JP2004039591A - 無誘導巻線及び永久電流スイッチ - Google Patents

無誘導巻線及び永久電流スイッチ Download PDF

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Abstract

【課題】優れた冷却効率を得ることができ、もって高速なスイッチ動作が可能な永久電流スイッチを構成することができる無誘導巻線を提供する
【解決手段】本発明の無誘導巻線10は、超電導導体をコイル状に巻線した無誘導巻線であって、前記超電導導体が、2本の超電導テープ11,12をそれらの一端で接合し、重ね合わせた二重テープとされ、前記各超電導テープ11,12の外周面に沿って絶縁テープ13,14がそれぞれ配置されており、前記接合部を起点としてコイル状に巻線されたことを特徴としている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久電流スイッチ用コイル等に用いられる無誘導巻線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超電導永久電流スイッチは、超電導マグネットと組み合わせて永久電流回路を実現するために不可欠な要素であり、超電導エネルギー貯蔵システム、核融合システム、磁気浮上列車、理化学実験用超電導マグネットシステム、NMR(核磁気共鳴)、MRI(磁気共鳴映像法)等への利用が成されている。
ところで、超電導エネルギー貯蔵システムなどにおいて、超電導マグネットを永久電流状態で運転する装置においては、超電導コイルと永久電流スイッチを並列接続で構成し、この並列回路を所望の電源にパワーリードを介して接続する構成が一般的になっている。上記永久電流スイッチとしては、熱式永久電流スイッチが広く用いられているが、電力用超電導エネルギー貯蔵の分野では、大電流化に伴うスイッチの安定性確保、及び高速動作の観点から、熱式スイッチには課題が多いとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記熱式スイッチに対して、超伝導状態と常電導状態のコントロールを磁界により行う磁界式超電導スイッチは、巻線構造を熱捌けのよい形状にすることが可能であり、冷却による安定化の効果を十分に生かせることから導体の大容量化に適していると考えられる。また、スイッチング速度が原理的に外部磁界の変化速度に依存するため、磁界の高速掃引によりスイッチング速度の高速化が可能である。これらの永久電流スイッチに用いられる超電導コイルには無誘導巻線が用いられており、素線絶縁を施した超電導導体を巻き枠に巻き付けて用いるため、超電導導体どうしを密着させて巻線を行っても線材間の導通は発生しないという特徴を有していた。しかし、この線材を密着させて巻線を行う方法により作製された無誘導巻線を用いた場合、超電導コイルが超伝導状態から常電導状態に遷移するスイッチオフ動作では高速なスイッチ動作が可能であるが、常電導状態から超電導状態に復帰するスイッチオン動作では密着した巻線内に熱がこもってしまい、高速なスイッチ動作を実現することができないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、優れた冷却効率を得ることができ、もって高速なスイッチ動作が可能な永久電流スイッチを構成することができる無誘導巻線を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る無誘導巻線は、超電導導体をコイル状に巻線した無誘導巻線であって、前記超電導導体が、2本の超電導テープをその一端で接合し、重ね合わせた二重テープとされ、前記各超電導テープの外周面に沿って絶縁テープがそれぞれ配置されており、前記接合部を起点としてコイル状に巻線されたことを特徴としている。
【0006】
上記の構成によれば、超電導テープを重ね合わせた二重テープとした状態で巻線するため、容易に無誘導巻線を作製することができる。また、重ね合わされた超電導テープ間に絶縁テープが挿入されていることで、超電導テープ自体に絶縁構造を設ける必要がなく、テープどうしを密着させた状態で巻線を構成するため、インダクタンスが極めて小さい巻線を実現することができる。また、超電導テープ自体に絶縁構造を設けないことで超電導テープの冷却効率を高めることができ、テープを密着して巻線しても十分な冷却効率が得られ、永久電流スイッチに用いた場合に高速なスイッチング動作が可能な巻線とすることができる。
尚、前記超電導テープを二重テープとするに当たり、1本の超電導テープを折返して重ね合わせた二重テープとしてもよい。
【0007】
