JP6845036B2 - 超電導線材の検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超電導線材の特性を検査する超電導線材の検査装置に関する。
超電導線材において、臨界電流は性能を左右する重要な特性の一つである。臨界電流とは、超電導体に流せる限界の電流値を指し、一般的には、超電導体に所定電界(例えば1×10−4V/m)を生じさせる電流値が臨界電流として定義されている。また、電界発生における電流−電圧特性(I−V特性)は機器設計における運転電流マージン等を決定するのに重要な情報であり、このI−V特性は直接通電のみで得られる特性である。
この臨界電流特性は、温度依存性、磁場強度依存性、磁場印加角度依存性を持ち、機器設計にあたってはこれらを考慮した運転条件の設定が求められる。特に運用温度の選択肢が広い高温超電導線材を使用した機器設計において、これらの依存性を適切に評価することが、機器製造でのコスト計算、機器特性などの予想に用いられる。
従来、長尺の高温超電導線材の臨界電流特性検査方法として、例えば特許文献1に記載されているように、リール トゥ リール(Reel to Reel)方式にて超電導線材を順次送り出し、電極間の超電導線材に直接通電し、電圧の発生を調査することで臨界電流特性を検査する方法が広く採用されている。
特開2009−270916号公報
上述したような特許文献1に記載された従来の検査方式では、超電導線材の特性が不足している部分を特定できるという長所がある。
しかしながら、従来の検査方式では、超電導線材を伝導冷却やガス冷却等の手段を用いて任意温度で温調することが困難であるため、液体窒素浸漬冷却による運用が多く採用されている。また、磁場を印加した状態で超電導線材に通電した場合に発生する電磁力の保持も困難であるため、強力な磁場を印加した測定には不向きである。
本発明の目的は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、簡易的な手法により、任意磁場強度にて超電導線材の臨界電流特性を検査可能な超電導線材の検査装置を提供することを目的とする。
本発明の一の態様に係る超電導線材の検査装置は、カスプ磁界を形成する円筒形状の第1マグネットと、前記第1マグネットと同一軸上に配置され、カスプ磁界を形成する円筒形状の第2マグネットと、超電導線材が、所定の巻回位置で巻方向が折り返されることで同一円状の無誘導巻コイルとなるように巻回される無誘導巻枠体と、前記無誘導巻枠体に巻回される超電導線材と電気的に接続される検査用端子と、を備え、前記無誘導巻枠体は、前記第1マグネットと前記第2マグネットとそれぞれ同一軸であり、かつ前記第1マグネットと前記第2マグネットの軸方向中間に配置され、前記無誘導巻枠体の外径が、前記第1マグネットの内径と、前記第2マグネットの内径よりも大きいことを特徴とする。
上記構成によれば、無誘導巻枠体が、第1及び第2マグネットとそれぞれ同一軸であり、かつ第1及び第2マグネットの軸方向中間に配置され、無誘導巻枠体の外径が、第1マグネットの内径と、前記第2マグネットの内径よりも大きい。このような相対位置で無誘導巻枠体が配置されているので、被測定物たる超電導線材による無誘導巻コイルの径方向内側から外側に向かって一様な磁場を生成することが可能となる。このような磁場が生成される結果、超電導線材に対して垂直な磁場を一様に印加した状態を作ることができる。
したがって、上記構成によれば、無誘導巻枠体に超電導線材を巻回し、第1及び第2マグネットに発生させる磁界を調整するという簡易的な手法により、検査用端子から出力される検出結果に基づいて、任意磁場強度にて超電導線材の臨界電流特性を検査することができる。
