JP6834149B2 - 液体用紙容器 - Google Patents

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Description

本発明は、日本酒、ワイン、焼酎等の酒類、コーヒー、乳飲料、ジュース、お茶等の液体飲料類等の包装に使用されるゲーベルトップ型の液体用紙容器に関し、特に使用済みとなった液体用紙容器を廃棄する際、容易に解体できるゲーベルトップ型の液体用紙容器に関する。
従来、日本酒、ワイン、焼酎等の酒類、コーヒー、乳飲料、ジュース、お茶等の液体飲料類等の包装にゲーベルトップ型の液体用紙容器が広く使用されている。このような液体用紙容器は、積層体からなり、内容物の酸化劣化、味覚の低下を防止するため、アルミニウム箔層、アルミニウム蒸着層、無機酸化物蒸着層等のバリア層を設けた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
近年、環境問題の高まりから使用後の空容器の廃棄に際し、容器の種類ごとの分別や、容器の減容化が行われるようになり、空容器は解体されるようになった。特にゲーベルトップ型の液体用紙容器は、通常、頂部の頂部形成板に液体内容物を注出するための注出用口栓が固着されており、注出用口栓は容易に分離することができなかった。注出用口栓を分離するために先ず頂部の頂部接着部を開口し、次に注出用口栓の固着された側の頂部形成板を鋏等で切って注出用口栓の周囲を切り注出口栓を頂部形成板から切り取るという分離操作が行われていた。
しかしながら、その分離操作は手間がかかり面倒なものであり、さらにゲーベルトップ型の液体用紙容器の頂部接着部は液体内容物の漏れを防止するために高温高圧により強固に熱接着されており、頂部接着部を手で開口することが困難なことがあった。
そこで、胴部のサイドシール部の重ね合わせた外面側の容器本体形成用シートの端部に易剥離性のテープ状フィルムで形成されたプルタブにより胴部の側面板を切り破ってきっかけを設け、当該きっかけより解体できるようにした液体用紙容器が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、特許文献2に開示された液体用紙容器では、易剥離性のテープ状フィルムが余分に必要となり、また、胴部のサイドシール部が、易剥離性のテープ状フィルムが介在するために安定したシールができないことがある。
特開2006−321495号公報 特許第3843510号公報
そこで本発明の目的は、上記問題点を解決するためになされたものであり、液体用紙容器としての性能を備え、使用後の液体用紙容器を簡単に解体でき、廃棄しやすくした液体用紙容器を提供することである。
本発明は、上記課題を達成するために、請求項1に記載の本発明は、厚さ方向にポリオレフィン系樹脂層、紙層、中間層、接着性樹脂層を備えた積層体で構成され、前面板と後面板と両側面板が連接状態の筒状の胴部と、前記前面板と前記後面板と前記両側面板に連接状態の頂部形成板で前記胴部の上端を閉塞する頂部と、前記前面板と前記後面板と前記両側面板に連接状態の底部形成板で前記胴部の下端を閉塞する底部からなるゲーベルトップ型の液体用紙容器であって、前記紙層は第一の傷を有し、前記第一の傷の深さは、前記紙層の厚さ方向に一方の面から前記紙層の厚さの1/2以上であり、前記第一の傷の形成位置は、前記頂部と前記胴部を連接する稜線より下方に15mm乃至50mmの範囲内であり、前記中間層は蒸着層からなるバリア層と基材層を備え、前記蒸着層は前記紙層の側に位置しており、前記基材層は傷痕群からなる第二の傷を有し、前記傷痕群は、微細な切目からなり3列以上の複数列からなる領域を有しており、前記第一の傷と前記第二の傷が厚さ方向において略同位置に配されていることを特徴とする液体用紙容器である。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の液体用紙容器において、前記第一の傷及び前記第二の傷が前記前面板、前記後面板、及び前記両側面板を跨ぎ、前記胴部の全周に延びる線状に設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の液体用紙容器において、前記胴部の両側面板及び前記両側面板に連接する前記頂部の頂部形成板の中央部にそれぞれ、前記胴部を折り畳むための胴部折線及び前記頂部を折り畳むための頂部折線が設けられていることを特徴とするものである。
