JP6497802B2 - 容器 - Google Patents

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Description

本発明は、容器に関する。
歯磨剤等を収容するチューブ容器や、化粧品等を収容するボトル容器におけるキャップとしては、ヒンジ式キャップが知られている。ヒンジ式キャップの具体例としては、筒状の外筒壁の下端が容器本体の上端部に打ち込み式の嵌合によって固定され、該外筒壁の上端を閉止するように設けられ、かつ中央部に内容物を注出する注出口が形成された天板部に、ヒンジ部を介して前記注出口を閉止する上蓋部が設けられたキャップが挙げられる。このようなヒンジ式キャップを備える容器は、片手で上蓋部を空けやすいため、使用性に優れる。しかし、該ヒンジ式キャップでは、内容物の残量が少なくなるにつれてキャップが邪魔になり内容物を押しにくくなる。また、該ヒンジ式キャップは一般的にその容積が大きいため、内容物がキャップ内部に残存して使い切れていない、というイメージを持たれやすい。
そこで、該ヒンジ式キャップをネジ式にして容器本体の上端部に螺合装着して固定する容器が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。該容器では、内容物の残量が少なくなった際に、ヒンジ式キャップを容器本体から外すことで内容物を使い切ることができる。しかし、前記容器では、内容物の残量が少なくなった際にヒンジ式キャップを何周も回転させて取り外す必要があり、キャップの取り外し作業が煩雑である。
また、残量が少なくなった内容物を使い切る際に、ヒンジ式キャップの外筒壁における対向する部分を内側に押圧することで、該外筒壁が容器本体の肩部をせり上がってキャップが外れるようにした容器も提案されている(特許文献4)。
しかし、該容器は、使用者が使用の都度、好みによって開封方式を選択することが想定されていない。すなわち、容器本体からキャップを一度外してしまうと、該キャップを再度容器本体に装着することができない。
また、前記のように、ヒンジ式キャップの容積が大きくなると内容物がキャップ内部に残存して使い切れていないというイメージを持たれやすいことから、キャップに設けられる注出部は、容器本体の上部に形成された口頸部に比べて小さくなる傾向がある。そのため、例えば歯磨剤を収容するチューブ容器では注出した内容物を歯ブラシに載せにくいことがある。
特開平10−258853号公報 特開2008−155961号公報 特開2010−275001号公報 特開2003−12005号公報
本発明は、使用者が好みに応じて開封方法を選択でき、内容物を使い切りやすく、また内容物を注出する際に扱いやすい容器を提供することを目的とする。
本発明の容器は、内容物を収容する容器本体と、該容器本体の上端部に着脱可能に取り付けられるキャップとを備え、前記容器本体は、内容物を収容する胴部と、該胴部の上端に形成され、上方に向かって漸次窄まるように傾斜した肩部と、該肩部の上端に突設され、上端が開口した筒状の首部とを備え、前記キャップは、外筒壁と、前記外筒壁の上端から内方に延び、貫通孔が形成された上板部と、前記上板部の内周縁から上方に延びる突設筒部と、前記上板部とヒンジ部を介して設けられた上蓋部と、を備え、前記首部の外周面には第一の係合部が設けられ、前記突設筒部の内周面には第二の係合部が設けられ、前記キャップを前記容器本体に取り付けた状態で、前記首部における上端側部分が前記上板部の貫通孔から上方に突出し、前記第一の係合部と前記第二の係合部とで係合構造が形成され、前記上蓋部により前記首部における上端の開口が開閉自在に閉じられ、前記外筒壁の対向する部分を径方向の内側に押圧したときに、前記外筒壁の下端が前記肩部に接してせり上がり、前記第一の係合部と前記第二の係合部との係合構造が解除される。
本発明の容器では、前記外筒壁は下方に向かって漸次拡径し、かつ前記外筒壁の下端の底面視形状が、前記ヒンジ部側が直線状又は曲線状に欠けた欠円状であることが好ましい。
また、前記キャップを前記容器本体に取り付けた状態で前記肩部を上側に凸に湾曲させたときに、前記外筒壁の下端が前記肩部と接触しないように、前記外筒壁の下端が前記肩部から離間していることが好ましい。
