以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《実施形態1》
実施形態1に係る清掃装置100は、管群に含まれる管の表面に付着した付着物を清掃する。ここでは、清掃装置100がボイラの伝熱管を清掃する場合について説明する。図1は、清掃装置100の側面図である。図2は、清掃装置100を正面から見た図であり、部分的に断面図となっている。
ボイラ内には、複数の管Pによって形成された管群Q(図2参照)が設けられている。管Pの内部には、水等の流体が流通している。管Pは、伝熱管であり、ボイラの燃焼室で発生した熱と熱交換を行う。複数の管Pは、水平方向に延びており、水平方向及び鉛直方向に配列されている。つまり、管群Qにおいては、水平方向において複数の管Pが互いに平行な状態で配列されていると共に、鉛直方向において複数の管Pが互いに平行な状態で配列されている。
尚、一の管Pと他の管Pとは、それぞれの端部が繋がって、1本の管を形成する場合もある。つまり、管群Qには、1本の管が水平方向に延びた後、折り返して再び水平方向に延びる場合や、1本の管が水平方向に延びた後、折り返して再び水平方向に延びることを繰り返し、全体として蛇行するように延びる場合がある。本明細書では、このような場合であっても、水平方向に延びる部分の1つ1つを1本の管Pとして捉えるものとする。そのため、実際には連続した1本の管であっても、水平方向に延びる部分が複数存在すれば、複数の管Pとして扱う。
ボイラでは、燃焼により生じた灰が管Pに付着し得る。灰の一部は、溶融してクリンカになるものもある。このように、管Pの表面には、灰やクリンカ等の付着物が付着している。ここで、付着物とは、管Pの表面に直接的に接触しているものに限られず、管Pの表面に直接的に接触しているものにさらに積み重なっているものも含む。例えば、管Pの表面に直接的に接触している灰だけでなく、その上にさらに堆積している灰も付着物に含まれる。
清掃装置100は、水平方向に並ぶ少なくとも2本の管Pの上に載置される。清掃装置100は、装置本体1と、装置本体1に設けられ、少なくとも2本の管Pの上を走行する走行機構2と、装置本体1から昇降して、走行機構2よりも下方に位置する管Pの表面の付着物を清掃する清掃機構3と、清掃機構3を走行機構2から昇降させる昇降機構7と、清掃装置100を制御する本体コントローラ8と、オペレータが指令を入力する際に操作する外部コントローラ9とを備えている。清掃装置100は、走行機構1が載っている2本の管Pの間に清掃機構3を昇降機構7によって降下及び上昇させ、2本の管P及びそれらの下方に並ぶ管Pに付着した付着物を清掃する。尚、図2においては、昇降機構7、本体コントローラ8及び外部コントローラ9を省略している。
以下、説明の便宜上、清掃装置100を基準に互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を規定する。清掃装置100の走行方向(即ち、走行機構2の走行方向)にX軸を設定し、清掃装置100の上下方向(即ち、昇降機構7の昇降方向)にZ軸を設定し、清掃装置100の幅方向(即ち、走行方向及び上下方向の両方に直交する方向)にY軸を設定する。
また、管群Qを基準に互いに直交するU軸、V軸及びW軸を規定する。管Pが延びる方向にU軸を設定し、U軸に直交し且つ水平な方向にV軸を設定し、U軸に直交し且つ鉛直な方向にW軸を設定する。
装置本体1は、XY平面上に拡がる平板状のベース11と、ベース11に設けられ、清掃機構3を収容するケース12とを有している。ベース11の略中央には、ベース11を貫通する開口11a(図2参照)が形成されている。ケース12は、X軸方向を長手方向とする略長方形の断面を有する角筒状に形成されている。ケース12は、ベース11の開口11aを貫通している。また、装置本体1には、管Pを検出する複数のセンサ(図示省略)が設けられている。
走行機構2は、ベース11の下面に取り付けられた2本のクローラ21を有している。クローラ21は、X軸方向に進行するように構成されている。つまり、クローラ21の駆動輪の回転軸は、Y軸方向に延びている。2本のクローラ21は、ベース11の開口11aを挟んでY軸方向に並んでいる。
清掃機構3は、詳しくは後述するが、フレーム31(図1参照)と、フレーム31に支持された3つの清掃ユニット4(図2参照)と、清掃機構3が管群Q内を進行する際に清掃機構3を進行方向に案内するガイド5とを有している。清掃機構3は、清掃を行わないときには、ケース12内に収容されている。清掃機構3は、清掃を行うときには、ケース12から下方へ降下し、管群Q内を進行しながら、管群Qに含まれる管Pの表面を清掃する。
昇降機構7は、2基のウインチ71と、各ウインチ71に巻き上げられるワイヤ72とを有している。ウインチ71は、ベース11の上面に設置されている。2基のウインチ71は、X軸方向においてケース12を挟むように配置されている。ワイヤ72は、ウインチ71のリールに巻き掛けられている。ワイヤ72の一端は、清掃機構3に取り付けられている。つまり、清掃機構3は、2本のワイヤ72でつり下げられた状態となっており、昇降機構7によってZ軸方向に昇降させられる。尚、ケース12には、ウインチ71のリール及びワイヤ72との干渉を避けるための切欠き(図示省略)が形成されている。
本体コントローラ8は、装置本体1に搭載されている。本体コントローラ8は、プロセッサで形成されている。本体コントローラ8は、外部コントローラ9からの指令を受けて、清掃装置100の各部を制御する。例えば、本体コントローラ8は、前述の管Pを検出するセンサの出力に基づいて、装置本体1と管Pとの位置関係を判断する。本体コントローラ8は、センサの出力を参照しながら、外部コントローラ9からの指令に応じた位置へ清掃装置100を移動させる。また、本体コントローラ8は、清掃機構3及び昇降機構7を作動させる。
外部コントローラ9は、ケーブル91を介して本体コントローラ8に接続されている。オペレータは、外部コントローラ9を操作することによって、本体コントローラ8に指令を入力する。例えば、外部コントローラ9は、指令として、清掃装置100への動作指令が入力可能である。それに加えて、外部コントローラ9は、動作に関連する移動距離を入力可能であってもよい。
以下、清掃機構3についてさらに詳細に説明する。図3は、清掃機構3をY軸方向に見た図である。図4は、スクレーパ34が収容された状態の、図3のS−S線における清掃ユニット4の断面図である。図5は、スクレーパ34が拡がった状態の、図3のS−S線における清掃ユニット4の断面図である。図6は、ガイド5が縮まった状態の清掃機構3をX軸方向に見た図である。図7は、ガイド5が拡がった状態の清掃機構3をX軸方向に見た図である。図8は、図7のT−T線における第1ブレード51Aの断面図である。