次に、本発明に係る無誘導巻線においては、前記超電導テープをパンケーキコイル形に巻線した超電導コイルを複数積層して備え、1の超電導コイルの二重テープのうち内周側に配置された超電導テープと、該超電導コイルと隣接して積層された超電導コイルの二重テープのうち外周側に配置された超電導テープとが、前記超電導コイルの外周側で互いに接続された構成とすることもできる。
また、本発明に係る無誘導巻線においては、前記超電導テープをパンケーキコイル形に巻線した超電導コイルを複数積層して備え、1の超電導コイルの二重テープのうち内周側に配置された超電導テープと、該超電導コイルと隣接して積層された超電導コイルの二重テープのうち内周側に配置された超電導テープとが、前記超電導コイルの外周側で互いに接続された構成としてもよい。
【0008】
上記構成によれば、略円盤状に巻線されたパンケーキコイル形の超電導コイルを積層し、積層された超電導コイルどうしを電気的に接続することで、任意の抵抗値を有する無誘導巻線を構成することができる。また、超電導コイルの外周側に導出された超電導テープの端部の接続方法を上記のように変更することで、隣接して積層された超電導コイルの電流方向について順方向又は逆方向のいずれも選択することができる。
【0009】
次に、本発明に係る無誘導巻線においては、前記積層された超電導コイル間に、スペーサが挿入された構成とすることもできる。上記構成によれば、超電導コイル間に冷媒流路を大きく確保し、冷却効率を高めることができるので、永久電流スイッチに用いる場合に高速なスイッチング動作が可能である。
【0010】
次に、本発明に係る無誘導巻線は、金属線材をコイル状に巻線した無誘導巻線であって、前記金属線材が、2本の金属テープをそれらの一端で接合し、重ね合わされた二重テープとされ、前記各金属テープの外周面に沿って絶縁テープがそれぞれ配置されており、前記接合部を起点としてコイル状に巻線されたことを特徴とする。
上記構成によれば、金属テープを用いた無誘導巻線を容易に構成することができる。
【0011】
次に、本発明に係る永久電流スイッチは、先に記載の無誘導巻線を備えたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施の形態である無誘導巻線の斜視構成図である。この図に示す超電導コイル(無誘導巻線)10は、2本の超電導テープ11,12と、絶縁テープ13,14とを一体的に、扁平型のボビン9に巻き付けて、パンケーキコイル形に巻線した超電導コイルである。超電導テープ11,12は、それらの長さ方向一端側で互いに電気的に接続されるとともに互いに重ね合わされた二重テープとされている。絶縁テープ13は、超電導テープ11,12間に沿設されて前記両者を絶縁し、超電導テープ12の外面側に沿設された絶縁テープ14は、巻線した状態で超電導テープ11の内面側と超電導テープ12の外面側とを絶縁している。そして、使用時には無誘導巻線10の外周側に導出された超電導テープ11,12の端部に電源が接続され、超電導テープ11,12の電流方向が互いに逆向きとなることで無誘導巻線を構成するようになっている。
【0013】
超電導テープ11,12は、図2又は図3に示す断面構造を備えた超電導導体により構成することができる。図2に示す構造の場合には、例えばCu−Niマトリクス15中に、Cu−Nb線材15aが多数分割配置された構成を挙げることができる。また、マトリクス15は、銅、銅合金、銀合金等で構成することもでき、線材15aは、Nb、Nb−Ti合金、Mg−B等であっても良い。
【0014】
一方、図3に示す断面構造を備えた超電導導体としては、Agテープや、ハステロイテープ等からなる基材16上に、Ag膜や、YSZ(イットリア安定化ジルコニウム)膜等からなる下地層17、YBaCuO系等の酸化物超電導体からなる酸化物超電導層18、Ag膜などからなる安定化層19が順次積層されたものを挙げることができる。
また、酸化物超電導層18には、上記YBaCuO系酸化物超電導体のほか、RECu7−x(RE:Y,La,Gd,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Nf,Sm,Euから選ばれる1種、M:Ba,Ca,Srから選ばれる1種)なる組成式で示されるペロブスカイト型の酸化物超電導体や、BiSrCan−1Cu2n+2(nは自然数)なる組成式で代表されるBi系、TlBaCan−1Cu2n+2(nは自然数)なる組成式で代表されるTl系のものなどを適用することができ、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0015】
