JP2871260B2 - 永久電流コイル - Google Patents

永久電流コイル

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信広 渋田
英仁 向井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、酸化物超電導材料を
用いた永久電流コイルに関し、特に超電導マグネットと
して有用なものに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
的に超電導マグネットにおいて永久電流コイルを励磁す
るためには、コイルを形成する超電導体の接合部または
その付近を一旦超電導状態から常電導状態ににする必要
がある。
【0003】このため、従来の合金系または化合物系超
電導線材を用いた超電導マグネットでは、超電導体の接
合部またはその付近にヒータまたは磁気スイッチを用い
た永久電流スイッチを取付け、その部分について加熱す
るかまたは磁場をかけるかして通電前からその部分を一
旦常電導状態にしておき、永久電流コイルに電流を流し
ていた。
【0004】このような永久電流スイッチは、超電導線
材の急激な超電導−常電導転移を防ぐとともに、磁場の
昇降および永久電流モードのオン・オフに使用される。
【0005】しかしながら、従来の超電導マグネットに
おいて、必要とされる永久電流スイッチは、使用される
ヒータまたは磁気スイッチのためマグネットの構造を複
雑にしていたとともに、スイッチ部がクエンチするなど
の電磁気的不安定性等の問題を有していた。また、スイ
ッチ部を常電導状態にするための加熱により、液体ヘリ
ウムを大巾に消費するという欠点も存在した。
【0006】それゆえに、この発明の目的は、より簡単
な構造で、しかも運転が安定し、さらに低コストの超電
導マグネットを実現することができる永久電流コイルを
提供することにある。
【0007】また、この発明のさらなる目的は、液体ヘ
リウムよりも沸点が高い寒材を用いても使用が可能であ
る永久電流コイルを作製することができる技術を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】酸化物超電導体は、従来
の超電導体よりも超電導転移温度が高く、しかもより大
きな比熱を有する。このような酸化物超電導体について
その常電導転移現象を詳細に検討した結果、磁場や通電
による超電導−常電導転移は、同温度で比較すると他の
合金系超電導体などよりも実質的に緩やかであることが
判った。
【0009】本発明者らは、このような性質に着目し、
酸化物超電導線材を用いてより簡単な構造の永久電流コ
イルを実現させるに至った。
【0010】すなわち、この発明に従う永久電流コイル
は、酸化物超電導線材で形成されるコイル部と、コイル
部を形成する酸化物超電導線材が接合される接合部と、
コイル部および接合部に同時に電流を流すことができる
よう、酸化物超電導線材上においてコイル部と接合部の
間に設けられる1対の端子部とを備え、1対の端子部を
介して流す電流の制御により、コイル部における永久電
流モードおよび発生磁場が制御されることを特徴とす
る。
【0011】この発明に従う酸化物超電導線材は、たと
えば、金属により被覆された酸化物超電導体よりなる線
材等を含むが、酸化物超電導体を導体として用いた線材
であれば、いかなるものにも限定されない。酸化物超電
導体としては、たとえば、イットリウム系、ビスマス系
およびタリウム系のものを好ましく用いることができ
る。また、臨界電流密度、低毒性および希土類元素を必
要としないことでビスマス系がより好ましく、さらにビ
スマス系においては、特に高温相がより好ましい。
【0012】この発明に従う接合部は、酸化物超電導線
材の超電導体同士が直接接合されているか、または酸化
物超電導体のみを介して線材の超電導体同士が接続され
ているものであれば、特に限定されるものではない。
【0013】上記接合部として、たとえば金属被覆され
た酸化物超電導線材を用いる場合、接合されるべき線材
の金属被覆をはがし、かつ露出した超電導体同士を重ね
合わせて接合したもの、並びに金属被覆がはがされ露出
した超電導体間に別の酸化物超電導体を介在させて線材
の超電導体同士を接続したもの等を挙げることができ
る。本発明者らの検討では、後者の方が大きな超電導電
流が得られ、かつ安定した接続が得られるのでより好ま
しい。このような接合には、たとえば、材料が重ね合わ