また、前記外筒壁における、平面視で前記ヒンジ部とその反対側を結ぶX方向に対して垂直なY方向において対向する部分に、前記外筒壁を径方向の内側に押圧する位置を示す押圧位置表示部が設けられていることが好ましい。
また、前記上板部の曲げ剛性が前記外筒壁の曲げ剛性よりも高いことが好ましい。
また、前記突設筒部に、その上端から下方に向かって延びる1つ以上の切欠部が形成されていることが好ましい。
本発明の容器は、使用者が好みに応じて開封方法を選択でき、内容物を使い切りやすく、また内容物を注出する際に扱いやすい。
本発明の容器の一例を示す図であり、容器本体は側面図で示し、キャップは断面図で示す。 図1の容器における上蓋部を開いた図であり、容器本体は側面図で示し、キャップは断面図で示す。 図1の容器におけるキャップの側断面図である。 図1の容器におけるキャップの平面図である。 図1の容器におけるキャップの底面図である。 図1の容器におけるキャップの背面図である。 図1の容器におけるキャップの側面図である。 図1の容器におけるキャップ近傍を拡大した図であり、容器本体は側面図で示し、キャップは断面図で示す。 本発明の他の例の容器におけるキャップ近傍を拡大した図であり、容器本体は側面図で示し、キャップは断面図で示す。 本発明の他の例の容器におけるキャップ近傍を拡大した図であり、容器本体は側面図で示し、キャップは断面図で示す。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「係合状態」とは、2つの係合部(例えば、突起と溝、突起と突起、等)が、嵌合、掛止、当接等によって互いに係り合って特定の方向への移動が規制されている状態を意味する。
「上方」とは、容器本体の底部からキャップの上蓋部に向かう方向を意味し、「上端」とは、該方向の端を意味する。
「下方」とは、キャップの上蓋部から容器本体の底部に向かう方向を意味し、「下端」とは、該方向の端を意味する。
「上下方向」とは、上方及び下方の両方を意味する。
「ヒンジ」とは、2つの材の接合部分に設けられ、回動軸を中心にして2つの材を回動できるようにした機構を意味する。回動軸としては、一方の材の周縁の一部及び他方の材の周縁の一部と一体成形された接合部に形成された、各材の中心と接合部とを結ぶ線分に直交する方向に筋状に延びる折り曲げ可能な薄肉部;一方の材の周縁の一部に一体成形された1つ以上の円筒と、他方の材の周縁の一部に一体成形された1つ以上の円筒とが互い違いになるように、各円筒に挿入された円柱等が挙げられる。
「方向x」とは、平面視においてキャップのヒンジ部からその反対側を結ぶ方向を意味する。
「方向y」とは、平面視において方向xと直交する方向を意味する。
以下、本発明の容器の一例について、図1〜8に基づいて説明する。
本実施形態の容器1は、図1、図2及び図8に示すように、内容物を収容する容器本体2と、容器本体2の上端部に着脱可能に取り付けられるキャップ3と、を備えている。容器1は、ペースト状物等の内容物の収容に用いられる、いわゆるチューブ容器である。
(容器本体)
容器本体2は、内容物を収容する胴部10と、胴部10の上端に形成され、上方に向かって漸次窄まるように傾斜した肩部12と、肩部12の上端に突設され、上端が開口した円筒状の首部14と、を備えている。
首部14の外周面には、首部14の全周にわたって径方向の外側に突き出る環状の第一の係合部16が設けられている。第一の係合部16の縦断面形状は、この例では三角形状であるが、三角形状には限定されず、半円形、矩形等であってもよい。
首部14は、第一の係合部16よりも下方に形成された、外径が他の部分よりも大きくされた大径部14aを有する。
胴部10の下端には、上下方向に直交する方向に延びるエンドシール部10aが形成されている。
容器本体2の材料としては、公知の材料を使用でき、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エラストマー、ポリオキシメチレン(POM)、シリカ、ガラス、金属箔、又はこれらの複合材料等が挙げられる。
(キャップ)
キャップ3は、図3〜8に示すように、円筒状の外筒壁18と、外筒壁18の上端から内方に延び、貫通孔20aが形成された上板部20と、上板部20の内周縁から上方に延びる突設筒部22と、上板部20とヒンジ部24を介して形成された上蓋部26と、を備えている。
