JP6832757B2 - プラズマ処理装置及びシーズニング方法 - Google Patents

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Description

本発明の種々の側面及び実施形態は、プラズマ処理装置及びシーズニング方法に関するものである。
従来から、プラズマを用いて被処理体にプラズマ処理を行うプラズマ処理装置が知られている。このようなプラズマ処理装置では、例えば、処理容器の内部に、処理ガスを射出し、処理ガスに対してプラズマ生成用の電圧を印加してプラズマを生成して、被処理体に対してプラズマによるエッチングや成膜といった種々のプラズマ処理を行う。処理容器は、例えば、アルミニウムにより形成されるが、被処理体に対する金属汚染を抑制するため、アルマイト処理などの酸化処理が行われ、表面に絶縁性の酸化被膜が形成されている。また、プラズマ処理装置では、処理容器の側壁に、被処理体の搬入出用のシャッターなどの搬送路が形成されている。
特開2007−165659号公報
プラズマ処理装置は、処理容器のプラズマ処理が行われる側の表面に導電性の金属膜が形成される場合がある。例えば、プラズマ処理装置では、処理容器の電気の流れを均一にするため、シャッター部分に導電性の金属膜が形成される。
しかしながら、プラズマ処理装置は、金属膜を形成した場合、金属膜からの金属汚染が発生する。
開示するプラズマ処理装置は、1つの実施態様において、処理容器と、制御部とを有する。処理容器は、プラズマが生成される空間側の表面に導電性の金属膜が形成されている。制御部は、処理容器内に、フッ素含有ガスを射出し、フッ素含有ガスに対して電圧を印加してプラズマを生成するシーズニングを行う。
開示するプラズマ処理装置の1つの態様によれば、金属膜からの金属汚染を抑制できるという効果を奏する。
図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 図2は、一実施形態に係るプラズマ処理装置のシャッター付近の構成を示す拡大図である。 図3は、一実施形態に係るシールド部材の斜視図である。 図4は、図3に示すシールド部材の一部を拡大して示す破断斜視図である。 図5は、一実施形態に係るシャッターの分解斜視図である。 図6は、シーズニングによる金属膜の化学的な変化を模式的に示した図である。 図7は、金属膜のシーズニング前後の成分の一例を示した図である。 図8は、フッ化被膜による金属汚染の低減効果の一例を示した図である。 図9は、フッ化被膜生成の加速の効果の一例を示した図である。 図10は、一実施形態に係るシーズニング方法の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本願の開示するプラズマ処理装置及びシーズニング方法の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付すこととする。また、本実施形態により開示する発明が限定されるものではない。各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[プラズマ処理装置の構成]
図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。図1においては、プラズマ処理装置の縦断面が概略的に示されている。図1に示すプラズマ処理装置10は、被処理体にプラズマ処理を行うための装置である。一実施形態において、被処理体は、例えば、ウエハWとする。
プラズマ処理装置10は、処理容器12を備えている。処理容器12は、その内部において、プラズマが生成される処理空間Sを画成している。プラズマ処理装置10では、処理空間SにウエハWが収容され、当該ウエハWに対するプラズマ処理が施される。
一実施形態において、処理容器12は、側壁12a、底部12b、及び、天部12cを含んでいる。側壁12a、底部12b、及び、天部12cは、例えば、アルミニウムにより形成されるが、ウエハWに対する金属汚染を抑制するため、アルマイト処理などの酸化処理が行われ、表面に絶縁性の酸化被膜が形成されている。側壁12aは、略円筒形状を有している。この側壁12aは、その中心軸線である軸線Zを中心にして鉛直方向に延在している。以下、本明細書では、軸線Zが延在する方向を、「軸線Z方向」、「鉛直方向」、「上下」ということがある。また、軸線Zに対して放射方向を「径方向」ということがある。さらに、軸線Zを中心とする円弧に沿った方向を「周方向」ということがある。
側壁12aの下端側には底部12bが設けられており、当該側壁12aの上端側には天部12cが設けられている。また、側壁12aには、ウエハWを処理容器12内に搬入し、処理容器12の内部からウエハWを搬出するための搬送路CPが形成されている。この搬送路CPは、ゲートバルブGVによって開閉することが可能となっている。
プラズマ処理装置10は、載置台20を更に備えている。載置台20は、処理容器12内に配置されている。処理容器12には、載置台20を囲むように、処理容器12の側壁12aの内面に沿ってシールド部材60が設けられている。シールド部材60は、プラズマ処理によって発生する反応生成物が側壁12aの内面に堆積することを防止するための部材である。シールド部材60は、略円筒形状の部材であり、その中心軸線は軸線Zに略一致し、処理容器12を構成する。このシールド部材60には、搬送路CPに対面する開口OP(図2及び図3参照)が形成されている。
図1に示すように、処理容器12内には、シールド部材60の開口OPを開閉するためのシャッター70が設けられている。シャッター70は、昇降可能である。シャッター70は、駆動装置40に接続されている。駆動装置40は、シャッター70を上下に移動させる。具体的には、シャッター70は、プラズマ処理時など、開口OPを閉鎖する場合には、第1領域に位置する。一方、シャッター70は、ウエハWの搬入出時など、開口OPを搬送路CPに対して開放する場合には、第2領域に位置する。この第2領域は、第1領域よりも下方の領域である。なお、シールド部材60及びシャッター70の詳細については、後述する。