フレーム31は、図3に示すように、概ね四角形の枠状に形成されている。フレーム31は、カバー31aが取り付けられており、これにより、全体として箱状に形成されている。フレーム31のうちX軸方向の両端に設けられ、Z軸方向に延びる一対の縦フレーム31bのそれぞれには、昇降機構7のワイヤ72が取り付けられる係止部31cが設けられている。
Z軸方向(即ち、清掃機構3の昇降方向)に見た場合のフレーム31の形状は、清掃装置100が載置された2本の管PのV軸方向の間隔GV(図2参照)を直径とする円よりもはみ出している。具体的には、フレーム31のY軸方向の寸法は、2本の管Pの間隔GVよりも小さく設定されている。一方、フレーム31のX軸方向の寸法は、2本の管Pの間隔GVよりも大きく設定されている。つまり、清掃装置100のX軸方向と管群QのU軸方向とが一致する場合には、フレーム31は、2本の管Pの間に進入することができる。フレーム31は、支持部の一例である。
3つの清掃ユニット4は、フレーム31に支持されている。3つの清掃ユニット4は、フレーム31の下部から下方に突出している。
3つの清掃ユニット4は、X軸方向に配列されている。3つの清掃ユニット4は、Z軸方向(即ち、清掃装置3の昇降方向)における位置が異なっている。具体的には、真ん中の清掃ユニット4は、両側の清掃ユニット4に比べて下方に突出している。以下、3つの清掃ユニット4をそれぞれ区別する場合には、X軸方向に並ぶ順に、「第1清掃ユニット4A」、「第2清掃ユニット4B」、「第3清掃ユニット4C」と称する。
清掃ユニット4は、Z軸と平行(即ち、清掃機構3の昇降方向と平行)な回転軸A回りに回転しながら管Pに接触して管Pの表面の付着物を除去するように構成されている。具体的には、清掃ユニット4は、図3に示すように、Z軸と平行に延びる回転軸A回りに回転する回転シャフト32と、管Pの表面に接触することによって管Pの表面の付着物を除去するスクレーパ34と、回転軸Aと同軸に設けられた円板35と、回転軸A上であって清掃ユニット4の先端に設けられた掘削部36とを有している。回転シャフト32は、フレーム31に支持されたモータ(図示省略)によって回転駆動される。清掃ユニット4は、清掃部の一例であり、スクレーパ34は、接触部の一例である。
回転シャフト32の先端部に、円板35、スクレーパ34及び掘削部36が設けられている。4枚の円板35が、回転軸Aと同軸上に等間隔で配置されている。円板35は、回転シャフト32に回転不能な状態で取り付けられている。つまり、円板35は、回転シャフト32と一体的に回転する。円板35の直径は、2本の管Pの間隔GVよりも小さく設定されている。
4枚の円板35によって3つの隙間が形成されている。図4,5に示すように、各隙間に3つのスクレーパ34が配置されている。隣り合う各2つの円板35の間には、回転軸Aと平行な揺動軸Bに沿って延びる3本の揺動シャフト37が設けられている。3本の揺動シャフト37は、回転軸Aから偏心した位置において、回転軸A回りに等間隔を空けて設けられている。各スクレーパ34は、揺動シャフト37に揺動可能な状態で連結されている。スクレーパ34は、概ね円弧状に形成されている。スクレーパ34は、例えば、アルミ合金、炭素鋼、ウレタンゴム又は真鍮で形成されている。
図4に示すように、スクレーパ34のうち揺動軸Bから遠い端部である先端部34aが回転軸Aに最も接近した状態においては、スクレーパ34は、2つの円板35の隙間内に完全に収容される。すなわち、スクレーパ34は、円板35の外周縁Eの内側に収容される。スクレーパ34が円板35内に収容された状態において、Z軸方向(即ち、清掃機構3の昇降方向)に見た場合の清掃ユニット4の形状は、2本の管Pの間隔GVを直径とする円内に収まっている。ここで、「外周縁Eの内側に収容される」とは、スクレーパ34が外周縁Eからはみ出さないことを意味している。つまり、スクレーパ34は、円板35の間に収容されたときに、外周縁Eと面一な状態であってもよい。
一方、図5に示すように、スクレーパ34は、回転シャフト32の遠心力によって先端部34aが回転軸Aから離れるように揺動し、回転軸Aを中心とする半径方向外側へ拡がる。このとき、スクレーパ34は、円板35の外周縁Eよりも外側へ突出する(即ち、外周縁Eから外側へはみ出す)。
以下、特段の断りがない限り、「半径方向」とは、回転軸Aを中心とする半径方向を意味する。
尚、スクレーパ34が円板35内に収容された状態において、スクレーパ34が揺動シャフト37から先端部34aへ向かって延びる方向は、回転シャフト32の回転方向とは反対向きとなっている。そのため、スクレーパ34が拡がった状態で回転軸A回りに回転している際にスクレーパ34が何かに接触したとしても、スクレーパ34が円板35内に収容される方向へ揺動して、回転軸A回りのスクレーパ34の回転が維持される。
掘削部36は、図3に示すように、回転シャフト32の最も先端側に配置されている。掘削部36は、回転シャフト32に回転不能な状態で取り付けられている。つまり、掘削部36は、回転シャフト32と一体的に回転する。掘削部36は、概ね円錐状に、即ち、先鋭な形状に形成されている。掘削部36には、掘削部36によって削った切屑を逃がすための溝が形成されている。
さらに、図3,6,7に示すように、フレーム31のうち一対の縦フレーム31bのそれぞれに、ガイド5が設けられている。ガイド5は、一対の第1ブレード51A及び第2ブレード51Bと、第1ブレード51A及び第2ブレード51Bを縦フレーム31bに連結する4つの第1〜第4リンク61〜64とを有している。第1ブレード51Aと第2ブレード51Bとは、左右対称な形状をしている。第1ブレード51A及び第2ブレード51Bは、Y軸方向におけるガイド5の外側の管Pと接触することによって、清掃機構3を案内する。第1ブレード51Aと第2ブレード51Bとを区別しない場合には、単に「ブレード51」と称する。第1〜第4リンク61〜64は全て、同じ形状をしている。第1リンク61、第2リンク62、第3リンク63及び第4リンク64のそれぞれを区別しない場合には、単に「リンク6」と称する。
各ブレード51は、Z軸方向に延びる形状をしている。各ブレード51は、Y軸方向の外側(即ち、フレーム31のY軸方向中央から遠い側)に概ねZ軸方向に延びるエッジ53を有している。エッジ53が、管Pと接触する。エッジ53のうちZ軸方向の両端部は、図6,7に示すように、先端側ほどY軸方向の内側に位置するようにZ軸に対して傾斜している。XY平面(即ち、清掃機構3の進行方向と直交する平面)によるエッジ53の断面形状は、図8に示すように、Y軸方向外側に向かって細くなる(即ち、Y軸方向外側に位置する管Pに近いほど細い)先鋭な形状となっている。各ブレード51には、第1〜第4リンク61〜64が連結されている。
各リンク6の長手方向中央部は、縦フレーム31bに回転自在に取り付けられている。第1リンク61と第2リンク62とは、同じ回転軸Cに取り付けられている。第3リンク63と第4リンク64とは、同じ回転軸Dに取り付けられている。各リンク6の長手方向一端部(以下、「第1端部」と称する)が第1ブレード51Aに連結され、各リンク6の長手方向他端部(以下、「第2端部」と称する)が第2ブレード51Bに連結されている。
