JP6843272B2 - 回転電機の固定子及び回転電機の固定子の製造方法 - Google Patents

回転電機の固定子及び回転電機の固定子の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、回転電機の固定子及び回転電機の固定子の製造方法に関するものである。
回転電機の固定子コイルの巻線方式の一つである分布巻方式では、複数のコイルエンド部が互いに干渉しない形状としていた。このため、コイルエンド部が回転電機の軸方向に長くならざるを得なかった。そこで、コイルエンド部において、干渉防止と軸方向長さの短縮との両立を図る方法として、固定子コイルを複数の分割コイルにより構成する方法が用いられている。
分割コイルを採用した固定子では、分割コイルを固定子鉄心のスロットに差し込んで組み立てるため、スロットの内壁と分割コイルとの間に隙間が必要であった。しかし、分割コイルを採用した固定子では、このような隙間があるため、分割コイルと固定子鉄心との間の熱伝導性が低くなるという問題があった。
分割コイルを採用した従来例として、特許文献1に記載された回転電機がある。特許文献1に記載された回転電機では、固定子コイルを複数のU字状の分割コイルで構成している。スロット内に挿入された分割コイルは、分割コイルの弾性力でスロットの内壁に押付けられることで、熱伝導性をあげている。
特開2007−110899号公報
しかし、特許文献1に記載された回転電機では、分割コイルをスロットの内壁に押付けながら挿入する。このため、特許文献1に記載された回転電機は、分割コイルを挿入するために、比較的大きな挿入荷重が必要である。しかしながら、このような大きな挿入荷重で分割コイルを挿入する際に、分割コイルの曲がり及び絶縁被膜の損傷が発生しないように挿入することは容易でなかった。すなわち、特許文献1に記載された回転電機は、組み立てを容易に行えないという課題があった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、容易に組み立てられ、固定子コイルと固定子鉄心との間の良好な熱伝導性を確保できる回転電機の固定子、及び回転電機の固定子の製造方法を提供することを目的としている。
本発明による回転電機の固定子は、中心軸方向に延びる複数のスロットが周方向に配列された円環状の固定子鉄心と、複数のスロットのそれぞれに収容され、複数のスロットの周方向寸法より、周方向寸法が小さい固定子コイルと、を備え、固定子鉄心は、互いに接して、同軸に配列された3つ以上の分割鉄心を有し、3つ以上の分割鉄心は、スロットの周方向位置が互いに一致している2つ以上の分割鉄心により構成される第一分割鉄心群と、スロットの周方向位置が一致している1つ以上の分割鉄心により構成される第二分割鉄心群と、からなり、第二分割鉄心群を構成する分割鉄心のなかの少なくとも1つの分割鉄心が、第一分割鉄心群を構成する分割鉄心間に配置されており、第二分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向位置が、第一分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向位置に対して、周方向の第一の方向に一定量変位しており、固定子コイルは、複数のスロットのそれぞれにおいて、第一分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向の第一の方向の内壁と第二分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向の第二の方向の内壁とに接している。
本発明による回転電機の固定子コイルは、第二分割鉄心群を構成する分割鉄心のなかの少なくとも1つの分割鉄心が、第一分割鉄心群を構成する分割鉄心間に配置されている。また、第二分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向位置が、第一分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向位置に対して、周方向の第一の方向に一定量変位している。上記の構成により、固定子コイルが、複数のスロットのそれぞれにおいて、第一分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向における第一の方向の内壁と、第二分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向における第二の方向の内壁と、に接している。したがって、本発明による回転電機の固定子コイルは、容易に組み立てられ、固定子コイルと固定子鉄心との間の良好な熱伝導性を確保できる。
本発明の実施の形態1による回転電機を示す断面図である。 固定子鉄心の軸方向端面を示す上面図である。 固定子鉄心の軸方向端面の一部を示す要部上面図である。 固定子鉄心の一部を示す斜視図である。 固定子鉄心の連結部の拡大図である。 U字状コイルの側面図である。 絶縁材をはめ込んだ状態の固定子鉄心の要部上面図である。 コイルと絶縁材とがスロットに挿入されている状態の固定子の上面図である。 第一位置である分割鉄心の断面図である。 被連結部に連結部材を挿入する前の状態を示す断面図である。 被連結部に連結部材を挿入した後の状態を示す断面図である。 第二位置における固定子鉄心の上面図である。 第二位置における固定子鉄心の断面図である。 第二位置における固定子鉄心を示す斜視図である。 第二位置における固定子鉄心を示す上面図である。 第二位置における固定子鉄心の断面図である。 分割鉄心が軸方向に2つ配列されている場合の断面図である。 本発明の実施の形態5による固定子鉄心を示す要部上面図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による回転電機の断面図である。
回転電機は、フレーム1、固定子2、及び回転子3から構成されている。本明細書において、固定子2の中心軸の軸方向を「軸方向」と記載する。また、固定子2の中心軸に関する周方向及び径方向を、それぞれ「周方向」及び「径方向」と記載する。
