JP6839127B2 - 圧力センサ、圧力センサの製造方法 - Google Patents

圧力センサ、圧力センサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧力センサ、圧力センサの製造方法に関する。
様々な技術分野において、圧力を感知する圧力センサが使用されている。圧力センサは、モバイル端末やロボット等に使用されるものがある。このような用途の圧力センサには、比較的狭い範囲に設置できる、つまり設置面積が小さいことが好ましい。また、圧力センサには、圧力を受けた位置を高精度に検出することが要求されている。
圧力センサの公知例は、例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載されている。特許文献1に記載のロボットハンドの制御装置は、ロボットにおけるワークの把持部とワークとの接触圧力を検出することに使用される圧力検出センサを有している。また、特許文献2には複数の感応センサを並列に接続して着座センサを構成することが記載されている。特許文献3には、一対の絶縁フィルム間に接点部が開口するスペーサが設けられ、この開口の対向面にそれぞれ電極が形成されたメンブレインスイッチが記載されている。さらに、接点部の少なくとも一方の絶縁フィルムの外面には突出部が設けられていることが記載されている。
特開平7−186078号公報 特開2003−65865号公報 特開2000−222982号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、複数個所で接触圧力を検出し、縦、横、斜めといった直線上に並ぶ複数の接触圧力のいずれかのみが所定の値以上であるか否かを判断している。このため、特許文献1に記載の発明にあっては複数の方向に複数個の圧力センサが必要になるので、圧力センサの設置面積が大きくなる。
また、特許文献2に記載の発明は、複数の圧力センサを自動車の助手席に設け、この圧力センサの各々が検出した電気抵抗値が全体の合計抵抗に与える影響を小さくすることによって人の着座を誤検出することを防いでいる。このため、特許文献2に記載の発明も圧力センサの設置面積を問題にするものではない。
さらに、特許文献3に記載の発明は、比較的小さい値の荷重に対しても抵抗値が大きく変動し、比較的小さい圧力を高い感度で測定できる一方で、大きい圧力の測定には効果がなく測定のダイナミックレンジが狭いという欠点がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、測定可能な圧力の範囲(測定レンジ)が広く、設置面積を小さくすることに有利な圧力センサ及び圧力センサの製造方法に関する。
本発明の圧力センサは、電極と、前記電極に対向して配置される導電膜と、を有するセンサユニットが前記電極に対する前記導電膜の配置方向に複数重ねられ、複数の前記センサユニットに電気信号を入力する共通の入力配線と、複数の前記センサユニットから電気信号を出力する共通の出力配線と、が形成されている配線シートと、を有する、
また、本発明の圧力センサの製造方法は、複数の電極と、前記複数の電極の少なくとも一部に対応する導電膜と、を有するセンサユニットと、複数の前記センサユニットに電気信号を入力する共通の入力配線と、複数の前記センサユニットから電気信号を出力する共通の出力配線と、を配線シート上に形成する工程と、前記配線シートを折り畳むことによって前記センサユニット同士を重ねる工程と、を含む。
本発明は、測定可能な圧力の範囲(測定レンジ)が広く、設置面積を小さくすることに有利な圧力センサ及び圧力センサの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の圧力センサを説明するための模式的な断面図である。 (a)は図1に示した圧力センサのセンサユニットの模式的な上面図、(b)はセンサユニットの模式的な断面図である。 (a)は変形例のセンサユニットの断面図である。(b)は(a)のセンサユニットを折り畳むことを説明するための図である。(c)は(b)を折り畳んだ構成の断面図である。 図1、図2に示したスタック回路を複数並列に接続した圧力センサの上面図である。 図4に示した圧力センサの等価回路を示した図である。 (a)、(b)、(c)は、本実施形態の圧力センサの製造方法を説明するための図である。 (a)、(b)、(c)は、本実施形態の他の圧力センサの製造方法を説明するための図である。 (a)、(b)、(c)は、本実施形態の圧力センサの製造方法の他の例を説明するための図である。 本発明の一実施形態の変形例1を説明するための図である。 本発明の一実施形態の変形例2を説明するための図である。 本発明の実施例を説明するための図であって、(a)、(b)はセンサユニットを重ね合わせたことによる効果の検証結果を示した図である。 本発明の実施例を説明するための図であって、(a)、(b)は重ね合わされたセンサユニットの抵抗に関する特性を違えたことによる効果の検証結果を示した図である。 本発明の実施例を説明するための図であって、(a)〜(c)は重ね合わされたセンサユニットを並列または直列に接続したことによる効果の検証結果を示した図である。
[概要]
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。本実施形態の圧力センサは、基本的に、可撓性を有する材料をシート状にしたシート状の配線基板(以下、「配線シート」と記す)に配線層を形成し、ここに電子部品を搭載して構成される。本実施形態は、搭載される電子部品を配線シート上に形成し、電子部品を配線シートに作り込んでいる。本実施形態では、圧力センサの配線シートを基準(最下層)とし、配線シートに近い側から遠い側に向かって順に下方から上方にあるものとして説明する。このような本実施形態でいう上下方向は、必ずしも上下方向と一致するものではない。
また、「シート状」は、センサユニットが形成されるセンサユニットの形成面(上面)及び上面に対する裏面(下面)に比べて側面の面積が可撓性を有するほどに小さい薄板状、あるいは膜状であることを指す。シート状であることに厚さの規定はない。
図1は、本実施形態の圧力センサ1を説明するための模式的な断面図である。図2(a)、図2(b)は、図1に示したセンサユニットU1、U2を拡大して示し、説明するための模式図である。図2(a)は圧力センサ1のセンサユニットU1の模式的な上面図、図2(b)はセンサユニットU1、U2の断面を図2(a)中の矢線2b−2bの方向に見た模式的な断面図である。
図1、図2に示したように、圧力センサ1は、所定の距離だけ離されて配置される二つの電極19a、19bと、電極19a、19bに対向して配置される導電膜15と、を有するセンサユニットU1、U2が電極19a、19bに対する導電膜15の配置方向に複数(二つ)重ねられている。そして、図2(b)に示すように、圧力センサ1は、二つのセンサユニットU1、U2に電気信号を入力する共通の入力配線21と、複数のセンサユニットU1、U2から電気信号を出力する共通の出力配線22と、を有する(図4)配線シート10と、を有している。センサユニットU1、U2は、同様の構成を有している。
図2(a)、図2(b)に示したセンサユニットU1、U2は、互いに重ね合わされると共に、入力配線21、出力配線22を共用することから一つの検出信号(以下、「感圧信号」)を出力する回路を構成する。このような回路を、本実施形態では以降「スタック回路S」とも記す。スタック回路Sは、配線シート10上に複数設けられている。本実施形態では、配線シート10上に形成されているセンサユニットU1、U2の全てがスタック回路Sに限定されるものでなく、他の構成の素子が配線シート10上に存在するものであってもよい。
また、図1に示したように、圧力センサ1は、電極19a、19bが配線シート上に形成されている。このことから、圧力センサ1は配線シート10上に作り込まれるように構成される。このため、本実施形態は、スタック回路Sの薄型化に有利な構成となっている。