詳しくは、第1リンク61の第1端部61aは、第1ブレード51Aに形成された、Z軸方向に延びる長孔54に、回転自在且つ長孔54内を摺動可能に取り付けられている。第1リンク61の第2端部61bは、第2ブレード51Bに回転自在に取り付けられている。第2リンク62の第1端部62aは、第1ブレード51Aに回転自在に取り付けられている。第2リンク62の第2端部62bは、第2ブレード51Bに形成された、Z軸方向に延びる長孔54に、回転自在且つ長孔54内を摺動可能に取り付けられている。
同様に、第3リンク63の第1端部63aは、第1ブレード51Aに形成された、Z軸方向に延びる長孔54に、回転自在且つ長孔54内を摺動可能に取り付けられている。第3リンク63の第2端部63bは、第2ブレード51Bに回転自在に取り付けられている。第4リンク64の第1端部64aは、第1ブレード51Aに回転自在に取り付けられている。第4リンク64の第2端部64bは、第2ブレード51Bに形成された、Z軸方向に延びる長孔54に、回転自在且つ長孔54内を摺動可能に取り付けられている。
第1リンク61及び第2リンク62は、第1リンク61の第1端部61aと第2リンク62の第2端部62bとがY軸方向に離れ且つ、第1リンク61の第2端部61bと第2リンク62の第1端部62aとがY軸方向に離れるように、コイルバネ(図示省略)によって回転軸C回りに付勢されている。
同様に、第3リンク63及び第4リンク64は、第3リンク63の第1端部63aと第4リンク64の第2端部64bとがY軸方向に離れ且つ、第3リンク63の第2端部63bと第4リンク64の第1端部64aとがY軸方向に離れるように、コイルバネ(図示省略)によって回転軸D回りに付勢されている。
こうして、第1ブレード51A及び第2ブレード51Bは、Z軸方向に延びる姿勢を維持したまま、Y軸方向へ互いに離れるように付勢されている。つまり、第1ブレード51A及び第2ブレード51Bは、Y軸方向においてガイド5の外側に位置する管Pにエッジ53を押し付けるように付勢されている。尚、第1ブレード51A及び第2ブレード51Bは、Y軸方向に移動する際にZ軸方向にも移動する。図7に示すように、第1ブレード51A及び第2ブレード51Bは、最も拡がった状態においては、フレーム31よりもY軸方向へ拡がっている。尚、係止部31cは、前述のように移動する第1ブレード51A及び第2ブレード51B並びに第1〜第4リンク61〜64と干渉しない位置に配置されている。
このように構成された清掃機構3は、図1,2に示すように、ケース12内に収容可能となっている。Y軸方向へ最も拡がった状態における一対のブレード51の両エッジ53間の距離は、ケース12のY軸方向寸法よりも大きい。つまり、清掃機構3がケース12内に収容された状態においては、一対のブレード51がY軸方向内側へ縮まった状態となり、両エッジ53がケース12の内面に接触している。これにより、清掃機構3は、ケース12内においてY軸方向の位置が決められる。
続いて、清掃装置100の動作について説明する。図9は、清掃機構3が管Pを清掃している状態をX軸方向に見た図である。
清掃装置100は、2本の管Pの間に清掃機構3を降下及び上昇させることによって、2本の管P及び、Z軸方向において2本の管Pの下方に配列された管Pを清掃する。
まず、オペレータは、清掃装置100を管Pの上に載置する。オペレータは、外部コントローラ9を操作して、清掃装置100を清掃開始位置まで移動させる。例えば、清掃開始位置は、2本のクローラ21が2本の管P上に管Pと平行な状態で載り、且つ、清掃装置100が2本の管PのU軸方向の一端部に位置し、且つ、清掃機構3がV軸方向において2本の管Pの間に位置する位置である。清掃開始位置までの清掃装置100の移動は、オペレータの目視で行ってもよいし、清掃装置100のセンサが清掃開始位置を検知するようにしてもよい。オペレータの目視による場合には、外部コントローラ9からの入力は、装置本体100の前進、後退又は旋回等の動作指令であってもよいし、それに加えて移動距離であってもよい。
清掃装置100が清掃開始位置まで移動すると、オペレータは、外部コントローラ9を介して清掃開始の指令を入力する。
本体コントローラ8は、清掃開始の指令を受けると、清掃機構3の回転シャフト32を回転駆動させ、この状態で清掃機構3を昇降機構7によって2本の管Pの間に降下させる。回転シャフト32の回転による遠心力によってスクレーパ34が回転軸Aを中心とする半径方向外側に拡がる。
スクレーパ34は遠心力によって拡がるので、十分なスペースが存在しない場合には、スクレーパ34は最大には拡がらず、可能な範囲で拡がる。つまり、スクレーパ34の半径方向外側のスペースがZ軸方向位置によって異なる場合、スクレーパ34は、半径方向外側のスペースに応じて拡がりを変化させながら降下していく。清掃機構3が管群Q内を降下する場合、図9に示すように、スクレーパ34の半径方向外側に管Pが存在しない位置、又は、スクレーパ34の半径方向外側に管Pが存在するもののスクレーパ34が届かない位置においては、スクレーパ34は、最大限拡がった状態となる(図9における第1清掃ユニット4Aの比較的上部のスクレーパ34を参照)。スクレーパ34の半径方向外側に管Pが存在し且つスクレーパ34が管Pに届く位置においては、スクレーパ34が管Pに接触する状態まで拡がる(図9における第1清掃ユニット4Aの比較的下部のスクレーパ34及び第2清掃ユニット4Bのスクレーパ34を参照)。その結果、スクレーパ34は、管Pの横を通過する際に、管Pの表面形状に倣って半径方向への拡がりを変更しながら管Pの表面に接触する。
つまり、清掃機構3の進行方向に沿って配列された(即ち、W軸方向に配列された)複数の管Pの間にスクレーパ34が入り込んで、該複数の管Pの間に存在する付着物を除去すると共に該複数の管Pの表面に接触して管Pの付着物を除去する。その結果、スクレーパ34は、管Pの表面のうち、清掃機構3が通過するスペースに面している部分だけでなく、該スペースから清掃機構3の進行方向と交差する方向(例えば、V軸方向)に離れた部分(即ち、奥まった部分)に付着した付着物も除去する。
好ましくは、スクレーパ34が最も拡がった状態におけるスクレーパ34の外接円F(図5参照)の直径は、V軸方向に並ぶ2つの管Pの軸心間の距離よりも大きく設定されている。これにより、スクレーパ34は、管Pの側方をW軸方向に通過することによって、管Pの表面のうち概ね半周部分の付着物を除去することができる。
こうして、スクレーパ34は、管Pの表面に付着した付着物を削り落としていく。
このとき、スクレーパ34は、2枚の円板35の間に配置されている。そのため、清掃ユニット4の回転時やスクレーパ34が管P等の他の物体と接触したときに、スクレーパ34のZ軸方向へのぶれを円板35によって低減することができる。
