JPH08330640A - 磁気式永久電流スイッチ - Google Patents

磁気式永久電流スイッチ

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JPH08330640A
JPH08330640A JP7130777A JP13077795A JPH08330640A JP H08330640 A JPH08330640 A JP H08330640A JP 7130777 A JP7130777 A JP 7130777A JP 13077795 A JP13077795 A JP 13077795A JP H08330640 A JPH08330640 A JP H08330640A
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JP
Japan
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current switch
coil
permanent current
superconducting
heater
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JP7130777A
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English (en)
Inventor
Osamu Yoneda
修 米田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 OFF抵抗が高く、また、界磁コイルからの
熱侵入量を低減させつつ界磁コイルの応答性が向上した
永久電流スイッチを提供する。 【構成】 永久電流ループを構成する無誘導コイル18
と、この無誘導コイル18に常電導転移用の磁場を印加
するための界磁コイル20とが超電導シールド22の中
に収容されている。超電導シールド22により超電導マ
グネットからの磁場が無誘導コイル18に印加されるこ
とを防止でき、無誘導コイル18の安定性が増す。この
結果、無誘導コイル18の線材の線径を細くすることが
でき、永久電流スイッチ12のOFF抵抗を上げること
ができる。また、第2種超電導体である超電導シールド
22により界磁コイル20から無誘導コイル18に印加
された常電導転移用磁場が保持されるので、界磁コイル
20の電流はパルス的に流せばよく、界磁コイル20の
電流を大きくしても系への熱侵入を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久電流モードで運転
される超電導マグネットに使用される永久電流スイッチ
に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導マグネットを永久電流モードで運
転するための永久電流スイッチについては、従来より種
々の提案がなされており、例えば、熱式、磁気式、機械
式の3つのタイプが知られている。しかし、これらの永
久電流スイッチには、スイッチ動作が緩慢であったり、
熱損失が発生するなどの問題があった。
【0003】上述の問題を解決するために、特開平4−
335582号公報には、変圧器式の永久電流スイッチ
が提案されている。
【0004】図12には、上記公報に提案された変圧器
式永久電流スイッチの例が示される。図12において、
1次巻線106が交流電源108に接続されて変圧器1
02の1次回路を構成する。また、Cu−Ni合金等の
高抵抗金属の母材中にNb−Ti等の超電導フィラメン
トが埋め込まれたゲート線100を2次巻線とし、この
2次巻線に変圧器102の負荷104を接続して2次回
路を構成する。変圧器102の1次巻線106が交流電
源108によって励磁されると、2次回路には、変圧器
作用によって誘導電流が流れる。この誘導電流がゲート
線100の臨界電流値を超えるよう回路条件を設定して
おけば、ゲート線100を超電導状態から常電動状態に
転位させることができる。すなわち、以上の動作によ
り、永久電流スイッチのON、OFFを行わせることが
できる。
【0005】図12に示される変圧器式永久電流スイッ
チは、例えば熱式タイプに比べて、大幅にスイッチ動作
の高速化、稼働中の熱損失の低減などを図ることができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の変
圧器式永久電流スイッチでは、永久電流スイッチがOF
Fの時の抵抗すなわちOFF抵抗を上げることが困難で
あるという問題があった。
【0007】これは、OFF抵抗を上げるためには、2
次巻線の線径を小さくする必要があるが、2次巻線には
超電導マグネットからの磁場が印加されており、線径を
小さくして電流密度が増加すると、永久電流スイッチの
ONの時に2次巻線がクエンチしやすくなるので、2次
巻線の線径を小さくすることができないからである。
