JPH09288197A - 炉底部作業装置および作業方法 - Google Patents

炉底部作業装置および作業方法

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JPH09288197A
JPH09288197A JP9019512A JP1951297A JPH09288197A JP H09288197 A JPH09288197 A JP H09288197A JP 9019512 A JP9019512 A JP 9019512A JP 1951297 A JP1951297 A JP 1951297A JP H09288197 A JPH09288197 A JP H09288197A
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lower mirror
cleaning
pressure vessel
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子炉圧力容器の下鏡上の洗浄、異物除去、回
収、切断、研磨、溶接等を行う際に、撤去する制御棒案
内管の本数が少なくても広範囲の洗浄を可能とし、それ
によって作業性向上、被曝低減を図る。 【解決手段】制御棒駆動機構が引抜かれた空の制御棒駆
動機構ハウジング107の上端に原子炉圧力容器上方か
ら吊り込まれて設置される縦長筒状で側面部に開口部1
1を有する本体ケース12と、本体ケース11を軸心回
りで回動させて開口部の向きを設定する旋回機構13
と、本体ケース内12に収納された作業手段14と、作
業手段14を本体ケース12から開口部11を介して外
側方に出没させる展開機構15と、作業手段14を本体
ケース12に対して昇降動作させる昇降機構16と、昇
降機構16によって下降した作業手段14を下鏡105
の上面に沿って三次元的に移送する移送機構17とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽水冷却型原子炉
等における原子炉圧力容器の内底部、すなわち下鏡の上
面に堆積あるいは付着した放射性腐食生成物(クラッ
ド)その他の異物の検査、除去または除染等の洗浄、あ
るいは異物の回収、構造物の切断、研磨もしくは溶接等
を行う炉底部作業技術に係り、特に被曝線量の低減、作
業性の向上等が図れる炉底部作業装置および作業方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、軽水冷却型原子炉等の原子炉圧力
容器内および炉内構造物や作業用プール内の機器の洗
浄、点検、検査、補修等を行う作業装置および作業方法
が種々知られている。
【0003】この中で、原子炉圧力容器の底部の制御棒
駆動機構ハウジングおよびスタブチューブが貫通してい
る下鏡上には、軽微な付着力で付着している各種の異物
や、原子炉圧力容器の下鏡を構成する金属母材中に取り
込まれて強固に固着しているクラッド等が蓄積して堆積
するため、これらの異物やクラッド等(以下、本明細書
では異物と総称する)を洗浄して回収することが行われ
る。また、この洗浄等に関連して、スタブチューブ周り
の点検、検査、切断作業、研磨作業、溶接作業も行われ
る。
【0004】この場合、従来では吸引ノズルやブラシ等
の各種作業手段を長尺ポールに装着して原子炉圧力容器
上方から下鏡上へ移動させて設置し、この長尺ポールを
操作することで前記の異物の洗浄、回収その他の各種作
業を行っていた。すなわち、原子炉圧力容器上のオペレ
ーションフロア上から水中下約26mにある下鏡上ま
で、長尺のポールを簡易な治具を用いて継ぎ合わせ、燃
料交換器や作業台車上から人手によりポールを操作し、
吸引ノズル等の作業手段を移動させて洗浄回収を行って
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の技術を用いて下鏡上の各種作業を行う場合、各種作
業手段を送り込むためには、制御棒駆動機構ハウジング
上に設置された制御棒案内管を、炉心支持板をガイドと
して予め撤去する必要がある。
【0006】この時、長尺ポールや簡易な治具により上
部から作業手段を送り込む方法では、1本の制御棒案内
管を引き抜いた後の炉心支持板の孔一つ分が操作可能な
領域であり、その周辺まで広範囲に亘って洗浄すること
は困難であるため、1本の制御棒案内管を引き抜いた状
態での作業可能な範囲には一定の制限があった。
【0007】したがって、従来では下鏡上全域について
の各種作業を行うためには、多数の制御棒案内管を撤去
しなければならず、膨大な作業時間が必要となって工期
が増大するという難点があった。
【0008】また、長尺ポールそのものの重量が大きく
取扱いが困難であり、上部格子板と炉心支持板とを通過
させ、水中下26mもの先方で作業手段を操作しなけれ
ばならないため視認性が悪いうえ、水の粘性によってポ
ールが撓んだりすることも多く、作業性が著しく劣って
いた。
【0009】さらに、1回の操作後に次の作業箇所へポ
ールを移動させる場合には、ポールの先端を上部格子板
まで引上げなければならず、その都度ポールの昇降動作
や分解、組み立て等を行う必要が生じ、この点でも作業
性が悪いものであった。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、制御棒案内管を取り外さなければ吸引ノズ
ルを起こり込むことが不可能な原子炉圧力容器の下鏡上
の検査、洗浄、異物除去、回収、構造物切断、研磨、溶
接等を行う際に、撤去する制御棒案内管の本数が少なく
ても広範囲の作業を可能とし、それによって作業性を向
上させるとともに、作業量を減少させて工期の短縮が図
れ、被曝低減にも有効な炉底部作業装置および作業方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、軽水型原子炉等における原子
炉圧力容器の下鏡上に堆積または付着した放射性腐食生
成物その他の異物を検査し、洗浄し、もしくは回収する
作業、または前記異物に関して構造物を切断し、研磨
し、もしくは溶接する作業を行う炉底部作業装置であっ
て、制御棒駆動機構が引抜かれた空の制御棒駆動機構ハ
ウジングの上端に原子炉圧力容器上方から吊り込まれて
設置される縦長筒状で側面部に開口部を有する本体ケー
スと、この本体ケースを軸心回りで回動させて前記開口
部の向きを設定する旋回機構と、前記本体ケース内に収
納された作業手段と、この作業手段を前記本体ケースか
ら前記開口部を介して外側方に出没させる展開機構と、
前記作業手段を前記本体ケースに対して昇降動作させる
昇降機構と、この昇降機構によって下降した前記作業手
段を下鏡の上面に沿って三次元的に移送する移送機構と
を備えたことを特徴とする炉底部作業装置を提供する。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の炉底部
作業装置において、作業手段は洗浄手段であり、この洗
浄手段は、原子炉圧力容器の下鏡上面に軽微な付着力で
付着している異物を剥離させるブラシと、このブラシに
より剥離されて浮上した異物を吸引する吸引ノズルと、
吸引した異物を回収するホースとを備えたことを特徴と
する炉底部作業装置を提供する。
【0013】請求項3の発明は、請求項1記載の炉底部
作業装置において、作業手段は洗浄手段であり、この洗
浄手段は、原子炉圧力容器の下鏡上面に軽微な付着力で
付着している異物を剥離させるブラシと、このブラシに
より剥離されて浮上した異物を吸引する吸引ノズルと、
吸引状況を確認する監視カメラおよびライトと、吸引し
た異物を回収するホースとを備えたことを特徴とする炉
底部作業装置を提供する。
【0014】請求項4の発明は、請求項1記載の炉底部
作業装置において、作業手段は炉底部における構造物表
面または溶接部の目視検査を行う検査用カメラと、検査
用ライトとを備えた検査装置であることを特徴とする炉
底部作業装置を提供する。
【0015】請求項5の発明は、請求項1記載の炉底部
作業装置において、作業手段は炉底部における構造物の
溶接部の超音波探傷検査を行う超音波探傷装置であるこ
とを特徴とする炉底部作業装置、請求項6の発明は、請
求項1記載の炉底部作業装置において、作業手段は、炉
底部における構造物の切断を行う切断装置であることを
特徴とする炉底部作業装置を提供する。
【0016】請求項7の発明は、請求項1記載の炉底部
作業装置において、作業手段は、炉底部における構造物
の研磨を行う研磨装置であることを特徴とする炉底部作
業装置を提供する。
【0017】請求項8の発明は、請求項1記載の炉底部
作業装置において、作業手段は、炉底部における構造物
の溶接を行う溶接装置であることを特徴とする炉底部作
業装置を提供する。
【0018】請求項9の発明は、請求項1記載の炉底部
作業装置において、移送機構は、作業手段をその先端に
保持して昇降手段から垂下するとともに一方向のみに屈
曲し得る線条タイプのガイド体と、このガイド体の先端
に設けられて作業手段を水平面上で能動的に運動させる
自由度、同作業手段を上下方向に運動させる自由度およ
び同作業手段を移送方向に向う軸心回りで回転させる自
由度を有する首振り機構とを備え、吸引ノズルを原子炉
圧力容器の下鏡の曲率に合せながらスタブチューブ間へ
移動し得る構成とされていることを特徴とする炉底部作
業装置を提供する。
【0019】請求項10の発明は、請求項1記載の炉底
部作業装置において、移送機構は、作業手段をその先端
に保持して昇降手段から垂下するとともに一方向のみに
屈曲し得る線条タイプのガイド体と、このガイド体の先
端に設けられて作業手段を水平面上で能動的に運動させ
る自由度、同作業手段を上下方向に運動させる自由度お
よび同作業手段を移送方向に向う軸心回りで回転させる
自由度を有する首振り機構と、前記ガイド体の送り込み
状況を把握するための監視カメラとを備え、吸引ノズル
を原子炉圧力容器の下鏡の曲率に合せながらスタブチュ
ーブ間へ移動し得るとともに、その移動状況を前記監視
カメラで監視し得る構成とされていることを特徴とする
炉底部作業装置を提供する。
【0020】請求項11の発明は、請求項1記載の炉底
