JPH08222426A - 超電導磁石の巻線構造 - Google Patents
超電導磁石の巻線構造Info
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- JPH08222426A JPH08222426A JP2643895A JP2643895A JPH08222426A JP H08222426 A JPH08222426 A JP H08222426A JP 2643895 A JP2643895 A JP 2643895A JP 2643895 A JP2643895 A JP 2643895A JP H08222426 A JPH08222426 A JP H08222426A
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- Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】超電導磁石を、絶縁超電導線15あるいは角形
超電導線37で巻線する途中に、例えば巻線する絶縁超
電導線15と絶縁超電導線15との間に、金属材または
絶縁材からなる線材に有機絶縁材を介してカーボンペー
スト被覆ダミー線16を、あるいは角形カーボンダミー
線40,40aを巻回し、その計測線33,33a,33
bの端子11,11aに電圧検知器25,電流回路29
と、超電導磁石1の電源端子21a,21bの主電源回
路23と電圧検知回路25を電源操作回路31で電気的
に接続して構成し、超電導磁石1の微小な温度変化を電
圧変化として検知し、その検知信号で超電導磁石1の主
電源回路23を操作制御する。 【効果】超電導磁石の温度変化を敏感に精度良く検知
し、超電導磁石の電源装置を早期に制御できるので、ク
エンチの阻止と安定性維持向上を図れる。
超電導線37で巻線する途中に、例えば巻線する絶縁超
電導線15と絶縁超電導線15との間に、金属材または
絶縁材からなる線材に有機絶縁材を介してカーボンペー
スト被覆ダミー線16を、あるいは角形カーボンダミー
線40,40aを巻回し、その計測線33,33a,33
bの端子11,11aに電圧検知器25,電流回路29
と、超電導磁石1の電源端子21a,21bの主電源回
路23と電圧検知回路25を電源操作回路31で電気的
に接続して構成し、超電導磁石1の微小な温度変化を電
圧変化として検知し、その検知信号で超電導磁石1の主
電源回路23を操作制御する。 【効果】超電導磁石の温度変化を敏感に精度良く検知
し、超電導磁石の電源装置を早期に制御できるので、ク
エンチの阻止と安定性維持向上を図れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導磁石の安定性維
持に係わり、特に、超電導磁石が熱擾乱等により常電導
転移する直前の温度変化を検知し、クエンチを予知並び
に検知し、防止する超電導磁石の巻線構造に関する。
持に係わり、特に、超電導磁石が熱擾乱等により常電導
転移する直前の温度変化を検知し、クエンチを予知並び
に検知し、防止する超電導磁石の巻線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導磁石は、一般に冷却媒体(液体ヘ
リウム)中で冷却されている。この超電導コイルに電流
が通電され磁界が生じている時に、超電導コイルの一部
分のコイル導体が動いたり、含浸剤が破損する等の異常
が発生すると、これらが熱擾乱となって超電導導体の一
部が温度上昇し常電導転移、即ち、クエンチする。クエ
ンチが発生すると超電導コイルから大量の熱が発生し、
冷却媒体が沸騰し、時にはその熱で超電導コイルが溶融
するなどの大事故につながる。そのため、超電導磁石で
はこのクエンチを防止すること、また、その発生原因を
解明することが重要な課題である。
リウム)中で冷却されている。この超電導コイルに電流
が通電され磁界が生じている時に、超電導コイルの一部
分のコイル導体が動いたり、含浸剤が破損する等の異常
が発生すると、これらが熱擾乱となって超電導導体の一
部が温度上昇し常電導転移、即ち、クエンチする。クエ
ンチが発生すると超電導コイルから大量の熱が発生し、
冷却媒体が沸騰し、時にはその熱で超電導コイルが溶融
するなどの大事故につながる。そのため、超電導磁石で
はこのクエンチを防止すること、また、その発生原因を
解明することが重要な課題である。
【0003】従来、クエンチを検知する方法は、超電導
コイルを巻線する超電導導体に電圧端子を設け、クエン
チ時に発生する電圧から検知する方法、または、超電導
磁石の周辺にAE(アコーステックエミッション)セン
サを取付け、センサ内の固体材料の変化,破壊に伴って
開放されるエネルギの弾性波から検知する方法、あるい
は銅とコンスタンタンや金鉄とクロメル等の熱電対線を
直接超電導導体に取付け、その熱起電力から測定する温
度からクエンチを検出する方法がとられていた。しか
し、いずれの方法にしても超電導コイルのクエンチの状
態を基に検知するもので、超電導コイルの保護の視点か
らなされてきた。従って、必ずしもクエンチを予知した
り、積極的に抑制する方法ではなかった。
コイルを巻線する超電導導体に電圧端子を設け、クエン
チ時に発生する電圧から検知する方法、または、超電導
磁石の周辺にAE(アコーステックエミッション)セン
サを取付け、センサ内の固体材料の変化,破壊に伴って
開放されるエネルギの弾性波から検知する方法、あるい
は銅とコンスタンタンや金鉄とクロメル等の熱電対線を
直接超電導導体に取付け、その熱起電力から測定する温
度からクエンチを検出する方法がとられていた。しか
し、いずれの方法にしても超電導コイルのクエンチの状
態を基に検知するもので、超電導コイルの保護の視点か
らなされてきた。従って、必ずしもクエンチを予知した
り、積極的に抑制する方法ではなかった。
【0004】その他、カーボンを用いた温度センサは、
薄いプラスチックフィルム上にカーボンを塗布した幅
3.4mm,長さ13.3mm,厚さ1mmの極低温高速温度計
が共和技報276(Feb,1981年)第1937頁から
1940頁に記載されている。また、光による超電導コ
イル内のクエンチ検知方法として、光ファイバを超電導
コイル中に巻き込み、光信号の干渉の位相差から温度を
検出する方法が藤倉技報80、(1991年)第1頁か
ら36頁に記載されている。
薄いプラスチックフィルム上にカーボンを塗布した幅
3.4mm,長さ13.3mm,厚さ1mmの極低温高速温度計
が共和技報276(Feb,1981年)第1937頁から
1940頁に記載されている。また、光による超電導コ
イル内のクエンチ検知方法として、光ファイバを超電導
コイル中に巻き込み、光信号の干渉の位相差から温度を
検出する方法が藤倉技報80、(1991年)第1頁か
ら36頁に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記巻線導体の端子電
圧による方法では、超電導磁石の超電導状態が破れ常電
導転移しないかぎり検出されない。即ち、巻線導体がク
エンチした後でないと検出が困難な問題がある。また、
この端子電圧による方法では超電導磁石の高磁界化,高
電流密度化に伴い巻線導体間の電磁誘導によるノイズや
電源ノイズ等は近年高いレベルに達しているので、常電
導転移によって発生する微小な信号を検出する方法は、
その信頼性が著しく低下している。また、超電導状態か
ら常電導状態に転移する分流開始温度は、磁界の強さと
電流密度によっても異なるが、通常は極めて微小な温度
上昇である。このため、熱電対線を利用した温度センサ
による方法では、熱起電力としての感度が小さいために
測定不可能であった。
圧による方法では、超電導磁石の超電導状態が破れ常電
導転移しないかぎり検出されない。即ち、巻線導体がク
エンチした後でないと検出が困難な問題がある。また、
この端子電圧による方法では超電導磁石の高磁界化,高
