JP6844083B2 - アフターコロージョン抑制処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エッチングにより形成されたアルミ配線のその後の腐食(アフターコロージョン)を抑制するための処理に関する。
半導体デバイス等にはアルミ(Al)又はアルミ合金による配線(以下、単にアルミ配線と言う。)が多く用いられているが、その配線パターンの微細化のニーズはますます高まってきている。配線パターン(配線幅)が微細化するに従って、臨界寸法(Critical Dimension, CD)と呼ばれる線幅のサブミクロン制御が重要となってきている。そのため、配線のパターニングをウェットエッチングからCD制御が容易なプラズマによるドライエッチングに切り替える要求が増えてきている。
アルミ配線形成のためのドライエッチングには、Cl2やBCl3などの塩素系ガスが用いられることが多い。塩素系ガスはプラズマ中では次のように分解し、塩素のラジカルCl*が生成される。
Cl2→2Cl*
BCl→BCl2+Cl*
塩素のラジカルCl*は容易にAlと反応し、塩化アルミニウムを生成する。
Al+3Cl→AlCl
Al+Cl→AlCl
生成した塩化アルミニウムを真空排気することでAl(アルミ配線)のエッチングが行われる。
しかし、プラズマを用いたAlのドライエッチングには課題も存在する。それは、真空排気されずに表面に残留した塩化物や塩素が空気中の水分と反応し、アルミ配線の腐食(アフターコロージョン)を引き起こすことである。
AlCl+H2O→Al(OH)+3HCl
Al+3HCl→AlCl
アフターコロージョンはアルミ配線間の短絡を引き起こし、半導体デバイス製品の不具合の原因となる。
そこで、このようなアルミ配線のアフターコロージョンを防止するため、エッチング処理後にH2Oプラズマ処理を行うという方法が知られている(特許文献1、特許文献2等)。これは、H2Oを解離させることにより発生した活性種(H*)をAlエッチング後に残留する塩化物と反応させ、HClとして揮発させることでアフターコロージョンを抑制するものである。
特開平08-293485号公報 特開2000-031120号公報 特開2004-274013号公報
しかしながら、H2Oプラズマ処理では、解離していないH2Oが残留付着物の成長を促すことがある。そこで、特許文献3には、H2Oプラズマ処理とO2又はN2プラズマによるアッシング処理を併用することでアフターコロージョンをさらに抑える方法が開示されている。すなわち、まずH2Oプラズマ処理を行うことによりアルミ配線上の塩化物や塩素を排除し、その後、O2/N2プラズマ処理(アッシング処理)を行うことにより、レジスト層の除去及びH2Oプラズマ処理で付着したH2Oの除去を行い、H2Oによる残留付着物の成長を防止するものである。
しかし、特許文献3の方法では、アフターコロージョンのための処理をアッシング処理と併用しているため、工程が複雑となるとともに処理時間も延びるという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、簡単な工程でアルミ配線のアフターコロージョンを抑制できる方法を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係るアルミ配線半導体基板のH2Oプラズマによるアフターコロージョン抑制処理方法は、
a) エッチング処理後のアルミ配線半導体基板を収容した処理室内にアルゴンガスを導入してアルゴンプラズマを生成する工程と、
b) 前記アルゴンプラズマが安定した以後に、該アルゴンプラズマ中にH2Oを導入することによりAr-H2Oプラズマとする工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明に係るアフターコロージョン抑制処理方法では、半導体基板の表面のアルミニウム層を所定のパターンでエッチング処理した後、まず、その半導体基板を収容した処理室(エッチング処理を行った処理室でも良いし、別の処理室でも良い)内にアルゴン(Ar)ガスを導入し、それをプラズマ化する。プラズマ化の方法は何でも良く、エッチング処理と同じプラズマ装置を用いても良いし、それとは別のプラズマ装置を用いても良い。このアルゴンガスのプラズマが安定した以後に、そのアルゴンプラズマ中にH2Oを導入して、プラズマ化する。こうして、アルゴンとH2Oの混合プラズマ(Ar-H2Oプラズマ)を処理室内に形成することにより、解離していないH2Oがアルミ配線半導体基板上に付着して、残留付着物の成長を促すことを抑制できる。
