JP6837001B2 - 保護膜形成用フィルム及び保護膜形成用複合シート - Google Patents

保護膜形成用フィルム及び保護膜形成用複合シート Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に保護膜を形成するための保護膜形成用フィルム、及び前記保護膜形成用フィルムを備えた保護膜形成用複合シートに関する。
本願は、2015年10月29日に、日本に出願された特願2015−212845号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、いわゆるフェースダウン(face down)方式と呼ばれる実装法を適用した半導体装置の製造が行われている。フェースダウン方式においては、回路面上にバンプ等の電極を有する半導体チップが用いられ、前記電極が基板と接合される。このため、半導体チップの回路面とは反対側の裏面は剥き出しとなることがある。
この剥き出しとなった半導体チップの裏面には、有機材料からなる樹脂膜が保護膜として形成され、保護膜付き半導体チップとして半導体装置に取り込まれることがある。保護膜は、ダイシング工程やパッケージングの後に、半導体チップにおいてクラックが発生するのを防止するために利用される。
このような保護膜を形成するためには、例えば、支持シート上に保護膜形成用フィルムを備えてなる保護膜形成用複合シートが使用される。保護膜形成用複合シートにおいては、保護膜形成用フィルムが保護膜形成能を有しており、さらに支持シートをダイシングシートとして利用可能であって、保護膜形成用フィルムとダイシングシートとが一体化されたものとすることが可能である。
このような保護膜形成用複合シートとしては、例えば、加熱により硬化することで保護膜を形成する保護膜形成用フィルムを備えたものが、これまでに主に利用されている。半導体ウエハは、例えば、その裏面(電極形成面とは反対側の面)に保護膜形成用フィルムによって保護膜形成用複合シートが貼付された後、ダイシングによって半導体チップとされる。そして、加熱によって保護膜形成用フィルムを硬化させて保護膜とした後に、この半導体チップをこの保護膜が貼付された状態のままピックアップするか、又は保護膜形成用フィルムが貼付された状態の半導体チップをピックアップした後、加熱によって保護膜形成用フィルムを硬化させて保護膜とする。
しかし、保護膜形成用フィルムの加熱硬化には、通常数時間程度と長時間を要するため、硬化時間の短縮が望まれている。これに対して、紫外線等のエネルギー線の照射により硬化可能な保護膜形成用フィルムが検討されており、硬化後の鉛筆硬度が5H以上で、半導体ウエハのダイシング時にチッピングの発生を抑制できる保護用フィルム(特許文献1参照)、レーザーマーク認識性、硬度、実装信頼性に優れた保護膜を形成できる保護用フィルム(特許文献2参照)、高硬度でかつ半導体チップに対する密着性に優れた保護膜を形成できる保護用フィルム(特許文献3参照)が開示されている。
特開2009−147277号公報 特開2009−138026号公報 特開2010−031183号公報
しかし、保護膜形成用フィルムには、例えば、半導体チップの外縁部に欠けが生じる、所謂チッピングを抑制する等、割れや欠けの発生を抑制するように、半導体ウエハ又は半導体チップに対して保護作用が高く、また大きな温度変化に晒されても高い保護作用を維持でき、かつ高信頼性を有する保護膜を形成できることが求められている。そのため、エネルギー線の照射により硬化可能な従来の保護膜形成用フィルムには、このような観点でまだ改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に対して、保護作用が高くかつ高信頼性を有する保護膜を形成可能な保護膜形成用フィルム、及び前記保護膜形成用フィルムを備えた保護膜形成用複合シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、エネルギー線硬化性化合物(B)を含有し、半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に保護膜を形成するための保護膜形成用フィルムであって、前記保護膜形成用フィルムにエネルギー線を照射して得られる硬化物のヤング率が500MPa以上であり、破断伸度が8%以上である、保護膜形成用フィルムを提供する。
本発明の保護膜形成用フィルムにおいては、前記エネルギー線硬化性化合物(B)の総含有量に対する、一分子中にエネルギー線重合性基を2〜4個有するエネルギー線硬化性化合物(B1)の総含有量の割合が90質量%以上であることが好ましい。
また、本発明は、前記保護膜形成用フィルムを、支持シートの一方の表面上に備えた、保護膜形成用複合シートを提供する。
即ち、本発明は以下の態様を含む。
[1]
エネルギー線硬化性化合物(B)を含み、以下の特性を有する半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に保護膜を形成するための保護膜形成用フィルム:エネルギー線の照射により前記保護膜形成用フィルムを硬化させて硬化物としたとき、前記硬化物のヤング率が500MPa以上であり、かつ破断伸度が8%以上である。
[2]前記保護膜形成用フィルムにおいて、一分子中にエネルギー線重合性基を2〜4個有するエネルギー線硬化性化合物(B1)の含有量は、前記エネルギー線硬化性化合物(B)の総質量に対して、90質量%以上である、[1]に記載の保護膜形成用フィルム。
[3][1]又は[2]に記載の保護膜形成用フィルムを、支持シートの一方の表面上に備えた、保護膜形成用複合シート。
本発明によれば、半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に対して、保護作用が高くかつ高信頼性を有する保護膜を形成可能な保護膜形成用フィルム、及び前記保護膜形成用フィルムを備えた保護膜形成用複合シートが提供される。
本発明に係る保護膜形成用複合シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明に係る保護膜形成用複合シートの他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明に係る保護膜形成用複合シートのさらに他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明に係る保護膜形成用複合シートのさらに他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明に係る保護膜形成用複合シートのさらに他の実施形態を模式的に示す断面図である。
<<保護膜形成用フィルム>>
本発明に係る保護膜形成用フィルムは、エネルギー線硬化性化合物(B)を含有し、半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に保護膜を形成するための保護膜形成用フィルムであって、前記保護膜形成用フィルムにエネルギー線を照射して得られる硬化物(すなわち、保護膜)のヤング率が500MPa以上であり、破断伸度が8%以上である保護膜形成用フィルムである。すなわち、本発明に係る保護膜形成用フィルムの別の側面は、エネルギー線硬化性化合物(B)を含み、かつ以下の特性を有する:
エネルギー線の照射により前記保護膜形成用フィルムを硬化させて硬化物(保護膜)としたとき、前記硬化物のヤング率が500MPa以上であり、かつ破断伸度が8%以上である。
前記硬化物、すなわち保護膜は、ヤング率及び破断伸度が前記下限値以上であることにより、半導体ウエハ又は半導体チップに対して、十分に高い保護作用を有する。例えば、裏面に前記保護膜形成用フィルム又は保護膜を備えた半導体ウエハをダイシングした場合、最終的に得られる半導体チップは、その外縁部に欠けが生じる、所謂チッピング、が抑制される等、割れや欠けの発生が抑制される。また、前記保護膜は、ヤング率及び破断伸度が前記下限値以上であることにより、大きな温度変化に晒されても、上述のような高い保護作用を維持でき、高信頼性を有する。例えば、保護膜付き半導体チップは、その実装時に大きな温度変化に晒されるが、このような条件下でも前記保護膜は高い保護作用を維持できる。
このように、本発明に係る保護膜形成用フィルムは、エネルギー線の照射によっても、保護作用及び信頼性が高い保護膜を形成できる。
前記保護膜形成用フィルムは、エネルギー線硬化性化合物(B)を含有していることで、エネルギー線の照射によって硬化し、保護膜を形成する。
本明細書において、「エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、その例として、紫外線、電子線等が挙げられる。
紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプ又はLED等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
エネルギー線の照射量は、エネルギー線の種類によって異なるが、例えば紫外線の場合には、照度は50〜500mWcmが好ましく、光量は200〜800mJ/cmが好ましい。
前記保護膜形成用フィルムは、これを構成するための成分を含有する保護膜形成用組成物を用いて形成でき、例えば、前記保護膜形成用組成物を支持体の表面に塗工し、乾燥させることで形成できる。保護膜形成用組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、保護膜形成用フィルムの前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15〜25℃の温度等が挙げられる。
前記支持体は、保護膜形成用フィルムの形状を維持できるものであれば、特に限定されず、例えば、保護膜形成用フィルムの形成のみに用いるものであってもよいし、保護膜形成用フィルムの形成に用いた後に、さらにこの保護膜形成用フィルムと積層された状態のまま、目的とする別の用途に用いるものであってもよい。上述の保護膜形成用フィルムの形成のみに用いる支持体としては、例えば、剥離処理面を有する剥離フィルム等が挙げられる。また、保護膜形成用フィルムの形成後に、さらに別の用途に用いる支持体としては、例えば、後述するダイシングシート等の支持シートや基材が挙げられる。