以上のように本発明によれば、液体用紙容器としての性能を備え、使用後の液体用紙容器を簡単に解体でき、廃棄しやすくした液体用紙容器とすることができる。
本発明に係る液体用紙容器の一実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る液体用紙容器の一実施形態の積層体例を示す断面図である。 本発明に係る液体用紙容器の一実施形態に設ける第二の傷の傷痕群の2〜3の形状例を拡大して示す説明図である。 本発明に係る液体用紙容器の一実施形態のブランクを示す平面図である。 本発明に係る液体用紙容器の一実施形態の作用を示す説明図である。 本発明に係る液体用紙容器の一実施形態の作用を示す説明図である。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態を示す斜視図、図2は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態の積層体例を示す断面図、図3は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態に設ける第二の傷の傷痕群の2〜3の形状例を拡大して示す説明図、図4は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態のブランクを示す平面図、図5、図6は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態の作用を示す説明図であり、図中のAは液体用紙容器、A’は空の液体用紙容器、Bはブランク、C、C’は積層体、Dは第一の傷、E、E’、E’’は第二の傷、e1、e2、e3は傷痕群、e1’、e2’、e3’は傷痕、1はポリオレフィン系樹脂層、2は紙層、3、5は接着層、4は中間層、4aは基材層、4b、4cはバリア層、6は接着性樹脂層、10、10’は胴部、10aは胴部折線、11は後面板、12、14は側面板、13は前面板、15は接着板、20、20’は頂部、20aは頂部折線、21、22、23、24は頂部形成板、25は注出口栓取付孔、26は注出口栓、27、27’は頂部接着部、30は底部、31、32、33、34は底部形成板をそれぞれ示す。
図1は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態を示す斜視図である。本発明の液体用紙容器Aは、図1に示すように四側面からなる筒状の胴部10と、胴部10の上端を閉塞する切妻型屋根の頂部20と、胴部10の下端を閉塞する底部30と、からなるゲーベルトップ型の液体用紙容器である。図1では胴部10を形成する前面板13と側面板12、及び頂部20を形成する前面板13に連接状態の頂部形成板23と側面板12に連接状態の頂部形成板22が見えている。頂部形成板23の傾斜面には注出口本体とキャップを備えた注出口栓26が取り付けられている。頂部形成板22は折り込まれて三角状の傾斜面となっている。なお、通常、注出口栓26は設けられるものである。
図2は本発明に係る液体用紙容器Aを構成する積層体例を示す断面図であり、図2(イ)に示すように積層体Cは、厚さ方向にポリオレフィン系樹脂層1、紙層2、中間層4、接着性樹脂層6を備えており、中間層4は基材層4aとバリア層4bから構成されている。そして、紙層2と中間層4の間、及び中間層4と接着性樹脂層6の間に必要により接着層3、接着層5を設け積層される。バリア層4bとしては防湿性、ガスバリア性を備え、液体用紙容器Aに充填される内容物の酸化劣化、味覚低下等を防止し化学的に保護する性質を備える層であり、バリア層4bは、基材層4aの上に設けられるアルミニウム等の金属蒸着層や、酸化アルミニウム、酸化珪素等の無機物を蒸着した蒸着層である。図2(ロ)に示す積層体C’はバリア層4cとしてアルミニウム等の金属箔を用いた例を示し、バリア層4bと同様の性質を備える。バリア層4cは基材層4aとドライラミネーション法や押出しラミネーション法で積層されるものである。積層体Cの中間層4のバリア層4bは、紙層2、接着層3側に積層しているが、バリア層4bを接着性樹脂層6、接着層5側に積層することもできる。積層体C’の中間層4のバリア層4cは、紙層2、接着層3側に積層する方が好ましい。また、図示しないがポリオレフィン系樹脂層1の紙層2側と反対側の表出面に印刷層を設けることもできる。