また、本発明の好ましい態様に係る超電導線材の検査装置によれば、前記検査用端子は、前記無誘導巻コイルのうち、検査対象線材の両端に電気的に接続されることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様に係る超電導線材の検査装置によれば、前記無誘導巻枠体に保持される無誘導巻コイルと熱的に接続されるヒーターを更に備え、前記無誘導巻枠体に保持される無誘導巻コイルが、パラフィンで含浸されている、又はグリースからなる塗布層を有することを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様に係る超電導線材の検査装置によれば、前記無誘導巻枠体の外側面から前記無誘導巻枠体の外径方向に延伸して前記超電導線材を挟み込むコイル保持側板を更に備えることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様に係る超電導線材の検査装置によれば、前記無誘導巻コイルの内径側に位置する内径側高飽和磁束密度材料と、前記無誘導巻コイルよりも外径側に位置する外径側高飽和磁束密度材料と、から構成される円筒形状磁性体を有することを特徴とする。
本発明によれば、簡易的な手法により、任意磁場強度にて超電導線材の臨界電流特性を検査可能な超電導線材の検査装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る超電導線材検査装置1aの基本構成を示した断面模式図である。 図2は、超電導線材検査装置1aにより検査される超電導線材200を模式的に示した図である。 図3は、第1マグネット110と第2マグネット120とにより形成される磁場の流れを模式的に示した図である。 図4は、無誘導巻枠体130で保持される超電導線材200の温調機構を示した断面模式図である。 図5は、第1変形例に係る超電導線材検査装置1bを第1マグネット110側から上面視した図である。 図6は、第1変形例に係る超電導線材検査装置1bにおける無誘導巻枠体130が保持する超電導線材200を断面視した図である。 図7は、第2変形例に係る超電導線材検査装置1cの構成を示した断面模式図である。 図8は、第3変形例に係る超電導線材検査装置1dの構成を示した断面模式図である。 図9は、第3変形例に係る超電導線材検査装置1eにより検査される超電導線材200を模式的に示した図である。 図10は、第3変形例に係る超電導線材検査装置1eにより検査される超電導線材200に係る構成を示した図である。
本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について具体例を示して説明する。本実施形態は、超電導線材の特性を検査する超電導線材の検査装置に関する。
図1は、本実施形態に係る超電導線材検査装置1aの基本構成を示した断面模式図である。また、図2は、超電導線材検査装置1aにより検査される超電導線材200を模式的に示した図である。図1および図2に示すように、超電導線材検査装置1aは、カスプ磁界を形成する円筒形状の第1マグネット110と、カスプ磁界を形成する円筒形状の第2マグネット120と、無誘導巻コイル250が形成されるように超電導線材200を保持する無誘導巻枠体130と、超電導線材200と電気的に接続される検査用端子140と、相対位置固定用柱150と、相対位置固定用抑え板160と、を備える。
第1マグネット110は、相対位置固定用柱150の一端(図1で示す上部)側で、相対位置固定用柱150を巻軸として超電導線材がパンケーキ状に巻回されたコイルである。また、第2マグネット120は、第1マグネット110が巻回されていない相対位置固定用柱150の一端(図1で示す下部)側で、相対位置固定用柱150を巻軸として超電導線材がパンケーキ状に巻回されたコイルである。すなわち、第1マグネット110と第2マグネット120とは、互いに相対位置固定用柱150を巻軸とした同一軸上に配置され、それぞれカスプ磁界を形成する。
無誘導巻枠体130は、無誘導巻コイル250となるように超電導線材200を保持するものであって、具体的には次のような構成からなる。まず、無誘導巻枠体130は、相対位置固定用柱150の中心部分、具体的には、第1マグネット110と第2マグネット120とそれぞれ同一軸であって、第1マグネット110と第2マグネット120の中間に配置される。また、無誘導巻コイル250の最内ターンが、第1マグネット110の最内ターンと第2マグネット120の最内ターンよりも外径側になるようにするため、無誘導巻枠体130は、その外側面131(外径)が、第1マグネット110の最内ターン側の側面(すなわち第1マグネット110の内径)と、第2マグネット120の最内ターン側の側面(すなわち第2マグネット120の内径)よりも大きい。また、無誘導巻コイル250の形状を保持するため、無誘導巻枠体130には、外側面131の上部と下部とから外径方向に延伸して超電導線材200を挟み込むコイル保持側板135a、135bが設けられている。つまり、コイル保持側板135a、135bで超電導線材200を挟み込むことにより、第1マグネット110と第2マグネット120とがそれぞれ発生する磁界に晒されても、超電導線材200が電磁力によって移動することなく確実に形状を維持することができる。
