JP6837711B2 - 加工タマネギの桃色化抑制方法、加工タマネギの製造方法、桃色化抑制剤、加工タマネギ、及び飲食品 - Google Patents

加工タマネギの桃色化抑制方法、加工タマネギの製造方法、桃色化抑制剤、加工タマネギ、及び飲食品 Download PDF

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本発明が関係するのは、加工タマネギの桃色化抑制方法、加工タマネギの製造方法、桃色化抑制剤、加工タマネギ、及び飲食品である。
タマネギの用途は、幅広く、例示すると、炒めもの、煮物、スープ、生野菜(サラダ)、ソース、やドレッシング等である。そのような調理で用いるのは、砕かれたタマネギである。
生のタマネギを砕くことで引き起こすのは、内在物質の反応である。内在物質が反応して生成されるのは、辛味成分や催涙成分等である。当該反応がとりわけ問題になるのは、砕かれたタマネギの変色である。
特許文献1が開示するのは、液状調味料の製造方法であって、その構成が、食塩の添加、細片又は液状タマネギとニンニクとの混合、及び加熱であることである。食塩の添加先は、細片又は液状タマネギである。当該製法が奏する効果は、液状調味料における緑色化の防止である。
特許文献2が開示するのは、酸性調味料用タマネギの製造方法であって、その構成がホール状の玉葱を蒸すことである。ホール状の玉葱を蒸すことで、その中心温度を60度乃至80度とする。当該製法が奏する効果は、風味の確保及び赤色化の防止である。もっとも、この製法の欠点は、当該中心温度の制御が困難な点である。玉葱の過加熱によってその風味は、劣化する。
非特許文献1及び2が開示するのは、タマネギの着色機序であり、具体的には、次のとおりである。反応経路の出発物質は、アリイン(システイン−S−オキシド)、及びイソアリイン(S−1−プロペニル−L−システイン−S−オキシド)である。これらの出発物質が酵素反応して生成されるのは、アリシン及び中間物質である。この反応における酵素は、アリイナーゼである。中間物質及びアミノ酸類が非酵素的に反応して生成されるのは、色素の前駆体である。当該前駆体及びアリシンが結合して生成されるのは、着色物質(色素)である。
特開昭59−74968号公報 特開2015−47138号公報
IMAI、他3名、JOURNAL OF AGRICULTURAL AND FOOD CHEMISTRY、2006年、第54巻、第843〜847ページ IMAI、他3名、JOURNAL OF AGRICULTURAL AND FOOD CHEMISTRY、2006年、第54巻、第848〜852ページ
本発明が解決しようとする課題は、加工タマネギの桃色化抑制及び風味の改善である。
本願発明者らが着目したのは、如何にしてアリイナーゼによる酵素反応を抑えるか、である。本願発明者らが鋭意検討して見出したのは、タマネギへの添加物質及びその添加時期であり、具体的には、以下のとおりである。
本発明に係る加工タマネギの桃色化抑制方法を構成するのは、酸、及び食塩の添加である。これらを添加する時期は、遅くとも、生タマネギを砕いた直後である。好ましい添加時期は、生タマネギの砕き中であり、より好ましくは、生タマネギを砕く前である(以下、同じ。)。ここで、「砕く」とは、細かくすることをいい、例えば、破砕、磨砕、切断やこれらの組合せ等である(以下、同じ。)。当該製法を更に構成するのは、ビタミンCの添加であり、ビタミンCを添加する時期は、酸及び食塩の添加と同時又は前後である。
本発明に係る加工タマネギの製造方法を構成するのは、酸、及び食塩の添加である。これらを添加する時期は、遅くとも、生タマネギを砕いた直後である。当該食塩の添加量は、3%(w/w)以上である当該酸に用いられるのは、酢酸である。当該製法を更に構成するのは、ビタミンCの添加である。ビタミンCを添加する時期は、酸及び食塩の添加と同時又は前後である。当該ビタミンCの添加量は0.01%(w/w)以上である。より好ましくは、当該ビタミンCの添加量は、0.5%(w/w)以上である。当該製法を更に構成するのは、加熱である。砕かれる又は砕かれたタマネギを加熱する温度は、70度以上90度以下である。より好ましくは、砕かれる又は砕かれたタマネギを加熱する温度は、70度以上80度未満である。
