JP6836636B2 - ホットメルト接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は熱可塑性ウレタン樹脂を含有するホットメルト接着剤に関する。
熱可塑性樹脂は、通常温度の上昇に伴い樹脂強度が低下するため、使用する際には耐熱性が問題となることがある。熱可塑性樹脂を使用した製品の品質安定性の観点から、広い温度領域で、温度依存性の少ない熱可塑性樹脂が望まれている。また、使用する際の扱いやすさから、シャープメルト性(融点を超えると、すぐに流動性が発現)を有するような熱可塑性樹脂が望まれている。このような温度依存性の少ない熱可塑性樹脂として、対称構造を有するジイソシアネートと対称構造を有する低分子ジオールおよび/または対称構造を有する低分子ジアミン類とから構成されるハードセグメントを有するホットメルト接着剤が知られている(特許文献1)。しかし、上記ホットメルト接着剤は凝集力が低く、引張破断強度が低いという課題がある。
特許第2984921号公報
本発明の目的は、温度依存性が少なく、融点を超えるとすぐに流動性が発現し、かつ引張破断強度に優れるホットメルト接着剤を提供することにある。
本発明者らは、上述の状況に鑑み鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、芳香環を有するポリオール(A)、対称性を有するジイソシアネート(B)、一般式(1)で示されるポリメチレングリコール(C1)及び/又は一般式(2)で示されるポリエチレングリコール(C2)であるグリコール(C)、並びに高分子ポリオール(D)を必須構成単量体とする熱可塑性ウレタン樹脂(F)を含有するホットメルト接着剤である。
HO−(CH)n−OH (1)
[nは2〜8の整数である。]
HO−(CHCHO)m−H (2)
[mは2〜8の整数である。]
本発明のホットメルト接着剤に含まれる熱可塑性ウレタン樹脂は、温度依存性が少ないため、これを使用した製品の品質安定性に優れ、ホットメルト接着剤として使用した際には、接着力が安定する。また、シャープメルト性(融点を超えると比較的すぐに流動性が発現)を有するため、取り扱いが容易である。さらに、引張破断強度にも優れる。
本発明における芳香環を有するポリオール(A)としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールE及びビスフェノールFからなる群より選ばれる少なくとも1種のビスフェノール化合物(J)のエチレンオキサイド付加物、ジヒドロキシベンゼンのエチレンオキサイド付加物、ジヒドロキシビフェニールのエチレンオキサイド付加物、ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、該化合物のエチレンオキサイド付加物、ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニール、該化合物のエチレンオキサイド付加物、フタル酸のエチレンオキサイド付加物及びそれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
上記エチレンオキサイド(以下、EO)付加物のEO平均付加モル数は、好ましくは水酸基あたり0.90〜1.10であり、より好ましくは0.91〜1.09であり、さらに好ましくは0.92〜1.08である。
上記EO付加物のEO平均付加モル数が水酸基あたり0.90以上であれば接着力が向上し、1.10以下であれば引張破断強度が向上する。
芳香環を有するポリオール(A)のうち、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールE及びビスフェノールFからなる群より選ばれる少なくとも1種のビスフェノール化合物のエチレンオキサイド付加物(A1)が好ましく、エチレンオキサイド付加物(A1)のうち、エチレンオキサイド平均付加モル数が水酸基あたり0.90〜1.10であり、下記式(1)で示される単分散度が80%以上であるエチレンオキサイド付加物(A11)がさらに好ましい。
単分散度(%)={[水酸基あたりエチレンオキサイド付加モル数が1モルであるエチレンオキサイド付加物(A1)の重量]/[エチレンオキサイド付加物(A)の重量]}×100 (1)
エチレンオキサイド付加物(A1)のうち、エチレンオキサイド平均付加モル数が水酸基あたり0.90〜1.10であり、上記式(1)で示される単分散度が80%以上であるエチレンオキサイド付加物(A11)を使用すると、接着力を特に高くすることができ、かつ、引張破断強度も高くすることができる。
ビスフェノール化合物(J)の内、特に好ましいのは、ビスフェノールAである。
なお、ビスフェノールBは、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタンであり、フェノールEは1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタンであり、ビスフェノールFはビス(p−ヒドロキシフェニル)メタンである。
上記式(1)で示される(A11)の単分散度は80%以上であり、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。
(A11)の単分散度が80%未満であれば、引張破断強度が低下し、温度依存性が高くなり高温での接着力が低下する。
単分散度、EO平均付加モル数は、シリル化剤で前処理した上でガスクロマトグラフ(GC)によって確認できる。測定条件は次の通りである。
<試料の予備調製方法>
試料1gを採取し、次いでアセトン19gを加えて溶解させる。この試料にTMS−H1(Trimethylchlorosilaneのシリル化剤、東京化成工業株式会社製)を0.1ml加え、2〜3分間、50〜70℃に温めシリル化を完結させる。この上澄みを1μl採取し、ガスクロマトグラフで測定を行う。
