JP6830251B2 - 制振装置 - Google Patents

制振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6830251B2
JP6830251B2 JP2017171105A JP2017171105A JP6830251B2 JP 6830251 B2 JP6830251 B2 JP 6830251B2 JP 2017171105 A JP2017171105 A JP 2017171105A JP 2017171105 A JP2017171105 A JP 2017171105A JP 6830251 B2 JP6830251 B2 JP 6830251B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration damping
shaft
stage
linear motion
movable mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017171105A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019044532A (ja
Inventor
舟木 英之
英之 舟木
和也 唐川
和也 唐川
彰太 山野
彰太 山野
Original Assignee
ヤクモ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ヤクモ株式会社 filed Critical ヤクモ株式会社
Priority to JP2017171105A priority Critical patent/JP6830251B2/ja
Publication of JP2019044532A publication Critical patent/JP2019044532A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6830251B2 publication Critical patent/JP6830251B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は、制振装置に関し、詳しくは、例えば住宅用として好適なチューンド・マス・ダンパ(TMD:同調質量型動吸収器)であり、特に交通振動対策用として有益なチューンド・マス・ダンパに関するものである。
近年においては、都市部を中心として2階建て若しくは3階建ての鉄骨住宅が増加してきている。
これに伴って、それらの住宅に近い幹線道路や高架タイプの高速道路等からの交通振動により住宅が共振し、その共振が不快音や不快振動等を発生させてしまうことが問題となっている。
問題となる住宅の共振振動数は主に10Hz以下の低周波領域であり、特に2〜6Hz付近に存在している。
このように住宅等で発生する振動を抑制する制振装置として、住宅等の建築構造物にばね部材を介して付加質量(マス部材)を取り付けて副振動系を連成させて、建物構造物からなる主振動系と前記副振動系とで固有振動数がほぼ等しくなるように設定することにより、建物構造物の揺れを打ち消す振動を発生させて、振動エネルギーを吸収させるダイナミック・ダンパが知られている。
ここで、ダイナミック・ダンパはマス・ダンパとも呼ばれ、その固有振動数は、復元力を発生させるばね部材のばね定数と付加質量とによって基本的に決定される。
特許文献1、2にはこのようなダイナミック・ダンパの例として、マスを板ばねで吊ったTMD(チューンド・マス・ダンパ)構造について開示されている。
特許文献1のようなマス・ダンパでは、固有振動数が住宅の共振周波数に一致していないと十分な抑制効果が発揮できないため、建築構造物の共振周波数に合わせてマスの質量とばね定数と調整する必要がある。
ここで、建築構造物の共振周波数は住宅立地や内部建具等により異なってくるため、住宅が完成してみるまで実際の共振周波数がわからない。
このため、住宅の骨格部材等に固定後、現地にて建築構造物の共振周波数を測定し、その結果からマスの質量若しくはばね定数を調整しており、この作業に多くの手間がかかっている。
また、建築構造物の経年変化や、生活様式の変化に伴う家具等の配置変更により、建築構造物の共振周波数が変化した場合にも、制振の効果が減少してしまい、再調整が必要となってしまう。
これを解決する手段として、固有振動数の異なるマス・ダンパを複数設置する方式が提案されている。
特許文献3には複数の板ばねを用いた多重直列型TMDが開示されている。
