JP6840308B2 - レーダ装置および信号処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーダ装置および信号処理方法に関する。
近年、自動車に搭載されて、当該自動車の周辺に存在する自動車、歩行者または建物を検出するレーダ装置の開発が進められている。レーダ装置は、電波を放射する送信アンテナと、当該送信アンテナから放射された電波の目標からの反射波を受信する受信アンテナとを備えて、送信アンテナから電波が放射されて反射波が受信アンテナに受信されるまでの時間に基づいて目標までの距離を求める。
例えば、特許文献1には、複数のサブアレイ部を有したレーダ装置が記載されている。特許文献1に記載されたレーダ装置において、複数のサブアレイ部は、平面上に分散して配置されており、それぞれがフェーズドアレイアンテナを有している。平面上に分散して配置された複数のフェーズドアレイアンテナによって1個の等価的な大開口のアンテナが形成される。アンテナの開口長と目標の角度分解能は比例関係にあるので、特許文献1に記載されたレーダ装置では、目標の角度分解能が向上する。
特開2005−233723号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたレーダ装置では、分散して配置された複数のサブアレイ部において、送信信号の生成に用いられる局部発振信号と受信信号のダウンコンバートに用いられる局部発振信号とで同じ信号を用いておらず、位相雑音の影響が大きい。このため、反射電力が大きい目標の周辺に存在する反射電力が小さい目標が検出困難となり、目標の検出精度が低下するという課題があった。これに対して、送信と受信とで同じ局部発振信号を用いようとすると、各モジュールに対して局部発振信号を有線で分配しなければならないため、局部発振信号の周波数が高い場合、位相を揃えることが難しいことに加え、局部発振源の出力電力も大きくしなければならず、コストが増加するという課題が生じる。これに対して、各モジュールに局部発振源を持たせ、周波数の低い基準信号を各局部発振源に分配し、局部発振源の同期をとる構成が考えられるが、その場合、各モジュールの局部発振信号が異なるため、やはり位相雑音の影響が増大し、目標の検出精度が劣化する。
本発明は上記課題を解決するものであり、送信と受信とで同じ局部発振信号を用いる第1のモジュールで位相雑音の影響を抑圧し検出性能を保ちつつ、さらに、第1のモジュールと、第1のモジュールと同期しているが送信と受信とで異なる局部発振信号を用いる第2のモジュールとを用いて、目標の角度分解能を高めることができるレーダ装置および信号処理方法を得ることを目的とする。
本発明に係るレーダ装置は、第1の局部発振信号を用いて第1の送信信号を生成し、第1の送信信号を送信し、第1の送信信号の反射信号を受信して、第1の局部発振信号を用いて、受信された反射信号から第1の受信信号を生成する第1のモジュールと、第1の局部発振信号と同期している第2の局部発振信号を用いて、受信された反射信号から第2の受信信号を生成する第2のモジュールと、第1の受信信号を用いて目標を検出し、目標に対して第1の受信信号と第2の受信信号に基づくコヒーレント積分で得られた信号を用いて目標の角度を算出する信号処理器とを備える。
本発明によれば、第1のモジュールが、第1の局部発振信号を用いて第1の送信信号の反射信号から第1の受信信号を生成し、第2のモジュールが、第1の局部発振信号と同期している第2の局部発振信号を用いて、第1の送信信号の反射信号から第2の受信信号を生成し、信号処理器が、目標に対して第1の受信信号と第2の受信信号に基づくコヒーレント積分で得られた信号を用いて目標の角度を算出する。これにより、目標の検出精度を保ちつつ目標の角度分解能を高めることができる。
実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。 第1のモジュール、第2のモジュールおよび第3のモジュールの配置例を示す図である。 第1の信号処理器と第2の信号処理器の各構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係るレーダ装置の動作を示すフローチャートである。 図4のステップST1の詳細な処理を示すフローチャートである。 図4のステップST2の詳細な処理を示すフローチャートである。 図4のステップST3およびステップST4の詳細な処理を示すフローチャートである。 図8Aは、復調された受信ビート信号のサンプリング番号とヒット番号との関係を示す図である。図8Bは、距離および速度に基づいた第1の信号の距離ビン番号と速度ビン番号との関係を示す図である。 図9Aは、各送信チャンネル番号nTxと各受信チャンネル番号nRxの距離および速度に基づいた第1の信号の距離ビン番号と速度ビン番号との関係を示す図である。図9Bは、インコヒーレント積分された第1の信号の距離ビン番号と速度ビン番号との関係を示す図である。 図10Aは、実際のアンテナ配置における送信チャンネルと受信チャンネルとの関係を示す図である。図10Bは、実際のアンテナ配置および仮想的なアンテナ配置を考慮した場合における送信チャンネルと受信チャンネルとの関係を示す図である。 図4のステップST5の詳細な処理を示すフローチャートである。 図12Aは、第1のモジュールの送信チャンネル番号nTx=1の送信チャンネルにおける送信RF信号の送信タイミングを示す図である。図12Bは、第1のモジュールの送信チャンネル番号nTx=2の送信チャンネルにおける送信RF信号の送信タイミングを示す図である。図12Cは、第3のモジュール3−1による送信RF信号の送信タイミングを示す図である。図12Dは、第3のモジュール3−2による送信RF信号の送信タイミングを示す図である。 図13Aは、図4のステップST6における第1のモジュールによる処理を示すフローチャートである。図13Bは、図4のステップST6における第2のモジュールによる処理を示すフローチャートである。 図4のステップST7およびステップST8の詳細な処理を示すフローチャートである。 図15Aは、実施の形態1に係るレーダ装置における実際のアンテナ配置を示す図である。図15Bは、実施の形態1に係るレーダ装置における実際のアンテナ配置および仮想的なアンテナ配置を示す図である。 目標候補の数が1つである場合における目標候補の角度とこれに対応する信号の電力との関係を示す図である。 目標候補の数が2つである場合における目標候補の角度とこれに対応する信号の電力との関係を示す図である。 図18Aは、複数のモジュールが同じ局部発振信号を用いる従来のレーダ装置の概要を示す図である。図18Bは、複数のモジュールのそれぞれが異なる局部発振信号を用いる従来のレーダ装置の概要を示す図である。図18Cは、実施の形態1に係るレーダ装置の概要を示す図である。 図19Aは、従来のレーダ装置によって測定された目標に対応する信号の電力と目標の距離との関係を示す図である。図19Bは、実施の形態1に係るレーダ装置によって測定された目標に対応する信号の電力と目標の距離との関係を示す図である。 図20Aは、第1のモジュールにおける信号の送受信に用いられる周波数と時間との関係を示すグラフである。図20Bは、第1の局部発振信号および第1の受信部によって受信された反射RF信号における位相と時間との関係を示すグラフである。図20Cは、第2の局部発振信号および第2の受信部によって受信された反射RF信号における位相と時間との関係を示すグラフである。 位相雑音による損失とビート周波数との関係を示す図である。 第1のモジュール、第2のモジュールおよび第3のモジュールについての車両への第1の配置例を示す図である。 第1のモジュール、第2のモジュールおよび第3のモジュールについての車両への第2の配置例を示す図である。 第1のモジュール、第2のモジュールおよび第3のモジュールについての車両への第3の配置例を示す図である。 第1のモジュール、第2のモジュールおよび第3のモジュールについての車両への第4の配置例を示す図である。 図26Aは、実施の形態1に係るレーダ装置の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図26Bは、実施の形態1に係るレーダ装置の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係るレーダ装置の動作を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1に係るレーダ装置は、例えば、図1に示すように、第1のモジュール1−nMDL、第2のモジュール2−nRxEx、第3のモジュール3−nTxExおよび表示器9を備える。表示器9は、例えば、第1のモジュール1−nMDLによって求められた目標の角度の検出結果を表示する。
第1のモジュール1−nMDLは、送信高周波信号を空間へ放射し、送信高周波信号が空間に存在する物体で反射された反射高周波信号を受信する送受信モジュールである。送信高周波信号は、レーダ装置によって空間へ電磁波として放射される第1の送信信号であり、以降では、送信RF信号と記載する。また、反射高周波信号は、空間に存在する物体で反射された送信RF信号の反射信号であり、以降では、反射RF信号と記載する。nMDLは、モジュール番号であり、第1のモジュール1−nMDLの数がNMDL個である場合、第1のモジュール1−1から第1のモジュール1−NMDLまでにそれぞれ割り当てられた通し番号である。図1では、NMDLが1であり、1個の第1のモジュール1−1を示している。
第2のモジュール2−nRxExは、送信RF信号が空間に存在する物体で反射された反射RF信号を受信する受信モジュールである。nRxExは、モジュール番号であり、第2のモジュール2−nRxExの数がNRxEx個である場合、第2のモジュール2−1から第2のモジュール2−NRxExまでにそれぞれ割り当てられた通し番号である。図1では、NRxExが1であり、1個の第2のモジュール2−1を示している。
第3のモジュール3−nTxExは、送信RF信号を空間へ放射する送信モジュールである。nTxExは、モジュール番号であり、第3のモジュール3−nTxExの数がNTxEx個である場合、第3のモジュール3−1から第3のモジュール3−NTxExまでにそれぞれ割り当てられた通し番号である。図1では、NTxExが1であり、1個の第3のモジュール3−1を示している。
第1のモジュール1−nMDLは、図1に示すように、第1の送信部10、第1の受信部11および第1の信号処理器12を備える。第1の送信部10は、送信RF信号1−1−nTxを放射する構成要素であり、アンテナ1−2−nTx、送信機1−3−nTx、送信切替部1−4−1、符号変調部1−5−1および第1の局部発振信号生成部1−6−1を有する。nTxは、第1の送信部10の送信チャンネル番号である。
第1の送信部10の送信チャンネル数がNTx個である場合、アンテナ1−2−1から1−2−NTxまでの各送信チャンネルに対して1からNTxまでの通し番号が送信チャンネル番号として割り当てられる。アンテナ1−2−nTxは、送信機1−3−nTxから出力された送信RF信号1−1−nTxを空間に放射する。
なお、図1は、第1の送信部10が2つの送信チャンネルを有する場合を示している。送信RF信号1−1−1は、送信機1−3−1からアンテナ1−2−1に出力され、アンテナ1−2−1によって空間に放射された信号であり、送信RF信号1−1−2は、送信機1−3−2からアンテナ1−2−2に出力され、アンテナ1−2−2によって空間に放射された信号である。
送信機1−3−nTxは、送信切替部1−4−1を介して符号変調部1−5−1から送信RF信号を入力し、入力された送信RF信号を、アンテナ1−2−nTxを用いて空間に送信する。送信切替部1−4−1は、送信機1−3−1〜1−3−NTxのうちから、送信RF信号を送信する送信機を切り替える。例えば、送信切替部1−4−1が、送信機1−3−1と送信機1−3−2とを交互に切り替えることで、送信RF信号1−1−1と送信RF信号1−1−2が交互に空間に放射される。
符号変調部1−5−1は、第1の局部発振信号生成部1−6−1によって生成された第1の局部発振信号と、送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルにおける変調符号とを用いて、送信チャンネル番号nTxの送信RF信号1−1−nTxを生成する。第1の局部発振信号生成部1−6−1は、第1の局部発振信号を生成し、生成された第1の局部発振信号を、符号変調部1−5−1と受信機1−8−nRx,nMDLとに出力する。
第1の受信部11は、アンテナ1−7−nRx,nMDL、受信機1−8−nRx,nMDLおよびA/D変換器1−9−nRx,nMDLを有し、空間に存在する物体で反射した送信RF信号1−1−nTxの反射RF信号Aを受信する。nRx,nMDLは、第1の受信部11の受信チャンネル番号である。例えば、第1の受信部11の受信チャンネル数がNRx,nMDL個である場合、アンテナ1−7−1からアンテナ1−7−NRx,nMDLまでの受信チャンネルに対して、1からNRx,nMDLまでの通し番号が順に受信チャンネル番号として割り当てられる。
アンテナ1−7−nRx,nMDLは、反射RF信号Aを受信し、受信された反射RF信号Aを受信機1−8−nRx,nMDLに出力する。受信機1−8−nRx,nMDLは、アンテナ1−7−nRx,nMDLによって受信された反射RF信号Aを信号処理し、信号処理された信号をA/D変換器1−9−nRx,nMDLに出力する。例えば、受信機1−8−nRx,nMDLは、第1の局部発振信号を用いて、反射RF信号Aをダウンコンバートし、ダウンコンバートされた信号に対し帯域フィルタを用いたフィルタリングを行い、帯域フィルタによりフィルタリングされた信号の強度を増幅し、強度を増幅させた信号を位相検波してから、位相検波された信号を用いて、受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルの受信ビート信号を生成する。
A/D変換器1−9−nRx,nMDLは、受信機1−8−nRx,nMDLから出力された信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換された信号を用いて、デジタル信号の受信ビート信号を生成する。A/D変換器1−9−nRx,nMDLによってデジタル信号に変換された受信ビート信号は、目標候補の検出および目標候補の角度の算出に用いられる受信信号であり、第1の信号処理器12に出力される。
第1のモジュール1−nMDLによって送信された送信RF信号(第1の送信信号)の反射RF信号を、第1のモジュール1−nMDLが受信して生成された受信ビート信号が、第1の受信信号である。また、第1のモジュール1−nMDLによって送信された送信RF信号の反射RF信号または第3のモジュール3−nTxExよって送信された送信RF信号(第3の送信信号)の反射RF信号を、第2のモジュール2−nRxExが受信して生成された受信ビート信号が、第2の受信信号である。さらに、第3のモジュール3−nTxExよって送信された送信RF信号の反射RF信号を、第1のモジュール1−nMDLが受信して生成された受信ビート信号が、第3の受信信号である。第1の受信信号は、目標の検出に用いられる。また、第1の受信信号と第2の受信信号または第3の受信信号とは、目標の角度の算出に用いられる。