<GCの測定条件>
GC機種 :GC−14B(株式会社島津製作所製)
充填剤:シリコンGE−SE−52(4%)、担体CromosorbG(AW−DMCS);150〜180μm(和光純薬工業株式会社製パックドカラム)
カラム温度 :250〜350℃(昇温速度10℃/分)
検出器 :FID
溶媒 :アセトンまたはメチルエチルケトン
キャリアガス:窒素 流量50ml/分
<単分散度の計算方法>
ガスクロマトグラムにおける各モル数のEO付加物のピーク面積から、下記式(2)によって計算する。
単分散度(%)=100×水酸基あたり1モル付加物ピーク面積/(水酸基あたり0〜4モル付加物ピーク面積) (2)
上記ピーク面積は各EO付加物の重量に比例する。
本発明における対称性を有するジイソシアネート(B)としては、ポリメチレンジイソシアネート(B1)[例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート等]、対称性を有し環構造を有するジイソシアネート[例えば、メチレンビス(4,1−フェニレン)=ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート等]等が挙げられる。
上記(B)のうち、イソシアネート基中の炭素を除く炭素数が、2〜18の偶数であるものが好ましい。
これらの内、結晶性の観点から好ましいのは、ポリメチレンジイソシアネート(B1)であり、さらに好ましいのは炭素数(イソシアネート基中の炭素を除く)が6〜10の偶数を有するポリメチレンジイソシアネートである。
グリコール(C)は、一般式(1)で示されるポリメチレングリコール(C1)及び/又は一般式(2)で示されるポリエチレングリコール(C2)であるグリコール(C)であり、結晶性の観点からグリコール(C)に含まれるポリメチレングリコール(C1)及びポリエチレングリコール(C2)の炭素数がそれぞれ偶数であることが好ましい。
これは、グリコール(C)がポリメチレングリコール(C1)だけを含むときはポリメチレングリコール(C1)の炭素数が偶数であり、グリコール(C)がポリエチレングリコール(C2)だけを含むときはポリエチレングリコール(C2)の炭素数が偶数であり、グリコール(C)がポリメチレングリコール(C1)及びポリエチレングリコール(C2)を含むときはポリメチレングリコール(C1)の炭素数が偶数であり、かつ、ポリエチレングリコール(C2)の炭素数が偶数であることを意味する。
本発明におけるポリメチレングリコール(C1)としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8―オクタンジオール等が挙げられる。
繰り返し数が2〜8のポリエチレングリコール(C2)としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール等が挙げられる。
これら(C)の内、結晶性の観点から好ましいのは(C1)であり、更に好ましいのは炭素数が4〜8の偶数を有するポリメチレングリコールであり、特に好ましいのは炭素数が6〜8の偶数を有するポリメチレングリコールである。
本発明における熱可塑性ウレタン樹脂(F)の必須構成単量体としては、ポリメチレンジイソシアネート(B1)とポリメチレングリコール(C1)の組合せが好ましく、(B1)のイソシアネート基中の炭素を除く炭素数と(C1)の炭素数は、結晶性の観点から同数であることが好ましい。例えば、テトラメチレンジイソシアネートと1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレンジイソシアネートと1,6−ヘキサンジオール、オクタメチレンジイソシアネートと1,8―オクタンジオールの組合せ等である。
高分子ポリオール(D)としては、ポリエーテルポリオール(D1)、ポリエステルポリオール(D2)及びその他のポリオール(D3)等が挙げられる。高分子ポリオール(D)の数平均分子量(以下Mn)は400〜10000であることが好ましく、1000〜5000であることがさらに好ましい。
ポリエーテルポリオール(D1)としては、例えばポリアルキレングリコール[ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ−3−メチルテトラメチレンエーテルグリコール等]、共重合ポリオキシアルキレンジオール[EO/PO共重合ジオール、THF/EO共重合ジオール及びTHF/3−メチルテトラヒドロフラン共重合ジオール等(重量比は例えば1/9〜9/1)]及びビスフェノール系化合物のAO付加物;3官能以上のポリエーテルポリオール、例えば3価以上の多価アルコールのAO付加物[グリセリンのAO付加物及びトリメチロールプロパンのAO付加物等];並びにこれらの1種以上をメチレンジクロライドでカップリングしたもの等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(D2)としては、例えば縮合ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ヒマシ油系ポリオール及びポリカーボネートポリオールが挙げられる。