部作業装置において、移送機構は、作業手段をその先端
に保持して昇降手段から垂下するとともに一方向のみに
屈曲し得る線条タイプのガイド体と、このガイド体の先
端に設けられて作業手段を水平面上で能動的に運動させ
る自由度、同作業手段を上下方向に運動させる自由度お
よび同作業手段を移送方向に向う軸心回りで回転させる
自由度を有する首振り機構と、前記作業手段による作業
状況を把握するためのカメラとを備え、前記作業手段を
原子炉圧力容器の下鏡の曲率に合せながらスタブチュー
ブ間へ移動し得るとともに、検査用カメラまたは超音波
探触子により炉底部を検査し得る構成とされていること
を特徴とする炉底部作業装置を提供する。
【0021】請求項12の発明は、請求項1記載の炉底
部作業装置において、展開機構は少なくとも、エアシリ
ンダその他の直動要素により駆動される2本のリンクを
備えた構成とされていることを特徴とする炉底部作業装
置を提供する。
【0022】請求項13の発明は、請求項1記載の炉底
部作業装置において、昇降機構は少なくとも、作業手段
を昇降するチェーンおよびスプロケットを有する構成と
されていることを特徴とする炉底部作業装置を提供す
る。
【0023】請求項14の発明は、請求項1記載の炉底
部作業装置において、旋回機構は、炉心支持板に垂直に
設けられた位置決めピンを基準として、制御棒駆動機構
ハウジング上に設置された本体ケースを水平面上で回転
する構成とされていることを特徴とする炉底部作業装置
を提供する。
【0024】請求項15の発明は、請求項2および3記
載の炉底部作業装置において、洗浄手段を構成するブラ
シは、回転によって異物の剥離能力が高められているこ
とを特徴とする炉底部作業装置を提供する。
【0025】請求項16の発明は、請求項2および3記
載の炉底部作業装置において、洗浄手段は回転するブラ
シまたは回転するグラインダを有するものであり、その
ブラシまたはグラインダの回転により生じる摩擦力は、
原子炉圧力容器の下鏡を構成する金属母材中に取り込ま
れて強固に固着しているクラッドをイオン化させて剥離
する構成とされていることを特徴とする炉底部作業装置
を提供する。
【0026】請求項17の発明は、請求項9および10
記載の炉底部作業装置において、移送機構を構成する一
方向のみに屈曲し得る線条タイプのガイド体はケーブル
ベアであり、このケーブルベアの先端に設けられる首振
り機構は、水平面上での運動の駆動源を電動アクチュエ
ータとしたことを特徴とする炉底部作業装置を提供す
る。
【0027】請求項18の発明は、請求項9および10
記載の炉底部作業装置において、移送機構を構成する首
振り機構は、水平面上での運動の駆動源を、ワイヤ式駆
動機構としたことを特徴とする炉底部作業装置を提供す
る。
【0028】請求項19の発明は、請求項9および10
記載の炉底部作業装置において、移送機構を構成する首
振り機構は、水平面上での運動の駆動源を形状記憶合金
による加熱制御機構としたことを特徴とする炉底部作業
装置を提供する。
【0029】請求項20の発明は、請求項9および10
記載の炉底部作業装置において、移送機構を構成する首
振り機構は、多関節アームからなることを特徴とする炉
底部作業装置を提供する。
【0030】請求項21の発明は、請求項1から21ま
でのいずれかに記載の炉底部作業装置に加え、原子炉圧
力容器底部の下鏡上の検査、洗浄、異物回収、構造物切
断、研磨または溶接作業を行う手段として、原子炉圧力
容器上部のオペレーションフロア上に設置した遠隔操作
用の制御盤および操作盤を備えるとともに、本体ケース
の吊り下げおよび吊り上げ等の移動を行うための台車そ
の他の吊り込み装置を備え、かつ洗浄作業用の水中に設
置された吸引ポンプおよび回収フィルタを備えたことを
特徴とする炉底部作業装置を提供する。
【0031】請求項22の発明は、請求項22に記載の
炉底部作業装置を使用して、原子炉圧力容器底部の下鏡
上の検査、洗浄、異物回収、構造物切断、研磨または溶
接作業を行う方法であって、本体ケースを吊り込み装置
により上部格子板および炉心支持板を通過させた後、制
御棒駆動機構ハウジング上に固定設置し、旋回機構によ
り作業手段を送り込む方向を定めて展開機構により昇降
機構と移送機構とを本体ケースの外側方に展開し、その
後、昇降機構により移送機構を原子炉圧力容器の下鏡上
へ下降させ、作業手段が下鏡上へ着床した後に、移送機
構により作業手段を下鏡上に這わせながら送り出し、移
送機構によって作業手段を移動させながら、下鏡上のス
タブチューブ間を検査し、洗浄し、もしくは異物の吸引
回収作業を行い、または異物に関する構造物の切断、研
磨もしくは溶接作業を行うことを特徴とする炉底部洗浄
方法を提供する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る炉底部作業装
置および作業方法の実施形態について図面を参照して説
明する。
【0033】第1実施形態(図2〜図19) 本実施形態は、沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器の下鏡
上面全域の検査、洗浄、異物除去、回収を行う炉底部洗
浄作業装置および洗浄作業方法として適用したものであ
る。
【0034】図1は、燃料、制御棒および制御棒駆動機
構等を取外した原子炉圧力容器内に、炉底部作業装置を
設置した状態で装置全体を示すシステム構成図である。
【0035】原子炉圧力容器101内には、炉心シュラ
ウド102の上下部に支持された上部格子板103およ
び炉心支持板104が配置されている。この原子炉圧力
容器101の底部の下鏡105には多数のスタブチュー
ブ106が貫通し、その各スタブチューブ106の上端
には制御棒駆動機構ハウジング107が突出している。
そして、原子炉圧力容器101内およびその上方の原子
炉ウェル108には水が充填されている。
【0036】本実施形態による炉底部洗浄作業装置1
は、オペレーションフロア109上に配置した作業台車
2の吊り込み装置3からワイヤ4を介して吊り込まれた
状態で、炉心支持板104と制御棒駆動機構ハウジング
107との間に設置されている。炉底部洗浄作業装置1
には吸引ホース5およびケーブル6が接続されており、
この吸引ホース5は原子炉ウェル108内に吊り込まれ
た吸引ポンプ7および回収フィルタ8に連結され、また
ケーブル6は、オペレーションフロア109上に設置さ
れた制御盤9および操作盤10に連結されている。
【0037】炉底部洗浄作業装置1の設置に際しては、
原子炉ウエル108を満水とした状態で、作業台車2上
に設置された吊り込み装置3により、ワイヤ4を介して
原子炉圧力容器101内の炉底部へ吊り込む。これによ
り、炉底部洗浄作業装置1は上部格子板103および炉
心支持板104を通過し、制御棒機構ハウジング107
上に設置される。
【0038】本実施形態では、このような設置状態で下
鏡105上の洗浄を行うとともに、下鏡105上に堆積
している異物等を吸引ホース5により吸引ポンプ7に吸
引させ、回収フィルタ8で回収するものである。回収フ
ィルタ8で異物が除去された水は、炉内に戻す。なお、
炉底部洗浄作業装置1による洗浄操作および制御は、オ
ペレーションフロア109上に設置された制御盤9およ
び操作盤10により、ケーブル6を介しての駆動電流供
給および信号送受信等によって行う。
【0039】次に炉底部洗浄作業装置1の詳細な構成お
よび作用について、図2〜図19を参照して説明する。
【0040】図2は炉底部洗浄作業装置1の全体構成を
示す断面図である。この図2に示すように、炉底部洗浄
作業装置1は大別して、縦長筒状で側面部に開口部11
を有する本体ケース12と、この本体ケース12を軸心
回りで回動させて開口部11の向きを設定する旋回機構
13と、本体ケース12内に収納された作業手段として
の異物除去用の洗浄手段14と、この洗浄手段14を本
体ケース12から開口部11を介して外側方に出没させ
る展開機構15と、洗浄手段14を本体ケース12に対
して昇降動作させる昇降機構16と、この昇降機構16
によって下降した洗浄手段14を下鏡の上面に沿って三
次元的に移送する移送機構17とを備えた構成とされて
いる。
【0041】本体ケース12の側面部の開口部11は、
この本体ケース12の軸心から見て水平面上で90°よ
りも大きい角度で開口している(図3〜図6等参照)。
そして後述するように、この開口部11を介して洗浄手
段14が展開機構15により本体ケース12の外側方に
展開されるものである。本体ケース12の下端部には、
制御棒駆動機構ハウジング107の上端開口部内径より
も若干小径な下向きの支持突起18が設けられ、この支
持突起18が制御棒駆動機構ハウジング107の上端開
口部に回動可能な状態で嵌合している。本体ケース12
は全体として、炉心支持板104の燃料支持孔よりも小
径で、炉心支持板104を容易に挿通し得るように構成
されている。
【0042】本体ケース12の上端部は他の部分よりも
小径となっており、この上端部が旋回機構13によっ
て、炉心支持板104の燃料支持孔部位で垂直軸心回り
に回動できるようになっている。すなわち、本体ケース
12の上端部には、これと同心の下端開口の筒状の上部
ケース19が被嵌され、この上部ケース19の下端開口
部分に軸受20を介して本体ケース12が回動可能に支
持されている。上部ケースの下端外側面には位置決めフ
ランジ21が突設され、この位置決めフランジ21が炉
心支持板104の上面に載置されるようになっている。
炉心支持板104の上面には位置決めピン22が垂直に
突設されており、この位置決めピン22に、位置決めフ
ランジ21に穿設した孔が係合し、これにより上部ケー
ス19が回り止めされされている。
【0043】この上部ケース19内に、旋回手段13を
構成する旋回モータ23が設けられ、この旋回モータ2
3の出力軸にピニオン24が設けられている。一方、本
体ケース12の上端部にはギア25が一体に設けられ、
このギア25が旋回モータ23のピニオン24と噛合し
て平歯車機構が構成され、旋回モータ23の駆動によっ
て、このピニオン24およびギア25を介して本体ケー
ス12が垂直軸心回りに回転し、本体ケース12の開口
部11の向きを任意の方向に向けることができるように