電流密度化に伴い巻線導体間の電磁誘導によるノイズや
電源ノイズ等は近年高いレベルに達しているので、常電
導転移によって発生する微小な信号を検出する方法は、
その信頼性が著しく低下している。また、超電導状態か
ら常電導状態に転移する分流開始温度は、磁界の強さと
電流密度によっても異なるが、通常は極めて微小な温度
上昇である。このため、熱電対線を利用した温度センサ
による方法では、熱起電力としての感度が小さいために
測定不可能であった。
【0006】また、温度センサによるクエンチ検知では
長尺の超電導線の温度測定には無数の温度センサが必要
となり計測上にも問題があること、また、厚みがあるた
めに超電導線と一体に巻線することが困難である他、非
常に薄い温度センサであっても、超電導線と超電導線の
間に、つまり超電導線の表面に介在して巻線すると、そ
の部分上に積層される超電導線に膨らみが生じて巻線コ
イルが変化し、寸法精度の良い安定性維持のできる超電
導磁石の製作が困難である。さらに、光ファイバを用い
た検知方法でも、温度の検知精度が悪く、常電導転移を
発生する以前の微小な温度検知が不可能であった。
長尺の超電導線の温度測定には無数の温度センサが必要
となり計測上にも問題があること、また、厚みがあるた
めに超電導線と一体に巻線することが困難である他、非
常に薄い温度センサであっても、超電導線と超電導線の
間に、つまり超電導線の表面に介在して巻線すると、そ
の部分上に積層される超電導線に膨らみが生じて巻線コ
イルが変化し、寸法精度の良い安定性維持のできる超電
導磁石の製作が困難である。さらに、光ファイバを用い
た検知方法でも、温度の検知精度が悪く、常電導転移を
発生する以前の微小な温度検知が不可能であった。
【0007】本発明の目的は、超電導状態にある超電導
磁石が熱擾乱により温度上昇する際に、常電導転移する
以前の微小な温度上昇をも顕著に検知する導電材、即
ち、カーボン材を被覆したカーボン被覆ダミー線と超電
導線で、あるいはカーボンペーストを紙シート材やポリ
エチレンシート材に塗布したカーボンシート材で被覆し
たカーボンシート被覆ダミー線と超電導線で巻線し、ク
エンチ前の超電導導体とその極近傍含浸材の温度状態を
検知し、クエンチの予知と防止をし、信頼性に優れ、安
全性の高い超電導磁石を提供することにある。
磁石が熱擾乱により温度上昇する際に、常電導転移する
以前の微小な温度上昇をも顕著に検知する導電材、即
ち、カーボン材を被覆したカーボン被覆ダミー線と超電
導線で、あるいはカーボンペーストを紙シート材やポリ
エチレンシート材に塗布したカーボンシート材で被覆し
たカーボンシート被覆ダミー線と超電導線で巻線し、ク
エンチ前の超電導導体とその極近傍含浸材の温度状態を
検知し、クエンチの予知と防止をし、信頼性に優れ、安
全性の高い超電導磁石を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第一実施例の超電導磁石の巻線構造は、凹
部を形成する非磁性巻枠と、該非磁性巻枠の凹部底を絶
縁する分割絶縁材と、非磁性巻枠の上下端板部を絶縁す
る絶縁端板で巻線凹部を形成し、この巻線凹部に巻線す
る線材を超電導線とダミー線からなり、これら巻線凹部
に巻線する超電導線をホルマールあるいはポリエステ
ル、またはポリイミドで絶縁した絶縁超電導線に、ダミ
ー線を金属材あるいは絶縁材の線材に極低温冷却媒体中
で高抵抗値になる導電材を、例えば、カーボン粉末に熱
硬化性フェノール樹脂をバインダとして混入したカーボ
ンペースト、あるいはホルマール,ポリエステルまたは
ポリイミドの有機絶縁材にカーボン粉末を混入したカー
ボンペーストで被覆したカーボン被覆ダミー線、またカ
ーボン粉末をホルマールあるいはポリエステル、または
ポリイミドの有機絶縁溶剤に混入したカーボンペースト
を紙材に、あるいはポリビニルホルマール樹脂にカーボ
ン粉末を混入したカーボンペーストをポリエチレンシー
ト材に塗布した柔軟性のカーボンシート材で被覆したカ
ーボン被覆ダミー線とし、絶縁超電導線と絶縁超電導線
の間、あるいは絶縁超電導線と分割絶縁材の間、もしく
は絶縁超電導線と絶縁端板の間に温度変化を検知するカ
ーボン被覆ダミー線を介在して巻線したことを特徴とす
る。
に、本発明の第一実施例の超電導磁石の巻線構造は、凹
部を形成する非磁性巻枠と、該非磁性巻枠の凹部底を絶
縁する分割絶縁材と、非磁性巻枠の上下端板部を絶縁す
る絶縁端板で巻線凹部を形成し、この巻線凹部に巻線す
る線材を超電導線とダミー線からなり、これら巻線凹部
に巻線する超電導線をホルマールあるいはポリエステ
ル、またはポリイミドで絶縁した絶縁超電導線に、ダミ
ー線を金属材あるいは絶縁材の線材に極低温冷却媒体中
で高抵抗値になる導電材を、例えば、カーボン粉末に熱
硬化性フェノール樹脂をバインダとして混入したカーボ
ンペースト、あるいはホルマール,ポリエステルまたは
ポリイミドの有機絶縁材にカーボン粉末を混入したカー
ボンペーストで被覆したカーボン被覆ダミー線、またカ
ーボン粉末をホルマールあるいはポリエステル、または
ポリイミドの有機絶縁溶剤に混入したカーボンペースト
を紙材に、あるいはポリビニルホルマール樹脂にカーボ
ン粉末を混入したカーボンペーストをポリエチレンシー
ト材に塗布した柔軟性のカーボンシート材で被覆したカ
ーボン被覆ダミー線とし、絶縁超電導線と絶縁超電導線
の間、あるいは絶縁超電導線と分割絶縁材の間、もしく
は絶縁超電導線と絶縁端板の間に温度変化を検知するカ
ーボン被覆ダミー線を介在して巻線したことを特徴とす
る。
【0009】また、本発明の第二の超電導磁石の巻線構
造は、第一の超電導磁石の巻線構造と同じく、凹部を有
した非磁性巻枠をはじめ、非磁性巻枠の凹部底の内周部
を絶縁する分割絶縁材と、上下端板部を絶縁する絶縁端
板を設けて絶縁巻線凹部を形成し、絶縁巻線凹部に巻線
する絶縁超電導線とカーボン被覆ダミー線とからなり、
その巻線する超電導線を角形超電導線に、カーボン被覆
ダミー線を角形超電導線と同一形状寸法をなす角形カー
ボン被覆ダミー線とし、そして角形カーボン被覆ダミー
線を絶縁巻線凹部に沿ったコ字形状に巻線し、その内に
絶縁超電導線を巻線したカーボン被覆ダミー線包囲構造
とする。
造は、第一の超電導磁石の巻線構造と同じく、凹部を有
した非磁性巻枠をはじめ、非磁性巻枠の凹部底の内周部
を絶縁する分割絶縁材と、上下端板部を絶縁する絶縁端
板を設けて絶縁巻線凹部を形成し、絶縁巻線凹部に巻線
する絶縁超電導線とカーボン被覆ダミー線とからなり、
その巻線する超電導線を角形超電導線に、カーボン被覆
ダミー線を角形超電導線と同一形状寸法をなす角形カー
ボン被覆ダミー線とし、そして角形カーボン被覆ダミー
線を絶縁巻線凹部に沿ったコ字形状に巻線し、その内に
絶縁超電導線を巻線したカーボン被覆ダミー線包囲構造
とする。
【0010】また、本発明の第三の超電導磁石の巻線構
造は、前述と同様、第一の超電導磁石の巻線構造と同じ
く、凹部を設けた非磁性巻枠をはじめ、この非磁性巻枠
の凹部の底部に分割絶縁材を、上下端板部に絶縁端板を
設けて絶縁巻線凹部を形成し、絶縁巻線凹部に巻線する
絶縁超電導線とカーボン被覆ダミー線とからなり、その
巻線する絶縁超電導線を角形超電導線にし、カーボン被
覆ダミー線を角形超電導線と同一形状寸法の角形カーボ
ン被覆ダミー線とし、分割絶縁材と絶縁端板で形成する
絶縁巻線凹部に巻線する超電導コイルを縦方向、あるい
は横方向に分割するように、超電導コイルを巻線すると
同時に層コイルと層コイルの間に角形カーボン被覆ダミ
ー線を連続して、あるいは部分的に介在巻線し、角形カ
ーボン被覆ダミー線を超電導コイルの内部配置巻線構造
とする。
造は、前述と同様、第一の超電導磁石の巻線構造と同じ
く、凹部を設けた非磁性巻枠をはじめ、この非磁性巻枠
の凹部の底部に分割絶縁材を、上下端板部に絶縁端板を
設けて絶縁巻線凹部を形成し、絶縁巻線凹部に巻線する
絶縁超電導線とカーボン被覆ダミー線とからなり、その