また、特許文献3には固有振動数をチューニングできるゴム積層型マウントを用いて複数のマスを並べるマルチタイプTMDが開示されている。
しかしながら、従来におけるこれらの各方式では、マス・ダンパの調整は不要となるが装置が大型化してしまうことや設置場所の確保が必要等の問題を包含している。
特開2005−282814号公報 特開2005−282815号公報 特開2007−270569号公報
本発明が解決しようとする課題は、特に戸建住宅等の振動対策向けに用いられている制振装置(ダイナミック・ダンパ)の固有振動数を設置前に設定することが難しく、設置後にその固有振動数を容易に変更できない点である。
本発明に係る制振装置は、従来の上記事情に鑑み開発されたものであり、吊り下げ具を介して設置された二次元的に可動する可動マスと、復元力発生要素であるコイルばね、及び、減衰器から構成されている同調質量型動吸収要素であって、互いに直交するように配置された直動機構を備えたシャフトと、可動マスの中央を中心として回転する回転ステージを設けることにより、コイルばねのばね定数を変化させ、結果として実効的な復元力の変化により、対象とする制振対象物の共振周波数に、制振装置の固有振動数を合わせ込むことが容易に行えるようにしたことを最も主要な特徴とする。
また、本発明に係る制振装置には、制振対象物の共振周波数、可動マスの振動を検知するセンサ、コントローラー及び回転ステージ用の回転駆動手段が備えられており、可動マスを最適な固有振動数に制御することができることを特徴としている。
更に、本発明に係る制振装置は、制御信号を発生させるアルゴリズムとして、得られた制振対象物の共振周波数と制振装置の固有振動数との離散スペクトルを比較し、誤差信号若しくは位相差を求める手段を採用したことを特徴としている。
請求項1、2記載の発明によれば、住宅の経年変化や、生活様式の変化に伴う家具等の配置変更により、制振対象物の共振周波数が変化した場合にも、外部より容易に装置自体の固有振動数を調整することで、設置後においてもその固有振動数を容易に変更することができ、戸建住宅等の制振対象物に対する制振効果を最大限に発揮させることができ、同時に免震機能も付加することができる制振装置を実現し提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、可動マスの振動と第1の復元力発生要素及び第2の復元力発生要素の伸縮に応じた固有振動数を自動調整することができ、対象となる制振対象物の振動を最大限に抑制することができる制振装置を実現し提供することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の効果に加え、デジタル化されたセンサ信号を離散フーリエ変換し、平滑化して2つの離散スペクトルを求め、2つの離散スペクトルを比較して誤差信号を取得し、前記誤差信号を最小とするようにフィードバック制御することで制振対象物に対する制振効果を最大限に発揮できる制振装置を実現し提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項3記載の効果に加え、デジタル化されたセンサ信号を離散フーリエ変換した後、伝達特性演算にて制振対象物と可動マスの加速度の位相差を検知し、位相差をフィードバックし位相差を90°に近づけることで、制振対象物に対する制振効果を最大限に発揮できる制振装置を実現し提供することができる。
本発明の実施例に係る制振装置の概略平面図である。 本実施例に係る制振装置の概略縦断面図である。 本実施例に係る制振装置の固有振動数調整時におけるコイルばねの配置を示した概略平面図である。 本実施例に係る制振装置の固有振動数調整時における回転ステージの回転角度と固有周波数との関係をシミュレーション値及び実測値について表した図である。 本実施例に係る制振装置及び制振対象の概略モデル図である。 本実施例に係る制振装置の周波数応答波形図である。 本実施例に係る固有振動数調整機構の回路ブロック図である。 本実施例に係る第1の固有振動数調整制御系を示すフローチャートである。 本実施例に係るフィードバック制御アルゴリズムを示す図である。 本実施例の第2の固有振動数調整制御系を示すフローチャートである。