また、図2に示すように、超電導線材200は、無誘導巻コイル250の最内ターンに当たる巻回位置200aで、例えば2本の線材を半田接続することで巻方向を折り返した無誘導巻コイル250となるように、無誘導巻枠体130によって保持される。つまり、超電導線材200は、最内ターンに当たる巻回位置200aで巻方向が折り返されることで、図2に示すように、1ターンごとに通電方向が異なる無誘導巻コイル250となる。また、超電導線材200は、隣接ターン間で絶縁するため、超電導線材200とともに絶縁材260が巻回されている。
絶縁材260としては、ポリイミドフィルムやフッ素フィルムなど絶縁性能の高いものを使用する方法もある。また、絶縁材260として例えばSUS316テープをポリイミド絶縁したものなど、ヒーターとして活用できるものを使用してもよい。このようにヒーターとして活用する場合、ヒーターが無誘導巻きとなるようにヒーター線を折り返して使用する必要がある。
さらに、無誘導巻コイル250の最外ターン側には、コイル軸方向にかかる電磁力に対する対策のために、無誘導巻コイル側板固定支柱132が設けられている。無誘導巻枠体130および無誘導巻コイル側板固定支柱132に、コイル保持側板135a、135bが固定されている。
検査用端子140は、図2に示すように、無誘導巻枠体130に保持される超電導線材200と電気的に接続される電圧検出用端子141、142から構成される。具体的に、電圧検出用端子141、142は、無誘導巻コイル250のうち、検査対象線材210の両端に電気的に接続される。このようにして超電導線材200は、電圧検出用端子141、142とそれぞれ接続された2点間で挟まれる部位が検査対象線材210となる一方、検査対象線材210を除いた部位が電流リード線材220として扱われる。
具体的には、測定対象となる検査対象線材210の両端に電圧検出用端子141、142を電気的に接続し、電極143、144を超電導線材200両端に電気的に接続して通電することで、検査対象線材210が生成する磁場は電流リード線材220が生成する磁場によってキャンセルされる。電流リード線材220の電流容量が検査対象線材210の臨界電流値に対して充分であれば、測定対象となる検査対象線材210に、後述するように、超電導線材200に対して垂直な磁場が一様にかかった状態での通電試験を行うことができる。
また、図2に示すように、検査対象線材210と電流リード線材220とが、ターン毎に絶縁されているため、電圧の発生に伴う意図しない転流を抑制することができる。このように絶縁材260が共巻きされていることで、測定対象となる検査対象線材210に線材同士の接続が存在する場合においても測定が可能となる。
なお、電流リード線材220として、高温超電導線材、もしくは細線加工した高温超電導線材を使用してもよい。ここで、無誘導巻線された超電導線材200の全長にわたってテープ面に垂直な磁場を印加するという特性上、超電導線材200に遮蔽電流磁場が誘起され、磁場の均一性を阻害してしまう。したがって、電流リード線材220に高温超電導線材を使用する場合、細線加工がなされ遮蔽電流の低減が図られていることが好ましい。
相対位置固定用柱150は、上述したように、第1マグネット110と第2マグネット120と無誘導巻枠体130とが取り付けられることで、第1マグネット110と第2マグネット120と無誘導巻コイル250のコイル軸として機能する。また、相対位置固定用柱150は、無誘導巻コイル250から、第1マグネット110と第2マグネット120マグネットへの熱伝導を抑制するためFRPなどの材料を用いることが好ましい。
