JP6839119B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、レーザー光の所定の照射距離及び照射範囲を確保しやすい鞍乗り型車両の灯火装置配置構造を提供することにある。
また、上記発明において、前記発光部(12,122A,122B,212A,212B,301)は、左右一対設けられるようにしても良い。
また、上記発明において、前記発光部(301)は、前記メータユニット(355,356)に設けられるようにしても良い。
また、上記発明において、前記灯火装置(10,300)と共に、電球又はLEDを光源とする別の灯火装置(71,354)を備えるようにしても良い。
また、上記発明において、前記カメラ装置(91)は、可視光を検出するようにしても良い。
また、上記発明において、前記カメラ装置(91)は、バックミラー(252,358)に配置されるようにしても良い。
上記発明において、発光部は、車体前部に設けられるバックミラーに組み込まれているので、発光部をより高く配置することができるとともに外観性を向上させることができる。
また、上記発明において、発光部は、バックミラーの根元に設けられるので、バックミラーの強度を確保することができ、発光部を保護しやすくすることができる。
また、上記発明において、発光部は、メータユニットに設けられるので、既にあるメータユニットの配線やステーを利用でき、新たに配線やステーを設けるよりも低コストにできる。
また、上記発明において、鞍乗り型車両の灯火装置と共に、夜間走行時に車両前方の状況をセンシングするカメラ装置を備えるので、車両前方の状況に応じて灯火装置の照射距離、照射方向、照射範囲を変更することができる。
また、上記発明において、カメラ装置は、可視光を検出するので、レーザーヘッドライトとの組み合わせにより、比較的安価な可視光カメラであっても、遠方をセンシング可能となる。
また、上記発明において、カメラ装置は、バックミラーに配置されるので、カメラ装置を車体の高い位置に配置することができ、より一層遠方まで映すことができ、センシング性能を高めることができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の灯火装置10を備える自動二輪車20の左側面図である。
自動二輪車20は、車体フレーム21、前輪22、後輪23及びシート24を備えるマルチパーパス型の鞍乗り型車両である。
車体フレーム21は、ヘッドパイプ31、左右一対のメインフレーム32、左右一対のピボットフレーム33、左右一対のシートフレーム34、左右一対のサブフレーム36及び左右一対のダウンフレーム37を備える。
ピボット軸27には、揺動可能にスイングアーム28が取付けられ、スイングアーム28の後端部に車軸23aを介して後輪23が支持されている。
エンジン45は、クランクケース55と、クランクケース55の前部から前方斜め上方に延びるシリンダ部56とを備える。シリンダ部56の前方斜め上方には、エンジン45を水冷するためのラジエータ57が配置されている。シリンダ部56の上部には、エアクリーナ58等を含む吸気装置59が接続されている。
車体フレーム21は、車体カバー61で覆われている。
車体カバー61は、フロントカウル62、ウインドスクリーン63、サイドカバー64及びリアカバー66を備える。
前輪22は、上方からフロントフェンダ74で覆われる。後輪23は、上方からリアフェンダ76で覆われる。リアフェンダ76の後端部にはテールライト77が取付けられている。
光源ユニット11は、左右のメインフレーム32の内側方に配置され、レーザー素子17とドライバーユニット18とからなる。
レーザー素子17は、ヘッドライト71、詳しくは、ヘッドライト71に備えるハイビーム用光源を補助するために追加されたハイビーム発光用の補助光源である。ドライバーユニット18は、レーザー素子17からレーザー光を発光させるためのものであり、レーザー素子17を冷却するヒートシンク18Aを備え、ヒートシンク18Aにレーザー素子17が取付けられる。ヒートシンク18Aには、走行風による冷却を促す複数の冷却フィン18cが設けられている。
前部発光部12は、照射されるレーザー光を屈折させるレンズ、又は照射されるレーザー光を反射させるリフレクタの少なくとも一方を備えていてもよい。上記したレンズ及びリフレクタは、照射されるレーザー光を車両前方の所定範囲に配光する。上記のレンズ及びリフレクタについては、他の実施形態の発光部において備えていても良い。
後部発光部13は、テールライト77内に配置され、ブレーキ用ライト、ポジションライトの光源となる。