載置台20は、下部電極LE、及び、静電チャックESCを含んでいる。下部電極LEは、マッチングユニットMUを介して、高周波電源RFGに接続されている。高周波電源RFGは、イオン引き込み用の高周波電力(高周波バイアス電力)を発生する。静電チャックESCは、下部電極LE上に設けられている。静電チャックESCは、その上面に載置されたウエハWをクーロン力によって吸着して、当該ウエハWを保持する。
一例において、下部電極LEは、第1プレート22a及び第2プレート22bを含んでいる。第1プレート22aは、略円盤状の部材である。また、第1プレート22aは、導電性の部材であり、例えば、アルミニウムから構成されている。この第1プレート22aは、略筒状の支持部SP1によって支持されている。支持部SP1は、底部12bから上方に延びており、第1プレート22aの下面の周縁領域に当接している。この支持部SP1は、石英といった絶縁体から構成されている。
第2プレート22bは、第1プレート22a上に設けられている。第2プレート22bは、略円盤状の部材である。また、第2プレート22bは、導電性の部材であり、例えば、アルミニウムから構成されている。この第2プレート22bは、第1プレート22aに導通している。
第1プレート22aには、マッチングユニットMUを介して高周波電源RFGが電気的に接続されている。高周波電源RFGは、ウエハWに引き込むイオンのエネルギーを制御するのに適した一定の周波数、例えば、13.65MHzの高周波バイアス電力を出力する。マッチングユニットMUは、高周波電源RFG側のインピーダンスと、主に電極、プラズマ、処理容器12といった負荷側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合器を収容している。この整合器の中に自己バイアス生成用のブロッキングコンデンサが含まれている。
第2プレート22bの内部には、冷媒室RCが設けられている。この冷媒室RCには、チラーユニットから配管PP1,PP2を介して所定の温度の冷媒、例えば、冷却水が循環するように供給される。このように循環する冷媒によって、静電チャックESC上のウエハWの温度が、制御され得る。さらに、伝熱ガス供給部からの伝熱ガス、例えば、Heガスが供給管PP3を介して静電チャックESCの上面とウエハWの裏面との間に供給される。
静電チャックESCは、第2プレート22bの上面の上に設けられている。静電チャックESCは、略円盤形状を有している。静電チャックESCは、ウエハWを静電吸着力で保持する。そのため、静電チャックESCは、誘電体膜の間に挟まれた電極膜EFを含んでいる。電極膜EFには、直流電源DSがスイッチSWを介して電気的に接続されている。静電チャックESCは、直流電源DSから印加される直流電圧により発生するクーロン力によって、その上面にウエハWを吸着し、当該ウエハWを保持することができる。
また、静電チャックESCの誘電体膜内には、ヒータHC及びヒータHEが設けられている。ヒータHCは、静電チャックESCの中央領域に設けられている。ヒータHCには、ヒータ電源HP1が接続されている。ヒータ電源HP1は、ヒータHCに対して交流電力を供給する。ヒータHEは、ヒータHCよりも径方向外側に設けられている。ヒータHEには、ヒータ電源HP2が接続されている。ヒータ電源HP2は、ヒータHEに交流電力を供給する。
また、静電チャックESC及び下部電極LEには、これらを鉛直方向に貫通する貫通孔が形成されており、当該貫通孔には、プッシャーピンLPが通されている。プッシャーピンLPは、ウエハWの搬入出時に上昇し、その上端においてウエハWを支持する。
また、静電チャックESCの径方向外側には、フォーカスリングFRが設けられている。フォーカスリングFRは、静電チャックESCを囲むように、静電チャックESCのエッジ及びウエハWのエッジに沿って環状に延在している。フォーカスリングFRは、石英といった誘電体から構成されている。フォーカスリングFRは、ウエハWのエッジの外側におけるシース電位を調整するために設けられており、ウエハWのプラズマ処理の面内均一性に寄与する。
フォーカスリングFRの下方には、筒状部TP1が設けられている。筒状部TP1は、アルミナといった絶縁体から構成されている。筒状部TP1は、円筒形状を有しており、下部電極LEの外周面に沿って延在している。なお、筒状部TP1の表面には、酸化処理が施されて酸化被膜が形成されていてもよい。或いは、筒状部TP1の表面には、イットリア(Y2O3)製の膜が形成されていてもよい。
筒状部TP1とフォーカスリングFRとの間には、環状部APが設けられている。環状部APは、アルミナといった絶縁体から構成されている。環状部APは、第2プレート22bの外周面に沿って環状に延在している。この環状部APの上面は、フォーカスリングFRの下面に接している。また、環状部APの下部は、直径が小さく形成されており、下部の周囲に筒状部TP1が設けられている。環状部AP及び筒状部TP1の下方には、支持部SP1が設けられている。
筒状部TP1の外周面及び環状部APの外周面から側壁12a及びシールド部材60までの間の空間は、排気路VLになっている。排気路VLは、底部12bまで延びており、当該底部12bに取り付けられた排気管を介して排気装置30に接続されている。排気装置30は、圧力調整器、及びターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有している。この排気装置30を動作させることにより、載置台20の外周から排気路VLを介してガスを排気することができ、また、処理容器12内の処理空間Sを所望の真空度まで減圧することができる。