保護膜形成用フィルムの厚さは、特に限定されないが、1〜100μmであることが好ましく、5〜75μmであることがより好ましく、5〜50μmであることが特に好ましい。保護膜形成用フィルムの厚さが前記下限値以上であることで、被着体である半導体ウエハ又は半導体チップに対する接着力が、より大きくなる。また、保護膜形成用フィルムの厚さが前記上限値以下であることにより、半導体チップのピックアップ時に、せん断力を利用して硬化物である保護膜をより容易に切断できる。
本明細書において、「厚さ」とは、任意の5箇所で、接触式厚み計で厚さを測定した平均で表される値を意味する。
<保護膜形成用組成物>
前記保護膜形成用組成物は、エネルギー線硬化性化合物(B)を含有し、好ましくは、例えば、重合体成分(A)及びエネルギー線硬化性化合物(B)を含有し、より好ましくは、例えば、重合体成分(A)、エネルギー線硬化性化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する。
次に、前記保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルムの含有成分について説明する。
[重合体成分(A)]
重合体成分(A)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分であり、保護膜形成用フィルムに造膜性や、可撓性等を付与するための重合体化合物である。なお、本発明において重合反応には、重縮合反応も含まれる。
なお、保護膜形成用組成物が含有する成分に、重合体成分(A)及びエネルギー線硬化性化合物(B)の両方に該当するものがある場合には、このような成分はエネルギー線硬化性化合物(B)として取り扱う。このような成分としては、例えば、水酸基を有し、かつウレタン結合を介して重合性基を側鎖に有するアクリル重合体が挙げられる。
重合体成分(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合体成分(A)としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系ポリマー、フェノキシ樹脂等が挙げられ、アクリル系樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、公知のアクリル重合体を用いることができる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000〜2000000であることが好ましく、100000〜1500000であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記下限値以上であることで、後述する支持シートと保護膜との接着力が抑制されて、保護膜付き半導体チップのピックアップ性がより向上する。また、アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記上限値以下であることで、被着体(半導体ウエハ、半導体チップ)の凹凸面へ保護膜形成用フィルムが追従し易くなり、被着体と保護膜形成用フィルムとの間でボイド等の発生がより抑制される。
なお、本明細書において、「重量平均分子量」とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値を意味する。
アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−60〜70℃であることが好ましく、−30〜50℃であることがより好ましい。アクリル系樹脂のTgが前記下限値以上であることで、支持シートと保護膜との接着力が抑制されて、保護膜付き半導体チップのピックアップ性がより向上する。また、アクリル系樹脂のTgが前記上限値以下であることで、被着体と保護膜形成用フィルムとの接着力がより大きくなる。
アクリル系樹脂を構成するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリルともいう)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチルともいう)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチルともいう)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリルともいう)等の、アルキルエステルを構成するアルキル基が鎖状で炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イミド等の、環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
上記の中でも、アクリル系樹脂を構成するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念とする。(メタ)アクリル酸と類似の用語につても同様であり、例えば、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を包含する概念である。
アクリル系樹脂を構成するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、N−メチロールアクリルアミド等の、(メタ)アクリル酸エステル以外のモノマーも挙げられる。
アクリル系樹脂を構成するモノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
アクリル系樹脂は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有していてもよい。前記官能基は、後述する架橋剤(G)を介して他の化合物と結合していてもよいし、架橋剤(G)を介さずに他の化合物と直接結合していてもよい。アクリル系樹脂が前記官能基により他の化合物と結合することで、保護膜形成用フィルムを用いて得られた半導体装置のパッケージ信頼性が向上する傾向がある。
保護膜形成用組成物が、重合体成分(A)としてアクリル系樹脂を含有する場合、保護膜形成用組成物中のアクリル系樹脂の含有量は、保護膜形成用組成物中の溶媒以外の全成分の総質量に対して5〜50質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましい。アクリル系樹脂の前記含有量がこのような範囲であることで、支持シートと保護膜との接着力が抑制されて、保護膜付き半導体チップのピックアップ性がより向上する。
保護膜形成用フィルムが、重合体成分(A)としてアクリル系樹脂を含有する場合、保護膜形成用フィルム中のアクリル系樹脂の含有量は、保護膜形成用フィルムの総質量に対して、5〜50質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましい。
本発明においては、支持シートと保護膜との接着力(剥離力)を低減することで、保護膜付き半導体チップのピックアップ性をより向上させたり、被着体の凹凸面へ保護膜形成用フィルムが追従し易くすることによって被着体と保護膜形成用フィルムとの間におけるボイド等の発生をより抑制する点から、重合体成分(A)として、アクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」と略記することがある)を単独で用いてもよいし、アクリル系樹脂と併用してもよい。
前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、1000〜100000であることが好ましく、3000〜80000であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−30〜150℃であることが好ましく、−20〜120℃であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[エネルギー線硬化性化合物(B)]
エネルギー線硬化性化合物(B)は、エネルギー線の照射により硬化(重合)反応し得る成分である。また、エネルギー線硬化性化合物(B)は、保護膜形成用フィルムを硬化させて、硬質の保護膜(すなわち、保護膜形成用フィルムにエネルギー線を照射して得られる硬化物)を形成するための成分であり、モノマー及びオリゴマーのいずれであってもよい。
エネルギー線硬化性化合物(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
保護膜形成用組成物中のエネルギー線硬化性化合物(B)の含有量は、保護膜形成用組成物中の溶媒以外の全成分の総質量に対して3〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。
保護膜形成用フィルム中のエネルギー線硬化性化合物(B)の含有量は、保護膜形成用フィルムの総質量に対して、3〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。
エネルギー線硬化性化合物(B)としては、例えば、一分子中にエネルギー線重合性基を1個又は2個以上有する化合物が挙げられる。
前記エネルギー線重合性基は、エネルギー線の照射により重合反応する基であれば、特に限定されず、一分子のエネルギー線硬化性化合物(B)が2個以上のエネルギー線重合性基を有する場合、これらエネルギー線重合性基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、一分子のエネルギー線硬化性化合物(B)が有する2個以上のエネルギー線重合性基は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
前記エネルギー線重合性基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
エネルギー線硬化性化合物(B)は、一分子中に有するエネルギー線重合性基の数が2個以上である多官能化合物であることが好ましい。 そして、保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルム中、前記多官能化合物の含有量は、前記エネルギー線硬化性化合物(B)の総質量に対して、90質量%以上、100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上、100質量%以下であることがより好ましく、98質量%以上、100質量%以下であることがさらに好ましく、100質量%、すなわち、保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルムが含有するエネルギー線硬化性化合物(B)はすべて前記多官能化合物であってもよい。