フレーム1は、筒部および筒部の一方の開口部を塞ぐ底部からなるフレーム本体11と、フレーム本体11の開口部を塞ぐ端板12とを有している。フレーム本体11の底部と端板12とには、回転子3を回転可能に保持する軸受13がそれぞれ設けられている。フレーム本体11は、内部が中空であり、金属で形成されている。具体的には、材料は鉄又はアルミニウムである。フレーム本体11は、固定子2及び回転子3を内部に収容している。フレーム1は、内部に収容している構成部品を保持している役割に加えて、固定子2に発生した熱の伝達経路としての役割も果たしている。
回転子3は、回転子3の中心に位置する回転軸31、回転軸31の外径部に嵌合して固定された回転子鉄心32、及び回転子鉄心32の外周面に固定された回転子磁石33を有している。回転軸31は、複数の直径部が形成された断面円形の棒状部材である。回転子3は、2つの軸受13で回転可能に支持されている。回転軸31は、回転子鉄心32が嵌合する部分と、軸受13に嵌合する部分との直径が異なる段付き形状に形成されている。軸受13に嵌合する部分は、回転子鉄心32が嵌合する部分より、小径に形成されている。回転軸31は、金属で形成されている。
回転子鉄心32は筒形であり、中心部には回転軸31が嵌合する中空部が設けられている。回転子磁石33は、筒形の回転子鉄心32の外周面に周方向に等角ピッチで複数配置されている。回転子磁石33は、永久磁石である。
回転子磁石33、回転子鉄心32、及び回転軸31が一体に形成されている回転子3は、固定子コイル25に電流が流れると磁力の働きにより回転する。また、回転子3は、永久磁石が回転子鉄心32の内部に埋め込まれている形態、かご形、又はクローポール形の回転子でもよい。
固定子2は、円環状の固定子鉄心20、及び固定子コイル25を有している。固定子2は、フレーム本体11の筒部の内部に圧入、焼き嵌めなどにより挿入されて固定されている。図2は、固定子鉄心の軸方向端面を示す上面図、図4は、固定子コイルが挿入される前の固定子鉄心20の一部を示す斜視図である。固定子鉄心20は、3つの分割鉄心22により構成されている。分割鉄心22には、ティース221の先端部の鍔部222の形状が異なる第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとがある。具体的には、固定子鉄心20は、図4に示されるように、2つの第一分割鉄心22aと一つの第二分割鉄心22bとを、軸方向に第一分割鉄心22a、第二分割鉄心22b、第一分割鉄心22aの順に、互いに接して同軸に配列して構成される。なお、第一分割鉄心22aおよび第二分割鉄心22bは、添え字a,bによって区別する。構成要素を総称するときには、参照符号のみを用いる。
第一分割鉄心22aは、複数の第一鉄心片23aのみを積層して構成された積層鉄心である。第二分割鉄心22bは、複数の第二鉄心片23bのみを積層して構成された積層鉄心である。第一分割鉄心22aおよび第二分割鉄心22bは、それぞれ、環状のバックヨーク220と、それぞれがバックヨーク220からバックヨーク220の中心に向けて延びて、周方向に等ピッチで配列された複数のティース221と、を備える。
バックヨーク220は、外周面全体でフレーム本体11の筒部の内壁に接している。各々のティース221は、周方向の幅が内周側ほど細く形成されており、先端部には周方向両側に突出する鍔部222が形成されている。隣接するティース221の鍔部222同士は、隙間を有しており接触していない。
周方向に隣接するティース221同士により、固定子鉄心20の中心軸と平行な方向に延びるスロット223が形成される。スロット223には、固定子コイル25が挿入される。ここで、2つの第一分割鉄心22aにより第一分割鉄心群21aが構成される。また、1つの第二分割鉄心22bにより第二分割鉄心群21bが構成される。固定子コイル25がスロット223に挿入される前の固定子鉄心20は、図4に示されるように、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bのスロット223の周方向位置が一致している。そして、第一分割鉄心22aの鍔部222の周方向位置に対し、第二分割鉄心22bの鍔部222の周方向位置が第二の方向に変位している。なお、図4中左側が、周方向の第一の方向であり、右側が周方向の第二の方向である。
後述するように、スロット223に固定子コイル25が挿入された後、第一分割鉄心22aに対し、第二分割鉄心22bが回転操作される。図2に示されるように、保持機構28が第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとに設けられている。これにより、第一分割鉄心22aに対し、第二分割鉄心22bを第二位置へ容易に回転させることができる。さらに、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを第二位置の状態で固定できる。
保持機構28は、バックヨーク220に設けられた連結部224と、連結部224に形成された被連結部225と、を備える。保持機構28は、図示していないが、連結部材226をさらに備える。連結部材226は、後述するように、被連結部225に挿入される。連結部224は、バックヨーク220の外周部にバックヨーク220を径方向の外方に延長して形成された部分である。図2には、被連結部225が周方向において3ケ所に設けられた分割鉄心22が示されている。被連結部225は、連結部材226が挿入される連結穴である。
第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとは、鍔部222の形状が少し異なっているほかに、連結部224及び被連結部225の形状も異なっている。すなわち、第一鉄心片23aと第二鉄心片23bとは、鍔部相当部、連結部相当部および被連結部相当部の形状が異なっている。なお、第一鉄心片23aと第二鉄心片23bとは、鍔部相当部、連結部相当部および被連結部相当部の形状が異なっている点を除いて同様に構成されている。