縮合ポリエステルポリオールとしては、Mnが300未満の低分子量ポリオール又はポリエーテルポリオール(D1)と、ポリカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体(酸無水物及び炭素数1〜4のアルキルエステル等)との重縮合物等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸及び3価〜4価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられ、具体的には、炭素数2〜30又はそれ以上(好ましくは炭素数2〜12)の飽和又は不飽和の脂肪族ポリカルボン酸[炭素数2〜15のジカルボン酸(シュウ酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸等)及び炭素数6〜20のトリカルボン酸(トリカルバリル酸及びヘキサントリカルボン酸)];炭素数8〜15の芳香族ポリカルボン酸[テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸等のジカルボン酸並びにトリメリット酸及びピロメリット酸等のトリ又はテトラカルボン酸等);炭素数6〜40の脂環式ポリカルボン酸(ダイマー酸等);及びスルホ基含有ポリカルボン酸[上記ポリカルボン酸にスルホ基を導入してなるもの、例えばスルホコハク酸、スルホマロン酸、スルホグルタル酸、スルホアジピン酸及びスルホイソフタル酸及びそれらの塩(例えば金属塩、アンモニウム塩、アミン塩及び4級アンモニウム塩);並びにカルボキシ末端のポリマーが挙げられる。
カルボキシ末端のポリマーとしては、ポリエーテルポリカルボン酸[例えばMnが300未満の低分子量ポリオール又はポリエーテルポリオール(D1)等のポリオールのカルボキシメチルエーテル(アルカリの存在下にモノクロル酢酸を反応させて得られるもの等)];ポリアミド及び/又はポリエステルポリカルボン酸[例えば上記ポリカルボン酸を開始剤として炭素数4〜15のラクタム(カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等)又は炭素数4〜15のラクトン(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン等)を開環重合させてなるポリラクタムポリカルボン酸及びポリラクトンポリカルボン酸]が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、水又はMnが300未満の低分子量ポリオールを開始剤とする炭素数4〜15のラクトン(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン等)の開環付加物等が挙げられる。
ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)、部分脱水ヒマシ油、部分アシル化ヒマシ油、水添ヒマシ油及びこれらの変性物[ポリエーテルポリオール(D1)若しくはMnが300未満の低分子ポリオールとヒマシ油、部分脱水ヒマシ油若しくは水添ヒマシ油とのエステル交換反応により得られるエステルポリオール、及びポリエーテルポリオール(D1)若しくはMnが300未満の低分子ポリオールとヒマシ油脂肪酸若しくは水添ヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応により得られるエステル等]等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、Mnが300未満の低分子量ポリオールを開始剤とするアルキレンカーボネートの開環付加/重縮合物及び、Mnが300未満の低分子量ポリオールとジフェニル又はジアルキルカーボネートの重縮合(エステル交換)物等が挙げられる。
その他のポリオール(D3)としては、ポリマーポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアルカジエンポリオール及びアクリルポリオール等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、1種以上のポリオール中で炭素数3〜24のビニル単量体(例えばスチレン、アクリロニトリル)をラジカル重合開始剤の存在下で重合させた重合体粒子を分散安定化させてなるポリオール(重合体含量は例えば5〜30重量%)が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリイソブテンポリオール等が挙げられる。
ポリアルカジエンポリオールとしては、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添化ポリイソプレンポリオール及び水添化ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜30)エステル[ブチル(メタ)アクリレート等]と水酸基含有アクリルモノマー[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等]との共重合体等が挙げられる。
上記及び以下においてMnはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される数平均分子量を意味する。
なお、数平均分子量は、N,N−ジメチルホルムアミドを溶剤として用い、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。サンプル濃度は0.125重量%、カラム固定相はTSKgelGuardcolumn α、TSKgel α−M(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの、カラム温度は40℃とすればよい。
上記高分子ポリオール(D)のうち、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましい。また、末端に位置するヒドロキシプロピル基の内の40モル%以上、好ましくは70モル%以上が下記化学式(3)で表される基(1級OH基)である、ポリプロピレングリコールが好ましい。
−CH(CH)−CH−OH (3)