第1の信号処理器12は、第1の受信部11から出力された受信ビート信号を用いて、目標候補を検出し、第1の受信部11から出力された受信ビート信号と第2のモジュール2−nRxExによって求められた受信ビート信号とに基づくコヒーレント積分で得られた信号を用いて、目標候補の角度を算出する信号処理器である。例えば、第1の信号処理器12は、第1の受信部11から出力された受信ビート信号を用いて、目標候補の距離および速度に基づいた第1の信号を算出する。第1の信号処理器12は、算出された第1の信号を用いて目標候補を検出する。さらに、第1の信号処理器12は、第3のモジュール3−nTxExの送信チャンネルごとおよび第2のモジュール2−nRxExの受信チャンネルごとの目標候補の距離および速度に基づいた第2の信号と、第3のモジュール3−nTxExの送信チャンネルごとおよび第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネルごとの目標候補の距離および速度に基づいた第3の信号とに対し、目標候補の到来角度候補に対応する到来位相差に基づいてコヒーレント積分を行い、当該コヒーレント積分で得られた信号を用いて目標候補の角度を算出する。なお、目標候補の到来角度候補に対応する到来位相差は、第1のモジュール1−nMDLと第2のモジュール2−nRxExとの位置関係によって生じた到来位相差である。
第2のモジュール2−nRxExは、図1に示すように、第2の受信部20および第2の信号処理器21を備える。第2の受信部20は、反射RF信号Aを受信する構成要素であり、第2の局部発振信号生成部2−6−1、アンテナ2−7−nRx,nRxEx、受信機2−8−nRx,nRxExおよびA/D変換器2−9−nRx,nRxExを有する。nRx,nRxExは、第2の受信部20の受信チャンネル番号である。第2の受信部20の受信チャンネル数がNRx,nRxEx個である場合、アンテナ2−7−1からアンテナ2−7−NRx,nRxExまでのそれぞれの受信チャンネルに対して、1からNRx,nRxExまでの通し番号が順に受信チャンネル番号として割り当てられる。第2の局部発振信号生成部2−6−1は、第2の局部発振信号を生成し、生成された第2の局部発振信号を受信機2−8−nRx,nRxExに出力する。第2の局部発振信号は、第1の局部発振信号に同期している。
アンテナ2−7−nRx,nRxExは、反射RF信号Aを受信し、受信された反射RF信号Aを受信機2−8−nRx,nRxExに出力する。受信機2−8−nRx,nRxExは、アンテナ2−7−nRx,nRxExによって受信された反射RF信号Aを信号処理し、信号処理された信号をA/D変換器2−9−nRx,nRxExに出力する。受信機2−8−nRx,nRxExは、例えば、第2の局部発振信号を用いて、反射RF信号Aをダウンコンバートし、ダウンコンバートされた信号に対し帯域フィルタを用いたフィルタリングを行い、帯域フィルタによりフィルタリングされた信号の強度を増幅し、強度を増幅させた信号を位相検波してから、位相検波された信号を用いて、受信チャンネル番号nRx,nRxExの受信チャンネルの受信ビート信号を生成する。
A/D変換器2−9−nRx,nRxExは、受信機2−8−nRx,nRxExから出力された信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換された信号を用いて、デジタル信号の受信ビート信号を生成する。A/D変換器2−9−nRx,nRxExによってデジタル信号に変換された受信ビート信号は、目標候補の角度の算出に用いられる第2の受信信号であり、第2の信号処理器21に出力される。
第2の信号処理器21は、第2の受信部20から出力された受信ビート信号に基づいて、目標候補の角度の算出に用いられる第2の信号を生成する。例えば、第2の信号処理器21は、A/D変換器2−9−nRx,nRxExから出力された受信ビート信号を用いて、目標候補の距離および速度に基づいた第2の信号を算出する。第2の信号は、第2の信号処理器21から第1の信号処理器12に出力される。
第3のモジュール3−nTxExは、図1に示すように、第3の送信部30を備える。第3の送信部30は、送信RF信号3−1−nTx,nTxExを放射する構成要素であり、アンテナ3−2−nTx,nTxEx、送信機3−3−nTx,nTxEx、符号変調部3−5−1および第3の局部発振信号生成部3−6−1を有する。nTx,nTxExは、第3の送信部30の送信チャンネル番号である。
第3の送信部30の送信チャンネル数がNTx,nTxEx個であると、アンテナ3−2−1からアンテナ3−2−NTx,nTxExまでのそれぞれの送信チャンネルに対し、1からNTx,nTxExまでの通し番号が送信チャンネル番号として順に割り当てられる。アンテナ3−2−nTx,nTxExは、送信機3−3−nTx,nTxExから出力された送信RF信号3−1−nTx,nTxExを空間に放射する。なお、図1は、第1の送信部10が有する送信チャンネルが1つである場合を示している。送信RF信号3−1−1は、送信機3−3−1からアンテナ3−2−1に出力され、アンテナ3−2−1によって空間に放射された信号である。
送信機3−3−nTx,nTxExは、符号変調部3−5−nTx,nTxExによって生成された送信RF信号を、アンテナ3−2−nTx,nTxExを用いて空間に送信する。符号変調部3−5−nTx,nTxExは、第3の局部発振信号生成部3−6−1によって生成された第3の局部発振信号と、送信チャンネル番号nTx,nTxExの送信チャンネルにおける変調符号とを用いて、送信チャンネル番号nTx,nTxExの送信RF信号3−1−nTx,nTxExを生成する。第3の局部発振信号生成部3−6−1は、第3の局部発振信号を生成し、生成された第3の局部発振信号を符号変調部3−5−1に出力する。
図2は、第1のモジュール1−1、第2のモジュール2−1〜2−4および第3のモジュール3−1,3−2の配置例を示す図である。図2において、第1のモジュールのモジュール数NMDLが1であり、第1のモジュール1−1の送信チャンネル数NTx,nMDLが2であり、第1のモジュール1−1の受信チャンネル数NRx,nMDLが4である。また、第2のモジュールのモジュール数NRxExが4であり、第2のモジュール2−1〜2−4のそれぞれの受信チャンネル数NRx,nRxExが4である。第3のモジュールのモジュール数NTxExが2であり、第3のモジュール3−1および第3のモジュール3−2のそれぞれの送信チャンネル数NTx,nTxExが1である。
図2は、第3のモジュール3−1が有するアンテナ3−2−1、第2のモジュール2−1が有するアンテナ2−7−1〜2−7−4、第2のモジュール2−2が有するアンテナ2−7−1〜2−7−4、第1のモジュール1−1が有するアンテナ1−2−1、第1のモジュール1−1が有するアンテナ1−7−1〜1−7−4、第1のモジュール1−1が有するアンテナ1−2−2、第2のモジュール2−3が有するアンテナ2−7−1〜2−7−4、第2のモジュール2−4が有するアンテナ2−7−1〜2−7−4、および第3のモジュール3−2が有するアンテナ3−2−2が、この順で直線状に配置されたリニアアレーを形成する場合を示している。
図3は、第1の信号処理器12と第2の信号処理器21の各構成を示すブロック図である。図3に示すように、第1の信号処理器12は、第1の分離部120、第1の信号生成部121、インコヒーレント積分部122、目標候補検出部123、第1のコヒーレント積分部124、第2のコヒーレント積分部125および角度算出部126を備える。第2の信号処理器21は、第2の分離部210および第2の信号生成部211を備える。
第1の分離部120は、第1の受信部11から受信チャンネルごとの受信ビート信号を入力し、受信チャンネルごとの受信ビート信号を、送信チャンネルごとの受信ビート信号にそれぞれ分離する。これにより、送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの受信ビート信号が得られる。第1の信号生成部121は、送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの受信ビート信号を用いて、目標候補の距離および速度に基づいた第1の信号を生成する。
インコヒーレント積分部122は、第1の信号生成部121によって生成された第1の信号に対してインコヒーレント積分を行い、インコヒーレント積分で得られた信号を目標候補検出部123に出力する。目標候補検出部123は、インコヒーレント積分部122によるインコヒーレント積分で得られた信号の強度に基づいて目標候補を検出する。例えば、目標候補検出部123によって目標候補の距離および速度が検出される。
第1のコヒーレント積分部124は、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの、各目標候補についての第1の信号に対して、目標候補の到来角度候補に対応する到来位相差に基づいて、コヒーレント積分を行う。到来位相差は、チャンネル間の信号の位相差に相当する。
第2のコヒーレント積分部125は、第1のモジュール1−nMDLによって生成された受信信号と第2のモジュール2−nRxExによって生成された受信信号とに基づくコヒーレント積分を行う。例えば、第2のコヒーレント積分部125は、第3のモジュールの送信チャンネルごとおよび第2のモジュールの受信チャンネルごとの各目標候補の距離および速度に基づいた第2の信号と、第3のモジュールの送信チャンネルごとおよび第1のモジュールの受信チャンネルごとの各目標候補の距離および速度に基づいた第3の信号とに対して、目標候補の到来角度候補に対応する到来位相差に基づいて、コヒーレント積分を行う。到来位相差は、第1のモジュール1−nMDLと第2のモジュール2−nRxExとの位置関係によって生じた到来位相差に相当する。
角度算出部126は、各目標候補についてのコヒーレント積分で得られた信号を第2のコヒーレント積分部125から入力し、入力された信号の強度に基づいて目標候補の角度を算出する。角度算出部126によって算出された目標候補の角度は、例えば、表示器9に表示される。
なお、図1に示した第1のモジュール1−nMDLは第1の信号処理器12を備えたが、第1のモジュール1−nMDLと第1の信号処理器12とは、別々の装置であってもよい。同様に、第2のモジュール2−nRxExと第2の信号処理器21とは、別々の装置であってもよい。また、第1の分離部120、第1の信号生成部121およびインコヒーレント積分部122を、第1のモジュール1−nMDLが備え、目標候補検出部123、第1のコヒーレント積分部124、第2のコヒーレント積分部125および角度算出部126を、第1の信号処理器12が備えてもよい。
第2の信号処理器21において、第2の分離部210は、第2の受信部20から受信チャンネルごとの受信ビート信号を入力し、受信チャンネルごとの受信ビート信号を、送信チャンネルごとの受信ビート信号にそれぞれ分離する。これによって、第2のモジュールにおける受信チャンネルごとの受信ビート信号が得られる。第2の信号生成部211は、受信チャンネルごとの受信ビート信号に対して離散フーリエ変換を施すことで、第2のモジュールにおける目標候補の距離および速度に対応する第2の信号を生成する。
次に、実施の形態1に係るレーダ装置の動作について説明する。
図4は、実施の形態1に係るレーダ装置の動作を示すフローチャートであって、実施の形態1に係るレーダ装置による信号処理方法を示している。
まず、第1のモジュール1−nMDLが、送信RF信号を空間に放射する(ステップST1)。例えば、第1のモジュール1−nMDLが備える第1の送信部10が、空間に送信RF信号を放射する。空間に物体が存在すると、この物体で送信RF信号が反射されてレーダ装置に戻ってくる。第1のモジュール1−nMDLが備える第1の受信部11は、送信RF信号の反射RF信号を受信して、第1の局部発振信号を用いて反射RF信号から受信ビート信号を生成する(ステップST2)。
次に、第1の信号処理器12は、第1の受信部11によって生成された受信ビート信号を用いて、目標候補を検出する(ステップST3)。例えば、第1の信号処理器12は、第1の受信部11から入力した受信ビート信号を用いて、第1のモジュール1−nMDLにおける送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの目標候補の距離および速度に基づいた第1の信号を生成する。第1の信号処理器12は、生成された第1の信号に対してインコヒーレント積分を行い、インコヒーレント積分で得られた信号の強度に基づいて目標候補の距離および速度を算出する。
次に、第1の信号処理器12が、各目標候補についての第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの第1の信号に対し、目標候補の到来角度候補に対応する到来位相差に基づいてコヒーレント積分を行う(ステップST4)。この処理が、第1のモジュール1−nMDLにおいて目標候補が検出されたビンに対応した信号だけ実行されるチャンネル間でのコヒーレント積分である。
続いて、第3のモジュール3−nTxExが、送信RF信号を空間に放射する(ステップST5)。例えば、第3のモジュール3−nTxExが備える第3の送信部30が送信RF信号を空間に放射する。ただし、ステップST5において、第1のモジュール1−nMDLが備える第1の送信部10が、送信RF信号を空間に放射してもよい。この場合、実施の形態1に係るレーダ装置は、第3のモジュール3−nTxExを備えていなくてもよい。
次に、第1のモジュール1−nMDLが備える第1の受信部11が、第3のモジュール3−nTxExによって送信された送信RF信号の反射RF信号を受信し、第1の局部発振信号を用いて反射RF信号から受信ビート信号を生成する。さらに、第2のモジュール2−nRxExが備える第2の受信部20が、第3のモジュール3−nTxExによって送信された送信RF信号の反射RF信号を受信して、第1の局部発振信号に同期している第2の局部発振信号を用いて反射RF信号から受信ビート信号を生成する。ここまでの処理がステップST6である。
第2のモジュール2−nRxExが備える第2の信号処理器21は、第3のモジュール3−nTxExによって送信された送信RF信号の反射RF信号から算出された受信ビート信号を用いて、第3のモジュールの送信チャンネルごとおよび第2のモジュールの受信チャンネルごとの各目標候補の距離および速度に基づいた第2の信号を生成する。第2の信号は、第2のモジュール2−nRxExから第1の信号処理器12に出力される。
第1の信号処理器12は、第3のモジュール3−nTxExの送信チャンネルごとおよび第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネルごとの各目標候補の距離および速度に基づいた第3の信号を生成し、第2のモジュール2−nRxExによって求められた第2の信号と、生成された第3の信号とに対して、目標候補の到来角度候補に対応する到来位相差に基づいてコヒーレント積分を行う(ステップST7)。このようにして、分散配置された第1のモジュール1−nMDLと第2のモジュール2−nRxExとの間で信号のコヒーレント積分が行われる。
最後に、第1の信号処理器12は、各目標候補についてのコヒーレント積分で得られた信号を用いて、目標候補の角度を算出する(ステップST8)。第1の信号処理器12によって算出された目標候補の角度に関する情報は、表示器9に表示される。
次に、実施の形態1に係る信号処理方法の詳細について説明する。
図5は、図4のステップST1の詳細な処理を示すフローチャートである。第1のモジュール1−nMDLにおいて、第1の局部発振信号生成部1−6−1は、第1の局部発振信号L1,nMDL(nTx,h,t)を生成し、生成された第1の局部発振信号L1,nMDL(nTx,h,t)を、符号変調部1−5−1および受信機1−8−nRx,nMDLに出力する(ステップST1a)。
第1の局部発振信号L1,nMDL(nTx,h,t)は、下記式(1)で表される。下記式(1)において、jは虚数単位である。nMDLは、第1のモジュール1−nMDLのモジュール番号であり、NMDLは、第1のモジュール1−nMDLのモジュール数である。図1に示した第1のモジュール1−1において、nMDLおよびNMDLは1である。nTxは、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネル番号であり、NTxは、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネル数である。nTxは1または2であり、NTxは2である。