鉛直方向において排気路VLの中間には、バッフル板BPが設けられている。バッフル板BPは、軸線Zを中心として環状に延在する円錐状の部材である。このバッフル板BPには、複数の貫通孔が形成されている。このバッフル板BPの内側縁部は、筒状部TP1と底部12bとの間に設けられている。また、バッフル板BPの外側縁部は、シールド部材60によって支持されている。
また、プラズマ処理装置10は、プラズマ生成部PG及びガス供給部GSを更に備えている。プラズマ生成部PGは、ガス供給部GSから供給されるガスを励起させるためのエネルギーを処理容器12内に導入する。一実施形態において、プラズマ生成部PGは、天部12cに設けられている。一例において、プラズマ生成部PGは、マイクロ波を処理容器12内に導入する。プラズマ生成部PGは、容量結合型のプラズマ源であってもよい。この場合には、プラズマ生成部PGは、上部電極であってもよい。プラズマ生成部PGが上部電極である場合には、プラズマ生成用の高周波電力を発生する高周波電源は、上部電極及び下部電極LEのうち一方に接続され得る。或いは、プラズマ生成部PGは、誘導結合型のプラズマ源であってもよい。或いは、プラズマ生成部PGは、マイクロ波供給部であってもよい。
ガス供給部GSは、処理容器12内にガスを供給する。このガスがプラズマ生成部PGによって与えられるエネルギーによって励起され、励起されたガスによりプラズマ処理が行われる。一例においては、図1に示すように、ガス供給部GSは、ガス導入管50を有する。ガス導入管50は、処理容器12の外部から内部まで延在している。ガス導入管50には、ガスソース52が接続されている。ガスソース52は、ウエハWに対して行うプラズマ処理に応じたガスを流量制御された状態で供給する。なお、ガス供給部GSは、図1に示された形態に限定されるものではない。例えば、ガス供給部GSは、ガス導入管50に代えて、又は、これに加えて、天部12cからガスを供給するものであってもよい。また、プラズマ生成部PGが上部電極である場合には、ガス供給部GSは、上部電極によって構成されるシャワーヘッドであってもよい。
上記のように構成されたプラズマ処理装置10は、制御部100によって、その動作が統括的に制御される。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)を有しプラズマ処理装置10の各部を制御するプロセスコントローラ101と、ユーザインターフェイス102と、記憶部103とを備える。
ユーザインターフェイス102は、オペレータがプラズマ処理装置10を操作するためのコマンド等の入力に用いられるキーボードや、プラズマ処理装置10の稼動状況を可視化して表示するディスプレイ等を含む。ユーザインターフェイス102は、各種の操作を受け付ける。例えば、ユーザインターフェイス102は、後述するシーズニングの開始を指示する所定操作を受け付ける。
記憶部103には、プラズマ処理装置10で実行される各種処理をプロセスコントローラ101が実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や、処理条件のデータ等が記憶されたレシピが格納されている。プロセスコントローラ101は、記憶部103内に記憶された制御プログラムを読み出し、読み出した制御プログラムに基づいて動作する。そして、プロセスコントローラ101は、ユーザインターフェイス102を介して受け付けた指示等に応じて、レシピ等を記憶部103から読み出し、読み出したレシピ等に基づいてプラズマ処理装置10を制御する。これにより、プラズマ処理装置10によって所望の処理が行われる。また、プロセスコントローラ101は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体などに格納された制御プログラムやレシピ等を、当該記録媒体から読み出して実行することも可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体とは、例えば、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等である。また、プロセスコントローラ101は、他の装置の記憶部内に格納された制御プログラムやレシピ等を、例えば通信回線を介して当該他の装置から取得して実行することも可能である。
例えば、プラズマ処理装置10においてウエハWにプラズマ処理を行う場合、制御部100は、プラズマ処理装置10に対して例えば以下の制御を行う。
制御部100は、駆動装置40を制御して、シャッター70を下方の第2領域に移動させることにより、開口OPの内側を開放する。そして、制御部100は、ゲートバルブGVを開放する。これにより、開口OPを介して静電チャックESC上に処理対象となるウエハWが搬入される。
次に、制御部100は、ゲートバルブGVを閉じる。そして、制御部100は、駆動装置40を制御して、シャッター70を上方の第1領域に移動させることにより、開口OPの内側を閉じる。そして、制御部100は、スイッチSWをオンに制御し、静電チャックESCにウエハWを吸着させる。
次に、制御部100は、排気装置30を稼働させ、処理容器12内の処理空間S内を所望の真空度まで真空排気する。そして、制御部100は、ガスソース52を制御して、ガス導入管50を介して処理容器12内に所定の流量の処理ガスを供給する。
そして、制御部100は、処理容器12の内部に、処理ガスを射出し、処理ガスに対してプラズマ生成用の電圧を印加してプラズマを生成して、ウエハWに対してプラズマ処理を行う。例えば、制御部100は、高周波電源RFGに所定の高周波電力を発生させ、下部電極LEに印加させると共に、プラズマ生成部PGを制御し、ガス供給部GSから供給されるガスを励起させるためのエネルギーを処理容器12内に導入する。これにより、処理空間Sに、処理ガスのプラズマが生成される。そして、処理空間Sに生成されたプラズマに含まれるイオンやラジカルにより、静電チャックESC上のウエハWにエッチング等の所定の処理が行われる。