エネルギー線硬化性化合物(B)の分子量は、1000以下であることが好ましく、100〜1000であることがより好ましく、150〜800であることがさらに好ましく、200〜550であることが特に好ましい。エネルギー線硬化性化合物(B)の分子量がこのような範囲であることで、形成される保護膜は保護作用及び信頼性がより高くなる。
エネルギー線硬化性化合物(B)は、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、一分子中にエネルギー線重合性基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましく、一分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物であることが特に好ましい。なお、ここで、「(メタ)アクリレート化合物」とは、(メタ)アクリル酸エステル又はその誘導体を意味する。そして、本明細書において「誘導体」とは、元の化合物の少なくとも1個の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換された化合物を意味する。
上述の(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート(トリシクロデカンジメチロールジアクリレートともいう)、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等の3官能(メタ)アクリレート化合物;
ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレート化合物;
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能(メタ)アクリレート化合物;
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記のなかでも、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が好ましい。
エネルギー線硬化性化合物(B)は、一分子中に有するエネルギー線重合性基の数が2〜4個であるものが好ましく、2〜3個であるものがより好ましい。このようなエネルギー線硬化性化合物(B)を用いることで、形成される保護膜は保護作用及び信頼性がより高くなる。本明細書においては、エネルギー線硬化性化合物(B)のうち、一分子中にエネルギー線重合性基を2〜4個有するものを「エネルギー線硬化性化合物(B1)」、一分子中にエネルギー線重合性基を少なくとも5個有するものを「エネルギー線硬化性化合物(B2)」と、それぞれ包括して称することがある。
エネルギー線硬化性化合物(B1)としては、一分子中に有するエネルギー線重合性基の数が2〜3個であるものが好ましく、例えばトリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルムにおいて、一分子中にエネルギー線重合性基を2〜4個有するエネルギー線硬化性化合物(B)(すなわち、エネルギー線硬化性化合物(B1))の含有量は、エネルギー線硬化性化合物(B)の総質量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、98質量%以上100質量%以下であることが特に好ましく、100質量%、すなわち、前記保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルムが含有するエネルギー線硬化性化合物(B)が、すべてエネルギー線硬化性化合物(B1)であってもよい。
また、保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルムにおいて、一分子中にエネルギー線重合性基を2〜3個有するエネルギー線硬化性化合物の含有量は、エネルギー線硬化性化合物(B)の総質量に対して、80質量%以上100質量%以下であることが好ましく、85質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、90質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが特に好ましく、100質量%、すなわち、前記保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルムが含有するエネルギー線硬化性化合物(B)が、すべて一分子中にエネルギー線重合性基を2〜3個有するエネルギー線硬化性化合物であってもよい。
保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルム中のエネルギー線硬化性化合物(B)の含有量は、重合体成分(A)の含有量を100質量部としたとき、1〜150質量部であることが好ましく、5〜130質量部であることがより好ましく、10〜110質量部であることが特に好ましい。エネルギー線硬化性化合物(B)の前記含有量が前記下限値以上であることで、形成される保護膜は、大きな温度変化に晒されても高い保護作用を維持し、信頼性がより高くなる。また、エネルギー線硬化性化合物(B)の前記含有量が前記上限値以下であることで、支持シートと保護膜との接着力が抑制されて、保護膜付き半導体チップのピックアップ性がより向上する。
[光重合開始剤(C)]
光重合開始剤(C)は、エネルギー線の照射によりラジカルを発生し、エネルギー線硬化性化合物(B)のラジカル重合による硬化反応を開始させるための成分である。
光重合開始剤(C)は、公知のものでよく、具体的には、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ケトール系化合物;アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アニソインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等のケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等の光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン系化合物;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸エステル;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド;アシルホスフォナート、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]等が挙げられる。
上記の中でも、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等が好ましい。
保護膜形成用組成物中の光重合開始剤(C)の含有量は、重合体成分(A)の含有量を100質量部としたとき、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜7質量部であることがより好ましく、0.2〜5質量部であることが特に好ましい。光重合開始剤(C)の前記含有量が前記下限値以上であることで、エネルギー線硬化性化合物(B)の硬化反応がより効率的に進行する。また、光重合開始剤(C)の前記含有量が前記上限値以下であることで、形成される保護膜は保護作用及び信頼性がより高くなる。
また、保護膜形成用組成物中の光重合開始剤(C)の含有量は、保護膜形成用組成物又は保護膜形成用フィルムの総質量に対して、0.1〜3質量%であることが好ましい。
[充填材(D)]
保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルムは、充填材(D)を含有していてもよい。保護膜形成用フィルムは、充填材(D)を含有することにより、熱膨張係数の調整が容易となる。したがって、このような保護膜形成用フィルムの硬化後の保護膜の熱膨張係数を半導体チップに対して最適化することで、パッケージ信頼性を向上させることができる。
また、通常、充填材(D)を含有する保護膜形成用組成物を用いることにより、硬化後の保護膜の吸湿率を低減したり、硬化後の保護膜の熱伝導性を向上させることもできる。
充填材(D)は、有機充填材及び無機充填材のいずれでもよいが、無機充填材であることが好ましい。
好ましい無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素等の粉末;これらシリカ等を球形化したビーズ;これらシリカ等の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
これらの中でも、無機充填材は、シリカフィラー又はアルミナフィラーであることが好ましい。
充填材(D)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
充填材(D)を用いる場合、保護膜形成用組成物の溶媒以外の成分の総質量に対する充填材(D)の含有量(すなわち、保護膜形成用フィルムの総質量に対する充填材(D)の含有量)は、5〜80質量%であることが好ましく、7〜65質量%であることがより好ましい。充填材(D)の含有量が前記下限値以上であることで、充填材(D)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、充填材(D)の含有量が前記上限値以下であることで、形成される保護膜は保護作用及び信頼性がより高くなる。
[着色剤(E)]
保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルムは、着色剤(E)を含有していてもよい。
着色剤(E)としては、例えば、無機系顔料、有機系顔料、有機系染料等、公知のものが挙げられる。
