JP6844476B2 - 燃料電池用のセルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用のセルの製造方法に関する。
固体高分子型燃料電池の燃料電池用のセルは、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード側触媒層(電極層)およびカソード側触媒層(電極層)とからなる膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を備えている。MEAの両側には、燃料ガスもしくは酸化剤ガスを提供するとともに電気化学反応によって生じた電気を集電するためのガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)が形成されている。GDLが両側に配置された膜電極接合体は、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)と称され、本明細書では、これを接合体と称する。
このような接合体を有する燃料電池用のセルとして、たとえば、特許文献1には、接合体と、接合体の周囲に配置された熱可塑性樹脂からなる樹脂枠体と、樹脂枠体と共に接合体を挟持した一対の金属製のセパレータと、を備えた燃料電池用のセルが開示されている。
このような燃料電池用のセルを製造する際には、接合体の周囲に樹脂枠体を配置し、樹脂枠体と共に接合体をセパレータで挟み込んだ状態で、熱プレスを行うことにより、これらが一体化されるのが一般的である。
特開2016−162651号公報
しかしながら、タクトタイム短縮などの理由から、熱プレス後、樹脂枠体を構成する熱可塑性樹脂が放冷などで温度低下し、これが硬化する前に、燃料電池用のセルの端部を把持して熱プレス機の下型から燃料電池用のセルを脱型することがある。この場合、熱可塑性樹脂がまだ軟化している状態であるため、燃料電池用のセルの自重により、燃料電池用のセルは下向きに湾曲することがある。このような湾曲状態のまま、樹脂枠体を構成する熱可塑性樹脂が硬化すると、結果として燃料電池用のセルが湾曲した状態が保持され、反った状態の燃料電池用セルを得ることになる。
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、本発明では、熱プレス後に、燃料電池用のセルの自重による反りを抑制することができる燃料電池用のセルの製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、発明者らが、鋭意検討を重ねた結果、セルを下型から脱型する際に、接合体を含むセル中央部を下方より支え続ければ、セル中央部の自重によるセルの反りを防止することができると考えた。
本発明は、このような考えに基づいてなされたものであり、本発明は、燃料電池用のセルの製造方法であって、電解質膜の両面に電極層が積層され、前記電極層にガス拡散層がさらに積層された接合体の周囲に、前記接合体を支持する熱可塑性樹脂からなる樹脂枠体を配置し、前記樹脂枠体と共に前記接合体を一対の金属製のセパレータで挟み込んだセルを、熱プレス機の上型と下型との間に配置する配置工程と、前記熱可塑性樹脂の軟化点以上で少なくとも前記樹脂枠体を加熱しながら、前記上型と前記下型とにより、前記セルを挟み込んで、熱プレスする熱プレス工程と、前記熱プレス工程後に、前記下型に対して前記上型を上昇させた後、前記下型から前記セルを脱型する脱型工程と、を含むものであり、前記下型は、金属材料からなる下型本体と、前記下型に配置された前記セルの前記接合体を含むセル中央部を支持しながら前記下型本体に対して上昇する、前記金属材料よりも熱伝導性の低い材料からなる支持体と、を備えており、前記脱型工程において、前記支持体でセル中央部を支持しながら、前記下型本体から前記支持体を上昇させることにより、前記下型本体から前記セルを押し上げることを特徴とする。
本発明によれば、脱型工程において、支持体で膜電極ガス拡散層接合体を含むセル中央部を支持しながら、下型本体から支持体を上昇させる。これにより、樹脂枠体を構成する熱可塑性樹脂が硬化する前であっても、燃料電池用のセルの自重による反りを防止できる。
また、支持体が、下型本体の金属材料よりも熱伝導性の低い材料からなるため、熱プレス時に、下型本体の熱が、下型本体から支持体に伝わり難い。このため、熱プレス工程では、支持体の温度上昇を抑え、脱型工程後に、支持体からの熱により、セル中央部を介して樹脂枠体が加熱されることを抑えることができる。これにより、樹脂枠体の熱可塑性樹脂の温度を速やかに下げることができ、これを硬化させることができる。