図2に示すように紙層2には第一の傷Dが設けられている。第一の傷Dは紙層2のみに設けられており、紙層2の一方の面から設けられ、その厚み方向の傷の深さは一方の面から紙層2の厚さの略1/2以上に至るように設けるのが好ましい。また、紙層2を貫通してもよいが、この場合には第一の傷Dの形状はミシン目とすること好ましい。
図2に示すように中間層4の基材層4aには第二の傷Eが設けられている。図3は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態に設ける第二の傷の傷痕群の2〜3の形状例を拡大して示す説明図である。図3(イ)には、第二の傷Eが傷痕e1’からなる傷痕群e1の例を示し、傷痕群e1を形成する傷痕e1’ は微細な切目が縦列して配された破線とされ、隣接する破線は並列して配され傷痕e1’の位置が千鳥状になるように配列されている。また、破線は複数列からなり傷痕e1’が千鳥状になるように配列されている。図3(ロ)は第二の傷E’が傷痕e2’からなる傷痕群e2の例を示し、傷痕群e2を形成する傷痕e2’が微細な点で形成されている。それ以外は図3(イ)と同じである。図3(ハ)は第二の傷E’’が傷痕e3’からなる傷痕群e3の例を示し、傷痕群e3を形成する傷痕e3’は一定の角度をなす微細な斜め切目からなり破線状に整列して配列されている。それ以外は図3(イ)と同じである。傷痕群e1、e2、e3は所定の領域を有して設けられている。
傷痕e1’’、e2’’、e3’’は中間層4の基材層4aを貫通してもよいし、未貫通でもよく、あるいは貫通部分と未貫通部分の両方が混在していてもよい。
紙層2に形成された第一の傷Dと、中間層4の基材層4aに形成された第二の傷E、E’、E’’と、が積層体C、C’の厚さ方向において略同位置に配されている。そうすることにより後述するが空の液体紙容器A’(図5参照)の頂部20’ (図6参照)と胴部10’ (図6参照)の分離が容易となる。
さらに厚さ方向に略同位置に形成された第一の傷Dと第二の傷Eは図1において胴部10と頂部20が連接される稜線またはその近傍に第一の傷Dは線状に第二の傷Eは帯状に第一の傷Dが第二の傷Eの領域内に位置するように設けられており、そうすることにより、より空の液体用紙容器A’(図5参照)の頂部20’と胴部10’の分離が容易となり好ましい。
つぎに本発明の液体用紙容器Aを作製するための積層体C、C’について説明する。表出面のポリオレフィン系樹脂層1としては低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン等の熱接着可能な樹脂が使用される。これらの樹脂を用いて押出しラミネーション法により第一の傷Dが設けられた紙層2の紙基材の上に積層され、第一の傷Dはポリオレフィン系樹脂層1で覆われる。
紙層2の紙基材としては250〜450g/m2 の坪量の板紙が使用される。
接着層3は、紙層2と中間層4を接着させる層であり、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフイン共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のポリオレフィン系樹脂が用いられ、押出しラミネーション法により紙層2と中間層4を積層する。厚さは、通常、10〜50μmである。
中間層4は、基材層4aとバリア層4bまたはバリア層4cとからなり、基材層4aには蒸着加工適性やラミネーション加工適性の観点から加工適性の優れた二軸延伸されたポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が用いられる。厚さは通常、4〜40μmであり、好ましくは9〜25μmである。バリア層4bとしては基材層4aの上に設けられる蒸着層であり、蒸着層は基材層4aを担体としてその上にアルミニウム等の金属や、酸化アルミニウム、酸化珪素等の無機物を蒸着することにより設けられる。また、バリア層4cとしては基材層4aの上に設けられるアルミニウム等の金属箔であり、その金属箔の厚さは6μm〜12μmである。基材層4aと金属箔のバリア層4cはドライラミネーション法や押出しラミネーション法で積層される。
接着層5は、接着層3と同じ樹脂を用いて押出しラミネーション法により中間層4と接着性樹脂層6を積層するためのものであり、その厚さは、通常、10〜50μmである。また、接着層5として接着剤にポリエステルポリオール−イソシアネート系、ポリエーテルポリオール−イソシアネート系、ウレタン−イソシアネート系等の主剤と硬化剤とからなる2液タイプのドライラミネート用接着剤を用いてドライラミネーション法により積層することもできる。ドライラミネーション法の場合、接着層5の塗布量は、通常、固形分重量1〜5g/m2 である。