本発明に係る加工タマネギの桃色化抑制剤の用途は、生タマネギの加工により発生する桃色化の抑制である。当該桃色化抑制剤の有効成分は、酸及び食塩である。当該抑制剤が更に含有するのは、ビタミンCである。また、当該酸は、好ましくは、酢酸である(以下、同じ)。
本発明に係る加工タマネギが含有するのは、少なくとも、砕かれたタマネギ、酸及び食塩であり、好ましくは、これらに加えて、ビタミンCである。当該加工タマネギのa値は、−3.0以下である。当該加工タマネギの性状は、非乾燥である。当該加工タマネギの用途は、飲食品であり、好ましくは、淡色飲食品である。当該淡色飲食品は、好ましくは、液状調味料である。
本発明に係る飲食品が含有するのは、少なくとも、砕かれた非乾燥タマネギ、酸、及び食塩であり、これらの加えて好ましくは、ビタミンCである。本飲食品において、当該非乾燥タマネギは、桃色化していない。更に、当該飲食品の性状は、淡色である。
本発明が可能にするのは、加工タマネギの桃色化抑制及び風味の改善である。
本実施の形態に係る加工タマネギ加工の製造方法の流れ図
<本実施の形態に係る加工タマネギ>
本実施の形態に係る加工タマネギ(以下、「本加工タマネギ」という。)の用途は、飲食品である。本加工タマネギの原材料は、タマネギ、酸、食塩であり、好ましくは、これらに加えて、ビタミンC(アスコルビン酸)である。当該タマネギは、タマネギを砕いたものである。タマネギを砕く方法は、様々であるが、例示すると、破砕、切断、摩砕等であり、これらが組み合されても良い。酸とは有機酸であり、例示すると、酢酸、リンゴ酸、クエン酸等であるが、好ましくは、酢酸である。食塩とは、食用の精製塩であり、その主成分が塩化ナトリウムであるものをいう。本加工タマネギが排除しないのは、各種調味料や食品添加物等の使用である。本加工タマネギの流通形態は、容器詰めである。流通時における本加工タマネギの性状は、非乾燥であり、より好ましくは、液状(例えば、タマネギジュースやピューレ等との混合状態)である。
<本実施の形態に係る桃色化抑制剤>
本実施の形態における桃色化抑制剤(以下、「本桃色化抑制剤」という。)の用途は、加工により発生する桃色化の抑制である。本桃色化抑制剤の有効成分は、酸及び食塩である。本桃色化抑制剤が更に含有するのは、ビタミンCである。本桃色化抑制剤の性状は、問わず、好ましくは、水溶液である。
<本実施の形態に係る飲食品>
本実施の形態に係る飲食品(以下、「本飲食品」という。)とは、飲料、食品及びこれらの混合物をいう。当該食品を例示すると、調味料や惣菜であって当該液状調味料が使用又は添えられたもの等である。当該調味料は、好ましくは、液状調味料であり、例示すると、ドレッシングやソース等である。当該液状調味料の性状は、淡色(例えば、白色)である。当該飲料を例示すると、野菜含有飲料であり、より具体的には、野菜ジュース、野菜ミックスジュース、野菜果実ミックスジュース等である。
<本飲食品の原材料>
本飲食品の主な原料及び材料(以下、「原材料」という。)は、飲料用途では、主に、野菜、果実(果物)及びこれらの加工物である。食品用途では、野菜、果実及びこれらの加工物に加え、油脂、酢等の各種調味料、及び香辛料である。当該原材料が排除しないのは、食品添加物、その他の食品材料である。これらの原材料の形態は、不問であり、固体でも、液体(例えば、濃縮液)でも良い。
<液状調味料>
ドレッシングやソースとは、酸性液状調味料の一つである。酸性液状調味料とは、酢、果汁等でpHを3乃至5に調整した液状の調味料である。当該加工原料以外の原材料は、野菜、果実及びこれらの加工物に加え、調味料、食品添加物である。