図3は、固定子コイル25が挿入される前の固定子鉄心20の軸方向端面の一部を示す要部上面図である。図中、第一分割鉄心22aが実線で示されている。また、第二分割鉄心22bが破線で示されている。各スロット223の周方向位置を一致させて第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを重ねた場合、ティース221の鍔部222の形状が、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとで異なる。図3において、第一分割鉄心22aの鍔部222は、軸方向から見てティース221の周方向中心に対して左側、すなわち第一の方向に偏って位置している。一方、第二分割鉄心22bの鍔部222は、軸方向から見てティース221の周方向中心に対して右側、すなわち第二の方向に偏って位置している。図3に示されるように、第一分割鉄心22aでは、鍔部222の周方向の第一の方向の突出量が、鍔部222の周方向の第二の方向の突出量より大きくなっている。一方、第二分割鉄心22bでは、鍔部222の周方向の第二の方向の突出量が、鍔部222の周方向の第一の方向の突出量より大きくなっている。
第一鉄心片23aおよび第二鉄心片23bは、それぞれ、磁性薄板である電磁鋼板から打ち抜かれて作られている。第一鉄心片23aおよび第二鉄心片23bには、図示していないが、鉄心片同士が互いに嵌合する凹凸嵌合部が複数設けられている。第一鉄心片23aおよび第二鉄心片23bのバックヨーク相当部において、軸方向の第一の方向に向く面に凸部が設けられ、及び軸方向の第二の方向を向く面に凹部が設けられている。凸部と凹部とは、同じ周方向位置及び同じ径方向位置に設けられている。第一鉄心片23aを重ねると、凹凸部同士が嵌め合うように構成されており、第一鉄心片23a同士が互いに嵌合固定される。同様に、第二鉄心片23bを重ねると、凹凸部同士が嵌め合うように構成されており、第二鉄心片23b同士が互いに嵌合固定される。
第一鉄心片23a及び第二鉄心片23bに設けられる凹部と凸部は、電磁鋼板から第一鉄心片23a及び第二鉄心片23bを打ち抜く時に、同時に設けられる。また、凹部と凸部は、第一鉄心片23aおよび第二鉄心片23bのそれぞれに複数設けられ、第一鉄心片23a同士、及び第二鉄心片23b同士が強固に固定されている。第一鉄心片23a同士、及び各第二鉄心片23b同士の固定は、溶接、又は接着でもよい。
第一分割鉄心22aを構成する第一鉄心片23aは、第一分割鉄心22aの軸方向の第一の方向の端部に配置された第一鉄心片23aを除いて、凹部と凸部とが設けられている。第一分割鉄心22aの軸方向の第一の方向の端部に配置された第一鉄心片23aは、隣接して積層されている第一鉄心片23aと接する面に凹部は設けられているが、第一分割鉄心22aの端面である面には凸部が設けられていない。同様に、第二分割鉄心22bを構成する第二鉄心片23bは、第二分割鉄心22bの軸方向の第二の方向の端部に配置された第二鉄心片23bを除いて、凹部と凸部とが設けられている。第二分割鉄心22bの軸方向の第二の方向の端部に配置された第二鉄心片23bは、隣接して積層されている第二鉄心片23bと接する面に凹部は設けられているが、第二分割鉄心22bの端面である面には凸部が設けられていない。これにより、隣接する分割鉄心22の相対する端面同士が、凸部による干渉なしに面接触できる。したがって、分割鉄心22同士を隙間なく隣接して配置することができる。
図5は、固定子鉄心20の連結部の拡大図である。図5では、説明の便宜上、第一分割鉄心22aの連結部を224aとし、被連結部を225aをとした。同様に、第二分割鉄心22bの連結部を224bとし、被連結部を225bをとした。スロット223の周方向位置が一致するように第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを重ねた時に、第一分割鉄心22aに設けられた連結部224a及び被連結部225aに対し、第二分割鉄心22bに設けられた連結部224b及び被連結部225bは、周方向の第二の方向に変位している。つまり、スロット223が一致するように第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを重ねた時に、第一分割鉄心22aの連結部224a及び被連結部225aは、図5中において左方向に変位しており、実線で示されている。第二分割鉄心22bの連結部224b及び被連結部225bは、図5中において右方向に変位しており、破線で示されている。
固定子コイル25は、複数のU字状のコイル26により構成されている。固定子コイル25は、電流が流れると回転子3を回転させる磁界を発生する。図6は、U字状に形成されたコイル26の側面図である。コイル26は、2つの直線部261と、2つの直線部261を連結している連結部262とを有している。コイル26は、例えばエナメルで絶縁被覆された銅線、アルミニウム線などの線状の導体で形成されている。連結部262は、固定子鉄心20の軸方向の外側に位置してコイルエンド部を形成している。
コイル26は、固定子鉄心20の各スロット223に挿入される。U字状のコイル26の2つの直線部261は、1つ以上のスロット223を挟んで配置されているスロット223の対に挿入されている。ここでは、各スロット223に4本の直線部261が挿入されている。スロット223の周方向寸法は、コイル26の直線部261の周方向寸法より大きい寸法である。そのため、スロット223の周方向の内壁とコイル26との間には隙間が確保されている。したがって、コイル26をスロット223に容易に挿入することが可能である。コイル26は各々のスロット223に挿入された後、接続対象のコイル26がコイル26の端部同士を接続されて各相分のコイルを形成している。
固定子2は、固定子鉄心20及び固定子コイル25の他に、絶縁材27を有している。図7は、絶縁材27をはめ込んだ状態の固定子鉄心20の要部上面図である。絶縁材27は、各スロット223に嵌め込まれている。絶縁材27の材料は、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などが挙げられる。絶縁材27は、電気絶縁性と熱伝導性に優れる材料から形成されていることが望ましい。絶縁材27は、固定子鉄心20と固定子コイル25との間を電気的に絶縁している。
絶縁材27をスロット223に挿入した際の重なり部27aは、スロット223の底部側に配置されている。この重なり部27aは、スロット223の開口側に配置してもよい。
なお、本明細書では、直線部261の周方向寸法は絶縁材27の厚さを含むものとする。例えば、スロット223の周方向寸法が直線部261の周方向寸法より大きいという場合は、スロット223の周方向寸法が直線部261の周方向寸法に絶縁材27の厚さの2倍を加えた寸法より大きいことを意味する。