なっている。なお、装置全体の荷重は、上部ケース19
によって受けている。
【0044】次に、図3および図4も参照して、本体ケ
ース12の開口部11から洗浄手段14を外側方に展開
させるための展開機構15について説明する。図3は展
開機構15を示す横断面図(展開状態)であり、図4は
図2のA−A線断面図(収納状態)である。
【0045】図2〜図4に示すように、本体ケース12
内には互いに離間した上下2か所に、開口部11と対向
する配置で左右1対のブラケット26が設けてあり、こ
れらのブラケット26に垂直な支軸27を介して左右1
対ずつの展開リンク28が支持されている。そして、こ
れら各展開リンク28が直動要素であるエアシリンダ2
9に連結されており(上記各図では構成複雑化のためエ
アシリンダを示していないが、作用説明のための簡略化
した図7〜図10では符号29としてエアシリンダを示
している)、そのエアシリンダ29の駆動力により、支
軸27で支持された各一端側を支点として全ての旋回リ
ンク28が同時に回動し、その各旋回リンク28の他端
が上下方向に収納および展開動作するようになってい
る。すなわち、図2、図4の状態は、各展開リンク28
が一端(下端)側を支持されて、他端(上端)側が起立
状態となった収納状態を示している。
【0046】また、図3は、各展開リンク28が支軸2
7を中心として略水平状態まで回動し、本体ケース12
の開口部11に望む方向に展開した状態を示している。
これらの各展開リンク28の他端(先端)に、昇降機構
16を構成する昇降ベース30が固定支持されており、
図3に示す展開状態においては、図2で示した昇降機構
16とともに洗浄手段14が、本体ケース12の外側方
に展開することになる。
【0047】次に、図5および図6も参照して昇降機構
16について説明する。図5は図2のB−B線断面図で
あり、図6は図5をさらに詳細に示すための拡大断面図
である。
【0048】これらの図に示すように、昇降機構16
は、展開リンク28に固定支持された昇降ベース30を
基体として構成されている。すなわち、昇降ベース30
は横断面略L字形の上下に長い梁状のものであり、上下
の展開リンク28によって上下端部側が固定支持されて
おり、これにより常に垂直状態に保持されて、横方向に
移動する。そして、図2および図4に示すように、昇降
ベース30には、周縁部にV形溝を有する昇降用ガイド
ローラ31が、同一高さで1対ずつ並列に、互いに溝側
を対向する配置で上下方向に複数組、間隔的に配置され
ている。この昇降用ガイドローラ31に挟持される状態
で、両側縁部がV形に突出した縦長な昇降用Vレールガ
イド32が係合し、この昇降用Vレールガイド32が昇
降用ガイドローラ31に案内されて上下方向に移動でき
るようになっている。昇降用Vレールガイド32は図3
および図4に示すように、昇降ベース30と反対の側に
これと平行に配置した上下に長い横断面略L形断面の送
り込み用ベース33に、上下複数の接続ロッド34を介
して接続されたものである。つまり、この送り込みベー
ス33は、昇降用Vレールガイド32および昇降用ガイ
ドローラ31を介して、昇降ベース30に相対的に上下
動作できるように支持されている。なお、この送り込み
ベース33は、洗浄手段14の移送機構16を洗浄位置
に送り込むための送り込み機構35の基部を構成するも
のである。
【0049】また、昇降ベース30には図5および図6
に示すように、昇降用モータユニット36が取付けられ
ている。この昇降用モータユニット36の出力軸にはウ
ォーム37が設けられ、このウォーム37は、昇降ベー
ス30に軸受38を介して軸直角配置で取付けられた水
平なスプロケット軸39のウォームホイール40に噛合
し、そのスプロケット軸39を回転駆動できるようにな
っている。スプロケット軸39には昇降用スプロケット
41が一体回転するように設けられ、この昇降用スプロ
ケット41に上下方向に沿う昇降用チェーン42が係合
してあり、その昇降用チェーン42の末端が送り込みベ
ース33に接続固定されている。
【0050】これにより、昇降用モータユニット36の
回転駆動時にウォーム37、ウォームホイール40、昇
降用スプロケット41および昇降用チェーン42を介し
て、送り込み用ベース33が昇降ベース30に対して相
対的に昇降駆動される。
【0051】さらに、図2および図6に示すように、送
り込みベース33には、送り込み用モータユニット43
が取付けられている。この送り込み用モータユニット4
3の出力軸にはウォーム44が設けられ、このウォーム
44は、送り込みベース33に軸受45を介して軸直角
配置で取付けられた水平なスプロケット軸46のウォー
ムホイール47に噛合し、そのスプロケット軸46を回
転駆動できるようになっている。スプロケット軸46に
は送り込み用スプロケット48が一体回転するように設
けられ、この送り込み用スプロケット48に上下方向に
沿う送り込み用チェーン49が係合してあり、その送り
込み用チェーン49の末端に、移送機構17を構成する
線条タイプのガイド体、すなわちケーブルベア50が、
ケーブルベア固定部51を介して接続固定され、これに
よりケーブルベア50が送り込み用ベース33に対して
相対的に昇降するようになっている。
【0052】すなわち、ケーブルベア50は多数のエレ
メントを連結して一方向に屈曲可能としたものであり、
図6に示すように、送り込みベース33に取付けた縦長
板状の送り込みガイド52に案内されて上下方向に延在
している。そして、ケーブルベア固定部51は、ケーブ
ルベア50を下方に送り出し、または上方に引き上げる
枠状のもので、ケーブルベア50の上端部に一体的に連
結されている。
【0053】このケーブルベア固定部51は、送り込み
ベース33に取付けた縦長な送り込みガイド52に対し
て、前記の昇降ベース30と送り込みベース33との相
対スライド構造と略同様の構造で、昇降可能に支持さ
れ、前記の送り込み用チェーン49によって昇降駆動さ
れるようになっている。
【0054】詳述すると、図6に示すように、ケーブル
ベア固定部51には、周縁部にV形溝を有する送り込み
用ガイドローラ53が、同一高さで1対ずつ並列に、互
いに溝側を対向する配置で上下方向に複数組、間隔的に
配置されている。この送り込み用ガイドローラ53に挟
持される状態で、両側縁部がV形に突出した縦長な送り
込み用Vレールガイド54が係合し、この送り込み用V
レールガイド54が送り込み用ガイドローラ53に案内
されて上下方向に移動できるようになっている。送り込
み用Vレールガイド54は、送り込み用ベース33に突
設した縦長な平板状の送り込み用支持板55に、上下複
数の接続ロッド56を介して接続されたものである。つ
まり、ケーブルベア固定部51は、送り込み用Vレール
ガイド54および送り込みガイドローラ53を介して、
送り込み用支持板55ひいては送り込みベース33に対
して相対的に上下動作できるように支持されている。そ
して、送り込み用モータユニット43により送り込み用
スプロケット48が駆動され、送り込みベース33に対
してケーブルベア固定部51が上下に移動し、ケーブル
ベア50が送り込みガイド52に沿って下方に送り出さ
れ、または上方に引き込まれるようになっている。
【0055】なお、図2に示すように、送り込みガイド
52の下端部52aは傾斜し、ケーブルベア50をその
傾斜に沿って一方向に送り出すようになっている。ま
た、後述するが(図15〜図18参照)、送り込みカイ
ド52の下端部52aの先端部分52bは、ヒンジ52
cを介して回動可能となっており、これにより先端部分
52bの傾斜角度が可変とされている。そして、送り出
されるケーブルベア50には、洗浄手段14が連結され
ている。
【0056】このような構成において、図2〜図6に示
すように、昇降ベース30に配置された昇降用モータユ
ニット36はウォームホイール40を介して昇降用スプ
ロケット41を回転駆動する。そして前述のように接続
ロッド34により昇降用Vレールガイド32に接続され
た送り込みベース33は、昇降用ガイドローラ31に案
内されて昇降する。送り込み用モータユニット43はウ
ォームホイール47を介して送り込み用スプロケット4
8を回転駆動し、同様に送り込み用Vレールガイド54
に沿って送り込み用ガイドローラ53とケーブルベア固
定部51とが上下に移動し、送り込みガイド52に案内
されながら、ケーブルベア50の送り込みおよび収納が
行われるものである。
【0057】なお、ここで図7〜図10を参照して、展
開機構14、昇降機構16および移送機構17の関連動
作による洗浄手段の送り出し作用について説明する。な
お、図7〜図10(A)は側面から見た状態を示し、同
図(B)は平面から見た状態を示している。
【0058】図7(A),(B)は、原子炉圧力容器1
01内への炉底部洗浄装置1の設置直後の状態を示して
いる。すなわち、炉底部洗浄作業装置1を制御棒駆動機
構ハウジング107上に設置し、旋回用モータ23によ
り本体ケース12の開口部11の方向、つまり洗浄手段
14を送り込む方向を定める。この実施形態では開口部
11を図の右方向に向け、洗浄手段14を左方向に送り
込む。なお、この状態では図7(A)に示すように、洗
浄手段14が本体ケース12内に保持されており、同図
(B)に示すように、洗浄手段14が複数の制御棒駆動
機構ハウジング107間の隙間における中心位置から外
れた位置にある。
【0059】次に図8(A),(Β)に示すように、エ
アシリンダ29により展開リンク28を倒し、昇降ベー
ス30および送り込みベース33等を本体ケース12の
右方へ展開する。この時、洗浄手段14は制御棒駆動機
構ハウジング107間の隙間の略中心位置に配置され
る。また、展開リンク28が倒れる方向に移動すること
で、昇降ベース30と送り込みベース33とは収納位置
から下降しながら同時に本体ケース12の開口部11か
ら張り出される。したがって、昇降ストロークを稼いで
いることになり、装置内部機構の占有率が低くなり、装
置の軽量化につながる。さらに、展開リンク28を用い
たことで、簡単な構造により大きな展開ストロークを確
保できる。
【0060】次に図9(A),(B)に示すように、昇
降ベース30に対して送り込みベース33を下降させ、