前記有機系顔料及び有機系染料としては、例えば、アミニウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、アズレニウム系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、ピリリウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ナフトラクタム系色素、アゾ系色素、縮合アゾ系色素、インジゴ系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、ジオキサジン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、ピロール系色素、チオインジゴ系色素、金属錯体系色素(金属錯塩染料)、ジチオール金属錯体系色素、インドールフェノール系色素、トリアリルメタン系色素、アントラキノン系色素、ジオキサジン系色素、ナフトール系色素、アゾメチン系色素、ベンズイミダゾロン系色素、ピランスロン系色素及びスレン系色等が挙げられる。
前記無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、コバルト系色素、鉄系色素、クロム系色素、チタン系色素、バナジウム系色素、ジルコニウム系色素、モリブデン系色素、ルテニウム系色素、白金系色素、ITO(インジウムスズオキサイド)系色素、ATO(アンチモンスズオキサイド)系色素等が挙げられる。
上記の中でも、フタロシアニン系色素、イソインドリノン系色素、アントラキノン系色素等が好ましい。
着色剤(E)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤(E)を用いる場合、保護膜形成用フィルム中の着色剤(E)の含有量は、目的に応じて適宜調節すればよい。例えば、保護膜はレーザー照射により印字が施される場合があり、保護膜形成用フィルム中の着色剤(E)の含有量を調節し、保護膜の光透過性を調節することにより、印字視認性を調節できる。この場合、保護膜形成用組成物の溶媒以外の成分の総質量に対する着色剤(E)の含有量(すなわち、保護膜形成用フィルムの総質量に対する着色剤(E)の含有量)は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.4〜7.5質量%であることがより好ましく、0.8〜5質量%であることが特に好ましい。着色剤(E)の前記含有量が前記下限値以上であることで、着色剤(E)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、着色剤(E)の前記含有量が前記上限値以下であることで、着色剤(E)の過剰使用が抑制される。
[カップリング剤(F)]
保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルムは、カップリング剤(F)を含有していてもよい。保護膜形成用フィルムは、カップリング剤(F)として、無機化合物又は有機化合物と反応可能な官能基を有するものを含有することにより、被着体に対する接着性及び密着性を向上させることができる。また、カップリング剤(F)を含有する保護膜形成用フィルムから形成された保護膜は、耐熱性を損なうことなく、耐水性が向上する。
カップリング剤(F)は、重合体成分(A)、エネルギー線硬化性化合物(B)等が有する官能基と反応可能な官能基を有する化合物が好ましく、シランカップリング剤であることがより好ましい。
好ましい前記シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、(3−ウレイドプロピル)トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。
上記の中でも、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が好ましい。
カップリング剤(F)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
カップリング剤(F)を用いる場合、保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルム中のカップリング剤(F)の含有量は、重合体成分(A)及びエネルギー線硬化性化合物(B)の合計含有量を100質量部としたとき、0.03〜20質量部であることが好ましく、0.05〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることが特に好ましい。カップリング剤(F)の前記含有量が前記下限値以上であることで、カップリング剤(F)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、カップリング剤(F)の前記含有量が前記上限値以下であることで、アウトガスの発生がより抑制される。
[架橋剤(G)]
重合体成分(A)として、他の化合物と結合可能な、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の官能基を有する、上述のアクリル系樹脂を用いる場合、この官能基を他の化合物と結合させて架橋するために、架橋剤(G)を用いることができる。架橋剤(G)を用いて架橋することにより、保護膜形成用フィルムの初期接着力及び凝集力を調節できる。
架橋剤(G)としては、例えば、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物等が挙げられる。
前記有機多価イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物、脂環族多価イソシアネート化合物並びにこれら化合物の三量体、イソシアヌレート体及びアダクト体(エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン又はヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物、例えば、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物等)や、有機多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。
前記有機多価イソシアネート化合物として、より具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート;2,6−トリレンジイソシアネート;1,3−キシリレンジイソシアネート;1,4−キシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート;トリメチロールプロパン等のポリオールのすべて若しくは一部の水酸基に、トリレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートのいずれか一方又は両方が付加した化合物;リジンジイソシアネート等が挙げられる。
前記有機多価イミン化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
架橋剤(G)としては、上記の中でも2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートが好ましい。
架橋剤(G)としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合、重合体成分(A)である前記アクリル系樹脂としては、水酸基含有重合体を用いることが好ましい。架橋剤(G)がイソシアネート基を有し、アクリル系樹脂が水酸基を有する場合、架橋剤(G)とアクリル系樹脂との反応によって、保護膜形成用フィルムに架橋構造を簡便に導入できる。
架橋剤(G)を用いる場合、保護膜形成用組成物中又は保護膜形成用フィルム中の架橋剤(G)の含有量は、重合体成分(A)の含有量を100質量部としたとき、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、0.5〜5質量部であることが特に好ましい。
[汎用添加剤(H)]
保護膜形成用組成物及び保護膜形成用フィルムは、上述の成分以外に、汎用添加剤(H)を含有していてもよい。
汎用添加剤(H)としては、例えば、公知の可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ゲッタリング剤、増感剤等が挙げられる。
[溶媒]
保護膜形成用組成物は、希釈によってその取り扱い性が向上することから、さらに溶媒を含有するものが好ましい。
保護膜形成用組成物が含有する溶媒は、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
保護膜形成用組成物が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
保護膜形成用組成物が溶媒を含有する場合の溶媒の含有量は、前記組成物の固形分濃度が、前記組成物の総質量に対して35〜75質量%となる量であることが好ましい。
保護膜形成用組成物は、これを構成するための上述の各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
本発明に係る保護膜形成用フィルムは、上述のように、例えば、保護膜形成用組成物を支持体の表面に塗工し、乾燥させることで形成できる。
保護膜形成用組成物の支持体の表面への塗工は、公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
保護膜形成用組成物を乾燥させるとき、乾燥温度は80〜130℃であることが好ましく、乾燥時間は10秒間〜10分間であることが好ましい。
本発明に係る保護膜形成用フィルムを、エネルギー線の照射によって硬化させることで形成した保護膜は、ヤング率が500MPa以上であり、かつ破断伸度が8%以上である。
前記保護膜のヤング率は、エネルギー線硬化性化合物(B)等の保護膜形成用フィルムの含有成分を調節することで、好ましくは550MPa以上とすることが可能であり、例えば、1000MPa以上、1400MPa以上、1800MPa以上等とすることも可能である。
一方、前記保護膜のヤング率の上限値は、特に限定されないが、ダイシング性や、パッケージ信頼性の点から、10000MPaであることが好ましく、5000MPaであることがより好ましい。
すなわち、前記保護膜のヤング率は500MPa以上10000MPa以下であり、550MPa以上5000MPa以下であることが好ましく、1000MPa以上5000MPa以下であることがより好ましく、1400MPa以上5000MPa以下であることがよりさらに好ましく、1800MPa以上5000MPa以下であることが特に好ましい。