複数のセンサユニットU1、U2の一部は、電極19a、19bの少なくとも一部に重なる突起17aを備えている。図1に示した例では、突起17aがセンサユニットU1の側にあって、センサユニットU1の電極19a、19b上に荷重が集中するようになっている。このような例では、センサユニットU1が突起17aを備えるものになる。また、図1に示した圧力センサ1では、突起17aが、複数重ねられたセンサユニットU1、U2のうちの複数(2つ)に対応して一つ設けられているということができる。複数のセンサユニットU1、U2に対応して突起17aを一つ設ける構成は、スタック回路Sにおける突起17aの個数を低減してスタック回路Sを薄くすることに有利である。
また、突起17aの形状に規制はなく、突起17aは適宜四角柱、円柱、略球体等、任意の形状に形成される。したがって、突起17aのうちセンサユニットに対して外部からの押圧力を伝達する側の端面(図1では下端側の端面。以下、「突起端面」と記す)170の形状も任意である。
本実施形態の突起17aは、ベース部17bから上に形成された突起であって、ベース部17bは、突起17aを射出成形した場合に生じる部材である。突起17aとベース部17bを合わせた構成を電極押圧材17と記す。突起端面170は、突起17aとベース部17bとの境界にあたる仮想面である。
ただし、本実施形態は、図1、図2(b)のようにセンサユニットU1、U2が同じ向きに重ねられるものに限定されず、センサユニットU1、U2は配線シート10または導電膜15のどちらかを内側に配置して反対向きに重ねられてもよい。
図3(a)は、配線シート10を内側に配置してセンサユニットU1、U2を反対向きに重ねる態様を示した図である。配線シート10を内側に配置する場合、センサユニットU1、U2が配線シート10を個別に有してもよいが、図3(a)に示すように1層の配線シート10をセンサユニットU1、U2で共有してもよい。これにより圧力センサの厚さを薄く形成することができる。厚さが薄い圧力センサ1にあっては、センサユニットU1、U2をさらに重ね合わせて設置面積を小さくすることに有利である。
図3(b)は、図3(a)に示した圧力センサを折り畳むことを示した図である。本実施形態は、図3(b)に示すように、図3(b)中に示した一点鎖線を境にして矢線dが示す方向に圧力センサを折り返すことによってさらに多くのセンサユニットU1、U2をスタックすることができる。図3(c)は、図3(a)に示した圧力センサを図3(b)に示したように折り返して作製される圧力センサの断面図である。なお、図3(c)に示した圧力センサにあっては、重ねられた導電膜15の間に絶縁シート16が設けられて二つのセンサユニットU1が導通することを防いでいる。また、図3(c)に示した圧力センサでは、最外層となる上下の導電膜15の任意の側に電極押圧材17を設けることができる。
また、導電膜15を内側に配置して上下両側からセンサユニットU1、U2で挟むように互いに対向させて反対向きに重ねる場合については図6(c)および図8(c)を参照して後述する。この場合、センサユニットU1、U2に対応する2つの導電膜15が電気的に短絡しないように絶縁シート16(図6(c)、図8(c)参照)を導電膜15同士の間に挿入するとよい。さらに、本実施形態は、配線シート10と導電膜15との位置関係が図1、図2に示した構成と反対になる(配線シート10が図1、図2において導電膜15より上になる)ようにセンサユニットU1とセンサユニットU2とを重ね合わせてもよい。
図1に示した例では、突起17aがセンサユニットU1、U2に対応して一つ設けられているが、本実施形態は、このような構成に限定されるものではない。突起17aは、複数重ねられたセンサユニットのうちの複数にそれぞれ設けられているものであってもよい。複数のセンサユニットU1、U2の各々に突起17aを設ける場合、突起17aは、重なり合ったセンサユニットU1、U2の外側に設けられるものであってもよいし、センサユニットU1、U2間、即ちスタック回路S内に設けられるものであってもよい。さらに、本実施形態は、センサユニットU1またはセンサユニットU2の一方の突起17aをスタック回路Sの外側、他方をスタック回路の内側に設けるものであってもよい。
突起17aは、上記いずれの構成であっても圧力センサ1にかかった押圧力を電極19a、19b上に確実に集中させて圧力センサ1の感度を高めることができる。
また、複数重ね合わされたスタック回路Sのセンサユニットに突起17aを複数形成する場合、複数の突起のうちの一部の突起端面170は、他の突起の突起端面170と大きさが異なるように構成してもよい。このようにすると、スタック回路Sを構成する複数のセンサユニットの抵抗に係る特性が相違するようになる。ここで、センサユニットの抵抗に係る特性とは、圧力センサ1が有する各種のパラメータのうち、センサユニットの電気抵抗値に影響を及ぼしうる物理的または化学的な特性をいう。
例えば、電極19a、19bと導電膜15とが一定の圧接応力(単位面積あたりの押圧力)で均一に押圧されることを前提として、電極19a、19bと導電膜15との接触面積を増減変化させることを考える。この場合、接触面積が大きくなると電極19a、19bと導電膜15との間で導電しやすくなるため、センサユニットの抵抗は小さくなる。反対に電極19a、19bと導電膜15との接触面積が小さくなると、センサユニットの抵抗は大きくなる。したがって、電極19a、19bと導電膜15との接触面積、および当該接触面積に影響を及ぼすパラメータは、「センサユニットの抵抗に係る特性」の一例となる。このように、スタック回路Sに含まれるセンサユニットU1、U2の抵抗に係る特性を変えることの意義については後述する。
圧力センサ1は、上記構成に加えて、絶縁層13を有している。図1、図2に示した圧力センサ1の絶縁層13は、電極19a、19bの形成領域の一部を除き、配線シート10の略全面を覆って入力配線21及び出力配線22を保護すると共に、その耐環境性を向上させている。絶縁層13は、電極19a、19b上に開口されていて、図1、図2中に絶縁層13の開口部O1を示す。開口部O1は、電極19a、19bが導電膜15と接触し得る領域である。したがって、図1、図2に示した圧力センサ1では、開口部O1の面積が大きいと電極19a、19bと導電膜15との抵抗値が小さくなる。したがって開口部O1の開口面積は、圧力センサ1の用途や適正な検出値の範囲に応じて決定される。
導電膜15と絶縁層13との間には、接着剤層11が形成され、押圧力が加わってないときの導電膜15と電極19a、19bとの離間を維持している。
次に、以上説明した構成について詳述する。
[配線シート]
本実施形態の配線シート10は、可撓性かつ絶縁性のフィルムであり、所謂フレキシブルプリント配線板である。上記絶縁性フィルムの材料の例としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、アラミド樹脂、ポリイミド、ポリイミドワニス、ポリアミドイミド、ポリアミドイミドワニス、またはフレキシブルシートガラス等が挙げることができるが、これに限定されない。
圧力センサ1の使用環境上の高温耐久性を考慮するならば、配線シート10の材料は、耐熱性の高いポリカーボネート、アラミドフィルム、ポリイミド、ポリイミドワニス、ポリアミドイミド、ポリアミドイミドワニス、またはフレキシブルシートガラス等がより好ましい。圧力センサ1の製造上、はんだ付け等のプロセスを提供する場合には、配線シート10の材料は、ポリイミドフィルム、ポリイミドワニスフィルム、ポリアミドイミドフィルムまたはポリアミドイミドワニスフィルムであることがさらに好ましい。配線シート10の厚みは特に限定されないが、例えば12.5μm以上、50μm以下の範囲とすることができる。配線シート10の厚みが、12.5μmを上回る場合、圧力センサ1の製造工程または使用の際に良好な耐久性を発揮し、また50μmを下回る場合、良好な可撓性が発揮され、配線シート10を曲面へ配置し、または屈曲させて良好に使用することができる。配線シート10は、上述したように、予めフィルム状に成形されたものでもよいし、または電極19a、19bの素材であるCu箔等に対しポリイミド系等の絶縁用ワニスをキャスト、塗工することで形成されたものであってもよい。例えば、圧力センサ1の耐久性及び高感度特性のいずれも良好にするという観点からは、配線シート10の厚みは、導電膜15の厚みよりも大きく設計するとよい。
[電極]