下部に配置された洗浄手段14を下鏡105へ着床させ
る。後述するように、洗浄手段14は先端首振り機構お
よび吸引ノズルを有し、この首振り機構は吸引ノズルの
固定部と根元が上下方向に回転可能となっている。した
がって、着床時には吸引ノズルが下鏡の傾斜に倣うよう
に、それぞれ受動的に回転する。この根元の回転位置を
検出して昇降動作を停止するものである。
【0061】最後に図10(A),(B)に示すよう
に、送り込み用モータユニット43により送り込み用ス
プロケット48を駆動し、送り込みベース33に対して
ケーブルベア固定部51を下降させ、ケーブルベア50
を送り込みガイド52に沿わせて送り出す。ケーブルベ
ア50の先端には後述するように、先端首振り機構に吸
引ノズルとともにブラシが配置されており、ケーブルベ
ア50により下鏡105上のスタブチューブ106間へ
迭り出される。そして、ブラシが下鏡上を擦りながら剥
離作用を行って移動し、剥離したクラッドや異物を吸引
ノズルによって吸引回収するものである。作業終了後
は、以上の逆順に操作し炉底部洗浄装置を引き上げ、回
収する。
【0062】なお、ここで展開位置について、さらに具
体的に説明する。前記の図3は炉底部における展開時の
状態を示す図である。この図3に示すように、展開リン
ク28を倒すことで本体ケース12から昇降ベース30
と送り込みベース33とが展開され、ケーブルベア50
および吸引ホース5、ケーブル6が複数の制御棒案内管
110同士の隙間の中心位置まで移動する。本実施形態
の場合、図3の右上方向に展開するので、周囲の制御棒
案内管110に干渉せずに展開される。また展開後に送
り込みベース33と昇降用Vレールガイド32が下降す
るが、本体ケース12が設置されている制御棒駆動機構
ハウジング107やスタブチューブ106とも干渉しな
い。
【0063】次に、図11によって洗浄手段14の構成
を詳細に説明する。図11は洗浄手段14の構成を一部
断面で示す正断面図である。
【0064】本実施形態では、洗浄手段14を移送する
移送機構17が、洗浄手段14をその先端に保持して昇
降機構16から垂下するとともに一方向のみに屈曲し得
る線条タイプのガイド体としてのケーブルベア50と、
このケーブルベア50の先端に設けられて洗浄手段14
を水平面上で能動的に運動させる自由度、同洗浄手段1
4を上下方向に運動させる自由度および同洗浄手段14
を移送方向に向う軸心回りで回転させる自由度を有する
先端首振り機構60とを備えている。そして、洗浄手段
14を原子炉圧力容器101の下鏡105の曲率に合せ
ながらスタブチューブ106間へ移動し得る構成とされ
ている。また、移送機構17を構成する一方向のみに屈
曲し得る線条タイプのガイド体であるケーブルベア50
の先端に設けられる先端首振り機構60は、水平面上で
の運動の駆動源を電動アクチュエータである後述する首
振り用モータとされている。
【0065】すなわち、ケーブルベア50の先端にはホ
ース継手61が固定されており、ブラケット62が上下
方向に回転可能に支持され、押し付けバネ63で押し付
けられている。ブラケット62には基端側蛇腹ホース6
4が接続され、この基端側蛇腹ホース64の先端には、
スイベルジョイント65により、さらに先端側蛇腹ホー
ス66が回転可能に支持されている。なお、スイベルジ
ョイント65の下部には先端が球面状の支持突起67が
設けられ、この支持突起67を下鏡105上面に当接し
た状態で、スイベルジョイント65等が下鏡105の傾
斜に合わせ、送り込み方向に対して直交する方向に回転
できるようになっている。
【0066】スイベルジョイント65には首振りベース
68が設けられ、この首振りベース68には従動側かさ
歯車69が固定設置されている。この従動側かさ歯車6
9を支持するべアリング70の外輪71にはモータケー
ス72が接続されている。モータケース72には水密状
態で前述した電動アクチュエータとしての首振り用モー
タ73が収納され、この首振り用モータ73の出力軸に
は駆動側かさ歯車74が設けられている。そして、首振
り用モータ73によって、駆動側かさ歯車74を回転駆
動して、従動側かさ歯車69を回転させることで、先端
側蛇腹ホース66等が左右方向に首振りできるようにな
っている。このようにして先端首振り機構60が構成さ
れる。
【0067】そして、モータケース72の先端側下部に
はノズルブラケット75が接続されており、このノズル
ブラケット75に回転ヒンジ76を介して、吸引ノズル
77が上下方向に回転可能に支持されている。吸引ノズ
ル77は、先端側蛇腹ホース66に連結されており、こ
の吸引ノズル77の下面にはブラシ78aが設けられる
とともに、吸引ノズル77の先端にはローラ78が設け
られている。このローラ78は、下鏡に接触した状態で
の送り込みを容易にするものである。
【0068】また、ノズルブラケット75と吸引ノズル
77とは引張りバネ79で連結されている。そして吸引
ノズル77が下鏡105に接する前は、図11に仮想線
で示すように、引張りバネ79によって吸引ノズル77
がモータケース72側に引き上げられており、また水平
面に這わせるとき等は、図11に実線で示すように、支
持突起80により戻されて下鏡105の上下方向の傾斜
に追従するようになっている。吸引ノズル77からの吸
引流路は、先端側蛇腹ホース66により、左右首振りお
よび上下俯仰時の長さ調整が可能である。
【0069】なお、送り込み用のベース33の下端部に
は送り込み監視カメラ81が設けられ、吸引ノズル77
の下鏡105への送り込み状況を後方から監視できるよ
うになっている。また、モータケース72の下側には吸
引状況を監視するため、カメラおよびライトが一体とな
った監視装置82が設けられている。
【0070】このように構成された洗浄手段について、
図12、図13および図14も参照して下鏡上での左右
首振り動作について説明する。
【0071】まず、図12に示すように、先端首振り機
構60を下鏡上の制御棒駆動機構ハウジング107同士
の間まで送り込む。
【0072】次に、図13に示すように、首振り用モー
タ73の駆動によって、各かさ歯車74,69を介して
スイベルジョイント65を回転駆動して、吸引ノズル7
7を首振り状態とする。
【0073】さらに、図14に示すように、ケーブルベ
ア50を送り込みながら首振りを行わせ、吸引ノズル7
7を奥まで移動させる。下鏡105上で吸引ノズル77
の首振りを行わせることで、ブラシ78aが下鏡105
の表面を擦りながら移動し、軽微に付着しているクラッ
ドを掻き取って剥離させる。
【0074】ところで、下鏡105は球面のー部であ
り、直交2方向に曲がるとともに傾斜している。これに
対し、ケーブルベア50の送り込み方向に対する上下の
傾斜には、ホース継手61とブラケット62との回転自
由度、ならびに回転ヒンジ76の回転自由度により追従
し、横方向の傾斜には、前述したように支持突起67,
80により追従することができる。
【0075】次に、図15〜図18によって、ケーブル
ベア50の送り込み方向に対する下鏡105の上下方向
の傾斜に対して吸引ノズル77を追従させる方法につい
て説明する。なお、これらの図では蛇腹ホース66を省
略している。
【0076】図15は展開後に吸引ノズル77を下降さ
せる前の状態を示す模式図であり、図16は水平面に吸
引ノズル77を着床させた状態を示す模式図である。
【0077】吸引ノズル77を下降させる前には、図1
5に示すように、先端首振り機構60は送り込みガイド
52の先端により例えば20°傾斜している。吸引ノズ
ル77はさらに55°傾いている。したがって、吸引面
は鉛直下方に対して75°に傾いている。そこで、水平
面に吸引面を合わせるためには、さらに15°傾ければ
良い。この状態で吸引ノズル77を下降していくと、図
16に示すように、まず下鏡にローラ78が接触し、さ
らに下降することで、吸引ノズル77が図中のA0点お
よびB0点廻りで15°だけ回転俯仰して吸引面が水平
になる。
【0078】下鏡105上の上下方向の傾斜角度は、最
外位置の制御棒駆動機構ハウジング107に設置して中
心方向にケーブルベア50を送り込むときが最小で約4
5°と見積もられ、逆方向に送り込むときが最大で約4
5°と見積もられる。
【0079】次に、図17は下向き45°で送り込むと
きの状態を示した模式図である。この場合には、吸引ノ
ズル77の先端のローラ78よりも先に支持突起80が
下鏡105に接触するので、吸引ノズル77は最終姿勢
として55°から45°戻されて10°だけ傾き、図中
A0点廻りに15°傾くことで、合計45°になり、吸
引面が下鏡に追従する。
【0080】図18は上向き45°に送り込むときの状
態を示した模式図である。この場合、吸引ノズル77が
下降していくと、水平面の場合と同様に、まずローラ7
8が下鏡105に接触する。この場合において、送り込
み用のベース33を下降していってもローラ78の接触
点における下鏡105の法線が図中のA0点より下にき
てしまう場合があり、反力によるモーメントは図中のA
0点に関して左回りとなってしまう。したがって、吸引
ノズル77は下鏡105をせり上がらず、逆に下がる方
向に移動してしまう。これを回避するために、送り込み
ガイド52の先端(下端)52bをヒンジ52cにより
回転可能とし、図示しないエアシリンダにより先端首振
り機構60を上方に持ち上げてやる。これにより送り込
み用のベース33を下げていった時に、ローラ78の接
触点における下鏡105の法線が図中のA0点より上に
くるように降ろすことができる。そして、ケーブルベア
50を送り込むことで、ローラ78により吸引ノズル7
7が下鏡105上面でせり上がり、図中C0点廻りに3
0°、Α0点廻りに30°、吸引ノズル77が55°傾
き、さらに初期状態が20°傾いていることで合計13
5°となり、上向き45°の下鏡105の面に追従させ
ることができる。この時、最初にローラ78が下鏡10
5に接触する点は、本体ケース102の中心より手前側
にある。
【0081】以上のように、いずれの場合にも吸引ノズ
ル77が本体ケース12の設置中心より手前に位置する
ので、この状態から先端首振り機構60の首を振りなが
ら吸引および回収を始めることにより、本体ケース12
