JP4851434B2 - チップ保護用フィルム - Google Patents
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Description
(1)半導体ウエハの回路形成面の所定位置にバンプを形成する。
(2)半導体ウエハの裏面を所定の厚さまで研削し、研磨する。
(3)別途、半導体パッケージ基板(再配線、あるいはInterposerともいう)としてバンプ付きテープ基板を準備し、このテープ基板と半導体ウエハとを貼り合わせる。具体的には、テープ基板に形成されたバンプと、半導体ウエハの回路形成面に形成されたバンプとを直接接続する。このとき、半導体ウエハは、その回路形成面がテープ基板に向いた、いわゆるフェースダウン方式でテープ基板に実装される。
(4)リングフレームに貼り付けられたダイシングシートに半導体ウエハの裏面を固定し、ダイシングソーによりチップ単位に切断した後、ダイシングシートからピックアップする。
したがって、研削及び研磨によってウエハ裏面に微小なキズが形成されたとしても、このキズに起因するチッピングの発生を抑制する技術の開発が望まれている。
図1及び図2は、剥離シート上に硬化性保護膜形成層を有する本発明のチップ保護用フィルムの二つの例を示したものである。図1は、硬化性保護膜形成層2の両面に剥離シート1を仮着させた構成であり、図2は、硬化性保護膜形成層2の片面に剥離シート1を仮着させた構成である。
以下に、剥離シートと硬化性保護膜形成層の構成について説明する。また、このチップ保護用フィルムの製造方法と使用方法についても、説明する。
剥離シートは、チップ保護用フィルムの取り扱い性を良くする目的で、また硬化性保護膜形成層を保護する目的で用いられる。
剥離シートとしては、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ピニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。
硬化性保護膜形成層2は、所定の硬化処理によって硬化し、JIS K 5600−5−4に基づく鉛筆硬度が5H以上、より好ましくは7H以上の硬度を有する保護膜を形成する。このような鉛筆硬度を有することで、半導体ウエハをダイシングする際のチッピングの発生を抑制することができ、チップの抗折強度を向上させることが可能となる。
バインダーポリマー成分としては、例えば、ポリアミド系ブロック共重合体、アクリル系共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、及びゴム系ポリマー等を用いることができる。これらの中でも、特に、ポリアミド系ブロック共重合体及びアクリル系共重合体が好ましい。
ポリアミド系ブロック共重合体(A)中のフェノール性水酸基を有するフェノール成分の含有量はフェノール当量として、1000〜10000g/eqが好ましく、3000〜6000g/eqがより好ましい。
ただし、これらにのみ限定されるものではない。また、これらはその1種または2種以上を混合して用いてもよい。
ただし、これらにのみ限定されるものではない。また、これらはその1種または2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記の水酸基を有する芳香族ジカルボン酸としては、たとえば、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシイソフタル酸、3−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸などが挙げられる。
ただし、これらの水酸基を有する芳香族ジアミンまたは水酸基を有する芳香族ジカルボン酸にのみ限定されるものではない。
上記のポリブタジエン/アクリロニトリル共重合体は、両末端にカルボキシル基を導入させるための公知の方法で合成されるものを使用できる。各成分の平均重合度は後述する式1中の平均重合度(x,y)を有するものを使用できる。
硬化性成分としては、熱硬化性成分及び/又はエネルギー線硬化性成分を用いることができる。
熱硬化性成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等およびこれらの混合物が挙げられる。特に本発明では、エポキシ樹脂、フェノール樹脂ならびにこれらの混合物が好ましく用いられる。
エネルギー線硬化性成分は、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する化合物からなるものである。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有し、重量平均分子量が100〜30000の範囲、より好ましくは300〜10000の範囲にあるものが用いられる。
フィラーとしては、結晶シリカ、合成シリカ等のシリカや、アルミナ、ガラスバルーン等の無機フィラーがあげられる。硬化性保護膜形成層2に無機フィラーを添加することにより、硬化後の保護膜の硬度を向上させることができる。また、硬化後の保護膜の熱膨張係数をウエハの熱膨張係数に近づけることができ、これによって加工途中のウエハの反りを低減することができる。フィラーとしては合成シリカが好ましく、特に半導体装置の誤作動の要因となるα線の線源を極力除去したタイプの合成シリカが最適である。フィラーの形状としては、球形、針状、無定型タイプのものいずれも使用可能であるが、特に最密充填の可能な球形のフィラーが好ましい。
保護膜形成層2は、着色されていてもよい。保護膜形成層2の着色は、顔料、染料等を配合することで行われる。保護膜形成層2を着色することで、保護膜形成層2に品番等のレーザーマーキングを行う場合のマークの認識性の向上、及び外観の向上を図ることができる。このような顔料としては、カーボンブラックや、各種の無機顔料が例示できる。またアゾ系、インダスレン系、インドフェノール系、フタロシアニン系、インジゴイド系、ニトロソ系、ザンセン系、オキシケトン系などの各種有機顔料があげられる。
硬化性保護膜形成層2には、上記成分のほかに、必要に応じて、架橋剤、カップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、応力緩和剤としてブタジエン系ゴムやシリコーンゴム等を含有させることができる。また、エポキシ樹脂やその熱硬化のためのフェノール樹脂及び潜在性硬化剤を含有させてもよい。
次に、本発明のチップ保護用フィルムの製造方法の一例について説明する。