第1導光部材14及び第2導光部材16は、光ファイバーからなり、車体内の配索位置の形状に応じて自在に屈曲させることが可能である。
上記したように、光源ユニット11を領域A1に配置することで、比較的重量の大きい光源ユニット11を車両重心に近づけることができ、車体重心側へのマスの集中化を図ることができる。この結果、車両の旋回性等の走行性能を向上させることができる。
また、光源ユニット11は、エンジン45と燃料タンク25との間に配置される。これによっても、車体重心側へのマスの集中化が図れる。
光源ユニット11は、ヒートシンク18Aで冷却可能であるが、光源ユニット11の周辺に配置されたシリンダ部56又はラジエータ57から延びる冷却水配管を光源ユニット11に接続しても良い。これにより、ラジエータ57で冷却された冷却水によって光源ユニット11を冷却することが可能になる。
上記した灯火装置10は、ヘッドライト71のハイビーム用光源を補助するヘッドライト装置、即ち補助ヘッドライトを構成する。なお、ヘッドライト71のヘッドライト用光源86は、ロービーム用光源のみを構成するものであっても良い。この場合は、灯火装置10は、ヘッドライト71のハイビーム用光源の機能を有するヘッドライト装置となる。
自動二輪車20には、フロントフォーク26、ヘッドパイプ31、メインフレーム32等が前方及び側方からフロントカウルやサイドカバーで覆われていないネイキッド型が存在する。このネイキッド型の場合にも、上記の光源ユニット11は、例えば、ヘッドパイプ31とピボット軸27との間に配置され、また、エンジン45と、メインフレーム32に支持された燃料タンクとの間に配置される。
カメラ装置91は、レンズ、撮像素子、画像処理部、記録部、ズーム機構(望遠を含む)を備え、可視光を検出する。夜間走行時には、カメラ装置91によって撮影された車両前方の歩行者、先行車、対向車を画像処理部による画像認識処理により認識することで、灯火装置10及びヘッドライト71のハイビームとロービームとを自動で切り換えることが可能である。これによって、ハイビームの使用による夜間の遠方視認性を向上させるとともにビーム切り換え負担を軽減し、また、ロービームに切り換えることにより眩惑を防止することができる。
また、前部発光部12とカメラ装置91との前後方向の距離L1を所定距離以上に確保することができ、前部発光部12に発生する熱のカメラ装置91への影響(熱の干渉)を抑制することができる。
図2及び図3(図1も参照)に示すように、光源ユニット11は、左右のメインフレーム32,32の車幅方向内側に左右一対設けられる。第1導光部材14,14は、レーザー素子17,17からメインフレーム32,32のそれぞれの内側面に沿って前側に延び、ヘッドパイプ31の後方で上方に屈曲する。そして、第1導光部材14,14は、フロントフォーク26のトップブリッジ46(図1参照)からバーハンドル51に沿って車幅方向外側に延び、バックミラー52の根元から上方に屈曲して、バックミラー本体52a,52aに設けられた前部発光部12,12に接続される。
第2導光部材16は、一方の光源ユニット11のレーザー素子17から一側(左側)のシートフレーム34に沿って後方に延び、シートフレーム34の後端部からリアフェンダ76に沿って後方に延び、テールライト77の後部発光部13に接続される。
上記実施形態では、光源ユニット11を左右一対設けたが、この変形例として、想像線で示した単一の光源ユニット88を、左右のメインフレーム32,32間の車幅方向中央部に配置しても良い。
また、前部発光部12,12を、ウインドスクリーン63の根元部に配置しても良い。
図3において、左右のメインフレーム32,32の間には、一方(詳しくは、右側)のメインフレーム32寄りの位置にバッテリ54が配置されている。
カメラ装置91は、フロントカウル62において、ヘッドライト71の上方で且つウインドスクリーン63の下方に配置され、また、左右一対のフロントウインカ93,93と同じ高さに配置されている。このように、カメラ装置91を車体の比較的高い位置に設けることで、車両前方をより遠くまで撮影することができ、歩行者、先行車、対向車をより認識しやすくすることができる。
レーザー素子17は、レーザー光を発する。第1導光部材14は、レーザー素子17から所望の位置まで導光する。前部発光部12は、第1導光部材14の先端に設けられて第1導光部材14からの光を車両周囲に照射する。