<調味料及び食品添加物>
調味料を例示すると、砂糖、塩、酢、香辛料等である。食品添加物を例示すると、香料、着色料、増粘剤、pH調整剤、酸化防止剤、保存料、乳化剤、栄養強化剤等である。もっとも、これらの食品添加物は、極力添加しないのが好ましい。
<本加工タマネギの製造方法の概要>
図1が示すのは、本加工タマネギの製造方法(以下、「本製法」という。)の流れである。本製法を構成するのは、剥皮(S10)、粗砕き(S20)、添加(S30)、本砕き(S40)、加熱(S50)、並びに殺菌及び充填(S60)である。
<剥皮(S10)>
生タマネギを剥皮する目的は、本加工タマネギ及び本飲食品中における苦味の除去及び変色の抑制である。タマネギの皮に局在するのは、主にケルセチンである。当該物質が呈するのは、苦味である。また、当該物質が呈するのは、黄色である。剥皮の方法は、手動であるか自動であるかを問わず、公知の方法でよい。多くの場合、剥皮工程においてタマネギの根は、切除される。
<粗砕き(S20)>
生タマネギを粗く砕く目的は、タマネギの食感の調整である。粗砕きされたタマネギの大きさは、20mm程度である。粗砕きの方法は、公知の方法でよく、例示すると、破砕、切断やこれらの組合せ等である。
<添加(S30)>
添加の目的は、本加工タマネギの桃色化抑制である。粗砕きされたタマネギに加えられるのは、少なくとも、酸(例えば、酢酸)及び食塩である。当該食塩の添加量は、3%(w/w)以上である。ビタミンC(アスコルビン酸)が更に添加されると、桃色化が略完全に抑制される。当該酢酸の添加量は、好ましくは1.5%(w/w)以上であり、より好ましくは3.0%以上である。ビタミンCを添加する時期は、酸及び食塩の添加と同時又は前後である。当該ビタミンCの添加量は、0.01%(w/w)以上であり、好ましくは0.025%(w/w)以上であり、より好ましくは0.5%(w/w)以上である。
<本砕き(S40)>
生タマネギを本砕きする目的は、タマネギの食感の調整である。本砕きで得られるのは、本砕きされたタマネギであり、例示すると、破砕物、切断物や摩砕物等である。破砕物とは、砕かれたタマネギであって、その大きさが不均一なものをいう。破砕物の大きさは、3mm乃至10mmである。破砕物が奏する効果は、具材感又は手作り感の付与である。破砕手段を例示すると、ハンマーミル等である。切断物とは、砕かれたタマネギであって、その大きさが均一なものをいい、例示すると、ダイスカットタマネギ、スライスタマネギ等である。切断物の大きさは、3mm乃至10mmである。切断物が奏する効果は、本加工タマネギ及び本飲食品における品質の安定化である。切断手段を例示すると、ミクログレーダー、ダイスカッター、コミトロール、フードプロセッサー等である。摩砕物とは、砕かれたタマネギであって、その性状がピューレ又はペースト状のものをいう。摩砕物の大きさは、0.5mm程度である。摩砕手段は、パルパー搾汁機、コロイドミル、コミトロール、フードプロセッサー等である。
<加熱(S50)>
本砕きされたタマネギを加熱する目的は、タマネギの桃色化抑制の補助、及び加熱調理による風味の調整である。本工程の実施は、任意であるが、その時期は、遅くとも、本砕き(S40)の直後が好ましく、より好ましい時期は、生タマネギの砕き中、更に好ましくは、砕く前である。加熱する方法は、不問であり、具体的には、蒸気や温水等である。本工程で制御するのは、品温及び時間である。品温とは、タマネギ中心部の温度であるが、便宜的に、熱媒体(例えば、水)の温度でもよい。時間とは、目的の品温に到達してからの経過時間であるが、暴露時間でもよい。熱媒体温度及び加熱時間は、適宜設定すればよいが、各酵素の失活温度の差異を踏まえて、加熱条件は、好ましくは品温70度以上90度以下であり、より好ましくは、品温70度以上80度未満である。品温が70度以上80度未満であれば、本加工タマネギにおいて、その辛味が確保されながらも、苦味が抑制される。