なお、本発明において、「ヤング率」とは、試験片を引張速度200mm/分で引っ張る試験(引張試験)を行ったときの、試験初期における応力ひずみ曲線の傾きから求められたものを意味する。ヤング率は、以下で説明する「破断伸度」の測定時に、同時に測定できる。
前記保護膜の破断伸度は、エネルギー線硬化性化合物(B)等の保護膜形成用フィルムの含有成分を調節することで、好ましくは10%以上とすることが可能であり、例えば、15%以上、20%以上、30%以上、40%、50%以上等とすることも可能である。
一方、前記保護膜の破断伸度の上限値は、特に限定されないが、ダイシング時に割断性が得られ易い点から、100%であることが好ましい。
すなわち、前記保護膜の破断伸度は8%以上100%以下であり、10%以上100%以下、15%以上100%以下、20%以上100%以下、30%以上100%以下、40%以上100%以下、50%以上100%以下とすることができ、100%とすることが特に好ましい。
なお、本発明においては、JIS K7161:1994及びJIS K7127:1999に準拠した、試験片が降伏点を有しない場合の引張り破壊ひずみ、又は、降伏点を有する場合の引張り破壊呼びひずみを、「破断伸度」としている。
破断伸度は、試験片として幅15mm、長さ140mmのものを用い、この試験片をつかみ具間の距離を100mmとし、引張速度200mm/分で引っ張ったときの試験片の伸び量を測定して、その測定値を用いて求めている。
本発明に係る保護膜形成用フィルムの別の側面は、ヤング率が590MPa以上1960MPa以下であり、かつ破断伸度が10.7%以上56.0%以下である保護膜がエネルギー線の照射により形成される保護膜形成用フィルムである。
<<保護膜形成用複合シート>>
本発明に係る保護膜形成用複合シートは、上述の本発明に係る保護膜形成用フィルムを、支持シートの一方の表面上に備えたものである。
本発明に係る保護膜形成用複合シートは、半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に保護膜を形成するためのものである。
前記支持シートしては、例えば、基材のみからなるものと、基材上に他の層が積層されてなるものと、が挙げられる。
以下、本発明に係る保護膜形成用複合シートについて、より詳細に説明する。
図1は、本発明に係る保護膜形成用複合シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示す保護膜形成用複合シート1Aは、基材11上に粘着剤層12を備え、粘着剤層12上に保護膜形成用フィルム13を備えてなるものである。支持シート10は、基材11及び粘着剤層12の積層体であり、保護膜形成用複合シート1Aは、換言すると、支持シート10の一方の表面10a上に保護膜形成用フィルム13が積層された構成を有する。また、保護膜形成用複合シート1Aは、さらに保護膜形成用フィルム13上に剥離フィルム15を備えている。保護膜形成用フィルム13は、上述の本発明に係る保護膜形成用フィルムである。
保護膜形成用複合シート1Aにおいては、基材11の一方の表面11aに粘着剤層12が積層され、粘着剤層12の表面12a(すなわち、粘着剤層12における基材11と接する面とは反対側の面)の全面に保護膜形成用フィルム13が積層され、保護膜形成用フィルム13の表面13a(すなわち、保護膜形成用フィルム13における粘着剤層12と接する面とは反対側の面)の一部に治具用接着剤層16が積層され、保護膜形成用フィルム13の表面13aのうち、治具用接着剤層16が積層されていない面と、治具用接着剤層16の表面16a(すなわち、上面:治具用接着剤層16における保護膜形成用フィルム13と接する面と反対側の面、及び側面:保護膜形成用複合シート1Aの中央側に位置する治具用接着剤層16における側面)に、剥離フィルム15が積層されている。
治具用接着剤層16は、例えば、接着剤成分を含有する単層構造のものであってもよいし、芯材となるシートの両面に接着剤成分を含有する層が積層された複数層構造のものであってもよい。
図1に示す保護膜形成用複合シート1Aは、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、保護膜形成用フィルム13の表面13aに半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、治具用接着剤層16の表面16aのうち上面が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
図2は、本発明に係る保護膜形成用複合シートの他の実施形態を模式的に示す断面図である。なお、図2において、図1に示すものと同じ構成要素には、図1の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。これは図3以降の図においても同様である。
ここに示す保護膜形成用複合シート1Bは、治具用接着剤層16を備えていない点以外は、図1に示す保護膜形成用複合シート1Aと同じものである。すなわち、保護膜形成用複合シート1Bにおいては、基材11の一方の表面11aに粘着剤層12が積層され、粘着剤層12の表面12a(すなわち、粘着剤層12における基材11と接する面とは反対側の面)の全面に保護膜形成用フィルム13が積層され、保護膜形成用フィルム13の表面13a(すなわち、保護膜形成用フィルム13における粘着剤層12と接する面とは反対側の面)の全面に剥離フィルム15が積層されている。保護膜形成用フィルム13は、上述の本発明に係る保護膜形成用フィルムである。
図2に示す保護膜形成用複合シート1Bは、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、保護膜形成用フィルム13の表面13aのうち、中央側の一部の領域に半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、保護膜形成用フィルム13の周縁部近傍の領域が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
図3は、本発明に係る保護膜形成用複合シートのさらに他の実施形態を模式的に示す断面図である。
ここに示す保護膜形成用複合シート1Cは、粘着剤層12を備えていない点以外は、図1に示す保護膜形成用複合シート1Aと同じものである。すなわち、保護膜形成用複合シート1Cにおいては、支持シートが基材11のみからなる。そして、基材11の一方の表面11aに保護膜形成用フィルム13が積層され、保護膜形成用フィルム13の表面13a(保護膜形成用フィルム13における基材11と接する面とは反対側の面)の一部に治具用接着剤層16が積層され、保護膜形成用フィルム13の表面13aのうち、治具用接着剤層16が積層されていない面と、治具用接着剤層16の表面16a(すなわち、上面:治具用接着剤層16における保護膜形成用フィルム13と接する面と反対側の面、及び側面:すなわち、保護膜形成用複合シート1Cの中央側に位置する治具用接着剤層16における側面)に、剥離フィルム15が積層されている。保護膜形成用フィルム13は、上述の本発明に係る保護膜形成用フィルムである。
図3に示す保護膜形成用複合シート1Cは、図1に示す保護膜形成用複合シート1Aと同様に、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、保護膜形成用フィルム13の表面13aに半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、治具用接着剤層16の表面16aのうち上面が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
図4は、本発明に係る保護膜形成用複合シートのさらに他の実施形態を模式的に示す断面図である。
ここに示す保護膜形成用複合シート1Dは、治具用接着剤層16を備えていない点以外は、図3に示す保護膜形成用複合シート1Cと同じものである。すなわち、保護膜形成用複合シート1Dにおいては、基材11の一方の表面11aに保護膜形成用フィルム13が積層され、保護膜形成用フィルム13の表面13a(保護膜形成用フィルム13における基材11と接する面とは反対側の面)の全面に剥離フィルム15が積層されている。保護膜形成用フィルム13は、上述の本発明に係る保護膜形成用フィルムである。
図4に示す保護膜形成用複合シート1Dは、図2に示す保護膜形成用複合シート1Bと同様に、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、保護膜形成用フィルム13の表面13aのうち、中央側の一部の領域に半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、保護膜形成用フィルム13の周縁部近傍の領域が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
図5は、本発明に係る保護膜形成用複合シートのさらに他の実施形態を模式的に示す断面図である。
ここに示す保護膜形成用複合シート1Eは、保護膜形成用フィルムの形状が異なる点以外は、図1に示す保護膜形成用複合シート1Aと同じものである。すなわち、保護膜形成用複合シート1Eは、基材11上に粘着剤層12を備え、粘着剤層12上に保護膜形成用フィルム23を備えてなるものである。支持シート10は、基材11及び粘着剤層12の積層体であり、保護膜形成用複合シート1Eは、換言すると、支持シート10の一方の表面10a(すなわち、粘着剤層12側の表面)上に保護膜形成用フィルム23が積層された構成を有する。また、保護膜形成用複合シート1Eは、さらに保護膜形成用フィルム23上に剥離フィルム15を備えている。保護膜形成用フィルム23は、上述の本発明に係る保護膜形成用フィルムであり、形状が異なる点以外は保護膜形成用フィルム13と同じものである。
保護膜形成用複合シート1Eにおいては、基材11の一方の表面11aに粘着剤層12が積層され、粘着剤層12の表面12a(すなわち、基材11aと接する面とは反対側の面)の一部に保護膜形成用フィルム23が積層されている。そして、そして、粘着剤層12の表面12aのうち、保護膜形成用フィルム23が積層されていない面と、保護膜形成用フィルム23の表面23a(上面及び側面:すなわち、保護膜形成用フィルム23における、粘着剤層12と接していない面)の上に、剥離フィルム15が積層されている。
保護膜形成用複合シート1Eを上方から見下ろして平面視したときに、保護膜形成用フィルム23は粘着剤層12よりも表面積が小さく、例えば、円形状等の形状を有する。