好ましくは、本発明に係るアフターコロージョン抑制処理方法は、
前記アルゴンプラズマ中にH2Oを導入した後でありかつH2Oの導入を停止する前に、前記処理室内へのアルゴンガスの導入を停止する
ことを特徴とする。
アルゴンプラズマ中にH2Oを導入することによりH2Oプラズマを生成した後、処理室内へのアルゴンガスの導入を停止した場合、アルゴンガスを停止した後はH2Oの導入のみによるH2Oプラズマ処理が継続される。したがって、アルゴンの消費量を抑えつつ、H2Oプラズマによるアフターコロージョン抑制処理を十分に行うことができる。もっとも、アルゴンガスを、必ず、H2Oの停止に先んじて停止しなければならないわけではない。例えば、アルゴンガスを微量に導入しながら、H2Oプラズマによるアフターコロージョン抑制処理を行ってもよい。
アルゴンプラズマ中に導入するH2Oの形態は問わない。例えば、気体のH2O(水蒸気)であってもよいし、霧状(すなわち、微細な水滴)のH2Oであってもよいし、氷霧状(すなわち、微細な氷晶)のH2Oであってもよい。もちろん、それらが混在した状態であってもよい。
もっとも、アルゴンプラズマ中に導入するH2Oの形態として特に好ましいのは、水蒸気である。水蒸気の形態としておくことにより、H2Oがより迅速にかつ完全にプラズマによって分解されるようになり、ここで導入するH2Oがアフターコロージョンの原因となる可能性を低減することができるからである。
アルゴンプラズマ中へのH2Oの導入は、アルゴンプラズマが安定した以後に行えばよいが、アルゴンプラズマが安定すると同時に行ってもよい。アルゴンプラズマが安定すると同時にH2Oを導入すれば、アルミ配線半導体基板がアルゴンプラズマ単独にさらされる時間が短く抑えられるため、アルミ配線半導体基板の昇温が抑制される。
アルゴンプラズマ中にH2Oを導入する工程が行われる間、処理室に別のガス、例えば、酸素(O2)をさらに導入してもよい。
H2Oに加えて酸素を導入すると、エッチング処理後のアルミ配線半導体基板の表面に、アルミナ(Al2O3)膜が形成されやすくなる。アルミナ膜は、酸素の導入を行わずともH2Oの導入のみである程度は形成されるが、H2Oに加えて酸素を導入することによって、より強固なアルミナ膜を形成することができる。アルミナは耐蝕性が高いことから、アルミナ膜が形成されることによって、基板表面に、処理室内に残存する粒子(例えば、基板表面から揮発して処理室内を浮遊しているHCl)による腐食が生じにくくなる。また、エッチング処理後の基板にはさらに洗浄処理等の各種の処理が施されるところ、基板の表面にアルミナ膜が形成されていることによって、当該各種の処理に用いられる薬液やガスによる基板の腐食が生じにくくなる。
また、処理室内にH2Oを導入する際に、プラズマ装置の出力を上げる等でプラズマ条件を変更してもよい。
なお、エッチングの際のレジストの除去(アッシング)は、本発明に係る方法の前又は後に、別途行うことができる。多くの場合、アッシングはレジストの特性に合わせたウェット処理で行う方が効率が良い。もちろん、別途のプラズマ処理によりアッシングを行ってもよい。
本発明に係るアルミ配線半導体基板のH20プラズマによるアフターコロージョン抑制処理方法では、アルミニウムが成膜された半導体基板のエッチング処理を行った後、アフターコロージョン抑制のためにH2Oプラズマで残留塩化物や塩素(残留付着物)を除去する際、予めArプラズマを生成しておき、その中にH2Oを導入する。このため、解離していないH2Oがアルミ配線半導体基板上に付着して、残留付着物の成長を促すという事態が抑制される。
プラズマ処理装置の概略構成図。 プラズマ処理装置で行われる処理の流れの一例を示す図。 アフターコロージョン抑制処理の流れの一例を示す図。 アフターコロージョン抑制処理を説明するためのタイミングチャート。 各実施例および各比較例について、処理後の基板の表面の様子を示す図。
本発明に係る方法を用いたアルミ配線半導体基板のエッチング処理の一実施形態について説明する。
<1.装置構成>
図1はプラズマ処理装置10の概略構成図である。この図から明らかなように、この実施の形態では、誘導結合型反応性イオンプラズマ処理装置(ICP-RIE)を用いる。