前部発光部12は、側面視にて車体前部に設けられるメータユニット72より高い位置に設けられる。この構成によれば、前部発光部12から照射される光を遮るものが周囲にないため、所定の照射距離及び照射範囲を確保しやすくすることができる。
また、前部発光部12は、左右一対設けられる。この構成によれば、照射範囲及び照射距離の設定の自由度を増すことができ、所定の照射距離及び照射範囲をより一層確保しやすくすることができる。
また、自動二輪車20は、灯火装置10と共に、電球又はLEDを光源とする別の灯火装置であるヘッドライト71を備える。この構成によれば、異なる種類の光源を用いることができ、照射距離及び照射範囲の設定の自由度を増すことができる。
また、カメラ装置91は、望遠可能であるので、画像を拡大することで、レーザー光が到達する遠方の画像判定が行いやすくなる。
また、カメラ装置91は、可視光を検出するので、レーザー光を発するヘッドライト装置との組み合わせにより、比較的安価な可視光カメラであるカメラ装置91であっても、遠方をセンシング可能となる。
図4は、本発明に係る第2実施形態の灯火装置100を備える自動二輪車110の左側面図、図5は、灯火装置100を示す自動二輪車110の平面図である。
図4及び図5に示すように、自動二輪車110は、第1実施形態の自動二輪車20(図1参照)の灯火装置10(図1参照)に対して灯火装置100のみ異なる。
灯火装置100は、ヘッドライト装置を構成し、左右のメインフレーム32間に配置された光源ユニット101と、フロントカウル62内に設けられたヘッドライト111の光源となる前部発光部12と、光源ユニット101及び前部発光部12のそれぞれを接続する導光部材104とを備える。
前部発光部12は、ヘッドライト111においてはハイビーム用光源となり、ヘッドライト111内に設けられた図示せぬロービーム用光源と合わせてヘッドライト用光源を構成する。
導光部材104は、光源ユニット101から一方(左側)のメインフレーム32に沿って前方に延び、ヘッドパイプ31の側方を通ってフロントカウル62内を前方に延び、ヘッドライト111内の前部発光部12に接続される。
光源ユニット101は、車両前後方向において、ヘッドパイプ31とピボット軸27との間に配置されている。また、光源ユニット101は、エンジン45と前部収納ボックス41との間に配置されている。
上記したように、光源ユニット101を前部収納ボックス41の下部の凹部41b内に配置することで、車体スペースの有効利用を図ることができ、車体前部を小型、コンパクトにできる。
フロントカウル62において、ヘッドライト71の上方で且つウインドスクリーン63の下方には、カメラ装置91が設けられている。また、カメラ装置91は、左右一対のフロントウインカ93,93と同じ高さに配置されている。
夜間走行時には、カメラ装置91によって撮影された車両前方の歩行者、先行車、対向車を画像処理部による画像認識処理により認識することで、灯火装置100のハイビームとロービームとを自動で切り換えることが可能である。
図6は、本発明に係る第3実施形態の灯火装置120を備える自動二輪車130の左側面図である。
自動二輪車130は、車体フレーム131、前輪132、後輪133及びシート134を備えるスクーター型の鞍乗り型車両である。
車体フレーム131は、前端部を構成するヘッドパイプ141と、ヘッドパイプ141から下方斜め後方に延びるダウンフレーム142と、ダウンフレーム142の下部に接続されて後方斜め上方に延びる左右一対のリアフレーム143とを備える。
ダウンフレーム142は、ヘッドパイプ141の上部から下方斜め後方に延びる左右一対のアッパーダウンフレーム145と、ヘッドパイプ141の下部からアッパーダウンフレーム145の下方を下方斜め後方に延びる左右一対のロアダウンフレーム146とを備える。
リアフレーム143は、その前端がロアダウンフレーム146に接続されるとともに中間部がアッパーダウンフレーム145の下端に接続されている。
ロアダウンフレーム146は、リアフレーム143との接続部の下方から後方に延び、更に上方斜め後方に屈曲してリアフレーム143の後部に接続されている。
フロントフォーク151の下端部には、車軸132aを介して前輪132が支持されている。
ロアダウンフレーム146の下部には、リンク部材156が前後揺動可能に取付けられ、リンク部材156の下端部にアーム部材157を介してパワーユニット161が連結されている。アーム部材157にはピボット軸162が設けられ、ピボット軸162にパワーユニット161が揺動可能に支持されている。