【0008】また、界磁コイルとしての1次巻線106
の応答性を上げようとすると、1次巻線106のインダ
クタンスを低減する必要があり、そのために、その巻回
数を低減する必要がある。しかし、巻回数を減らすと、
1次巻線106から所定の磁場を得るために電流を増や
す必要があり、これによって1次巻線106用のリード
部などからの発熱が増大し、系への熱侵入量が増大する
ので、1次巻線106の応答性を十分に上げることがで
きないという問題もあった。
【0009】本発明は上記従来の課題に鑑みなされたも
のであり、その目的は、OFF抵抗が高く、また、界磁
コイルからの熱侵入量を低減させつつ界磁コイルの応答
性が向上した永久電流スイッチを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、永久電流モードで運転される超電導マグ
ネットに使用される磁気式永久電流スイッチであって、
互いに巻回方向が反対である上下2段のコイルからな
り、永久電流ループを形成する無誘導コイルと、前記無
誘導コイルの近傍に設けられ、前記無誘導コイルに常電
導転移用の磁場を印加可能な界磁コイルと、第2種超電
導材料により構成され、前記無誘導コイル及び前記界磁
コイルを収容する超電導シールドと、前記超電導シール
ドの前記界磁コイルの軸方向の両端面に設けられ、永久
電流スイッチをON、OFFする際に前記超電導シール
ドの所定領域を加熱するヒータと、を備え、永久電流ス
イッチのOFFは、前記ヒータにより前記超電導シール
ドの所定領域を加熱しながら前記界磁コイルから前記無
誘導コイルに磁場を所定時間パルス状に印加して行い、
永久電流スイッチのONは、前記ヒータにより前記超電
導シールドの所定領域を加熱して前記所定領域を常電導
転移させ、前記無誘導コイルの常電導状態を保つために
前記所定領域を流れて前記無誘導コイルに印加される磁
場を維持する渦電流を電気抵抗により減衰させて行うこ
とを特徴とする。
【0011】また、本発明に係る磁気式永久電流スイッ
チは、前記ヒータの形状をリング状としたことを特徴と
する。
【0012】また、本発明に係る磁気式永久電流スイッ
チは、前記ヒータに代えて、前記超電導シールドにその
臨界電流を越える電流を流すための電極を付設したこと
を特徴とする。
【0013】また、本発明に係る磁気式永久電流スイッ
チは、前記無誘導コイルを形成する上下2段のコイルの
間に、ヒータ付きの中間シールド体を付設したことを特
徴とする。
【0014】また、本発明に係る磁気式永久電流スイッ
チは、前記ヒータが、永久電流スイッチをONする際に
のみ前記超電導シールドの所定領域を加熱することを特
徴とする。
【0015】
【作用】上記構成によれば、超電導シールドにより無誘
導コイルに超電導マグネットからの磁場が印加されるの
を防止することができ、安定性が増大するので、無誘導
コイルの線径を細くすることができ、OFF抵抗を大き
くすることができる。
【0016】また、永久電流スイッチのOFFは、界磁
コイルをパルス的に駆動して行うので、パワーリード等
の線径を小さくできるため熱侵入量を低減でき、かつ電
源の小型化が可能となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。
【0018】実施例1.図1には、本発明に係る磁気式
永久電流スイッチを使用した超電導マグネットの全体構
成図が示される。
【0019】図1において、超電導マグネット10に
は、本発明に係る磁気式の永久電流スイッチ12が取り
付けられており、また、超電導マグネット10に給電す
るためのパワーリード14が接続されている。超電導マ
グネット10と永久電流スイッチ12とはリード16に
よって接続されている。
【0020】図2には、永久電流スイッチ12の構成を
説明するための断面図が示される。
【0021】図2において、永久電流ループを構成する
無誘導コイル18の近傍には、無誘導コイル18の常電
導転移に必要な磁場を発生させ無誘導コイルに印加可能
な界磁コイル20が設けられている。この界磁コイル2
0は、例えばAl、Cu等を補強材とした超電導コイル
とすることができる。
【0022】また、上記無誘導コイル18は、上下2段
のコイルから形成されており、互いに巻き回し方向を反
対にしているので、電流を流しても上下のコイルに発生
する磁場方向が反対となり、互いに打ち消し合うので、
インダクタンスは0となっている。
【0023】無誘導コイル18及び界磁コイル20は、
超電導シールド22の内部に収容されている。超電導シ
ールド22は、例えば、第2種超電導体であるNb−T
i、Nb3 Sn等と良導体との積層体である超電導体フ
ィルムで構成されている。また、超電導シールド22の
外側には外套24が設けられている。
【0024】また、超電導シールド22の、界磁コイル
20の軸方向の両端面すなわち図2に示される超電導シ
ールド22の上下の面にはヒータ26が設けられてい
る。このヒータ26は、超電導シールド22には熱的に