<殺菌及び充填(S60)>
本製法において、本加工タマネギは、殺菌及び充填される。これらの方法は、公知の方法で良く、例えば、ホットパック(特公平7−85708公報)、レトルト殺菌等がある。殺菌条件が従うのは、各種規格(社内規格や業界規格等)である。本加工タマネギは、殺菌後、容器詰される。ここで、容器は、密封される。容器を例示すると、プラスチックカップ、金属缶、紙容器、ペットボトル、ビン等である。紙容器が含むのは、紙容器であって、その内部を保護する手段が金属箔やプラスチックフィルム等であるものであるが、これに限らない。
本実施の形態において、タマネギを破く工程を分けて、多段階とし、具体的には、粗砕き(S20)及び本砕き(S40)としたが、一段階でもよい。また、添加(S30)の実施は、粗砕き(S20)の実施後、本砕き(S40)の実施前であるが、これに限らない。例えば、タマネギを破く工程が一段階である場合、添加の実施は、遅くとも、当該砕き工程の直後であればよい。酵素反応を制御するという観点から、添加時期は好ましくは、当該砕き工程と同時(砕き中)又はその前である。さらに、砕き、添加及び加熱の実施は、同時であってもよい。
<本桃色化抑制剤の添加時期の検討>
本桃色化抑制剤の添加時期を検討した。市販のタマネギを十字切りし、1/4サイズとした。粗砕きしたタマネギをフードプロセッサーにかけて、ピューレ状、5mm角、及び10mm角とした。其々の砕いたタマネギを、所定時間放置した後、フィルム容器に充填した。充填品は直ちに90度10分間の殺菌を行った。各サンプルの色の変化を確認する為に、色調を測定した。
<色調の測定方法>
色調を測定した分析機器及び条件は、次のとおりである。各試料は30mm径の専用シャーレに入れ、測定を実施した。
(分析機器) 分光測色計 CM−3500d型(コニカミノルタ製)
(測定条件) 正反射処理:SCE
測定方法:反射率測定
測定径:30mm
光源:D65
視野:10°
表色系:L*a*b*法
<添加時期の検討結果>
表1が示すのは、タマネギの形状、放置時間、及び色調の関係である。砕き後に所定時間放置したタマネギの色調変化を確認した。砕き後の放置時間が長ければ、色調測定値のa値の上昇が認められた。a値が示す値は、高いほど、赤色である。したがって、タマネギを砕いて20分以上経過すれば、その形状に因らず桃色化が進行していることが確認された。本検討によれば、本桃色化抑制剤の添加時期は、遅くとも、タマネギを砕いた後、20分以内である。
Figure 0006837711
<本桃色化抑制剤による桃色化抑制の検討>
<実施例1>
市販のタマネギを十字切りし、1/4サイズとした。粗砕きしたタマネギに、食塩を3.0%(w/w)、酢酸濃度が3.0%(w/w)となるよう醸造酢を添加した。これをフードプロセッサーにかけて、タマネギの形状を7mm角とした(本砕き)。砕き中は、非加熱とした。以上の処理を行った後、フィルム容器に充填した。充填品は直ちに90度10分間の殺菌を行った。各サンプルの色の変化を確認する為に、色調測定によりa値を確認した。
<実施例2>
破砕中にタマネギの加熱を行い、品温を72度としたこと以外は、実施例1と同様にサンプルを調製した。
<実施例3>
粗砕きしたタマネギに、食塩が3.0%(w/w)、酢酸が1.5%(w/w)、及びL−アスコルビン酸(ビタミンC)を1.0%(w/w)となるよう添加した。砕き中にタマネギの加熱を行い、品温を72度とした。他は実施例1と同様にサンプルを調製した。
<比較例1>
市販のタマネギを十字切りし、1/4サイズとした。粗砕きしたタマネギをフードプロセッサーにかけて、タマネギの形状を7mm角とした。砕き中は、非加熱とした。フィルム容器に充填して90度10分間の殺菌を行った。各サンプルの色の変化を確認する為に、色調測定によりa値を確認した。
<比較例2>