接着性樹脂層6は、熱接着性樹脂が使用され、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等の樹脂を用いたフィルムが使用される。特に環状ポリオレフィン樹脂等を用いた易引裂き性もしくは直線カット性を付与したフィルムを用いることが好ましい。接着性樹脂層6の厚さは通常20〜100μmであり、接着層5の積層方法や内容物等の条件を加味して適宜決定される。
図4は本発明に係る液体用紙容器Aの一実施形態のブランクBを示す外側から見た平面図である。図4に示すようにブランクBは、筒状の胴部10を形成するための後面板11、側面板12、前面板13、側面板14及び接着板15が縦折罫(図4において上下方向)を介してそれぞれ連接され、それぞれの上端縁には頂部形成板21、22、23、24が横折罫(図4において左右方向)を介して連接され、それぞれの下端縁には底部30を形成するための底部形成板31、32、33、34が横折罫を介して連接され、側面板12及び側面板14の中央部には胴部折線10aがそれぞれ形成され、胴部折線10aは上から下に向かい縦方向に延びる直線と、下部では当該直線が斜め下に向かって二方向に分離した斜線とからなる。具体的には側面板12に形成された胴部折線10aの一方の斜線は底部形成板32の上端の底部形成板31側の角に向かい、他方の斜線は底部形成板32の上端の底部形成板33側の角に向かい延びている。側面板14に形成された胴部折線10aの一方の斜線は底部形成板34の上端の底部形成板33側の角に向かい、他方の斜線は底部形成板34の上端の接着板15側の角に向かい延びている。頂部形成板22、24の中央部には縦方向に延びる頂部折線20aがそれぞれ形成されている。なお、頂部折線20a及び胴部折線10aは、側面板12と頂部形成板22及び側面板14と頂部形成板24を連接する折罫に接せずに少し間隔をあけた状態で形成されている。そうすることにより液体用紙容器Aの変形が防止できるので好ましい。
同様の理由で胴部折線10aの下方の斜線も折罫に接することなく少し間隔をあけた状態で形成されている。胴部折線10a及び頂部折線20aは設ける方が好ましく、使用後の空の液体用紙容器A’の折り畳み操作が容易となる。
また、図4に示すように頂部形成板23に注出口栓取付孔25が設けられている。注出口栓取付孔25は、ゲーベルトップ型の液体用紙容器が作製される際に例えばプラスチックを射出成形した注出口栓26(図1参照)を取り付けるためのものである。注出口栓26は必要により取り付けられるものである。
本発明の液体用紙容器Aは積層体C、C’等を用いて押罫と切刃を備えた抜き型で打ち抜き図4に示すブランクBが作製される。折罫や胴部折線10aや頂部折線20aは打ち抜く際、押罫により同時に形成される。なお、図4において、折罫は一点鎖線、胴部折線10aや頂部折線20aは破線、第一の傷Dは点線、第二の傷Eは網目でそれぞれ示している。
本発明の液体用紙容器Aを構成するブランクBの積層体C、C’には第一の傷Dが横折罫(図4では左右方向)に平行して直線状に設けられている。第一の傷Dは後面板11、側面板12、前面板13、側面板14、接着板15を跨ぎ、ブランクBを横断して形成されているので組み立てると図1に示すように液体用紙容器Aの胴部10の全周に渡り一周するように設けられることになる。第一の傷Dを形成する位置は胴部10と頂部20が連接される位置、すなわち、後面板11と頂部形成板21、側面板12と頂部形成板22、前面板13と頂部形成板23、側面板14と頂部形成板24を連接する横折罫(以下、頂部形成用横折罫という。)及びそれに連結する接着板15に形成された頂部形成用横折罫の位置、乃至は当該頂部形成用横折罫の位置から下方に50mm以内の範囲に設けることができる。
より好ましい位置は頂部形成用横折罫から15mm以上離れた位置から35mm下方の範囲内である。
また、第一の傷Dは傷が連続するハの字状ミシン目形状にするのが好ましい。ハの字状ミシン目は頂部形成用横折罫に沿って並んで形成され数列設けることができる。第一の傷Dは紙基材にハーフカット加工を施すことにより設けることができ、紙層2にポリオレフィン系樹脂層1が積層される前に表出した面に施すとよい。