Figure 0006840308
上記式(1)において、φ0,1,nMDL,nTxは、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルにおける第1の局部発振信号の初期位相である。φnis,1,nMDL,nTx(t)は、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルにおける第1の局部発振信号の位相雑音である。hはヒット番号であり、Hはヒット数である。
上記式(1)において、Aは、第1の局部発振信号の振幅であり、fは、送信RF信号の送信周波数である。Bは、送信RF信号の変調帯域であり、Tは、変調時間であり、Tは次の変調までの時間であり、tは時間である。Tchpは、送信RF信号1−1−nTxの送信繰り返し周期であり、下記式(2)で表すことができる。TTxは、送信繰り返し周期であり、下記式(3)で表すことができる。

Figure 0006840308
次に、符号変調部1−5−1は、第1の局部発振信号生成部1−6−1によって生成された第1の局部発振信号L1,nMDL(nTx,h,t)に対して符号変調を行う(ステップST2a)。この符号変調処理において、符号変調部1−5−1は、第1の局部発振信号L1,nMDL(nTx,h,t)に対して符号を付加することで、第1のモジュール1−1の送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルにおける送信RF信号Tx(nTx,h,t)を生成する。第1のモジュール1−1の送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルにおける第1の局部発振信号L1,nMDL(nTx,h,t)を符号変調することで、送信チャンネル間の干渉および外部からの電波干渉が抑圧される。
符号変調の一例として疑似乱数である巡回符号を付加する符号変調について説明する。
符号変調部1−5−1は、下記式(4)に従って、予め設定された巡回符号C(h)を、第1のモジュール1−1における送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルに設定された巡回シフト量Δh(nTx)だけ巡回シフトさせる。この巡回シフトを行うことによって、第1のモジュール1−1における送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルの変調符号Code(nTx,h)が生成される。なお、巡回符号C(h)には、M系列(Maximal length sequence)、Gold系列またはかさみ系列を用いてもよい。

Figure 0006840308
次に、符号変調部1−5−1は、第1の局部発振信号L1,nMDL(nTx,h,t)と、第1のモジュール1−nMDLにおける送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルの変調符号CodenMDL(nTx,h)とを用いて、下記式(5)に従い、送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルにおける送信RF信号Tx1,nMDL(nTx,h,t)を生成する。符号変調部1−5−1によって生成された送信RF信号Tx1,nMDL(nTx,h,t)は、送信切替部1−4−1に出力される。

Figure 0006840308
送信切替部1−4−nTx,nMDLは、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルに従って、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルにおける送信RF信号Tx1,nMDL(nTx,h,t)を、送信機1−3−nTxに出力する。送信機1−3−nTxは、送信切替部1−4−nTx,nMDLから入力した送信RF信号Tx1,nMDL(nTx,h,t)を、アンテナ1−2−nTxに出力する。アンテナ1−2−nTxは、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネルnTxに対応する送信RF信号Tx1,nMDL(nTx,h,t)を、空間に放射する(ステップST3a)。図1では、NTxが2であるので、アンテナ1−2−1とアンテナ1−2−2とが交互に送信RF信号Tx1,nMDL(nTx,h,t)を、空間に放射する。
図6は、図4のステップST2の詳細な処理を示すフローチャートである。
空間に放射された送信RF信号は、空間内に存在する目標で反射されて反射RF信号Aとなる。反射RF信号Aは、第1のモジュール1−nMDLが備える第1の受信部11におけるアンテナ1−7−nRx,nMDLに入射される。アンテナ1−7−nRx,nMDLは、入射してきた反射RF信号Aを受信する(ステップST1b)。
アンテナ1−7−nRx,nMDLによって受信された反射RF信号Aは、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネルnRx,nMDLにおける受信RF信号Rx1,nMDL(nTx,nRx,h,t)として受信機1−8−nRx,nMDLに出力される。受信RF信号Rx1,nMDL(nTx,nRx,h,t)は、下記式(6)で表される。下記式(6)において、Aは、受信RF信号の振幅である。Rは、初期目標相対距離であり、目標の相対距離の初期値である。vは、目標相対速度であり、θは目標角度である。cは光速であり、t’は1ヒット内の時間である。

Figure 0006840308
上記式(6)において、φTx(nMDL,nTx)は、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルにおける位相差であり、下記式(7)で表すことができる。φRx(nMDL,nRx,nMDL)は、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルにおける位相差であり、下記式(8)で表すことができる。

Figure 0006840308
次に、受信機1−8−nRx,nMDLは、第1の局部発振信号L1,nMDL(nTx,h,t)を用いて、受信RF信号Rx1,nMDL(nTx,nRx,h,t)をダウンコンバートする(ステップST2b)。続いて、受信機1−8−nRx,nMDLが、ダウンコンバートされた信号を、帯域フィルタを用いてフィルタリングし、帯域フィルタを通過した信号の強度を増幅させてから位相検波する。これらの処理により、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルにおける受信ビート信号V’1,nMDL(nTx,nRx,h,t)が生成される。
受信ビート信号V’1,nMDL(nTx,nRx,h,t)は、下記式(9)で表すことができ、受信機1−8−nRx,nMDLからA/D変換器1−9−nRx,nMDLに出力される。下記式(9)において、Aは、受信ビート信号V’1,nMDL(nTx,nRx,h,t)の振幅である。pnis(MTx,MDL,MRx,MDL)は位相雑音である。さらに、MTx,MDLは、送信RF信号の生成用の第1の局部発振信号を生成したモジュールのモジュール番号であり、MRx,MDLは、受信RF信号のダウンコンバート用に第1の局部発振信号を生成したモジュールのモジュール番号である。

Figure 0006840308
上記式(9)において、第1の送信部10および第1の受信部11における位相雑音であるpnis(MTx,MDL,MRx,MDL)は、下記式(10)で表される。

Figure 0006840308
また、第1の送信部10および第2の受信部20における位相雑音であるpnis(MTx,MDL,MRx,MDL)は、下記式(11)で表される。

Figure 0006840308
A/D変換器1−9−nRx,nMDLは、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルにおける受信ビート信号V’1,nMDL(nTx,nRx,h,t)をアナログ信号からデジタル信号に変換することで、下記式(12)で表される受信ビート信号V1,nMDL(nTx,nRx,h,m)を生成する(ステップST3b)。

Figure 0006840308
ここで、受信ビート信号V1,nMDL(nTx,nRx,h,m)は、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルにおける第1の受信ビート信号である。第1の受信ビート信号は、目標の検出に用いられる第1の受信信号である。上記式(12)において、Δtは変調時間T内でのサンプリング間隔である。mは、変調時間T内でサンプリングされた受信ビート信号のサンプリング番号である。Mは、変調時間T内での受信ビート信号のサンプリング数である。上記式(12)において、Δtおよび1/cを含む項は近似して表している。
図7は、図4のステップST3およびステップST4の詳細な処理を示すフローチャートである。第1の信号処理器12が備える第1の分離部120は、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルに設定された変調符号Code(nTx,h)を用いて、下記式(13)に従って第1の受信ビート信号を復調する。復調後の第1の受信ビート信号は、第1のモジュール1−nMDLにおける送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの信号に分離されている(ステップST1c)。これにより、第1のモジュール1−nMDLにおける送信チャンネル番号nTxおよび受信チャンネル番号nRxに対応した受信ビート信号V1,nMDL,C(nTx,nRx,h,m)が生成され、生成された受信ビート信号V1,nMDL,C(nTx,nRx,h,m)は、第1の信号生成部121に出力される。

Figure 0006840308
次に、第1の信号生成部121は、第1の分離部120によって復調された受信ビート信号V1,nMDL,C(nTx,nRx,h,m)に離散フーリエ変換を行うことで、第1のモジュール1−nMDLにおける送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの目標候補の距離および速度に基づいた第1の信号を生成する(ステップST2c)。例えば、nMDLが1である場合、第1の信号生成部121が、下記式(14)に従った離散フーリエ変換を行う。これにより、第1のモジュール1−1における送信チャンネル番号nTxおよび受信チャンネル番号nRxに対応した第1の信号fb,1,nMDL(nTx,nRx,q,k)が生成される。qは速度ビン番号であり、kは距離ビン番号である。図8Aは、復調された受信ビート信号V1,nMDL,C(nTx,nRx,h,m)のサンプリング番号とヒット番号との関係を示す図である。図8Bは、距離および速度に基づいた第1の信号fb,1,nMDL(nTx,nRx,q,k)の距離ビン番号と速度ビン番号との関係を示す図である。図8Aおよび図8Bと、下記式(14)に示すように、サンプリング番号mおよびヒット番号hのそれぞれの受信ビート信号に対して離散フーリエ変換を行うことで、目標候補aの距離情報および速度情報を得ることが可能な、距離および速度に基づいた第1の信号が生成される。また、実施の形態1に係るレーダ装置は、10log10(HM)だけ信号対雑音比SNR(Signal to Noise Ratio)が向上し、目標の検出性能が向上する。離散フーリエ変換の代わりに、高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)を用いてもよい。FFTを用いる場合、低演算化および高速化が可能になり、低コスト、処理時間が短縮されたレーダ装置を得ることができる。