[シールド部材及びシャッターの構成]
次に、シールド部材60及びシャッター70の詳細な構成について説明する。図2は、一実施形態に係るプラズマ処理装置のシャッター付近の構成を示す拡大図である。図2の例は、シャッター70が第1領域に位置してシールド部材60の開口OPを閉鎖している状態を示している。また、図3は、一実施形態に係るシールド部材の斜視図である。図4は、図3に示すシールド部材の一部を拡大して示す破断斜視図である。また、図5は、一実施形態に係るシャッターの分解斜視図である。
図3に示すように、シールド部材60は、本体60mを有している。本体60mは、略円筒形状を有しており、図1に示すように、その中心軸線が軸線Zに略一致するように側壁12aに沿って設けられている。
一実施形態において、図2、図3、及び図4に示すように、本体60mは、フランジ部60fを含んでいる。フランジ部60fは、本体60mの最上部を構成している。フランジ部60fは、本体60mの外径を当該本体60mの最上部において拡大している。このフランジ部60fは、図2に示すように、側壁12aによって支持されている。具体的には、側壁12aは上下に分離可能な二つのパーツを含んでおり、これら二つのパーツ間にフランジ部60fは挟持されている。
また、本体60mは、図2、図3、及び図4に示すように、下部60bを含んでいる。下部60bは、本体60mの最下部を構成している。下部60bは、高さ方向、即ち軸線Zが延在する方向(以下、「軸線Z方向」という)に所定の厚みを有し、本体60mの最下部において当該本体60mの内径及び外径を縮小している。
本体60mには、開口OPが形成されている。この開口OPは、図2に示すように、搬送路CPに面するように設けられている。図2、図3、及び図4に示すように、本体60mは、この開口OPを上方及び周方向の両側から囲む薄肉部60cを含んでいる。また、本体60mは、薄肉部60cの上側及び周方向の両側において本体60mを構成する厚肉部60dを含んでいる。この薄肉部60cの径方向の厚みは、厚肉部60dの当該径方向の厚みよりも薄くなっている。また、薄肉部60cの内周面及び厚肉部60dの内周面は連続しており、本体60mの内周面60iを構成している。したがって、薄肉部60cの外周面は、厚肉部60dの外周面よりも、軸線Zに近づけられている。
薄肉部60cは、端面60t1及び一対の端面60t2を有している。端面60t1は、開口OPの上方において周方向に延びており、下方を向いた面となっている。また、一対の端面60t2は、端面60t1の周方向の両縁から鉛直方向に延びており、周方向に交差する面となっている。これら端面60t1,60t2と本体60mの内周面60iとの間の境界である縁60eは、開口OPを上方から画成するよう周方向に延在しており、また、開口OPを周方向の両側から画成するよう鉛直方向に延在している。また、開口OPは、下部60bの縁60gによって下方から画成されている。この縁60gは、下部60bの外周面の上縁を構成している。
図4に示すように、厚肉部60dは、端面60p1及び一対の端面60p2を有している。端面60p1は、周方向に延びる面であり、下方を向いた面となっている。端面60p1は、端面60t1よりも上方且つ径方向外側において延在している。また、一対の端面60p2は、端面60p1の周方向の両縁から鉛直方向に延びており、周方向に交差する面となっている。一対の端面60p2は、一対の端面60t2よりも周方向において開口OPから離れており、また、一対の端面60t2よりも径方向外側において延在している。
下部60bの外周面は、薄肉部60cの内周面、即ち内周面60iよりも軸線Zに若干近づけられている。即ち、下部60bの外周面の軸線Zからの距離は、内周面60iの軸線Zからの距離よりも小さくなっている。この下部60bの外周面、薄肉部60cの端面60t1,60t2、及び、厚肉部60dの端面60p1,60p2は、シャッター70が上下動して当該シャッター70の第1部分70aが収容される空間を画成している。
シールド部材60は、例えば、アルミニウムから構成されている。なお、シールド部材60の表面には、酸化処理が施されて酸化被膜が形成されていてもよい。或いは、シールド部材60の表面には、イットリア(Y2O3)製の膜が形成されていてもよい。
ところで、処理容器12は、プラズマ処理を行うため、電気的特性が均一であることが好ましい。例えば、処理容器12は、電流の流れが均一であることが好ましい。しかし、シールド部材60は、酸化被膜やイットリア(Y2O3)膜が形成された場合、開口OP付近でシャッター70と絶縁されるため、電気的特性が不均一となる。
そこで、シールド部材60には、シャッター70と電気的に導通するために導電性の金属膜が形成されている。例えば、シールド部材60には、下部60bの下面側に、周方向に延在する金属膜62aが形成されている。また、シールド部材60には、端面60p1に、周方向に延在する金属膜62bが形成されている。金属膜62a,62bに用いる金属は、導電性の金属であればよく、例えば、ハステロイ、SUS(ステンレス鋼)、アルミ、ニッケル、クロムが挙げられる。例えば、下部60bの下面及び端面60p1に、ハステロイを溶射して金属膜62a,62bを形成する。
図5に示すように、シャッター70は、第1部分70a及び第2部分70bを有している。第1部分70aは、シャッター70が開口OPを閉鎖するときに、当該開口OPに対面する部分である。第1部分70aは、例えば、アルミニウムから構成されている。第1部分70aの表面には、酸化処理が施されて酸化被膜が形成されていてもよい。或いは、第1部分70aの表面には、イットリア(Y2O3)製の膜が形成されていてもよい。