(a)は、本実施形態に係る熱プレス前後のセルの模式的平面図であり、(b)は、(a)に示すA−A線に沿った矢視断面図であり、(c)は、(a)に示すB−B線に沿った矢視断面図であり、(d)は、(c)に示すC部の模式的な拡大断面図である。 (a)は、本実施形態のセルが設置されたセル搬送装置の模式的な平面図であり、(b)は、(a)に示すD−D線に沿った矢視断面図である。 本実施形態の熱プレス工程を説明する模式的概念図である。 本実施形態の脱型工程を説明する模式的概念図である。 従来の脱型工程を説明する模式的概念図である。
以下に、図1〜5を参照しながら本発明の実施形態に係る燃料電池用のセルの製造方法について説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る熱プレス前後のセル1の模式的平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すA−A線に沿った矢視断面図であり、図1(c)は、図1(a)に示すB−B線に沿った矢視断面図であり、図1(d)は、図1(c)に示すC部の模式的な拡大断面図である。
本実施形態では、熱プレス前のセル1’は、平面視において略長方形の形状であり、熱プレス後の燃料電池用のセル1も、プレス成形により若干の形状は異なるが、各部材の配置状態は略同じである。なお、熱プレス前後のセルを構成する各部材を以下の簡単に説明する。本願の明細書および図面では、熱プレス前のセルを、セル1’とし、熱プレス後のセル(すなわち、燃料電池用のセル)を、セル1として表記している。
熱プレス前のセル1’は、接合体2と、その周囲に配置された樹脂枠体8と、樹脂枠体8と共に接合体2を挟み込んだ一対の金属製のセパレータ3、3と、を備えており、これを熱プレスすることにより、燃料電池用のセル1を得ることができる。
熱プレス後のセル1において、接合体2は、膜電極接合体(MEA)4と、この両面に積層されたガス拡散層7、7とを備えている。接合体2は、上述したように膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)と称され、燃料電池の発電部の機能を果たす。なお、プレス前のセル1’には、予め準備された接合体2が、配置されている。
膜電極接合体4は、電解質膜5と、電解質膜5の両面に積層されたアノード側触媒層(電極層)6およびカソード側触媒層(電極層)6とからなる。電解質膜5は、固体高分子材料で形成されたプロトン伝導性を有したイオン交換膜であり、各電極層6は、白金などの触媒をカーボン粒子に担持した例えば多孔質のカーボン層である。
各ガス拡散層7は、膜電極接合体4の各電極層6にさらに積層されており、燃料ガスもしくは酸化剤ガスを電極層6に供給するとともに、これらの電極層6で電気化学反応によって生じた電気を集電するためのものである。各ガス拡散層7は、例えばカーボンペーパ若しくはカーボンクロス等のカーボン多孔質体、または、金属メッシュ若しくは発泡金属等の金属多孔質体などのガス透過性を有する導電性部材によって形成される。
樹脂枠体8は、接合体2を支持するものであり、接合体2の周囲に配置されるものである。本実施形態では、樹脂枠体8は、接合体2の形状に応じて矩形状に刳り貫かれており、外形は略長方形の形状である。樹脂枠体8の内側縁と、各接合体2の外側縁とは、例えば、熱プレス前に予め接着剤を介して接着されていてもよく、熱プレス時に樹脂枠体8の一部(被覆層)を、接合体2に融着することにより、樹脂枠体8の内側縁と、各接合体2の外側縁を接着してもよい。
図には示していないが、樹脂枠体8は、3層の積層構造であり、芯材と、その両面に被覆された被覆層からなる。後述する熱プレス工程において、被覆層が軟化して、各セパレータ3に樹脂枠体8が接着される。芯材は、ポリエチレンナフタレート系樹脂(PEN)、などの電気絶縁性及びガス不透過性を有する熱可塑性樹脂ならなり、被覆層は、各セパレータ3に接着性を有した熱可塑性樹脂からなり、ポリプロピレン樹脂(PP)などを挙げることができる。なお、樹脂枠体8が、被覆層を構成する熱可塑性樹脂からなってもよい。
なお、樹脂枠体8にセパレータ3を挟み込んだ状態の樹脂枠体8およびセパレータ3の短辺方向の両側には、貫通孔25、25、…が形成されている。これらの貫通孔25、25、…は、熱プレス後のセル1を重ね合わせて燃料電池スタック(不図示)を製造した際に、酸化剤ガス、燃料ガス、および冷却水ガスを各セルに供給するマニホールドとして機能する。