巻線する絶縁超電導線を角形超電導線にし、カーボン被
覆ダミー線を角形超電導線と同一形状寸法の角形カーボ
ン被覆ダミー線とし、分割絶縁材と絶縁端板で形成する
絶縁巻線凹部に巻線する超電導コイルを縦方向、あるい
は横方向に分割するように、超電導コイルを巻線すると
同時に層コイルと層コイルの間に角形カーボン被覆ダミ
ー線を連続して、あるいは部分的に介在巻線し、角形カ
ーボン被覆ダミー線を超電導コイルの内部配置巻線構造
とする。
【0011】
【作用】本発明の第一実施例の超電導磁石の巻線構造
は、非磁性巻枠の凹部に分割絶縁材と絶縁端板を設けて
絶縁巻線凹部を形成し、絶縁巻線凹部に絶縁超電導線の
他に、カーボン粉末を溶剤に混入したカーボンペースト
を薄膜状に塗布、あるいはカーボン粉末をスパッタリン
グしたカーボン被覆超電導線を、またはカーボン粉末を
ホルマールあるいはポリエステル、またはポリイミドの
有機絶縁溶剤に混入したカーボンペーストを紙材に、あ
るいはポリビニルホルマール樹脂にカーボン粉末を混入
したカーボンペーストをホリエチレンシート材に塗布し
た柔軟性カーボンシート材で被覆したカーボン被覆ダミ
ー線を形成し、絶縁超電導線と一体に密着巻線すること
により、超電導コイルを巻線する超電導導体とカーボン
膜の短絡損傷や超電導導体の巻線作業にかける巻線張力
の心配など、超電導導体に悪影響を与えることがなく、
また温度計測素子となるダミー線のカーボン膜損傷がな
く、冷却媒体中の抵抗を精度よく測定できるカーボン素
子を備えた超電導磁石を容易に巻線できるので、巻線導
体の微小な動きや含浸剤亀裂によって発生する微小な温
度変化による常電導転移の発生以前の温度変化を容易に
検知でき、早期にクエンチの予知と阻止ができる。
は、非磁性巻枠の凹部に分割絶縁材と絶縁端板を設けて
絶縁巻線凹部を形成し、絶縁巻線凹部に絶縁超電導線の
他に、カーボン粉末を溶剤に混入したカーボンペースト
を薄膜状に塗布、あるいはカーボン粉末をスパッタリン
グしたカーボン被覆超電導線を、またはカーボン粉末を
ホルマールあるいはポリエステル、またはポリイミドの
有機絶縁溶剤に混入したカーボンペーストを紙材に、あ
るいはポリビニルホルマール樹脂にカーボン粉末を混入
したカーボンペーストをホリエチレンシート材に塗布し
た柔軟性カーボンシート材で被覆したカーボン被覆ダミ
ー線を形成し、絶縁超電導線と一体に密着巻線すること
により、超電導コイルを巻線する超電導導体とカーボン
膜の短絡損傷や超電導導体の巻線作業にかける巻線張力
の心配など、超電導導体に悪影響を与えることがなく、
また温度計測素子となるダミー線のカーボン膜損傷がな
く、冷却媒体中の抵抗を精度よく測定できるカーボン素
子を備えた超電導磁石を容易に巻線できるので、巻線導
体の微小な動きや含浸剤亀裂によって発生する微小な温
度変化による常電導転移の発生以前の温度変化を容易に
検知でき、早期にクエンチの予知と阻止ができる。
【0012】本発明の第二実施例の超電導磁石の巻線構
造は、絶縁巻線凹部に巻線する超電導線とダミー線を、
超電導線はホルマールあるいはポリエステル、またはポ
リイミド等の有機絶縁溶剤で絶縁した角形超電導線に、
そしてダミー線を角形超電導線と同一寸法形状で、長さ
方向と幅方向に計測線の配線溝を備えた角形カーボン被
覆ダミー線とし、角形カーボン被覆ダミー線を絶縁巻線
凹部に沿ってコ字形状に巻回し、その内側に角形超電導
線を巻回したカーボン被覆ダミー線包囲巻線構造とする
ことにより、超電導コイルの巻線作業時にかかる超電導
導体の巻線張力に関係なく計測線を引き出せるために、
巻線張力が計測線にかかって断線損傷なる心配がなくな
り巻線作業が容易になる。
造は、絶縁巻線凹部に巻線する超電導線とダミー線を、
超電導線はホルマールあるいはポリエステル、またはポ
リイミド等の有機絶縁溶剤で絶縁した角形超電導線に、
そしてダミー線を角形超電導線と同一寸法形状で、長さ
方向と幅方向に計測線の配線溝を備えた角形カーボン被
覆ダミー線とし、角形カーボン被覆ダミー線を絶縁巻線
凹部に沿ってコ字形状に巻回し、その内側に角形超電導
線を巻回したカーボン被覆ダミー線包囲巻線構造とする
ことにより、超電導コイルの巻線作業時にかかる超電導
導体の巻線張力に関係なく計測線を引き出せるために、
巻線張力が計測線にかかって断線損傷なる心配がなくな
り巻線作業が容易になる。
【0013】また、超電導コイルを内周部と外周部の両
面から角形カーボン被覆ダミー線で包囲するので、超電
導コイルからの温度変化の他に、冷却媒体による熱収縮
や電磁力の膨らみ応力等による樹脂含浸剤亀裂発生時の
摩擦による温度変化検知も容易にできる。その他の作用
効果については第一実施例の巻線構造と同様である。本
発明の第三実施例の巻線構造は、第一,第二実施例の超
電導磁石の巻線構造と同じく、凹部を有した非磁性巻枠
をはじめ、非磁性巻枠の凹部の内周部を絶縁する分割絶
縁材と、上下端板部を絶縁する絶縁端板で形成した絶縁
巻線凹部に巻線する超電導線とダミー線とからなり、超
電導線を角形超電導線に、ダミー線を角形超電導線と同
一寸法状形の角形カーボンダミー線とし、角形超電導線
で巻回した層コイルと層コイルの間に角形カーボンダミ
ー線を配置することにより、熱収縮による超電導コイル
内部の超電導線の収縮膨張摩擦や樹脂材亀裂による微小
な温度変化をコイル内部で広く検知できる他、温度検知
素子を任意の位置に介在でき、巻線導体の巻線張力を自
由に調整して張力巻線できるので、巻線作業が容易にな
り作業時間を短縮できる。また、前記実施例と同様に温
度計測素子を介在巻線しても超電導線の弛みや不整列に
なることがなく、寸法精度の高い超電導磁石を得ること
ができ、安定性維持向上が図れる。
面から角形カーボン被覆ダミー線で包囲するので、超電
導コイルからの温度変化の他に、冷却媒体による熱収縮
や電磁力の膨らみ応力等による樹脂含浸剤亀裂発生時の
摩擦による温度変化検知も容易にできる。その他の作用
効果については第一実施例の巻線構造と同様である。本
発明の第三実施例の巻線構造は、第一,第二実施例の超
電導磁石の巻線構造と同じく、凹部を有した非磁性巻枠
をはじめ、非磁性巻枠の凹部の内周部を絶縁する分割絶
縁材と、上下端板部を絶縁する絶縁端板で形成した絶縁
巻線凹部に巻線する超電導線とダミー線とからなり、超
電導線を角形超電導線に、ダミー線を角形超電導線と同
一寸法状形の角形カーボンダミー線とし、角形超電導線
で巻回した層コイルと層コイルの間に角形カーボンダミ
ー線を配置することにより、熱収縮による超電導コイル
内部の超電導線の収縮膨張摩擦や樹脂材亀裂による微小
な温度変化をコイル内部で広く検知できる他、温度検知
素子を任意の位置に介在でき、巻線導体の巻線張力を自
由に調整して張力巻線できるので、巻線作業が容易にな
り作業時間を短縮できる。また、前記実施例と同様に温
度計測素子を介在巻線しても超電導線の弛みや不整列に
なることがなく、寸法精度の高い超電導磁石を得ること
ができ、安定性維持向上が図れる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1に本発明の一実施例を示す超電導線の斜視図と
検知系統を示す。図1において、超電導磁石1は非磁性
巻枠2を巻芯とし、その非磁性巻枠2の凹部3には分割
絶縁材4と、端板部5a,5bには絶縁端板6a,6b
を設けてコ字形状の絶縁巻線凹部7を形成している。そ
して、この非磁性巻枠2の一方の端板部5aには絶縁材
8を施した2個の絶縁孔9a,9bと複数の通し孔10
を設け、通し孔10の近くに複数の端子11を設けた計
測端子板12を固定している。また、端板部5a,5b
の内側の絶縁端板6a,6bには計測線33を配線する
円周溝13a,13bと、円周方向に複数個の放射溝1
4を設けている。このように分割絶縁材4と絶縁端板6
a,6bで形成したコ字形状の絶縁巻線凹部7に、例え
ば、NbTiと安定化銅からなる超電導線にホルマール