詳しく述べると、処理室11を囲う筐体12の上部には誘電体製の窓14が設けられ、高周波コイル13はその直上に設けられている。処理室11の下部には、処理対象となる基板15を載置する平面状の下部電極16が配設されている。下部電極16は、例えば、アルミニウム等の金属から形成される。高周波コイル13の上端は整合器17を介して上部高周波電源18の一方の端子に接続され、下端は接地されるとともに該上部高周波電源18の他方の端子に接続されている。また、下部電極16はブロッキングコンデンサ19、整合器20を介して下部高周波電源21に接続されている。下部電極16と筐体12とは絶縁板22により絶縁されている。また、筐体12には、処理室11と外部との間で基板15の授受を行うためのロードロック23が設けられている。また、下部電極16内には、これに載置される基板15を冷却する機構(図示せず)が設けられる。
筐体12には、処理室11内に各種のガスを導入するガス導入口31と、処理室11内を排気するための排気口32とが設けられている。ガス導入口31は、バルブ33,35が介挿された配管を介して、エッチング処理に用いるエッチングガスを供給するガス供給源(図示の例では、塩素ガス供給源34および窒素ガス供給源36)と接続されている。また、ガス導入口31は、バルブ37が介挿された配管を介して、アルゴンガス供給源38とも接続されている。ガス導入口31は、処理室11内における、基板15(すなわち、下部電極16上に載置された基板15)の上方の空間領域(すなわち、プラズマが高濃度に形成される空間領域)に向かって開口しており、当該空間領域に向けて各ガスを噴出できるようになっている。
筐体12にはまた、処理室11内にH2O(具体的には、水蒸気)を導入するH2O導入口41が設けられている。H2O導入口41には、配管を介して水供給源44が接続されており、この配管上にはバルブ42と、導入される流体を気化するヴェーパライザ(気化装置)43とが設けられている。H2O導入口41は、ガス導入口31と同様、処理室11内における、基板15の上方の空間領域に向かって開口しており、当該空間領域に向けて水蒸気を噴出できるようになっている。この構成によると、H2O導入口41から噴出された水蒸気を効率的にプラズマ化することができる。また、真空装置内に水蒸気を導入する場合、水蒸気が真空装置内で液化して真空装置の内壁に水滴が付着してしまうと、これが完全に蒸発するまで真空到達度が悪化してしまうところ、上記の構成によると、水蒸気が水滴化して処理室11の内壁面に付着するといった事態の発生を抑制でき、真空到達度の悪化を回避できる。
バルブ33,35,37,42の各々は、配管を流れるガスの流量を自動調整できるバルブであることが好ましく、具体的には、例えば、マスフローコントローラ等を含んで構成することが好ましい。また、バルブ33,35,37,42の各々は、制御部24と電気的に接続されており、制御部24が、オペレータから指定された値等に基づいて、バルブ33,35,37,42の各々を制御して、オペレータが指定するタイミングで、オペレータが指定する種類の流体を、オペレータが指定する流量で、処理室11に導入させる。
本実施形態のプラズマ処理装置10では、水蒸気を、ガス導入口31とは別に設けられたH2O導入口41から処理室11内に導入する構成としている。ここで、H2O導入口41は、これと基板15(すなわち、下部電極16上に載置された基板15)との離間距離(具体的には、H2O導入口41と基板15の表面内の各位置との平均離間距離)が、ガス導入口31と基板15との離間距離(具体的には、ガス導入口31と基板15の表面内の各位置との平均離間距離)よりも小さくなるような位置に形成されていることが好ましい。
<2.処理の流れ>
図2はプラズマ処理装置10で行われる処理の流れの一例を示す図である。以下の説明では、処理対象となる基板15は、アルミニウムを成膜したサファイア基板の表面に、フォトマスクのパターンが転写されたレジストを形成したアルミ半導体基板であるとする。
プラズマ処理装置10では、まず、基板15上に配線を形成するためのエッチング処理が行われる(ステップS1)。続いて、エッチング処理が完了した基板15に対して、同じ処理室11内で同じ装置を用いてアフターコロージョンを抑制するための処理(アフターコロージョン抑制処理)が行われる(ステップS2)。以下、各ステップについて詳しく説明する。