第1部分70aは、周方向に延在する板状をなしている。一実施形態では、第1部分70aは、厚肉部70c及び薄肉部70dを含んでいる。厚肉部70cは、内面、及び、当該内面よりも軸線Zから遠い外面を含んでいる。厚肉部70cの内面の曲率半径は、軸線Zからの開口OPまでの距離と略一致している。また、厚肉部70cは、端面70t1及び一対の端面70t2を含んでいる。端面70t1は、厚肉部70cの上端の面であり、周方向に延びており、上方を向いた面となっている。また、一対の端面70t2は、端面70t1の周方向の両縁から鉛直方向に延びており、周方向に交差する面となっている。
薄肉部70dは、厚肉部70cの径方向外側の領域から周方向及び上方に突出するように設けられている。この薄肉部70dは、端面70p1及び一対の端面70p2を含んでいる。端面70p1は、薄肉部70dの上端の面であり、周方向に延びており、上方を向いた面となっている。この端面70p1は、端面70t1よりも上方且つ径方向外側において延在している。また、一対の端面70p2は、端面70p1の周方向の両縁から鉛直方向に延びており、周方向に交差する面となっている。一対の端面70p2は、一対の端面70t2よりも径方向外側に設けられており、第1部分70aの周方向の中心に対して、一対の端面70t2よりも離れている。
第2部分70bは、第1部分70aの下端に結合している。第2部分70bは、一実施形態では、アルミニウムから構成されている。第2部分70bの表面には、酸化処理が施されて酸化被膜が形成されていてもよい。或いは、第2部分70bの表面には、イットリア(Y2O3)製の膜が形成されていてもよい。この第2部分70bは、周方向に延在する板状をなしている。第2部分70bの径方向の長さは、第1部分70aの径方向の長さよりも長くなっている。第1部分70aは、当該第1部分70aの下端が第2部分70bの径方向外側の領域上に位置するように、設置される。即ち、第2部分70bは、径方向外側の領域において、第1部分70aを搭載する。第1部分70aと第2部分70bは、互いにねじ留めされることにより、結合される。換言すると、第1部分70a及び第2部分70bは、互いに分離可能な構造となっている。
シャッター70には、シールド部材60と電気的に導通するために導電性の金属膜が形成されている。例えば、第2部分70bの径方向内側の領域70rの上面側には、金属膜70gが形成されている。また、第1部分70aの端面70p1には、金属膜70hが形成されている。金属膜70gは、周方向に延在し、シャッター70が第1領域に位置した際に、シールド部材60の金属膜62aと接触する位置に形成されている。金属膜70hは、周方向に延在し、シャッター70が第1領域に位置した際に、シールド部材60の金属膜62bと接触する位置に形成されている。金属膜70g及び金属膜70hに用いる金属は、導電性の金属であればよく、例えば、ハステロイ、SUS(ステンレス鋼)、アルミ、ニッケル、クロムなどが挙げられる。例えば、第2部分70bの領域70rの上面側及び第1部分70aの端面70p1に、ハステロイを溶射して金属膜70h、70gを形成する。
かかるシャッター70によって開口OPを閉鎖する際には、当該シャッター70は、第2領域から上方に移動され第1領域に配置される。第1領域においてシャッター70が配置されると、図2に示すように、シャッター70の第1部分70aは、開口OPに対面するようになっている。具体的には、第1部分70aの厚肉部70cの内面が開口OPに沿うようになっている。この状態において、第1部分70aの端面70t1は、シールド部材60の端面60t1に対して対面する。また、第1部分70aの一対の端面70t2はそれぞれ、シールド部材60の一対の端面60t2に対面する。また、第1部分70aの端面70p1は、シールド部材60の端面60p1に対して対面する。これにより、シャッター70の第1部分70aの端面70p1に形成された金属膜70hが、シールド部材60の端面60p1に形成された金属膜62bと接触して、シールド部材60とシャッター70の第1部分70aとが電気的に接続される。
また、シャッター70が第1領域に配置されているときには、第1部分70aの一対の端面70p2はそれぞれ、シールド部材60の一対の端面60p2に対面する。さらに、シャッター70の端面70t1と端面70p1の間、及び、一対の端面70p2と一対の端面70p2の間を接続する面が、シールド部材60の端面60t1と端面60p1の間、及び、一対の端面60t2と一対の端面60p2の間を接続する面と、対面する。
また、シャッター70が第1領域に配置されているときには、シャッター70の第2部分70bが、シールド部材60の下部60bに下方から対面する。これにより、シャッター70の第2部分70bに形成された金属膜70gが、シールド部材60の下部60bに形成された金属膜62aと接触して、シールド部材60とシャッター70の第2部分70bとが電気的に接続される。
プラズマ処理装置10は、シャッター70とシールド部材60との接触部分にハステロイで金属膜62a,62b、金属膜70g,70hを形成することで、接触部分の耐摩耗性および耐腐食性を向上させることができる。
ところで、シャッター70とシールド部材60の間には、若干の隙間が発生する。このため、プラズマ処理装置10では、ウエハWに対してプラズマ処理を行った場合、金属膜62a,62b、金属膜70g,70hなどの金属膜からの金属汚染がウエハWに発生する。例えば、金属膜62a,62b、金属膜70g,70hとしてハステロイを用いた場合、Cr(クロム)による金属汚染がウエハWに発生する。
そこで、プラズマ処理装置10は、金属汚染の抑制として、処理容器12内の金属材料の表面にフッ化被膜を生成するシーズニングを行う。例えば、プラズマ処理装置10は、処理容器12内にフッ素含有ガスを射出し、フッ素含有ガスに対して電圧を印加してプラズマを生成するシーズニングを行う。