以下に、固定子2の組立方法を説明する。第一鉄心片23a及び第二鉄心片23bを各々複数積層して、第一分割鉄心22a及び第二分割鉄心22bを作製する。次に、第一分割鉄心22a及び第二分割鉄心22bは、第一分割鉄心22a及び第二分割鉄心22bの各々の中心軸を一致させて交互に互いに接して配置される。2つの第一分割鉄心22aが、第一分割鉄心群21aを構成する。また、1つの第二分割鉄心22bが、第二分割鉄心群21bを構成する。
ついで、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとが第一位置となるようにして配置される。第一位置とは、固定子コイル25を各々のスロット223に挿入する時における、第一分割鉄心22a及び第二分割鉄心22bそれぞれの周方向位置である。具体的には、第一位置とは、全ての分割鉄心22におけるスロット223の周方向位置が一致している第一分割鉄心22a及び第二分割鉄心22bの位置である。
図8は、コイル26と絶縁材27とがスロット223に挿入されている状態の固定子2の上面図である。図中で、コイル26は断面で示されている。
第一鉄心片23a、及び第二鉄心片23bの形状が少し異なることにより、第一位置では、第一分割鉄心22aのティース221の鍔部222に対し、第二分割鉄心22bのティース221の鍔部222は、周方向に変位している。分割鉄心22が第一位置である状態で、絶縁材27が各々のスロット223に挿入される。続いて、コイル26の直線部261がスロット223に規定位置まで挿入される。図9は、第一位置に位置している固定子2の断面図である。各スロット223の周方向位置が一致しており、かつスロットの周方向寸法は直線部261の周方向寸法より大きい寸法とされているため、コイル26の直線部261を各スロット223に干渉することなく容易に挿入できる。
全てのコイル26がスロット223に挿入された後、接続対象のコイル26の端部同士が接続される。このようにして、一相分の全てのコイル26が接続される。三相コイルの場合は、残り二相分のコイル26がそれぞれ接続される。
次に、分割鉄心変位工程において、分割鉄心22を回転させる。分割鉄心22を構成している、第一分割鉄心群21aを固定し、第二分割鉄心群21bを分割鉄心22の中心軸周りに一定量回転させることで、分割鉄心22の回転角度位置を第二位置にする。第二位置とは、分割鉄心22が組立完了状態である位置である。具体的には、第二位置とは、第一分割鉄心群21a及び第二分割鉄心群21bの全てのスロット223の周方向位置が一致している第一位置から、第二分割鉄心群21bのみが周方向の第一の方向に一定量変位している位置である。第二位置では、第一分割鉄心群21aの全てのスロット223の周方向の第一の方向の内壁が、コイル26の直線部261の周方向の第一の方向を向く側面に接触している。また、第二分割鉄心群21bの全てのスロット223の周方向の第二の方向の内壁が、コイル26の直線部261の周方向の第二の方向を向く側面に接触している。
第一分割鉄心群21a及び第二分割鉄心群21bが、それぞれの中心軸を一致させて交互に隣接して配列されている状態で、第一分割鉄心群21aを固定した状態で、第二分割鉄心群21bを周方向に一定量回転させる。回転操作の際には、第一鉄心片23a及び第二鉄心片23bの各々の鍔部222の形状の違いにより、互いの鍔部222が周方向に一定量変位していた鍔部222を変位量、すなわちずれ量が少なくなるように周方向に回転させる。回転させて鍔部222のずれ量が少なくなった状態で磁気的に理想的な状態となるように鍔部22の形状が設計されている。なお、鍔部222間のずれがなくなり、全ての鍔部222の周方向位置が一致した状態が磁気的に最も理想的な状態である。全ての鍔部222の周方向位置が一致した状態とは、第一分割鉄心群21aの鍔部222の周方向両端部の周方向位置と第二分割鉄心群21b鍔部222の周方向両端部の周方向位置とが揃っている状態である。
この分割鉄心22の回転により、各スロット223に挿入されているコイル26は、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとの各スロット223の内壁により、周方向両側から互い違いに押し付けられる。
第一分割鉄心22aに対し、第二分割鉄心22bを第二位置とするように回転操作するには、各々の被連結部225に連結部材226を挿入する。連結部材226は、軸方向に連続して配列された3つの分割鉄心22の全ての被連結部225に挿入される。連結部材226を挿入すると、第一分割鉄心22aに対し、第二分割鉄心22bが第二位置に回転する。図10及び図11は、それぞれ被連結部225に連結部材226を挿入する前及び挿入した後の状態を示す断面図である。連結部材226は、被連結部225の内径にガタなく嵌合する外径を有する断面円形のピンである。連結部材226は、軸方向に連続して配列された3つの分割鉄心22からなる固定子鉄心20の軸方向長さ以上の長さである。連結部材226が被連結部225に挿入しやすいように、連結部材226は先細に形成されている。
図12は、第二位置における固定子鉄心20の上面図である。図12において、第一分割鉄心22aが実線で示されている。また、第二分割鉄心22bが破線で示されている。第一分割鉄心22aに対し、第二分割鉄心22bが第二位置である時は、全ての被連結部225の位置が合っている。一方、第一分割鉄心22aのスロット223に対し、第二分割鉄心22bのスロット223の周方向位置が変位している。したがって、固定子鉄心20のスロット223の周方向の第一の方向の内壁、及び第二の方向の内壁は、それぞれ軸方向において凹凸状態になっている。
連結部材226が被連結部225に挿入されると同時に、各々の第一分割鉄心22a又は第二分割鉄心22bが回転する。連結部材226が被連結部225に挿入される前は、全てのスロット223の周方向位置が一致している。連結部材226が被連結部225に挿入されると、第一分割鉄心22aに対する第二分割鉄心22bのスロット223の周方向位置が一定量変位する。