が設置されている下のスタブチューブ106廻りが洗浄
可能である。
【0082】そして、以上の操作は、監視カメラ81に
よって送り込み状況を監視することで、正確かつ迅速に
行える。
【0083】次に、図19に基づいて本体ケース12の
設置場所と下鏡105上の洗浄範囲について説明する。
図19は設置場所と下鏡105上の洗浄範囲との関係の
一例を示した図である。
【0084】本実施例では、洗浄手段14を左後方に送
り込むものであるが、実プラントで作業する場合には鏡
対象である右後方に送り込む装置も用意して2台適用す
るものである。
【0085】なお、図19中、右上がり斜線の範囲は、
設置位置1〜6および7において右後方に吸引ノズル7
7を送り込む装置を設置し、0°方向に最外部まで吸引
ノズルを送り込んで洗浄する範囲である。
【0086】また、左上がり斜線の範囲は、設置位置1
〜6において左後方に展開する装置を設置し180°方
向に最外部まで吸引ノズル77を送り込んで洗浄する範
囲である。
【0087】さらに、斑点の範囲は、右後方送り込み用
装置または左後方送り込み用装置により、吸引ノズル7
7を90°または270°方向に送り込んで洗浄する範
囲である。
【0088】この図19の例では6回の設置により、シ
ュラウドサポートレグまでの下鏡上の約50%、22回
の設置で約80%、45回の設置でほぼ100%の範囲
が洗浄可能と見積もられる。
【0089】下鏡105には図19に示すように、イン
コアモニタハウジング111が一列置きに貫通している
ため、このインコアモニタハウジング111廻りを洗浄
するために設置場所を変えて行う必要がある。
【0090】以上の構成による本実施形態に係る炉底部
洗浄装置によれば、下鏡105上のシュラウドサポート
レグまでの全範囲へ吸引ノズル77とブラシ78aとを
送り込み、クラッドや異物の吸引回収を自動的に、かつ
遠隔操作で行うことができる。
【0091】この場合の吸引状況は、カメラおよびライ
トが一体となった監視装置82によって目視的に確認し
ながら行えるので、吸引作業の開始、移動、終了等を的
確に判断して、作業を確実に行うことができる。
【0092】さらに、制御棒案内管を取り外さなければ
吸引ノズル77を送り込むことが不可能な原子炉圧力容
器の下鏡105上のクラッドや、異物の洗浄および回収
を行う際に、洗浄を行うなために撤去する制御棒案内管
の本数を少なくし、少ない設置回数で広範囲の洗浄が可
能である。すなわち洗浄および回収作業を、容易かつ少
ない時間で行うことができるので、作業性を向上させ、
工期の短縮を実現することが可能であり、被曝低減にも
有効である。
【0093】なお、本発明は以上の実施形態の他、種々
の変形または応用が可能である。
【0094】例えば前記実施形態では、洗浄手段のブラ
シを吸引ノズルに固定させた構成としたが、このブラシ
を吸引ノズルに対して回転させる構成としてもよい。
【0095】このような構成にすれば、前記実施形態の
場合に吸引ノズルを移動させなければ下鏡の表面を擦る
ことができなかったのに対し、ブラシを回転させること
で吸引ノズルを固定したままでも下鏡の表面を擦るうこ
とが可能となり、クラッドの剥離能力を高めることがで
きる。その結果、クラッドの回収効率を向上させ、炉外
での空間線量の低減に寄与することができる。
【0096】また、回転するブラシに加えて、回転する
ワイヤブラシやグラインダを設けてもよい。このような
構成にすれば、ワイヤブラシやグラインダを回転するこ
とで下鏡上を研摩することができる。これにより、例え
ばイオン化して金属母材中に取り込まれ、強固に固着し
たクラッドも剥離することが可能となり、さらにクラッ
ドの回収能力が向上する。
【0097】また、前記実施形態では、洗浄手段の先端
首振り機構の首振り動作を吸引部分の付近に設けたモー
タによって行う構成としたが、洗浄手段から離間した位
置に設けた駆動源によって駆動されるワイヤを用いる構
成としてもよい。
【0098】このような構成にすれば、駆動源を吸引部
分から離間することで、構成が簡略化できるとともに、
クラッドが駆動源に侵入することがなく、信頼性の向上
が図れる。
【0099】さらに、移送機構を構成する首振り機構
は、水平面上での運動の駆動源を形状記憶合金による加
熱制御機構としてもよい。具体的には、首振り回転中心
近傍にスプリング状の形状記憶合金を配置し、加熱およ
び徐熱冷却をして形状記憶合金が熱により変形するとき
の変位力を利用して首振り運動をさせる。
【0100】このような構成にすれば、駆動部分を簡略
化することができ、それによって信頼性の向上が図れ
る。
【0101】さらにまた、洗浄手段の先端首振り機構に
おいて、ケーブルベアの先端で多関節アームにより吸引
ノズルおよびブラシを移動させる構成としてもよい。
【0102】このような構成にすれば、吸引ノズルに能
動自由度を持たせることができ、より複雑な吸引ノズル
の移動および操作が実現でき、アクセス能力を一層向上
させることができる。
【0103】第2実施形態(図20,図21) 図20は本発明に係る炉底部作業装置の第2実施形態の
要部構成を示す側面図であり、図21は図20の平面図
である。
【0104】本実施形態は炉底部の目視検査作業装置に
ついてのものであり、検査手段としてビデオテレビ装置
(以下、VT装置という)を使用して、溶接部等の検査
を行うようにしている。
【0105】なお、本実施形態の装置は前述した第1実
施形態のケーブルベア50の先端に、首振り機構60に
代って取付けるユニットとして構成されており、図20
および図21では、ケーブルベア50の先端および前記
ユニットの構成のみを拡大して示し、他の説明は省略す
る。
【0106】これらの図に示すように、ケーブルベア5
0の先端に回転ジョイント83を介してブラケット84
が取付けられ、このブラケット84はケーブルベア50
と同軸的な軸心回り(矢印a方向)での回転が自在とな
っている。このブラケット84は、ケーブルベア50の
先端側に向って突出して互いに対峙する1対の片84
a,84bを有し、この両片84a,84b間に軸85
を介して柱状の支持部材86が垂直状態および傾斜状態
となり得るように(矢印b方向)、回動自在に支持され
ている。
【0107】この支持部材86の回動端(上端)側に、
この支持部材86の軸心延長線上に同軸的配置で、かさ
歯車87および支軸88が一体に設けられている。
【0108】本実施形態では、この支軸88に軸受89
を介してフレーム90が回動自在に支持されており、こ
のフレーム90にVT用カメラ91およびVT用ライト
92が取付けられている。
【0109】フレーム90は図20に示すように、側面
視で逆L字状に折曲した部分90aと、この部分90a
から横長に延在する部分90bとからなり、これらの両
部分90a,90bからそれぞれ脚部90c,90dが
垂下している。一方の脚部90dの下端にはローラ93
が設けられ、下鏡105に対して転動が可能となってい
る。なお、他方の脚部90cは直接的に下鏡105に接
して摺動するようになっている。
【0110】そして、フレーム90のL形部分90aに
は、支持部材84に固定されたかさ歯車87と噛合して
回転する別のかさ歯車94が軸受95を介して支持され
ており、この別のかさ歯車94は首振り用モータ96に
よって回転駆動されるようになっている。即ち、この別
のかさ歯車94が固定状態のかさ歯車87に噛合して回
転することにより、フレーム90全体がブラケット84
に支持された支持部材86の軸88を支点として周方向
(矢印c方向)に回転するものである。
【0111】そして、VT用カメラ91およびVT用ラ
イト92は、フレーム90上に支持板97を介して搭載
されており、この支持板97は軸98を介して旋回用モ
ータ99に連結されている。これにより、VT用カメラ
91およびVT用ライト92は旋回用モータ99によっ
て、フレーム90上でさらに軸98回り(矢印d方向)
で回動可能となっている。
【0112】このように構成された第2実施形態の炉底
部作業装置によれば、前述した第1実施形態と同様に、
ケーブルベア50の駆動により下鏡105上に送り込む
ことができる。この場合、フレーム90はケーブルベア
50に対して回転ジョイント83およびブラケット84
の軸88によって直交する二軸で支持された状態となっ
ているので、球面状をなす下鏡105の表面に対して両
脚部90c,90dが追随して移動動作することができ
る。
【0113】また、首振り用モータ96を駆動して、両
かさ歯車87,94の噛合によりフレーム90をさらに
第3の軸96aの回りで回動させ、フレーム90を下鏡
105上で所定の向きに首振り動作させることができ
る。
【0114】さらに、旋回用モータ99を駆動して支持
板97を回動させることにより、VT用カメラ91およ
びVT用ライト92を任意の方向に向けることができ
る。
【0115】したがって、本実施形態によれば、これま
で下鏡105上、あるいは下鏡105とスタブチューブ
106との溶接部、またスタブチューブ106と制御棒
駆動機構ハウジング107との溶接部等を目視検査によ
り確認する場合に多数の制御棒案内管を取外す必要があ
ったのに対し、そのような作業を低減し、撤去する制御
棒案内管の数を減少して、少ない設置回数で広範囲の目
視検査が行え、作業性の向上ひいては工期の短縮を図る
ことができる。
【0116】第3実施形態(図22〜図28) 図22は本発明に係る炉底部作業装置の第3実施形態の
要部構底面図である。図25〜図28は作用を順次に示
す説明図である。
【0117】本実施形態は炉底部の非破壊検査作業装置
についてのものであり、検査手段として超音波探傷(U
T)装置111を使用して、溶接部等の検査を行うよう
にしている。
【0118】なお、本実施形態も前述した第2実施形態
と同様に、ケーブルベア50の先端に取付けるユニット
として構成されており、図22〜図28においては、ケ
ーブルベア50の先端および前記ユニットの構成のみを
示し、他の説明は省略する。
【0119】図22〜図24に示すように、ケーブルベ
ア50の先端に回転ジョイント112を介してブラケッ
ト113が取付けられ、このブラケット113は前記第
2実施形態と同様にケーブルベア50と同軸上で回転自