本発明は、制振対象物に設置後においても装置自体の固有振動数を容易に変更することができ、戸建住宅等の制振対象物に対する制振効果を最大限に発揮させることができる制振装置を実現し提供するという目的を、建築構造物に設置されたフレームと、前記フレームに吊り下げ具を介して設置された可動マスと、前記フレームと前記マスとの間に配置したダンパと、前記フレームの中央に設置されたX直動機構を備えるX直動ステージと、前記X直動機構により支持されたXシャフトと、前記フレーム上で前記Xシャフトの周りに設置されたX回転ステージと、前記Xシャフトに一端が連結され、他端をばね定数調整機構を介して前記X回転ステージに連動させる復元力発生要素であるXコイルばねと、前記Xシャフトの上端に設置された前記X直動機構と直交配置のY直動機構を備えるY直動ステージと、前記Y直動機構により支持されたYのシャフトと、X回転ステージの上方で前記Yシャフトの周りに設置されたY回転ステージと、前記Yシャフトに一端が連結され、他端をばね定数調整機構を介して前記Y回転ステージに連動させる復元力発生要素であるYコイルばねと、前記可動マスの中央に設置され前記可動マスの中央と前記Yシャフトとを接続する弾性を有する接続部材と、前記X回転ステージ、Y回転ステージを回転させることにより、前記可動マスの振動と前記Xコイルばね、Yコイルばねの伸縮を調整し固有振動数を制御する固有振動数調整制御手段と、を有し、対象となる制振対象物の振動を最大限に抑制するように構成したことにより実現した。
以下、本発明の実施例に係る制振装置について図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2は本実施例に係る制振装置51の平面及び概略断面を示すものである。
本実施例に係る制振装置51は、以下のように構成されている。
すなわち、本実施例に係る制振装置51は、建築構造物の骨格等に固定された上部が開口した箱型状のフレーム1の四隅から、可動マス2の底部板2aが吊り下げ具3を介して吊り下げられ、2次元的な単振り子の動作を行うことができるように設置されている。
この可動マス2の底部板2aとフレーム1の上面との間には、例えばオイル・ダンパ又はフリクション・ダンパからなる減衰器(ダンパ)4が配置されており、制振対象物26から前記フレーム1を介して伝わる振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、吸収できるように機能する構成としている。
また、前記フレーム1における前記可動マス2の底部板2aの端面と対峙する側壁面にはストッパ5を設置し、巨大地震時のような大きな振動が制振対象物26に加わって可動マス2がその可動範囲を逸脱しないようにしている。
一方、前記フレーム1の中央部分には、X直動機構であるXリニアガイド7によってX方向のみに可動が制限されるとともに上方に向けたXシャフト8を支持するX直動ステージ6を設置している。
前記Xシャフト8には、このXシャフト8を軸として回転が可能となるXベアリング9を介してX復元力発生要素であるXコイルばね10の一端が接続され、また、このXコイルばね10の他端は前記フレーム1上に配置したX回転ステージ11に対してばね定数調整機構19を介して連結している。
更に、前記Xシャフト8の上端から上方に順にY直動ステージ12、Y直動機構(Yリニアガイド)13、Yシャフト14を配置している。
すなわち、前記Xシャフト8の上端にY直動ステージ12が配置され、このY直動ステージ12上に配置したY直動機構13によってY方向のみに可動が制限されるYシャフト14を上方に向けて配置している。
前記Yシャフ14にはこのYシャフト14を軸として回転が可能となるYベアリング15を配置し、このYベアリング15にYコイルばね16の一端を連結し、また、Yコイルばね16の他端は前記フレーム1の上方に設けた補助フレーム1a上に配置したY回転ステージ17に対してばね定数調整機構19を介して連結している。
なお、図2において、前記Y直動ステージ12、Y直動機構であるYリニアガイド13、Yベアリング15、Yコイルばね16、ばね定数調整機構19については、説明の便宜上本来の配置ではなく、Yシャフト14の周りで90度位置ずれさせた状態として図示している。
更に、前記Yシャフト14は、前記可動マス2の上部板2bの中央位置で接続部材(例えばゴム)18を介して前記可動マス2に対してクリアランスを確保しつつ支持されている。
すなわち、前記可動マス2の単振り子動作に伴い、この可動マス2が上下動することを考慮して、前記Yシャフト14と可動マス2との間に接続部材18を設置してクリアランスを確保できるように構成している。
なお、本実施例では前記Xリニアガイド7、Yリニアガイド13として摩擦の小さなリニアガイドを用いているが、リニアガイドの代わりに例えばレールとローラーを組み合わせることも可能であり、これにより装置の低コスト化が期待できる。
上記構成の基、建築構造物等の制振対象物26が水平方向に振動すると、例えば可動マス2及びXシャフト8を介して接続されているXコイルばね10により、制振装置51に固有振動数fnをもつ共振が生じる。