図13は、第二位置における固定子鉄心20の断面図である。固定子鉄心20のスロット223の周方向の第一の方向の内壁223a、及び第二の方向の内壁223bは、それぞれ軸方向において凹凸状態になっている。したがって、第一分割鉄心22aのスロット223の周方向の第一の方向の内壁223aが、コイル26の直線部261の周方向の第一の方向を向く側面261aに絶縁材27を介して接触している。また、第二分割鉄心22bのスロット223の周方向の第二の方向の内壁223bが、コイル26の直線部261の周方向の第二の方向を向く側面261bに絶縁材27を介して接触している。
図14は、第二位置における固定子鉄心20を示す斜視図である。第二位置では、第一分割鉄心22a、及び第二分割鉄心22bのティースの鍔部222の周方向位置が全て一致している。図15は、第二位置における固定子鉄心20の上面図である。また図16は、第二位置における固定子鉄心20の断面図である。第一分割鉄心22aのスロット223の周方向の第一の方向の内壁223aと、第二分割鉄心22bのスロット223の周方向の第二の方向の内壁223bとの間の寸法は、図中にXで示されている。寸法Xは、各々の分割鉄心22に形成されたスロット寸法より狭くなっている。
なお、軸方向に配列される分割鉄心22の数は、3つ以上であることが好ましい。例えば、第一分割鉄心22a、第二分割鉄心22b、及び第一分割鉄心22aの3つである。又は、第二分割鉄心22b、第一分割鉄心22a、及び第二分割鉄心22bでもよい。第一分割鉄心22a、及び第二分割鉄心22bの各々の個数は、合計が3つ以上となるよう選択し得るが、何れの場合でも、1つ又は複数の第一分割鉄心22aが、第一分割鉄心群21aを構成し、1つ又は複数の第二分割鉄心22bが第二分割鉄心群21bを構成する。
軸方向に配列される分割鉄心22の数について、3つ以上と説明したが、2つでは好ましくない理由を以下に説明する。図17は、分割鉄心22が軸方向に2つ配列されている比較例の場合の断面図である。2つ配列されている場合とは、1つの第一分割鉄心22aと1つの第二分割鉄心22bとが軸方向に配列されている場合である。図17に示される比較例では、固定子鉄心20Bが第二位置に位置したときに、各スロット223に挿入したコイル26が斜めになってしまう。その結果、コイル26の側面がスロット223の内壁に面接触せず点接触となり、良好な熱伝導性が得られない。また、コイル26が斜めになることで、コイル26の端部の位置が変位してしまい、コイル26同士の接続に問題が発生する。
実施の形態1によれば、固定子鉄心20は、2つの第一分割鉄心22aと1つの第二分割鉄心22bとを、第一分割鉄心22a、第二分割鉄心22b、第一分割鉄心22aの順に、互いに接して、同軸に配列して構成されている。2つの第一分割鉄心22aのスロット223の周方向位置が一致している。第二位置において、第二分割鉄心22bのスロット223の周方向位置が、第一分割鉄心22aのスロット223の周方向位置に対して、周方向の第一の方向に一定量だけ変位している。スロット223のそれぞれに収容されているコイル26の直線部261が、第一分割鉄心22aのスロット223の周方向の第一の方向の内壁223aと第二分割鉄心22bのスロット223の周方向の第二の方向の内壁223bとに、スロット223に収容されている絶縁材27を介して接している。これにより、固定子コイル25と固定子鉄心20との間の良好な熱伝導性が確保される。また、スロット223内でコイル26と固定子鉄心20とが複数箇所で絶縁材27を介して接触しているので、コイル26および固定子鉄心20の固有振動数が高くなる。これにより、駆動時に生じる磁気的な振動が増幅しにくくなり、回転電機の磁気騒音が低減する。
第一分割鉄心22a及び第二分割鉄心22bには、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとが第二位置に位置しているときに、軸方向から見て穴の位置が一致する被連結部225が形成されている。そこで、被連結部225に連結部材226を挿入することで、同軸に配列された第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを第二位置に位置決め固定できる。このとき、連結部材226の先端部が先細り形状に形成されているので、第一位置に位置している第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとの被連結部225に連結部材226を挿入するだけで、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを第一位置から第二位置に変位させることができる。第一鉄心片23a及び第二鉄心片23bには、磁性薄板から打ち抜かれていることに起因するバリが生じている。絶縁材27がスロット223に収容されているので、第一鉄心片23a及び第二鉄心片23bのバリによるコイル26の絶縁被膜の損傷発生が抑制される。
実施の形態1による固定子2の製造方法では、まず、2つの第一分割鉄心22aと1つの第二分割鉄心22bとを、スロット223の周方向位置を一致させて、互いに接して、第一分割鉄心22a、第二分割鉄心22b、第一分割鉄心22aの順に同軸に配列する。ついで、絶縁材27をスロット223のそれぞれに収容した後、コイル26をスロット223のそれぞれに挿入する。ついで、第二分割鉄心22bを第一分割鉄心22aに対して周方向の第一の方向に変位させる。これにより、第一分割鉄心22aのスロット223の周方向の第一の方向の内壁223aと第二分割鉄心22bのスロット223の周方向の第二の方向の内壁223bとが絶縁材27を介してコイル26の直線部261に押し当てられる。
これにより、コイル26の曲がり、絶縁被膜の損傷を発生させることなく、コイル26をスロット223に容易に収容することができる。そこで、固定子コイル25と固定子鉄心20との間の良好な熱伝導性が確保された固定子2を容易に組み立てることができる。
なお、上記実施の形態1では、3つの被連結部225に挿入される3本の連結部材226が1本ずつに分離されているが、3本の連結部材226を環状部材で一体に連結してもよい。これにより、3本の連結部材226を3つの被連結部225に同時に挿入でき、固定子2の組立時間を短縮することができる。
また、上記実施の形態1では、連結部材226がピンで構成されているが、連結部材226をボルトで構成してもよい。これにより、被連結部225から突出する連結部材226のねじ部にナットを締結することで、3つの分割鉄心22を一体に固定できる。
実施の形態2.