エンジン164は、前後方向に延びるシリンダ部166を備え、シリンダ部166の上部に吸気装置167が接続されている。無段変速機165の上部には、吸気装置167を構成するエアクリーナ168が取付けられている。無段変速機165の後端部と車体フレーム131の後端部とにはリアクッションユニット169が渡されている。
左右のダウンフレーム142の間には、燃料タンク171が前上がりの状態で配置されている。また、燃料タンク171の前方には、車体フレーム131に支持されたラジエータ172が配置されている。
車体カバー180は、フロントカバー181、左右一対のレッグシールド182、センターカバー183、左右一対のボディカバー184、左右一対のフロアステップ186及び左右一対のアンダーカバー187を備える。
フロントカバー181は、フロントフォーク151の前方を覆う。レッグシールド182は、フロントカバー181の両側部に接続されて運転者の脚部を前方から覆う。センターカバー183は、左右のレッグシールド182の間に配置されてフロントフォーク151の後方を覆う。ボディカバー184は、センターカバー183の後端から後方に延びて車体側方を覆う。フロアステップ186は、レッグシールド182の下端から後方に延びて運転者の脚部が載せられる。アンダーカバー187は、フロアステップ186の下方を覆う。
フロントカバー181は、その内部にヘッドライト191が配置され、フロントカバー181の上部にはウインドスクリーン192が取付けられている。また、フロントカバー181には、ウインドスクリーン192の後方にメータ193が設けられている。
前輪132は、上方からフロントフェンダ194に覆われる。後輪133は、上方からリアフェンダ195に覆われる。リアフェンダ195の上方にはリアコンビネーションライト197が配置されている。
光源ユニット11は、左右のリアフレーム143の内側方に配置されている。
ライト内前部発光部122Aは、ヘッドライト191のハイビーム用光源となる。ヘッドライト191は、ヘッドライト用光源198を備え、ヘッドライト用光源198は、ヘッドライト191に備えるロービーム用光源199と、ライト内前部発光部122Aとから構成される。
後部発光部13は、リアコンビネーションライト197内に配置され、ブレーキ用ライト、ポジションライトの光源となる。
第1導光部材124及び第2導光部材126は、光ファイバーからなり、車体内の配索位置の形状に応じて自在に屈曲させることが可能である。
上記した灯火装置120は、ヘッドライト191のライト内前部発光部122Aを前部上部発光部122Bによって補助するヘッドライト装置、即ち補助ヘッドライトを構成する。
第1導光部材124は、ライト内前部発光部122Aに接続されるライト第1導光部材124Aと、ライト第1導光部材124Aの途中から分岐して前部上部発光部122Bに接続される上部第1導光部材124Bとからなる。
また、光源ユニット11は、車両前後方向において、パワーユニット161(詳しくは、エンジン45)と燃料タンク171との間の領域A3に配置される。これによっても、車体重心側へのマスの集中化が図れる。
また、光源ユニット11のヒートシンク18A(詳しくは、複数の冷却フィン18c)は、シート134とボディカバー184との間に設けられた隙間205から外部に露出している。複数の冷却フィン18cの先端は、シート134の外側面とボディカバー184の外側面とを繋ぐ面と面一、又は繋ぐ面より車幅方向内側(又は車幅方向外側)に位置する。
スクータ型自動二輪車のパワーユニットには、車体フレーム131のリアフレーム143にピボット軸を介して揺動可能に支持されるものが存在する。即ち、パワーユニットの上部がピボット軸を介してリアフレーム143に支持される。このようなパワーユニットの場合にも、光源ユニット11は、ヘッドパイプ141とピボット軸との間に配置される。また、光源ユニット11は、パワーユニットと燃料タンク171との間に配置されるようにしても良い。
ヘッドライト191の下方のフロントカバー181には、左右一対のカメラ装置91が設けられている。
図7及び図8(図6も参照)に示すように、光源ユニット11は、左右のリアフレーム143,143の車幅方向内側に左右一対設けられる。
ライト第1導光部材124A,124Aは、レーザー素子17,17からダウンフレーム142(詳しくは、アッパーダウンフレーム145,145)のそれぞれの内側面に沿って前側に延び、ヘッドパイプ141の側方を通ってフロントカバー181内に延び、ヘッドライト191内のライト内前部発光部122Aに接続される。