Figure 0006840308
次に、インコヒーレント積分部122は、第1の信号生成部121によって生成された第1の信号に対してインコヒーレント積分を行う(ステップST3c)。例えば、nMDLが1である場合、インコヒーレント積分部122は、第1のモジュール1−1における、送信チャンネル番号nTxおよび受信チャンネル番号nRxに対応した第1の信号fb,1,nMDL(nTx,nRx,q,k)に対して、下記式(15)に従ったインコヒーレント積分を行う。このインコヒーレント積分によって信号fb,1,nMDL,inch(q,k)が生成され、生成された信号fb,1,nMDL,inch(q,k)は、インコヒーレント積分部122から目標候補検出部123に出力される。
図9Aは、各送信チャンネル番号nTxと各受信チャンネル番号nRxの距離および速度に基づいた第1の信号fb,1,nMDL(nTx,nRx,q,k)の距離ビン番号と速度ビン番号との関係を示す図である。インコヒーレント積分部122には、図9Aに示す送信チャンネル番号nTxおよび受信チャンネル番号nRxに対応した第1の信号fb,1,nMDL(nTx,nRx,q,k)が入力される。第1の信号は、目標候補aの距離および速度に基づく信号である。第1の信号には雑音成分bが重畳されている。図9Bは、インコヒーレント積分された第1の信号fb,1,nMDL,inch(q,k)の距離ビン番号と速度ビン番号との関係を示す図である。インコヒーレント積分部122は、下記式(15)に示すように、複数の第1の信号fb,1,nMDL(nTx,nRx,q,k)の電力、すなわち信号強度を積分することで、図9Bに示すように、雑音成分bが平均化され、目標検出性能が向上したレーダ装置を得ることが可能である。

Figure 0006840308
目標候補検出部123は、インコヒーレント積分で得られた信号fb,1,nMDL,inch(q,k)の信号強度に基づいて、目標候補の距離および速度を算出する(ステップST4c)。目標候補の検出には、例えば、CA−CFAR(Cell Average Constant False Alarm Rate)処理を用いることができる。目標候補検出部123は、目標候補番号ntgtの目標候補に対応した、第1のモジュール1−nMDLにおける送信チャンネルnTxおよび受信チャンネルnRxの第1の信号fb,1,nMDL(nTx,nRx,qntgt,kntgt)、速度方向のサンプリング番号である速度ビン番号qntgtおよび距離方向のサンプリング番号である距離ビン番号kntgtを特定し、第1のコヒーレント積分部124および第2のモジュール2−nRxExの第2の信号処理器21に出力する。目標候補番号ntgtは、目標候補ごとに割り当てられた通し番号である。
第1のコヒーレント積分部124は、目標候補番号ntgtの目標候補に対応した第1の信号に対し、目標候補の到来角度候補に対応する到来位相差に基づいて、下記式(16)に従ったチャンネル間でのコヒーレント積分を行う(ステップST5c)。ただし、第1のコヒーレント積分部124は、送信チャンネル間のドップラ周波数、すなわち、目標移動の影響がある場合、目標候補番号ntgtの速度ビン番号qntgtに対応する速度を用いて、その影響を抑圧してから、下記式(16)の処理を行う。第1のコヒーレント積分部124が、第1の信号fb,1,nMDL(nTx,nRx,qntgt,kntgt)に対してチャンネル間でのコヒーレント積分を行うことで、目標候補番号ntgtの目標候補に対応した信号R1,ch(nθ,qntgt,kntgt)が生成される。信号R1,ch(nθ,qntgt,kntgt)は、第1のコヒーレント積分部124から表示器9に出力され、表示器9によって表示される。

Figure 0006840308
上記式(16)において、Nθは、想定される目標角度の数であり、nθは、想定される目標角度に割り当てられた目標角度番号である。また、φ’Tx(nMDL,nTx,nθ)は、目標角度番号nθの目標角度についての第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルにおける位相差であり、下記式(17)で表される。さらに、φ’Rx(nMDL,nRx,nMDL,nθ)は、目標角度番号nθの目標角度についての第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルにおける到来位相差であり、下記式(18)で表される。

Figure 0006840308
上記式(16)〜(18)において、目標角度θと、目標角度番号nθの目標角度θ’nθとが一致する場合、目標候補番号ntgtの目標候補についての信号R1,ch(nθ,qntgt,kntgt)は、コヒーレントに積分されて、信号電力が最大値を示す。すなわち、第1のモジュール1−nMDLにおける送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの信号をコヒーレントに積分することにより、コヒーレント積分後の信号の電力が増大する。このため、当該信号を用いることで、目標の検出性能が向上したレーダ装置を得ることが可能になる。
図10Aは、実際のアンテナ配置における送信チャンネルと受信チャンネルとの関係を示す図である。また、図10Bは、実際のアンテナ配置および仮想的なアンテナ配置を考慮した場合における送信チャンネルと受信チャンネルとの関係を示す図である。図10Aおよび図10Bにおいて、符号(1)および符号(2)を付したアンテナは、第1の送信部10が備えるアンテナであり、それぞれが送信チャンネルに対応している。また、符号(3)付したアンテナは、第1の受信部11が備えるアンテナであり、それぞれが受信チャンネルに対応している。図10Aに示すように、符号(3)のアンテナが実際に並んだ実アレーでは、アンテナ開口長がDである。
第1の信号処理器12が、第1のモジュール1−1における送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの信号をコヒーレントに積分することで、符号(4)を付した仮想的な受信チャンネルが形成される。これにより、第1のモジュール1−1のアンテナ開口長がDから2Dへ仮想的に大きくなる。図10Bにおいて、2Dsinθは、チャンネル間の位相差である。
これまで、目標候補番号ntgtの目標候補に対応した第1の信号に対して上記式(16)に従った離散フーリエ変換を行う場合を示したが、これに限定されるものではない。例えば、離散フーリエ変換の代わりに、高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)、MUSIC(Multiple Signal Classification)、またはESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Technique)などを行ってもよい。
また、上記式(16)では、遠方界として説明しているが、開口が広くなって受信波を平面波として近似できない場合は、近傍界として積分してもよい。
図11は、図4のステップST5の詳細な処理を示すフローチャートである。以降では、第3のモジュール3−nTxExが、送信RF信号を送信する場合について説明する。
第3のモジュール3−nTxExにおいて、第3の局部発振信号生成部3−6−nTxExが、第3の局部発振信号を生成する(ステップST1d)。第3の局部発振信号は、第1の局部発振信号に同期している。図1において、nTxExは1である。
符号変調部3−5−nTxExは、第3の局部発振信号生成部3−6−nTxExによって生成された第3の局部発振信号に対して符号変調を行う(ステップST2d)。この符号変調処理において、符号変調部3−5−nTxExは、第3の局部発振信号に対して符号を付加することで、第3のモジュール3−nTxExの送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルにおける送信RF信号Tx3,nTxEx(h,t)を生成する。
送信機3−3−nTxExは、符号変調部3−5−nTxExから入力した送信RF信号を、アンテナ3−2−nTxExに出力する。アンテナ3−2−nTxExは、送信RF信号を空間に放射する(ステップST3d)。図1では、アンテナ3−2−1が送信RF信号を空間に放射する。
ここで、第1のモジュール1−nMDLおよび第3のモジュール3−nTxExによる送信RF信号の送信タイミングについて説明する。
図12Aは、第1のモジュール1−1の送信チャンネル番号nTx=1の送信チャンネルにおける送信RF信号の送信タイミングを示す図である。図12Bは、第1のモジュール1−1の送信チャンネル番号nTx=2の送信チャンネルにおける送信RF信号の送信タイミングを示す図である。図4のステップST1において、第1のモジュール1−1が備える第1の送信部10は、例えば、図12Aおよび図12Bに示す送信タイミングで、送信チャンネル番号nTx=1に対応するアンテナ1−2−1を用いて送信RF信号を送信し、送信チャンネル番号nTx=2に対応するアンテナ1−2−2を用いて送信RF信号を送信する。第1のモジュール1−1が送信RF信号を時分割に交互に送信することにより、図12Aおよび図12Bに示すように、送信RF信号の直交度が高い送信波形となっている。さらに、符号変調部1−5−1が、送信チャンネル番号nTx=1に対応する送信RF信号と送信チャンネル番号nTx=2に対応する送信RF信号との間で異なる符号変調を行うことで、干渉波の抑圧性能が向上する。
図12Cは、第3のモジュール3−1による送信RF信号の送信タイミングを示す図である。図12Dは、第3のモジュール3−2による送信RF信号の送信タイミングを示す図である。図12Cおよび図12Dにおいて、第3の送信部30における送信チャンネル数NTx,nTxExが1であり、モジュール数nTxExが2である。図4のステップST5において、第3のモジュール3−1が備える第3の送信部30は、例えば、図12Cに示す送信タイミングで、アンテナ3−2−1を用いて送信RF信号を送信する。続いて、第3のモジュール3−2が備える第3の送信部30は、例えば、図12Dに示す送信タイミングで、アンテナ3−2−1を用いて送信RF信号を送信する。このように、第3のモジュール3−1および第3のモジュール3−2が送信RF信号を時分割に交互に送信することで、図12Cおよび図12Dに示すように、送信RF信号の直交度が高い送信波形となっている。さらに、符号変調部3−5−nTxExが、第3のモジュール3−1と第3のモジュール3−2との間で異なる符号変調を行うことで、干渉波の抑圧性能が向上する。
なお、図12Aから図12Dにおいて、4つの送信RF信号を時分割に送信する場合を示したが、第1の送信部10および第3の送信部30は、複数の送信RF信号を符号分割で送信してもよい。この場合、送信RF信号は、符号変調で分離可能な信号とされてから同時に送信される。ただし、目標の速度方向に受信信号の相互相関が拡散するため、十分なチャープ数が必要となる。また、図12Aから図12Dにおいて、4つの送信RF信号を時分割に送信する場合を示したが、第1の送信部10および第3の送信部30は、複数の送信RF信号を周波数分割で送信してもよい。この場合、送信RF信号は、互いに分離可能な周波数帯域を用いた信号とされてから同時に送信される。なお、複数の送信RF信号を分離する方法として、時分割、符号分割および周波数分割を適宜組み合わせて用いてもよい。
図13Aは、図4のステップST6における第1のモジュール1−nMDLによる処理を示すフローチャートである。第3のモジュール3−nTxExによって空間に放射された送信RF信号は、空間内に存在する目標で反射されて反射RF信号Aとなる。反射RF信号Aは、第1のモジュール1−nMDLが備える第1の受信部11におけるアンテナ1−7−nRx,nMDLに入射される。アンテナ1−7−nRx,nMDLは、入射してきた反射RF信号Aを受信する(ステップST1e)。アンテナ1−7−nRx,nMDLによって受信された反射RF信号Aは、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネルnRx,nMDLにおける受信RF信号として受信機1−8−nRx,nMDLに出力される。
受信機1−8−nRx,nMDLは、第1の局部発振信号を用いて、受信RF信号をダウンコンバートする(ステップST2e)。続いて、受信機1−8−nRx,nMDLが、ダウンコンバートされた信号を、帯域フィルタを用いてフィルタリングし、帯域フィルタを通過した信号の強度を増幅させてから位相検波する。これらの処理により、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルにおける受信ビート信号が生成される。受信ビート信号は、受信機1−8−nRx,nMDLからA/D変換器1−9−nRx,nMDLに出力される。
A/D変換器1−9−nRx,nMDLは、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルにおける受信ビート信号をアナログ信号からデジタル信号に変換することにより、受信ビート信号V1,nMDL(3,nTx,nRx,h,m)を生成する(ステップST3e)。受信ビート信号V1,nMDL(3,nTx,nRx,h,m)は、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルにおける第3の受信ビート信号である。第3のモジュール3−nTxExから送信された送信RF信号の反射RF信号を用いて第3の受信ビート信号が生成されたことを示すため、上記式(12)で表される受信ビート信号V1,nMDL(nTx,nRx,h,m)を、受信ビート信号V1,nMDL(3,nTx,nRx,h,m)と表記している。
図13Bは、図4のステップST6における第2のモジュール2−nRxExによる処理を示すフローチャートである。第3のモジュール3−nTxExによって空間に放射された送信RF信号の反射RF信号Aは、第2のモジュール2−nRxExが備える第2の受信部20におけるアンテナ2−7−nRx,nRxExに入射される。アンテナ2−7−nRx,nRxExは、入射してきた反射RF信号Aを受信する(ステップST1f)。アンテナ2−7−nRx,nRxExによって受信された反射RF信号Aは、第2のモジュール2−nRxExの受信チャンネルnRx,nRxExにおける受信RF信号として受信機2−8−nRx,nRxExに出力される。
受信機2−8−nRx,nRxExは、第2の局部発振信号を用いて、受信RF信号をダウンコンバートする(ステップST2f)。続いて、受信機2−8−nRx,nRxExが、ダウンコンバートされた信号を、帯域フィルタを用いてフィルタリングし、帯域フィルタを通過した信号の強度を増幅させてから位相検波する。これらの処理により、第2のモジュール2−nRxExの受信チャンネル番号nRx,nRxExの受信チャンネルにおける受信ビート信号が生成される。受信ビート信号は、受信機2−8−nRx,nRxExからA/D変換器2−9−nRx,nRxExに出力される。
A/D変換器2−9−nRx,nRxExは、第2のモジュール2−nRxExの受信チャンネル番号nRx,nRxExの受信チャンネルにおける受信ビート信号をアナログ信号からデジタル信号に変換することにより、受信ビート信号V2,nRxEx(3,nTx,nRx,h,m)を生成する(ステップST3f)。受信ビート信号V2,nRxEx(3,nTx,nRx,h,m)は、第2のモジュール2−nRxExの受信チャンネル番号nRx,nRxExの受信チャンネルにおける第2の受信ビート信号である。第3のモジュール3−nTxExから送信された送信RF信号の反射RF信号を用いて、第2のモジュール2−nRxExによって第2の受信ビート信号が生成されたことを示すため、上記式(12)で表される受信ビート信号V1,nMDL(nTx,nRx,h,m)を、受信ビート信号V2,nRxEx(3,nTx,nRx,h,m)と表記している。
図14は、図4のステップST7およびステップST8の詳細な処理を示すフローチャートである。第1の信号処理器12において、第1の分離部120は、図13AのステップST3eで得られた、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルにおける受信ビート信号V1,nMDL(3,nTx,nRx,h,m)を、A/D変換器1−9−nRx,nMDLから入力する。第1の分離部120は、受信ビート信号V1,nMDL(3,nTx,nRx,h,m)を、上記式(13)と同様にして復調する。復調後の受信ビート信号は、第3のモジュール3−nTxExにおける送信チャンネルごとおよび第1のモジュール1−nMDLにおける受信チャンネルごとの信号に分離されている(ステップST1g)。これにより、第3のモジュール3−nTxExにおける送信チャンネル番号nTx,nTxExおよび第1のモジュール1−nMDLにおける受信チャンネル番号nRxに対応した第3の受信ビート信号V1,nMDL,C(3,nTx,nRx,h,m)が生成される。
続いて、第1の信号生成部121は、第3の受信ビート信号V1,nMDL,C(3,nTx,nRx,h,m)を用いて、目標候補番号ntgtの目標候補の速度に対応する速度ビン番号qntgtおよび目標候補番号ntgtの目標候補の距離に対応する距離ビン番号kntgtに基づく下記式(19)に従い、目標候補番号ntgtの目標候補の距離および速度に基づいた第3の信号fb,1,nMDL(3,nTx,nRx,qntgt,kntgt)を生成する(ステップST2g)。第3の信号fb,1,nMDL(3,nTx,nRx,qntgt,kntgt)は、第1の信号生成部121から、第2のコヒーレント積分部125に出力される。