ところで、フッ素含有ガスのみでは、フッ化被膜の生成に時間がかかる。そこで、プラズマ処理装置10は、フッ素及び臭素を含有するガスを用いてプラズマを生成する、または、フッ素含有ガスの前に臭素含有ガスを用いてプラズマを生成するシーズニングを行う。フッ素含有ガスとしては、例えば、CF4(四フッ化炭素)、C4F8(オクタフルオロシクロブタン)、SF6(六フッ化硫黄)が挙げられる。臭素含有ガスとしては、例えば、HBr(臭化水素)が挙げられる。臭素含有ガスは、エッチング等で用いられる臭素を含有した処理ガスであってもよく、処理ガスとは異なり、臭素のみを含有したガスであってもよい。すなわち、
例えば、プラズマ処理装置10は、フッ素含有ガスと臭素含有ガスを交互に用いてプラズマの生成を複数回繰り返すシーズニングを行う。一実施形態において、プラズマ処理装置10は、HBr含有ガスを用いてプラズマを生成した後、CF4含有ガスを用いてプラズマを生成することを複数回繰り返すシーズニングを行う。
プラズマ処理装置10は、ユーザインターフェイス102から、フッ化被膜を生成するシーズニングの開始を指示する所定操作を受け付ける。オペレータは、例えば、プラズマ処理装置10を新規に設置した場合や、処理容器12内が洗浄されて金属膜上のフッ化被膜が除去された場合など、フッ化被膜の生成が必要なタイミングで、ユーザインターフェイス102に対して、フッ化被膜を生成するシーズニングの開始を指示する所定操作を行う。
プラズマ処理装置10の制御部100は、シーズニングの開始を指示する所定操作を受け付けると、所定の終了条件を満たすまで、HBr含有ガスを用いてプラズマを生成した後、CF4含有ガスを用いてプラズマを生成することを複数回繰り返すシーズニングを行う。終了条件は、回数として、予め設定されていてもよく、ユーザインターフェイス102から、回数を入力させてもよい。また、終了条件は、金属汚染量の許容値として、予め設定されていてもよく、ユーザインターフェイス102から、許容値を入力させてもよい。
[シーズニングによる金属膜の変化]
次に、シーズニングによる金属膜の変化を説明する。図6は、シーズニングによる金属膜の化学的な変化を模式的に示した図である。金属膜は、溶射されたハステロイの金属膜であるものとする。図6の(A)は、シーズニング前の状態を示している。図6の(B)は、シーズニング後の状態を示している。図6の(A)に示すように、ハステロイの金属膜は、表面が酸化されている。例えば、Crは、酸化されたCr2O3の状態で存在する。この状態で、例えば、腐食性ガスを用いたプラズマ処理が行われた場合、Cr2O3がCrOFとなって飛散して、ウエハWに金属汚染が発生する。
一方、シーズニングを行った場合、図6の(B)に示すように、ハステロイの金属膜は、表面にフッ化被膜が生成されている。例えば、Crは、フッ化されたCrF2の状態で存在する。この状態で、例えば、プラズマ処理が行われた場合、フッ化被膜が保護膜となって金属反応が抑制されるため、ウエハWに対する金属汚染の発生を抑制できる。
図7は、金属膜のシーズニング前後の成分の一例を示した図である。図7は、シーズニング前の金属膜とシーズニング後の金属膜をそれぞれ検出領域φ100μmとし、検出領域φの検出の深さ4〜5nmをXPS(X線光電分光法)により表面分析を行った結果の一例を示している。図7に示すように、シーズニング前の金属膜は、Ni、Cr、Mo、Ni2O3、Cr2O3、MoO3などが存在する。また、シーズニング前の金属膜は、Niが13.1%、Crが12.4%、Moが4.3%、Oが70.2%存在する。一方、シーズニング後の金属膜は、NiF2、CrF2、MoO3などが存在する。また、シーズニング後の金属膜は、Niが23.1%、Crが4.5%、Moが1.1%、Oが30.4%、Fが40.9%存在する。
ところで、上述のように、フッ素含有ガスのみでは、フッ化被膜の生成に時間がかかるが、臭素含有ガスを用いることで、フッ化被膜の生成を加速させることができる。
フッ素及び臭素含有ガスを用いたフッ化被膜の生成の加速の一例を説明する。以下では、ハステロイの金属膜にHBr含有ガスを用いてプラズマを生成した後、CF4含有ガスを用いてプラズマを生成する場合の化学変化を例に説明する。
プラズマ処理装置10は、新規に設置した場合やメンテナンスにより処理容器12内を大気に開放した場合などにより、処理容器12内の部材上に水分が付着している。プラズマ処理装置10では、HBr含有ガスを用いてプラズマを生成すると、HBrが部材上の水分と反応し、以下の(1)に示すように臭化水素酸(酸性の水溶液)が発生する。
HBr+H2O→HBr_aqua (1)
そして、プラズマ処理装置10では、臭化水素酸がハステロイのCrと反応し、以下の(2)に示すように中間生成物が発生する。
6HBr_aqua+2Cr→2CrBr3(中間生成物)+3H2↑ (2)
この中間生成物は、不安定であるが、プラズマ処理装置10では、CF4含有ガスを用いてプラズマを生成すると、以下の(3)に示すようにFと切替わることで、フッ化を加速すると推測される。
2CrBr3+CF4+3H2O→2CrF2+CO↑+O2↑+6HBr↑ (3)
[フッ化被膜による金属汚染の低減効果]
次に、フッ化被膜による金属汚染の低減効果の一例を説明する。図8は、フッ化被膜による金属汚染の低減効果の一例を示した図である。図8に示す「シーズニング前」は、フッ化被膜を生成するシーズニングを行っていないプラズマ処理装置10でウエハWに、腐食性ガスを用いたプラズマ処理を行った場合のCrの汚染量を示している。N数は、プラズマ処理装置10のシールド部材60及びシャッター70を新しいものに4回交換してそれぞれプラズマ処理を行った場合のそれぞれでのウエハWのCrの汚染量を示している。