本実施形態では、図1(d)に示すように、各セパレータ3は、波形に形成されている。各セパレータ3の形状は、波の形状が等脚台形をなし、かつ波の頂部が平坦で、この頂部の両端が等しい角度をなして角張っている。つまり、各セパレータ3は、表側から見ても裏側から見ても、ほぼ同じ形状である。接合体2の一方のガス拡散層7には、セパレータ3の頂部が面接触し、接合体2の他方のガス拡散層7には、セパレータ3の頂部が面接触している。
一方の電極層(すなわちアノード)6側のガス拡散層7とセパレータ3との間に画成されるガス流路21は、燃料ガスが流通する流路である。また、他方の電極層(すなわちカソード)6側のガス拡散層7とセパレータ3との間に画成されるガス流路22は、酸化剤ガスが流通する流路である。熱プレス後のセル1を介して対向する一方のガス流路21に燃料ガスが供給され、ガス流路22に酸化剤ガスが供給されると、セル1内で電気化学反応が生じて起電力が生じる。
さらに、隣接する2つのセル1間で面接触するセパレータ3,3の間に画成される空間23(図1(d)を参照)には、セル1を冷却する冷媒としての水が流通する。セパレータ3,3は、酸化剤ガス、燃料ガス、冷却水を透過させず、導電性を有する金属材料で形成され、例えば、ステンレスまたはチタンなどを挙げることができる。
本実施形態では、図1(a)〜(d)に示すように各部材が配置されたセル1’に熱プレスを行うことにより、樹脂枠体8を構成する熱可塑性樹脂を軟化させて、樹脂枠体8を成形するとともに、樹脂枠体8をセパレータ3に接着する。その後、熱プレス後の樹脂枠体8を放冷または強制冷却することにより、樹脂枠体8を構成する熱可塑性樹脂の温度を低下させ、熱可塑性樹脂を硬化させる。これにより、各セパレータ3と、樹脂枠体8と、接合体2とが一体化された、燃料電池用のセル1を得ることができる。以下に、その詳細を説明する。
図2(a)は、本実施形態の熱プレス前のセル1’が設置されたセル搬送装置40の模式的な平面図であり、図2(b)は、図(a)に示すD−D線に沿った矢視断面図である。図3および図4は、それぞれ、本実施形態の熱プレス工程および脱型工程を説明する模式的概念図である。図5は、従来の脱型工程を説明する模式的概念図である。
1.配置工程について
まず、図1(a)〜(c)に示す熱プレス前のセル1’を熱プレス機70の上型50と、下型60との間に配置する(配置工程)。具体的には、上述したように、接合体2の周囲に、接合体2を支持する樹脂枠体8を配置し、樹脂枠体8と共に接合体2を一対の金属製のセパレータ3、3で挟み込んだセル1’を準備する。準備したセル1’をセル搬送装置40に装着し、熱プレス機70の上型50と下型60との間に配置する。
セル搬送装置40は、中央に開口部を有する略長方形状の搬送枠44と、短辺側の搬送枠44の内側に支持されたチャック部材41、41と、を備え、各チャック部材41には、熱プレス前のセル1’を挟む把持爪42が設けられている。これにより、熱プレス前のセル1’の四隅を、各把持爪42,42で挟持し、セル搬送装置40に、熱プレス前のセル1’を装着することができる。
また、各チャック部材41の上型50に対向する面には、後述する上型用位置合わせピン57が挿入される上型用位置合わせ穴47が設けられ、一方各チャック部材41の下型60に対向する面には、後述する下型用位置合わせピン68が挿入される下型用位置合わせ穴48が設けられている。
このような熱プレス前のセル1’が装着されたセル搬送装置40を、熱プレス機70まで搬送し、搬送枠44の短辺側の両端部をそれぞれ下型60に備えられた2つの押し上げバネ材65の先端部に設置する。
より具体的には、後述する熱プレス工程において、2つの上型用位置合わせピン57、57が、上型用位置合わせ穴47、47に挿入され、下型用位置合わせ穴48、48に下型用位置合わせピン68、68が挿入されるように、セル搬送装置40を配置する。これにより、次の工程である熱プレス工程において、上型50および下型60に対して適切な位置で、上型50および下型60でセル1’を熱プレスすることができる。
2.熱プレス工程について
熱プレス工程では、図3に示すように、樹脂枠体8を構成する熱可塑性樹脂の軟化点以上で少なくとも樹脂枠体8を加熱しながら、上型50と下型60とにより、熱プレス前のセル1’を熱プレスする。
