JP6842065B2 - 置換テトラヒドロフランの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]イタコン酸を原料とし、ルテニウム、白金及び錫を担持してなる触媒を用いて、3−メチルテトラヒドロフランを製造する方法であって、
20℃以上150℃未満で反応を行う前段工程と、
150℃以上350℃以下で反応を行う後段工程とを有する方法、
100℃以上220℃未満で反応を行う前段工程と、
220℃以上350℃以下で反応を行う後段工程とを有する方法、
なお、本発明において、各種の置換基の炭素数は、当該置換基が更に置換基を有する場合、その置換基の炭素数も含めた合計の炭素数をさす。
本発明の置換テトラヒドロフランは、下記式1で表される化合物である。
[式1において、R1〜R6はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、任意の置換基を有していてよい炭素数1〜20の有機基を有するアルコキシ基、又は、任意の置換基を有していてよい炭素数1〜20の有機基であって、R1〜R6のいずれか2つ以上が結合して環を形成していてもよい。但し、R1〜R6が全て水素原子である場合を除く。]
本発明の上記置換テトラヒドロフランの原料としては、下記式2または3で表される化合物が挙げられる。
前記式1で表される置換テトラヒドロフランを製造する際には、原料として用いたジカルボニル化合物に応じ、下記式5a、5b、5cで表されるジオール化合物が中間体として生成する。これらは置換テトラヒドロフランとの混合物になっていてもよい。また、これらのジオール化合物を分離し、原料のジカルボニル化合物に混合し、置換テトラヒドロフランの製造に用いても良い。尚、下記式5a、5b、5c中のR3〜R12は上記したものと同様である。
本発明の置換テトラヒドロフランの製造方法は、上記ジカルボニル化合物を原料として用い、該原料を、無溶媒、または溶媒中で、ルテニウム、白金及び錫を担体に担持してなる触媒存在下、加熱し水素化する方法である。
この場合、反応時の水素圧は通常1〜30MPa、 好ましくは5〜20MPaである。水素圧が下限より低いと水素化反応が進行し難く、水素圧が上限より高いと水素化分解などの望ましくない副反応が起こる恐れがある。
この場合、反応時の水素圧は前段工程では0.1〜5MPa、好ましくは0.1〜3MPaである。後段工程では1〜30MPa、 好ましくは5〜20MPaである。水素圧が下限より低いと水素化反応が進行し難く、水素圧が上限より高いと水素化分解などの望ましくない副反応が起る恐れがある。
得られた置換テトラヒドロフランは公知の方法で精製することができ、精製方法としては特に限定されるものではないが、液液分離、抽出、蒸留などを挙げることができ、これらを2つ以上組み合わせても良い。
本発明の製造方法で得られた置換テトラヒドロフランは、例えばガスクロマトグラフィー法、液相クロマトグラフィー法、NMR法などの公知の方法で同定することができる。
以下の実施例及び比較例で置換テトラヒドロフランの製造に用いた材料は次の通りである。
イタコン酸:東京化成工業社製
クエン酸:和光純薬工業社製
水素化触媒:後述の方法で調製
上記原料を用いた場合に生成される置換テトラヒドロフラン及び、反応中間体はそれぞれ、3−メチルテトラヒドロフラン、2−メチル−1,4−ブタンジオール、α−及びβ−γ−ブチロラクトンであり、これらは標品が市販されているため市販品を用いて同定を行った。また、標品で検量線を作成することで、液相クロマトグラフィー(LC)法及び、ガスクロマトグラフィー(GC)法で原料の消費、中間体および目的物の生成量を評価した。原料の仕込みモル数に対する生成物のモル数の割合(%)をモル収率(mol%)とした。
・LC装置: 島津製作所 LC−solution
・カラム: 信和加工社製 ULTRON−PS80H (300mm x 8mmI.D., 10um)
・カラムオーブン 60℃
・溶離液 pH2 次亜塩素酸水溶液
・流量 1 mL/min
・RI検出
・測定溶媒:水(内部標準として酢酸を添加)
・酢酸を内部標準とした内部標準法で定量
・GC装置: 島津製作所 GC−14B
・カラム: アジレント・テクノロジー社 DB−WAX, 30 m, 直径0.250 mm, film 0.25 um
・気化室温度: 300℃
・温度曲線:40℃で5分保持した後、10℃/minで230℃まで昇温させ、8分間保持
・検出:FID
・測定溶媒: アセトン(内部標準としてジグライムまたは1,4−ジオキサンを添加)
・内部標準法で各成分を定量
担体として0.8mm円柱状活性炭(NORIT社製 R0.8 EXTRA)担体を用い、特開2001−9277号公報の実施例4に準じた方法で、塩化ルテニウム水和物、塩化白金酸(IV)・6水和物、塩化スズ(II)・2水和物を用いてルテニウム、白金、スズを活性炭に担持させた、金属担持物を調製した。金属担持物の調製方法の中で、金属塩化物の溶解水は、使用する活性炭の細孔容量と同じとした。金属塩化物の仕込み量は、仕込み量全量が担持され、水素還元し、酸化安定化した場合に、金属担持触媒中の含有量が、Ru5.79重量%、Pt2.39重量%、Sn7.19重量%となる量とした。また、使用する重炭酸アンモニウムは、金属塩化物の塩素に対して2倍モル量を、12%濃度の水溶液として用いた。得られた金属担持触媒を粉砕し、100μmのふるいに掛け、粒径100μm以下の粉砕品を得た。この粉砕品を水素化触媒として以下の実施例及び比較例で用いた。