図1に示す絶縁テープ13,14は、超電導テープ11,12を絶縁するために設けられる。この絶縁テープ13,14としては、ポリイミドテープや、PETテープ、ポリエチレンテープ等の絶縁性の樹脂テープが好適に用いられ、紙テープを使用することもできる。また、これらの絶縁テープ13,14の厚さを絶縁性を損なわない範囲で薄くすれば、超電導コイル10の巻線間隔を狭めて超電導コイル10のインダクタンスを低減することができる。
【0016】
(無誘導巻線の巻線方法)
次に、図1に示す超電導コイル(無誘導巻線)10の巻線方法を図4を参照して以下に説明する。図4A、4Bは、係る巻線方法を説明するための説明図である。まず、図2ないし図3に示すような超電導テープ11,12を用意し、図4Aに示すように、両者の先端部を接合することで、超電導テープ11,12を電気的に接続して接合部20を形成する。この接合部20の形成にあたって超電導テープ11,12が図2に示す構造を備えている場合には、それぞれの超電導テープのCu−Nb線材18がはんだ等により電気的に接続される。
次いで、図4Bに示すように、超電導テープ11,12間に、両テープに沿って絶縁テープ13を配設する。また、超電導テープ12の外面側に絶縁テープ14を沿設する。次に、図4Bに示すように、上記テープ11〜14を一体的に保持した状態で、超電導テープの接合部20を起点としてボビン22の略円柱状の巻胴21に巻回することで、図1に示す超電導コイル10を得ることができる。
【0017】
このように、本実施形態の巻線方法によれば、予め超電導テープ11,12を両者の端部で電気的に接続して一体化した二重テープを、テープ間の絶縁を確保した状態で巻線するので、極めて容易に無誘導巻線を作製することができるとともに、巻線間隔がほとんどない巻線を構成することができ、インダクタンスの小さい無誘導巻線を実現することができる。
【0018】
(無誘導巻線の他の形態)
次に、図1に示す実施形態の超電導コイル10は、図5に示すように、複数を積み重ねるとともに隣接して積層された超電導コイルの超電導テープどうしを電気的に接続した構成とすることもできる。このようにパンケーキ形の超電導コイルを積み重ねて構成することで、各種の抵抗値を有する超電導コイルを作製することができる。
この構成について図5及び図6を参照して以下に説明する。図5は、図1に示す超電導コイル10と同等の構成を備えた超電導コイル10a〜10eを積み重ねた超電導コイルの斜視構成図であり、図6は、図5に示す超電導コイルの部分断面構成図である。図5に示すように、5本の超電導コイル10a〜10eは、それぞれ超電導テープ11a〜11e、12a〜12eを備えて構成されており、図示上下方向で同軸位置に配置されるとともに、超電導コイル10a〜10eの外周に導出された超電導テープは、隣接する超電導コイルの超電導テープと電気的に接続されている。より詳細には超電導コイル10aの超電導テープ12aとが、この超電導コイル10aの直下に配置された超電導コイル10bの超電導テープ12bとはんだ等の接合部25aにより互いに電気的に接続され、超電導コイル10bの超電導テープ11bが、この超電導コイル10bの直下に配置された超電導コイル10cの超電導テープ11cとはんだ等の接合部24bにより互いに電気的に接続されている。すなわち、超電導コイル10a、10bは接合部25aにより電気的に接続され、超電導コイル10b、10cは接合部24bにより電気的に接続され、超電導コイル10c、10dは接合部25cにより電気的に接続され、超電導コイル10d、10eは接合部24dにより電気的に接続されている。
【0019】
このように、本発明に係るパンケーキコイル形の超電導コイルを複数積層してコイルを構成する場合には、パンケーキ形の超電導コイル10a〜10eどうしの接合部を超電導コイルの外周側に形成することができるので、超電導コイルどうしの接続が極めて容易になり、もって各種の抵抗値を有する超電導コイルを容易に構成することが可能になる。
【0020】
図6は、図5に示す超電導コイルの部分断面構造を示す図である。この図に示すように、超電導コイル10aの径方向の断面において超電導テープ11a,12aが交互に配置され、これらのテープ間は絶縁テープ13,14により絶縁されている。そして、図5に示す方法により超電導コイル10a〜10eを接続した場合には、図6に示すように、超電導コイル10a〜10eの厚さ方向において隣接する超電導テープの電流の進行方向は互いに逆向きになる。このように、本実施形態の超電導コイルにおいては、積み重ねられたパンケーキ形超電導コイルの上下方向においても、超電導テープに流れる電流の影響を互いに打ち消すように超電導テープを配置することができる。尚、図6に示すように超電導テープの電流方向を設定するのは、超電導テープの厚さが大きい場合には効果的であるが、超電導テープが薄い場合には、超電導コイルの積層方法における影響が比較的小さいことからそれほど大きな効果は得られない。また、コイル積層方向で超電導テープの位置を調整可能な程度に精度良く巻線することが困難であるため、超電導コイル10a〜10eを構成する超電導テープ11a〜11e、12a〜12eが薄い(2.0mm程度以下)場合には、超電導コイルの配置を電流方向により決定する必要はない。