相対位置固定用抑え板160は、相対位置固定用柱150の上部(第1マグネット110側)と下部(第2マグネット120側)にそれぞれ配置され、相対位置固定用柱150側から外径方向に延伸して、第1マグネット110と第2マグネット120とを挟み込むように保持する。
以上のような構成からなる超電導線材検査装置1aでは、無誘導巻枠体130に、検査対象線材210が電流リード線材220とともに無誘導巻きコイルとして巻線され、無誘導巻コイルを上下から挟むように、第1マグネット110と第2マグネット120が、無誘導巻きコイルと同軸、かつ無誘導巻コイル250の高さ方向中央から対称となるように配置される。さらに、上述したように無誘導巻コイル250の最内ターンが、第1マグネット110の最内ターンと第2マグネット120の最内ターンよりも外径となる。
ここで、第1マグネット110と第2マグネット120とにより形成される磁場の模式的な流れを図3に示す。まず、第1マグネット110と第2マグネット120とは、図3(A)の矢印に示すように、それぞれ中心軸を垂直に貫く方向の磁場を形成する。これら形成された磁場は、第1マグネット110と第2マグネット120と同軸上で相対向しているため、図3(B)の矢印に示すようなコイル径方向の磁場が形成されることとなる。さらに、図3(C)に示すように、第1マグネット110と第2マグネット120とに挟まれ、第1マグネット110の最内ターンと第2マグネット120の最内ターンよりも外径側の領域300には、無誘導巻コイルの径方向内側から外側に向かって一様な磁場が形成されることとなる。すなわち、領域300で超電導線材200が無誘導巻コイルの状態で保持されるため、径方向内側から外側に向かって一様な磁場を印加することができる。したがって、図1及び図2に示したように、無誘導巻枠体130に超電導線材200を巻回して無誘導巻コイル250を形成して、第1マグネット110及び第2マグネット120に発生させる磁界を調節した上で、無誘導巻コイル250に通電するという簡易な手法により、検査用端子140から出力される検出結果に基づいて、任意磁場強度にて超電導線材の臨界電流特性を検査することができる。
さらに、超電導線材検査装置1aは、均一な任意の温度環境にて超電導線材200の臨界電流特性を検査するため、次のような構成を採用することが好ましい。図4は、無誘導巻枠体130で保持される超電導線材200の温調機構を示した断面模式図である。
すなわち、超電導線材検査装置1aは、図4に示すように、温調ヒーター付均熱板410と、無誘導巻コイル用冷却板420と、を更に備えることが好ましい。温調ヒーター付均熱板410は、超電導線材200と熱的に接続するようにコイル保持側板135bに取り付けられた板状部材である。また、温調ヒーター付均熱板410は、電極143、144から給電して動作する温調ヒーターを内蔵し、超電導線材200全体に亘って温度が均一になるように温度調節する。
無誘導巻コイル用冷却板420は、超電導線材200を冷却するための板状部材であって、例えば図4に示すように、コイル保持側板135aの表面のうち、超電導線材200との当接面と反対の面に配置される。
上述した図4に示す構成により、ヒーターによる熱を効率よく超電導線材200に伝えつつ過度の熱の流出を避け、超電導線材200内部の温度勾配を小さくすることができる。
さらに、伝導冷却にて冷却を行う場合、温度の均一性および冷却能力を十分に確保するため、超電導線材200を含浸材に含浸することが好ましい。ここで、エポキシ樹脂などは、再解体が困難で不向きである。そこで、超電導線材200は、特性検査後に無誘導巻きコイルの形状を容易に解体可能にすべく、含浸材として薬品による除去が可能なパラフィンに含浸すること、また超電導線材200にグリースを塗布して塗布層を形成することが好ましい。
次に、図5、図6などを用いて、第1変形例に係る超電導線材検査装置1bについて説明する。図5は、第1変形例に係る超電導線材検査装置1bを第1マグネット110側から上面視した図であり、図6は、第1変形例に係る超電導線材検査装置1bにおける無誘導巻枠体130が保持する超電導線材200を断面視した図である。