接触しているが電気的には接続していない。
【0025】図2に示されるように、無誘導コイル18
及び界磁コイル20は、超電導シールド22の内部に収
容されているので、超電導シールド22の超電導状態が
維持されている限り、超電導マグネット10によって発
生された磁場にさらされることがない。このため、無誘
導コイル18の安定性が増し、その臨界電流を高くする
ことができるので結果的に無誘導コイルを形成する線材
の線径を小さくすることが可能となる。これにより、無
誘導コイル18の抵抗を上げることができ、永久電流ス
イッチ12のOFF抵抗を上げることが可能となる。
【0026】以上に述べた界磁コイル20には、図1及
び図2に示される界磁コイル用リード28によって電流
Ifが供給される。またヒータ26には、図1に示され
るヒータ用リード30によって電流Ihが供給される。
また、無誘導コイル18に接続されたリード16には、
永久電流スイッチ12がON時に永久電流Ipが流れ
る。
【0027】図3には、永久電流スイッチのON、OF
Fの動作を説明するためのタイムチャートが示される。
【0028】永久電流スイッチ12は通常冷媒によって
臨界温度以下に冷却されている。この状態では、永久電
流スイッチ12はONとなっており、リード16に永久
電流Ipが流れている。
【0029】この状態から永久電流スイッチ12をOF
Fとするためには、図3に示されるように(PCS O
FF)、まずヒータ26にヒータ電流Ihを流し、超電
導シールド22の所定領域すなわちヒータ26が形成さ
れた領域を加熱する。これにより、上述の所定領域が常
電導転移する。この状態で界磁コイル20に電流Ifを
流し、無誘導コイル18に磁場B0を印加する。この磁
場B0は、無誘導コイル18をクエンチさせるために必
要なクエンチ磁場よりも高くなるように電流Ifの大き
さを設定する。また更に、この磁場B0は、第2種超電
導体である超電導シールド22が超電導状態の時でもこ
れに侵入していけるだけの大きさに設定しておく。以上
により、無誘導コイル18は、クエンチし、常電導転移
して永久電流スイッチがOFFとなる。
【0030】次にこの状態から、ヒータ26の電流Ih
を切り、超電導シールド22の温度を下げて超電導状態
に復帰させる。前述したように、磁場B0の大きさは、
第2種超電導体である超電導シールド22に侵入してい
ける大きさに設定されているので、超電導シールドが超
電導状態に復帰しても依然として磁場B0が超電導シー
ルド22を貫通した状態が保たれる。
【0031】次に界磁コイル20の電流Ifを切ると、
無誘導コイル18に印加されている磁場B0の大きさも
若干低下するが、この磁場B0の大きさの変化を妨げる
向きに超電導シールド22に渦電流が流れ磁場B0の大
きさを一定の値に保つようにする。超電導シールド22
は、この時点で超電導状態になっているので、この渦電
流は永久電流となり、磁場B0もこの渦電流によって維
持される。従って、界磁コイル20に電流Ifを流さな
くても、無誘導コイル18を常電導状態に保つための磁
場B0が確保されることになる。
【0032】以上により、永久電流スイッチをOFFに
しておくための電流が不要となり、界磁コイル20から
の発熱量を大幅に低減することができる。また図3に示
されるように界磁コイル20への電流Ifはパルス的で
あるので、この電流を大きくしても界磁コイル20のリ
ード部からの発熱量は無視できる程度の大きさである。
従って、電流を大きくして界磁コイル20の巻回数を減
らし、その応答性を上げることが可能となる。
【0033】次に、永久電流スイッチ12を上述のOF
F状態からON状態にするためには、図3に示されるよ
うに(PCS ON)、ヒータ26に再び電流Ihを所
定時間流すことによって行う。ヒータ26に電流Ihを
流すと、超電導シールド22の所定領域が加熱されて常
電導転移をし、電気抵抗が現れる。この電気抵抗により
上述の渦電流が減衰し消滅するので、無誘導コイル18
を常電導状態に維持していた磁場B0も消滅する。従っ
て、無誘導コイル18も再び超電導状態に復帰し、永久
電流スイッチ12がONとなる。なお、ヒータ26に流
れていた電流Ihは所定時間経過後停止されるので、超
電導シールド22も再び冷却されて超電導状態に復帰す
る。
【0034】図4には、永久電流スイッチ12のON、
OFFの動作をさせるための他の実施例のタイムチャー
トが示される。図4において、図3の実施例と異なる点
は、界磁コイル20に電流Ifを流し始めるタイミング
がヒータ26に電流Ihを流し始めるタイミングよりも
早い点である。その他は図3の実施例と同じ動作とな
る。
【0035】図5には、永久電流スイッチ12のON、
OFFの動作を行わせるための更に他の実施例のタイム
チャートが示される。
【0036】図5において、図3及び図4の実施例と異
なる点は、永久電流スイッチ12のOFF動作をさせる
ときに、ヒータ26に電流Ihを流さない点である。そ