Figure 0006840308
第2の信号処理器21において、第2の分離部210は、図13BのステップST3fで得られた、第2のモジュール2−nRxExの受信チャンネル番号nRx,nRxExの受信チャンネルにおける受信ビート信号V2,nRxEx(3,nTx,nRx,h,m)を、A/D変換器2−9−nRx,nRxExから入力する。第2の分離部210は、受信ビート信号V2,nRxEx(3,nTx,nRx,h,m)を、上記式(13)と同様にして復調する。復調後の受信ビート信号は、第3のモジュール3−nTxExにおける送信チャンネルごとおよび第2のモジュール2−nRxExにおける受信チャンネルごとの信号に分離されている(ステップST1g−1)。このようにして、第3のモジュール3−nTxExにおける送信チャンネル番号nTx,nTxExおよび第2のモジュール2−nRxExにおける受信チャンネル番号nRx,nRxExに対応した第2の受信ビート信号V2,nRxEx,C(3,nTx,nRx,h,m)が生成される。
続いて、第2の信号生成部211は、第2の受信ビート信号V2,nRxEx,C(3,nTx,nRx,h,m)を用いて、目標候補番号ntgtの目標候補の速度に対応する速度ビンqntgtおよび目標候補番号ntgtの目標候補の距離に対応する距離ビンkntgtに基づく下記式(20)に従い、目標候補番号ntgtの目標候補の距離および速度に基づいた第2の信号fb,2,nRxEx(3,nTx,nRx,qntgt,kntgt)を生成する(ステップST2g−1)。第2の信号fb,2,nRxEx(3,nTx,nRx,qntgt,kntgt)は、第2の信号生成部211から、第1の信号処理器12が備える第2のコヒーレント積分部125に出力される。
目標候補検出部123が目標候補を検出するように構成されているので、目標候補番号ntgtの速度ビン番号qntgtおよび距離ビン番号kntgtに対応する信号に限定して演算することが可能となり、演算量が低減され、コストが低減されたレーダ装置を得ることが可能である。例えば、全ての距離ビン番号Mに対応する信号に対して、ヒット方向に高速フーリエ変換する演算量は、M(H/2)logHであり、下記式(20)に示す目標候補番号ntgtの目標候補の距離ビン番号kntgtに対応する速度ビン番号qntgtの信号を算出する演算量は、HNtgtであるので、M(H/2)logH≫HNtgtとなる。また、目標候補番号ntgtの目標候補の速度ビン番号qntgtおよび距離ビン番号kntgtに限定した第2の信号fb,2,nRxEx(3,nTx,nRx,qntgt,kntgt)を出力するため、通信量の低減が可能となり、レーダ装置の規模の縮小化が可能である。

Figure 0006840308
第2のコヒーレント積分部125は、第2の信号処理器21によって生成された第2の信号fb,2,nRxEx(3,nTx,nRx,qntgt,kntgt)および第1の信号生成部121によって生成された第3の信号fb,1,nMDL(3,nTx,nRx,qntgt,kntgt)とに対して、目標候補の到来角度候補に対応する到来位相差に基づいた下記式(21)に従ったコヒーレント積分を行う(ステップST3g)。このコヒーレント積分を行うことにより、目標候補番号ntgtの目標候補についての信号R3,ch(nθ,qntgt,kntgt)が生成される。ただし、第2のコヒーレント積分部125は、送信モジュールおよび送信チャンネル間のドップラ周波数、すなわち目標移動の影響がある場合、目標候補番号ntgtの目標候補の速度ビン番号qntgtに対応する速度を用いてその影響を抑圧してから、下記式(21)の処理を行う。