前部上部発光部122B,122Bは、車両の正面視では、車両の高い位置に配置されるため、前部上部発光部122B,122Bから車両前方に照射されるレーザー光を遮るものがなく、バックミラー154は、前部上部発光部122Bの設置位置として好適である。
上記実施形態では、光源ユニット11を左右一対設けたが、この変形例として、想像線で示した単一の光源ユニット88を、左右のリアフレーム143,143間の車幅方向中央部に配置しても良い。
なお、左右のカメラ装置91,91を、フロントカバー181において、ヘッドライト191,191の上方に配置しても良い。
図2及び図7に示したように、カメラ装置91は、フロントカウル62又はフロントカバー181に取付けられるので、カメラ装置91を車体の前面に容易に取付けることができ、また、車体の比較的上部にカメラ装置91を配置することができるため、遠方まで映すことが可能である。
図9は、本発明に係る第4実施形態の灯火装置210を備える自動二輪車220の左側面図である。
自動二輪車220は、車体フレーム221、前輪222、後輪223及びシート224を備えるスーパースポーツ型の鞍乗り型車両である。
車体フレーム221は、ヘッドパイプ231、左右一対のメインフレーム232、左右一対のピボットフレーム233、左右一対のシートフレーム234を備える。
ヘッドパイプ231は、車体フレーム221の前端部を構成し、前輪222を支持するフロントフォーク226を操舵可能に支持している。メインフレーム232は、ヘッドパイプ231から後方斜め下方に延び、エンジン245を支持している。メインフレーム232の上部には、燃料タンク241が支持されている。ピボットフレーム233は、メインフレーム232の後端部から下方に延び、車幅方向に延びるピボット軸227を支持している。また、ピボットフレーム233は、メインフレーム232と協働してエンジン245を支持している。シートフレーム234は、メインフレーム232の後端部及びピボットフレーム233の上端部から後方斜め上方に延びて、シート224を支持している。
ピボット軸227には、揺動可能にスイングアーム228が取付けられ、スイングアーム228の後端部に車軸223aを介して後輪223が支持されている。
エンジン245は、クランクケース255と、クランクケース255の前部から前方斜め上方に延びるシリンダ部256とを備える。シリンダ部256の前方には、エンジン245を水冷するためのラジエータ257が配置されている。シリンダ部256の後部には、エアクリーナ等を含む吸気装置259が接続されている。
車体フレーム211は、車体カバー261で覆われている。
アッパーカウル262aの内側にはヘッドライト271が配置されている。
また、アッパーカウル262aには、その前面の車幅方向中央部に、アッパーカウル262a内に走行風を取入れるダクト262dが形成されている。ヘッドライト271は、ダクト262dの上縁に設けられている。換言すれば、ヘッドライト271は、ダクト262d内に配置される。
アッパーカウル262aの上部には、ウインドスクリーン263と、左右一対のバックミラー252とが取付けられている。アッパーカウル262aの上部であってウインドスクリーン263の後方にはメータユニット272が配置されている。
前輪222は、上方からフロントフェンダ274で覆われる。後輪223は、上方からリアフェンダ276で覆われる。リアフェンダ76の上方にはテールライト277が配置されている。
光源ユニット11は、左右のメインフレーム232の内側方に配置されている。
ライト内前部発光部212Aは、ヘッドライト271のヘッドライト用光源となる。ヘッドライト用光源は、ロービーム用光源及びハイビーム用光源からなる。
第1導光部材214及び第2導光部材216は、光ファイバーからなり、車体内の配索位置の形状に応じて自在に屈曲させることが可能である。
第1導光部材214は、ライト内前部発光部212Aに接続されるライト第1導光部材214Aと、前部上部発光部212Bに接続される上部第1導光部材214Bとからなる。
また、光源ユニット11は、エンジン245と燃料タンク241との間に配置される。これによっても、車体重心側へのマスの集中化が図れる。
光源ユニット11は、ヒートシンク18Aで冷却可能であるが、光源ユニット11の周辺に配置されたシリンダ部256又はラジエータ257から延びる冷却水配管を光源ユニット11に接続しても良い。これにより、ラジエータ257で冷却された冷却水によって光源ユニット11を冷却することが可能になる。
上記した灯火装置210は、ヘッドライト271と、ヘッドライト271のヘッドライト用光源となるライト内前部発光部212Aのハイビーム用光源を補助する前部上部発光部212Bとを備えたヘッドライト装置となる。