図8に示す「シーズニング後」は、フッ化被膜を生成するシーズニングを行ったプラズマ処理装置10でウエハWに、腐食性ガスを用いたプラズマ処理を行った場合のCrの汚染量を示している。シーズニングは、HBr含有ガスを用いて1分間プラズマを生成した後、CF4含有ガスを用いて1分間プラズマを生成することを1回のサイクル処理として、サイクル処理を150回繰り返している。N数は、プラズマ処理装置10のシールド部材60及びシャッター70を新しいものに交換して4回測定した場合のそれぞれのCrの汚染量を示している。なお、シーズニングは、処理容器12内にウエハWを置いて行ってもよく、処理容器12内にウエハWを置いていなくてもよい。例えば、プラズマ処理装置10は、シーズニング中、1回のサイクル処理ごとに、ウエハWを処理容器12内に新たなウエハWの搬入、処理済みのウエハWの搬出を行うようにしてもよい。
図8に示すように、「シーズニング後」は、「シーズニング前」と比較して、Crの汚染量が低下している。これは、シーズニングによって、金属膜62a,62b、金属膜70g,70hなどの金属膜にフッ化被膜が生成されたことにより、Crの放出が抑制されたためと考えられる。プラズマ処理装置10は、1回のサイクル処理のシーズニングでも金属膜にフッ化被膜が生成されるため、金属汚染を抑えることができる。また、プラズマ処理装置10は、サイクル処理を繰り返すシーズニングを行うことで、金属汚染の汚染量を、所望の許容値まで低減できる。なお、シーズニングでは、HBr含有ガス及びCF4含有ガスでプラズマを生成する時間を長くし、サイクル処理の回数を減らしてもよい。
[フッ化被膜生成の加速の効果]
次に、フッ化被膜生成の加速の効果の一例を説明する。プラズマ処理装置10は、フッ素含有ガスに対して電圧を印加してプラズマを生成するシーズニングでも金属膜にフッ化被膜を生成できる。しかし、プラズマ処理装置10は、フッ素含有ガスのみでフッ化被膜を生成するシーズニングでは、汚染量を抑制できる十分なフッ化被膜の生成に時間がかかる。そこで、プラズマ処理装置10は、臭素含有ガスを用いてプラズマを生成した後、フッ素含有ガスを用いてプラズマを生成するシーズニングを行うことで、フッ化被膜の生成を加速させている。
図9は、フッ化被膜生成の加速の効果の一例を示した図である。図9に示す「CF4シーズニング」は、CF4含有ガスを用いてプラズマを生成するシーズニングを行ったものである。「HBr/CF4シーズニング」は、HBr含有ガスを用いてプラズマを生成した後、CF4含有ガスを用いてプラズマを生成するシーズニングを行ったものである。「シーズニングウエハ枚数」は、シーズニングとしてプラズマ処理を行ったウエハWの枚数である。「CF4シーズニング」と「HBr/CF4シーズニング」は、1回のサイクル処理ごとに、ウエハWを入れ替えており、150枚分のシーズニングを行っている。また、「CF4シーズニング」と「HBr/CF4シーズニング」では、次のようにして1回のサイクル処理のプラズマの処理時間を合わせている。
「CF4シーズニング」では、ウエハWを処理容器12内に搬入し、CF4含有ガスを射出し、CF4含有ガスに対して電圧を印加してプラズマを1分間生成する。次に、「CF4シーズニング」では、ウエハWを処理容器12内から搬出し、クリーニングのために、CF4含有ガスを射出し、CF4含有ガスに対して電圧を印加してプラズマを1分間生成する。
「HBr/CF4シーズニング」では、ウエハWを処理容器12内に搬入し、HBr含有ガスを射出し、HBr含有ガスに対して電圧を印加してプラズマを1分間生成する。次に、「HBr/CF4シーズニング」では、ウエハWを処理容器12内から搬出し、クリーニングのために、CF4含有ガスを射出し、CF4含有ガスに対して電圧を印加してプラズマを1分間生成する。
Cr汚染量は、151枚目のウエハWのCrの汚染量を示している。図9に示すように、「HBr/CF4シーズニング」は、ウエハW150枚分のシーズニングで、フッ化被膜が十分に生成されているため、Crの汚染量が「25」となっている。一方、「CF4シーズニング」は、ウエハW150枚分のシーズニングでも、フッ化被膜が十分に生成されていないため、Crの汚染量が「236」となっている。すなわち、「HBr/CF4シーズニング」は、「CF4シーズニング」と比較して、必要とするフッ化被膜を早く生成できる。「CF4シーズニング」は、「HBr/CF4シーズニング」に比べて、必要とするフッ化被膜の生成に、例えば、10倍程度の時間を要する。図9の例の場合、「CF4シーズニング」では、ウエハW1500枚分のシーズニングを行うと、Crの汚染量が「HBr/CF4シーズニング」のCrの汚染量と同程度になる。
[シーズニング方法の流れ]
次に、一実施形態に係るプラズマ処理装置10を用いたシーズニング方法について説明する。図10は、一実施形態に係るシーズニング方法の流れの一例を示すフローチャートである。
制御部100は、ユーザインターフェイス102から、フッ化被膜を生成するシーズニングの開始を指示する所定操作を受け付けると、例えば以下のシーズニングの制御を行う。
制御部100は、HBr含有ガスを用いて1分間プラズマを生成する(ステップS100)。次に、制御部100は、CF4含有ガスを用いて1分間プラズマを生成する(ステップS101)。なお、制御部100は、処理容器12内にウエハWを搬入し、ウエハWにHBr含有ガスやCF4含有ガスのプラズマ処理を行うようにしてもよい。
制御部100は、所定の終了条件を満たしたか否かを判定する(ステップS102)。終了条件は、回数として、予め設定されていてもよく、ユーザインターフェイス102から、回数を入力させてもよい。また、終了条件は、金属汚染量の許容値として、予め設定されていてもよく、ユーザインターフェイス102から、許容値を入力させてもよい。終了条件を満たしていない場合(ステップS102否定)、制御部100は、上述のステップ100へ移行し、処理を継続する。
終了条件を満たした場合(ステップS102肯定)、制御部100は、シーズニングの処理を終了する。