在であり(矢印e方向)、かつ1対の対向する片113
aを有している。
【0120】このブラケット113の両片113a間に
水平な軸114を介して縦長な支持部材115が上下方
向(矢印f方向)に回動自在に支持されている。この支
持部材115と、これと離間した配置の別の支持部材1
16とを脚としてベース体117が設けられ、このベー
ス体117は各支持部材115,116の下端部に設け
られた車輪118,119によって下鏡105上を走行
移動できるようになっている。
【0121】ベース体117の先端側には第1の駆動モ
ータ120が設けられ、この第1の駆動モータ120の
上向きの回転軸121がベース体117に設けた軸受1
22で支持されて上方に突出し、ベース体117と平行
に配置した第1アーム123の一端(左端)に一体回転
可能に連結されている。第1アーム123の他端(右
端)側はフリーとなっており、これにより第1の駆動モ
ータ120が駆動されての回転軸121が回転すると、
これとともに第1アーム123の他端側かベース体11
7の上方で回転するようになっている。
【0122】また、第1アーム123の上方には第2ア
ーム124が平行に配置されており、この第2アーム1
24の上面に第2の駆動モータ125のケーシング部が
固定され、この第2の駆動モータ125の下向きの回転
軸126が、第2アーム124の孔127を貫通して第
1アーム123の他端(右端)に一体回転可能に固定さ
れている。この第2アーム124の一端(左端)側はフ
リーとなっており、他端(右端)側が第2の駆動モータ
125のケーシング部に固定されている。これにより、
第2の駆動モータ125が駆動されて回転軸126が回
転すると、第2アーム124の一端(左端)側が他端
(右端)側を支点として回転するようになっている。
【0123】したがって、これら第1,第2の駆動モー
タ120,125の駆動により、両アーム123,12
4が横方向(図23の矢印g方向)に展開し、また収縮
して戻り動作することができる。
【0124】第2アーム124の一端(左端)側上面に
は、垂直なピン128を介して台盤状の探触子ホルダ1
29が回転自在に支持されており(矢印h方向)、図示
しない渦巻ばね等により、図23に示す中立位置に保持
されている。そして、探触子ホルダ129に左右1対の
超音波探触子130が搭載されている。各超音波探触子
130は例えば略直方体状で互いに平行に配置され、そ
れぞれ両端部に突出したピン131を、探触子ホルダ1
29の対向部に設けた平行なガイド溝132に挿入する
ことにより、そのピン132を中心とする回転(矢印i
方向)と、ガイド溝132の範囲でのベース体117側
方に沿うスライド(矢印j方向)とが可能となってい
る。また、各超音波探触子130は互いに離間する方向
にスプリング133で付勢されている。
【0125】したがって、各超音波探触子130は、後
述する被探傷面に一定の圧接力で接触した場合、スプリ
ング133に抗して後退する平行移動と、直交する二軸
として設けられている各ピン128,131を中心とす
る回動とにより、三次元的に動作し、常に探触子エレメ
ントが被探傷面に直交する姿勢とすることができる。
【0126】また、第2アーム124の上面には、監視
カメラ134およびライト135が向き変化可能に設け
られ、作業状況(本実施形態では探傷作業状況)を監視
することができるようになっている。
【0127】さらに、ベース体117には、探傷に先立
って探傷位置を設定するための位置決め手段136が設
けられている。この位置決め手段136はベース体11
7の下部に配置されて両側方に出没し得る左右1対の位
置決め部材137と、これらの駆動機構138とにより
構成されている。各位置決め部材137は棒状のもの
で、ベース体117と平行に配置されている。駆動機構
118は、駆動源となるエアシリンダ139およびシリ
ンダロッド140と、これらエアシリンダ139および
シリンダロッド140の先端に開閉自在にピン141を
介して接合された前後1対ずつのリンクアーム142と
からなる。そして、各リンクアーム142の先端がピン
143を介して位置決め部材137に連結され、これに
より各位置決め部材137が互いに平行移動してベース
体117の側方に突出し、後述する被探傷部位に接触で
きるようになっている。
【0128】次に、図25〜図28によって探傷作業に
ついて説明する。なお、本実施例ではスタブチューブ1
06の溶接部まわりの超音波探傷を行う場合に適用して
おり、以下その手順に従って説明する。
【0129】まず、ケーブルベア50の押出し等によ
り、超音波探傷装置111全体をスタブチューブ106
間へ送り出す(図25)。
【0130】次に、位置決め手段136を駆動して位置
決め部材137を拡開させると同時に、ケーブルベア5
0による送り込み方向の位置調整を行い、位置決め部材
137がスタブチューブ106に接する位置で停止する
(図26)。
【0131】そして、第1アーム123および第2アー
ム124を回動させ、超音波探触子130をスタブチュ
ーブ106に接触させて探傷を開始する(図27)。こ
の後、第1アーム123と第2アーム124の回転角度
を調整しながら、スタブチューブ106の表面に沿って
超音波探触子130を接触させながら移動させていく。
探触子ホルダ129は回転可能なので、第2アーム12
4が回転しても超音波探触子130を垂直に当てること
ができる。
【0132】また図28に示したように超音波探傷装置
前方のスタブチューブ106に対しても同様に超音波探
傷を行うことができる。超音波探傷装置の位置は位置決
め部材137を開いた時の幅からスタブチューブ106
に対して特定されるので、第1アーム123と第2アー
ム124の回転角度により、スタブチューブ106に対
する超音波探触子130の位置が同定できる。そして、
超音波探触子130により欠陥エコーを検出し、探触子
の位置から欠陥の位置が同定される。
【0133】以上の操作により、スタブチューブ106
周りの超音波探傷を行うことができる。
【0134】本実施形態によると、これまで下鏡105
とスタブチューブ106との溶接部周りの超音波探傷に
よる検査を行う場合に各箇所毎に制御棒案内管を取外さ
なければ不可能で多数撤去する必要があったのに対し、
撤去する制御棒案内管の本数を少なくし、少ない設置回
数で広範囲の超音波探傷による検査が可能である。この
検査を、容易かつ短時間で行うことができるので、作業
性を向上させ、工期の短縮を図ることが可能である。
【0135】他の実施形態 なお、以上の実施形態の他、本発明は各種作業に適用す
ることができる。例えば、ケーブルベア50の先端に作
業手段として、EDM(Electrical DischargeMachinin
g:放電加工)切断装置、あるいはディスクグラインダ
等の切断装置を取付けて、スタブチューブ106等の切
断作業を行ってもよい。このような装置を使用すれば、
スタブチューブ106の切断作業を行う場合に、撤去す
る制御棒案内管の本数を少なくし、少ない設置回数で広
範囲の切断作業が容易にかつ短時間で行える。
【0136】また、同様に、作業手段を砥石等の研磨装
置とすれば、スタブチューブ106を切断した端面の研
磨作業を行う場合に、撤去する制御棒案内管の本数を少
なくし、前記同様に作業性の向上、工期の短縮が図れ
る。
【0137】さらに、作業手段として溶接装置を適用す
ればスタブチューブを切断後、新しいスタブチューブを
溶接する場合に、撤去するCR案内管の本数を少なく
し、前記同様に作業性の向上、工期の短縮が図れる。
【0138】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、以下の作用効果が奏される。
【0139】請求項1の発明によれば、炉底部の洗浄、
異物回収、目視検査、構造物切断、研磨、溶接等の作業
を自動、遠隔で行うことが可能になり、装置をー箇所に
設置して広範囲の作業が行えるので、原子炉圧力容器の
下鏡全域の各種作業を少ない設置回数で行うことができ
る。したがって、各種作業が容易になるとともに、撤去
する制御棒案内管が減少できることで、作業性を回上さ
せ、工期の短縮が図れる。
【0140】請求項2の発明によれば、ブラシにより異
物を掻き集めて吸引ノズルおよびホースにより回収する
ことができる。したがって、吸引ノズルのみで吸引する
場合と異なり流体力による粘性で剥離される異物のみに
限らず、ブラシにより洗浄面を擦ることで軽微に付着し
た異物が回収可能となり、洗浄能力の向上が図れる。
【0141】請求項3の発明によれば、ブラシによりク
ラッドをかき寄せ、吸引ノズルおよびホースにより回収
し、監視カメラにより吸引状況を把握することができ
る。即ち、吸引ノズルのみで吸引する場合は流体力によ
る粘性で引き剥されるクラッドや異物のみが回収可能で
あるが、ブラシにより洗浄面を擦ることで軽微に付着し
たクラッドや異物が回収可能であり、洗浄能力が向上す
る。さらに吸引状況を間近で把握しながら洗浄するの
で、作業の信頼性を増すことができる。
【0142】請求項4の発明によれば、作業手段とし
て、炉底部における構造物表面や溶接部の目視検査を行
う検査用カメラと、検査用ライトとを備え、炉底部での
目視検査を行うようにしたので、一回の設置で広範囲の
目視検査作業を行うことができる。
【0143】請求項5の発明によれば、作業手段とし
て、炉底部における構造物の溶接部の超音波探傷検査を
行う超音波探触子からなり、炉底部での超音波探傷検査
を行うようにしたので、一回の設置で広範囲の超音波探
傷作業を行うことができる。
【0144】請求項6の発明によれば、作業手段とし
て、切断装置を適用し、炉底部での切断作業を行うよう
にしたので、一回の設置で広範囲の切断作業を行うこと
ができる。
【0145】請求項7の発明によれば、作業手段とし
て、炉底部における構造物の研磨を行う研磨装置を適用
し、炉底部での研磨作業を行うようにしたので、一回の
設置で広範囲の研磨作業を行うことができる。
【0146】請求項8の発明によれば、作業手段とし
て、炉底部における構造物の溶接を行う溶接装置を適用
し、炉底部での溶接作業を行うようにしたので、一回の
設置で広範囲の溶接作業を行うことができる。