熱可塑性ウレタン樹脂(F)の必須構成単量体である芳香環を有するポリオール(A)、対称性を有するジイソシアネート(B)、グリコール(C)、高分子ポリオール(D)の重量割合は、(A)、(B)、(C)、(D)の合計重量に対して、(A)は好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは10〜20重量%であり、(B)は好ましくは15〜30重量%、さらに好ましくは20〜30重量%であり、(C)は好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは3〜15重量%であり、(D)は好ましくは40〜60重量%、さらに好ましくは45〜60重量%である。
熱可塑性ウレタン樹脂(F)のウレア基含有量としては、シャープメルト性の観点から好ましくは0.06mmol/g以下、より好ましくは0.03mmol/g以下、さらに好ましくは0.02mmol/g以下である。
熱可塑性ウレタン樹脂(F)の製造方法
熱可塑性ウレタン樹脂(F)の製造方法としては、例えば、芳香環を有するポリオール(A)、グリコール(C)、高分子ポリオール(D)とを均一に混合した後、対称性を有するジイソシアネート(B)を反応させる方法などが挙げられる。
熱可塑性ウレタン樹脂(F)の必須構成単量体である芳香環を有するポリオール(A)、グリコール(C)、高分子ポリオール(D)の混合物中に含まれる水分割合は、(A)、(C)、(D)の合計重量に対して、好ましくは0.00〜0.10重量%、さらに好ましくは0.00〜0.03重量%である。
ウレタン化反応に際しては、ウレタン化触媒を使用してもよい。ウレタン化触媒としては種々のものが使用でき、例えば金属触媒〔錫触媒[トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルチンマレエート等]、鉛触媒[オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸金属塩(ナフテン酸コバルト等)、フェニル水銀プロピオン酸塩等]等〕;アミン触媒{トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7[DBU(サンアプロ(株)製、登録商標)]等〕、ジアルキル(炭素数1〜3)アミノアルキル(炭素数2〜4)アミン[ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン等]、複素環式アミノアルキル(炭素数2〜6)アミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン、4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]、およびこれらの炭酸塩および有機酸(炭素数1〜3、例えばギ酸)塩等;N−メチルおよび−エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジメチル−およびジエチルエタノールアミン等};およびこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
本発明のホットメルト接着剤は、熱可塑性ウレタン樹脂(F)を含有するが、種々の目的および用途に応じ、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂用添加剤(E)を任意に含有させることができる。
樹脂用添加剤(E)としては、粘着性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、吸着剤、着色剤、充填剤、核剤、滑剤、離型剤、水、難燃剤および香料からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤が挙げられる。
粘着性付与剤としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、合成石油樹脂(脂肪族、芳香族又は脂環式合成石油樹脂等)、クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びこれらの内の水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール化合物〔ペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等〕、リン化合物[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等]、イオウ化合物[ペンタエリスチル−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート等]等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール化合物[2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等]等が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン化合物[(ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等]等が挙げられる。
可塑剤としては、種々の可塑剤[例えば接着の技術Vol.20,(2),21(2000)等に記載のもの]が使用でき、プロセスオイル(パラフィン、ナフテンもしくは芳香族化合物型);液状樹脂(Mn300〜6,000、例えば液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン);該液状樹脂の水素化体;低分子量(Mn300〜10,000)ポリイソブチレン;およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
吸着剤としては、アルミナ、シリカゲル、モレキュラーシーブ等が挙げられる。