ここで、熱プレス機70に備えられている上型50および下型60の構成について説明する。上型50は、上述した上型用位置合わせ穴47、47に挿入される2つの上型用位置合わせピン57、57と、熱プレス前のセル1’を押圧する押圧部51と、を備えている。
一方、下型60は、上述した下型用位置合わせ穴48、48に挿入される2つの下型用位置合わせピン68、68と、2つの押し上げバネ材65、65と、を少なくとも備えている。押し上げバネ材65、65は、セル搬送装置40を押し上げるものである。押し上げバネ材65、65の基端部は下型60に固定され、その先端部は上述の如く搬送枠44を支持する。
上型用位置合わせピン57、57が上型用位置合わせ穴47、47に挿入されると、押圧部51がセル1’の上面に密着し、セル搬送装置40が下降し始めるとともに、搬送枠44を支持した状態で、押し上げバネ材65が縮み始める。
下型用位置合わせ穴48、48に下型用位置合わせピン68、68が挿入されるように、引き続き所定の加圧力Pで上型50が押し下げられると、セル搬送装置40の下降とともに押し上げバネ材65が縮み続ける。最終的に下型用位置合わせ穴48、48に下型用位置合わせピン68、68がはめ込まれることにより、セル1’の上面および下面がそれぞれ上型50と下型60とに密着し、セル1’が加圧される。
このとき、上型50と下型60とは、配置された加熱部(不図示)で、予め加熱された状態が維持されており、上型50と下型60とによるセル1’の加圧により、これらが密着し、上型50および下型60で、樹脂枠体8を構成する熱可塑性樹脂の軟化点(ガラス転移点)以上の温度に加熱する。具体的には、上述した樹脂枠体8の芯材および被覆層を構成する熱可塑性樹脂の双方の軟化が開始する温度以上で、樹脂枠体8を含むセル1’を加熱する。
このような熱プレスを行うことにより、樹脂枠体8を構成する熱可塑性樹脂が軟化する。本実施形態では、樹脂枠体8の両面側では上述した被覆層が軟化し、これがセパレータ3、3に接着される。例えば、樹脂枠体8が、被覆層を構成する熱可塑性樹脂からなる場合には、その表層も軟化し、これがセパレータ3、3に接着される。このようにして熱プレスされたセル1を下型60から脱型するために次の工程を行う。
ここで、上述した樹脂枠体8を構成する熱可塑性樹脂は、熱プレス工程直後ではまだ軟化している状態にある。熱可塑性樹脂が軟化した状態で、図5に示すように、セル1が装着された搬送枠44の両側を下型60の押し上げバネ材65、65で持ち上げると、セル1の自重により、セル1は徐々に下向きに湾曲する。このような状態で樹脂枠体8の熱可塑性樹脂が放冷等により硬化すると、この湾曲した状態が保持され、反った状態のセルを得ることになる。
そこで、このようなセル1の反りを防止するために、本実施形態では、後述するように下型60に備えられた支持体62でセル1のセル中央部9を支持しながら、セル1を下型60から脱型する。以下、本実施形態における脱型工程の詳細を説明する。
3.脱型工程について
ここで、下型60の構成について簡単に説明する。下型60は、熱プレス工程で説明した構成に加えて、下型本体61と、下型60に配置されたセル1の接合体2を含むセル中央部9を支持しながら下型本体61に対して上昇する支持体62とをさらに、備えている。
ここで、下型本体61は、金属材料からなり、加熱前のセル1’を加熱できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、鋳鉄、鋼、アルミニウム、銅などを挙げることができる。下型本体61には、加熱前のセル1’を加熱する加熱部(不図示)が取り付けられている。
一方、支持体62は、下型本体61を構成する金属材料より熱伝導性(熱伝導率)の低い材料からなる。これにより、熱プレス時に下型本体61からの熱を、支持体62に伝導することを抑制する(断熱する)ことができる。
支持体62の材料は、このような機能を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、支持体62を構成する材料としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。支持体62に熱硬化性樹脂を用いることにより、下型本体61からの熱により、支持体62は変形せずに、その形状を保持することができる。
支持体62は、熱プレス前には、下型本体61に収容されており、支持体62が、セル1’に接触する部分の大きさは、接合体2の大きさと同じであることが好ましい。このような大きさを有することにより、上述した材料からなる支持体62により、熱プレス時の接合体2が加熱されることを低減し、支持体62で接合体2を含むセル中央部9を支持することができる。