Figure 0006840308
上記式(21)において、Nθは、想定される目標角度の数であり、nθは、想定される目標角度に割り当てられた目標角度番号である。φ’Tx(3,nTxEx,nMDL,nθ)は、目標角度番号nθの目標角度についての第3のモジュール3−nTxExの送信チャンネルと第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネルとの位相差である。φ’Rx(nMDL,nRx,nMDL,nθ)は、目標角度番号nθの目標角度についての第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルにおける到来位相差である。φ”Tx(3,nTxEx,nRxEx,nθ)は、目標角度番号nθの目標角度についての第3のモジュール3−nTxExの送信チャンネルと第2のモジュール2−nRxExとの位相差である。φ”Rx(nRxEx,nRx,nRxEx,nθ)は、目標角度番号nθの目標角度についての第2のモジュール2−nRxExの受信チャンネル番号nRx,nRxExの受信チャンネルにおける到来位相差である。
これまで、目標候補番号ntgtの目標候補に対応した第2の信号および第3の信号に対して上記式(21)に従った離散フーリエ変換を行う場合を示したが、これに限定されるものではない。例えば、離散フーリエ変換の代わりに、FFT、MUSICあるいはESPRITなどを行ってもよい。
また、上記式(21)では、遠方界として説明しているが、開口が広くなって受信波を平面波として近似できない場合、近傍界として積分してもよい。
目標候補番号ntgtの目標候補に対応した第2の信号および第3の信号に対して上記式(21)に従った離散フーリエ変換を行う場合を示したが、さらに目標候補番号ntgtの目標候補に対応した第1の信号を含めて積分してもよい。これにより、サイドローブおよびグレーティングレベルを低減することが可能である。
第3のモジュール3−nTxExは、受信チャンネルを備えてもよい。すなわち、第3のモジュール3−nTxExは、第1のモジュール1−nMDLと同様に送信および受信を行うモジュールであってもよい。
角度算出部126は、目標候補番号ntgtの目標候補についての信号R3,ch(nθ,qntgt,kntgt)の信号強度に基づいて、目標候補番号ntgtの目標候補における角度候補n’θ,tgtを算出する(ステップST4g)。角度候補n’θ,tgtに対応する角度θ(n’θ,tgt)は、角度算出部126から表示器9に出力される。表示器9は、目標候補番号ntgtの目標候補の速度、距離および角度を画面上に表示する。
目標角度θと目標角度番号nθの目標角度θ’nθが一致する場合、目標候補番号ntgtの目標候補についての信号R3,ch(nθ,qntgt,kntgt)は、コヒーレントに積分されて信号電力が最大値を示す。すなわち、第3のモジュール3−nTxExの送信チャンネルごとおよび第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネルごとの信号と、第3のモジュール3−nTxExの送信チャンネルごとおよび第2のモジュール2−nRxExの受信チャンネルごとの信号とをコヒーレントに積分することにより、コヒーレント積分後の信号の電力が増大する。当該信号を用いることで、目標の検出性能が向上したレーダ装置を得ることが可能になる。
図15Aは、実施の形態1に係るレーダ装置における実際のアンテナ配置を示す図である。図15Bは、実施の形態1に係るレーダ装置における実際のアンテナ配置および仮想的なアンテナ配置を示す図である。図15Aにおいて、第3のモジュール3−1、第2のモジュール2−1、第1のモジュール1−1、第2のモジュール2−2および第3のモジュール3−2が、この順で直線状に配置されている。第2のモジュール2−1、第1のモジュール1−1および第2のモジュール2−2の各受信チャンネルに対応するアンテナ開口長をDとすると、レーダ装置全体の受信チャンネル(1a)に対応するアンテナ開口長は3Dとなる。図15Aにおいて、3Dsinθは、チャンネル間の位相差である。
第1の信号処理器12が、第3のモジュール3−nTxExの送信チャンネルごと、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネルごと、第3のモジュール3−nTxExの送信チャンネルごとおよび第2のモジュール2−nRxExの受信チャンネルごとに信号をコヒーレントに積分することにより、図15Bで符号(2a)を付した仮想的な受信チャンネルが形成される。これにより、実施の形態1に係るレーダ装置のアンテナ開口長が3Dから6Dへ仮想的に大きくなる。図15Bにおいて、6Dsinθは、チャンネル間の位相差である。
図16は、目標候補の数が1つである場合における目標候補の角度とこれに対応する信号の電力との関係を示す図である。図16において、曲線(a)は、図10Aに示した第1のモジュール1−1によって送受信された信号の電力とこの信号を用いて算出された目標候補の角度との関係を示している。コヒーレント積分を行っていないため、アンテナ開口長はDのままであり、曲線(a)から明らかなように角度分解能は低い。
曲線(b)は、送信チャンネルが2つで受信チャンネルが1つである第1のモジュール1−1において、図9に示したチャンネル間のコヒーレント積分で得られた信号の電力とこの信号を用いて算出された目標候補の角度との関係を示している。この場合、図10Bに示したように、仮想的な受信チャンネルが付加されてアンテナ開口長が2Dとなるため、曲線(b)は、曲線(a)よりは角度分解能が向上する。しかしながら、十分な角度分解能は得られない。
曲線(c)は、第3のモジュール3−1または3−2の送信チャンネルごと、第1のモジュール1−1の受信チャンネルごと、および第2のモジュール2−1〜2−4の受信チャンネルごとに信号をコヒーレントに積分し、コヒーレント積分で得られた信号の電力とこの信号を用いて算出された目標候補の角度との関係を示している。この関係は、図2に示したレーダ装置において、第3のモジュール3−1または3−2から送信された信号を、第1のモジュール1−1および第2のモジュール2−1〜2−4のそれぞれで受信して得たものである。モジュール間およびチャンネル間で信号のコヒーレント積分を行うことにより、角度分解能が格段に向上している。
図17は、目標候補の数が2つである場合における目標候補の角度とこれに対応する信号の電力との関係を示す図である。図17において、曲線(a1)は、送信チャンネルが2つで受信チャンネルが1つである第1のモジュール1−1において、図9に示したチャンネル間のコヒーレント積分で得られた信号の電力とこの信号を用いて算出された目標角度との関係を示している。また、曲線(b1)および(b2)は、コヒーレント積分で得られた信号を目標ごとに処理した結果である。曲線(a1)、(b1)および(b2)から明らかなように、第1のモジュール1−1だけでは、2つの目標が存在しても、十分な角度分解能が得られず、それぞれの目標を分離できず、測角できない。
曲線(c1)は、第3のモジュール3−1または3−2の送信チャンネルごと、第1のモジュール1−1の受信チャンネルごと、および第2のモジュール2−1〜2−4の受信チャンネルごとに信号をコヒーレントに積分し、コヒーレント積分で得られた信号の電力とこの信号を用いて算出された目標候補の角度との関係を示している。この関係は、図2に示したレーダ装置において、第3のモジュール3−1または3−2から送信された信号を、第1のモジュール1−1および第2のモジュール2−1〜2−4のそれぞれで受信して得たものである。これらのモジュールを用いることで、2つの目標がそれぞれ分離され、測角することが可能である。
実施の形態1に係るレーダ装置は、位相雑音を抑圧することで、反射電力が小さい目標を検出することができる。また、実施の形態1に係るレーダ装置は、図17に示した曲線(c1)から明らかなように、第1のモジュール1−1だけでは達成できない角度分解能が得られる。これにより、目標の検出性能が向上したレーダ装置を得ることができる。
なお、これまでの説明では、複数のモジュールからなるリニアアレーを示したが、これに限定されるものではない。例えば、送信チャンネルおよび受信チャンネルのそれぞれに対応するアンテナを、縦方向または横方向、あるいは縦方向および横方向に異なる配置にしてもよい。この場合であっても、実施の形態1に係るレーダ装置は、目標の水平面での角度のみ、目標の仰角のみ、あるいは、目標の水平面および垂直に対する角度を算出することができる。
次に、実施の形態1に係るレーダ装置の有用性について説明する。
実施の形態1に係るレーダ装置は、第1のモジュール、第2のモジュールおよび第3のモジュールを分散配置することができるので、複数のモジュールを集中して配置できないという制約があっても、対応可能である。また、実施の形態1に係るレーダ装置は、第1のモジュール、第2のモジュールおよび第3のモジュールを用いることで、第1のモジュールのみでは実現できない広いアンテナ開口が得られる。これにより、目標の角度分解能が向上する。
図18Aは、複数のモジュールが同じ局部発振信号を用いる従来のレーダ装置の概要を示す図である。図18Aに示す従来のレーダ装置は、モジュール150〜153を備えている。モジュール150は、送信部150aおよび局部発振信号生成器150bを備えている。モジュール151は、受信部151aを備え、モジュール152は、受信部152aを備え、モジュール153は、送信部153aを備える。局部発振信号生成器150bは、同じ局部発振信号を複数のモジュール150〜153にそれぞれ分配する。この構成では、分配数が増加すると、その分だけ局部発振信号の電力が低下する。このため、局部発振信号生成器150bは、局部発振信号の分配損失を補えるだけの大規模な装置である必要があり、コストが増大する。
図18Bは、複数のモジュールのそれぞれが異なる局部発振信号を用いる従来のレーダ装置の概要を示す図である。図18Bに示す従来のレーダ装置は、モジュール160〜163を備えている。モジュール160は、送信部160aと局部発振信号生成器160bを備える。モジュール161は、受信部161aおよび局部発振信号生成器161bを備え、モジュール162は、受信部162aおよび局部発振信号生成器162bを備え、モジュール163は、送信部163aおよび局部発振信号生成器163bを備える。局部発振信号生成器160b〜163bは、互いに異なる局部発振信号を生成する。このため、位相雑音が増大する。
図18Cは、実施の形態1に係るレーダ装置の概要を示す図である。図18Cに示すように、実施の形態1に係るレーダ装置では、第1のモジュール1−1、第2のモジュール2−1〜2−NRxExおよび第3のモジュール3−1〜3−NTxExのそれぞれが、局部発振信号生成部を備えているため、局部発振信号の分配損失が低減される。さらに、送信と受信に同じ局部発振信号を用いることで、位相雑音の影響が抑圧され、反射電力が小さい目標であっても検出可能である。
図19Aは、従来のレーダ装置によって測定された目標に対応する信号の電力と目標の距離との関係を示す図である。図19Aにおいて、曲線A1は、反射電力が小さい目標について想定される受信信号の電力と当該目標までの距離との関係を示している。曲線B1は、図18Bに示した従来のレーダ装置によって測定された、反射電力が大きい目標についての受信信号の電力と当該目標までの距離との関係を示している。反射電力が小さい目標は、反射電力が大きい目標の周辺に存在している。閾値Pφnis,THは、位相雑音による損失の閾値であり、従来のレーダ装置によって測定された目標に対応する受信信号を示す曲線B1において、矢印で示すように、位相雑音による損失が、閾値Pφnis,THよりも大きい。
図18Bに示したレーダ装置は、送信サブアレイ部としてモジュール160を備えており、受信サブアレイ部としてモジュール161,162を備えている。複数の受信サブアレイ部が信号を受信し、かつ送信サブアレイ部と受信サブアレイ部とが異なる局部発振信号を用いている。このため、図18Bに示したレーダ装置では、図19Aに示すように、反射電力が大きい目標に対応した信号において位相雑音が増大し、当該目標の周辺に存在する反射電力が小さい目標の検出は困難である。従って、この問題に対して、図18Bに示したレーダ装置は、複数の受信サブアレイ部の受信信号を目標の到来角度ごとに合成する必要があり、目標の角度を求めるための演算量が増大する。
図19Bは、実施の形態1に係るレーダ装置によって測定された目標に対応する信号の電力と目標の距離との関係を示す図である。図19Bにおいて、曲線A1は、反射電力が小さい目標について想定される受信信号の電力と当該目標までの距離との関係を示している。曲線B2は、実施の形態1に係るレーダ装置によって測定された、反射電力が大きい目標についての受信信号の電力と当該目標までの距離との関係を示している。
実施の形態1に係るレーダ装置は、送信側と受信側で同じ局部発振信号を用いるので、目標に対応する受信信号を示す曲線B2において、矢印で示すように、位相雑音による損失が、閾値Pφnis,THよりも小さく、位相雑音の影響が抑圧されている。これにより、反射電力が大きい目標の周辺に存在する反射電力が小さい目標の検出性能が向上する。すなわち、実施の形態1に係るレーダ装置では、送信側と受信側で同じ局部発振信号を用いる複数のモジュールを用いて仮想的にアンテナ開口を広くすることで、受信ビート信号の位相雑音の影響が低減されるので、目標の検出精度を保ちつつ目標の角度分解能を高めることができる。また、目標検出の前に、全ての距離ビンおよび速度ビンについてビーム合成、すなわち受信チャンネル間の積分が不要であるため、目標の角度を求めるための演算量が低減される。
位相雑音の影響を抑圧するためには、送信に用いられる局部発振信号と受信に用いられる局部発振信号との相関を高くする、すなわち、ダウンコンバートにおける位相雑音の差を小さくする必要がある。
図20Aは、第1のモジュール1−nMDLにおける信号の送受信に用いられる周波数と時間との関係を示すグラフである。図20Aにおいて、直線Cは、第1の送信部10に用いられる局部発振信号の周波数と時間との関係を示している。また、直線Dは、第1の受信部11に用いられる局部発振信号の周波数と時間との関係を示している。第1の送信部10が時間t=0で送信RF信号を送信し、第1の受信部11が、時間t=2Rmax/cで反射RF信号を受信したものとする。ここで、cは光速であり、Rmaxは、実施の形態1に係るレーダ装置に予め定められた最大探知距離である。第1のモジュール1−nMDLでは、送信側と受信側で同じ第1の局部発振信号を用いるので、図20Aに示すように、送信側の局部発振信号と受信側の局部発振信号は同期している。
図20Bは、第1の局部発振信号および第1の受信部11によって受信された反射RF信号における位相と時間との関係を示すグラフである。図20Bにおいて、曲線C1は、第1の局部発振信号の位相と時間との関係を示している。また、曲線D1は、第1の送信部10によって送信された送信RF信号の反射RF信号の位相と時間との関係を示している。E1は、第1の局部発振信号と反射RF信号との位相雑音差である。
図20Cは、第2の局部発振信号および第2の受信部20によって受信された反射RF信号における位相と時間との関係を示すグラフである。図20Cにおいて、曲線C2は、第2の局部発振信号の位相と時間との関係を示している。また、曲線D2は、図20Bに示した曲線D1と同様に、第1の送信部10によって送信された送信RF信号の反射RF信号の位相と時間との関係を示している。図20Cにおける第2の局部発振信号は、第1の局部発振信号とは異なる局部発振信号である。E2は、第2の局部発振信号と反射RF信号との位相雑音差である。
下記式(22)は、第1の送信部10が用いる第1の局部発振信号の位相雑音と第1の受信部11が用いる第1の局部発振信号の位相雑音との差分と、第1の送信部10が用いる第1の局部発振信号の位相雑音と第2の受信部20が用いる第2の局部発振信号の位相雑音との差分との大小関係を示している。下記式(22)において、φnis,1,nMDL,nTx(t)は、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネル番号nTxの送信チャンネルにおける第1の局部発振信号の位相雑音である。φnis,1,nMDL,nTx(t−2Rmax/c)は、第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネル番号nRx,nMDLの受信チャンネルにおける第1の局部発振信号の位相雑音である。また、φnis,2,nRxEx,nTx(t−2Rmax/c)は、第2のモジュール2−nRxExの受信チャンネル番号nRx,nRxExの受信チャンネルにおける第2の局部発振信号の位相雑音である。

Figure 0006840308
第1のモジュール1−nMDLにおいて、第1の送信部10と第1の受信部11とが同じ第1の局部発振信号を用い、第2のモジュール2−nRxExにおいて、第2の受信部20が、第1の局部発振信号とは異なる第2の局部発振信号を用いた場合に、図20Bおよび図20Cに示すように、位相雑音差E1は、位相雑音差E2よりも小さくなる。上記式(22)は、この関係を示しており、第1の送信部10と第1の受信部11が同じ第1の局部発振信号を用いたときの位相雑音の差分は、第2の受信部20が第1の局部発振信号とは異なる第2の局部発振信号を用いた場合における位相雑音の差分よりも小さい。
上記式(10)、図20Bおよび図20Cに示すように、局部発振信号と、受信された反射RF信号との間には時間差2Rmax/cがあり、レーダ装置からの目標の距離が遠くなるほど、位相雑音の差が大きくなって位相雑音の影響が大きくなる。
第1のモジュール1−nMDLは、下記式(23)の関係に従って位相雑音を抑圧する第1の局部発振信号生成部1−6−1を有しており、図19Bに示したように、位相雑音を所望のレベル以下に抑圧する。下記式(23)において、Δφnisは位相雑音差分の許容上限値である。位相雑音の差分がΔφnisよりも大きい場合、位相雑音の影響を抑圧できていない。