外筒壁18においては、キャップ3を容器本体2に取り付けた状態で径方向の内側に押圧されたときに下端18aが肩部12に接するようになっている。そして、外筒壁18における対向する部分を径方向の内側に押圧したときには、外筒壁18の下端18aが肩部12に接し、さらに外筒壁18の下端18aが肩部12をせり上がることで、キャップ3が押し上げられて容器本体2から外れるようになっている。
外筒壁18は、平面視形状が円形におけるヒンジ部24側が直線状に欠けた欠円状であり、下方に向かって漸次拡径している。外筒壁18の下端18aの底面視形状も、円形のヒンジ部24側が直線状に欠けた欠円状になっている。
このように、外筒壁18の平面視形状及び底面視形状をヒンジ部24側が欠けた欠円状にすることで、平面視においてヒンジ部24を容器本体2における胴部10の内側に留めることができ、使用時にヒンジ部24が引っ掛かって取り扱いにくくなることを抑制できる。また、内容物の充填設備のサイズ変更も必要がなく、内容物の充填が容易になる。また、このような欠円状を採用することで、平面視においてヒンジ部24を胴部10の内側に留めつつ、外筒壁18における前面部分及び側面部分の半径を胴部10の上端部の半径と同等となるまで大きくすることができる。これにより、外筒壁18における対向する部分を径方向の内側に押圧したときに、外筒壁18が肩部12をせり上がりやすくなることで、キャップ3が容器本体2から外れやすくなる。
外筒壁18の下端18aにおけるヒンジ部24側(背面側)の部分18bは、図6に示すように、肩部12の形状に沿って上側に凸の円弧状になっている。
外筒壁18の対向する部分を径方向の内側に押圧していない状態においては、外筒壁18の下端18aは、キャップ3を容器本体2に取り付けた状態で肩部12を上側に凸に湾曲させても肩部12と接触しないように、肩部12から離間していることが好ましい。これにより、内容物の残量が少ないときに容器本体2の胴部10係合部における上側部分を絞ることで、肩部12が上側に凸に湾曲しても、キャップ3が予期せず外れることを抑制できる。
外筒壁18の対向する部分を径方向の内側に押圧していない状態における外筒壁18の下端18aと肩部12との距離は、外筒壁18を押圧したときに外筒壁18が肩部12をせり上がる範囲内で適宜設定できる。該距離は、例えば、0〜2.0mmとすることができる。
外筒壁18における、ヒンジ部24とその反対側を結ぶX方向に対して垂直なY方向において対向する部分には、外筒壁18を径方向の内側に押圧する位置を示す押圧位置表示部19が設けられている。本発明では、外筒壁の平面視形状が前記したような欠円状である場合、本実施形態のように外筒壁におけるY方向において対向する部分に押圧位置表示部を設けることが好ましい。
外筒壁の平面視形状が、ヒンジ部側が欠けた欠円状である場合、外筒壁におけるY方向において対向する部分を押圧する方が、外筒壁におけるX方向において対向する部分を押圧する場合に比べて外筒壁が肩部をせり上がりやすい。そのため、押圧位置表示部を設けて該押圧位置表示部を押圧するように促すことで、容器本体からキャップを容易に取り外すことが可能となる。
この例の押圧位置表示部19は、上下方向に延び、かつ外筒壁18の外側面から外方に突出する複数の凸条からなる。押圧位置表示部19の態様は、複数の凸条からなる態様には限定されず、印刷等により形成してもよい。
押圧位置表示部19の正面視形状は、この例では略半円状になっている。なお、押圧位置表示部19の正面視形状は、矩形状等であってもよい。
上板部20の平面視形状は、外筒壁18と同様の欠円状であり、中央部分に平面視円形状の貫通孔20aが形成されている。貫通孔20aの直径は、首部14における大径部14aとほぼ同等になっている。キャップ3を容器本体2に取り付けた状態では、首部14における大径部14aが上板部20の貫通孔20aに嵌まり込み、首部14における大径部14aよりも上側の部分が上板部20よりも上側に突出する。
上板部20の曲げ剛性は、外筒壁18の曲げ剛性よりも高いことが好ましい。これにより、外筒壁18における対向する部分を径方向の内側に押圧する際に、外筒壁18の変形に伴って上板部20が変形し、上蓋部26が予期せず開くことを抑制できる。