実施の形態2では、U字状のコイル26に代えて直線状のコイルを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
上記実施の形態1では、U字状のコイル26を用いているので、スロット223内に収容されるコイル26の直線部261の本数は偶数となる。すなわち、実施の形態1では、奇数本の直線部261を収容することはできない。実施の形態2では、直線状のコイルを用いているので、スロット223内に収容されるコイルの本数を、奇数、偶数にかかわらず、任意に設定できる。
したがって、実施の形態2によれば、固定子コイルの相コイルのターン数を任意に設定できる。
なお、上記実施の形態2では、直線状のコイルのみを用いているが、U字状のコイルと直線状のコイルとの両方を用いてもよい。
実施の形態3.
実施の形態1では、第一鉄心片23aを積層して第一分割鉄心22aを作製し、第二鉄心片23bを積層して第二分割鉄心22bを作製している。実施の形態3では、第一鉄心片23aのみを用いて、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを作製している。すなわち、第一鉄心片23aの第一面を上にして第一鉄心片23aを積層して第一分割鉄心22aを作製する。ついで、第一鉄心片23aの第一面と反対側の第二面を上にして第一鉄心片23aを積層して第二分割鉄心22bを作製する。そして、第一分割鉄心22a、第二分割鉄心22b、第一分割鉄心22aの順に重ねて、固定子鉄心20を作製している。
実施の形態3においても、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとの接触面には、第一鉄心片23a同士を嵌合固定する凸部が形成されていない。また、U字状のコイル26が、固定子鉄心20に収容されている。このように、実施の形態3では、第一鉄心片23aのみを用いて、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを構成している点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。実施の形態3によれば、鉄心片23が第一鉄心片23aの1種類のみであるので、鉄心片23を打ち抜く金型が1種類ですみ、低コスト化が図れる。
なお、上記実施の形態3では、第一鉄心片23aのみを用いて第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを作製しているが、第二鉄心片23bのみを用いて第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを作製してもよい。また、上記実施の形態3では、U字状のコイル26のみを用いているが、直線状のコイルのみを用いてもよく、U字状のコイルと直線状のコイルとの両方を用いてもよい。
実施の形態4.
実施の形態4では、図示されてはいないが、磁性材料の塊から形成された塊状鉄心で構成されている第一分割鉄心と第二分割鉄心とを用いて固定子鉄心を構成している。この塊状鉄心で構成されている第一分割鉄心と第二分割鉄心は、実施の形態1における積層鉄心で構成された第一分割鉄心22a及び第二分割鉄心22bと同一形状に構成されている。実施の形態4においても、固定子鉄心は、第一分割鉄心と第二分割鉄心とを、第一分割鉄心、第二分割鉄心、第一分割鉄心の順に重ねて構成されている。また、U字状のコイルが、固定子鉄心に収容されている。
実施の形態4では、塊状鉄心である第一分割鉄心と第二分割鉄心とを重ねて固定子鉄心を構成している点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。したがって、実施の形態4においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、実施の形態4では、U字状のコイル26のみを用いているが、直線状のコイルのみを用いてもよく、U字状のコイルと直線状のコイルとの両方を用いてもよい。
実施の形態5.