あるいはポリエステル、またはポリイミドの絶縁材を被
覆した絶縁超電導線15と、非磁性金属材または絶縁材
等からなる線材に、カーボン粉末を溶剤に混入したカー
ボンペーストを薄膜状に塗布、あるいはカーボン粉末を
スパッタリング、またはカーボン粉末をホルマールある
いはポリエステル、またはポリイミドの有機絶縁溶剤に
混入したカーボンペーストを紙材に浸透させたカーボン
紙材、あるいはポリビニルホルマール樹脂にカーボン粉
末を混入したカーボンペーストをポリエチレンシートに
塗布したビニルカーボンシート材で被覆したカーボン被
覆ダミー線16を巻回して超電導コイル17を形成して
いる。ここにカーボン被覆ダミー線16のカーボン膜を
仮想して試験したカーボン膜の温度特性について記述す
ると、試験試料は長さ約50mm,幅6mmのホルマールの
絶縁材を被覆した絶縁超電導線に、カーボン粉末に熱硬
化性フェノール樹脂をバインダーとして混入したカーボ
ンペーストを塗布して乾燥し、20〜30μm厚さのカ
ーボン膜を形成して温度に対する抵抗変化を測定した結
果、カーボン膜の抵抗が温度変化に対して顕著に変化す
ることが解かった。特に、必要とする超電導状態が常電
導転移を起こす極低温近傍、即ち、温度が20K以下の
液体ヘリウム温度4.2K に近づくにつれて急激に変化
することを確認できた。つまり、この著しい変化範囲
は、超電導線の動きや樹脂含浸材の微小な変化で発生す
る超電導状態が常電導転移する温度領域、即ち、数Kの
温度変化でも顕著に変化するので、クエンチ前の温度状
態を検知するのに効果的であることを把握できた。そし
て絶縁超電導線15とカーボン被覆ダミー線16で構成
した超電導コイル17の外周部はガラス繊維材あるいは
有機絶縁材、例えば、ガラス繊維テープ、または有機絶
縁テープ18で絶縁し、その外周部を非磁性材で、例え
ば、ステンレス鋼材19あるいは熱収縮絶縁体、または
熱硬化性樹脂材で包囲含浸成形している。
る。図1に本発明の一実施例を示す超電導線の斜視図と
検知系統を示す。図1において、超電導磁石1は非磁性
巻枠2を巻芯とし、その非磁性巻枠2の凹部3には分割
絶縁材4と、端板部5a,5bには絶縁端板6a,6b
を設けてコ字形状の絶縁巻線凹部7を形成している。そ
して、この非磁性巻枠2の一方の端板部5aには絶縁材
8を施した2個の絶縁孔9a,9bと複数の通し孔10
を設け、通し孔10の近くに複数の端子11を設けた計
測端子板12を固定している。また、端板部5a,5b
の内側の絶縁端板6a,6bには計測線33を配線する
円周溝13a,13bと、円周方向に複数個の放射溝1
4を設けている。このように分割絶縁材4と絶縁端板6
a,6bで形成したコ字形状の絶縁巻線凹部7に、例え
ば、NbTiと安定化銅からなる超電導線にホルマール
あるいはポリエステル、またはポリイミドの絶縁材を被
覆した絶縁超電導線15と、非磁性金属材または絶縁材
等からなる線材に、カーボン粉末を溶剤に混入したカー
ボンペーストを薄膜状に塗布、あるいはカーボン粉末を
スパッタリング、またはカーボン粉末をホルマールある
いはポリエステル、またはポリイミドの有機絶縁溶剤に
混入したカーボンペーストを紙材に浸透させたカーボン
紙材、あるいはポリビニルホルマール樹脂にカーボン粉
末を混入したカーボンペーストをポリエチレンシートに
塗布したビニルカーボンシート材で被覆したカーボン被
覆ダミー線16を巻回して超電導コイル17を形成して
いる。ここにカーボン被覆ダミー線16のカーボン膜を
仮想して試験したカーボン膜の温度特性について記述す
ると、試験試料は長さ約50mm,幅6mmのホルマールの
絶縁材を被覆した絶縁超電導線に、カーボン粉末に熱硬
化性フェノール樹脂をバインダーとして混入したカーボ
ンペーストを塗布して乾燥し、20〜30μm厚さのカ
ーボン膜を形成して温度に対する抵抗変化を測定した結
果、カーボン膜の抵抗が温度変化に対して顕著に変化す
ることが解かった。特に、必要とする超電導状態が常電
導転移を起こす極低温近傍、即ち、温度が20K以下の
液体ヘリウム温度4.2K に近づくにつれて急激に変化
することを確認できた。つまり、この著しい変化範囲
は、超電導線の動きや樹脂含浸材の微小な変化で発生す
る超電導状態が常電導転移する温度領域、即ち、数Kの
温度変化でも顕著に変化するので、クエンチ前の温度状
態を検知するのに効果的であることを把握できた。そし
て絶縁超電導線15とカーボン被覆ダミー線16で構成
した超電導コイル17の外周部はガラス繊維材あるいは
有機絶縁材、例えば、ガラス繊維テープ、または有機絶
縁テープ18で絶縁し、その外周部を非磁性材で、例え
ば、ステンレス鋼材19あるいは熱収縮絶縁体、または
熱硬化性樹脂材で包囲含浸成形している。
【0015】以上、温度検知素子を構成するカーボン膜
20を被覆したカーボン被覆ダミー線16と絶縁超電導
線15で巻線した超電導磁石1の電源端子21a,21
bには電源装置22と、超電導コイル17が常電導転移
を起こした場合のエネルギを消費させる保護抵抗器32
を備えた主電源回路23が電気的に接続している。
20を被覆したカーボン被覆ダミー線16と絶縁超電導
線15で巻線した超電導磁石1の電源端子21a,21
bには電源装置22と、超電導コイル17が常電導転移
を起こした場合のエネルギを消費させる保護抵抗器32
を備えた主電源回路23が電気的に接続している。
【0016】また、計測端子板12の端子11には電圧
検知器24を備えた電圧検知回路25と、定電流電源装
置26,逆流防止素子27と保護抵抗器28を有した電
流回路29を電気的に接続し、電流回路29は、定電流
電源装置26を調節することによって電圧検知器24の
出力電圧感度を任意に調節できるようになっている。
検知器24を備えた電圧検知回路25と、定電流電源装
置26,逆流防止素子27と保護抵抗器28を有した電
流回路29を電気的に接続し、電流回路29は、定電流
電源装置26を調節することによって電圧検知器24の
出力電圧感度を任意に調節できるようになっている。
【0017】また、超電導磁石1の主電源回路23は、
電圧検知回路25と電源制御装置30を備えた電源操作
回路31で電気的に接続し、電圧検知器24からの電圧
信号を受けた電源制御装置30の電圧変化の設定値によ
り下降,維持あるいは遮断等の制御操作をできるように
構成している。
電圧検知回路25と電源制御装置30を備えた電源操作
回路31で電気的に接続し、電圧検知器24からの電圧
信号を受けた電源制御装置30の電圧変化の設定値によ
り下降,維持あるいは遮断等の制御操作をできるように
構成している。
【0018】このように、本実施例の温度検知素子を形
成巻回した超電導磁石1の巻線構造は、コイル用のホル
マールあるいはポリエステル、またはポリイミドの絶縁
材を施した絶縁超電導線15と、温度検知素子を形成す
るカーボン被覆ダミー線16を別々に製作し、絶縁巻線
凹部7に絶縁超電導線15を巻線する途中でカーボン被
覆ダミー線16を介在巻線するので、巻線する絶縁超電
導線15に巻線張力を付加してもカーボン被覆ダミー線
16に影響を及ぼすことがないので、巻線張力によるカ
ーボン膜20の断線損傷やカーボン膜20と絶縁超電導
線15との短絡損傷なる心配はなく、温度検知素子を備
えた巻線構造としても巻線作業を容易にし、絶縁超電導
線15に弛みやコイル変形なることがなく寸法精度の高
い超電導磁石1を提供できる。
成巻回した超電導磁石1の巻線構造は、コイル用のホル
マールあるいはポリエステル、またはポリイミドの絶縁
材を施した絶縁超電導線15と、温度検知素子を形成す
るカーボン被覆ダミー線16を別々に製作し、絶縁巻線
凹部7に絶縁超電導線15を巻線する途中でカーボン被
覆ダミー線16を介在巻線するので、巻線する絶縁超電
導線15に巻線張力を付加してもカーボン被覆ダミー線
16に影響を及ぼすことがないので、巻線張力によるカ
ーボン膜20の断線損傷やカーボン膜20と絶縁超電導
線15との短絡損傷なる心配はなく、温度検知素子を備