左右のバックミラー252の前面には、それぞれカメラ装置91が設けられている。
ライト内前部発光部212Aとカメラ装置91との前後方向の距離をL2、前部上部発光部212Bとカメラ装置91との前後方向の距離をL3とする。
図10に示すように、ヘッドライト271に、灯火装置210のライト内前部発光部212A,212Aを組み込むことで、ヘッドライト271を小型で、且つ上下幅の小さい、いわゆる「細目」形状にすることができ、新規な印象を与えることができる。また、このようにヘッドライト271を小型・薄肉にすることで、ダクト262d内という狭い空間にも配置することができ、車体スペースを有効に利用することができる。また、ダクト262d内にヘッドライト271のライト内前部発光部212Aを配置することで、ライト内前部発光部212Aに発生する熱を、ダクト262d内に取込まれる走行風に放熱することができ、ライト内前部発光部212Aを冷却することができる。
図10及び図11(図1も参照)において、光源ユニット11は、左右のメインフレーム232,232の車幅方向内側に左右一対設けられる。
ライト第1導光部材214A,214Aは、レーザー素子17,17からメインフレーム232,232のそれぞれの内側面に沿って前側に延び、ヘッドパイプ231(図1参照)よりも下方を通ってミドルカウル262b内及びアッパーカウル262a内に延び、ヘッドライト271内のライト内前部発光部212Aに接続される。
前部上部発光部212B,212Bは、車両の正面視では、車両の高い位置に配置されるため、前部上部発光部212B,212Bから車両前方に照射されるレーザー光を遮るものがなく、バックミラー252は、前部上部発光部212Bの設置位置として好適である。
第2導光部材216は、一方の光源ユニット11のレーザー素子17から一側(左側)のシートフレーム234に沿って後方に延び、シートフレーム234の後端部からテールライト277内に延び、テールライト277の後部発光部213に接続される。
また、ライト内前部発光部212Aとカメラ装置91との車幅方向の距離をL4、前部上部発光部212Bとカメラ装置91との車幅方向の距離をL5とする。図9及び図10に示したように、前後方向において、ライト内前部発光部212Aとカメラ装置91との距離L2及び前部上部発光部212Bとカメラ装置91との距離L3は、共に短い。しかし、車幅方向において、ライト内前部発光部212Aとカメラ装置91との距離L4及び前部上部発光部212Bとカメラ装置91との距離L5は、共に所定距離以上である。これにより、ライト内前部発光部212A及び前部上部発光部212Bに発生する熱のカメラ装置91への影響を抑制することができる。
上記実施形態では、光源ユニット11を左右一対設けたが、この変形例として、想像線で示した単一の光源ユニット88を、左右のメインフレーム232,232間の車幅方向中央部に配置しても良い。
図12は、本発明に係る第5実施形態の灯火装置300を備える自動二輪車310の左側面図、図13は、灯火装置300の一部を示す自動二輪車310の正面図(第5実施形態)である。
図12及び図13に示すように、自動二輪車310は、車体フレーム311、前輪312、後輪313及びシート314を備えるネイキッド型の鞍乗り型車両である。
車体フレーム311は、ヘッドパイプ321、左右一対のメインフレーム322、左右一対のピボットフレーム323、左右一対のシートフレーム324、左右一対のサブフレーム326、左右一対のダウンフレーム327、左右一対のロアフレーム328、補強フレーム329を備える。
ヘッドパイプ321は、車体フレーム311の前端部を構成し、前輪312を支持するフロントフォーク331を操舵可能に支持している。メインフレーム322は、ヘッドパイプ321から後方斜め下方に延び、エンジン332を支持している。メインフレーム322の上部には、燃料タンク333が支持されている。ピボットフレーム323は、メインフレーム322の後端部から下方に延び、車幅方向に延びるピボット軸334を支持している。シートフレーム324は、ピボットフレーム323の上端部から後方に延びて、シート314を支持している。
フロントフォーク331は、その左右を連結するトップブリッジ335及びボトムブリッジ336を備える。トップブリッジ335の上面にはバーハンドル337が取付けられ、フロントフォーク331の下端部には車軸312aを介して前輪312が支持されている。