また、清掃機構3が狭い隙間を通過する際にはスクレーパ34の拡がりが抑えられる。スクレーパ34の拡がりが最小となったときにはスクレーパ34が円板35内に収容される。すなわち、Z軸方向を向いて見た場合に清掃ユニット4の最小外形は、円板35の外形である。ここで、円板35が無ければ、清掃ユニット4の最小外形は、先端部が回転シャフト32に接近した3つのスクレーパ34の外縁によって形成される(図4において円板35を省略した状態)。この場合の清掃ユニット4の最小外形は、完全な円ではなく、隣り合う2つのスクレーパ34の間に凹部が形成され、全体として凹凸を有している。このような凹凸を有する回転体である清掃ユニット4が管P等に接触すると、管P等からの反発が大きくなる。それに対し、円板35が設けられていることによって、清掃ユニット4が管P等に接触した際の反発を低減することができる。
ここで、清掃機構3が2本の管Pの間を降下していく際に、清掃機構3の進行方向の前方(即ち、清掃機構3の下方)に灰等の付着物が存在している場合がある。例えば、管Pの表面の付着物の厚みが増大すると、付着物で覆われた2本の管PのV軸方向の間隔が小さくなる。付着物が多い場合には、2本の管PのV軸方向の間隔が付着物で埋まっていることがあるかもしれない。この間隔が円板35の直径やフレーム31のY軸方向寸法よりも小さくなると、清掃機構3が降下する際に円板35及びフレーム31が付着物に干渉し、清掃機構3の降下が阻害される。スクレーパ34は、円板35から半径方向外側の付着物を除去することができるが、円板35の下方の付着物を除去することはできない。それに対し、清掃ユニット4の先端には、掘削部36が設けられている。掘削部36は、清掃機構3が降下する際に、回転シャフト32と一体的に回転している。そのため、清掃機構3が降下する際に清掃機構3の下方に存在する付着物を掘削部36が掘削していく。これにより、清掃機構3を円滑に降下させることができる。
さらに、清掃機構3が管群Q内を進行する際には、ガイド5が清掃機構3を案内している。詳しくは、ガイド5の第1ブレード51A及び第2ブレード51Bは、Y軸方向において互いに離間する方向へ付勢されている。そのため、第1ブレード51Aは、V軸方向一方側の管Pに接触し、第2ブレード51Bは、V軸方向他方側の管Pに接触する。こうして、清掃機構3は、V軸方向両側に位置する管Pに対してV軸方向位置が決められる。具体的には、清掃機構3は、V軸方向に並ぶ管PのV軸方向中央に位置決めされる。さらに、管Pに接触する第1ブレード51A及び第2ブレード51Bのエッジ53の断面形状がY軸方向外側に向かって先鋭な形状となっているので、管Pの表面に付着物が付着していたとしても、エッジ53は、付着物に切れ込んで管Pの表面に接触しやすくなる。これにより、清掃機構3の位置決め精度が向上する。
尚、第1ブレード51A及び第2ブレード51Bのエッジ53のうちZ軸方向の両端部は、先端側ほどY軸方向の内側に位置するように傾斜している。すなわち、即ち、第1ブレード51A及び第2ブレード51Bの両エッジ53のY軸方向の距離は、先端側ほど短くなっている。そのため、第1ブレード51A及び第2ブレード51Bが2本の管Pの間に進入する際には、第1ブレード51A及び第2ブレード51BのZ軸方向の端部が管Pに引っかかることなく、第1ブレード51A及び第2ブレード51Bが2本の管Pの間に円滑に進入していく。
清掃機構3は、清掃対象の管Pのうち最も下方の管Pを清掃ユニット4が通過するまで降下すると、昇降機構7によって上昇させられる。この清掃機構3の最下位への到達は、オペレータの目視で確認してもよいし、清掃装置3にセンサを設けて、センサによって検出するようにしてもよい。あるいは、清掃開始時にオペレータが清掃機構3の降下する距離を入力するようにしてもよい。
清掃機構3が上昇する際にも、スクレーパ34は、管Pの表面形状に倣って半径方向への拡がりを変更しながら管Pの表面に接触し、管Pの表面に付着した付着物を削り落としていく。つまり、清掃機構3は、降下時と上昇時との両方で、管Pの表面をスクレーパ34で清掃する。
清掃機構3には、X軸方向に並ぶ3つの清掃ユニット4が設けられているので、清掃機構3の1回の降下及び上昇によって、管PのうちU軸方向位置が異なる3箇所が清掃される。
清掃機構3の上下の往復が終了すると、清掃装置100は、2本の管Pに沿ってU軸方向へ所定量だけ移動する。その後、清掃機構3は、再度、降下及び上昇を実行する。つまり、清掃機構3は、管Pのうち、先の清掃機構3の降下及び上昇時とはU軸方向位置が異なる部分を清掃する。
尚、この清掃装置100のU軸方向への移動は、清掃機構3の上昇が完了したときに清掃装置100が自動で行ってもよいし、オペレータが外部コントローラ9を介して指令を入力することによって行ってもよい。
こうして、清掃装置100は、U軸方向の位置を変更しながら、清掃機構3の降下及び上昇を繰り返す。清掃装置100は、清掃装置100が載置された2本の管PのU軸方向の一端部から他端部までの移動を終了すると、清掃装置100が載置された2本の管Pの間における清掃を終了する。
尚、2本の管PのU軸方向の他端部への清掃装置100の到達は、オペレータが目視で確認してもよいし、清掃装置100に設けられたセンサで検出してもよい。あるいは、清掃開始時にオペレータが清掃装置100のU軸方向への移動距離を入力するようにしてもよい。
続いて、清掃装置100は、V軸方向へ移動し、清掃機構3を異なる2本の管Pの間に配置させる。詳しくは、清掃装置100は、2本のクローラ21が管Pと平行な状態から2本のクローラ21が管Pと略直交する状態まで旋回する。そして、清掃装置100は、管Pを横断して、清掃が終了した2本の管Pの間の隣りの2本の管Pの間に清掃機構3が位置するようになるまで移動する。清掃機構3が隣りの2本の管Pの間に移動すると、清掃装置100は、2本のクローラ21が管Pと平行な状態まで旋回する。旋回後、清掃装置100は、2本の管PのU軸方向の端部まで移動する。尚、新たな2本の管Pの一方は、先に清掃が終了した2本の管Pの一方の管Pである。
そして、清掃装置100は、新たな2本の管P及びその下方の管Pに対して前述と同様の清掃を行う。こうして、清掃装置100は、清掃装置100が載置される2本の管Pを変更しながら前述の清掃を繰り返すことによって、管群Qに含まれる管Pの清掃を行う。
ここで、一組の管Pの間の清掃終了後の清掃装置100の旋回、清掃装置100の管Pの横断、清掃装置100の再旋回、及び、別の一組の管PのU軸方向端部への清掃装置100の移動は、清掃装置100が自動で行ってもよいし、オペレータが外部コントローラ9を介して指令を入力することによって行ってもよい。オペレータが指令を入力する場合には、清掃装置100の旋回、横断、再旋回及び移動の全てを1度の指令で行ってもよいし、清掃装置100の旋回、横断、再旋回及び移動の動作ごとに指令が入力されてもよい。