図5に示す保護膜形成用複合シート1Eは、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、保護膜形成用フィルム23の表面23aに半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、粘着剤層12の表面12aのうち、保護膜形成用フィルム23が積層されていない面が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
本発明に係る保護膜形成用複合シートは、図1〜5に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、図1〜5に示すものの一部の構成が変更又は削除されたものや、これまでに説明したものにさらに他の構成が追加されたものであってもよい。
例えば、図3及び図4に示す保護膜形成用複合シートにおいては、基材11と保護膜形成用フィルム13又は保護膜形成用フィルム23との間に中間層が設けられていてもよい。
中間層としては、目的に応じて任意のものを選択できる。
また、図1、図2及び図5に示す保護膜形成用複合シートにおいては、基材11と粘着剤層12との間に中間層が設けられていてもよい。すなわち、本発明に係る保護膜形成用複合シートにおいて、支持シートは、基材、中間層及び粘着剤層がこの順に積層されてなるものでもよい。ここで中間層とは、図3及び図4に示す保護膜形成用複合シートにおける中間層と同じものである。
また、図1〜5に示す保護膜形成用複合シートは、前記中間層以外の層が、任意の箇所に設けられていてもよい。
次に、保護膜形成用複合シートを構成する保護膜形成用フィルム以外のものについて、さらに詳細に説明する。
<基材>
基材の材質は、各種樹脂であることが好ましく、その具体的な例としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPEと略すことがある)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPEと略すことがある)、高密度ポリエチレン(HDPEと略すことがある、等))、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニルフィル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、これらのいずれかの樹脂の水添加物、変性物、架橋物又は共重合物等が挙げられる。
基材の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、50〜300μmであることが好ましく、60〜100μmであることがより好ましい。基材の厚さがこのような範囲であることで、前記保護膜形成用複合シートの可撓性と、半導体ウエハ又は半導体チップへの貼付性がより向上する。
基材は1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層(例えば2〜4層)からなるものでもよい。基材が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい。そして、複数層が互いに異なる場合、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。ここで、複数層が互いに異なるとは、各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なることを意味する。
なお、基材が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材の厚さとなるようにするとよい。
基材は、その上に設けられる粘着剤層等の他の層との密着性を向上させるために、サンドブラスト処理、溶剤処理等による凹凸化処理や、コロナ放電処理、電子線照射処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理等の酸化処理等が表面に施されたものであってもよい。また、基材は、表面がプライマー処理を施されたものであってもよい。
<粘着剤層>
前記粘着剤層は、公知のもので適宜構成できる。
粘着剤層は、これを構成するための各種成分を含有する粘着剤組成物を用いて形成できる。粘着剤組成物中の常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、粘着剤層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
粘着剤層が、エネルギー線の照射により重合する成分を含んでいる場合には、エネルギー線を照射してその粘着性を低下させることで、半導体チップを容易にピックアップできる。このような粘着剤層は、例えば、エネルギー線重合性のアクリル重合体等の、エネルギー線の照射により重合する成分を含有する各種の粘着剤組成物を用いて形成できる。
粘着剤組成物で好ましいものとしては、例えば、エネルギー線の照射により重合する成分を含有するもの(エネルギー線硬化性粘着剤組成物)であれば、前記アクリル重合体とエネルギー線重合性化合物とを含有するもの(粘着剤組成物(i)ということがある)、水酸基を有し、且つ重合性基を側鎖に有するアクリル重合体(例えば、水酸基を有し、かつウレタン結合を介して重合性基を側鎖に有するもの)と、イソシアネート系架橋剤と、を含有するもの(粘着剤組成物(ii)ということがある)が挙げられ、さらに溶媒を含有するものが好ましい。
前記粘着剤組成物は、上述の成分以外に、さらに光重合開始剤や、染料、顔料、劣化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、シリコーン化合物、連鎖移動剤等の各種添加剤のいずれかを含有していてもよい。
また、粘着剤組成物で好ましいものとしては、例えば、エネルギー線の照射により重合する成分を含有しないもの(非エネルギー線硬化性粘着剤組成物)であれば、アクリル系樹脂及び架橋剤を含有するもの(粘着剤組成物(iii)ということがある)等が挙げられ、溶媒、溶媒に該当しないその他の成分等の任意成分を含有していてもよい。
粘着剤層の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、1〜100μmであることが好ましく、1〜60μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが特に好ましい。
粘着剤組成物は、例えば、アクリル重合体等の、粘着剤層を構成するための各成分を配合することで得られ、例えば、配合成分が異なる点以外は、上述の保護膜形成用組成物の場合と同様の方法で得られる。
粘着剤層は、目的とする箇所に粘着剤組成物を塗工し、乾燥させることで形成できる。
このとき必要に応じて、塗工した粘着剤組成物を加熱することで、架橋してもよい。加熱条件は、例えば、100℃〜130℃で1分間〜5分間とすることができるが、これに限定されない。
なお、目的とする箇所に支持シートを介してエネルギー線を照射する場合には、支持シートを構成する基材、粘着剤層等の各層は、エネルギー線の透過率が高いものが好ましい。
以下、保護膜形成用複合シートの製造方法について、詳細に説明する。
<保護膜形成用複合シートの製造方法>
本発明に係る保護膜形成用複合シートは、上述の本発明に係る保護膜形成用フィルムを、支持シートの一方の表面上に形成することで製造できる。
例えば、基材のみからなる支持シートを備えた保護膜形成用複合シートは、保護膜形成用組成物を基材の表面に塗工し、乾燥させることで保護膜形成用フィルムを形成し、必要に応じて、治具用接着剤層や剥離フィルム等の他の層(フィルム)を保護膜形成用フィルム上に設けることで製造できる。この場合の保護膜形成用フィルムの形成条件は、上述の方法と同じである。
このような製造方法は、例えば、図3及び図4に示す保護膜形成用複合シートの製造方法として好適である。
また、例えば、基材上に粘着剤層が積層されてなる支持シートを備えた保護膜形成用複合シートは、粘着剤組成物を基材の表面に塗工し、乾燥させることで粘着剤層を形成し、さらに保護膜形成用組成物を用いて粘着剤層上に保護膜形成用フィルムを設け、必要に応じて、治具用接着剤層や剥離フィルム等の他の層(フィルム)を保護膜形成用フィルム上に設けることで製造できる。
この場合、例えば、粘着剤層上に保護膜形成用組成物を塗工して、保護膜形成用フィルムを設けることができる。ただし、通常は、基材、粘着剤層及び保護膜形成用フィルムの積層構造は、例えば、剥離フィルムの剥離層表面に保護膜形成用組成物を塗工し、乾燥させることで形成した保護膜形成用フィルムを、粘着剤層の表面に貼り合わせ、必要に応じて前記剥離フィルムを取り除く等、保護膜形成用フィルムを別途形成しておき、これを粘着剤層の表面に貼り合わせることで形成することが好ましい。
また、基材、粘着剤層及び保護膜形成用フィルムの積層構造は、上述の方法以外にも、例えば、粘着剤組成物を用いて剥離フィルム上に粘着剤層を形成し、保護膜形成用組成物を用いて、別の剥離フィルム上に保護膜形成用フィルムを形成した後、これら剥離フィルム上の粘着剤層及び保護膜形成用フィルムを重ね合わせ、粘着剤層に積層されている剥離フィルムを取り除いて、露出した粘着剤層の表面(粘着剤層の保護膜形成用フィルムが設けられていない面)に、基材を貼り合わせることでも形成できる。
上記のいずれの方法でも、基材、粘着剤層及び保護膜形成用フィルムの積層構造を形成した後、必要に応じて、治具用接着剤層や剥離フィルム等の他の層(フィルム)を保護膜形成用フィルム上に設けることで、基材上に粘着剤層が積層されてなる支持シートを備えた保護膜形成用複合シートを製造できる。いずれの場合も、粘着剤層及び保護膜形成用フィルムの形成条件は、上述の方法と同じである。
このような製造方法は、例えば、図1、図2及び図5に示す保護膜形成用複合シートの製造方法として好適である。
例えば、図5に示すような、保護膜形成用複合シートを上方から見下ろして平面視したときに、保護膜形成用フィルムが粘着剤層よりも表面積が小さい保護膜形成用複合シートを製造する場合には、上述の製造方法において、あらかじめ所定の大きさ及び形状に切り出しておいた保護膜形成用フィルムを粘着剤層上に設けるようにすればよい。
<保護膜形成用フィルム又は保護膜形成用複合シートの使用方法>
本発明に係る保護膜形成用フィルム又は保護膜形成用複合シートの使用方法としては、例えば、以下に示す使用方法1〜4が挙げられる。