ピボット軸333には、上下揺動可能にスイングアーム341が取付けられ、スイングアーム341の後端部に車軸313aを介して後輪313が支持されている。
ヘッドライト354は、電球又はLEDからなるヘッドライト用光源359を備える。ヘッドライト用光源359は、ロービーム用光源及びハイビーム用光源からなる。
前輪312は、上方からフロントフェンダ361で覆われる。後輪313は、上方からリアフェンダ362で覆われる。リアフェンダ362の後部にはテールライト363が設けられている。
光源ユニット11は、左右のメインフレーム322,322(手前側のメインフレーム322のみ図示)の車幅方向内側にそれぞれ設けられ、それぞれ吸気装置347の上方に配置されている。
なお、光源ユニット11は、左右一対に限らない。例えば、左右のメインフレーム322,322間の車幅方向中央部に単一の光源ユニット11を配置しても良い。
発光部301は、ヘッドライト354のヘッドライト用光源359のハイビーム用光源を補助するために追加されたハイビーム用光源である。発光部301は、左右のメータユニット355,356の前部にそれぞれ配置され、メータユニット355,356の上端355a,356aを通る水平な補助線365Uと、メータユニット355,356の下端355b,356bを通る水平な補助線365Lとの間に位置する。このように、発光部301が、車体の高い位置に配置されることで、発光部301から車両前方に照射されるレーザー光を遮るものがなく、発光部301からのレーザー光の照射範囲及び照射距離を確保しやすくできる。このため、メータユニット355,356は、発光部301の設置位置として好適である。
左右のバックミラー358の前面には、それぞれカメラ装置91が設けられている。
カメラ装置91をバックミラー358という車体の高い位置に設けることで、車両前方をより遠くまで撮影することができ、歩行者、先行車、対向車をより認識しやすくすることができる。
また、発光部301とカメラ装置91との前後方向の距離L6を所定距離以上に確保することができ、発光部301に発生する熱のカメラ装置91への影響を抑制することができる。
図10及び図13に示したように、カメラ装置91は、バックミラー252,358に配置されるので、カメラ装置91を車体の高い位置に配置することができ、センシング性能を高めることができる。
灯火装置300は、光源ユニット11に導光部材302を介して接続された発光部301の照射方向を車両の進行方向等に変更することができ、また、カメラ装置91のレンズ91aを発光部301の照射方向等に指向させることができるものである。
詳しくは、灯火装置300は、光源ユニット11、発光部301、導光部材302、バンク角センサー304、車速センサー305、ECU(Electronic Control Unit)306、発光部駆動部307、レンズ駆動部308、カメラ装置91を備える。
ECU306は、バンク角信号SB及び車速信号SVに基づいて自動二輪車310の進行方向を算出して予測する。そして、ECU306は、算出された進行方向を含む発光部駆動信号SDH及びレンズ駆動信号SDLを、それぞれ発光部駆動部307とレンズ駆動部308とに出力する。
レンズ駆動部308は、レンズ駆動信号SDLに基づいてカメラ装置91に備えるレンズ91aを電動モータ、ソレノイド、空圧シリンダ、油圧シリンダ等のアクチュエータで駆動し、レンズの指向方向を、自動二輪車310の進行方向、又は進行方向に対して所定角度だけ傾いた方向に向ける。
なお、レンズのみの駆動に限らず、レンズを備えるカメラ装置91の全体を駆動させてカメラ装置91の撮影方向を自動二輪車310の進行方向、又は進行方向に対して所定角度だけ傾いた方向に向けても良い。
図15は、本発明に係る第6実施形態の灯火装置370が設けられた車体フレーム381の左側面図、図16は、灯火装置370の配置を示す車体前部の正面図(第6実施形態)である。
第6実施形態において、第5実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
図15及び図16に示すように、灯火装置370は、ヘッドライト用光源371と、車体フレーム381を構成するヘッドパイプ391の前部に形成された凹部391aと、凹部391aの開口391bを塞ぐように配置されたレンズ373と、光源ユニット11(図12参照)と、導光部材374とを備える。
上記したように、灯火装置370は、ハイビーム用光源としての発光部377からレーザー光を発するヘッドライト装置である。