の代わりに、界磁コイル20に流す電流Ifを図3及び
図4に示された実施例よりも大きくし、磁場B0を大き
くすることにより無誘導コイル18の常電導転移を促進
している。永久電流スイッチ12をONとする場合は、
図3及び図4の実施例と同じ動作となる。
【0037】図6には、超電導シールド22に設けられ
たヒータ26の例が示される。図6においては、ヒータ
26がリング状に形成されており、永久電流スイッチ1
2がOFFの時にここに流れている渦電流のパスと平行
になっている。ヒータ26には、ヒータ用リード30が
接続されている。本実施例では、ヒータ26に囲まれた
領域がヒータ26の加熱により常電導転移をするが、こ
の領域については、無誘導コイル18の常電導転移のし
やすさ等によって適宜決定することができる。
【0038】図7には、超電導シールド22を常電導転
移させるための他の例が示される。図7においては、超
電導シールド22に電極32を設け、これにより超電導
シールド22に直接その臨界電流を超える電流を流すこ
とにより超電導シールド22の常電導転移を行わせてい
る。
【0039】図8には、永久電流スイッチ12の他の実
施例の断面図が示され、図2に示された実施例と同一部
材には同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】図8において、特徴的な点は、上下2段の
コイルによって構成された無誘導コイル18に、その上
下のコイルの間にヒータ付きの中間シールド体34を挿
入した点である。この中間シールド体34は、超電導性
の導体で構成されており、無誘導コイルの上限2段のコ
イルによって発生する磁場の通過を遮るので、上下2段
のコイルの間で互いに磁場を打ち消し合うことができな
い。その結果、上下のコイルでインダクタンスが打ち消
されないで残るので、電流変化に対するインピーダンス
が増大する。これによって、永久電流スイッチ12のO
FF時インピーダンスを更に上げることができる。
【0041】図9には、図8に示された永久電流スイッ
チのON、OFFの動作を説明するためのタイムチャー
トが示される。
【0042】図9に示されるように、永久電流スイッチ
12のON、OFFの動作は、図3に示される実施例と
同じタイムチャートとなる。永久電流スイッチをOFF
とするときには、中間シールド体34のヒータに電流I
hmを流さずに、中間シールド体34を超電導状態に維
持しておく。これにより、上述したように無誘導コイル
18の自己インダクタンスLが大きくなるので、永久電
流スイッチ12のOFF時インピーダンスを大きくする
ことが可能となる。一方、永久電流スイッチ12をON
とする場合には、中間シールド体34のヒータに電流I
hmを流し、中間シールド体34を常電導転移させる。
これにより、無誘導コイル18を構成する上限2段のコ
イルによって生じる磁場は中間シールド体34を通過
し、お互いの磁場を打ち消し合ってインダクタンスが0
となる。従って、無誘導コイル18の自己インダクタン
スLが0となるので、永久電流スイッチ12がONの時
には、インピーダンスはなくなる。
【0043】実施例2.図10には、本発明に係る永久
電流スイッチ12を使用したシステムの全体回路図が示
される。図10において、超電導マグネット10に永久
電流スイッチ12が接続されており、超電導マグネット
10の両端は更にコレクタエミッタ間にダイオードが接
続された4つのトランジスタS1,反転S(以下S
(−)とする)1,S2,S(−)2より構成されたブ
リッジ36に接続されている。このブリッジ36は、負
荷38と並列に接続されており負荷38には抵抗R1を
介して電源Vが接続されている。
【0044】また、負荷38にはコンデンサCが並列に
接続されているが、このコンデンサCは、負荷38に流
れる電流IMの変動を小さくするための電流平滑化用の
コンデンサである。なお、抵抗RcはコンデンサCの内
部抵抗を表わしている。
【0045】永久電流スイッチ12は、制御回路39に
よりドライバ40が制御され、上述したように界磁コイ
ル20及びヒータ26が駆動されて、そのON、OFF
が切り替えられる。
【0046】図11には、ブリッジ36の制御回路の構
成図が示される。この回路では、永久電流スイッチ12
のON、OFFに応じて、ブリッジ36を構成する各ト
ランジスタのON、OFFを制御するための制御信号C
S1及びCS2を発生させる。制御信号CS1は、ブリ
ッジ36を構成するトランジスタS1及びS(−)1の
制御信号であり、制御信号CS2は、トランジスタS2
及びS(−)2の制御信号である。
【0047】永久電流スイッチ12は、その電気抵抗が
0であるので、超電導マグネット10を高い電圧で使用
しているときに、急に永久電流スイッチ12をONとす
ると当初に過大な電流が流れる。従って、通常は回路に
リアクトルを入れてこの過大な電流の発生を防止してい
る。このため、リアクトルから熱が発生して系内への熱