Figure 0006840308
例えば、送信側と受信側で異なる局部発振信号が用いられた場合、上記式(22)の右辺に示すように、送信側と受信側で局部発振信号の特性が異なるため、位相雑音の影響を抑圧できず、目標検出性能が劣化する。なお、互い異なる局部発振信号を、位相雑音差分がΔφnis以下となるように調整してもよいが、この調整を行うことによりコストが増大する。このため、上記式(23)の関係に従って位相雑音を抑圧する第1の局部発振信号生成部1−6−1は、有用性がある。
さらに、第1の局部発振信号生成部1−6−1が、第1の受信部11によって受信された反射RF信号のダウンコンバートに第1の局部発振信号を用いることに加え、位相雑音による損失Pφnisに基づいてレーダパラメータを設定することにより、所望の位相雑音を抑圧することが可能になる。すなわち、第1の局部発振信号生成部1−6−1は、変調帯域B、サンプリング周波数fおよび最大探知距離Rmaxといったレーダパラメータを調整して、所望の位相雑音による損失Pφnisが閾値Pφnis,TH以下になるように位相雑音を抑圧する。
例えば、第1の局部発振信号生成部1−6−1は、上記式(23)を満たすため、下記式(24)、下記式(25)、下記式(26)および下記式(27)を満たすレーダパラメータとして、変調帯域B、サンプリング周波数f、およびサンプリング周波数fの曖昧さがなく計測可能な距離Ramb,fsを設定する。ここで、Pφnis,THは、位相雑音による損失Pφnisの閾値であり、fb,Rmaxは、最大探知距離Rmaxのビート周波数、Pφnis(fb,Rmax,f)は、最大探知距離Rmaxのビート周波数fb,Rmaxおよびサンプリング周波数fである場合の位相雑音による損失である。下記式(24)は、第1の局部発振信号生成部1−6−1が所望の性能を満たすための、変調帯域Bとサンプリング周波数fの関係を示している。下記式(25)は、第1の局部発振信号生成部1−6−1が所望の性能を満たすための、最大探知距離Rmaxとサンプリング周波数fの曖昧さがなく計測可能な距離Ramb,fsとの関係を示している。下記式(26)は、第1の局部発振信号生成部1−6−1が所望の性能を満たすための、最大探知距離Rmaxのビート周波数fb,Rmaxとサンプリング周波数fとの関係を示している。下記式(27)は、第1の局部発振信号生成部1−6−1が所望の性能を満たすための、位相雑音による損失Pφnisの閾値Pφnis,THと最大探知距離Rmaxのビート周波数fb,Rmaxおよびサンプリング周波数fとの関係を示している。下記式(28)は、第1の局部発振信号生成部1−6−1が所望の性能を満たすための、最大探知距離Rmaxのビート周波数fb,Rmaxと最大探知距離Rmaxとの関係を示している。下記式(29)は、第1の局部発振信号生成部1−6−1が所望の性能を満たすための、サンプリング周波数fとサンプリング周波数fの曖昧さがなく計測可能な距離Ramb,fsとの関係を示している。
実施の形態1に係るレーダ装置は、上記式(9)に示したように、送信RF信号と同様に、反射RF信号をダウンコンバートするために周波数変調された第1の局部発振信号を用いるため、変調帯域Bよりサンプリング周波数fを低くすることが可能である。
また、変調帯域B以上のサンプリング周波数fを用いた場合、第1の局部発振信号と距離分解能以上の距離にある目標からの反射RF信号(第1の送信信号の反射信号)とは、相関が低くなり、位相雑音の影響が増大する。従って、第1の局部発振信号生成部1−6−1が、下記式(24)に従ってサンプリング周波数fを低くして、上記両信号の相関が高くなるように、レーダパラメータを設定することで、最大探知距離Rmax以下にある目標からの反射RF信号の位相雑音による損失を抑圧することができる。
>f ・・・(24)
max<Ramb,fs ・・・(25)
b,Rmax≦f ・・・(26)
φnis,TH≧Pφnis(fb,Rmax,f) ・・・(27)
b,Rmax=(2B/cT)Rmax ・・・(28)
=(2B/cT)Ramb,fs ・・・(29)
図21は、位相雑音による損失とビート周波数との関係を示す図である。図21において、サンプリング周波数fs,Hは、上記式(26)および上記式(27)を満たさない高いサンプリング周波数であり、サンプリング周波数fs,Lは、上記式(26)および上記式(27)を満たさない低いサンプリング周波数である。サンプリング周波数fs,Hであるときのビート周波数fは、図21において符号Faを付して示すように、上記(26)は満たすが、上記式(27)は満たさない。これにより、図21において二点鎖線で示すように、最大探知距離Rmaxのビート周波数fb,Rmaxであるときの位相雑音による損失Pφnis(fs,H)が、位相雑音による損失の閾値Pφnis,TH以上になる。このようにサンプリング周波数fが高くなるにつれてビート周波数fが高くなるので、第1の局部発振信号と反射RF信号(第1の送信信号の反射信号)との相関が低くなるという問題がある。
一方、図21において一点鎖線で示すように、サンプリング周波数fs,Lを低くしたときのビート周波数fは、上記(26)は満たさないが、上記式(27)は満たし、短距離であるため、第1の局部発振信号と反射RF信号(第1の送信信号の反射信号)との相関が高くなる。
第1の局部発振信号生成部1−6−1が、レーダパラメータの値を、上記式(26)および上記式(27)を満たす、図21において符号Fで示す領域内の値となるように設定することで、図21において符号Fbで示す位相雑音による損失が閾値Pφnis,TH以下となり、すなわち、上記式(23)を満たすようになる。これにより、所望の位相雑音の抑圧が得られ、目標検出性能が向上または維持されたレーダ装置を得ることができる。
次に、実施の形態1に係るレーダ装置を車両に搭載したときのモジュール配置について説明する。以下では、実施の形態1に係るレーダ装置が、第1のモジュール1−1、第2のモジュール2−1〜2−4または2−1〜2−5、および第3のモジュール3−1,3−2を備えるものとする。
図22は、第1のモジュール1−1、第2のモジュール2−1〜4および第3のモジュール3−1,3−2についての車両40への第1の配置例を示す図である。図22に示す第1の配置例では、車両40のフロントガラス付近に、第3のモジュール3−1、第2のモジュール2−1、第2のモジュール2−2、第1のモジュール1−1、第2のモジュール2−3、第2のモジュール2−4および第3のモジュール3−2が、この順で直線状に配置されている。
図23は、第1のモジュール1−1、第2のモジュール2−1〜2−5および第3のモジュール3−1,3−2についての車両40への第2の配置例を示す図である。図23に示す第2の配置例では、車両40のフロントガラス付近に第3のモジュール3−1が配置され、車両40のバンパーに、第3のモジュール3−1、第2のモジュール2−1〜2−5および第3のモジュール3−2が、この順で直線状に配置されている。
図24は、第1のモジュール1−1、第2のモジュール2−1〜2−5および第3のモジュール3−1,3−2についての車両40への第3の配置例を示す図である。図24に示す第3の配置例では、車両40の正面のエンブレム部分に第1のモジュール1−1が配置され、車両40のフロントガラス付近に、第3のモジュール3−1、第2のモジュール2−1〜2−5および第3のモジュール3−2が、この順で直線状に配置されている。
図25は、第1のモジュール1−1、第2のモジュール2−1〜2−4および第3のモジュール3−1,3−2についての車両40への第4の配置例を示す図である。図25に示す第4の配置例では、車両40のフロントガラス付近に、第2のモジュール2−1、第2のモジュール2−2、第1のモジュール1−1、第2のモジュール2−3および第2のモジュール2−4が、この順で直線状に配置されている。さらに、第3のモジュール3−1および第3のモジュール3−2が、車両40のバンパーに配置されている。
実施の形態1に係るレーダ装置は、モジュール配置の自由度が高いので、図22、図23、図24および図25に示すように、複数のモジュールを分散して配置することが可能である。すなわち、全てのモジュールが一体となった構成に比べて、実施の形態1に係るレーダ装置は、車両の大きさまたは様々な配置場所に対応することが可能である。また、所望の仕様に応じて、例えば、角度分解能に応じてそれぞれのモジュールの数を設定することが可能である。
次に、実施の形態1に係るレーダ装置のハードウェア構成について説明する。
第1のモジュール1−nMDLにおける第1の送信部10、第1の受信部11および第1の信号処理器12の機能、第2のモジュール2−nRxExにおける第2の受信部20および第2の信号処理器21の機能および第3のモジュール3−nTxExにおける第3の送信部30の機能は、処理回路により実現される。すなわち、実施の形態1に係るレーダ装置は、図4に示したステップST1からステップST8までの処理を実行するための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。
図26Aは、実施の形態1に係るレーダ装置の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図26Bは、実施の形態1に係るレーダ装置の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。図26Aおよび図26Bにおいて、アンテナ100は、第1の送信部10が備えるアンテナ1−2−nTx、第1の受信部11が備えるアンテナ1−7−nRx,nMDL、第2の受信部20が備えるアンテナ2−7−nRx,nRxExまたは第3の送信部30が備えるアンテナ3−2−nTx,nTxExである。表示器101は、図1に示した表示器9である。
入出力インタフェース102は、信号バス104を介して、アンテナ100と、送信機1−3−nTx、受信機1−8−nRx,nMDL、受信機2−8−nRx,nRxExまたは送信機3−3−nTx,nTxExとの間の信号のやり取りを中継する。また、入出力インタフェース102は、信号バス104を介して、表示器101と第1の信号処理器12との間の信号のやり取りを中継する。
処理回路が図26Aに示す専用のハードウェアの処理回路103である場合、処理回路103は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。第1のモジュール1−nMDLにおける第1の送信部10、第1の受信部11および第1の信号処理器12の機能を別々の処理回路で実現してもよく、これらの機能をまとめて1つの処理回路で実現してもよい。また、第2のモジュール2−nRxExにおける第2の受信部20および第2の信号処理器21の機能を別々の処理回路で実現してもよく、これらの機能をまとめて1つの処理回路で実現してもよい。さらに、第3のモジュール3−nTxExにおける第3の送信部30の機能を、別々の処理回路で実現してもよく、これらの機能をまとめて1つの処理回路で実現してもよい。
処理回路が図26Bに示すプロセッサ105である場合、第1のモジュール1−nMDLにおける第1の送信部10、第1の受信部11および第1の信号処理器12の機能、第2のモジュール2−nRxExにおける第2の受信部20および第2の信号処理器21の機能および第3のモジュール3−nTxExにおける第3の送信部30の機能のそれぞれは、ソフトウェア、ファームウェアまたはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。なお、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述されてメモリ106に記憶される。
プロセッサ105は、メモリ106に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、第1のモジュール1−nMDLにおける第1の送信部10、第1の受信部11および第1の信号処理器12の機能、第2のモジュール2−nRxExにおける第2の受信部20および第2の信号処理器21の機能および第3のモジュール3−nTxExにおける第3の送信部30の機能をそれぞれ実現する。例えば、各モジュールの機能は、プロセッサ105によって実行されたときに、図4に示したフローチャートにおける、ステップST1からステップST8までの処理が結果的に実行されるプログラムを記憶するためのメモリ106を備える。これらのプログラムは、第1のモジュール1−nMDL、第2のモジュール2−nRxExおよび第3のモジュール3−nTxExの手順または方法を、コンピュータに実行させる。メモリ106は、コンピュータを、第1のモジュール1−nMDL、第2のモジュール2−nRxExおよび第3のモジュール3−nTxExとして機能させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
メモリ106は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically−EPROM)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどが該当する。
第1のモジュール1−nMDLにおける第1の送信部10、第1の受信部11および第1の信号処理器12の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、第1の送信部10および第1の受信部11は、専用のハードウェアである処理回路103で機能を実現し、第1の信号処理器12は、プロセッサ105が、メモリ106に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、機能を実現する。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせにより上記機能を実現することができる。
以上のように、実施の形態1に係るレーダ装置において、第1のモジュール1−1が、第1の局部発振信号を用いて、受信された反射RF信号から、受信ビート信号を生成し、第2のモジュール2−1が、第1の局部発振信号と同期している第2の局部発振信号を用いて、受信された反射RF信号から受信ビート信号を生成し、第1の信号処理器12が、第1のモジュール1−1によって生成された受信ビート信号と、第2のモジュール2−1によって生成された受信ビート信号とに基づくコヒーレント積分で得られた信号を用いて目標の角度を算出する。これにより、目標の検出精度を保ちつつ目標の角度分解能を高めることができる。
実施の形態1に係るレーダ装置において、第1のモジュール1−1は、複数の送信チャンネルおよび複数の受信チャンネルを有する。第1の信号処理器12は、チャンネル間の位相差に基づいてコヒーレント積分を行う。第3のモジュール3−1は、第1のモジュール1−1と第2のモジュール2−1との位置関係によって生じた到来位相差に基づいて、コヒーレント積分を行う。これらの積分を行うことで、目標の検出精度を保ちつつ目標の角度分解能を高めることができる。
実施の形態1において、第1のモジュール1−nMDLを用いて目標候補を検出し、第2のモジュール2−nRxExおよび第3のモジュール3−nTxExを用いて目標の角度分解能を向上させたレーダ装置を示したが、これに限定されるものではない。例えば、レーダ装置は、第1のモジュール1−nMDLおよび第2のモジュール2−nRxExのみを備えてもよく、第1のモジュール1−nMDLおよび第3のモジュール3−nTxExのみを備えてもよい。さらに、第1のモジュール1−nMDLの受信信号と第2のモジュール2−nRxExの受信信号とを合成して、目標の角度分解能をさらに向上させてもよい。
実施の形態2.
図27は、実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。実施の形態2に係るレーダ装置は、実施の形態1に係るレーダ装置とは異なって第2のモジュール2−nRxExを備えておらず、図27に示すように、第1のモジュール1−nMDL、第3のモジュール3−nTxExおよび表示器9を備えて構成される。
図28は、実施の形態2に係るレーダ装置の動作を示すフローチャートであって、実施の形態2に係るレーダ装置による信号処理方法を示している。
まず、第1のモジュール1−nMDLが備える第1の送信部10が、空間に送信RF信号を放射する(ステップST1h)。空間に物体が存在すると、この物体で送信RF信号が反射されてレーダ装置に戻ってくる。第1のモジュール1−nMDLが備える第1の受信部11は、送信RF信号の反射RF信号を受信して、第1の局部発振信号を用いて反射RF信号から受信ビート信号を生成する(ステップST2h)。この受信ビート信号が、目標の検出に用いられる第1の受信信号である。
次に、第1の信号処理器12は、第1の受信部11から入力した受信ビート信号を用いて、第1のモジュール1−1における送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの目標候補の距離および速度に基づいた第1の信号を生成する。第1の信号処理器12は、生成された第1の信号に対してインコヒーレント積分を行い、インコヒーレント積分で得られた信号の強度に基づいて目標候補の距離および速度を算出する(ステップST3h)。
続いて、第1の信号処理器12が、各目標候補についての第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの第1の信号に対して、目標候補の到来角度候補に対応する到来位相差に基づいてコヒーレント積分を行う(ステップST4h)。
次に、第1のモジュール1−nMDLが備える第1の送信部10が、空間に送信RF信号を放射し、第3のモジュール3−nTxExが備える第3の送信部30が、空間に送信RF信号を放射する(ステップST5h)。第3の送信部3によって送信される送信RF信号が、第3の送信信号である。
第1のモジュール1−nMDLが備える第1の受信部11が、第1の送信部10によって送信された送信RF信号の反射RF信号を受信し、第3の送信部30によって送信された送信RF信号の反射RF信号を受信する。そして、第1の受信部11は、図13Aと同様の手順で、第1の局部発振信号を用いて、第1の送信部10から送信された送信RF信号の反射RF信号から第1の受信ビート信号を生成する。さらに、第1の受信部11は、図13Aと同様の手順で、第3の送信部30から送信された送信RF信号の反射RF信号から第3の受信ビート信号を生成する(ステップST6h)。第1の受信ビート信号は、目標の角度の算出に用いられる第1の受信信号であり、第3の受信ビート信号は、目標の角度の算出に用いられる第3の受信信号である。
第1の信号処理器12は、図14のステップST1gおよびステップST2gと同様の手順で、第1の受信ビート信号を用いて、第1のモジュール1−nMDLの送信チャンネルごとおよび受信チャンネルごとの各目標候補の距離および速度に基づいた第4の信号を生成する。さらに、第1の信号処理器12は、図14のステップST1gおよびステップST2gと同様の手順で、第3の受信ビート信号を用いて、第3のモジュール3−nTxExの送信チャンネルごとおよび第1のモジュール1−nMDLの受信チャンネルごとの各目標候補の距離および速度に基づいた第3の信号を生成する。
第1の信号処理器12は、図14のステップST3gと同様の手順で、各目標候補についての第3の信号および第4の信号に対し、目標候補の到来角度候補に対応する到来位相差に基づいてコヒーレント積分を行う(ステップST7h)。最後に、第1の信号処理器12は、各目標候補についてのコヒーレント積分で得られた信号を用いて、目標候補の角度を算出する(ステップST8h)。第1の信号処理器12によって算出された目標候補の角度に関する情報は、表示器9に表示される。
以上のように、実施の形態2に係るレーダ装置において、第1のモジュール1−nMDLが、第1の局部発振信号を用いて、第1のモジュール1−nMDLから送信された送信RF信号の反射RF信号および第3のモジュール3−nTxExから送信された送信RF信号の反射RF信号から、受信ビート信号をそれぞれ生成する。第1の信号処理器12が、第1のモジュール1−nMDLによって生成された受信ビート信号を用いて目標を検出し、第1のモジュール1−nMDLによって、第1のモジュール1−nMDLから送信された送信RF信号の反射RF信号から生成された受信ビート信号と、第1のモジュール1−nMDLによって、第3のモジュール3−nTxExから送信された送信RF信号の反射RF信号から生成された受信ビート信号に基づくコヒーレント積分で得られた信号を用いて、目標の角度を算出する。これにより、目標の検出精度を保ちつつ目標の角度分解能を高めることができる。なお、目標の検出後、第1のモジュール1−nMDLと第3のモジュール3−nTxExが送信RF信号を送信する場合を示したが、目標の検出後に、第3のモジュール3−nTxExのみが送信RF信号を送信してもよい。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、実施の形態のそれぞれの自由な組み合わせまたは実施の形態のそれぞれの任意の構成要素の変形もしくは実施の形態のそれぞれにおいて任意の構成要素の省略が可能である。
本発明に係るレーダ装置は、目標の検出精度を保ちつつ目標の角度分解能を高めることができるので、例えば、車両の障害物検出装置に利用可能である。
1−1,1−nMDL 第1のモジュール、1−1−1,1−1−2 送信RF信号、1−2−1,1−2−2,1−7−1〜1−7−NRx,nMDL,2−7−1〜2−7−NRx,nRxEx,3−2−1,100 アンテナ、1−3−1,1−3−2,3−3−1 送信機、1−4−1 送信切替部、1−5−1,3−5−1 符号変調部、1−6−1 第1の局部発振信号生成部、1−8−1〜1−8−NRx,nMDL,2−8−1〜2−8−NRx,nRxEx 受信機、1−9−1〜1−9−NRx,nMDL,2−9−1〜2−9−NRx,nRxEx A/D変換器、2−1〜2−5,2−nRxEx 第2のモジュール、2−6−1 第2の局部発振信号生成部、3−1,3−2,3−nTxEx 第3のモジュール、3−6−1 第3の局部発振信号生成部、9,101 表示器、10 第1の送信部、11 第1の受信部、12 第1の信号処理器、20 第2の受信部、21 第2の信号処理器、30 第3の送信部、40 車両、102 入出力インタフェース、103 処理回路、104 信号バス、105 プロセッサ、106 メモリ、120 第1の分離部、121 第1の信号生成部、122 インコヒーレント積分部、123 目標候補検出部、124 第1のコヒーレント積分部、125 第2のコヒーレント積分部、126 角度算出部、150〜153,160〜163 モジュール、150a,153a,160a,163a 送信部、150b,160b〜163b 局部発振信号生成器、151a,152a,161a,162a 受信部、210 第2の分離部、211 第2の信号生成部。