着色剤としては、顔料(酸化チタン、カーボンブラック等)、染料(アゾ、アンスラキノン、インジゴイド、アリザリン、アクリジン、ニトロソおよびアニリン染料等)等が挙げられる。
充填剤としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
核剤としては、ソルビトール、ホスフェート金属塩、安息香酸金属塩、リン酸金属塩等が挙げられる。
滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ブチル、オレイン酸アミド等が挙げられる。
離型剤としては、カルボキシル変性シリコーンオイル、ヒドロキシル変性シリコーンオイル等が挙げられる。
難燃剤としては、ハロゲン含有難燃剤、リン含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、金属水酸化物含有難燃剤等が挙げられる。
香料としては、ジテルペン、リモネン等が挙げられる。
樹脂用添加剤(E)の合計含有量は熱可塑性ウレタン樹脂(F)の全重量に基づいて、40重量%以下であることが好ましく、添加効果および接着性の観点からより好ましくは0.002〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明のホットメルト接着剤は、温度依存性の観点と塗工性の観点から、融点は80℃〜150℃が好ましく、90℃〜120℃がさらに好ましい。
また、本発明のホットメルト接着剤は、接着力等の品質安定性の観点から、貯蔵弾性率(以下、G’と略記)の温度依存性が低いことが好ましい。
本発明のホットメルト接着剤は、接着力の安定性に優れている。これは貯蔵弾性率(G’)の温度依存性で評価することが出来る。
具体的には、下記式(3)で示されるG’の温度変化率が100以下であれば温度依存性が低いため好ましく、下記式(4)で示されるG’の温度変化率が10以下であればさらに好ましい。
G’の温度変化率(−20/70)=G’(−20℃)/G’(70℃) (3)
G’の温度変化率(0/70)=G’(0℃)/G’(70℃) (4)
[式(3)、式(4)中のG’(T℃)は、T℃におけるG’の数値を表す。]
本発明のホットメルト接着剤の製造方法については特に限定されないが、本発明のホットメルト接着剤の各成分を加熱溶融して混合する方法;及び本発明のホットメルト接着剤の各成分を有機溶剤(トルエン又はキシレン等)と共に加熱溶融して均一混合した後に溶剤を留去する方法等が適用できる。これらのうち、工業的に好ましいのは前者の方法である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中、部及び%は特に断りのない限り、それぞれ重量部及び重量%を示す。
製造例1
〔ビスフェノールAのEO付加物(A−1)の合成〕
ガラス製オートクレーブに、トルエン137.0g(ビスフェノール類に対して40%)、ビスフェノールA(三菱化学株式会社製「ビスフェノールA」)342.4g(1.50mol)を仕込み、窒素置換を行った後、75℃まで昇温し、ビスフェノールAをトルエンに分散させた。ここにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液を2.73g添加した。
再度窒素置換を行い、EOを75〜95℃、反応圧0.2MPa以下の範囲で滴下反応させた。反応中、適宜サンプリングし、GCで反応物のビスフェノールへの付加モル分布を追跡し、1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了した。要したEOは139.9g(3.18mol)であり、反応時間は7時間であった。
反応後、130〜160℃、減圧下で未反応EO、触媒、溶剤等を留去し、ビスフェノールAのEO付加物(A−1)を得た。
この(A−1)をGCにて分析したところ、得られた(A−1)の水酸基あたりのEO平均付加モル数は1.02であり、単分散度は97.4%であった。
製造例2
〔ビスフェノールAのEO付加物(A−2)の合成〕
ガラス製オートクレーブに、実施例1で得られた(A−1)85.6g(後に加えるビスフェノールAに対して25重量%)を溶融させて反応系の溶媒として入れた。110℃まで加熱してこれを溶融した後、ビスフェノールA342.4g(1.50mol)を仕込み、窒素置換を行った後、95℃まで冷却し、ビスフェノールAを分散させた。ここに水酸化ナトリウム0.30gを添加した。
再度窒素置換を行い、EOを75〜95℃、反応圧0.2MPa以下の範囲で滴下反応させた。反応中、適宜サンプリングし、GCで反応物のビスフェノールへの付加モル分布を追跡した。1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了した。要したEOは150.5g(3.42mol)であり、反応時間は7時間であった。
反応後、燐酸で触媒を中和し、130〜160℃、減圧下で未反応EOを留去し、ビスフェノールAのEO付加物(A−2)を得た。
この(A−2)をGCにて分析したところ、得られた(A−2)の水酸基あたりのEO平均付加モル数は1.09であり、単分散度は82.5%であった。
製造例3
〔ビスフェノールAのEO付加物(A−3)の合成〕
製造例2で滴下反応させたEOの量を154.0g(3.50mol)として、1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了した以外は製造例2と同様にして反応させた。
反応後、燐酸で触媒を中和し、130〜160℃、減圧下で未反応EOを留去し、ビスフェノールAのEO付加物(A−3)を得た。
この(A−3)をGCにて分析したところ、得られた(A−3)の水酸基あたりのEO平均付加モル数は1.10であり、単分散度は81.3%であった。
製造例4