電極19a、19bは、面方向に所定の距離を空けて並列される一対の電極対である。電極19a、19bは、配線シート10の上に所望のパターン形状で形成されている。本実施形態のセンサユニットU1、U2は個別に配線シート10および電極19a、19bを有している。すなわち図2(b)に示す本実施形態のスタック回路Sは、2枚の配線シート10およびそれぞれに対向する2枚の導電膜15を含んで構成され、電極19a、19bは各枚の配線シート10の同一面側(同図では上面側)の表面にそれぞれ形成されている。このように配線シート10の片面に電極19a、19bを設けてこれを積層することで、後述する図2(c)に示す変形例と比較して安価に圧力センサ1を製造することができる。
図1及び図2に示すように、本実施形態の電極19a、19bは、それぞれが上面視において矩形形状を有していて、所定の距離を空けて平行に隣接配置されている。電極19a、19bの合成抵抗値は、電極19a、19b間の距離によって変化する。本実施形態の電極19aと電極19bとは互いに同一形状かつ同一寸法で形成されている。ただし本発明はこれに限られず、電極19aと電極19bとは異なる形状でもよく、または相似形で異なる寸法でもよい。
電極19a、19b間の距離は特に限定されないが、電極19a、19bと導電膜15との距離に応じて決定することができる。例えば、電極19a、19bと導電膜15との距離Aが5μm以上25μm以下である場合、上記対向電極間距離は10μm以上500μm以下の範囲で設計すると、好適な感圧特性と製造安定性を得ることができる。このとき、電極19a、19bの厚さは、9μm以上、20μm以下が好ましい。
電極19a、19bは、導電性の部材から構成される。本実施形態において電極19a、19bは、低抵抗の金属材料から構成されている。本実施形態では、導電膜15の表面抵抗率よりも電極19a、19bの表面抵抗率の方が小さくなるように設計している。具体的には、銅、銀、銅もしくは銀を含む金属材料、またはアルミニウム等から電極19a、19bを形成することが好ましいが、これに限定されない。また材料の形態は、箔、またはペースト等、電極19a、19bの製造方法との組み合わせで適宜決定することができる。
[入力配線及び出力配線]
電極19a及び電極19bは、配線シート10上に形成された入力配線21及び出力配線22に接続されている。入力配線21の一方は、図示しない電源と接続されている。また、入力配線21の他方は、配線シート10上に形成されているセンサユニットU1、U2の例えば全てに接続され、センサユニットU1、U2に電流または電圧を供給している。出力配線22は、圧力センサ1の図示しないドライバ装置に接続されている。出力配線22は、一つのスタック回路を構成するセンサユニットU1、U2に共通であって、一つのスタック回路Sからは一つの感圧信号が出力される。このことから、本実施形態の感圧信号は、センサユニットU1、U2で検出された抵抗値の合成値になる。
なお、入力配線21、出力配線22は、配線シート10の一方の面にのみ形成されるものであってもよいし、入力配線21、出力配線22のいずれかまたは全部が、電極19a、19bが形成された配線シート10の面とは反対側の面にスルーホール(TH)を介して引き出されるものであってもよい。
反対側の面に引き出された入力配線21、出力配線22は、再度スルーホール(TH)を介して、電極19a、19bが形成された面に引き出されるものであってもよい。このように、本実施形態の配線シート10は、入力配線21、出力配線22が両面に配置される両面基板であってもよいし、片面基板であってもよい。
このほか、共通の配線シート10の両面に電極19a、19bを互いに背中合わせに配置し、その上下両側に導電膜15をそれぞれ配置してもよい。図2(c)は、かかる構造を示す本実施形態の変形例にかかるセンサユニットの断面図である。センサユニットU1およびU2を含む本変形例の配線シート10を更に折り畳むなどして積層し、センサユニットを4層以上の多層に構成してもよい。図2(c)に示す本変形例によれば、図2(b)に示す実施形態と比較して、配線シート10を1層分だけ削減できるため圧力センサ1を薄型化することができる。
[絶縁層及び接着剤層]
次に絶縁層13及び接着剤層11について説明する。絶縁層13は、電極19a、19bが設けられた配線シート10の上面に設けられ、電極19a、19bの少なくとも一部が導電膜15と接触するように電極19a、19b上に開口部O1と共に電極19a、19bと導電膜15とを所定の距離A(図1参照)で離間させるためのスペーサをなす。初期状態において、絶縁層13及び接着剤層11の存在により、電極19a、19bと導電膜15とは離間しており、電極19a、19bは導通していない。この距離Aが大きくなると、導電膜15を電極19a、19bに接触させるのに要する押圧力が大きくなる。その分だけ、所定の押圧力が圧力センサ1に負荷された場合にセンサユニットU1、U2が受ける押圧力は小さくなり、電極19a、19bと導電膜15との間の抵抗が大きくなる。したがって、電極19a、19bと導電膜15との距離Aは「センサユニットの抵抗に係る特性」の一例である。
絶縁層13のうち開口部O1に近接する側の端部は、図1に示すように電極19a、19bの上に乗り上げていてもよい。この場合、絶縁層13の最大高さHは、電極19a、19bから十分に離間した他の領域における絶縁層13の厚みよりも大きくなる。この絶縁層13の最大高さHは、上述した電極19a、19bと導電膜15との距離Aを決定する要因の一つであるため、この最大高さHも「センサユニットの抵抗に係る特性」の一例である。
開口部O1の開口寸法は特に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜決定してよい。例えば、図1に示すセンサユニットU1、U2が、それぞれ上面視において例えば縦寸法1.7mm、横寸法1.25mmである場合、開口部O1の縦寸法を1.5mm、横寸法を1.05mmとすることができる。このような場合、電極19a、19bは、開口部O1に対して0.2mm(片側0.1mm)オフセットすることになる。本実施形態では、絶縁層13にソルダーレジストを使用することができる。ソルダーレジストの材料は特に限定されないが、感光性シートまたは感光性塗材等の感光性材料を用いることで露光、現像により開口部O1を精度よく形成することができる。特に、感光性材料をスクリーン印刷手法により配線シート10に電極19a、19bを覆って塗工し、所定の箇所を露光して開口部O1を形成することによって好ましい絶縁層13を形成することができる。
また、本実施形態の開口部O1は、図2(a)に示すように矩形状であるが、開口部O1の形状は、電極19a、19bの形状により、適宜、円形状、多角形状、または不定形状にすることが可能である。
上記感光性材料として、例えば、ウレタン変性等の公知の手段によって適度に可撓性が付加されたエポキシ系樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂を用いることにより、適度な柔軟と、リフロープロセスに投入可能な耐熱性を有する絶縁層13を形成することができる。
絶縁層13の上面には、導電膜15が積層されている。本実施形態では、絶縁層13と導電膜15とは、接着剤層11を介して互いに接合している。接着剤層11は、粘着剤、接着剤、または粘着シート、接着シート等、絶縁層13と導電膜15とを接合できるものであればいずれのものを用いてもよい。接着剤層11は、電極19a、19bと導電膜15の接触抵抗を妨げないよう、開口部O1と略同等の形状で開口されている。本実施形態では、接着剤層11を絶縁層13または導電膜15のいずれか一方の側に設け、その後に、他方を当該一方の側に位置合わせしながら貼合せてもよい。
[導電膜]
導電膜15は、電極19a、19bと接触することにより電極19a、19b間を導通させる部材である。導電膜15が導電機能を有するとは、導電膜15を外部から押圧することにより導電膜15を介して電極19a、19bが通電可能な程度に導電膜15が電気伝導性を有することを意味する。具体的には、外部より押圧力が負荷された導電膜15が、電極19aと電極19bとに跨って当接することで電極19aと電極19bとが導通する。
本実施形態における導電膜15は、電極19a、19bとの接触により、電極19a、19bを導通させる程度の導電機能を有していればよい。このため、導電膜15は、例えばカーボン粒子が含有された樹脂フィルムであってもよい。導電膜15は、カーボン粒子により導電機能が付与されている。換言すると、導電膜15として用いられる樹脂フィルムは、導電機能が発揮される程度のカーボン粒子が含有されている。上記樹脂フィルムは、可撓性である。このように、樹脂フィルム自体が導電機能を有することにより、導電膜15の薄膜化を図り、また可撓性を良好なものとし、圧力センサ1のダイナミックレンジを大きくすることができる。