ここで制振効果を高めるためには、制振装置51の固有振動数を制振対象物26の共振周波数に合わせ込むことが効果的である。
前記Xコイルばね10が可動マス2に働く復元力Fは、Xコイルばね10のばね定数kを用いて、下記[数1]のように表すことができる、
この場合、制振装置51の固有振動数fは下記[数2]の式で求まる。ここで、mは可動マス2の質量である。
前記制振装置51の固有振動数fを変化させるためには、Xコイルばね10のばね定数k及び可動マス2の質量mのどちらを変化させても良いが、可動マス2の質量を変化させるとX方向、Y方向とも固有振動数fが同時に変化してしまうために、X方向、Y方向のばね定数k、kをそれぞれ独立に変化させることがより望ましい。
図3は本実施例に係る制振装置51の固有振動数fの調整時における前記Xコイルばね10の移動状態を示した平面図である。
初期状態ではXコイルばね10の軸方向とXリニアガイド7の可動方向が一致しており、この方向をX方向とする。
ここで、X回転ステージ11をXシャフト8の軸を中心に回転させることにより、Xコイルばね10の向きが変化し、復元力Fの働く方向も変化する。
その一方で、Xリニアガイド7によりXシャフト8の動きは一方向に束縛されているため、可動マス2に働く実効的な復元力F’は、回転角度をθとすると、下記[数3]のように表すことができる。
前記Xコイルばね10のばね定数kはばねの向きに依存しないため、[数1]においてk→k×cosθと置き換えることができ、回転角度をθとした場合の固有振動数f’は、下記[数4]となる。
このようにX回転ステージ11を0°から90°まで回転させることにより、制振装置51の固有振動数fを0から最大ωまで調整できることが判る。
更に、各々のX回転ステージ11、Y回転ステージ17には、ばね定数調整機構19が付加されており、夫々のXコイルばね10、Yコイルばね16に張力を加えておくことで、X回転ステージ11、Y回転ステージ17を押し付ける力が働き、Xシャフト8、Yシャフト14とのガタを抑えることができる。
一方、X回転ステージ11は、図1、図3に示すように、このX回転ステージ11の外周に設けた回転駆動機構を構成するリングギア20、ピニオンギア21を介してステッピング・モーター22の原動ギア22aに機構的に連結されており、ステッピング・モーター22による駆動力をX回転ステージ11の前記リングギア20に伝達しこのX回転ステージ11を回転駆動できるように構成している。
なお、図示しないがY回転ステージ17にも同様の回転駆動機構が設けられている。
前記X回転ステージ11の回転角θは、コントローラー(制御手段:モーター・ドライバー等)23により位置決め制御されており、コントローラー23からの制御信号は外部から与えることもできるが、X回転ステージ11の外周近傍に配置したエンコーダー24からの信号を基にコントローラー23の内部で生成することも可能である。
また、前記リングギア20に係合させる例えば電磁開閉ラッチ機構からなるラッチ機構25を用いることで、ステッピング・モーター22の電源を切った際にもX回転ステージ11の回転角θを保持することも可能である。
なお、本実施例では、回転駆動源として位置決め精度が高いステッピング・モーター22を用いたが、これに限らずDCモーターやリニア・モーター等の各種モーター、あるいはボールねじ等を用いて機構的に回転駆動しても良い。
図4は、本実施例に係る制振装置51の固有振動数調整時におけるステージの回転角度と固有周波数との関係をシミュレーションおよび実測により得られた値について表した図である。0°から70°までステージを回転させることにより、制振装置51の固有振動数を5.7Hzから3.7Hzまで調整できることがわかった。
図5は建築構造物である制振対象物26を1質点系とした場合の力学モデルを示すものである。
いま、制振対象物26として3階建て鉄骨住宅を考える場合、地盤27との間には、有効質量mのマス、ばね定数kのばね及びダンピング率Cのダンパを用いてモデル化することができ、これらの値として、それぞれ、m=30t、k=20,000〜200,000N/mm、C=3%と仮定する。
この場合、制振対象物26の共振周波数としては2.5〜5.5Hzの範囲を取ることとなる。
一方、制振装置51の特性を決定するパラメータとして、可動マス2の質量m、バネ定数k、ダンピング率C等があるが、ここでは、制振装置51の固有振動数fは下記[数5]を用いて表すことができる。