上板部20の曲げ剛性を外筒壁18の曲げ剛性よりも高くする態様は、特に限定されず、上板部20の厚みを外筒壁18の厚みよりも厚くする態様、外筒壁18を形成する材料よりも曲げ剛性が高くなる材料で上板部20を形成する態様、上板部20にリブを設けて補強する態様等が挙げられる。なかでも、製造が容易な点から、上板部20の厚みを外筒壁18の厚みよりも厚くする態様が好ましい。
突設筒部22は、上板部20の内周縁、すなわち上板部20における貫通孔20aの周囲から上方に延びるように設けられている。突設筒部22は円筒状である。突設筒部22の内径は、容器本体2の首部14の大径部14aの外径とほぼ同等になっており、突設筒部22の内部に容器本体2の首部14が大径部14aまで嵌まり込むようになっている。
突設筒部には、周方向において、突設筒部の上端から下方に向かって延びる1つ以上の切欠部が形成されていることが好ましい。これにより、突設筒部が撓みやすくなるため、突設筒部の内部に容器本体の首部を嵌め込んで、第一の係合部と後述の第二の係合部を係合させることが容易になる。突設筒部に形成される切欠部の数は、特に限定されず、1つであってもよく、複数であってもよい。
この例では、突設筒部22におけるヒンジ部24と反対側の前面部分を含む部分が切り欠かれて切欠部22aが形成されている。突設筒部22の前面部分に切欠部22aが形成されていることで、首部14から注出した内容物を歯ブラシ等の上に載せる作業が容易になる。
突設筒部に形成される切欠部は、スリット状になっていてもよい。
突設筒部22の内周面22bにおける上端寄りの部分には、内周面22bの周方向に延び、径方向の内側に突き出る凸条からなる第二の係合部28が設けられている。
突設筒部22は可撓性を有しており、容器本体2の首部14をキャップ3の突設筒部22の内側に嵌め込んでキャップ3を容器本体2に取り付けたときに、第一の係合部16と第二の係合部28が係合構造を形成するようになっている。具体的には、第二の係合部28が第一の係合部16の下側に引っ掛かって係止されることで係合構造が形成される。
キャップ3を容器本体2に取り付けた状態で、外筒壁18の対向する部分を径方向の内側に押圧したときには、外筒壁18が肩部12をせり上がりつつ、第一の係合部16と第二の係合部28とで係合構造が解除されることで、キャップ3が押し上げられて容器本体2から外れる。
第二の係合部28の縦断面形状は、この例では三角形状であるが、三角形状には限定さ
れず、半円形、矩形等であってもよい。
ヒンジ部24のヒンジ機構は、特に限定されず、例えば、1点式、2点式、3点式、バタフライ式、スナップヒンジ式、バネ嵌合式等を採用できる。
上蓋部26の中央部には、上蓋部26の下面から垂下された環状の突起部30が設けられている。キャップ3を容器本体2に取り付けた状態においては、上板部20の貫通孔20aから突き出た首部14の上端部が突起部30の内側に嵌まり込むようになっており、内容物が漏れることが抑制される。すなわち、上蓋部26は、いわゆるアウターリング方式で首部14の上端開口部14bを開閉自在に塞ぐようになっている。これにより、上蓋部26を閉めた状態において内容物が漏れることが抑制される。
なお、本発明の容器においては、インナーリング方式を採用してもよく、インナーボス方式を採用してもよい。
上蓋部26におけるヒンジ部24の反対側には、径方向の外側に突出する指掛部32が形成されている。これにより、指掛部32に指を掛けて上蓋部26を容易に開くことができる。
指掛部32の形状及び大きさは、特に限定されず、キャップ3の大きさ等に応じて適宜設定できる。
キャップ3の材料は、キャップに通常用いられる材料であれば特に限定されず、例えば、PP、PE、PA、PET、PS、金属、又はこれらの複合材料等が挙げられる。
(製造方法)
容器1の製造方法は、特に限定されない。例えば、肩部12と首部14が一体となった成形体の肩部12の下端に、胴部10を形成するラミネート製の筒体を取り付け、首部14にキャップ3を取り付け、それらをキャップ3を下にした状態で筒体の底部から内容物を充填し、底部をシールして胴部10を密封することで容器1とする方法が挙げられる。