導電膜15を構成する樹脂フィルムは、本発明の趣旨に逸脱しない範囲において、適宜、公知の樹脂を用いて構成することができる。例えば、具体的な樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、環状ポリオレフィン等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリイミド;ポリアミドイミド;液晶ポリマー等を挙げることができる。上記の樹脂のうち1種または複数の樹脂材料を混合して導電膜15を構成することができる。
導電膜15に含有されるカーボン粒子は、導電膜15に導電性を付与するための部材である。カーボン粒子は、粒子状の炭素材料であって、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック(ケッチェンブラック)、チャンネルブラック、もしくはサーマルブラック等のカーボンブラック、またはグラファイト等の1種または2種以上の組み合わせを挙げることができるが、これに限定されない。
導電膜15におけるカーボン粒子の含有量、カーボン粒子の形状及び粒径は、本発明の趣旨に逸脱しない範囲において特に限定されない。これらは、導電膜15と電極19a、19bとの接触抵抗により電極19a、19bが導通する範囲において適宜決定することができる。
導電膜15の厚みは、6.5μm以上、40μm以下であることが好ましい。上記厚みが6.5μm以上であることにより、導電膜15の耐久性が担保される。また上記厚みが40μm以下であることにより、導電膜15が押圧されたときの初期検知感度が良好であり、かつ広いダイナミックレンジを確保可能である。
なお、導電膜15の厚みは、一般的なハイドゲージ、アップライトゲージ、またはその他厚み測定手段を用いて測定することができる。
導電膜15の表面抵抗率は、7kΩ/sq以上30kΩ/sq以下であることが好ましい。表面抵抗率が上記範囲であることにより、導電膜15は、大荷重が負荷された場合にセンサ抵抗のバラつきが小さく、高い電気信頼性を示し得る。
所望の範囲の導電膜15の表面抵抗率は、導電膜15に含有されるカーボン粒子の配合量によって調整することができる。換言すると、導電膜15に含有されるカーボン粒子の配合量は、導電膜15の表面抵抗率が上記範囲となることを視標として、決定してもよい。
導電膜15は、電極19a、19bに対向する面の表面粗さRzが、0.10μm以上0.50μm以下となるよう調整されていてもよい。これにより、導電膜15の膜形成性が良好であり、また接触抵抗の検知感度が安定する。
導電膜15の表面粗さRzは、一般的な表面粗さ計による計測、またはレーザ顕微鏡を用いた表面粗さ分析により測定される。
導電膜15のヤング率は、5GPa以下であることが好ましい。これによって、導電膜15に充分な可撓性をもたらすことができる。上記ヤング率の範囲によれば、上述する所定の距離A、及び開口部O1の開口寸法の好ましい範囲において、導電膜15に負荷される押圧力の増大に伴う接触抵抗の変化を良好に定量することができる。
カーボン粒子を含有する樹脂フィルムの作製方法は特に限定されず、例えば、原料となる1種または2種以上の樹脂に、カーボン粒子を混合し、適宜混練し、フィルム状に成膜することによって作製することができる。
以上説明した導電膜15の導電率、表面抵抗率および表面粗さは、導電膜15が電極19a、19bに接触した場合の抵抗値の大小に影響を及ぼすパラメータであるため、いずれも「センサユニットの抵抗に係る特性」の一例である。また、導電膜15の厚みやヤング率が大きいと、所定の押圧力が圧力センサ1に負荷された場合の導電膜15の変位が小さくなり導電膜15が電極19a、19bと接触しにくくなりセンサユニットの抵抗が大きくなることから、これらのパラメータも「センサユニットの抵抗に係る特性」の一例である。
[電極押圧材]
電極押圧材17は、上記のように、突起17aとベース部17bとによって構成される。突起17aとベース部17bとは同一材料によって一体に例えば射出成型によって形成される。ベース部17bは、射出成型において突起17aを形成するための溶けた材料によって形成されたものである。したがって、突起17aを導電膜15上に直接成形することが可能である場合、電極押圧材17はベース部17bを含まない。
電極押圧材17の材料は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜選択可能であるが、例えば、ゴム硬度が20以上、80以下のゴム材料や比較的低硬度のプラスチック材料が用いられる。ゴム材料としては、例えば、天然ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ニトリルイソプレンゴム及びシリコンゴム等が考えられる。また、プラスチック材料としては、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体等を材料とすることが考えられる。
前記したように、突起17aの形状は任意であるが、突起端面170が電極19a、19bに荷重集中をさせることに適した形状及び面積を有することが好ましい。1つのスタック回路SのセンサユニットU1、U2に確実に荷重集中をさせるためには、突起端面170が開口部O1に重なって、かつ開口部O1の内部に入る大きさを有することが好ましい。
以上説明した圧力センサ1は、以下のように動作する。
圧力センサ1のセンサユニットU1、U2には、入力配線21によって電力が供給されている。電極19a、19bが離間していることから、圧力センサ1に押圧力が加えられていないとき、電極19a、19b間に電気的な導通は生じない。
圧力センサ1の上方から押圧力が加えられたとき、押圧力は重ね合わせられたセンサユニットU1、U2の両方に作用する。センサユニットU1、U2では、導電膜15が突起17aによって下方に押し込まれ、開口部O1から露出する電極19a、19bと接触する。導電膜15と電極19a、19bとが接触し、電極19a、19bとの間に導通が生じて出力配線22から電気信号が図示しないドライバ装置に出力される。ドライバ装置は、出力される検知信号が所定の閾値以上の大きさになったとき、圧力センサ1がオン状態になったと判断する。そして、オン状態になった後の検知信号の大きさによって検出された圧力の大きさを判断する。
圧力センサ1が出力する電気信号は、電極19a、19bが導電膜15と接触する面積によって変化する。このため、導電膜15が電極19a、19bに強く押し当てられると接触面積が広がって抵抗値が下がり、電気信号が大きくなってセンサユニットU1、U2に強い圧力が加わったものと判断される。本実施形態は、センサユニットU1、U2を圧力の印加方向に重ね合わせてスタック回路を構成しているので、先に押圧力が伝わるセンサユニットU1の電極19a、19bと導電膜15との接触面積とセンサユニットU2の導電膜15と電極19a、19bの接触面積とが相違する場合がある。このような場合、センサユニットU1とセンサユニットU2との合成抵抗には低抵抗の成分と高抵抗の成分とが含まれるようになる。このため、圧力センサ1は、重ねられていないセンサユニット(以下、「センサユニット単体」と記す)に圧力を加えた場合よりも圧力に応じて電気信号が広範囲に変化する。このような本実施形態は、圧力の測定範囲が広いワイドレンジの圧力センサを提供することができる。
上記構成において、本実施形態は、スタック回路Sに含まれる複数重ね合わされたセンサユニットのうちの一部を、他のセンサユニットの抵抗に係る特性と相違するように構成することができる。このようにすれば、圧力センサ1に押圧力が加えられた場合、スタック回路S内において相対的に低抵抗のセンサユニットから相対的に大きな電気信号が出力され、高抵抗のセンサユニットからは相対的に小さな電気信号が出力される。このとき、大きな電気信号は相対的に低い圧力で信号の出力を開始するので、圧力センサ1の初期感度を高めることができる。また、高抵抗のセンサユニットから出力される小さな電気信号は、大きな電気信号が変化しなくなった後まで変化する。本実施形態は、大小の電気信号の合成値を圧力の検知信号として出力するから、低圧力から高圧力までを広範囲に測定できるワイドレンジの圧力センサ1を実現できる。