〔ビスフェノールAのEO付加物(A−4)の合成〕
製造例1で滴下反応させたEOの量を124.8g(2.84mol)として、1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了した以外は製造例1と同様にして反応させた。
反応後、燐酸で触媒を中和し、130〜160℃、減圧下で未反応EOを留去し、ビスフェノールAのEO付加物(A−4)を得た。
この(A−4)をGCにて分析したところ、得られた(A−4)の水酸基あたりのEO平均付加モル数は0.91であり、単分散度は88.3%であった。
製造例5
〔ビスフェノールAのEO付加物(A−5)の合成〕
製造例2で用いた水酸化ナトリウムの量を0.27gに代えた以外は製造例2と同様にして反応させた。
1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了し、要したEOは、121.8g(2.77mol)であり、反応時間は7時間であった。
反応後、燐酸で触媒を中和し、130〜160℃、減圧下で未反応EOを留去し、ビスフェノールAのEO付加物(A−5)を得た。
この(A−5)をGCにて分析したところ、得られた(A−5)の水酸基あたりのEO平均付加モル数は1.03であり、単分散度は80.5%であった。
製造例6
〔ビスフェノールBのEO付加物(A−6)の合成〕
製造例1で用いたビスフェノールAをビスフェノールB(東京化成工業株式会社製)363.4g(1.50mol)に代えた以外は製造例1と同様にして反応させた。
1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了した。要したEOは150.8g(3.43mol)であり、反応時間は7時間であった。
反応後、130〜160℃、減圧下で未反応EO、触媒、溶剤等を留去し、ビスフェノールBのEO付加物(A−6)を得た。
この(A−6)をGCにて分析したところ、得られた(A−6)の水酸基あたりのEO平均付加モル数は1.03であり、単分散度は96.7%であった。
製造例7
〔ビスフェノールEのEO付加物(A−7)の合成〕
製造例1で用いたビスフェノールAをビスフェノールE(本州化学工業株式会社製「ビスフェノールE」)321.4g(1.50mol)に代えた以外は製造例1と同様にして反応させた。
1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了した。要したEOは150.6g(3.42mol)であり、反応時間は7時間であった。
反応後、130〜160℃、減圧下で未反応EO、触媒、溶剤等を留去し、ビスフェノールEのEO付加物(A−7)を得た。
この(A−7)をGCにて分析したところ、得られた(A−7)の水酸基あたりのEO平均付加モル数は1.03であり、単分散度は96.4%であった。
製造例8
〔ビスフェノールFのEO付加物(A−8)の合成〕
製造例1で用いたビスフェノールAをビスフェノールF(本州化学工業株式会社製「ビスフェノールF」)300.4g(1.50mol)に代えた以外は製造例1と同様にして反応させた。
1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了した。要したEOは150.3g(3.42mol)であり、反応時間は7時間であった。
反応後、130〜160℃、減圧下で未反応EO、触媒、溶剤等を留去し、ビスフェノールFのEO付加物(A−8)を得た。
この(A−8)をGCにて分析したところ、得られた(A−8)の水酸基あたりのEO平均付加モル数は1.02であり、単分散度は97.5%であった。
製造例9
〔ビスフェノールAのEO付加物(A−9)の合成〕
製造例2で用いた水酸化ナトリウムをトリメチルアミン40%水溶液0.22gに代えた以外は製造例2と同様にして反応させた。
反応後、15時間後でも1モル付加物が13%であり、0.1%以下になるまでは相当の時間を要することが予想され、実用的ではないと判断し、反応を打ち切った。この段階までに滴下したEOは、132g(3.00mol)であった。
反応後、燐酸で触媒を中和し、130〜160℃、減圧下で未反応EOを留去し、ビスフェノールAのEO付加物(A−9)を得た。
この(A−9)をGCにて分析したところ、得られた(A−9)の水酸基あたりのEO平均付加モル数は0.98であり、単分散度は78.9%であった。
製造例10
〔ビスフェノールAのEO付加物(A−10)の合成〕
製造例2で用いた水酸化ナトリウムの量を0.24gに代えた以外は製造例2と同様にして反応させた。
1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了し、要したEOは、121.8g(2.77mol)であり、反応時間は7時間であった。
反応後、燐酸で触媒を中和し、130〜160℃、減圧下で未反応EOを留去し、ビスフェノールAのEO付加物(A−10)を得た。
この(A−10)をGCにて分析したところ、得られた(A−10)の水酸基あたりのEO平均付加モル数は0.89であり、単分散度は80.3%であった。
製造例11
〔ビスフェノールAのEO付加物(A−11)の合成〕
製造例2で滴下反応させたEOの量を157.5g(3.58mol)として、1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了した以外は製造例2と同様にして反応させた。
反応後、燐酸で触媒を中和し、130〜160℃、減圧下で未反応EOを留去し、ビスフェノールAのEO付加物(A−11)を得た。
この(A−11)をGCにて分析したところ、得られた(A−11)の水酸基あたりのEO平均付加モル数は1.12であり、単分散度は80.1%であった。
製造例12
〔p−フタル酸のEO付加物(A−12)の合成〕