このように、灯火装置370をヘッドパイプ391に配置することで、フロントフォーク331周りを、簡素な構造にできるとともに新規な印象を与えることができ、商品魅力を向上させることができる。
なお、灯火装置370を、ヘッドパイプ391に限らず、トップブリッジ335、ボトムブリッジ336や、その他のフロントフォーク331の一部に組み込んでも良い。
本発明は、自動二輪車に適用する場合に限らず、自動二輪車以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
12 前部発光部(発光部)
14,124,214 第1導光部材(導光部)
16,126,216第2導光部材(導光部)
17 レーザー素子(レーザー光源)
20,110,130,220 自動二輪車(鞍乗り型車両)
52,154,252,358 バックミラー
62 フロントカウル
71,354 ヘッドライト(灯火装置)
72,193,272,355,356 メータユニット
91 カメラ装置
91a レンズ
104,302 導光部材(導光部)
122A ライト内前部発光部(発光部)
122B 前部上部発光部(発光部)
181 フロントカバー
212A ライト内前部発光部(発光部)
212B 前部上部発光部(発光部)
301 発光部
Claims (10)
- 光を発するレーザー光源(17)と、前記レーザー光源(17)から所望の位置まで導光する導光部(14,104,124,214,302)と、前記導光部(14,104,124,214,302)の先端に設けられて前記導光部(14,104,124,214,302)からの光を車両周囲に照射する発光部(12,122A,122B,212A,212B,301)とを備える灯火装置(10,100,120,210,300)が搭載された鞍乗り型車両の灯火装置配置構造において、前記発光部(12,122A,122B,212A,212B,301)は、車体前部に設けられるメータユニット(72,193,272,355,356)の下端より高い位置に設けられる鞍乗り型車両の灯火装置(10,100,120,210,300)と共に、夜間走行時に車両前方の状況をセンシングするカメラ装置(91)を備え、
少なくとも車体のバンク角の検出信号に基づいて車両の進行方向を予測し、この進行方向に向けて前記発光部(301)の照射方向を変更可能であるとともに、前記カメラ装置(91)のレンズ(91a)の指向方向を、前記照射方向に向けて移動させることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記発光部(12,122B,212B)は、車体前部に設けられるバックミラー(52,154,252)に組み込まれていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
- 前記発光部(12,122A,122B,212A,212B,301)は、左右一対設けられることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両。
- 前記発光部(122B,212B)は、前記バックミラー(154,252)の根元に設けられることを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗り型車両。
- 前記発光部(301)は、前記メータユニット(355,356)に設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
- 前記灯火装置(10,300)と共に、電球又はLEDを光源とする別の灯火装置(71,354)を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記カメラ装置(91)は、望遠可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記カメラ装置(91)は、可視光を検出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記カメラ装置(91)は、フロントカウル(62)又はフロントカバー(181)に取付けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記カメラ装置(91)は、バックミラー(252,358)に配置されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
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