センサユニットの抵抗に係る特性を変化させる手法としては、例えば、導電膜に接触し得る電極の面積を変化させるものがある。つまり、本実施形態は、重ね合わされる複数のセンサユニットのうちの一部を、導電膜15に接触し得る電極の面積が他のセンサユニットと相違するように構成してもよい。導電膜15に接触し得る電極の面積を変えるための構成としては、例えば、開口部O1の開口面積をスタック回路Sに含まれるセンサユニット間で変えることが考えられる。また、電極19a、19bの面積そのものを変えることも考えられる。
さらに、本実施形態は、導電膜15及び電極19a、19b間の集中荷重がかかる範囲をセンサユニットで異なるようにしてもよい。このような構成は、例えば、スタック回路S内にセンサユニットが複数に設けられている場合、複数の突起17aの一部の突起端面170を、他のセンサユニットの突起17aの突起端面170と大きさが相違するようにすることによって実現できる。
突起17aに印加される外部からの押圧力が一定であることを前提とすると、突起端面170の面積が大きい突起17aを設けることで押圧力が分散するため、電極19a、19bと導電膜15との間の抵抗が大きくなる。逆に突起端面170の面積が小さい突起17aを設けることで、外部からの押圧力が集中するため電極19a、19bと導電膜15との間の抵抗が小さくなる。このため、大きい突起端面170に対応するセンサユニットからは相対的に小さな電気信号が出力され、小さい突起端面170に対応するセンサユニットからは相対的に大きな電気信号が出力される。したがって、突起端面170の面積というパラメータは「センサユニットの抵抗に係る特性」の一例となる。このとき、小さな突起端面170に対応する大きな電気信号は相対的に低い圧力で信号の出力を開始するので、圧力センサ1の初期感度を高めることができる。また、大きな突起端面170に対応するセンサユニットから出力される小さな電気信号は、大きな電気信号が変化しなくなった後まで変化する。したがって、複数の突起端面170の面積を互いに相違させることにより大小の電気信号の合成値が圧力の検知信号として出力されるため、本実施形態は、低圧力から高圧力までを広範囲に測定できるワイドレンジの圧力センサ1を実現することができる。
スタック回路S内でセンサユニットの抵抗に係る特性を変更する構成は、突起端面170の面積に限定されるものではない。本実施形態は、例えば、導電膜15の厚さ、表面粗さ、電気抵抗のプロファイル(変化の仕方)等を変更することによってセンサユニットの抵抗に係る特性を変更することが考えられる。また、本実施形態は、例えば、突起17aの厚さ、硬度等を変更することによってセンサユニットの抵抗に係る特性を変更することが考えられる。
また、本実施形態は、スタック回路Sに含まれる複数のセンサユニットを、互いに並列に接続することによって圧力センサ1の圧力の測定レンジを広くすることができる。
図4は、図1、図2に示したスタック回路を複数並列に接続した本実施形態の圧力センサ1を示した上面図である。図5は、図4に示した圧力センサ1の等価回路を示した図である。図示した圧力センサ1は、二つ以上の複数のセンサユニットを備えていて、センサユニットU11とセンサユニットU21とがスタックされてスタック回路S1を構成している。また、センサユニットU12とセンサユニットU22とがスタック回路S2を構成し、センサユニットU13とセンサユニットU23とがスタック回路S3を構成している。各スタック回路に含まれるセンサユニットの対は互いに並列に接続されている。このような構成によれば、本実施形態は、スタック回路を構成する各センサユニットの抵抗特性が合成抵抗に占める割合が小さくなって、スタック回路から出力される電気信号の変化を緩やかにすることができる。また、本実施形態は、スタック回路が抵抗特性が相違する複数のセンサユニットを含む場合、合成抵抗が連続して変化するようにすることができる。
また、本実施形態は、スタック回路S1からスタック回路S8を互いに並列に接続している。このようにすることにより、本実施形態は、図示しないドライバ装置が各スタック回路から圧力の検知信号を取得することができる。このとき、ドライバ装置はスタック回路の数と同数の入力チャネルを備えるものであってもよいし、スタック回路の数よりも少ない入力チャネルを備えるものであってもよい。ドライバ装置がスタック回路の数よりも少ない数の入力チャネルを備える場合、ドライバ装置は、例えば300Hz程度の周波数で各スタック回路から出力される検知信号を順に繰り返し取得するようにしてもよい。
[圧力センサの製造方法]
図6(a)、図6(b)及び図6(c)は、本実施形態の圧力センサの製造方法を説明するための図であって、図6(a)は圧力センサ部材100の上面図である。圧力センサ部材100は、配線シート10上に複数のスタック回路S1からスタック回路S8を有している。スタック回路S1からスタック回路S8の各々は、センサユニットU11およびU21、センサユニットU12およびU22等、対をなす二つのセンサユニットを備えている。センサユニットは、先に説明してきたように、電極19a、19bと、これら電極19a、19bに対向して配置される導電膜15と、を有している。圧力センサ部材100は、複数のセンサユニットU11、U21等に電気信号を入力する共通の入力配線21と、複数のセンサユニットU11、U21等から電気信号を出力する共通の出力配線22を備えている。このことから、圧力センサ部材100を製造する工程は、電極19a、19bと、これら電極19a、19bに対向して配置される導電膜15と、センサユニットU11、U21等に電気信号を入力する共通の入力配線21と、センサユニットU11、U21等から電気信号を出力する共通の出力配線22と、を配線シート10上に形成する工程を含んでいる。
図6(c)に示すように、センサユニットU11、U12の各電極19a、19bは、導電膜15を挟んで互いに内向きに対向して配置されている。2つの導電膜15が電気的に短絡しないように、導電膜15同士の間には絶縁シート16が全面に配置されている。
絶縁シート16には、ポリイミドやポリアミドイミドなど、上述した配線シート10と同種の材料を使用することができる。配線シート10と絶縁シート16とは同種材料で作成してもよく、異種材料で作成してもよい。
次に、上記工程をより詳細に説明する。
圧力センサ部材100は、スタック回路をS1からスタック回路S8を構成するセンサユニットU11〜U18およびセンサユニットU21〜U28を有している。圧力センサ部材100を製造する工程では、配線シート10に配線シート10の表裏の電気的な導通をとるためのスルーホールh1、h2を形成し、スルーホールh1、h2における配線シート10の表面及び厚み方向をめっき等によって導電化する。以上の工程は、配線シート10の表裏を導通させるものである。
次に、本実施形態の圧力センサの製造方法では、エッチングのレジスト膜を配線シート10にラミネートし、レジスト膜を露光、現像して入力配線21、出力配線22や電極19a、19bを含むパターンのエッチングマスクを配線シート10上に作製する。本実施形態では、エッチングマスクをマスクにしてめっき箔をエッチングしてエッチングマスクから露出しているめっき箔を配線シート10上から除去する。エッチングマスクは、めっき箔のエッチング完了後に剥離される。以上の工程は、配線シート10に入力配線21や出力配線22及び電極19a、19bの金属パターンを形成するものである。
以上の処理の後、本実施形態では、形成された入力配線21、出力配線22等を保護するため、配線シート10における入力配線21、出力配線22の形成面にカバーフィルムをラミネートする。そして、ソルダーレジストを形成面に印刷し、これを露光、現像して絶縁層13を形成する。以上の工程は、配線保護層を形成するものである。そして、電極19a、19bの導電膜15に対向する面に、ニッケル、あるいは金等によるめっき処理がなされる。さらに、本実施形態では、絶縁層13の上から接着剤層11を使って導電膜15を貼り合わせる。以上の工程により、圧力センサ部材100が完成する。