製造例1で用いたビスフェノールAをp−フタル酸(東京化成工業株式会社製)249.2g(1.50mol)に代えた以外は製造例1と同様にして反応させた。
1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了した。要したEOは149.2g(3.39mol)であり、反応時間は6時間であった。
反応後、130〜160℃、減圧下で未反応EO、触媒、溶剤等を留去し、p−フタル酸のEO付加物(A−12)を得た。
製造例13
〔1,4−ジヒドロキシベンゼンのEO付加物(A−13)の合成〕
製造例1で用いたビスフェノールAを1,4−ジヒドロキシベンゼン(東京化成工業株式会社製)165.2g(1.50mol)に代えた以外は製造例1と同様にして反応させた。
1モル付加物が0.1%以下になった時点で反応を終了した。要したEOは151.2g(3.44mol)であり、反応時間は7時間であった。
反応後、130〜160℃、減圧下で未反応EO、触媒、溶剤等を留去し、1,4−ジヒドロキシベンゼンのEO付加物(A−13)を得た。
実施例1〜26、比較例1〜3
[ホットメルト接着剤(H)の調製]
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えたフラスコに、表1に記載の配合部数の芳香環を有するポリオール(A)、グリコール(C)及び高分子ポリオール(D)を一括で投入し、105℃で均一攪拌後、80℃まで冷却して、水分を測定した。表1に記載の配合部数のジイソシアネート(B)とウレタン化触媒(日東化成株式会社製「ネオスタンU−600」)0.01部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して温度を100〜160℃に保ちながら、8時間反応させることで目的とする熱可塑性ウレタン樹脂(F−1)〜(F−26)及び比較用の熱可塑性樹脂(F'−1)〜(F'−3)を得た。これらを本発明のホットメルト接着剤(H−1)〜(H−26)及び比較用のメルト接着剤(H'−1)〜(H'−3)とした。
Figure 0006836636
Figure 0006836636
Figure 0006836636
表1〜3に記載の(B)、(C)、(D)、(E)、(B’)及び(C’)は以下を使用した。
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(B−1):住化コベストロウレタン株式会社製「デスモジュールH」
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(B−2):東ソー株式会社製「ミリオネートMT」
ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(B−3):住化コベストロウレタン株式会社製「デスモジュールW」
イソホロンジイソシアネート(B’−1):住化コベストロウレタン株式会社製「デスモジュールI」
1,4−ブタンジオール(C−1)::三菱化学株式会社製「14BG」
1,6−ヘキサンジオール(C−2):宇部興産株式会社製「1,6−ヘキサンジオール」
1,8−オクタンジオール(C−3):東京化成工業株式会社製
ヘキサエチレングリコール(C−4):東京化成工業株式会社製
1,5−ネオペンチルグリコール(C’−1):東京化成工業株式会社製
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(D−1):三菱化学株式会社製「PTMG 1000」
ポリプロピレングリコール(D−2):三洋化成工業株式会社製「プライムポールPX−1000」(1級OH基率:70モル%)
ポリエステルポリオール(D−3):東ソー株式会社製「ニッポラン 164」
ポリプロピレングリコール(D−4):三洋化成工業株式会社製「サンニックスPP−1000」(1級OH基率:2モル%)
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(D−5):三菱化学株式会社製「PTMG 650」
ポリエステルポリオール(D−6):東ソー株式会社製「ニッポラン 136」
ウレタン化触媒(E):日東化成株式会社製「ネオスタン U−600」
表1〜3に記載のポリオール[(A)+(C)+(D)]の水分量(%)は、カールフィッシャー水分計(容量滴定方式)を使用して測定した。カールフィッシャー水分計は、京都電子工業株式会社製:カールフィッシャー水分計(MKS−500)を用いた。希釈溶剤としてメタノールを用いて、測定試料約1gを有効数字4桁まで精秤し、メタノール中に投入し、1分間攪拌した。攪拌後、適定によって求められた水分量を読み取った。
なお、この計算における(C)には(C’)を含む。
ホットメルト接着剤(H−1)〜(H−26)及び比較用のメルト接着剤(H'−1)〜(H'−3)について、以下の方法で性能評価を行った結果を表1〜3に示す。
評価方法は、次の通りである。
ホットメルト接着剤(H−1)〜(H−26)及び比較用のメルト接着剤(H'−1)〜(H'−3)について、以下では単に接着剤という。
(1)150℃溶融粘度
JIS−K7117(1999年)に準拠し、B型粘度計(東機産業株式会社製「RB−80H」)を用いて150℃での粘度を測定した。
(2)融点
示差走査熱量測定(DSC)(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製「Q20」)における吸熱ピークより求めた。
(3)引張破断強度
接着剤を厚さ1mmになるようにプレス機(テスター産業株式会社製「SA−302 卓上型テストプレス」)を使用して230℃でプレスすることで樹脂フィルムを作成し、塗膜の引張破断強度をJIS K 7311(1995年)に準拠して測定した。
(4)温度依存性