容量70mLのオートクレーブに、クエン酸1.00g、脱塩水4.01g、水素化触媒0.10g、撹拌子を入れ、オートクレーブを密閉した(原料濃度20重量%)。内部を窒素で置換した後、水素を2MPa導入した。これを215℃で4時間加熱撹拌して反応させた。室温まで冷却後、内圧をパージし、水素を8MPa導入した。これを240℃に昇温させて4時間加熱撹拌し、反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、内圧をパージした後、窒素置換した。オートクレーブを開放し、シリンジフィルターで水素化触媒をろ過して反応液を回収した。この反応液をLC及びGCで分析した結果、
・3−メチルテトラヒドロフラン:59.8mol%
・2−メチル−1,4−ブタンジオール:11.4mol%
・α−及びβ−γ−ブチロラクトン:合わせて2.7mol%
が生成していることが確認された。
容量70mLのオートクレーブに、イタコン酸1.50g、脱塩水6.00g、水素化触媒0.15g、撹拌子を入れ、オートクレーブを密閉した(原料濃度20重量%)。内部を窒素で置換した後、水素を5MPa導入した。これを140℃で1時間加熱撹拌した後、240℃に昇温させてさらに4時間加熱撹拌し、反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、内圧をパージした後、窒素置換した。オートクレーブを開放し、シリンジフィルターで水素化触媒をろ過して反応液を回収した。この反応液をGCで分析した結果、
・3−メチルテトラヒドロフラン:55.1mol%
・2−メチル−1,4−ブタンジオール:18.0mol%
・α−及びβ−γ−ブチロラクトン:合わせて21.4mol%
が生成していることが確認された。
容量70mLのオートクレーブに、クエン酸1.00g、脱塩水4.00g、水素化触媒0.10g、撹拌子を入れ、オートクレーブを密閉した(原料濃度20重量%)。内部を窒素で
置換した後、水素を8MPa導入した。これを240℃で4時間加熱撹拌して反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、内圧をパージした後、窒素置換した。オートクレーブを開放し、シリンジフィルターで水素化触媒をろ過して反応液を回収した。この反応液をLC及びGCで分析した結果、
・3−メチルテトラヒドロフラン:46.7mol%
・2−メチル−1,4−ブタンジオール:20.2mol%
・α−及びβ−γ−ブチロラクトン:合わせて2.7mol%
が生成していることが確認された。
容量70mLのオートクレーブに、イタコン酸1.00g、脱塩水4.00g、水素化触媒0.10g、撹拌子を入れ、オートクレーブを密閉した(原料濃度20重量%)。内部を窒素で置換した後、水素を5MPa導入した。これを240℃で4時間加熱撹拌して反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、内圧をパージした後、窒素置換した。オートクレーブを開放し、シリンジフィルターで水素化触媒をろ過して反応液を回収した。この反応液をGCで分析した結果、
・3−メチルテトラヒドロフラン:45.0mol%
・2−メチル−1,4−ブタンジオール:17.5mol%
・α−及びβ−γ−ブチロラクトン:合わせて21.7mol%
が生成していることが確認された。
実施例1と参考例3の比較から、クエン酸を原料とした場合に反応を低い温度の前段工程と高い温度の後段工程との少なくとも2段階に分けて行うことで、3−メチルテトラヒドロフランの収率、及び中間体も含めた合計収率がより高くなることが解る。同様に、実施例2と参考例4の結果の比較から、イタコン酸を原料とした場合にも反応を低い温度の前段工程と高い温度の後段工程との少なくとも2段階に分けて行うことで、3−メチルテトラヒドロフランの収率、及び中間体も含めた合計収率がより高くなることが解る。
Claims (3)
- イタコン酸を原料とし、ルテニウム、白金及び錫を担持してなる触媒を用いて、3−メチルテトラヒドロフランを製造する方法であって、
20℃以上150℃未満で反応を行う前段工程と、
150℃以上350℃以下で反応を行う後段工程とを有する方法。 - クエン酸を原料とし、ルテニウム、白金及び錫を担持してなる触媒を用いて、3−メチルテトラヒドロフランを製造する方法であって、
100℃以上220℃未満で反応を行う前段工程と、
220℃以上350℃以下で反応を行う後段工程とを有する方法。 - 3−メチルテトラヒドロフランの製造において、水を溶媒として用いる請求項1または2に記載の方法。
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