さらに、本実施形態の圧力センサの製造方法は、上記工程を経た配線シート10である圧力センサ部材100を折り畳むことによってセンサユニットU11、U21同士を重ねる工程を含んでいる。
図6(b)及び図6(c)は、上記工程を説明するための図である。図6(b)は折り畳まれる過程にある圧力センサ部材100の斜視図、図6(c)は、折り畳まれた圧力センサ部材100を図中の線L1に直交する方向にセンサユニットU11、U12上で切断した断面の模式図である。配線シート10のうち、線L1で折り畳まれる一方側(図6(a)では下方側)を部分領域10aと呼称し、他方側(同図では上方側)を部分領域10bと呼称する。スタック回路の各々が有する複数のセンサユニットは、部分領域10aと部分領域10bのそれぞれに1個ずつ個別に配置されている。例えば図6(a)では、左端のスタック回路S1が有する2個のセンサユニットU11、U21のうちセンサユニットU21は部分領域10aに配置され、センサユニットU11は部分領域10bに配置されている。
スルーホールh1,h2は、部分領域10a,10bにそれぞれ貫通形成されている。スルーホールh1,h2は、配線シート10が線L1で折り畳まれた際に互いに重なり合う位置に形成されている。具体的には、スルーホールh1,h2の各中心から線L1までの距離は互いに等しく、かつスルーホールh1,h2の並び方向は線L1と直交している。これにより、スルーホールh1,h2にピン(図示せず)等の器具を挿通した状態で配線シート10を線L1で折り畳むことで、部分領域10aと部分領域10bとがずれることを防止して位置合わせしながら互いに重ね合せることができる。
図6(b)に示すように、本実施形態では、圧力センサ部材100を線L1に沿って幅方向に折り畳む。圧力センサ部材100が折り畳まれることによって複数のスタック回路の各々(例えばスタック回路S1)における二つのセンサユニット(例えばセンサユニットU11、U21)が互いに重なって、スタック回路(例えばスタック回路S1)を構成する。本実施形態の圧力センサの製造方法では、センサユニットU11、U21の形成面が内側になるように圧力センサ部材100を折り畳んでいる。このため、スタックされたセンサユニットU11、U21は図6(c)のように、導電膜15が重なるように配置されている。
さらに、本実施形態では、センサユニットU11、U21の一方の配線シート10上に電極押圧材17を貼り合わせて圧力センサを完成する。
以上説明した本実施形態の圧力センサの製造方法は、複数のセンサユニットを一度に形成してこれを重ね合わせることができるので、工程の簡易化を図ることができる。また、配線シート10に直接に電極19a、19bを作り込む構成は、圧力センサの薄型化に有利である。
ただし、本実施形態は、センサユニットU11、U21の形成面が内側になるように圧力センサ部材100を折り畳むことに限定されず、センサユニットU11、U21の形成面が外側になるように圧力センサ部材100を折り畳むものであってもよい。このようにした場合、センサユニットU11、U21は、互いに配線シート10が重なるようにしてスタックされる。また、本実施形態は、電極押圧材17をスタック回路の一方の側に設けるものに限定されず、両側の面に形成するものであってもよい。また、本実施形態は、センサユニットに電極押圧材17を設けた後に圧力センサ部材100を折り畳んでセンサユニットをスタックしてもよい。
図7(a)、図7(b)及び図7(c)は、本実施形態の圧力センサの製造方法を説明するための他の図である。図7(a)は、圧力センサ部材100の上面図、図7(b)及び図7(c)は、圧力センサ部材100を折り畳むことによってセンサユニットU11、U21同士を重ねる工程を説明するための図である。図7(b)は図7(a)に示した矢線b、bの方向に圧力センサ部材100の断面を見た断面図である。図7(c)は、図7(b)に示した圧力センサ部材100を矢線cが示す方向に折り畳んでセンサユニットをスタックした状態を示した図である。図7(c)に示した圧力センサは、図6(c)に示した圧力センサが圧力センサ部材100を線L1で谷折しているのに対し、圧力センサ部材100を線L1で山折している。
図7(c)に示した圧力センサは、図6(c)に示した圧力センサがセンサユニットU11、センサユニットU12が同じ向きにスタックされているのに対し、センサユニットU11、センサユニットU12が反対向きにスタックされている点で図6(c)の圧力センサと相違する。
さらに、本実施形態は、圧力センサ部材100を一本の線L1のみに沿って折り畳むものに限定されるものでなく、複数本の線に沿って複数回折り畳むものであってもよい。図8(a)、図8(b)及び図8(c)は、圧力センサ部材101を三回蛇腹状に折り畳む例を説明するための図である。図8(a)は圧力センサ部材101の上面図である。図8(b)は折り畳まれる過程にある圧力センサ部材101の斜視図、図8(c)は、折り畳まれた圧力センサ部材101を図中の線L1に直交する方向に、かつセンサユニットU11、U21、U31、U41を通る位置で切断した断面の模式図である。図8(a)に示す圧力センサ部材101は、センサユニットU11〜U18、U21〜28、U31〜38、U41〜48の32個のセンサユニットを備えている。そして、図8(b)に示すように、圧力センサ部材101は、三本の線L1、L2、L3の各々に沿って折り畳まれる。このとき、本実施形態では、線L1に沿って圧力センサ部材101が「谷折」されることによってセンサユニットU11とセンサユニットU21とがスタックされる。そして、圧力センサ部材101が線L2に沿って「山折」されることによってセンサユニットU11とセンサユニットU41とがスタックされる。また、圧力センサ部材101が線L3に沿って「谷折」されることによってセンサユニットU41とセンサユニットU31とがスタックされる。
圧力センサ部材101の配線シート10のうち、線L1〜L3で区画される4つの領域を部分領域10a〜10dと呼称する。具体的には、線L1よりも一方側(図8(a)では下方側)の側方の領域を部分領域10a、線L1と線L2とで囲まれる領域を部分領域10b、線L2と線L3とで囲まれる領域を部分領域10c、そして線L3よりも他方側(同図では上方側)の領域を部分領域10dと呼称する。スタック回路の各々が有する複数のセンサユニットは、部分領域10a〜10dのうち、線L1または線L3のいずれかで仕切られて隣接する2つの部分領域の一方と他方とにそれぞれ配置されている。例えば図8(a)の例では、左端のスタック回路が有する4個のセンサユニットU11、U21、U31、U41のうち、線L1で仕切られる部分領域10a,10bにそれぞれセンサユニットU21,U11が配置されている。そして線L3で仕切られる部分領域10c,10dに、それぞれセンサユニットU41,U31が配置されている。
部分領域10a〜10dにはスルーホールh1〜h4がそれぞれ貫通形成されている。スルーホールh1〜h4は、配線シート10が線L1〜線L3で折り畳まれた際に互いに重なり合う位置に形成されている。具体的には、スルーホールh1,h2の各中心から線L1までの距離は互いに等しく、スルーホールh1,h4の各中心から線L2までの距離は互いに等しく、スルーホールh3,h4の各中心から線L3までの距離は互いに等しい。そして、スルーホールh1〜h4の並び方向は、互いに平行な線L1〜L3に対して直交している。本実施形態によれば、スルーホールh1〜h4にピン(図示せず)等の器具を挿通しながら配線シート10を線L1〜線L3で折り畳んで部分領域10a〜10dを順にスタックしていくことができ、これにより部分領域10a〜10dが互いにずれあうことが防止できる。
ただし、本実施形態は、圧力センサ部材100、101を折り畳んでセンサユニットをスタックする構成に限定されるものではなく、センサユニット及び入力配線21、出力配線22が形成された複数の配線シート10を重ね合わせ、入力配線21、出力配線22同士をスルーホールh1等を介して接続するものであってもよい。また、図4のようにスタック回路Sを面方向に複数配置する場合、本実施形態は、電極押圧材17を面方向に配置される複数のスタック回路Sに対応して一つ配置することもできる。