本発明の液体用紙容器Aを構成するブランクBの積層体C、C’には第二の傷Eが横折罫(図4では左右方向)に平行して帯状に所定の幅を有し設けられている。第一の傷Dは、所定の幅で帯状に形成された第二の傷Eの領域内で厚み方向において重なる位置に配されている。また、第一の傷Dと同様に第二の傷Eは、後面板11、側面板12、前面板13、側面板14、接着板15を跨ぎ、ブランクBを横断して形成されており、組み立てると図1に示すように液体用紙容器Aの胴部10の全周に渡り一周するように設けられることになる。第二の傷Eの領域内に第一の傷Dが重なる位置であれば特に形成位置は限定されない。第二の傷Eが帯状とされることで所定の領域を備えるので第一の傷Dと第二の傷Eの位置合わせが容易となるものである。帯状に形成された第二の傷Eの幅(上下方向の長さ)は5〜20mm程度である。第二の傷Eは所定の傷痕群の切刃を備えた傷痕群形成ロールを用いて基材層4aに傷加工を施すことにより設けることができ、中間層4が積層される前に施すのがよい。
図4に示すブランクBを、後面板11と接着板15とを熱接着して筒状に形成し、その後、後面板11、側面板12、前面板13、側面板14を縦折罫で折り曲げて四角筒状の胴部10を形成し、底部形成板31、32、33、34を折罫で折り曲げ熱接着することにより底部30を形成し、四角筒状の胴部10の一方の開口された下端を閉塞する。上端より内容物を充填した後に、頂部形成板21、22、23、24を折罫で折り曲げて頂部20を形成するとともに頂部形成板21、22、23、24及び接着板15の上端に延設された頂部接着部27’を熱接着することにより頂部接着部27(図1参照)を形成し、胴部10の上端を閉塞しゲーベルトップ型の液体用紙容器Aが製造される。頂部形成板22、24には折罫が斜めに形成されているが、これは頂部形成板22が折罫で折り込まれて頂部形成板21に隣接する三角部分が頂部形成板21に、頂部形成板23に隣接する三角部分が頂部形成板23にそれぞれ内面同志が重合され三角状の傾斜屋根を形成するものである。頂部形成板24も同様に三角状の傾斜屋根が形成される。
頂部接着部27において、内面は接着性樹脂層6同志が相互に対向して熱接着され強接着とされているので手で開封することが困難な状態とされている。また、頂部形成板21、23に延設された頂部接着部27’が頂部形成板22、24に延設された頂部接着部27’より外方に延びて長くなるように設けられており頂部接着部27の上端は頂部形成板21、23に延設された頂部接着部27’の内面同志が直接熱接着される構成となっている。なお、注出口栓26は内容物が充填される前の段階で注出口栓取付孔25に例えば超音波シール法等により熱接着し取り付けられる。
図5、図6は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態の作用を示す説明図である。図5、図6を参照しながら本発明の液体用紙容器Aの解体手順について説明する。液体用紙容器A(図1参照)は、先ず、図5(イ)に示す頂部形成板22の頂部折線20a及び胴部折線10aを内側に折り畳み、頂部形成板24についても同様に頂部折線20a及び胴部折線10aを内側に折り畳む。
次いで、図6(ロ)に示すように折り畳んだ状態とする。底部は図示しないが同様に胴部折線10aの下方の斜線近傍に親指を押し当てて、内方に押し込むことにより折り畳むことができる。
一方の手で折り畳まれた胴部10’、他方の手で折り畳まれた頂部20’を掴み、胴部10の全周に渡り形成された直線状の第一の傷Dを回動軸として図6(ロ)に示すように正転、逆転の動作を交互に繰り返すことにより、図6(ハ)に示すように直線状の第一の傷D及び第二の傷Eの部分で頂部20’と胴部10’に分離することができる。その後、頂部20’の注出口栓26の周囲を切り、取り注出口栓26を分離する。今まで解体が困難であった液体用紙容器も本発明により、第一の傷D及び第二の傷Eを厚さ方向において同位置となるように設けたので頂部20’が簡単に手で切り取ることができるようになり、使用後の空の液体用紙容器A’の解体及び注出口栓26の分別収集が容易となった。
次に、本発明について、実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
〔実施例1〕
紙層2に板紙382g/m2 を用い、所定の刃型を備えたカットロールで紙層2の所定位置にハーフカット加工を行い、第一の傷Dを設けた。板紙は巻取を繰り出しながらハーフカット加工を行い流れ方向に直線状に第一の傷Dを設け巻き取った。
