、35〜85度の範囲にあることが好ましい。
更に図2(A)から明らかなように、連結部3,3・・・及びフラップ片21,21・・・はキャップ本体1の中心Oに対して点対称に形成されており、把持リング2のどの部分を持っても同じようにキャップ本体1に旋回力を伝達することが可能であり、把持リング2の外周面に形成されたローレット溝22と相俟って、キャップの開閉操作を容易に行うことが可能になる。
例えば、図に示した具体例では、キャップ本体1にはTEバンド16が形成されていたが、シュリンクフィルムでキャップ全体1を覆うような場合等には、TEバンド16は必ずしも形成されていなくてもよい。
また図1〜3に示した態様では、フラップ片21をすべての連結部の間に同数形成していたが、部分的に設けることもできる。尚、部分的に設ける場合であっても、連結部3及びフラップ片21がキャップ本体1の中心Oに対して点対称、或いは直径に対して線対称であることがバランスの良いキャップを成形する上で好ましい。
また連結部3の個数は、キャップ本体1及び把持リング2の大きさ、或いは傾斜方向によっても異なり、一概に規定できないが、成形性及び開栓性の観点から、3〜9個の範囲で形成されていることが好適である。
更に、図に示した具体例では、キャップ本体頂板部11にはインナーリング13が形成されていたが、インナーリング13に代えて、別途形成されたシール部材をキャップ本体頂板部11に設けることもできる。
本発明のプラスチックキャップは、キャップ本体1の外径が12〜20mmの範囲にある、特に口径の小さいスパウトに好適に使用できるが、これに限定されず、21〜30mmの範囲にある外径のプラスチックキャップであっても、把持リング2を設けることによって把持性が向上し、開栓性が向上する。
Claims (8)
- 頂板部、及び該頂板部の周縁から垂下するスカート部から成り、該スカート部内面には容器口部外面に形成された螺子条と螺子係合する螺子条が形成されたキャップ本体と、該キャップ本体のスカート部外面から延びる複数の連結部を介して前記キャップ本体と一体に成形された把持リングとから成るプラスチックキャップであって、
前記連結部のキャップ中心側に延びる延長線が、前記キャップ本体の中心を通らず、
前記連結部が、前記把持リングとほぼ同じ高さを有することを特徴とするプラスチックキャップ。 - 頂板部、及び該頂板部の周縁から垂下するスカート部から成り、該スカート部内面には容器口部外面に形成された螺子条と螺子係合する螺子条が形成されたキャップ本体と、該キャップ本体のスカート部外面から延びる複数の連結部を介して前記キャップ本体と一体に成形された把持リングとから成るプラスチックキャップであって、
前記連結部のキャップ中心側に延びる延長線が、前記キャップ本体の中心を通らず、
前記キャップ本体のスカート部下端に、弱化部を介してタンパーエビデントバンドが形成されていることを特徴とするプラスチックキャップ。 - 前記連結部が、前記スカート部外周を等間隔に分割した各位置から外方に延び、且つ該位置における接線に対して同一角度をなす複数のリブから成る請求項1又は2記載のプラスチックキャップ。
- 前記リブがキャップの開栓方向に傾斜している請求項3記載のプラスチックキャップ。
- 前記複数の隣接するリブの間に、前記把持リング内側又は前記スカート部外面から延びる複数のフラップ片が形成されている請求項3又は4記載のプラスチックキャップ。
- 前記連結部が、前記キャップ本体の中心又は直径に対して対称に形成されている複数のリブから成る請求項1〜5の何れかに記載のプラスチックキャップ。
- 前記把持リングの上端が前記キャップ本体の頂板部よりも低い位置にあり、前記連結部を構成するリブの上端が、前記キャップ本体の頂板部から把持リングの上端に向かう曲線を構成する請求項1〜6の何れかに記載のプラスチックキャップ。
- 前記把持リングの下端の位置が、前記キャップ本体のスカート部下端の位置とほぼ一致し、且つ前記連結部が前記把持リングの下端を含む位置から前記スカート部外面に延びるリブとして形成されている請求項2〜7の何れかに記載のプラスチックキャップ。
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