せられた部分に圧力を加えた後、加熱処理する方法等を
用いることができる。
【0014】
【作用】図1は、この発明に従う永久電流コイルを駆動
させるための簡単な回路を示している。図において、点
線で囲まれる永久電流コイル10は、酸化物超電導線材
で形成されたコイル部11、およびコイル部11を形成
する線材が接合された接合部12を有する。また、コイ
ル部11と接合部12の間には、それぞれ端子部13a
および13bが設けられている。そして、端子部13a
と13bの間に可変抵抗14を介して電源15より電圧
が印加されるようになっている。
【0015】図を参照しながら、本発明に従う永久電流
コイルの動作機構について以下に説明する。まず、超電
導状態にされた永久電流コイル10に、端子部13a、
13bを介して電流を流し始める。このとき、可変抵抗
を用いて電流値を0から徐々に上げていくと、始めはコ
イル部11のインダクタンスのため、電流は超電導状態
の接合部12の方に流れ続け、コイル部11に磁場は発
生しない。しかし、電流値がある値を越えると、接合部
12およびその付近の超電導状態が破れ、常電導状態に
転移する。その結果、コイル部11に電流が流れ始め、
コイル部11の励磁が始まる。ある程度磁場が発生した
状態で電源をオフにすると、永久電流によりコイル内に
強い磁界が保たれる。このように、本発明では、接合部
の酸化物超電導体自身に流す電流値を変化させること
で、超電導−常電導転移を行ない、永久電流モードを制
御することができる。
【0016】一方、コイル部で磁界を発生させた状態に
おいて、磁場を発生させたときと反対の電流を端子部か
ら通電していくと、永久電流モードをオフにすることが
できるとともに、磁場を変化させることができる。
【0017】
【実施例】
実施例1 Bi:Pb:Sr:Ca:Cu=1.80:0.41:
2.01:2.18:3.02の組成を持つように、酸
化物または炭酸塩を混合し、熱処理により、主に221
2相と非超電導相からなる粉末を準備した。
【0018】この粉末に対して、大気中800℃、2時
間の脱ガス処理を施した。次に、この粉末を外径12m
m、内径8mmの銀パイプで被覆し、直径1.8mmま
で伸線加工した後、0.29mmの厚みまで圧延加工し
た。このようにして得られた幅約6mmのテープ状の線
材を845℃、50時間熱処理して焼結を行なった。得
られたビスマス系酸化物超電導線材の超電導転移温度は
110Kであった。この線材を冷間圧延により、厚み
0.26mm、幅4mmに一パスで圧延した。
【0019】上記銀被覆超電導テープ線材を2枚重ね
て、20ターン、内径30mm、外径50mmのダブル
パンケーキコイルを作成した。次に、コイルを形成した
線材の端末部分5mmについて、1本づつ個別に銀被覆
をそれぞれ半分ぐらいずつはがして超電導体を露出させ
た後、超電導体同士を重ね合わせて30トンの押圧処理
により接合させた。コイル形成後、接合させた線材を8
40℃で50時間熱処理した後、コイル部と接合部との
間に1対の端子を設けた。
【0020】このようにして得られた永久電流コイルを
図2に示す。永久電流コイル20は、ビスマス系酸化物
超電導線材24で形成されたコイル部21、および線材
の接合部22を有し、コイル部21と接合部22の間に
は、1対の端子部23aおよび23bが設けられてい
る。
【0021】図2に示す永久電流コイルについて、以下
のとおり超電導マグネットとしての特性を調べた。ま
た、コイルの発生磁場は、コイル中心にホール素子を埋
め込んで測定した。
【0022】まず、永久電流スイッチを使用せずにコイ
ルを永久電流モードにする実験を行なった。実験にあた
り、永久電流コイルを液体窒素に漬け、端子部23a、
23bを介して電流を流した。電流値は図3の一点鎖線
に示すように0から直線的に増加させていった。図に示
すように、通電電流が6Aになるまでは電流は接合部側
に流れ続け、コイル部に磁場は発生しなかった。電流が
6Aを越えて接合部側の超電導状態が破れると、コイル
部にも電流が流れ始め、図3の実線に示すようにコイル
部の励磁が始まった。ある程度磁場が発生した状態で電
源をオフにすると、永久電流により1.6ガウスの磁場
が保持された。この過程が永久電流モードのオンに相当
する。 実施例2 実施例1と同一の永久電流コイルを用い、永久電流モー
ドからコイル部の磁場を変化させる実験を行なった。コ
イルを液体ヘリウムに漬けて行った実験結果を図4に示
す。図4に示すように、時間0の点において、永久電流