【0021】
また、本実施形態の超電導コイルは図7に示すように、積み重ねたパンケーキ形超電導コイル10a〜10e間にスペーサ22を配してそれぞれの超電導コイル間を離間する構造とすることもできる。この場合には、超電導テープ11a,12aを巻線するための円筒管23の底部にフランジ状のスペーサ22を備えたボビン24に超電導テープ11a〜11e及び超電導テープ12a〜12eを巻線して超電導コイル10a〜10eを作製し、円柱状の支持部材27に円筒管23を嵌め込んで超電導コイル10a〜10eを積み重ねることで、スペーサ22により所定間隔で離間されたパンケーキ形超電導コイルを備えた超電導コイルを構成することができる。
図7に示すように、超電導コイル10a〜10e間をスペーサ22で離間して配置すれば、このスペーサ22により冷媒流路が確保され、超電導コイル10a〜10eの冷却効率を高めることができ、永久電流スイッチとして用いた場合に高速のスイッチング動作が可能である。
【0022】
尚、上記各実施の形態では、パンケーキコイルを構成するテープとして超電導テープを用いた場合について説明したが、上記本発明に係る巻線方法は、通常の金属テープを用いて無誘導巻線を構成する場合にも好適に用いることができるのは勿論である。
【0023】
(超電導エネルギー貯蔵装置)
上記構成を備えた本実施形態の超電導コイル10は、超電導永久電流スイッチに好適に使用することができる。係る永久電流スイッチを備えた超電導エネルギー貯蔵装置の一例について図8を参照して説明する。この例の装置において、31は超電導貯蔵コイル、32は超電導コイル31に並列接続された永久電流スイッチ、33は超電導貯蔵コイル31と永久電流スイッチ32に接続されたパワーリード、34はパワーリード33に組み込まれた開閉スイッチ、35はパワーリード33に接続された交直変換器をそれぞれ示している。この例の永久電流スイッチ32は、前記超電導コイル10を備えている。
【0024】
また、図8において36は制御用超電導コイル、37はこの制御用超電導コイル36に接続された定電流源である。更に、図8において38は冷却容器による極低温領域を示し、この領域を液体ヘリウムにより極低温に冷却することで超電導貯蔵コイル31と永久電流スイッチ32と制御用超電導コイル36をそれぞれ超電導状態とすることができるようになっている。前記制御用超電導コイル36は1テスラ程度の磁場を発生させることができるものである。
【0025】
前記構成の装置によれば、電力の充電、貯蔵、放出ができるようになっている。まず、充電を行うには、開閉スイッチ34を閉じて回路を接続するとともに、定電流源37を作動させて制御用超電導コイル36に通電し、制御用超電導コイル36により永久電流スイッチ32の超電導コイル10に磁場を印加する。この場合、印加磁場は超電導コイル10の臨界磁界より高くなるようにする。これにより、超電導コイル10の超電導体は極低温であっても常電導状態となるので、永久電流スイッチ32は切られた状態となり、超電導貯蔵コイル31に直流電流が流れ、磁気エネルギーとして電力を貯蔵できるようになる。
【0026】
次に、永久電流スイッチ32に対する磁場を解除すると、永久電流スイッチ32の超電導体が超電導状態となるので、超電導貯蔵コイル31の両端を短絡することになる。更に、開閉スイッチ34を開いて制御用超電導コイル36に対する通電を停止する。これにより、超電導コイル31は極低温に冷却されていて電気抵抗がゼロであるがために、電流は減衰することなく超電導コイル31を流れ続け、そのときの超電導貯蔵コイル31に蓄えられたエネルギーが無損失で保存されることとなる。
【0027】
次に、この貯蔵された電力を取り出すには、開閉スイッチ34を閉じて回路を接続するとともに、制御用超電導コイル36に通電して永久電流スイッチ32の超電導体を常電導状態に転位させる。これにより、超電導貯蔵コイル31に蓄えられていた磁気エネルギーを交流電力として取り出すことができる。このようにして永久電流スイッチ32のオン/オフ制御を行うことができる。尚、このような磁場の付加と解除により永久電流スイッチのオン/オフ制御を行うならば、応答が速いので高速応答に容易に対応することができる。