中間層4として片面にアルミニウム蒸着された厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、所定の傷痕群の刃型を備えた傷痕群形成ロールでアルミ蒸着された面の反対側の面の所定位置に傷加工を行い、第二の傷Eを設けた。傷加工はアルミニウム蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムの巻取を繰り出しながら傷加工を行い流れ方向に帯状の第二の傷Eを設け巻き取った。第二の傷Eの流れ方向と直交する方向の幅は10mm幅とした。
紙層2の第一の傷Dを施した面と反対側の面と第二の傷Eを施した中間層4のアルミニウム蒸着面とを接着層3としてエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を用いTダイ押出機により溶融押出しし厚さ20μmで設け、第一の傷Dが第二の傷Eの幅領域内に位置するように見当合わせしてサンドラミネーションし、接着性樹脂層6として厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の無延伸フィルムを用い、接着層5としてエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を用いTダイ押出機により溶融押出しし厚さ20μmで設け、中間層4のアルミニウム蒸着面の反対側の面と接着性樹脂層6とを接着層5でサンドラミネーションした。
つぎに紙層2の第一の傷Dを施した面に低密度ポリエチレン樹脂をTダイ押出機により溶融押出しし、厚さ25μmのポリオレフィン系樹脂層1を積層した。なお、紙層2のポリオレフィン系樹脂層1側の面にはアンカーコートを積層時に施し、ポリオレフィン系樹脂層1の表出面には印刷適性を向上させるためコロナ処理を積層時にそれぞれ施し積層体Cを作製した。
その後、積層体Cのポリオレフィン系樹脂層1のコロナ処理面に印刷機で第一の傷Dが所定位置になるように見当合わせして絵柄、文字等の印刷を施し、所定の切刃、押罫、胴部折線10a、頂部折線20aを備えた打ち抜き型で打ち抜き、図4に示すブランクを作製した。なお、直線状に設けた第一の傷Dの位置は、後面板11と頂部形成板21、側面板12と頂部形成板22、前面板13と頂部形成板23、側面板14と頂部形成板24を連接する頂部形成用横折罫より20mm下方の胴部10側とし、後面板11、側面板12、前面板13、側面板14、接着板15に設けた。
その後、製函機を用いて側面板12と前面板13の間に施されたブランクBの上端から下端に至る縦折罫(図4の上下方向)及び側面板14と接着板15の間に施されたブランクBの上端から下端に至る縦折罫で折り曲げて接着板15の外面と後面板11の内面とをフレームで炙り熱接着し、側面板12と前面板13の間及び側面板14と接着板15の間で折り畳まれたスリーブ状に製函した。また、接着板15にはスカイブ・ヘミング加工を施しブランクBの端面が内容物と接することがないように端面処理を施した。
そして、製函されたスリーブ状の液体用紙容器を起函させ、注出口栓26を注出口栓取付孔25に取り付け組み立てて図1に示す液体用紙容器Aを作製した。
〔実施例2〕
中間層4として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に酸化珪素を蒸着したフィルムを用いた以外は実施例1と同様とした。
〔実施例3〕
中間層4として基材層4aに厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、バリア層4bに厚さ7μmのアルミニウム箔を用い、ウレタン系2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いてドライラミネーション法で積層したものを使用した以外は実施例1と同様とした。なお、バリア層4bのアルミニウム箔は接着層3側とした。
〔実施例4〕
中間層4に実施例1の第二の傷加工Eが施された片面にアルミニウム蒸着された厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、接着性樹脂層6に厚さ60μmの低密度ポリエチレン樹脂の無延伸フィルムを用い、先に中間層4のアルミニウム蒸着面と接着性樹脂層6をウレタン系2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いてドライラミネーション法で積層した以外は実施例1と同様にした。