続いて、清掃装置100の移動についてさらに詳しく説明する。図10は、管Pと平行に移動する清掃装置100をX軸方向に見た図である。図11は、管Pと平行に移動する清掃装置100をZ軸方向に見た図である。図12は、管P上で旋回する清掃装置100をX軸方向に見た図である。図13は、管P上で旋回する清掃装置100をZ軸方向に見た図である。尚、図11,13においては、清掃装置100を模式的に図示している。また、図11,13においては、3つの清掃ユニット4のうち、清掃装置100が載置された管PとW軸方向位置が同じ清掃ユニット4のみを図示している。
前述の如く、清掃装置100が管群Qに含まれる管Pを清掃する際には、清掃装置100は、管Pの上を走行する。管Pの表面には付着物が付着しているので、クローラ21が滑って空転し得る。そのため、清掃装置100を所望の位置まで走行させることが困難な場合もあり得る。そこで、清掃装置100は、清掃ユニット4を走行時のガイドに用いることによって、所望の位置までの移動を実現している。
基本的には、清掃装置100は、管P上を移動する際には、清掃ユニット4が管Pと干渉しないように、図2に示すように清掃ユニット4を引き上げた状態(清掃ユニット4が走行機構2から下方に突出していない状態)で移動する。
ただし、管PのU軸方向位置が異なる部分を清掃するために清掃装置100が2本の管Pに沿ってU軸方向へ移動する際には、清掃装置100は、図10に示すように、清掃ユニット4を走行機構2よりも下方に突出させ、清掃装置100が載置された2本の管Pの間に進入させた状態で走行する。清掃ユニット4が2本の管Pの間に進入しているので、清掃装置100は、図11に示すように、2本の管Pに沿って移動する際にV軸方向へ逸れていくことが規制される。つまり、清掃ユニット4は、清掃装置100が管Pと平行に移動する際のガイドとして機能する。
このとき、複数の清掃ユニット4が2本の管Pの間に進入した状態となっていることが好ましい。清掃機構3では第1清掃ユニット4Aと第3清掃ユニット4CのZ軸方向位置が同じなので、第1清掃ユニット4A及び第3清掃ユニット4Cが2本の管Pの間に進入させられる。X軸方向に並ぶ複数の清掃ユニット4が2本の管Pの間に進入しているので、清掃装置100は、2本の管Pに沿って移動する際にZ軸回りの回転が規制される。
また、清掃装置100は、例えば清掃を行う2本の管Pを変更する場合のように、管Pを横切って移動する場合がある。このような場合、清掃装置100は、クローラ21が管Pに平行な状態から旋回して方向転換する必要がある。清掃装置100は、旋回を行う際には、2つのクローラ21を互いに反対方向に駆動する。つまり、一方のクローラ21がX軸方向の一方側へ進行するように駆動され、他方のクローラ21がX軸方向の他方側へ進行するように駆動される。これにより、清掃装置100は、Z軸と平行な軸回りに旋回する。しかし、クローラ21が接している管Pの表面に付着物(例えば、灰)が付着していると、クローラ21が空転して、清掃装置100がうまく旋回しない場合がある。例えば、一方のクローラ21だけが空転すると、他方のクローラ21の進行方向へ清掃装置100が移動していく。
これを防止するために、清掃装置100は、清掃ユニット4を1つだけ2本の管Pの間に進入させた状態で旋回を行う。清掃機構3では第2清掃ユニット4Bが第1清掃ユニット4A及び第3清掃ユニット4Cに比べて下方に突出しているので、図12に示すように、第2清掃ユニット4Bが2本の管Pの間に進入させられる。スクレーパ34は円板35内に収容可能であり、円板35の外径は、2本の管Pの間隔よりも小さい。すなわち、Z軸方向に見た場合の第2清掃ユニット4Bの外形は、2本の管Pの間隔を直径とする円内に収まっている。そのため、第2清掃ユニット4Bが2本の管Pの間に進入した状態であっても、清掃装置100は旋回することができる。尚、Z軸方向に見た場合において、フレーム31の短手方向寸法は、2本の管Pの間隔よりも小さいものの、フレーム31の長手方向寸法は、2本の管Pの間隔よりも大きい。そのため、フレーム31は、2本の管Pの間に進入していない。
こうして、第2清掃ユニット4Bが2本の管Pの間に進入していると、一方のクローラ21の駆動力が優位であったとしても、清掃装置100は自由に移動することができない。第2清掃ユニット4Bが2本の管Pに係合し且つ2つのクローラ21の駆動力が不均衡な状態で清掃装置100が走行を継続すると、空転していたクローラ21もやがて管Pとの間に摩擦力が作用するようになり、清掃装置100が旋回するようになる。その結果、図13に示すように、清掃装置100は、その場で旋回できないとしても、2本の管Pに沿って少し移動しながら最終的には旋回していく。
そして、2本のクローラ21が管Pと概ね直交するようになると、清掃装置100は、2本の管Pの間に進入していた清掃ユニット4が2本の管Pの間から引き抜かれるように昇降機構7によって清掃機構4を上昇させる。
清掃ユニット4が走行機構2から下方に突出していない状態となると、清掃装置100は、管Pを横切るように移動する。清掃装置100は、第2清掃ユニット4BがV軸方向において、次の清掃対象となる2本の管Pの間に位置するまで移動する。清掃装置100が該位置まで移動すると、清掃装置100は、第2清掃ユニット4Bだけが2本の管Pの間に進入するように清掃機構4を降下させる。この状態で、清掃装置100は、前述のように旋回を行う。このときは、清掃装置100は、2本のクローラ21が2本の管Pと平行となるまで旋回する。
2本のクローラ21が2本の管Pと平行となると、清掃装置100は、複数の清掃ユニット4(具体的には、第1清掃ユニット4A及び第3清掃ユニット4C)が2本の管Pの間に進入するように清掃機構4を降下させる。清掃装置100は、前述のように複数の清掃ユニット4が2本の管Pの間に進入した状態で、清掃を再開する位置まで2本の管Pに沿って移動する。
このように、清掃装置100は、清掃ユニット4をガイドとして用いる場合には、清掃ユニット4を管Pの間に進入させる際、並びに、清掃ユニット4を管Pの間に進入させた状態で旋回又は移動する際には、回転シャフト32を回転駆動している。回転シャフト32が回転していると、スクレーパ34が何かに接触した場合には、スクレーパ34にはスクレーパ34を円板35内へ収容する方向への成分が作用する。そのため、スクレーパ34が何かに接触したとしても、スクレーパ34が円板35内に収容される方向へ揺動して、スクレーパ34の回転が維持される。つまり、実質的には、円板35が管Pと接触することによって、清掃装置100の移動を規制する。尚、清掃ユニット4がガイドとして機能する際の回転シャフト32の回転速度は、清掃ユニット4が管Pの清掃する際の回転シャフト32の回転速度よりも低速に設定されている。
以上のように、清掃装置100は、装置本体1と、装置本体1に設けられ、管群Qに含まれる少なくとも2本の管Pの上を走行する走行機構2と、装置本体1から昇降して、走行機構2よりも下方に位置する管Pの表面の付着物を清掃する清掃機構3とを備え、走行機構2は、清掃機構3が少なくとも2本の管Pの間に進入した状態で少なくとも2本の管Pの上で旋回する。