粗砕きしたタマネギに、酢酸が1.5%(w/w)となるように醸造酢を添加した。砕き中にタマネギの加熱を行い、品温を72度とした。他は比較例1と同様にサンプルを調製した。
<比較例3>
粗砕きしたタマネギに、食塩が3.0%(w/w)となるよう添加した。砕き中にタマネギの加熱を行い、品温を72度とした。他は比較例1と同様にサンプルを調製した。
<アミノ酸添加による桃色化促進試験>
実施例1乃至3、比較例1乃至3の試験サンプルにおいて、桃色化の促進を行い、a値を評価した。具体的には、殺菌充填まで行った試験サンプルに、グリシン(和光純薬工業社製)が0.5%(w/w)となるよう添加及び混合し、沸騰水で10分間湯せんした後、色調測定を行った。本促進試験の手法の参考とし、本願に取り込んだのは、非特許文献1及び2の記載内容である。
<促進試験結果>
表2が示すのは、本桃色化抑制剤を具現化する各組合せによる桃色化抑制効果である。比較例2及び3のように、酢酸のみ添加した場合及び食塩のみを添加した場合では、桃色化抑制効果は低かった。すなわち、調製したタマネギの外観は白色、又は黄白色であったが、各比較例においては、変色促進試験後の明らかな桃色化が認められた。他方、酢酸及び食塩の組み合せた区分、並びに、更にビタミンCを加えた区分においては、変色抑制効果が確認された。つまり、加工タマネギであって桃色抑制効果を奏するものにおいては、そのa値は、−3.0以下に維持されていた。言い換えると、本発明の実現に必要なのは、タマネギを砕く際に、少なくとも酸及び食塩を添加することである。
Figure 0006837711
<加工タマネギ保管中の経時変化>
市販のタマネギを十字切りし、1/4サイズとした。粗砕きしたタマネギに、酢酸、食塩及びビタミンCをそれぞれの添加量を変えて添加した。フードプロセッサーにかけて、タマネギを7mm角とし、破砕中は品温72度となるよう加熱した。以上の処理を行った後、フィルム容器に充填し直ちに90度10分間の殺菌を行った。変色促進直後、更に10度において6日間保管したサンプルの色調測定を行い、a値を確認した。
<評価結果>
表3が示すのは、加工タマネギにおける酢酸、食塩及びビタミンCの添加量と、桃色化抑制効果との関係である。変色促進後の保管サンプルの経時変化を確認したところ、酢酸、食塩及びビタミンCの添加量によって、効果に差が認められた。表2及び表3の結果を言い換えると、本発明において、酢酸の添加量は、好ましくは、酢酸1.5%(w/w)であり、食塩の添加量は、3.0%(w/w)である。更に好ましくは、ビタミンCの添加量は、少なくとも0.5%(w/w)である。また、本発明に係る加工タマネギが含有するのは、砕かれたタマネギ、酸、及び食塩であり、そのa値は、−3.0以下である。
Figure 0006837711
<加工タマネギ保管中の経時変化2>
市販のタマネギを十字切りし、1/4サイズとし、酢酸、食塩及びビタミンCをそれぞれの添加量を変えて添加した。フードプロセッサーにかけて、タマネギを10mm角とし、破砕後は品温80度達温となるよう加熱した。以上の処理を行った後、フィルム容器に充填し、冷水で冷却した。各試料に関して変色促進試験を行い、色調測定を行った。更に、各サンプルを10度において7日間保管後、色調測定を行い、a値を確認した。
表3−2が示すのは、加工タマネギにおける酢酸、食塩及びビタミンCの添加量と、桃色化抑制効果との関係である。変色促進後の保管サンプルの経時変化を確認したところ、酢酸、食塩及びビタミンCの添加量によって、効果に差が認められた。表2から表4の結果を言い換えると、本発明において、酢酸の添加量は、好ましくは、酢酸1.5%以上(w/w)であり、食塩の添加量は、3.0%(w/w)以上である。また、好ましくは、ビタミンCの添加量は、0.01%(w/w)以上であり、より好ましくは0.025%(w/w)以上である。また、本発明に係る加工タマネギが含有するのは、少なくとも、砕かれたタマネギ、酸、及び食塩であり、そのa値は、−3.0以下である。