侵入が起こるという問題があり、またリアクトルだけで
システム重量の1/3を占めるという問題があった。
【0048】そのため、本実施例では、永久電流スイッ
チ12のON動作を以下のようにしている。
【0049】すなわち、永久電流スイッチ12をONす
る場合に、図11に示される回路にPCS READY
信号をHとして入力する。PCS READY信号は、
バッファ42を経由してOR回路44に入力され、AN
D回路46にはインバータ48を経由して入力される。
この結果、PCS READY信号がHの時に、OR回
路44からの出力である制御信号CS1がHとなり、ま
たAND回路46からの出力である制御信号CS2はL
となる。
【0050】以上のように、制御信号CS1がHなの
で、トランジスタS1がONとなる。一方、制御信号C
S1がHの時に、トランジスタS(−)1に入力される
制御信号はLとなるのでトランジスタS(−)1はOF
Fとなる。またトランジスタS2に入力される制御信号
CS2はLなので、トランジスタS2はOFFとなる。
また、トランジスタS(−)2の制御信号はHとなるの
でトランジスタS(−)2はONとなる。以上の結果ト
ランジスタS1及びS(−)2がONとなるので、図1
0に示されるように、超電導マグネット10とブリッジ
36との間にループ状の電流ILが流れることになる。
【0051】永久電流スイッチ12は、このように超電
導マグネット10とブリッジ36との間にループ状の電
流を流しておいてからONとすればよい。この状態で
は、超電導マグネット10にかかる電圧は、ブリッジ3
6のダイオードとトランジスタによる小さな電圧降下分
だけなので、永久電流スイッチ12と超電導マグネット
10との間で、当初に過大な電流が流れることなく永久
電流ループが形成できる。そして、永久電流スイッチ1
2には永久電流Ipが流れる。なおこの時には、電流I
Lと電流Ipとが同じ値となる。
【0052】以上により、本実施例においては、リアク
トルが不要となるため、リアクトルでの熱損失の問題及
び車載上の重量増の問題を解消することができる。
【0053】また、永久電流スイッチ12をOFFとし
て、負荷38に電流を流す通常の負荷運転モードにおい
ては、上記PCS READY信号はLとする。そし
て、負荷38における消費電力の変動により超電導マグ
ネット10の充放電を制御するためのPWM信号を図1
1に示される回路に入力する。PWM信号がHの時には
制御信号CS1はHとなり、また、この時にPCS R
EADY信号がLであることから制御信号CS2もHと
なる。またPWM信号がLの時には制御信号CS1及び
CS2はLとなる。
【0054】電源Vからの供給電流に加えて超電導マグ
ネット10からも電流を供給する必要がある場合には、
PWM信号をLとし、制御信号CS1、CS2をLとす
る。これにより、トランジスタS1及びS2がOFFと
なり、トランジスタS(−)1及びS(−)2がONと
なる。この結果、超電導マグネット10からトランジス
タS(−)2のコレクタエミッタ間のダイオードを経由
し、更に抵抗R2を経由して負荷38に電流が供給され
ることになる。
【0055】一方、電源Vからの電流を抵抗R2及びブ
リッジ36を経由して超電導マグネット10に流す場合
には、PWM信号をHとし、制御信号CS1、CS2も
Hとして、トランジスタS1及びS2をON、トランジ
スタS(−)1及びS(−)2をOFFとする。これに
より、負荷38で消費できない余剰の電流が、抵抗R2
を経由し、更にブリッジ36のトランジスタS1を介し
て超電導マグネット10に流れることなる。これによ
り、余剰の電力の超電導マグネット10での蓄積が図れ
る。
【0056】以上のようにして、負荷38における消費
電力の変動に応じPWM信号のパルス幅を適宜調整する
ことにより、超電導マグネットから負荷に電流を供給す
る時間と超電導マグネットに電力を蓄積する時間とを調
整して負荷変動に対応することができる。これは、PW
M信号がLの時に、超電導マグネット10から負荷38
への電流供給回路が構成され、PWM信号がHの時に、
電源Vから超電導マグネット10へ余剰電流を流し、電
力を蓄積する回路が構成されるからである。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
超電導シールドにより、超電導マグネットからの磁場が
無誘導コイルに印加されることを防止できるので、無誘
導コイルの安定性が増大し、無誘導コイルを構成する線
材の線径を小さくすることができるので、OFF時の抵
抗を大きくすることができる。
【0058】また、永久電流スイッチをOFFとする時
は、界磁コイルにパルス的に電流を流せばよく、電流を
連続して流す必要が無いので系への熱侵入の問題が解消
され、界磁コイルへ流せる電流を大きくすることができ
る。この結果、界磁コイルの巻回数を減らしてそのイン