コイルは永久電流モードであり、−11ガウスの磁場を
保持している。次に、磁場を発生させたときと反対の方
向に電流を通電し始めると、図の実線に示すように磁場
が変化し始める。この過程が永久電流スイッチを用いず
に永久電流モードをオフにした状態に相当する。15A
まで直線的に電流値を増加させていった結果、図に示す
ように逆方向に磁場が発生するようになった。次に電源
をオフにすると、今度は逆向きの永久電流によって約1
6ガウスの磁場が保持された。この過程により、永久電
流コイルの発生磁場を変化させることができた。
【0023】なお、上記実施例において、接合部はテー
プ状線材の銀被覆をはがして接合させたものとしたが、
これに限定されることなく、超電導体同士が接合されて
いる構造であれば、種々の形態のものを用いることがで
きる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に従え
ば、端子部を介して流す電流の制御によりコイル部にお
ける永久電流モードおよび発生磁場を制御する機構を採
用したため、従来の永久電流スイッチを用いずに発生磁
場および永久電流モードのオン・オフが制御できる永久
電流コイルを提供することができる。
【0025】このように、従来、ヒータまたは磁気スイ
ッチ等を必要とした永久電流スイッチが不要なため、構
造上単純な永久電流コイルを製造することができる。ま
た、この発明の永久電流コイルでは、磁場の昇降時に永
久電流スイッチのオン・オフの操作を行なう必要がな
く、より短時間での永久電流モードのオン・オフが可能
となる。これは、実際に永久電流コイルを超電導マグネ
ットとして製造した場合に、構造上、および取扱い上、
いずれをとっても非常に有益である。
【0026】また、臨界温度が窒素温度を超えるビスマ
ス系などの酸化物超電導体を用いた線材でこの発明のコ
イルを作製すれば、寒材として液体窒素を使用するだけ
で永久電流コイルの使用が可能となる。
【0027】なお、以上述べてきたように本発明は特に
超電導マグネットとして有用なものであるが、その他、
電力貯蔵装置および超電導電池等にも応用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う永久電流コイルの作用機構を示
すための回路図である。
【図2】この発明に従う永久電流コイルの1具体例を示
す概略斜視図である。
【図3】この発明に従う永久電流コイルの1具体例にお
いて、コイルを永久電流モードにする実験結果を示す図
である。
【図4】この発明に従う永久電流コイルの1具体例にお
いて、コイルの磁場を変化させる実験結果を示す図であ
る。
【符号の説明】
10、20 永久電流コイル 11、21 コイル部 12、22 接合部 13a、13b、23a、23b 端子部 24 酸化物超電導線材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向井 英仁 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友 電気工業株式会社 大阪製作所内 (72)発明者 加藤 武志 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友 電気工業株式会社 大阪製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 6/00 ZAA H01F 6/06 ZAA

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超電導線材で形成されるコイル部
    と、 前記コイル部を形成する酸化物超電導線材が接合される
    接合部と、 前記コイル部および前記接合部に同時に電流を流すこと
    ができるよう、前記酸化物超電導線材上において前記コ
    イル部と前記接合部の間に設けられる1対の端子部とを
    備え、 前記1対の端子部を介して流す電流の制御により、前記
    コイル部における電流モードおよび発生磁場が制御され
    ることを特徴とする、永久電流コイル。
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US11972898B2 (en) * 2017-05-15 2024-04-30 Riken Superconducting magnet

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