えた巻線構造としても巻線作業を容易にし、絶縁超電導
線15に弛みやコイル変形なることがなく寸法精度の高
い超電導磁石1を提供できる。
【0019】また、絶縁超電導線15とカーボン被覆ダ
ミー線16とは別々に製作し同時に巻線しても、絶縁超
電導線15には巻線張力がかかってもカーボン被覆ダミ
ー線16には張力がかからないので、信頼性の高いカー
ボン素子を形成できる。
ミー線16とは別々に製作し同時に巻線しても、絶縁超
電導線15には巻線張力がかかってもカーボン被覆ダミ
ー線16には張力がかからないので、信頼性の高いカー
ボン素子を形成できる。
【0020】また、カーボン被覆ダミー線16は絶縁超
電導線15とは異なり、長さが最長でも数ターン分と非
常に短くてよいため、カーボン膜20の形成が容易であ
り、高抵抗で一定膜面のカーボン膜20を容易に形成で
き、絶縁超電導線15に密着して整列よく巻回できるの
で、絶縁超電導線15の電磁力による微小な動きや巻線
導体近くの樹脂材亀裂等によって発生する微小な温度変
化を精度よく、高感度で検出することができる。そし
て、この微小な電圧変化を検知する電圧検知回路25,
電流回路29、そして電圧検知回路25の電圧変化の検
知で超電導磁石1の主電源回路23を操作する電源操作
回路31を電気的に接続することにより、早期にクエン
チ予知と阻止のできる温度検知素子を形成でき、巻線容
易な超電導磁石の巻線構造を提供できる。
電導線15とは異なり、長さが最長でも数ターン分と非
常に短くてよいため、カーボン膜20の形成が容易であ
り、高抵抗で一定膜面のカーボン膜20を容易に形成で
き、絶縁超電導線15に密着して整列よく巻回できるの
で、絶縁超電導線15の電磁力による微小な動きや巻線
導体近くの樹脂材亀裂等によって発生する微小な温度変
化を精度よく、高感度で検出することができる。そし
て、この微小な電圧変化を検知する電圧検知回路25,
電流回路29、そして電圧検知回路25の電圧変化の検
知で超電導磁石1の主電源回路23を操作する電源操作
回路31を電気的に接続することにより、早期にクエン
チ予知と阻止のできる温度検知素子を形成でき、巻線容
易な超電導磁石の巻線構造を提供できる。
【0021】また、計測端子板12の端子11とカーボ
ン被覆ダミー線16を結ぶ計測線33の接続を、カーボ
ン被覆ダミー線16の一部分に切り欠き部34を設け、
カーボン被覆ダミー線16のカーボン膜20部の切り欠
き部34に計測線33をカーボンペースト、あるいは銀
ペーストで接着固定し、計測線33を切り欠き部34
と、絶縁超電導線15と絶縁超電導線15の導体間の隙
間35を介して絶縁端板6a,6bの円周溝13a,1
3bと放射溝14に導き、通し孔10を通して端子11
に接続するので、計測線33の引き出しや接続部の導体
膨らみによるコイル変形等はなく、寸法精度の良い超電
導磁石を巻線できる。この他、クエンチが発生した場合
には、各絶縁超電導線15の巻線導体の間に巻回したカ
ーボン被覆ダミー線16からの検知電圧を、電圧検知器
24と電圧検知器24の出力電圧を画像化処理する画像
処理装置36で観察することにより、発生位置近くの解
明が容易になるので、問題解決の時間短縮が図れるな
ど、超電導磁石の監視に効果的な超電導磁石の巻線構造
を提供できる。
ン被覆ダミー線16を結ぶ計測線33の接続を、カーボ
ン被覆ダミー線16の一部分に切り欠き部34を設け、
カーボン被覆ダミー線16のカーボン膜20部の切り欠
き部34に計測線33をカーボンペースト、あるいは銀
ペーストで接着固定し、計測線33を切り欠き部34
と、絶縁超電導線15と絶縁超電導線15の導体間の隙
間35を介して絶縁端板6a,6bの円周溝13a,1
3bと放射溝14に導き、通し孔10を通して端子11
に接続するので、計測線33の引き出しや接続部の導体
膨らみによるコイル変形等はなく、寸法精度の良い超電
導磁石を巻線できる。この他、クエンチが発生した場合
には、各絶縁超電導線15の巻線導体の間に巻回したカ
ーボン被覆ダミー線16からの検知電圧を、電圧検知器
24と電圧検知器24の出力電圧を画像化処理する画像
処理装置36で観察することにより、発生位置近くの解
明が容易になるので、問題解決の時間短縮が図れるな
ど、超電導磁石の監視に効果的な超電導磁石の巻線構造
を提供できる。
【0022】次に、本発明の第二実施例を図2を用いて
説明する。第二実施例は、第一実施例の超電導磁石1の
巻線構造と同様に、コ字形状の凹部3を備えた非磁性巻
枠2の凹部3の底部に分割絶縁材4と絶縁端板6a,6
bを介在して絶縁巻線凹部7を形成して超電導磁石1の
巻枠を構成し、この巻枠の絶縁巻線凹部7に巻線する超
電導線と温度検知のダミー線を、超電導線はホルマール
あるいはポリエステル、またはポリイミド等の有機絶縁
剤で絶縁した角形超電導線37に、温度検知素子を形成
するダミー線を外径寸法が角形超電導線37と同一寸法
で、長さ方向に連通した配線溝38を、そして長さ方向
に部分的に幅溝39を設けてカーボンペーストを塗布、
あるいはカーボン粉末をスパッタリング、またはカーボ
ン粉末をホルマールあるいはポリエステル、またはポリ
イミドの有機絶縁溶剤に混入したカーボンペーストを紙
材に浸透させたカーボン紙材、あるいはポリビニルホル
マール樹脂材にカーボン粉末を混入したカーボンペース
トをポリエチレンシートに塗布したビニルカーボンシー
ト材等で被覆した角形カーボンダミー線39にし、角形
カーボンダミー線40を絶縁巻線凹部7のコ字形状に沿
って巻回配置し、その内側に角形超電導線37を巻線し
ている。この時の角形カーボンダミー線40の巻回固定
は、1ターン毎に端部に段さ41a,41bを設け、段
さ41aと41bを溶着あるいは接着固定している。そ
して最外周の角形超電導線37の巻線終了後に角形カー
ボン被覆ダミー線40を巻回固定し、その外周部を前記
実施例と同様に有機絶縁テープ18とステンレス鋼材1
9で固定し、熱収縮絶縁体あるいは熱硬化性樹脂材で含
浸成形している。また、この時の角形カーボン被覆ダミ
ー線40の計測線33aの引き出しは、配線溝38ある
いは幅溝39に計測線33aをカーボンペースト、また
は銀ペーストで接着固定し、配線溝38と幅溝39を介
して絶縁端板6cに設けた円周溝13cと放射溝14a
に導き、計測端子板12aの端子11aに接続してい
る。
説明する。第二実施例は、第一実施例の超電導磁石1の
巻線構造と同様に、コ字形状の凹部3を備えた非磁性巻
枠2の凹部3の底部に分割絶縁材4と絶縁端板6a,6
bを介在して絶縁巻線凹部7を形成して超電導磁石1の
巻枠を構成し、この巻枠の絶縁巻線凹部7に巻線する超
電導線と温度検知のダミー線を、超電導線はホルマール
あるいはポリエステル、またはポリイミド等の有機絶縁
剤で絶縁した角形超電導線37に、温度検知素子を形成
するダミー線を外径寸法が角形超電導線37と同一寸法
で、長さ方向に連通した配線溝38を、そして長さ方向
に部分的に幅溝39を設けてカーボンペーストを塗布、
あるいはカーボン粉末をスパッタリング、またはカーボ
ン粉末をホルマールあるいはポリエステル、またはポリ
イミドの有機絶縁溶剤に混入したカーボンペーストを紙
材に浸透させたカーボン紙材、あるいはポリビニルホル
マール樹脂材にカーボン粉末を混入したカーボンペース
トをポリエチレンシートに塗布したビニルカーボンシー
ト材等で被覆した角形カーボンダミー線39にし、角形
カーボンダミー線40を絶縁巻線凹部7のコ字形状に沿
って巻回配置し、その内側に角形超電導線37を巻線し
ている。この時の角形カーボンダミー線40の巻回固定
は、1ターン毎に端部に段さ41a,41bを設け、段
さ41aと41bを溶着あるいは接着固定している。そ
して最外周の角形超電導線37の巻線終了後に角形カー
ボン被覆ダミー線40を巻回固定し、その外周部を前記
実施例と同様に有機絶縁テープ18とステンレス鋼材1
9で固定し、熱収縮絶縁体あるいは熱硬化性樹脂材で含