〔実施例5〕
中間層4に実施例2の第二の傷加工Eが施された片面に酸化珪素を蒸着した厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、接着性樹脂層6に厚さ60μmの低密度ポリエチレン樹脂の無延伸フィルムを用い、先に中間層4の酸化珪素蒸着面と接着性樹脂層6をウレタン系2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いてドライラミネーション法で積層した以外は実施例1と同様にした。
〔実施例6〕
中間層4に実施例3の第二の傷加工Eが施された厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと厚さ7μmのアルミニウム箔の積層体を用い、接着性樹脂層6に厚さ60μmの低密度ポリエチレン樹脂の無延伸フィルムを用い、先に中間層4の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム面と接着性樹脂層6をウレタン系2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いてドライラミネーション法で積層した以外は実施例1と同様にした。
〔比較例1〕
中間層4に第二の傷Eを設けなかった以外は実施例1と同様にした。
〔比較例2〕
紙層2に第一の傷Dを設けなかった以外は実施例1と同様にした。
上記で作製した実施例1〜6、及び比較例1、2の液体用紙容器について前記解体方法で解体性を評価したところ、実施例1〜6の液体用紙容器については往復折り曲げ操作を数回繰り返すと頂部と胴部に分離することができた。比較例1、2の液体用紙容器では折り曲げ操作を往復20回繰り返しても分離不可能であった。
A、A’ 液体用紙容器
B ブランク
C、C’ 積層体
D 第一の傷
E、E’、E’’ 第二の傷
e1、e2、e3 傷痕群
e1’、e2’ 、e3’ 傷痕
1 ポリオレフィン系樹脂層
2 紙層
3、5 接着層
4 中間層
4a 基材層
4b、4c バリア層
6 接着性樹脂層
10、10’ 胴部
10a 胴部折線
11 後面板
12、14 側面板
13 前面板
15 接着板
20、20’ 頂部
20a 頂部折線
21、22、23、24 頂部形成板
25 注出口栓取付孔
26 注出口栓
27、27’ 頂部接着部
30 底部
31、32、33、34 底部形成板

Claims (3)

  1. 厚さ方向にポリオレフィン系樹脂層、紙層、中間層、接着性樹脂層を備えた積層体で構成され、前面板と後面板と両側面板が連接状態の筒状の胴部と、前記前面板と前記後面板と前記両側面板に連接状態の頂部形成板で前記胴部の上端を閉塞する頂部と、前記前面板と前記後面板と前記両側面板に連接状態の底部形成板で前記胴部の下端を閉塞する底部からなるゲーベルトップ型の液体用紙容器であって、
    前記紙層は第一の傷を有し、
    前記第一の傷の深さは、前記紙層の厚さ方向に一方の面から前記紙層の厚さの1/2以上であり、
    前記第一の傷の形成位置は、前記頂部と前記胴部を連接する稜線より下方に15mm乃至50mmの範囲内であり、
    前記中間層は蒸着層からなるバリア層と基材層を備え、前記蒸着層は前記紙層の側に位置しており、前記基材層は傷痕群からなる第二の傷を有し、
    前記傷痕群は、微細な切目からなり3列以上の複数列からなる領域を有しており、
    前記第一の傷と前記第二の傷が厚さ方向において略同位置に配されていることを特徴とする液体用紙容器。
  2. 前記第一の傷及び前記第二の傷が前記前面板、前記後面板、及び前記両側面板を跨ぎ、前記胴部の全周に延びる線状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器。
  3. 前記胴部の両側面板及び前記両側面板に連接する前記頂部の頂部形成板の中央部にそれぞれ、前記胴部を折り畳むための胴部折線及び前記頂部を折り畳むための頂部折線が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体用紙容器。
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