そして、図8に示す永久電流スイッチ32では、冷却効率が高く、高速応答が可能な本発明に係る超電導コイル(無誘導巻線)を備えているので、高速なスイッチ動作が可能とされている。
【0028】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る無誘導巻線は、2本の超電導テープをその一端で接合し、重ね合わせて二重テープとし、前記各超電導テープの外周面に沿って絶縁テープをそれぞれ配置するとともに、前記接合部を起点としてコイル状に巻線した構成、あるいは1本の超電導テープを折返して重ね合わせて二重テープとし、前記二重テープを構成する各超電導テープの外側面に沿って絶縁テープをそれぞれ配置するとともに、前記折返し部を起点としてコイル状に巻線した構成とすることで、容易に無誘導巻線を作製することができる。また、重ね合わされた超電導テープ間に絶縁テープが挿入されていることで、超電導テープの自体に絶縁構造を設ける必要がなく、テープどうしを密着させた状態で巻線を構成するため、インダクタンスが極めて小さい巻線を実現することができる。また、超電導テープ自体に絶縁構造を設けないことで超電導テープの冷却効率を高めることができ、テープを密着して巻線しても十分な冷却効率が得られ、永久電流スイッチに用いた場合に高速なスイッチング動作が可能な巻線とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の無誘導巻線の一実施の形態である超電導コイルの斜視構成図である。
【図2】図2は、図1に示す超電導テープ11の断面構成図である。
【図3】図3は、図1に示す超電導テープ11の断面構造の他の例を示す図である。
【図4】図4A、図4Bは、図1に示す超電導コイルの巻線方法を説明するための説明図である。
【図5】図5は、複数のパンケーキ形コイルを積層して備える超電導コイルの斜視構成図である。
【図6】図6は、図5に示す超電導コイルの部分断面構成図である。
【図7】図7は、パンケーキ形超電導コイル間にスペーサを備えた超電導コイルの側面図である。
【図8】図8は、本発明に係る超電導コイルを備えた永久電流スイッチが適用された超電導エネルギー貯蔵装置の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
10,10a〜10e 超電導コイル(無誘導巻線)
11,12,11a〜11e,12a〜12e 超電導テープ
13,14 絶縁テープ
22 スペーサ
21,24 ボビン

Claims (6)

  1. 超電導導体をコイル状に巻線した無誘導巻線であって、
    前記超電導導体が、2本の超電導テープをそれらの一端で接合し、重ね合わせた二重テープとされ、
    前記各超電導テープの外周面に沿って絶縁テープがそれぞれ配置されており、前記接合部を起点としてコイル状に巻線されたことを特徴とする無誘導巻線。
  2. 前記超電導テープをパンケーキコイル形に巻線した超電導コイルを複数積層して備え、
    1の超電導コイルの二重テープのうち内周側に配置された超電導テープと、該超電導コイルと隣接して積層された超電導コイルの二重テープのうち外周側に配置された超電導テープとが、前記超電導コイルの外周側で互いに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の無誘導巻線。
  3. 前記超電導テープをパンケーキコイル形に巻線した超電導コイルを複数積層して備え、
    1の超電導コイルの二重テープのうち内周側に配置された超電導テープと、該超電導コイルと隣接して積層された超電導コイルの二重テープのうち内周側に配置された超電導テープとが、前記超電導コイルの外周側で互いに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の無誘導巻線。
  4. 前記積層された超電導コイル間に、スペーサが挿入されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の無誘導巻線。
  5. 金属線材をコイル状に巻線した無誘導巻線であって、
    前記金属線材が、2本の金属テープをそれらの一端で接合し、重ね合わされた二重テープとされ、
    前記各金属テープの外周面に沿って絶縁テープがそれぞれ配置されており、
    前記接合部を起点としてコイル状に巻線されたことを特徴とする無誘導巻線。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の無誘導巻線を備えたことを特徴とする永久電流スイッチ。
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