浸成形している。また、この時の角形カーボン被覆ダミ
ー線40の計測線33aの引き出しは、配線溝38ある
いは幅溝39に計測線33aをカーボンペースト、また
は銀ペーストで接着固定し、配線溝38と幅溝39を介
して絶縁端板6cに設けた円周溝13cと放射溝14a
に導き、計測端子板12aの端子11aに接続してい
る。
【0023】以上のように構成した第二実施例の超電導
磁石1の巻線構造は、絶縁巻線凹部7の先に、コ字形状
に角形カーボン被覆ダミー線40を巻回固定し、その
後、角形超電導線37を連続して巻線し、最終ターン層
の外周を角形カーボン被覆ダミー線40で巻回し、その
外周を有機絶縁テープ18とステンレス鋼材19で固定
成形する巻線構造としているので、角形カーボン被覆ダ
ミー線40を巻回固定した後に角形超電導線37を連続
して巻線し、そして角形超電導線37の終了後に角形カ
ーボン被覆ダミー線40を巻回するため、温度検知素子
を形成する角形カーボン被覆ダミー線40を巻回するた
めに張力巻線している途中で一時的に、張力巻線してい
る角形超電導線37を弛めたり、あるいは作業を中断す
ることなく、つまり角形超電導線37の巻線張力に関係
なく角形カーボン被覆ダミー線40を巻回固定できるた
め、角形カーボン被覆ダミー線40の計測線33aが邪
魔になって巻線作業が中断したり、あるいは計測線33
aが巻線する角形超電導線37に引っ掛かって断線破損
を起こすことなどがなく巻線作業も容易になり、かつ巻
線の不整列や巻線導体に弛みの出来ない、寸法精度の良
い温度検知素子を備えた超電導磁石を提供できる。
磁石1の巻線構造は、絶縁巻線凹部7の先に、コ字形状
に角形カーボン被覆ダミー線40を巻回固定し、その
後、角形超電導線37を連続して巻線し、最終ターン層
の外周を角形カーボン被覆ダミー線40で巻回し、その
外周を有機絶縁テープ18とステンレス鋼材19で固定
成形する巻線構造としているので、角形カーボン被覆ダ
ミー線40を巻回固定した後に角形超電導線37を連続
して巻線し、そして角形超電導線37の終了後に角形カ
ーボン被覆ダミー線40を巻回するため、温度検知素子
を形成する角形カーボン被覆ダミー線40を巻回するた
めに張力巻線している途中で一時的に、張力巻線してい
る角形超電導線37を弛めたり、あるいは作業を中断す
ることなく、つまり角形超電導線37の巻線張力に関係
なく角形カーボン被覆ダミー線40を巻回固定できるた
め、角形カーボン被覆ダミー線40の計測線33aが邪
魔になって巻線作業が中断したり、あるいは計測線33
aが巻線する角形超電導線37に引っ掛かって断線破損
を起こすことなどがなく巻線作業も容易になり、かつ巻
線の不整列や巻線導体に弛みの出来ない、寸法精度の良
い温度検知素子を備えた超電導磁石を提供できる。
【0024】また、角形超電導線37で巻線した超電導
コイル17の内周部と外周部の両面に角形カーボンダミ
ー線40を取付けてあるため、超電導コイル17の発熱
による温度変化の他に、電磁力の膨らみ応力や冷却媒体
の熱収縮等による含浸樹脂材の亀裂発生時の温度変化を
も容易に検知できる。その他、第一実施例の巻線構造と
同様の作用効果の得られる超電導磁石の巻線構造を提供
できる。
コイル17の内周部と外周部の両面に角形カーボンダミ
ー線40を取付けてあるため、超電導コイル17の発熱
による温度変化の他に、電磁力の膨らみ応力や冷却媒体
の熱収縮等による含浸樹脂材の亀裂発生時の温度変化を
も容易に検知できる。その他、第一実施例の巻線構造と
同様の作用効果の得られる超電導磁石の巻線構造を提供
できる。
【0025】図3に本発明の第三実施例の超電導磁石の
巻線構造を示す。第三実施例の巻線構造は、超電導線と
温度検知素子を形成するダミー線を巻線する絶縁巻線凹
部7aを構成する巻枠を、第一実施例,第二実施例と同
様に、電源端子21a,21bを挿入する絶縁孔9a,
9b、温度検知素子を形成するダミー線からの計測線3
3bを外部に引き出す通し孔10、そして、この通し孔
10を介し計測線33bを接続する端子11を設けた計
測端子板12等を設けた非磁性巻枠2と、非磁性巻枠2
の凹部3を絶縁する分割絶縁材4、それに端板部5a,
5bを絶縁する絶縁端板6a,6bからなり、分割絶縁
材4と絶縁端板6a,6bで超電導線とダミー線を巻線
する絶縁巻線凹部7aを形成している。そして、この絶
縁巻線凹部7aに巻線する超電導線をホルマールあるい
はポリエステル、またはポリイミド等の有機絶縁剤を施
した角形絶縁超電導線42に、温度検知素子を形成する
ダミー線を、配線溝38aと長さ方向に部分的に幅溝3
9aを設けてカーボン膜20aを塗布した、角形絶縁超
電導線42と同一寸法形状をなす角形カーボンダミー線
40aとし、角形絶縁超電導線42aと角形絶縁超電導
線42bの間に、及び角形絶縁超電導線42を絶縁端板
6aから絶縁端板6bにかけて連続して巻回した層コイ
ルAと層コイルBの間に角形カーボンダミー線40aを
巻回配置している。この時の温度検知素子の構成は、角
形カーボンダミー線40aを巻回するときに、数ターン
毎に角形カーボンダミー線40aと角形カーボンダミー
線40aの間に絶縁材43を、例えば、ガラス繊維テー
プあるいは有機絶縁テープを介在してコイル内部に幅広
い検知素子を形成している。ここでは内径部に数ター
ン,中央部,外周部、そして絶縁端板6a側と絶縁端板
6b側に数ターン毎に一体化して5素子に構成して検知
素子を形成している。このように角形絶縁超電導線42
と角形カーボンダミー線40aを巻線し、その外周を有
機絶縁テープ18とステンレス鋼材19で固定した後、
熱収縮絶縁体あるいは熱硬化性樹脂材で包囲含浸成形し
ている。
巻線構造を示す。第三実施例の巻線構造は、超電導線と
温度検知素子を形成するダミー線を巻線する絶縁巻線凹
部7aを構成する巻枠を、第一実施例,第二実施例と同
様に、電源端子21a,21bを挿入する絶縁孔9a,
9b、温度検知素子を形成するダミー線からの計測線3
3bを外部に引き出す通し孔10、そして、この通し孔
10を介し計測線33bを接続する端子11を設けた計
測端子板12等を設けた非磁性巻枠2と、非磁性巻枠2
の凹部3を絶縁する分割絶縁材4、それに端板部5a,
5bを絶縁する絶縁端板6a,6bからなり、分割絶縁
材4と絶縁端板6a,6bで超電導線とダミー線を巻線
する絶縁巻線凹部7aを形成している。そして、この絶
縁巻線凹部7aに巻線する超電導線をホルマールあるい
はポリエステル、またはポリイミド等の有機絶縁剤を施
した角形絶縁超電導線42に、温度検知素子を形成する
ダミー線を、配線溝38aと長さ方向に部分的に幅溝3
9aを設けてカーボン膜20aを塗布した、角形絶縁超
電導線42と同一寸法形状をなす角形カーボンダミー線
40aとし、角形絶縁超電導線42aと角形絶縁超電導
線42bの間に、及び角形絶縁超電導線42を絶縁端板
6aから絶縁端板6bにかけて連続して巻回した層コイ
ルAと層コイルBの間に角形カーボンダミー線40aを
巻回配置している。この時の温度検知素子の構成は、角
形カーボンダミー線40aを巻回するときに、数ターン
毎に角形カーボンダミー線40aと角形カーボンダミー
線40aの間に絶縁材43を、例えば、ガラス繊維テー
プあるいは有機絶縁テープを介在してコイル内部に幅広
い検知素子を形成している。ここでは内径部に数ター
ン,中央部,外周部、そして絶縁端板6a側と絶縁端板
6b側に数ターン毎に一体化して5素子に構成して検知
素子を形成している。このように角形絶縁超電導線42
と角形カーボンダミー線40aを巻線し、その外周を有
機絶縁テープ18とステンレス鋼材19で固定した後、
熱収縮絶縁体あるいは熱硬化性樹脂材で包囲含浸成形し
ている。
【0026】また、超電導コイル17内に巻線した内径
部,中央部,外周部、それに絶縁端板6a側と絶縁端板
6b側の5素子に構成している。そして、それぞれの素
子からの計測線33bは、各々構成する素子のターン数