【0147】請求項9の発明によれば、吸引ノズルを下
鏡の曲率の合せながら、スタブチューブ間へ吸引ノズル
を移動させることが可能になる。
【0148】請求項10の発明によれば、吸引ノズルを
下鏡の曲率に合せながらスタブチューブ間へ移動させ、
確実に吸引し、さらに下鏡上への吸引ノズルの設置状況
や、下鏡上での吸引ノズルおよび屈曲ガイドの送り込み
状況等を監視カメラで確認することができるので、作業
時における装置の操作性が向上できる。
【0149】請求項11の発明によれば、超音波探触子
を下鏡の曲率に合せながらスタブチューブ間へ移動さ
せ、さらに下鏡上への超音波探触子の設置状況や下鏡上
での超音波探触子および屈曲ガイドの送り込み状況を監
視カメラで確認することができるので、作業時における
装置の操作性が向上する。
【0150】請求項12の発明によれば、展開機構を少
なくとも2本のリンクにより構成し、エアシリンダ等の
直動要素で駆動するので、リンクを起倒させることによ
り、昇降機構および移送機構を本体ケース外に展開およ
び収納し、昇降機構による移送機構の昇降が可能であ
る。また、昇降機構と移送機構とは、収納位置から下降
しながら展開されるので、昇降機構のストロークを稼い
でいることになり、装置内部機構の占有率が低くなり、
装置の軽量化につながる。さらに、展開にリンクを用い
たことで、簡単な構造により大きな展開ストロークを確
保できる。
【0151】請求項13の発明によれば、昇降機構をチ
ェーンおよびスプロケットにより構成し、移送機構を上
下に移動させて吸引ノズルを下鏡上へ着床させることが
できるので、簡単な構成で長ストロークを高速に駆動す
ることが可能になる。その結果、装置の信頼性向上およ
び軽量化等が図れる。
【0152】請求項14の発明によれば、旋回機構が炉
心支持板の位置決めピンを基準として、制御棒駆動機構
ハウジング上に設置された本体ケースを回転して洗浄手
段を送り込む方向を定めるので、本体ケースをー箇所に
設置して、少なくとも90°おきに4方向へ吸引ノズル
を送り込むことが可能であり、少ない設置回数で広範囲
の作業が実現される。
【0153】請求項15の発明によれば、吸引回収部に
おいてブラシを回転させながら下鏡上を擦ることで、吸
引ノズルを固定したままでもクラッドの剥離が可能にな
り、それによりクラッドの剥離能力が向上するので、ク
ラッドの回収効率の向上、炉外での空間線量の低減等が
図れる。
【0154】請求項16の発明によれば、吸引回収部に
おいてブラシを回転させる部分で、ワイヤブラシやグラ
インダを回転させることで、下鏡上を研摩するようにし
たので、イオン化して金属母材中に取り込まれ、強固に
固着したクラッドも剥離することが可能になり、クラッ
ドの回収能力の向上が図れる。したがって、クラッドの
回収効率が向上し、炉外での空間線量の低減にも寄与す
ることができる。
【0155】請求項17の発明によれば、移送機構がー
方向のみに屈曲可能なガイドがケーブルベアを有するこ
とにより、作業手段の送り出しおよび先端移動が可能に
なる。そして、電動アクチュエータを用いることによっ
て、容易にかつ的確に首振り位置や速度を制御すること
ができる。
【0156】請求項18の発明によれば、移送機構にお
いて首振り機構をワイヤ駆動により水平運動させるの
で、駆動源を吸引部分から切り離すことができ、構造が
簡略化できるとともに、駆動源へのクラッド侵入防止が
図れ、信頼性が向上できる。
【0157】請求項19の発明によれば、移送機構にお
いて首振り機構が形状記憶合金の加熱制御により水平運
動を行うようにしたので、構成および構造が簡略化さ
れ、信頼性の向上が図れる。
【0158】請求項20の発明によれば、首振り機構を
多関節アームにより構成し、アームの各関節を駆動して
吸引部を下鏡上の所望の位置へ移動できるので、吸引ノ
ズルに能動自由度を持たせることができ、より複雑な作
業が実現でき、アクセス能力が一層向上できる。
【0159】請求項21の発明によれば、各種作業をオ
ペレーションフロア上の固定した場所で自動的に、かつ
遠隔によって行えるので、上記の各種作業が容易に行え
るようになる。
【0160】請求項22の発明によれば、長尺ポールを
上部格子板と炉心支持板を通過させ、先端に付けた吸引
ノズルで吸引していたような従来の作業に比べて、作業
箇所を変える場合等の操作等が容易化でき、下鏡上全範
囲の各種作業がより容易に、しかも少ない期間で行うこ
とができ、作業性の向上ひいては工期の短縮が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る炉底部作業装置の第1実施形態を
示す設置状態図。
【図2】本発明に係る炉底部作業装置の同実施形態を示
す全体構成図。
【図3】前記実施形態における展開機構を示す横断面
図。
【図4】図2のA−A線断面図。
【図5】図2のB−B線断面図。
【図6】前記実施形態における昇降機構を示す横断面
図。
【図7】前記実施形態による作用説明図で、(A)は設
置初期の状態を示す側断面図、(B)は同状態の洗浄手
段の平面配置図。
【図8】前記実施形態による作用説明図で、(A)は展
開状態を示す側断面図、(B)は同状態の洗浄手段の平
面配置図。
【図9】前記実施形態による作用説明図で、(A)は洗
浄手段の下降状態を示す側断面図、(B)は同状態の洗
浄手段の平面配置図。
【図10】前記実施形態による作用説明図で、(A)は
洗浄状態を示す側断面図、(B)は同状態の洗浄手段の
平面配置図。
【図11】前記実施形態における洗浄手段を示す構成
図。
【図12】前記実施形態による作用説明図で、洗浄手段
の首振り前の状態を示す平面図。
【図13】前記実施形態による作用説明図で、洗浄手段
の首振り状態を示す平面図。
【図14】前記実施形態による作用説明図で、洗浄手段
がさらに首振りした状態を示す平面図。
【図15】前記実施形態による作用説明図で、洗浄手段
の角度変化を示す側面図。
【図16】前記実施形態による作用説明図で、洗浄手段
の角度変化を示す側面図。
【図17】前記実施形態による作用説明図で、洗浄手段
の角度変化を示す側面図。
【図18】前記実施形態による作用説明図で、洗浄手段
の角度変化を示す側面図。
【図19】前記実施形態による作用説明図で、洗浄手順
等を示す図。
【図20】本発明に係る炉底部作業装置の第2実施形態
の要部構成を示す側面図。
【図21】図20の平面図。
【図22】本発明に係る炉底部作業装置の第3実施形態
の要部構成を示す側面図。
【図23】図22の平面図。
【図24】図22の底面図。
【図25】前記第3実施形態の作用説明図。
【図26】前記第3実施形態の作用説明図。
【図27】前記第3実施形態の作用説明図。
【図28】前記第3実施形態の作用説明図。
【符号の説明】
1 炉底部洗浄作業装置(炉底部作業装置) 2 作業台車 3 吊り込み装置 4 ワイヤ 5 吸引ホース 6 ケーブル 7 吸引ポンプ 8 回収フィルタ 9 制御盤 10 操作盤 11 開口部 12 本体ケース 13 旋回機構 14 洗浄手段(作業手段) 15 展開機構 16 昇降機構 17 移送機構 18 支持突起 19 上部ケース 20 軸受 21 位置決めフランジ 22 位置決めピン 23 旋回モータ 24 ピニオン 25 ギア 26 ブラケット 27 支軸 28 展開リンク 29 エアシリンダ 30 昇降ベース 31 昇降用ガイドローラ 32 昇降用Vレールガイド 33 ベース 34 接続ロッド 35 送り込み機構 36 昇降用モータユニット 37 ウォーム 38 軸受 39 スプロケット軸 40 ウォームホイール 41 昇降用スプロケット 42 昇降用チェーン 43 送り込み用モータユニット 44 ウォーム 45 軸受 46 スプロケット軸 47 ウォームホイール 48 送り込み用スプロケット 49 送り込み用チェーン 50 ケーブルベア 51 ケーブルベア固定部 52 送り込みガイド 52a 送り込みガイドの下端部 52b 送り込みガイドの下端部先端 52c ヒンジ 53 送り込み用ガイドローラ 54 送り込み用Vレールガイド 55 送り込み用支持板 56 接続ロッド 60 首振り機構 61 ホース継手 62 ブラケット 63 押し付けバネ 64 基端側蛇腹ホース 65 スイベルジョイント 66 先端側蛇腹ホース 67 支持突起 58 首振りベース 69 従動側かさ歯車 70 べアリング 71 外輪 72 モータケース 73 首振り用モータ 74 駆動側かさ歯車 75 ノズルブラケット 76 回転ヒンジ 77 吸引ノズル 78 ローラ 78a ブラシ 79 引張りバネ 80 支持突起 81 監視カメラ 82 吸引状況監視用の監視装置(カメラ、ライト) 83 回転ジョイント 84 ブラケット 84a,84b 片 85 軸 86 支持部材 87 かさ歯車 88 支軸 89 軸受 90 フレーム 91 VT用カメラ 92 VT用ライト 90a,90b 部分 90c,90d 脚部 93 ローラ 94 かさ歯車 95 軸受 96 首振り用モータ 97 支持板 98 軸 99 旋回用モータ 101 原子炉圧力容器 102 炉心シュラウド 103 上部格子盤 104 炉心支持板 105 下鏡 106 スタブチューブ 107 制御棒駆動機構ハウジング 108 原子炉ウェル 109 オペレーションフロア 111 超音波探傷(UT)装置 112 回転ジョイント 113 ブラケット 113a 片 114 軸 115 支持部材 116 支持部材 117 ベース体 118,119 車輪 120 第1の駆動モータ 121 回転軸 122 軸受 123 第1アーム 124 第2アーム 125 第2の駆動モータ 126 回転軸 127 孔 128 ピン 129 探触子ホルダ 130 超音波探触子 131 ピン 132 ガイド溝 133 スプリング 134 監視カメラ 135 ライト 136 位置決め手段 137 位置決め部材 138 駆動機構 139 エアシリンダ 140 シリンダロッド 141 ピン 142 リンクアーム 143 ピン

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽水型原子炉等における原子炉圧力容器
    の下鏡上に堆積または付着した放射性腐食生成物その他