以上説明したように、本実施形態は、センサユニットを、センサユニットの電極に対する導電膜の配置方向に複数重ねたことによって圧力センサの設置領域を小さくすることに有利である。また、複数のセンサユニットに共通の入力配線と、共通の出力配線と、を設けたことによって複数のセンサユニットの合成抵抗を圧力の検知信号として出力することができる。このため、各センサユニットが検知した抵抗値の合成抵抗を検知信号として出力し、相対的に低い圧力から相対的に高い圧力までの広い範囲を検知することができるようになる。
特に、本実施形態は、配線シート10に圧力センサ1を作りこむことによってセンサユニットを配線シート10の厚さ方向に重ねても、例えば公知のタクトスイッチ等の実装部品を厚さ方向に重ねる構成よりも圧力センサ1全体を薄くすることができる。
また、本実施形態は、圧力センサ部材100、101を形成し、これを折り畳んでセンサユニットを重ね合わせることによって電気的な接続点数を減らし、設計の自由度を高めることができる。
[変形例]
(変形例1)
さらに、本実施形態は、以上説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、絶縁層13と電極19a、19bとは、電極19a、19bの周縁に絶縁層13の一部が重なるように形成するものに限定されず、図9(a),(b)に示すように、電極19a、19bの周縁と絶縁層13との間にオフセットを設けるようにしてもよい。このような場合、絶縁層13の開口部O2は、電極19a、19bの周縁よりも一回り大きく設計される。なお、図2(a)と同様に便宜上、図9(a)においては絶縁層13の形成領域にドットパターンを付している。電極19a、19bは、互いに隣接する並び方向(図9(a)および(b)における左右方向)に関しては絶縁層13から全体的に露出している。そして図9(a)に示すように、この並び方向と直交する方向(同図における上下方向)に関しては、電極19a、19bの端部の一部が絶縁層13と重なってこれに覆われていてもよい。
このような変形例1によれば、開口部O1と電極19a、19bとの位置ずれによるセンサユニットの特性のばらつきを抑えることができる。
(変形例2)
また、本実施形態は、図2(a)のように、矩形状の電極19a、19bが所定の距離を空けて平行に隣接配置されて構成されるものに限定されない。本実施形態は、電極が第一電極及び第二電極を含み、第一電極及び第二電極が、互いに離間し、かつ嵌め合わせ可能な形状を有しているものであってもよい。ここで、「嵌め合わせ可能な形状」とは、第一電極と第二電極の包絡領域(第一電極と第二電極を包含する最小の矩形領域)を通過する全ての直線が、第一電極または第二電極の少なくとも一方と交差することを指す。
図10(a)、図10(b)及び図10(c)は、変形例2の電極を説明するための図である。図10(a)に示した電極82の第一電極82a及び第二電極82bは、互いが組み合う櫛歯形状を有している。図10(b)に示した電極83の第一電極83a及び第二電極83bは、互いが組み合うスパイラル形状を有している。図10(c)に示した電極8の第一電極8a及び第二電極8bは、互いに同心円上に配列されている。具体的には、第一電極8aまたは第二電極8bの一方が円形であり、他方がこの円形を所定の距離を空けて取り囲むリング形状であってもよい。上記円形とは、真円、楕円、および長円を含む。
図10(a)から図10(c)に示した変形例2では、電極82、83、84のいずれにあっても、第一電極と第二電極とを包含する包絡領域85、86、87と交差する直線は、全て第一電極と第二電極の少なくともいずれか一方と交差することになる。このような変形例2の電極によれば、圧力が印加された場合の抵抗値変化が形状に応じて変化するため、異なる形状の電極同士を組み合わせることで圧力センサの検知精度を高めることができる。
本発明の発明者は、以上説明した圧力センサの効果を実験によって検証した。この結果を以下に実施例として説明する。実験は、重ね合わされたセンサユニットの各々に電極押圧材17を設けた構成を本発明の圧力センサとして行った。また、本発明の圧力センサの特性を、重ね合わされていないセンサユニット単体の圧力センサと比較した。
図11(a)、図11(b)は、センサユニットを重ね合わせた効果を検証する実験の結果を説明する図である。図11(a)、図11(b)のいずれにあっても、縦軸は圧力センサが出力する検知信号(抵抗値:Ω)、横軸は圧力センサに印加された圧力(mN)を示している。図11(a)中の曲線C1は、本発明の圧力センサの特性を示している。曲線C2、C3は、いずれも本発明の圧力センサと比較される比較例1、比較例2の特性を示している。
図11(a)に結果を示した本発明の圧力センサは、同様に設計された4つのセンサユニットをスタックして並列に接続し、スタックされたセンサユニットの各々に電極押圧材17を設けている。各電極押圧材17の突起17aの突起端面は、全て直径4mmの円形である。曲線C2の特性を有する比較例1の圧力センサは、本発明の圧力センサに含まれるセンサユニットと同一のセンサユニット単体に電極押圧材17を設け、この突起17aの突起端面を直径4mmの円形にしたものである。比較例2の圧力センサは、上記センサユニット単体に電極押圧材17を設け、この突起17aの突起端面を直径2mmの円形にしたものである。
図11(a)によれば、比較例1の曲線C2は、圧力が約3000mNに達すると抵抗値(resistance)がほぼ変化しなくなる。また、比較例2の曲線C3は、圧力が約1000mNに達すると抵抗値がほぼ変化しなくなる。これに対し、本発明の圧力センサが示す曲線C1は、圧力が約4000mNに達するまで抵抗値が有意に変化していることが確認された。
図11(b)に結果を示した本発明の圧力センサは、同様に設計された4つのセンサユニットをスタックして並列に接続し、スタックされたセンサユニットの各々に電極押圧材17を設けている。各電極押圧材17の突起17aの突起端面は、全て直径2mmの円形である。図11(b)中の曲線C4は、このような本発明の圧力センサの特性を示している。
図11(b)によれば、本発明の圧力センサが示す曲線C4は、圧力が約4000mNに達するまで抵抗値が変化していることが確認された。
以上の実験から、本発明の圧力センサは、センサユニットを複数重ね合わせて並列に接続したことによって単体の圧力センサよりも広い検知範囲を有することが確認できた。
図12(a)、(b)は、重ね合わされた複数のセンサユニットの電気特性をスタック回路内において変更することの効果を検証する実験の結果を説明する図である。図12(a)、図12(b)のいずれにあっても、縦軸は圧力センサが出力する検知信号(抵抗値:Ω)、横軸は圧力センサに印加された圧力(mN)を示している。図12(a)中の曲線C5は、本発明の圧力センサの特性を示している。図12(a)に結果を示した本発明の圧力センサでは、同様に設計された4つのセンサユニットをスタックして並列に接続し、スタックされたセンサユニットの各々に電極押圧材17を設けている。そして、4つのセンサユニットのうち、3つについては突起17aの突起端面が直径4mmの円形であり、他の一つの突起17aの突起端面が直径2mmの円形である。
図12(a)によれば、本発明の圧力センサが示す曲線C5は、圧力が約4000mNに達するまで抵抗値が変化していることが確認された。
また、図12(b)に結果を示した本発明の圧力センサでは、同様に設計された4つのセンサユニットをスタックして並列に接続し、スタックされたセンサユニットの各々に電極押圧材17を設けている。そして、4つのセンサユニットのうち、2つについては突起17aの突起端面が直径4mmの円形であり、他の2つの突起17aの突起端面が直径2mmの円形である。図12(b)中の曲線C6は、このような本発明の圧力センサの特性を示している。
図12(b)によれば、本発明の圧力センサが示す曲線C6は、圧力が約4000mNに達するまで抵抗値が変化していることが確認された。
以上の実験から、本発明の圧力センサは、センサユニットを複数重ね合わせて並列に接続し、複数のセンサユニット間で抵抗の特性を変えたことによって単体の圧力センサよりも広い検知範囲を有することが確認できた。
図13(a)から図13(c)は、圧力センサから出力される検知信号(抵抗値:Ω)と、印加された圧力との関係を理論的に計算した結果を示す図である。図13(a)から図13(c)のいずれにあっても、縦軸は圧力センサが出力する検知信号(抵抗値:Ω)、横軸は圧力センサに印加された圧力(mN)を示している。