すなわち、超電導線材検査装置1bは、上述した超電導線材検査装置1aと同様の構成を備え、該無誘導巻枠体130に保持される超電導線材200(無誘導巻コイル250)に対して円筒形状磁性体500を更に備える。具体的に、円筒形状磁性体500は、無誘導巻コイルよりも内径側に位置する内径側高飽和磁束密度材料510と、無誘導巻コイルよりも外径側に位置する外径側高飽和磁束密度材料520と、から構成される。また、内径側高飽和磁束密度材料510と、外径側高飽和磁束密度材料520としては、例えば、鉄、バーマロイ、バーメンジュールなどが適している。
上記構成からなる超電導線材検査装置1bは、無誘導巻コイル250の径方向内側と外側に、円筒形状の高飽和磁束密度材料を配置することによって超電導線材200(無誘導巻きコイル)をコイル径方向に貫く磁路が形成され、磁場強度、均一性をよりいっそう向上させることができる。
次に、図7を用いて、第2変形例に係る超電導線材検査装置1cについて説明する。第2変形例に係る超電導線材検査装置1cは、上述した超電導線材検査装置1aと同様の構成を備え、これらの構成に加えて、コールドヘッド710と、冷却パス720と、熱抵抗730と、真空断熱用スペーサー741、742と、をさらに備える。
コールドヘッド710は、冷却パス720と熱的に接続される。また、冷却パス720は、相対位置固定用抑え板160と、熱抵抗730と、それぞれ熱的に接続される。冷却パス720としては、極低温において熱伝導率の良い材料、たとえば無酸素銅板や純アルミが好ましい。さらに、熱抵抗730は、無誘導巻コイル用冷却板420と熱的に接続される。熱抵抗730としては、熱抵抗730内に温度勾配をつけ、無誘導巻コイル250の温調をとるため、SUS316や真鍮などの非磁性の高抵抗金属やFRPなどの樹脂、もしくはこれらの積層体を用いることが好ましい。
上記の熱的な接続により、第1マグネット110および第2マグネット120は、それぞれコールドヘッド710から冷却パス720を通じ、さらに相対位置固定用抑え板160を介して冷却される。また、無誘導巻コイル250は、無誘導巻コイル用冷却板420から熱抵抗730を介して冷却パス720に熱的に繋がっているため、コールドヘッド710によって冷却されることとなる。
真空断熱用スペーサー741は、第1マグネット110と無誘導巻コイル用冷却板420との間に設けられ、第1マグネット110と無誘導巻コイル250との間を真空断熱する。真空断熱用スペーサー742は、第2マグネット120とコイル保持側板135bとの間に設けられ、第2マグネット120と無誘導巻コイル250との間を真空断熱する。真空断熱用スペーサー741、742としては、熱伝導率の悪いFRPなどを用いることが好ましい。このようにして真空断熱用スペーサー741、742を設けることにより、無誘導巻コイル250から、第1マグネット110および第2マグネット120への熱侵入を抑制することができる。
上述した図7に示すような構成を備える超電導線材検査装置1cは、無誘導巻コイル250から、第1マグネット110および第2マグネット120への熱侵入を抑制しながら、超電導線材200と第1マグネット110と第2マグネット120とをそれぞれ冷却することができる。つまり、温調ヒーター付均熱板410を用いて無誘導巻コイル250の温度調整を行うことができる。さらに、無誘導巻コイル250から、第1マグネット110および第2マグネット120への熱侵入を十分に抑えて第1マグネット110と第2マグネット120とのそれぞれの運転マージンをより十分に確保できる。
したがって、超電導線材検査装置1cは、無誘導巻コイル250を例えば4K〜90Kの間で精度良く制御可能で、任意の温度に温調した状態で超電導線材200の臨界電流測定を行うことができる。
次に、図8を用いて、第3変形例に係る超電導線材検査装置1dについて説明する。
第3変形例に係る超電導線材検査装置1dは、上述した超電導線材検査装置1aと同様の構成を備え、これらの構成に加えて、マグネット冷却用コールドヘッド810と、マグネット用冷却パス820と、無誘導巻コイル冷却用コールドヘッド830と、無誘導巻コイル温調用コールドヘッドヒーター840と、無誘導巻コイル用冷却パス850と、真空断熱用スペーサー861、862と、をさらに備える。
上記構成において、マグネット冷却用コールドヘッド810と、マグネット用冷却パス820とは、第1マグネット110と第2マグネット120とを専ら冷却する冷却手段である。具体的に、マグネット冷却用コールドヘッド810は、マグネット用冷却パス820と熱的に接続される。マグネット用冷却パス820は、相対位置固定用抑え板160と熱的に接続される。