    の異物を検査し、洗浄し、もしくは回収する作業、また
    は前記異物に関して構造物を切断し、研磨し、もしくは
    溶接する作業を行う炉底部作業装置であって、制御棒駆
    動機構が引抜かれた空の制御棒駆動機構ハウジングの上
    端に原子炉圧力容器上方から吊り込まれて設置される縦
    長筒状で側面部に開口部を有する本体ケースと、この本
    体ケースを軸心回りで回動させて前記開口部の向きを設
    定する旋回機構と、前記本体ケース内に収納された作業
    手段と、この作業手段を前記本体ケースから前記開口部
    を介して外側方に出没させる展開機構と、前記作業手段
    を前記本体ケースに対して昇降動作させる昇降機構と、
    この昇降機構によって下降した前記作業手段を下鏡の上
    面に沿って三次元的に移送する移送機構とを備えたこと
    を特徴とする炉底部作業装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、作業手段は洗浄手段であり、この洗浄手段は、原子
    炉圧力容器の下鏡上面に軽微な付着力で付着している異
    物を剥離させるブラシと、このブラシにより剥離されて
    浮上した異物を吸引する吸引ノズルと、吸引した異物を
    回収するホースとを備えたことを特徴とする炉底部作業
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、作業手段は洗浄手段であり、この洗浄手段は、原子
    炉圧力容器の下鏡上面に軽微な付着力で付着している異
    物を剥離させるブラシと、このブラシにより剥離されて
    浮上した異物を吸引する吸引ノズルと、吸引状況を確認
    する監視カメラおよびライトと、吸引した異物を回収す
    るホースとを備えたことを特徴とする炉底部作業装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、作業手段は炉底部における構造物表面または溶接部
    の目視検査を行う検査用カメラと、検査用ライトとを備
    えた検査装置であることを特徴とする炉底部作業装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、作業手段は炉底部における構造物の溶接部の超音波
    探傷検査を行う超音波探傷装置であることを特徴とする
    炉底部作業装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、作業手段は、炉底部における構造物の切断を行う切
    断装置であることを特徴とする炉底部作業装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、作業手段は、炉底部における構造物の研磨を行う研
    磨装置であることを特徴とする炉底部作業装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、作業手段は、炉底部における構造物の溶接を行う溶
    接装置であることを特徴とする炉底部作業装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、移送機構は、作業手段をその先端に保持して昇降手
    段から垂下するとともに一方向のみに屈曲し得る線条タ
    イプのガイド体と、このガイド体の先端に設けられて作
    業手段を水平面上で能動的に運動させる自由度、同作業
    手段を上下方向に運動させる自由度および同作業手段を
    移送方向に向う軸心回りで回転させる自由度を有する首
    振り機構とを備え、吸引ノズルを原子炉圧力容器の下鏡
    の曲率に合せながらスタブチューブ間へ移動し得る構成
    とされていることを特徴とする炉底部作業装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、移送機構は、作業手段をその先端に保持して昇降手
    段から垂下するとともに一方向のみに屈曲し得る線条タ
    イプのガイド体と、このガイド体の先端に設けられて作
    業手段を水平面上で能動的に運動させる自由度、同作業
    手段を上下方向に運動させる自由度および同作業手段を
    移送方向に向う軸心回りで回転させる自由度を有する首
    振り機構と、前記ガイド体の送り込み状況を把握するた
    めの監視カメラとを備え、吸引ノズルを原子炉圧力容器
    の下鏡の曲率に合せながらスタブチューブ間へ移動し得
    るとともに、その移動状況を前記監視カメラで監視し得
    る構成とされていることを特徴とする炉底部作業装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、移送機構は、作業手段をその先端に保持して昇降手
    段から垂下するとともに一方向のみに屈曲し得る線条タ
    イプのガイド体と、このガイド体の先端に設けられて作
    業手段を水平面上で能動的に運動させる自由度、同作業
    手段を上下方向に運動させる自由度および同作業手段を
    移送方向に向う軸心回りで回転させる自由度を有する首
    振り機構と、前記作業手段による作業状況を把握するた
    めのカメラとを備え、前記作業手段を原子炉圧力容器の
    下鏡の曲率に合せながらスタブチューブ間へ移動し得る
    とともに、検査用カメラまたは超音波探触子により炉底
    部を検査し得る構成とされていることを特徴とする炉底
    部作業装置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、展開機構は少なくとも、エアシリンダその他の直動
    要素により駆動される2本のリンクを備えた構成とされ
    ていることを特徴とする炉底部作業装置。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、昇降機構は少なくとも、作業手段を昇降するチェー
    ンおよびスプロケットを有する構成とされていることを
    特徴とする炉底部作業装置。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の炉底部作業装置におい
    て、旋回機構は、炉心支持板に垂直に設けられた位置決
    めピンを基準として、制御棒駆動機構ハウジング上に設
    置された本体ケースを水平面上で回転する構成とされて
    いることを特徴とする炉底部作業装置。
  15. 【請求項15】 請求項2および3記載の炉底部作業装
    置において、洗浄手段を構成するブラシは、回転によっ
    て異物の剥離能力が高められていることを特徴とする炉
    底部作業装置。
  16. 【請求項16】 請求項2および3記載の炉底部作業装
    置において、洗浄手段は回転するブラシまたは回転する
    グラインダを有するものであり、そのブラシまたはグラ
    インダの回転により生じる摩擦力は、原子炉圧力容器の
    下鏡を構成する金属母材中に取り込まれて強固に固着し
    ているクラッドをイオン化させて剥離する構成とされて
    いることを特徴とする炉底部作業装置。
  17. 【請求項17】 請求項9および10記載の炉底部作業
    装置において、移送機構を構成する一方向のみに屈曲し
    得る線条タイプのガイド体はケーブルベアであり、この
    ケーブルベアの先端に設けられる首振り機構は、水平面
    上での運動の駆動源を電動アクチュエータとしたことを
    特徴とする炉底部作業装置。
  18. 【請求項18】 請求項9および10記載の炉底部作業
    装置において、移送機構を構成する首振り機構は、水平
    面上での運動の駆動源を、ワイヤ式駆動機構としたこと
    を特徴とする炉底部作業装置。
  19. 【請求項19】 請求項9および10記載の炉底部作業
    装置において、移送機構を構成する首振り機構は、水平
    面上での運動の駆動源を形状記憶合金による加熱制御機
    構としたことを特徴とする炉底部作業装置。
  20. 【請求項20】 請求項9および10記載の炉底部作業
    装置において、移送機構を構成する首振り機構は、多関
    節アームからなることを特徴とする炉底部作業装置。
  21. 【請求項21】 請求項1から20までのいずれかに記
    載の炉底部作業装置に加え、原子炉圧力容器底部の下鏡
    上の検査、洗浄、異物回収、構造物切断、研磨または溶
    接作業を行う手段として、原子炉圧力容器上部のオペレ
    ーションフロア上に設置した遠隔操作用の制御盤および
    操作盤を備えるとともに、本体ケースの吊り下げおよび
    吊り上げ等の移動を行うための台車その他の吊り込み装
    置を備え、かつ洗浄作業用の水中に設置された吸引ポン
    プおよび回収フィルタを備えたことを特徴とする炉底部
    作業装置。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の炉底部作業装置を
    使用して、原子炉圧力容器底部の下鏡上の検査、洗浄、
    異物回収、構造物切断、研磨または溶接作業を行う方法
    であって、本体ケースを吊り込み装置により上部格子板
    および炉心支持板を通過させた後、制御棒駆動機構ハウ
    ジング上に固定設置し、旋回機構により作業手段を送り
    込む方向を定めて展開機構により昇降機構と移送機構と
    を本体ケースの外側方に展開し、その後、昇降機構によ
    り移送機構を原子炉圧力容器の下鏡上へ下降させ、作業
    手段が下鏡上へ着床した後に、移送機構により作業手段
    を下鏡上に這わせながら送り出し、移送機構によって作
    業手段を移動させながら、下鏡上のスタブチューブ間を
    検査し、洗浄し、もしくは異物の吸引回収作業を行い、
    または異物に関する構造物の切断、研磨もしくは溶接作
    業を行うことを特徴とする炉底部洗浄方法。
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