図18は、本発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子における固定子鉄心を示す要部上面図である。図18において、保持機構28Aは、固定子鉄心20Aのバックヨーク220の外周部に設けられた被連結部225Aと、被連結部225Aに嵌合される連結部材226Aと、を備える。被連結部225Aは、周方向幅が内径側に向かって漸次狭くなる断面三角形の凹部状に形成されている。被連結部225Aは、周方向に3つ分散配置されている。連結部材226Aは、被連結部225Aに嵌合可能な断面三角形を有し、固定子鉄心20Aの軸方向長さと同等、またはそれ以上の長さの柱状体に作製されている。なお、実施の形態5では、保持機構28に代えて、保持機構28Aを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態5においても、固定子鉄心20Aは、2つの第一分割鉄心22Aと1つの第二分割鉄心22Bとを、第一分割鉄心22A、第二分割鉄心22B、第一分割鉄心22Aの順に、互いに接して、同軸に配列して構成されている。第一分割鉄心22Aに形成された被連結部225Aと、第二分割鉄心22Bに形成された被連結部225Aとは、第一分割鉄心22Aと第二分割鉄心22Bとが第一位置に位置しているときに、周方向に一定量変位している。また、第一分割鉄心22Aに形成された被連結部225Aと、第二分割鉄心22Bに形成された被連結部225Aとは、第一分割鉄心22Aと第二分割鉄心22Bとが第二位置に位置しているときに、軸方向から見て凹形状が一致している。
実施の形態5では、同軸に配列された2つの第一分割鉄心22Aと1つの第二分割鉄心22Bとを第一位置に位置させてコイル26をスロット223のそれぞれに収容した後、連結部材226Aを径方向外側から被連結部225Aのそれぞれに挿入する。これにより、第一分割鉄心22Aと第二分割鉄心22Bとを第一位置から第二位置に変位させることができる。そして、被連結部225Aに嵌合されている連結部材226Aを固定子鉄心20Aに接着、溶接などにより固定する。これにより、第一分割鉄心22Aと第二分割鉄心22Bとが第二位置に位置決め固定される。
したがって、実施の形態5においても、上記実施の形態1と同様な効果が得られる。
なお、上記実施の形態5では、実施の形態1における固定子2において、保持機構28に代えて、保持機構28Aを用いているが、実施の形態2から実施の形態4における固定子において、保持機構28に代えて、保持機構28Aを用いても、同様な効果が得られる。
また、上記実施の形態5では、被連結部225Aに嵌合されている連結部材226Aを固定子鉄心20Aに接着、溶接などにより固定している。そこで、連結部材226Aの両端部から固定部を突出させ、連結部材226Aを被連結部225Aに嵌合させた時に、固定部で固定子鉄心20Aを軸方向両側から加圧した状態で挟み込んで、連結部材226Aを固定子鉄心20Aに保持させてもよい。このとき、固定部に凸部を設け、固定子鉄心20Aの端面に凹部を設け、固定部の凸部と固定子鉄心20Aの凹部とを嵌合させて、連結部材226Aの外れを防止するようにしてもよい。
また、上記実施の形態5では、U字状のコイル26のみを用いているが、直線状のコイルのみを用いてもよく、U字状のコイルと直線状のコイルとの両方を用いてもよい。
また、上記各実施の形態では、絶縁材27をスロット223にそれぞれ収容しているが、絶縁材27を省略してもよい。この場合、固定子コイル25は、固定子鉄心20のスロット223のそれぞれの内壁に直接接する。固定子コイル25と固定子鉄心20との間の絶縁は、固定子コイル25に被覆された絶縁被膜により確保される。
また、上記各実施の形態では、隣り合うティース221の鍔部222同士が離れているが、隣り合うティース221の鍔部222同士が繋がっていてもよい。
また、上記各実施の形態では、固定子コイル25が、U字状又は直線状のコイルにより構成されているが、固定子コイルは、亀甲型コイルにより構成されていてもよい。この場合、亀甲型コイルは、固定子鉄心20Aのスロット223に内径側から挿入されるので、ティース221は鍔部222を省略して作製する。
また、上記各実施の形態では、3つの分割鉄心22を同軸に配列して固定子鉄心20を構成しているが、固定子鉄心20を構成する分割鉄心22の数は、3つに限定されず、4つ以上でもよい。例えば、5つの分割鉄心が、3つの第一分割鉄心からなる第一分割鉄心群と、2つの第二分割鉄心からなる第二分割鉄心群とである場合、第一分割鉄心、第二分割鉄心、第一分割鉄心、第二分割鉄心、第一分割鉄心の順に同軸に配列して、固定子鉄心を構成する。また、第一分割鉄心、第一分割鉄心、第二分割鉄心、第一分割鉄心、第二分割鉄心の順に同軸に配列して、固定子鉄心を構成してもよい。すなわち、第二分割鉄心群を構成する2つの第二分割鉄心の中の少なくとも1つの第二分割鉄心が、第一分割鉄心群を構成する3つの第一分割鉄心の中の2つの第一分割鉄心の間に位置していればよい。
また、上記各実施の形態では、第一分割鉄心群が2つの第一分割鉄心から構成されているが、第一鉄心片の積層枚数が異なる2種類の分割鉄心により第一分割鉄心群を構成してもよい。つまり、第一分割鉄心群を構成する複数の第一分割鉄心は、軸方向から見た形状が同じであれば、軸方向厚みが異なっていてもよい。同様に、第二分割鉄心群を構成する複数の第二分割鉄心は、軸方向から見た形状が同じであれば、軸方向厚みが異なっていてもよい。
また、上記各実施の形態では、第一分割鉄心22aは、第一鉄心片23aが複数積層されて構成されているが、第一分割鉄心22aは、板厚を厚くした1枚の第一鉄心片23aで構成されていてもよい。また、第二分割鉄心22bは、第二鉄心片23bが複数積層されて構成されているが、第二分割鉄心22bは、板厚を厚くした1枚の第二鉄心片23bで構成されていてもよい。
また、上記各実施の形態では、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを第二位置に位置決め固定する保持機構28、28Aを備えているが、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとを第一位置に位置決め固定する保持機構をさらに備えてもよい。つまり、当該保持機構は、第一分割鉄心22aと第二分割鉄心22bとが第一位置に位置しているときに、軸方向から見て穴形状又は凹形状が一致する被連結部を有する。これにより、固定子鉄心の組立が容易となる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を自由に組み合わせたり、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