この構成によれば、2本の管Pの上に付着物等が存在して走行機構2が2本の管P上を滑って適切に走行できない場合であっても、清掃機構3が2本の管Pの間に進入しているので、走行機構2が無制限に走行してしまうことがない。少なくとも清掃機構3が2本の管Pの間に進入した状態が維持されるので、走行機構2による旋回走行を継続していると、やがて、走行機構2の滑りが緩和又は解消されて、走行機構2は旋回することができる。
また、清掃機構3は、管Pの表面の付着物を除去する清掃ユニット4(清掃部)と、清掃ユニット4よりも上方に位置し、清掃ユニット4を支持するフレーム31(支持部)とを有し、清掃機構3の昇降方向に見た場合に、清掃ユニット4の形状は、2本の管Pの間隔GVを直径とする円に収まっている一方、フレーム31の形状は、2本の管Pの間隔GVを直径とする円からはみ出ており、走行機構2が旋回する際には、フレーム31が少なくとも2本の管Pの間に進入しておらず、且つ、清掃ユニット4が少なくとも2本の管Pの間に進入した状態となっている。
この構成によれば、清掃機構3の昇降方向に見た場合の清掃ユニット4の形状は2本の管Pの間隔GVを直径とする円に収まっているので、清掃ユニット4が2本の管Pの間に進入した状態であっても、清掃ユニット4が走行機構2の旋回を阻害することがない。一方、清掃機構3の昇降方向に見た場合のフレーム31の形状は2本の管Pの間隔GVを直径とする円からはみ出ているので、フレーム31が2本の管Pの間に進入した状態では、フレーム31が走行機構2の旋回を阻害する可能性がある。そこで、走行機構2の旋回時には清掃ユニット4を2本の管Pの間に進入させる一方で、フレーム31は2本の管Pの間に進入させない。これにより、走行機構2を円滑に旋回させることができる。
さらに、清掃機構3は、清掃機構3の昇降方向における位置が異なる複数の清掃ユニット4を有し、走行機構2が旋回する際には、複数の清掃ユニット4のうち昇降方向における最も下方の第2清掃ユニット4Bだけが少なくとも2本の管Pの間に進入した状態となっている。
この構成によれば、清掃機構3は複数の清掃ユニット4を有しているので、走行機構2の旋回時に複数の清掃ユニット4が2本の管Pの間に進入していると、複数の清掃ユニット4が走行機構2の旋回を阻害する可能性がある。そこで、走行機構2の旋回時には最も下方の第2清掃ユニット4Bを2本の管Pの間に進入させる。つまり、第2清掃ユニット4B以外の清掃ユニット4は、2本の管Pの間に進入していない。これにより、走行機構2を円滑に旋回させることができる。
また、走行機構2が少なくも2本の管Pに沿って走行する際には、複数の清掃ユニット4が少なくとも2本の管Pの間に進入した状態となっている。
この構成によれば、2本の管Pの間に進入した複数の清掃ユニット4によって走行機構2の旋回が制限される。つまり、複数の清掃ユニット4は、走行機構2を2本の管Pに沿って走行させるためのガイドとして機能する。
さらに、清掃ユニット4は、清掃機構3の昇降方向と平行な回転軸A回りに回転しながら管Pに接触して管Pの表面の付着物を除去するように構成されている。
この構成によれば、清掃ユニット4は、2本の管Pの間で回転軸A回りに回転できる形状に形成されている。2本の管Pの間に清掃ユニット4が進入した状態であっても、清掃ユニット4が走行機構2の旋回を阻害しない。
《実施形態2》
続いて、実施形態2に係る清掃装置200について説明する。図14は、清掃装置200の側面図である。
清掃装置200は、主に清掃機構203及び昇降機構207の構成が清掃装置100の清掃装置3及び昇降機構7と異なる。以下、清掃装置200のうち清掃装置100と異なる構成を中心に説明する。清掃装置200のうち清掃装置100と同様の構成については同様の符号を付して、説明を省略する。
清掃装置200は、水平方向に並ぶ少なくとも2本の管Pの上に載置される。清掃装置200は、装置本体201と、少なくとも2本の管Pの上を走行する走行機構2と、走行機構2よりも下方に位置する管Pの表面の付着物を清掃する清掃機構203と、清掃機構203を装置本体201から昇降させる昇降機構207と、清掃装置200を制御する本体コントローラ8と、オペレータが指令を入力する際に操作する外部コントローラ9とを備えている。清掃装置200は、走行機構1が載っている2本の管Pの間に清掃機構203を昇降機構207によって降下及び上昇させ、2本の管P及びそれらの下方に並ぶ管Pに付着した付着物を清掃する。
尚、清掃装置100の場合と同様に、説明の便宜上、清掃装置200を基準に互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を規定する。具体的には、清掃装置200の走行方向(即ち、走行機構2の走行方向)にX軸を設定し、清掃装置200の上下方向(即ち、昇降機構207の昇降方向)にZ軸を設定し、清掃装置200の幅方向(即ち、走行方向及び上下方向の両方に直交する方向)にY軸を設定する。
装置本体201は、XY平面上に拡がる平板状のベース211と、ベース211に設けられ、昇降機構207を支持するフレーム212とを有している。ベース211の略中央には、ベース211を貫通する開口(図示省略)が形成されている。
走行機構2は、ベース211の下面に取り付けられている。清掃装置200の走行機構2の構成は、清掃装置100の走行機構2の構成と概ね同じである。
清掃機構203は、液体を噴射するノズル204と、ノズルに液体を供給する供給部とを有している。ノズル204は、流体を噴射することによって管Pの表面の付着物を除去するように構成されている。この例では、噴射される液体は、水である。
ノズル204は、ノズル本体241と、複数の噴口242とを有している。ノズル本体241は、Z軸方向に延びる軸心Hを有する円柱状に形成されている。複数の噴口242は、ZX平面に対して対称に配置されている。より詳しくは、複数の噴口242は、ノズル本体241において軸心Hを中心とする周方向に等間隔で配置されている。噴口242からは、軸心Hを中心とする半径方向に液体が噴射される。つまり、ノズル204からは、軸心Hを中心に放射状に液体が噴射される。また、Z軸方向(即ち、ノズル204の昇降方向)に見た場合のノズル204の形状は、清掃装置200が載置される2本の管PのV軸方向の間隔GV(図2参照)を直径とする円内に収まっている。ノズル204は、清掃部の一例である。
供給部は、清掃装置200の外部に設けられた、液体の供給源と、供給源とノズル204とを接続するホース251とを有している。
昇降機構207は、いわゆるパンタグラフである。昇降機構207は、パンタグラフを構成する複数のリンク271を有している。具体的には、交差する状態で長手方向中央部が回転自在に連結された2つのリンク271を1組として、一の組の2つのリンク271の長手方向端部が別の組の2つのリンク271の長手方向端部とそれぞれ回転自在に連結されている。最下位の組の2つのリンク271の長手方向一端部(別の組のリンクが連結されていない端部)にはそれぞれ、比較的短いリンク271が回転自在に連結されている。これらの短いリンク271には、ノズル204(詳しくは、ノズル本体241)が連結されている。昇降機構207は、清掃機構203においてノズル204を支持する支持部としても機能する。