また、上記構成において、無誘導巻コイル冷却用コールドヘッド830と、無誘導巻コイル温調用コールドヘッドヒーター840と、無誘導巻コイル用冷却パス850とは、無誘導巻コイル250を専ら冷却する冷却手段である。具体的に、無誘導巻コイル冷却用コールドヘッド830は、無誘導巻コイル温調用コールドヘッドヒーター840と熱的に接続される。無誘導巻コイル温調用コールドヘッドヒーター840は、無誘導巻コイル用冷却パス850と熱的に接続される。無誘導巻コイル用冷却パス850は、無誘導巻コイル用冷却板420と熱的に接続される。
真空断熱用スペーサー861は、第1マグネット110と無誘導巻コイル用冷却板420との間に設けられ、第1マグネット110と無誘導巻コイル250との間を真空断熱する。真空断熱用スペーサー862は、第2マグネット120とコイル保持側板135bとの間に設けられ、第2マグネット120と無誘導巻コイル250との間を真空断熱する。このようにして真空断熱用スペーサー861、862を設けることにより、無誘導巻コイル250から、第1マグネット110および第2マグネット120への熱侵入を抑制することができる。
以上の構成からなる超電導線材検査装置1dによれば、第1マグネット110と第2マグネット120との専用の冷凍手段と、無誘導巻きコイル専用の冷凍手段との2つの冷凍経路を独立して設けることにより、それぞれの冷却手段の能力を充分に確保した上で、マグネットと無誘導巻きコイルとを独立して温度制御することができる。例えば、一度により長い超電導線材を検査できるようにシステムを大型化した場合、侵入熱の増大による冷却コストの増大、被測定物たる無誘導巻きコイルの温調に多大な熱が生じ、結果第1マグネット110、及び第2マグネット120への熱侵入が増大し、マグネットのクエンチを誘発することや、無誘導巻コイル250内の均一な温調が困難になるという問題がある。このような問題に対して、超電導線材検査装置1dによれば、無誘導巻きコイルからマグネットへの熱侵入を抑制し、マグネットと無誘導巻きコイルとを独立して温調可能なので、一度により長い超電導線材を、マグネットをクエンチさせることなく、そして温調の正確さを損なうことなく検査することができる。
次に、図9、図10などを用いて、第3変形例に係る超電導線材検査装置1eについて説明する。
超電導線材検査装置1eは、上述した超電導線材検査装置1aと同様の構成を備え、上記図1に示したように、第1マグネット110と第2マグネット120が、超電導線材200(無誘導巻きコイル)と同軸、かつ無誘導巻きコイルの高さ方向中央から対称となるように配置される。ここで、超電導線材検査装置1eは、上述した超電導線材検査装置1aに対して、図9に示すように、無誘導巻枠体130(他の実施例と区別するため、以下、無誘導巻枠体130eと呼ぶ。)と、検査用端子140(他の実施例と区別するため、以下、検査用端子140eと呼ぶ。)とに係る構成が異なる。
無誘導巻枠体130eは、外枠910と、内枠920と、外枠910と内枠920との間を線材が挿通可能な挿通孔930とからなる二重枠構造である。
上記構造からなる無誘導巻枠体130eは、次のような巻回状態で超電導線材200を保持する。つまり、超電導線材200は、図10に示すように、長尺の検査用線材1010と、短尺の保護用テープ線材1020とから構成される。ここで、保護用テープ線材1020は、検査用線材1010の一部の領域1010cと並行した位置に設けられ、領域1010cの両方の端部1031、1032で検査用線材1010と半田接続された超電導線材である。
以上のような構成からなる超電導線材200は、図9に示すように、内枠920において、領域1010cの検査用線材1010を保護用テープ線材1020と共巻きされる。ここで、また、検査用線材1010のうち、領域1010cを除いた部分、つまり、電極143、144にそれぞれ接続される領域1010a、1010bは、内枠920から挿通孔930を介して外枠910側にガイドされて外枠910に共巻される。ここで、領域1010a、1010bとで通電方向が反対側になるため無誘導巻コイルとなる。