分を1素子とし、正負の計測線33bを引き出し、各計
測線33bを角形カーボンダミー線40aの配線溝38
aと幅溝39aを、それに絶縁端板6aと絶縁端板6b
の絶縁巻線凹部7a面に設けた放射溝14bと円周溝1
3cを介して通し孔10を通し計測端子板12の端子1
1に接続する。
部,中央部,外周部、それに絶縁端板6a側と絶縁端板
6b側の5素子に構成している。そして、それぞれの素
子からの計測線33bは、各々構成する素子のターン数
分を1素子とし、正負の計測線33bを引き出し、各計
測線33bを角形カーボンダミー線40aの配線溝38
aと幅溝39aを、それに絶縁端板6aと絶縁端板6b
の絶縁巻線凹部7a面に設けた放射溝14bと円周溝1
3cを介して通し孔10を通し計測端子板12の端子1
1に接続する。
【0027】以上のように構成した第三実施例の巻線構
造は、絶縁巻線凹部7aに巻回する角形カーボンダミー
線40aを、角形絶縁超電導線42aと角形絶縁超電導
線42bの間に、および角形絶縁超電導線42を絶縁端
板6aから絶縁端板6bにかけて連続して巻回した層コ
イルAと層コイルBの間に巻回配置し、巻回した角形カ
ーボンダミー線40aを数ターン密着させて温度検知素
子を形成するので、超電導コイル17内部に広い範囲の
温度検知素子を構成でき、コイル内部の検知範囲を広く
し、検知値の精度向上の図れる超電導磁石の巻線構造を
提供できる。また、巻線する角形絶縁超電導線42の巻
線張力を、温度検知素子となる角形カーボンダミー線4
0aには関係なく任意にかけることができるので、巻線
作業時間を大幅に短縮できる他、コイル内部における温
度検知素子の分散配置を簡単にできる。その他、実施例
と同様に温度検知素子を形成する角形カーボンダミー線
40aのコイル内部介在巻線としても、超電導線の弛み
や不整列になることがなく、寸法精度の高い超電導磁石
の巻線構造を提供できる。
造は、絶縁巻線凹部7aに巻回する角形カーボンダミー
線40aを、角形絶縁超電導線42aと角形絶縁超電導
線42bの間に、および角形絶縁超電導線42を絶縁端
板6aから絶縁端板6bにかけて連続して巻回した層コ
イルAと層コイルBの間に巻回配置し、巻回した角形カ
ーボンダミー線40aを数ターン密着させて温度検知素
子を形成するので、超電導コイル17内部に広い範囲の
温度検知素子を構成でき、コイル内部の検知範囲を広く
し、検知値の精度向上の図れる超電導磁石の巻線構造を
提供できる。また、巻線する角形絶縁超電導線42の巻
線張力を、温度検知素子となる角形カーボンダミー線4
0aには関係なく任意にかけることができるので、巻線
作業時間を大幅に短縮できる他、コイル内部における温
度検知素子の分散配置を簡単にできる。その他、実施例
と同様に温度検知素子を形成する角形カーボンダミー線
40aのコイル内部介在巻線としても、超電導線の弛み
や不整列になることがなく、寸法精度の高い超電導磁石
の巻線構造を提供できる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、第一実施例の超電導磁
石の巻線構造は、超電導線とは別に温度検知素子を形成
するカーボン被覆ダミー線を製作し、超電導線の張力巻
線とは別にカーボン被覆ダミー線を介在巻回することに
より、超電導線と温度検知素子を形成するカーボン膜と
の短絡損傷、巻線張力による断線損傷なる心配がなく、
信頼性の高い温度検知素子を構成でき、超電導線の微小
な動きや近傍樹脂材亀裂による微小な温度変化をも検知
できる、温度検知ダミー線介在超電導コイルを構成でき
るので、早期クエンチ予知と阻止ができる。
石の巻線構造は、超電導線とは別に温度検知素子を形成
するカーボン被覆ダミー線を製作し、超電導線の張力巻
線とは別にカーボン被覆ダミー線を介在巻回することに
より、超電導線と温度検知素子を形成するカーボン膜と
の短絡損傷、巻線張力による断線損傷なる心配がなく、
信頼性の高い温度検知素子を構成でき、超電導線の微小
な動きや近傍樹脂材亀裂による微小な温度変化をも検知
できる、温度検知ダミー線介在超電導コイルを構成でき
るので、早期クエンチ予知と阻止ができる。
【0029】また、第二実施例の超電導磁石の巻線構造
では、超電導線を角形超電導線に、温度検知素子を形成
するダミー線を、長さ方向と幅方向に計測線の配線溝を
備えた角形カーボン被覆ダミー線とし、角形超電導線の
巻線前に、配線溝に計測線を配線しながら角形カーボン
被覆ダミー線を絶縁巻線凹部に、コ字形状に沿って巻回
し、あるいは角形超電導線の巻線後に角形カーボン被覆
ダミー線を巻回するので、角形カーボン被覆ダミー線の
巻回や計測線に影響を与えることなく、角形超電導線を
張力巻線でき、そして超電導コイルの周部に角形カーボ
ン被覆ダミー線を配置できるため、巻線作業容易にして
熱収縮や電磁力の膨らみ応力摩擦による微小な温度変化
についても検知容易な、温度検知素子を備えた超電導コ
イルを構成できる。
では、超電導線を角形超電導線に、温度検知素子を形成
するダミー線を、長さ方向と幅方向に計測線の配線溝を
備えた角形カーボン被覆ダミー線とし、角形超電導線の
巻線前に、配線溝に計測線を配線しながら角形カーボン
被覆ダミー線を絶縁巻線凹部に、コ字形状に沿って巻回
し、あるいは角形超電導線の巻線後に角形カーボン被覆
ダミー線を巻回するので、角形カーボン被覆ダミー線の
巻回や計測線に影響を与えることなく、角形超電導線を
張力巻線でき、そして超電導コイルの周部に角形カーボ
ン被覆ダミー線を配置できるため、巻線作業容易にして
熱収縮や電磁力の膨らみ応力摩擦による微小な温度変化
についても検知容易な、温度検知素子を備えた超電導コ
イルを構成できる。
【0030】第三実施例の超電導磁石の巻線構造は、超
電導線と温度検知素子を形成するダミー線を、第二実施
例と同様に角形絶縁超電導線と、角形絶縁超電導線と同
一寸法形状をなす角形カーボンダミー線にし、角形絶縁
超電導線と角形絶縁超電導線との間に、および角形絶縁
超電導線を一方の絶縁端板から他の一方の絶縁端板側に
連続して巻線したコイル内周側層コイルと外周側層コイ
ルとの間に巻回配置し、巻回した角形カーボンダミー線
をコイル内部で内周部,中央部、あるいは端板部側と外
周側とに数ターン密着させて温度検知素子を形成でき、
超電導コイル内部の温度変化を広い範囲で検知できる、
広範囲検知素子を備えた超電導コイルを構成できる。
電導線と温度検知素子を形成するダミー線を、第二実施
例と同様に角形絶縁超電導線と、角形絶縁超電導線と同
一寸法形状をなす角形カーボンダミー線にし、角形絶縁
超電導線と角形絶縁超電導線との間に、および角形絶縁
超電導線を一方の絶縁端板から他の一方の絶縁端板側に
連続して巻線したコイル内周側層コイルと外周側層コイ
ルとの間に巻回配置し、巻回した角形カーボンダミー線
をコイル内部で内周部,中央部、あるいは端板部側と外
周側とに数ターン密着させて温度検知素子を形成でき、
超電導コイル内部の温度変化を広い範囲で検知できる、
広範囲検知素子を備えた超電導コイルを構成できる。
【図1】本発明の実施例の超電導磁石の系統図。
【図2】本発明の第二実施例の超電導磁石の斜視図。
【図3】本発明の第三実施例の超電導磁石の斜視図。
1…超電導磁石、2…非磁性巻枠、3…凹部、4…分割
絶縁材、5a,5b…端板部、6a,6b,6c…絶縁
端板、7,7a…絶縁巻線凹部、8…絶縁材、9a,9
b…絶縁孔、10…通し孔、11,11a…端子、1
2,12a…計測端子板、13a,13b,13c…円
周溝、14,14a,14b…放射溝、15…絶縁超電
導線、16…カーボン被覆ダミー線、17…超電導コイ
ル、18…有機絶縁テープ、19…ステンレス鋼材、2
0,20a…カーボン膜、21a,21b…電源端子、
22…電源装置、23…主電源回路、24…電圧検知
器、25…電圧検知回路、26…定電流電源装置、27
…逆流防止素子、28…保護抵抗器、29…電流回路、
30…電源制御装置、31…電源操作回路、32…保護