<エッチング処理>
基板15に対するエッチング処理(ステップS1)は、次のように行われる。すなわち、まず、ロードロック23を開け、下部電極16上に基板15を載置して、静電チャック等で基板15を下部電極16に固定する。ロードロック23を閉じて筐体12を密閉した後、排気口32に接続した真空ポンプ(図示せず)で処理室11内を排気し、十分な真空度に達したら、高周波コイル13に高周波電力を供給し、下部電極16にバイアス高周波電圧を印加する。続いて、ガス導入口31からエッチングガスを処理室11内に供給する。ここでは、エッチングガスとして、例えば、塩素(Cl2)と窒素(N2)とを用いる。これにより、基板15の上部にエッチングガスのプラズマが生成し、それにより生じた反応性イオン(ここでは、塩素のラジカルCl*等)により基板15表面のアルミニウムがエッチングされる。エッチングガスのプラズマが生成されてから定められた時間が経過した時点で、エッチングガスの供給が停止される。これによってエッチング処理が完了する。
<アフターコロージョン抑制処理>
図3は、アフターコロージョン抑制処理の流れの一例を示す図である。また、図4は、アフターコロージョン抑制処理を説明するためのタイミングチャートである。アフターコロージョン抑制処理(ステップS2)は、次のように行われる。
ステップS20:エッチング処理が終了すると、高周波コイル13への高周波電力の供給を停止するとともに、下部電極16へのバイアス高周波電圧の印加を停止する。そして、排気口32に接続した真空ポンプ(図示せず)で処理室11内を排気する。これによって、処理室11内に残存しているガス(エッチングに使用されたガス)が処理室11から排出される。
ステップS21:処理室11内が十分な真空度に達すると、ガス導入口31からアルゴンガスを処理室11内に供給する。そして、処理室11内が所期の圧力となると、高周波コイル13に高周波電力を供給する。ただし、このときの高周波電力の供給量(ワット数)は、エッチング処理時と異なる値(例えば、エッチング処理時よりも高い値)であってよい。これにより、基板15の上部にアルゴンプラズマが生成する。
ステップS22:ステップ21において処理室11内に生成されたアルゴンプラズマが安定すると、続いて、高周波電力の供給およびアルゴンガスの供給を継続しつつ、H2O導入口41からH2O(ここでは、水蒸気)を処理室11内に供給する。
処理室11内に供給された水蒸気は、高周波コイル13から供給される高周波電力によりプラズマ化する。これにより、基板15の上部にAr-H2Oプラズマが生成される。処理室11内にアルゴンプラズマを予め形成せずにはじめからH2Oプラズマ単独を形成する場合、H2Oを導入開始してからH2Oプラズマが安定するまでの間、H2Oの解離が十分に行われない。これに対し、ここでは、処理室11内にアルゴンプラズマを予め形成しておき、そこにH2Oを導入するため、H2Oプラズマが安定するまでの間、アルゴンプラズマでH2Oを解離させることができる。したがって、解離していないH2Oが基板15に付着しにくい。解離していないH2Oの基板15への付着は、アフターコロージョンの一因となってしまう。すなわち、基板15に解離していないH2Oが付着し、残存してしまうと、これが先に行われたエッチング処理の残存付着物の成長を促して、アフターコロージョンを発生させてしまう。ここでは、解離していないH2Oが基板15に付着することを抑制できるので、これに起因するアフターコロージョンの発生を抑制できる。
なお、処理室11内にH2Oを供給する間、併せて別のガス(例えば、酸素)をさらに供給してもよい。また、H2Oの供給を開始する際に、プラズマ条件を変更してもよい。具体的には、例えば、H2Oの供給を開始する際に、高周波コイル13に供給する高周波電力を上げてもよい。また、処理室11内へのH2Oの供給開始時期は、アルゴンプラズマが安定するのと同時とするのが望ましい。アルゴンプラズマが安定すると同時にH2Oを供給することにより、基板15がアルゴンプラズマ単独に長時間さらされることによって基板15が高温状態(基板15がダメージを受けるほどの高温状態)となってしまうことを回避できる。