さらに、支持体62の下部は、支持体62を昇降させる昇降装置(不図示)に支持されている。昇降装置により、本工程では後述するように、下型本体61に対して支持体62を上昇させることができ、次の熱プレス時までの間に、下型本体61内に支持体62を収容することができる。なお、昇降装置の代わりに、バネ等により、支持体62を押し上げ、熱プレス時に、上型50によりセル1’を介して、支持体62を押し下げてもよい。
このような構成を有する下型60を用いて、本工程では、図4に示すように、上述した熱プレス工程後に、下型60に対して上型50を上昇させた後、下型60からセル1を脱型する。
具体的には、まず、上型50を下型60に対して上昇させると、2つの上型用位置合わせピン57、57が上型用位置合わせ穴47、47から抜ける。上型50の上昇により、押圧部51による加圧力Pが無くなるため、収縮していた押し上げバネ材65、65が伸長し、搬送枠44が押し上げられる。この際、搬送枠44が上昇するとともに下型用位置合わせ穴48、48から下型用位置合わせピン68、68が外れる。
ここで、本工程では、搬送枠44が上昇し始めるとともに、支持体62が接合体2を含むセル中央部9を支持しながら、支持体62を昇降装置で上昇させる。押し上げバネ材65、65により搬送枠44が押し上げられる押し上げ位置(上述した熱プレス前のセル1’が上型50と下型60との間に配置された位置)まで、接合体2を含むセル中央部9を支持しながら、支持体62を、昇降装置で上昇させる。支持体62は、搬送枠44の押し上げ位置で、所定時間、接合体2を含むセル中央部9を支持し続ける。
これにより、支持体62によりセル中央部9を支持した状態で、樹脂枠体8を構成する熱可塑性樹脂を放冷等により硬化させることができ、各セパレータ3と、樹脂枠体8と、接合体2とが一体化となった燃料電池用のセル1が製造できる。
なお、本実施形態では、脱型工程後、樹脂枠体8を構成する熱可塑性樹脂が、放冷等により、その軟化点温度未満となる(硬化が開始する)までの間、接合体2を含むセル中央部9を支持し続けることが好ましい。これにより、樹脂枠体8を構成する熱可塑性樹脂が硬化する前に下型60からセル1を脱型しても、セル1の自重に起因した反りをより確実に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、支持体62が、下型本体61の金属材料よりも熱伝導性の低い材料からなるため、熱プレス時に、下型本体61の熱が、下型本体61から支持体62に伝わり難い。このため、熱プレス工程では、支持体62の温度上昇を抑え、脱型工程後に、支持体62からの熱により樹脂枠体8が加熱されることを抑え、樹脂枠体の熱可塑性樹脂を効率良く放冷し、これを硬化させることができる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1:燃料電池用のセル、2:接合体、3:セパレータ、5:電解質膜、6:電極層、7:ガス拡散層、8:樹脂枠体、50:上型、60:下型、61:下型本体、62:支持体、9:セル中央部

Claims (1)

  1. 燃料電池用のセルの製造方法であって、
    電解質膜の両面に電極層が積層され、前記電極層にガス拡散層がさらに積層された接合体の周囲に、前記接合体を支持する熱可塑性樹脂からなる樹脂枠体を配置し、前記樹脂枠体と共に前記接合体を一対の金属製のセパレータで挟み込んだセルを、熱プレス機の上型と下型との間に配置する配置工程と、
    前記熱可塑性樹脂の軟化点以上で少なくとも前記樹脂枠体を加熱しながら、前記上型と前記下型とにより、前記セルを挟み込んで、熱プレスする熱プレス工程と、
    前記熱プレス工程後に、前記下型に対して前記上型を上昇させた後、前記下型から前記セルを脱型する脱型工程と、を含むものであり、
    前記下型は、金属材料からなる下型本体と、前記下型に配置された前記セルの前記接合体を含むセル中央部を支持しながら前記下型本体に対して上昇する、前記金属材料よりも熱伝導性の低い材料からなる支持体と、を備えており、
    前記脱型工程において、前記支持体でセル中央部を支持しながら、前記下型本体から前記支持体を上昇させることにより、前記下型本体から前記セルを押し上げることを特徴とする燃料電池用のセルの製造方法。
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