図13(a)は、センサユニットを重ね合わせて並列に接続することについての効果を説明するための図である。図13(a)中に示した曲線C7は、所定の特性を有するセンサユニット(以下、「センサユニットp1」と記す)単体の圧力センサの特性を示している。曲線C8は、センサユニットp1と抵抗に係る特性が相違するセンサユニット(以下、「センサユニットp2」と記す)単体の圧力センサの特性を示している。曲線C9は、センサユニットp1とセンサユニットp2とを重ね合わせて並列に接続した圧力センサの特性を示している。また、曲線C10は、センサユニットp1を3つ、センサユニットp2を1つ組み合わせて重ね合わせ、並列に接続した圧力センサの特性を示している。
図13(a)の曲線C9およびC10が示すように、抵抗に係る特性が相違するセンサユニットを重ね合わせて並列に接続した圧力センサは、重ね合わされたセンサユニットの数に関わらずセンサユニット単体の圧力センサよりも測定可能な圧力が広くなっている。また、印加圧力が約1000mNまでの範囲において、検知信号は、重ね合わされたセンサユニットの数が多い方が大きく変化することが分かる。
図13(b)は、センサユニットを重ね合わせて直列に接続することについての効果を説明するための図である。図13(c)は、図13(b)のうち検知信号(抵抗値:Ω)が低い領域を拡大した図である。図13(b),(c)中に示した曲線C11は、センサユニットp1、p2とは抵抗に関する特性が相違するセンサユニット(以下、「センサユニットp3」と記す)単体の圧力センサの特性を示している。曲線C12は、センサユニットp1、p2、p3のいずれとも抵抗に係る特性が相違するセンサユニット(以下、「センサユニットp4」と記す)単体の圧力センサの特性を示している。曲線C13は、抵抗に関する特性が互いに異なるセンサユニットp3とセンサユニットp4とを重ね合わせて直列に接続した圧力センサの特性を示している。また、曲線C14は、センサユニットp3を3つ、センサユニットp4を1つ組み合わせて重ね合わせ、直列に接続した圧力センサの特性を示している。
図13(b),(c)に示すように、抵抗に係る特性が相違するセンサユニットを重ね合わせて直列に接続した圧力センサは、印加圧力が1000mN以内にあってはセンサユニット単体の圧力センサと同様の検知信号を出力する。ただし、センサユニットを重ね合わせて直列に接続した圧力センサの検知信号は、特に印加圧力が3000mN以上の範囲において、センサユニット単体の圧力センサよりも大きな傾きを持って変化する。
以上のことから、本発明の圧力センサは、センサユニット単体の圧力センサに比べて測定可能な圧力が広範囲であるものといえる。
また、図13(a)に示すように複数のセンサユニットを並列に接続した場合には、単体のセンサユニットよりも、抵抗に関する特性の変化幅が大きくなることが分かった。これに対し、図13(b)および図13(c)に示すように複数のセンサユニットを直列に接続した場合には、単体のセンサユニットよりも、抵抗に関する特性の変化幅が小さくなることが分かった。このため、複数のセンサユニットを並列に接続することによりダイナミックレンジをより広くすることができて好ましいといえる。
上記実施形態及び実施例は以下の技術思想を包含するものである。
(1) 電極と、前記電極に対向して配置される導電膜と、を有するセンサユニットが前記電極に対する前記導電膜の配置方向に複数重ねられ、
複数の前記センサユニットに電気信号を入力する共通の入力配線と、複数の前記センサユニットから電気信号を出力する共通の出力配線と、が形成されている配線シートを有する、圧力センサ。
(2) 前記電極が、前記配線シート上に形成されている、(1)の圧力センサ。
(3) 前記センサユニットの少なくとも一部は、前記電極の少なくとも一部に重なる突起を備えている、(1)または(2)の圧力センサ。
(4) 前記突起は、複数重ねられた前記センサユニットのうちの複数にそれぞれ設けられている、(3)の圧力センサ。
(5) 複数の前記突起のうちの一部の端面は、他の前記突起の端面と大きさが異なっている、(4)の圧力センサ。
(6) 前記突起は、複数重ねられた前記センサユニットのうちの複数に対応して一つ設けられている、(4)の圧力センサ。
(7) 複数重ねられた前記センサユニットのうちの一部の抵抗に係る特性は、他の前記センサユニットの抵抗に係る特性と相違している、(1)から(6)のいずれか一つの圧力センサ。
(8) 複数重ねられた前記センサユニットのうちの一部は、前記導電膜に接触し得る前記電極の面積が他の前記センサユニットと相違している、(7)の圧力センサ。
(9) 複数重ねられた前記センサユニットは、互いに並列に接続されている、(1)から(8)のいずれか一つの圧力センサ。
(10) 前記電極が第一電極及び第二電極を含み、前記第一電極及び前記第二電極は、互いに離間し、かつ嵌め合わせ可能な形状を有している、(1)から(9)のいずれか一つの圧力センサ。
(11) 複数の電極と、前記複数の電極の少なくとも一部に対応する導電膜と、を有するセンサユニットと、複数の前記センサユニットに電気信号を入力する共通の入力配線と、複数の前記センサユニットから電気信号を出力する共通の出力配線と、を配線シート上に形成する工程と、前記配線シートを折り畳むことによって前記センサユニット同士を重ねる工程と、を含む圧力センサの製造方法。
圧力センサ...1
配線シート...10
部分領域...10a,10b,10c,10d
接着剤層...11
絶縁層...13
導電膜...15
絶縁シート...16
電極押圧材...17
突起...17a
ベース部...17b
電極...19a、19b、82、83、84
入力配線...21
出力配線...22
スルーホールTH...h1、h2、h3、h4
第一電極...82a、83a、84a
第二電極...82b、83b、84b
包絡領域...85、86、87
圧力センサ部材...100、101

Claims (11)

  1. 電極と、前記電極に対向して配置される導電膜と、を有するセンサユニットが前記電極に対する前記導電膜の配置方向に複数重ねられ、
    複数の前記センサユニットに電気信号を入力する共通の入力配線と、複数の前記センサユニットから電気信号を出力する共通の出力配線と、が形成されている配線シートを有する、圧力センサ。
  2. 前記電極が、前記配線シート上に形成されている、請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記センサユニットの少なくとも一部は、前記電極の少なくとも一部に重なる突起を備えている、請求項1または2に記載の圧力センサ。
  4. 前記突起は、複数重ねられた前記センサユニットのうちの複数にそれぞれ設けられている、請求項3に記載の圧力センサ。
  5. 複数の前記突起のうちの一部の端面は、他の前記突起の端面と大きさが異なっている、請求項4に記載の圧力センサ。
  6. 前記突起は、複数重ねられた前記センサユニットのうちの複数に対応して一つ設けられている、請求項4に記載の圧力センサ。
  7. 複数重ねられた前記センサユニットのうちの一部の抵抗に係る特性は、他の前記センサユニットの抵抗に係る特性と相違している、請求項1から6のいずれか一項に記載の圧力センサ。
  8. 複数重ねられた前記センサユニットのうちの一部は、前記導電膜に接触し得る前記電極の面積が他の前記センサユニットと相違している、請求項7に記載の圧力センサ。
  9. 複数重ねられた前記センサユニットは、互いに並列に接続されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の圧力センサ。
  10. 前記電極が第一電極及び第二電極を含み、前記第一電極及び前記第二電極は、互いに離間し、かつ嵌め合わせ可能な形状を有している、請求項1から9のいずれか一項に記載の圧力センサ。
  11. 複数の電極と、前記複数の電極の少なくとも一部に対応する導電膜と、を有するセンサユニットと、複数の前記センサユニットに電気信号を入力する共通の入力配線と、複数の前記センサユニットから電気信号を出力する共通の出力配線と、を配線シート上に形成する工程と、
    前記配線シートを折り畳むことによって前記センサユニット同士を重ねる工程と、を含む圧力センサの製造方法。
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