[使用方法1]
使用方法1では、まず、保護膜形成用複合シートの保護膜形成用フィルムを半導体ウエハの裏面に貼付するとともに、保護膜形成用複合シートをダイシング装置に固定する。
次いで、保護膜形成用フィルムをエネルギー線の照射によって硬化させて保護膜とする。従来の保護膜形成用フィルムを用いた場合には、これを加熱によって硬化させるのに、例えば、数時間程度の長時間を必要とするのに対し、本発明に係る保護膜形成用フィルムは、エネルギー線の照射によって、例えば、数秒程度等の1分間未満の短時間でも硬化させることが可能であり、従来よりも大幅に短時間で保護膜付き半導体チップが得られる。
なお、半導体ウエハの表面(電極形成面)にバックグラインドテープが貼付されている場合には、通常、このバックグラインドテープを半導体ウエハから取り除いてから、保護膜形成用フィルムの硬化を行う。
次いで、半導体ウエハをダイシングして半導体チップとする。
次いで、支持シートから、半導体チップをその裏面に貼付されている保護膜とともに剥離させてピックアップすることにより、保護膜付き半導体チップを得る。支持シートが基材上に粘着剤層が積層されてなるものである場合には、粘着剤層としては、エネルギー線の照射により重合する成分を含有しない、非エネルギー線硬化性のものを用いる。
使用方法1では、保護膜形成用フィルムを半導体ウエハに貼付してからダイシングを行うまでの間のいずれかのタイミングで、支持シートを介して保護膜形成用フィルム又は保護膜にレーザー光を照射して、保護膜形成用フィルム又は保護膜に印字を行うこともできる。保護膜形成用フィルムに印字した場合には、このフィルムを硬化させることで、印字された保護膜が得られる。
なお、印字を行った場合にはガスが発生し、このガスが原因となって、最終的に支持シートと保護膜との間で剥離が見られることがあるが、保護膜形成用フィルムに印字を行った場合には、保護膜に印字を行った場合よりも、この剥離の頻度や度合いを低減できる。
これは、保護膜形成用フィルムと支持シートとの密着性が、保護膜と支持シートとの密着性よりも高いためであると推測される。
[使用方法2]
使用方法2では、まず、保護膜形成用フィルムを半導体ウエハの裏面に貼付する。
次いで、保護膜形成用フィルムをエネルギー線の照射によって硬化させて保護膜とする。これにより、上記の使用方法1の場合と同様に、従来よりも大幅に短時間で保護膜付き半導体チップが得られる。半導体ウエハの表面(電極形成面)にバックグラインドテープが貼付されている場合には、通常、このバックグラインドテープを半導体ウエハから取り除いてから、保護膜形成用フィルムの硬化を行う。
次いで、保護膜の露出面に支持シートを貼付する。支持シートが基材上に粘着剤層が積層されてなるものである場合には、粘着剤層としては、エネルギー線の照射により重合する成分を含有するエネルギー線硬化性のもの、及び上述の非エネルギー線硬化性のもの、のいずれも用いることができる。
次いで、半導体ウエハをダイシングして半導体チップとする。
次いで、支持シートから、半導体チップをその裏面に貼付されている保護膜とともに剥離させてピックアップすることにより、保護膜付き半導体チップを得る。支持シートが基材上に粘着剤層が積層されてなるものである場合には、粘着剤層を硬化させることにより、保護膜付き半導体チップをより容易にピックアップできる。
使用方法2では、保護膜形成用フィルムを半導体ウエハに貼付してからダイシングを行うまでの間のいずれかのタイミングで、直接保護膜形成用フィルムに、又は支持シートを介して保護膜に、レーザー光を照射して、保護膜形成用フィルム又は保護膜に印字を行うこともできる。保護膜形成用フィルムに印字した場合には、このフィルムを硬化させることで、印字された保護膜が得られる。
[使用方法3]
使用方法3では、まず、保護膜形成用フィルムを半導体ウエハの裏面に貼付する。
次いで、保護膜形成用フィルムの露出面に支持シートを貼付する。支持シートが基材上に粘着剤層が積層されてなるものである場合には、粘着剤層としては非エネルギー線硬化性のものを用いる。
次いで、保護膜形成用フィルムをエネルギー線の照射によって硬化させて保護膜とする。これにより、上記の使用方法1の場合と同様に、従来よりも大幅に短時間で保護膜付き半導体チップが得られる。半導体ウエハの表面(電極形成面)にバックグラインドテープが貼付されている場合には、通常、このバックグラインドテープを半導体ウエハから取り除いてから、保護膜形成用フィルムの硬化を行う。
次いで、半導体ウエハをダイシングして半導体チップとする。
次いで、支持シートから、半導体チップをその裏面に貼付されている保護膜とともに剥離させてピックアップすることにより、保護膜付き半導体チップを得る。
使用方法3では、保護膜形成用フィルムを半導体ウエハに貼付してからダイシングを行うまでの間のいずれかのタイミングで、直接又は支持シートを介して保護膜形成用フィルムにレーザー光を照射して保護膜形成用フィルムに印字を行うこともでき、あるいは支持シートを介して保護膜にレーザー光を照射して保護膜に印字を行うこともできる。保護膜形成用フィルムに印字した場合には、このフィルムを硬化させることで、印字された保護膜が得られる。
なお、支持シートの貼付後においては、保護膜形成用フィルムに印字を行った場合には、保護膜に印字を行った場合よりも、上記の使用方法1の場合と同様に、支持シートと保護膜との間で剥離の頻度や度合いを低減できる。
[使用方法4]
使用方法4では、まず、保護膜形成用フィルムを半導体ウエハの裏面に貼付する。
次いで、保護膜形成用フィルムの露出面に支持シートを貼付する。支持シートが基材上に粘着剤層が積層されてなるものである場合には、粘着剤層としては、非エネルギー線硬化性のものを用いる。
次いで、半導体ウエハをダイシングして半導体チップとする。
次いで、保護膜形成用フィルムをエネルギー線の照射によって硬化させて保護膜とする。これにより、上記の使用方法1の場合と同様に、従来よりも大幅に短時間で保護膜付き半導体チップが得られる。
次いで、支持シートから、半導体チップをその裏面に貼付されている保護膜とともに剥離させてピックアップすることにより、保護膜付き半導体チップを得る。
使用方法4では、保護膜形成用フィルムを半導体ウエハに貼付してからダイシングを行うまでの間のいずれかのタイミングで、直接又は支持シートを介して保護膜形成用フィルムにレーザー光を照射して保護膜形成用フィルムに印字を行うこともできる。印字された保護膜形成用フィルムを硬化させることで、印字された保護膜が得られる。
なお、使用方法4では、支持シートの貼付後において、保護膜形成用フィルムに印字を行った場合には、上記の使用方法1の場合と同様に、他の使用方法において保護膜に印字を行った場合よりも、支持シートと保護膜との間で剥離の頻度や度合いを低減できる。
本発明に係る保護膜形成用フィルム又は保護膜形成用複合シートを用いることで、保護膜付き半導体チップを得るまでの間、前記保護膜は十分に高い保護作用を有する。そのため、半導体チップにおいて、チッピングが抑制される等、割れや欠けの発生が抑制される。また、前記保護膜は大きな温度変化に晒されても、このような高い保護作用を維持でき、高信頼性を有する。
本発明の1実施形態である保護膜形成用フィルムの1つの側面は、
半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に保護膜を形成するための保護膜形成用フィルムであって;
保護膜形成用フィルムは、
エネルギー線硬化性化合物(B)と、
所望により、重合体成分(A)、光重合開始剤(C)、充填材(D)、着色剤(E)、カップリング剤(F)、架橋剤(G)及び汎用添加剤(H)からなる群から選ばれる少なくとも1つの成分と、を含み;
前記(B)成分は、(メタ)アクリレート化合物であり、かつ一分子中にエネルギー線重合性基を2〜4個有するエネルギー線硬化性化合物(B1)を含み、
前記(A)成分は、重量平均分子量(Mw)が、10000〜2000000、ガラス転移温度が−60〜70℃であるアクリル系樹脂であり、
前記(C)成分は、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)からなる群から選択される少なくとも1つであり;
前記(B)成分の含有量は、前記保護膜形成用フィルムの総質量に対して、3質量%以上30質量%以下であり;
前記(B)成分中、前記(B1)成分の含有量は、前記(B)成分の総質量に対して、90質量%以上100質量%以下、好ましくは95質量%以上100質量%以下、より好ましくは98質量%以上100質量%以下、特に好ましくは100質量%であり;
前記(A)成分を含む場合、前記(A)成分の含有量は、前記保護膜形成用フィルムの総質量に対して、5〜50質量%、好ましくは10〜45質量%であり、
前記(C)成分を含む場合、前記(C)成分の含有量は、前記保護膜形成用フィルムの総質量に対して、0.1〜3質量%であり;
前記保護膜精製用フィルムを構成する各成分の合計含有量は100質量%を超えず;
さらに、以下の特性を有する保護膜形成用フィルム、が挙げられる。
エネルギー線の照射により前記保護膜形成用フィルムを硬化させて硬化物(保護膜)としたとき、前記硬化物のヤング率が、500MPa以上1000MPa以下、好ましくは550MPa以上5000MPa以下であり、かつ
破断伸度が、8%以上100%以下、好ましくは10%以上100%以下である。
前記硬化物のヤング率は590MPa以上1960MPa以下であってもよく、かつ破断伸度は、10.7%以上56%以下であってもよい。
本発明の1実施形態である保護膜形成用フィルムの別の側面は、
半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に保護膜を形成するための保護膜形成用フィルムであって;
保護膜形成用フィルムは、
トリシクロデカンジメチロールジアクリレート及びε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートからなる群から選ばれる少なくとも1つのエネルギー線硬化性化合物(B)と;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル及び(メタ)アクリル酸グリシジルからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーが重合した重合体成分(A)と;
エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(C)と;