下記の測定条件で、−20℃及び70℃での、接着剤の貯蔵弾性率(G’)を測定し、G'(−20℃)/G'(70℃)を求めて温度依存性を評価した。この数値が100以下であると温度依存性が少ないと評価した。
貯蔵弾性率(G’)は、樹脂フィルムを「(3)引張破断強度」と同じ方法でプレスし下記サンプルサイズに切り抜いて作製し、粘弾性を以下の測定条件で測定することによって求めた。
<粘弾性測定条件>
測定装置:Rheogel−E4000[株式会社UBM製]
測定治具:固体せん断
測定温度:−20〜130℃
昇温速度:5℃/min
測定周波数:10Hz
サンプルサイズ:約7mm(縦)×約6mm(横)
(5)シャープメルト性
上記の測定条件で、70℃及び「(2)融点」で測定した融点+20℃での、接着剤の貯蔵弾性率(G’)を測定し、G'(70℃)/G'(融点+20℃)を求めてシャープメルト性を評価した。この数値が80以上であるとシャープメルト性が良好と評価した。
(6)接着力(80℃)
接着剤を、2枚のPETフィルム(厚さ100μm)の間に挟みこみ、厚みが1mmとなるように貼り合わせてサンプルを作製した。上記サンプルを200mm×25mmの大きさに裁断し、引張試験機を用い、測定温度(80℃)で引っ張り速度100mm/分の条件でT型剥離強度(単位:N/25mm)を測定した。
<ウレア基含有量>
ウレア基含有量は、窒素分析計[ANTEK7000(アンテック社製)]によって定量されるN原子含量とH−NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率から算出する。H−NMR測定については、「NMRによるポリウレタン樹脂の構造研究:武田研究所報34(2)、224−323(1975)」に記載の方法で行う。すなわちH−NMRを測定して、脂肪族イソシアネートを使用した場合、化学シフト6ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト7ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を測定し、該重量比と上記のN原子含量及びアロハネート基及びビューレット基含量からウレタン基及びウレア基含量を算出する。芳香族イソシアネートを使用した場合、化学シフト8ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト9ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を算出し、該重量比と上記のN原子含量からウレア基含有量を算出する。
ホットメルト接着剤(H−1)〜(H−26)は、温度依存性が少ないため、これを使用した製品の品質安定性に優れる。そして、ホットメルト接着剤として使用した際には、接着力が安定する。さらに、引張破断強度にも優れる。
本発明のホットメルト接着剤は衣料用途や各種産業資材の芯地の製造にとくに有用である。

Claims (7)

  1. 芳香環を有するポリオール(A)、対称性を有するジイソシアネート(B)、一般式(1)で示されるポリメチレングリコール(C1)及び/又は一般式(2)で示されるポリエチレングリコール(C2)であるグリコール(C)、並びに高分子ポリオール(D)を必須構成単量体とする熱可塑性ウレタン樹脂(F)を含有するホットメルト接着剤であって、
    上記芳香環を有するポリオール(A)がビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールE及びビスフェノールFからなる群より選ばれる少なくとも1種のビスフェノール化合物のエチレンオキサイド付加物(A1)であり、
    上記エチレンオキサイド付加物(A1)が、エチレンオキサイド平均付加モル数が水酸基あたり0.90〜1.10であり、下記式(1)で示される単分散度が80%以上であるエチレンオキサイド付加物(A11)であるホットメルト接着剤。
    HO−(CH)n−OH (1)
    [nは2〜8の整数である。]
    HO−(CHCHO)m−H (2)
    [mは2〜8の整数である。]
    単分散度(%)={[水酸基あたりエチレンオキサイド付加モル数が1モルであるエチレンオキサイド付加物(A1)の重量]/[エチレンオキサイド付加物(A)の重量]}×100 (1)
  2. 上記対称性を有するジイソシアネート(B)のイソシアネート基中の炭素を除く炭素数が、2〜18の偶数である請求項1に記載のホットメルト接着剤。
  3. 上記グリコール(C)に含まれる上記ポリメチレングリコール(C1)及び上記ポリエチレングリコール(C2)の炭素数がそれぞれ偶数である請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤。
  4. 上記対称性を有するジイソシアネート(B)がポリメチレンジイソシアネート(B1)である請求項1〜3のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
  5. 上記グリコール(C)は上記ポリメチレングリコール(C1)を含み、
    上記ポリメチレンジイソシアネート(B1)中のイソシアネート基中の炭素を除く炭素数が、上記ポリメチレングリコール(C1)の炭素数と同数である請求項4に記載のホットメルト接着剤。
  6. 上記高分子ポリオール(D)がポリテトラメチレンエーテルグリコールである請求項1〜5のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
  7. 熱可塑性ウレタン樹脂(F)のウレア基含有量が0.06mmol/g以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
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