例として前記可動マス2の質量mを500kgとすると、共振周波数の範囲が2.5〜5.5Hzであることから、固有振動数fをこれに合わせるために、バネ定数kは80,000〜800,000N/mmの範囲を取ればよいことが判る。
ここで、制振装置51による効果を求めるために、前記減衰器4のダンピング率Cを3%とした場合の周波数応答波形を図6に示す。制振装置51の固有周波数を制振対象物26の共振周波数である5.5Hzに調整した場合、振動低減効果として−5dBが得られることがわかった。
次に制振装置51の固有振動数fの調整精度に関して説明する。共振周波数の範囲を2.5〜5.5Hz、吊り下げ具3の長さを80mmとすると、対応加速度が5〜50gal程度に対して、可動マス2の可動範囲は±0.05〜±3mm程度となることが判る。
すなわち、回転駆動機構の位置精度は0.1mm以下とする必要がある。
一方、X回転ステージ11の直径を500mmと仮定すると、1°あたり約0.5mm変化するため、回転角θの精度として0.1°程度あれば良く、これは前記ステッピング・モーター22にて十分制御できる範囲内である。
なお、本実施例では、X回転ステージとY回転ステージの組合せによりX方向及びY方向の双方に対して制振効果を持たせたが、どちらか一方の回転ステージを設置することにより、制振効果がより大きい方向のみに制振装置を働かせることも可能であり、これにより、装置を薄型化することができる。
図7は本実施例における固有振動数フィードバック制御における回路ブロック図を示すものである。
制振対象物26の共振周波数を測定するために制振対象物26に設置されX方向及びY方向の加速度が測定可能な加速度センサ28、及び可動マス2に設置された制振装置51の固有振動数を測定するためのX方向及びY方向の加速度が測定可能な加速度センサ29からの各アナログ信号は、コントローラー23に設置されている図示しないセンサ信号読み出し回路へ入力され、各々アンプ30、30による信号増幅後にAD変換器31、31にてデジタル信号に変換される。
ここで、Xコイルばね10及びYコイルばね16を硬くする、すなわちX回転ステージ11及びY回転ステージ17の回転角を0°とすることにより、制振対象物(建築構造物)26の共振周波数と可動マス(制振装置)2の固有振動数fとを同時に測定することはできないが、前記加速度センサ28の代役とすることができ、省くことも可能である。
得られたデジタル信号は演算回路32に入力され、Xコイルばね10及びYコイルばね16を制御するための信号が生成される。
生成された信号はDA変換器33によりアナログ化され、X回転ステージ11及びY回転ステージ17駆動用の駆動回路34に入力され、これによりステッピング・モーター22によってX回転ステージ11及びY回転ステージ17が対応する角度分回転駆動される。
ここで、この固有周波数制御の第1の例を図8に示す。デジタル化されたセンサ信号を前記演算回路32において離散FFT(Discrete Fourier Transform:DFT演算)し、デジタルフィルタにて移動平均及び平滑化することで離散スペクトルを得る。
この離散スペクトルが最大となる周波数を求めることで、制振対象物26の共振周波数fと可動マス2の固有振動数fを検知する。
更に、共振周波数f、固有振動数fの誤差信号をフィードバックすることにより、fをfと同値(又はfを基準にした任意の値)に近づけることで、制振の効果を最大限に発揮できる。
このフィードバック制御アルゴリズムとしては、例えば比例積分(Proportional−Integral:PI)制御アルゴリズム(図9に概略的に示す)や比例積分微分(Proportional−Integral−Differential:PID)制御アルゴリズムなどを用いることが可能である。
なお、固有周波数制御の方法は上述した図8に示す例に限定されるものではなく、このアルゴリズムと異なる図10に示す第2の例にて行うこともできる。
すなわち、デジタル化されたセンサ信号を第1の例と同様に離散FFTした後、伝達特性演算(FreqResp)にて制振対象物26と可動マス2の加速度の位相差φを検知する。
そして、位相差φをフィードバックし位相差を90°に近づけることで、制振の効果を最大限に発揮できる。
なお、この場合のフィードバック制御アルゴリズムとしては、第1の制御フローと同様にPI制御、PID制御アルゴリズムなどを用いることが可能である。
これらの制御アルゴリズムを実現するプログラムは、制御フローは図7に示す演算回路32にプログラミングされているが、ASIC等の専用ICのみならず、書き換え可能なマイコンやFPGA等の汎用ICを用いることも勿論可能である。