肩部12及び首部14は、例えば、コンプレッション成形、射出成形、ブロー成形等で一体に形成できる。また、キャップ3は、射出成形等で形成できる。
(内容物)
容器1に収容される内容物としては、特に限定されず、例えば、歯磨剤、食品(練りワサビ、練りガラシ等。)、薬品(軟膏等。)、医薬部外品(スキンクリーム、シャンプーリンス等。)等のペースト状物が挙げられる。
(作用効果)
以下、容器1の作用について説明する。
容器1では、使用する際に、その都度使用者が自身の好みで開封形式を任意に選択できる。具体的には、例えば、容器本体2における胴部10の上端側部分を掴み、指掛部32に指を引っ掛けて上蓋部26を開くことで、首部14の上端開口部14bから内容物を注出して使用することができる。
また、外筒壁18におけるY方向の対向する押圧位置表示部19の部分を、径方向に内側に押圧することで、外筒壁18の下端18aが肩部12の表面をせり上がり、キャップ3が押し上げられて第一の係合部16と第二の係合部28の係合状態が解除される。このように、容器1ではワンタッチで容易にキャップ3を容器本体2から取り外すことができる。特に内容物の残量が少なくなった際には、このようなワンタッチ式でキャップ3を取り外すことができるため、容易に内容物を使い切ることができる。
また、容器1では、上板部20から上方に向かって突設筒部22を設け、突設筒部22に設けた第二の係合部28を首部14に設けた第一の係合部16と係合させるため、首部14における上板部20の貫通孔20aから上方に突き出た部分の上下方向の長さを充分に長くすることができる。そのため、首部14から注出した内容物を歯ブラシ等の上に載せる操作が行いやすい。さらに、容器1では、キャップ3における上板部20の貫通孔20aから、容器本体2の首部14における上端側部分が突き出ていることから、首部14自体を注出部として使用できる。これにより、キャップ3を過度に大きくすることなく、従来のヒンジ式キャップの注出部に比べて充分に大きな注出部(首部14)を確保できるため、内容物を注出する際に扱いやすい。
なお、本発明の容器は、前記した容器1には限定されない。
例えば、キャップにおける上板部は、平板状には限定されず、径方向の外側部分の高さよりも内側部分の高さが低くなっている上板部であってもよい。具体的には、例えば、図9に例示した容器4であってもよい。図9における図8と同じ部分には、同符号を付して説明を省略する。
容器4は、外筒壁18の代わりに外筒壁18Aを有し、上板部20の代わりに上板部20Aを有するキャップ3Aを備える以外は、容器1と同じである。
上板部20Aは、外筒壁18Aの上端から内方に延びる第1環状板部20bと、第1環状板部20bの内周縁から円筒状に垂下された筒部20cと、筒部20cの下端から内方に延びる第2環状板部20dと、を備えている。上板部20Aにおける第2環状板部20dの中央部分には、容器1における貫通孔20aと同様に、首部14の大径部14aの外径とほぼ同等の直径の貫通孔が形成されている。また、第2環状板部20dの内周縁から上方に向かって突設筒部22が設けられている。
外筒壁18Aは、外筒壁18に比べて、上下方向の高さが高くなっている以外は、外筒壁18と同様の態様である。
このように、容器4では、上板部20Aにおける径方向の内側部分の高さが径方向の外側部分の高さに比べて一段低くなっていることで、容器1の外筒壁18に比べて、上下方向の高さが高くなっている。これにより、容器4では、外筒壁18Aにおけるヒンジ部24とその反対側を結ぶX方向において対向する部分を径方向に内方に押圧しやすくなり、そのときに、容器1に比べて外筒壁18Aがせり上がりやすく、キャップ3Aが外れやすい。
また、容器4においても、容器1と同様に、使用する際に使用者が好みで開封形式を任意に選択でき、内容物の残量が少なくなった際にはワンタッチ式でキャップ3Aを取り外して容易に内容物を使い切ることができるうえ、内容物を注出する際に扱いやすい。