まず、剥離シートの剥離面上に、保護膜形成層を構成する各成分を含む組成物をロールナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなどの一般に公知の方法に準じて直接または転写によって塗布、乾燥させ、剥離シート上に硬化性保護膜形成層を形成する。硬化性保護膜形成層の組成物は、必要により、溶剤に溶解しまたは分散させて塗布してもよい。次に、保護膜形成層の上に、別の剥離シートを貼り合わせる。これにより、図1に示す3層構成のチップ保護用フィルムを得ることができる。
本発明のチップ保護用フィルムの使用用途としては、チップ保護用途であれば特に限定されないが、例えば、WL−CSP用のチップ裏面保護用途に用いることができる。
この場合、まず、一方の剥離シートを剥離し、硬化性保護膜形成層をウエハの裏面に40℃以上、0.05〜0.5MPaで加熱・加圧した状態で貼り合わせ、フィルムをウエハサイズに切断する。次に、他方の剥離シートを剥離し、加熱炉を用いて150℃、1時間で加熱し、硬化性保護膜形成層を硬化させる。硬化性保護膜形成層を構成する硬化性成分としてエネルギー線硬化性成分を含む場合は、加熱硬化処理に先だって、あるいは、加熱硬化処理に変えて、例えばUVランプを用いて、100〜2000mJ/cm2 の紫外線を照射し、硬化性保護膜形成層を硬化させる。これにより、ウエハ裏面に保護膜を形成することができる。その後、得られた保護膜付きウエハをダイシングすることにより、保護用フィルムで保護されたチップを得ることができる。
表1及び表2に示した各成分の配合により、硬化性保護膜形成層用の塗布液を調製した。
なお、表1及び表2における数値の単位はいずれも質量部である。また、表1及び表2における各成分の符号は下記のとおりである。
A2:ポリマー成分2〔フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミドオリゴマーA1とポリブタジエン/アクリロニトリル共重合体A2とから形成されるポリアミド系ブロック共重合体、重量平均分子量5万〕
B1:熱硬化性成分1〔エポキシ当量180〜200の液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂〕
B2:熱硬化性成分2〔エポキシ当量210〜230のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂〕
B3:エネルギー線硬化性成分(ノボラック型エポキシアクリレート系樹脂、重量平均分子量700)
C1:硬化剤1〔ジシアンジアミド〕
C2:硬化剤2〔イミダゾール化合物(2−フェニル4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール〕
D:光重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、吸収波長380〜410nm)
E:シリカ〔平均粒径2μmの球状合成シリカ〕
F:染料及び顔料〔黒色顔料(アゾ系)〕
一方の剥離シートを剥離し、硬化性保護膜形成層をウエハ(厚さ600μm、未研磨)に70℃で貼り合わせ、フィルムをウエハ形状に切断した。その後、他方の剥離シートを剥離し、加熱炉を用いて150℃、1時間で加熱し、硬化性保護膜形成層を硬化させた。その後、JIS規格:K5600−5−4に基づき室温(25℃)での硬化した保護膜形成層の鉛筆硬度を測定した。
チップ保護用フィルムを所定の大きさに切り抜き、150℃、1時間で加熱し、硬化性保護膜形成層を硬化させた。両側の剥離フィルムを剥離し、得られたフィルムを粘弾性測定装置(引張モード、周波数10Hz、昇温速度10℃/min)で弾性率を測定した。
♯2000の砥石で研削した6インチウエハ(厚さ150μm)の研削面に、一方の剥離シートを剥離した硬化性保護膜形成層を70℃で貼り合わせ、フィルムをウエハ形状に切断した。その後、他方の剥離シートを剥離し、加熱炉を用いて150℃、1時間加熱して硬化性保護膜形成層を硬化させた。得られた保護フィルム付きウエハ(比較例1では、保護フィルムなし)をダイシングテープ上にマウントし、リングフレームに固定し、ダイサー(東京精密社製、AWD−4000、Disco社製ダイシングブレード27HEDD)を用いて裏カット速度100mm/sec、回転数30000rpm、ダイシングテープへの切り込み量30μmの条件で、5mm×5mmにダイシングした。
その後、ダイシングテープの背面からチップを突き上げ、チップを剥離した。剥離したチップ側面のチッピングを顕微鏡で10個観察し、最も大きかったチッピング深さを測定し、その値をチッピング値とした。
チッピング評価と同様にして得られたチップの抗折強度を3点曲げ試験により測定した(測定個数N=20)。測定条件は以下の通りである。
チップサイズ:5mm×5mm
支点間距離:3.5mm
スピード:0.5mm/min
押し治具先端R:0.3mm
これに対し、鉛筆硬度が5H以上の実施例1〜5では、明らかにチッピングを抑制でき、抗折強度も14N以上と向上できることが確認された。
2 硬化性保護膜形成層
Claims (8)
- ウエハの裏面に貼合して硬化させることにより保護膜を形成する硬化性保護膜形成層を有し、前記保護膜が貼付されたウエハをダイシングして保護膜付きのチップを得るために用いるチップ保護用フィルムであって、
前記硬化性保護膜形成層は、硬化後の鉛筆硬度が5H以上であることを特徴とするチップ保護用フィルム。 - 硬化後の鉛筆硬度が7H以上である硬化性保護膜形成層を有することを特徴とする請求項1に記載のチップ保護用フィルム。
- 前記硬化性保護膜形成層は、バインダーポリマー成分と硬化性成分とを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチップ保護用フィルム。
- 前記硬化性保護膜形成層は、さらにフィラーを含有することを特徴とする請求項3に記載のチップ保護用フィルム。
- 前記バインダーポリマー成分は、ポリアミド系ブロック共重合体であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のチップ保護用フィルム。
- 前記ポリアミド系ブロック共重合体は、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミドオリゴマーとポリブタジエン/アクリロニトリル共重合体とから形成されることを特徴とする請求項5に記載のチップ保護用フィルム。
- 前記硬化性成分として、熱硬化性成分及び/又はエネルギー線硬化性成分を含むことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のチップ保護用フィルム。
- 前記熱硬化性成分が、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項7に記載のチップ保護用フィルム。
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