なお、上述した実施例では固有周波数調整時のみに上述した各種要素による測定、演算、モーター駆動を行うための電源を必要としているが、常時固有振動数をモニタリングすることにより、外気温の変化等によりバネ定数が変化した場合でも自動的に固有振動数を自動で調整することが可能となる。
この場合、外部からの電源供給が不要であることがより望ましく、例えば、振動発電による電源供給の手段を採用することも可能である。
また、生活振動だけでなく、地震時においても、加速度センサ28等からの信号をフィードバックすることにより、抑制することが可能となる。
本実施例に係る制振装置51によれば、住宅の経年変化や、生活様式の変化に伴う家具等の配置変更により、建築構造物の共振周波数が変化した場合にも、外部より容易に前記制振装置51の固有振動数を調整することで、制振効果を最大限に発揮させることができ、同時に免震機能も付加することができるという斬新な効果を奏する。
以上に本発明の実施例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸しない範囲で各種の変更が可能であり、その適用範囲も建築構造物に限定されるものではない。
本発明は、振動対策が行われる建築・土木・機械構造物、風力発電機、鉄塔、アンテナ塔、橋梁の主塔、管制塔、観光タワー等の塔状構造物やマテハンレーザー機器等の各種構造物、更には、サーバー等コンピュータ機器、制御盤、半導体機器、大型機械構造物(ロータリーコンプレッサー)、ヨーイング等の構造物に関する構造物用制振装置(又は構造物用免震装置)として広範に適用可能である。
1 フレーム
1a 補助フレーム
2 可動マス
2a 底部板
2b 上部板
3 吊り下げ具
4 減衰器(ダンパ)
5 ストッパ
6 X直動ステージ
7 Xリニアガイド
8 Xシャフト
9 Xベアリング
10 Xコイルばね
11 X回転ステージ
12 Y直動ステージ
13 Yリニアガイド
14 Yシャフト
15 Yベアリング
16 Yコイルばね
17 Y回転ステージ
18 接続部材
19 ばね定数調整機構
20 リングギア
21 ピニオンギア
22 ステッピング・モーター
22a 原動ギア
23 コントローラー
24 エンコーダー
25 ラッチ機構
26 制振対象物
27 地盤
28 共振周波数測定用の加速度センサ
29 固有振動数測定用の加速度センサ
30 アンプ
31 AD変換器
32 演算回路
33 DA変換器
34 駆動回路
51 制振装置

Claims (5)

  1. 建築構造物に設置されたフレームと、
    前記フレームに吊り下げ具を介して設置された可動マスと、
    前記フレームと前記可動マスとの間に配置した減衰器と、
    前記フレームの中央に設置された第1の直動機構を備える第1の直動ステージと、
    前記第1の直動機構により支持された第1のシャフトと、
    前記フレーム上で前記第1のシャフトの周りに設置された第1の回転ステージと、
    前記第1のシャフトに一端が連結され、他端をばね定数調整機構を介して前記第1の回転ステージに連動させる第1の復元力発生要素と、
    前記第1のシャフトの上端に設置された前記第1の直動機構と直交配置の第2の直動機構を備える第2の直動ステージと、
    前記第2の直動機構により支持された第2のシャフトと、
    第1の回転ステージの上方で前記第2のシャフトの周りに設置された第2の回転ステージと、
    前記第2のシャフトに一端が連結され、他端をばね定数調整機構を介して前記第2の回転ステージに連動させる第2の復元力発生要素と、
    前記可動マスの中央に設置され前記可動マスの中央と前記第2のシャフトとを接続する弾性を有する接続部材と、
    前記第1の回転ステージ、第2の回転ステージを回転させることにより、前記可動マスの振動と前記第1の復元力発生要素及び第2の復元力発生要素の伸縮を調整し固有振動数を制御する制御手段と、
    を有し、
    対象となる制振対象物の振動を最大限に抑制するように構成したことを特徴とする制振装置。
  2. 建築構造物に設置されたフレームと、
    前記フレームに吊り下げ具を介して設置された可動マスと、
    前記フレームと前記可動マスとの間に配置したダンパと、
    前記フレームの中央に設置されたX直動機構を備えるX直動ステージと、
    前記X直動機構により支持されたXシャフトと、
    前記フレーム上で前記Xシャフトの周りに設置されたX回転ステージと、
    前記Xシャフトに一端が連結され、他端をばね定数調整機構を介して前記X回転ステージに連動させる復元力発生要素であるXコイルばねと、