Figure 0006837711
<加工タマネギを配合した調味料の経時変化>
市販のタマネギを十字切りし、1/4サイズとした。粗砕きしたタマネギに、酢酸、食塩及びビタミンCをそれぞれの添加量を変えて添加した。フードプロセッサーにかけて、タマネギを7mm角とし、破砕中は品温72度となるよう加熱した。以上の処理を行った後、フィルム容器に充填し直ちに90度10分間の殺菌を行った。各種サンプルを、キユーピー社製の調味料(味わいすっきりレモンドレッシング2015年販売品)に添加し、10度下で所定期間保管したサンプルの色調測定を行い、a値を確認した。桃色化が進行してタマネギが変色すると、色素がタマネギの組織から溶出する。色素がタマネギの組織から溶出するすると、タマネギを配合した食品が変色する。つまり、本試験でのa値の測定は、調味料そのもののa値の測定である。
<評価結果>
表4が示すのは、調味料における酢酸、食塩及びビタミンCの添加量と、桃色化抑制効果との関係である。この試験結果によれば、タマネギの加工時に酢酸のみを添加した区分では変色が進行した。他方、少なくとも酸、食塩を添加し加工したタマネギを使用した調味料では、変色の進行は認められなかった。本結果を言い換えると、本発明に係る飲食品が含有するのは、砕かれた非乾燥タマネギ、酸、及び食塩である。本発明に係る飲食品が更に含有するのは、好ましくは、ビタミンCである。本発明に係る飲食品のa値は、−1.6以下であり、より好ましくは、−1.7以下である。
Figure 0006837711
本発明が利用可能な分野は、加工タマネギを利用した飲食品の製造である。

Claims (9)

  1. 加工タマネギの桃色化抑制方法であって、それを構成するのは、次の工程であり、
    添加:ここで添加されるのは、酸、食塩、及びビタミンCであり、当該酸、及び当該食塩の添加の時期は、遅くとも、生タマネギを砕いた直後であり、
    ビタミンCの添加の時期は、前記酸の添加又は前記食塩の添加と同時又はその前後であり、当該ビタミンCの、加工タマネギにおける添加量は、0.025%(w/w)以上であり、
    加熱:ここで加熱されるのは、砕かれる又は砕かれたタマネギであり、その温度は、70度以上80度未満である。
  2. 請求項1の桃色化抑制方法であって、
    前記添加の時期は、遅くとも、生タマネギの砕き中である。
  3. 請求項1の桃色化抑制方法であって、
    前記添加の時期は、遅くとも、生タマネギを砕く前である。
  4. 加工タマネギの製造方法であって、それを構成するのは、次の工程であり、
    砕き:ここで砕かれるのは、生タマネギであり、
    添加:ここで添加されるのは、酸、食塩、及びビタミンCであり、当該酸、及び当該食塩の添加の時期は、遅くとも、前記生タマネギを砕いた直後であり、
    当該ビタミンCの添加の時期は、前記酸の添加又は前記食塩の添加と同時又はその前後であり、当該ビタミンCの、加工タマネギにおける添加量は、0.025%(w/w)以上であり、かつ、
    加熱:ここで加熱されるのは、砕かれる又は砕かれたタマネギであり、その温度は、70度以上80度未満である。
  5. 請求項4の製造方法であって、
    前記添加の時期は、遅くとも、生タマネギの砕き中である。
  6. 請求項4の製造方法であって、
    前記添加の時期は、遅くとも、生タマネギを砕く前である。
  7. 請求項4乃至6の何れかの製造方法であって、
    前記食塩の、加工タマネギにおける添加量は、3%(w/w)以上である。
  8. 請求項4乃至7の何れかの製造方法であって、
    前記酸が、酢酸である。
  9. 請求項4乃至8の何れかの製造方法であって、
    前記ビタミンCの、加工タマネギにおける添加量は、0.5%(w/w)以上である。

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