このように、実施形態に係るプラズマ処理装置10は、処理容器12と、制御部100とを有する。処理容器12は、プラズマが生成される空間側の表面に導電性の金属膜62a,62b、金属膜70g,70hが形成されている。制御部100は、処理容器12内に、フッ素含有ガスを射出し、フッ素含有ガスに対して電圧を印加してプラズマを生成するシーズニングを行う。これにより、プラズマ処理装置10は、金属膜62a,62b、金属膜70g,70hにフッ化被膜を生成できるため、金属膜62a,62b、金属膜70g,70hからの金属汚染を抑制できる。
また、実施形態に係るプラズマ処理装置10は、フッ素及び臭素を含有するガスを用いてプラズマを生成する、または、フッ素含有ガスの前に臭素含有ガスを用いてプラズマを生成するシーズニングを行う。これにより、プラズマ処理装置10は、フッ化被膜の生成を加速させることができる。
また、実施形態に係るプラズマ処理装置10は、フッ素含有ガスと臭素含有ガスを交互に用いてプラズマの生成を複数回繰り返すシーズニングを行う。これにより、プラズマ処理装置10は、金属汚染の汚染量を、所望の許容値まで低減できる。
また、実施形態に係るプラズマ処理装置10は、金属膜が、処理容器12に設けられたシャッター70との接触面に設けられている。これにより、プラズマ処理装置10は、処理容器12のシャッター70部分の電気的特性の不均一を抑制できる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
W ウエハ
10 プラズマ処理装置
12 処理容器
62a,62b 金属膜
70g,70h 金属膜
100 制御部

Claims (16)

  1. プラズマが生成される空間側の表面に導電性の金属膜が形成された処理容器と、
    前記処理容器内に、フッ素含有ガスと臭素含有ガスを交互に射出し、前記フッ素含有ガスと前記臭素含有ガスに対して電圧を印加してプラズマ生成を複数回繰り返すシーズニングを行う制御部と、
    を有することを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記金属膜は、クロムが含まれることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記金属膜は、前記処理容器に設けられたシャッターとの接触面に設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記制御部は、前記処理容器内を大気に開放した場合に前記シーズニングを実施する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記制御部は、前記処理容器内にウエハがない状態で前記シーズニングを実施する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記制御部は、前記処理容器内にウエハを配置した状態で前記シーズニングを実施する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記制御部は、前記処理容器内にウエハを配置した状態で前記臭素含有ガスを射出し、前記臭素含有ガスに対して電圧を印加してプラズマの生成し、配置した前記ウエハを前記処理容器から搬出した状態で前記フッ素含有ガスを射出し、前記フッ素含有ガスに対して電圧を印加してプラズマの生成することを複数回繰り返すシーズニングを行う
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記フッ素含有ガスは、CF 4 ガス、C 4 8 ガス、SF 6 ガスの何れかであり、
    前記臭素含有ガスは、HBrガスである
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
  9. プラズマが生成される空間側の表面に導電性の金属膜が形成された処理容器内に、フッ素含有ガスと臭素含有ガスを交互に射出し、
    前記フッ素含有ガスと前記臭素含有ガスに対して電圧を印加してプラズマ生成を複数回繰り返すシーズニングを行う
    ことを特徴とするシーズニング方法。
  10. 前記金属膜は、クロムが含まれることを特徴とする請求項9に記載のシーズニング方法。
  11. 前記金属膜は、前記処理容器に設けられたシャッターとの接触面に設けられている
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載のシーズニング方法。
  12. 前記シーズニングは、前記処理容器内を大気に開放した場合に実施する
    ことを特徴とする請求項9〜11の何れか1つに記載のシーズニング方法。
  13. 前記シーズニングは、前記処理容器内にウエハがない状態で実施する
    ことを特徴とする請求項9〜11の何れか1つに記載のシーズニング方法。
  14. 前記シーズニングは、前記処理容器内にウエハを配置した状態で実施する
    ことを特徴とする請求項9〜11の何れか1つに記載のシーズニング方法。
  15. 前記シーズニングは、前記処理容器内にウエハを配置した状態で前記臭素含有ガスを射出し、前記臭素含有ガスに対して電圧を印加してプラズマの生成し、配置した前記ウエハを前記処理容器から搬出した状態で前記フッ素含有ガスを射出し、前記フッ素含有ガスに対して電圧を印加してプラズマの生成することを複数回繰り返し行う
    ことを特徴とする請求項9〜11の何れか1つに記載のシーズニング方法。
  16. 前記フッ素含有ガスは、CF 4 ガス、C 4 8 ガス、SF 6 ガスの何れかであり、
    前記臭素含有ガスは、HBrガスである
    ことを特徴とする請求項9〜15の何れか1つに記載のシーズニング方法。
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