    前記Xシャフトの上端に設置された前記X直動機構と直交配置のY直動機構を備えるY直動ステージと、
    前記Y直動機構により支持されたYシャフトと、
    X回転ステージの上方で前記Yシャフトの周りに設置されたY回転ステージと、
    前記Yシャフトに一端が連結され、他端をばね定数調整機構を介して前記Y回転ステージに連動させる復元力発生要素であるYコイルばねと、
    前記可動マスの中央に設置され前記可動マスの中央と前記Yシャフトとを接続する弾性を有する接続部材と、
    前記X回転ステージ、Y回転ステージを回転させることにより、前記可動マスの振動と前記Xコイルばね、Yコイルばねの伸縮を調整し固有振動数を制御する制御手段と、
    を有し、
    対象となる制振対象物の振動を最大限に抑制するように構成したことを特徴とする制振装置。
  3. 前記対象となる制振対象物若しくは前記フレームに設置され、前記制振対象物における共振周波数を測定する第1のセンサと、
    前記可動マスに設置され、前記可動マスと前記吊り下げ具及び前記第1の復元力発生要素及び第2の復元力発生要素による固有振動数を測定する第2のセンサと、
    前記第1及び第2のセンサからの信号を基に固有振動数を制御する固有振動数調整制御手段であって、前記第1及び第2のセンサからの信号を読み取るための読み出し回路と、
    前記読み出し回路より得られた信号から前記第1の回転ステージ及び第2の回転ステージを制御するための信号を生成する演算回路を含む制御手段と、前記第1の回転ステージ及び第2の回転ステージを駆動するための回転駆動機構と、
    を有し、
    前記可動マスの振動と前記第1の復元力発生要素及び第2の復元力発生要素の伸縮に応じた固有振動数を自動調整することを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  4. 前記演算回路において、
    前記第1のセンサ及び第2のセンサから得られた加速度信号の値をデジタル化する手段と、
    デジタル化されたセンサ信号を離散フーリエ変換し、平滑化することで2つの離散スペクトルを求める手段と、
    前記2つの離散スペクトルを比較し、誤差信号を取得する手段と、
    前記誤差信号を最小とするようにフィードバックする手段と、
    を設けたことを特徴とする請求項3に記載の制振装置。
  5. 前記演算回路において、
    前記第1のセンサ及び第2のセンサから得られた加速度信号の値をデジタル化する手段と、
    デジタル化されたセンサ信号を離散フーリエ変換して、得られた2つの信号の位相差を求める手段と、
    前記位相差を90°へ近づけるようフィードバックする手段と、
    を設けたことを特徴とする請求項3に記載の制振装置。
JP2017171105A 2017-09-06 2017-09-06 制振装置 Active JP6830251B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017171105A JP6830251B2 (ja) 2017-09-06 2017-09-06 制振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017171105A JP6830251B2 (ja) 2017-09-06 2017-09-06 制振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019044532A JP2019044532A (ja) 2019-03-22
JP6830251B2 true JP6830251B2 (ja) 2021-02-17

Family

ID=65812585

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017171105A Active JP6830251B2 (ja) 2017-09-06 2017-09-06 制振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6830251B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110512759B (zh) * 2019-09-20 2024-01-30 大连理工大学 一种惯性质量放大型调谐质量阻尼器
CN115405147A (zh) * 2022-06-21 2022-11-29 浙江运达风电股份有限公司 一种用于柔性钢塔的调谐液体阻尼器悬挂式结构