最上位の組の2つのリンク271の長手方向一端部(別の組のリンクが連結されていない端部)は、フレーム212に連結されている。フレーム212は、ベース211からZ軸方向に延びる一対の縦フレーム212aと、一対の縦フレーム212aの上端部に接続され、X軸方向に延びる横フレーム212bとを有している。最上位の組の一方のリンク271(以下、「第1リンク271A」と称する)は、回転自在且つX軸方向に摺動不能な状態で横フレーム212bに連結されている。最上位の組の他方のリンク271(以下、「第2リンク271B」と称する)は、回転自在且つX軸方向に摺動可能な状態で横フレーム212bに連結されている(図14の矢印参照)。
第2リンク271Bは、駆動部(図示省略)によって、横フレーム212bに沿ってX軸方向へ移動させられる。第2リンク271Bの長手方向一端部が第1リンク271Aの長手方向一端部から離れる方向へ移動させられると、パンタグラフ全体のZ軸方向寸法が縮まり、その結果、ノズル204が上昇する。一方、第2リンク271Bの長手方向一端部が第1リンク271Aの長手方向一端部へ近づく方向へ移動させられると、パンタグラフ全体のZ軸方向寸法が大きくなり、その結果、ノズル204が降下する。
Z軸方向(即ち、ノズル204の昇降方向)に見た場合の昇降機構207の形状は、2本の管PのV軸方向の間隔GVを直径とする円からはみ出している。具体的には、昇降機構207のY軸方向の寸法は、2本の管Pの間隔GVよりも小さい一方、昇降機構207のX軸方向の寸法は、2本の管Pの間隔GVよりも大きい。清掃装置200のX軸方向と管群QのU軸方向とが一致する場合には、昇降機構207は、2本の管Pの間に進入することができる。
続いて、清掃装置200の動作について説明する。図15は、清掃機構203が管Pを清掃している状態をY軸方向を向いて見た図である。
清掃装置200は、2本の管Pの間に清掃機構203を降下及び上昇させることによって、2本の管P及び2本の管Pの下方に配列された管Pを清掃する。2本のクローラ21が2本の管P上に管Pと平行な状態で載り、且つ、ノズル204がV軸方向において2本の管Pの間に位置する状態から清掃が開始される。
ノズル204が昇降機構207によって2本の管Pの間に降下させられる。このとき、ノズル204からは液体が噴射されている。噴射された液体は、管Pの表面の付着物を除去する。ノズル204は、Z軸と交差する方向に液体を噴射しているので、ノズル204の進行方向に沿って配列された(即ち、W軸方向に配列された)複数の管Pの間に液体を噴射して、該複数の管Pの間に存在する付着物を除去すると共に該複数の管Pの表面の付着物を除去する。その結果、ノズル204は、管Pの表面のうち、ノズル204が通過するスペースに面している部分だけでなく、該スペースからノズル204の進行方向と交差する方向(例えば、V軸方向)に離れた部分(即ち、奥まった部分)に付着した付着物も除去する。
ノズル204は、軸心Hを中心に放射状に液体を噴射するので、V軸方向においてノズル204の両側の管Pの付着物を除去する。このとき、ノズル204は、液体の噴射による反力を受ける。ノズル204の噴口242は、ZX平面に対して対称に配置されている。そのため、ノズル204が受けるV軸方向の一方側への反力とV軸方向の他方側への反力が相殺される。その結果、噴射による反力によってノズル204がV軸方向へ移動することが抑制される。つまり、清掃機構203は、清掃機構3のガイド5のような案内機構を有していなくても、V軸方向への位置ずれを低減することができる。
こうして、ノズル204は、管Pの側方をW軸方向に通過することによって、管Pの表面のうち概ね半周部分の付着物を除去していく。
ノズル204は、清掃対象の管Pのうち最も下方の管Pを通過するまで降下すると、昇降機構207によって上昇させられる。ノズル204が上昇する際にも、ノズル204は、管Pに液体を噴射して、管Pの付着物を削り落としていく。つまり、ノズル204は、降下時と上昇時との両方で管Pの表面を清掃する。
ノズル204の上下の往復が終了すると、清掃装置200は、2本の管Pに沿ってU軸方向へ所定量だけ移動する。その後、ノズル204は、再度、降下及び上昇を実行する。つまり、ノズル204は、管Pのうち、先のノズル204の降下及び上昇時とはU軸方向位置が異なる部分を清掃する。
清掃装置200は、清掃装置100と同様に、U軸方向の位置を変更しながらノズル204の降下及び上昇を繰り返していき、清掃装置200が載置された2本の管PのU軸方向の一端部から他端部までの移動を終了する。続いて、清掃装置200は、V軸方向へ移動し、ノズル204を異なる2本の管Pの間に配置させ、新たな2本の管P及びその下方の管Pに対して前述と同様の清掃を行う。こうして、清掃装置200は、清掃装置200が載置される2本の管Pを変更しながら前述の清掃を繰り返すことによって、管群Qに含まれる管Pの清掃を行う。
続いて、清掃装置200の移動について説明する。図16は、管Pと平行に移動する際、及び、管P上で旋回する際の清掃装置200をX軸方向に見た図である。
前述の如く、清掃装置200が管群Qに含まれる管Pを清掃する際には、清掃装置200は、管Pの上を走行する。その際、清掃装置200は、ノズル204を走行時のガイドに用いることによって、所望の位置までの移動を実現している。
基本的には、清掃装置200は、管P上を移動する際には、ノズル204が管Pと干渉しないように、図14に示すようにノズル204を引き上げた状態(ノズル204が走行機構2から下方に突出していない状態)で移動する。
ただし、管PのU軸方向位置が異なる部分を清掃するために清掃装置200が2本の管Pに沿ってU軸方向へ移動する際には、清掃装置200は、図16に示すように、ノズル204を走行機構2よりも下方に突出させ、清掃装置200が載置された2本の管Pの間に進入させた状態で走行する。ノズル204が2本の管Pの間に進入しているので、清掃装置200がV軸方向へずれていくことが防止される。
尚、清掃装置200は、ノズル204だけでなく、昇降機構207の一部(例えば、比較的下方のリンク271)を2本の管Pの間に進入させた状態でU軸方向への移動を行ってもよい。
また、清掃装置200は、ノズル204を2本の管Pの間に進入させた状態で旋回を行う。Z軸方向に見た場合のノズル204の外形は、2本の管Pの間隔GVを直径とする円内に収まっている。そのため、ノズル204が2本の管Pの間に進入した状態であっても、清掃装置200は旋回することができる。尚、Z軸方向に見た場合において、昇降機構207のパンタグラフの短手方向寸法は、2本の管Pの間隔よりも小さいものの、パンタグラフの長手方向寸法は、2本の管Pの間隔よりも大きい。すなわち、Z軸方向に見た場合の昇降機構207のパンタグラフの外形は、2本の管Pの間隔GVを直径とする円からはみ出ている。そのため、パンタグラフは、2本の管Pの間に進入していない。