Claims (24)

  1. 第1の局部発振信号を用いて第1の送信信号を生成し、前記第1の送信信号を送信し、前記第1の送信信号の反射信号を受信して、前記第1の局部発振信号を用いて、受信された反射信号から第1の受信信号を生成する第1のモジュールと、
    前記第1の送信信号の反射信号を受信し、前記第1の局部発振信号と同期している第2の局部発振信号を用いて、受信された反射信号から第2の受信信号を生成する第2のモジュールと、
    前記第1の受信信号を用いて目標を検出し、前記目標に対して前記第1の受信信号と前記第2の受信信号に基づくコヒーレント積分で得られた信号を用いて、前記目標の角度を算出する信号処理器と、
    を備えたことを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記信号処理器は、前記第1の受信信号を用いて距離と速度に基づく第1の信号を生成し、前記第1の信号の信号強度に基づいて前記目標の距離および速度を検出し、検出された前記目標の距離および速度に対して、前記第1の受信信号と前記第2の受信信号に基づくコヒーレント積分を行うこと
    を特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記信号処理器は、前記第1の信号の信号強度に基づいて、前記目標の距離のビン番号および速度のビン番号を特定し、それぞれのビン番号に対応する距離および速度に対して、前記第1の受信信号と前記第2の受信信号に基づくコヒーレント積分を行うこと
    を特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
  4. 前記信号処理器は、前記第1のモジュールと前記第2のモジュールの位置関係によって生じた到来位相差に基づいて前記第1の受信信号と前記第2の受信信号とのコヒーレント積分を行うこと
    を特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
  5. 前記信号処理器は、前記第1のモジュールによって生成された受信信号を用いて、前記目標の距離および速度に基づいた第1の信号を生成し、当該第1の信号に対してインコヒーレント積分を行い、インコヒーレント積分で得られた信号の強度に基づいて前記目標を検出すること
    を特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  6. 前記第1のモジュールは、1以上の送信チャンネルおよび1以上の受信チャンネルを有し、
    前記信号処理器は、チャンネル間の位相差に基づいて、前記第1の信号に対してコヒーレント積分を行うこと
    を特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
  7. 送信信号を送信する機能を有し、前記第1の局部発振信号と同期している第3の局部発振信号を用いて第3の送信信号を生成する第3のモジュールを備え、
    前記第1のモジュールは、前記第3の送信信号の反射信号を受信して、前記第1の局部発振信号を用いて、受信された前記第3の送信信号の反射信号から第3の受信信号を生成し、
    前記信号処理器は、前記目標に対して、前記第2の受信信号と前記第3の受信信号、または、前記第2の受信信号と前記第3の受信信号と前記第1の受信信号とに基づくコヒーレント積分で得られた信号を用いて、前記目標の角度を算出すること
    を特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  8. 前記第2のモジュールは、1以上であることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  9. 前記第3のモジュールは、1以上であることを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
  10. 第1の局部発振信号を用いて第1の送信信号を生成し、前記第1の送信信号を送信し、送信信号の反射信号を受信して、前記第1の局部発振信号を用いて、受信された反射信号から第1の受信信号を生成する第1のモジュールと、
    前記第1の局部発振信号と同期している第3の局部発振信号を用いて第3の送信信号を生成する第3のモジュールと、
    目標の角度を算出する信号処理器と、
    を備え、
    前記第1のモジュールは、前記第3の送信信号の反射信号を受信して、前記第1の局部発振信号を用いて第3の受信信号を生成し、
    前記信号処理器は、前記第1の受信信号を用いて前記目標を検出し、前記目標に対して前記第1の受信信号と前記第3の受信信号に基づくコヒーレント積分で得られた信号を用いて、前記目標の角度を算出すること
    を特徴とするレーダ装置。
  11. 前記信号処理器は、前記第1の受信信号を用いて距離と速度に基づく第1の信号を生成し、前記第1の信号の信号強度に基づいて前記目標の距離および速度を検出し、検出された前記目標の距離および速度に対して前記第1の受信信号と前記第3の受信信号に基づくコヒーレント積分を行うこと
    を特徴とする請求項10記載のレーダ装置。
  12. 前記信号処理器は、前記第1の信号の信号強度に基づいて、前記目標の距離のビン番号および速度のビン番号を特定し、それぞれのビン番号に対応する距離および速度に対して、前記第1の受信信号と前記第3の受信信号に基づくコヒーレント積分を行うこと
    を特徴とする請求項11記載のレーダ装置。
  13. 前記信号処理器は、前記第1のモジュールと前記第3のモジュールの位置関係によって生じた到来位相差に基づいて前記第1の受信信号と前記第3の受信信号とのコヒーレント積分を行うこと
    を特徴とする請求項11記載のレーダ装置。
  14. 前記信号処理器は、前記第1のモジュールによって生成された受信信号を用いて、前記目標の距離および速度に基づいた第1の信号を生成し、前記第1の信号に対してインコヒーレント積分を行い、インコヒーレント積分で得られた信号の強度に基づいて前記目標を検出すること
    を特徴とする請求項10記載のレーダ装置。
  15. 前記第1のモジュールは、1以上の送信チャンネルおよび1以上の受信チャンネルを有し、
    前記信号処理器は、チャンネル間の位相差に基づいて、前記第1の信号に対してコヒーレント積分を行うこと
    を特徴とする請求項11記載のレーダ装置。
  16. 前記第3のモジュールは、1以上であることを特徴とする請求項10記載のレーダ装置。
  17. 前記第1のモジュールは、前記第1の局部発振信号を用いて、複数の送信信号を各々の送信信号に分離するための変調を施し、変調が施された複数の送信信号を送信すること
    を特徴とする請求項6、請求項8、請求項9、請求項15または請求項16のいずれか1項記載のレーダ装置。
  18. 変調は、時分割、符号分割、周波数分割、時分割および符号分割、または周波数分割および符号分割であること
    を特徴とする請求項17記載のレーダ装置。
  19. 前記第3のモジュールは、前記第3の局部発振信号を用いて、複数の送信信号を各々の送信信号に分離するための変調を施し、変調が施された複数の送信信号を送信すること
    を特徴とする請求項7または請求項10記載のレーダ装置。
  20. 変調は、時分割、符号分割、周波数分割、時分割および符号分割、または周波数分割および符号分割であること
    を特徴とする請求項19記載のレーダ装置。
  21. 前記第1のモジュールは、位相雑音による損失に基づいてレーダパラメータを設定して、前記第1の局部発振信号を生成すること
    を特徴とする請求項1または請求項10記載のレーダ装置。
  22. 第1の局部発振信号を用いて第1の送信信号を生成し、前記第1の送信信号を送信し、前記第1の送信信号の反射信号を受信する第1のモジュール、前記第1の送信信号の反射信号を受信する第2のモジュール、および目標の角度を算出する信号処理器を備えたレーダ装置の信号処理方法であって、
    前記第1のモジュールが、前記第1の局部発振信号を用いて、受信された反射信号から第1の受信信号を生成するステップと、
    前記第2のモジュールが、前記第1の局部発振信号と同期している第2の局部発振信号を用いて、受信された反射信号から第2の受信信号を生成するステップと、
    前記信号処理器が、前記第1の受信信号を用いて前記目標を検出し、前記目標に対して前記第1の受信信号と前記第2の受信信号に基づくコヒーレント積分で得られた信号を用いて、前記目標の角度を算出するステップと、
    を備えたことを特徴とする信号処理方法。
  23. 第1の局部発振信号を用いて第1の送信信号を生成し、前記第1の送信信号を送信し、送信信号の反射信号を受信して、前記第1の局部発振信号を用いて、受信された反射信号から第1の受信信号を生成する第1のモジュール、前記第1の局部発振信号と同期している第3の局部発振信号を用いて第3の送信信号を生成する第3のモジュール、および目標の角度を算出する信号処理器を備えたレーダ装置の信号処理方法であって、
    前記第1のモジュールが、前記第3の送信信号の反射信号を受信して、前記第1の局部発振信号を用いて第3の受信信号を生成するステップと、
    前記信号処理器が、前記第1の受信信号を用いて前記目標を検出し、前記目標に対して前記第1の受信信号と前記第3の受信信号に基づくコヒーレント積分で得られた信号を用いて、前記目標の角度を算出するステップと、
    を備えたことを特徴とする信号処理方法。
  24. 前記第1のモジュールは、位相雑音による損失に基づいてレーダパラメータを設定して、前記第1の局部発振信号を生成すること
    を特徴とする請求項22または請求項23記載の信号処理方法。
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