また、本発明の容器は、図10に例示した容器5であってもよい。図10における図9と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。容器5は、容器4の上板部20Aにおいて、ヒンジ部24と反対側の部分には第1環状板部20bと筒部20cを設けず、首部14の大径部14a側から第2環状板部20dが外筒壁18Aまで延びている上板部20Bを備える以外は、容器4と同じである。このような態様の容器とすれば、首部14の前面側において外筒壁18Aが低くなるため、首部14から注出した内容物を歯ブラシ等の上に載せる操作が行いやすくなる。
また、本発明の容器においては、係合構造を形成する第一の係合部と第二の係合部の組み合わせは、容器1、4、5における第一の係合部16と第二の係合部28のような態様には限定されない。例えば、首部の外周面に周方向に溝を形成し、該溝にキャップの凸条からなる第二の係合部が嵌まり込んで引っ掛かることで係合構造が形成されるようにしてもよい。
また、本発明の容器においては、外筒壁の平面視形状が、円形におけるヒンジ部側が曲線状に欠けた欠円状であってもよく、円形であってもよい。外筒壁の下端の底面視形状も同様に、円形におけるヒンジ部側が曲線状に欠けた欠円状であってもよく、円形であってもよい。また、外筒壁は下方に向かって漸次拡径していなくてもよい。
また、本発明の容器においては、外筒壁の平面視形状が円形の場合等には、キャップを容器本体に取り付けた状態で外筒壁の下端が肩部と接触するようにしてもよい。
また、外筒壁のY方向において対向する部分に押圧位置表示部を設けない容器であってもよい。
また、本発明の容器は、キャップにおける上板部の曲げ剛性が外筒壁の曲げ剛性よりも高くなっていない容器であってもよい。また、突設筒部におけるヒンジ部と反対側の部分が切り欠かれていない容器であってもよい。
1,4,5 容器
2 容器本体
3,3A キャップ
10 胴部
12 肩部
14 首部
16 第一の係合部
18 外筒壁
18a 下端
20,20A,20B 上板部
20a 貫通孔
22 突設筒部
24 ヒンジ部
26 上蓋部
28 第二の係合部

Claims (6)

  1. 内容物を収容する容器本体と、該容器本体の上端部に着脱可能に取り付けられるキャップとを備え、
    前記容器本体は、内容物を収容する胴部と、該胴部の上端に形成され、上方に向かって漸次窄まるように傾斜した肩部と、該肩部の上端に突設され、上端が開口した筒状の首部とを備え、
    前記キャップは、外筒壁と、前記外筒壁の上端から内方に延び、貫通孔が形成された上板部と、前記上板部の内周縁から上方に延びる突設筒部と、前記上板部とヒンジ部を介して設けられた上蓋部と、を備え、
    前記首部の外周面には第一の係合部が設けられ、
    前記突設筒部の内周面には第二の係合部が設けられ、
    前記キャップを前記容器本体に取り付けた状態で、前記首部における上端側部分が前記上板部の貫通孔から上方に突出し、前記第一の係合部と前記第二の係合部とで係合構造が形成され、前記上蓋部により前記首部における上端の開口が開閉自在に閉じられ、
    前記外筒壁の対向する部分を径方向の内側に押圧したときに、前記外筒壁の下端が前記肩部に接してせり上がり、前記第一の係合部と前記第二の係合部との係合構造が解除される、容器。
  2. 前記外筒壁は下方に向かって漸次拡径し、かつ前記外筒壁の下端の底面視形状が、前記ヒンジ部側が直線状又は曲線状に欠けた欠円状である、請求項1に記載の容器。
  3. 前記キャップを前記容器本体に取り付けた状態で前記肩部を上側に凸に湾曲させたときに、前記外筒壁の下端が前記肩部と接触しないように、前記外筒壁の下端が前記肩部から離間している、請求項2に記載の容器。
  4. 前記外筒壁における、平面視で前記ヒンジ部とその反対側を結ぶX方向に対して垂直なY方向において対向する部分に、前記外筒壁を径方向の内側に押圧する位置を示す押圧位置表示部が設けられている、請求項2又は3に記載の容器。
  5. 前記上板部の曲げ剛性が前記外筒壁の曲げ剛性よりも高い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器。
  6. 前記突設筒部に、その上端から下方に向かって延びる1つ以上の切欠部が形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の容器。
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