2 固定子、20,20A 固定子鉄心、21a 第一分割鉄心群、21b 第二分割鉄心群、22 分割鉄心、22a,22A 第一分割鉄心、22b,22B 第二分割鉄心、223 スロット、223a 一側の内壁、223b 他側の内壁、225,225A 被連結部、226,226A 連結部材、23 鉄心片、23a 第一鉄心片、23b 第二鉄心片、25 固定子コイル、26 コイル、27 絶縁材、28,28A 保持機構。

Claims (15)

  1. 中心軸方向に延びる複数のスロットが周方向に配列された円環状の固定子鉄心と、
    前記複数のスロットのそれぞれに収容され、前記複数のスロットの周方向寸法より、周方向寸法が小さい固定子コイルと、を備え、
    前記固定子鉄心は、互いに接して、同軸に配列された3つ以上の分割鉄心を有し、
    前記3つ以上の分割鉄心は、スロットの周方向位置が互いに一致している2つ以上の分割鉄心により構成される第一分割鉄心群と、スロットの周方向位置が一致している1つ以上の分割鉄心により構成される第二分割鉄心群と、からなり、
    前記第二分割鉄心群を構成する分割鉄心のなかの少なくとも1つの分割鉄心が、前記第一分割鉄心群を構成する分割鉄心間に配置されており、
    前記第二分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向位置が、前記第一分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向位置に対して、周方向の第一の方向に一定量変位しており、
    前記固定子コイルは、前記第一分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向の第一の方向の内壁と前記第二分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向の第二の方向の内壁とに接している回転電機の固定子。
  2. 前記3つ以上の分割鉄のそれぞれは、上記スロットを構成するティースの先端部から周方向の第一の方向および第二の方向に突出する鍔部を有し、
    前記第一分割鉄心群を構成する分割鉄心の前記鍔部の周方向位置と前記第二分割鉄心群を構成する分割鉄心の前記鍔部の周方向位置とが揃っている請求項1記載の回転電機の固定子。
  3. 前記複数のスロットのそれぞれに絶縁材が収容されており、前記固定子コイルは、前記第一分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向の第一の方向の内壁と前記第二分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向の第二の方向の内壁とに、前記絶縁材を介して接している請求項1又は請求項2に記載された回転電機の固定子。
  4. 前記固定子コイルは、1つ以上のスロットを挟んで配置された一対のスロット間に収容されるU字状のコイルを備える請求項1から請求項3の何れか1項に記載された回転電機の固定子。
  5. 前記固定子コイルは、前記複数のスロットのそれぞれに収容された、複数の直線状のコイルを備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載された回転電機の固定子。
  6. 前記3つ以上の分割鉄心は、それぞれ、磁性薄板を積層して構成された積層鉄心である請求項1から請求項5の何れか一項に記載された回転電機の固定子。
  7. 前記磁性薄板には、形状が異なる2種類の磁性薄板があり、
    前記3つ以上の分割鉄心は、前記2種類の磁性薄板の中の一方の磁性薄板を積層して構成された分割鉄心と、前記2種類の磁性薄板の中の他方の磁性薄板を積層して構成された分割鉄心と、により構成されている請求項6に記載された回転電機の固定子。
  8. 前記磁性薄板は、1種類の磁性薄板である請求項6に記載された回転電機の固定子。
  9. 前記3つ以上の分割鉄心は、それぞれ塊状鉄心である請求項1から請求項5の何れか一項に記載された回転電機の固定子。
  10. 前記3つ以上の分割鉄心は、前記第一分割鉄心群のスロットの周方向位置に対し、前記第二分割鉄心群のスロットの周方向位置が、周方向の第一の方向に一定量変位した状態に位置決め保持する保持機構を備える請求項1から請求項9の何れか一項に記載された回転電機の固定子。
  11. 前記保持機構は、前記3つ以上の分割鉄心に設けられた被連結部と、前記被連結部に嵌合する連結部材と、を含む請求項10に記載された回転電機の固定子。
  12. 請求項1から請求項11の何れか一項に記載された回転電機の固定子と、
    前記固定子コイルによって回転させられる回転子と、を備えた回転電機。
  13. 請求項1から請求項11の何れか一項に記載された回転電機の固定子の製造方法において、
    前記3つ以上の分割鉄心を作製する工程と、
    前記3つ以上の分割鉄心を、前記複数のスロットの周方向位置を一致させて、互いに接して、同軸に配列する工程と、
    前記固定子コイルを前記複数のスロットのそれぞれに収容する工程と、
    前記第二分割鉄心群を構成する分割鉄心を、前記第一分割鉄心群を構成する分割鉄心に対して、周方向の第一の方向に一定量変位させ、
    前記複数のスロットのそれぞれにおいて、前記第一分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向の第一の方向の内壁と前記第二分割鉄心群を構成する分割鉄心のスロットの周方向の第二の方向の内壁とに前記固定子コイルを接するようにする分割鉄心変位工程と、を備えた回転電機の固定子の製造方法。
  14. 前記3つ以上の分割鉄心のそれぞれは、前記スロットを構成するティースの先端部から周方向の第一の方向および第二の方向に突出する鍔部を有しており、
    前記分割鉄心変位工程において、
    前記第一分割鉄心群を構成する分割鉄心の前記鍔部の周方向位置と前記第二分割鉄心群を構成する分割鉄心の前記鍔部の周方向位置との間の周方向のずれが少なくなるように、前記第二分割鉄心群を構成する分割鉄心を、前記第一分割鉄心群を構成する分割鉄心に対して、周方向に変位させている請求項13記載の回転電機の固定子の製造方法。
  15. 請求項13又は請求項14に記載された回転電機の固定子の製造方法によって製造された固定子に、前記固定子コイルによって回転させられる回転子を配置する回転電機の製造方法。
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