充填材(D)、着色剤(E)、カップリング剤(F)、架橋剤(G)及び汎用添加剤(H)からなる群から選ばれる少なくとも1つの成分と、を含み;
前記保護膜形成用フィルムの総質量に対して、
前記(B)成分の含有量は、10質量%以上20質量%以下であり、
前記(A)成分の含有量は、20〜32質量%であり、
前記(C)成分の含有量は、0.6質量%以上であり;
エネルギー線の照射により前記保護膜形成用フィルムを硬化させて硬化物(保護膜)としたとき、
前記硬化物のヤング率が、590MPa以上1960MPa以下であり、かつ
破断伸度が、10.7%以上56.0%以下である、
保護膜形成用フィルムが挙げられる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
保護膜形成用組成物の製造に用いた原料を以下に示す。
・重合体成分(A)
(A)−1:アクリル酸ブチル10質量部、アクリル酸メチル70質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル15質量部、及びメタクリル酸グリシジル5質量部を共重合してなるアクリル系樹脂(重量平均分子量800000)、ガラス転移温度−1℃)。
・エネルギー線硬化性化合物(B)
(B1)−1:トリシクロデカンジメチロールジアクリレート(日本化薬社製「KAYARAD R−684」、2官能紫外線硬化性化合物、分子量304)
(B1)−2:ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学工業社製「A−9300−1CL」、3官能紫外線硬化性化合物、分子量537)
(B2)−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(6官能紫外線硬化性化合物、分子量578)及びジペンタエリスリトールペンタアクリレート(5官能紫外線硬化性化合物、分子量525)の混合物(日本化薬社製「KAYARAD DPHA」)
・光重合開始剤(C)
(C)−1:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(BASF社製「イルガキュア(登録商標)OXE02」)
・充填材(D)
(D)−1:シリカフィラー(溶融石英フィラー、平均粒子径8μm)
・着色剤(E)
(E)−1:フタロシアニン系青色色素(Pigment Blue 15:3)32質量部と、イソインドリノン系黄色色素(Pigment Yellow 139)18質量部と、アントラキノン系赤色色素(Pigment Red 177)50質量部とを混合し、前記3種の色素の合計量/スチレンアクリル樹脂量=1/3(質量比)となるように顔料化して得られた顔料。
・カップリング剤(F)
(F)−1:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM−503」、シランカップリング剤)
[実施例1]
<保護膜形成用フィルムの製造>
(保護膜形成用組成物の製造)
重合体成分(A)−1(32質量部)、エネルギー線硬化性化合物(B)−1(10質量部)、光重合開始剤(C)−1(0.3質量部)、光重合開始剤(C)−2(0.3質量部)、充填材(D)−1(56質量部)、着色剤(E)−1(2質量部)及びカップリング剤(F)−1(0.4質量部)を混合し、保護膜形成用組成物を得た。配合成分の種類とその配合量とを表1に示す。なお、表1に示す配合量は、すべて固形分量である。また、表1においては、重合体成分(A)を単に「(A)」と表記する等、各成分をその末尾の符号のみで示している。
(保護膜形成用フィルムの製造)
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、ナイフコーターを用いて、上記で得られた保護膜形成用組成物を塗工し、120℃で乾燥させることで、保護膜形成用フィルム(厚さ25μm)を得た。得られた保護膜形成用フィルムの露出面には、さらに上記と同じ剥離フィルムを、その剥離処理面が保護膜形成用フィルムと接触するように貼り合わせて、保護膜形成用フィルムの両面に前記剥離フィルムが設けられた積層体を得た。得られた前記積層体は、ロール状に巻き取って保存した。
<保護膜形成用フィルムの評価>
(保護膜のヤング率及び破断伸度の評価)
上記で得られた積層体を繰り出し、照度230mW/cm、光量170mJ/cmの条件で紫外線を照射することにより、この保護膜形成用フィルムを硬化させ、保護膜を形成した。
次いで、この剥離フィルム付き保護膜を幅15mm、長さ140mmの大きさに切り出し、両面から剥離フィルムを取り除いて試験片とした。JIS K7161:1994及びJIS K7127:1999に準拠して、この試験片の両端部から長手方向における20mmの部分までに試験用のあて板(ラベル)を貼付し、万能試験機(島津製作所製「オートグラフAG−IS 500N」)を用いて、この部分を、つかみ具間の距離が100mmとなるようにつかみ具で固定して、引張速度200mm/分で引張試験を行った。
そして、このときの応力ひずみ曲線を作成して、試験初期の応力ひずみ曲線の傾きからヤング率を算出し、さらに破断したときの試験片の伸び量から破断伸度を求めた。結果を表1に示す。
(保護膜の信頼性の評価)
上記で得られた積層体を繰り出し、保護膜形成用フィルムの片面から一方の前記剥離フィルムを取り除き、#2000研磨したシリコンウエハ(200mm径、厚さ280μm)の研磨面に、テープマウンター(リンテック社製「Adwill RAD−3600F/12)を用いて、片面に前記剥離フィルムを備えた保護膜形成用フィルムの露出面を70℃に加熱しながら貼付した。次いで、照度230mW/cm、光量170mJ/cmの条件で紫外線を照射することにより、保護膜形成用フィルムを硬化させ、シリコンウエハの研磨面に保護膜を形成した。
次いで、前記保護膜から、もう一方の剥離フィルムを除去した後、ダイシングシート(リンテック社製「Adwill G−562」)を貼付し、ダイシング装置 (ディスコ社製「DFD651」)を用いて、上記の保護膜が形成されたシリコンウエハを3mm×3mmの大きさにダイシングして、保護膜付き半導体チップを得た。
次いで、半導体チップが実装されるときのプロセスを模倣した、以下に示すプレコンディションに、上記で得られた保護膜付き半導体チップを置いた。すなわち、保護膜付き半導体チップを125℃で20時間ベイキングした後、85℃、相対湿度85%の条件下で168時間吸湿させ、次いでこの吸湿環境から取り出した直後の保護膜付き半導体チップを、プレヒート160℃、ピーク温度260℃の条件のIRリフロー炉に3回通した。そして、ここまでの操作を行った25個の保護膜付き半導体チップを冷熱衝撃装置(ESPEC社製「TSE−11−A」)に入れ、−65℃で10分間保持した後、150℃で10分間保持する冷熱サイクルを1000回繰り返した。
次いで、冷熱衝撃装置からすべての保護膜付き半導体チップを取り出し、半導体チップと保護膜との接合部における浮き・剥がれの有無、半導体チップにおけるクラックの有無について、走査型超音波深傷装置(Sonoscan社製「D9600TMCSAM」)を用いて、保護膜付き半導体チップの断面を観察することにより、確認した。そして、上述の浮き・剥がれ及びクラックの少なくとも一方が発生している保護膜付き半導体チップの個数を数え、その数(NG数)が2個以下である場合を信頼性合格(A)と判定し、3個以上である場合を信頼性不合格(B)と判定した。結果を表1に示す。
<保護膜形成用フィルムの製造及び評価>
[実施例2〜4、比較例1〜6]
保護膜形成用組成物の製造時における配合成分の種類とその配合量とを表1に示すとおりとした点以外は、実施例1と同じ方法で、保護膜形成用フィルムを製造及び評価した。
結果を表1に示す。
Figure 0006837001
上記結果から明らかなように、実施例1〜4の保護膜形成用フィルムから形成された保護膜は、ヤング率及び破断伸度が高く、十分な保護作用を有しており、さらに、信頼性も高かった。
これに対して比較例1〜2、4及び6の保護膜形成用フィルムから形成された保護膜は、破断伸度が低くて保護作用が不十分であり、信頼性も低かった。これは、比較例1〜2では、エネルギー線硬化性化合物(B2)−1を使用していることが、比較例4では、エネルギー線硬化性化合物(B1)−1の使用量が多過ぎたことが、それぞれ原因であると推測される。比較例6では、この両方の原因が当てはまる。
また、比較例3及び5の保護膜形成用フィルムから形成された保護膜は、ヤング率が低く、ダイシング時にはチッピングが発生して、保護膜付き半導体チップを得られず、保護膜の信頼性を評価できなかった。これは、比較例3では、エネルギー線硬化性化合物(B1)−1の使用量が、比較例5では、エネルギー線硬化性化合物(B2)−1の使用量が、それぞれ少な過ぎたことが原因であると推測される。
本発明は、裏面が保護膜で保護された半導体チップ等の製造に利用可能であるので、産業上極めて有用である。
1A,1B,1C,1D,1E・・・保護膜形成用複合シート、10・・・支持シート、10a・・・支持シートの表面、11・・・基材、11a・・・基材の表面、12・・・粘着剤層、12a・・・粘着剤層の表面、13,23・・・保護膜形成用フィルム、13a,23a・・・保護膜形成用フィルムの表面、15・・・剥離フィルム、16・・・治具用接着剤層、16a・・・治具用接着剤層の表面

Claims (3)

  1. エネルギー線硬化性化合物(B)を含み、以下の特性を有する半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に保護膜を形成するための保護膜形成用フィルム:
    エネルギー線の照射により前記保護膜形成用フィルムを硬化させて硬化物としたとき、前記硬化物のヤング率が500MPa以上であり、かつ破断伸度が8%以上100%以下である。
  2. 前記保護膜形成用フィルムにおいて、一分子中にエネルギー線重合性基を2〜4個有するエネルギー線硬化性化合物(B1)の含有量は、前記エネルギー線硬化性化合物(B)の総質量に対して、90質量%以上である、請求項1に記載の保護膜形成用フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の保護膜形成用フィルムを、支持シートの一方の表面上に備えた、保護膜形成用複合シート。
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