ステップS23:続いて、高周波電力の供給およびH2Oの供給を継続しつつ、アルゴンガスの供給を停止する。これにより、基板15の上部のプラズマはH2Oプラズマのみとなり、基板15に対するH2Oプラズマ処理が進行する。すなわち、H2Oが解離することにより活性種(H*)が発生し、これがエッチング処理後の基板15上に残留する塩化物や塩素等と反応して、HClとして揮発する。これにより、エッチング処理後の基板15上に残留する塩化物等に起因するアフターコロージョンの発生が抑制される。
ステップS24:H2Oの供給が開始されてから定められた時間が経過した時点で、H2Oの供給が停止される。また、高周波電力の供給も停止される。以上で、アフターコロージョン抑制処理が完了する。
<3.評価>
以下に、上述したアフターコロージョン抑制処理に係る実施例とその評価について説明する。ただし、以下の各実施例および比較例では、基板15に対するエッチング処理は、次のような共通条件で行った。すなわち、エッチング処理においては、高周波コイル13には180Wの高周波電力を供給し、下部電極16には30Wのバイアス高周波電圧を印加した。また、エッチングガスとして、塩素ガスおよび窒素ガスを用いた。処理室11内への塩素ガスの供給流量は25sccm(「sccm」は、毎分標準(すなわち、標準状態の圧力および温度(ここでは、0℃、1atm)での)立方センチメートルである。以下も同様)とし、処理室11内への窒素ガスの供給流量は5sccmとした。また、処理室11内の圧力は、0.5Paとなるように調整し、下部電極16の温度は25℃に調整した。また、エッチング処理の時間は、2分間とした。
〔実施例1〕
実施例1では、アフターコロージョン抑制処理は、次の条件で行った。すなわち、高周波コイル13に供給する高周波電力は500Wとした。また、アルゴンガスの供給流量は100sccmとし、水蒸気の供給流量は30sccmとした。また、アルゴンプラズマ単独の形成時間(すなわち、アルゴンガスの供給を開始してから水蒸気の供給を開始するまでの時間)は、10秒間とした。また、Ar-H2Oプラズマの形成時間(すなわち、水蒸気の供給を開始してからアルゴンガスの供給を停止するまでの時間)は5秒間とした。また、H2Oプラズマ単独の形成時間(すなわち、アルゴンガスの供給を停止してから水蒸気の供給を停止するまでの時間)は5分間とした。したがって、アフターコロージョン抑制処理に要した時間は、5分15秒間であった。また、処理が行われる間、処理室11内の圧力が9.0Paとなるように調整し、下部電極16の温度は25℃に調整した。
〔実施例2〕
実施例2では、水蒸気の供給流量を100sccmとした。それ以外の条件は、実施例1と同じとした。
〔実施例3〕
実施例3では、水蒸気の供給流量を15sccmとし、水蒸気を供給する間、併せて酸素を15sccmで供給した。それ以外の条件は、実施例1と同じとした。
〔実施例4〕
実施例4では、水蒸気の供給流量を5sccmとし、水蒸気を供給する間、併せて酸素を25sccmで供給した。それ以外の条件は、実施例1と同じとした。
〔比較例1〕
比較例1では、エッチング処理のみを行い、アフターコロージョン抑制処理を行わなかった。
〔比較例2〕
比較例2では、アフターコロージョン抑制処理において、アルゴンガスの供給を行わなかった。つまり、エッチング処理後の基板に対して、直ちに水蒸気の吹きつけを行って、H2Oプラズマ処理を施した。
図5には、各実施例および各比較例について、アフターコロージョン抑制処理後の基板の表面の様子が示されている。ここに示されているのは、処理後の基板を、水蒸気量が292g/m3(80℃の水の飽和水蒸気量)のシャーレ内に10分間放置した後、気温24℃、湿度45%のクリーンルーム内に48時間放置してから、当該基板の表面を、光学顕微鏡で観察したものである。
図5に示されるように、比較例1では、アフターコロージョンが発生している。また、比較例2では、比較例1に比べると少ないものの、やはりアフターコロージョンが発生している。これは、解離しなかったH2Oが基板のアルミニウム表面に付着したことが原因と考えられる。
一方、実施例1では、アフターコロージョンは発生していない。また、実施例2、実施例3および実施例4でも、アフターコロージョンは、ほぼ発生していない。このように、実施例1〜4では、アフターコロージョンの発生が十分に抑制されていることがわかる。これは、上述したとおり、H2Oの供給に先立って処理室内に生成されていたアルゴンプラズマが、解離しきれなかった水分子が基板に付着することを抑制しているためと考えられる。