こうして、ノズル204が2本の管Pの間に進入していると、一方のクローラ21の駆動力が優位であったとしても、清掃装置200は自由に移動することができない。ノズル204が2本の管Pに係合し且つ2つのクローラ21の駆動力が不均衡な状態で清掃装置200が走行を継続すると、空転していたクローラ21もやがて管Pとの間に摩擦力が作用するようになり、清掃装置200が旋回するようになる。その結果、清掃装置200は、2本の管Pに沿って少し移動しながら最終的には旋回していく。
以上のように、清掃装置200は、装置本体201と、装置本体201に設けられ、管群Qに含まれる少なくとも2本の管Pの上を走行する走行機構2と、装置本体201から昇降して、走行機構2よりも下方に位置する管Pの表面の付着物を清掃する清掃機構203とを備え、走行機構2は、清掃機構203が少なくとも2本の管Pの間に進入した状態で少なくとも2本の管Pの上で旋回する。
この構成によれば、2本の管Pの上に付着物等が存在して走行機構2が2本の管P上を滑って適切に走行できない場合であっても、清掃機構203が2本の管Pの間に進入しているので、走行機構2が無制限に走行してしまうことがない。少なくとも清掃機構203が2本の管Pの間に進入した状態が維持されるので、走行機構2による旋回走行を継続していると、やがて、走行機構2の滑りが緩和又は解消されて、走行機構2は旋回することができる。
また、清掃機構203は、管Pの表面の付着物を除去するノズル204(清掃部)と、ノズル204よりも上方に位置し、ノズル204を支持する昇降機構207(支持部)とを有し、ノズル204の形状は、2本の管Pの間隔GVを直径とする円に収まっている一方、昇降機構207の形状は、2本の管Pの間隔GVを直径とする円からはみ出ており、走行機構2が旋回する際には、昇降機構207が少なくとも2本の管Pの間に進入しておらず、且つ、ノズル204が少なくとも2本の管Pの間に進入した状態となっている。
この構成によれば、清掃機構203の昇降方向に見た場合のノズル204の形状は2本の管Pの間隔GVを直径とする円に収まっているので、ノズル204が2本の管Pの間に進入した状態であっても、ノズル204が走行機構2の旋回を阻害することがない。一方、清掃機構203の昇降方向に見た場合の昇降機構207の形状は2本の管Pの間隔GVを直径とする円からはみ出ているので、昇降機構207が2本の管Pの間に進入した状態では、昇降機構207が走行機構2の旋回を阻害する可能性がある。そこで、走行機構2の旋回時にはノズル204を2本の管Pの間に進入させる一方で、昇降機構207は2本の管Pの間に進入させない。これにより、走行機構2を円滑に旋回させることができる。
さらに、ノズル204は、流体を噴射することによって管Pの表面の付着物を除去するように構成されている。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
例えば、清掃機構3は、清掃装置100に備えられているが、これに限られるものではない。前述の構成では、清掃機構3は、清掃装置100によって搬送され且つ昇降させられる。しかし、清掃機構3は、オペレータが手動で操作するものであってもよい。つまり、オペレータが清掃機構3を把持して、管群Q内で清掃機構3を移動させつつ清掃機構3で管Pの清掃を行ってもよい。また、清掃機構3が清掃装置100に備えられた構成であったとしても、走行機構2又は昇降機構7の構成は、前述の構成に限られるものではない。例えば、走行機構2は、クローラではなく、車輪であってもよい。昇降機構7は、ウインチではなく、ラックアンドピニオンやパンタグラフであってもよい。
清掃機構3が備える清掃ユニット4の個数は、3個に限られるものではない。清掃ユニット4は、1個、2個又は4個以上であってもよい。清掃機構3の昇降方向、即ち、Z軸方向における各清掃ユニット4の位置は、前述の位置に限られるものではない。例えば、3個の清掃ユニット4のZ軸方向の位置は、同じであってもよい。あるいは、3個の清掃ユニット4のZ軸方向の位置は、全て異なっていてもよい。
清掃ユニット4の構成は、前述の構成に限られるものではない。例えば、清掃ユニット4が有するスクレーパ34の個数は、3個に限られず、1個、2個又は4個以上であってもよい。清掃ユニット4は、円板35又は掘削部36を有していなくてもよい。前述の清掃ユニット4は、4枚の円板35によって形成される3つの隙間のそれぞれに複数のスクレーパ34が設けられている。つまり、3組のスクレーパ34が設けられている。しかし、スクレーパ34の組数は、1組、2組又は4組以上であってもよい。
スクレーパ34の形状は、円弧状でなく、例えば直線状であってもよい。スクレーパ34は、揺動する構成ではなく、摺動する構成であってもよい。例えば、スクレーパ34に長孔が形成され、2つの円板35の間に設けられたピンが長孔に挿通されるようにスクレーパ34がピンに連結される構成であってもよい。この構成の場合、スクレーパ34は、長孔内をピンが相対的に移動するようにピンに対して摺動可能である。スクレーパ34が摺動可能な構成であれば、回転シャフト32の遠心力がスクレーパ34に作用すると、スクレーパ34は遠心力に従って摺動し、半径方向外側へ拡がる。
清掃機構3は、ガイド5を備えているが、ガイド5を備えていなくてもよい。ガイド5の構成は、前述の構成に限られるものではない。ガイド5は、リンク6を有していなくてもよい。例えば、ブレード51は、フレーム31に対して摺動可能に連結され、且つ、バネ等でY軸方向外側へ付勢された構成であってもよい。
また、ブレード51のエッジ53の断面形状は、管Pに近いほど細い先鋭な形状であればよく、最も管Pに近い部分、即ち、管Pと接触する部分は多少丸まっていてもよい。
清掃装置200において走行機構2又は昇降機構207の構成は、前述の構成に限られるものではない。例えば、走行機構2は、クローラではなく、車輪であってもよい。昇降機構207は、パンタグラフではなく、ウインチやラックアンドピニオンであってもよい。
ノズル204の構成は、前述の構成に限られるものではない。噴口242の個数及び配置は、任意に設定することができる。また、清掃機構203は、ノズル204を複数有していてもよい。複数のノズル204が設けられている場合、複数のノズル204のZ軸方向位置は、一致していなくてもよい。その場合、清掃装置100と同様に、走行機構2が2本の管Pに沿って走行する際には複数のノズル204が2本の管Pの間に進入しており、走行機構2が旋回する際には最も下方に位置するノズル204だけが2本の管Pの間に進入していてもよい。
また、清掃機構203のノズル204から噴射する物質は、液体に限られない。例えば、ノズル204は、空気等の気体や、管Pの清掃に適した粒体を噴射してもよい。ここで、「粒体」とは、粉のような微粒子も含む。例えば、「粉体」は、金属又はセラミック等の微小な球体である。