ダクタンスを低減できるので、界磁コイルの応答性を向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る永久電流スイッチを使用した超
電導マグネットの全体構成図である。
【図2】 本発明に係る永久電流スイッチの実施例の断
面図である。
【図3】 図2に示される永久電流スイッチのON、O
FFを制御する方法の例を示すタイムチャート図であ
る。
【図4】 図2に示される永久電流スイッチのON、O
FFを制御する他の方法の例を示すタイムチャート図で
ある。
【図5】 図2に示される永久電流スイッチのON、O
FF方法の更に他の方法の例を示すタイムチャート図で
ある。
【図6】 本発明に係る永久電流スイッチのヒータの構
成を示す説明図である。
【図7】 本発明に係る永久電流スイッチの超電導シー
ルドの常電導転移方法の例を示す説明図である。
【図8】 本発明に係る永久電流スイッチの他の例の断
面図である。
【図9】 図8に示された永久電流スイッチのON、O
FFを制御する方法を示すタイムチャート図である。
【図10】 本発明に係る永久電流スイッチを使用した
システムの全体図である。
【図11】 図10に示されたシステムのブリッジの制
御回路図である。
【図12】 従来における変圧器式永久電流スイッチの
構成図である。
【符号の説明】
10 超電導マグネット、12 永久電流スイッチ、1
4 パワーリード、16 リード、18 無誘導コイ
ル、20 界磁コイル、22 超電導シールド、24
外套、26 ヒータ、28 界磁コイル用リード、30
ヒータ用リード、32 電極、34 中間シールド
体、36 ブリッジ、38 負荷、39制御回路、40
ドライバ、42 バッファ、44 OR回路、46
AND回路、48 インバータ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久電流モードで運転される超電導マグ
    ネットに使用される磁気式永久電流スイッチであって、 互いに巻回方向が反対である上下2段のコイルからな
    り、永久電流ループを形成する無誘導コイルと、 前記無誘導コイルの近傍に設けられ、前記無誘導コイル
    に常電導転移用の磁場を印加可能な界磁コイルと、 第2種超電導材料により構成され、前記無誘導コイル及
    び前記界磁コイルを収容する超電導シールドと、 前記超電導シールドの前記界磁コイルの軸方向の両端面
    に設けられ、永久電流スイッチをON、OFFする際に
    前記超電導シールドの所定領域を加熱するヒータと、 を備え、 永久電流スイッチのOFFは、前記ヒータにより前記超
    電導シールドの所定領域を加熱しながら前記界磁コイル
    から前記無誘導コイルに磁場を所定時間パルス状に印加
    して行い、 永久電流スイッチのONは、前記ヒータにより前記超電
    導シールドの所定領域を加熱して前記所定領域を常電導
    転移させ、前記無誘導コイルの常電導状態を保つために
    前記所定領域を流れて前記無誘導コイルに印加される磁
    場を維持する渦電流を電気抵抗により減衰させて行うこ
    とを特徴とする磁気式永久電流スイッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気式永久電流スイッチ
    において、 前記ヒータの形状をリング状としたことを特徴とする磁
    気式永久電流スイッチ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁気式永久電流スイッチ
    において、 前記ヒータに代えて、前記超電導シールドにその臨界電
    流を越える電流を流すための電極を付設したことを特徴
    とする磁気式永久電流スイッチ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の磁気式永久電流スイッチ
    において、 前記無誘導コイルを形成する上下2段のコイルの間に、
    ヒータ付きの中間シールド体を付設したことを特徴とす
    る磁気式永久電流スイッチ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の磁気式永久電流スイッチ
    において、 前記ヒータは、永久電流スイッチをONする際にのみ前
    記超電導シールドの所定領域を加熱することを特徴とす
    る磁気式永久電流スイッチ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018117042A (ja) * 2017-01-18 2018-07-26 株式会社東芝 高温超電導永久電流スイッチ及び高温超電導磁石装置
JP2018136258A (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 古河電気工業株式会社 超電導線材の検査装置

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