抵抗器、33,33a,33b…計測線、34…切り欠
き部、35…隙間。
絶縁材、5a,5b…端板部、6a,6b,6c…絶縁
端板、7,7a…絶縁巻線凹部、8…絶縁材、9a,9
b…絶縁孔、10…通し孔、11,11a…端子、1
2,12a…計測端子板、13a,13b,13c…円
周溝、14,14a,14b…放射溝、15…絶縁超電
導線、16…カーボン被覆ダミー線、17…超電導コイ
ル、18…有機絶縁テープ、19…ステンレス鋼材、2
0,20a…カーボン膜、21a,21b…電源端子、
22…電源装置、23…主電源回路、24…電圧検知
器、25…電圧検知回路、26…定電流電源装置、27
…逆流防止素子、28…保護抵抗器、29…電流回路、
30…電源制御装置、31…電源操作回路、32…保護
抵抗器、33,33a,33b…計測線、34…切り欠
き部、35…隙間。
Claims (7)
- 【請求項1】超電導線の絶縁体表面および極近くに生じ
る温度変化の検知手段を備えたダミー線と超電導線で巻
線したことを特徴とする超電導磁石の巻線構造。 - 【請求項2】超電導線表面の温度変化の検知手段に、冷
却媒体の温度から数十Kまで急勾配で抵抗変化する導電
材を用い、前記導電材を被覆した導電材被覆ダミー線と
超電導線で巻回したことを特徴とする超電導磁石の巻線
構造。 - 【請求項3】請求項2において、前記導電材を被覆した
導電材被覆ダミー線を用いた検知手段は、カーボン粉末
に熱硬化性フェノール樹脂をバインダとして混入したカ
ーボンペースト、あるいはホルマール,ポリエステルま
たはポリイミドの有機絶縁溶剤にカーボン粉末を混入し
たカーボンペーストを被覆したカーボン被覆ダミー線を
用いた超電導磁石の巻線構造。 - 【請求項4】導電材を被覆した導電材被覆ダミー線材を
用いた検知手段は、カーボン粉末をホルマールあるいは
ポリエステル、またはポリイミドの有機絶縁溶剤に混入
したカーボンペーストを紙材に塗布したカーボンシート
材、あるいはポリビニルホルマール樹脂にカーボン粉末
を混入したカーボンペーストをポリエチレンシート材に
塗布した柔軟性カーボンシート材を被覆したカーボンシ
ート被覆ダミー線を用いたことを特徴とする超電導磁石
の巻線構造。 - 【請求項5】非磁性巻枠と、前記非磁性巻枠に絶縁円筒
体と絶縁端板でなる絶縁巻枠を装着し、前記絶縁巻枠に
超電導線を巻回して超電導コイルを形成し、該超電導コ
イルの外周を絶縁体で被覆し、その外周部を非磁性固定
帯で包囲されてなる超電導磁石において、前記超電導コ
イルを巻回する超電導線と超電導線の間、あるいは超電
導線と絶縁巻枠の間にカーボン被覆ダミー線を巻回した
ことを特徴とする超電導磁石の巻線構造。 - 【請求項6】導電材を被覆した導電材被覆ダミー線を角
形カーボン被覆ダミー線とし、該角形カーボン被覆ダミ
ー線を絶縁巻枠の巻線凹部に沿ったコ字形状に巻回し、
その内部に超電導線を巻線したカーボンダミー線包囲巻
線構造としたことを特徴とする超電導磁石の巻線構造。 - 【請求項7】導電材被覆ダミー線を角形カーボンダミー
線に、そして巻線する超電導線を角形超電導線とし、超
電導コイルの層コイルと層コイルの間に角形カーボンダ
ミー線を連続して、あるいは数ターン毎に絶縁体を介在
して巻回し、角形カーボン被覆ダミー線を超電導コイル
の内部配置巻線構造としたことを特徴とする超電導磁石
の巻線構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2643895A JPH08222426A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 超電導磁石の巻線構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2643895A JPH08222426A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 超電導磁石の巻線構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08222426A true JPH08222426A (ja) | 1996-08-30 |
Family
ID=12193520
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2643895A Pending JPH08222426A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 超電導磁石の巻線構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08222426A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008085375A (ja) * | 2007-12-20 | 2008-04-10 | Mitsubishi Electric Corp | 超電導磁石装置の製造方法 |
WO2011087052A1 (ja) * | 2010-01-14 | 2011-07-21 | ジャパンスーパーコンダクタテクノロジー株式会社 | 超電導マグネット |
WO2013085147A1 (en) * | 2011-12-06 | 2013-06-13 | Korea Basic Science Institute | Double pancake-type superconducting magnet having auxiliary coils |
KR101481092B1 (ko) * | 2013-06-24 | 2015-01-21 | 한국과학기술원 | 초전도 자석 장치 및 초전도 자석 제조 방법 |
JP2016507070A (ja) * | 2013-02-14 | 2016-03-07 | ラビナル・パワー・システムズ | ワイヤの抵抗を増加させることによる、コイルの均一な温度の測定 |
JP2016164527A (ja) * | 2015-03-06 | 2016-09-08 | 有限会社日本テクモ | 温度検出体、及びそれを備えたケーブル、コイル及び温度検出装置 |
-
1995
- 1995-02-15 JP JP2643895A patent/JPH08222426A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008085375A (ja) * | 2007-12-20 | 2008-04-10 | Mitsubishi Electric Corp | 超電導磁石装置の製造方法 |
WO2011087052A1 (ja) * | 2010-01-14 | 2011-07-21 | ジャパンスーパーコンダクタテクノロジー株式会社 | 超電導マグネット |
WO2013085147A1 (en) * | 2011-12-06 | 2013-06-13 | Korea Basic Science Institute | Double pancake-type superconducting magnet having auxiliary coils |
JP2016507070A (ja) * | 2013-02-14 | 2016-03-07 | ラビナル・パワー・システムズ | ワイヤの抵抗を増加させることによる、コイルの均一な温度の測定 |
KR101481092B1 (ko) * | 2013-06-24 | 2015-01-21 | 한국과학기술원 | 초전도 자석 장치 및 초전도 자석 제조 방법 |
JP2016164527A (ja) * | 2015-03-06 | 2016-09-08 | 有限会社日本テクモ | 温度検出体、及びそれを備えたケーブル、コイル及び温度検出装置 |
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