検査用端子140eは、図9及び図10に示すように、検査用線材1010における領域1010aの2点間と電気的に接続される電圧検出用端子1141、1142と、検査用線材1010における領域1010bの2点間と電気的に接続される電圧検出用端子1143、1144と、から構成される。
以上のような構成からなる超電導線材検査装置1eによれば、図9及び図10に示すように、1本の線材(検査用線材1010)を切断することなく無誘導巻きとし、測定対象以外の領域1010cを電流リードとして用いることができる。
具体的には、電圧検出用端子1141、1143間を電流リードとして扱い、電圧検出用端子1142、1143間の特性を評価することができる。また、電圧検出用端子1142、1144間を電流リードとして扱い、電圧検出用端子1141、1142間の特性を評価することもできる。
さらに、電圧検出用端子1141、1142間の電圧と、電圧検出用端子1143、1144間の電圧をモニターしておき、電圧検出用端子1142、1143間以外の部位に関する磁場中臨界電流特性を一度に評価することも可能である。
ここで、一般にRE系超電導線材をはじめとするテープ状超電導線材は、折り曲げによって特性の劣化が生じるため、最小曲げ半径が設定してある。したがって、1本の超電導線材を無誘導巻線する場合、テープ面が無誘導巻きコイル径方向に向かない部位、すなわちカスプ磁界を適用した場合に経験磁場がテープ面に垂直とならない部位が生じる。例えば図10の破線領域1150は、図9に示す挿通孔を通過する部分に対応し、上述した経験磁場がテープ面に垂直とならない部位となる。
このような部分(破線領域1150)によって臨界電流値が律速され、テープ面に垂直な磁場が印可される被測定領域、すなわち領域1010a、1010bの磁場中臨界電流特性が評価できない慮がある。そこで、上述したように、保護用テープ線材1020をテープ面に垂直な磁場が印可されない領域にバイパスとして半田づけすることで、当該部の電流容量を上げることができる点で好ましい。
1a、1b、1c、1d、1e 超電導線材検査装置
110 第1マグネット
120 第2マグネット
130、130e 無誘導巻枠体
140、140e 検査用端子
200 超電導線材
250 無誘導巻コイル

Claims (5)

  1. カスプ磁界を形成する円筒形状の第1マグネットと、
    前記第1マグネットと同一軸上に配置され、カスプ磁界を形成する円筒形状の第2マグネットと、
    所定の巻回位置で巻方向が折り返されて無誘導巻コイルとなるように、超電導線材を保持する無誘導巻枠体と、
    前記無誘導巻枠体に保持される超電導線材と電気的に接続される検査用端子と、
    を備え、
    前記無誘導巻枠体は、前記第1マグネットと前記第2マグネットとそれぞれ同一軸であり、かつ前記第1マグネットと前記第2マグネットの軸方向中間に配置され、かつ前記無誘導巻コイルの内枠であり、
    前記無誘導巻枠体の外径が、前記第1マグネットの内径と、前記第2マグネットの内径よりも大きいことを特徴とする、
    超電導線材の検査装置。
  2. 前記検査用端子は、前記無誘導巻コイルのうち、検査対象線材の両端に電気的に接続されることを特徴とする、
    請求項1記載の超電導線材の検査装置。
  3. 前記無誘導巻枠体に保持される無誘導巻コイルと熱的に接続されるヒーターを更に備え、
    前記無誘導巻枠体に保持される無誘導巻コイルが、パラフィンで含浸されている、又はグリースからなる塗布層を有することを特徴とする、
    請求項1又は2記載の超電導線材の検査装置。
  4. 前記無誘導巻枠体の外側面から前記無誘導巻枠体の外径方向に延伸して前記超電導線材を挟み込むコイル保持側板を更に備えることを特徴とする、
    請求項1乃至3のうち何れか一項記載の超電導線材の検査装置。
  5. 前記無誘導巻コイルの内径側に位置する内径側高飽和磁束密度材料と、前記無誘導巻コイルよりも外径側に位置する外径側高飽和磁束密度材料と、から構成される円筒形状磁性体を有することを特徴とする、
    請求項1乃至4のうち何れか一項記載の超電導線材の検査装置。
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