<4.その他の実施の形態>
上記の実施の形態に係るアフターコロージョン抑制処理においては、途中でアルゴンガスの供給を停止していた(ステップS23)が、アルゴンガスの供給は必ずしも停止しなくてもよい。すなわち、ステップS23の処理は行わなくともよい。また例えば、アルゴンガスの供給を開始してから定められた時間が経過した時点で、アルゴンガスの流量を十分小さな(ただし、ゼロより大きい)値に下げてもよい。アルゴンガスの供給を停止しない場合、基板15に対するH2Oプラズマ処理は、処理室11内にアルゴンプラズマが存在する状況下で進行することになる。この場合、アルゴンプラズマの存在によって、基板の温度低下が抑制されるので、解離していないH2O(水滴)が基板15に付着しにくいという利点がある。
また、上記の実施の形態においては、基板15に対するエッチング処理とアフターコロージョン抑制処理とをプラズマ処理装置10で連続して行っていたが、例えば、別の装置でエッチング処理された基板15をプラズマ処理装置10に搬入して、当該基板15に対して上述したアフターコロージョン抑制処理を行ってもよい。
また、上記の実施の形態において、アフターコロージョン抑制処理の前又は後に、エッチングの際のレジストの除去(アッシング)を別途行ってもよい。アッシングは、例えば、エッチングに用いられたレジストの特性に合わせた薬品を用いたウェット処理によって行えばよい。
また、上記の実施の形態においては、アフターコロージョン抑制処理において、処理室11内に水蒸気を供給していたが、処理室11内に供給するH2Oの状態は必ずしも気体でなくてもよい。例えば、処理室11内に霧状のH2O、あるいは、氷霧状のH2Oを供給する態様としてもよい。これらの場合、処理室11内に供給された霧状(あるいは、氷霧状)の水は、処理室11内に形成されているアルゴンプラズマで直ちに気化し、高周波コイル13から供給される高周波電力によりプラズマ化することになる。
また、上記の実施の形態においては、プラズマ源として、誘導結合型のものが用いられていたが、プラズマ源はこれに限らない。例えば、容量結合型のプラズマ源が用いられてもよいし、マイクロ波がプラズマ源として用いられてもよい。
10 プラズマ処理装置
11 処理室
12 筐体
13 高周波コイル
14 窓
15 基板
16 下部電極
18 上部高周波電源
19 ブロッキングコンデンサ
21 下部高周波電源
24 制御部
31 ガス導入口
32 排気口
38 アルゴンガス供給源
41 H2O導入口
43 ヴェーパライザ
44 水供給源

Claims (5)

  1. アルミ配線半導体基板のH2Oプラズマによるアフターコロージョン抑制処理方法であって、
    a) エッチング処理後のアルミ配線半導体基板を収容した処理室内にアルゴンガスを導入してアルゴンプラズマを生成する工程と、
    b) 前記アルゴンプラズマが安定した以後に、該アルゴンプラズマ中にH2Oを導入することによりAr-H2Oプラズマとする工程と、
    を含み、前記アルゴンプラズマ中にH 2 Oを導入した後でありかつH 2 Oの導入を停止する前に、前記処理室内へのアルゴンガスの導入を停止する、アフターコロージョン抑制処理方法。
  2. 請求項1に記載のアフターコロージョン抑制処理方法であって、
    前記アルゴンプラズマ中に導入するH2Oが水蒸気である、
    アフターコロージョン抑制処理方法。
  3. 請求項1または2に記載のアフターコロージョン抑制処理方法であって、
    前記アルゴンプラズマが安定すると同時にH2Oを導入する、
    アフターコロージョン抑制処理方法。
  4. 請求項1からのいずれかに記載のアフターコロージョン抑制処理方法であって、
    前記アルゴンプラズマ中にH2Oを導入する間、前記処理室内に酸素を導入する、
    アフターコロージョン抑制処理方法。
  5. 請求項1からのいずれかに記載のアフターコロージョン抑制処理方法であって、
    前記エッチング処理が、アルミニウムが成膜された半導体基板を前記処理室でプラズマエッチングすることによって行われる、
    アフターコロージョン抑制処理方法。
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