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6376932A (ja) * 1986-09-17 1988-04-07 Kajima Corp 建物用動吸振器
JPS63156171A (ja) * 1986-12-17 1988-06-29 鹿島建設株式会社 能動制御型動吸振器
JPH05222864A (ja) * 1992-02-10 1993-08-31 Sumitomo Heavy Ind Ltd 制振装置
JPH0734721A (ja) * 1993-07-16 1995-02-03 Kajima Corp アクティブ動吸振器
JP4365716B2 (ja) * 2004-03-30 2009-11-18 大和ハウス工業株式会社 チューンドマスダンパー
JP4347737B2 (ja) * 2004-03-30 2009-10-21 大和ハウス工業株式会社 多重直列型チューンドマスダンパー
JP2007270569A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Tokai Rubber Ind Ltd 住宅用制振装置のゴム積層型マウント
JP2008202371A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Tokai Rubber Ind Ltd 建物の能動型制振装置
JP2009168248A (ja) * 2009-02-03 2009-07-30 Ihi Corp 制振装置における制振体の固有振動数設定方法及び装置
JP2015075199A (ja) * 2013-10-10 2015-04-20 ヤクモ株式会社 同調型吸振器の制振効果向上装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019044532A (ja) 2019-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8044629B2 (en) Self-tuning vibration absorber
JP6830251B2 (ja) 制振装置
JP4968682B2 (ja) 振動低減機構およびその諸元設定方法
Lourenco Design, construction and testing of an adaptive pendulum tuned mass damper
Roffel et al. Adaptive compensation for detuning in pendulum tuned mass dampers
JP6643339B2 (ja) 垂直バネ機構を有する適応性のある振り子ダンパ
EP2195529A2 (en) Windturbine support tower with pendulum-damping means
TWI695128B (zh) 主動慣性阻尼器系統及方法
JP6037888B2 (ja) 制振装置
WO2020260575A1 (en) Damper
JP5207353B2 (ja) 振動制御方法及び振動制御装置
JP2009191961A (ja) 既存大型構造物の制振システム及び制振装置
Ivorra et al. Simple model for predicting the vibration transmission of a squat masonry tower by base forced vibrations
JP2012246998A (ja) 制振装置
JP2011106519A (ja) ダンパーと免制震機構
KR101166258B1 (ko) 건설구조물의 진동제어장치
JPS58217838A (ja) 防振装置
JP6726381B2 (ja) 回転マスダンパの設置構造
JP5361772B2 (ja) 蓋部材の取付構造、免震構造物
JP4043760B2 (ja) 振動防止装置
JP4705653B2 (ja) 制振装置
Hudson et al. Active control of concert-induced vibrations
JP2011017167A (ja) 制振システム
JP4337393B2 (ja) 振動制御方法
JP2683834B2 (ja) 振動減衰装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6830251

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250